JP4120231B2 - 商品の値引方法及び値引システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スーパーマーケットなどの小売店で使用され、少なくとも値段を表示する値段ラベルが貼られた商品を値引くための商品の値引方法及び値引システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
生鮮食品及び惣菜などでは、鮮度の低下により商品価値が低下するため、生産又は加工してから所定時間が経過した商品(見切り商品)を値引きすることで、売れ残ることを抑制している。
従来の見切り商品の値引き方法としては、1)店員が携帯式のラベルプリンタを売場に持参し、2)値引きする商品の値引き金額又は値引き後の値段をキー入力するとともに、値引きする商品の値段ラベルのバーコードをスキャンして値引き後値段のバーコードラベルを発行し、3)発行したバーコードラベルを元の値段ラベルのバーコード上に貼付し、4)値引き金額を客に報知するPOPラベルを商品に貼付する方法がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の値引き方法では、店員が売場にラベルプリンタを持参し、売場で値引き後値段のバーコードラベルを発行する必要があり、さらに、発行したバーコードラベルを商品の元の値段ラベルにおけるバーコード上に貼付しなければならないので、非常に面倒で時間がかかる作業が必要になるという問題点がある。
【0004】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、商品の値引きをするために要する作業を簡単化することができる商品の値引方法及び値引システムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、商品の品名等のデータを記憶する商品ファイルを備え、商品番号が入力されると前記商品ファイルから前記商品番号に関連付けられている品名等を読み出し、値段ラベルを発行する毎に、各商品を個別に識別可能なID番号を機械読み可能に値段ラベルに記録し、さらに少なくとも前記品名を前記値段ラベルに記録するとともに、商品の値段を示す値段データを含む生産データを該ID番号と関連付けて記憶手段に記憶する商品の値引方法であって、端末が、陳列されている値引き対象商品から前記ID番号を読み取り、入力された該商品の値引データ又は値引後値段と、読み取ったID番号とを該端末から管理装置へ送信するステップと、前記管理装置が、前記端末より受信した前記値引データ又は前記値引後値段と、前記ID番号とを関連付けて前記生産データとして前記記憶手段に記憶させるステップと、商品登録装置が、チェックアウト時に商品の値段ラベルから前記ID番号を読み取り、前記記憶手段から前記ID番号に関連付けられた前記生産データを読み出し、前記生産データに含まれる前記値引データ又は前記値引後値段に基づいて該商品の登録を行うステップと、からなることを特徴とする商品の値引方法である。
請求項1に記載の発明によれば、端末に入力された商品の値引データ又は値引後値段と端末が読み取ったID番号とを記憶手段に記憶させ、チェックアウト時には、商品のID番号に対応する値引データ又は値引後値段が記憶手段に記憶されている場合には該値引データ又は値引後値段に基づいて該商品の登録を行うので、商品の値引き処理において、値引き後値段のバーコードラベルを発行する必要がなく、また、値引き後値段のバーコードラベルを商品の元の値段ラベルにおけるバーコード上に貼付する必要もない。
すなわち、作業者が売場においてラベルプリンタとともに移動して、値引き後値段のバーコードラベルを発行する必要がないので、商品の値引き処理のための作業が容易かつ簡素になる。
そして、請求項1に記載の発明によれば、商品登録時(チェックアウト時)には、値引データ又は値引後値段が記憶手段に記憶されているか判断し、記憶されている場合には該値引データ又は値引後値段に基づいて該商品の登録を行うので、作業者が特別な操作をすることなく確実に値引き処理を実行することができる。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の商品の値引方法において、陳列されている値引き対象商品に対して値引商品であることを示す表示を行うことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、陳列されている値引き対象商品に対して値引商品であることを示す表示を行うので、値引き対象商品と非値引き対象商品を混在して陳列することもできる。また、請求項2に記載の発明によれば、顧客に対しても各商品について値引きの有無が明確になるので、安心して買い物ができるようになる。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の商品の値引方法において、陳列されている値引き対象商品の前記ID番号を前記端末が読み取る時点で、前記値引データ又は値引後値段の入力を該端末が受け付けることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、商品のID番号を端末が読み取る時点(読み取る時点より所定時間前までの時間範囲、又は読み取る時点より所定時間後までの時間範囲、あるいはその双方の時間範囲)で、該端末は値引データ又は値引後値段の入力を受け付ける。
これにより、請求項3に記載の発明によれば、店員が端末を操作して商品のID番号を読み取らせる際に、その店員が値引データ又は値引後値段を決定するようになり、換言すれば、ID番号を読み取る個々の商品を店員が確認しながら値引データ又は値引後値段を入力することとなり、計量商品(重さに応じた値段の商品)のような個別に値段が異なる商品に対しても個別に対応した適切な値引処理をすることができる。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3に記載の商品の値引方法において、前記端末が、前記ID番号を読み取ると前記送信を開始することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、端末がID番号を読み取ると、値引データ又は値引後値段とID番号とを管理装置へ送信するので、その送信を開始するための操作が不要となり、商品の値引き処理のための作業をさらに容易かつ簡素にすることができる。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、商品番号が入力されると商品ファイルから前記商品番号に関連付けられている品名等を読み出し、値段ラベルを発行する毎に、各商品を個別に識別可能なID番号を機械読み可能に前記値段ラベルに記録し、さらに少なくとも前記品名を前記値段ラベルに記録するラベル発行手段と、商品の値段を示す値段情報を含む生産データを前記ID番号と関連付けて記憶する記憶手段と、陳列されている値引き対象商品から前記ID番号を読み取るとともに、入力された該商品の値引データ又は値引後値段と、読み取ったID番号とを送信する端末と、前記端末から送信された前記ID番号と前記値引データ又は値引後値段とを受信して、該値引データ又は値引後値段を該ID番号と関連付けて前記生産データとして前記記憶手段に記憶させる管理装置と、買い上げられた商品の前記値段ラベルから前記ID番号を読み取り、前記記憶手段から該読み取ったID番号に関連付けられた生産データを読み出し、該生産データに含まれる前記値引データ又は前記値引後値段に基づいて該商品の登録をする商品登録装置と、を備えたことを特徴とする商品の値引システムである。
