JP4196951B2 - プロジェクタ、投写画像調整方法 - Google Patents
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Description
そして、このようなプロジェクタとして、下記特許文献1に記載されたプロジェクタのように、撮影画像を解析し、撮影画像のうち、明るさがピークとなるピーク位置を定め、このピーク位置に応じてキーストーン補正を行うプロジェクタが挙げられる。
図5に示すプロジェクタPJは、キーストーン補正などを行うための調整用パターン画像として、全面白色の画像を投写対象物であるスクリーンScに投写し、スクリーンScに投写表示された画像を撮像して得られた撮影画像のうち、輝度値のピーク位置を定めてキーストーン補正を行うことが可能なプロジェクタである。
なお、図5では、あおり投写でないため、スクリーンScの法線と、プロジェクタPJ内部における光学系の光軸と、の間の垂直方向の角度(以下、「あおり角度」と呼ぶ。)は0度である。
ここで、輝度値は0〜255の範囲の値を取るものとし、プロジェクタPJでは、この露出目標値として「50」が設定されている。
図6において(A)は、図5に示す投写状態を横から示すものであり、(B)は、撮影画像のうち、図5に示す光軸点を含む水平ラインL1に相当する位置の、各画素の輝度値の分布を模式的に示すグラフである。なお、図6(B)において、横軸は画素の横方向の位置を、縦軸は輝度値を、それぞれ示す。
図7において(A)は、あおり投写の場合における投写状態を横から示すものであり、(B)は、図7(A)の投写状態において得られた撮影画像のうち、光軸点を含む水平ラインに相当する位置の、各画素の輝度値の分布を模式的に示すグラフである。なお、図7(B)において、横軸及び横軸は、図6(B)と同じであるので説明を省略する。
また、プロジェクタPJにおいて設定されている露出目標値は、図6の場合と同様に「50」が設定されている。
A.実施例:
A1.プロジェクタの概要:
A2.画像投写動作の概要:
A3.輝度ピーク位置明確化処理及びキーストーン補正処理:
A4.実施例の効果:
B.変形例:
A1.プロジェクタの概要:
図1は、本発明の実施例としてのプロジェクタの概略構成を示す説明図である。このプロジェクタ100は、図5〜図7に示した従来におけるプロジェクタPJと同様に、スクリーンに投写表示された画像を撮像し、得られた撮影画像のうち、輝度値のピーク位置を定めてキーストーン補正を行うことが可能なプロジェクタである。
さらに、プロジェクタ100は、光学系の構成要素として、ランプやリフレクタ等から成る照明光学系112,液晶パネル114,投写レンズ等から成る投写光学系116を備えている。
プロジェクタ100における通常動作である画像投写動作について簡単に説明する。
図1において、ユーザがリモコン124を用いて画像投写の開始を指示すると、リモコン124は、入力されたその指示を無線通信によってリモコン制御部123に伝える。リモコン制御部123は、リモコン124からの指示を、内部バス125を介してCPU120に伝える。CPU120は、それら指示に基づいて、画像処理部103をはじめとする各構成部を制御して画像投写動作を行う。
なお、上述の投写光学系116においては、上述した従来におけるプロジェクタPJと同様に、レンズシフトがなされている。そして、投写状態は、あおり投写がない場合には、図5に示す投写状態と同じとなる。
ユーザが、図7(A)に示すのと同様に、プロジェクタ100を、スクリーンに対して下方においてあおり角度10度に傾けて設置した後、プロジェクタ100の電源をオンすると、プロジェクタ100は、スクリーンに調整用パターン画像を投写表示させる。
具体的には、図1に示す画像処理部103は、調整用パターン画像として全面白色の画像を生成し、この生成された画像が、上述した画像投写動作と同様にしてスクリーンに投写表示される。
図2に示す輝度ピーク位置明確化処理が開始されると、まず、CPU120は、あおり角度取得部122を用いてあおり角度を取得し、メモリ121に記憶させる(ステップS202)。上述のように、あおり角度10度でプロジェクタ100が設置されている場合には、角度取得部122は、この「10度」を取得し、メモリ121に記憶させる。
図3に示すように、露出目標値設定テーブルには、5度間隔のあおり角度に対応して、それぞれ、露出目標値が設定されている。ここで露出目標値とは、上述した従来におけるプロジェクタPJに設定されていた露出目標値と同じく、撮影画像における全画素の平均輝度値の目標値である。
次に、撮像制御部105は、この算出した平均輝度値が、CPU120により設定された露出目標値となるように、撮像部104におけるシャッタ速度,ゲイン,絞りを制御して露出調整を行う。
