JP4335372B2 - データ処理方法,データ処理装置及びデータ記憶媒体 - Google Patents

データ処理方法,データ処理装置及びデータ記憶媒体 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデータ処理方法及びデータ処理装置に関し、特に、デジタル画像データ、デジタルオーディオデータ、その他のデジタルデータ等により表現される情報の不正コピーを制限し、該情報の著作権による保護のための対策、及び該情報の課金制御による利用を可能とするためのデータの送受信処理に関するものである。
さらに、本発明は、上記データの送受信処理をソフトウェアにより行うためのプログラムを格納したデータ記憶媒体、及び上記不正コピーを制限するための処理を施したデジタルデータを格納したデータ記憶媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像データのデジタル化が進展するにつれ、デジタルデータは複製しても画質劣化しないという性質を有することから、デジタルデータにより表される画像の著作権保護が必要となってきている。また、画像の著作権保護は、画像データの利用に対する課金制御にも密接に関係しており、デジタル衛星放送で実用化されている限定受信方式も、画像データに対する著作権保護の方法の一種と考えることができる。
【0003】
以下図面を参考にしながら、上述した、従来の著作権保護方法の一例である、デジタル衛星放送用の限定受信方式(浅田、井上他、“衛星デジタル放送のシステム化技術”、Matsushita Technical Journal Vol.44、No.1、Feb.1998)について説明する。なお、このデジタル衛星放送では、MPEG(Moving Picture Experts Group)2規格に準拠した圧縮方式及び多重方式が用いられる。
【0004】
図9は、従来の限定受信方式の説明図であり、該限定受信方式が採用されているデータ送受信システムを示している。
このデータ送受信システム1000は、画像データ(ビデオデータ)Dvi及びオーディオデータDauをこれらのデータにMPEG2方式の圧縮処理及び多重処理、並びにスクランブル処理を施して送出するデータ送出側装置81と、該データ送出側装置81からのスクランブル処理が施されたデータ(送信データ)Sgを受信して再生するデータ受信側装置91とから構成されている。
【0005】
上記データ送出側装置81は、オーディオデータDauに対してMPEG2方式の圧縮処理を施して圧縮オーディオデータEDauを出力するオーディオエンコーダ82と、ビデオデータDviに対してMPEG2方式の圧縮処理を施して圧縮ビデオデータEDviを出力するビデオエンコーダ83と、上記各エンコーダ82,83から出力されるデータEDau,EDviをそれぞれ一定のビット長でもってパケット化してデータパケットを生成し、複数のデータパケットを多重化して多重ビットストリームMBを出力する多重手段84とを有している。なお、上記圧縮データのパケット化は、1つのパケットには同じ番組のデータのみが格納されるよう、番組毎に区別して行われ、各パケットのヘッダにはいずれの番組のデータを格納しているかを示す番組識別情報が付加される。
【0006】
また、上記データ送出側装置81は、上記多重ビットストリームMBに含まれる各データパケットの所定部分に対して、スクランブル鍵Ks(t)によるスクランブル処理を施して暗号ビットストリームSBを出力するスクランブラ85と、該スクランブル鍵Ks(t)をワーク鍵KWにより暗号化して暗号化スクランブル鍵Ks(t)mを生成し、該暗号化スクランブル鍵Ks(t)mをECM(Entitlement control message)パケットに格納して出力するスクランブル鍵暗号化部86と、該ワーク鍵KWをマスタ鍵KMmにより暗号化して暗号化ワーク鍵KWmを生成し、該暗号化ワーク鍵KWmをEMM(Entitlement management message)パケットに格納して出力するワーク鍵暗号化部87とを有している。
【0007】
さらに、上記データ送出側装置81は、上記暗号ビットストリームSB(データパケット)、ECMパケット及びEMMパケットを多重化して、多重送信データSgを生成するパケット多重化部80を有している。
なお、上記データ送信側装置81は、一定時間毎に更新されるスクランブル鍵Ks(t)を発生するスクランブル鍵発生部(図示せず)、上記ワーク鍵KWを発生するワーク鍵発生部(図示せず)を有している。さらに上記データ送信側装置81は、上記ワーク鍵暗号化部87に供給するマスタ鍵KMmを格納するマスタ鍵格納部(図示せず)を有している。
【0008】
一方、上記データ受信側装置91は、上記多重送信データSgを受け、この多重送信データSgに含まれる暗号ビットストリームSB(データパケット)、ECMパケット及びEMMパケットを分離するパケット分離部90を有している。
【0009】
また、上記データ受信側装置91は、上記EMMパケットに格納されている暗号化ワーク鍵KWmをマスタ鍵KMmにより復号化してワーク鍵KWを生成するワーク鍵復号化部97と、上記ECMパケットに格納されている暗号化スクランブル鍵Ks(t)mを上記ワーク鍵KWにより復号化してスクランブル鍵Ks(t)を生成するスクランブル鍵復号化部96と、上記暗号ビットストリームSBを構成するデータパケットのスクランブル処理が施された部分に対して、上記スクランブル鍵Ks(t)を用いたデスクランブル処理を施して、復号ビットストリームDBを生成するデスクランブラ92とを有している。
【0010】
また、上記データ受信側装置91は、上記復号ビットストリームDBから圧縮オーディオデータEDauと圧縮ビデオデータEDviを分離して抽出する分離手段93と、該圧縮オーディオデータEDauに対して伸長処理を施して再生オーディオデータRDauを生成するオーディオデコーダ94と、上記圧縮ビデオデータEDviに対して伸長処理を施して再生ビデオデータRDviを生成するビデオデコーダ95とを有している。
なお、図示していないが、上記データ受信側装置91は、上記ワーク鍵復号化部に供給するマスタ鍵KMmを格納するマスタ鍵格納部を有している。
【0011】
図10は、多重送信データSgの構成(図(a)),暗号ビットストリームSBを構成するデータパケットの構成(図(b)),ECMパケットの構成(図(c)),EMMパケットの構成(図(d))を示している。
上記多重送信データSgには、例えば、図10(a)に示すように、上記データパケット100a(i)〔i=1,2,3,・・・,6,7,8,・・・〕、ECMパケット110a(t)〔t=1,2,・・・〕、及びEMMパケット120aが含まれている。
【0012】
ここで、上記データパケット100a(1),100a(2) ,100a(3),・・・,100a(6) ,100a(7) ,100a(8)は、上記暗号ビットストリームSBに含まれる、第1番目から第8番目のデータパケットである。なお、上記多重ビットストリームMBは、種々の番組データに対応する圧縮ビデオデータ及び圧縮オーディオデータを格納したデータパケットを含むものである。このため、図10(a)に示す多重送信データSgには、暗号ビットストリームを構成するデータパケット,ECMパケット,及びEMMパケットとして種々の番組データに対応するものが含まれていることは言うまでもない。
【0013】
以下、上記各パケットの構成について簡単に説明する。
上記データパケット100a(i)は、図10(b)に示すように、先頭のヘッダ100と、これに続くデータの属性情報等を示すアダプテーションフィールド101と、その後ろに続くペイロード102と呼ばれるデータ部とから構成されている。上記圧縮オーディオデータEDau及び圧縮ビデオデータEDviは、上記各データパケット100a(i)のペイロード102に格納されており、このペイロード102が、上記各パケット100a(i)における、スクランブル処理が施されたスクランブル処理領域となっている。
【0014】
また、上記ECMパケット110a(t)は、ヘッダ110と、暗号化スクランブル鍵Ks(t)mが格納された鍵格納部111とから構成されている。上記EMMパケット120aは、ヘッダ120と、暗号化ワーク鍵KWmが格納された鍵格納部121とから構成されている。なお、上記スクランブル鍵Ks(t)は時間tの経過とともに更新されるものであり、上記暗号化スクランブル鍵Ks(1)m,Ks(2)mは、例えば、それぞれ時刻t=t1,t=t2に更新されたスクランブル鍵Ks(1),スクランブル鍵Ks(2)をワーク鍵KWにより暗号化したものである。
【0015】
ところで、上記のようなデータ送受信システム1000では、各番組データに対する課金制御を行っている。つまり契約等の必要な有料の番組については、契約を行った特定の視聴者のみが視聴できるよう、該番組データに対してスクランブル処理を施して、特定の番組データに対する一種の著作権保護を行っている。従って、契約等の必要な有料の番組については、契約を行っていない一般視聴者が番組の内容を正常に再生して視聴することが困難となっている。
【0016】
具体的には、上記暗号ビットストリームSBにおける、上記有料の番組に対応するデータパケットのペイロード102にはスクランブル処理が施されており、一般の視聴者が有料の番組を正常に視聴することはできないようになっている。また、各データパケット100a(i)のヘッダ100には、そのペイロード102にスクランブル処理を施されているか否かを示すスクランブル識別子F(i)が付与されている。
【0017】
次に動作について説明する。
上記データ送出側装置81では、種々の番組に対応するビデオデータDvi及びオーディオデータDauが入力されると、これらのデータは、ビデオエンコーダ83及びオーディオエンコーダ82にてそれぞれMPEG2方式の圧縮処理が施されて、圧縮ビデオデータEDvi及び圧縮オーディオデータEDauが生成される。そして、各圧縮データEDvi及びEDauは、多重手段84にて、MPEG2方式の多重処理により一定のパケット長を単位として、つまり一定ビット長毎にデータパケットに格納され、各データパケット100a(i)が多重化されて多重ビットストリームMBとして出力される。
【0018】
上記多重手段84から出力される多重ビットストリームMBがスクランブラ85に入力されると、スクランブラ85にて、該多重ビットストリームMBの、課金制御の対象となる番組データに対応するデータパケット100a(i)のペイロード102にスクランブル処理が施され、上記多重ビットストリームに対応する課金制御ビットストリーム(暗号ビットストリーム)SBが出力される。
【0019】
以下、上記スクランブル処理について詳しく説明する。
上述したように、個々の番組に対応する圧縮オーディオデータEDauと圧縮ビデオデータEDviにパケット単位で多重処理を施して得られる多重ビットストリームMBは、上記スクランブラ85にて、スクランブル鍵Ks(t)に応じたスクランブル処理を施されて、つまり暗号化されて暗号ビットストリームSBとしてパケット多重化部80へ出力される。このとき、上記スクランブル鍵Ks(t)はその発生部(図示せず)にて安全のため数秒〜数十秒間隔で更新される。なお、上述したスクランブル鍵Ks(t)は、時系列データ,つまり一定の時間間隔で更新される上記スクランブル鍵Ks(1),Ks(2)等のスクランブル鍵の集合を示している。
【0020】
このスクランブル鍵Ks(t)はさらに、スクランブル鍵暗号部86にて、ワーク鍵KWに基づいて暗号化される。そして暗号化スクランブル鍵Ks(t)mは、上記暗号ビットストリームを構成するデータパケット100a(i)とは異なるECMパケット110a(t)に格納されてパケット多重化部80へ出力される。
【0021】
また、ワーク鍵KWは、ワーク鍵暗号部87にてデータ処理装置1000の鍵格納部(図示せず)に格納されているマスタ鍵KMmで暗号化される。そして暗号化ワーク鍵KWmは、上記データパケット100a(i)及びECMパケット110a(t)とは別のEMMパケット120aに格納されて上記パケット多重化部80に出力される。なお、このマスタ鍵KMmは、視聴者ごとに異なる鍵であり、あらかじめICカードのような物理的な方法により受信機(データ受信側装置)91に配布され、該装置91の鍵格納部(図示せず)に格納されている。従って、1つのワーク鍵KWは、複数の受信機(視聴者)に対応した、互いに異なる複数のマスタ鍵KMmにより暗号化される。
そして、上記パケット多重化部80では、上記データパケット100a(i),ECMパケット110a(t),EMMパケット120aが多重化され、多重送信データSgとして送出される
【0022】
一方、データ受信側装置(受信機)91では、実時間で放送されるスクランブルされた番組データ並びに暗号化スクランブル鍵Ks(t)mを含む上記多重送信データSgが受信されると、パケット分離部90にて該多重送信データSgから、所要の番組に対応するデータパケット100a(i),ECMパケット110a(t),及びEMMパケット120aが分離される。すると、ワーク鍵復号化部97では、EMMパケット120aに格納されている暗号化ワーク鍵KWmが、この受信機に保持されているマスタ鍵KMmにより復号され、この復号により得られるワーク鍵KWが受信機内に保持される。
【0023】
また、スクランブル鍵復号化部96では、受信機内に保持したワーク鍵KWにより、暗号化スクランブル鍵Ks(t)mの復号が行われ、この復号により得られたスクランブル鍵Ks(t)がデスクランブラ92に出力される。さらにデスクランブラ92では、上記スクランブル鍵Ks(t)を用いて、暗号ビットストリームSBに対して、データパケット100a(i)のペイロード102に対するスクランブル処理を解除するデスクランブル処理が施されて復号ビットストリームDBが生成される。そして分離手段93では、復号ビットストリームDBから、圧縮オーディオデータEDau及び圧縮画像データEDviが抽出される。
【0024】
その後、上記圧縮オーディオデータEDau及び圧縮画像データEDviはそれぞれ、オーディオデコーダ94及びビデオデコーダ95にて伸長処理が施され、該各デコーダ94,95からは再生オーディオデータRDau及び再生画像データRDviが出力される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来のデータ送受信システムの構成では以下のような問題が生ずる。
簡単に説明すると、画像圧縮技術の国際標準として規格化が進められているMPEG4準拠の符号化方式では、1シーン(1フレームに対応する画像) に対応する画像信号を、該シーンを構成する複数の物体(オブジェクト)に対応するよう分割し、各オブジェクト単位で画像信号の圧縮を行う。
【0026】
これに対し、すでに規格化されているMPEG2準拠の符号化方式(以下単にMPEG2ともいう。)では、シーンを構成する画像オブジェクトは1つである。なお、シーンのオブジェクトとしてオーディオオブジェクトまで含めれば、シーンを構成するオブジェクトは画像オブジェクトとオーディオオブジェクトの2つと考えることができるが、音声は画像に付随するものであるため、シーンの再生がシーンに対応する画像の再利用であるという観点から考えると、あくまでMPEG2におけるシーンは画像オブジェクト1つから構成されているものとして捉えることができる。
【0027】
ところで、MPEG4準拠の符号化方式(以下単にMPEG4ともいう。)では、シーンに対応する画像信号を、該シーンを構成するオブジェクト毎に別々に符号化し、またMPEG4対応の復号化方式では、各オブジェクトに対応する符号化データをオブジェクト毎に復号化するため、著作権の管理はシーン全体ではなく、該シーンを構成するオブジェクト毎に行う必要がある。つまり、シーンを構成するオブジェクトによっては、著作権による保護が必要のないコピー可能なものもあり、MPEG4では、オブジェクト単位での著作権管理が必要となる。
【0028】
例えば、著作権保護が必要なオブジェクトが、シーンを構成する複数のオブジェクトの中に1つでも含まれていれば、MPEG2で扱われるデータと同様に、そのシーンを構成するすべてのオブジェクトに対応するオブジェクトデータにスクランブル処理を施すという方法も考えられる。
【0029】
ところが、この場合、各オブジェクトデータに対するスクランブル解除は、すべてのオブジェクトに対応するオブジェクトデータに対して単一の解読処理を施すだけで行われることとなる。しかも、シーンを構成する各オブジェクトに対応するオブジェクトデータは個別に分離可能であるので、各オブジェクトデータに対するスクランブル解除が行われると、上記シーンから著作権保護の対象となっているオブジェクトを抽出することが可能となる。この場合、上記シーンから抽出したオブジェクトを、他のシーンを構成する複数のオブジェクトの1つとして利用するといったことが簡単に行われることとなる。
【0030】
また、MPEG4準拠のデータ送受信システムでは、このように著作権保護の対象となっているオブジェクトが不正に利用された場合でもその不正利用の立証が難しいといったことなどから、オブジェクトの著作権が侵害される事態が増えてしまうという懸念もある。
このように、著作権保護の必要なオブジェクトが含まれるシーンの画像データに対するスクランブル処理を、該シーンを構成するすべてのオブジェクトに対して一律に行うという方法では、MPEG4準拠のデータ送受信システムでは、著作権保護の対象となるオブジェクトの不正利用に対する十分な防御を行うことができないという問題があった。
