JP4283170B2 - 物体検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、物体検出装置に関するものである。
従来、超音波を送信し、その反射波を受信して反射物体までの距離を測定する超音波距離測定装置が提案されている。この超音波距離測定装置によれば、受信信号に対してバンドパスフィルタを掛けることで送信信号の周波数成分についてのみ取得し、この取得した信号に対して包絡線検波を行って、受信信号の立ち上がり部分(エッジ部)を検出する。そして、送信信号の立ち上がり部からの時間を測定して、反射物体までの距離を測定する。
また、パルス信号の周波数や位相等を変調した変調信号を送信し、その反射波等を受信した後、変調信号との相関(自己相関)をとることによって受信信号のパルス幅を圧縮するパルス圧縮方法が知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
梅田章、外12名、"超音波センサによる静止構造物の面的検出に関する研究委員会報告書"、3−2−6超音波信号処理(50〜60頁)、[online]、平成4年6月1日、社団法人日本プラントメンテナンス協会、[平成16年5月24日検索]、インターネット<URL:http://www.jipm.or.jp/giken/houkoku/index.htm>
上述した、従来の超音波距離測定装置は、バンドパスフィルタを掛けて送信信号の周波数成分を取得しているため、このバンドパスフィルタを通過してしまう周波数成分のノイズ成分を除去することができず、良好なSN比の受信信号を取得することができない。
また、上述したパルス圧縮方法は、静止(運動していない)物体に対してはSN比の改善がある程度期待できるものの、例えば、等速で運動する物体から反射された反射波の受信信号については良好にパルス圧縮できるものではない。これは、物体が等速で運動する場合、ドップラー効果の影響により反射波の受信信号の周波数がシフトするため、パルス圧縮する際、変調信号との相関がとれなくなり、その結果、受信信号のパルス幅が良好に圧縮できなくなるためである。
本発明は、かかる問題を鑑みてなされたもので、受信信号のSN比を向上することができる物体検出装置を提供することを目的とする。
請求項1に記載の物体検出装置は、送信信号を発生する送信信号発生手段と、送信信号発生手段の発生する送信信号について変調を施した変調信号を出力する変調手段と、変調手段の出力する変調信号を送信波として送波し、その反射波を受波する送受波手段と、送受波手段の受波する反射波の受信信号と変調信号との相関を求め、その結果により反射波の受信信号をパルス圧縮するパルス圧縮手段とを備え、このパルス圧縮手段は、受信信号のドップラーシフトを補正するための補正信号を用いて、反射波の受信信号のドップラーシフトを補正するドップラーシフト補正手段を備え、ドップラーシフト補正手段の補正したドップラー補正後受信信号と変調信号との相関の程度を示す相関値を求め、この相関値から前記受信信号をパルス圧縮するものであって、このパルス圧縮手段として、前記ドップラーシフト補正手段における補正信号の周波数が各々異なるものを複数備え、複数のパルス圧縮手段によって圧縮された各々の受信信号の振幅を加算し、その加算した受信信号の振幅に対して予め設定した振幅レベルとの大小関係を判定する閾値判定を行い、その判定結果に基づいて物体を検出する物体検出手段を備えることを特徴とする。
前述したように、従来のパルス圧縮方法は、静止(運動していない)物体を検出する際に用いることを前提としており、例えば、等速で運動する物体から反射された反射波の受信信号については良好にパルス圧縮できるものではない。
これは、物体が等速で運動する場合、ドップラー効果の影響により反射波の受信信号の周波数がシフトするため、パルス圧縮する際、変調信号との相関がとれなくなり、その結果、受信信号のパルス幅が良好に圧縮できなくなるためである。
本発明は、この問題を鑑みてなされたもので、ドップラーシフトを補正するための補正信号を用いて受信信号のドップラーシフトを補正し、この補正したドップラー補正後受信信号と変調信号とから相関を求めるようにすることで、受信信号のSN比の向上を図ったものである。
例えば、送信信号発生手段において、角周波数(ω)のパルス信号(f[t])を送信信号として発生し、この送信信号の位相をデジタル符号変調したうえで送波する場合、この送信波の基本波成分は、次式によって示される。なお、次式中の(θ[t])は、位相変調成分を示す関数である。
(数17)
送信波=f[t]×cos(ωt+θ[t])
そして、この送信波と略同等の周波数成分となる反射波の受信信号に対し、角周波数(ωt+θ2)の正弦波信号を用いて直交復調して、復調信号の同相成分と直交成分に分離すると、次式のように示される。なお、(θ2)は、送信波が検出物体に反射して受信するまでの経路を伝搬することによって生ずる位相差である。
(数18)
復調信号=f[t]×cos(ωt+θ[t])×cos(ωt+θ2)+j{f[t]×cos(ωt+θ[t])×-sin(ωt+θ2)}=(1/2)×f[t]×{cos(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+cos(ωt+θ[t]-ωt-θ2)}-(1/2)×j{sin(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+sin(-ωt-θ[t]+ωt+θ2)}
ここで、パルス信号(f[t])の角周波数(ω)に同期した角周波数(ω=ω)の正弦波信号で直交復調した場合、復調信号は次式のように示される。
(数19)
復調信号=(1/2)×f[t]×{cos(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+cos(ωt+θ[t]-ωt-θ2)}-(1/2)×j{sin(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+sin(-ωt-θ[t]+ωt+θ2)}=(1/2)×f[t]×{cos(2ωt+θ[t]+θ2)+cos(θ[t]-θ2)}-(1/2)×j{sin(2ωt+θ[t]+θ2)+sin(-θ[t]+θ2)}
上記数式の示す復調信号に対して、直交復調の機能として有するローパスフィルタ(LPF)を用いて角周波数(ω)の2倍周波数成分を除去すると、LPFからの出力は、次式のように示される。なお、次式中のAは定数である。
(数20)
LPF出力=(1/2)×f[t]×+cos(θ[t]-θ2)+j(1/2)×sin(θ[t]-θ2)=A×f[t]×ej(θ[t]-θ2)
このように、パルス信号f[t]の角周波数(ω)に同期した角周波数の正弦波信号で直交復調し、その復調信号に含まれる2倍周波数成分を除去することで、受信信号の振幅(A)成分、及び、位相成分(θ[t]-θ2)を抽出することができる。なお、受信信号の振幅成分と位相成分を抽出する方法としては、上述した直交復調に限定されるものではない。
ここで、ドップラー効果の影響を受けていない受信信号と変調信号との相関を求めるために、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の共役複素数に対応する共役複素信号を受信信号に乗じた後、この乗算結果を加算して、その加算結果を平均化する次式の演算を行う。なお、次式中の(N)は、符号系列の符号数である(変調単位)。
(数21)
(1/N)×Σ{A×f[t]×ej(θ[t]-θ2)×e-jθ[t]}=(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2}
上記数式の演算結果を同相成分(I)と直交成分(Q)からなる複素平面(IQ平面)上にて示すと、送信信号の送信区間で一定の方向(IQ平面上の1点)を示すベクトルとなり、また、その乗算結果を加算平均することで、加算回数と比例した大きさのベクトルとなる。一方、受信信号に含まれるノイズとして、例えば、送信波と略等しい周波数の音波を受波する場合であっても、その受波したノイズの信号と変調信号との相関はないため、IQ平面上でランダム化され、そのベクトルは小さいものとなる。
しかしながら、例えば、等速で運動する物体から反射された反射波の受信信号をパルス圧縮する場合、ドップラー効果の影響により反射波の受信信号の周波数がシフトするため、次式に示す結果を得ることになる。なお、下記式中のΔθ[t]は、ドップラーシフトによる位相変化を示す関数である。
(数22)
(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2×ejΔθ[t]}
これは、送信信号の送信区間に相当する時間だけ受波した場合、パルス圧縮する過程でドップラーシフトによる位相変化分が加算され、その結果、IQ平面上において受信信号のベクトルが回転することになり、その結果、受信信号のパルス幅が良好に圧縮できなくなることを意味する。
そこで、本発明では、ドップラー効果の影響を受けた受信信号と変調信号との相関を求める際、受信信号のドップラーシフトを補正するための補正信号を用いて受信信号のドップラーシフトを補正し、この補正した受信信号と変調信号とから相関を求め、その結果により受信信号をパルス圧縮する。なお、次式中の(e-jΔθ[t])は、前述の補正信号(補正項)に相当するものである。
(数23)
(1/N)×Σ({A×f[t]×e-jθ2×ejΔθ[t-1]}×{e-jΔθ[t]})=(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2}
上記数式23の演算結果から、受信信号のドップラーシフト分の周波数が除去されていることが分かる。また、この演算結果をIQ平面上に示すと、送信信号の送信区間で一定の位相差(θ2)、すなわち、IQ平面上の1点を示すベクトルとなり、また、その乗算結果を加算平均することで、加算回数と比例した大きさのベクトルとなる。
図19中の相関検出DS補正フィルタ212b、212cは、本発明のドップラーシフト補正手段を備えるパルス圧縮手段を示したものである。すなわち、相関検出DS補正フィルタ212b、212cは、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の共役複素信号を受信信号を乗じた後、この乗算結果を加算して、その加算結果を平均化することにより相関を求めるものであるが、乗算結果を加算する前の段階で、反射波の受信信号のドップラーシフトを補正するものである。これにより、ドップラーシフトによる位相変化分が加算されることがなくなるため、IQ平面上において受信信号のベクトルが回転しなくなる。
これにより、ドップラー効果の影響により受信信号の周波数がシフトする場合であっても、相関の程度を示す相関値のピークとピーク以外(すなわち、サイドローブ)との相関値の差を際立たせることができる。その結果、受信信号のSN比を向上することができる。
なお、一度、送信波を送波し、その反射波の受信信号からドップラーシフトによる位相変化分(Δθ)を検出し、この位相変化分(Δθ)と変調速度とから、ドップラーシフトを補正するための補正信号(e-jΔθ[t])の周波数を算出して、この算出した周波数に変更するようにしてもよい。
なお、この閾値判定に用いられる振幅レベル(閾値)は、各々のパルス圧縮手段に対して各々設定されるもの(言い換えれば、各々のパルス圧縮手段からの各々の受信信号に対して各々設定されるもの)であり、物体検出手段は、各々の受信信号に対応する各々の振幅レベルを用いて閾値判定を行う。
