JP4041447B2 - 大入熱溶接継手靭性に優れた厚鋼板 - Google Patents

大入熱溶接継手靭性に優れた厚鋼板 Download PDF

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Description

本発明は、溶接継手靭性に優れた厚鋼板とその製造方法に関し、大入熱溶接を行った場合でも、優れた溶接継手靭性を発揮する高強度(490MPa以上)の厚鋼板とその製造方法に関するものである。
従来より、厚鋼板のHAZ靭性を確保すべく、Tiを含有する酸化物を母材中に分散させ、HAZ部の冷却時に粒内からフェライトを生成させて組織を微細化することで、HAZ靭性を確保することが試みられてきた。
例えば特許文献1には、0.1〜3.0μmのTi酸化物、あるいはTi酸化物とTi窒化物との複合体のいずれか1種あるいは2種を析出させることによって、HAZ部の粗粒化域における冷却時のγ→α変態を制御して粒内フェライトを生成させ、HAZ靭性を向上させることが記載されている。
また特許文献2や特許文献3には、溶鋼内に生成する粗大な1次脱酸生成物(Al、Ca、REMなど、強脱酸元素による脱酸生成物)の生成を抑制し、かつ弱脱酸元素(Ti、Si、Nb、V、Ta)による脱酸で生成する2次脱酸生成物を均一分散させることによって、溶接熱影響部(HAZ部)の靭性を確保することが示されている。
特許文献4には、Ti組成比が5%以上、Al組成比が95%以下で、粒子径が0.01〜1.0μmであるTiとAlとの複合酸化物を、鋼中に均一分散させることによって、溶接時の鋼材のHAZ靭性を向上させることが記載されている。
しかしこれらの技術においては、近年、一般的になりつつある入熱のより大きな溶接を施した場合にまで、優れたHAZ靭性が保証されているとは言い難い。
特公平7−824号公報 特公平3−67467号公報 特公平3−59134号公報 特開平9−3599号公報
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、大入熱溶接を施した場合でも溶接継手靭性(HAZ靭性)に優れ、かつ船舶、海洋構造物、橋梁、建築構造物などの溶接構造物用に最適な高強度(490MPa以上)の厚鋼板と、その製造方法を提供することにある。
本発明にかかる溶接継手靭性に優れた厚鋼板とは、質量%で、C:0.01〜0.20%、Si:0.5%以下(0%を含まない)、Mn:1.1〜2.2%、Ti:0.008〜0.05%、N:0.0025〜0.0090%、O:0.0010〜0.0050%、Al:0.01%未満(0%を含まない)、P:0.020%以下(0%を含まない)、S:0.010%以下(0%を含まない)を満たし、残部鉄および不可避不純物であり、円相当直径が0.05〜1μmのTi系介在物が、倍率1000倍で観察したときに10000個/cm2以上であるとともに、円相当直径が2μm以上の介在物が、倍率200倍で観察したときに2000個/cm2以下であるところに特徴を有する
上記C量が0.11〜0.18%、Ti量が0.013〜0.038%の範囲内であれば、より優れた溶接継手靭性を発揮するので好ましい。
本発明の厚鋼板は、更に他の元素として、Ni:2.0%以下(0%を含まない)、Cu:2.0%以下(0%を含まない)、Cr:1.5%以下(0%を含まない)およびMo:1.0%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上を含んでいてもよい。
また更に他の元素として、Nb:0.030%以下(0%を含まない)および/またはV:0.050%以下(0%を含まない)を含んでいてもよく、Ca:0.0005〜0.0050%および/またはMg:0.0001〜0.0050%や、B:0.0005〜0.0050%を含んでいてもよい。
本発明の厚鋼板は、強度が490MPa以上と船舶、海洋構造物、橋梁、建築構造物などの溶接構造物等に最適であり、該溶接構造物として用いる場合に大入熱で溶接を行っても、優れた溶接継手靭性を発揮する。