【0031】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、シーンを構成する複数のオブジェクトのうち、著作権保護の対象となるオブジェクト等、予め設定された特定のオブジェクトに対してのみスクランブル処理を個別に施すことができ、例えば、MPEG4準拠のデータ処理システムにて、著作権保護の対象となるオブジェクトの不正利用に対する十分な防御を行うことができるデータ処理方法及びデータ処理装置を得ることを目的とする。
【0032】
また、本発明は、シーンを構成する複数のオブジェクトに対応するオブジェクトデータを、上記特定オブジェクトに対する不正利用を防御することができるよう処理して送信媒体あるいは記録媒体に出力するデータ処理を、ソフトウェアにより実現するためのプログラムを格納したデータ記憶媒体、及び上記データ送信処理により出力されたデータを記録したデータ記憶媒体を得ることを目的とする。
【0033】
また、本発明は、シーンを構成する複数のオブジェクトのうち、著作権保護が必要な特定オブジェクトに対応する画像データの不正コピーを困難なものとすることができるデータ処理方法及びデータ処理装置を得ることを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データを記録あるいは伝送するデータ処理方法であって、少なくとも、上記複数のオブジェクトのうちの、予め設定された特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータを暗号化する暗号化処理と、その後、上記各オブジェクトデータ及びシーン記述データを記録媒体あるいは伝送媒体へ出力するデータ出力処理と、を含むものである。
【0035】
この発明は上記データ処理方法において、上記データ出力処理では、上記複数のオブジェクトのうちのいずれかに対応するオブジェクトデータが暗号化されているか否かを示す暗号化識別子を、上記シーン記述データに含めて記録媒体あるいは伝送媒体に出力してもよい
【0036】
この発明は上記データ処理方法において、上記データ出力処理では、上記暗号化処理に必要な制御情報を、上記シーン記述データに含めて記録媒体あるいは伝送媒体へ出力してもよい
【0037】
この発明は上記データ処理方法において、上記暗号化処理では、上記シーン記述データ及び複数のオブジェクトデータのうちの、上記特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータのみ暗号化してもよい
【0038】
この発明は上記データ処理方法において、上記暗号化処理では、複数の特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータを暗号化し、この際、各オブジェクトデータの暗号化に必要な制御情報として、上記複数の特定オブジェクトの各々に対応した、互いに種類の異なる複数の制御情報を用いてもよい
【0039】
この発明は上記データ処理方法において、上記暗号化処理では、上記オブジェクトデータの暗号化開始後の時間経過に伴って、該暗号化処理に必要な制御情報の種類を変更してもよい
【0040】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データを記録あるいは伝送するデータ処理方法であって、上記シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応するオブジェクトデータを圧縮して圧縮オブジェクトデータを出力する圧縮処理と、次に、少なくとも上記複数のオブジェクトのうちの、予め設定された特定オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータを順次、各特定オブジェクトに対応した暗号化のための制御情報を用いて暗号化する暗号化処理と、その後、上記各オブジェクトデータ及びシーン記述データを記録媒体あるいは伝送媒体へ出力するデータ出力処理と、を含み、上記暗号化処理では、暗号化の対象となっている対象オブジェクトに対応する制御情報を、該対象オブジェクトの前に既にそのオブジェクトデータの暗号化が行われた暗号化済みオブジェクトに対応する制御情報により暗号化し、この暗号化された制御情報を該暗号化済みオブジェクトに対応するオブジェクトデータに付加するものであってもよい
【0041】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データを記録あるいは伝送するデータ処理方法であって、上記シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応するオブジェクトデータを圧縮して圧縮オブジェクトデータを出力する圧縮処理と、次に、少なくとも上記複数のオブジェクトのうちの、予め設定された特定オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータを順次、暗号化のための第1の制御情報を用いて暗号化する暗号化処理と、その後、上記各圧縮オブジェクトデータ及びシーン記述データを記録媒体あるいは伝送媒体へ出力するデータ出力処理と、を含み、上記暗号化処理を、上記第1の制御情報を、暗号化のための第2の制御情報により暗号化する処理と、該暗号化された第1の制御情報を、上記特定オブジェクトの数に対応するよう複数の部分情報に分割する処理と、該各部分情報を、これが対応する各特定オブジェクトのオブジェクトデータに付加する処理と、を含む構成であってもよい
【0042】
この発明に係るデータ処理装置は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データを記録あるいは伝送するデータ処理装置であって、上記各オブジェクトに対応させて設けられ、該各オブジェクトデータを圧縮して圧縮オブジェクトデータを出力する複数のデータ圧縮手段と、上記シーン記述データ及び各圧縮オブジェクトデータを個別ストリームとして多重化して多重ビットストリームを出力する多重手段と、上記多重ビットストリームに対して、上記複数のオブジェクトのうちの、予め設定された特定オブジェクトに対応する個別ストリームを暗号化する暗号化処理を施して、暗号化ビットストリームを生成する暗号化手段と、を備え、該暗号化ビットストリームをデータ記録媒体あるいはデータ伝送媒体に出力するものである。
【0043】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対するオブジェクトデータを暗号化する暗号化処理を施して得られた暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生するデータ処理方法であって、上記シーン記述データ及び各オブジェクトデータが暗号化処理の施されたものであるか否かを判定し、該判定結果に応じて、上記暗号化ビットストリームに対して、暗号化されたデータに対する暗号復号及び各オブジェクトデータの表示を含む再生処理を施すものであってもよい
【0044】
この発明に係るデータ処理装置は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、予め設定された特定オブジェクトに対するオブジェクトデータを暗号化する暗号化処理を施して得られた暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生するデータ処理装置であって、第1の制御信号に基づいて、上記暗号化ビットストリームに対して、暗号化されたシーン記述データあるいはオブジェクトデータを復号する暗号復号処理を施して復号データを生成する暗号復号手段と、第2の制御信号に基づいて、上記復号データによる上記シーンの表示を行う表示手段と、上記暗号化ビットストリームを受け、上記シーン記述データ及び各オブジェクトデータが暗号化処理の施されたものであるか否かに応じて、暗号化されたデータに対する暗号復号及び各オブジェクトデータの表示を含む再生処理が行われるよう、上記暗号復号手段及び表示手段を、上記第1及び第2の制御信号により制御する制御手段とを備えたものであってもよい
【0045】
この発明に係るデータ記憶媒体は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトがシーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対するデータ処理をコンピュータにより行うためのデータ処理プログラムを記憶したデータ記憶媒体であって、上記データ処理プログラムを、少なくとも上記複数のオブジェクトのうちの、予め設定された特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータを暗号化する処理、その後、上記各オブジェクトデータ及びシーン記述データを記録媒体あるいは伝送媒体へ出力する処理を、上記コンピュータが行うよう構成したものである。
【0046】
この発明に係るデータ記憶媒体は、シーンを再生するためのデジタルデータが記録されたデータ記憶媒体であって、上記デジタルデータを、上記シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データを含み、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータに対して暗号化処理を施して得られたデータとしたものであってもよい
【0047】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対するオブジェクトデータを暗号化する暗号化処理を施して得られた暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生するデータ処理方法であって、上記特定オブジェクトに対応する暗号化されたオブジェクトデータを再生可能か否かを検出し、上記暗号化されたオブジェクトデータが再生可能な状態であるときのみ、上記特定オブジェクトに対応する暗号化されたオブジェクトデータに対する暗号復号及び上記各オブジェクトデータの表示を含む、上記すべてのオブジェクトデータに対する再生処理を行うものであってもよい
【0048】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータを圧縮して複数の圧縮オブジェクトデータを生成し、該圧縮オブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータを暗号化する暗号化処理を施して得られた暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生するデータ処理方法であって、上記特定オブジェクトに対応する暗号化された圧縮オブジェクトデータが再生可能な状態か否かを検出し、上記暗号化された圧縮オブジェクトデータが再生可能な状態であるときのみ、上記特定オブジェクトに対応する暗号化された圧縮オブジェクトデータに対する暗号復号、並びに上記各圧縮オブジェクトデータの伸長及び表示を含む、上記すべてのオブジェクトデータに対する再生処理を行うものであってもよい
【0049】
この発明は上記データ処理方法において、上記暗号化されたオブジェクトデータの再生可能状態を、上記特定オブジェクトに対応する暗号化された圧縮オブジェクトデータをすべて、上記記録媒体から読み出し可能であるかあるいは伝送媒体を介して受信可能である状態としたものであってもよい
【0050】
この発明は上記データ処理方法において、上記暗号化されたオブジェクトデータの再生可能状態を、上記シーン記述データを上記記録媒体から読み出したあるいは伝送媒体を介して受信した状態であって、上記特定オブジェクトに対応する暗号化された圧縮オブジェクトデータをすべて、上記記録媒体から読み出し可能であるかあるいは伝送媒体を介して受信可能である状態としたものであってもよい
【0051】
この発明は上記データ処理方法において、上記暗号化されたオブジェクトデータの再生可能状態を、上記シーン記述データを上記記録媒体から読み出したあるいは伝送媒体を介して受信した状態であって、上記特定オブジェクトに対応する暗号化された圧縮オブジェクトデータを含むすべてのオブジェクトデータを、上記記録媒体から読み出し可能であるかあるいは伝送媒体を介して受信可能である状態としたものであってもよい
【0052】
この発明は上記データ処理方法において、上記暗号化されたオブジェクトデータの再生可能状態を、上記シーン記述データ及び上記シーンを構成するすべてのオブジェクトデータを上記記録媒体から読み出したあるいは伝送媒体から受信した状態としたものであってもよい
【0053】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータを圧縮して圧縮オブジェクトデータを生成し、該圧縮オブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータを暗号化する暗号化処理を施して得られた暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生するデータ処理方法であって、上記暗号化ビットストリームに対して上記暗号化処理を解除する暗号復号処理を施して上記特定オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータを生成するデータ生成処理と、上記シーンを構成するすべての圧縮オブジェクトデータを伸長して復元オブジェクトデータを生成する伸長処理と、を含み、該伸長処理では、該すべてのオブジェクトに対応する復元オブジェクトデータの、参照メモリに対する書き込み及び読み出しを行うとともに、上記メモリへの書き込みの際にはすべての復元オブジェクトデータに対して二次的な暗号化処理を施し、かつ該メモリからの読み出しの際には、読み出された復元オブジェクトデータに対して、上記二次的な暗号化処理を解除するための暗号復号処理を施すものであってもよい
【0054】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータを圧縮して圧縮オブジェクトデータを生成し、該圧縮オブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータを暗号化する暗号化処理を施して得られた暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生するデータ処理方法であって、上記暗号化ビットストリームに対して上記暗号化処理を解除する暗号復号処理を施して上記特定オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータを生成するデータ生成処理と、上記シーンを構成するすべての圧縮オブジェクトデータを伸長して復元オブジェクトデータを生成する伸長処理と、を含み、上記伸長処理では、該各オブジェクトに対応する復元オブジェクトデータを、各オブジェクトに対応する参照メモリへ書き込むとともに、必要に応じて対応する参照メモリから読み出し、さらに上記メモリへの書き込みの際に復元オブジェクトデータに対して二次的な暗号化処理を施し、かつ該メモリからの読み出しの際には、読み出された復元オブジェクトデータに対して、上記二次的な暗号化処理を解除するための暗号復号処理を施すデータ処理を、上記各メモリ毎に独立して行うものであってもよい
【0055】
この発明に係るデータ処理装置は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータを圧縮して圧縮オブジェクトデータを生成し、該圧縮オブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータを暗号化する暗号化処理を施して得られた暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生するデータ処理装置であって、上記暗号化ビットストリームに対して上記暗号化処理を解除する暗号復号処理を施して復号データを生成する暗号復号手段と、上記各オブジェクトに対応させて設けられ、上記復号データに含まれる、対応するオブジェクトの圧縮オブジェクトデータに対して伸長処理を施して伸長オブジェクトデータを生成する複数のデータ伸長手段と、上記各オブジェクトに対応させて設けられ、対応するオブジェクトの伸長オブジェクトデータを記憶する複数のメモリとを備え、上記各データ伸長手段を、上記伸長オブジェクトデータを上記対応するメモリに出力する際、該伸長オブジェクトデータに二次的な暗号化処理を施す暗号化部と、上記メモリから読み出された伸長オブジェクトデータに対して、上記二次的な暗号化処理を解除する暗号復号処理を施す暗号復号部とを有する構成としたものであってもよい
【0056】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータを暗号化する暗号化処理を施して得られる暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して、画像データの表示を含む暗号化ビットストリームの再生を行うデータ処理方法であって、上記暗号化ビットストリームからシーン記述データを抽出し、該シーン記述データに基づいて、上記特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータ単独での画像表示を制限するものであってもよい
【0057】
