JP3962898B2 - 線状オルガノシロキサンポリマーの製造方法 - Google Patents

線状オルガノシロキサンポリマーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、環状体の生成が抑制された線状オルガノシロキサンポリマーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
シリコーンオイルに代表される線状オルガノシロキサンポリマーは、主としてケイ素原子に結合したアルキル基やアリール基で代表される有機基を持ち、直鎖または分岐鎖構造を持つシロキサン結合よりなる有機ケイ素化合物であり、広範な粘度の調整が可能であるとともに、鉱油、動植物油のような一般の有機化合物と比較して、耐熱・耐寒性、粘度温度特性、生体との作用性等で大きく異なる性質を有するため、既に工業的に広く用いられている。
【0003】
このような線状オルガノシロキサンポリマーは、一般的に平衡化法、縮重合法と呼ばれる2種類の方法のいずれかにより製造されている。
平衡化法は、線状オルガノシロキサンポリマーを製造する最も一般的な方法であり、触媒として酸性または塩基性物質を用いて線状ポリマーと環状オリゴマーとの平衡重合物を得る方法である。
この方法は、重合物中に略15%の環状オリゴマーが含まれてしまうため、ストリップ等により線状ポリマーを精製する必要が生じ、これにより工程時間の伸長、工程費の増大を招く等の問題がある。
【0004】
一方、縮重合法は、シロキサンモノマーまたはオリゴマーを原料とし、適当な縮合触媒の存在下で末端基の縮合を促進させ、線状オルガノシロキサンポリマーを得る方法である。ここで、使用可能な縮合触媒としては、塩化窒化燐化合物(特開平6−345871号公報、特開平9−227683号公報)、比較的弱い酸性または塩基性触媒等、種々のものが知られているが、上記各公報によれば、塩化窒化燐化合物が好ましいとされている。
【0005】
この方法は、環状オリゴマーが生成しない点において、前述した平衡化法よりも有利な製造法であり、しかも純度の高い製品が得られることからストリップ負荷がごくわずかであるだけでなく、その純度によってはストリップをすることなく製品化することも可能である。
しかしながら、その適用範囲は、末端ヒドロキシオイルの製造に限定され、その他の線状オルガノシロキサンポリマー、すなわち、末端に飽和、不飽和炭化水素基、またはアリール基を有する線状オルガノシロキサンポリマーの製造には適用できないという問題がある。
このような事情から、環状オリゴマーの生成がない、または生成量が少ない製法であるとともに、末端置換基の制限なく線状オルガノシロキサンポリマーを得ることができる製法の開発が望まれ、現在までのところ、種々の検討が行われている。
【0006】
例えば、特開平7−145240号公報には、燐−窒素ホモポリマー性またはオリゴマー性化合物、硫酸、フッ素化アルカンスルホン酸、およびカオリンクレーからなる混合物を用い、分子量の異なる2種のオルガノシロキサンの混合物を不均化または縮合かつ不均化することで、環状体含有量を増大させずに線状オルガノシロキサンポリマーを製造する方法が開示されている。
この方法によれば、実質的に環状体を生成することなく、しかも、製造品種の限定のない所望の線状オルガノシロキサンポリマーを製造することができる。
【0007】
しかしながら、該製法の触媒として用いられる塩化窒化燐化合物は、水分に対する安定性が低く、例えば、空気中の水分や、縮重合の際に生じる水分によって容易に加水分解され、触媒能が著しく低下してしまう。したがって、塩化窒化燐化合物は、工業的観点から取り扱いが容易な化合物であるとは言い難く、特に、原料として重要な末端にシラノール基を有するオルガノシロキサンを用いる反応に使用することは困難である。
また、該製法で用いるトリフルオロメタンスルホン酸に代表されるフッ素化アルカンスルホン酸は、強酸性かつ毒性が強いため、取り扱いが難しいという問題があり、さらに、カオリンクレーは高純度化が難しいため、不純物が溶出して製品を汚染する可能性が高いことから、不純物除去工程を別途設ける必要が生じる等の問題もある。
【0008】
一方、特表平10−511996号公報には、環状体を含有しないポリオルガノシロキサンを製造する方法として、塩化燐ニトリル、パーフルオロアルキルスルホン酸を用いる方法、または塩化燐ニトリルとシリルホスフェートとの反応物を用いる方法が開示されている。