本発明者らは、大入熱溶接を行った場合でも溶接継手靭性に優れた厚鋼板を得るべく鋭意研究を行ったところ、上記従来技術の様に粒内からフェライトを成長させるのではなく、粒内からベイナイトを形成させるのがよいこと、またそのためには、鋼中に円相当直径が0.05〜1μmのTi系介在物を多数存在させればよいことを見出し、上記本発明に想到した。
更に2μm以上の粗大な介在物は、フェライトの生成能が強くて高温でフェライトの生成核となりやすく、ベイナイトの生成を抑制すること、またこの様な粗大な介在物は、微細なベイナイト組織における破壊の起点となりやすく、ベイナイトによる微細化効果を十分に発揮し得なくなることが確認された。
更に本発明者らは、上記作用効果を確実に発揮させて優れた溶接継手靭性を得るべく、上記円相当直径が0.05〜1μmのTi系介在物と2μm以上の粗大介在物の最適な個数についても調べた。その結果、円相当直径が0.05〜1μmのTi系介在物は、倍率1000倍で観察したときに10000個/cm2以上存在させるのがよいことがわかった。
尚、上記倍率での観察には、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)を用いればよい。
この微細なTi系介在物は、個数が多いほど粒内ベイナイトの生成を促進するため望ましく、20000個/cm2以上、40000個/cm2以上存在させるのがよい。作用効果の観点からすると、上記Ti系介在物の個数に上限はないが、析出可能な介在物個数は1×108個/cm2程度が上限と考えられる。
上記微細なTi系介在物として、Ti含有酸化物が析出させやすいので好ましく、Ti含有窒化物についても同様の効果が得られるので好ましい。また上記Ti含有酸化物は、Ti以外の合金元素としてSi、Ca、Mg等が含まれていてもよいが、特にMnがTiと共に含まれる元素として好適である。より好ましくは、酸化物を構成する全合金元素に占めるTi+Mnが60%以上(更に好ましくは70%以上)のものがよい。
また円相当直径が2μm以上の粗大介在物を、倍率200倍で観察したときに2000個/cm2以下に抑えると、フェライトの生成が抑制されることがわかった。好ましくは1000個/cm2以下であり、更に好ましくは500個/cm2以下である。尚、該倍率での観察には、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)、または走査型電子顕微鏡(SEM)、またはEPMA(electron probe microanalyzer)装置を用いればよい。
この様に粗大介在物の数を抑えた上で、微細なTi系介在物(特にTi含有酸化物)を多数生成させれば、溶接後の冷却時にHAZ部で粒内ベイナイトが生成し易くなり、HAZ靭性を大幅に改善することができる。
尚、本発明の鋼板は、上記の通り、溶接後の冷却時にHAZ部で粒内ベイナイトが優先的に生成すればよいのであって、図1(顕微鏡写真)(a)(b)に示す通り、該冷却時に粒界からベイナイトやフェライトが多少生成する場合もある。
また上記の通り、微細なTi系介在物と粗大介在物の個数を制御してHAZ靭性を高めるとともに、高強度等の母材特性を確保するには、鋼板の成分組成を下記に示す範囲内とし、規定の方法で製造することが有効であることも見出した。
特に、溶接後の冷却時にHAZ部で粒内ベイナイトを生成させるには、母材成分を調整することが重要である。具体的には、後述する通り、C量を相対的に高めてやれば粒内ベイナイトが生成しやすくなることが分かった。
その理由について次の様に考えられる。即ち大入熱溶接では、HAZ部の冷却速度が遅くなるためフェライトが生成しやすく、またフェライトの生成を抑えたとしても粒界からベイナイトが生成しやすくなる。ところが、C量を高めると、フェライトの生成が抑えられると共に粒界からのベイナイト生成も抑えられ、粒内からのベイナイト生成が促進されるためと考えられる。
