JP4056987B2 - 水素センサ及び水素の検知方法 - Google Patents

水素センサ及び水素の検知方法 Download PDF

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Description

本発明は常温で簡単に水素を検知することができ、メタンガスやアルコールなどの可燃性ガスの存在に影響を受けることなく水素のみの検知ができる水素センサと水素の検知方法に関する。
従来から、SnO、In等の金属酸化物半導体をガス感応体として用いたガス検知素子が知られており、この種のガス検知素子においてHガスを選択的に検知することができるように工夫を施したものとして、例えば以下の特許文献1(特開平3−259736号公報)に記載された水素ガス検知素子が知られている。
この特許文献1に示された水素ガス検知素子は、発熱体の上に絶縁基板とSn酸化物層と櫛形電極とパラジウムの触媒層を順次積層形成した構造を有し、素子形成の最終工程において熱処理を施すことによりHガスに対する感度を向上させるとともに、Hガス以外のガスに対する感度を低下させたものである。この特許文献1に記載されている水素ガス検知素子は、半導性のSn酸化膜(SiO)の上に、くし形のAu電極を形成し、それらの上に質量膜厚1〜5nm程度のPdまたはPtの真空蒸着の触媒層を形成してなる構成とされ、水素ガス以外のエタノールガス(COH)、プロパンガス(C)、一酸化炭素ガス(CO)にも反応するものである。
また、先の構造とは別の水素センサの構造例として、SnO、In等の金属酸化物半導体からなるガス感応体の表面に、水素以外の分子の通過を抑制し水素分子を容易に通過させる、例えばAl、SiO、Si等の燃焼非活性の薄膜を形成したものも提案されている。この構造の水素センサは、ガス感応体の表面に緻密で一様な連続薄膜(水素選択性透過膜)を形成することによって水素以外のガスによる干渉を少なくして高感度の水素選択性センサの実現を狙ったものである。
更に、その他の構成の水素センサとして以下の特許文献2(特開平6−148112号公報)に開示されている如く、絶縁基板の上に、Ptからなる櫛形電極と、Inからなる薄膜状ガス感応体と、Pdからなる粒子状の触媒と、この粒子状の触媒の外面に付着されたSi酸化物からなる部分被毒剤を順次積層形成してなる構造が知られている。
この特許文献2に開示された水素ガス検知素子はスパッタリングによりガス感応体の表面と粒子状の触媒の表面に形成されたもので、その実施例においては質量膜厚126ÅのInのガス感応体上に、質量膜厚500ÅのPtのくし形電極と質量膜厚10ÅのPdの触媒を形成し、それらの上にSi酸化物からなる部分被毒剤(質量膜厚10〜12000Å)を形成した構造が開示されている。
更にこの特許文献2の実施例と比較例の試験結果には、部分被毒剤の膜厚と素子温度に応じてHガスとCOガスとCOHガスに対する感度(抵抗値変化)が変わることが記載されている。また、素子温度については60〜300℃の間の各温度で測定されている。
更に、以下の特許文献3(特開2002−328108号公報)または特許文献4(特開2002−328109号公報)に、シリコン基板上に加熱ヒータを内蔵した絶縁層を備え、その上に櫛形電極とガス感応膜を積層し、このガス感応膜上に触媒クラスタと部分被毒体を分散させた構造の水素センサが開示されている。
この特許文献3に示された水素ガス検出素子はシリコン基板上にヒータを内蔵した絶縁層を積層し、その上にSnO、Inあるいはこれらを主成分とする酸化物半導体からなるガス感応膜を形成し、このガス感応膜とその下地の絶縁層との界面に櫛刃型電極を配置し、ガス感応膜の上面側にPd等の貴金属からなる触媒クラスタを分散形成し、ガス感応膜上面と触媒クラスタの表面側にSiからなる粒子状の部分被毒剤を分散させた構造が開示されている。また、この特許文献3には、ガス感応膜を構成する酸化物半導体として、TiO、ZnO、CuO、NiO、FeO、WO等を使用できると記載され、性能評価の説明では、SnOのガス感応膜(厚さ7、13、20nm)にPdの触媒クラスタ(厚さ2nm)とSi酸化膜の部分被毒剤(Si膜厚2、20、50nm)を形成した試料において220℃に加熱した状態で水素ガス検出を効率良くできたと記載されている。特許文献4には特許文献3に類似した構成において部分被毒剤の膜厚を特定の範囲に規定した発明が記載されている。
特開平3−259736号公報 特開平6−148112号公報 特開2002−328108号公報 特開2002−328109号公報