請求項に記載の物体検出装置によれば、送信信号発生手段は、複数のパルスからなる複数のパルス列で構成される送信信号を発生し、変調手段は、送信信号発生手段の発生する送信信号の振幅、周波数、及び位相の少なくとも1つについて、複数の符号の組み合わせで構成される符号系列に従って送信信号のパルス列毎にデジタル変調を施した変調信号を出力し、パルス圧縮手段は、送受波手段の受波する反射波の受信信号と変調信号との各々の符号の相関を求めるものであることを特徴とする。これにより、受信信号の符号と変調信号の符号とから相関を求めることができる。
請求項に記載の物体検出装置によれば、送受波手段は、圧電素子を駆動することで、その駆動に伴って共振する共振型マイクを備え、変調手段は、圧電素子を駆動するための送信信号の位相について変調を施した変調信号を出力することを特徴とする。これにより、共振型マイクから送波される送信波の位相を変調することが可能となる。
請求項に記載の物体検出装置によれば、送信信号発生手段は、共振型マイクの振動に関する特性と符号系列を構成する符号の組み合わせとに基づいて、送信信号を発生し続ける持続時間を制御する制御手段を備えることを特徴とする。これにより、送信信号を発生し続ける持続時間を制御することができる。
請求項に記載の物体検出装置によれば、制御手段は、変調手段において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合、1つ前の符号のパルス列の変調信号による共振型マイクの振動が略収まった後に、異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御すること特徴とする。これにより、符号に応じて位相の変化した送信波を共振型マイクから送波することができる。
請求項に記載の物体検出装置によれば、制御手段は、変調手段において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合、1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも多いパルス数の異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御すること特徴とする。
これにより、共振型マイクの振動が収まるのを待たずに、異なる符合のパルス列の変調信号を出力することができるようになるため、変調速度を高めることができる。その結果、各パルス列の時間間隔が短くなるため、物体の距離を検出する際の距離分解能を高めることが可能となる。
請求項に記載の物体検出装置によれば、制御手段は、変調手段において、1つ前の符号のパルス列と同じ符合のパルス列の変調信号を出力する場合、1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも少ないパルス数の同じ符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御すること特徴とする。
例えば、共振マイクから送波される送信波の振幅が飽和する臨界に達する前に、位相変調を繰り返す場合、1つ前の符号と同じ符号の変調信号を出力すると、送信波の振幅が大きくなり、他の符号と同じ大きさの振幅とならなくなる。
そこで、1つ前の符号と同じ符号の変調信号を出力する場合には、1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも少ないパルス数のパルス列の変調信号を出力する。すなわち、パルスを発生しない抜き部分を含むパルス列の変調信号を出力する。これにより、送信波の振幅の大きさを一定に保つことができる。
請求項に記載の物体検出装置によれば、変調手段は、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する際、異なる符号のパルス列の変調信号を出力するまでに、1つ前の符号のパルス列の各パルスの位相を徐々に変化させることを特徴とする。
一般に、圧電素子の駆動に伴って共振する共振マイクの位相変調に対する応答速度は低い。そこで、この応答速度の低さに着目し、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する際、異なる符号のパルス列の変調信号を出力するまでに、1つ前の符号のパルス列の各パルスの位相を目的の位相となるまで徐々に変化させる。これにより、共振型マイクからは、適切な位相変調タイミングで変調された送信波を送波することが可能となる。
請求項に記載の物体検出装置によれば、送信信号の周波数と同期した周波数、又は、共振型マイクの共振周波数と略等しい周波数の正弦波信号を発生する正弦波発生手段と、正弦波発生手段の発生する正弦波信号を用いて、送受波手段の受波する反射波の受信信号に対して直交復調を行い、その復調された受信信号の同相成分、及び直交成分を出力する直交復調手段とを備え、パルス圧縮手段は、直交復調手段によって復調された受信信号をパルス圧縮することを特徴とする。
このように、送信信号の周波数と同期した周波数、又は、共振型マイクの共振周波数と略等しい周波数の正弦波信号を用いて受信信号を直交復調することで、SN比の改善された受信信号をパルス圧縮することができる。
請求項10に記載の物体検出装置によれば、送信信号発生手段、及び変調手段の少なくとも一方の手段は、検出すべき物体までの距離に応じて、符号系列を構成する符号数、送信信号を構成するパルス列数、及びパルス列のパルス数の少なくとも一方が可変であることを特徴とする。
このように、符号系列を構成する符号数、パルス列数、及びパルス列のパルス列の少なくとも一方を変更することで、送受波手段が送波と受波を繰り返し行う際、送信波と反射波とが送受波手段において重複しないようにすることができる。
以下、本発明の距離検出装置、物体検出装置について、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、本発明の距離検出装置、物体検出装置を自動車等の車両に搭載し、車両周囲の障害物等の物体までの距離を検出する際に用いる場合の例について説明する。
(第1の実施形態)
図1に、本実施形態の距離検出装置の構成図を示す。同図に示すように、本実施形態の距離検出装置100は、マイコン1、送信回路2、電源装置3、正弦波発生器4、送受信マイク5、AMP(増幅器)6、位相器7、乗算器8a、8b、LPF(ローパスフィルタ)9a、9b、ADC(アナログ/デジタルコンバータ)10a、10bによって構成される。
マイコン1は、通常のマイクロコンピュータであり、図示しないROM、RAM、CPU、I/O、及びこれらを接続するバスによって構成される。このマイコン1は、図3に示すように、角周波数(ω)のパルス信号f[t]を生成し、このパルス信号f[t]を送信回路2へ出力する。また、マイコン1は、ADC10a、10bから出力される出力信号を受信し、この受信した出力信号に対して所定の信号処理を施す。
送信回路2は、マイコン1の出力するパルス信号f[t]からバーストパルス信号を生成する。なお、本実施形態の送信回路は、図3に示すような正弦波のバーストパルス信号を生成するものとする。この送信回路2によって生成されたバーストパルス信号は、正弦波発生器4に出力されるとともに、電源装置3において、バーストパルス信号に送受信マイク5を駆動するための電圧分を加えて(オフセット電圧をのせて)送受信マイク5に出力される。
正弦波発生器4は、任意の角周波数(ω)の正弦波を発生するものである。なお、本実施形態の正弦波発生器4は、送信回路2から出力されるバーストパルス信号の角周波数(ω)に同期した角周波数の正弦波を発生することもできる。この正弦波発生器4の発生する正弦波の信号は、位相器7、及び乗算器8aに出力される。
送受信マイク5は、超音波センサであり、図2に示すように、圧電素子5a、圧電素子5bを囲むカバー5b、及び、防護スクリーン5cによって構成される。この送受信マイク5は、送信回路2からのバーストパルス信号が圧電素子5aに供給されることで圧電素子5aが駆動し、この駆動により発生する超音波が防護スクリーン5cを介して外部に向かって送波されるものである。
また、送受信マイク5は、この送波した超音波の反射波を受波し、この反射波を受波することで圧電素子5aに電圧が発生する。この発生した電圧は、AMP6によって増幅され、乗算器8a、8bへ出力される。
なお、本実施形態の距離検出装置100では、送受信マイク5を1つのみ採用しているが、複数の送受信マイク5を採用するようにしてもよい。その場合には、複数の送受信マイク5の切り替えを行うためのスイッチを設け、マイコン1によって所定時間毎にこのスイッチを切り替えるように制御することで、対象とする送受信マイク5を変更する。これにより、複数の送受信マイク5を用いて、車両の多様な方向に存在する物体を検知することができる。また、その場合、送受信マイク5以外の構成が共有化できるため、距離検出装置100のコストが削減できる。
位相器7、乗算器8a、8b、及びLPF9a、9bは、AMP6からの出力信号を直交復調するために用いられるものである。すなわち、正弦波発生器4からの正弦波信号を二つに分け、一方は、位相器7を介して位相を変更したのち乗算器8bに入力し、他方は、そのまま乗算器8aに入力する。そして、送受信マイク5からの出力電圧信号に対して各々の乗算器8a、8bにおいて乗算し、その後、LPF9a、9bにてフィルタリングして、送受信マイク5からの出力信号を復調するものである。図4は、直交復調のイメージを示したものであり、送受信マイク5からの出力信号に角周波数(ω)のcos波、sin波を掛け合わせることで復調する。
位相器7は、正弦波発生器4からの正弦波信号の位相を所定の位相に変更する。乗算器8aは、AMP6からの出力信号と正弦波発生器4からの正弦波信号とを乗算し、乗算器8bは、AMP6からの出力信号と位相器7からの位相の変更された正弦波信号とを乗算する。
LPF9a、9bは、乗算器8a、8bからの出力信号に含まれる高周波成分を除去するために用いられる。ADC10a、10bは、所定のサンプリング周波数(例えば、パルス信号f[t]の周波数の数倍程度)でLPF9a、9bから出力される復調信号をサンプリングしてデジタル信号に変換したのち、マイコン1へ出力する。
マイコン1は、ADC10a、10bからの同相成分、及び直交成分のデジタル化された復調信号をベクトル加算する。そして、送信波の送波開始時間と、ベクトル加算した結果が予め設定される閾値を超える時間との時間差から物体までの距離を検出する。
本実施形態では、送受信マイク5から送波される送信波とその反射波とが略同等の周波数成分の信号であることに着目し、直交復調に用いる正弦波発生器4からの正弦波信号の角周波数(ω)をバーストパルス信号f[t]の角周波数(ω)に同期させ、この同期した角周波数の正弦波信号を用いて直交復調することで、結果的に、マイコン1の受信信号のSN比を向上させるものである。以下、本実施形態の特徴部分について説明する。
先ず、上述したように、角周波数(ω)のパルス信号f[t]から生成されるバーストパルス信号により圧電素子5aを駆動する場合、この圧電素子5aを駆動することにより送波される送信波の基本成分は、次式によって示される。なお、次式中の(θ)は、送信波が検出物体に反射して受信するまでの経路を伝搬することによって生ずる位相差である。
(数24)
送信波=f[t]×cos(ωt+θ)
そして、この送信波と略同等の周波数成分となる反射波の圧電素子5aから出力される出力信号に対し、角周波数(ω)の正弦波信号で直交復調を行うと、次式のような復調信号が得られる。
(数25)
復調信号=f[t]×cos(ωt+θ)×cos(ωt)+j{f[t]×cos(ωt+θ)×-sin(ωt)}=(1/2)×f[t]×{cos(ωt+θ+ωt)+cos(ωt+θ-ωt)}-(1/2)×j{sin(ωt+θ+ωt)+sin(-ωt-θ+ωt)}
