JP4118128B2

JP4118128B2 - Conjugated fatty acid-containing feed

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Publication number: JP4118128B2
Application number: JP2002341494A
Authority: JP
Inventors: 渉松本
Original assignee: Adeka Corp
Current assignee: Adeka Corp
Priority date: 2002-11-25
Filing date: 2002-11-25
Publication date: 2008-07-16
Anticipated expiration: 2022-11-25
Also published as: JP2004173535A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、共役リノール酸を含有する家禽卵又は家畜肉に関し、さらに該家禽卵又は家禽肉を生産するための飼料に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、様々な生理活性作用を有する機能性物質として注目されている共役脂肪酸は、分子内に共役二重結合を有する脂肪酸の総称であり、反芻動物由来の食品中、特に牛乳やチーズ等には、微量に共役リノール酸が存在している。この共役リノール酸は、抗癌作用、抗動脈硬化作用等の様々な生理作用を持つことがよく知られている（非特許文献１参照）。しかし、この共役リノール酸は、微量にしか存在しないとともに、極めて酸化されやすい性質を有するため、その活用が充分されていないのが現状である。
【０００３】
従来、共役リノール酸等の共役脂肪酸を製造する方法として、エチレングリコール等の有機溶媒を使用したアルカリ共役化法が知られている（非特許文献２参照）。アルカリ共役化法は、通常、不飽和脂肪酸と過剰のアルカリ（脂肪酸の１〜１０倍モル）とをエチレングリコール等の有機溶媒中で１５０℃以上に加熱して行われる。この時、得られる共役脂肪酸は、二重結合の結合位置や配置が異なる混合物であり、共役する脂肪酸の二重結合数が増えるとこの傾向が強くなる。従って、上記共役脂肪酸の生理作用は、共役脂肪酸の混合物としての作用であり、特定の共役脂肪酸が製造できれば学術的にも産業的にも価値は高い。また、アルカリ共役化法では、環化及びその他の副反応も起こり、共役脂肪酸の収率が低下する、精製が困難となる等の問題点が指摘されている。また、アメリカ産の藻類を利用した共役脂肪酸の調製（非特許文献３参照）、紅藻を用いて共役脂肪酸を得る方法（特許文献１参照）等も報告されているが、未だ充分満足いくものではない。
【０００４】
また、採卵用家禽に高度不飽和脂肪酸を与えて、アラキドン酸及びドコサヘキサエン酸を高濃度で含有する家禽卵を得る方法（特許文献２参照）や、共役リノール酸を鶏に摂取させ、共役リノール酸を含有する家禽卵を得る方法（特許文献３参照）も提案されている。しかし、当該共役リノール酸は極めて酸化されやすく、酸化された脂肪酸は、栄養価の低下、嗜好性の低下、変色、変臭の原因となり、また、酸化された脂肪酸を摂取することにより食中毒の原因にもなる。従って、飼料においても共役リノール酸等の脂肪酸の酸化を抑制することが重要な課題である。
【０００５】
一方、苦瓜の種子は、種皮を取り除くと胚があり、中国では古くから民間療法素材として使用されてきた。その成分は、水分８．６重量％、無機成分２１．８重量％、繊維質１９．５重量％、炭水化物１６．４重量％、脂肪３１．０％重量で構成される（中薬大辞典、保育社）。また、該脂肪に含まれる脂肪酸は、酪酸１．８％、パルミチン酸２．８％、ステアリン酸２１．７％、オレイン酸３０．０％、α−エレオステアリン酸４３．７％で構成される。このα−エレオステアリン酸についても、現在、共役トリエン酸に関する研究が共役リノール酸と並行して展開されており、中性脂肪低減効果や抗癌効果等が報告されてきているが、共役リノール酸ほどその生理活性作用が解明されていない。
【０００６】
また、桐油には、多量のα−エレオステアリン酸が含まれ、これを鶏に飼料として摂取させ共役脂肪酸を含む卵を得る方法が提示されている（特許文献４参照）が、桐油は食用とされた歴史がなく、種子油には毒性があるとの指摘もあり、その安全性には不安がある。さらに、桐油は従来から塗料に使用されているが、これは酸化により固化する性質があるためである。従って、桐油をそのまま飼料に配合すると容易に酸化が進行し、生体に有毒な酸化脂質が形成されてしまう可能性があるため、取り扱いが困難であるという問題がある。
【０００７】
【非特許文献１】
M.W. Pariza; Ann. Rev. Nutr., 8, 167-183頁, 1988年
【非特許文献２】
J. Am. Oil Chem. Soc.,Vol.36, 631頁, 1959年
【非特許文献３】
Biochemistry, Vol.36, 2985頁, 1997年
【特許文献１】
特開２００１−８６９９７号公報
【特許文献２】
国際公開第９６／３８０５１号パンフレット
【特許文献３】
国際公開第９９／５２３８２号パンフレット
【特許文献４】
特開２００１−３４００５４号公報
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、生理活性の高い共役脂肪酸を含む家畜肉及び家禽卵、これらを得るための安全な飼料、並びに、該家畜肉又は該家禽卵から得られる共役脂肪酸又は共役脂肪酸含有油脂を提供することにある。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、毒性の問題のない安全な苦瓜を用いることにより上記課題を解決し得ることを見出し、さらに、酸化しやすい共役脂肪酸を苦瓜種子から油脂として抽出するのではなく、苦瓜種子の胚をそのまま、若しくは裁断・破砕することで粉状にしたものを飼料に配合することにより、飼料中の共役脂肪酸の酸化を防止することができ、且つ、該飼料を家畜に摂取させることにより、共役脂肪酸に富んだ食肉及び家禽卵が得られることを見出し、本発明に至った。本発明においては、安全な苦瓜を使用し、さらに酸化に対し安定な状態で保持されている苦瓜の種子胚細胞を破壊することなく利用することで、飼料として与える際の油脂の酸化を抑制し、酸化油脂による家畜の中毒等を誘発しない安全な飼料で飼育して得られる食肉及び家禽卵を提供することができる。
【００１０】
即ち、本発明は、苦瓜種子胚そのもの、又は裁断若しくは破砕することによって任意の大きさに調製した苦瓜種子胚を含有する飼料を提供するものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明は、苦瓜種子胚そのもの又は裁断若しくは破砕することによって任意の大きさに調製した苦瓜種子胚を含有する飼料である。
尚、該飼料を与えて飼育された家畜から得られる共役リノール酸含有家畜肉及び家禽卵を、以下それぞれ、本発明の家畜肉、本発明の家禽卵ともいう。得られた家畜肉又は家禽卵、特に卵黄から抽出等により得られた共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂を、以下それぞれ、本発明の共役リノール酸、本発明の共役リノール酸含有油脂ともいう。
【００１２】
本発明において用いられる家畜としては、家畜と称される多種の動物のうち、食肉、卵、乳を得ることを目的として飼育されるものであればいずれでもよく、牛、豚、羊、山羊、鳥類（家禽）等が挙げられる。これらの中でも、その卵を食用として得ることを目的として飼育される鳥類、即ち採卵用の家禽が好ましく、採卵用の家禽としては、例えば、鶏、ウズラ、アヒル、アイガモ、チャボ、ダチョウ等が挙げられ、特に鶏が好ましい。
【００１３】
本発明の飼料は、苦瓜由来物を含有する。苦瓜由来物は、必要に応じて、裁断、破砕等により適宜な大きさに調整し、単独で或いは通常使用される飼料に配合して、家畜に供給すればよい。該苦瓜由来物は、α−エレオステアリン酸を含むものである苦瓜種子胚を用いる。