前記従来の特許文献1〜4に記載された水素ガスセンサは、いずれも、SnOあるいはInなどの酸化物半導体材料に前述の還元性ガス(可燃性ガス)が作用するとこれらの還元性ガスが酸化物半導体材料から酸素を引き剥がす作用を奏するので、酸素にトラップされていた電子が半導体中に残ることによって電気空乏層が薄くなり、荷電キャリアの存在する領域が増して抵抗値が変わるという基本原理を利用するものとして広く知られており、先の特許文献では水素以外の可燃性ガスの影響を少なくして、できる限り水素の選択性を向上させようとした技術に関する。
しかし、これら従来構造の水素ガスセンサは、作動の基本原理から見て水素ガス以外の還元性のガスにも必ず反応し、水素ガスのみを検出することはできないという問題を有していた。また、これら従来構造の水素センサは大気中あるいは酸素ガス雰囲気中などのような酸素を含む雰囲気でないと、水素ガスに反応した後に抵抗値が復帰しないという問題を有していた。例えば、不活性ガス雰囲気などの酸素が存在しない雰囲気において継続して繰り返し水素ガスの検知を行う場合に使用できないという問題を有していた。
更に、これら従来構造の水素センサは酸化物材料と還元性ガスの還元反応を利用するので200〜300℃の高温で感度が良好となる傾向があり、通常は水素センサに加熱ヒータを内蔵して設け、加熱状態で検知動作させるものであり、常温での使用は難しいものであった。また、検知のために酸化物材料を高温に加熱しておく必要があるので、ヒータに通電する必要があり、消費電力が大きくなる欠点を有していた。
更に従来構造の水素センサでは、水素ガスが無くなった後に酸素雰囲気において抵抗値を原点に復帰させようとしても、抵抗値が完全に原点復帰せず、繰り返し使用すること自体が難しいという問題を有していた。これは、ガス検知の際に酸化物材料を加熱しながら使用するので、空気中の酸素によって酸化物材料の酸化が進行する結果、ガスを検知した後に抵抗値が規定の初期値に復帰せず、出力値がドリフトすることが原因とされている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、常温で水素ガスの検知が可能であり、加熱の必要が無く、省電力構造にできるとともに、一端水素検知が終了した後の繰り返し使用が可能であり、長期間使用することができる水素センサと水素の検知方法の提供を目的とする。
本発明は、半導体と、該半導体の表面の少なくとも一部に付設された水素吸収体とからなる水素検出部を有し、前記水素吸収体の付設位置を挟んで、前記半導体に、前記水素吸収体によって導通されないよう配置された対になる電極を具備してなり、前記対になる電極間で計測される前記水素吸収体への水素吸収の有無に対応する前記半導体の抵抗値変化から、水素の存在を検知可能とされてなることを特徴とする。
水素吸収体は金属からなるものを用いることができ、金属の水素吸収体は単に膜状に形成すると半導体よりも遙かに抵抗値が低い導通状態となって対になる電極間の半導体の抵抗値を大幅に低くしてしまう。このため、水素吸収体を半導体上に形成する場合、水素吸収体は粒子が繋がって膜状に生成されるよりも薄く、膜として導通しない状態、即ち、粒子が島状に分散した状態の絶縁体の状態で半導体上に形成する。このように独立の水素吸収体の粒子の分散状態とした半導体上に、これら分散状態の粒子を挟むように離間して電極を設け、対になる電極間の半導体の抵抗値を測定するならば、水素吸収体に吸収された水素の有無により半導体層に影響が与えられ、半導体層の抵抗値が変化するので、水素の検知ができる。
そしてこの水素検知は、特に加熱しなくとも、常温で検出可能であり、また、水素吸収体から水素が離脱した後に半導体の抵抗値は容易に原点復帰する。よって繰り返し測定が可能で加熱ヒータを有することなく常温で測定できるので、従来の水素センサに比べて省電力構成にできる。
本発明は、前記半導体は、絶縁基体上に設けられた層状の半導体であることを特徴とする。
半導体として絶縁基板上に設けた層状のものとするならば、蒸着やスパッタリングなどの成膜法により必要な膜厚で容易に絶縁基板上に形成することができ、水素センサとしての小型化も容易にできる。
本発明は、前記水素吸収体を前記半導体の表面に接触させて付設したことを特徴とする。
水素吸収体は半導体の表面に直接接触させた構成とすることが望ましく、直接接触することで水素吸収体が吸収した水素の影響を半導体に直に及ぼすことができ、抵抗変化を確実に検知できる。
本発明は、前記水素吸収体を、薄膜絶縁層を介在させて前記半導体の表面に付設したことを特徴とする。