そして、撮像制御部105は、算出した平均輝度値が、この露出目標値となるまで、上述した、撮像,平均輝度値の算出,シャッタ速度等の制御を繰り返し実行する。
図4において(A)は、図7(A)と同様であるので、説明を省略する。また、図4において(B)は、図4(A)の投写状態において、上述した露出調整後に得られる撮影画像のうち、光軸点を含む水平ラインに相当する位置の、各画素の輝度値の分布を模式的に示すグラフである。なお、図4(B)において、横軸及び縦軸は、図7(B)と同じであるので説明を省略する。
プロジェクタが、スクリーンに対してより傾いて設置された場合、あおり角度がより大きくなり、上述したように、光軸点を照射する投写光の鏡面反射光は、プロジェクタからより離れた方向に向かうことになる。従って、本発明を適用しない場合には、輝度分布の形状は、よりなだらかな山型となり、ピーク位置がより不明確となる。
なお、このキーストーン補正は、投写表示される画像の台形歪みをキャンセルするように、予め投写する画像を台形に補正しておくことにより実行される。そして、前述の補正量とは、この補正後の台形の、各頂点の位置を示す値である。
以上説明したように、プロジェクタ100に格納される露出目標値設定テーブルには、あおり角度に応じてピーク位置が明確になるような露出目標値が設定されている。そして、CPU120は、この露出目標値設定テーブルに基づき、露出調整の際の目標値を撮像制御部105に設定し、撮像制御部105は、設定された露出目標値となるように露出調整を行う。従って、この露出調整の結果、撮影画像においてピーク位置が明確となるので、正確なピーク位置を定めて、正確なキーストーン補正を行うことが可能となる。
また、この露出目標値設定テーブルに設定される露出目標値は、より大きなあおり角度に対応して、より大きな値が設定されている。従って、より大きなあおり角度の場合には、各画素の輝度値の平均値が、より大きくなるように露出調整が行われることとなる。
その結果、あおり角度がより大きく、光軸点を照射する投写光の鏡面反射光がプロジェクタ100からより離れた方向に向かうような場合においても、撮影画像における各画素間の輝度値の差分を大きくすることができ、ピーク位置を明確にすることが可能となる。
なお、本発明は、前述の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の態様において実施することが可能であり、例えば以下のような変形も可能である。
上述した実施例では、露出目標値設定テーブルは、出荷前にプロジェクタ100に格納されるものとしたが、これに限るものではない。例えば、プロジェクタ100の出荷後に、ユーザが、設定用パソコン等をプロジェクタ100に直接接続し、自ら作成した露出目標値設定テーブルを、露出目標値設定テーブル格納部に格納するようにしてもよい。
このようにすることで、実際にプロジェクタ100を使用する環境(例えば、スクリーン以外の投写対象物に画像を投写する等)に応じて、最適な露出目標値を設定することが可能となる。
上述した実施例における露出目標値設定テーブルでは、図3に示すように、5度間隔のあおり角度毎に露出目標値が設定されていたが、この5度に限るものではなく、4度、又は6度といったように、5度よりも小さい又は大きい角度の間隔のあおり角度毎に設定されていても構わない。
また、上述した露出目標値設定テーブルではなく、あおり角度をパラメータとして、露出目標値を導き出すことができるような算出式を、予め実験等により求めておき、CPU120は、あおり角度取得部122を用いて取得したあおり角度に基づき、この算出式を用いて露出目標値を導き出し、露出調整の際の目標値として決定するようにしてもよい。
上述した実施例においては、プロジェクタ100では、キーストーン補正を正確に行うために、輝度ピーク位置明確化処理が実行されていたが、本発明は、キーストーン補正に限定するものではない。ズーム調整やフォーカス調整など、他の画像調整においても、撮影画像のピーク位置を用いて行うような場合には、本発明を適用することが可能であり、本発明を適用することにより、より正確なピーク位置を定めてより正確な画像調整を行うことが可能となる。
上述した実施例では、縦方向のあおり投写の場合について、ピーク位置を明確にするようにしていたが、これに代えて、若しくはこれと合わせて、横方向のあおり投写の場合にも本発明を適用して、ピーク位置を明確にすることもできる。
