JP3888641B2 - ナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスプレイ画面に地図画像を表示するナビゲーション装置に関し、特に、発話者の「右」「左」等の方向を意味する言葉を理解して、それに対応する各種検索及び音声案内を行うことができるようにした対話型のナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ナビゲーション装置においては、地図を描画するための地図データ及び地図上に表示する地名、あるいは施設等を検索するための情報データ(以下「情報データ」という。)を記録したDVD−ROM等の地図・情報記憶媒体と、この地図情報記憶媒体のデータを読取る再生装置と、地図等を表示するディスプレイ装置と、距離センサやジャイロ等の自立航法装置及びGPS受信機等により車両の現在位置及び進行方向の方位を検出する車両位置検出装置を有し、車両の現在位置を含む地図データを地図・情報記憶媒体から読出し、この地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像をディスプレイ装置の画面に描画すると共に、車両位置マークをディスプレイ画面に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させたりして、車両が現在どこを走行しているのかを一目で分かるようにしている。
【0003】
また、ナビゲーション装置は、ユーザが所望の目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるようにするための経路誘導機能を備えている。この経路誘導機能によれば、地図情報を用いて出発地から目的地までを結ぶ最もコストが低い経路を自動探索し、その探索した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上に誘導経路を他の経路とは色を変えて太く描画して画面表示したり、車両が誘導経路上の進路を変更すべき交差点に一定距離以内に近づいたときに、交差点を拡大表示し、進路を変更すべき方向を示す矢印等を描画して画面表示したり、音声で右左折の誘導を行うことで、ユーザを目的地まで案内している。
【0004】
また、各種施設を「公園」、「温泉」、「レストラン」、「コンビニ」、「ガソリンスタンド」等のジャンルに分類し、各施設の位置と詳細情報とをデータベースにしてDVD−ROM等に記憶しておき、ユーザが検索範囲及びジャンルを設定すると、検索対象範囲内に存在する指定したジャンルの施設を探索する施設検索機能を備えたナビゲーション装置も用いられている。この種のナビゲーション装置によれば、例えばユーザが検索範囲として長野県を設定し、ジャンルとして「温泉」を設定すると、ナビゲーション装置はDVD−ROM内のデータベースを利用して長野県内の全ての温泉を検索し、その検索結果に基づいて温泉の位置をディスプレイ画面に表示することができるようにしたものも用いられている。また、検索された温泉からユーザが特定の温泉を選択すると、その温泉に存在する旅館やホテル等をリストアップし、更に特定の旅館等を指定するとその施設や料金等が表示され、これらの情報により特定の旅館を目的地に設定すると、ナビゲーション装置はその旅館をを目的地とし、車両の現在位置からこの目的地までの誘導経路を探索して、その誘導経路に沿って車両を案内することができるようにしたものも用いられている。
【0005】
一方、DVD−ROM等の地図・情報記憶装置に記憶されている地図データは、各種の縮尺レベルに応じて適当な大きさの経度幅及び緯度幅に区切られており、道路等は経度及び緯度で表現されたノードの座標集合として記憶されている。道路は2以上のノードの連結からなり、地図データは、道路リスト、ノードテーブル及び交差点構成ノードリスト等からなる道路レイヤ、及び地図画面上に道路、建築物、施設、公園及び河川等を表示するための背景レイヤ等の地図データと、市町村名などの行政区画名、道路名、交差点名及び施設の名前等の、文字や地図記号等を表示するための情報データなどから構成される。
【0006】
