JP4182257B2 - 携帯型視聴装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、テレビの視聴等が行える携帯型視聴装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、携帯型のテレビジョン受信装置が提供されており、かかる装置は内蔵の小型チューナによって地上波アナログ放送を受信し、液晶表示パネルに受信映像を映し出すようになっている。また、近年においては、MPEG4(Moving Picture Experts Group4)に基づいた符号化映像データをメモリカードに記録し、このメモリカードを携帯型視聴装置のスロットに装填することにより、外出先でも録画映像を楽しむことができるようになっている。MPEG4に基づいた符号化映像データは、通常のテレビジョン放送による受信映像やハンディカメラで撮像した映像をMPEG4エンコーダに通すことで得たり、或いは、インターネットを利用してダウンロードすることで得ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、映像の符号化技術の高度化や機器の小型化によって、外出先でも手軽に映像を楽しむことができるようになっているが、更に、使い勝手に優れた携帯型視聴装置が求められている。
【0004】
この発明は、上記の事情に鑑み、使い勝手に優れた携帯型視聴装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の携帯型視聴装置は、上記の課題を解決するために、地上波ディジタル放送を受信して符号化映像・音声データを取得するチューナと、符号化映像・音声データをメモリカード又は内蔵メモリに格納する手段と、メモリカード又は内蔵メモリから読み出した符号化映像・音声データ及びチューナから供給された符号化映像・音声データをデコードしてディスプレイ上に映像表示するとともに音声出力する手段と、電話機能部と、番組の視聴中に電話機能部で着信が生じたとき又は通話開始操作が行われたときに視聴中の番組の符号化映像・音声データを内蔵メモリに記録させる手段と、通話終了後に追っかけ再生を要求する操作を受けたときには、内蔵メモリへの符号化映像・音声データの記録を続行しつつ、当該内蔵メモリから視聴番組の符号化映像・音声データを読み出して番組を再生する処理を行い、通話終了後に追っかけ再生を要求しない操作を受けたときには、内蔵メモリへの符号化映像・音声データの記録を停止する処理を行う制御手段と、を備えること特徴とする。
【0006】
上記の構成であれば、電話による通話のために視聴中の番組で見られなかった部分が生じても、その部分については内蔵メモリへの録画処理が実行されていることになるので、後で視聴することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図1乃至図4に基づいて説明する。
【0009】
図1及び図2に示すように、据置型周辺装置1とこの実施形態の携帯型視聴装置2とによって放送視聴システムが構成される。このシステムでは、据置型周辺装置1がアナログ放送を受信し、この受信した放送をエンコードして得た符号化映像・音声データをスロット101に差し込まれたメモリカード3(例えばコンパクトフラッシュカード(商標)やマルチメディアカード(商標)等)に格納する。据置型周辺装置1の本体部1aは縦長にデザインされており、その下部には脚部1bを有し、転倒防止が図られている。また、据置型周辺装置1には電源ボタン及び視聴に関する操作ボタン(プレイ/ポーズ、ストップ、送り)は設けられているが、チャンネル選択のための操作ボタン類は設けられていない。そして、据置型周辺装置1の本体部1aにおける手前側には、収容凹部1cが形成されており、この収容凹部1cに携帯型視聴装置2を差し込んで装着することができる。この装着状態で携帯型視聴装置2は据置型周辺装置1から充電を受けるようになっている。
【0010】
携帯型視聴装置2は、略方形状で偏平な形状を有しており、電池駆動される構成となっている。携帯型視聴装置2は、チューナー230によって地上波ディジタル放送を受信し、映像を液晶表示パネル202上に映し出すとともに、音声をイヤホン203から出力する。また、スロット201に差し込まれたメモリカード3から符号化映像・音声データを読み出し、映像を液晶表示パネル202上に映し出すとともに、音声をイヤホン203から出力する。液晶表示パネル202上にはタッチパネル211が貼られており、タッチペン等によってパネル操作を行って所望の指示を与えることができる。なお、視聴に関する操作ボタン(プレイ/ポーズ、ストップ、送り、音量等)については、筐体部に設けている。