請求項5に記載の発明によれば、ラベル発行手段によって計量商品の値付け処理が簡素化され、さらに、記憶手段、端末、管理装置及び商品登録装置によって計量商品を含む各種商品の値引き処理のための作業を容易かつ簡素にすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態の商品の値引システムは、1)商品の生産値付け処理、2)見切り商品の値引き処理、3)商品登録・精算・売上データ集計処理、4)生産及び売上データ加工出力処理を行う商品生産データ及び販売データの処理システムの一部をなすものである。
【0011】
そして、本実施形態の商品の値引システムは、陳列されている値引き対象商品(見切り商品)からパックID番号(ID番号)をハンディターミナルHT(端末)で読み取り、ハンディターミナルHTに入力された該商品の値引データ又は値引後値段と、読み取ったID番号とを該ハンディターミナルHTからファイルサーバFS(管理装置)へ送信するとともにファイルサーバFS(記憶手段)に記憶させるものである。
また、本実施形態の商品の値引システムは、チェックアウト時には、商品の値段ラベルからパックID番号を読み取り、該パックID番号に関連付けられた値引データ又は値引後値段がファイルサーバFSに記憶されているか判断し、記憶されている場合には、該値引データ又は値引後値段に基づいて該商品の登録を行うものである。
【0012】
ここで、ハンディターミナルHTは、陳列されている値引き対象商品のパックID番号を該ハンディターミナルHTが読み取る時点で、値引データ又は値引後値段の入力を受け付けることが好ましい。
そして、ハンディターミナルHTがパックID番号を読み取る時点とは、読み取る時点より所定時間前までの時間範囲、又は読み取る時点より所定時間後までの時間範囲、あるいはその双方の時間範囲を含む。
【0013】
次に、商品生産データ及び販売データの処理システムの具体的構成について説明する。
図1は、生鮮食品等の商品を販売する小売店の店内配置図であり、本発明の一実施形態に係る商品生産データ及び販売データの処理システムが適用された小売店の一例を示している。
図1中の右上部のバックルームは、特に生鮮食品を加工して値付けをするエリアであり、ここには、計量・包装・値付け機AW(ラベルプリンタ)や計量ラベルプリンタDPSや定額ラベルプリンタDPなどの値付け機が配置され、これらの値付け機によって発行される値段ラベルが商品の生産・加工時等に貼り付けられる。なお、上記ラベル及びラベルプリンタの詳細については後述する。
【0014】
図1中の下部の売場は、商品棚が配置されたエリアであり、チェックアウト場には、バーコードリーダを備えたPOSレジスタPRが設けられ、これによって顧客は購入する商品の精算をする。
【0015】
図1中の左上部のオフィスは、データの集計や会計処理などといった事務処理や、このデータに基づいて仕入れ量や生産・加工量などに関する意志決定が行われるエリアであり、ストアコントローラSC(商品登録装置)が設けられている。
【0016】
図2は、同小売店内におけるデータ処理の流れを説明するためのシステム構成を示すブロック図である。バックルーム内LAN(N1)には、上述した計量・包装・値付け機AWや計量ラベルプリンタDPSや定額ラベルプリンタDPの他に、各種データファイルを保持するファイルサーバFS(管理装置、記憶手段)が接続されており、計量値付けシステムを構成している。また、このファイルサーバFSには送受信機TRが付設されており、この送受信機TRを介して、ファイルサーバFSと店員が携帯するハンディターミナルHT(端末)との間でデータの交換が行えるようになっている。また、店舗内LAN(N2)には、POSレジスタPRとストアコントローラSCが接続されている。また、バックルーム内LAN(N1)と店舗内LAN(N2)とは互いに接続されており、これら両LAN間でデータの交換が行えるようになっている。
【0017】
次に、上記計量ラベルプリンタDPS(ラベル発行手段)について図3を参照して説明する。図3は計量ラベルプリンタDPSの電気構成図である。同図において、符号1はラベルプリンタDPSの動作全体を制御するCPU(中央処理装置)であり、図示のように他の構成要素それぞれと接続されている。符号2はCPU1が実行するプログラムが記憶されたROMであり、後述の動作説明におけるCPU1の処理を規定したプログラム等が格納されている。符号3はCPU1の演算処理で使用されるRAM(Random Access Memory)であり、後述する値付け処理用のPLUファイル(商品ファイル)が前述したファイルサーバFSから送信され、格納されている。
【0018】
符号4はCPU1からの表示指示に従って所定の情報表示をする表示部である。符号5は商品の商品番号入力や、商品ファイルの設定入力等を行うための入力手段が設けられた操作部であり、入力されたデータをCPU1へ供給する。符号6はCPU1からの印字指示に従ってラベル上に品名、値段、バーコード等の印字を行う印字部である。符号7は計量皿(図示せず)上に載置された商品の重量(内容量)を計量する計量部であり、計量値をCPU1へ供給する。符号8はLANを介した通信によって外部とデータ交換を行う交信部である。符号9は、月.日.時.及び分を計時して、CPU1へ供給する時計部である。
【0019】
次に、POSレジスタPRについて図4を参照して説明する。
図4は、POSレジスタPRの電気構成図である。同図において、符号21はPOSレジスタPRの動作全体を制御するCPUであり、図示するように他の構成要素それぞれと接続されている。符号22はCPU21が実行するプログラムが記憶されたROMであり、後述の動作説明におけるCPU21の処理を規定したプログラム等が格納されている。符号23はCPU1の演算処理で使用されるRAMである。