このように、角周波数(ω)の正弦波信号で直交復調すると、復調信号は、正弦波信号に対する同相成分(I)と直交成分(Q)(jの付与された項)の信号に分離された形で得られる。
これに対し、バーストパルス信号の角周波数(ω)に同期した角周波数(ω=ω)の正弦波信号で直交復調した場合、復調信号は次式のように示される。
(数26)
復調信号=(1/2)×f[t]×{cos(ωt+θ+ωt)+cos(ωt+θ-ωt)}-(1/2)×j{sin(ωt+θ+ωt)+sin(-ωt-θ+ωt)}=(1/2)×f[t]×{cos(2ωt+θ)+cos(θ)}-(1/2)×j{sin(2ωt+θ)+sin(-θ)}
上記数式26の示す復調信号に対して、角周波数(ω)の2倍周波数成分をLPF10a、10bで除去すると、LPF10a、10bからの出力信号は、次式のように示される。なお、次式中のAは定数である。
(数27)
LPF出力=(1/2)×f[t]×+cos(θ)+j(1/2)×sin(θ)=A×f[t]×ejθ
このように、送信波と略同等の周波数成分となる反射波の信号に対して、圧電素子5aを振動させるバーストパルス信号の角周波数(ω)に同期した角周波数の正弦波信号で直交復調し、その復調信号に含まれる2倍周波数成分を除去すると、位相差(θ)で、振幅が(1/A)倍のパルス信号f[t]を得ることができる。
この2倍周波成分の除去された復調信号は、例えば、図5(b)に示すように、同相成分(I)信号と直交成分(Q)信号からなる複素平面(IQ平面)上において、図5(a)に示すバーストパルス信号の送信区間で常に同じ方向(IQ平面上の1点)を示すベクトルとなる。
従って、直交復調された復調信号を所定のサンプリング周波数で、送信波の送信区間と等しい時間だけサンプリングし、そのサンプリングした復調信号を同相成分、直交成分毎に加算(ベクトル加算)することで、図6(a)に示すように、加算回数に比例した長さ(大きさ)のベクトルとなる。
このベクトル加算は、例えば、図7に示すように、サンプリング結果の各時間から10サンプル分を加算した結果をプロットすることを意味しており、同図に示すように、サンプリング結果が立ち下がる直前の時間(ta)において、加算した結果のプロットが最大値をとる。そして、送信波の送波開始時間と、この加算した結果のプロットが最大値となる時間との時間差から、物体までの正確な距離が検知できる。
これに対し、バーストパルス信号に同期しない角周波数(ω)の正弦波信号を用いて直交復調した場合に得られる復調信号は、図5(c)に示すように、IQ平面上において異なる方向のベクトルを示すことになる。例えば、角周波数(ω)が角周波数(ω)より小さい場合、IQ平面上に示されるベクトルは、原点を中心として回転するようになる。そのため、ベクトル加算した結果は、図6(b)に示すように、加算しても大きなベクトルとならない。そのため、図7で示したサンプリング結果が立ち下がる直前の時間(ta)において、加算した結果のプロットが最大値をとらず、物体までの正確な距離が検知できない。
従って、送信波と略同等の周波数成分となる反射波の信号に対して、圧電素子を振動させるパルス信号の角周波数(ω)に同期した角周波数の正弦波信号で直交復調し、その復調信号に含まれる2倍周波数成分を除去した復調信号をベクトル加算し、このベクトル加算した復調信号を用いて物体を検知することで、SN比の向上した復調信号を用いて物体を検知することができる。これにより、復調信号の信号レベルを低減することが可能となり、その結果、低消費電力化や物体検知距離の長距離化を図ることも可能となる。
(変形例1)
本実施形態では、バーストパルス信号の角周波数(ω)と同期した角周波数の正弦波信号を用いて直交復調するものであるが、例えば、この直交復調に用いる正弦波信号の角周波数を送受信マイク5の共振角周波数と等しい角周波数としてもよい。
すなわち、一般に、送受信マイク5を駆動するためのパルス信号f[t]は、圧電素子5aが反射波を効率良く受波できるように、圧電素子5aの共振周波数と一致するように予め設定される。従って、圧電素子5aの共振周波数と略等しい周波数の正弦波信号を用いて、反射波の信号に対して直交復調することで、本実施形態と同様な作用効果が期待できる。
(変形例2)
例えば、送信波を反射する反射物体が運動している場合、送受信マイク5の受波する反射波には、ドップラー効果の影響により角周波数(ω)の周波数成分が加わる。このドップラー効果の影響を受けた反射波に対して直交復調し、その復調信号にLPFを掛けて得られる復調信号は、次式で示すように、上記数式27に対してejω2tの項が加わり、IQ平面上においては、ejω2の回転が加わるベクトルとなる。
(数28)
LPF出力=A×f[t]×ejθ×ejω2t
しかしながら、反射物体が等速で運動する場合、角周波数(ω)は一定の値を示すため、上記数式28は次式のように示される。
(数29)
LPF出力=A×f[t]×ejθ×ejω2t=A×f[t]×ejθ×ejθ(t)
ここで、LPFから前回出力された出力信号と今回出力された出力信号との差分をとると次式のように示される。なお、次式中のA1〜A3は定数である。
(数30)
差分検出=A1×f[t]×ejθ×ejθ[t]/{A2×f[t]×ejθ×ejθ[t+1]}=A3×ej{θ[t]-θ[t+1]}=A3×ejθ2
このように、差分を取った復調信号は、IQ平面上において、位相(θ2)の一定方向を示すベクトル(差分ベクトル)となる。このことから、マイコン1において、ADC10a、10bにて前回サンプリングした復調信号と、今回サンプリングした復調信号との差をとり、この差分となる差分ベクトルをベクトル加算することで、反射物体が等速運動する場合であっても、復調信号のSN比を改善することができる。
(変形例3)
上述した変形例2における差分ベクトルをベクトル加算する処理を行わない場合や、差分ベクトルをベクトル加算する処理を行う場合でも、反射物が加速度運動をする場合は、IQ平面上において一定の方向を示すベクトルとならず、そのベクトルがIQ平面上において回転してしまう。
そのため、ベクトル加算する時間をバーストパルス信号の送信時間よりも短い時間だけ加算することで、ベクトルの示す方向がある程度の範囲に抑えることが可能となり、その結果、復調信号のSN比をある程度改善することができる。なお、加算したベクトルのバラツキ範囲は、例えば、±π/2以内程度となるように、ベクトル加算する時間を設定するとよい。
(変形例4)
本実施形態では、送信回路2から送受信マイク5に送るバーストパルス信号の送信区間を任意に変更する手段を設けるようにしてもよい。そして、この変更された送信区間に応じて、ベクトル加算する時間幅を変更するようにしてもよい。
(変形例5)
本実施形態では、バーストパルス信号の送信区間内の時間をベクトル加算する時間としているが、例えば、送受信マイク5が送信波を送波し、その反射波を受波する1サイクル毎にベクトル加算された復調信号をマイコン1において記憶しておき、複数サイクル分のベクトル加算された復調信号を平均処理して、復調信号の信号レベルの平均値を算出し、この算出した復調信号の平均値を用いて物体を検知するようにしてもよい。これにより、物体の検知の安定化を図ることができる。
(第2の実施形態)
図8に、本実施形態の物体検出装置の構成図を示す。同図に示すように、本実施形態の物体検出装置200は、パルス発生器201、正弦波発生器202、ADC(アナログ/デジタルコンバータ)203、AMP(増幅器)204、マイク205、LPF(ローパスフィルタ)206、207、位相器208、乗算器209、210、及び信号変換器220を備えている。
さらに、物体検出装置200は、図示しないマイクロコンピュータを備えており、相関フィルタ212、一致度判定部213、振幅判定部214、距離検出部215、報知部216、及び制御部230等の演算処理機能を備えている。
パルス発生器201は、複数のパルスからなる複数のパルス列によって構成される角周波数(ω)のバーストパルス信号(以下、単に、パルス信号f[t]と呼ぶ)を発生し、このパルス信号(f[t])を信号変換器220へ出力する。なお、制御部230によって、パルスを発生し続ける持続時間が制御される。
信号変換器220では、パルス信号(f[t])の位相をデジタル位相符号変調するもので、複数の符号の組み合わせで構成される符号系列に従ってパルス信号(f[t])のパルス列毎に位相を変更する。
正弦波発生器202は、任意の角周波数(ω)の正弦波を発生するものである。なお、本実施形態の正弦波発生器202は、パルス発生器201から出力されるパルス信号(f[t])の角周波数(ω)に同期した角周波数の正弦波を発生することもできる。この正弦波発生器202の発生する正弦波の信号は、位相器208、及び乗算器210に出力される。
マイク205は、すなわち、超音波センサであり、図9(a)に示すように、圧電素子205a、圧電素子205aを囲むカバー205bによって構成される。このマイク205は、圧電素子205aの駆動に伴ってカバー205bが共振する共振型マイクであり、すなわち、信号変換器220においてパルス信号(f[t])の位相を変化させた変調信号が圧電素子205aに供給されることで圧電素子205aが駆動し、この駆動に伴ってカバー205bが共振することにより、超音波が外部の検出すべき物体240に向かって送波されるものである。
このように、圧電素子205aを駆動するためのパルス信号(f[t])の位相を変化させることで、マイク205から送波される送信波の位相をデジタル変調することが可能となる。
図9(b)は、マイク205から送波される位相変調された超音波の振幅を示すもので、図9(c)は、その位相変化を示すものである。同図に示すように、本実施形態の符号系列の符号として、パルス信号(f[t])のパルス列の位相を(π/2)だけ遅らせるパルス列に対して符号「−1」を割り当て、逆に、パルス列の位相を(π/2)だけ進めるパルス列に対して符号「1」を割り当てている。
また、マイク205は、この送波した超音波の反射波を受波し、この反射波を受波することで圧電素子205aに電圧が発生する。この発生した電圧は、AMP204によって所定倍に増幅され、ADC203に出力される。
ADC203は、所定のサンプリング周波数(例えば、パルス信号f[t]の周波数の数倍程度)でAMP204から出力される受信信号をサンプリングしてデジタル信号に変換し、この変換した受信信号を乗算器209、210に出力する。
なお、本実施形態の物体検出装置200では、マイク205を1つのみ採用しているが、複数採用するようにしてもよい。その場合には、複数のマイクの切り替えを行うためのスイッチを設け、所定時間毎にこのスイッチを切り替えるように制御することで、物体検出の対象とするマイクを変更する。これにより、複数のマイクを用いて、車両の多様な方向に存在する物体を検知することができる。また、その場合、マイク205以外の構成が共有化できるため、物体検出装置200のコストが削減できる。
位相器208、乗算器209、210、及びLPF206、207は、ADC203からの受信信号を直交復調するために用いられるものである。すなわち、正弦波発生器202からの正弦波信号を二つに分け、一方は、位相器208を介して位相を変更したのち乗算器209に入力し、他方は、そのまま乗算器210に入力する。そして、ADC203から出力される受信信号に対して乗算器209、210において乗算し、その後、LPF206、207にて高周波成分をフィルタリングして、受信信号を復調するものである。
