JP4263376B2 - 赤外線レーザー用ネガ型感光性平版印刷版の現像方法 - Google Patents

赤外線レーザー用ネガ型感光性平版印刷版の現像方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は赤外線レーザーにより画像露光されたネガ型の感光性平版印刷版を現像する際の現像液に関し、画質が良好で、耐刷力に優れた印刷版を与えるための現像液および現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、コンピューター上で作成したデジタルデータをもとにフィルム上に出力せずに直接印刷版上に出力するコンピュータートゥープレート(CTP)技術が開発され、出力機として種々のレーザーを搭載した各種プレートセッターとこれらに適合する感光性平版印刷版の開発が盛んに行われている。開発の初期には比較的低出力のレーザーを搭載したプレートセッターが主であったことから、感光性平版印刷版としてはこうした低出力レーザーに感光性を持たせるために必然的に高感度化が求められた。その後、高出力レーザーとして赤外線レーザーがプレートセッターに搭載されるようになり、感光性平版印刷版上に与えられる光量が従来の数桁まで増大することが可能となった。このため、光エネルギーを熱に変換し、ヒートモードでの画像形成を印刷版の作成に利用されるようになった。例えば、特開平7−20629号、同7−271029号公報には、赤外線を吸収し熱に変換する光熱変換色素を用い、潜在的酸発生剤を熱分解することで赤外線レーザー照射部において酸を発生させ、バインダーであるノボラック樹脂とレゾール樹脂の混合物を酸触媒架橋反応を利用することで硬化するネガ型の平版印刷版が開示されている。これらの場合には、酸触媒架橋反応を進行させるために赤外線レーザー照射後に平版印刷版全体を90℃以上に加熱処理を行う必要があった。加熱処理後に現像を行う場合の現像液としては上記の特許明細書中には6%メタケイ酸ナトリウムのようなケイ酸塩水溶液が推奨されている。これらの場合において、現像に先立って版材の加熱処理を施すことが必須であり、加熱処理後に上記のような現像液を用いて現像することで初めて画像形成が可能であり、かつ印刷に耐えうる画像強度を与えるものであった。しかしながら、版材の加熱処理において、加熱温度にムラが生じやすく、加熱温度および時間を版材全面にわたって均一に制御することが困難で、例えば加熱温度が高い部分においては現像液に対する溶解性が顕著に低下するため残膜残りが生じたり、逆に加熱が不十分である場合には耐刷不良や画像欠陥を引き起こすなどの問題があった。
【0003】
赤外線レーザーを利用するネガ型の平版印刷版の他の例として特開平7−306528号、同10−301280号および同10−312056号公報等には、露光後に上記のような加熱処理を施さずとも現像処理が可能な例が記載されている。しかしながら、明細書中に開示されているアルカリ性現像液として、トリエタノールアミンやベンジルアルコール等を含む現像液で現像を行っても、十分な画像強度が得られず、印刷版としての耐刷力が未だ不十分であった。
【0004】
上記のような種々のネガ型の感光性平版印刷版を現像する場合に問題となるのは、第一に、現像前の加熱処理を省略できることが重要であり、加熱処理による前記のような画像強度の不均一性や残膜残りの問題を回避することが重要であるが、加熱処理を行わずに耐刷性に優れた画像形成を行うための現像液として満足できる系が存在しないことが挙げられ、第二に、ネガ型の場合には画像部分が一般に架橋した被膜で形成され、未露光部を現像液で溶解除去する際に、画像部のアルカリ現像液による膨潤を抑え、かつ非画像部の残膜残りを防止することで良好な印刷性を実現するための現像液が切望されているのが現状である。
【0005】
赤外光に感光性を具備するためには、赤外光に吸収を有する色素の添加が必須であるが、一般にこうした長波長に吸収を持たせた色素は共役系が長く延びた構造を有するため分子量が可視光吸収色素に比べ相対的に大きくなり、疎水性の増した構造になる。従って、本発明の目的とするアルカリ性の水性現像液を使用して現像を行おうとした場合に、例えば、特開昭54−62004号公報に記載されるようなケイ酸ナトリウム/水酸化ナトリウム(SiO2/M2O=1.0〜1.5)を含む現像液を使用したり、特公昭57−7427号公報に記載される組成の範囲内でアルカリ金属ケイ酸塩/水酸化カリウム(SiO2/M2O=1.0〜1.5)を含む現像液を使用した際には、こうした現像液の浸透が上記疎水性色素により妨げられることが多く、従って現像の進行が遅く、ネガ型の感光性平版印刷版については非画像部の残膜残り、溶出不良が顕著に見られた。さらには、多数枚の印刷版の現像処理を行った場合には、上記の疎水性色素が現像液中に不溶であるために凝集物が発生し、現像部ロールの汚染などの不都合を来す場合が多く問題であった。
【0006】
加えて、ネガ型の感光性平版印刷版を現像前に加熱処理を施すことなく現像を行おうとした場合に、例えば特開平6−282079号公報に記載されるようなSiO2/M2O=0.5〜2.0の範囲にあり、且つ糖アルコールにエチレンオキシドを付加させた化合物を添加した同様な現像液を使用しても、本発明に関わる赤外レーザーを使用する系においては、画像部である赤外光レーザー照射部の硬化性が未だ十分でない場合が多く、上記のような現像液を使用して現像を行った場合には、画像部への浸透が顕著に起こり画像部に傷が発生したり部分的に画像欠落が生じる問題が発生したり、或いは未露光部である非画像部の溶解性が低く溶出不良を来す場合があり、非画像部の良好な溶出と、画像部の残存性、即ち、レーザー光照射部/未照射部の溶解性のコントラストを十分に増加させた現像液が切望されているのが現状である。