【0020】
符号24はCPU21からの表示指示に従って所定の情報表示をする表示部である。符号25は商品登録の完了入力や精算時の顧客からの預り金額などの数字データ入力等を行うための入力手段が設けられた操作部であり、入力されたデータをCPU21へ供給する。符号26は月、日、時及び分を計時してCPU21へ供給する時計部である。符号27はCPU21からの印字指示に従って登録・精算された商品のレシート等の印字を行う印字部である。符号28は商品に付加されたバーコードを読み取り、そのデータをCPU21へ供給するスキャナ部である。符号29はLANを介した通信によって外部とデータ交換を行う交信部である。交信部29は、例えば、ストアコントローラSCが保持している登録処理用のPLUファイル(商品ファイル)から上記商品データをダウンロードしたり、逆に売上データをストアコントローラSCにアップロードしたりする。
【0021】
また、ファイルサーバFSが備える図示しない記憶手段(例えば、RAM)には、前述した値付け処理用のPLUファイル及び後述する生産実績ファイル(集計ファイル及び生産ログファイル)、また後述する原材料ブロックファイルが格納されている。
ここで、図5に値付け処理用のPLUファイルのデータ構成を示す。この図に示すように、PLUファイルには、商品番号毎に品名、単価、風袋重量、賞味期間、分類等を示す有効日数時の値付け用のデータが保持されている。
【0022】
ここで、単価とは定額商品の場合は1品当たりの価格であり、計量商品の場合は正味重量100グラム当たりの価格である。また、風袋重量とは、計量商品におけるトレイ等のパッケージの重量である。このPLUファイルは、必要に応じて適宜、計量・包装・値付け機AW、計量ラベルプリンタDPS、ラベルプリンタDP、ストアコントローラSC、POSレジスタPR、ハンディターミナルHTによって参照され、或いはダウンロードされて使用される。
また、上記生産実績ファイルの詳細については、後述する。
【0023】
次に、ハンディターミナルHT(端末)について図6を参照して説明する。
図6は、ハンディターミナルHTの電気構成図である。同図において、符号101はハンディターミナルHTの動作全体を制御するCPUであり、図示するように他の構成要素それぞれと接続されている。符号102はCPU101が実行するプログラムが記憶されたROMであり、後述の動作説明におけるCPU101の処理を規定したプログラム等が格納されている。符号103はCPU1の演算処理で使用されるRAMである。
【0024】
符号104はCPU101からの表示指示に従って所定の情報表示をする表示機能と、データ入力機能とをもつ液晶タッチパネル表示部である。すなわち、液晶タッチパネル表示部104は、液晶表示画面をタッチされたときに、そのタッチされた位置を検出することでデータを入力する機能も有し、値引データの入力、送信を実行させる操作、入力された値引データ(又は値引後値段)と各商品を個別に識別するパックID番号(ID番号)とを自動的に計量値付けシステム(管理装置)へ送信する機能の「ON/OFF」を示す「自動フラグ」の反転操作などができる。
符号108は商品に貼られたラベルのバーコードを読み取り、そのデータをCPU21へ供給するスキャナ部である。符号109は無線通信によって計量値付けシステムの送受信機TRと通信する無線送受信部である。なお、無線送受信部109は有線を介して通信するものとしてもよい。
【0025】
次に、本発明の一実施形態に係る商品生産データ及び販売データの処理システムの動作について説明する。
なお、本システムが実施する処理は、
(1)商品の生産値付け処理
(2)見切り商品の値引き処理
(3)商品登録・精算・売上データ集計処理
(4)生産及び売上データ加工出力処理
とに分かれる。以下、それぞれの処理過程について説明する。
【0026】
(1)商品の生産値付け処理
この処理は、原材料ブロック(例えば「牛肉ブロック」)から商品(例えば「牛肉すき焼き用」、「牛肉ステーキ用」等)を生産加工し、生産加工した商品の値段ラベル(バーコードラベル)を発行して、その値段ラベルを商品に貼付する値付け処理と、生産加工データ(ラベル発行データ)を集計する集計処理とからなる。
なお、上記値段ラベルの発行は、定額商品及び内容量が1品毎に異なる計量商品については、計量・包装・値付け機AW或いは計量ラベルプリンタDPSで行い、定額商品については定額ラベルプリンタDPで行う。
【0027】
図7に上記値付け処理及び集計処理の手順の概要を示すフローチャートを示す。以下、計量ラベルプリンタDPSを用いて値付け処理が行われる場合について説明する。
まず、値付け担当者は、これから値付けする商品の原材料ブロック(原体)を識別し、特定する番号である原材料ブロック番号(以下、ブロックID番号と称する)を入力し、設定する(図7のステップS50)。
上記ブロックID番号(原体ID番号)は、原材料ブロックを識別するために店舗が適宜付与する識別番号である。即ち、店舗に原材料ブロックが入荷された場合、計量ラベルプリンタDPSを用いてブロックID番号毎に▲1▼仕入れ日時、▲2▼原材料ブロック品名、▲3▼原材料ブロックコード、▲4▼仕入れ価格、▲5▼仕入れ重量、▲6▼仕入れ単価、▲7▼仕入れ先コード、▲8▼担当者コード等を入力する。このうち▲1▼の仕入れ日時は計量ラベルプリンタDPSの時計部9の時計データにより自動的に設定され、また、▲5▼の仕入れ重量は計量部によって計量されたものが自動的に設定され、▲6▼の仕入れ単価は仕入れ金額と仕入れ重量とから算出して求められる。
なお、上記データの入力後、ブロックID番号とブロック品名、仕入れ日時等を印字したブロックIDラベルを印字して発行する。発行したブロックIDラベルは、当該原材料ブロックに添付されて、原材料ブロックから商品を生産する際に、作業者が原材料ブロックを認識するために用いられる。なお、上述したブロックID番号毎に入力されたデータは、前述したファイルサーバFSに送信され、ファイルサーバFSの原材料ブロックファイル(図8参照)に記憶される。
この際、各ブロックID番号毎に在庫データを記憶するエリア(在庫フィールド)が付加され、仕入れ重量から加工重量を減算することでブロックID番号毎に在庫情報がリアルタイムで更新される。なお、在庫データの詳細については後述する。
【0028】
更に、上記ブロックID番号は、商品の加工担当者が原材料ブロック(原体)から商品を生産した際、商品を搬送するためのバット(収納皿)やカート(移動台車)に手書き又は印刷した原材料票を貼付しておくことで、値付け担当者に報知される。
【0029】