また、NbやVの如き炭化物生成能の強い合金元素は、粒内ベイナイトの生成を抑制することもわかった。その理由として、これらの元素が、Ti酸化物の周囲に偏析して、Ti酸化物を核にベイナイトが生成するのを阻むためと考えられる。そこで本発明では、これらの元素を添加する場合の上限も明らかにした。
以下、上記内容も含めて、各元素量を規定した理由について詳述する。
C:0.01〜0.20%
C(炭素)は母材の強度確保に必要な元素であり、少なくとも0.01%必要とする。また上述の通り、C量を高めると、粒内ベイナイトの生成が促進されるので、C量は0.11%以上とするのがよく、より好ましくは0.13%以上である。一方、C量が過剰になると、耐溶接割れ性およびHAZ靭性が劣化するので0.20%以下に抑える。HAZ靭性をより高める観点からは、C量を0.18%以下に抑えることが好ましい。
Si:0.5%以下(0%を含まない)
Siは予備脱酸剤として有用な元素であるが、過剰に含まれると、母材靭性とHAZ靭性がともに低下する。よってSi量の上限を0.5%とする。好ましくは0.3%以下であり、より好ましくは0.15%以下である。
Mn:1.1〜2.2%
Mnは、焼入れ性を改善する作用を有するとともに、粒内ベイナイトの生成を促進してHAZ靭性を改善する効果も有する。この様な効果を有効に発揮させるには、1.1%以上含有させるのがよく、好ましくは1.3%以上、より好ましくは1.5%以上である。一方、過剰に含有させると、HAZ靭性が劣化するので2.2%以下に抑えるのがよく、好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.8%以下である。
Ti(total量):0.008〜0.05%
Tiは、上述の通り、微細なTi系介在物(酸化物や窒化物等)を形成して、粒内ベイナイトの生成を促進するのに有効であり、本発明では重要な元素である。この様な効果を有効に発揮させるには、0.008%以上含有させるのがよい。Ti含有量を高めて上記Ti系介在物の数を増加させると、粒内ベイナイトの生成がより促進されるので、好ましくは0.013%以上含有させるのがよく、より好ましくは0.016%以上である。一方、Ti量が過剰になると、HAZ靭性と母材靭性がともに劣化するので、0.05%以下に抑える。好ましくは0.038%以下、より好ましくは0.030%以下に抑える。
N:0.0025〜0.0090%
N(窒素)は、Tiと窒化物を形成して粒内ベイナイトの生成を促進させ、HAZ靭性を改善するのに有効な元素である。この様な効果を有効に発揮させるには、0.0025%以上含有させるのがよい。好ましくは0.0035%以上、より好ましくは0.0045%以上である。一方、N量が過剰になると、母材靭性とHAZ靭性がともに劣化するので、本発明ではN量を0.0090%以下に抑える。好ましくは0.0075%以下であり、より好ましくは0.0065%以下である。
O:0.0010〜0.0050%
O(酸素)は、Ti酸化物を形成し、上記の通り、粒内ベイナイトの生成を促進するのに有効な元素である。この様な効果を発揮させるには、0.0010%以上含有させるのがよく、好ましくは0.0015%以上、より好ましくは0.0020%以上である。一方、酸素含有量が過剰になると、粗大な酸化物が生成し易くなり、かえってHAZ靭性を劣化させる。よって酸素含有量は、0.0050%以下に抑えるのがよく、好ましくは0.0038%以下、より好ましくは0.0030%以下である。
Al:0.01%未満(0%を含まない)
Alは強力な脱酸元素であり、Alが過剰に含まれていると、酸化物系介在物中のAlの割合が増大して、粒内ベイナイトの生成促進効果が低減する。よって、Al量は極力低減するのがよく、本発明では0.01%未満に抑える。好ましくは0.007%以下であり、より好ましくは0.004%以下である。尚、上記「0%を含まない」とは、不純物として混入する場合をいう。
P:0.020%以下(0%を含まない)、S:0.010%以下(0%を含まない)
