JP3959706B2 - 紙幣取扱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣を分離、搬送、収納する紙幣取扱装置に係り、特に、入出金部へ搬送された紙幣を利用者が抜き取り易くするとともに、入出金部における紙幣の抜き取り忘れや紙幣再投入のタイミングを利用者に知らせることができる紙幣取扱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金融機関などで使用される紙幣取扱装置として、例えば、特開平11−175801号公報「紙葉類取扱装置」に説明されているように、入出金口、搬送路、判別部、一時保管庫、紙幣収納庫で構成され、入出金紙幣を入出金部へ搬送する構成とした装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した如き従来知られている紙幣取扱装置においては、入出金口へ搬送された紙幣が整列されないで返却されるため紙幣の抜き取りがスムーズに行えない場合があるという問題があった。また、入出金部へ搬送した紙幣を再投入するタイミングや入出金部の紙幣抜き取り忘れを利用者に知らせる手段がないという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、装置のコストアップや入出金部の機能を低下させることなく、上記問題点を解消し、入出金部へ搬送された紙幣を利用者が抜き取り易くするとともに、紙幣の抜き取り忘れや紙幣再投入のタイミングを利用者に知らせることができる紙幣取扱装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、▲1▼出金する紙幣を入出金部内で整列させる手段を設けた。具体的には、入出金部(1)に、移動可能な押板(7)と、固定された前板(20)と、押板(7)と前板(20)の間に移動可能な仕切板(9)を設け、出金する紙幣を押板(7)と仕切板(9)の間に収納するとともに、押板(7)と仕切板(9)の間隔(出金用スペース(イ))を収納する紙幣の枚数に応じて変更する制御手段(図2の仕切板駆動モータ制御部115)を設けた。これにより、紙幣は押板(7)と仕切板(9)との間に立位状に整列させることができ、抜き取り易くなる。
【0006】
また、▲2▼入出金部(1)へ収納した紙幣を抜き取り再度入金する際、そのタイミングを利用者に知らせる手段を設けた。具体的には、押板(7)と仕切板(9)の間に収納された紙幣を抜き取った場合に、仕切板(7)と前板(20)の間隔(入金用スペース(ロ))を広げる手段(図2の押板駆動モータ制御部109、仕切板駆動モータ制御部115)を設けている。これにより、リジェクト紙幣などを入出金部の仕切板(7)と前板(20)の間の入金用スペースが広くなり再投入し易くなった。
【0007】
また、▲3▼入出金部に取り忘れ紙幣が残留していることを利用者に知らせる手段を設けた。具体的には、押板(7)と仕切板(9)の間に収納された紙幣を抜き取った後に、規定寸法に達していない紙幣または折り畳み紙幣が残留していることを検知する手段(センサA18とセンサB19)と、規定寸法に達していない紙幣または折り畳み紙幣が残留していることが検知された場合に、押板(7)と仕切板(9)の間隔を広げる手段(図2の押板駆動モータ制御部109)を設けている。これにより、利用者は紙幣の取り忘れに容易に気付くようになるので、紙幣を取り忘れて去ってしまうのを大幅に減らすことができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る紙幣取扱装置の実施例を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明に係る紙幣取扱装置の一実施形態を説明するための概略図である。以下、図1の紙幣取扱装置を用いた紙幣の入出金取引動作の概要を説明する。
【0009】
(A)まず、図1の紙幣取扱装置を用いた入金取引について説明する。
入金取引において、利用者により入出金部1に紙幣が投入されると、入出金部1は紙幣を1枚ずつ分離し、搬送路2上に繰り出す。
搬送路2に繰出された紙幣は、判別部3で紙幣の金種、真偽などが判定され、その収納先が決定される。