値付け担当者は、値付けする商品のバット等に貼付された原材料票のブロックID番号を確認し、操作部等からブロックID番号を入力する。
次に、値付け担当者は、商品の商品番号を入力する(ステップS51)。これにより、計量ラベルプリンタDSP内に設けられたCPU1は、RAM3内に記憶されたPLUファイルから当該商品番号に関する品名、単価、風袋重量などの商品データを読み出す(ステップS52)。なお、本実施形態では、RAM3に記憶されたPLUファイルを用いているが、ファイルサーバFSに記憶されているPLUファイルを用いても良い。
【0030】
次いで、値付け担当者が生産加工される商品を計量皿上に載置すると、計量ラベルプリンタDSPはその商品の重量を計測し(ステップS53)、計測された重量から上記風袋重量を減じた正味重量と上記単価との乗算により値段を算出する(ステップS54)。そして、加工日、加工時分、連番等のデータを含み、当該商品を個別に識別することが可能なバーコード(パックIDバーコード)及びその他の情報(例えば、品名、値段、内容量、賞味期限、単価等)を印刷し、値段ラベルを発行する(ステップS55)。なお、賞味期限は加工日時に有効日を加算して求める。
これにより、図9に示すような加工日、加工時分、連番の情報からなり各商品を個別に識別可能なバーコードが左下段に表示され、他の位置に商品名、加工日、賞味期限、単価、内容量、値段等の所定の文字表示等がなされた値段ラベルが発行される。この値段ラベルは、自動又は手動により計量した商品に貼付される。
【0031】
続いて、上述した一連の処理が行われることにより値付け処理が終了すると、次いで、発行した値段ラベルのデータを基にファイルサーバFSの生産実績ファイルに記録する(ステップS56)。なお、生産実績ファイルの詳細については後述する。
続いて、同一の商品番号の商品であって、まだ値付けする商品が残っているか否かを判断する(ステップS57)。この結果、まだ値付けする商品が残っている場合には、ステップS53以下の処理を繰り返す。
一方、同一の商品番号である商品の値付けを全て終了したと判断した場合には、この商品についての値付け処理を終了し、他の商品についてステップS50以下の処理を繰り返す。
【0032】
次に、上述したバーコードの構成について、図10を参照して説明する。この図に示すように、本実施形態におけるパックIDバーコードは、13桁のJANの一段バーコードにより構成されており、先頭2桁▲1▼▲2▼のフラグ、3桁目▲3▼の機番、4桁目▲4▼の曜日、5桁目▲5▼〜8桁目▲8▼の連番、9桁目▲9▼〜12桁目(12)の売価(値段)、13桁目(13)のチェックデェジットからなる。
【0033】
一般に、フラグ「FF」は、01〜99までのデータを設定可能であるが、パックIDバーコードの場合は、一般のPLUのバーコードで使用されている国コード、例えば、「49」や通常のNON・PLUのバーコードで使用されているフラグ以外のものを用いる。つまり、店舗ですでに使用されているフラグ以外のデータを用いる。
【0034】
そして、このフラグデータは、このバーコードがパックIDバーコードであることを示すとともに、商品分類を示す。例えば、パックIDバーコードのフラグとして「03」〜「07」を用い、フラグ「03」は「精肉類」、フラグ「04」は「鮮魚類」、フラグ「05」は「青果類」、フラグ「06」は「惣菜」、フラグ「07」は「その他」を示すものと定める。なお、この商品分類は、使用するフラグの種類を増やし、「牛肉」、「豚肉」、「鶏肉」、「その他肉類」等のように設定することも可能である。
また、この商品分類は、値付用の商品ファイルに商品番号毎に予め設定されている(図5参照)。
【0035】
機番「M」は、パックID番号のバーコードラベルを印字発行した機器の機器番号を示し、「1」〜「8」は値付装置を、「9」はハンディターミナルHTを示す。
曜日「W」は、バーコードラベルを印字発行した曜日を示し、「0」が「日曜日」、「1」が「月曜日」…「6」が「土曜日」を示す。
連番「CCCC」は、「0001」〜「9999」の番号である。各バーコードラベルを発行した機器(値付装置及びハンディターミナルHT)がそれぞれ連番を発生し、管理する。
【0036】
売価「PPPP」は、「0」から「9999」の値であり、商品の売価(値段)を示している。なお、売価「PPPP」が「0」の場合は、当該商品の値段が5桁以上であり、4桁では表示できない場合を意味している。通常、生鮮商品の値段が5桁以上となる場合は極めてまれであると考えられるが、年末年始の特別セール等の特別な場合などには、そのような高額な商品もあり得るので、値段が5桁以上の場合は商品登録時に値付ラベルに印字されている値段をキー入力させるようにして、処理可能としたものである。
チェックデェジット「C/D」は、バーコードが正常に読み取られたか否かをチェックするためのデータである。
上記バーコードの内、3桁目〜8桁目の6桁の数値が計量商品を一品毎に識別する識別番号(パックID番号)として機能している。
【0037】
このような構成とすることにより、1つの計量商品に対して1つの識別番号(パックID番号)がバーコードとして与えられるため、計量商品の1商品毎の識別が可能となる。また、各バーコードには、売価データも含まれている。
【0038】
次に、集計処理において集計される生産実績ファイル(集計処理)について説明する。図11は生産実績ファイルのデータ構成を示す図である。生産実績ファイルは、図11(a)に示した商品番号毎にそれぞれ累計個数、累計重量、累計金額が関連づけられた第1のファイル(集計ファイル)と、図11(b)に示した各パックID番号毎にそれぞれ商品番号、品名、内容量、値段、値引額(値引データ)、値引後値段、加工日時、賞味期限、ブロックID番号及びフラグ等の個別生産データが関連づけられた第2のファイル(生産ログファイル)により構成される。
【0039】
なお、上記商品番号には、上述した値付け処理のステップS51において入力される番号が記憶され、品名には、この商品番号の品名が記憶され、また、ブロックID番号には、同じく値付け処理のステップS50において設定されるブロックID番号が記憶される。フラグは、生産した商品の販売状況を示すもので、値付け時には「0」が記憶される。なお、このフラグは、商品が通常価格で販売された場合には「1」に、値引き価格で販売された場合には「2」に、廃棄処分された場合には「3」に書き替えられ、このフラグをチェックすることにより、その商品のその後の状況が判断できる。なお、詳細については後述する。また、生産ログファイルには、ブロックID番号毎に実際の売上金額を記憶する売上金額欄が設けられている。売上金額欄の詳細については後述する。