【0011】
以下、これら据置型周辺装置1と携帯型視聴装置2の回路構成を、図3に基づいて詳しく説明していく。
【0012】
まず、据置型周辺装置1について説明していく。チューナ102は、アナログ放送を受信し、この放送受信信号を出力する。チューナ102の起動指令や任意の放送を受信するための選局情報(チャンネル情報)は、I/O(インプット/アウトプット)回路103及びシステムバス104を介してCPU110から与えられる。CPU110は、ユーザによる選局指令情報(指定チャンネル情報、指定時間情報など)を、システムバス104、PCMCIAインターフェイス105、及びスロット101を介して前記メモリカード3から受け取る。スイッチ106は、前記放送受信信号を入力する入力部と外部信号を入力する入力部とを有し、いずれかの信号を選択してA/D変換回路107に供給する。
【0013】
A/D変換回路107は、アナログ信号をディジタル信号に変換してMPEG4(Moving Picture Experts Group4)エンコーダ108に供給する。MPEG4エンコーダ108は、MPEG4に従い、例えば、映像中の背景や背景中の人物を各々オブジェクトとして個別に記述し、この任意形状の各オブジェクトを取り扱うために形状情報を付加すると共にMPEG2と同様にDCT処理や動きベクトル処理等を行ってビデオパケットを生成し、これを連続させたビットストリームを出力する。音声についても所定の符号化を行い、この音声符号化データを上記ビットストリームに組み込む。SDRAM109は、MPEG4エンコーダ108の上記処理において利用される。
【0014】
MPEG4エンコーダ108が出力したビットストリーム(符号化映像・音声データ)は、システムバス104、PCMCIAインターフェイス105、及びスロット101を介して前記メモリカード3に格納される。
【0015】
スロット101及びPCMCIAインターフェイス105のセットは、二組設けられている。スロット101には、上記メモリカード3の他、PHSデータカード4等を装着することができる。
【0016】
充電回路113は、商用電源からの交流を直流化する回路等を有して成り、図1に示すごとく携帯型視聴装置2が据置型周辺装置1に装着されたとき、図示しない充電端子部を介して携帯型視聴装置2への充電電力供給を行う。
【0017】
CPU110は、上述したチューナ102の動作制御やMPEG4エンコーダ108の出力をメモリカード3に格納する処理(録画処理)を行う他、スロット101にPHSデータカード4が装着された場合のデータ送受信、このデータに基づく各機能部の制御、FlashROM111やDRAM112のリード/ライト制御なども行うようになっている。
【0018】
次に、携帯型視聴装置2を説明していく。メモリカード3に格納されているMPEG4ビットストリームデータ(符号化映像・音声データ)は、PCMCIAインターフェイス220、及びシステムバス213を経てMPEG4デコーダ204に供給される。また、内蔵メモリであるSDRAM219に格納されているMPEG4ビットストリームデータは、システムバス213を経てMPEG4デコーダ204に供給される。そして、地上波ディジタル放送を受信するチューナ230は、この地上波ディジタル放送で放送されるMPEG4のビットストリームデータを取り出し、MPEG4デコーダ204に与えたり、メモリカード3やSDRAM219への記録のためにシステムバス213に供給したりする。MPEG4デコーダ204は、ビットストリームデータを復号して量子化係数や動きベクトルを求め、逆DCT変換や動きベクトルに基づく動き補償制御などを行うことによって得た映像データをグラフィックスコントローラ205に供給する。グラフィックスコントローラ205は映像データ(例えば、R,G,Bデータ)に対して色調整等の処理を施す。また、グラフィックスコントローラ205は、CPU209から出力指示された文字等(操作ボタン、メニュー画面、地上波ディジタル放送から取得した番組情報によるEPG画面等)を液晶表示パネル202に表示する処理も行う。オーディオデコーダ206は、ビットストリーム中の音声符号データをMPEG4デコーダ204から受け取り、復号して音声データを生成する。SDRAM210は、MPEG4デコーダ204の上記処理において利用される。
【0019】