位相器208は、正弦波発生器4からの正弦波信号の位相を所定の位相(例えば、-π/2)に変更する。乗算器210は、ADC203から出力される受信信号と正弦波発生器202から出力される正弦波信号とを乗算し、乗算器209は、ADC203から出力される受信信号と位相器208によって位相の変更された正弦波信号とを乗算する。これにより、受信信号を同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)に分離する。
LPF206、207は、乗算器209、210から出力される受信信号のI成分とQ成分に含まれる高周波を除去するために用いられ、高周波成分を除去したI成分、及びQ成分の受信信号を相関フィルタ212へ出力する。
相関フィルタ212は、受信信号のパルス幅を圧縮するパルス圧縮を行うもので、つまり、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の共役複素符号を受信信号の符号に乗じた後、その乗算結果とそれ以前の乗算結果との差分ベクトルを個々の符号毎に演算し、この演算した個々の符号毎の差分ベクトルを加算したのち、その加算結果を平均化して、受信信号と変調信号との相関値をI成分、及びQ成分毎に求めるとともに、各差分ベクトルの符号の一致度を判定し、その判定結果に応じた一致度信号を一致度判定部213へ出力する。
一致度判定部213では、相関フィルタ212において求められたI成分、及びQ成分毎の相関値信号を振幅判定部214へ出力するか否かを判定する。すなわち、相関フィルタ212から、各差分ベクトルの符号(各差分ベクトルの示す方向)の一致度が高いとの判定結果が得られた場合に、上記I成分、及びQ成分毎の相関値信号を振幅判定部214へ出力し、各差分ベクトルの符号の一致度が低いとの判定結果が得られた場合には、受信信号が無効である旨の値(例えば、0等)を出力する。
振幅判定部214では、一致度判定部213からI成分、及びQ成分毎の相関値信号が出力される場合に、このI、Q成分の相関値信号から受信信号の振幅を計算し、予め設定した振幅レベル以上の振幅である場合に、その振幅レベル以上の振幅を示す時間を反射波を受信したタイミング(受信タイミング)と判定する。距離検出部215は、パルス信号(f[t])の発生タイミング(言い換えれば、マイクから送波される超音波の送波タイミング)と反射波の受信タイミングとの時間差から、反射物体までの距離を検出する。報知部216では、距離検出部215の検出する距離が所定距離以内となった場合に、警報等を発生して、車両の運転者に物体の接近を報知する。
本実施形態では、パルス信号(f[t])の位相をデジタル符号変調した変調信号を送信波として送波し、その反射波の受信信号と変調信号との差分ベクトルを用いたパルス圧縮を行うことによって、受信信号のSN比の向上を図るものである。
以下、本実施形態の特徴部分について説明する。先ず、パルス発生器201において、角周波数(ω)のパルス信号(f[t])を送信信号として発生し、この送信信号の位相をデジタル変調したうえで送波する場合、この送信波の基本波成分は、次式によって示される。なお、次式中の(θ[t])は、例えば、図13(b)に示すような位相変調された送信信号の変調成分を示す関数である。
(数31)
送信波=f[t]×cos(ωt+θ[t])
そして、この送信波と略同等の周波数成分となる反射波の受信信号に対し、角周波数(ωt+θ2)の正弦波信号を用いて直交復調して、復調信号の同相成分と直交成分に分離すると、次式のように示される。なお、(θ2)は、送信波が検出物体に反射して受信するまでの経路を伝搬することによって生ずる位相差である。
(数32)
復調信号=f[t]×cos(ωt+θ[t])×cos(ωt+θ2)+j{f[t]×cos(ωt+θ[t])×-sin(ωt+θ2)}=(1/2)×f[t]×{cos(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+cos(ωt+θ[t]-ωt-θ2)}-(1/2)×j{sin(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+sin(-ωt-θ[t]+ωt+θ2)}
ここで、パルス信号(f[t])の角周波数(ω)に同期した角周波数(ω=ω)の正弦波信号で直交復調すると、復調信号は次式のように示される。
(数33)
復調信号=(1/2)×f[t]×{cos(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+cos(ωt+θ[t]-ωt-θ2)}-(1/2)×j{sin(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+sin(-ωt-θ[t]+ωt+θ2)}=(1/2)×f[t]×{cos(2ωt+θ[t]+θ2)+cos(θ[t]-θ2)}-(1/2)×j{sin(2ωt+θ[t]+θ2)+sin(-θ[t]+θ2)}
上記式の示す復調信号に対して、直交復調の機能として有するLPF206、207を用いて角周波数(ω)の2倍周波数成分を除去すると、LPF206、207からの出力は、次式のように示される。なお、次式中のAは定数である。
(数34)
LPF出力=(1/2)×f[t]×+cos(θ[t]-θ2)+j(1/2)×sin(θ[t]-θ2)=A×f[t]×ej(θ[t]-θ2)
このように、パルス信号(f[t])の角周波数(ω)に同期した角周波数の正弦波信号で直交復調し、その復調信号に含まれる2倍周波数成分を除去することで、受信信号の振幅(A)成分、及び、位相成分(θ[t]-θ2)を抽出することができ、その結果、SN比の改善された受信信号を相関フィルタ212にてパルス圧縮することができる。なお、本実施形態では、受信信号の振幅成分と位相成分を抽出する方法として直交復調を採用しているが、直交復調に限定されるものではない。
ここで、検出対象の物体が静止(運動していない)物体である場合には、相関フィルタ212において、差分ベクトルを用いずにパルス圧縮を行うようにしてもよい。すなわち、LPF206、207からの出力信号である受信信号と変調信号との相関を求めるために、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の共役複素符号を受信信号の符号に乗じた後、この乗算結果を加算して、その加算結果を平均化する次式の演算を行う。なお、次式中の(N)は、符号系列の符号数である(変調単位)。
(数35)
(1/N)×Σ{A×f[t]×ej(θ[t]-θ2)×e-jθ[t]}=(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2}
上記数式35の演算結果を同相成分(I)と直交成分(Q)からなる複素平面(IQ平面)上にて示すと、図13(c)のように、図13(a)の送信信号の送信区間で一定の方向(IQ平面上の1点)を示すベクトルとなり、また、その乗算結果を加算平均することで、加算回数と比例した大きさのベクトルとなる。一方、受信信号のノイズとして、例えば、送信波と略等しい周波数の波を受波する場合であっても、その受波したノイズの信号と変調信号との相関はないため、図13(d)に示すようにIQ平面上でランダム化され、そのベクトルは小さいものとなる。
図11は、LPFからの出力信号である受信信号と変調信号との相関を求める相関フィルタ212の機能構成を示すものである。この相関フィルタ212は、受信信号と変調信号との符号の相関をとるもので、その機能としては、上記数式35の演算処理を行うものである。
つまり、相関フィルタ212では、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の共役複素符号を受信信号の符号に乗じた後、その乗算結果を加算し、その加算結果を平均化することで相関値を求める。このように、相関フィルタ212において受信信号と変調信号との相関を求めることで、相関の程度を示す相関値のピークとピーク以外(サイドローブ)との相関値の差を際立たせることができる。
このように、パルス信号(f[t])をデジタル符号変調した変調信号を送信波として送波し、その反射波の受信信号を符号を用いてパルス圧縮することで、静止物体から反射される反射波の受信信号のSN比を向上することができる。
一方、検出対象の物体が静止(運動していない)物体ではなく、例えば、等速で運動する物体から反射された反射波の受信信号をパルス圧縮する場合、ドップラー効果の影響により反射波の受信信号の周波数がシフトするため、次式に示す結果を得ることになる。なお、下記式中のΔθ[t]は、ドップラーシフトによる位相変化を示す関数である。
(数36)
(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2×ejΔθ[t]}
これは、図15(a)に示すように、パルス信号(f[t])の送信区間に相当する時間だけ受波した場合、パルス圧縮する過程でドップラーシフトによる位相変化分が加算され、その結果、IQ平面上において受信信号のベクトルが回転することになり、その結果、受信信号のパルス幅が良好に圧縮できなくなることを意味する。
そこで、本実施形態の相関フィルタ212では、次式に示すように、等速で運動する物体から反射された反射波の受信信号と変調信号との相関を求めるために、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の共役複素符号を受信信号の符号に乗じた後、その乗算結果とそれ以前の乗算結果との差分ベクトルを個々の符号毎に演算し、この演算した個々の符号毎の差分ベクトルを加算して、その加算結果を平均化する演算を行う。
(数37)
(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2×ejΔθ[t-1]}×{A×f[t]×e-(-jθ2)×e-jΔθ[t]}=(1/N)×Σ{A2×f2[t]×ejΔθ}
上記数式37の演算結果をIQ平面上に示すと、図15(b)のように、図13(a)のパルス信号(f[t])の送信区間で一定の位相差(θ2)、すなわち、IQ平面上の1点を示すベクトルとなり、また、その乗算結果を加算平均することで、加算回数と比例した大きさのベクトルとなる。
図12は、受信信号と変調信号との相関をベクトル差分を用いて求める相関フィルタ212の機能構成を示すものである。この相関フィルタ212は、受信信号と変調信号との符号の相関をとるもので、その機能としては、上記数式37の演算処理を行うものである。
すなわち、相関フィルタ212では、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の符号を受信信号の符号に乗じた後、その乗算結果とそれ以前(例えば、その1回前)の乗算結果との差分ベクトルを個々の符号毎に演算し、この演算した個々の符号毎の差分ベクトルを加算して、その加算結果を平均化することで相関値を求める。
このように、差分ベクトルを求めることで、物体が等速で運動する場合のドップラー効果による受信信号の周波数のシフト分が相殺される。従って、この周波数のシフト分が相殺された差分ベクトルの加算平均から変調信号との相関を求めることで、物体が等速で運動する場合であっても、静止物体を検出する場合と同様に、相関の程度を示す相関値のピークとピーク以外(すなわち、サイドローブ)との相関値の差を際立たせることができる。その結果、受信信号のSN比を向上することができる。
なお、静止物体からの反射波の受信信号であっても、相関フィルタ212において差分ベクトルを用いた相関値を求めることで、次式に示す演算結果を得る。
(数38)
