JP3881439B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、階調特性に偏りがある表示手段に画像を表示させるための画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、刊行物の発行手法の1つとして、いわゆる電子出版が提案されている。前記電子出版によって出版される電子的な刊行物は、文章を表す文章データと、挿絵等の画像を表す画像データとから構成され、記憶媒体に記憶されている。読者は、記憶媒体の読出し装置と表示装置とを備えた装置を予め準備し、読出し装置に前記記憶媒体を装着する。前記記憶媒体内の前記画像データおよび前記文章データは、前記読出し装置によって読出されて前記表示装置に与えられる。前記画像データが表す画像は、前記表示装置の表示画面に表示される。前記文章データは、まず前記表示装置内に予め備えられる文字フォントを用いて画像データに変換され、変換後の画像データが表す画像が表示装置の表示画面に表示される。
【0003】
前記表示装置として、たとえば、液晶表示装置および陰極線管が挙げられる。前記表示装置の表示画面は、複数の表示画素が行列状に配置されて構成される。前記画像は、複数の画素が行列状に配置されて構成される。画像データは、画像を構成する各画素の輝度を表す画素データから構成される。前記表示装置は、各表示画素を各画素データに応じた輝度で発光させる。これによって、表示画面に、画像データが表す画像が表示される。
【0004】
現在、電子的な刊行物は、既に出版された本、すなわちコンテンツをデータ化したものが多い。ゆえに、前記電子的な刊行物を作成する場合、前記コンテンツを用いて前記文章データおよび前記画像データを作成することが多い。前記コンテンツを用いて前記電子的な刊行物を作成するには、まず、前記コンテンツの各頁が、文章が印刷された部分と絵が印刷された部分とに分けられる。次いで、前記絵が印刷された部分がスキャナで読取られて、前記画像データが生成される。続いて、前記文章が印刷された部分がスキャナで読取られて画像データが生成され、該画像データに文字認識処理が施されて前記文章データが作成される。
【0005】
上述の手順で前記文章データを作成する場合、前記文章データが表す文章に、文字認識処理の認識誤り等に起因する誤字脱字が生じることがある。ゆえに、前記コンテンツを作成する段階で文章の校正が済んでいるにも拘わらず、前記文章データを作成する段階で前記文章データが表す文章をもう一度校正する必要がある。したがって、文章の校正を二重に行うことになるので、前記文章データの生成に手間がかかり、前記文章データの生成コストも増加する。
【0006】
また、前記文章データはたとえばいわゆるテキスト形式のデータなので、文章を構成する各文字は、前記文章データ内で、文字コードによって表される。ゆえに、前記文章データが表す文章を前記表示装置に表示する場合、前記文章の各文字は、前記表示装置が有するフォントを用いて表示される。このため、前記表示装置に前記文字を表示する場合に用いるフォントと、前記コンテンツの各頁に文字を印刷する場合に用いるフォントとが、異なることがある。これによって、前記表示装置に表示される文章と前記コンテンツの各頁に印刷された文章との見た目の印象が異なり、読者に違和感を感じさせることがある。
【0007】
そこで、校正の手間を省き、かつ前記コンテンツの各頁に印刷された文章の見た目の印象をそのまま保つために、前記コンテンツの各頁を、文章と絵との区別を付けずにそれぞれ1枚の絵と見なすことが考えられる。この場合、電子的な刊行物は、前記コンテンツの各頁全体をそれぞれ表す画像データによって構成され、前記各画像データは前記コンテンツの各頁をスキャナで読取って生成される。この際、以下の3つの問題が生じる。
【0008】
第1の問題は、前記コンテンツの各頁をスキャナで読取って前記画像データを生成する場合、前記画像データが表す画像のコントラストが、前記画像データの規格上最大のコントラストであるとは限らないことである。これは、前記コンテンツの各頁の地の色が真白であるとは限らず、かつ、インクの色が真黒であるとは限らないために生じる。また、スキャナの特性にも起因する。コントラストの低い画像を前記表示装置に表示した場合、文字が読辛くなることがある。前記表示装置自身のコントラストが低い場合、前記画像データの規格上最大のコントラストの画像と比較して、表示画面に表示された画像内の文字の視認性は低下しやすい。前記コントラストの低い画像とは、たとえば、図23(A)に示すように、画像内の地の部分の画素の色が真白以外の色、たとえばクリーム色であり、画像内の文字を構成する画素の色が真黒以外の色、たとえば焦茶色である画像である。前記最大のコントラストの画像とは、たとえば、図23(B)に示すように、画像内の背景を構成する部分の画素の色が真白であり、画像内の文字を構成する画素の色が真黒である画像である。
【0009】
特開昭63−39280号公報は、画像の階調がいわゆる中間調、すなわち灰色に集中している場合、すなわち画像のコントラストが低い場合に、ガンマ補正処理を用いて画像のコントラストを高くするための画像処理装置を提案している。本公報の画像処理装置は、複数の画像の階調分布に個別に対応するガンマ変換テーブルをRAMに予め記憶している。前記画像処理装置は、処理対象の画像が与えられると、まず前記画像の階調分布を検出し、検出した階調分布に応じたいずれか1つの前記ガンマ変換テーブルをRAMから読出す。読出したガンマ変換テーブルを用いて、前記画像にガンマ補正が施される。本公報の画像処理装置では、前記ガンマ変換テーブルは、予め本公報の画像処理装置で処理するべき画像の階調分布を予想し、予想した階調分布に応じて作成されている。ゆえに、予想されていない階調分布の画像を処理する場合には、該画像の階調分布に対応したガンマ変換テーブルがないので、画像のコントラストを高くすることが困難になる。
【0010】
第2の問題は、画像データの解像度と表示装置の解像度とが一致しないことに起因して、前記表示装置の表示画面に表示される画像の視認性が低下することである。この第2の問題を、以下に説明する。一般的に表示装置の表示画面は、図24に示すように、複数の表示画素が行列状に配置されて構成され、表示画素の数によって解像度が異なる。図24(A)は、前記表示画面1全体を示す模式図であり、図24(B)は、前記表示画面1の一部分2を拡大して示す模式図である。以後、図面では、画素および表示画素を正方形によってそれぞれ表し、画素および表示画素の輝度を正方形内の斜線の本数で表す。画素および表示画素の輝度が大きいほど、斜線の本数が少ない。
【0011】