P(りん)やS(硫黄)は、不可避不純物として存在する元素であり、溶接性や母材靭性を低下させる等の悪影響を及ぼす。よってPは0.020%以下(好ましくは0.010%以下)、Sは0.010%以下(好ましくは0.005%以下)に抑えるのがよい。
Ni:2.0%以下(0%を含まない)、Cu:2.0%以下(0%を含まない)、Cr:1.5%以下(0%を含まない)、およびMo:1.0%以下(0%を含まない)よりなる群から選択される1種以上
Cuは、固溶強化および析出強化により母材強度を向上させるとともに、焼入れ性を向上させる作用を有する元素であり、0.1%以上含有させることが好ましい。しかしCuを過剰に含有させるとHAZ靭性が低下するので、2.0%以下に抑えるのが好ましく、より好ましくは1.2%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。
また0.5%を超えるCuを添加する場合には、圧延中の熱間割れを防止する観点から、Cu含有量(質量%)の半分以上のNiを添加することが好ましく、より好ましくは化学等量以上のNiを添加することが推奨される。
Niは、焼入れ性を上げて母材強度を向上させるとともに、マトリックスを強靭化して母材靭性とHAZ靭性の向上に寄与する。この様な効果を有効に発揮させるには、0.1%以上含有させることが好ましいが、過剰に含有させると、かえってHAZ靭性を劣化させる。よってNi量は、2.0%以下に抑えるのが好ましく、より好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.1%以下である。
Crは、焼入れ性を高めて母材強度を向上させる作用を有する元素である。この様な効果を有効に発揮させるには、0.1%以上含有させることが好ましいが、過剰に含有させると、MA(島状マルテンサイト)の生成量が増加してHAZ靭性が劣化する。よってCr量は、1.5%以下の範囲内で添加するのが好ましく、より好ましくは1.0%以下、更に好ましくは0.5%以下、特に好ましくは0.3%以下である。
Moも、焼入れ性を高めて母材強度の向上に寄与する元素であり、該効果を発揮させるには0.05%以上含有させることが好ましい。しかし、Mo量が過剰になると、HAZ靭性が大幅に劣化するので、1.0%以下の範囲内で添加するのが好ましい。より好ましくは0.40%以下であり、さらに好ましくは0.20%以下である。
Nb:0.030%以下(0%を含まない)、および/またはV:0.050%以下(0%を含まない)
Vは、少量の添加(約0.005%以上)で、焼入れ性および焼き戻し軟化抵抗を効果的に高める元素である。しかしV量が過剰になると、母材靭性とHAZ靭性がともに低下する。特に、粒内ベイナイトの生成を抑制してHAZ靭性を著しく劣化させる。よってVは、0.050%以下の範囲内で添加するのがよく、好ましくは0.029%以下であり、さらに好ましくは0.015%以下である。
NbはVと同様に、少量の添加(約0.005%以上)で、焼入れ性および焼き戻し軟化抵抗を効果的に高める元素である。しかし、Nbもまた過剰に添加すると、母材靭性とHAZ靭性がともに低下し、特に、粒内ベイナイトの生成を抑制してHAZ靭性を著しく劣化させる。よってNbは、0.030%以下、好ましくは0.009%以下、さらに好ましくは0.005%以下に抑えるのがよい。
特にNbは、後述するBとの複合効果によって、粒内ベイナイトの生成を抑制し、HAZ靭性の阻害要因となるので、Bを0.0005%以上添加する場合は、Nb量を0.0009%以下に抑えることが好ましい。
B:0.0005〜0.0050%
Bは、鋼中に固溶して焼入れ性を改善する作用を有する。またHAZ部において、粒界からのフェライト生成を抑制して粒内からのベイナイト生成を促進させる効果も発揮する。この様な効果を発揮させるには、0.0005%以上含有させるのが好ましく、より好ましくは0.0010%以上、更に好ましくは0.0012%以上である。
一方、B量が多すぎると、かえって焼入れ性が低下するとともに、母材靭性やHAZ靭性も劣化する。よってB量は、0.0050%以下に抑えるのが好ましく、より好ましくは0.0030%以下、更に好ましくは0.0025%以下である。