この発明に係るデータ処理方法は、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する、画像データあるいはオーディオデータとしてのオブジェクトデータを含む複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータを暗号化する暗号化処理を施して得られた暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して、画像データの表示を含む暗号化ビットストリームの再生を行うデータ処理方法であって、上記特定オブジェクトに対応する暗号化されたオブジェクトデータがすべて暗号復号されたか否かを判定し、上記特定オブジェクトに対応する暗号化されたオブジェクトデータがすべて暗号復号されたときのみ、上記特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータの画像表示を行うものであってもよい
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1によるデータ処理装置の構成を説明するためのブロック図である。
本実施の形態1のデータ処理装置1001は、MPEG4準拠の符号化方式により画像信号Dgに対して符号化処理,暗号化処理及び多重処理を施し、これらの処理により得られる送信データSgを出力する構成のデータ送信側装置である。なお、このデータ処理装置1001に入力される画像信号は、種々の番組に対応した動画に対応するものであり、各番組に対応する画像信号の符号化処理は、時分割で行われるようになっている。またこのデータ処理装置1001は、動画の各フレーム(1シーン)に対応する画像信号Dgに対して、各シーンを構成する個々のオブジェクト毎に符号化処理(圧縮処理)を施す構成となっている。
【0059】
以下詳述すると、このデータ処理装置1001は、上記シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応して設けられ、各オブジェクトに対応するオブジェクトデータを圧縮する複数のオブジェクト圧縮手段と、上記シーンに対応する画像信号Dgに基づいて、上記各オブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データDsdを生成して送出するシーン記述送出手段10とを有している。また、上記データ処理装置1001は、上記シーンに対応する画像信号Dgに基づいて、該シーンを構成する各オブジェクトに対応する画像データ(オブジェクトデータ)を生成するオブジェクトデータの生成部(図示せず)を有している。
【0060】
図2は上記動画の1シーン(図(a))及びその階層構造(図(b))を示しており、ここでは、シーン20は、6つのオブジェクト,第1〜第6のオブジェクト21〜26から構成されている。この場合、上記データ処理装置1001では、第1〜第6のオブジェクト21〜26に対応するオブジェクトデータDo1〜Do6は、それぞれ第1〜第6のオブジェクト圧縮手段により圧縮され、各圧縮手段から第1〜第6のオブジェクト21〜26に対応する圧縮オブジェクトデータEDo1〜EDo6が出力される。なお、図1に示す、オブジェクト(1)圧縮手段11,オブジェクト(2)圧縮手段12,・・・,及びオブジェクト(6)圧縮手段16は、それぞれ上記第1,第2,・・・,第6のオブジェクト圧縮手段である。従って、このデータ処理装置1001では、最大6つのオブジェクトを含む動画像に対応する画像信号に対する符号化処理が可能となっている。
【0061】
また、データ処理装置1001は、上記各圧縮手段11〜16からの圧縮オブジェクトデータEDo1〜EDo6及びシーン記述データDsdを、制御信号に基づいて、一定サイズのビット長を単位としてパケット化して多重化し、多重ビットストリームMBを出力する多重手段17と、制御信号に基づいて、該多重ビットストリームMBに対してスクランブル処理及びパケット多重化処理を施して図9に示すパケット多重化部80の出力に相当する送信データを伝送媒体19aあるいは記録媒体19bに出力する送信側著作権保護装置18とを有している。ここで、この送信側著作権保護装置18は、多重ビットストリームMBの暗号化処理を行うスクランブル手段18aと、上記各制御信号を出力するCPU(中央演算処理装置)18bとから構成されている。
【0062】
上記スクランブル手段18aは、上記多重ビットストリームMBの暗号化処理として、1シーンを構成する複数のオブジェクト(n)のうちの、著作権保護の対象となっている被保護オブジェクト(予め設定された特定オブジェクト)に対応する圧縮オブジェクトデータ(n)を、該各被保護オブジェクトに対応するスクランブル鍵Ks(n')により暗号化する処理を行う構成となっている。また、上記CPU18bは、上記多重手段17及びスクランブル手段18aを制御する処理に加えて、上記スクランブル鍵Ks(n')をワーク鍵KWにより暗号化して暗号化スクランブル鍵Ks(n')mを生成する処理、及びワーク鍵KWをマスタ鍵KMmにより暗号化して暗号化ワーク鍵KWmを生成する処理を行うよう構成されている。ここで、上記マスタ鍵KMmは、所定の番組に対してその視聴契約を行った契約視聴者毎に異なるものであり、各契約視聴者に対応するマスタ鍵KMmのすべてはデータ処理装置1001の鍵記憶部(図示せず)に格納されている。
【0063】
また、上記CPU18bは、予めデータ処理装置1001の利用者により設定されてデータ処理装置1001の情報格納部(図示せず)に格納されている保護指定情報に基づいて、各オブジェクトに対応するオブジェクト記述子OD1〜OD5(図4(b)参照)におけるアクセス権情報として、コピー禁止あるいはコピー可を示す保護フラグを設定するようになっている。
【0064】
なお、上記図2に示すシーン20について補足説明すると、図2(a)には、動画像の1フレームの画像であるシーン20が示されており、このシーン20を構成するオブジェクト21〜26は、図2(b)に示すように3つの階層L1〜L3のいずれかに属するようグループ分けされている。つまり、上位の第1階層L1には、背景としての画像オブジェクト21とオーディオオブジェクト22が属し、その下位側の第2階層L2には、前景としての画像オブジェクト23と文字オブジェクト26が属し、さらにその下位側の第3階層L3には、前景としての画像オブジェクト23に付随する2つの画像オブジェクト24,25が属している。
【0065】
次に作用効果について説明する。
MPEG4準拠の符号化方式では、図2に示すようにシーン(1フレームなどの画像)20に対応する画像データDgを送信する際、該画像データDgは、そのシーンを構成する物体(オブジェクト)に対応するよう分割される。そして、各オブジェクトに対応する画像データ(オブジェクトデータ)Do1,Do2,・・・,Do6は、オブジェクト毎に圧縮処理が施される。
【0066】
具体的には、データ送信側のデータ処理装置1001では、例えば、シーン20を構成するオブジェクト21〜26に対応するオブジェクトデータ(具体的には画像データ,オーディオデータ,文字データ)Do1,Do2,・・・,Do6は、対応するオブジェクト圧縮手段11,12,・・・,16にてオブジェクト毎に別々に圧縮されて、圧縮オブジェクトデータEDo1,EDo2,・・・,EDo6として出力される。
【0067】
また、送信側のデータ処理装置1001では、シーン記述送出手段10により、上記シーン20に対応する画像データDgに基づいて、上記各オブジェクト21〜26がどのように上記シーン20を構成するかを記述したシーン記述データDsdが生成される。このシーン記述データDsdにより、上記シーン20を構成するオブジェクトの個数,表示位置,表示タイミングなどがデータ受信側のデータ処理装置に伝えられる。
【0068】
そして、上記圧縮オブジェクトデータEDo1,EDo2,・・・,EDo6及びシーン記述データDsdが上記多重手段17に入力されると、該多重手段17では、これらのデータに対してパケット化処理が施されて複数のデータパケットが生成される。さらに上記多重手段17では、各データパケットを、伝送路(伝送媒体)19aあるいは記憶媒体19bに対して最適なフォーマットになるよう多重化する多重処理が行われて多重ビットストリームMBが出力される。ここで、上記パケット化処理は、上記各データEDo1,EDo2,・・・,EDo6,Dsdを一定ビット長毎に分割して複数のデータパケットに格納する処理である。
【0069】
図3(a)は、上記多重ビットストリームMBの一例を示している。通常、多重ビットストリームMBでは、その先頭部分にシーン記述データDsdを格納したデータパケットが配置され、これに続いて、各オブジェクト21〜25に対応する圧縮オブジェクトデータEDo1〜EDo5を格納したデータパケットが繰り返し配置されている。上記データパケットのサイズとしては、伝送媒体もしくは記憶媒体に応じて最適なサイズが選択されるが、すべてのオブジェクトに対してパケットサイズを一定としても、オブジェクト毎にパケットサイズを変えるようにしてもよい。また、上記パケットサイズは、時間の経過に伴って変更するようにしてもよい。
【0070】
また、上記文字オブジェクト26に対応する圧縮オブジェクトデータEDo6は、これに対応するビット列が他のオブジェクトに対応するものに比べて短いため、上記多重ビットストリームMBでは、上記シーン記述データDsdの格納されているデータパケット内に挿入されている。
【0071】
例えば、データパケットPsdにはシーン記述データDsd及び圧縮オブジェクトデータEDo6が格納されている。データパケットP(1)o1,P(2)o1には圧縮オブジェクトデータEDo1が格納されている。データパケットP(1)o2,P(2)o2には圧縮オブジェクトデータEDo2が格納されている。データパケットP(1)o5には圧縮オブジェクトデータEDo5が格納されている。
【0072】
そしてさらに、上記多重ビットストリームMBが上記送信側著作権保護装置18に入力されると、該装置18では、CPU18bからの制御信号により、該多重ビットストリームMBに対して、オブジェクト毎に選択的にスクランブル処理が施され、図9に示すパケット多重化部80の出力に相当する送信データSg(図10(a)参照)が伝送媒体19aあるいは記憶媒体19bに出力される。ここでは、シーン記述データDsd及び画像オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータEDo1,EDo3,EDo4,EDo5に対して、それぞれ異なるスクランブル処理を施し、オーディオオブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータEDo2にはスクランブル処理を施さないようにしている。この場合、オーディオオブジェクト(2)に対応する圧縮オブジェクトデータEDo2はデスクランブル処理を施さずに再生可能であり、再生後には簡単に複製することができる。
【0073】
図3(b)は、上記送信データSgに含まれる暗号ビットストリームSBの一例を示している。
この暗号ビットストリームSBでは、上記多重ビットストリームMBと同様、その先頭部分に、シーン記述データDsdを格納したデータパケットP’sdが配置され、これに続いて、各圧縮オブジェクトデータEDo1,EDo2,・・・,EDo5を格納したデータパケットP’(1)o1,P’(2)o1,P(1)o2,P(2)o2,・・・,P’(1)o5が繰り返し配置されている。
【0074】
そして、この暗号ビットストリームSBでは、著作権保護の対象となるオブジェクト(1),(3),(4),(5)に対応する各データパケットのデータ部(圧縮オブジェクトデータEDo1,EDo3,EDo4,EDo5が格納されている領域)にはスクランブル処理が施されている。また、シーン記述データDsdを格納したデータパケットのデータ領域にもスクランブル処理が施されている。
【0075】
例えば、データパケットP’sdは、ヘッダHsdと、これに続くシーン記述データDsdを格納したデータ部Rsdとからなり、該データ部Rsdにはスクランブル処理が施されている。また、データパケットP’(1)o1,P’(1)o5は、それぞれヘッダHo1,Ho5と、圧縮オブジェクトデータEDo1,EDo5を格納したデータ部Ro1,Ro5からなり、該データ部Ro1,Ro5にはスクランブル処理が施されている。また、著作権保護の対象ではないオブジェクト(2)に対応する各データパケットP(2)o2は、ヘッダHo2と、圧縮オブジェクトデータEDo2を格納したデータ部Ro2からなり、該データ部Ro2にはスクランブル処理は施されていない。なお、上記データ部Rsd,Ro1,Ro2,Ro5は、図10(b)に示すデータパケット100a(i)のペイロード102に相当しており、図3(b)に示すデータパケットでは、該データパケット100a(i)のアダプテーションフィールド101に相当する部分は省略している。
【0076】
この図3(b)ではドット表示,斜線表示を用いて、シーン記述データDsd、圧縮オブジェクトデータEDo1、及び圧縮オブジェクトデータEDo5に対するスクランブル処理が異なっていることを示している。
【0077】
このような圧縮オブジェクトデータが1シーンの各オブジェクト毎に別々にパケット化されている暗号ビットストリームSDでは、1シーンに対応する圧縮画像データが単にパケット化されている従来の暗号ビットストリームに比べて以下のような効果がある。
【0078】
つまり、従来例では、スクランブル処理(暗号化処理)の対象となるストリームがシーンに対応する圧縮画像データ1つであったため、スクランブル処理の制御としては、シーンを構成するすべてのオブジェクトに対してスクランブル処理を施すか否か画一的な制御しか行うことができなかった。これに対し、上記実施の形態1では、スクランブル処理(暗号化処理)の対象となるストリームとして、シーンを構成する各オブジェクトに対応する複数の圧縮画像データがあるため、圧縮オブジェクトデータに対するスクランブル処理をオブジェクト毎に選択的に行うことができ一般に流通しているコピー制限のない画像オブジェクトやオーディオオブジェクトなどを、著作権保護が必要なオブジェクトと区別して、これらのオブジェクトに対しては、その圧縮オブジェクトデータのスクランブル処理による保護を行わないようにすることが可能となる。
【0079】
図4は、MPEG4におけるシーン記述データの一例を示す説明図である。MPEG4におけるシーン記述(各オブジェクトによりどのようにシーンが構成されるかを示す記述)は、記述子として、シーン記述子SDとオブジェクト記述子OD1〜OD5を含んでおり、シーン記述子SDにより図2(b)に示すシーン20の階層構造が表現されている(図4(a)参照)。
【0080】
すなわち、上記シーン記述子SDには以下の内容が示されている。つまり、標記「2Dオブジェクト」A1により、上記第1の階層L1にはビデオオブジェクト21とオーディオオブジェクト22が含まれ、かつ標記「2Dオブジェクト」A2により示される第2の階層L2が存在することが示されている。また、標記「2Dオブジェクト」A2により、上記第2の階層L2にはテキストオブジェクト26とビデオオブジェクト23が含まれ、かつ標記「2Dオブジェクト」A3により示される第3の階層L3が存在することが示されている。さらに、標記「2Dオブジェクト」A3により、上記第3の階層L3にはビデオオブジェクト24とビデオオブジェクト25が含まれていることが示されている。ここで上記各標記「2Dオブジェクト」A1〜A3は、それぞれに対応する階層L1〜L3に含まれるオブジェクトが二次元オブジェクトであることを示している。
また、上記シーン記述子SDには、各オブジェクト21〜25に対応する{オブジェクト記述子(1)}OD1〜{オブジェクト記述子(5)}OD5が含まれている。
【0081】
ここで、例えば、オブジェクト記述子(1)には、これに対応するオブジェクト21のオブジェクト番号が1であり、ストリームタイプがMPEG4ビデオであり、アクセス権情報がコピー禁止となっていること等が示されている。また、オブジェクト記述子(2)には、これに対応するオブジェクト22のオブジェクト番号が2であり、ストリームタイプがMPEG4オーディオであり、アクセス権情報がコピー可能となっていること等が示されている。その他のオブジェクト記述子(3)〜(5)にも、図4に示すように上記と同様、オブジェクト番号、ストリームタイプ、及びアクセス権情報等が示されている。なお上記オブジェクト番号は、これにより上記多重ビットストリームMBにおける個々のオブジェクトに対応するストリーム(つまり、データパケットに格納されている圧縮オブジェクトデータ)を特定するためのものである。
【0082】
本実施の形態1の送信側データ処理装置1001では、各オブジェクト記述子にアクセス権情報を付加しているので、受信側データ処理装置(復号装置)では、上記暗号ビットストリームSBを直接調べて、いずれのオブジェクトに対応するストリームにスクランブルがかかっているかどうかを判定する必要がなくなり、またコピー可能なオブジェクトのみそのストリームを上記暗号ビットストリームSBから抽出するといった操作を容易にすることが可能となる。
【0083】
次に図5を用いて、上記データ処理装置1001における送信側著作権保護装置18によるスクランブル処理及び多重化処理を説明する。
図5に示すフローチャートは、著作権保護装置18が、多重ビットストリームMB(図3(a)参照)に対してスクランブル処理及び多重化処理を施して、暗号ビットストリームSB(図3(b)参照)を含む送信データSgを生成する処理を示している。
【0084】