一般的に、前記表示装置の解像度は前記スキャナの解像度よりも低く、前記スキャナの解像度は、前記コンテンツの印刷の解像度よりも低い。ゆえに、前記コンテンツには、表示画素の大きさよりも小さい点や線から構成される小さな文字が印刷されている。前記表示画面には、前記小さな文字は、基本的には表示できないが、いわゆる白黒の中間調を用いた場合は、疑似的に表示することができる。白黒の中間調を用いて前記小さい文字を表示するには、各表示画素の輝度を、前記コンテンツ内の各表示画素に相当する部分内の地の部分と該部分内にある文字の一部分との輝度の平均値にする。
【0012】
白黒の中間調を用いて前記小さな文字を表す場合、前記表示画面を見る者は、表示画素を意識せずに前記小さな文字が滑らかに表示されていると感じるが、前記小さい点や線がぼけた印象も受ける。これは、以下の理由からである。図25(A)に示すように、前記コンテンツ3内に描かれる文字4を構成する線分の幅や前記文字4を構成する点の大きさが表示画素5以下である場合、前記線分や点の少なくとも一部分が含まれる複数の表示画素5の各輝度は、各表示画素5の面積と前記少なくとも一部分との比率によって定められる。すなわちこの場合、前記少なくとも一部分の輝度が表示画素5全体に分散する。ゆえに、表示画素5の輝度は、図25(B)に示すように、前記少なくとも一部分の輝度よりも低くなる。したがって、前記小さな文字はぼけた印象を受けるのである。
【0013】
上述の理由によってぼけた印象をうける画像は、いわゆるラプラシアンを用いた鮮鋭化処理を施すことによって、ぼけが除かれた見易い画像に変換することができる。鮮鋭化処理に関する従来技術として、特開平5−167852号公報、および特開平7−240841号公報がある。
【0014】
特開平5−167852号公報は、前記鮮鋭化処理を画像に施す場合に、前記画像内の輝度変化が平坦な部分のざらつきを防止するための画像鮮鋭化方法を提案している。前記画像鮮鋭化方法を実行する場合、まず、処理対象の画像の各画素の輝度の2次微分の値が、各画素の鮮鋭化の評価関数として求められる。次いで、前記各画素の鮮鋭化の評価関数に応じて、各画素の鮮鋭化の度合を表す係数がそれぞれ決定される。前記係数を用いた前記鮮鋭化処理が、前記各画素に施される。
【0015】
特開平7−240841号公報は、前記鮮鋭化処理を画像に施す場合に、画像データを生成したスキャナの画像劣化特性に拘わらず、常に同じ処理結果を得るための画像鮮鋭化処理装置を提案している。前記画像鮮鋭化処理装置は、まず、前記スキャナのMTFに基づいて定められるスキャナの特性パラメータを用いて、鮮鋭化処理の鮮鋭化の度合を表す係数を算出する。次いで、前記係数を用いた前記鮮鋭化処理が、処理対象の画像に施される。
【0016】
たとえば、図26(A)に示す画像に上述の公報で説明された鮮鋭化処理を施したならば、図26(B)に示す画像になる。この場合、鮮鋭化の度合が強すぎると、前記画像の輝度分布が2値画像に近くなるので、前記白黒の中間調を用いて表示された文字の滑らかさが失われる。また、前記画像の文字以外の部分も、いわゆるエッジ部分でいわゆるジャギーが目立つようになったり、平坦な部分でざらつきが生じるので、滑らかさが失われる。ゆえに、上述の公報で説明する前記鮮鋭化処理を用いる場合、前記小さい文字を読みやすくすることは困難である。
【0017】
また、上述の公報で説明した鮮鋭化処理の他に、画像内の文字のエッジに注目し、エッジの強い部分の鮮鋭化の度合を強くする鮮鋭化処理がある。しかしながら、前記小さい文字は文字自体が潰れてエッジが強くなりにくいので、前記画像内の前記文字の部分の鮮鋭化の度合が弱くなりやすい。ゆえに、上述の鮮鋭化処理を用いる場合も、小さい文字を読みやすくすることは困難である。
【0018】
さらにまた、特開平6−308924号公報は、画像を表示装置に表示する際に、画像内の色の異なる2つの部分の境界を明瞭にするための表示装置を提案している。前記表示装置の表示画面は、行列状に配置された複数のドットから構成され、各ドットの色は、画像を表す画像データ内の複数のデータによって、それぞれ定められる。表示画面内の任意の1列または任意の1行を構成する複数のドットの色を定めるデータがドットの並びと同じ順に並べられた場合、ドットの色が等しい複数個のデータが並ぶならば、前記複数個のデータのうちの最も端にあるデータを、ドットの色を黒色に定めるデータに変換する。上述の処理を前記電子的な刊行物を構成する前記画像データに施した場合、前記小さい文字を表現する画素の色を定める画素データは、輝度の分散のために、前記小さい文字の周囲の画素の色を定める画素データとの輝度の差が少ないので、該画素データがドットの色を黒色に定めるデータに変換されることは少ない。ゆえに、前記小さい文字を読みやすくすることは困難である。
【0019】
第3の問題は、前記表示装置の階調特性の偏りに起因して、表示画面に表示される画像の視認性が低下することである。以下に具体的に説明する。前記表示装置の階調特性とは、画素データが表す輝度と表示画素の輝度との対応関係であり、具体的には、画素データが表す輝度が変化するのに伴って、前記画素データに応じて発光させた表示画素の輝度がどのように変化するかを表す。前記表示装置は、一般的に、前記階調特性が非線形であることが多い。
【0020】
前記階調特性は、たとえば図27に示すように、画素データが表す輝度を横軸に取り表示画素の輝度を縦軸に取ったグラフの階調特性曲線11によって表される。原点を通り傾きが45度の基準直線12に階調特性曲線11が近いほど、前記階調特性は良い。また、前記画素データが表す輝度の対数を横軸に取り前記表示画素の輝度の対数を縦軸に取ったグラフの曲線で前記階調特性を表す場合、前記曲線の傾きがいわゆるガンマ特性に相当する。図27の階調特性曲線11は、前記表示装置に表示される図28の画像の仮想線分13上の複数の表示画素の輝度と該画素の輝度をそれぞれ定める複数の画素データとをプロットしたものである。前記各画素データは、表示画素が左から右に並ぶ順序で予め定める値ずつ順次増加する。
【0021】
前記階調特性の補正のために、前記表示装置を含む画像処理装置は、前記階調特性に応じた輝度補正テーブルを備える。図29に示す輝度変換曲線14は、図27の階調特性曲線11で表される前記階調特性に応じた前記輝度補正テーブルの入力輝度と出力輝度との関係を表す。表示するべき画像に階調補正処理が施される場合、前記画像の各画素の輝度は、該各画素の輝度と等しい前記輝度補正テーブル内の入力輝度に対応する前記輝度補正テーブル内の出力輝度にそれぞれ置換えられる。図30の曲線15は、階調補正処理が施された前記画像を前記表示装置に表示する場合、該画像の輝度と前記表示装置の表示画素の輝度との関係を表す。図30のグラフに示すように、前記場合には、前記曲線15は、前記基準直線12と一致する。
【0022】
