JP4327738B2 - 生体光計測装置及び生体光計測方法 - Google Patents

生体光計測装置及び生体光計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、光を用いて生体内部情報を非侵襲に計測する際に使用する生体光計測装置及び生体光計測方法の技術に関する。
生体の内部を診断するには様々な手法がある。その一つである光計測は、被爆の問題がなく、波長を選択することにより計測対象である化合物を選択できるという利点を有している。また装置の小型化・低価格化を実現する構成も可能であり、他の診断装置が主として医療機関で使用されるのに対して、家庭や保健機関での使用も視野に入れて製品化が進められている。
光計測を利用した生体情報計測装置(以下、「生体光計測装置」と呼ぶ)として既に製品化されているものは、脈波計(脈拍計)や光トポグラフィ(登録商標)である。後者は酸素の消費動向をモニタするもので、対象となるのは脳や筋肉におけるヘモグロビン・ミオグロビンの経時変化・マッピングである。また、かつて簡易な酸素モニタも販売されたこともあるが、現在は製造中止となっている。
現在医療診断装置として確立されているX線診断装置、X線CT装置、磁気共鳴イメージング(MRI)装置、超音波エコー、核医学(ポジトロン)診断装置等の各装置と比較して、光生体計測装置の市場規模は小さい。光生体計測の技術そのものは30年前から知られており、既に何回かの盛り上がりを見せている。現在も国内、海外ともに生体ブームの様相を呈しているにもかかわらず、該当する製品の市場形成がされていない状況である。
従来の生体光計測装置の構成について説明すると、次のようである。すなわち、一般の生体光計測装置では、光プローブを生体皮膚表面に押し当て経皮で生体内部に検出光を照射し、透過または反射してきた光が再び皮膚を通過して生体外に出射したものを計測し、これに基づいて種々の生体情報を計算する(例えば、特許文献1参照)。また、計測した光より、計測位置・深さを解析する。この解析手法には、光源と検出器の距離(以下、Rと略記する)を調整するという手法(空間分解法)、及び強度が時間的に変化する光源を用い、光が到達する時間の違いから深さ情報を得る手法(時間分解法)と呼ばれるものがある。
前者の空間分解法は、時間的に連続な光源の光を入射光として用い、Rが大きくなると深い位置からの情報を得ることができるという考え方に基づいたものである(例えば、非特許文献1参照)。例えば、光源1に対して2個の光検出器を用い、それぞれのRに対して得られる信号から浅部と深部の情報を得る。Rに対して0.35Rの深さの情報までが得られ、この深さに達する位置はRの中点である。一方、後者の時間分解法は、光信号の時間応答を分割して深さ情報と対応させるため、時間幅の狭い光源と時間応答の早い光検出器が必要となる。
しかしながら、従来の生体光計測装置では、例えば次のような問題がある。
第1に、計測状態に基づく信号の質のばらつきがある。すなわち、従来の生体光計測装置の生体との接触形態では、光計測する際に、光を照射させるプローブ・出てきた光を検知するプローブと皮膚との接触状態や距離・角度によって、光信号の強度や性質に大きな影響が生じることが問題となっている。従って、プローブが皮膚と接触しているか、間に空気層があるかによって信号の形に歪が生じる場合があり、得られる信号の質にばらつきが発生する。
第2に、検出方法による測定範囲の限界がある。すなわち、空間分解法を用いる場合、深い位置の情報を得ようとするとRを大きくする必要がある。例えば5cmの深さの情報はRに換算すると15cmとなる。しかしながら、人体は曲面からなっているので、直線距離で15cm離れた位置は皮膚から浮き上がってしまう。また、解析によって得られた曲線上において、該当する位置が皮膚の上でどこになるかを機械的に決めることはできず、得られた光から計測位置・深さの解析には限界がある。さらに、この空間分解法は、例えば皮膚と皮下脂肪を区別する場合や、頭蓋骨と大脳皮質を区別する場合のように、2つの重なった層の情報をそれぞれ取得するという場合には有効である。しかし、上層の厚みが不明な場合や場所によって異なる場合、Rを設定するには試行錯誤が必要となる。
第3に、安全性の確保や価格から受ける制限がある。すなわち、時間分解法では、時間幅の狭い光源と時間応答の早い光検出器が必要となるが、このデバイスは高価であると同時に、高電圧で駆動する必要がある。そのため、皮膚に近づけると危険性があるという問題点がある。
従って、従来の装置では、計測光からの計測位置・深さの解析が困難であり、また、他の診断装置よりも安価な構成にする場合に、高い安全性を確保しつつ、解析に耐える高品質の信号を取得することができない。