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明は赤外線レーザーに感光性を有するネガ型感光性平版印刷版を現像する場合において、現像前に版材の加熱処理を施すことなく、画像品質に優れ、印刷時の地汚れの発生が無く、耐刷力に優れた印刷版を与えるための現像剤および現像方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題は、アルミニウム支持体上に感光層を設け、該感光層が側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有しかつカルボキシル基を有する重合体と有機ホウ素塩を含み、赤外線レーザーに感光するネガ型感光性平版印刷版を露光後に加熱処理を行わずに、界面活性剤、アルカリ金属ケイ酸塩およびアルカリ金属水酸化物を含み、かつアルカリ金属ケイ酸塩中のSiOの濃度が1〜4重量%、アルカリ金属水酸化物の濃度が2〜5重量%の範囲で、且つSiO/MO(Mはアルカリ金属を表す)のモル比が0.47〜1.13の範囲でそれぞれ含まれるアルカリ性現像液を使用して現像することを特徴とする赤外線レーザー用ネガ型感光性平版印刷版の現像方法を使用することで解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における赤外線レーザーを利用するネガ型の感光性平版印刷版とは、好ましくは前記の光熱変換色素を利用する感熱型(ヒートモード)記録によるものではなく、赤外線に感光し、化学的に活性種を発生することで架橋反応を誘起する系が好ましく、例えば光重合開始剤と、これを赤外光において分光増感を行うための色素の組み合わせを用いた系が好ましい。これらの具体的な例は後述する。
【0010】
本発明において、上記のようなネガ型感光性平版印刷版を現像前に加熱処理を施さずに現像を行う場合の現像液として、界面活性剤、アルカリ金属ケイ酸塩およびアルカリ金属水酸化物を含み、かつアルカリ金属ケイ酸塩中のSiO2の濃度が1〜4重量%、アルカリ金属水酸化物の濃度が2〜5重量%の範囲で、且つSiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表す)のモル比が0.5〜1.1の範囲でそれぞれ含まれることが必須であることを見出したのが本発明の骨子である。アルカリ金属ケイ酸塩とはケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムおよびケイ酸リチウムから選ばれる1種または2種以上の組み合わせであり、アルカリ金属水酸化物とは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムおよび水酸化リチウムから選ばれる1種または2種以上の組み合わせを指す。これらがそれぞれ現像液中でアルカリ金属ケイ酸塩が1〜4重量%、アルカリ金属水酸化物が2〜5重量%の範囲で含まれ、かつSiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表す)のモル比が0.5〜1.1の範囲で含まれていることが必須であり、これ以外の範囲では残膜残りが生じ地汚れの原因となる場合や、或いは画像が欠落したり、印刷時の耐刷力において劣るため好ましくない。特に、アルカリ金属ケイ酸塩中およびアルカリ金属水酸化物中のアルカリ金属イオンとして、共にカリウムイオンが全アルカリ金属イオンに対して少なくとも50モル%以上含まれている場合において顕著に現像性が向上するため好ましく、最も好ましい場合は、全てのアルカリ金属イオンがカリウムイオンの場合である。
【0011】
上記において、SiO2/M2Oのモル比が0.5を下回る場合においては、画像部への現像液による浸食作用が顕著となり、画像欠陥を生じる等の不都合が発生すると共に、ケイ酸塩による支持体表面の親水化処理効果が不十分となり、印刷時の地汚れを生じたり、あるいはアルミニウム支持体を使用した場合に、アルミニウム表面がアルカリにより腐食される場合があり、好ましくない。一方、SiO2/M2Oのモル比が1.1を上回る場合には、ネガ型の赤外線感光性平版印刷版の感光層に対する現像液の浸透性が低いことから現像性が低下し、非画像部の溶出不良が生じるため好ましくない。さらに、現像液中に含まれるアルカリ金属水酸化物の濃度も重要であり、上記のSiO2/M2Oの好ましい範囲において、2〜5重量%含まれることが好ましく、これ以下の濃度では現像性が低下し、非画像部の溶出不良が生じるため好ましくなく、また5重量%を上回る濃度では画像部の強度が低下し、印刷時の耐刷性が劣る場合があるため好ましくない。加えて、アルカリ金属ケイ酸塩の現像液中濃度に関しても、1〜4重量%の範囲で含まれることが好ましく、1重量%を下回る濃度では、支持体への親水化効果が不十分で地汚れの原因となり、また、4重量%を上回る濃度では現像性が低下する場合があり好ましくない。
【0012】
本発明に於ける界面活性剤の添加は現像液の感光層表面への濡れ性を向上させ、感光層中への現像液の浸透を促進する上で必須であり、カチオン性、アニオン性、ノニオン性、或いは両性界面活性剤を含有するものであるのが好ましく、その含有量は現像液中において0.01〜5重量%の範囲が好ましく、さらには0.05〜2重量%の範囲で含まれる場合が特に好ましい。また、特に0.1〜2重量%の範囲で使用した場合には、多数枚の現像処理中においても現像液中でのスラッジの発生が有効に防止できる場合があるため、特に好ましい。
【0013】
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ベヘニルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、パーフルオロトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルピリジニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩類、2−オクタデシル−ヒドロキシエチル−2−イミダゾリン等のイミダゾリン誘導体類、N,N−ジエチル−ステアロアミド−メチルアミン塩酸塩、ポリオキシエチレンステアリルアミン等のアミン塩類等を挙げることができる。
【0014】