また、施設探索機能を備えた車載用ナビゲーション装置では、地図・情報記憶手段に、各種施設を例えば「レジャー施設」「レストラン」「文化施設」「ホテル」「病院」「公共施設」「コンビニエンスストア」「デパート」「スーパーマーケット」「交通施設」「スポーツ施設」等の機能的なジャンル別に分類し、各ジャンルについて、例えば「スポーツ施設」においては更に、「ゴルフ場」「ボーリング場」「テニスコート」「野球場」「スキー場」等に細分化され、各施設がその中に分類されてデータベース化されている。各施設はそれぞれ施設名、緯度、経度等の位置情報、更に例えば利用料金や付帯設備等のデータが記録されている。
【0007】
一方、近年の音声認識技術の発達により、ナビゲーション装置に対する各種の指示を音声により行う音声認識装置が搭載されるようになっている。即ち、特に車両用ナビゲーション装置においては、運転者が運転中にナビゲーション装置の各種操作を行うことが多く、例えば走行中に急に食べ物や飲み物が欲しくなり近くのコンビニを探すとき、あるいは宿泊するために近くのホテルを探すとき等には、運転者が走行中にこれらの施設検索を行うことがある。その際にナビゲーション装置のタッチパネル、あるいはリモコン等を操作することは安全運転の面から好ましくなく、車を止めて操作することは時間の無駄ともなる。そのため、運転者が前方を注視しながらも、音声により「近くのコンビニは?」等の音声をマイクに入力することにより、ナビゲーション装置がこの言葉を認識し、前記施設検索機能を用いて自車位置近傍の、また自車位置の走行方向に存在するコンビニを検索して地図上に表示し、あるいは音声で「200m先にセブンイレブンがあります。」と知らせることができるシステムの開発が進んでいる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような、従来から提案されている音声認識装置を用いて施設検索を行うナビゲーション装置の多くのものにおいては、例えばタッチパネルやリモコン等で行っていた従来の検索項目を手入力していた部分を音声で入力し、これを音声認識装置が従来の検索項目に対応した信号に置き換え、検索機能を作動するようにしたものに過ぎない。
【0009】
一方、ナビゲーション装置の利用に際して、DVD−ROM等に記録した大量の施設等の情報データと、ナビゲーション装置が備えている高度の検索機能を最大限に利用して種々の態様の検索ができることが好ましい。例えば、走行中に左側に大きな建物が見え、運転者がふと「左側にある大きなビルディングは何だろう?」と自然に疑問がわいたとき、ナビゲーション装置に対して「左の建物は何?」と言うと、ナビゲーション装置がこの音声を認識して、自車位置近傍のランドマーク的な建物を検索し、「左の建物は霞ヶ関ビルですよ。」と音声で答えるような装置、即ち、利用者が疑問に感じたことを自然に口にすると、ナビゲーション装置がそれに対応して答えてくれるような、ナビゲーション装置に対して親しみがわくような対話型のナビゲーション装置が理想的なものといえる。
【0010】
車両の走行中におけるナビゲーション装置による従来の施設情報の検索に際しては、例えば「近くのガソリンスタンドは?」と音声で質問すると、ナビゲーション装置においては、現在位置から進行方向の前方において道路沿いに存在するガソリンスタンドを検索することとなる。このように従来のナビゲーション装置においては、自車位置の前方・後方という方向は重要であるので、この方向に関して留意しつつ検索を行っている。
【0011】
しかしながら、左右の方向の検索については、その検索指示自体を考慮した技術は少なく、特に自車位置を中心として左側の範囲に存在するもの、あるいは右側の範囲に存在するものというような、左右方向の広い範囲の検索を考慮した技術はなかった。そのため、前記のような「左の建物は何?」という質問に対する検索が行われず、理想的な対話型のナビゲーション装置とすることができなかった。
【0012】
したがって、本発明は、利用者の方向を意味する音声を認識し、自車位置及び進行方向をもとに、自車の左あるいは右に存在する施設等の検索し、その名称を音声で案内することができるようにした対話型のナビゲーション装置を提供することを主たる目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、請求項1に係る発明においては、音声を入力し各種指示信号を出力する音声認識手段と、音声認識手段から入力した検索指示信号により情報記録媒体からの情報データを検索する情報検索手段と、検索結果を音声で出力する音声出力手段を備えたナビゲーション装置において、前記情報検索手段には入力した検索指示信号から検索ジャンルを示す信号を判別する検索ジャンル判別部と、検索方向を示す検索指示信号を判別する検索方向判別部と、検索範囲を設定する検索範囲設定部と、前記判別された検索ジャンルと検索方向及び検索範囲にしたがって前記情報データを検索する検索部とを備え、前記検索方向判別部では、左右の方向を示す検索指示信号を判別し、前記検索部では自車位置を中心とした左右方向に存在する情報データを検索するとともに、前記検索部には施設の存在を検索する施設検索部と、視認されるものの名称を検索する名称検索部を備えたことを特徴とするナビゲーション装置としたものである。