そして、上記生産実績ファイル(集計ファイル及び生産ログファイル)は、LANを介してPOSシステムのストアコントローラSCへと送信される。
【0040】
(2)見切り商品の値引処理
生産された商品は、売場に陳列されるが、生鮮食品や惣菜等の場合、生産してからの時間経過により商品の品質が低下する。このため、生産してから一定時間を経過した商品(見切り商品)や、閉店間近で売れ残っている商品(見切り商品)を適宜値引きする処理が行われる。このような見切り商品の値引処理は、以下の方法で行われる。
【0041】
見切り商品の値引処理は、ハンディターミナルHTを用いて行う。図12は、ハンディターミナルHTの動作を示すフローチャートであり、図13は、見切り商品の外観を示す模式図である。
【0042】
まず、店員(担当者)は、店内において陳列されている各商品110に貼られている値段ラベル111(図9参照)の賞味期限を見て、その賞味期限に近づいている商品又は商品価値が下がった商品(見切り商品)を探し出す。そして、店員は、探し出した見切り商品の値引き額を決定して、その値引き額(値引データ)をハンディターミナルHTに入力する。
【0043】
ハンディターミナルHTのCPU101は、値引データの入力操作が有ったか否か判断する(ステップS1)。
ステップS1でYESの場合(値引データの入力有の場合)、CPU101は入力された値引データをRAM103の所定エリアに記憶させる(ステップS2)。
【0044】
ステップS1でNOの場合(値引データの入力無しの場合)又はステップS2の処理が終わった場合は、店員がハンディターミナルHTを操作してスキャナ部108で商品110の値段ラベル111のパックIDバーコード112を読み取り、そのバーコードのフラグが国コード又はNONPLUを示すものではなくパックIDバーコードを示す有効なバーコードであるか否かをCPU101が判断する(ステップS3)。
【0045】
ステップS3でNOの場合(有効なバーコードでない場合)、CPU101は値引データとパックID番号を自動的に計量値付けシステムへ送信する機能(自動送信モード)の「ON/OFF」を示す「自動フラグ」を反転させる操作がされたか否か判断する(ステップS4)。ステップS4でYESの場合、CPU101は「自動フラグ」を反転させる(例えば「自動フラグ」がOFFのときはONにする)(ステップS5)。ステップS5でNOの場合、CPU101は何もせず、ステップS1に戻る。
【0046】
ステップS3でYESの場合(有効なバーコードである場合)、CPU101は、読み取ったバーコードの情報におけるパックID番号を計量値付けシステムのファイルサーバFSへ送ることで、そのパックID番号に対応する生産データ(商品番号・品名・元の値段・値引額・値引後値段・賞味期限等からなるデータ(図11参照))をファイルサーバFSから受信する生産データ呼出しを行う(ステップS6)。
ステップS6の後、CPU101は「自動フラグ」が「ON(自動送信モード)」になっているか否かを判断する(ステップS7)。
【0047】
ステップS7でNOの場合(自動送信モードでない場合)、CPU101は、ステップS3で読み取ったバーコードが示す商品の生産データ(ステップS6で呼び出した生産データ)に含まれる品名・元の値段・値引額・値引後値段・賞味期限等を液晶タッチパネル表示部104に表示させ、店員が生産データを確認できるようにする(ステップS8)。
ステップS8の後、CPU101は、ステップS8の表示を見た店員が値引データを変更すべきと判断してその変更をする操作が液晶タッチパネル表示部104でなされたか否かを判断する(ステップS9)。
【0048】
ステップS9でYESの場合(値引データの変更操作をした場合)、CPU101は、ステップS2でRAM103に記憶させた値引データをステップS9で変更した値引データに入れ替える(ステップS10)。
ステップS10の処理が終わった場合又はステップS9でNOの場合(値引データの変更操作をしなかった場合)、CPU101は、店員が値引データの送信を実行させる操作(値引を実行する操作)を液晶タッチパネル表示部104でしたか否かを判断する(ステップS11)。
【0049】
ステップS11でYESの場合(値引を実行する操作がされた場合)又はステップS7でYESの場合(自動送信モードである場合)、CPU101は、ステップS3で読み取ったバーコードが示す商品のパックID番号と値引データをファイルサーバFS(管理装置、記憶手段)に送信する(ステップS12)。その後、ステップS1に戻る。
【0050】
店員は、ステップ1又はステップ9で入力した値引データと同じ値を表示する(例えば「50円引き」の表示)値引シールであるPOPラベル113を値引き対象の商品(ステップS1〜S12で値引処理した商品)に貼り付けることで、値引処理を完了させる。
【0051】
これらにより、本実施形態のハンディターミナルHTによれば、商品の値引処理をする場合に、店員が売場にラベルプリンタを持参して売場で値引き後値段のバーコードラベルを発行する必要がなく、さらに、バーコードラベルを商品の元の値段ラベルにおけるバーコード上に貼付する必要もないので、商品の値引きをするために要する作業の簡単化及び短時間化をすることができる。
【0052】
複数の商品について値引データが同一である場合は、一旦RAM103に記憶させた値引データはステップS12で送信されてもRAM103に記憶されたままとなっているので、「自動フラグ」をONにして自動送信モードとしておくことにより、値引対象の商品のバーコードをハンディターミナルHTのスキャナ部108で読み取るだけで、値引処理を実行することができる。即ち、上記ステップS1〜S12の値引処理において、店員は、ステップS3において値引対象の商品のバーコードを読み取る操作だけをすればよくなる。
したがって、同一の値引データとする商品の数が多くなるほど、商品の値引きをするために要する作業の簡単化の度合いが大きくなる。
【0053】
(3)商品登録・精算・集計処理
次に、商品登録・精算・集計処理について説明する。
この処理は、顧客が商品棚から取って持参した購入希望商品について、POSレジスタPRにおいて行われる。
図14は、商品登録・精算・集計処理の手順を示すフローチャートである。この図において、まずPOSレジスタPRのスキャナ部28によって読み取られたバーコードのデータを基に商品が登録され(ステップS61、詳細は後述)、全ての商品の登録が終了するまで(ステップS62)登録処理を繰り返す。
次に、登録された商品の合計金額の表示を行い(ステップS63)、その精算処理を行う(ステップS64)。
【0054】