また階調特性補正のために、前記画像処理装置は、前記表示装置の階調特性に応じたガンマ補正テーブルを備える。図31のグラフの輝度変換曲線16は、図27の階調特性曲線11で表される階調特性に応じたガンマ補正テーブルの入力輝度と出力輝度との関係を表す。前記画像にガンマ補正処理が施された場合、前記画像の各画素の輝度は、該各画素の輝度と等しい前記ガンマ補正テーブル内の入力輝度に対応する前記ガンマ補正テーブル内の出力輝度にそれぞれ置換えられる。図32の曲線17は、ガンマ補正処理が施された前記画像を前記表示装置に表示する場合、該画像の輝度と前記表示装置の表示画素の輝度との関係を表す。図32のグラフに示すように、前記場合には、前記曲線17は、前記基準直線12とほぼ一致する。
【0023】
前記表示装置の階調特性に偏りがある場合、すなわち非線形である場合、前記階調特性曲線11が前記基準直線12から離れるほど、前記表示画面に表示された画像が見にくくなる。前記階調特性の偏りに応じた画像の見易さの変化は、前記画像がいわゆる濃淡画像、すなわち絵である場合はあまり気にならず、前記画像内に前記小さい文字が描かれる場合に目立つ。後者の場合、前記階調特性の偏りが大きくなるほど、前記表示画面に表示された前記画像内の前記小さい文字が記載された領域は、該領域内の黒い部分と白い部分との割合のバランスが、本来のバランスから崩れたように見える。たとえば、図33(A)に示す画像に上述した階調補正処理を施したならば、図33(B)に示す画像になる。これによって、前記領域内において、同じ太さの線を表すために同じ濃度になる筈の複数の画素が、部分的に薄くなったり濃くなったりする。ゆえに、前記領域内の文字は、ムラがあるので見辛くなる。特に前記表示装置が液晶表示装置である場合、一般的に白色の小さな領域がつぶれる傾向にあり、前記画像を表示した際、前記小さい文字はかすれて表示されることが多い。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、前記画像処理装置には、上述の3つの問題がある。また、前記各公報で提案される従来技術を、前記画像処理装置に適用した場合でも、第1および第2の問題点を解決することは困難である。また、第3の問題を解決するために前記階調特性の偏りを利用者が自由に調整できる表示装置はほとんどないので、第3の問題を解決することはさらに困難である。
【0025】
本発明の目的は、前記階調特性の偏り、前記画像のコントラスト、および前記画像の解像度に起因する画像の視認性の低下を防止することができる画像処理装置を提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は、予め定める階調特性を有する表示手段と、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像内から文字が描かれた文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、
前記画像内の前記文字領域以外の残余領域に予め定める度合の鮮鋭化をそれぞれ施し、前記文字領域に、前記残余領域に施した鮮鋭化の度合よりも強い度合の鮮鋭化をそれぞれ施す鮮鋭化手段と、
前記表示手段が有する前記階調特性に基づいて、鮮鋭化が施された前記文字および前記残余領域をそれぞれ構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段とを含み、
前記文字領域抽出手段は、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、
各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出し、
前記表示手段は、前記輝度補正手段によって各画素の輝度が補正された画像を表示することを特徴とする画像処理装置である。
【0029】
本発明に従えば、前記画像処理装置内では、前記鮮鋭化手段は、前記文字領域に施す鮮鋭化の度合を、前記残余領域に施す鮮鋭化の度合よりも強くする。これによって、前記文字領域内に描かれた文字のエッジ部分のぼけが改善されるので、前記画像が前記表示手段に表示された場合に前記文字が読み易くなる。前記エッジ部分のぼけは、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度との差に起因する。かつ、前記残余領域内に描かれる絵に含まれるノイズが前記鮮鋭化処理によって強調されることを防止して、前記絵を滑らかなものにすることができる。同時に、前記画像が前記表示手段に表示された場合、前記表示手段の階調特性の偏りに拘わらず、前記画像内に描かれる前記文字が見易くなる。したがって、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度との差および前記表示手段の階調特性の両方に起因する前記画像の視認性の低下を、防止することができる。また、前記画像の再現性を向上させることができる。
【0035】
本発明に従えば、前記文字領域抽出手段は、上述の手順で前記画像から前記文字領域を抽出する。これによって、前記画像内に、複数の文字が直線状に並んでいる場合、前記各文字にそれぞれ外接する外接矩形を、文字領域として容易に抽出することができる。前記複数の文字が直線状に並ぶのは、たとえば、前記画像内に文章が描かれる場合である。これらのことから、前記画像内に文章が描かれる場合、前記文字以外の連結部分に外接する外接矩形が求められても、該外接矩形を文字領域として抽出することを防止することができる。前記文字以外の連結部分とは、たとえば、画像内に描かれる絵の一部分である。
【0036】
また本発明は、予め定められた階調特性を有する表示手段を備えたデータ閲覧装置と、入力画像を処理して前記表示手段に表示させるための画像データを作成するデータ作成装置とを備える画像処理装置であって、
前記データ作成装置は、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像のコントラストを推定するコントラスト推定手段と、
推定された前記コントラストに基づいて前記画像のコントラストを増大させ、かつ、前記表示手段の階調特性に基づいて前記画像を構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段と、
前記輝度が補正された画像データを記録媒体に書き込む記録媒体書き込み手段と、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、
各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出する文字領域抽出手段とを備え、
前記データ閲覧装置は、
前記記録媒体から画像データを読み取る記録媒体読み取り手段を備え、