(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2}→(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2}×{A×f[t]×e-(-jθ2)}=(1/N)×Σ{A2×f2[t]×ej0}=A2×f2[t]
上記数式38の演算結果をIQ平面上にて示すと、図14に示すように、IQ平面上において、送信信号の送信区間でI軸上の1点を示すベクトルとなる。従って、静止物体を検出する場合であっても受信信号のSN比を向上することができる。
さらに、相関フィルタ212では、各差分ベクトルのI成分、Q成分の符号(各差分ベクトルの示す方向)の一致度の程度を判定する。上述したように、等速で運動する物体からの反射波の受信信号に基づく差分ベクトルは、図15(b)に示したように、IQ平面上において送信信号の送信区間で一定の位相(Δθ)のベクトルとなり、この物体の速度が十分に低い場合には、図17(b)に示すように、送信信号の送信区間でI軸上の1点を示すベクトルとなる。これに対し、受信信号にノイズが含まれる場合には、図17(a)に示すように、I軸上の1点に集中しない差分ベクトル群となる。
このことから、IQ平面における差分ベクトル群の方向を受信信号の信頼度の指標とすることができるため、IQ平面における差分ベクトル群の方向に関する一致度を判定することで、信頼度の高い受信信号を用いて物体を検出することができる。
なお、相関フィルタ212における一致度判定では、例えば、各差分ベクトルを合成した差分合成ベクトルを算出し、この算出した差分合成ベクトルの位相、同相成分の符号、及び同相成分と直交成分との絶対値の大きさ等を用いて判定すればよい。
例えば、差分合成ベクトルの同相成分の符号が正である場合に、複数の差分ベクトルの方向に関する一致度が高いと判定してもよい。このように、差分合成ベクトルの同相成分の符号が正であるか否かを判定することで、±90度以内の方向を示す差分合成ベクトルであるか否かを判定することができる。その結果、一致度判定が容易になる。
また、差分合成ベクトルの同相成分の絶対値が直交成分の絶対値よりも大きい場合に、各差分ベクトルの方向に関する一致度が高いと判定してもよい。このように、差分合成ベクトルの同相成分の絶対値と直交成分の絶対値との大小関係を比較することで、±45度以内の方向を示す差分合成ベクトルであるか否かを判定することができる。その結果、差分ベクトル毎の位相を算出する必要がなくなる。
また、さらに、差分合成ベクトルの位相を算出して、その位相が±90度以内であるか、又は、±45度以内であるかを判定してもよい。このように、差分ベクトル群を合成した差分合成ベクトルの位相、同相成分の符号、及び同相成分と直交成分との絶対値の大きさの何れかを用いて、各差分ベクトルの方向に関する一致度を判定することで、一致度判定部213において、信頼度の高い受信信号であるか否かを判定することができる。
そして、振幅判定部214では、一致度判定部213からI成分、及びQ成分毎の相関値信号が出力される場合に、このI、Q成分の相関値信号から受信信号の振幅を計算し、予め設定した振幅レベル以上の振幅である場合に、その振幅レベル以上の振幅を示す時間を反射波を受信したタイミング(受信タイミング)と判定する。このように、信頼度が高いと判定された受信信号の振幅レベルについても考慮することで、より信頼度の高い受信信号を用いて物体を検出することができる。
このように、本実施形態の物体検出装置200は、パルス信号(f[t])の位相をデジタル符号変調した変調信号を送信波として送波し、その反射波の受信信号と変調信号との差分ベクトルを用いたパルス圧縮を行う。これにより、検出すべき物体が等速で運動する場合であっても、その物体からの反射波の受信信号のSN比を向上することができる。
(変形例6)
従来、例えば、超音波ソナー装置等において物体との相対速度や物体までの距離の変化を把握する場合、反射物体からの反射波を少なくとも2回受信し、この受信した受信信号の時間差から把握する必要があったが、本実施形態の相関フィルタ212では、差分ベクトルを求めているため、この差分ベクトルの位相を利用することで、反射波を1回受信するだけで、物体との相対速度や物体までの距離の変化を把握することができる。
すなわち、差分ベクトルの位相(Δθ)と、信号変換器220におけるパルス信号(f[t])の変調速度とから、この差分ベクトルの位相がIQ平面において1回転(360度回転)するのに要する時間を求めることができるため、この求まった時間の逆数からドップラーシフト分の周波数(Δf)が求められる。そして、この求まったドップラーシフト分の周波数(Δf)を次式に当てはめることで、反射物体の相対速度(V)を得ることができる。なお、下記式中の(C)は、音速(送信波が電波の場合は光速)を示し、(fp)はパルス信号(f[t])の周波数を示すものである。
(数39)
V=Δfp×C/f
このように、反射物体からの反射波を複数回受信しなくとも、反射波を1回受信するだけで、その受信信号の差分ベクトルの位相から物体との相対速度を検出することができる。なお、図15(b)に示すように、IQ平面における差分ベクトルの回転する方向から、物体が近づいているのか、或いは遠ざかっているのか(物体までの距離の変化)を把握することができる。
また、上述したように、差分ベクトルの位相から物体との相対速度を検出することができるため、少なくとも2つの差分ベクトルの位相の位相差と変調速度とから、反射物体の加速度や減速度を得ることが可能となる。
(変形例7)
本実施形態の相関フィルタ212では、各差分ベクトルのI成分、Q成分の符号(各差分ベクトルの示す方向)の一致度の程度を判定する際、各差分ベクトルを合成した差分合成ベクトルを算出し、この算出した差分合成ベクトルの位相、同相成分の符号、及び同相成分と直交成分との絶対値の大きさ等を用いて判定しているが、本変形例では、各差分ベクトルの各々のI成分、Q成分の符号が一致する数に基づいて判定する。
例えば、I成分の符号が正である差分ベクトルの数や、I成分の絶対値がQ成分の絶対値よりも大きい値を示す差分ベクトルの数が所定数以上である場合に、各差分ベクトルの方向に関する一致度が高いと判定する。
これにより、I成分の符号が正を示す差分ベクトルの数に基づいて±90度以内の方向を示す差分ベクトルの数を判定したり、各差分ベクトルのI成分の絶対値とQ成分の絶対値との大小関係を比較して、±45度以内の方向を示す差分ベクトルの数を判定したりすることができる。
上記所定数については、実験等によって設定するとよい。図18(a)、(b)は、I成分の符号が正である差分ベクトルの数によって判定する場合の例を示したものであるが、同図(a)に示すように、全ての差分ベクトルの符号が一致するか否かを判定してもよいし、同図(b)に示すように、5つ以上の差分ベクトルの符号が一致(2つの差分ベクトルの符号が不一致)するか否かを判定するようにしてもよい。
(変形例8)
本実施形態の相関フィルタ212において、受信信号と変調信号との相関を差分ベクトルを用いて求める場合、信号変換器220において、差分ベクトルを用いずに相関値を求める場合の符号系列と異なった組み合わせの符号で構成される符号系列を用いて、パルス信号(f[t])の位相を変調させるようにするとよい。
すなわち、例えば、図16(a)に示すように、差分ベクトルを用いずにパルス圧縮する際の相関値を求める場合にサイドローブ(sl)レベルを抑えることができる符号系列の符号の組み合わせと、図16(b)に示すように、差分ベクトルを用いてパルス圧縮する際の相関値を求める場合にサイドローブ(sl)レベルを抑えることができる符号系列の符号の組み合わせとは異なる。
従って、差分ベクトルを用いてパルス圧縮する場合には、差分ベクトルを用いずにパルス圧縮する場合の符号系列と異なった組み合わせの符号で構成される符号系列を用いてパルス圧縮することで、サイドローブ(sl)レベルを抑えることができる。
なお、差分ベクトルを用いる/用いないに係わらず、符号系列としては、図16(a)に示すように、少なくとも相関値のレベルがピーク(pk)となる前のサイドローブ(sl)レベルが1符号分一致以下(相関値のレベルが1以下)となる組み合わせの符号で構成される符号系列を用いるとよい。
つまり、本実施形態の物体検出装置200のように、反射物体までの距離を検出する場合には、相関値のレベルがピーク(pk)となる時間を用いて距離を算出するため、相関値のレベルがピーク(pk)となった後のサイドローブレベルの大小は距離検出に影響を与えない。従って、少なくとも相関値のレベルがピークとなる前のサイドローブレベルが1以下となる組み合わせの符号で構成される符号系列を用いることで、正確な距離検出が可能となる。
(変形例9)
本実施形態の制御部230では、パルス発生器201において発生するパルス信号(f[t])を発生し続ける持続時間を制御するものであるが、マイク205の振動に関する特性と信号変換器220において用いる符号系列を構成する符号の組み合わせとに基づいて上記持続時間を制御するとよい。
本実施形態のマイク205は、圧電素子205aの駆動に伴ってカバー205bが共振する共振型マイクであるが、このような共振型マイクから送波される超音波は、一般に、圧電素子205aを駆動する変調信号に対する振幅と位相の応答速度が低い。例えば、圧電素子205aの駆動を開始しても、図10に示すように、送波される超音波の振幅は徐々に振幅が大きくなり、また、圧電素子205aの駆動を停止しても、その振幅は徐々に小さくなる。
そのため、例えば、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合、制御部230では、1つ前の符号のパルス列の変調信号によるマイク205の振動が略収まった後に、異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御するとよい。これにより、符号に応じて位相の変化した超音波をマイク205から送波することができる。
(変形例10)
上記変形例9は、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合、制御部230では、1つ前の符号のパルス列の変調信号によるマイク205の振動が略収まった後に、異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御するものであるが、1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも多いパルス数の異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御するようにしてもよい。
例えば、図10に示すように、信号変換器220において、パルス数(n)からなる同相のパルス列の後に逆相のパルス列の変調信号を出力する場合、同相のパルス列によるマイク205の振動を打ち消すために、パルス数を(m)だけ多くしたパルス数(n+m)からなる逆相のパルス列の変調信号を出力する。
これにより、上記変形例9のように、マイク205の振動が収まるのを待たずに、異なる符合のパルス列の変調信号を出力することができるようになるため、変調速度を高めることができる。その結果、各パルス列の時間間隔が短くなるため、物体の距離を検出する際の距離分解能を高めることが可能となる。
(変形例11)
上記変形例9及び10では、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合に、パルス発生器201において発生するパルス信号(f[t])を発生し続ける持続時間を制御するものであるが、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と同じ符合のパルス列の変調信号を出力する場合には、1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも少ないパルス数の同じ符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御するとよい。