特開平2000−237195号公報 Appl. Opt. Vol.34 p.3826 1995
本発明は、上記事情を鑑みてなされたもので、被爆リスクのない光を用いて計測位置・深さを解析することができ、また、他の診断装置よりも安価な構成にする場合に、高い安全性を確保しつつ、解析に耐える高品質の信号を取得することができる生体光計測装置及び生体光計測方法を提供することを目的としている。
本発明は、上記目的を達成するため、次のような手段を講じている。
本発明の第1の視点は、被検体の表面上に配置され、当該被検体内の計測対象によって吸収される波長を有し且つ強度が時間的に変化する光を前記被検体内の被照射領域に向けて照射する光照射手段と、前記光照射手段の配置位置から順次遠ざかる位置に配列され、前記被検体内において反射した光を検出する複数の検出素子と、前記計測対象が前記被照射領域に存在しない場合に、それぞれ前記検出素子によって検出される光の強度を予め記憶する記憶手段と、記憶された前記計測対象が前記被照射領域に存在しない場合にそれぞれ前記検出素子によって検出される光の強度と、前記計測対象が前記被照射領域に存在する場合にそれぞれ前記検出素子によって検出される光の強度とを比較することにより、前記計測対象において反射された光を検出した検出素子を特定し、当該特定された検出素子と前記光照射手段との間の距離に基づいて、前記光照射手段の配置位置を基準とした前記計測対象の深度を計算する計算手段と、を具備することを特徴とする生体光計測装置である。
以上本発明によれば、被爆リスクのない光を用いて計測位置・深さを解析することができ、また、他の診断装置よりも安価な構成にする場合に、高い安全性を確保しつつ、解析に耐える高品質の信号を取得することができる生体光計測装置及び生体光計測方法を実現することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に従って説明する。なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、本実施形態に係る生体光計測装置1のブロック構成図を示している。同図に示すように、本生体光計測装置1は、検出器10、電気信号伝送部12、制御/解析部14、表示部16、入力部18を具備している。
検出器10は、制御/解析部14からの制御に基づいて光を生体内に向けて照射すると共に、当該生体内を経由した光を検出する光走査を実行するものであり、マッチング材101、光照射部102、駆動回路103、光検出素子104、信号処理回路105を有している。
マッチング材101は、当該生体光計測装置1の皮膚との接触面を形成し、光散乱を防ぐ光整合層の役割を果たすと同時に、当該装置1を当接した場合の皮膚のへこみ(皮膚表面及び皮下組織の変形)を防止するための緩衝材の役割を果たすものである。その素材としては、シリコーン樹脂薄板等を利用することができる。
光照射部102は、駆動回路103からの駆動信号に基づいて計測用の光、特に後述する光計測においてはその強度が所定の周期Tで変動する光を発生するレーザダイオードである。なお、この光照射部102から照射される光の波長は、計測対象(例えば、血液(ヘモグロビン)、骨(カルシウム)、脂肪、筋肉(ミオグロビン)等)が吸収しやすい帯域のものが使用される。また、周期Tは、例えば解剖学的見地から決定することができるが、例えば、半周期T/2(又は、時間変化する光強度の半値全幅)が5ナノ秒より小さくなるようにすることが好ましい。
駆動回路103は、制御/解析部14からの制御に基づき、所定の周期Tで変動する駆動信号を発生し、光照射部102に供給する。
光検出素子104は、生体内から受光した光信号を検出し、電気信号に変換する。この光検出素子104は、光照射部102の位置から順次遠ざかる位置に複数配列される。本実施形態では、光信号の検出として当該フォトダイオードを用いた例を想定するが、これに拘泥する趣旨ではなく、例えばCCDや光電子増倍管その他の光電変換機能を有する検出素子を使用することも可能である。
なお、検出器10は、被検体表面に沿って光照射部102から遠ざかる一方向に沿って複数の光検出素子104が配列されたもの、被検体表面及び光照射部102から遠ざかる少なくとも一方向に沿って複数の光検出素子104が配列されたもの、被検体表面に沿って複数の光検出素子104が二次元マトリックス上に配列されたもの、被検体表面及び複数の光検出素子104から遠ざかるように三次元的に複数の光検出素子104が配列されたもの、のいずれの形態であってもよい。本実施形態においては、説明を簡単にするため、光照射部102から遠ざかる一方向(走査方向)に沿って複数の光検出素子104が配列された一次元アレイ型の検出器10を採用するものとする。