なお、スクランブル処理の具体的方式には従来例と同様の方式を用いている。ただし、この実施の形態のスクランブル処理は、従来のデータ処理装置におけるスクランブル処理とは以下の点で異なる。つまりMPEG4の多重ビットストリームは、シーンを構成する各オブジェクト毎にストリーム(圧縮オブジェクトデータ)が分かれているため、スクランブル鍵Ks(t)を著作権保護の対象となる被保護オブジェクトの数(n')だけ発生し、各被保護オブジェクトに対するストリーム(圧縮オブジェクトデータ)に対して、対応するスクランブル鍵によるスクランブル処理を施す点である。この場合、スクランブル鍵は時間tとオブジェクト数(n')の2つの変数により定義され、n’番目に処理される被保護オブジェクトに対する時刻tにおけるスクランブル鍵は、厳密にはスクランブル鍵Ks(n',t)として表されるが、以下の説明では記述を簡単にするため、n’番目に処理される被保護オブジェクトに対するスクランブル鍵は、時間に拘わらずスクランブル鍵Ks(n')として表す。
【0085】
すなわち、データ処理装置1001の鍵格納部からワーク鍵KWがCPU18bに入力されると(ステップ501)、CPU18bでは該ワーク鍵KWが、鍵格納部からの各視聴者に対応するマスタ鍵KMmにより暗号化され、暗号化ワーク鍵KWmがEMMパケットに格納されてスクランブル手段18aに送出される(ステップ502)。次に、CPU18bでは、スクランブル鍵Ks(0),Ks(1)が生成される(ステップ503)。すると、CPU18bでは、上記スクランブル鍵Ks(0)が上記ワーク鍵KWにより暗号化され、暗号化スクランブル鍵Ks(0)mがECMパケットに格納されてスクランブル手段18aに送出される(ステップ504)。
【0086】
続いて、多重ビットストリームMBのシーン記述データDsdに含まれるシーン記述子SD及びオブジェクト記述子OD1〜OD5が、スクランブル手段18aを介してCPU18bに入力される(ステップ505)。すると、オブジェクト毎に、オブジェクト記述子OD1〜OD5にアクセス権情報として保護フラグが設定される(ステップ506)。つまり、著作権保護の対象となる被保護オブジェクト(1),(3)〜(5)のオブジェクト記述子OD1,OD3〜OD5には保護フラグが設定され、そのアクセス権情報はコピー禁止となる。一方、著作権保護の必要のないオブジェクト(2)のオブジェクト記述子OD2には、保護フラグが設定されず、そのアクセス権情報はコピー可となる。このとき、CPU18bにはいずれのオブジェクトのオブジェクト記述子に保護フラグを設定するかを示す保護指定情報P(n)が供給される。なお、この保護指定情報P(n)は、予めデータ処理装置1001の利用者により設定されており、データ処理装置1001の情報格納部(図示せず)に格納されている。
【0087】
次に、CPU18bでは、スクランブル鍵Ks(1)がスクランブル鍵Ks(0)により暗号化され、図3(b)に示すように、暗号化スクランブル鍵Ks(1)mがシーン記述データのヘッダHsdに付加される(ステップ507)。さらに、スクランブル手段18aでは、シーン記述データが格納されているデータパケットのデータ部Rsdがスクランブル鍵Ks(0)により暗号化されて出力される(ステップ508)。
その後、CPU18bでは、カウント値n,n′がそれぞれ1に設定される(ステップ509)。
【0088】
ここで、カウント値nは、シーンの構成する複数のオブジェクトのうちのオブジェクト番号に相当するものであり、送信側著作権保護装置18による各オブジェクトデータに対する処理は、このオブジェクト番号の順番で行われる。また上記カウント値n′は、被保護オブジェクトの暗号化処理の度に発生されるスクランブル鍵の発生回数に相当するものである。従って、オブジェクトデータnは、オブジェクト番号(n)に対応するオブジェクトデータ,つまりオブジェクト記述子(n)により表されるオブジェクトのオブジェクトデータであり、スクランブル鍵Ks(n')は、スクランブル処理の開始後、n’回目に発生されたものである。
【0089】
次に、パケットデータ(パケットに格納されているオブジェクトデータ)がCPU18bに入力されると(ステップ510)、CPU18bでは、入力されたパケットデータが新しいオブジェクトに対応するものであるか否かの判定が行われる(ステップ511)。これが新しいオブジェクトに対応するものでなければ、CPU18bではさらにこれが著作権保護の対象となっているオブジェクトに対応するものであるか否かの判定が行われる(ステップ512)。
【0090】
その判定の結果、このパケットデータが著作権保護の対象となっているオブジェクトに対応するものであれば、CPU18bでは、圧縮オブジェクトデータ(n)が上記スクランブル鍵Ks(n')により暗号化されて暗号オブジェクトデータが出力される(ステップ513)。具体的には、圧縮オブジェクトデータ(n)が格納されているデータパケットのデータ部に対して上記スクランブル鍵Ks(n')によるスクランブル処理が施される。その後、CPU18bでは、スクランブル処理の開始後あるいは前回のスクランブル鍵Ks(n')の更新後、一定時間が経過したか否かの判定が行われる(ステップ520)。
【0091】
一方、上記ステップ512での判定の結果、パケットデータが保護対象となっているオブジェクトに対応するものでなければ、CPU18bでは、直ちに上記ステップ520での一定時間経過の判定が行われる。
【0092】
また、上記ステップ511での判定の結果、上記パケットデータが新しいオブジェクトに対応するものであれば、さらにCPU18bでは、上記パケットデータが著作権保護の対象となっているオブジェクトに対応するものか否かの判定が行われる(ステップ514)。この判定の結果、上記パケットデータが保護対象オブジェクトに対応するものであれば、CPU18bでは、この新たな保護対象オブジェクトに対応するスクランブル鍵Ks(n'+1) が生成される(ステップ515)。そして、CPU18bでは、スクランブル鍵Ks(n'+1) がスクランブル鍵Ks(n')により暗号化され、暗号化スクランブル鍵Ks(n'+1)mがスクランブル手段18aに出力される。また、スクランブル手段18aでは、暗号化スクランブル鍵Ks(n'+1)mが圧縮オブジェクトデータ(n)を格納しているデータパケットのヘッダに付加される(ステップ516)。
そして、スクランブル手段18aでは、圧縮オブジェクトデータ(n)を格納したデータパケットのデータ部に対して、スクランブル鍵Ks(n')を用いたスクランブル処理(暗号化処理)が施される(ステップ517)。
【0093】
このようにすることにより、暗号ビットストリームSB(図3(b)参照)中から単一のオブジェクトに対応する暗号化オブジェクトデータ(つまりデータ部にスクランブル処理が施されたデータパケットに格納されている圧縮オブジェクトデータ)を取り出しても、そのスクランブルを解くことが不可能となる。
【0094】
具体的には、オブジェクト(4)に対するスクランブルを解くためにはオブジェクト(4)に対するスクランブル鍵が必要であるが、そのスクランブル鍵はオブジェクト(3)のストリームにある。オブジェクト(3)のストリーム(データパケット)のヘッダ中に存在するオブジェクト4のスクランブル鍵はオブジェクト3のスクランブル鍵で暗号化されているので、オブジェクト3のスクランブル鍵が必要になる。すなわちオブジェクト(n)に対するスクランブルを解くためにはオブジェクト(n−1)以下のすべてのオブジェクトに対応するストリームが必要になる。こうすることによって、所定のオブジェクトデータ以前に伝送されたすべての著作権保護されたオブジェクトデータがないと、上記所定のオブジェクトに対するスクランブルを解くことができなくなり、これによりオブジェクトの単独抽出を防止している。各被保護オブジェクトに対応するスクランブル鍵は、安全のため従来例と同様に一定時間毎に更新される。なお、このスクランブル鍵の更新は、少なくとも、シーン(1フレームに対応する画像)に対応するスクランブル処理に要する時間を最小単位として行われる。
そして、CPU18bでは、カウント値n,n′のインクリメントが行われて(ステップ518)、一定時間経過の判定が行われる(ステップ520)。
【0095】
一方、上記ステップ514での判定の結果、パケットデータが被保護オブジェクトに対応するものでなければ、CPU18bでは、直ちにカウント値nのインクリメントが行われて(ステップ519)、一定時間経過の判定が行われる(ステップ520)。
【0096】
そして、上記ステップ520での判定の結果、一定時間が経過していれば、ステップ521にてスクランブル鍵Ks(0),Ks(1)の更新が行われて、その後、上記ステップ504〜520の処理が再度行われる。また、上記ステップ520での判定の結果、一定時間が経過していなければ、CPU18bでは、すべてのパケットデータの処理が終了したか否かの判定が行われ(ステップ522)、終了していなければ、著作権保護装置18によるステップ510〜522の処理が再度行われ、終了しておれば、著作権保護装置18によるスクランブル処理が終了する。
【0097】
このように本実施の形態1では、シーンを構成する複数のオブジェクトのうちの、著作権保護の対象となる被保護オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータEDo1,EDo3〜EDo5に対して、所定の暗号化鍵による暗号化処理を施し、その後、上記各圧縮オブジェクトデータEDo1〜EDo6及びシーン記述データDsdを記録あるいは伝送するので、オブジェクトデータに対する暗号化処理を、著作権保護の対象となる被保護オブジェクトに対して選択的に施すことができる。
【0098】
また、シーン記述データ中に著作権保護するかどうかを示す各オブジェクトに対応するフラグ(アクセス権情報)を含めているので、データ読出側あるいはデータ受信側では、各オブジェクトデータを実際に受信するまでに、暗号復号処理が必要か否かの判断を行うことができ、オブジェクトデータの再生処理の簡略化及び高速化を図ることができる。
【0099】
また、上記暗号化処理のための所定の暗号化鍵(スクランブル鍵Ks(n'))を、上記シーン記述データに含めて記録あるいは伝送するので、暗号化されたオブジェクトデータとともに暗号化鍵もデータ受信側に伝送されることとなる。このためデータ受信側では、予め暗号化鍵を保持する必要がなくなる。例えば、データの記録側あるいは伝送側での暗号化処理を、多数の暗号化鍵を用いる暗号強度の高いものとしても、データ読出側あるいはデータ受信側で保持する暗号化鍵の数が増大するといったことはないという効果がある。
【0100】
また、複数のオブジェクトを著作権保護の対象とする暗号化処理では、上記所定の暗号化鍵(スクランブル鍵Ks(n'))として、上記複数のオブジェクトの各々に対応した、互いに異なる複数の暗号化鍵を用いるので、暗号化されたオブジェクトデータを解読するのが困難となり、結果的に個々の被保護オブジェクトの暗号化による保護を強化できる。
さらに上記暗号化処理の際、時間の経過に応じて、上記所定の暗号化鍵(スクランブル鍵Ks(n'))として用いる暗号化鍵の種類を変更するので、暗号化されたオブジェクトデータを解読するのが困難となり、結果的に被保護オブジェクトの暗号化による保護を強化できる。
【0101】
なお、本実施の形態1ではシーン記述として、MPEG4におけるものを例に挙げて説明したが、シーン記述はこれに限るものではなく、オブジェクトの属性を示す記述子であれば、HTML、JAVA、MHEGなどの符号化方式におけるものなどどのようなものでも用いることができる。
また、図5ではステップ508でシーン記述データDsdもスクランブルしているが、シーン記述データ自体はオブジェクトデータを含んでいないので、スクランブル処理を施さないようにしてもよく、この場合もオブジェクト単位の著作権保護は可能である。
【0102】
また、本実施の形態1では、シーン記述データを格納するデータパケットのヘッダにもスクランブル鍵を付加するようにしたが、シーン記述データのデータパケットにはスクランブル鍵を何も挿入せず、オブジェクトデータのデータパケットのみにスクランブル鍵を付加するようにしてもよい。
さらに、上記実施の形態1では、シーン記述データ中に、著作権保護するかどうかを示す、オブジェクトに対応するフラグ(アクセス権情報)を含めているが、シーン記述データ自体の安全性が保てる場合には、シーン記述中のオブジェクト記述子にスクランブル鍵を直接、あるいは暗号化して付加することもできる。
【0103】
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2によるデータ処理装置を説明するための図であり、データ送信側のデータ処理装置による暗号化処理(スクランブル処理)の流れを示している。
この実施の形態2のデータ処理装置は、実施の形態1のデータ処理装置1001とは、スクランブル処理の内容,つまりスクランブル手段18aを制御するCPU18bの動作のみ異なっている。
【0104】
つまり、この実施の形態2では、CPU18bは、実施の形態1における各被保護オブジェクトに対応するスクランブル鍵Ks(n')を発生する処理に代えて、実施の形態1におけるスクランブル鍵と同じ長さのビット列からなる第1のスクランブル鍵Ksaと、実施の形態1におけるスクランブル鍵に比べて長いビット列からなる第2のスクランブル鍵Ksbとを発生する処理を行うようになっている。
【0105】
さらに、この実施の形態2では、各被保護オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータは第2のスクランブル鍵Ksbを用いて暗号化され、第2のスクランブル鍵Ksbは第1のスクランブル鍵Ksaを用いて暗号化されるようになっている。そして、暗号化された第2のスクランブル鍵Ksbmは、上記被保護オブジェクトの数に対応するよう複数の部分(鍵分割部分)Ksbdに分割され、該各鍵分割部分が、これに対応する被保護オブジェクトの圧縮オブジェクトデータが格納されるデータパケットのユーザデータ領域に挿入されるようになっている。
【0106】
以下、この実施の形態2のデータ処理装置における多重ビットストリームMBに対するスクランブル処理(暗号化処理)について説明する。
まず、ワーク鍵KWがCPU18bに入力されると(ステップ601)、ワーク鍵KWがマスタ鍵KMmにより暗号化されてEMMパケットにより送出される(ステップ602)。
続いて、シーン記述データがCPU18bに入力されると(ステップ603)、CPU18bでは、実施の形態1における、いずれのオブジェクトを著作権保護すべきかを示すユーザの指定による保護指定情報P(n)に基づいて、著作権保護の対象となるオブジェクト(被保護オブジェクト)の数nが設定される(ステップ604)。
【0107】
次に、CPU18bでは、上記実施の形態1とは異なり、実施の形態1のスクランブル鍵に比べてそのビット列の長いスクランブル鍵Ksbと、通常の長さのビット列からなるスクランブル鍵Ksaとが生成される(ステップ605)。さらにCPU18bでは、スクランブル鍵Ksaがワーク鍵KWにより暗号化され、暗号化されたスクランブル鍵KsaがECMパケットに格納されてスクランブル手段18aに送出される(ステップ606)。
【0108】
続いてCPU18bでは、スクランブル鍵Ksbがスクランブル鍵Ksaにより暗号化され、さらに暗号化されたスクランブル鍵Ksbmがn分割される(ステップ607)。ここでは、該暗号化されたスクランブル鍵Ksbmは、ビット分割により複数のスクランブル鍵部分(鍵分割部分)に分割される。具体的には、スクランブル鍵を4分割する場合には、例えばスクランブル鍵「1001000111」は、スクランブル鍵分割部「100」,スクランブル鍵分割部「0001」,及びスクランブル鍵分割部「11」に分割される。
【0109】
その後、パケットデータ(データパケットに格納されている圧縮オブジェクトデータ)がCPU18bに入力されると(ステップ608)、CPU18bでは、このパケットデータが著作権保護の対象となっている被保護オブジェクトに対応するものであるか否かの判定が行われる(ステップ609)。このパケットデータが被保護オブジェクトに対応するものであれば、スクランブル手段18aでは、スクランブル鍵Ksbの鍵分割部分Ksbdがこの被保護オブジェクトのストリーム(圧縮オブジェクトデータ)を格納しているデータパケットのユーザデータ領域あるいはヘッダに挿入される(ステップ610)。なお、このユーザデータ領域あるいはヘッダ領域に対しては、スクランブル処理は施されない。
【0110】
そして、スクランブル手段18aでは、被保護オブジェクト(n)に対応するストリーム(オブジェクトデータ)に対してスクランブル鍵Ksbを用いたスクランブル処理が施される(ステップ611)。その後、CPU18bでは、1つの番組に対応するすべてのパケットデータに対する著作権保護装置18による処理が終了したか否かの判定が行われる(ステップS612)。
【0111】
一方、上記ステップ609での判定の結果、入力されたパケットデータが被保護オブジェクトに対応するものでなければ、CPU18bでは直ちに、1つの番組に対応するすべてのパケットデータの処理が終了したか否かの判定が行われる(ステップ612)。
そして、上記ステップ612での判定の結果、すべてのパケットデータの処理が終了していなければ、CPU18bではスクランブル処理の開始後あるいは前回のスクランブル鍵の更新後、一定時間が経過したか否かの判定が行われる(ステップ615)。
上記ステップ615での判定の結果、一定時間が経過していれば、CPU18bではスクランブル鍵Ksa,Ksbの更新が行われ(ステップ614)、一定時間が経過していなければ、上記ステップ614でのスクランブル鍵の更新は行われずに、著作権保護装置18では上記ステップ606〜615の処理が再度行われる。