Ca:0.0005〜0.0050%
Caは、MnS等の硫化物を球状化して介在物の異方性を低減する効果を有する。該効果を発揮させるには、0.0005%以上添加することが好ましく、より好ましくは0.0010%以上である。一方、Caを過剰に添加すると、母材靭性とHAZ靭性がともに低下するので、上限を0.0050%とすることが望ましい。好ましくは0.0030%以下である。
Mg:0.0001〜0.0050%
Mgは、介在物を微細化して母材靭性、HAZ靭性を改善する効果を有する。この様な効果を十分に発現させるには、0.0001%以上添加するのが好ましく、より好ましくは0.0005%以上である。一方、過剰に添加すると、母材靭性やHAZ靭性が却って劣化するので、0.0050%以下の範囲内で添加するのが好ましい。より好ましくは0.0030%以下である。
更に希土類元素やZrを添加することもできる。希土類元素を添加する場合には上限約0.02%の範囲内で添加でき、またZrを添加する場合には上限約0.05%の範囲内で添加できる。
また、上記の様に微細なTi系介在物と粗大介在物の個数を制御するための製造条件についても検討を行った。前掲の特許文献2や特許文献3では、酸化物のサイズや個数を制御する方法として、鋳込み前に溶存酸素量等を制御したり、凝固時の冷却速度等を制御することが示されている。しかし、本発明で注目する2μm以上の粗大酸化物を低減することは不可能であると考える。また、溶鋼中の酸素量を低減するだけでは、本発明で定める微細なTi系介在物の数を確保することができない。
そこで、微細なTi系介在物の数を増大しつつ、粗大介在物を低減すべく検討を行ったところ、溶製段階において、Ti添加前の鋼の溶存酸素量と、Ti添加後から鋳造するまでの保持時間を厳密に管理することが非常に有効であることを見出した。
具体的には、溶製段階で、Tiを添加する際に、まず溶鋼中の溶存酸素量を20〜100ppmの範囲内に制御する。この様に溶存酸素量を制御することで、上記微細なTi系介在物として、特に微細なTi酸化物を生成させることができ、本発明で規定する量の微細なTi系介在物を確保できる。
微細なTi酸化物をより多く生成させる観点から、溶鋼中の溶存酸素量は20ppm以上とするのがよく、より好ましくは25ppm以上である。一方、Ti添加前の溶鋼中の溶存酸素量が過剰であると、粗大なTi酸化物やその他の酸化物が生成しやすくなるので好ましくない。よって、溶鋼中の溶存酸素量を100ppm以下に抑えてからTiを添加する。好ましくは溶鋼中の溶存酸素量を70ppm以下に抑えてからTiを添加する。上記の通り溶製段階で溶鋼中の溶存酸素量を制御するには、Mn添加による脱酸、真空C(カーボン)脱酸、Si添加による脱酸を単独でもしくは適宜組み合わせて行えばよい。
またTi添加後は、静止状態で10〜50分間保持する。この様にTi添加後に保持することで、粒内ベイナイトの生成核として有効に作用する好適サイズのTi系介在物を確保しつつ、粒内フェライトの生成核となりやすい2μm以上の粗大な介在物を浮上分離させることができる。上記粗大介在物を確実に除去するには、10分間以上保持するのがよく、好ましくは15分間以上、さらに好ましくは20分間以上である。
尚、上記保持は、通常の溶製で行われている通り、約1550〜1650℃の間で保持することをいう。
一方、保持時間が長すぎると、微細な介在物が凝集して粗大化し、本発明で定める量の微細なTi系介在物を確保できなくなるので好ましくない。よって、保持時間は50分間以下とする。好ましくは40分間以下である。
操業においては、Ti,Si,MnおよびCを最終成分量となるよう同時に添加してから上記の通り保持し、その後に鋳込めばよい。
この様な方法で溶製することによって、表1および図2に示す通り、本発明で定める適正量の微細なTi系介在物を確保しつつ、粗大な介在物を低減させることができる。
Figure 0004041447