アニオン性界面活性剤としては、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の高級脂肪酸塩類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム等アルキル硫酸エステル塩類、オクチルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、ラウリルアルコール硫酸エステルアンモニウム等の高級アルコール硫酸エステル塩類、アセチルアルコール硫酸エステルナトリウム等の脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩類、イソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム等のアルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩類、ラウリル燐酸ナトリウム、ステアリル燐酸ナトリウム等のアルキル燐酸エステル塩類、ラウリルエーテル硫酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物、ラウリルエーテル硫酸アンモニウムのポリエチレンオキサイド付加物、ラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンのポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルエーテル硫酸塩のポリエチレンオキサイド付加物類、ノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルフェニルエーテル硫酸塩のポリエチレンオキサイド付加物類、ラウリルエーテル燐酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルエーテル燐酸塩のポリエチレンオキサイド付加物類、ノニルフェニルエーテル燐酸ナトリウムのポリエチレンオキサイド付加物等のアルキルフェニルエーテル燐酸塩のポリエチレンオキサイド付加物類等を挙げることができる。
【0015】
ノニオン性界面活性剤としては、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー等のポリエチレングリコール類、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールオレイルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールデシルテトラデシルエーテル等のポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールノニルフェニルエーテル等のポリエチレングリコールアルキルフェニルエーテル類、モノステアリン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ステアリン酸ジエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、モノミリスチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、ジオレイン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノパルミチン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、モノオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、モノラウリン酸ソルビット、テトラステアリン酸ソルビット、ヘキサステアリン酸ソルビット、テトラオレイン酸ソルビット等のソルビット脂肪酸エステル類、及びそのポリエチレンオキサイド付加物類、ヒマシ油のポリエチレンオキサイド付加物類等を挙げることができる。
【0016】
両性界面活性剤としては、N−ラウリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ステアリル−N,N−ジメチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N−ジヒドロキシエチル−N−カルボキシメチルアンモニウム、N−ラウリル−N,N,N−トリス(カルボキシメチル)アンモニウム等のベタイン型化合物類、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩類、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルホネート、イミダゾリン−N−ナトリウムエチルスルフェート等のイミダゾリン類等を挙げることができる。
【0017】
以上の界面活性剤の中で、本発明においては、カチオン性界面活性剤としての前記第4級アンモニウム塩類、ノニオン性界面活性剤としての前記各種のポリエチレングリコール誘導体類、前記各種のポリエチレンオキサイド付加物類等のポリエチレンオキサイド誘導体類、両性界面活性剤としてのベタイン型化合物類が好ましい。
【0018】
本発明に関わる赤外線レーザーに感光するネガ型感光性平版印刷版においては、光重合開始剤が用いられることが好ましく、用いることが好ましい光重合開始剤としては(a)芳香族ケトン類、(b)芳香族オニウム塩化合物、(c)有機過酸化物、(d)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(e)ケトオキシムエステル化合物、(f)アジニウム化合物、(g)活性エステル化合物、(h)メタロセン化合物、(i)トリハロアルキル置換化合物および(j)有機ホウ素化合物等が挙げられる。
【0019】
光重合開始剤としての(a)芳香族ケトン類の好ましい例としては、ベンゾフェノン骨格あるいはチオキサントン骨格を有する化合物、特公昭47−6416号記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号、特開昭62−81345号記載のベンゾインエーテル類、特開平2−211452号記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号記載のクマリン類を挙げることができる。
【0020】