【００１４】
上記苦瓜種子胚は、種々の形態で家畜に与えることができ、例えば、そのまま通常の飼料に配合することも可能であるが、破砕機等により適当な大きさに裁断又は破砕して粉状にして飼料に配合することも可能である。苦瓜種子胚をそのまま又は粉状の状態で飼料に配合することにより、苦瓜種子胚に含まれる脂肪の酸化が抑制され、通常の飼料の保管状態であれば過酸化物価（ＰＶ）を１０以下に保持することが可能であるため、非常に好ましい。
【００１５】
上記苦瓜種子胚中には、α−エレオステアリン酸が、主にトリアシルグリセロール及びリン脂質から選ばれる少なくとも１種の形態で含有されている。本発明の飼料には、α−エレオステアリン酸がこれらの形態で含有されていることが好ましい。
【００１７】
本発明の飼料を家畜に与える際の与え方は、特に制限されるものではないが、家禽卵を産生する鶏等の家禽に本発明の飼料を与えて、後述する本発明の家禽卵を産生させるためには、α−エレオステアリン酸を好ましくは６０ｍｇ／日／ｋｇ体重以上、さらに好ましくは２５０ｍｇ／日／ｋｇ体重以上与えることができるように、苦瓜、又は苦瓜種子胚等の苦瓜由来物を通常使用される飼料に配合して与えることが望ましい。
また、鶏等の家禽以外の牛、豚等の家畜に本発明の飼料を与えて後述する本発明の家畜肉を産生させるためには、α−エレオステアリン酸を好ましくは２０ｍｇ／日／ｋｇ体重以上、さらに好ましくは８０ｍｇ／日／ｋｇ体重以上与えることができるように、苦瓜又は苦瓜由来物を通常使用される飼料に配合して与えることが望ましい。
【００１８】
本発明の飼料中における苦瓜種子胚そのもの又は裁断若しくは破砕することによって任意の大きさに調製した苦瓜種子胚の含有量は、α−エレオステアリン酸として好ましくは０．０７５〜３．７５重量％、特に０．３７５〜０．７５重量％が好ましい。苦瓜種子胚にはα−エレオステアリン酸が約１５重量％含まれることから、本発明の飼料中に苦瓜種子胚を０．５〜２５．０重量％含有させるのが好ましく、２．５〜５．０重量％がより好ましい。
【００１９】
また、苦瓜種子胚そのもの又は裁断若しくは破砕することによって任意の大きさに調製した苦瓜種子胚を配合する飼料は、特に制限されるものではなく、従来公知のものを用いることができる。
【００２０】
本発明の飼料を与えて飼育する期間は、家禽卵を得る場合は、採卵可能となってから１５０日以上、特に２００〜４００日とするのが好ましい。家畜肉を得る場合は、例えば、豚では４ヶ月以上、特に５〜８ヶ月とするのが好ましく、牛では、ホルスタインで１０ヶ月以上、特に１５〜２５ヶ月、和牛で１５ヶ月以上、特に２５〜４０ヶ月とするのが好ましい。
【００２１】
共役リノール酸を含有する本発明の家禽卵及び家畜肉は、好ましくはこのように飼料を与えて飼育した家畜から得ることができる。
【００２２】
本発明の家禽卵からは、溶媒抽出等により、高純度の生理活性の高い共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂を得ることができる。
家禽卵中の油脂は、卵白及び卵殻に痕跡程度含まれる以外は、すべて卵黄中に含有され、卵黄脂質の大部分は蛋白質と結合しているといわれている。従って、卵黄から脂質を抽出する場合、使用する溶媒の種類、抽出の条件により、抽出される脂質の量や組成が異なる。酵素（脂肪分解酵素を含む蛋白分解酵素剤）を用いて予め卵黄を処理しておくと、溶媒抽出による抽出脂質量が増加する。一般的に用いられている有効な抽出剤としては、エタノール・エーテル（３：１）、クロロホルム・メタノール混液（１：１）があり、これらの溶剤は全卵黄脂質の抽出に適している。また、予め卵黄を凍結乾燥して粉末とした後、クロロホルム・メタノール混液で抽出すると、脂質は完全に抽出される。特に、エタノール若しくはヘキサン単独、又はエタノールとヘキサンとの混合液、エタノールと水との混合液等は、食品用に適した溶媒であり好ましい。
【００２３】
本発明の家禽卵から得られた本発明の共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂の脂肪酸組成分析は、常法に従って行うことができ、例えば、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等によって測定することができる。
【００２４】
このようにして得られた本発明の共役リノール酸含有油脂は、従来の家禽卵から得られる油脂がほとんど含有していなかった共役脂肪酸を、高い濃度で含有している。具体的には、本発明の家禽卵は、卵黄中の全脂肪酸に対し、共役リノール酸を０．１重量％以上、好ましくは０．８重量％以上、さらに好ましくは２重量％以上含有する。また、本発明の家禽卵中には、α−エレオステアリン酸はほとんど検出されず、家禽に与えた苦瓜由来のα−エレオステアリン酸の一部が共役リノール酸に代謝されたものと考えられる。
【００２５】
また、本発明の飼料は、該飼料を与えた家禽自体には、体重の変化、飼料摂取量、産卵率等に悪影響を及ぼすことがなく、安全である。
【００２６】
本発明の飼料を与えて飼育した家禽は、その卵のみならず、食肉部分や血中、筋肉、内臓部位、特に体内の脂肪組織に、共役リノール酸を高濃度で含有するようになる。本発明の飼料を与えて飼育した家禽は、共役リノール酸を含有した食用の家畜肉としても利用できる。もちろん、これらの部位から共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂を抽出して利用してもよい。
【００２７】
もちろん鶏等の家禽以外の牛、豚等の家畜についても同様であり、本発明の飼料を与えて飼育すると、その食肉部分や血中、筋肉、内臓部位、体内の脂肪組織に、共役リノール酸を高濃度で含有するようになり、共役リノール酸を含有した食用の家畜肉として利用したり、これらの部位から共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂を抽出して利用することができる。
【００２８】
本発明の家禽卵、家畜肉、及びこれらから得られた共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂は、中性脂肪低減作用や抗癌活性等、様々な生理活性作用や栄養効果が期待でき、医薬品、飲食品、化粧品等に利用できる。
【００２９】
飲食品への利用方法としては、本発明の家禽卵又は本発明の家畜肉を各種飲食品の原料として用いる方法だけでなく、例えば、共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂を、油脂を用いて製造される食品へ添加する方法が挙げられる。油脂を用いて製造される食品としては、例えば、肉、魚、ナッツ等の油脂を含む天然食品、中華料理、ラーメン、スープ等の調理時に油脂を加える食品、天ぷら、フライ、油揚げ、チャーハン、ドーナッツ、カリン糖等の熱媒体として油脂を用いる食品、バター、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシング、チョコレート、即席ラーメン、キャラメル、ビスケット、アイスクリーム等の油脂食品又は加工時に油脂を加える加工食品、おかき、ハードビスケット、あんパン等の加工仕上げ時に油脂を噴霧又は塗布する食品等が挙げられる。もちろん、油脂を用いて製造される食品に制限されず、例えば、パン、めん類、ごはん、菓子類、豆腐及びその加工食品等の農産食品、清酒、薬用酒等の醗酵食品、みりん、食酢、醤油、味噌、ドッレシング、ヨーグルト、ハム、ベーコン、ソーセージ、マヨネーズ、乳製品等の畜産食品、かまぼこ、揚げ天、はんぺん等の水産食品、果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、アルコール飲料、茶等の飲料、健康食品等にも添加することができる。もちろん、本発明の共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂と、他の油脂や共役脂肪酸とを併用してもよい。また、本発明の共役リノール酸は、遊離の脂肪酸、塩類、エステル類、トリアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、モノアシルグリセロール、グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、及びスフィンゴ糖脂質等のいずれの形態で使用してもよい。