読み取った前記画像データに基づいて画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像処理装置である。
また本発明は、入力画像を処理して予め定められた階調特性を有する表示手段に画像を表示させるための画像データを作成する画像データ作成装置であって、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像のコントラストを推定するコントラスト推定手段と、
推定された前記コントラストに基づいて前記画像のコントラストを増大させ、かつ、前記表示手段の階調特性に基づいて前記画像を構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段と、
前記輝度が補正された画像データを記録媒体に書き込む記録媒体書き込み手段と、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出する文字領域抽出手段とを備えることを特徴とする画像データ作成装置である。
また本発明は、予め定められた階調特性を有する表示手段を備えたデータ閲覧装置と、入力画像を処理して前記表示手段に表示させるための画像データを作成するデータ作成装置とを備える画像処理装置であって、
前記データ作成装置は、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像内から文字が描かれた文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、
前記画像内の前記文字領域以外の残余領域に予め定める度合の鮮鋭化をそれぞれ施し、前記文字領域に、前記残余領域に施した鮮鋭化の度合よりも強い度合の鮮鋭化をそれぞれ施す鮮鋭化手段と、
前記表示手段が有する前記階調特性に基づいて、鮮鋭化が施された前記文字および前記残余領域をそれぞれ構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段と、
前記輝度が補正された画像データを記録媒体に書き込む記録媒体書き込み手段とを備え、
前記文字領域抽出手段は、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、
各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出し、
前記データ閲覧装置は、
前記記録媒体から画像データを読み取る記録媒体読み取り手段を備え、
読み取った前記画像データに基づいて画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像処理装置である。
また本発明は、入力画像を処理して予め定められた階調特性を有する表示手段に画像を表示させるための画像データを作成する画像データ作成装置であって、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像内から文字が描かれた文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、
前記画像内の前記文字領域以外の残余領域に予め定める度合の鮮鋭化をそれぞれ施し、前記文字領域に、前記残余領域に施した鮮鋭化の度合よりも強い度合の鮮鋭化をそれぞれ施す鮮鋭化手段と、
前記表示手段が有する前記階調特性に基づいて、鮮鋭化が施された前記文字および前記残余領域をそれぞれ構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段と、
前記輝度が補正された画像データを記録媒体に書き込む記録媒体書き込み手段とを備え、
前記文字領域抽出手段は、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、
各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出することを特徴とする画像データ作成装置である。
【0037】
本発明に従えば、前記鮮鋭化手段による鮮鋭化処理、前記輝度補正手段による輝度補正処理、または前記コントラスト補正手段による前記画像のコントラストを、該画像の元のコントラストよりも向上させる処理を行う。したがって、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度との差もしくは前記表示手段の階調特性に起因する前記画像の視認性の低下を防止し、または前記画像のコントラストに起因する前記画像の視認性の低下を防止することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1参考例である画像処理装置31に含まれるデータ処理装置34の電気的構成を表すブロック図である。図2は、前記画像処理装置31の概略的な電気的な電気的構成を表すブロック図である。図1および図2を併せて説明する。
【0047】
画像処理装置31は、画像入力装置33と、データ処理装置34と、表示装置35とを含む。データ処理装置34は、データ記憶部37と、コントラスト推定部38と、輝度補正部39と、操作部40とを含む。コントラスト推定部38は、ヒストグラム作成部41と、コントラスト検出部42とを含む。輝度補正部39は、階調特性補正用ルックアップテーブル記憶手段44と、輝度補正用ルックアップテーブルテーブル作成手段45と、画像輝度変換部46とを含む。以後、ルックアップテーブルを、「LUT」(Look Up Table)と略称することがある。
【0048】
画像入力装置33は、処理対象の画像を表すデジタル信号である画像データを、データ処理装置34に与える。前記画像は、いわゆる多値画像であり、複数の画素が行列状に配置されて構成される。前記画像データは、前記画像を構成する各画素の輝度を表す画素データが、画素の配列に応じた順序で並べられて構成される。各画素データは、具体的には、予め定める画素輝度範囲内のいずれか1つの輝度値に相当する。前記画素輝度範囲は、画像データの規格上、各画素データが取り得る輝度値の範囲である。輝度値とは、輝度を定量的に表す数値である。画像入力装置33からデータ処理装置34に与えられた画像データを、以後、入力画像データ51と称する。また、入力画像データ51が表す画像を、入力画像と称する。
【0049】
データ処理装置34は、入力画像データ51に、入力画像のコントラストおよび表示装置35の階調特性に基づいた画像補正処理を施す。画像補正処理が施された入力画像データ51を、以後、出力画像データ52と称する。出力画像データ52は、表示装置35に与えられる。表示装置35は、出力画像データ52に基づいて、表示画面に画像を表示する。前記表示画面は、複数の表示画素が行列状に配置されて構成される。複数の表示画素の輝度は、出力画像データを構成する複数の画素データと、表示装置35の階調特性とに基づいて定められる。表示装置35の階調特性は、表示装置35の構成に基づいて一義的に定まる。出力画像データが表す画像は、入力画像と比較して、各画素の輝度の実際の数値だけが異なり、他は等しい。入力画像の解像度と表示画面の解像度とは等しい。すなわち、入力画像の各画素は、出力画像の各画素と、1対1で対応し、出力画像データが表す画像の各画素は、表示画面の各表示画素と、1対1で対応する。