また、光照射部102によって周期Tで光が照射され、一周期における最大強度の光が所定の時間幅で各光検出素子104によって検出される一連の処理を、「一走査」とする。
信号処理回路105は、制御/解析部14からの制御信号に基づき所定の時間幅で選択する光検出素子104(複数の検出素子となる場合もある)を切り替え、当該選択された素子からの電気信号のみを電気信号伝送部12に送り出す。
電気信号伝送部12は、制御/解析部14からの制御信号を検出器10に伝送し、また、検出器10によって検出された光に基づく信号を制御/解析部14に伝送する。
制御/解析部14は、検出器10の動作を制御すると共に、検出器10によって検出された光に基づく信号を解析し、所定の生態情報を生成する。
図2は、制御/解析部14の構成を示したブロック図である。同図に示すように、制御/解析部14は、アンプ141、A/D変換器142、CPU143、記憶部144、吸収体深度解析部145、再構成部146を有している。
アンプ141は、各光検出素子104から入力した信号を増幅する。
A/D変換器142は、アンプ141から入力したアナログ信号をディジタル信号に変換する。なお、アンプ141、A/D変換器142は、信号処理回路105に設ける構成であってもよい。
CPU143は、当該生体光計測装置1を動的又は静的に制御する。特に、CPU143は、所定のタイミング、周波数、強度、強度変動周期Tで光照射部102から光が照射されるように、駆動回路103を制御する。また、CPU143は、
選択する光検出素子104を所定の時間幅で走査方向に沿って切り替え、当該選択された素子からの電気信号のみを電気信号伝送部12に送り出すように、信号処理回路105を制御する。
記憶部144は、計測された光に基づく電気信号を検出位置毎に記憶する。また、記憶部144は、予め取得された、計測対象(光吸収体)が存在しない場合に各検出素子で検出される光強度を、計測対象毎(照射する光の周波数毎)に記憶している。
吸収体深度解析部145は、A/D変換器142よりディジタル信号を受信し、これと記憶部144に記憶されているデータとに基づいて、計測対象の皮下深度を解析する。すなわち、吸収体深度解析部145は、実際の計測において各検出素子で検出される光強度と、計測対象(光吸収体)が存在しない場合に各検出素子で検出される光強度とを比較することで、計測対象が存在する位置(深度)を解析する。この解析は、一回の光走査毎に実行される。
再構成部146は、吸収体深度解析部145において得られた計測対象の深度に基づいて、計測領域の断層画像を再構成する。
表示部16は、制御/解析部14から受け取った生体情報を所定の形態にて表示する。
入力部18は、オペレータからの各種指示・命令・情報をとりこむためスイッチ等を有している。
この生体光計測装置1は、例えば図3に示すように、例えば手首から肘が走査方向に沿うように被検体に設置され、当該走査方向と垂直な方向(移動方向)に沿って移動させる形態にて使用される。
(本生体光計測装置の計測手法)
次に、本生体光計測装置1によって実行される光計測の手法について説明する。
一般に、生体は光を強く散乱する媒体なので、図4に示すように皮膚から入射した光が真皮より深い位置まではいりこんだ場合には再び皮膚から出てくるまでの散乱回数が多く、出てくる光は等方的になっている。その場合、光が実際に通ってきた経路に沿った距離の平均値は、到達した深さの2倍(光が1回正反射した場合の走行距離)と比較して5倍以上と言われている。つまり、皮下で10mmの位置の情報を得たいと考えると、光は散乱を繰り返して100mm以上の距離を走行した後に出てくるので、時間遅れは0.3ナノ秒以上となる。よって深さ方向の分解能に応じて必要となる入射光の時間幅および検出器の応答速度が変化する。本手法はこの点に着目し、強度が時間的に変化する光を発する光源と検出器とを用いて光計測を実行し、計測された光強度の空間分布と参照データとの比較から吸収体の深さと位置を演算し、吸収体の断面形状を取得するものである。
図5は、光源位置Rにおいて皮膚から入射した光が生体内を伝播した後に位置R〜Rからそれぞれ出て行く様子を示した概念図である。また、図6は、本装置1において光源位置R(光が皮膚に入射する位置)からの直線距離が近い順に光検出素子に番号をつけ、n番目の検出素子の位置をRnとした場合、位置R〜Rにおいて検出される光強度の時間変化(応答曲線)を示した図である。