【００３０】
本発明の家禽卵、本発明の家畜肉、又はこれらから得られた共役リノール酸若しくは共役リノール酸含有油脂の使用量については、特に制限はないが、飲食品に対して、共役リノール酸が好ましくは０．００１重量％以上、さらに好ましくは０．１重量％以上、最も好ましくは１重量％以上となるように使用することが望ましい。
【００３１】
前記医薬品としては、中性脂肪低減剤、抗癌剤等が挙げられるが、共役リノール酸の生理活性作用を利用したものであればいずれでもよい。また、その投与方法、投与形態等は制限されるものではなく、注射液、座薬、軟膏、錠剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤、ドリンク剤等が挙げられる。
また、本発明の家禽卵、本発明の家畜肉、又はこれらから得られた共役リノール酸若しくは共役リノール酸含有油脂の使用量は、医薬品中における共役リノール酸の含有量が、医薬品の種類や投与形態等によって適宜な量となるように選択すればよいが、医薬品中における共役リノール酸の含有量が、好ましくは０．０１重量％以上、さらに好ましくは１重量％以上、最も好ましくは１０重量％以上となるように使用することが望ましい。
【００３２】
また、本発明の家禽卵又は家畜肉から得られた共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂は、共役リノール酸の生理活性作用を活かした化粧品にも利用できる。化粧品としては、例えば、皮膚化粧品、化粧水、化粧クリーム、乳液、ファンデーション、口紅、整髪料、ヘアトニック、育毛料等の他、歯磨き、口腔ケア製品、シャンプー、リンス、入浴剤等の日用品が挙げられる。
また、本発明の家禽卵又は本発明の家畜肉から得られた共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂の使用量は、化粧品中における共役リノール酸の含有量が、化粧品の種類等によって適宜な量となるように選択すればよいが、化粧品に対して、共役リノール酸が好ましくは０．００１重量％以上、さらに好ましくは０．１重量％以上、最も好ましくは１重量％以上となるように使用することが望ましい。
【００３３】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何等制限されるものではない。
【００３４】
＜実施動物＞
実施動物としては、岩谷種鶏場（仙台）から購入した４０週齢の産卵鶏（White Leghorn）を用いた。産卵鶏は１匹ずつ別々のケージで飼育した。
【００３５】
＜試験飼料＞
苦瓜由来物としては、共役リノレン酸としてα−エレオステアリン酸を含有している苦瓜種子胚をそのまま使用した。１週間の予備飼育期間中は、市販飼料（協同飼料）を使用し、自由摂取とした。予備飼育期間後与える試験飼料として、上記の市販飼料に苦瓜種子胚を０、２．０、又は４．０重量％添加した３種類の食餌を調製した。なお、各試験飼料の油脂含量が等しくなるように、上記の３種類の食餌に、大豆油をそれぞれ０．９４、０．４７、又は０重量％加え、各試験飼料中に３．７５重量％の油脂が含有されるようにした。各試験飼料は、１週間分を一度で調製し、１．５ｋｇ（１日分）ずつ袋に分けて低温室で保管した。
図１に、１週間の保管期間での各試験飼料から抽出した油脂の過酸化物価（ＰＶ）の変化を示す。３種類の食餌はいずれも、保管期間中ではＰＶが１０．０以下であり、酸化が進んでいないことが確認された。一方、桐油を飼料に対し１．０重量％添加したもの（１．０重量％桐油食）は、３日目でＰＶが２３．５、５日目でＰＶが３０．５、７日目でＰＶが３８．５となり、酸化が進んでいることが確認された。
また、各群の食餌の脂肪酸組成を、ガスクロマトグラフィーにより分析した。各群の食餌からFolch法（下記の＜卵黄脂質の抽出＞の項参照）により抽出した脂質をメチル化し、ガスクロマトグラフィー分析（下記の＜脂肪酸組成分析＞の項参照）に供した。
【００３６】
＜飼育条件、鶏の成育指標の測定、並びに卵及び各組織の採取＞
１週間の予備飼育後、産卵率がほぼ一定になるように各群８羽ずつ３群に分け、上記の３種類の試験飼料（０，２．０，４．０重量％苦瓜種子胚含有飼料）それぞれで飼育した。これらの試験飼料による飼育は６週間行い、食餌・飲料水ともに自由摂取とした。成育指標として、産卵率及び卵重量を毎日、体重及び食餌摂取量を１週間に１度測定した。飼育７、１４、２８日後に卵を回収し、下記の＜卵黄脂質の抽出＞に供した。飼育期間終了後、産卵鶏を屠殺し、肝臓・心臓・筋肉・脂肪組織を採取し、各組織の重量を測定し、次いで下記の＜各組織の脂質抽出＞に供した。なお、これらの組織は、脂質抽出まで−８０℃で保存した。
【００３７】
＜卵黄脂質の抽出＞
飼育７、１４、２８日後に回収した卵について、卵黄脂質をFolch法により抽出した。まず、卵黄と卵白とを出来るだけきれいに分け、卵黄のみの重量を測定した後、クロロホルム／メタノール（２：１，ｖｏｌ）を約１００ｍｌ加え（このとき脂質の酸化抑制のために１％ＢＨＡ−エタノール溶液を１ｍｌ添加）、攪拌後減圧濾過し、残渣に再度クロロホルム／メタノールを加え減圧濾過し、この濾液と先の濾液とを合わせて分液ロートに移した。そこに０．８８重量％ＫＣｌ溶液を約５０ｍｌ加え、振とう攪拌後、二層に分かれるまで放置した。その後、下層のクロロホルム層を分取し、エバポレーターで濃縮し、得られた脂質の重量を測定した後、脂質を再び２０ｍｌのクロロホルムに溶解してバイアルに移し、脂肪酸組成分析に供するまで−３０℃で保存した。
【００３８】
＜各組織の脂質抽出＞
回収した各組織は、全量をビーカーに移し、クロロホルム／メタノール（２：１，ｖｏｌ）を約１００ｍｌ加え、上記の＜卵黄脂質の抽出＞と同様の方法で、減圧濾過、分液、濃縮し、脂質を得た。得られた脂質の重量を測定した後、脂質を再びクロロホルムに溶かしてバイアルに移し、脂肪酸組成分析に供するまで−３０℃で保存した。
【００３９】
＜脂肪酸組成分析＞
卵黄又は各組織それぞれの脂質を約１０ｍｇ取り、ガスクロマトグラフィー用塩化水素−メタノール溶液（関東化学（株）製）を０．５ｍｌ加え、６０℃で４０分放置後、室温まで冷却し、２ｍｌの水及び５ｍｌのヘキサンを加えて攪拌し静置した。二層に分かれた後、ヘキサン層を取り、水層を再度５ｍｌのヘキサンで抽出し、このヘキサン層と先のヘキサン層とを合わせ、無水硫酸ナトリウムで脱水し、濃縮してガスクロマトグラフィーに供した。分析条件を以下に示す。
【００４０】
（分析条件）
・分析機器：ＧＣ−３８０（ジーエルサイエンス社製）
・カラム：ＣＰ−Ｓｉｌ８８（０．２５ｍｍ×６０ｍｍ）
・カラム温度：１７０℃で２分間保持後、４℃／分で２２５℃まで昇温
・注入口及び検出器（ＦＩＤ）温度：２５０℃
【００４１】
＜試験飼料の成分組成及び試験飼料の脂肪酸組成分析結果＞
表１に、試験飼料〔０重量％苦瓜種子胚含有飼料（対照）、２．０重量％苦瓜種子胚含有飼料（２．０％苦瓜食）、４．０重量％苦瓜種子胚含有飼料（４．０％苦瓜食）〕の成分組成を示す。また、表２に、飼料に添加した苦瓜種子胚に含まれる苦瓜種子胚油の脂肪酸組成及び各試験飼料の脂肪酸組成を示す。苦瓜種子胚には約２５重量％の脂肪が含まれ、α、βあわせて６０重量％のエレオステアリン酸が含まれていた。苦瓜種子胚には、油分以外に繊維質、炭水化物が含まれることから、トウモロコシの配合量を調節することにより、各食餌の繊維質含量、炭水化物含量が同一となるようにした。２．０％苦瓜食及び４．０％苦瓜食の飼料中の脂肪酸組成としては、それぞれ約５重量％及び約１０重量％のエレオステアリン酸が含まれていた。また、リノール酸を除く他の脂肪酸については、全ての飼料ともほとんど同じ量が含まれていた。
【００４２】
【表１】