【0050】
コントラスト推定部37は、入力画像のコントラストを推定する。このために、まずヒストグラム作成部41が、入力画像の各画素の輝度に関する輝度ヒストグラムを作成する。次いで、コントラスト検出部42が、前記輝度ヒストグラムに基づいて、入力画像のコントラストを検出する。
【0051】
輝度補正部38は、入力画像のコントラストと表示装置35の階調特性とに基づいて、入力画像を構成する各画素の輝度をそれぞれ補正する。輝度補正部38の基本的な構成は、以下の通りである。階調補正用LUT記憶部44は、予め定める階調補正用ルックアップテーブルRLUT を記憶する。階調補正用ルックアップテーブルRLUT は、表示装置用階調補正処理のために、前記表示装置用階調補正処理の処理対象の画像を構成する各画素の輝度を変換する場合に、用いられる。表示装置用階調補正処理は、表示装置35単体の階調特性を線形にするための処理である。階調特性とは、画素データが表す輝度と表示画素の輝度との対応関係であり、具体的には、画素データが表す輝度が変化するのに伴って、前記画素データに応じて発光させた表示画素の輝度がどのように変化するかを表す。すなわち表示装置35の階調特性は、表示装置35の入出力特性に相当する。
【0052】
階調補正用ルックアップテーブルRLUT は、表示装置用階調補正処理の処理前の輝度値i(i=0,1,2,…,Vmax )と表示装置用階調補正処理の処理後の輝度値RLUT〔i〕との対応関係を表す。前記対応関係は、表示装置35の階調特性に応じて一義的に定められる。たとえば、表示装置35の階調特性が、前述した図27の階調特性曲線11で表されるものである場合、階調補正用ルックアップテーブルRLUT の前記対応関係は、図29の輝度変換曲線14で表される。表示装置35の階調特性曲線11は、前記基準直線12を対称軸として、図29の輝度変換曲線14と線対称である。
【0053】
輝度補正LUT作成部45は、コントラスト検出部42で検出された入力画像のコントラストと階調補正用LUT記憶部44に記憶されている階調補正用ルックアップテーブルとに基づいて、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を作成する。輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT は、入力画像のコントラストを向上させ、同時に、画像処理装置31全体の階調特性を線形にするために用いられる。画像処理装置31の全体の階調特性は、入力画像データ51の各画素データの輝度値と、該各画素データに対応する表示画素の輝度との対応関係を表す。すなわち画像処理装置31全体の階調特性は、画像処理装置31の入出力特性に相当する。画像輝度変換部46は、入力画像データの各画素データに、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT に基づいた輝度変換処理をそれぞれ施す。前記輝度変換処理が施された画素データの集合が、出力画像データ52である。
【0054】
データ記憶部39は、コントラスト推定部41およびコントラスト検出部42がそれぞれ上述の処理を行う際に、処理に用いる各種のデータを一時的に記憶する。このために、データ記憶部39内には、前記各種のデータをそれぞれ記憶するための複数の記憶領域が設定されている。前記各記憶領域のアドレスは、予め定められているものとする。データ記憶部39は、たとえばランダムアクセスメモリによって実現される。操作部40は、たとえば キーボードや複数のボタンによって構成され、画像処理装置31の操作者がデータ処理装置34を操作する際に用いられる。
【0055】
ヒストグラム作成部41、コントラスト検出部42、輝度補正用LUT作成部45、および画像輝度変換部46は、それぞれ個別の回路によって実現される。また、前記部41,42,45,46のうちの少なくとも2つの部は、単一の中央演算処理回路の演算処理によって実現される仮想回路とされてもよい。
【0056】
入力画像データ51は、画像入力装置33自身によって生成されてもよく、画像処理装置31とは別の装置によって生成されて画像入力装置33に与えられても良い。画像入力装置33自身が入力画像データ51を生成する場合、画像入力装置33は、たとえば、光学的読取り装置またはデジタルカメラで実現される。光学的読取り装置としては、たとえばスキャナが挙げられる。また、前記別の装置が入力画像データ51を生成する場合、画像入力装置33は、たとえば、記憶媒体の読取り装置、または前記別の装置とデータ処理装置34とを画像データが授受可能に接続する接続装置で実現される。本実施形態では、画像入力装置33はスキャナで実現され、紙面にいわゆる2値画像が印刷されて構成された原稿を読取って、入力画像データを生成すると仮定する。また、以後の説明では、入力画像の階調はモノクロの3段階以上の階調、いわゆるハーフトーンであると仮定する。
【0057】
上述のように仮定した条件では、前記スキャナは、表示画面の解像度よりも高い解像度で原稿を光学的に読取って画像データを生成し、生成した画像データを表示画面の解像度に併せて縮小して、入力画像データ51を作成することが好ましい。これは、以下の理由からである。紙面に画像を印刷して原稿を作成する印刷装置の解像度は前記スキャナよりも大きく、前記スキャナの解像度は表示画面の解像度よりも大きい。ゆえに、入力画像内の1つの画素に対応する原稿内の部分には、複数の印刷ドットが印刷されている。したがって、前記1つの画素の輝度に前記部分内の輝度分布を正確に反映させるために、上述するように入力画像データ51を作成することが好ましいのである。
【0058】
前記原稿の地の色は、クリーム色や薄い黄土色など、真白に近いが完全な真白ではない色であると仮定し、また前記原稿の印刷ドットの色は、焦茶など、真黒に近いが完全な真黒ではない色であると仮定する。真白とは、画素データが前記画素輝度範囲の上限値Vmax である画素の色であり、真黒とは、画素データが前記画素輝度範囲の下限値Vmin 、すなわち0である画素の色である。また、画素データが前記画素輝度範囲内の最小値よりも大きく最大値未満の輝度値である画素の色は灰色であり、前記輝度値が大きくなるほど白に近くなる。前記地の色はたとえば原稿の紙質に応じて定まり、かつ、前記印刷ドットの色は原稿の印刷に用いられた印刷インキの色と等しい。すなわち、入力画像の地の色および入力画像の文字の色は、原稿の紙質および印刷インキの色の影響を受けている。