例えば、(共振)マイク205から送波される(送信波)超音波の振幅が飽和する臨界に達する前に、位相変調を繰り返す場合、1つ前の符号と同じ符号の変調信号を出力すると、(送信波)超音波の振幅が大きくなり、他の符号と同じ大きさの振幅とならなくなる。
そこで、1つ前の符号と同じ符号の変調信号を出力する場合には、1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも少ないパルス数のパルス列の変調信号を出力する。すなわち、パルスを発生しない抜き部分を含むパルス列の変調信号を出力する。これにより、超音波(送信波)の振幅の大きさを一定に保つことができる。
(変形例12)
上記変形例9及び10では、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合に、パルス発生器201において発生するパルス信号(f[t])を発生し続ける持続時間を制御するものであるが、本変形例のように、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する際、位相変換器220において、異なる符号のパルス列の変調信号を出力するまでに、1つ前の符号のパルス列の各パルスの位相を徐々に変化させるようにしてもよい。
一般に、圧電素子205aの駆動に伴って共振するマイク205の位相変調に対する応答速度は低い。そこで、この応答速度の低さに着目し、位相変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する際、異なる符号のパルス列の変調信号を出力するまでに、1つ前の符号のパルス列の各パルスの位相を徐々に変化させるようにする。これにより、マイク205からは、適切な位相変調タイミングで変調された送信波を送波することが可能となる。
(第3の実施形態)
図19に、本実施形態の物体検出装置の構成図を示す。同図に示すように、本実施形態の物体検出装置200は、パルス発生器201、正弦波発生器202、ADC(アナログ/デジタルコンバータ)203、AMP(増幅器)204、マイク205、LPF(ローパスフィルタ)206、207、位相器208、乗算器209、210、及び信号変換器220を備えている。
さらに、物体検出装置200は、図示しないマイクロコンピュータを備えており、相関検出フィルタ212a、相関検出DS(Doppler shift)補正フィルタ212b、212c、振幅判定部214、距離検出部215、報知部216、及び制御部230等の演算処理機能を備えている。
パルス発生器201は、複数のパルスからなる複数のパルス列によって構成される角周波数(ω)のバーストパルス信号(以下、単に、パルス信号f[t]と呼ぶ)を発生し、このパルス信号(f[t])を信号変換器220へ出力する。なお、制御部230によって、パルスを発生し続ける持続時間が制御される。
信号変換器220では、パルス信号(f[t])の位相をデジタル位相符号変調するもので、複数の符号の組み合わせで構成される符号系列に従ってパルス信号(f[t])のパルス列毎に位相を変更する。
正弦波発生器202は、任意の角周波数(ω)の正弦波を発生するものである。なお、本実施形態の正弦波発生器202は、パルス発生器201から出力されるパルス信号(f[t])の角周波数(ω)に同期した角周波数の正弦波を発生することもできる。この正弦波発生器202の発生する正弦波の信号は、位相器208、及び乗算器210に出力される。
マイク205は、すなわち、超音波センサであり、図9(a)に示したように、圧電素子205a、圧電素子205aを囲むカバー205bによって構成される。このマイク205は、圧電素子205aの駆動に伴ってカバー205bが共振する共振型マイクである。
すなわち、信号変換器220においてパルス信号(f[t])の位相を変化させた変調信号が圧電素子205aに供給されることで圧電素子205aが駆動し、この駆動に伴ってカバー205bが共振することにより、超音波が外部の検出すべき物体240に向かって送波されるものである。
このように、圧電素子205aを駆動するためのパルス信号(f[t])の位相を変化させることで、マイク205から送波される送信波の位相をデジタル変調することが可能となる。
図9(b)は、マイク205から送波される位相変調された超音波の振幅を示すもので、図9(c)は、その位相変化を示すものである。同図に示すように、本実施形態の符号系列の符号として、パルス信号(f[t])のパルス列の位相を(π/2)だけ遅らせるパルス列に対して符号「−1」を割り当て、逆に、パルス列の位相を(π/2)だけ進めるパルス列に対して符号「1」を割り当てている。
また、マイク205は、この送波した超音波の反射波を受波し、この反射波を受波することで圧電素子205aに電圧が発生する。この発生した電圧は、AMP204によって所定倍に増幅され、ADC203に出力される。
ADC203は、所定のサンプリング周波数(例えば、パルス信号f[t]の周波数の数倍程度)でAMP204から出力される受信信号をサンプリングしてデジタル信号に変換し、この変換した受信信号を乗算器209、210に出力する。
なお、本実施形態の物体検出装置200では、マイク205を1つのみ採用しているが、複数採用するようにしてもよい。その場合には、複数のマイクの切り替えを行うためのスイッチを設け、所定時間毎にこのスイッチを切り替えるように制御することで、物体検出の対象とするマイクを変更する。
これにより、複数のマイクを用いて、車両の多様な方向に存在する物体を検知することができる。また、その場合、マイク205以外の構成が共有化できるため、物体検出装置200のコストが削減できる。
位相器208、乗算器209、210、及びLPF206、207は、ADC203からの受信信号を直交復調するために用いられるものである。すなわち、正弦波発生器202からの正弦波信号を二つに分け、一方は、位相器208を介して位相を変更したのち乗算器209に入力し、他方は、そのまま乗算器210に入力する。そして、ADC203から出力される受信信号に対して乗算器209、210において乗算し、その後、LPF206、207にて高周波成分をフィルタリングして、受信信号を復調するものである。
位相器208は、正弦波発生器4からの正弦波信号の位相を所定の位相(例えば、-π/2)に変更する。乗算器210は、ADC203から出力される受信信号と正弦波発生器202から出力される正弦波信号とを乗算し、乗算器209は、ADC203から出力される受信信号と位相器208によって位相の変更された正弦波信号とを乗算する。これにより、受信信号を同相成分(I成分)と直交成分(Q成分)に分離する。
LPF206、207は、乗算器209、210から出力される受信信号のI成分とQ成分に含まれる高周波を除去するために用いられ、高周波成分を除去したI成分、及びQ成分の受信信号を相関検出フィルタ212a、相関検出DS補正フィルタ212b、212cへ出力する。
相関検出フィルタ212aは、受信信号のパルス幅を圧縮するパルス圧縮を行うもので、すなわち、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の共役複素符号を受信信号の符号に乗じた後、その乗算結果を加算し、その加算結果を平均化して、受信信号と変調信号との相関値をI成分、及びQ成分毎に求める。そして、この求めたI成分、及びQ成分毎の相関値信号を振幅判定部214へ出力する。
相関検出DS補正フィルタ212b、212cは、受信信号のドップラーシフトを補正するための補正信号を用いて受信信号のドップラーシフトを補正し、その補正したドップラー補正後受信信号のパルス幅を圧縮するパルス圧縮を行うものである。
すなわち、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の共役複素信号を受信信号を乗じた後、この乗算結果を加算して、その加算結果を平均化することにより相関を求めるものであるが、乗算結果を加算する前の段階で、反射波の受信信号のドップラーシフトを補正する。
これにより、ドップラーシフトによる位相変化分が加算されることがなくなるため、IQ平面上において受信信号のベクトルが回転しなくなる。相関検出DS補正フィルタ212b、212cは、求めたI成分、及びQ成分毎の相関値信号を振幅判定部214へ出力する。
なお、本実施形態の物体検出装置200の用途が特定されている場合、検出すべき物体との相対速度の速度域を予め想定することができる。従って、相関検出DS補正フィルタ212b、212cの各補正信号は、この想定される相対速度域に応じたドップラーシフトの周波数帯をカバーするように、各々異なる周波数を設定するとよい。
例えば、相関検出DS補正フィルタ212bの補正信号の周波数として、検出すべき物体との位置関係が近づく場合の相対速度(時速数キロ程度)、相関検出DS補正フィルタ212cの補正信号の周波数として、検出すべき物体との位置関係が遠ざかる場合の相対速度(時速数キロ程度)に各々対応するように設定する。
これにより、例えば、振幅判定部214において、最も高い相関が得られた受信信号に基づいて物体を検出することで、想定される相対速度域におけるドップラーシフトを適確に補正した受信信号から物体検出を行うことができる。
振幅判定部214では、相関検出フィルタ212a、相関検出DS補正フィルタ212b、212cからのI成分、及びQ成分毎の相関値信号から受信信号の振幅を各々計算し、各々の受信信号の振幅が予め設定した振幅レベル(閾値)以上の振幅である場合に、その振幅レベル以上の振幅を示す時間を反射波を受信したタイミング(受信タイミング)と判定する閾値判定を行う。
この振幅判定部214の閾値判定に用いられる振幅レベルは、相関検出フィルタ212a、相関検出DS補正フィルタ212b、212cからの各々の受信信号に対して各々設定されており、各々の受信信号に対応する振幅レベルを用いて閾値判定を行うものである。
なお、相関検出フィルタ212a、相関検出DS補正フィルタ212b、212cからのI成分、及びQ成分毎の相関値信号から受信信号の振幅を加算し、その加算した受信信号の振幅が予め設定した振幅レベル以上の振幅であるか否かを判定するようにしてもよい。これにより、各々の受信信号に対して振幅に関する閾値判定を行うことなく物体を検出することができるため、処理の軽減を図ることが可能となる。
距離検出部215は、パルス信号(f[t])の発生タイミング(言い換えれば、マイクから送波される超音波の送波タイミング)と反射波の受信タイミングとの時間差から、反射物体までの距離を検出する。報知部216では、距離検出部215の検出する距離が所定距離以内となった場合に、警報等を発生して、車両の運転者に物体の接近を報知する。
本実施形態では、ドップラーシフトを補正するための補正信号を用いて受信信号のドップラーシフトを補正し、この補正したドップラー補正後受信信号と変調信号とから相関を求めるようにすることで、受信信号のSN比の向上を図ったものである。
すなわち、前述したように、従来のパルス圧縮方法は、静止(運動していない)物体を検出する際に用いることを前提としており(図19に示す相関検出フィルタ212aも同様)、例えば、等速で運動する物体から反射された反射波の受信信号については良好にパルス圧縮できるものではない。これは、物体が等速で運動する場合、ドップラー効果の影響により反射波の受信信号の周波数がシフトするため、パルス圧縮する際、変調信号との相関がとれなくなり、その結果、受信信号のパルス幅が良好に圧縮できなくなるためである。