【0017】
また、請求項2に係る発明においては、前記検索範囲設定部では、検索ジャンルに応じて検索範囲を設定する請求項1記載のナビゲーション装置としたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。図1は本発明を実施するナビゲーション制御装置100の機能ブロック図であり、アンテナ101で受信した衛星からの信号をGPS受信機102で処理し、衛星からの信号による自車位置データをデータ記憶部103に記憶する。一方、車両に設けられた車両の走行方向を検出する角度センサ104、及び距離センサ105からなる自立航法センサ106からの信号を車両位置・方位計算部107に入力し、自立航法センサによる位置データを得る。
【0020】
車両位置信号発生部108では、データ記憶部103内のGPSによる自車位置データを、車両位置・方位検出部107内の位置データで補正し、正確な車両位置データを得る。車両位置信号発生部108で得られた車両位置信号は、車両位置データライン109を介して、後述するナビゲーション制御装置100内の各種機能部に出力し各部で利用される。
【0021】
ナビゲーション装置に付属するリモコン110、ディスプレイに設けられるタッチパネル111、そのほか各種操作スイッチ112からの利用者の操作信号は、操作信号入力部113に入力される。その信号は操作信号データライン114を介して、ナビゲーション制御装置100内の各種機能部に出力し、利用者の指示信号とされる。また、マイク120は音声認識部121に接続され、マイクから入力される利用者の音声を音声認識部121で認識し、前記操作信号入力部113と同様に音声による操作信号として、操作信号データライン114に接続し、後述する各種機能部の指示信号とされる。
【0022】
上記車両位置データ、及び操作信号に基づいてROM読出制御部115は、大量の地図データ及び施設等の情報データを記憶したDVD−ROMやCD−ROM等の地図記憶媒体(以下「DVD−ROM」と略称する。)116から所定の地図データ及び種々の情報を読み出し、情報・地図バッファ117に蓄える。この情報・地図バッファ117内の各種データは、情報・地図データライン118を介してナビゲーション制御装置100内の各種機能部に出力され、後述する種々の目的に利用される。特に、車両位置信号発生部108からの自車位置、あるいは操作信号入力部113からの表示指示に応じて、情報・地図バッファ117内の地図データ部分が地図メモリ138に、施設情報や地名情報等の情報データ部分が施設・地名メモリ122内に、任意に選択されたものが入力される。なお、情報・地図バッファ117での検索アクセス速度が充分に確保できるならば、施設・地名メモリ122は省略され、後述する検索部126は直接情報・地図バッファ117のデータにアクセスして検索を行うように設定することもでき、更にDVD−ROM等のデータ記憶媒体自体のアクセス速度が速い場合には、検索部126は直接DVD−ROM等にアクセスして検索を行うこともできる。
【0023】
このような各種のデータの入力により、ナビゲーション制御装置100は、内部に備えた種々の機能部分で各種の作動を行うことができ、例えば誘導経路演算部131においては、車両位置信号発生部108から現在位置データを入力し、操作信号入力部113からの目的地、経由地の指定、高速道路優先等の検索指示を受け、種々のコスト計算を行って最適誘導経路を演算する。その結果を誘導経路メモリ132に蓄え、誘導経路出力部133では種々の形態で誘導経路を案内するためのデータを作成する。そのうち画像データは画像合成部152に出力し、地図上に重ねて画像表示装置130に表示可能としている。また、誘導経路出力部133から音声化部160に出力し、誘導用の案内音声を作成及び合成し、音声出力部161を介してスピーカ162から出力し、車両走行誘導用の音声案内を行う。
【0024】