【００４３】
【表２】

【００４４】
＜鶏の成育指標測定結果、並びに卵黄の重量及び脂質含量測定結果＞
表３に、鶏の初期体重、最終体重、食餌摂取量、産卵率及び卵重量、並びに卵黄の重量及び脂質含量の測定結果を示す。鶏の体重は、試験開始前と飼育４週間後とを比較すると、対照群で＋０．０４ｋｇ、２．０％苦瓜食群で＋０．０５ｋｇ、４．０％苦瓜食群で＋０．０３ｋｇとなり、群間で差は認められなかった。比較として桐油を１重量％配合した飼料（脂肪中のエレオステアリン酸として１０％）で飼育したもの（１．０％桐油食群）は、僅かではあるが体重が減少していた。産卵率は、１．０％桐油食群の場合、僅かではあるが減少する傾向が認められた。調製後７日経過した試験飼料から抽出した油脂のＰＶは、苦瓜種子胚を含有する試験飼料の場合は最大で８、１．０％桐油食の場合は３８．５であった（図１参照）ことから、１．０％桐油食群においては、油脂の酸化による栄養面、嗜好面での飼料の劣化及び過酸化脂質による生体への影響が生じていることが考えられる。一方、対照群、２．０％苦瓜食群及び４．０％苦瓜食群においては、食餌摂取量及び産卵率に関しても群間に大きな差はなく、卵と卵黄の重量及び脂質含量にも苦瓜種子胚添加による影響は見られなかった。このように、産卵鶏の体重や産卵率等の成育指標は、苦瓜種子胚を含有する飼料の投与により変化せず、苦瓜種子胚の影響は見られなかったことから、桐油のように酸化し易い油脂を抽出して用いるよりも、苦瓜種子胚そのものを摂取させたほうが好ましく、本発明の飼料は安全であることがわかった。
【００４５】
【表３】

【００４６】
＜組織の重量及び脂質含量測定結果＞
表４に肝臓、心臓、脂肪組織及び胸筋肉それぞれの重量及び脂質含量の測定結果を示す。脂肪組織の重量は、２．０％苦瓜食群及び４．０％苦瓜食群では対照群に比べて減少した。しかし、その他の臓器の重量及び脂質含量については、群間に大きな差は見られなかった。このことは、本発明の飼料を用いて飼育することが、食鳥加工における廃棄物の削減に有効であることを示している。
【００４７】
【表４】

【００４８】
＜組織の脂肪酸組成分析結果＞
表５に産卵鶏の各組織の脂肪酸組成分析結果を示す。食餌性苦瓜種子胚由来のエレオステアリン酸は、いずれの組織においてもほとんど検出されなかった。また、対照群には、いずれの組織においても共役リノール酸の存在が認められなかったのに対し、２．０％苦瓜食群及び４．０％苦瓜食群には、肝臓、心臓、脂肪組織及び筋肉いずれにおいても、共役リノール酸の存在が確認された。本発明の飼料を与えて飼育することにより、共役リノール酸を含有する家畜肉が得られたことがわかる。
【００４９】
【表５】