この方法によれば、前述の方法と同様、環状オリゴマーを生成させずに、所望の線状オルガノシロキサンポリマーを製造することが可能であるが、該方法に使用されている塩化燐ニトリルは非常に加水分解され易く、パーフルオロアルキルスルホン酸は強酸性で毒性が強く、両者とも取り扱いが困難である。
また、塩化燐ニトリルとシリルホスフェートとの反応物を使用することにより、触媒の安定性は向上するものの、触媒の調整に長時間を要し、その結果、触媒コストが高くなり、経済的に不利になるという問題がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、環状オリゴマーの生成を抑制でき、単一ピークの分子量分布を有する線状オルガノシロキサンポリマーが得られるとともに、簡便なかつコスト的に有利な線状オルガノシロキサンポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、アルカリ性化合物を縮合触媒として用い、所定の条件下で2種類のオルガノシロキサンポリマーを反応させることにより、環状体の生成を抑制でき、単一ピークの分子量分布を有する線状オルガノシロキサンポリマーが得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
すなわち、本発明は、
[1]記式(1)
【化3】
Figure 0003962898
〔式中、R1は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜8の非置換もしくは置換一価炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、R2は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜8の非置換または置換一価炭化水素基を示し、nは0〜500の整数を示す。〕
で示される化合物と、下記式(2)
【化4】
Figure 0003962898
〔式中、R2は上記と同じ。R3は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜8の非置換もしくは置換一価炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基または水酸基を示し、mは10〜3,000の整数を示す。〕
で示される化合物とを重量比10:90〜90:10の割合で、触媒としてアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ金属のシリコネート化合物を上記反応原料に対して1〜300ppmのみを用いて、90〜140℃において30分〜10時間反応させることにより、環状体の生成が抑制された単一ピークの分子量分布を有する線状オルガノシロキサンポリマーを得ることを特徴とする線状オルガノシロキサンポリマーの製造方法、
]前記アルカリ金属がナトリウムであることを特徴とする[]の線状オルガノシロキサンポリマーの製造方法
を提供する。
【0012】
以下、本発明についてさらに詳しく説明する。
本発明の上記式(1)で示される化合物において、R1は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜8の非置換もしくは置換一価炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、例えば、メチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基,アリル基等のアルケニル基、フェニル基,トリル基等のアリール基、もしくはメトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基等のアルコキシ基、またはこれらの基の水素原子が部分的に塩素,フッ素,臭素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換された基、例えばトリフルオロプロピル基などが挙げられ、これらの中でも炭素数1〜8の非置換または置換一価炭化水素基が好ましく、特に、メチル基、フェニル基、ビニル基が好ましい。
また、上記式(1)のnは0〜500の整数であり、好ましくは0〜100の整数である。
【0013】
上記式(1)および(2)で示される化合物において、R2は互いに同一または異種の炭素数1〜8の非置換または置換一価炭化水素基を示し、アルコキシ基を除いて上記R1で挙げた基と同様のものを用いることができる。