【0010】
(a)判別部3でリジェクトすべきと判定された紙幣(リジェクト紙幣)は、ゲート5の切り替えにより入金リジェクトスタッカ6へ搬送され、押板7と仕切板9の間のスペース(図中(イ)で示す。以下、出金用スペース(イ)という)にスタックされ整列される。その後、シャッタ8を開けることによって、利用者に入金リジェクトスタッカ6の押板7と仕切板9の間に紙幣があることを知らせるとともに、出金用スペース(イ)にスタックされ整列された紙幣の抜き取りを促す。
【0011】
入出金部1の押板7と仕切板9の間の出金用スペース(イ)にスタックされた紙幣が利用者によって抜き取られると、それを入出金部紙幣抜き取り有無センサ18で検出し、仕切板9を押板7側に後退させて仕切板9と前板20の間のスペース(図中(ロ)で示す。以下、入金用スペース(ロ)という)を広げて、紙幣を再投入できることを利用者に知らせる。
【0012】
また、入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)18やセンサB19により紙幣の抜き取り忘れ(センサA18:ダーク、センサB19:ダーク)や折れ曲がった紙幣が残っている(センサA18:ダーク、センサB19:ライト)ことが検出された場合は、押板7と仕切板9の間の出金用スペース(イ)を広げることによって、残っている紙幣を見やすくして紙幣の抜き取り忘れや折れ曲がった紙幣があることを利用者に知らせるとともに抜き取りやすくする。
【0013】
(b)一方、判別部3で正券と判定された紙幣は、ゲート5の切り替えによって、巻き取り式の一時保管庫4に一時的に巻き取られて保管される。利用者が一時保管庫4に保管されている紙幣を返却する要求を行った場合は、一時保管庫4を巻き取り時とは逆に回転させ、紙幣を巻き取り時とは逆順に搬送路2上に繰り出す。搬走路2上に繰り出された紙幣はゲート5の切り替えによって入金リジェクトスタッカ6へ搬送される。
【0014】
また、利用者が収納要求を行った場合は、紙幣を万円庫15、千円庫16に収納できるように万円庫15、千円庫16内の押板14を移動するとともに、巻き取り式の一時保管庫4を巻取り時とは逆に回転させて紙幣を搬送路2上に繰り出す。繰り出された紙幣は搬送路2上の通過検知センサ12で監視され、適当なタイミングでゲート5と各収納先のゲート5’を切り替える。
【0015】
この切り替えにより、判別部3により正券と判定された紙幣は、万円券は万円庫15、千円券は千円庫16に収納し、5千円券,2千円券,あるいはリジェクト券と判定された紙幣はリジェクトボックス13に収納される。また万円券、千円券であっても当該金種紙幣の収納先が満杯状態の時には正券と判定された場合でもその紙幣はリジェクトボックス13に収納される。
【0016】
入金取引を何度か繰り返した結果、万円庫15、千円庫16、リジェクトボックス13が満杯となった場合、係員は筐体10の扉11を開け、満杯の万円庫15、千円庫16、あるいはリジェクトボックス13を取り出し、その中の紙幣を抜き取った後、再度、筐体10に戻して扉11を閉めて運用を再開する。
【0017】
(B)次に、図1の紙幣取扱装置を用いた出金取引について説明する。
出金取引では、利用者によって指定された金種の万円庫15、千円庫16から紙幣を一枚ずつ分離して搬送路2上に繰り出し、判別部3で紙幣の金種、真偽などを判定する。この判定の結果、リジェクト券と判定された紙幣は、巻き取り式の一時保管庫4に一時的に巻き取られ、正券と判定された紙幣だけが入出金部1に搬送され出金用スペース(イ)に収納される。その後、リジェクト券と判定され巻き取り式の一時保管庫4に巻き取られた紙幣は1枚ずつ繰出され、ゲート5を切換えてリジェクトボックス13に収納される。
【0018】
その後、シャッタ8を開けて、入出金部1の出金用スペース(イ)に収納された紙幣を抜き取るように利用者に促す。入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)18とセンサB19により出金用スペース(イ)に紙幣抜き取り忘れや折れ曲がった紙幣が残っていることが検知された場合は、押板7と仕切板9の出金用スペース(イ)を広げて見やすくし、抜き取り忘れまたは折れ曲がった紙幣が残っていることを利用者に知らせるとともに、紙幣を抜き取りやすくする。