また、光重合開始剤の別の例である(b)芳香族オニウム塩としては、N、P、As、Sb、Bi、O、S、Se、TeまたはIの芳香族オニウム塩が含まれる。このような芳香族オニウム塩は、特公昭52−14277号、特公昭52−14278号、特公昭52−14279号等に示されている化合物を挙げることができる。
【0021】
本発明に関わる感光性平版印刷版に用いることが好ましい光重合開始剤の他の例である(c)有機過酸化物としては分子中に酸素−酸素結合を1個以上有する有機化合物のほとんど全てが含まれるが、例えば、3,3′,4,4′−テトラ−(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ−(t−アミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−オクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレートなどの過酸化エステル系が好ましい。
【0022】
本発明に関わり用いることが好ましい光重合開始剤の他の例である(d)ヘキサアリールビイミダゾールとしては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
【0023】
本発明に関わる感光性平版印刷版に用いることが好ましい光重合開始剤の他の例である(e)ケトオキシムエステルとしては、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−p−トルエンスルホニルオキシイミノブタン−2−オン、2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン等が挙げられる。
【0024】
光重合開始剤の他の例である(f)アジニウム塩化合物の例としては、特開昭63−138345号、特開昭63−142345号、特開昭63−142346号、特開昭63−143537号ならびに特公昭46−42363号記載のN−O結合を有する化合物群を挙げることができる。
【0025】
光重合開始剤の他の例である(g)活性エステル化合物の例としては特公昭62−6223号記載のイミドスルホナート化合物、特公昭63−14340号、特開昭59−174831号記載の活性スルホナート類を挙げることができる。
【0026】
光重合開始剤の他の例である(h)メタロセン化合物の例としては、特開昭59−152396号、特開昭61−151197号、特開昭63−41484号、特開平2−249号、特開平2−4705号記載のチタノセン化合物ならびに、特開平1−304453号、特開平1−152109号記載の鉄−アレーン錯体を挙げることができる。
【0027】
光重合開始剤の他の例として(i)トリハロアルキル置換化合物が挙げられる。ここで言うトリハロアルキル置換化合物とは、具体的にはトリクロロメチル基、トリブロモメチル基等のトリハロアルキル基を分子内に少なくとも一個以上有する化合物であり、好ましい例としては、該トリハロアルキル基が含窒素複素環基に結合した化合物としてs−トリアジン誘導体およびオキサジアゾール誘導体が挙げられ、或いは、該トリハロアルキル基がスルホニル基を介して芳香族環或いは含窒素複素環に結合したトリハロアルキルスルホニル化合物が挙げられる。
【0028】
本発明に係わるネガ型赤外線レーザー感光性平版印刷版に使用する特に好ましい光重合開始剤として(j)有機ホウ素化合物が挙げられ、特に化1で示される有機ホウ素アニオンを有する化合物を用いることが好ましい。
【0029】
【化1】
Figure 0004263376
【0030】
化1において、R1,R2,R3およびR4は各々同じであっても異なっていても良く、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、複素環基を表す。これらの内で、R1,R2,R3およびR4の内の一つがアルキル基であり、他の置換基がアリール基である場合が特に好ましい。
【0031】
上記の有機ホウ素アニオンは、これと塩を形成するカチオンが同時に存在する。この場合のカチオンとしては、アルカリ金属イオンおよびオニウムイオンが挙げられる。オニウム塩としては、アンモニウム、スルホニウム、 一ドニウムおよびホスホニウム化合物が挙げられる。アルカリ金属イオンおよびオニウム化合物と有機ホウ素アニオンとの塩を用いる場合には、別に増感色素を添加することで色素が吸収する光の波長範囲での感光性を付与することが行われる。
【0032】
本発明に係わるネガ型感光性平版印刷版に用いる好ましい様態の一つとして、有機ホウ素塩をこれを赤外光において増感する色素とともに含む感光性平版印刷版であり、この場合の有機ホウ素塩は赤外光の波長領域に感光性を示さず、増感色素の添加によって初めてこうした波長領域の光に感光性を示すものである。
【0033】
この場合の有機ホウ素塩としては、先に示した化1で表される有機ホウ素アニオンを含む塩であり、塩を形成するカチオンとしてはアルカリ金属イオンおよびオニウム化合物が好ましく使用される。特に好ましい例は、有機ホウ素アニオンとのオニウム塩として、テトラアルキルアンモニウム塩等のアンモニウム塩、トリアリールスルホニウム塩等のスルホニウム塩、トリアリールアルキルホスホニウム塩等のホスホニウム塩が挙げられる。特に好ましい有機ホウ素塩の例を化2および化3に示す。
【0034】
【化2】
Figure 0004263376
【0035】
【化3】
Figure 0004263376
【0036】
感光性平版印刷版上に形成される感光体組成中に於ける光重合開始剤の割合については好ましい範囲が存在し、感光性組成物トータル100重量部において該光重合開始剤は0.1重量部から50重量部の範囲で含まれていることが好ましい。
【0037】