交差点案内出力部135では、特に、車両位置信号発生部108からの車両位置と、情報・地図バッファ117からの地図データと、誘導経路メモリ132からの誘導経路情報に基づいて、車両現在位置が誘導経路上の右左折交差点近傍に達したか否かを判別し、近傍に達したときには交差点案内地図を作成して画像合成部152に出力すると共に、音声化部160に出力し、前記と同様にスピーカ162から交差点案内の音声を出力する。
【0025】
地図描画部140では、地図メモリ138の所定の縮尺の地図データを元に、表示方式指定部142を介して入力された操作信号入力部113や音声認識部121からの、例えば鳥瞰図表示、3D表示等の指定に応じて、所定の地図を車両位置を基準として演算して作成し、更に施設・地名メモリ122からの地名情報データ、施設名等の関連情報データを必要に応じて地図上に重ねて表示し、地図画像として画像合成部152に出力する。
【0026】
ナビゲーション制御装置100には更に、操作信号入力部からの指示、あるいは音声認識部121からの指示に応じて、施設情報等種々の情報を指定された検索条件に従って検索するための情報検索部119を備えており、検索時の検索条件を入力するため、例えばレストラン、コンビニ、ガソリンスタンド、学校、等の検索ジャンルを判別するための検索ジャンル判別部123、自車位置からあるいは指定の地点から所定の距離の範囲の施設等を検索する検索範囲を設定するための検索範囲設定部124、自車位置の左・右・前・後等の検索する方向を判別するための検索方向判別部125を備えている。
【0027】
検索部126にはこれらの判別部及び設定部からの検索条件と、施設・地名メモリ122からの施設情報及び地名情報等が入力され、検索条件に適合する施設や地名が検索される。その検索結果は直接検索情報表示部148に出力するか、あるいは複数の検索データが存在する場合は、これを適切な順に配列する候補順位決定部127で並べ替えて検索情報表示部148に出力し、検索情報表示部148では所定の検索画面として画像合成部152に出力する。
【0028】
また、前記検索部126による検索結果は直接音声化部160に出力するか、あるいは前記と同様に複数の検索データが存在する場合は、これを適切な順に配列する候補順位決定部127で適切な順に並べ替えて音声化部160に出力し、音声化部160では検索結果を音声合成し、音声出力部161を介してスピーカ162から利用者に検索結果を伝える。
【0029】
検索部126には、例えば前記レストラン、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド、学校、病院等の施設に関するジャンルを検索する施設検索部146と、例えば山、川、湖、街、トンネル等の地名及び各施設の名称に関するジャンルを主として検索する名称検索部147を備えている。それにより、例えば音声入力により「左側にコンビニがありますか?」という検索指示があったときには、前記検索ジャンル判別部123において「・・・がありますか?」の信号の存在により施設検索と判別し、施設検索部146において、従来のナビゲーション装置と同様の手法により、施設・地名メモリ122内の施設情報を検索し、「セブンイレブンがあります。」のように音声で出力し、必要に応じて検索結果を画面に表示する。
【0030】
それに対して、例えば音声入力により「左側の建物は何ですか?」あるいは「左側の山は何ですか?」のような検索指示があった時には、前記検索ジャンル判別部123において「・・・何ですか?」の信号の存在により名称検索と判別し、名称検索部147において、施設・地名メモリ122のデータを検索し、「霞ヶ関ビルです。」あるいは「筑波山です。」等のように音声で出力し、必要に応じてこの検索結果を画面に表示する。
【0031】
前記施設検索においては、「レストラン」「コンビニエンスストア」「ガソリンスタンド」のように具体的なジャンルが指示されるのに対して、名称検索においては、例えば「左側のレストランは何ですか?」というように施設検索と同様の検索指示がある一方で、前記のように「左側の建物は何ですか?」、あるいは「左側の店は何ですか?」のような、具体的ジャンルの指定が無い検索が多くなる。即ち、利用者が視認して判別できる範囲のジャンルが指示されることとなる。更に、前記のように「左側の山は何ですか?」あるいは「左側の街は何ですか?」のように、施設検索ではほとんど生じない検索指示が行われることが多くなる。これらの検索の特性に合わせて適切な検索を行うため、上記実施例では施設検索部146と名称検索部147とを分けて対応している。