この場合、プロジェクタの横方向の傾き(スクリーンの法線と光軸との間の水平方向の角度)については、例えば、スクリーン上において、矩形の四隅に相当する位置にマーカを付けておき、投写表示させた画像の左側の2つ頂点及び右側の2つの頂点が、それぞれ、これらマーカに一致するようにズーム調整を行い、それぞれのズーム調整におけるズーム量に基づいて検出するようにすればよい。また、露出目標値設定テーブルとして、あおり角度に代えて、若しくはこれと合わせて、横方向の傾きに対応した、最適な露出目標値を実験等で求め、横方向の傾きに対応して設定しておくようにすればよい。
上述した実施例では、プロジェクタ100の投写光学系116においてレンズシフトがなされているものとしたが、レンズシフトがなされていない場合においても、本発明を適用することは可能であり、この場合においてもピーク位置を明確にすることができる。
上述した実施例では、調整用パターン画像として、全面白色の画像を用いるものとしたが、これに限らず、例えば、所定の階調パターンを有する画像や、所定の記号やロゴを表す画像などを用いるようにしてもよい。
上述した実施例では、明るさを示す値として、輝度値(Y)を用いていたが、これに代えて、R,G,Bのいずれかの階調値、又はこれらの階調値の平均値を用いるようにしてもよい。
上述した実施例では、プロジェクタ100は、液晶プロジェクタであるものとしたが、DLPプロジェクタ(DLPは登録商標)であってもよい。
102...A/D変換部
103...画像処理部
104...撮像部
105...撮像制御部
106...撮影画像メモリ
107...露出目標値設定テーブル格納部
110...液晶パネル駆動部
112...照明光学系
114...液晶パネル
116...投写光学系
120...CPU
121...メモリ
122...あおり角度取得部
123...リモコン制御部
124...リモコン
125...内部バス
CA...撮像部
G...投写表示された調整用パターン画像
L1...水平ライン
PJ...プロジェクタ
Sc...スクリーン
Claims (4)
- 投写対象物に画像を投写することが可能なプロジェクタであって、
前記投写対象物に投写された前記画像を撮像し、撮影画像を得る撮像部と、
設定された露出目標値となるように、前記撮像画像に基づき前記撮像部における露出調整を行う撮像制御部と、
前記撮像制御部に対して、前記露出目標値を設定する制御部と、
前記投写対象物に対する前記プロジェクタの傾きを示す角度情報を取得する角度情報取得部と、
前記露出目標値と、前記角度情報と、を対応付けて記憶する記憶部と、
前記撮影画像を解析し、前記撮影画像において最も明るい位置であるピーク位置を示す位置情報を得る解析部と、
前記解析部により得られた前記位置情報に基づき、前記投写する画像を調整する画像処理部と、
を備え、
前記制御部は、前記撮像制御部に対して前記露出目標値を設定する場合に、前記角度情報取得部を用いて前記角度情報を取得すると共に、取得した前記角度情報に対応付けられた前記露出目標値を前記記憶部から読み出し、読み出した前記露出目標値を前記撮像制御部に対して設定することを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項1に記載のプロジェクタであって、
前記記憶部に記憶された前記露出目標値は、より大きな前記傾きを示す前記角度情報に対して、より大きな前記露出目標値が対応付けられていることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項2に記載のプロジェクタであって、
前記画像処理部は、前記投写対象物に対する前記プロジェクタの傾きにより生じた、投写された前記画像の歪みを補正するように、前記投写する画像を調整することを特徴とするプロジェクタ。 - 撮像部を有し投写対象物に画像を投写するプロジェクタにおいて、前記投写する画像を調整する方法であって、
露出目標値と、前記投写対象物に対する前記プロジェクタの傾きを示す角度情報と、を予め対応付けておく第1の工程と、
前記撮像部を用いて前記投写対象物に投写された前記画像を撮像し、撮像画像を得る第2の工程と、
前記角度情報を取得する第3の工程と、
取得された前記角度情報に基づき、取得された前記角度情報に対応付けられた前記露出目標値を決定する第4の工程と、
前記第4の工程において決定された露出目標値となるように、前記第2の工程において得られる撮像画像に基づき前記撮像部における露出調整を行う第5の工程と、
前記撮像画像を解析し、前記撮像画像において最も明るい位置であるピーク位置を示す位置情報を得る第6の工程と、
前記第6の工程において得られた前記位置情報に基づき、前記投写する画像を調整する第7の工程と、
を備える投写画像調整方法。
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