【００５０】
＜卵黄の脂肪酸組成分析結果＞
表６に卵黄の脂肪酸組成分析結果を示す。食餌性苦瓜種子胚由来のエレオステアリン酸は、いずれの卵黄においてもほとんど検出されなかった。しかし、組織の場合と同様に、２．０％苦瓜食群及び４．０％苦瓜食群の卵黄においては共役リノール酸の存在が確認された。共役リノール酸含量は飼育日数と苦瓜種子胚添加量に比例して有意に増加し、４週間後には４．０％苦瓜食群の卵黄では２．５重量％の共役リノール酸が検出された。このことから、α−エレオステアリン酸の一部は、共役リノール酸に代謝されたものと考えられる。これらの結果から、本発明の飼料を与えて飼育することにより、共役リノール酸を含有する家禽卵が得られたことがわかる。
【００５１】
【表６】

【００５２】
【発明の効果】
本発明によれば、生理活性の高い共役脂肪酸を含む家畜肉及び家禽卵、これらを得るための安全な飼料、並びに該家畜肉又は該家禽卵から得られる共役リノール酸又は共役リノール酸含有油脂を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は、試験飼料から抽出した油脂の過酸化物価（ＰＶ）の変化を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to poultry eggs or livestock meat containing conjugated linoleic acid, and further to a feed for producing the poultry eggs or poultry meat.
[0002]
[Prior art]
In recent years, conjugated fatty acids that have attracted attention as functional substances having various physiological activities are a general term for fatty acids having conjugated double bonds in their molecules, and in ruminant-derived foods, especially milk and cheese Conjugated linoleic acid is present in a trace amount. It is well known that this conjugated linoleic acid has various physiological actions such as an anticancer action and an antiarteriosclerosis action (see Non-Patent Document 1). However, since this conjugated linoleic acid is present only in a trace amount and has a property that it is very easily oxidized, its utilization is not sufficient.
[0003]
Conventionally, an alkali conjugation method using an organic solvent such as ethylene glycol is known as a method for producing a conjugated fatty acid such as conjugated linoleic acid (see Non-Patent Document 2). The alkali conjugation method is usually carried out by heating an unsaturated fatty acid and excess alkali (1 to 10 times mol of the fatty acid) to 150 ° C. or higher in an organic solvent such as ethylene glycol. At this time, the obtained conjugated fatty acid is a mixture in which the bonding position and arrangement of double bonds are different, and this tendency becomes stronger as the number of double bonds of conjugated fatty acids increases. Therefore, the physiological action of the conjugated fatty acid is an action as a mixture of conjugated fatty acids, and if a specific conjugated fatty acid can be produced, it is highly valuable both academically and industrially. Moreover, in the alkali conjugation method, cyclization and other side reactions also occur, and problems such as a decrease in the yield of conjugated fatty acids and difficulty in purification have been pointed out. In addition, preparation of conjugated fatty acids using algae from the United States (see Non-Patent Document 3), a method for obtaining conjugated fatty acids using red algae (see Patent Document 1), and the like have been reported, but still satisfactory. is not.
[0004]
In addition, a method for obtaining poultry eggs containing high concentrations of arachidonic acid and docosahexaenoic acid by giving highly unsaturated fatty acids to poultry for egg collection (see Patent Document 2), and conjugated linoleic acid is ingested by chickens, and conjugated linoleic acid There has also been proposed a method for obtaining poultry eggs containing sucrose (see Patent Document 3). However, the conjugated linoleic acid is very easy to oxidize, and the oxidized fatty acid causes a decrease in nutritional value, a decrease in palatability, discoloration, and a odor. In addition, ingestion of the oxidized fatty acid causes food poisoning. It also becomes. Therefore, it is an important issue to suppress the oxidation of fatty acids such as conjugated linoleic acid even in feed.
[0005]
On the other hand, the seeds of bitter melon have embryos when the seed coat is removed and have been used as a folk remedy material in China for a long time. The component is composed of 8.6% by weight of water, 21.8% by weight of inorganic components, 19.5% by weight of fiber, 16.4% by weight of carbohydrates, and 31.0% by weight of fat (Chokudai Dictionary, Childcare company). The fatty acid contained in the fat is composed of 1.8% butyric acid, 2.8% palmitic acid, 21.7% stearic acid, 30.0% oleic acid, and 43.7% α-eleostearic acid. The As for this α-eleostearic acid, studies on conjugated trienoic acid are currently being developed in parallel with conjugated linoleic acid, and neutral fat reducing effect and anticancer effect have been reported. Its physiological activity is not as clear as acid.
[0006]
Tung oil contains a large amount of α-eleostearic acid, and a method for obtaining eggs containing conjugated fatty acids by feeding it to chickens as a feed has been proposed (see Patent Document 4). There is no history, and it is pointed out that seed oil is toxic, and there is concern about its safety. Furthermore, paulownia oil has been conventionally used in paints because it has the property of solidifying by oxidation. Therefore, when tung oil is blended in the feed as it is, oxidation easily proceeds, and there is a possibility that toxic lipids that are toxic to the living body may be formed.
[0007]
[Non-Patent Document 1]
M.W.Pariza; Ann. Rev. Nutr., 8, 167-183, 1988
[Non-Patent Document 2]
J. Am. Oil Chem. Soc., Vol. 36, 631, 1959
[Non-Patent Document 3]
Biochemistry, Vol. 36, 2985, 1997
[Patent Document 1]
JP 2001-86997 A
[Patent Document 2]
International Publication No. 96/38051 Pamphlet
[Patent Document 3]
International Publication No. 99/52382 Pamphlet
[Patent Document 4]
JP 2001-340054 A
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide livestock meat and poultry eggs containing conjugated fatty acids with high physiological activity, safe feed for obtaining them, and conjugated fatty acids or fats containing conjugated fatty acids obtained from the livestock meat or the poultry eggs. Is to provide.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventor has found that the above-mentioned problems can be solved by using safe bitter melon that does not have toxicity problems, and further extracts conjugated fatty acids that are easily oxidized as fats and oils from bitter melon seeds. Rather, it is possible to prevent the oxidation of conjugated fatty acids in the feed by adding the powder of the bitter melon seeds as they are or by cutting and crushing them into the feed. It has been found that meat and poultry eggs rich in conjugated fatty acids can be obtained by ingesting them. In the present invention, by using safe bitter melon, and further utilizing without destroying the seed germ cells of the bitter melon held in a stable state against oxidation, the oxidation of fats and oils when fed as feed is suppressed. It is possible to provide meat and poultry eggs obtained by breeding with safe feed that does not induce poisoning of livestock by oxidized fats and oils.
[0010]
  That is, the present invention provides a feed containing an agony seed embryo itself prepared by cutting or crushing to an arbitrary size..
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
  The present invention relates to an agony seed embryo itself or an agony seed embryo prepared to an arbitrary size by cutting or crushingIs a feed containing
  The feedConjugated linoleic acid-containing livestock meat and poultry eggs obtained from livestock fed and fedAre hereinafter also referred to as livestock meat of the present invention and poultry eggs of the present invention.Conjugated linoleic acid or oil containing conjugated linoleic acid obtained by extraction from livestock meat or poultry eggs obtained, especially egg yolkAre also referred to as the conjugated linoleic acid of the present invention and the conjugated linoleic acid-containing fat of the present invention, respectively.
[0012]
The livestock used in the present invention may be any of various animals called livestock as long as it is raised for the purpose of obtaining meat, eggs, milk, and cattle, pigs, sheep, goats, Examples include birds (poultry). Among these, birds bred for the purpose of obtaining the eggs for food, that is, poultry for egg collection are preferred, and examples of poultry for egg collection include chickens, quail, ducks, aigamo, chabo, ostrich and the like. Especially chicken is preferred.
[0013]
  The feed of the present inventionThe painContains potato-derived material.PainThe koji-derived material may be adjusted to an appropriate size by cutting, crushing, or the like, if necessary, and supplied to livestock alone or in a commonly used feed. The bitter melon-derived material contains α-eleostearic acid.is thereAn agony seed embryoUse.
[0014]
The bitter melon seed embryo can be given to livestock in various forms. For example, it can be blended into normal feed as it is, but it is cut or crushed to an appropriate size by a crusher or the like to make a powder. It can also be added to the feed. By blending the bitter melon seed embryo as it is or in a powdery state, the oxidation of fat contained in the bitter melon seed embryo is suppressed, and the peroxide value (PV) is reduced to 10 or less in the normal feed storage state. This is very preferable because it can be held.