【0019】
出金取引を何度か繰り返した結果、万円庫15、千円庫16が空となった場合、係員は筐体10の扉11を開け、空の万円庫15、千円庫16を取り出し、その中に紙幣を詰め込んだ後、筐体10に戻し扉11を閉めて運用を再開する。
以上が、本発明における入金取引と出金取引の基本的な動作である。
【0020】
図2は、図1に示した紙幣取扱装置の制御部を説明するためのブロック図である。
同図に示すように、紙幣取扱装置の制御部は、上位回線制御部102、搬送路駆動モータ制御部103、搬送位置計数部104、センサ制御部105、ゲート制御部106、入出金部制御部107、一時保管庫制御部108、押板駆動モータ制御部109、押板位置計数部110、主記憶部112、判別部制御部114、判別部回線制御部113、仕切板駆動モータ制御部115、およびこれら全体を制御する主制御部111とから構成される。
【0021】
ここで、各制御部の機能を説明する。上位回線制御部102は、上位装置101から紙幣取扱装置への動作指示の電文受信の制御、および主制御部111から上位装置101への処理結果の電文送信の制御を行う。搬送路駆動モータ制御部103は、主制御部111の指示に従い、図1の搬送路2を駆動するモータの駆動制御を行う。搬送位置計数部104は、図1の搬送路2の移動量を計数する。センサ制御部105は、図1の各センサ(通過検知センサ12,入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)18、センサB19など)の状態を監視し、主制御部111に連絡する。
【0022】
ゲート制御部106は、主制御部111に指示された動作パターンに基づいて、図1の通過検知センサ12と搬送路2の移動量により紙幣の搬送状態を監視し、ゲート5やゲート5’を切り替える。入出金部制御部107は、主制御部111の指示に従い、図1の入出金部1において、紙幣を入出金するためモータの駆動制御を行う。
【0023】
一時保管庫制御部108は、主制御部111の指示に従い、図1の巻き取り式の一時保管庫4を駆動するモータの駆動制御を行う。押板駆動モータ制御部109は、主制御部111の指示に従い、図1の万円庫15、千円庫16内で紙幣を押さえる押板14を移動するモータの駆動制御を行う。押板位置計数部110は、図1の押板14の移動量を計数する。
【0024】
判別部回線制御部113は、判別部3が判別した結果の受信制御や動作指示の送信制御を行う。判別部制御部114は、主制御部111の指示に従い、判別部3の制御を行う。仕切板駆動モータ制御部115は、主制御部111の指示に従い、図1の入出金部1の紙幣を押さえる仕切板9を移動させるモータの駆動制御を行う。
【0025】
図3は、図1の紙幣取扱装置を搭載する現金自動取引装置200の外観図である。同図に示すように、現金自動取引装置200は、取引に際して利用者に提供すべき情報を表示したり利用者が取引情報などを入力するための操作部203、紙幣取扱装置204(図1参照)、入出金取引時に、取引き明細票などを発行する明細票発行機構205、磁気ストライプカードなどを取扱うカード取扱機構206、これら全体の制御を行う本体制御部202を有する。また、現金自動取引装置200の前面には入出金取引時に利用者が紙幣を投入したり取出したりする紙幣取扱装置204の入出金部1(図1参照)となる紙幣入出金口207を備えている。
【0026】
図4は、図3に示した現金自動取引装置200の制御ブロック図であり、操作部203、紙幣取扱装置204、明細書票発行機構205、カード取扱機構206が本体制御部202に電気的に接続され、制御信号などをやりとりすることを示している。
【0027】
(第1の実施例:紙幣収納処理)
まず、本発明の第1の実施例に係る紙幣収納処理(出金処理)について説明する。
図5は、一時保管庫4から入出金部1への紙幣収納処理を説明するためのフローチャートであり、図6は、入出金部1への収納処理時(出金時),入金時,および放出時における押板7と仕切板9の位置関係を説明するための図である。
【0028】