【0112】
このように本実施の形態2では、所定の番組に対応する動画像を構成するすべての被保護オブジェクトに対応するスクランブル鍵Ksbmを、スクランブル鍵Ksaにより暗号化した後、暗号化されたスクランブル鍵Ksbを被保護オブジェクトの数に対応するよう分割し、さらに、該分割により得られる分割鍵部分Ksbdを、各被保護オブジェクトに対応するデータパケットの、スクランブル処理が施されないユーザデータ領域に挿入し、その後、各被保護オブジェクトのストリーム(データパケットのデータ部に格納されている圧縮オブジェクトデータ)に対して上記スクランブル鍵Ksbを用いたスクランブル処理を施して送出するので、すべての被保護オブジェクトに対応するデータパケットを抽出しないとスクランブル鍵Ksbを再生することができない。言い換えると、暗号ビットストリームから所要の被保護オブジェクトに対応するデータパケットのみを抽出しても、該所要のオブジェクトのオブジェクトデータは再生することができず、個々の被保護オブジェクトに対する不正コピーに対して強力な防御を行うことができる。
【0113】
なお、上記実施の形態2では、スクランブル鍵Ksbを被保護オブジェクトの数(n)に対応するよう分割する際、スクランブル鍵Ksbのビット分割を、この分割により得られる異なるビット長の鍵分割部分が生成されるよう行う場合を示したが、スクランブル鍵の分割方法はこれに限るものではない。
例えば、スクランブル鍵Ksbの分割を、鍵分割部分のビット長がすべて同一となるよう行ってもよい。この場合、鍵分割部分の特定のビット(例えば先頭から4番目のビット)をその値「0」あるいは「1」が「1」あるいは「0」になるよう入れ替えるようにしてもよい。また、上記鍵分割部分の特定ビットは常に「1」あるいは「0」とするようにしてもよい。上記鍵分割部分の特定ビットは、その値「1」あるいは「0」と他の値「1」あるいは「0」との排他的論理和により得られる値とするようにしてもよい。また、上記鍵分割部分の特定ビット(例えば先頭から4番目のビット)は、現在スクランブル処理中のオブジェクトに対応するものと、次にスクランブル処理されるオブジェクトに対応するものとの間で入れ換えるようにしてもよい。
結局、上記スクランブル鍵Ksbのビット分割の方法は、すべての被保護オブジェクトに対応するパケットデータが揃わなければ、スクランブル鍵Ksbが再生できないような方法であればどのような方法でもよい。
【0114】
また、上記実施の形態1及び2では、送信側著作権保護装置18として、各オブジェクトに対応するスクランブル鍵を、対応するオブジェクトデータを格納するデータパケットのヘッダもしくはユーザデータ領域に付加して送信するものを示したが、スクランブル鍵の送信方法はこれに限るものではない。
例えば、スクランブル鍵の安全性が高い場合には、スクランブル鍵を、オブジェクトデータを格納するデータパケットとは別のパケットに格納して送信するようにしてもよい。
【0115】
さらに、上記実施の形態1及び2ではそれぞれ、著作権保護装置18として、そのCPU18bによるスクランブル処理が異なるものについて説明したが、著作権保護装置18によるスクランブル処理は上記実施の形態1,2で示すものに限るものではない。
例えば、上記著作権保護装置18による被保護オブジェクトに対する暗号化処理は、シーンを構成する少なくとも著作権保護の対象となる被保護オブジェクトに対応する暗号化オブジェクトデータがすべて揃わなければ、どのオブジェクトに対応する暗号化オブジェクトデータも復号できないような仕組み、もしくは単独のオブジェクトに対応する暗号化オブジェクトデータを抽出しても、抽出した暗号化オブジェクトデータを復号できない仕組みであれば、どのようなものでもよい。
【0116】
また、上記実施の形態2では、上記実施の形態1とは異なり、被保護オブジェクトに対応するデータパケットのデータ部に対する暗号化処理が単純であり、また、スクランブル解除はすべての被保護オブジェクトに対応するパケットデータが揃うことが条件となるなどの利点があるが、以下のような欠点もある。つまり、データパケットにおける、スクランブル鍵Ksbの鍵分割部分が挿入されている部分を抽出すれば、その後はスクランブル処理の解読しやすい。
【0117】
そこで、データ送受信システムでは、システム構成に応じて、データ送信側のデータ処理装置として、上記実施の形態1のデータ処理装置と、実施の形態2のデータ処理装置のうちの最適なものを選択する必要がある。
【0118】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3によるデータ処理装置を説明するための図であり、図7(a)は該データ処理装置の構成を示している。
本実施の形態3のデータ処理装置1003は、MPEG4準拠の符号化方式により、動画を構成する1フレームの画像(シーン)に対応する画像信号に対して符号化処理及び暗号化処理等を施して得られる、暗号ビットストリームSBを含む多重送信データSgを受信して、動画を構成する各シーンに対応する画像信号を再生するデータ受信側装置である。ここでは、上記多重送信データSgは、上記実施の形態1のデータ処理装置1001から送出されたものである。このデータ処理装置1003は、入力される多重送信データSgから、パケット化されている暗号ビットストリームSBを抽出し、該暗号ビットストリームSBに対して、制御信号に基づいてデスクランブル処理を施して、復元ビットストリームDBを生成するデスクランブル手段71と、該パケット化されている復元ビットストリームDBから、シーン記述データ及び各オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータを分離する分離手段73とを有している。
【0119】
また、上記データ処理装置1003は、上記各オブジェクトに対応して設けられ、対応する圧縮オブジェクトデータを制御信号に基づいて伸長する複数のオブジェクト伸長手段と、上記復元ビットストリームから分離されたシーン記述データを受け、シーンの合成に必要なシーン記述子,オブジェクト記述子等の合成情報Csdを出力するシーン記述再生手段70とを有している。
ここでは、上記データ処理装置1003は、データ送信側装置1001に対応して、オブジェクト伸長手段として、第1〜第6のオブジェクト21〜26(図2参照)に対応する圧縮オブジェクトデータEDo1〜EDo6を伸長して伸長オブジェクトデータRDo1〜RDo6を出力する第1〜第6のオブジェクト伸長手段741,742,・・・,746を有している。なお、図7では、オブジェクト(1)伸長手段741は第1のオブジェクト伸長手段、オブジェクト(2)伸長手段742は第2のオブジェクト伸長手段、オブジェクト(6)伸長手段746は第6のオブジェクト伸長手段である。
【0120】
また、MPEG符号化方式では、特定のフレームを除いては、現フレームに対応する画像データとして、前フレームの画像データと現フレームの画像データとの差分画像データを、符号化して送信するため、伸長オブジェクトデータを生成する処理では、復元した前フレームの画像データを記憶する必要がある。このため、上記データ処理装置1003は、上記各オブジェクト伸長手段741,742,・・・,746に対応する6つの参照メモリ,つまり参照メモリ751,752,・・・,756を有している。
【0121】
さらに上記データ処理装置1003は、上記シーン記述データDsdから得られた合成情報Csdに基づいて、上記伸長オブジェクトデータEDo1〜EDo6を合成して、シーンに対応する復元画像信号RDを復元する合成手段78と、該復元画像信号RDを受け、制御信号に基づいて、該シーンを表示するための画像表示信号Dsをモニター(図示せず)に出力する表示制御手段79と、上記各制御信号によりデスクランブル手段71,各伸長手段741,742,・・・,746,シーン記述再生手段70,表示制御手段を制御するCPU72とを有している。なおここでは、上記デスクランブル手段71及びCPU72により、受信側著作権保護装置3が構成されている。
なお、上記データ処理装置1003は、予めICカード等により配信された該装置固有のマスタ鍵KMmを格納する鍵格納部(図示せず)を有している。
【0122】
次に動作について説明する。
図8は上記著作権保護装置3の動作を説明するためのフローチャートであり、入力された送信データSgが、デスクランブル手段71によりCPU72の制御に従ってデスクランブルされる処理を示している。ここで、上記著作権保護装置3を構成するCPU72の処理の流れは、実施の形態1におけるCPU18bの処理の流れとほぼ逆になっている。
【0123】
上記実施の形態1のデータ処理装置1001から出力された送信データSgがこの実施の形態3の受信側データ処理方法1003の著作権保護装置3に入力されると、そのデスクランブル手段71では、上記多重送信データSgから、パケット化された暗号ビットストリームSB、ECMパケット、及びEMMパケットが抽出され、該暗号ビットストリームSBがCPU72からの制御信号に基づいてデスクランブルされる。
【0124】
すなわち、まず、上記EMMパケットがデスクランブル手段71からCPU72に入力されると、該CPU72では、EMMパケットから暗号化ワーク鍵KWmが抽出され、該暗号化ワーク鍵KWmに対して、予め配信されているマスタ鍵KMmを用いて暗号復号処理が施され、ワーク鍵KWが生成される(ステップ801)。次に、上記ECMパケットがデスクランブル手段71からCPU72に入力されると、CPU72では、上記ECMパケットから暗号化スクランブル鍵Ks(0)mが抽出され、該暗号化スクランブル鍵Ks(0)mに対して、上記ワーク鍵KWによる暗号復号処理が施されて、スクランブル鍵Ks(0)が復元される(ステップ802)。
【0125】
続いて、上記デスクランブル手段71では、暗号ビットストリームにおけるシーン記述データに対して、CPU72からのスクランブル鍵Ks(0)による暗号復号処理が施される(ステップ803)。さらに、CPU72では、上記シーン記述データDsdから暗号化スクランブル鍵Ks(1)mが抽出され、この暗号化スクランブル鍵Ks(1)mに対して、上記スクランブル鍵Ks(0)による暗号復号処理が施されて、スクランブル鍵Ks(1)が復元される(ステップ804)。
【0126】
その後、ステップ805〜817にて、著作権保護の対象となっている被保護オブジェクトのうち、オブジェクト記述子で表されるオブジェクト番号(n’)の小さいものから順に、対応する暗号化スクランブル鍵Ks(n')mの抽出処理、暗号化スクランブル鍵Ks(n')mに対する暗号復号処理、及びデータパケットP’(k)on'に格納されている圧縮オブジェクトデータEDon'に対するデスクランブル処理が繰り返し行われる。なお、ここで、データパケットP’(k)on'は、n’番目の被保護オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータEDon'を格納している、k番目のデータパケットを示している。ここでは、著作権保護の対象となるオブジェクトは、オブジェクト21,23,24,25の4つであるため、上記番号n’は、1〜4の値となる。 以下、上記ステップ805〜817の処理について詳述する。
【0127】
まず、実施の形態1におけるカウント値と同一のカウント値n,n′がそれぞれ1に設定される(ステップ805)。そして、パケットデータ(各データパケットに格納されているデータ)がデスクランブル手段71に入力されると(ステップ806)、CPU72では入力されたパケットデータが新しいオブジェクトに対応するものであるか否かの判定が行われる(ステップ807)。
【0128】
上記入力されたパケットデータが新しいオブジェクトに対応するものでなければ、上記入力されたパケットデータが著作権保護の対象となっているオブジェクトに対応するものであるか否かの判定が行われる(ステップ808)。このパケットデータが著作権保護の対象となっているオブジェクト(n)に対応するものであれば、上記デスクランブル手段71にて、その暗号化されている圧縮オブジェクトデータに対して、上記CPU72からのスクランブル鍵Ks(n')による暗号復号化処理が施されて圧縮オブジェクトデータが復元される。その後、CPU72では著作権保護装置3にて全てのパケットデータに対する著作権保護装置3による処理が終了したか否かの判定が行われる(ステップ817)。
【0129】
また、上記ステップ808での判定の結果、パケットデータが保護対象となっているオブジェクトに対応するものでなければ、直ちに上記ステップ817での全てのデータに対する処理の終了判定が行われる。
また、上記ステップ807での判定の結果、上記パケットデータが新しいオブジェクトに対応するものであれば、さらにCPU72では、入力されたパケットデータが著作権保護の対象となっている被保護オブジェクトに対応するものか否かの判定が行われる(ステップ810)。この判定の結果、上記パケットデータが被保護オブジェクトに対応するものであれば、CPU72では、オブジェクト(n)に対応するデータパケットのヘッダから暗号化スクランブル鍵Ks(n'+1)mが抽出され、該暗号化スクランブル鍵Ks(n'+1)mがスクランブル鍵Ks(n')により暗号復号される(ステップ811)。
【0130】
次に、暗号復号により得られたスクランブル鍵Ks(n'+1) がCPU72からデスクランブル手段71に送出される(ステップ812)。すると、デスクランブル手段71では、オブジェクト(n)に対応するデータパケットに格納されている暗号化圧縮オブジェクトデータに対して、スクランブル鍵Ks(n')による暗号復号処理が施されて圧縮オブジェクトデータが復元される(ステップ813)。その後、CPU72では、カウント値n,n′が1つインクリメントされ(ステップ814)、上記データ終了判定が行われる(ステップ817)。
【0131】
一方、上記ステップ810での判定の結果、入力されたパケットデータが被保護オブジェクトに対応するものでなけば、CPU72では、直ちに、カウント値nが1つインクリメントされて(ステップ815)、上記データ終了判定が行われる(ステップ817)。
そして、上記ステップ817での終了判定の結果、すべてのオブジェクトに対する受信側著作権保護装置3での処理が終了していなければ、CPU72では、スクランブル鍵Ks(n')の時間の経過に伴った更新が行われているか否かの判定が行われる(ステップ816)。上記スクランブル鍵Ks(n')が更新されている場合は、上記受信側著作権保護装置3ではステップ802〜817の処理が再度行われ、該スクランブル鍵Ks(n')が更新されていない場合は、ステップ806〜817の処理が再度行われる。
【0132】
その後は、スクランブルが解除されたビットストリーム(復元ビットストリーム)DBは、分離手段73にてデータ分離処理が施される。これにより、シーン記述に対応するデータパケットからシーン記述データDsdが抽出されるとともに、各オブジェクトに対応するデータパケットから、各オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータが抽出される。
【0133】
そして、各オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータEDo1,EDo2,・・・,EDo6は、対応するオブジェクトの伸長手段741,742,・・・,746にて伸長処理が施されて表示可能なデータ(伸長オブジェクトデータRD01,RD02,・・・,RD06)に変換される。また、シーン記述再生手段70では、上記シーン記述データDsdに基づいて、上記各オブジェクトに対応する伸長オブジェクトデータRD01,RD02,・・・,RD06を合成するための合成情報Csdが生成される。
【0134】
さらに、上記各オブジェクト伸長手段741,742,・・・,746から出力される伸長オブジェクトデータは、シーン記述データDsdに基づいて、合成手段78にて上記合成情報Csdに基づいて合成されて、シーン(フレーム画像)に対応する復元画像信号RDが生成される。すると、表示手段79では、該復元画像信号RDに基づいて、上記シーンに対応する画像表示が行われる。
【0135】
このように本実施の形態3では、シーンを構成する複数のオブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データを選択的に暗号化して得られる暗号化データに対して、上記シーン記述データ及び各オブジェクトデータが暗号化処理の施されたものであるか否かに応じて、上記暗号化データに対する暗号復号処理及び各オブジェクトデータの表示を含む再生処理を施すので、順次オブジェクトに対応するオブジェクトデータに対してスクランブル処理を施し、先にスクランブル処理が施されるオブジェクトデータを格納しているデータパケットのヘッダ部に、後のオブジェクトデータに対するスクランブル処理に用いるスクランブル鍵を挿入してなるビットストリームに対する暗号復号処理が可能となる。これにより、実施の形態1のデータ処理装置から出力される、暗号ビットストリームを含む送信データSgに基づいて、シーンに対応する画像信号RDを再生表示することができる。
【0136】
なお、上記実施の形態3では、暗号ビットストリームに含まれる各オブジェクトに対応する画像データ(オブジェクトデータ)が、圧縮されたデータである場合について示したが、暗号ビットストリームに含まれるオブジェクトデータは、非圧縮のデータであってもよい。
この場合、図7に示す各オブジェクトに対応するオブジェクト伸長手段及び参照メモリは不要となり、受信側データ処理装置の構成を簡略化することができる。