[0015]
In the bitter melon seed embryo, α-eleostearic acid is mainly contained in at least one form selected from triacylglycerol and phospholipid. The feed of the present invention preferably contains α-eleostearic acid in these forms.
[0017]
The method of giving the feed of the present invention to livestock is not particularly limited, but the feed of the present invention is given to poultry such as chickens that produce poultry eggs to produce the poultry eggs of the present invention described later. In order to make it possible to give α-eleostearic acid preferably 60 mg / day / kg body weight or more, more preferably 250 mg / day / kg body weight or more, bitter melon, or a bitter melon-derived embryo It is desirable to add to the feed that is usually used.
In addition, α-eleostearic acid is preferably 20 mg / day / kg in order to produce livestock meat of the present invention to be described later by feeding the livestock of the present invention to livestock such as cattle, pigs, etc. other than poultry such as chickens. It is desirable to give bitter melon or a bitter melon-derived material to a commonly used feed so that it can be given a weight or more, more preferably 80 mg / day / kg body weight or more.
[0018]
  In the feed of the present inventionAn agony seed embryo itself or an agony seed embryo prepared to an arbitrary size by cutting or crushingThe content of is preferably 0.075 to 3.75% by weight, particularly preferably 0.375 to 0.75% by weight as α-eleostearic acid.. PainSince the cocoon seed embryo contains about 15% by weight of α-eleostearic acid, it is preferable to contain 0.5-25.0% by weight of the bitter seed embryo in the feed of the present invention. 5.0% by weight is more preferred.
[0019]
  Also,An agony seed embryo itself or an agony seed embryo prepared to an arbitrary size by cutting or crushingThere is no particular limitation on the feed for blending, and conventionally known feeds can be used.
[0020]
When obtaining poultry eggs, the period of feeding and feeding the feed of the present invention is preferably 150 days or more, particularly 200 to 400 days after egg collection is possible. When obtaining livestock meat, for example, it is preferably 4 months or more, particularly 5 to 8 months for pigs, and for cattle, 10 months or more, especially 15 to 25 months for Holstein, 15 months or more for Japanese beef, especially 25 to 25 months. 40 months is preferred.
[0021]
The poultry eggs and livestock meat of the present invention containing conjugated linoleic acid can preferably be obtained from livestock fed with feed in this way.
[0022]
From the poultry egg of the present invention, conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid-containing fats and oils having high purity and high physiological activity can be obtained by solvent extraction or the like.
Oils and fats in poultry eggs are all contained in egg yolk except that they are contained in the egg white and eggshell in trace amounts, and it is said that most of the egg yolk lipid is bound to protein. Therefore, when extracting lipids from egg yolk, the amount and composition of the extracted lipids vary depending on the type of solvent used and the extraction conditions. If the egg yolk is treated in advance using an enzyme (a proteolytic enzyme containing a lipolytic enzyme), the amount of lipid extracted by solvent extraction increases. Commonly used effective extractants include ethanol / ether (3: 1) and chloroform / methanol mixture (1: 1), and these solvents are suitable for extraction of whole egg yolk lipids. Further, when the egg yolk is freeze-dried in advance to obtain a powder and then extracted with a chloroform / methanol mixture, the lipid is completely extracted. In particular, ethanol or hexane alone, a mixed solution of ethanol and hexane, a mixed solution of ethanol and water, and the like are preferable solvents for foods.
[0023]
Fatty acid composition analysis of the conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid-containing fat of the present invention obtained from the poultry egg of the present invention can be performed according to a conventional method, for example, measurement by gas chromatography, high performance liquid chromatography, etc. Can do.
[0024]
The conjugated linoleic acid-containing oil / fat of the present invention thus obtained contains a high concentration of conjugated fatty acids that are hardly contained in oils and fats obtained from conventional poultry eggs. Specifically, the poultry egg of the present invention contains conjugated linoleic acid in an amount of 0.1% by weight or more, preferably 0.8% by weight or more, more preferably 2% by weight or more based on the total fatty acids in the egg yolk. In addition, in the poultry eggs of the present invention, α-eleostearic acid is hardly detected, and it is considered that a part of α-eleostearic acid derived from bitter melon given to poultry is metabolized to conjugated linoleic acid. It is done.
[0025]
In addition, the feed of the present invention is safe because the poultry itself fed with the feed does not adversely affect changes in body weight, feed intake, egg production rate, and the like.
[0026]
Poultry bred with the feed of the present invention contains conjugated linoleic acid at a high concentration not only in the egg but also in the meat portion, blood, muscle, visceral site, particularly adipose tissue in the body. Poultry bred with the feed of the present invention can be used as edible livestock meat containing conjugated linoleic acid. Of course, conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid-containing fats and oils may be extracted from these sites and used.
[0027]
Of course, the same applies to cattle other than poultry such as chickens and domestic animals such as pigs, and when fed with the feed of the present invention, the conjugated linoleic acid is added to the meat portion, blood, muscle, visceral site, and adipose tissue in the body. Can be used as edible livestock meat containing conjugated linoleic acid, or conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid-containing fats and oils can be extracted and used from these parts.
[0028]
The poultry eggs of the present invention, livestock meat, and conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid-containing fats and oils obtained from these can be expected to have various physiologically active and nutritional effects such as neutral fat reducing action and anticancer activity. It can be used for food and drink, cosmetics, etc.
[0029]
As a method of using for foods and drinks, not only the method of using the poultry eggs of the present invention or the livestock meat of the present invention as raw materials for various foods and drinks, for example, conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid-containing fats and oils using fats and oils The method of adding to the foodstuff manufactured is mentioned. Examples of foods manufactured using fats and oils include natural foods containing fats and oils such as meat, fish and nuts, foods to which fats and oils are added when cooking Chinese food, ramen, soups, tempura, fries, fried chicken, fried rice, donuts , Foods that use fats and oils as a heat medium such as carin sugar, butters, margarines, mayonnaise, dressings, chocolates, instant ramen, caramels, biscuits, ice creams, etc. The food etc. which spray or apply | coat oil and fat at the time of processing finishing, such as a bread, are mentioned. Of course, it is not limited to foods produced using fats and oils, for example, bread, noodles, rice, confectionery, agricultural products such as tofu and processed foods thereof, fermented foods such as sake, medicinal liquor, mirin, vinegar, soy sauce , Miso, dressing, yoghurt, ham, bacon, sausage, mayonnaise, livestock foods such as dairy products, fishery products such as kamaboko, fried tempura, hampen, fruit juice drinks, soft drinks, sports drinks, alcoholic drinks, tea drinks, It can also be added to health foods. Of course, you may use together the conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid containing fats and oils of this invention, and other fats and oils and conjugated fatty acids. Further, the conjugated linoleic acid of the present invention is in any form such as free fatty acid, salt, ester, triacylglycerol, diacylglycerol, monoacylglycerol, glycerophospholipid, glyceroglycolipid, sphingophospholipid, and sphingoglycolipid. May be used.
[0030]
The amount of the poultry egg of the present invention, the livestock meat of the present invention, or the conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid-containing fats and oils obtained from these is not particularly limited, but conjugated linoleic acid is preferable for food and drink. Is preferably 0.001% by weight or more, more preferably 0.1% by weight or more, and most preferably 1% by weight or more.