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版に用いることが好ましい増感色素については、カチオン性色素、アニオン性色素および電荷を有しない中性の色素としてメロシアニン、クマリン、キサンテン、チオキサンテン、アゾ色素等が使用できる。これらの内で特に好ましい例は、カチオン色素としてのシアニン、カルボシアニン、へミシアニン、メチン、ポリメチン、トリアリールメタン、インドリン、アジン、チアジン、キサンテン、オキサジン、アクリジン、ローダミンおよびアザメチン色素から選ばれる色素である。これらのカチオン性色素との組み合わせに於いては特に高感度でかつ保存性に優れるために好ましく使用される。上記の増感色素の内で、特に本発明に関わる750nm以上の赤外光の波長領域の光に感光性を持たせる系に於いては、増感色素としてこうした波長領域に吸収を有することが必要であり、こうした目的で使用される特に好ましい例を化4および化5に示す。
【0038】
【化4】
Figure 0004263376
【0039】
【化5】
Figure 0004263376
【0040】
上記のような増感色素と光重合開始剤との量的な比率に於いて好ましい範囲が存在する。増感色素 重量部に対して光重合開始剤は0.01重量部から100重量部の範囲で用いることが好ましく、更に好ましくは光重合開始剤は0.1重量部から50重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0041】
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版には、感光層中にエチレン性不飽和化合物を含むことが好ましく行われ、この具体例としては、分子内に2個以上の重合性二重結合を有する重合性化合物が挙げられる。好ましいエチレン性不飽和化合物の例としては、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルイソシアヌレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、エチレングリコールグリセロールトリアクリレート、グリセロールエポキシトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート等の多官能アクリル系モノマーが挙げられる。
【0042】
或いは、上記の重合性化合物に代えてラジカル重合性を有するオリゴマーも好ましく使用され、アクリロイル基、メタクリロイル基を導入した各種オリゴマーとしてポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等も同様に使用されるが、これらもエチレン性不飽和化合物として同様に好ましく用いることが出来る。
【0043】
或いは更に好ましいエチレン性不飽和化合物として、スチレン誘導体が挙げられ、分子内に2個以上のスチリル基を有する化合物を使用した場合に於いて、発生するラジカルにより生成するスチリルラジカル同士の再結合により効果的に架橋を行うため、高感度のネガ型感光材料を作成する上で極めて好ましい。特に好ましいエチレン性不飽和化合物として化6〜化8に示す例が挙げられる。
【0044】
【化6】
Figure 0004263376
【0045】
【化7】
Figure 0004263376
【0046】
【化8】
Figure 0004263376
【0047】
上記のようなエチレン性不飽和化合物が感光性組成物中に占める割合に関しては好ましい範囲が存在し、全感光性組成物100重量部中においてエチレン性不飽和化合物は1重量部から60重量部の範囲で含まれることが好ましく、さらに5重量部から50重量部の範囲で含まれることが特に好ましい。
【0048】
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版において感光層に含まれる高分子結着剤としては本発明による現像液に可溶であることが好ましく、特にカルボキシル基を有するアルカリ可溶性ポリマーであることが好ましい。こうした例としては、カルボキシル基含有モノマーを共重合成分として含むポリマーが挙げられ、この場合において共重合体組成中に含まれるカルボキシル基含有モノマーの割合として、トータル組成100重量%中に於いて5重量%以上99重量%以下であることが好ましく、これ以下の割合では共重合体がアルカリ水溶液に溶解しない場合がある。
【0049】
上記のカルボキシル基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸2−カルボキシエチルエステル、メタクリル酸2−カルボキシエチルエステル、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、4−カルボキシスチレン等のような例が挙げられる。
【0050】
上記のようなカルボキシル基含有モノマーとともに共重合体を形成するためのモノマーとしては、スチレン、4−メチルスチレン、 −ヒドロキシスチレン、 一アセトキシスチレン、 −カルポキシスチレン、 一アミノスチレン、クロロメチルスチレン、 −メトキシスチレン等のスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ドデシル等のメタクリル酸アルキルエステル類、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル等のメタクリル酸アリールエステル或いはアルキルアリールエステル類、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メトキシジエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコールモノエステル、メタクリル酸ポリプロピレングリコールモノエステル等のアルキレンオキシ基を有するメタクリル酸エステル類、メタクリル酸2−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸2−ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有メタクリル酸エステル類、或いはアクリル酸エステルとしてこれら対応するメタクリル酸エステルと同様の例、或いは、リン酸基を有するモノマーとしてビニルホスホン酸等、或いは、アリルアミン、ジアリルアミン等のアミノ基含有モノマー類、或いは、ビニルスルホン酸およびその塩、アリルスルホン酸およびその塩、メタリルスルホン酸およびその塩、スチレンスルホン酸およびその塩、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびその塩等のスルホン酸基を有するモノマー類、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、 −ビニルカルバゾール等の含窒素複素環を有するモノマー類、或いは4級アンモニウム塩基を有するモノマーとして4−ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドのメチルクロライドによる4級化物、 −ビニルイミダゾールのメチルクロライドによる4級化物、4−ビニルベンジルピリジニウムクロライド等、或いはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、またアクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、 −イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、 −メチロールアクリルアミド、 −メトキシエチルアクリルアミド、4−ヒドロキシフェニルアクリルアミド等のアクリルアミドもしくはメタクリルアミド誘導体、さらにはアクリロニトリル、メタクリロニトリル、フェニルマレイミド、ヒドロキシフェニルマレイミド、酢酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、プロビオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類、またメチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、その他、 −ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルアルコール、ビニルトリメトキシシラン、グリシジルメタクリレート等各種モノマーを先に述べたカルボキシル基含有モノマーとともに上記の内のモノマー単独あるいはこれらの任意の組み合わせで含む共重合体を本発明におけるネガ型の感光性平版印刷版における感光層中の高分子結着剤として使用することが出来る。
【0051】
上記のカルボキシル基を有する高分子結着剤の構造中には光重合開始剤から生じるラジカルに反応性を有する置換基を有する場合も好ましく用いられる。例えば、ポリマー側鎖に重合性二重結合を導入した場合については極めて高感度なネガ型の感光性組成物を与えることから特に好ましく用いられる。さらには、側鎖に含まれる重合性二重結合としてビニル基が置換したフェニル基を有する場合に於いては、ラジカルが付加することにより生じるビニルラジカル同士が再結合により互いに結合することから高感度のネガ型の感光材料を与えるため極めて好ましい。好ましい高分子結着剤の例を下例に示す。尚、式中の数字は重合体中の各繰り返し単位の重量部を表す。
【0052】
【化9】
Figure 0004263376
【0053】
【化10】
Figure 0004263376
【0054】
【化11】
Figure 0004263376
【0055】
【化12】
Figure 0004263376
【0056】
【化13】
Figure 0004263376
【0057】
上記のような高分子結着剤の分子量については好ましい範囲が存在し、重量平均分子量として1000から100万の範囲にあることが好ましく、さらに5000から50万の範囲にあることがさらに好ましい。
【0058】
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版を構成する他の要素として着色剤の添加も好ましく行うことが出来る。着色剤としては露光および現像処理後に於いて画像部の視認性を高める目的で使用されるものであり、カーボンブラック、フタロシアニン系色素、トリアリールメタン系色素、アントラキノン系色素、アゾ系色素等の各種の色素および顔料を使用することが出来、バインダー 重量郡に対して0.005重量部から0.5重量部の範囲で好ましく添加することが出来る。
【0059】
本発明に関わるネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版を構成する要素については上述の要素以外にも種々の目的で他の要素を追加して含有することも出来る。例えば感光性平版印刷版のブロッキングを防止する目的もしくは現像後の画像のシャープネス性を向上させる等の目的で無機物微粒子あるいは有機物微粒子を添加することも好ましく行われる。
【0060】
感光性平版印刷版上の感光層自体の厚みに関しては、支持体上に0.5ミクロンから10ミクロンの範囲の乾燥厚みで形成することが好ましく、さらに1ミクロンから5ミクロンの範囲であることが耐刷性を大幅に向上させるために極めて好ましい。感光層は上述の種々の要素を混合した溶液を作成し、公知の種々の塗布方式を用いて支持体上に塗布、乾燥される。支持体については、例えばフィルムやポリエチレン被覆紙を使用しても良いが、より好ましい支持体は、研磨され、陽極酸化皮膜を有するアルミニウム板である。
【0061】
上記のようにして支持体上に形成された感光層を有する材料を印刷版として使用するためには、これに750nm以上の波長で赤外線レーザー走査露光を行い、露光された部分が架橋することで本発明による現像液に対する溶解性が顕著に低下することから、先に述べた本発明による現像液により未露光部を効率的に溶出することで画像形成が行われる。
【0062】
本発明に係わる赤外線レーザー走査露光に使用する特に好ましいレーザー光源は、750nm以上の赤外領域に発振波長を有するレーザーであり、各種半導体レーザー、YAGレーザーやガラスレーザー等の固体レーザーが最も好ましい。
【0063】
上記のような構成で形成されたネガ型の赤外線レーザー感光性平版印刷版を現像する場合において、本発明による現像液を使用して、35℃以下の現像液温度において現像を行うことが好ましい。これより高い温度で現像を行った場合において、画像部への現像液の浸透が顕著となり、画像部に傷が発生したり、画像の欠落を生じる場合があり、さらには、現像処理された版材を用いて印刷を行った場合に耐刷力が顕著に低下する場合があるため好ましくない。