LCDコントローラ207は、グラフィックスコントローラ205から供給された映像データに基づいて液晶表示パネル202を駆動する。D/A変換器208は、オーディオデコーダ206から出力された音声データを受け取ってD/A変換を行い、右(R)音のアナログ信号および左(L)音のアナログ信号を生成してイヤホン203に与える。
【0020】
タッチパネル211に対する操作情報は、専用インターフェイス212、及びシステムバス213を介してCPU209に与えられる。CPU209は上記操作情報と液晶表示パネル202上の操作ボタン等の表示との対応によって指令内容を把握して必要な処理を実行する。
【0021】
本体キー214は先述した視聴に関する操作ボタン(プレイ/ポーズ、ストップ、送り)に相当する。この本体キー214に対する操作情報は、インターフェイス215、及びシステムバス213を介してCPU209に与えられる。CPU209は上記操作情報に基づいて必要な処理を実行する。
【0022】
また、無線ネットワークを可能にするために、通信ブロック216及びインターフェイス(例えば、Bluetooth (商標)など)217が設けられている。更に、FlashROM218やSDRAM219も備える。電池221は二次電池であり、据置型周辺装置1から電力の供給を得てこれを蓄える。携帯電話部231は、通常の電話のために用いることとしている。
【0023】
CPU209は、無線ネットワークのための処理、スロット201にPHSデータカード4が装着された場合のデータ送受信、受信データに基づく各機能部の制御、FlashROM218やSDRAM219のリード/ライト制御なども行うようになっている。更に、ユーザがタッチパネル211等を用いて受信番組指定(チャンネル及び時刻指定)を行ったときには、その情報をメモリカード3に格納する処理を行うようになっている。
【0024】
上記CPU209による処理を更に説明していく。スロット201にPHSデータカード4を装着することで、電子メールやインターネットを利用したページ閲覧等が行えるようになっている。従って、かかる携帯型視聴装置をテレビ視聴や映像再生機として使う他に、ネット端末として利用できる。また、PHSデータカード4を用いて通話を行うことが可能であり、このような場合には携帯電話部231を不要とすることができる。
【0025】
図4は番組視聴中に電話がかかってきたときの処理を示したフローチャートである。CPU209は番組視聴処理中において前記携帯電話部231で着信が生じたかどうかを判断している(ステップS1)。着信があるときは、着信メロディーを鳴動し(ステップS2)、通話開始操作がなされたかどうかを判断する(ステップS3)。通話が開始されたときは、追っかけ再生中かどうかを判断し(ステップS4)、追っかけ再生中でなければ視聴中の番組の符号化映像・音声データをSDRAM219に録画する処理を開始する(ステップS5)。追っかけ再生中であった場合は既に録画処理が実行されており、その再生のみを中断し(ステップS12)、ステップS6に進む。ステップS6で通話終了と判断したときは、例えば「追っかけ再生しますか」のメッセージ及び「はい」「いいえ」のボタンを液晶表示パネル202表示する(ステップS7)。ユーザによって追っかけ再生が選択されたときは、視聴中の番組の符号化映像・音声データを上記SDRAM219に記録する処理を続行しつつ当該SDRAM219から符号化映像・音声データを読み出し、デコードして番組再生を行う(ステップS9)。なお、ステップS5を経る場合は録画開始時より再生を開始し、ステップS12を経る場合は再生を中断した時より再生を開始する。一方、ユーザによって追っかけ再生が選択されなかったときは、録画処理を停止し、チューナ230からの符号化映像・音声データをMPEG4デコーダ204に供給して通常の放送視聴処理を実行する(ステップS10)。そして、番組視聴を終了する処理がなされたかどうかを判断し(ステップS11)。終了処理がなされたときには終了する。
【0026】
このように、電話による通話のために視聴中の番組で見られなかった部分が生じても、その部分についてはSDRAM219への録画処理が実行されており、通話終了後に上記見られなかった部分から追っかけて番組を視聴していくことができる。
【0027】
上記の処理では通話開始を契機にして内蔵メモリへの録画を開始したが、着信を契機に録画を開始するようにしてもよい。また、メッセージを表示して追っかけ再生をするかどうかをユーザに問うこととしたが、予め追っかけ再生をすることに設定されていた場合には、上記メッセージを表示せずに自動的に追っかけ再生処理を実行するようにしてもよいものである。また、録画を開始するときに内蔵メモリの残量を検出し、残量が少ないと判断したときに「追っかけ機能を実行できません」といったメッセージを表示するようにしてもよい。