次に、本発明における計量値付け商品の上記ステップS61の商品登録処理の詳細手順について図15を参照して説明する。図15は、ストアコントローラSCに格納されている生産実績ファイルの生産ログを読み出して行う場合の商品登録処理である。図15において、まずPOSレジスタPRのスキャナ部28によって商品に付加されたバーコード、即ち当該商品のパックID番号(識別情報)及び値段を読み取る(ステップS71)。これにより、当該商品のパックID番号を取得すると、交信部を介してストアコントローラSCに格納されている生産実績ファイルの生産ログファイルから当該ID番号に対応する商品番号・値段等の生産データ(図11参照)を読み出す(ステップS72)。
【0055】
続いて、読み出した賞味期限データを参照し、賞味期限が切れているか否かを判断する(ステップS73)。なお、この判断は、POSレジスタPRの時計の日時と比較することによって行う。
【0056】
そして、判断の結果、期限切れであった場合には(ステップS73において「YES」)、その旨をPOSレジスタPRの操作者に知らせるために警報を表示する(ステップS74)。なお、表示するとともに、警告音を発生するようにしてもよい。
【0057】
一方、ステップS73における判断の結果、期限切れでなかった場合には(ステップS73において「NO」)、ステップS72において読み出した値引データが有効なデータであるか否かを判断する(ステップS75)。この結果、値引データが有効データである場合(ステップS75において「YES」)には、上述した値引処理が行なわれた場合であり、生産ログデータから読み出した値段P0から値引を減算して、値引後値段を算出し、値段を値引後値段に変更する(ステップS76)。
【0058】
その後、あるいは、ステップS75において「No」の場合には、ステップS77において商品登録を行い、その登録データ、例えば、品名、値段、値引金額(値引がある場合)、内容量等を表示するとともに、レシートバッファに記憶する。
そして、ステップS78において、登録商品について販売実績ファイル及び生産実績ファイルを更新する。すなわち、登録データをストアコントローラSCへ送信し、ストアコントローラSCの販売実績ファイルを更新するとともに、上述した生産ログファイルの該当商品のフラグを書き替える。なお、ストアコントローラSCへ送信する登録データは、値引きしない商品の場合は商品番号と値段であり、値引きした商品の場合は商品番号と値段と値引き金額である。
なお、上述のフラグは、値引きしないで通常価格で販売した商品は「1」に、値引き販売した商品については「2」に書き替える。そして、当該フラグを「2」に書き替えた場合、つまり値引き販売した場合には、前述した売上金額欄に、パックID番号と関連づけて値引き後の金額も記憶する。
【0059】
また、上記販売実績ファイルとは、図16に示すように、各商品番号毎に累計販売数量のデータと累計販売金額のデータがそれぞれ対応付けられたファイル(集計ファイル)から構成されている。
【0060】
なお、商品を廃棄処分にした場合は、上述した生産ログファイルの該当商品のフラグは「3」に書き替えられる。
また、廃棄商品の入力は、上記ステップS73の処理で廃棄処分にする場合の他、店員が売場においてハンディターミナルHTから賞味期限切れ商品のパックID番号をスキャン入力することによっても行うことができる。
【0061】
上述したように、本実施形態に係る生産データ及び販売データの処理方法によれば、
▲1▼生鮮商品の個別の生産データを1品毎に管理することができる。
▲2▼バーコードとして13桁のJANコードを用いているので、従来の生鮮食品用のNONPLUのバーコードを読み取れるスキャナーを用いて読み取ることができる。
▲3▼バーコード中に、パックID番号の他に商品分類及び値段を含んでいるので、生産ログデータを参照しなくとも、読み取ったバーコードに基づいてチェックアウト処理を行うことが可能となり、この場合は、当該商品が属する分類の分類名の表示及び印字を行うことができる。
▲4▼商品の値段が5桁以上の高額商品場合でも、前述の各種処理をすることができる。
▲5▼賞味期限切れの商品を販売するミスを防止することができる。
▲6▼生産ログファイルに各パックID番号毎に生産データ、ブロックID番号、販売状況を示すフラグが記憶されているので、ブロックID番号単位で生産データ、販売データ、ロスデータの集計が行え、ブロックID番号毎の在庫管理、ロス管理、粗利管理を行うことができる。このため、仕入れから販売までの全プロセスにおけるロスの解明が可能となる。
▲7▼また、生産ログファイルには各パックID番号毎に加工日時データが記憶されているので、生産時間帯毎の各種集計を行うことができる。
【0062】
〈他の実施形態〉
なお、上述した実施形態の場合には、パックID番号毎の販売データ及び廃棄データを生産ログファイルに設けた販売状況を示すフラグを用いて集計しているが、販売商品のパックID番号を記憶する販売実績ログファイル(値引き販売した場合には、値引き金額又は値引き後金額を併せて記憶する)及び廃棄商品のパックID番号を記憶する廃棄商品ログファイルを用いて集計するようにしても良い。
この場合でも、生産ログファイルから同一ブロックID番号、パックID番号を抽出し、このパックID番号に基づいて販売実績ログファイル及び廃棄商品ログファイルを検索することで、ブロックID番号毎の各種データを抽出して集計することができる。
このように、パックID番号毎の販売データ及び廃棄データの集計手法は、上述した実施形態で説明した手法に限定されない。
【0063】
なお、上述した実施形態においては、生鮮食品が不定貫商品の場合について述べたが、原材料ブロックを加工して生産される商品であれば、定額商品の場合においても本発明を適用することが可能である。
但し、定額商品の場合には、金額データが一定であるため、値付け用の商品ファイル(PLUファイル)を参照することで金額が判断できるので、生産ログファイルには金額データを記憶させなくともよい。
また、一品毎に重量を計量しない場合には、重量データは生産ログファイルには記憶されないが、一品毎に計量して重量データを生産ログファイルに記憶させるようにしてもよい。
【0064】
なお、本発明においては、パックID番号によって生鮮食品が一品毎に識別されるので、次のような応用が考えられる。すなわち、POSレジスタPRでチェックアウト処理した顧客毎の取引データ(登録商品明細情報及び精算情報)は電子ジャーナル(電子ログ)としてPOSレジスタPR及びストアコントローラSCで所定時間記憶される。そして、顧客が商品を持参して返品を希望した場合や、取引データを確認したい場合には、電子ログを呼び出して表示するようになっている。従来は、電子ログデータの呼び出しは、レシートに印字されたレシート番号を入力することで、このレシート番号の取引データを読み出して表示するようにしている。