本発明は、製造工程におけるその他の製造条件まで限定するものでなく、鋼材のその他の溶製条件や鋳造条件等については通常行われている条件を採用すればよく、下記実施例で行う様に母材の強度や靭性を調整するため、必要に応じて熱処理を施してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
表2および表3に示す化学成分組成の鋼を表4および表5に示す方法で溶製し鋳造してスラブを得た。得られたスラブを1100℃に加熱した後、圧延、冷却を行って板厚50mmの鋼板を得た。尚、母材の強度や靭性を調整するため、必要に応じて500〜650℃までの焼戻し処理を施した。
この様にして得た鋼板から試料を採取し、母材特性、HAZ靭性、母材に存在する介在物のサイズを測定した。以下に各特性の評価方法を示す。
[母材特性]
鋼板から、JIS4号試験片を採取して鋼板の引張強度およびvE-20を測定した。引張強度が490MPa以上の場合でかつvE-20が100J以上であるものは、優れた母材特性を有していると評価し、この様に優れた母材特性が確保されているものについて、下記の通り、溶接継手靭性の評価を行った。
[溶接継手靭性]
鋼板から切り出した試験片(サイズ12.5mm×32mm×55mm)を1400℃に加熱し、該温度で5秒間保持した後、800℃から500℃までを730秒間,または1000秒間で冷却する熱サイクル(それぞれ100kJ/mm,140kJ/mmの入熱でSAW溶接したときのHAZの熱履歴に相当)を施し、各試験片からシャルピー試験片を採取してvE-20を測定した。そしてvE-20が100J以上の場合を溶接継手靭性に優れていると評価した。
[介在物の評価]
母材中に存在する介在物のサイズを以下の手法で測定した。
<測定位置(試料の採取位置)>
板厚の1/4の位置において、圧延方向に平行な断面が観察できるように試料を採取した。得られた試料を用いて、下記の通り、円相当直径が2μm以上の介在物および円相当直径が0.05〜1.0μmのTi系介在物の個数を測定した。
円相当直径が2μm以上の介在物の個数測定>
EPMA装置を用いて100mm2(10mm×10mm)の領域を倍率200倍で観察して、円相当直径が2μm以上の介在物の個数を測定した。
円相当直径が0.05〜1.0μmのTi系介在物の個数測定>
FE−SEM/EDX装置を用いて、円相当直径が0.05〜1.0μmの介在物20個の組成分析を行い、Tiを10質量%以上含有する介在物の割合を求めた。次に0.1mm2の領域において、1000倍の反射電子像を用いて0.01mm2の任意の10視野を撮影し、画像解析装置により、円相当直径が0.05〜1.0μmの介在物の個数の測定を行い、該10視野の合計個数に前記Ti含有介在物の割合を乗し、更に1000倍することで1cm2あたりの円相当直径が0.05〜1.0μmのTi系介在物の数を求めた。
これらの結果を表4および表5に示す。
Figure 0004041447
Figure 0004041447
Figure 0004041447
Figure 0004041447
表2〜5より次の様に考察できる。即ち、No.3〜6、No.11〜29は、本発明で規定する要件を満たすものであり、大入熱溶接であっても溶接継手靭性に優れた高強度鋼板が得られていることがわかる。これに対して、No.1、2、7〜10およびNo.30〜49は、本発明で規定する要件のいずれかを満たさないため、母材特性が不十分であるか、溶接継手靭性(HAZ靭性)に劣る結果となった。
即ちNo.1およびNo.2は、溶製段階におけるTi添加前の溶存酸素量が多過ぎるため、粗大酸化物が数多く析出し、HAZ靭性に劣る結果となった。
No.7は、溶製段階におけるTi添加前の溶存酸素量が不足するため、Ti系介在物として微細な酸化物が少なくなり、HAZ靭性に劣る結果となった。