そこで、本実施形態の物体検出装置200では、相関検出DS補正フィルタ212b、212cを備えて、受信信号のドップラーシフトを補正したドップラー補正後受信信号のパルス幅を圧縮することで、受信信号のSN比の向上を図る。
以下、本実施形態の特徴部分について詳しく説明する。先ず、パルス発生器201において、角周波数(ω)のパルス信号(f[t])を送信信号として発生し、この送信信号の位相をデジタル符号変調したうえで送波する場合、この送信波の基本波成分は、次式によって示される。なお、次式中の(θ[t])は、位相変調成分を示す関数である。
(数40)
送信波=f[t]×cos(ωt+θ[t])
そして、この送信波と略同等の周波数成分となる反射波の受信信号に対し、角周波数(ωt+θ2)の正弦波信号を用いて直交復調して、復調信号の同相成分と直交成分に分離すると、次式のように示される。なお、(θ2)は、送信波が検出物体に反射して受信するまでの経路を伝搬することによって生ずる位相差である。
(数41)
復調信号=f[t]×cos(ωt+θ[t])×cos(ωt+θ2)+j{f[t]×cos(ωt+θ[t])×-sin(ωt+θ2)}=(1/2)×f[t]×{cos(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+cos(ωt+θ[t]-ωt-θ2)}-(1/2)×j{sin(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+sin(-ωt-θ[t]+ωt+θ2)}
ここで、パルス信号(f[t])の角周波数(ω)に同期した角周波数(ω=ω)の正弦波信号で直交復調した場合、復調信号は次式のように示される。
(数42)
復調信号=(1/2)×f[t]×{cos(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+cos(ωt+θ[t]-ωt-θ2)}-(1/2)×j{sin(ωt+θ[t]+ωt+θ2)+sin(-ωt-θ[t]+ωt+θ2)}=(1/2)×f[t]×{cos(2ωt+θ[t]+θ2)+cos(θ[t]-θ2)}-(1/2)×j{sin(2ωt+θ[t]+θ2)+sin(-θ[t]+θ2)}
上記数式の示す復調信号に対して、直交復調の機能として有するローパスフィルタ(LPF)を用いて角周波数(ω)の2倍周波数成分を除去すると、LPFからの出力は、次式のように示される。なお、次式中のAは定数である。
(数43)
LPF出力=(1/2)×f[t]×+cos(θ[t]-θ2)+j(1/2)×sin(θ[t]-θ2)=A×f[t]×ej(θ[t]-θ2)
このように、パルス信号f[t]の角周波数(ω)に同期した角周波数の正弦波信号で直交復調し、その復調信号に含まれる2倍周波数成分を除去することで、受信信号の振幅(A)成分、及び、位相成分(θ[t]-θ2)を抽出することができる。なお、受信信号の振幅成分と位相成分を抽出する方法としては、上述した直交復調に限定されるものではない。
ここで、ドップラー効果の影響を受けていない受信信号と変調信号との相関を求めるために、受信信号に対し時間的に異なるタイミングで複数回変調信号の共役複素数に対応する共役複素信号を受信信号に乗じた後、この乗算結果を加算して、その加算結果を平均化する次式の演算を行う。なお、次式中の(N)は、符号系列の符号数である(変調単位)。
(数44)
(1/N)×Σ{A×f[t]×ej(θ[t]-θ2)×e-jθ[t]}=(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2}
上記数式の演算結果を同相成分(I)と直交成分(Q)からなる複素平面(IQ平面)上にて示すと、送信信号の送信区間で一定の方向(IQ平面上の1点)を示すベクトルとなり、また、その乗算結果を加算平均することで、加算回数と比例した大きさのベクトルとなる。
一方、受信信号に含まれるノイズとして、例えば、送信波と略等しい周波数の音波を受波する場合であっても、その受波したノイズの信号と変調信号との相関はないため、IQ平面上でランダム化され、そのベクトルは小さいものとなる。
しかしながら、例えば、等速で運動する物体から反射された反射波の受信信号をパルス圧縮する場合、ドップラー効果の影響により反射波の受信信号の周波数がシフトするため、次式に示す結果を得ることになる。なお、下記式中のΔθ[t]は、ドップラーシフトによる位相変化を示す関数である。
(数45)
(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2×ejΔθ[t]}
これは、送信信号の送信区間に相当する時間だけ受波した場合、パルス圧縮する過程でドップラーシフトによる位相変化分が加算され、その結果、IQ平面上において受信信号のベクトルが回転することになり、その結果、受信信号のパルス幅が良好に圧縮できなくなることを意味する。
そこで、本実施形態では、ドップラー効果の影響を受けた受信信号と変調信号との相関を求める際、受信信号のドップラーシフトを補正するための補正信号を用いて受信信号のドップラーシフトを補正し、この補正した受信信号と変調信号とから相関を求め、その結果により受信信号をパルス圧縮する。なお、次式中の(e-jΔθ[t])は、前述の補正信号(補正項)に相当するものである。
(数46)
(1/N)×Σ({A×f[t]×e-jθ2×ejΔθ[t-1]}×{e-jΔθ[t]})=(1/N)×Σ{A×f[t]×e-jθ2}
上記数式の演算結果から、受信信号のドップラーシフト分の周波数が除去されていることが分かる。また、この演算結果をIQ平面上に示すと、送信信号の送信区間で一定の位相差(θ2)、すなわち、IQ平面上の1点を示すベクトルとなり、また、その乗算結果を加算平均することで、加算回数と比例した大きさのベクトルとなる。
このように、本実施形態の物体検出装置200は、相関検出DS補正フィルタ212b、212cを備えて、受信信号のドップラーシフトを補正したドップラー補正後受信信号のパルス幅を圧縮する。これにより、ドップラー効果の影響により受信信号の周波数がシフトする場合であっても、相関の程度を示す相関値のピークとピーク以外(すなわち、サイドローブ)との相関値の差を際立たせることができる。その結果、受信信号のSN比を向上することができる。
(変形例13)
本実施形態の物体検出装置200は、受信信号のドップラーシフトを補正し、その補正したドップラー補正後受信信号のパルス幅を圧縮する相関検出DS補正フィルタ212b、212cを備えている。
これに対し、本変形例では、例えば、図20に示すように、補正信号の周波数が可変である相関検出DS補正フィルタ212dと車両の移動速度を検出する車速センサ217を備えて、車速からドップラーシフト分の周波数を算出し、この算出した周波数に応じて補正信号(e-jΔθ[t])の周波数を変更し、この変更した補正信号を用いて補正する。これにより、静止物体の反射した反射波の受信信号のSN比を向上することができる。
なお、一度、送信波を送波し、その反射波の受信信号からドップラーシフトによる位相変化分(Δθ)を検出し、この位相変化分(Δθ)と変調速度とから、ドップラーシフトを補正するための補正信号(e-jΔθ[t])の周波数を算出して、この算出した周波数に変更するようにしてもよい。
(変形例14)
本実施形態における物体検出装置200では、相関検出DS補正フィルタ212bの補正信号の周波数として、検出すべき物体との位置関係が近づく場合の相対速度(時速数キロ程度)、相関検出DS補正フィルタ212cの補正信号の周波数として、検出すべき物体との位置関係が遠ざかる場合の相対速度(時速数キロ程度)に各々対応するように設定している。
しかしながら、物体検出装置200が車両等の移動体に搭載される場合、移動体から遠ざかる物体は、一般的に衝突する可能性が低いため、そのような遠ざかる物体を検出する必要がない。
従って、相関検出DS補正フィルタ212b、212cの補正信号の周波数として、検出すべき物体との位置関係が近づく場合の相対速度に各々対応するように設定する。これにより、検出すべき物体との位置関係が遠ざかる場合の相対速度に対応するための相関検出DS補正フィルタを備える必要がなくなるため、装置の構成を減らすことができる。
(変形例15)
本実施形態の制御部230では、パルス発生器201において発生するパルス信号(f[t])を発生し続ける持続時間を制御するものであるが、マイク205の振動に関する特性と信号変換器220において用いる符号系列を構成する符号の組み合わせとに基づいて上記持続時間を制御するとよい。
本実施形態のマイク205は、圧電素子205aの駆動に伴ってカバー205bが共振する共振型マイクであるが、このような共振型マイクから送波される超音波は、一般に、圧電素子205aを駆動する変調信号に対する振幅と位相の応答速度が低い。例えば、圧電素子205aの駆動を開始しても、図10に示すように、送波される超音波の振幅は徐々に振幅が大きくなり、また、圧電素子205aの駆動を停止しても、その振幅は徐々に小さくなる。
そのため、例えば、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合、制御部230では、1つ前の符号のパルス列の変調信号によるマイク205の振動が略収まった後に、異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御するとよい。これにより、符号に応じて位相の変化した超音波をマイク205から送波することができる。
(変形例16)
上記変形例15は、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合、制御部230では、1つ前の符号のパルス列の変調信号によるマイク205の振動が略収まった後に、異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御するものであるが、1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも多いパルス数の異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御するようにしてもよい。
例えば、図10に示すように、信号変換器220において、パルス数(n)からなる同相のパルス列の後に逆相のパルス列の変調信号を出力する場合、同相のパルス列によるマイク205の振動を打ち消すために、パルス数を(m)だけ多くしたパルス数(n+m)からなる逆相のパルス列の変調信号を出力する。
これにより、上記変形例15のように、マイク205の振動が収まるのを待たずに、異なる符合のパルス列の変調信号を出力することができるようになるため、変調速度を高めることができる。その結果、各パルス列の時間間隔が短くなるため、物体の距離を検出する際の距離分解能を高めることが可能となる。
(変形例17)
上記変形例15及び16では、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合に、パルス発生器201において発生するパルス信号(f[t])を発生し続ける持続時間を制御するものであるが、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と同じ符合のパルス列の変調信号を出力する場合には、1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも少ないパルス数の同じ符号のパルス列の変調信号が出力されるように持続時間を制御するとよい。