例えば、光源からの直線距離がもっとも近い検出素子Rを、皮膚に光が入射する光源位置Rから5mm以内になるように位置を設定し、この検出素子で信号が立ち上がる時間を基準時刻tとする。また、n番目の検出素子とRとの距離をrnとすると、この素子で信号を取り込む時間遅れの初期値はk×(rn−r)と設定する(k:定数)。この値を基準として、図7に示すように空間分解能から計算した時間幅を用いて検出素子を選択し、当該選択された検出素子からの電気信号のみを取り込み、計測対象の深度を解析する。
従って、光照射部102と複数の検出素子104のそれぞれとの間の各距離に応じて各検出素子の検出タイミングを遅らせることで、各検出素子が、光照射部102から遠ざかるに従って時間の遅れの大きい光成分を検出するように、各検出素子の検出タイミング(信号取り込みゲートのタイミング)が制御されることになる。例えば、位置Rにおける検出素子は、光照射時からk×(r−r)の時間差(遅延)をもって駆動され、各タイミングで検出された光に基づく電気信号は、例えば図6に示すような応答曲線を示す。
照射に使用する光の波長は、計測したい皮下組織に含まれる化合物の吸収に合致するように選択する。例えば、血管の位置を計測したい場合には、血液成分であるヘモグロビンの吸収が強い近赤外波長を選択し、皮膚に含まれる化合物であるメラニン色素や水の吸収に近い波長だと光が減衰してしまうため、これらの波長を避ける。また光散乱の強度は計測波長の4乗に反比例するので、散乱による減衰も考慮する必要がある。計測したい皮下組織にたくさん含まれ、周辺組織には含まれない化合物を選択すると、コントラストを高くすることができる。
図8は、このようにして選択した波長を用いて一回の光走査を行い、これによって得られた光の強度を示した図である。同図において、横軸は各検出器の位置、縦軸は検出器ごとに設定した時間幅で取り込んだ光信号の強度である。また、曲線Aは皮下に吸収体が存在する場合、曲線Bは存在しない場合である。曲線Aと曲線Bは皮膚に近い位置では一致しているが、吸収体が存在する深さからずれが生じ、Aの方がBよりも値が小さくなる。これは吸収体で光が吸収されたため、戻ってくる光の強度が減少したためである。この検出器の位置から光源下に存在する吸収体の深さを換算することができる。
なお、皮下に吸収体が存在しない場合の情報(上記例では、曲線Bの情報)は、事前に取得しておく必要がある。この情報は、例えば、モデルサンプルで計測することも可能であり、既知である光学定数を用いて計算した値を使用してもかまわない。また吸収体が存在しないと解剖学的にわかっている位置で計測することも可能である。
次に、本生体光計測装置1を図3に示した移動方向に沿って所定量移動させ、移動後の位置で再び光強度分布を計測し、吸収体が存在した場合の曲線とずれる位置から吸収体の深さを換算する。この操作を、生体光計測装置1を移動させつつ繰り返し行った結果を図9に示す。横軸はデバイスを掃引した距離(腕上の移動方向の距離)、縦軸は皮膚から測った吸収体の深さである。同図に示すように、位置Pから位置Pまで吸収体の深さが深くなっていることがわかる。従って、このP−P間に計測対象物が存在することがわかる。また、図9に基づいて、図10に示すような皮膚表面を基準とした断層像を再構成することも可能である。
以上述べた本手法によれば、計測対象物が照射領域に存在しない場合にそれぞれ検出素子によって検出される光の強度と、計測対象物が被照射領域に存在する場合にそれぞれ検出素子によって検出される光の強度とを比較することにより、計測対象において反射された光を検出した検出素子を特定する。こうして特定された検出素子と光照射部102との間の距離に基づいて、光照射部102の配置位置を基準とした前記計測対象の深度を計算することができる。また、本手法によれは、このように生体光計測装置1の掃引によって、吸収体の断面形状を取得することができる。
(動作)
次に、本生体光計測装置1の計測動作について説明する。
図11は、生体光計測装置1を用いた計測において実行される処理の流れを示したフローチャートである。同図に示すように、まず、強度が時間的に変化するような光照射が、CPU143の制御のもと、光照射部102において実行される(ステップS1)。次に、空間分解能から計算した時間幅に基づき検出素子を選択して光検出を行い、当該検出された光に基づく電気信号のみを取り込み、計測対象の深度を解析する(ステップS2、S3)。このステップS1〜S3の処理は、当該生体光計測装置の同一の配置位置において、所定回数(例えば1000回)繰り返し実行される。