【0065】
パックID番号が付加されている商品を登録した場合は、電子ログデータの中にパックID番号も併せて記憶させるようにすれば、パックID番号を入力することで、電子ログデータからこのパックID番号の商品を含む取引データを読み出して表示するようにすることにより、レシート番号を入力することなく、所望の取引データを呼び出すことができる。
これにより、顧客がパックID商品の返品を希望する場合には、レシートを持参することなく、返品処理を行うことが可能となる。(なお、パックID番号は、所定期間毎に同じ番号が使用される可能性があるので、パックID番号を入力することで該当する取引データが複数個ある場合には、最新の取引データを優先して表示するようにする。)
【0066】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
例えば、上述した実施形態においては、一段バーコードの先頭2桁のフラグを商品分類として兼用する構成であったが、本発明はこれに限定されない。バーコードにおける「機番」情報を「分類」情報として利用することも考えられる。
ただし、この場合、ある値付機は、常に同一商品分類の商品の値付を行うように規定する必要がある。しかし、通常、一定規模以上の店舗の場合は、バックルームの各作業場毎に、例えば、精肉部、鮮魚部、青果部、惣菜部の各作業場毎にそれぞれ専用の値付機を配置して用いるので、商品分類が大まかな分類であれば、機番=商品分類、としても実用上問題ない。
【0067】
また、一段バーコードの4桁目の「曜日」の代わりに、「分類データ」を印字するようにしてもよい。つまり、パックID番号部分に分類データを含ませてもよい。
また、生産ログデータが読み出せない場合には、レシートに商品分類を印字しなくてもよいのであれば、バーコードに分類データを含ませる必要はない。
また、上記の実施形態の場合は、パックID番号は機番を含み、各機器が連番の発行管理を行っているが、ファイルサーバFS等の管理装置が一括してパックID番号の発行及び管理を行うようにしてもよい。ただし、パックID番号は、各商品を個別に識別できることが前提となるので、少なくともある一定期間(パックID商品の賞味期間以上)内においては、ユニークなものでなければならない。
【0068】
さらに、上述した実施形態においては、パックID番号及び値段を一段バーコードで印字しているが、バーコードの読み取りにより、生産商品を個別に識別でき、かつ、当該商品の値段を判断できるのであれば、どのような構成のバーコード、例えば、二段バーコード、コード39等のJAN以外のコード体系によるバーコード、又は二次元バーコード等でもよく、その具体的な構成については限定されない。また、値段ラベルに非接触ICチップを埋め込み、このICチップにパックIDを記録させて、読み出せるようにして、バーコードの代わりにしてもよい。
【0069】
また、パックID番号に関連づけて記憶する生産データについては、上述した実施形態に限定されることなく、管理上、必要なデータを適宜記憶しておくようにすればよい。例えば、「機番」、「ロット番号」、「担当者コード」、「仕入コード」等を記憶するようにしてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態においては、生産実績データは、必要期間ファイルサーバFS、ストアコントローラSC等内の記憶装置に記憶する必要があるが、必要期間経過後(例えば、加工日時から所定期限経過後)は消去するか、又はCD−R等の記憶媒体に記憶する、或いはプリントアウトして保管するようにしてもよい。
【0071】
また、上述した実施形態においては、計量値付けシステムの生産データをLANによりPOSシステムのストアコントローラSCへ送信するよう構成されているが、CD−R等の記録媒体に記憶してオフラインによって記憶するようにしても良い。
【0072】
その他、本発明の生鮮商品の値付け及び登録処理方法が実現可能なシステム構成であれば、どのようなシステム構成であってもよい。例えば、1台のPOSレジスタがストアコントローラ機能を備えた親子システムであってもよい。また、POSシステムのストアコントローラSCと計量値付システムのファイルサーバFSとを一台のファイルサーバで構成してもよい。
【0073】
また、上記の実施形態において、値引商品である旨の表示とは、
1)同一棚にある同種商品すべてに、同じ値引データを用いて所望の値引処理をした場合には、棚表示でもよく、
2)値付ラベルに赤マジックで手書きしたものでもよく、
3)バーコードを印字しない簡易なプリンタで値引商品である旨を印字して各商品に貼ったものでもよく、
4)値引データが同一あるいは複数種類しかない場合には、1つあるいは複数種類のスタンプを携帯しておき、値付ラベルに押印したものでもよい。
【0074】
また、上記の実施形態において、ハンディターミナルHTには、上記の値引商品である旨の表示をするためのスタンプ又は簡易プリンタ、あるいは本実施形態のバーコードラベル(値引後値段のバーコードなど)を発行する機能を備えるようにしてもよい。
また、ハンディターミナルHTには、モード切替などにより、値引処理以外に商品データの確認、発注指示、実績確認などを行う機能を備えておくと便利でよい。
また、見切り商品の値引処理は、ハンディターミナルは商品毎に管理装置と交信することに代えて、複数商品分の送信すべきデータをまとめて1度に送信するようにしてもよい。
【0075】
また、原材料ブロックファイルに、トレーサビリティー情報(例えば、牛肉製品では、牛の個別番号等)の項目を追加してもよい。
また、上記の実施形態において、値引処理では、直接値引データを入力する形態に限らず、値引後値段又は割引データなどを入力する形態であってもよい。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、端末に入力された商品の値引データ又は値引後値段と端末が読み取ったID番号とを記憶手段に記憶させ、チェックアウト時には、商品のID番号に対応する値引データ又は値引後値段が記憶手段に記憶されている場合には該値引データ又は値引後値段に基づいて該商品の登録を行うので、商品の値引き処理において値引き後値段のバーコードラベルを発行する必要がなく、値引き後値段のバーコードラベルを商品の元の値段ラベルのバーコード上に貼付する必要もなく、商品の値引き処理のための作業を容易かつ簡素にすることができる。
【0077】