[0031]
Examples of the pharmaceutical include neutral fat reducing agents and anticancer agents, and any of them may be used as long as the physiologically active action of conjugated linoleic acid is used. Moreover, the administration method, administration form, etc. are not restrict | limited, An injection solution, a suppository, an ointment, a tablet, a capsule, a powder, a granule, a drink, etc. are mentioned.
In addition, the use amount of the poultry egg of the present invention, the livestock meat of the present invention, or the conjugated linoleic acid or the conjugated linoleic acid-containing fats and oils obtained therefrom, the content of the conjugated linoleic acid in the pharmaceutical is the type and administration of the pharmaceutical The amount of conjugated linoleic acid in the pharmaceutical product is preferably 0.01% by weight or more, more preferably 1% by weight or more, and most preferably 10% by weight. It is desirable to use it as described above.
[0032]
Moreover, the conjugated linoleic acid or the conjugated linoleic acid-containing fats and oils obtained from the poultry eggs or livestock meat of the present invention can also be used in cosmetics utilizing the physiological activity of conjugated linoleic acid. Examples of cosmetics include skin cosmetics, lotions, cosmetic creams, emulsions, foundations, lipsticks, hair styling agents, hair tonics, hair growth agents, and other daily necessities such as toothpastes, oral care products, shampoos, rinses, bathing agents, etc. It is done.
In addition, the amount of conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid-containing oil obtained from the poultry egg of the present invention or the livestock meat of the present invention is such that the content of conjugated linoleic acid in cosmetics is an appropriate amount depending on the type of cosmetics, etc. The conjugated linoleic acid is preferably used in an amount of 0.001% by weight or more, more preferably 0.1% by weight or more, and most preferably 1% by weight or more. It is desirable to do.
[0033]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not restrict | limited at all by these Examples.
[0034]
<Implemented animals>
As a working animal, a 40-week-old laying hen (White Leghorn) purchased from Iwatani Breeding Farm (Sendai) was used. Each laying hen was raised in a separate cage.
[0035]
<Test feed>
As the bitter melon derived material, the bitter melon seed embryo containing α-eleostearic acid as the conjugated linolenic acid was used as it was. During the one week pre-breeding period, a commercial feed (cooperative feed) was used and allowed to be freely consumed. As test feeds to be given after the preliminary breeding period, three types of diets prepared by adding 0, 2.0, or 4.0% by weight of bitter melon seed embryos to the above-mentioned commercial feed were prepared. In addition, 0.94, 0.47, or 0% by weight of soybean oil was added to the above three kinds of diets so that the fat and oil content of each test feed became equal, and 3.75% by weight in each test feed. Of fats and oils were contained. Each test feed was prepared once a week, divided into bags of 1.5 kg (for 1 day), and stored in a cold room.
In FIG. 1, the change of the peroxide value (PV) of the fats and oils extracted from each test feed in the storage period of 1 week is shown. In all three types of diet, PV was 10.0 or less during the storage period, and it was confirmed that oxidation was not progressing. On the other hand, with 1.0% by weight of tung oil added to the feed (1.0% by weight tung oil meal), PV is 23.5 on the third day, PV is 30.5 on the fifth day, and 7th day on the seventh day. PV became 38.5 and it was confirmed that oxidation was progressing.
Moreover, the fatty acid composition of the diet of each group was analyzed by gas chromatography. Lipids extracted from the diet of each group by the Folch method (see <Extraction of egg yolk lipid> below) were methylated and subjected to gas chromatography analysis (see <Fatty acid composition analysis> below).
[0036]
<Raising conditions, measurement of chicken growth index, and collection of eggs and tissues>
After one week of preliminary breeding, each group is divided into 3 groups with 8 birds in each group so that the egg-laying rate is almost constant, and the above three types of test feeds (0, 2.0, 4.0 wt% bitter seed-containing embryos) ) Raised in each. These test feeds were reared for 6 weeks, and food and drinking water were freely consumed. As growth indices, egg-laying rate and egg weight were measured every day, and body weight and food intake were measured once a week. Eggs were collected after 7, 14, and 28 days of breeding and subjected to the following <Extraction of egg yolk lipid>. After the breeding period, the laying hens were slaughtered, the liver, heart, muscle, and adipose tissue were collected, the weight of each tissue was measured, and then subjected to the following <Liquid extraction of each tissue>. These tissues were stored at −80 ° C. until lipid extraction.
[0037]
<Extraction of egg yolk lipid>
Egg yolk lipids were extracted by the Folch method from eggs collected after 7, 14, and 28 days of breeding. First, egg yolk and egg white were separated as cleanly as possible, and the weight of egg yolk alone was measured, and then about 100 ml of chloroform / methanol (2: 1, vol) was added (at this time, 1% BHA-ethanol was used to inhibit lipid oxidation). 1 ml of the solution was added) and the mixture was filtered under reduced pressure. Chloroform / methanol was added again to the residue and filtered under reduced pressure. The filtrate and the previous filtrate were combined and transferred to a separatory funnel. About 50 ml of 0.88 wt% KCl solution was added thereto, and after stirring with shaking, the solution was allowed to stand until it was separated into two layers. Thereafter, the lower chloroform layer is collected and concentrated with an evaporator, and the weight of the obtained lipid is measured. Then, the lipid is dissolved again in 20 ml of chloroform, transferred to a vial, and subjected to fatty acid composition analysis at −30 ° C. Saved with.
[0038]
<Liquid extraction of each tissue>
Each collected tissue is transferred to a beaker, and about 100 ml of chloroform / methanol (2: 1, vol) is added. In the same manner as in the above <Extraction of egg yolk lipid>, vacuum filtration, liquid separation, and concentration are performed. A lipid was obtained. After measuring the weight of the obtained lipid, the lipid was dissolved again in chloroform, transferred to a vial, and stored at −30 ° C. until subjected to fatty acid composition analysis.
[0039]
<Fatty acid composition analysis>
Take about 10 mg of egg yolk or each tissue lipid, add 0.5 ml of hydrogen chloride-methanol solution for gas chromatography (manufactured by Kanto Chemical Co., Ltd.), leave it at 60 ° C. for 40 minutes, cool to room temperature, Water and 5 ml of hexane were added and stirred and allowed to stand. After splitting into two layers, the hexane layer is taken and the aqueous layer is extracted again with 5 ml of hexane. The hexane layer and the previous hexane layer are combined, dehydrated with anhydrous sodium sulfate, concentrated and subjected to gas chromatography. did. The analysis conditions are shown below.
[0040]
(Analysis conditions)
・ Analytical instrument: GC-380 (manufactured by GL Sciences Inc.)
Column: CP-Sil88 (0.25mm x 60mm)
Column temperature: maintained at 170 ° C. for 2 minutes, then raised to 225 ° C. at 4 ° C./minute
Inlet and detector (FID) temperature: 250 ° C
[0041]
<Ingredient composition of test feed and fatty acid composition analysis result of test feed>
Table 1 shows test feeds [0 wt% bitter seed embryo containing feed (control), 2.0 wt% bitter seed embryo containing feed (2.0% bitter diet), 4.0 wt% bitter seed seed containing feed (4 .0% bitter meal)]]. Moreover, Table 2 shows the fatty acid composition of the bitter seed seed oil contained in the bitter seed seed embryo added to the feed and the fatty acid composition of each test feed. The agony seed embryo contained about 25% by weight of fat and 60% by weight of eleostearic acid in combination with α and β. Since the bitter melon seed embryo contains fiber and carbohydrates in addition to oil, the fiber content and carbohydrate content of each diet were made the same by adjusting the amount of corn. The fatty acid composition in the 2.0% bitter and 4.0% bitter diets contained about 5% and about 10% by weight of eleostearic acid, respectively. Moreover, about the other fatty acids except linoleic acid, all feeds contained almost the same amount.
[0042]
[Table 1]