次に、移動方向に沿った装置移動(検出位置の変更)が必要か否かを判定し(ステップS4)、移動が必要な場合には、新たな位置に当該生体光計測装置を移動させた後、移動の位置においてステップS1〜S3の処理を繰り返す(ステップS5)。一方、移動が不要な場合には、各計測位置において得られた計測対象の深度を用いて断層画像の再構成を行い、これを表示部18に表示する(ステップS6)。
(実施例)
次に、本生体光計測装置1の実施例について説明する。本実施例では、計測対象を血管とし、吸収体としてヘモグロビンを選び、計測波長をヘモグロビンの吸収帯と合わせて760nmとする。光源として近赤外LD(波長760nm、出力50mW)を選び、周波数500MHzで強度変調する。検出器としてSiフォトダイオード(高速応答)を25個用意し、走査方向に沿って直線状に隙間なく並べて1次元検出器を構成する。
光源から近い順に素子に番号を振り(1から25)、光源もこの検出器に連続して実装してデバイスとする(例えば、図1参照)。デバイスが皮膚に接する面には、光の散乱を防ぐと同時に皮膚のへこみを防ぐための緩衝材としてシリコーンゴム薄板を取り付ける。
検出素子1から25でそれぞれ計測する信号の時間遅れtを下記のように設定する。
t=n×0.1ns n:検出素子の番号
デバイスをひじから5cmの位置で前腕部内側に密着させ、長軸方向を腕に平行に設定する(図3参照)。また、別途血管からずらした位置にデバイスを置いてデータを計測し、吸収体がない場合の曲線を収集する。次に、デバイスを3mmずつ平行に移動させ、各位置で曲線を計測した。各位置で得た曲線を、最初に計測した曲線と比較して、強度に変化が生じる検出器の番号を決め、該当する深さを計算した。こうして得た深さ情報を3mmごとにプロットして吸収体の断面形状を取得する。
参考のため、発明者が前腕部内側の血管配置を超音波診断装置で計測したところ、脂肪層の下にある静脈の位置と合致した。
また、比較のため、発明者は、光源を強度変調せずに時間的に連続した光として同様の計測を行った。すなわち、各検出素子から得られた信号を用いて、吸収体がない場合の曲線を計測した後に、デバイスの位置を移動させながら断面形状が得られるかどうかを計測した。その結果、光を時間変化させた場合に7mmの太さの血管が計測できたのに対して、連続光を用いた場合には確実に計測できる血管の太さが大きくなり、深さは浅くなった。これは連続光を用いた計測の方が低い空間分解能しか持たないためと考えられる。
以上述べた構成によれば、以下の効果を得ることができる。
本生体光計測装置では、検出素子が走査方向に複数配列された検出器を用いることで、光源−検出位置距離を連続的に変化させた光計測を一回の光走査で実行する。これにより、離散的にしか得られなかった従来データを連続データへと向上させることができ、従来では浅部と深部として2点にしか区別できなかった状態から、どの深さで変化が起きたのか判断できる状態まで深さ方向の分解能を向上させることができる。
また、本生体光計測装置では、検出素子が走査方向に複数配列された検出器を用いるため、従来の空間分解法の様に深さをRに置き換えるプロセスを必要がない。従って、常に一定の大きさの検出面を皮膚に押し当てるだけで、個人の体格差に影響されない良好な検出状態を確保することができ、従来に比して少ない作業負担で、より詳細な情報を取得することができる。
また、本生体光計測装置では、時間的に強度が変化する光を光源から距離の異なる複数の検出素子によって検出し、光源からの距離に応じて取り込む時間遅れを変える。これにより、検出素子が持っている時間分解能を距離の違いによって高くすることができ、従来に比して高い分解能を実現することができる。さらに、検出素子としてPDを連続的に並べたものやCCDを使用することができ、従来の時間分解法の様な時間幅の狭い光源と時間応答の早い光検出器を使用する必要がない。特に、従来の時間分解法を用いる場合、例えば10mmの空間分解能を得るためにはサブナノ秒の時間分解能が必要となる。従って、本装置によれば、従来に比して高い安全性を実現しつつ、装置全体のコストを低減させることができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上本発明によれば、被爆リスクのない光を用いて計測位置・深さを解析することができ、また、他の診断装置よりも安価な構成にする場合に、高い安全性を確保しつつ、解析に耐える高品質の信号を取得することができる生体光計測装置及び生体光計測方法を実現することができる。