【0137】
また、上記実施の形態3では、上記表示手段79は、合成手段78の出力である画像信号RDをそのまま画像表示する構成としているが、上記表示手段79は、合成手段78の出力を、一定の条件を満足する場合のみ画像表示するよう、CPU72により制御される構成としてもよい。
例えば、上記合成手段78の出力を画像表示する一定の条件としては、表示するシーンを構成するすべての被保護オブジェクトの画像データに対するスクランブル処理が解かれていること(暗号復号条件)、シーンの構成に必要なすべてのオブジェクトに対するオブジェクトデータの伸長処理が完了していること(伸長条件)、あるいは合成手段78での、シーンの表示に必要なすべてのオブジェクトに対応するオブジェクトデータの合成が完了していること(合成条件)等をCPU72が確認することが挙げられる。
ここで、上記合成手段78の出力を画像表示する一定の条件としては、上記暗号復号条件,伸長条件,及び合成条件のすべてを設定しても、あるいはそのうちの1つまたは所要の2つのみを設定してもよい。
【0138】
(実施の形態3の変形例1)
以下、上記実施の形態3の変形例1によるデータ処理装置として、上記合成手段78の出力を、暗号復号条件が満たされたときに画像表示するデータ処理装置について説明する。
図13は、実施の形態3の変形例1によるデータ処理装置の動作を説明するための図であり、該データ処理装置におけるデスクランブル処理の流れを示している。
【0139】
このデータ処理装置におけるデスクランブル処理は、実施の形態3のデスクランブル処理におけるステップ817の前に、CPU72が表示制限の条件を判定するステップ820aと、CPU72が表示制限を指令するステップ820bとを含むものである。その他のデスクランブル処理は、実施の形態3における著作権保護装置3によるものと全く同一である。
【0140】
具体的には、この実施の形態3の変形例1では、CPU72によって、受信側著作権保護装置3によるすべてのオブジェクトの圧縮オブジェクトデータに対する処理が終了したか否かの判定が行われる(ステップ817)前に、まず、CPU72にて、すべての被保護オブジェクトの暗号化圧縮オブジェクトデータが暗号復号されたか否かが判定される(ステップS820a)。そして、この判定の結果、すべての被保護オブジェクトについて暗号化圧縮オブジェクトデータの暗号復号が終了していないときは、CPU72から表示手段79に対して表示制限の指令が通知される(ステップ820b)。これにより、上記表示手段79では、上記被保護オブジェクトを含むシーンに対応する画像信号の再生動作が禁止される。一方、上記判定の結果、すべての被保護オブジェクトについて暗号化圧縮オブジェクトデータの暗号復号が終了しているときは、CPU72から表示手段79への表示制限指令の通知は行われずにステップ817での処理終了判定がCPU72にて行われる。
【0141】
さらに上述した、上記合成手段78の出力を画像表示するその他の条件としては以下に示すものが考えられる。
例えば、上記受信側データ処理装置にて、著作権保護の対象となる被保護オブジェクトに対応する、暗号化されたオブジェクトデータをすべて上記記録媒体から読み出し可能であるか、あるいは伝送媒体を介して受信可能であることを検出したとき、すべてのオブジェクトデータに対する再生処理を行う。
【0142】
また、上記受信側データ処理装置にて、シーン記述データを読み出したあるいは受信した状態であって、著作権保護の対象となる被保護オブジェクトに対応する、暗号化されたオブジェクトデータをすべて上記記録媒体から読み出し可能であるか、あるいは伝送媒体を介して受信可能であることを検出したとき、すべてのオブジェクトデータに対する再生処理を行う。
【0143】
さらに、上記受信側データ処理装置にて、シーン記述データを読み出したあるいは受信した状態であって、シーンを構成するすべてのオブジェクトに対応するオブジェクトデータをすべて上記記録媒体から読み出し可能であるか、あるいは伝送媒体を介して受信可能であることを検出したとき、すべてのオブジェクトデータに対する再生処理を行う。
【0144】
またさらに、上記受信側データ処理装置にて、上記シーン記述データ及び上記シーンを構成するすべてのオブジェクトデータを上記記録媒体から読み出したあるいは伝送媒体から受信したとき、シーンを構成するすべてのオブジェクトデータに対する再生処理を行う。
【0145】
このような条件の下でシーンの再生表示を行う、つまり表示手段79にて、合成されたシーンに対応する画像信号のみを表示部(表示モニター)に出力するようにすることにより、著作権保護の対象となっている被保護オブジェクトに対応する画像データの表示手段からの抽出は困難となり、データ送受信システムにおける著作権の保護が強化されることとなる。なお上記のような条件の検出は、CPU72が記録媒体や送信側のサーバに対して、各オブジェクトデータやシーン記述データが存在するか否か問い合わせることにより行われる。
【0146】
(実施の形態3の変形例2)
以下、本発明の実施の形態3の変形例2によるデータ処理装置について説明する。
図12はこの実施の形態3の変形例2によるデータ処理装置を説明するためのブロック図である。
このデータ処理装置1003aは、実施の形態3のデータ処理装置1003における受信側著作権保護装置3に代えて、暗号ビットストリームSBを含む送信データSgに対するデスクランブル処理を行して復号ビットストリームDBを出力するデスクランブル手段71と、該復号ビットストリームDBを構成するシーン記述データに含まれる表示タイミング情報Tsdに基づいて表示手段79を制御するCPU72aとからなる受信側著作権保護装置3aを備えたものである。このデータ処理装置1003aのその他の構成は、実施の形態3のデータ処理装置1003と全く同一である。
【0147】
つまり、このデータ処理装置1003aの著作権保護装置3aを構成するCPU72aは、上記実施の形態3の著作権保護装置3におけるCPU72の処理に加えて、上記デスクランブル手段71から出力される復号ビットストリームDBを受け、このビットストリームDBを構成するシーン記述データに基づいて、著作権保護の対象となる被保護オブジェクトが単独で表示される表示タイミング情報Tsdを検出するタイミング検出手段(図示せず)を有している。そして、このCPU72aは、この表示タイミング情報Tsdに基づいて、上記表示手段79を、被保護オブジェクトに対応するオブジェクトデータ単独での再生表示が禁止されるよう制御する構成となっている。
【0148】
次に作用効果について簡単に説明する。
例えば、上述したように合成手段78から出力される画像信号RDがそのまま表示手段79に入力され、該表示手段79にてこの画像信号に基づいて画像表示が行われる構成では、合成手段78から単一のオブジェクトからなるシーンに対応する画像信号RDが出力された場合には、1つのオブジェクトが単独で表示されることとなる。このため、送信データSgに含まれる、複数のオブジェクトからなる動画等に対応するビットストリームが、スクランブル処理が施された暗号ビットストリームであっても、動画として1つのオブジェクトのみが表示されるタイミングでは、表示手段にて表示部(モニター)に供給される画像表示信号のコピーにより、著作権保護の対象となっている被保護オブジェクトのオブジェクトデータが不正利用される危険性がある。
【0149】
これに対し、この実施の形態3の変形例2のデータ処理装置1003aでは、著作権保護装置3aのCPU72aにより、デスクランブル手段71から出力される復元ビットストリームDBを構成するシーン記述データに基づいて、著作権保護の対象となる被保護オブジェクトが単独で表示される表示タイミング情報Tsdが検出される。そして、上記表示手段79は、CPU72aによりこの表示タイミング情報Tsdに基づいて制御され、これにより、動画として1つの被保護オブジェクトのみが表示されるタイミングでは、表示手段79における表示部(モニター)への画像表示信号の供給が禁止あるいは制限される。この結果、表示手段79にて表示部(モニター)に供給される被保護オブジェクトのみからなるシーンの画像表示信号を正常にコピーすることが困難となり、著作権保護の対象となっている被保護オブジェクトのオブジェクトデータの不正利用を阻止することができる。
【0150】
さらにまた、上記実施の形態3では、複数のオブジェクトに対応する画像データを含む多重ビットストリームに対して、各オブジェクトに対応するストリーム部分にスクランブル処理を施して得られる暗号ビットストリームを受け、暗号ビットストリームに対するスクランブルを解除して、各オブジェクトに対応する画像データを再生するデータ受信側装置を示したが、上記実施の形態3のように、MPEG4準拠の符号化方式を採用しているデータ受信側装置では、圧縮データの伸長処理の際に復元データを格納する参照メモリに対して、データのアクセスを行う場合にも、スクランブル処理とデスクランブル処理を行うようにしてもよい。この場合も、著作権保護の対象となっているオブジェクトに対する保護を強化することができる。
【0151】
つまり、通常のMPEGに対応した符号化方式を用いたデータ伝送システムでは、大部分の画像データは、現フレームと前フレームの間の差分画像データを圧縮して得られる圧縮画像データとして伝送するため、圧縮画像データの伸長処理の際には、前フレームの復元された画像データを記憶しておく必要がある。このため、各オブジェクト伸長手段にて復元された画像データは対応する参照メモリに格納される。
【0152】
上記参照メモリがハードウェアにより構成されているデータ受信側装置では、参照メモリの内容のコピーは、装置の改造を伴うため困難であるが、上記参照メモリをソフトウェアで構成したデータ受信側装置では、例えば、オブジェクトデータ,つまり各オブジェクトに対応する画像データは、コンピュータ上の記憶装置に書き出されるため、特別なプログラムを作成することで、参照メモリの内容を取り出すことが可能となってしまう。
そこで、このような問題を解決したデータ処理装置を実施の形態3の変形例3として説明する。
【0153】
(実施の形態3の変形例3)
この実施の形態3の変形例3によるデータ処理装置は、上記実施の形態3のデータ処理装置1003におけるオブジェクト伸長手段を、オブジェクトデータを暗号化して参照メモリに書き込み、参照メモリから読み出したオブジェクトデータに対して暗号復号処理を施す構成としたものであり、その他の構成は実施の形態3のデータ処理装置1003と同一である。
【0154】
図7(b) は、参照メモリに対してデータのアクセスを行う際にも、スクランブル処理とデスクランブル処理を行うオブジェクト伸長手段741の具体的構成を示している。
上記オブジェクト伸長手段741は、分離手段73から出力されるオブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータに対して、伸長処理を施す伸長処理部74aと、伸長処理が施されたオブジェクトデータをこれに対してスクランブル処理を施して参照メモリに出力するスクランブル部74bと、上記参照メモリから読み出されたデータをこれに対してデスクランブル処理を施して伸長処理部74aに戻すデスクランブル部74cとを有している。
【0155】
図7(b)では、上記実施の形態3におけるオブジェクト(1)伸長手段741に対応するもののみを示しているが、その他のオブジェクト伸長手段742,・・・,726も、図7(b) に示すものと同一構成となっている。
【0156】
このような構成の実施の形態3の変形例3では、オブジェクト伸長手段を、オブジェクトデータを暗号化して参照メモリに書き込み、参照メモリから読み出したオブジェクトデータに対して暗号復号処理を施す構成としたので、参照メモリに対してアクセスされるオブジェクトデータ,つまり各オブジェクトに対応する画像データを、特別なプログラムによってコンピュータ上の記憶装置に書き出しても、参照メモリの内容(オブジェクトデータ)は暗号化されているため、オブジェクトの再生利用することは不可能である。
【0157】
さらに、上記オブジェクトデータの参照メモリに対するアクセスの際に、スクランブル処理を施す方法としては、各オブジェクトデータに対する参照メモリ単位で行うものに限らず、合成手段により各オブジェクトデータを合成して得られる、シーンに対応する画像信号を一旦メモリに格納する際に一括して行うようにしてもよい。
【0158】
また、上記スクランブル処理の手法としては、実施の形態1における、ビットストリームの伝送あるいは記録時に用いたスクランブル処理と同様な手法、もしくは、このスクランブル処理をより簡略化したもの、つまりそれぞれのオブジェクトデータのスクランブル処理に用いたスクランブル鍵をそのままメモリアクセス時の暗号化処理に用いる方法、もしくはシーン記述データに含まれるスクランブル鍵Ks(0)を用いる方法など、著作権保護の強さの必要性、あるいはシステムにおける参照メモリの内容のコピーしやすさ等に応じ様々な手法を用いることができる。
【0159】
さらに、上述した実施の形態1〜3では、オブジェクトの数を6として説明したが、オブジェクト数に制限はない。また、多重処理として、オブジェクトデータならびにシーン記述データをパケット化して1本の多重ビットストリームとして出力するものを示したが、多重処理はこれに限るものではなく、インターネットのようにパケット単位で伝送されるものも、1つの多重ビットストリームにおけるパケットデータと同様に扱っても同様の効果を得ることができる。
【0160】
またさらに、上記各実施の形態では、スクランブル処理の方式は、従来例と同じ方式を例にとり説明したがこれに限定するものではない。例えば、上記実施の形態で説明したスクランブル処理の方式に比べてより強力な暗号を用いるもの、あるいは一般的な共通鍵暗号方式や公開鍵を用いる方法など、オブジェクト毎の著作権保護を実現するという本発明の目的を達成できるものならばどのようなスクランブル処理でも本発明の暗号化処理(スクランブル処理)に適用することができる。
【0161】
また、上記各実施の形態では、暗号化処理として、スクランブル鍵を用いたスクランブル処理を示したが、暗号化処理は、電子透かしデータ(water mark)を、予め設定された特定オブジェクトの圧縮オブジェクトデータ(コンテンツ)自体にデータ送出もしくは圧縮の際に挿入するものであってもよい。このような電子透かしデータが挿入されたコンテンツは、データ受信もしくは伸長の際にその電子透かしデータを検出することにより著作権保護されているものであるかどうかを判断することができる。そこで、データ受信側装置を、上記電子透かしデータに基づいてコンテンツが著作権保護されているものであると判定したときには、このコンテンツの再生を行わないように構成することにより、上記各実施の形態と同様に、オブジェクト毎に著作権保護を実施することができる。
ここで電子透かしデータは、コンテンツの著作権者の示す番号、コンテンツがコピー禁止であることを示す、「1」あるいは「0」の配列からなるフラグ等である。
【0162】
また、上記各実施の形態では、MPEG4の符号化方法を用いた場合について説明したが、データ伝送システムにおける符号化方式はこれに限るものではなく、シーンが複数のオブジェクトより構成され、そのオブジェクトごとにデータの伝送を行うシステムであれば、データ圧縮の方法がMPEG1,MPEG、JPEG、H.261、H.263など種類によらずに用いることができ、またデータの圧縮を行わないデータ伝送システムにおいても、本発明の、オブジェクト毎にスクランブル処理を行う方法は適用することができる。
【0163】
また、上記各実施の形態では、データ処理装置として、データ圧縮手段あるいはデータ伸長手段とは独立して、ビットストリームに対してスクランブルあるいはデスクランブル処理を施す著作権保護装置を備えたものを示したが、上記データ処理装置はこれに限るものではない。
例えば、送信側のデータ処理装置におけるオブジェクト圧縮手段を、オブジェクトデータの圧縮と同時にスクランブル処理を施す構成としてもよい。具体的には、動きベクトルのデータにスクランブル処理を施す、あるいはDCT係数の一部にスクランブル処理を施す、あるいは一定の規則で圧縮オブジェクトデータの一部を反転させるなど、通常の伸長処理を施しても復元不可能な状態の圧縮データを生成し、しかも著作権保護の対象となっているすべての被保護オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータがデータ受信側で揃わなければ、これらの圧縮オブジェクトデータの伸長による復元が不可能であるメカニズムを用いれば、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、上記各実施の形態で示したデータ処理方法を実現するためのデータ処理プログラムを、フロッピーディスク等のデータ記憶媒体に記録するようにすることにより、上記各実施の形態で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。
【0164】
図11は、上記実施の形態1ないし3のデータ処理を、上記データ処理プログラムを格納したフロッピーディスクを用いて、コンピュータシステムにより実施する場合を説明するための図である。
図11(a) は、フロッピーディスクの正面からみた外観、断面構造、及びフロッピーディスク本体を示し、図11(b) は、該フロッピーディスク本体の物理フォーマットの例を示している。
【0165】