半導体の表面に水素吸収体を形成する場合、直接形成することなく、薄膜絶縁層を介して形成しても良い。薄膜絶縁層を介して半導体上に形成された水素吸収体は水素を吸収した場合に薄膜絶縁層を介して半導体に影響を与え、半導体の抵抗値を変化させる。この場合においても先の場合と同様に水素の有無により抵抗値が変化するので、水素の検知を行うことができる。また、半導体の表面に薄膜絶縁層を形成しておくことで、半導体表面の保護機能も確保できる。
本発明は、前記水素検出部の露出した面が、水素を透過させる水素透過膜により覆われていることを特徴とする。
水素を透過する水素透過膜を介して雰囲気中の水素は水素吸収体に到達し、水素吸収体に吸収されて半導体の抵抗値を変化させる。また、水素透過膜で水素検出部を覆っておくならば、水素検出部の保護膜ともなる。
本発明は、常温動作可能であって、メタンガス、プロパンガスやエチルアルコール等の可燃性ガスの存在下では前記電極間の抵抗値変化を生じないことを特徴とする。
従来の半導体酸化物と触媒を用いた水素センサでは、水素の検知もできるが、同時にメタンガス、プロパンガスやアルコール等の可燃性のガスの存在下でも反応し、半導体酸化物の抵抗値変化を生じていたが、本発明構造ではメタンガス、プロパンガスやエチルアルコール等の可燃性ガスの存在下では前記電極間の抵抗値変化を生じない。このため他のガスの存在には影響されない、水素のみを専門に検出できる水素センサを提供できる。
本発明は、酸素が存在していない環境下で作動可能であり、前記水素吸収体の水素吸収により初期状態から変化した前記半導体の抵抗値が、水素吸収体からの水素の離脱により初期状態に復帰可能であることを特徴とする。
水素吸収体からの水素の離脱により抵抗値が初期状態に復帰するので、1度水素検知した後で繰り返し使用できる効果を有する。その場合に、水素離脱の後に加熱処理や酸化処理を施すことなく水素の存在しない環境に設置しておくだけで良い。水素の存在しない環境に設置しておくだけで水素吸収体から水素は抜けるので、水素を水素吸収体から強制的に離脱するための特別な処理を要することなく繰り返し有効利用することができる。
本発明は、前記半導体が非酸化物半導体であることを特徴とする。
本発明において前記非酸化物半導体は、Si(シリコン)、SiC(炭化珪素)、Ge(ゲルマニウム)、SiGe(シリコンゲルマニウム)、GaAs(ガリウムヒ素)、GaN(窒化ガリウム)、C(ダイヤモンド)のいずれかを主成分とする非酸化物半導体を選択することができる。
これらの半導体を用いることで水素吸収体に吸収される水素の有無により抵抗値が変化するということは、従来の酸化物型の半導体の場合のような、水素が反応して酸化あるいは還元反応に伴ない、電子空乏層の厚みが変化するという反応機構ではなく、酸化あるいは還元反応に起因するものではない別の抵抗値変動機構によって半導体の内部での電子の移動度に影響が出て抵抗値が変わるものと推定できる。
本発明は、前記水素吸収体としてPd(パラジウム)、Pd(パラジウム)合金、Pt(白金)、Pt(白金)合金のいずれかからなり、前記半導体上に島状分散構造として配置することが好ましい。
本発明において前記水素透過膜として窒化珪素または酸化珪素もしくはポリイミドを用いても良い。
本発明の水素の検知方法は、水素吸収体を半導体の表面に付設し、前記水素吸収体が水素を吸収したことに起因する前記半導体の抵抗値変化を測定して水素の存在を検知することを特徴とする。
本発明の水素の検知方法は、半導体上に対になる電極を設け、これら対になる電極間の半導体上にPd(パラジウム)、Pd(パラジウム)合金、Pt(白金)、Pt(白金)合金のいずれかからなる島状分散構造の水素吸収体を配置し、前記水素吸収体が水素を吸収したことに起因する前記半導体の抵抗値変化を常温で測定して水素の存在を検知することを特徴とする。
本発明では、半導体上の水素吸収体の付設位置を挟む位置に、水素吸収体によって導通されないよう配置された対になる電極を具備し、これらで計測される水素吸収体への水素吸収の有無に起因する半導体の抵抗値変化から、水素の存在を検知するので、水素吸収体に水素が吸収された結果としての半導体への影響から生じる抵抗値変化を確実に察知して水素検知ができる。
「第1の実施の形態」
次に本発明に係る水素センサの実施形態の構成について図面を参照して説明する。
なお、以下の全ての図面においては図面を見やすくするために、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせて示してある。
図1と図2は本発明に係る水素センサの第1実施形態の構成を示すもので、この形態の水素センサAは、絶縁基板(絶縁基体)1の上面ほぼ全部に半導体層(半導体)2が積層され、この半導体層2の上面中央部に島状に粒子が分散配置された構造の水素吸収体3が形成され、前記半導体層2の表面上であって先の水素吸収体3の左右両側に位置するように内側電極5、5と、前記半導体層2の表面上であって先の水素吸収体3の左右両側であって先の内側電極5、5よりも更に外側に位置するように外側電極6、6が形成されてなる。この実施形態の構成では半導体層2と水素吸収体3とから水素検出部4が構成されている。