【0032】
上記のように、方向に関する検索要素が含まれ、音声により施設検索や名称検索を指示し、それに対して音声で応える対話型のナビゲーション装置は、図2に示す作動フローのように行われる。以下、この作動フローを図1に示す前記ナビゲーション制御装置100の構成と共に説明する。
【0033】
音声認識部121から、例えば「左側にコンビニがありますか」「左側の建物は何ですか?」のような検索音声が入力したときには(ステップS1)、検索ジャンル判別部123がその音声信号の中から「コンビニ」「建物」等の検索ジャンルを判別する(ステップS2)。次いで検索方向判別部125では、その検索音声の中に方向に関する指示があるか否かを判別する(ステップS3)。その結果「左側」「右側」「前方」「後方」のような方向に関する指示がある場合には、いずれの方向であるかを判別する(ステップS4)。方向指示を含む検索指示としては、例えば図3に示すように前記のような方向の他、「左前方」「左後方」「右前方」「右後方」のように「左・右」と「前・後」が組み合わさった方向の指示が考えられ、また、トンネル内の走行中に「このトンネルは何ですか?」と質問するように、現在位置する部分を指す「この」の検索指示も考えられ、前記検索方向判別部125ではこれらの方向を判別する。
【0034】
次いで検索範囲設定部124において、検索すべき範囲を設定する(ステップS5)。この検索範囲設定に際して、例えば誘導経路に沿って走行しているとき「前方にコンビニはありますか?」の質問に対しては誘導経路に沿って目的地までの道路に面しているもの、あるいはその道路から数十メートル程度内にあるもの等の範囲を設定する。一方、誘導経路に沿って走行していないときには、現在走行している地点を中心として例えば3kmの範囲で前方に位置し、更に現在走行している道路については例えば5km前方の道路沿いの範囲も含める等、任意の範囲に予め設定しておく。また、例えば「左側の建物は何ですか?」の質問に対しては、現在地点を中心として例えば500mの範囲で左側に位置するランドマーク的な建物、あるいは比較的高い建物を検索する。それに対して、例えば「左側の山は何ですか?」のような質問に対しては、「山」という特殊なジャンルを考慮して、現在地点を中心として10kmの範囲で左側に位置する比較的高い山を検索する等、検索するジャンルに応じて予め適宜の値に設定しておく。そのため、図1に示すナビゲーション制御装置100においては検索範囲設定部124では、検索ジャンル判別部123からの判別結果を入力し、その結果に応じた検索範囲を設定している。
【0035】
上記のような検索条件が判別され、設定されると、検索部126はその条件に従って施設・地名メモリ122内の各種情報データから条件に適合するものを検索する(ステップS6)。この検索に際しては、前記のように、「前方にコンビニはありますか?」のような、施設が存在するか否かの施設検索か、「左側の建物は何ですか?」のような視認されるものの名称を検索する名称検索かにより、検索方式を変えることができる。特に、前記のような名称検索時には、例えば図3に示す検索指示例におけるジャンルの指示に際して、「建物」「店」等の上位概念的なジャンルが設定される可能性が高いので、例えば「建物」のジャンル中に、ビル、マンション等の下位のジャンルを分類しておき、上記のジャンルの検索が指示されたときには、それに含まれる下位のジャンルを全て検索するように設定しておくことができる。
【0036】
上記検索の結果、複数の候補が存在するときは、最も適切と判断されるものから順に候補順位を付ける(ステップS8)。この順位を付けるに際して、例えば前記「前方にコンビニはありますか?」のような質問に対しては、誘導経路に沿って走行しているときには現在位置から近い順に順位を付け、例えば「100m先にセブンイレブンがあります。300m先にはローソンがあります。」というような検索結果の音声出力を行う(ステップS9)。
【0037】
また、例えば車両が図4の地点Pにあるとき、「左側の建物は何ですか?」の質問があったとすると、この「左側」の方向指示は正確な左側を意味する場合と、そのほか左前方、左後方も含む場合とがある。したがって、ナビゲーション装置では、車両位置の点Pを中心に車両の進行方向、即ち前後方向をY軸、それと直角方向、即ち左右方向をX軸に設定し、X軸における左側の自車位置に近接した位置に霞ヶ関ビルが存在し、またX軸の左側でY軸の前方、即ち左前方にJTビルがあるので、「霞ヶ関ビルか、あるいはJTビルです。」のように順に案内を行う。また、「左前方の建物は何ですか?」の質問に対しては、直接「JTビルです。」と案内する。なお、図4中において、「右前方の建物は何ですか?」の質問に対しては「特許庁です。」と案内することとなる。