【0064】
本発明による現像液を用いてネガ型感光性平版印刷版を現像処理する場合には自動現像装置を使用することが好ましい。自動現像装置には現像部、水洗部およびリンス部が設けられていることが好ましく、現像部においては現像液が版材表面にシャワーにより供給される場合や版材が現像液中に浸漬される機構を設けていることが好ましい。さらに現像部において駆動式のモルトンロールやブラシロールを用いて感光層表面から非画像部を掻き落とす機構を設けていることも好ましく行われる。あるいはこうした駆動式のモルトンロールやブラシロールは現像部ではなく、引き続く水洗部において設けられることも好ましく行われる。現像糟に続く水洗部においては、版材表面にシャワー等を利用して水洗水を供給する場合や、あるいは水洗糟を設けて版材を浸漬することで水洗する方法等いずれの方法でも好ましく実施できる。さらに、水洗部に続き、リンス部において版面保護のためのガム液と称されるアラビアガム等を含む液を塗布する工程を設け、さらには乾燥工程を設けることも好ましく行われる。
【0065】
本発明において現像部もしくは水洗部に設けることが好ましいモルトンロールとしてはレーヨン、ポリプロピレン、ビニロン等の繊維を編み上げて形成したモルトン布を、ニトリルゴム、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、ポリウレタン等のゴムロールに巻いた形のロールが好ましく使用される。この場合のモルトンの表面は出来るだけ均質に繊維層が形成されていることが好ましく、毛羽立ちを抑える等の方法をとることで感光層表面を均一に擦過することが好ましい。さらには、モルトンロールは駆動ロールとして、搬送される版材の搬送速度に対して同期することなく、搬送方向と同方向或いは逆方向に回転させることで非画像部の残膜を効果的に除去することが好ましく行われる。駆動ロールが搬送方向と同方向に回転する場合においては、駆動ロール表面と搬送される版材表面の相対速度は同一ではなく駆動ロール表面の相対速度を速くすることで表面擦過の効果が現れるために好ましい。また、駆動ロールの回転方向が搬送方向と逆である場合においても表面が有効に擦過されるために好ましい。
【0066】
本発明において現像部もしくは水洗部に設けることが好ましいブラシロールに関しては、ナイロン、ポリプロピレン等のブラシ線材を用いたブラシロールが好ましく、植え込みロールブラシおよびチャンネルロールブラシ等が好ましく使用される。この場合においてもブラシロールは駆動装置により駆動される駆動ロールであることが好ましく、版材の搬送方向に対して同方向あるいは逆方向に回転され、表面を擦過することが好ましい。
【0067】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明の効果を更に説明する。
(実施例1〜5および比較例1〜3)
(ネガ型感光性平版印刷版の作成)
厚みが0.24mmである砂目立て処理を行った陽極酸化アルミニウム板を使用して、この上に下記の処方で示される感光性塗工液を乾燥厚みが2ミクロンになるようロールコーターにより塗布を行い、多数枚の感光性平版印刷版を作成した。感光性平版印刷版材料のサイズは670mm×530mmの大きさに裁断して使用した。
【0068】
<感光性塗工液>
重合体(化9中P−1) 10重量部
光ラジカル発生剤 (化3中BC−6) 2重量部
重合性化合物 (化6中C−5) 3重量部
増感色素(化4中S−4) 0.5重量部
ジオキサン 70重量部
シクロヘキサン 20重量部
【0069】
合成例1(化9中P−1の重合体の合成例)
ビスムチオール(2,5−ジメルカプト−1,3−4−チアジアゾール)150gを600mlのメタノール中に懸濁させ、冷却しながらトリエチルアミン101gを徐々に添加し、均一な溶液を得た。室温下に保ちながらp−クロロメチルスチレン(セイミケミカル製、CMS−14)を10分に亘り滴下し、さらに3時間攪拌を続けた。反応生成物が次第に析出し、攪拌後に氷浴に移し内温を10℃まで冷却した後、吸引濾過により生成物を分離した。メタノールにより洗浄を行い、真空乾燥器内で1昼夜乾燥することで収率75%で化14に示す化合物を得た。
【0070】
【化14】
Figure 0004263376
【0071】
化14のモノマー40gを攪拌機、窒素導入管、温度計、還流冷却管を備えた1リッター4ツ口フラスコ内にとり、メタクリル酸70gおよびエタノール200ml、蒸留水50mlを加え、攪拌しながら水浴上でトリエチルアミン110gを添加した。窒素雰囲気下で内温を70℃になるよう加熱し、この温度でアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を1g添加し、重合を開始した。6時間加熱攪拌を行い、その後重合系を室温まで冷却した。一部(を取り出し、希塩酸を加えてpHを3程度に調整し、これを水中にあけることで化15に示す構造のポリマーを得た。
【0072】
【化15】
Figure 0004263376
【0073】
上記の一部を取り出した残りの重合体溶液中に1,4−ジオキサン100gおよびp−クロロメチルスチレンを23g加え、室温で更に15時間攪拌を続けた。その後、濃塩酸(35〜37%水溶液)85gを加え、系のpHが4以下になったことを確認後、3リッターの蒸留水中に全体を移した。析出した重合体を濾過により分離し、蒸留水にて洗浄を繰り返した後、真空乾燥器内で1昼夜乾燥した。収率90%で目的とする重合体を得た。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定により重量平均分子量9万(ポリスチレン換算)の重合体であり、さらにプロトンNMRによる解析により重合体化9中P−1の構造を支持するものであった。
【0074】
合成例2(化6中C−5の合成例)