図1は、本実施形態に係る生体光計測装置1のブロック構成図を示している。 図2は、制御/解析部14の構成を示したブロック図である。 図3は、生体光計測装置1の使用態様の一例を示した図である。 図4は、皮膚から入射した光が再び皮膚から出てくるまでの散乱の様子を示した図である。 図5は、位置Rにおいて皮膚から入射した光が生体内を伝播した後に位置R〜Rからそれぞれ出て行く様子を示した概念図である。 図6は、位置R〜Rにおいて検出される光強度の時間変化(応答曲線)を示した図である。 図7は、位置に応じた各検出素子のゲート駆動タイミングの一例を示した図である。 図8は、本生体光計測装置を用いた一回の光走査で得られる光の強度を示した図である。 図9は、生体光計測装置1を移動させながら、各位置で光走査を行って得られる結果の一例を示した図である。 図10は、生体光計測装置1によって得られた各検出位置におけるデータに基づいて再構成された断面図である。 図11は、生体光計測装置1を用いた計測において実行される処理の流れを示したフローチャートである。
符号の説明
1…生体光計測装置、10…検出器、12…電気信号伝送部、14…制御/解析部、16…表示部、18…入力部、101…マッチング材、102…光照射部、103…駆動回路、104…光検出素子、105…信号処理回路

Claims (8)

  1. 被検体の表面上に配置され、当該被検体内の計測対象によって吸収される波長を有し且つ強度が時間的に変化する光を前記被検体内の被照射領域に向けて照射する光照射手段と、
    前記光照射手段の配置位置から順次遠ざかる位置に配列され、前記被検体内において反射した光を検出する複数の検出素子と、
    前記計測対象が前記被照射領域に存在しない場合に、それぞれ前記検出素子によって検出される光の強度を予め記憶する記憶手段と、
    記憶された前記計測対象が前記被照射領域に存在しない場合にそれぞれ前記検出素子によって検出される光の強度と、前記計測対象が前記被照射領域に存在する場合にそれぞれ前記検出素子によって検出される光の強度とを比較することにより、前記計測対象において反射された光を検出した検出素子を特定し、当該特定された検出素子と前記光照射手段との間の距離に基づいて、前記光照射手段の配置位置を基準とした前記計測対象の深度を計算する計算手段と、
    を具備することを特徴とする生体光計測装置。
  2. 前記計算手段によって計算された、前記光照射手段の異なる複数の配置位置に対応する複数の前記計測対象の深度に基づいて、断層画像を再構成する再構成手段をさらに具備し、
    前記出力手段は、前記断層画像を出力すること、
    を特徴とする請求項1記載の生体光計測装置。
  3. 前記光照射手段と前記複数の検出素子のそれぞれとの間の各距離に基づいて、前記各検出素子の検出タイミングを制御する制御手段をさらに具備することを特徴とする請求項1又は2記載の生体光計測装置。
  4. 前記制御手段は、前記光照射手段と前記複数の検出素子のそれぞれとの間の各距離に応じて前記各検出素子の検出タイミングを遅らせることで、前記光照射手段から遠ざかるに従って前記被検体を透過した前記光のうち時間の遅れの大きい成分を検出するように、前記各検出素子の検出タイミングを制御することを特徴とする請求項1又は2記載の生体光計測装置。
  5. 前記光照射手段に最も近い前記検出素子と前記光照射手段との距離が5mm以下であり、
    前記制御手段は、前記光照射手段に最も近い前記検出素子で信号が立ち上がる時間を基準時刻tとした場合、当該基準時刻tからの時間遅れが、前記光照射手段に最も近い前記検出素子と前記各検出素子との距離に比例するように、前記各検出素子の検出タイミングを制御することを特徴とする請求項3又は4記載の生体光計測装置。
  6. 前記光照射手段は、前記光として近赤外光を用い、且つ、時間変化する光強度の半値全幅が5ナノ秒より小さくなるように前記光を照射することを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一項記載の生体光計測装置。
  7. 前記複数の検出素子は、前記光照射手段から順次遠ざかる一方向に沿って5個以上配列されていることを特徴とする前記請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の生体光計測装置。
  8. 前記複数の検出素子は、前記光照射手段から順次遠ざかる第1の方向と、当該第1の方向と異なる方向であって前記光照射手段から順次遠ざかる第2の方向とに沿って二次元マトリックス状に配列されていることを特徴とする前記請求項1乃至6のうちいずれか一項記載の生体光計測装置。
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