前記絶縁基板(絶縁基体)1は、SiOなどのガラス基板や石英基板、Alなどのセラミックス基板、イオンをドープしていない絶縁基板としてのSi基板などの絶縁材料からなる基板を用いることができる。この絶縁基板1はその上面側のみが絶縁性を有するものであれば良いので、導電性基板の表面に絶縁層を被覆形成したものでも良い。
前記半導体層2はITO(インジウムスズ酸化物)、GaN、あるいはPをドープして半導体としたn型Si、などの半導体からなる層状のものである。この半導体層として好ましくは、本来絶縁物であるが、イオンをドープして半導体としたものが望ましい。
このタイプの半導体として、シリコンにV族の元素であるPやAsあるいはSbなどの元素をイオンドープしてなるn型半導体あるいはシリコンにBなどのIII族元素をイオンドープしてなるP型半導体などを用いることができる。その他半導体層2を構成するための半導体としてn型またはp型のSiC、Ge、SiGe、GaAs、GaNなどを用いることができる。
前記水素吸収体(水素吸収材料体)3は、Pd、Pd合金、Pt、Pt合金のいずれかからなる粒子あるいはその他の白金族元素あるいはそれらの合金元素が粒子状となって島状に分散配置された構造であることが好ましい。この水素吸収体3は設置環境に水素が存在すると水素を吸収し、逆に設置環境に水素が無くなると吸収している水素を放出するものである。
また、これらの金属の他に一般的に水素吸蔵合金として知られるLa、Ti、Zr、Mg、希土類金属、Ca、Vあるいはこれらを含む合金などのいずれかを用いても良いのは勿論である。
ここで水素吸収体3は上述の金属あるいは合金の水素吸収材料からなるが、これらの水素吸収材料を先の半導体層2の上に成膜する際、後に形成する対の電極間を導通させないパターンとする必要がある。パターン形成に当たってはフォトリソ法が好適に用いられる。他の形態としては島状にとぎれとぎれの状態で粒子が分散されてなり、全体として導電性を有しない、絶縁体として機能する状態のものとすることが好ましい。
図1と図2ではこの水素吸収体3を膜状として略して示した。図1、2のパターンでは水素吸収体3が電極と離れているため、連続膜であっても本発明の効果を奏するが、水素吸収体3は拡大すると島状に粒子が分離して形成された集合体の絶縁体として機能する程度の膜厚とすることがより好ましい。例えばこの水素吸収体3は抵抗値1MΩ程度以上の絶縁体とされ、水素吸収体3はその膜厚として0.5nm〜5nm程度の範囲とすることが好ましい。
このような島状に分散した水素吸収体3は真空蒸着法、スパッタ法などの成膜法により半導体層2上に粒子を堆積させて成膜する場合に膜として生成される前の状態で成膜を中止することで製造することができる。例えば、Pd、Pd合金、Pt、Pt合金などはいずれも良導電性の金属材料であり、膜として生成すると導電体となるので、導電体となる前の絶縁体の状態で成膜を停止すれば複数の粒子が島状に分散配置された構造の水素吸収体3を得ることができる。従って先に説明した膜厚の範囲に形成するならば絶縁体としての水素吸収体3を半導体層2上に形成することができる。この形態で水素吸収体3縦幅は絶縁基板1の縦幅よりも若干短く、横幅は絶縁基板1の横幅の数分の1に形成されている。従って図1と図2における水素吸収体3の左右両側には半導体層2が露出されている。
前記内側電極5は半導体層2の上面であって水素吸収体3の両側にこれを挟むように水素吸収体3と離間して形成されている。これらの内側電極5はAuあるいはAlなどの良導電性の金属材料から構成され、真空蒸着法、スパッタ法、スクリーン印刷法などの成膜法により形成されている。前記外側電極6は半導体層2の両端部側に先の内側電極5、5を更に両側から挟む位置に形成されている。
以上の如く構成された水素センサAを用いて水素の検知を行うには、水素センサAを測定環境に設置するとともに、外側電極6、6の間に所定の電流を印加しながら内側電極5、5間の電圧を測定することで半導体層12そのものの電気抵抗変化を測定することで使用する。ここで内側電極5、5で測定するのは、半導体層2そのものの電気抵抗変化に相当する。