[0043]
[Table 2]

[0044]
<Measurement results of growth index of chicken, and measurement results of egg yolk weight and lipid content>
Table 3 shows the measurement results of chicken initial body weight, final body weight, food intake, egg-laying rate and egg weight, and egg yolk weight and lipid content. The chicken body weight was +0.04 kg in the control group, +0.05 kg in the 2.0% bitter diet group, and +0.03 kg in the 4.0% bitter diet group when comparing the test before the start and after 4 weeks of breeding, There was no difference between the groups. As a comparison, the body weight of the feed (1.0% tung oil diet group) fed with 1% by weight of tung oil (10% as eleostearic acid in the fat) was slightly reduced. In the case of the 1.0% tung oil diet group, the egg-laying rate tended to decrease slightly. The PV of fats and oils extracted from the test feed 7 days after the preparation was 8 at maximum in the case of the test feed containing bitter seed seed embryos, and 38.5 in the case of the 1.0% tung oil diet (see FIG. 1). Therefore, in the 1.0% tung oil diet group, it is considered that the nutritional aspect due to the oxidation of fats and oils, the deterioration of the feed in terms of preference, and the influence on the living body due to lipid peroxide. On the other hand, in the control group, the 2.0% bitter diet group, and the 4.0% bitter diet group, there was no significant difference between the groups in terms of food intake and egg production rate, and the weight and lipid content of egg and egg yolk were also bitter. There was no effect of seed embryo addition. In this way, growth indicators such as the weight and egg-laying rate of laying hens did not change with the administration of feed containing an agony seed embryo, and the effects of an agony seed embryo were not observed. Rather than extracting and using easy oils and fats, it was preferable to ingest the bitter seed seed itself, and the feed of the present invention was found to be safe.
[0045]
[Table 3]

[0046]
<Results of tissue weight and lipid content measurement>
Table 4 shows the measurement results of the weight and lipid content of each of the liver, heart, adipose tissue and breast muscle. The weight of adipose tissue decreased in the 2.0% bitter eater group and the 4.0% bitter eater group compared to the control group. However, there were no significant differences between the groups regarding the weight and lipid content of other organs. This indicates that breeding using the feed of the present invention is effective in reducing waste in processing poultry.
[0047]
[Table 4]

[0048]
<Results of analysis of fatty acid composition of tissue>
Table 5 shows the results of fatty acid composition analysis of each tissue of laying hens. Almost no eleostearic acid derived from dietary bitter seed embryos was detected in any tissue. In addition, in the control group, the presence of conjugated linoleic acid was not observed in any tissue, whereas in the 2.0% bitter diet group and the 4.0% bitter diet group, liver, heart, adipose tissue And in both muscles, the presence of conjugated linoleic acid was confirmed. It can be seen that livestock meat containing conjugated linoleic acid was obtained by feeding and feeding the feed of the present invention.
[0049]
[Table 5]

[0050]
<Results of fatty acid composition analysis of egg yolk>
Table 6 shows the results of fatty acid composition analysis of egg yolk. Almost no eleostearic acid from dietary bitter seed embryos was detected in any egg yolk. However, as in the case of the tissue, the presence of conjugated linoleic acid was confirmed in the yolks of the 2.0% bitter diet group and the 4.0% bitter diet group. The conjugated linoleic acid content increased significantly in proportion to the number of breeding days and the amount of bitter seed seed added. After 4 weeks, 2.5% by weight of conjugated linoleic acid was detected in the egg yolk of the 4.0% bitter eater group. From this, it is considered that a part of α-eleostearic acid was metabolized to conjugated linoleic acid. From these results, it can be seen that poultry eggs containing conjugated linoleic acid were obtained by feeding and feeding the feed of the present invention.
[0051]
[Table 6]

[0052]
【The invention's effect】
According to the present invention, livestock meat and poultry eggs containing highly conjugated fatty acids with high biological activity, safe feed for obtaining them, and conjugated linoleic acid or conjugated linoleic acid-containing fats and oils obtained from the livestock meat or poultry eggs are obtained. Can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing changes in peroxide value (PV) of fats and oils extracted from a test feed.

Claims

Feed containing an agony seed embryo itself, or an agony seed embryo prepared to an arbitrary size by cutting or crushing.