図6において、収納処理時(出金時)における押板7の位置を出金スタック位置A、出金紙幣の収納に伴って移動する仕切板9の位置を出金スタック位置(a1)、出金スタック位置(a2)、出金スタック位置(a3)、・・・で示し、入金時における押板7の位置を入金位置B、仕切板9の位置を入金位置(b)で示し、放出時における押板7の位置を放出位置(C)、仕切板9の位置を放出位置(c)で示している。
【0029】
図7は、仕切板9を前進させて紙幣を収納するときの様子を示す図である。図7(a)における矢印Yは収納時における仕切板9の移動方向(前進方向)を示している。図7(b)は入出金口部へ紙幣の収納が終了した状態を示している。
【0030】
次に、本発明の第1の実施例を、図1〜4、および図6,7を参照しながら図5のフローチャートに沿って説明する。
図5のフローチャートに示すように、一時保管庫4から入出金部1への収納処理では、まず主制御部111の指示により仕切板駆動モータ制御部115は仕切板9の駆動を開始する(ステップS201)。入出金部1に搬送された紙幣枚数をセンサ制御部105から連絡されるセンサ情報によって監視する(ステップS203)。
【0031】
入出金部1へ紙幣が例えば15枚以上搬送されたことを検出したら(ステップS203:Y)、仕切板駆動制御部115に仕切板9を出金スタック位置(a1)へ前進するように指示し(ステップS204)、次に、入出金部1へ紙幣が30枚以上搬送されたかを監視する(ステップS205)。
【0032】
入出金部1へ紙幣が30枚以上搬送されたことを検出したら(ステップS205:Y)、仕切板駆動制御部115に仕切板9を出金スタック位置(a2)へ前進するように指示し(ステップS206)、次に、入出金部1へ紙幣が50枚以上搬送されたかを監視する(ステップS207)。
【0033】
入出金部1へ紙幣が50枚以上搬送されたことを検出したら(ステップS207:Y)、仕切板駆動制御部115に仕切板9を出金スタック位置(a3)へ前進するように指示し(ステップS208)、次に、入出金部1へ紙幣が75枚以上搬送されたかを監視する(ステップS209)。
【0034】
入出金部1へ紙幣が75枚以上搬送されたことを検出したら(ステップS209:Y)、仕切板駆動制御部115に仕切板9を出金スタック位置(a4)へ前進するように指示し(ステップS210)、次に、入出金部1へ紙幣が100枚以上搬送されたかを監視する(ステップS211)。
【0035】
入出金部1へ紙幣が100枚以上搬送されたことを検出したら(ステップS211:Y)、仕切板駆動制御部115に仕切板9を出金スタック位置(a5)へ前進するように指示し(ステップS212)、次に、入出金部1へ紙幣が125枚以上搬送されたかを監視する(ステップS213)。
【0036】
入出金部1へ紙幣が125枚以上搬送されたことを検出したら(ステップS213:Y)、仕切板駆動制御部115に仕切板9を出金スタック位置(a6)へ前進するように指示し(ステップS214)、次に、入出金部1へ紙幣が150枚以上搬送されたかを監視する(ステップS215)。
【0037】
入出金部1へ紙幣が150枚以上搬送されたことを検出したら(ステップS215:Y)、仕切板駆動制御部115に仕切板9を出金スタック位置(a7)へ前進するように指示し(ステップS216)、次に、入出金部1へ紙幣が175枚以上搬送されたかを監視する(ステップS217)。
【0038】
入出金部1へ紙幣が175枚以上搬送されたことを検出したら(ステップS217:Y)、仕切板駆動制御部115に仕切板9を出金スタック位置(a8)へ前進するように指示し(ステップS218)、次に、主制御部111から仕切板駆動モータ制御部115への停止指示を監視する(ステップS202)。
【0039】
なお、ステップS203,S205,S207,S209,S211,S213,S215,S217の各ステップで“N”すなわちそれぞれの枚数が搬送されない場合にもステップS202に戻って主制御部111から仕切板駆動モータ制御部115への停止指示を監視する。
【0040】
仕切板駆動停止指示を受付けたら(ステップS202:Y)、仕切板9の駆動を停止して収納処理を終了する(ステップS219)。
【0041】