水素センサAの設置環境に水素ガスが存在すると、水素センサAの水素吸収体3に水素が取り込まれ、半導体層2において水素吸収体3と接している部分は水素吸収体3への水素の吸収により荷電キャリアの状態が変化し、これに起因して半導体層2の抵抗値が変化する。また、この例の水素センサAを設置した環境から水素が無くなると水素吸収体3から水素が放出されるので、半導体層2の抵抗値は原点復帰し、再度使用できる状態となる。この状態から再度設置環境に水素ガスが存在するようになると半導体層2は再度抵抗値変化を生じるので、この例の水素センサAは繰り返し使用することができる。
なお、水素センサAの設置環境は常温で良いが、それよりも高温の環境でも特に問わない。ただし、従来の水素センサにおいては高温で作動するものが一般的であり、水素の検知後は200〜300℃程度の高温に加熱して再酸化しなければ、再使用できなかったが、先の構成の水素センサAであるならば、検知後に水素の無い常温の環境に放置しておくだけで再使用することができる。
「第2の実施の形態」
図3と図4は本発明に係る水素センサの第2実施形態の構成を示すもので、この形態の水素センサBは、絶縁基板11の上面ほぼ全部に半導体層12が積層され、この半導体層12の上面中央部を挟む両側位置に先の第1実施形態の水素センサAと同等の平面位置になるように内側電極15、15と外側電極16、16が形成されている。また、これらの電極15、16の周縁部分とその他の部分の半導体層12の上面を覆うように薄膜絶縁体からなる薄膜絶縁層14が積層され、半導体層12の上面側中央部分に平面視的に位置するように島状に粒子が分散配置された構造の水素吸収体13が形成されている。更に、先の水素吸収体13を覆うように水素透過性の保護膜17が形成されている。
この形態の水素吸収体13は先の第1実施形態の水素吸収体3と同等の材料からなり、同等の大きさと同等の形状に形成されている。この形態の内側電極15も先の第1実施形態の内側電極15と同等の材料からなり、同等の大きさと同等の形状に形成され、同様に外側電極16も先の第1実施形態の外側電極16と同等の材料からなり、同等の大きさと同等の形状に形成されている。
この第2実施形態の水素センサBにおいても先の第1実施形態の水素センサAと同様に使用することができる。即ち、常温あるいはそれよりも高温の必要な環境に設置しておき、その設置環境に水素ガスが存在すると水素が保護膜17を透過して水素吸収体13に吸収される結果、半導体層12の抵抗値が変化する。ここで半導体層12と水素吸収体13との間に介在されている薄膜絶縁層14は、水素吸収体13に水素が吸収されたことに起因する半導体層12への影響を阻害しない程度の膜厚のものを用いることが必要となる。
従って薄膜絶縁層14のうち、少なくとも水素吸収体13の下地となる部分の膜厚は1〜100nm程度の範囲が望ましい。
先の半導体層12の抵抗値変化を先の第1実施形態の水素センサAの場合と同様に外側端子16、16と内側端子15、15とを用いて行う4端子法で計測することで正確に測定することができ、これにより水素を検知できる。
ところで、これまで述べてきた実施形態では半導体を基板上に膜状に設けて水素検出部とした例を示したが、水素検出部としての半導体は膜状に限るものではなく、例えばバルク状の半導体、あるいは半導体粒子を圧密して所望の形状に成形した成形体としての半導体を設け、そのバルク状の半導体あるいは成形体としての半導体の一部分に水素吸収体を対の電極間を導通させないパターンで設け、バルク状の半導体あるいは成形体としてその半導体において抵抗値を検出できるように内側電極と外側電極を形成すれば良い。
「実施例1」
縦16mm、横9mmのガラス基板上に厚さ0.01μmのITO膜(インジウムスズ酸化物膜)を形成し、このITO膜の中央部に縦5mm、横7mmの長方形状のPdからなる厚さ12Åの水素吸収体の島状の膜を形成した。この水素吸収体の膜はガラス基板上において絶縁体であった。
次に、先のITO膜上であって、水素吸収体の両側であって水素吸収体と離した位置にTi/Au層からなる1.2×7.5mmの内側電極(Ti層を下地としてその上にAu層を成膜した積層構造の内側電極)を形成し、更にそれら内側電極の1mm外側にTi/Au層からなる外側電極を形成した。
この構成の水素ガスセンサを測定用のチャンバーの内部に収容し、30℃(ほぼ常温)にて大気雰囲気(空気100%)とするか、水素ガス含有空気雰囲気(水素ガス1%+空気99%)とするかを所定時間毎に切り替える繰り返し水素ガス検知試験を施した。その結果を図5に示す。
図5に示す結果から、大気雰囲気から水素ガス含有空気雰囲気に切り替えた場合、直ちに抵抗値が減少し、水素ガスを確実かつ繰り返し再現性良く検知できることが判明した。また、水素ガス含有空気雰囲気に切り替えた後、大気雰囲気に戻すことで抵抗値が急上昇し、抵抗値がほぼ一定の範囲(800〜840Ωの間)に復帰していることが明らかであり、繰り返しの使用に適していることも明らかである。