上記式(2)で示される化合物において、R3は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜8の非置換もしくは置換一価炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基または水酸基を示し、炭素数1〜8の非置換もしくは置換一価炭化水素基としては、R1で示したアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基と同様のものが挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜8の非置換または置換一価炭化水素基、水酸基が好ましく、特にメチル基、フェニル基、ビニル基、水酸基が好ましい。
また、上記式(2)のmは10〜3,000の整数であり、好ましくは30〜1,000の整数である。
【0014】
上記式(1)および(2)で示される化合物は、実質的に環状オリゴマーを含有しないものであることが好ましく、環状オリゴマー含有量の5,000ppm以下、特に3,000ppm以下のものを使用することが好ましい。すなわち、本発明の製造方法は、環状オリゴマーがほとんど生成しない方法であるため、原料に環状オリゴマーを含有しないものを用いることで、ストリップ除去を行うことなく製品化することが可能となり、製造工程の簡略化および製品の低コスト化を一層図ることができる。
【0015】
本発明の製造方法は、アルカリ性化合物の存在下で、すなわち、アルカリ性化合物を触媒として重合反応を行うものであるが、該アルカリ性化合物としては、アルカリ金属の水酸化物またはシリコネートを用いるもので、特に、水酸化ナトリウムまたはナトリウムシリコネートを用いることが好適である。
【0016】
上記アルカリ性化合物の添加濃度は、反応原料に対して1〜300ppmであることが好ましく、より好ましくは1〜100ppm、さらに好ましくは1〜20ppmである。ここで、添加濃度が1ppm未満であると、十分な反応速度が得られない虞があり、一方、300ppmを超えると、触媒を失活した後に生じる中和塩が増大し、濾過負荷が過大となる虞がある。
【0017】
なお、上記アルカリ金属の水酸化物は、一般的に平衡化反応を促進する触媒として知られているが、本発明の製造方法によれば、触媒種、触媒濃度および反応温度を選択することにより、平衡化反応による環状オリゴマーの生成を著しく抑制することが可能となる。その結果、GPC分析で単一ピークの分子量分布を有する線状オルガノシロキサンポリマーを得ることができる。
本発明の製造方法は、例えば、上記式(1)、(2)におけるR1,R3が共に一価炭化水素基の場合、反応が下記式のように進行するため、上記式(1)で表される化合物と式(2)で表される化合物との中間の重合度の線状オルガノシロキサンポリマーを製造するのに有用である。
【0018】
【化5】
Figure 0003962898
【0019】
また、上記式(1)のR1が一価炭化水素基で、式(2)のR3がシラノール基またはアルコキシ基の場合、シラノール基またはアルコキシ基が縮合反応を起こすため、上記式(1)で表される化合物および式(2)で表される化合物よりも高重合度の線状オルガノシロキサンポリマーを製造するのに有用である。
【0020】
上述のような本発明の製造方法は、具体的に以下のように行われる。
まず、上記式(1)で示される化合物(例えば、トリメチルシリル末端を有するポリジメチルシロキサン等)と式(2)で示される化合物(例えば、トリメチルシリル末端を有するポリジメチルシロキサン、シラノール基末端を有するポリジメチルシロキサン等)とを混合し、該混合物を撹拌しながら90〜140℃、より好ましくは100〜120℃に昇温する。
続いて、上記温度に保持した混合物中に、触媒であるアルカリ性化合物を、1〜300ppm投入し、好ましくは30分〜10時間、より好ましくは1〜4時間反応させて線状オルガノシロキサンポリマーを得ることができる。
【0021】
ここで、上記式(1)で示される化合物と式(2)で示される化合物との混合割合は、原料の粘度や目的とする線状オルガノシロキサンポリマーの粘度によって適宜設定することができるが、特に、10:90〜90:10(重量比)である。
【0022】
この際、反応圧力には、特に制限はないが、末端に水酸基を有するオルガノポリシロキサンを原料として用いる場合、減圧下で重合反応を行うことが好ましい。また、触媒であるアルカリ性化合物は、任意の酸性物質で中和し、失活させることができるが、線状オルガノシロキサンポリマーとの相溶性を考慮すると、中和剤としては、エチレンクロルヒドリン等の有機酸を用いることが好ましい。