【0059】
図3は、画像処理装置31が実行する前記画像補正処理を説明するためのフローチャートである。図3のフローチャートを用いて、前記画像補正処理を説明する。たとえば、画像処理装置31の操作者が、操作部40から画像補正処理の実行を指示すると、ステップa1からステップa2に進む。
【0060】
まず、画像入力装置33が、ステップa2で、入力画像データ51を、データ記憶部39の予め定める第1の記憶領域に記憶させる。入力画像データ51は、画像補正処理が始まってから作成してもよく、また画像補正処理を開始する前に予め作成しておいてもよい。
【0061】
次いでステップa3で、ステップa3以後の画像補正処理に、データ記憶部39の予め定める第2の記憶領域に既に記憶されている輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を用いるか否かが判定される。輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を新たに作成する場合、ステップa3からステップa4に進む。前記記憶領域に既に記憶されている輝度補正ルックアップテーブルCaLUT を用いる場合、ステップa3からステップa16に進む。ステップa3の判定の詳細については後述する。ステップa4〜a15の処理は、輝度補正ルックアップテーブルCaLUT を作成するテーブル作成処理である。
【0062】
テーブル作成処理が行われる場合、まずヒストグラム作成部41が、ステップa4で、データ記憶部39の前記第1の記憶領域から入力画像データ51を読出し、読出した入力画像データ51の各画素データを順次調べて、輝度ヒストグラムを作成する。輝度ヒストグラムは、データ記憶部39の予め定める第3の記憶領域に記憶される。輝度ヒストグラムは、入力画像データにおける前記画素輝度範囲内の各輝度値の出現分布を表す。
【0063】
図4および図5は入力画像データがいわゆる文書画像を表す場合の輝度ヒストグラムである。横軸は輝度値iであり、縦軸は輝度値の出現頻度H〔i〕である。iは、下限値Vmin 以上上限値Vmax 以下の正の整数である。任意の輝度値iの出現頻度H〔i〕は、該輝度値iに相当する画素データの数、すなわち入力画像内の該輝度値に相当する色の画素の数に相当する。入力画像データ51が、スキャナが前述の原稿を読込んで作成したものである場合、輝度値の出現分布を表す曲線61には、2つの極大点PH,PLが現れる。
【0064】
2つの極大点PH,PLのうちで、輝度が高いほうの極大点に対応する輝度値は、入力画像の地の色または前記地の色に極めて近い色に相当する。また、2つの極大点のうちで輝度が低いほうの極大点に対応する輝度値は、入力画像内の線および点の色または前記線および点の色に極めて近い色に相当する。前記線および点の色は、原稿の印刷ドットの色とほぼ等しい。本実施形態では、原稿の印刷ドットの色は真黒に近いと仮定しているので、前記線および点の色に相当する輝度値は、前記下限値Vmin 以上で前記画素輝度範囲の中心の輝度値Vcenter未満の低域部分W1内にあると予想される。また、入力画像の地の色は真白に近いと仮定しているので、前記地の色に相当する輝度値は、前記中心の輝度値Vcenter以上で上限値Vmax 以下の高域範囲W2内にあると予想される。ゆえに、本実施形態では、入力画像のコントラストを、入力画像の地の色に相当する上限輝度値Hvと、入力画像に描かれる線および点の色に相当する下限輝度値Lvとの組合わせによって定義し、〔Hv,Lv〕と記載する。
【0065】
再び図3を参照する。ステップa5〜ステップa13は、入力画像のコントラストを検出するコントラスト検出処理であり、コントラスト検出部42で実行される。まず、ステップa5で、コントラスト検出部42は、前記輝度ヒストグラムをデータ記憶部39の前記第3記憶領域から読出す。次いでコントラスト検出部42は、入力画像の地の色または該地の色に近い色に相当する輝度値を求める。前記輝度値は、すなわち、前記輝度ヒストグラムの2つの極大値PH,PLにそれぞれ対応する輝度値のうちで大きいほうの輝度値Hmax である。具体的には、前記画素輝度範囲の高域範囲W2内の全ての輝度値のうちで出現頻度が最大の輝度値Hmax を求める。
【0066】
続いてコントラスト検出部42は、ステップa6で、入力画像内の線および点の色または該線および点の色に近い色に相当する輝度値を求める。前記輝度値は、輝度ヒストグラムの2つの極大値PH,PLにそれぞれ対応する輝度値のうちで小さいほうの輝度値Lmax である。具体的には、前記画素輝度範囲の低域範囲W1内の全ての輝度値のうちで出現頻度が最大の輝度値Lmax を求める。
【0067】
次いで、コントラスト検出部42は、ステップa7で、前記低域範囲W1内の出現頻度の最大値、すなわち前記小さいほうの輝度値Lmax の出現頻度H〔Lmax〕が、予め定める閾値Th以上であるか否かを判定する。ステップa7の判定は、曲線61に、明瞭な2つの盛上がりがあるか否かを判定するために行われる。前記低域範囲W1内の出現頻度の最大値が閾値Th以上である場合、曲線61に明瞭な2つの盛上がりがあると見なしている。2つの明瞭な盛上がりの有無に応じて、コントラストの下限輝度値Lvの推定手法が変更される。ステップa7の判定の詳細な理由は後述する。
【0068】
図4,5に示すように曲線61に2つの明瞭な盛上がりがある場合、前記小さい方の輝度値Lmax の出現頻度H〔Lmax〕は閾値Th未満である。この場合、ステップa7からステップa8に進み、下限輝度値Lvの第1の推定処理を行う。図6に示すように、曲線61に2つの明瞭な盛上がりがない場合、前記出現頻度H〔Lmax〕は閾値Th未満である。この場合、ステップa7からステップa10に進み、下限輝度値Lvの第2の推定処理を行う。
【0069】
まず、下限輝度値Lvの第1の推定処理を説明する。
コントラスト検出部42は、ステップa8で、式1に基づいて、前記2つの極大値にそれぞれ対応する輝度値Hmax,Lmaxの中間の輝度値を、分割基準輝度値Vmid として求める。続いてステップa9で、コントラスト検出部42は、式2および3に基づいて低輝度側範囲W3の輝度値の平均値Lmeanを求め、さらに、式4に基づいて低輝度側範囲W3の輝度値の標準偏差σLを求める。低輝度側範囲W3は、画素輝度範囲の下限値Vmin 以上で前記分割基準輝度値Vmid 未満の範囲である。また、式3で定義される「NL」は、入力画像データ内全ての画素データのうちで、前記低輝度範囲W3内の輝度値に相当する画素データの数である。続いてコントラスト検出部42は、低輝度側範囲W3の輝度値の平均値Lmeanと、低輝度側範囲W3の輝度値の標準偏差σLとの和を、下限輝度値Lvとして求める。以上で第1の推定処理を終了する。