【0028】
なお、図示はしていないが、据置型周辺装置1にも携帯型視聴装置2に設けてある通信ブロック216及びインターフェイス(例えば、Bluetooth (商標)など)217と同規格の通信ブロック及びインターフェイスを設け、据置型周辺装置1と携帯型視聴装置2との間で無線ネットワークが行えるようにしてもよい。これによれば、携帯型視聴装置2から選局情報を無線ネットワークで据置型周辺装置1に与えることもできる。また、このような無線ネットワークによって、据置型周辺装置1からMPEG4によるビットストリームデータを携帯型視聴装置2に送信することができ、これによれば、携帯型視聴装置2を用いて現在放送中のアナログ放送の映像をリアルタイムで視ることができる。なお、据置型周辺装置1と携帯型視聴装置2とを有線ネットワークによって接続することとし、上記と同様に選局情報やビットストリームデータの送出を行うこととしてもよい。また、据置型周辺装置1からMPEG4によるビットストリームデータを携帯型視聴装置2に送ることに代えて、据置型周辺装置1からコンポジット映像信号(コンポーネント映像信号でもよい)をAV端子(或いは、S端子やD端子など)経由で携帯型視聴装置2に送出するようにしてもよい。
【0029】
据置型周辺装置1の収容凹部1cに携帯型視聴装置2を装着した状態で放送をリアルタイムに視聴することとし、図1に示したごとく、携帯型視聴装置2の操作ボタンが据置型周辺装置1によって隠されるとする場合は、据置型周辺装置1には当該操作ボタンと同じように操作ボタンを配することとし、この据置型周辺装置1側で携帯型視聴装置2を操作することができるようにしてもよい。据置型周辺装置1の操作ボタンに対する操作情報は、無線ネットワークや有線又は有線ネットワークを用いて携帯型視聴装置2側へ送出することができる。また、据置型周辺装置1にスピーカを備えてもよく、受信放送の音声は据置型周辺装置1のスピーカから出力し、映像は携帯型視聴装置2の液晶表示パネル202で表示するといった形態を採ることができるようにしてもよい。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、内蔵電話による通話のために視聴中の番組で見られなかった部分が生じても、その部分については内蔵メモリへの録画処理が実行されており、通話終了後に上記見られなかった部分から追っかけて番組を視聴していくことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の携帯型視聴装置と据置型周辺装置との装着状態を示した外観斜視図である。
【図2】この発明の実施形態の携帯型視聴装置の外観斜視図である。
【図3】この発明の実施形態の携帯型視聴装置及び据置型周辺装置の構成を示したブロック図である。
【図4】この発明の実施形態の携帯型視聴装置の番組視聴中に電話で通話を行ったときの追っかけ再生処理を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1 据置型周辺装置
102 チューナ
108 MPEG4エンコーダ
113 充電回路
2 携帯型視聴装置
202 液晶表示パネル
204 MPEG4デコーダ
219 SDRAM
230 地上波ディジタルチューナ
231 携帯電話部
3 メモリカード
4 PHSデータカード
Claims (1)
- 地上波ディジタル放送を受信して符号化映像・音声データを取得するチューナと、
符号化映像・音声データをメモリカード又は内蔵メモリに格納する手段と、
メモリカード又は内蔵メモリから読み出した符号化映像・音声データ及びチューナから供給された符号化映像・音声データをデコードしてディスプレイ上に映像表示するとともに音声出力する手段と、
電話機能部と、
番組の視聴中に前記電話機能部で着信が生じたとき又は通話開始操作が行われたときに視聴中の番組の符号化映像・音声データを前記内蔵メモリに記録させる手段と、
通話終了後に追っかけ再生を要求する操作を受けたときには、前記内蔵メモリへの符号化映像・音声データの記録を続行しつつ、当該内蔵メモリから視聴番組の符号化映像・音声データを読み出して番組を再生する処理を行い、通話終了後、追っかけ再生を行う前に、追っかけ再生を要求しない操作を受けたときには、前記内蔵メモリへの符号化映像・音声データの記録を停止する処理を行う制御手段と、
を備えることを特徴とする携帯型視聴装置。
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