更にこの反応は30℃というほぼ常温での測定結果であるので、加熱ヒータで加熱する必要がなくなり、ヒータで加熱しながら測定する必要のあった従来の水素センサに比べて消費電力も低くできること、また常温で作動することから水素吸収体の酸化が起こりにくく、長寿命化できることが明らかである。
「実施例2」
図6は先の実施例1の水素センサと同等の構造の水素センサを用い、この水素センサを設置したチャンバ内の雰囲気を水素ガスを1%含む窒素ガス雰囲気と100%窒素ガス雰囲気との間において30℃で繰り返し置換した場合の抵抗値変化を示す図である。
図6に示す結果から、100%窒素ガス雰囲気から水素ガス含有窒素ガス雰囲気に切り替えた場合、直ちに抵抗値が減少し、水素ガスを確実かつ繰り返し再現性良く検知できることが判明した。また、水素ガス含有窒素ガス雰囲気に切り替えた後、100%窒素ガス雰囲気に戻すことで抵抗値が急上昇し、抵抗値が元の値に繰り返し復帰していることが明らかであり、繰り返しの使用に適し、長寿命化できることも明らかである。
更にこの反応は30℃というほぼ常温での測定結果であるので、加熱ヒータで加熱する必要がなくなり、ヒータで加熱しながら測定する必要のあった従来の水素センサに比べて消費電力も低くできること、また常温で作動することから水素吸収体の酸化が起こりにくく、長寿命化できることが明らかである。
なお、これまでの試験結果から従来構造の水素センサと本発明に係る水素センサを以下に比較検討する。
従来の酸化物半導体を用いた水素センサでは水素の検知を酸化還元反応を利用した機構により実現しており、水素を吸着して吸着部分を還元することで酸素を抜けた状態とすると酸化物半導体中の電子空乏層の厚みが変化して抵抗値が変わることを利用して水素検知しているので、一度水素検知した後は酸化物半導体の還元された部位を元に戻すために高温に加熱して酸化させなくてはならないが、先の試験結果から鑑みて、本実施例の水素センサでは100%窒素ガスに戻しても、抵抗値が原点復帰する。従って本発明に係る水素センサは酸化還元反応に起因して半導体層の抵抗値が変化しているわけではなく、水素吸収体に水素が吸収されたことにより直接半導体層の導電機構に働きかけて抵抗値を変化させていることになる。従って本発明に係る水素センサにおいて半導体層が抵抗値変化する機構は従来の水素センサとは全く異なることが明らかである。
「実施例3」
図7は半導体層として厚さ1μmのGaN(Siドープ)膜の上に厚さ12ÅのPdの水素吸収体を設けた実施例構造の水素センサ(基板と電極と水素吸収体の厚さ並びに大きさは先の実施例1と同等)において、この水素センサを設置したチャンバ内の雰囲気を水素ガスを1%含む大気雰囲気と100%大気雰囲気との間で30℃において繰り返し置換した場合の抵抗値変化を示す図である。
図7に示す結果から、100%大気雰囲気から水素ガス含有大気雰囲気に切り替えた場合、直ちに抵抗値が減少し、水素ガスの存在を確実かつ繰り返し再現性良く検知できることが判明した。また、水素ガス含有大気雰囲気に切り替えた後、100%大気雰囲気に戻すことで抵抗値が急上昇し、抵抗値がほぼ一定の範囲(480〜490Ωの間)に復帰していることが明らかであり、繰り返しの使用に適し、長寿命化できることも明らかである。
更にこの反応は30℃というほぼ常温での測定結果であるので、加熱ヒータで加熱する必要がなくなり、ヒータで加熱しながら測定する必要のあった従来の水素センサに比べて消費電力も低くできること、また常温で作動することから水素吸収体の酸化が起こりにくく、長寿命化できることが明らかである。
「実施例4」
図8は半導体層として厚さ1μmのGaN(Siドープ)膜の上に厚さ12ÅのPdの水素吸収体を設けた実施例構造の水素センサ(基板と電極と水素吸収体の厚さ並びに大きさは先の実施例1と同等)において、この水素センサを設置したチャンバ内の雰囲気を水素ガスを1%含む窒素ガス雰囲気と100%窒素ガス雰囲気との間で30℃において繰り返し置換した場合の抵抗値変化を示す図である。
図8に示す結果から、100%窒素ガス雰囲気から水素ガス含有窒素ガス雰囲気に切り替えた場合、直ちに抵抗値が減少し、水素ガスを確実かつ繰り返し再現性良く検知できることが判明した。また、水素ガス含有窒素ガス雰囲気に切り替えた後、100%窒素ガス雰囲気に戻すことで抵抗値が即座に急上昇し、抵抗値がほぼ一定の範囲(440〜450Ωの間)に復帰していることが明らかであり、繰り返しの使用に適し、長寿命化できることも明らかである。