No.8は、Ti添加前の溶存酸素量が高レベルでありかつTi添加後の保持時間が短すぎるため、粗大酸化物が過剰となり、また、No.9は、Ti添加前の溶存酸素量が低レベルでありかつTi添加後の保持時間が短すぎるため、微細酸化物が少なくなり、HAZ靭性に劣る結果となった。No.10は、Ti添加後の保持時間が長すぎるため、粗大酸化物が過剰となり、優れたHAZ靭性を確保できなかった。
No.30〜49は、本発明で規定する成分組成を満たしていないものである。No.30は、C量が過剰であるため、HAZ靭性に劣る。No.31は、Si量が過剰であるため、母材靭性とHAZ靭性が共に劣る。
No.32は、Mn量が不足するため母材強度を確保できず、またHAZ靭性にも劣っている。No.33は、Mn量が過剰であるため、優れたHAZ靭性を確保できなかった。
No.34は、酸素量が不足するため、規定サイズの介在物を確保できず、HAZ靭性に劣る結果となった。No.35は、酸素量が過剰であるため、十分なHAZ靭性を確保できなかった。
No.36は窒素量が少なすぎるため、またNo.37は、窒素量が過剰であるため、HAZ靭性に劣っている。
No.38は、Al量が過剰であるためHAZ靭性に劣る結果となった。
No.39〜41から、HAZ靭性確保のためには、CuやNi、Cr、Moを規定範囲内で添加するのがよいことがわかる。また、No.42〜45から、HAZ靭性確保のためには、NbやB、Vを規定の範囲内で添加するのがよいことがわかる。
更にHAZ靭性確保のためには、No.46からCa添加量を規定の範囲内に抑えるのがよく、またNo.47からMgを0.0050%以下に抑えるのがよいことがわかる。
No.48は、Ti量が不足するため介在物中のTi系介在物の割合が低くなり、粒内ベイナイトの生成が十分に促進されず、優れたHAZ靭性を確保できなかった。No.49は、Ti量が過剰であり、Ti酸化物が凝集して微細なTi系介在物が少なく、粒内ベイナイトの生成が抑制されたため、優れたHAZ靭性を確保できなかった。
本発明の厚鋼板の顕微鏡観察写真である。 従来の鋼板、低酸素鋼板および本発明の鋼板について、酸化物のサイズと個数を比較したグラフである。

Claims (6)

  1. 質量%で、
    C :0.01〜0.20%、
    Si:0.5%以下(0%を含まない)、
    Mn:1.1〜2.2%、
    Ti:0.008〜0.05%、
    N :0.0025〜0.0090%、
    O :0.0010〜0.0050%、
    Al:0.01%未満(0%を含まない)、
    P :0.020%以下(0%を含まない)、
    S :0.010%以下(0%を含まない)
    を満たし、残部鉄および不可避不純物であり、円相当直径が0.05〜1μmのTi系介在物が、倍率1000倍で観察したときに10000個/cm2以上であるとともに、円相当直径が2μm以上の介在物が、倍率200倍で観察したときに2000個/cm2以下であることを特徴とする大入熱溶接継手靭性に優れた厚鋼板。
  2. C :0.11〜0.18%、
    Ti:0.013〜0.038%
    を満たす請求項1に記載の厚鋼板。
  3. 更に他の元素として、
    Ni:2.0%以下(0%を含まない)、
    Cu:2.0%以下(0%を含まない)、
    Cr:1.5%以下(0%を含まない)、および
    Mo:1.0%以下(0%を含まない)
    よりなる群から選択される1種以上を含む請求項1または2に記載の厚鋼板。
  4. 更に他の元素として、
    Nb:0.030%以下(0%を含まない)、および/または
    V:0.050%以下(0%を含まない)
    を含む請求項1〜3のいずれかに記載の厚鋼板。
  5. 更に他の元素として、
    Ca:0.0005〜0.0050%、および/または
    Mg:0.0001〜0.0050%
    を含む請求項1〜4のいずれかに記載の厚鋼板。
  6. 更に他の元素として、B:0.0005〜0.0050%を含む請求項1〜5のいずれかに記載の厚鋼板。
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