このように、本発明では、一時保管庫4から入出金部1への搬送されて収納される紙幣の枚数の増加に合わせて仕切板9を出金スタック位置(a1)から出金スタック位置(a8)に前進させ押板7と仕切板9の間の出金用スペース(イ)を順次広げるようにしている。これにより、収納紙幣を立位状に整列させ、利用者が返却紙幣を掴み易くしている。なお、上記実施例のステップS203,S205,S207,S209,S211,S213,S215,S217において検知する紙幣の枚数は一例を示したに過ぎず任意に変更可能であることはいうまでもない。
【0042】
その後、立位状に整列している収納紙幣を挟んだまま、押板7を放出位置(C)に、仕切板9を放出位置(c)にそれぞれ前進移動させ、図8に示すように、入出金口1に収納された紙幣の抜き取り待ち状態にする。なお、このときの押板7の放出位置(C)は収納紙幣の枚数によって変わる。
【0043】
(第2の実施例:紙幣再投入処理)
次に、本発明の第2の実施例に係る紙幣再投入処理を説明する。
図9は紙幣再投入処理を説明するためのフローチャートであり、図10は紙幣の抜き取り待ち状態(図8参照)からシャッタ8を開にして入出金部1から紙幣17を抜き取る様子を示す図であり、図11は紙幣の抜き取りが終了した後、紙幣再投入を待っている状態を示す図である。
【0044】
以下、本発明の第2の実施例を、図1〜4および図10および図11を参照しながら、図9のフローチャートに沿って説明する。
図8のフローチャートに示すように、主制御部111は、上位装置101より動作起動指示があるかどうかを監視する(ステップS301)。上位装置101からコマンド動作指示があり(ステップS301:Y)、そのコマンドがシャッタ開のコマンドの場合(ステップS302:Y)、主制御部111は入出金制御部107にシャッタ開を指示する(ステップS303)。
【0045】
シャッタ8が開にされ、図10に示すように、入出金部1の幣抜き取り待ち状態から紙幣の抜き取りをを待つ。入出金部1から紙幣17が抜き取られたか否かを、センサ制御部105から連絡される入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)18からのセンサ情報により監視する(ステップS304)。
【0046】
入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)18からのセンサ情報により入出金部1の紙幣が全て抜き取られたのを検出したら、すなわちセンサ情報がライトになったら(ステップS304:Y)、図11に示すように入出金部1の押板7を入金位置(B)まで、仕切板9を入金位置(b)までそれぞれ後退させた後(ステップS305)、ステップS301に戻って再度上位装置101から動作指示コマンドがあるかをどうかを監視し、上位装置101からのコマンドがシャッタ開のコマンドでない場合は(ステップS302:N)、処理を終了する。
【0047】
本実施例によれば、全ての紙幣が出金用スペース(イ)から抜き取られた場合には、入出金部1の押板7と仕切板9をそれぞれ入金位置(B)と(b)まで後退させることにより、仕切板9と前板20の間の入金用スペース(ロ)を広げて紙幣再投入のタイミングであることを利用者に知らせることができる。
【0048】
次に、本発明の第3の実施例に係る紙幣の取り忘れ紙幣や規定寸法に達していない紙幣(例えば、半折れなどの折り畳み紙幣)に対する紙幣の抜き取りおよび紙幣再投入処理を説明する。
図12は本実施例に係る紙幣の抜き取りおよび紙幣再投入処理を説明するためのフローチャートであり、図13は規定寸法に達していない紙幣(例えば、半折れなどの折り畳み紙幣)の抜き取り待ち状態を示す図であり、図14は、出金用スペース(イ)を広げて入出金部1から規定寸法に達していない紙幣(例えば、半折れなどの折り畳み紙幣)17を抜き取る様子を示す図である。
【0049】
次に、本発明の第3の実施例を、図1〜4、および図13および図14を参照しながら、図12のフローチャートに沿って説明する。
図12に示すように、主制御部111は、上位装置101より動作起動指示があるか監視する(ステップS401)。上位装置101より動作起動指示があり(ステップS401:Y)、その指示がシャッタ8を開くコマンドであれば(ステップS402:Y)、主制御部111から入出金制御部107にシャッタ開を指示し(ステップS403)、図9(b)の入出金部紙幣状態にする。図9(b)の入出金部紙幣状態から紙幣が抜き取られたかを、センサ制御部105から連絡されるセンサ情報から監視する(ステップS404)。