なお、本発明の製造方法は、回分、連続法を問わず実施可能であるが、工業的には連続装置による実施がより有利である。
【0023】
以上のような本発明の製造方法によれば、環状体の生成を実質的に抑制(環状体の生成は1wt%以下、特に0.5wt%以下)することができ、原料に不純物として含まれる環状体の量にもよるが、線状オルガノシロキサンポリマー中に含まれる環状体の含有量を3wt%以下、特に2wt%以下とすることができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。なお、粘度は25℃における値である。
【0025】
[実施例1]
温度計とジムロート冷却管とを具備した内容積1,000mLの四つ口セパラブルフラスコに、平均重合度(n)が80で100csのトリメチルシリル末端を有するポリジメチルシロキサン50重量部と、平均重合度(m)が520で10,000csのトリメチルシリル末端を有するポリジメチルシロキサン50重量部とを仕込んだ後、該フラスコをオイルバス中に投入し、撹拌しながら昇温して120℃に調節した。
その後、0.5wt%NaOH水溶液を0.22重量部(11ppm)添加し、4時間反応を継続させた後、中和剤としてエチレンクロルヒドリンを0.01重量部添加した。
【0026】
中和後、NMRによる構造解析により、末端がトリメチルシリル基である平均重合度290のポリジメチルシロキサンオイルの生成が確認され、GPC分析で分子量分布を確認したところ、単一ピークを持つことが確認された。得られたオイルの粘度は2,160csであった。
なお、環状体の生成は0.95wt%であり、平衡化反応と比較して環状体の生成が著しく抑制されていることが確認された。
【0029】
[実施例
実施例1と同様の装置に真空ポンプおよび留分トラップを設置した後、セパラブルフラスコに平均重合度(n)が20で粘度1,000csのビニルジメチル末端のポリジメチルシロキサン50重量部と、平均重合度(m)が35で粘度70csのシラノール基末端のポリジメチルシロキサン50重量部とを仕込んだ後、該フラスコをオイルバス中に投入し、撹拌しながら昇温して120℃に調節した。
その後、0.5wt%NaOH水溶液を0.22重量部添加し、常圧にて10分間保持した後、真空ポンプにて減圧を開始し、3torrとした。減圧開始10分後より活発な水の発生が認められ、略60分後に水の発生は停止した。
さらに、30分間反応を継続した後、中和剤としてエチレンクロルヒドリンを0.01重量部添加した。
中和後、NMRによる構造解析により、末端がビニルジメチルシリル基を有する平均重合度490のポリジメチルシロキサンオイルの生成が確認され、GPCで分子量分布を確認したところ、単一ピークを持つことが確認された。得られたオイルの粘度は6,580csであった。
なお、フラスコ内および留分トラップから回収されたオイルは、原料の99.3wt%であり、回収されたオイル中の環状体組成は0.88wt%であった。
【0030】
[実施例
実施例2と同様の装置を用い、セパラブルフラスコに平均重合度(n)が220で粘度1,000csのトリメチルシリル末端を有するポリジメチルシロキサン16重量部と、平均重合度(m)が35で粘度70csのシラノール基末端を有するポリジメチルシロキサン84重量部とを仕込んだ後、該フラスコをオイルバス中に投入し、撹拌しながら昇温して120℃に調節した。
その後、0.5wt%KOH水溶液を0.3重量部(15ppm)添加し、常圧にて10分間保持した後、真空ポンプにて減圧を開始し、3torrとした。減圧開始6分後より活発な水の発生が認められ、略50分後に水の発生は停止した。
【0031】
さらに、30分間反応を継続した後、中和剤としてエチレンクロルヒドリンを0.01重量部添加した。
中和後、NMRによる構造解析により、末端がトリメチルシリル基である平均重合度1,370のジメチルシロキサンオイルの生成が確認され、GPCで分子量分布を確認したところ、単一ピークを持つことが確認された。得られたオイルの粘度は270,000csであった。
なお、フラスコ内および留分トラップから回収されたオイルは、原料の99.2wt%であり、回収されたオイル中の環状体組成は1.1wt%であった。
【0032】
[比較例1]