例えば、(共振)マイク205から送波される(送信波)超音波の振幅が飽和する臨界に達する前に、位相変調を繰り返す場合、1つ前の符号と同じ符号の変調信号を出力すると、(送信波)超音波の振幅が大きくなり、他の符号と同じ大きさの振幅とならなくなる。
そこで、1つ前の符号と同じ符号の変調信号を出力する場合には、1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも少ないパルス数のパルス列の変調信号を出力する。すなわち、パルスを発生しない抜き部分を含むパルス列の変調信号を出力する。これにより、超音波(送信波)の振幅の大きさを一定に保つことができる。
(変形例18)
上記変形例15及び16では、信号変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合に、パルス発生器201において発生するパルス信号(f[t])を発生し続ける持続時間を制御するものであるが、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する際、位相変換器220において、異なる符号のパルス列の変調信号を出力するまでに、1つ前の符号のパルス列の各パルスの位相を徐々に変化させるようにしてもよい。
一般に、圧電素子205aの駆動に伴って共振するマイク205の位相変調に対する応答速度は低い。そこで、この応答速度の低さに着目し、位相変換器220において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する際、異なる符号のパルス列の変調信号を出力するまでに、1つ前の符号のパルス列の各パルスの位相を徐々に変化させるようにする。これにより、マイク205からは、適切な位相変調タイミングで変調された送信波を送波することが可能となる。
(変形例19)
本実施形態の振幅判定部214では、相関検出フィルタ212a、相関検出DS補正フィルタ212b、212cからのI成分、及びQ成分毎の相関値信号から受信信号の振幅を各々計算しているため、最も高い相関を示す相関値信号の出力先(相関検出フィルタ212a、相関検出DS補正フィルタ212b、212cの何れか)を特定して、物体との相対速度や物体との位置関係の変化(近づく/遠ざかる)を検出するようにしてもよい。
(変形例20)
本実施形態の物体検出装置200におけるパルス発生器210、及び信号変換器220の少なくとも一方について、検出すべき物体までの距離に応じて、符号系列を構成する符号数、送信信号を構成するパルス列数、及びパルス列のパルス数の少なくとも一方が可変であるように構成してもよい。
このように、符号系列を構成する符号数、パルス列数、及びパルス列のパルス列の少なくとも一方を変更することで、送受波手段が送波と受波を繰り返し行う際、送信波と反射波とが送受波手段において重複しないようにすることができる。
第1の実施形態に係わる、距離検出装置100の概略構成を示す図である。 第1の実施形態に係わる、送受信マイク5の構成を示す図である。 第1の実施形態に係わる、マイコン1において発生するパルス信号f[t]、及び送信回路2から送信されるバーストパルス信号を示すイメージ図である。 第1の実施形態に係わる、直交復調の概念を示すイメージ図である。 (a)は、バーストパルス信号の送信区間を示す図であり、(b)は、直交復調後の復調信号のベクトルがIQ平面において1点の方向を示す図であり、(c)は、直交復調後の復調信号のベクトルがIQ平面において回転する場合を示す図である。 (a)は、ベクトル加算により復調信号のベクトルが大きくなる場合を示す図であり、(b)は、ベクトル加算により復調信号のベクトルが大きくならない場合を示す図である。 第1の実施形態に係わる、ベクトル加算の処理を示すイメージ図である。 第2の実施形態に係わる、物体検出装置200の構成を示す図である。 (a)は、マイク205の構成を示す図であり、(b)は、マイク205から送波される位相変調された超音波の振幅を示す図であり、(c)は、マイク205から送波される位相変調された超音波の位相を示す図である。 同相のパルス列によるマイク205の振動を打ち消すために、パルス数を(m)だけ多くしたパルス数(n+m)からなる逆相のパルス列の変調信号を出力した場合にマイク205から送波される超音波波形を示した図である。 受信信号と変調信号との相関を求める相関フィルタ212の機能構成を示す図である。 受信信号と変調信号との相関をベクトル差分を用いて求める相関フィルタ212の機能構成を示す図である。 (a)は、送信信号の送信区間を示す図であり、(b)は、位相変調された送信信号を示す図であり、(c)は、送信信号の送信区間で一定の方向(IQ平面上の1点)を示すベクトルを示した図であり、(d)は、IQ平面上でランダム化されるベクトルを示した図である。 IQ平面上において、送信信号の送信区間でI軸上の1点を示すベクトルを示した図である。 (a)は、ドップラーシフトによる位相変化分が加算されることにより、IQ平面上において受信信号のベクトルが回転するイメージを示した図であり、(b)は、パルス信号(f[t])の送信区間内で一定の位相(θ2)となるベクトルを示した図である。 (a)は、差分ベクトルの演算を行わずにパルス圧縮する際の相関値を求める場合において、サイドローブ(sl)のレベルを抑えることができる符号系列の符号の組み合わせを示した図であり、(b)は、差分ベクトルを用いてパルス圧縮する際の相関値を求める場合において、サイドローブ(sl)レベルを抑えることができる符号系列の符号の組み合わせを示した図である。 (a)は、I軸上の1点に集中しない差分ベクトル群を示した図であり、(b)は、差分合成ベクトルを示した図である。 (a)は、全ての差分ベクトルの符号が一致する場合を示した図であり、(b)は、5つ以上の差分ベクトルの符号が一致(2つの差分ベクトルの符号が不一致)する場合を示した図である。 第3の実施形態に係わる、物体検出装置200の構成を示す図である。 第3の実施形態の変形例13に係わる、物体検出装置200の構成を示す図である。
符号の説明
1・・・マイコン、2・・・送信回路、3・・・電源装置、4・・・正弦波発生器、5・・・送受信マイク、6・・・AMP、7・・・位相器、8a、8b・・・乗算器、9a、9b・・・LPF、10a、10b・・・ADC、100・・・距離検出装置、200・・・物体検出装置、212・・・相関フィルタ、212a・・・相関検出フィルタ、212b、212c、212d・・・相関検出DS補正フィルタ、213・・・一致度判定部、214・・・振幅判定部、217・・・車速センサ

Claims (10)

  1. 送信信号を発生する送信信号発生手段と、
    前記送信信号発生手段の発生する送信信号について変調を施した変調信号を出力する変調手段と、
    前記変調手段の出力する変調信号を送信波として送波し、その反射波を受波する送受波手段と、
    前記送受波手段の受波する反射波の受信信号と前記変調信号との相関を求め、その結果により前記反射波の受信信号をパルス圧縮するパルス圧縮手段とを備え、
    このパルス圧縮手段は、
    前記受信信号のドップラーシフトを補正するための補正信号を用いて、前記反射波の受信信号のドップラーシフトを補正するドップラーシフト補正手段を備え、
    前記ドップラーシフト補正手段の補正したドップラー補正後受信信号と前記変調信号との相関の程度を示す相関値を求め、この相関値から前記受信信号をパルス圧縮するものであって、
    このパルス圧縮手段として、前記ドップラーシフト補正手段における補正信号の周波数が各々異なるものを複数備え、
    前記複数のパルス圧縮手段によって圧縮された各々の受信信号の振幅を加算し、その加算した受信信号の振幅に対して予め設定した振幅レベルとの大小関係を判定する閾値判定を行い、その判定結果に基づいて物体を検出する物体検出手段を備えることを特徴とする物体検出装置。
  2. 前記送信信号発生手段は、複数のパルスからなる複数のパルス列で構成される送信信号を発生し、
    前記変調手段は、前記送信信号発生手段の発生する送信信号の振幅、周波数、及び位相の少なくとも1つについて、複数の符号の組み合わせで構成される符号系列に従って前記送信信号のパルス列毎にデジタル変調を施した変調信号を出力し、
    前記パルス圧縮手段は、前記送受波手段の受波する反射波の受信信号と前記変調信号との各々の符号の相関を求めるものであることを特徴とする請求項1に記載の物体検出装置。
  3. 前記送受波手段は、圧電素子を駆動することで、その駆動に伴って共振する共振型マイクを備え、
    前記変調手段は、前記圧電素子を駆動するための前記送信信号の位相について変調を施した変調信号を出力することを特徴とする請求項2記載の物体検出装置。
  4. 前記送信信号発生手段は、前記共振型マイクの振動に関する特性と前記符号系列を構成する符号の組み合わせとに基づいて、前記送信信号を発生し続ける持続時間を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項3記載の物体検出装置。
  5. 前記制御手段は、前記変調手段において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合、前記1つ前の符号のパルス列の変調信号による前記共振型マイクの振動が略収まった後に、前記異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように前記持続時間を制御すること特徴とする請求項4記載の物体検出装置。
  6. 前記制御手段は、前記変調手段において、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する場合、前記1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも多いパルス数の前記異なる符号のパルス列の変調信号が出力されるように前記持続時間を制御すること特徴とする請求項4記載の物体検出装置。
  7. 前記制御手段は、前記変調手段において、1つ前の符号のパルス列と同じ符合のパルス列の変調信号を出力する場合、前記1つ前の符号のパルス列のパルス数よりも少ないパルス数の前記同じ符号のパルス列の変調信号が出力されるように前記持続時間を制御すること特徴とする請求項4〜6の何れか1項に記載の物体検出装置。
  8. 前記変調手段は、1つ前の符号のパルス列と異なる符合のパルス列の変調信号を出力する際、前記異なる符号のパルス列の変調信号を出力するまでに、前記1つ前の符号のパルス列の各パルスの位相を徐々に変化させることを特徴とする請求項4記載の物体検出装置。
  9. 前記送信信号の周波数と同期した周波数、又は、前記共振型マイクの共振周波数と略等しい周波数の正弦波信号を発生する正弦波発生手段と、
    前記正弦波発生手段の発生する正弦波信号を用いて、前記送受波手段の受波する反射波の受信信号に対して直交復調を行い、その復調された受信信号の同相成分、及び直交成分を出力する直交復調手段とを備え、
    前記パルス圧縮手段は、前記直交復調手段によって復調された受信信号をパルス圧縮することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の物体検出装置。
  10. 前記送信信号発生手段、及び前記変調手段の少なくとも一方の手段は、検出すべき物体までの距離に応じて、前記符号系列を構成する符号数、前記送信信号を構成するパルス列数、及び前記パルス列のパルス数の少なくとも一方が可変であることを特徴とする請求項2〜9の何れか1項に記載の物体検出装置。
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