【0050】
入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)18およびセンサB19がともにライトとなり、入出金部1に取り忘れ紙幣や規定寸法に達していない紙幣(折り畳み紙幣)などがないことが検出されたら(ステップS404:N)、入出金部1の押板7を入金位置(B)に、仕切板9を入金位置(b)にそれぞれ後退させる(ステップS405)。これは、図9のフローチャートのステップS304およびS305と同様である(図10および図11参照)。
【0051】
入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)18およびセンサB19がともにダークとなり、入出金部1に取り忘れ紙幣があることが検出された場合は、図12のフローチャートでは省略しているが、図9の(テップS304:N)の場合と同様にそのままの状態で紙幣の抜き取りが行われるのを待つ。紙幣が抜き取られたら(ステップS404:N)、入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)18およびセンサB19がともにライトとなるため、先に述べたと同様に、入出金部1の押板7を入金位置(B)に、仕切板9を入金位置(b)にそれぞれ後退させる(ステップS405)。
【0052】
入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)18がダーク、センサB19がライトとなり、入出金部1に規定寸法に達していない紙幣(例えば、半折れなどの折り畳み紙幣)があることが検出された場合(ステップS404:N)、入出金部1の仕切板9を放出位置(c)に保ったまま、押板7を入金位置(B)に後退させ(ステップS406)、出金用スペース(イ)を広げて折り畳み紙幣などが存在することを利用者に知らせて該紙幣を抜き取るように促す(ステップS405)。図13はこのときの状態を示す図である。
【0053】
その後、入出金部1の折り畳み紙幣などの残留紙幣が抜かれたか監視する(ステップS407)。残留紙幣が抜かれたことが検出されたら(ステップS407:Y)、仕切板9を入金位置(b)に後退させる(このとき、押板7は入金位置(B)にある)。このようにして、紙幣が全て抜き取られた後は入金用スペース(ロ)を広げて紙幣再投入するタイミングであることを利用者に知らせることができる。
【0054】
第3の実施例によれば、紙幣の抜き取り処理後は、規定寸法に達していない紙幣(例えば、半折れなどの折り畳み紙幣)などが在留していた場合には、押板7と仕切板9の間隔すなわち出金用スペース(イ)を広げることにより、紙幣抜き取り忘れを知らせるとともに、残留紙幣の抜き取りを利用者に促すことができる。
【0055】
なお、上記実施例は、押板と仕切板の位置制御の一例を示したが、この例に制限されるものではない。例えば、紙幣を整列させる場合に押板と仕切板の間の出金スペースを紙幣の枚数に依存して広げ、紙幣抜き取り忘れを知らせる場合に押板と仕切板の間の出金スペースを広げ、入金のタイミングを知らせる場合に仕切板と前板の間の入金用スペースを広げる制御であれば如何なる位置制御であってもよいことはいうまでもない。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、入出金部へ搬送された紙幣を整列させることができ、利用者の紙幣の抜き取りが容易になる。
また、入出金部へ返却搬送した紙幣を再度入金する際、入出金部の仕切板と前板の間隔(入金用スペース)を広げて紙幣を再投入するためのタイミングを利用者に知らせることができる。
さらに、入出金部の押板と仕切板の間隔(出金用スペース)を広げることにより、入出金部に取り忘れ紙幣が残留していることを利用者に知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る紙幣取扱装置の一実施形態を説明するための概略図である。