また、請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の商品の値引方法において、陳列されている値引き対象商品に対して値引商品であることを示す表示をするので、値引き対象商品と非値引き対象商品を混在して陳列することもでき、また、顧客に対しても各商品について値引きの有無が明確になるので、安心して買い物ができるようになる。
【0078】
また、請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の商品の値引方法において、商品のID番号を端末が読み取る時点で、値引データ又は値引後値段の入力を該端末が受け付けるので、店員が端末を操作して商品のID番号を読み取らせる際に、その店員が値引データ又は値引後値段を決定するようになり、換言すれば、ID番号を読み取る個々の商品を店員などが確認しながら値引データ又は値引後値段を入力することとなり、計量商品(重さに応じた値段の商品)のような個別に値段が異なる商品に対しても個別に対応した適切な値引処理をすることができる。
【0079】
また、請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3に記載の商品の値引方法において、端末がID番号を読み取ると、値引データ又は値引後値段とID番号とを管理装置へ送信するので、その送信を開始するための操作が不要となり、商品の値引き処理のための作業をさらに容易かつ簡素にすることができる。
【0080】
また、請求項5に記載の発明によれば、ラベル発行手段によって商品の値付け処理が簡素化され、さらに、記憶手段、端末、管理装置及び商品登録装置によって計量商品を含む各種商品の値引き処理のための作業を容易かつ簡素にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 生鮮食品等の商品を販売する小売店の店内配置図であり、本発明の一実施形態に係る生鮮商品の生産データ及び販売データの処理方法が適用された小売店の概略構成を示す図である。
【図2】 同小売店内におけるデータ処理の流れを説明するためのシステム構成を示すブロック図である。
【図3】 計量ラベルプリンタDPSの電気構成図である。
【図4】 POSレジスタPRの電気構成図である。
【図5】 値付け処理用のPLUファイルのデータ構成図である。
【図6】 ハンディターミナルHTの電気構成図である。
【図7】 値付け処理及び集計処理の手順の概要を示すフローチャートである。
【図8】 原材料ブロックファイルのデータ構成図である。
【図9】 本発明に係る値段ラベルの一表示例を示した図である。
【図10】 同実施形態に係るバーコードの構成を示す図である。
【図11】 生産実績ファイルのデータ構成を示す図である。
【図12】 ハンディターミナルHTを用いた見切り商品の値引処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】 見切り商品の外観を示す模式図である。
【図14】 同実施形態に係る商品登録・精算・集計処理の手順を示すフローチャートである。
【図15】 生産実績ファイルの生産ログを読み出して行う場合の商品登録処理の手順を示すフローチャートである。
【図16】 販売実績ファイルのデータ構成を示す図である。
【符号の説明】
1,21,101…CPU、2,22,102…ROM、3,23,103…RAM、4,24…表示部、5,25…操作部、6,27…印字部、7…計量部、9,26…時計部、28,108…スキャナ部、8,29…交信部、104…液晶タッチパネル表示部、109…無線送受信部、110…商品、111…値段ラベル、112…パックIDバーコード、113…POPラベル、DPS…計量ラベルプリンタ、FS…ファイルサーバ、TR…送受信機、HT…ハンディターミナル、N1…計量値付けシステム(バックルーム内LAN)、N2…POSシステム(店舗内LAN)、PR…POSレジスタ、SC…ストアコントローラ
Claims (5)
- 商品の品名等のデータを記憶する商品ファイルを備え、商品番号が入力されると前記商品ファイルから前記商品番号に関連付けられている品名等を読み出し、
値段ラベルを発行する毎に、各商品を個別に識別可能なID番号を機械読み可能に値段ラベルに記録し、さらに少なくとも前記品名を前記値段ラベルに記録するとともに、商品の値段を示す値段データを含む生産データを該ID番号と関連付けて記憶手段に記憶する商品の値引方法であって、
端末が、陳列されている値引き対象商品から前記ID番号を読み取り、入力された該商品の値引データ又は値引後値段と、読み取ったID番号とを管理装置へ送信するステップと、
前記管理装置が、前記端末より受信した前記値引データ又は前記値引後値段と、前記ID番号とを関連付けて前記生産データとして前記記憶手段に記憶させるステップと、
商品登録装置が、チェックアウト時に商品の値段ラベルから前記ID番号を読み取り、前記記憶手段から前記ID番号に関連付けられた前記生産データを読み出し、前記生産データに含まれる前記値引データ又は前記値引後値段に基づいて該商品の登録を行うステップと、
からなることを特徴とする商品の値引方法。 - 陳列されている値引き対象商品に対して値引商品であることを示す表示を行うことを特徴とする請求項1に記載の商品の値引方法。
- 陳列されている値引き対象商品の前記ID番号を前記端末が読み取る時点で、前記値引データ又は値引後値段の入力を該端末が受け付けることを特徴とする請求項1又は2に記載の商品の値引方法。
- 前記端末は、前記ID番号を読み取ると前記送信を開始することを特徴とする請求項1乃至3に記載の商品の値引方法。
- 商品番号が入力されると商品ファイルから前記商品番号に関連付けられている品名等を読み出し、値段ラベルを発行する毎に、各商品を個別に識別可能なID番号を機械読み可能に前記値段ラベルに記録し、さらに少なくとも前記品名を前記値段ラベルに記録するラベル発行手段と、
商品の値段を示す値段情報を含む生産データを前記ID番号と関連付けて記憶する記憶手段と、
陳列されている値引き対象商品から前記ID番号を読み取るとともに、入力された該商品の値引データ又は値引後値段と、読み取ったID番号とを送信する端末と、
前記端末から送信された前記ID番号と前記値引データ又は値引後値段とを受信して、該値引データ又は値引後値段を該ID番号と関連付けて前記生産データとして前記記憶手段に記憶させる管理装置と、
買い上げられた商品の前記値段ラベルから前記ID番号を読み取り、前記記憶手段から該読み取ったID番号に関連付けられた生産データを読み出し、該生産データに含まれる前記値引データ又は前記値引後値段に基づいて該商品の登録をする商品登録装置と、
を備えたことを特徴とする商品の値引システム。
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