チオシアヌル酸89gをメタノール1.5リッターに懸濁し、冷却しながら水酸化カリウム84gを溶解した30%水溶液を徐々に加え、均一な溶液を得た。これに、室温下でp−クロロメチルスチレン230gを内温が40℃を越えないよう徐々に滴下した。添加後まもなく生成物が析出してくるが攪拌を続け、3時間攪拌を行った後に吸引濾過により生成物を分離した。メタノールにより洗浄を行い、真空乾燥器内で一昼夜乾燥を行った後、90%の収率で化6中C−5で示される化合物を得た。
【0075】
先の方法で作成した感光性平版印刷版を大日本スクリーン製造(株)製プレートセッターPT−R4000を用いて、ドラム回転速度1000rpm、解像度2400dpi、版面露光エネルギー150mJ/cm2の条件で画像面積が20%の条件でテスト画像の露光を行った。露光後の版材を下記処方の現像液を使用して、以下の条件で現像処理を行った。
【0076】
現像液中成分として、ケイ酸カリウム水溶液は多摩化学工業(株)製のケイ酸カリウム水溶液を使用したが、これに含まれるSiO2は20%であり、併せてKOHが10%含まれるものを使用した。このケイ酸カリウム水溶液に更にKOHを添加することで下記表1および表2に示されるような各々の比率になるように調整を行った。さらに界面活性剤としてポリエチレングリコール(付加モル数=5)モノステアレートを0.3%になるよう加え、トータルの液量が100リッターになるようイオン交換水を加えて現像液を作成した。
【0077】
【表1】
Figure 0004263376
【0078】
【表2】
Figure 0004263376
【0079】
現像を実施するための自動現像装置として大日本スクリーン製造(株)製PD−912−Mを使用して現像を行った。現像液は上記で作成した現像液を使用した。このPD−912−Mにおいて現像糟中に駆動ロールであるモルトンロールが設置され、現像液中で版材表面が擦過される機構を有している。駆動ロールであるモルトンロールの回転方向は搬送方向と同一で、版材の搬送速度に対して約2倍の相対速度で回転することで表面の擦過を行った。最終処理部にはガム液を供給するための機構が設けられており、ガム液として(株)日研化学研究所製日研ウルトラPSガムを水で1対1に希釈した液を使用した。
【0080】
現像糟中には現像液を18リットル投入し、補充液として同一の現像液を1版当たり30mlを補充した。水洗水およびガム液は自動現像装置外部に設置したタンクから循環する形で供給を行った。現像液中浸漬条件は液温32℃で浸漬時間は14秒に設定した。先に作成した露光済みの多数枚の感光性平版印刷版を一日当たり平均100版を処理した。
【0081】
上記の処理を行った版材を以下の条件で印刷評価を行った。印刷機はRyobi−560を使用し、印刷インキは大日本インキ(株)製Fグロス墨Bを使用し、湿し水は市販の湿し水を希釈して使用した。印刷評価項目として刷り始めからの紙へ転写するインキ濃度が十分でかつ安定化するまでの刷り枚数を以てインキ乗りとし、この枚数が少ないほど良好と評価した。また耐刷性についてはテスト画像中の微小網点および細線が欠落し始めるまでの刷り枚数を以て評価を行った。また、地汚れの有無は印刷物上の地汚れの有無を以て目視判定を行った。処理を継続して行った場合の印刷評価結果を表3および表4に併せて示した。尚、比較例1〜3においては、初日の処理において後述するように、比較例1および3については溶出不良が発生し、比較例2については著しい画像部の欠落が見られたため、これ以上の現像処理は行わなかった。
【0082】
【表3】
Figure 0004263376
【0083】
【表4】
Figure 0004263376
【0084】
更に上記の評価に加えて、各処理日において現像された印刷版の画像品質を評価した。評価項目は133線網点の再現レンジとして1%から99%の範囲の網点が版材上で再現されているかの確認と、20ミクロン細線が均質に再現されているかの確認および画像上の傷の有無、非画像部の残膜残りの有無を目視判定した。結果を表5に示したが、実施例1〜5の現像液を使用した場合にはいずれの例においてもランニング試験を通して良好な画質の版材が安定して得られた。一方、比較例1および3については初日の現像処理において溶出不良が発生しており、網詰まりが顕著であった。また、比較例2についても最初の現像において画像部の欠損が顕著であり、網部分も不均一な再現性であった。比較例1〜3についての結果を表6にまとめた。
【0085】
【表5】
Figure 0004263376
【0086】
【表6】
Figure 0004263376
【0087】
比較例4
現像液として6%メタケイ酸ナトリウム水溶液を使用して上記実施例1〜5と全く同様にして現像を行ったところ、最初の現像において著しい残膜残り(溶出不良)が発生し、印刷不能であった。
【0088】
比較例5
現像液として特開平6−282079号公報明細書中、実施例1に記載される現像液(SiO2=1.35%、KOH=2.0%、SiO2/K2O=1.2、およびポリオキシエチレン(付加モル数=12)ソルビトールを0.02%を含む)を使用して上記実施例1〜5と全く同様にして現像を行ったところ、最初の現像において著しい残膜残り(溶出不良)が発生し、印刷不能であった。
【0089】
【発明の効果】
本発明の現像液によれば、赤外線レーザーに感光性を有するネガ型感光性平版印刷版を現像する場合において、画像品質に優れ、印刷時の地汚れの発生が無く、耐刷力に優れた印刷版を与える。

Claims (1)

  1. アルミニウム支持体上に感光層を設け、該感光層が側鎖にビニル基が置換したフェニル基を有しかつカルボキシル基を有する重合体と有機ホウ素塩を含み、赤外線レーザーに感光するネガ型感光性平版印刷版を露光後に加熱処理を行わずに、界面活性剤、アルカリ金属ケイ酸塩およびアルカリ金属水酸化物を含み、かつアルカリ金属ケイ酸塩中のSiOの濃度が1〜4重量%、アルカリ金属水酸化物の濃度が2〜5重量%の範囲で、且つSiO/MO(Mはアルカリ金属を表す)のモル比が0.47〜1.13の範囲でそれぞれ含まれるアルカリ性現像液を使用して現像することを特徴とする赤外線レーザー用ネガ型感光性平版印刷版の現像方法
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