実施例2と同様の装置を用い、セパラブルフラスコに平均重合度(n)が220で粘度1,000csのビニルジメチル末端のポリジメチルシロキサン50重量部と、平均重合度(m)が35で粘度70csのシラノール基末端のポリジメチルシロキサン50重量部とを仕込んだ後、該フラスコをオイルバス中に投入し、撹拌しながら昇温して150℃に調節した。
【0033】
その後、0.5wt%KOH水溶液を0.3重量部添加し、4時間反応を継続させた後、中和剤として、エチレンクロルヒドリンを0.01重量部添加した。
中和後、GPC分析により分子量分布を確認したところ、2つのピークを有するオイルの生成が確認された。生成オイルを、250℃、5torrにて脱揮処理を行った。揮発分は13.8wt%であり、得られた揮発分は、3量体から6量体の環状体を主成分とする物質であった。
【0034】
[比較例2]
実施例2と同様の装置を用い、セパラブルフラスコに平均重合度(n)が220で粘度1,000csのトリメチルシリル末端のポリジメチルシロキサン50重量部と、平均重合度(m)が35で粘度70csのシラノール基末端のポリジメチルシロキサン50重量部とを仕込んだ後、該フラスコをオイルバス中に投入し、撹拌しながら昇温して150℃に調節した。
【0035】
その後、0.5wt%KOH水溶液を0.22重量部添加し、4時間反応を継続させた後、中和剤として、エチレンクロルヒドリンを0.01重量部添加した。中和後、GPC分析により分子量分布を確認したところ、2つのピークを有するオイルの生成が確認された。生成オイルを、250℃、5torrにて脱揮処理を行った。揮発分は6.7wt%であり、揮発分は3量体から6量体の環状体を主成分とする物質であった。
【0036】
[比較例3]
実施例2と同様の装置を用い、セパラブルフラスコに平均重合度(n)が220で粘度1,000csのトリメチルシリル末端を有するポリジメチルシロキサン50重量部と、平均重合度(m)が35で粘度70csのシラノール基末端を有するポリジメチルシロキサン50重量部とを仕込んだ後、該フラスコをオイルバス中に投入し、撹拌しながら昇温して120℃に調節した。
その後、Cl3PN(PNCl2)PCl3・PCl6タイプのPNC触媒を20ppm添加し、常圧にて10分間保持した後、真空ポンプにて減圧を開始し、3torrとした。減圧開始7分後より活発な水の発生が認められ、略5分後に水の発生は停止した。さらに、20ppmのPNC触媒を追加したが、先と同様に略5分後に水の発生が停止した。
【0037】
生成したオイルの分子量分布を確認したところ、上述のように添加した触媒が反応中に失活するため、残存した未反応物が確認された。
なお、生成したオイルの粘度は1,800csであり、低粘度のものしか得られなかった。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、アルカリ性化合物の存在下、平衡化反応を実質的に促進しない条件下でオルガノシロキサンを反応させているため、環状体の生成が著しく抑制された単一ピークの分子量分布を有する重合物を、簡便にかつコスト的に有利に製造することができる。

Claims (2)

  1. 記式(1)
    Figure 0003962898
    〔式中、R1は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜8の非置換もしくは置換一価炭化水素基または炭素数1〜8のアルコキシ基を示し、R2は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜8の非置換または置換一価炭化水素基を示し、nは0〜500の整数を示す。〕
    で示される化合物と、下記式(2)
    Figure 0003962898
    〔式中、R2は上記と同じ。R3は互いに同一もしくは異種の炭素数1〜8の非置換もしくは置換一価炭化水素基、炭素数1〜8のアルコキシ基または水酸基を示し、mは10〜3,000の整数を示す。〕
    で示される化合物とを重量比10:90〜90:10の割合で、触媒としてアルカリ金属の水酸化物またはアルカリ金属のシリコネート化合物を上記反応原料に対して1〜300ppmのみを用いて、90〜140℃において30分〜10時間反応させることにより、環状体の生成が抑制された単一ピークの分子量分布を有する線状オルガノシロキサンポリマーを得ることを特徴とする線状オルガノシロキサンポリマーの製造方法。
  2. 前記アルカリ金属がナトリウムであることを特徴とする請求項記載の線状オルガノシロキサンポリマーの製造方法。
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