上記フロッピーディスクFDは、上記フロッピーディスク本体DをフロッピーディスクケースFC内に収容した構造となっており、該フロッピーディスク本体Dの表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックTrは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフロッピーディスクFDでは、上記フロッピーディスク本体Dは、その上に割り当てられた領域(セクタ)Seに、上記プログラムとしてのデータが記録されたものとなっている。
【0166】
また、図11(c) は、フロッピーディスクFDに対する上記プログラムの記録、及びフロッピーディスクFDに格納したプログラムを用いたデータ処理を行うための構成を示している。
【0167】
上記プログラムをフロッピーディスクFDに記録する場合は、コンピュータシステムCsから上記プログラムとしてのデータを、フロッピーディスクドライブFDDを介してフロッピーディスクFDに書き込む。また、フロッピーディスクFDに記録されたプログラムにより、上記データ処理装置をコンピュータシステムCs中に構築する場合は、フロッピーディスクドライブFDDによりプログラムをフロッピーディスクFDから読み出し、コンピュータシステムCsにロードする。
【0168】
また、上記実施の形態1のデータ処理装置から出力された、暗号ビットストリームを含む多重送信データSgを、上記記憶媒体に記憶するようにしてもよい。この場合、記録媒体として、記録された画像信号に対する著作権保護を、シーンを構成する各オブジェクト毎に施したものを得ることができる。
【0169】
なお、上記説明では、データ記録媒体としてフロッピーディスクを用いて説明を行ったが、CD−ROM,DVD−ROM等の光ディスクを用いても上記フロッピーディスクの場合と同様にソフトウェアによるデータ処理を行うことができる。また、記録媒体は上記光ディスクやフロッピーディスクに限るものではなく、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録できるものであればよく、これらの記録媒体を用いる場合でも、上記フロッピーディスク等を用いる場合と同様にソフトウェアによるデータ処理を実施することができる。
【0170】
【発明の効果】
以上のようにこの発明に係る、シーンを構成する複数のオブジェクトのうちの、予め設定された特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータに対して暗号化処理を施し、その後、上記各オブジェクトデータ及びシーン記述データを記録あるいは伝送するデータ処理方法によれば、オブジェクトデータに対する暗号化処理を、例えば著作権保護の対象となる特定のオブジェクトに対して選択的に施すことができる。
【0171】
この発明に係る、複数のオブジェクトのうちのいずれかに対応するオブジェクトデータに対して暗号化処理が施されているか否かを示す暗号化識別子を、シーン記述データに含めて記録あるいは伝送するデータ処理方法によれば、データ読出側あるいはデータ受信側では、各オブジェクトデータを実際に受信するまでに、暗号復号処理が必要か否かの判断を行うことができ、オブジェクトデータの再生処理の簡略化及び高速化を図ることができる。
【0172】
この発明に係る、上記暗号化処理に必要となる情報を、上記シーン記述データに含めて記録あるいは伝送するデータ処理方法によれば、暗号化されたオブジェクトデータとともに暗号化処理に必要な情報,例えば暗号化鍵もデータ受信側に伝送されることとなり、このためデータ受信側では、予め暗号化鍵等を保持する必要がなくなる。例えば、データ記録あるいは伝送側での暗号化処理を、多数の暗号化鍵を用いる暗号強度の高いものとしても、データ読出側あるいはデータ受信側で保持する暗号化鍵の数が増大するといったことはないという効果がある。
【0173】
この発明に係る、シーン記述データに対しては暗号化処理を施さずに、特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータに対してのみ暗号化処理を施して、これらのデータを記録あるいは伝送するデータ処理方法によれば、データ記録側あるいは伝送側では著作権保護等の対象となる特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータに対してのみ効率よく暗号化処理が施されることとなり、暗号化処理の簡略化及び高速化を図ることができる。
【0174】
この発明に係る、複数のオブジェクトを被保護オブジェクトとする複数のオブジェクトデータの暗号化処理では、この暗号化処理に必要となる情報として、上記複数のオブジェクトデータの各々に対応した、互いに種類の異なる複数の情報を用いるデータ処理方法によれば、暗号化されたオブジェクトデータを解読するのが困難となり、結果的に個々の被保護オブジェクトの暗号化による保護を強化できる。
【0175】
この発明に係る、上記暗号化処理の際、時間の経過に応じて、該暗号化処理に必要となる情報の種類を変更するデータ処理方法によれば、暗号化されたオブジェクトデータを解読するのが困難となり、結果的に被保護オブジェクトの暗号化による保護を強化できる。
【0176】
この発明にる、暗号化の対象となっている対象オブジェクトに対応する制御情報(暗号化鍵)を、該対象オブジェクトの前に既にオブジェクトデータの暗号化が行われた暗号化済みオブジェクトに対応する制御情報(暗号化鍵)により暗号化して、該暗号化済みオブジェクトに対応するオブジェクトデータに付加するデータ処理方法によれば、1つの被保護オブジェクトに対応するオブジェクトデータを再生するには、この被保護オブジェクトのデータ以前に送られているオブジェクトデータが必要となる。これにより、オブジェクト暗号化されたオブジェクトデータを解読するのが一層困難な者となり、結果的に個々の被保護オブジェクトの暗号化による保護を飛躍的に強化できる。
【0177】
この発明にる、特定オブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータを暗号化するための第1の制御情報(暗号化鍵)を、第2の制御情報(暗号化鍵)により暗号化し、該暗号化された第1の制御情報を、特定オブジェクトの数に対応するよう複数の部分情報に分割し、該各部分情報を、対応する各特定オブジェクトのオブジェクトデータに付加するデータ処理方法によれば、すべての被保護オブジェクトに対応するデータパケットを抽出しないとスクランブル鍵Ksbを再生することができない。つまり、暗号ビットストリームからある被保護オブジェクトに対応するオブジェクトデータのみを抽出しても、該被保護オブジェクトのオブジェクトデータは再生することができず、個々の被保護オブジェクトに対する不正コピーに対して非常に強力な防御を行うことができる。
【0178】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応させて設けられ、該各オブジェクトデータの圧縮処理を行う複数のデータ圧縮手段と、シーン記述データ及び各データ圧縮手段から出力される圧縮オブジェクトデータを個別ストリームとして多重化して多重ビットストリームを出力する多重手段と、上記多重ビットストリームに対して、予め設定された特定オブジェクトに対応する個別ストリームを暗号化する暗号化処理を施して、暗号化ビットストリームを生成する暗号化手段とを備え、該暗号化ビットストリームをデータ記録媒体あるいはデータ伝送媒体に出力するデータ処理装置によれば、オブジェクトデータに対する暗号化処理を、例えば著作権保護の対象となる特定オブジェクトに対して選択的に施すことができる。
【0179】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、選択的な暗号化処理を施して得られる暗号化データに対して、上記シーン記述データ及び各オブジェクトデータが暗号化処理の施されたものであるか否かに応じて、上記暗号化データに対する暗号復号処理及び各オブジェクトデータの表示を含む再生処理を施すデータ処理方法によれば、データ読出側あるいは受信側では、暗号化されたオブジェクトデータあるいはシーン記述データに対して選択的な暗号復号処理を施して、上記暗号化データに対する再生処理を効率よく行うことができる。
【0180】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、選択的な暗号化処理を施して得られる暗号化データを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生する装置であって、上記暗号化データに対して選択的な暗号復号処理を施して復号データを生成する暗号復号手段と、上記復号データによる上記シーンの表示を行う表示手段と、上記シーン記述データ及び各オブジェクトデータが暗号化処理の施されたものであるか否かに応じて、暗号化データに対する暗号復号処理及び各オブジェクトデータの表示を含む再生処理が行われるよう、上記暗号復号手段及び表示手段を制御する制御手段とを備えたデータ処理装置によれば、暗号化されたオブジェクトデータあるいはシーン記述データに対して選択的な暗号復号処理を施して、上記暗号化データに対する再生処理を効率よく行うことができる。
【0181】
この発明にる、データ処理プログラムを、コンピュータにより、シーンを構成する複数のオブジェクトのうちの、予め設定された特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータを暗号化する処理、その後、上記各オブジェクトデータ及びシーン記述データを記録あるいは伝送する処理が行われるよう構成したデータ記憶媒体によれば、複数のオブジェクトのうちの、例えは著作権保護の対象となる特定オブジェクトに対する選択的な暗号化処理をソフトウェアにより実現することができる。
【0182】
この発明にる、記録されたデジタルデータを、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データを含み、予め設定された特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータに対して暗号化処理を施した構成としたデータ記憶媒体によれば、データ読出側では、暗号化されたオブジェクトデータあるいはシーン記述データに対して選択的な暗号復号処理を施して、上記暗号化データに対する再生処理を効率よく行うことができる。
【0183】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、所定の暗号化処理を施して得られる暗号化データを記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生する際、予め設定された特定オブジェクトに対応する、暗号化されたオブジェクトデータを再生可能な再生可能状態が検出されたときのみ、上記特定オブジェクトに対応する暗号化されたオブジェクトデータに対する暗号復号及び上記各オブジェクトデータの表示を含む、上記すべてのオブジェクトデータに対する再生処理を行うデータ処理方法によれば、特定オブジェクトに対する保護強度を高めることができ、著作権保護が必要なオブジェクトの不正コピー等の不正利用を困難とすることができる。
【0184】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応するオブジェクトデータを圧縮するとともに、該圧縮されたオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、所定の暗号化処理を施して得られる暗号化データを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生する際、予め設定された特定オブジェクトに対応する、暗号化されたオブジェクトデータを再生可能な再生可能状態が検出されたときのみ、上記特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータに対する暗号復号、並びに上記各オブジェクトデータの伸長処理及び表示を含む、上記すべてのオブジェクトデータに対する再生処理を行うデータ処理方法によれば、特定オブジェクトに対する保護強度を高めることができ、著作権保護が必要なオブジェクトの不正コピー等の不正利用を困難とすることができる。
【0185】
この発明に係る、上記再生可能状態を、上記特定オブジェクトに対応する暗号化されたオブジェクトデータをすべて上記記録媒体から読み出し可能であるか、あるいは伝送媒体を介して受信可能である状態としたデータ処理方法によれば、オブジェクトデータの記録媒体あるいは送信側にすべての被保護オブジェクトに対応するオブジェクトデータが揃っている場合のみ、特定オブジェクトに対する再生処理が行われることとなる。このため著作権保護の対象となる被保護オブジェクトの不正コピー等の不正利用を効果的に阻止することができる。
【0186】
この発明に係る、上記再生可能状態を、上記シーン記述データを上記記録媒体から読み出したあるいは伝送媒体を介して受信した状態であって、上記特定オブジェクトに対応する、暗号化されたオブジェクトデータをすべて上記記録媒体から読み出し可能であるか、あるいは伝送媒体を介して受信可能である状態としたデータ処理方法によれば、オブジェクトデータの記録媒体あるいは送信側にすべての被保護オブジェクトに対応するオブジェクトデータが揃っており、かつシーン記述データが読み出されたあるいは受信された場合のみ、特定オブジェクトに対する再生処理が行われることとなる。このため著作権保護の対象となる被保護オブジェクトの不正コピー等の不正利用をより効果的に阻止することができる。
【0187】
この発明に係る、上記再生可能状態は、上記シーン記述データを上記記録媒体から読み出したあるいは伝送媒体を介して受信した状態であって、暗号化されたオブジェクトデータを含むすべてのオブジェクトデータを、上記記録媒体から読み出し可能であるか、あるいは伝送媒体を介して受信可能である状態としたデータ処理方法によれば、オブジェクトデータの記録媒体あるいは送信側にシーンを構成するすべてのオブジェクトに対応するオブジェクトデータが揃っており、かつシーン記述データが読み出されたあるいは受信された場合のみ、特定オブジェクトに対する再生処理が行われることとなる。このため著作権保護の対象となる被保護オブジェクトの不正コピー等の不正利用をより一層効果的に阻止することができる。
【0188】
この発明に係る、上記再生可能状態を、上記シーン記述データ及び上記シーンを構成するすべてのオブジェクトデータを上記記録媒体から読み出したあるいは伝送媒体から受信した状態としたデータ処理方法によれば、シーンを構成する複数のオブジェクトのうちの特定オブジェクト単独での再生処理が制限されることとなり、著作権保護の対象となる被保護オブジェクトの不正コピー等の不正利用をほぼ阻止することができる。
【0189】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータを圧縮するとともに、該圧縮された複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、所定の暗号化処理を施して得られる暗号化データを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生する際、上記暗号化データに対して暗号復号処理を施して得られるすべての圧縮されたオブジェクトデータを伸長して復元オブジェクトデータを生成する伸長処理では、該すべてのオブジェクトに対応する復元オブジェクトデータの、参照メモリに対する書き込み及び読み出しを行うとともに、上記メモリへの書き込みの際にはすべての復元オブジェクトデータに対して二次的な暗号化処理を施し、かつ該メモリからの読み出しの際には、読み出された復元オブジェクトデータに対して、上記二次的な暗号化処理を解除するための暗号復号処理を施すデータ処理方法によれば、データ読出側あるいはデータ受信側における、伸長処理の際に参照メモリに格納された著作権保護の対象となる被保護オブジェクトのオブジェクトデータの不正コピー等の不正利用を阻止することができ、被保護オブジェクトに対する保護強度を向上できる。
【0190】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータに対して圧縮処理を施すとともに、該圧縮された複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、所定の暗号化処理を施して得られる暗号化データを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生する際、上記暗号化データに対して暗号復号処理を施して得られるすべての圧縮オブジェクトデータを伸長して復元オブジェクトデータを生成する伸長処理では、該各オブジェクトに対応する復元オブジェクトデータを、各オブジェクトに対応する参照メモリへ書き込むとともに、必要に応じて対応する参照メモリから読み出し、上記メモリへの書き込みの際に復元オブジェクトデータに対して二次的な暗号化処理を施し、かつ該メモリから読み出しの際には、読み出された復元オブジェクトデータに対して、上記二次的な暗号化処理を解除するための暗号復号処理を、各メモリ毎に独立して行うデータ処理方法によれば、データ読出側あるいはデータ受信側における、伸長処理の際に参照メモリに格納された著作権保護の対象となる被保護オブジェクトのオブジェクトデータの不正コピー等の不正利用を個々の被保護オブジェクト毎に防止することができ、複数の被保護オブジェクトに対する保護強度を選択的に向上できる。