【0070】
【数1】
【0071】
次いで、下限輝度値Lvの第2の推定処理を説明する。
コントラスト検出部42は、まずステップa10で、入力画像データ内の全ての画素データのうちで最小の輝度値を求め、前記最小の輝度値を下限輝度値Lvとして設定する。前記最小の輝度値は、図6に示すように、入力画像の輝度ヒストグラムにおいて出現頻度が0ではない輝度値のうちの最小の輝度値である。ゆえに、前記最小の輝度値を見付けるには、たとえば、入力画像の輝度ヒストグラムにおいて、各輝度値の画素の出現頻度が0であるか否かを輝度値の最小値Vmin から輝度値が増加する方向に順次判定して、初めて出現頻度が0ではないと判定された輝度値を前記最小の輝度値であると見なせば良い。また、前記最小の輝度値を下限輝度値Lvであると設定する代わりに、下限輝度値Lvを常に最小値Vmin 、すなわち0であると定義してもよい。次いでコントラスト検出部42は、ステップa11で、下限輝度値Lvと輝度ヒストグラムの2つの極大値PH,PLにそれぞれ対応する輝度値のうちで大きいほうの輝度値Hmax との中間の輝度を、前記分割基準輝度値Vmid として求める。以上で第2の推定処理を終了する。
Vmid = (Lv+Hmax )÷2 …(6)
【0072】
上述の第1および第2の推定処理のいずれか一方で、下限輝度値Lvが推定されると、ステップa9,a11からステップa12に進む。続いてステップa12で、コントラスト検出部42は、式7に基づいて高輝度側範囲W4の輝度値の平均値Hmeanを求め、さらに式9に基づいて高輝度側範囲W4の輝度値の標準偏差σHを求める。高輝度側範囲W4は、前記分割基準輝度値Vmid 以上で画素輝度範囲の上限値Vmax 以下の範囲である。また、式8で定義される「NH」は、入力画像データ51内の全ての画素データのうちで、前記高輝度範囲W4内の輝度値に相当する画素データの数である。さらにコントラスト検出部42は、式10に基づいて、高輝度側範囲W3の輝度値の平均値Hmeanから、高輝度側範囲W3の輝度値の標準偏差σHを減算した差を、上限輝度値Hvとして求める。
【0073】
【数2】
【0074】
以上、ステップa9またはステップa11で求められた下限輝度値Lvと、ステップa12で求められた上限輝度値Hvとによって、入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕が定義される。いわゆるコントラスト比は、下限輝度値Lvと上限輝度値Hvとの比である。コントラスト検出部42は、推定した入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕を、輝度補正LUT作成部45に与える。以上、ステップa4〜a12の処理が、コントラスト推定部37が入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕を推定するためのコントラスト推定処理である。
【0075】
コントラスト推定部37が、下限輝度値Lvおよび上限輝度値Hvを、輝度ヒストグラムの2つの極大値に対応する輝度値Lmax ,Hmax にそれぞれ一致させずに標準偏差σL,σHを考慮してそれぞれ定めたのは、以下の2つの理由からである。1つ目の理由は、入力画像データの全ての画素データに基づいて輝度ヒストグラムを作成する際の統計誤差に起因して、推定された入力画像のコントラストが実際の入力画像のコントラストからずれることを防止するためである。2つ目の理由は、入力画像の地の色はスキャナが読取った原稿の紙質に応じて真白以外の色になっていることがあるので、前記地の色を分散(σH2,σL2)を用いて真白に近付けるためである。
【0076】
続いて、輝度補正LUT作成部45は、ステップa13で、コントラスト検出部42から与えられた入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕に基づいて、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を作成する。コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT は、入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕を入力画像データのデータ規格上の最大のコントラスト〔Vmin ,Vmax 〕まで向上させるためのコントラスト補正処理に用いられる。データ規格上の最大のコントラストは、前記画素輝度範囲の下限値Vmin と前記画素輝度範囲の上限値Vmax とによって、定義される。
【0077】
表1は、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT の具体的な構成を表す。図7は、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT の輝度変換曲線71を表すグラフである。輝度変換曲線71は、処理前の輝度値j(j=0,1,2,…,Vmax )と、処理後の輝度値CLUT〔j〕(j=0,1,2,…,Vmax )との関係を表す。
【0078】
【表1】
【0079】
コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT 内の処理前の輝度値jと処理後の輝度値CLUT〔j〕との関係は、以下の通りである。処理前の輝度値jが、画素輝度範囲の下限値Vmin 以上で下限輝度値Lv以下である場合、処理後の輝度値CLUT〔j〕は、下限値Vmin である。処理前の輝度値jが、下限輝度値Lvよりも大きく上限輝度値Hv以下である場合、処理後の輝度値CLUT〔j〕は、処理前の輝度値jに比例して線形に増加する。処理前の輝度値jが、上限輝度値Hvよりも大きく画素輝度範囲の上限値Vmax 以下である場合、処理後の輝度値CLUT〔j〕は、上限値Vmax である。
【0080】
再び図3を参照する。続いて、輝度補正LUT作成部45は、ステップa14で、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT と、階調補正用ルックアップテーブルRLUT とに基づいて、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を作成する。輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT は、処理前の輝度値k(k=0,1,2,…,Vmax )と、処理後の輝度値CaLUT〔k〕(k=0,1,2,…,Vmax )とが、それぞれ1対1で対応づけられたものである。輝度補正LUT作成部45は、ステップa14で作成した輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を、ステップa15でデータ記憶部39の前記第2の記憶領域に記憶させる。具体的には、前記第2の記憶領域内には処理前の各輝度値kに個別に対応する複数の小領域が予め設定されており、各処理後の輝度値CaLUT〔k〕は、各小領域にそれぞれ記憶される。