【0038】
上記作動フローにおいて、検索実行(ステップS6)の結果、複数の候補は存在せず、1つしか存在しない場合(ステップS7)は、そのまま検索結果の音声出力を行う(ステップS9)。また、ステップS3の方向に関する指示はあるか否かの判別において、方向に関する指示がないときにはステップS5に飛び検索範囲を広範囲に設定する。また、ステップ1において検索音声の入力がないときには、入力まで待つこととなる。
【0039】
【発明の効果】
本願の請求項1に係る発明は、利用者が音声で情報検索を行う際の、特に方向を意味する音声を認識し、指示されたジャンルで、指示された範囲における、指示された方向に存在する情報データを検索し、その名称等を音声で案内することができ、利用者が疑問に感じた種々の情報を音声で表示することにより、利用し易い対話型のナビゲーション装置とすることができる。
また、前記検索方向判別部では、特に利用者の感覚に直接結びつく左右の方向を示す検索指示信号を判別することができ、その方向の情報データの検索を行うことができるので、より利用し易い対話型のナビゲーション装置とすることができる。
また、前記検索部では、特に自車位置を中心とした左右方向に存在する情報データを検索するので、利用者の現在生じている周囲の状況に対する疑問に答えることができ、より利用し易い対話型のナビゲーション装置とすることができる。
また、前記検索部には施設の情報データを検索する施設検索部と、視認されるものの名称を検索する名称検索部とを備えるので、細かなジャンルの検索を主として行う施設検索部と、視認によって判別できる程度のジャンルである、「建物」「店」等の検索ジャンルに応じて検索を行うことができるようにした名称検索部とを分けて設けているので、それぞれの特性に応じた最適な検索手法を講じることができるため、より正確な検索を行うことができるナビゲーション装置とすることができる。
【0043】
本願の請求項2に係る発明は、前記検索範囲設定部では、検索ジャンルに応じて検索範囲を設定するので、自動的に適切な範囲の検索を行うことができ、正確で且つ利便性の高いナビゲーション装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するナビゲーション制御装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明の作動フロー図である。
【図3】本発明において音声により検索指示を行う例を示す図である。
【図4】本発明において車両を中心とした周辺の建物の名称を検索する際の説明図である。
【符号の説明】
119 情報検索部
120 マイク
121 音声認識部
122 施設・地名メモリ
124 検索範囲設定部
125 検索方向判別部
126 検索部
127 候補順位決定部
146 施設検索部
147 名称検索部
160 音声化部
161 音声出力部
162 スピーカ
Claims (2)
- 音声を入力し各種指示信号を出力する音声認識手段と、音声認識手段から入力した検索指示信号により情報記録媒体からの情報データを検索する情報検索手段と、検索結果を音声で出力する音声出力手段を備えたナビゲーション装置において、
前記情報検索手段には入力した検索指示信号から検索ジャンルを示す信号を判別する検索ジャンル判別部と、
検索方向を示す検索指示信号を判別する検索方向判別部と、
検索範囲を設定する検索範囲設定部と、
前記判別された検索ジャンルと検索方向及び検索範囲にしたがって前記情報データを検索する検索部とを備え、
前記検索方向判別部では、左右の方向を示す検索指示信号を判別し、前記検索部では自車位置を中心とした左右方向に存在する情報データを検索するとともに、
前記検索部には施設の存在を検索する施設検索部と、視認されるものの名称を検索する名称検索部を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。 - 前記検索範囲設定部では、検索ジャンルに応じて検索範囲を設定する請求項1記載のナビゲーション装置。
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