【図2】本発明の一実施例に係る紙幣取扱装置の制御ブロック図である。
【図3】本発明の一実施例に係る現金自動取引装置の概観を示す図である。
【図4】本発明の一実施例に係る現金自動取引装置の制御ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施例における一時保管庫から入出金部への紙幣収納処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明における入出金部1への収納処理時(出金時),入金時,および放出時における押板と仕切板の位置関係を説明するための図である。
【図7】仕切板を前進させて紙幣を収納するときの様子を示す図である。
【図8】入出金口に収納された紙幣の抜き取り待ち状態を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施例における紙幣再投入処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】紙幣の抜き取り待ち状態(図8)からシャッタを開にして入出金部から紙幣を抜き取る様子を示す図である。
【図11】紙幣の抜き取りが終了した後、紙幣再投入を待っている状態を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施例に係る紙幣の抜き取りおよび紙幣再投入処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】規定寸法に達していない紙幣(例えば、半折れなどの折り畳み紙幣)の抜き取り待ち状態を示す図である。
【図14】出金用スペースを広げて入出金部から規定寸法に達していない紙幣(折り畳み紙幣など)を抜き取る様子を示す図である。
【符号の説明】
1…入出金部、2…搬送路、3…判別部、4…一時保管庫、5…ゲート、6…入金リジェクトスタッカ、7…押板、8…シャッタ、9…仕切板、10…筐体、11…扉、12…通過検知センサ、13…リジェクトボックス、14…ボックス押板、15…万円庫、16…千円庫、17…紙幣、18…入出金部紙幣抜き取り有無センサ(センサA)、19…センサB、20…前板、
101…上位装置、102…上位回線制御部、103…搬送路駆動モータ制御部、104…搬送位置計数部、105…センサ制御部、106…ゲート制御部、107…入出金部制御部、108…一時保管庫制御部、109…押板駆動モータ制御部、110…押板位置計数部、111…主制御部、112…主記憶部、113…判別部回線制御部、114…判別部制御部、115…仕切板駆動モータ制御部、
202…本体制御部、203…操作部、204…紙幣取扱装置、205…明細票発行機構、206…カード取扱機構。
Claims (3)
- 紙幣を入金または出金する入出金部と、紙幣を搬送する搬送路と、紙幣を判別する判別部と、出金用紙幣を収納する複数の収納庫と、入金または出金のため紙幣を保管する一時保管庫または前記収納庫から繰り出した紙幣が異常な場合に収納するリジェクト庫とを有する紙幣取扱装置であって、
前記入出金部は、移動可能な押板、固定された前板と、該押板と該前板の間に設けられた移動可能な仕切板を有し、出金する紙幣を前記押板と前記仕切板の間に収納するとともに、前記押板と前記仕切板の間隔を前記収納する紙幣の枚数に応じて変更する制御手段を設けたことを特徴とする紙幣取扱装置。 - 前記押板と前記仕切板の間に収納された紙幣を抜き取った場合に、前記仕切板と前記前板の間隔を広げる手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の紙幣取扱装置。
- 前記押板と前記仕切板の間に収納された紙幣の有無を検知する検知手段と、該検知手段により、前記押板と前記仕切板の間に収納された紙幣を抜き取った後に、規定寸法に達していない紙幣または折り畳み紙幣が残留していることが検知された場合に、前記押板と前記仕切板の間隔を広げる手段を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の紙幣取扱装置。
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