更にこの反応は30℃というほぼ常温での測定結果であるので、加熱ヒータで加熱する必要がなくなり、ヒータで加熱しながら測定する必要のあった従来の水素センサに比べて消費電力も低くできることが明らかである。なお、この実施例においても水素を含まない100%窒素ガス雰囲気とすることで抵抗値が原点復帰するので、従来の水素センサとは異なる機構で半導体層の抵抗値が変化することが明らかである。
「実施例5」
図9は半導体層として厚さ1μmのGaN(Siドープ)膜の上に厚さ12ÅのPdの水素吸収体を設けた実施例構造の水素センサ(基板と電極と水素吸収体の厚さ並びに大きさは先の実施例1と同等)において、この水素センサを設置したチャンバ内の雰囲気を水素ガスを0.5%含む大気雰囲気と100%大気雰囲気との間において130℃で繰り返し2回置換した場合の抵抗値変化と、その後に水素ガス以外のメタンガス(10000ppm)、プロパンガス(10000ppm)、イソブタンガス(10000ppm)、二酸化炭素(8000ppm)をそれぞれ時系列的にチャンバ内に流してから大気に戻す処理を繰り返し行った場合の抵抗値変化と、その後にチャンバ内の雰囲気を水素ガスを0.5%含む大気雰囲気と100%大気雰囲気との間において130℃で繰り返し2回置換した場合の抵抗値変化と、その後に単に100%空気を流した状態でのノイズ成分を測定した結果を示す図である。
図9に示す結果から本発明に係る水素センサは、メタンガス、プロパンガス、イソブタンガス、二酸化炭素を雰囲気中に流しても、空気によるノイズ成分と全く区別できない程度の抵抗値変化しか生じないのに対し、水素を供給した場合は急激な抵抗値変化を生じているので、水素のみを明瞭に検知できることが判明した。
また、この実施例5と同じ条件で先の各種ガスの代わりに、一酸化炭素(1000ppm)、アンモニアガス(100ppm)、23℃水中バブリング空気(多湿室温空気)も流入させてみたが、図11に示す結果と全く同じ結果が得られ、これらのガスや空気に反応せず、水素のみに反応することを確認できた。
以上のことから、従来構成の酸化物半導体を用いた水素センサとは異なり、本願発明の水素センサは水素のみを検知する能力を有する。
「比較例」
図10はSnO酸化物半導体を用いた従来構造のガスセンサの各種ガスに対する感応性の代表例を示すものである。(オーム社刊、電子材料セラミックス、第1版、第128頁等参照)
半導体ガスセンサの材料としてはSnOやZnOなどのn型の酸化物半導体(電子が電荷担体である半導体)が主流とされており、これらは焼結体とするか、膜として使用されている。可燃性ガスの検出機構は、現在、以下のように考えられている。
空気中におかれた酸化物半導体の表面には通常酸素が吸着している。この吸着酸素は半導体から電子を引き抜き、負電荷となって吸着しているので、n型半導体では表面に厚さ数nm〜数十nmの電子空乏層が形成され、この空乏層により表面の電気抵抗が高くなっており、粒子の間や膜内での電子の移動を妨げている。吸着している酸素イオンはセンサとして使用される200〜400℃では、OやO2−である。ここに可燃性ガスが来るとガスと吸着酸素が反応する。
例えば一酸化炭素の場合、CO+O(吸着酸素)→CO+e(電子)のような反応が起こり、これにより吸着酸素量が減少して電子空乏層が薄くなり、隣の粒子の低抵抗部分との導電チャンネルができるようになる。そのため、半導体全体の電気抵抗が大幅に減少する現象を生じる。図12に示す示すようにこの種のn型半導体を用いたガスセンサの各種ガスの濃度と電気抵抗の関係は、一般にガス感度として炭素数の多いものほど大きくなる。これは、炭素数の多いガスほど消費する吸着酸素量が多いためである。
以上説明の如く解釈されているのが一般的な半導体ガスセンサの反応理論であり、この種の半導体センサであるならば、図10に示すように水素以外の各種のガスにも必ず反応する。これに対して、本発明に係る水素センサは先に実施例で説明した如く、他のガスの影響を受けずに水素のみに反応し、更に、酸素を含まない雰囲気中で作動させ、酸素を含まない100%窒素ガス雰囲気に戻しても抵抗値が原点復帰する。これらの比較からも本発明の水素センサが従来例の酸化物半導体を用いたセンサとは全く異なる機構に基づいて動作していることが明らかである。