【0191】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータに対して圧縮処理を施すとともに、該圧縮されたオブジェクトデータ及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、所定の暗号化処理を施して得られる暗号化データを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生する装置であって、上記暗号化データに対して暗号復号処理を施して復号データを生成する暗号復号手段と、上記各オブジェクトに対応する、上記復号データに含まれる圧縮されたオブジェクトデータに対して伸長処理を施して伸長オブジェクトデータを生成する複数のデータ伸長手段と、上記各オブジェクトに対応する、オブジェクトの伸長オブジェクトデータを記憶する複数のメモリとを備え、上記各データ伸長手段を、上記伸長オブジェクトデータを上記対応するメモリに出力する際、該伸長オブジェクトデータに二次的な暗号化処理を施す暗号化部と、上記メモリから読み出された伸長オブジェクトデータに対して、上記二次的な暗号化処理を解除する暗号復号処理を施す暗号復号部とを有する構成としたデータ処理装置によれば、データ読出側あるいはデータ受信側における、伸長処理の際に参照メモリに格納された著作権保護の対象となる被保護オブジェクトのオブジェクトデータの不正コピー等の不正利用を個々の被保護オブジェクト毎に阻止することができ、複数の被保護オブジェクトに対する保護強度を選択的に向上できる。
【0192】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、所定の暗号化処理を施して得られる暗号化データを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して、画像データの表示を含む暗号化データの再生を行う際、予め設定された特定オブジェクトに対応する画像データ単独での表示を制限するデータ処理方法によれば、著作権保護の対象となる被保護オブジェクトの不正コピー等の不正利用を困難なものとすることができる。
【0193】
この発明にる、シーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータに対して圧縮処理を施すとともに、該圧縮されたオブジェクトデータ、及び上記複数のオブジェクトが上記シーンをどのように構成するかを記述したシーン記述データに対して、所定の暗号化処理を施して得られる暗号化データを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して、画像データの表示を含む暗号化データの再生を行う際、予め設定された特定被保護オブジェクトに対応する画像データの表示を、上記シーンを構成するすべてのオブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータが伸長されたときのみ行うデータ処理方法によれば、著作権保護の対象となっている被保護オブジェクトの不正コピー等の不正利用を困難なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるデータ処理装置を説明するためのブロック図である。
【図2】上記実施の形態1のデータ処理装置におけるMPEG4に準拠したオブジェクト符号化方式の概念を説明するための図であり、複数のオブジェクトからなるシーン(図(a) )及びその階層構造(図(b) )を示している。
【図3】上記実施の形態1のデータ処理装置により生成される多重ビットストリーム(図(a) )、及びスクランブル処理が施された暗号ビットストリーム(図(b) )を示す模式図である。
【図4】上記実施の形態1のオブジェクト符号化方式で用いられるシーン記述の例を説明するための図であり、図(a)はシーン記述子SDの内容,図(b)はオブジェクト記述子(1)の内容,図(c)はオブジェクト記述子(2)の内容を示している。
【図5】上記実施の形態1のデータ処理装置におけるCPUによるスクランブル処理の流れ示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2によるデータ処理装置におけるCPUによるスクランブル処理の流れを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態3によるデータ処理装置を説明するための図であり、図(a)は上記実施の形態3のデータ処理装置の構成を示し、図(b)は実施の形態3の変形例3によるデータ処理装置におけるオブジェクト伸長手段の構成を示している。
【図8】上記実施の形態3のデータ処理装置におけるCPUによるデスクランブル処理の流れを示す図である。
【図9】従来の限定受信方式を採用したデータ送受信システムを示す図である。
【図10】上記従来のデータ送受信システムにおけるデータ送信側装置から出力される、多重ビットストリームのパケット構造を示す図である。
【図11】図11(a),(b)は、上記各実施の形態のデータ処理をコンピュータシステムにより行うためのプログラムを格納したデータ記憶媒体を説明するための図、図11(c)は、上記コンピュータシステムを示す図である。
【図12】上記実施の形態3の変形例2によるデータ処理装置におけるデスクランブル処理の流れを示す図である。
【図13】上記実施の形態3の変形例1によるデータ処理装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
3,3a 受信側著作権保護装置
10 シーン記述送出手段
11 オブジェクト(1)圧縮手段
12 オブジェクト(2)圧縮手段
16 オブジェクト(6)圧縮手段
17 多重手段
17 多重手段
18 送信側著作権保護装置
18a スクランブル手段
18b CPU
19a 伝送媒体
19b 記録媒体
20 シーン
21,23〜25 画像オブジェクト
22 オーディオオブジェクト
26 文字オブジェクト
70 シーン記述再生手段
71 デスクランブル手段
72,72a CPU
73 分離手段
74a スクランブル部
74b デスクランブル部
74c 伸長処理部
75 オブジェクト(2)伸長手段
76 オブジェクト(3)伸長手段
77 シーン記述再生手段
78 合成手段
79 表示手段
81 データ送出側装置
82 オーディオエンコーダ
83 ビデオエンコーダ
84 多重手段
85 スクランブラ
91 データ受信側装置
92 デスクランブラ
93 分離手段
94 オーディオデコーダ
95 ビデオデコーダ
100 ヘッダ
100a パケット
101 アダプテーションフィールド
102 ペイロード
741 オブジェクト(1)伸長手段
742 オブジェクト(2)伸長手段
746 オブジェクト(6)伸長手段
751,752,756 参照メモリ
1000 データ送受信システム
1001,1003,1003a データ処理装置
A1〜A3 2Dオブジェクト
Cs コンピュータシステム
D フロッピーディスク本体
FC フロッピーディスクケース
FD フロッピーディスク
FDD フロッピーディスクドライブ
Se セクタ
Tr トラック
MB 多重ビットストリーム
SB 暗号ビットストリーム
DB 復号ビットストリーム
Ksn,Ks,Ksa,Ksb,Ks0,Ks1,Ks(n'),Ks(n'+1) スクランブル鍵
KW ワーク鍵
KWm 暗号化ワーク鍵
KMm マスタ鍵
Do1,Do2,Do6 オブジェクトデータ
Dau オーディオデータ
Dvi ビデオデータ
Dsd シーン記述データ
EDo1,EDo2,EDo5 圧縮オブジェクトデータ
EDau 圧縮オーディオデータ
EDvi 圧縮ビデオデータ
RDo1,RDo2,RDo6 伸長オブジェクトデータ
RDau 再生オーディオデータ
RDvi 再生ビデオデータ
OD1〜OD5 オブジェクト記述子
L1〜L3 第1〜第3階層

Claims (15)

  1. 画像および/またはオーディオを含むシーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータ、および前記シーンにおける前記複数のオブジェクトの構成を示すシーン記述データを記録あるいは伝送するデータ処理方法であって、
    前記複数のオブジェクトデータを圧縮して圧縮オブジェクトデータを出力する圧縮ステップと、
    前記シーン記述データを第1の制御情報を用いて暗号化し、前記複数のオブジェクトのうち、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対応する前記圧縮オブジェクトデータを、前記各特定オブジェクトに対応する第2の制御情報を用いて暗号化する暗号化ステップと、
    暗号化された前記シーン記述データおよび前記圧縮オブジェクトデータを記録媒体あるいは伝送媒体へ出力するデータ出力ステップと、
    を含み、
    前記第2の制御情報は、前記第1の制御情報、または対応する前記特定オブジェクト以外の前記特定オブジェクトに対応する第2の制御情報の少なくとも一つ、に基づいて復元される関係にあること、
    を特徴とするデータ処理方法。
  2. 前記暗号化ステップでは、
    暗号化の対象である前記特定オブジェクトに対応する第2の制御情報を、前記特定オブジェクトの暗号化の前に暗号化された暗号化済みオブジェクトに対応する第2の制御情報により暗号化し、
    前記出力ステップでは、
    前記暗号化済みオブジェクトに対応する第2の制御情報により暗号化された前記特定オブジェクトに対応する前記第2の制御情報を、前記暗号化済みオブジェクトに対応するオブジェクトデータに付加する、
    ことを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
  3. 前記暗号化ステップでは、
    前記第2の制御情報を第3の制御情報により暗号化し、
    前記第3の制御情報により暗号化された前記第2の制御情報を複数の前記特定オブジェクトの数に対応するよう複数の部分情報に分割し、
    前記出力ステップでは、
    前記第2の制御情報の部分情報それぞれを前記特定オブジェクトに対応させ、前記特定オブジェクトに対応するオブジェクトデータに付加する、
    ことを特徴とする請求項1記載のデータ処理方法。
  4. 前記出力ステップでは、
    前記オブジェクトデータが暗号化されているか否かを示す暗号化識別子を前記シーン記述データに含めて出力する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデータ処理方法
  5. 前記特定オブジェクトに対応する第2の制御情報は、その他の前記特定オブジェクトに対応する第2の制御情報とそれぞれ互いに異なる、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
  6. 前記暗号化ステップでは、
    前記圧縮オブジェクトデータの暗号化開始後の時間経過に伴って、前記第1の制御情報および前記第2の制御情報を変更する、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
  7. 画像および/またはオーディオを含むシーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータ、および前記シーンにおける前記複数のオブジェクトの構成を示すシーン記述データを入力する入力手段と、
    前記複数のオブジェクトデータを圧縮して圧縮オブジェクトデータを出力する圧縮手段と、
    前記シーン記述データを第1の制御情報を用いて暗号化し、前記複数のオブジェクトのうち、少なくとも予め設定された特定オブジェクトに対応する前記圧縮オブジェクトデータを、前記各特定オブジェクトに対応する第2の制御情報を用いて暗号化する暗号化手段と、
    暗号化された前記シーン記述データおよび前記圧縮オブジェクトデータを記録媒体あるいは伝送媒体へ出力するデータ出力手段と、
    を備え、
    前記第2の制御情報は、前記第1の制御情報、または対応する前記特定オブジェクト以外の前記特定オブジェクトに対応する第2の制御情報の少なくとも一つ、に基づいて復元される関係にあること、
    を特徴とするデータ処理装置。
  8. 画像および/またはオーディオを含むシーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータ、および前記シーンにおける前記複数のオブジェクトの構成を示すシーン記述データを記録あるいは伝送するためのデータ処理プログラムを記憶した記憶媒体であって、
    請求項1から3のいずれか1項に記載のデータ処理方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるデータ処理プログラムを記憶した記憶媒体。
  9. 画像および/またはオーディオを含むシーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータを圧縮した複数の圧縮オブジェクトデータ、および前記シーンにおける前記複数のオブジェクトの構成を示すシーン記述データを暗号化した暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生するデータ処理方法であって、
    前記暗号化ビットストリームから、前記シーン記述データを暗号化した第1の制御情報と、前記各圧縮オブジェクトデータを暗号化した第2の制御情報を抽出する抽出ステップと、
    前記第1の制御情報を用いて前記シーン記述データを暗号復号化し、前記第2の制御情報を用いて前記圧縮オブジェクトデータを暗号復号化する暗号復号化ステップと、
    前記圧縮オブジェクトデータを伸長して復元オブジェクトデータを生成する伸長ステップと、
    前記シーン記述データおよび前記復元オブジェクトデータに基づいて前記シーンの再生を行う再生ステップと、
    を含み、
    前記第2の制御情報は、前記第1の制御情報、または対応する対象オブジェクト以外のオブジェクトの暗号化に用いられた前記第2の制御情報の少なくとも一つ、に基づいて復元される関係にあること、
    を特徴とするデータ処理方法。
  10. 前記暗号復号化ステップでは、
    暗号復号化の対象であるオブジェクトに対応する第2の制御情報を、前記対象オブジェクトの暗号復号化の前に暗号復号化された暗号化済みオブジェクトに対応する第2の制御情報により暗号復号化する、
    ことを特徴とする請求項9記載のデータ処理方法。
  11. 前記暗号復号化ステップでは、
    暗号化されている全てのオブジェクトそれぞれに対応する第2の制御情報に基づいて、第3の制御情報を用いて暗号化されている第2の制御情報全体を生成し、
    前記第3の制御情報を用いて前記暗号化された第2の制御情報全体を暗号復号化する、
    ことを特徴とする請求項9記載のデータ処理方法。
  12. 前記復元オブジェクトデータに二次的な暗号化処理を施して前記記録媒体に書き込む書き込みステップと、
    前記記録媒体に書き込まれた二次的に暗号化された前記復元オブジェクトを読み出して、二次的な暗号を復号化する読み出しステップとをさらに含む、
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
  13. 前記再生ステップでは、
    前記暗号復号化ステップで、暗号復号化の対象であるオブジェクトに対応する圧縮オブジェクトデータが全て暗号復号化されたときにのみ、
    前記対象オブジェクトそれぞれに対応する前記オブジェクトデータの再生を行う、
    ことを特徴とする請求項9から11のいずれか1項に記載のデータ処理方法。
  14. 画像および/またはオーディオを含むシーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータを圧縮した複数の圧縮オブジェクトデータ、および前記シーンにおける前記複数のオブジェクトの構成を示すシーン記述データを暗号化した暗号化ビットストリームを受信する受信手段と、
    前記暗号化ビットストリームから、前記シーン記述データを暗号化した第1の制御情報と、前記各圧縮オブジェクトデータを暗号化した第2の制御情報を抽出する抽出手段と、
    前記第1の制御情報を用いて前記シーン記述データを暗号復号化し、前記第2の制御情報を用いて前記圧縮オブジェクトデータを暗号復号化して復号データを生成する暗号復号化手段と、
    前記復号データから前記シーンの再生を行う再生手段と、
    を備え、
    前記第2の制御情報は、前記第1の制御情報、または対応する対象オブジェクト以外のオブジェクトに対応する前記第2の制御情報の少なくとも一つ、に基づいて復元される関係にあること、
    を特徴とするデータ処理装置。
  15. 画像および/またはオーディオを含むシーンを構成する複数のオブジェクトの各々に対応する複数のオブジェクトデータを圧縮した複数の圧縮オブジェクトデータ、および前記シーンにおける前記複数のオブジェクトの構成を示すシーン記述データを暗号化した暗号化ビットストリームを、記録媒体から読み出してあるいは伝送媒体を介して受信して再生するためのデータ処理プログラムを記憶した記憶媒体であって、
    請求項9から11のいずれか1項に記載のデータ処理方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるデータ処理プログラムを記憶した記憶媒体。
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