図1は本発明に係る第1の実施形態の水素センサの側面図。 図2は同水素センサの平面図。 図3は本発明に係る第2の実施形態の水素センサの側面図。 図4は同水素センサの平面図。 図5は半導体層としてのITO膜の上に厚さ12ÅのPdの水素吸収体を設けた実施例構造の水素センサにおいて、この水素センサを設置した雰囲気を1%の水素ガスを含むArガス雰囲気と100%大気雰囲気に繰り返し置換した場合の抵抗値変化を示す図。 図6は半導体層としてのITO膜の上に厚さ12ÅのPdの水素吸収体を設けた実施例構造の水素センサにおいて、この水素センサを設置した雰囲気を1%の水素ガスを含む窒素ガス雰囲気と100%窒素ガス雰囲気に繰り返し置換した場合の抵抗値変化を示す図。 図7は半導体層としてのGaN膜の上に厚さ12ÅのPdの水素吸収体を設けた実施例構造の水素センサにおいて、この水素センサを設置した雰囲気を1%の水素ガスを含む大気雰囲気と水素ガスを含まない大気雰囲気に繰り返し置換した場合の抵抗値変化を示す図。 図8は半導体層としてのGaN膜の上に厚さ12ÅのPdの水素吸収体を設けた実施例構造の水素センサにおいて、この水素センサを設置した雰囲気を1%の水素ガスを含む窒素ガス雰囲気と100%窒素ガス雰囲気に繰り返し置換した場合の抵抗値変化を示す図。 図9は本発明に係る水素センサを用いて水素ガスとメタンガスとプロパンガスとイソブタンガスと二酸化炭素のいずれかを検知した際の4端子法に基づく電圧測定結果を示す図。 図10は従来の酸化物半導体型の水素センサが各種ガスに反応して示す抵抗変化をガス濃度毎に示した図。
符号の説明
A、B…水素センサ、1、11…基板、2、12…半導体層(半導体)、3、13…水素吸収体、14…絶縁皮膜、5、15…内側電極、6、16…外側電極、17…保護膜。




Claims (13)

  1. 半導体と、該半導体の表面の少なくとも一部に付設された水素吸収体とからなる水素検出部を有し、前記水素吸収体の付設位置を挟んで、前記半導体に、前記水素吸収体によって導通されないよう配置された対になる電極を具備してなり、前記対になる電極間で計測される前記水素吸収体への水素吸収の有無に対応する前記半導体の抵抗値変化から、水素の存在を検知可能とされてなることを特徴とする水素センサ。
  2. 前記半導体は、絶縁基体上に設けられた層状の半導体であることを特徴とする請求項1に記載の水素センサ。
  3. 前記水素吸収体を前記半導体の表面に接触させて付設したことを特徴とする請求項1または2に記載の水素センサ。
  4. 前記水素吸収体を、薄膜絶縁層を介在させて前記半導体の表面に付設したことを特徴とする請求項1または2に記載の水素センサ。
  5. 前記水素検出部の露出した面が、水素を透過させる水素透過膜により覆われていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水素センサ。
  6. 常温動作可能であって、メタンガス、プロパンガスやエチルアルコール等の可燃性ガスの存在下では前記電極間の抵抗値変化を生じないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水素センサ。
  7. 酸素が存在していない環境下で作動可能であり、前記水素吸収体の水素吸収により初期状態から変化した前記半導体の抵抗値が、水素吸収体からの水素の離脱により初期状態に復帰可能であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の水素センサ。
  8. 前記半導体が非酸化物半導体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の水素センサ。
  9. 前記非酸化物半導体が、シリコン、炭化珪素、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウム、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、炭素(ダイヤモンド)のいずれかを主成分とする非酸化物半導体であることを特徴とする請求項8に記載の水素センサ。
  10. 前記水素吸収体がパラジウム、パラジウム合金、白金、白金合金のいずれかからなり、前記半導体上に島状分散構造として配置されたことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の水素センサ。
  11. 前記水素透過膜が窒化珪素または酸化珪素もしくはポリイミドからなることを特徴とする請求項5に記載の水素センサ。
  12. 水素吸収体を半導体の表面に付設し、前記水素吸収体が水素を吸収したことに起因する前記半導体の抵抗値変化を測定して水素の存在を検知することを特徴とする水素の検知方法。
  13. 半導体上に対になる電極を設け、これら対になる電極間の半導体上にパラジウム、パラジウム合金、白金、白金合金のいずれかからなる島状分散構造の水素吸収体を配置し、前記水素吸収体が水素を吸収したことに起因する前記半導体の抵抗値変化を常温で測定して水素の存在を検知することを特徴とする水素の検知方法。
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