【0081】
以下に、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT について、詳細に説明する。輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT の各処理後の輝度値CaLUT〔k〕は、式11で定義される。
CaLUT〔k〕= RLUT〔CLUT〔k〕〕
k=0,1,2,…,Vmax …(11)
【0082】
任意の処理前の輝度値kに対応する処理後の輝度値CaLUT〔k〕は、以下の手順で決定される。まず、任意の処理前の輝度値kに対応するコントラスト補正用ルックアップテーブル内の処理後の輝度値CLUT〔k〕が求められる。次いで、階調補正用ルックアップテーブルRLUT 内で、求められた処理後の輝度値CLUT〔k〕と等しい処理前の輝度値iに対応する処理後の輝度値RLUT〔CLUT〔k〕〕 が求められる。最後に、求められた処理後の輝度値RLUT〔CLUT〔k〕〕が、処理後の輝度値CaLUT〔k〕として定義されて、前記第2の記憶領域内の前記任意の処理前の輝度値kに対応する小領域に、記憶される。
【0083】
すなわち、輝度補正用LUT内の処理前の輝度値kと処理後の輝度値CaLUT〔k〕との関係は、以下の通りである。処理前の輝度値kが、画素輝度範囲の下限値Vmin 以上で下限輝度値Lv以下である場合、処理後の輝度値CaLUT〔k〕は、下限値Vmin 、すなわち0である。処理前の輝度値kが、下限輝度値Lvよりも大きく上限輝度値Hv以下である場合、処理後の輝度値CLUT〔k〕は、階調補正用ルックアップテーブルRLUTの輝度変換曲線14に応じて変化する。処理前の輝度値kが、上限輝度値Hvよりも大きく前記画素輝度範囲の上限値Vmax以下である場合、処理後の輝度値CaLUT〔k〕は、上限値Vmax である。図7の曲線72は、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT 内の処理前の輝度値kと処理後の輝度値CaLUT〔k〕との関係を表す輝度変換曲線である。輝度変換曲線72内の前記下限輝度値Lvよりも大きく前記上限輝度値Hv以下の範囲の部分の形状は、輝度変換曲線14内の下限値Vmin 以上で上限値Vmax 以下の範囲の部分をグラフの横軸に平行に縮小した形状と等しい。
【0084】
再び図3を参照する。ステップa16で、画像輝度変換部46は、入力画像データ51に、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT に基づいて、輝度変換処理を施す。具体的には、画像輝度変換部46は、まず、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUTを、データ記憶部39の前記第2の記憶領域から読出す。次いで、同じくデータ記憶部39の前記第1の記憶領域に記憶された入力画像データ51を読出す。入力画像データ51の各画素データf(x,y) を、以下の式12と輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT とに基づいてそれぞれ変換して、出力画像データ51の各画素データg(x,y) を得る。データ記憶部39内の予め定める第4の記憶領域には、出力画像データ52の各画素データをそれぞれ記憶するための複数の小領域が、予め設定されている。得られた各画素データg(x,y)は、前記各小領域にそれぞれ記憶される。f(x,y) およびg(x,y) の「(x,y)」は、各画素データに対応する画素の入力画像および出力画像内の位置座標を表し、x,yは、それぞれ任意の整数である。
g(x,y) = CaLUT〔f(x,y)〕 …(12)
【0085】
すなわち、入力画像データ51の任意の画素データf(x,y) は、以下の手順で出力画像データの画素データg(x,y) に変換される。まず、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT 内から、入力画像データ51の任意の画素データf(x,y) と等しい処理前の輝度値kが検索され、次いで、検索された処理前の輝度値kに対応する処理後の輝度値CaLUT〔f(x,y)〕 が求められる。最後に、求められた処理後の輝度値CaLUT〔f(x,y)〕 が、入力画像データ51の前記任意の画素データf(x,y) に対応する出力画像データ51の画素データg(x,y) として定められ、定められた画素データg(x,y) が、前記小領域に記憶される。入力画像データ内の全ての画素データf(x,y) に対して、上述の手順の処理をそれぞれ施すと、第4の記憶領域に、出力画像データ52を構成する全ての画素データg(x,y) が記憶される。これによって、出力画像データ52が得られる。最後に、ステップa17で、生成された出力画像データ52が表示装置35に与えられて、ステップa18で画像補正処理が終了する。
【0086】
ステップa3の判定を行う理由は、以下のとおりである。電子出版のためのいわゆるオーサリングシステムでコンテンツをデータ化する際に、コンテンツの各頁全体を1枚の絵と見なし、各頁全体をそれぞれ表す画像データから電子的な刊行物を構成することがある。本実施形態の画像処理装置31が前記オーサリングシステムとして用いられる場合、コンテンツの各頁がそれぞれスキャナによって読取られて複数の入力画像データが生成され、各入力画像データに図3の画像補正処理がそれぞれ施される。したがって、前記画像補正処理が、複数回繰返される。コンテンツの各頁は、どの頁でも、紙質および印刷インキの色は等しいことが多い。ゆえに、画像補正処理を複数回繰返す場合、1回目の画像補正処理では、ステップa3の判定を否定してステップa3〜a15で輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を作成し、2回目以後の画像補正処理では、ステップa3の判定を肯定して1頁目の入力画像データに画像補正処理を施した際に作成した輝度補正ルックアップテーブルCaLUT を用いてステップa16の処理を行えば良い。これによって、画像補正処理を複数回繰返す場合に、2回目以後の画像補正処理を簡略化して、処理に要する時間を短縮することができる。ステップa3の判定を肯定するか否かは、操作者による操作部40の操作の結果に応じて決定されてもよく、データ処理装置34自体が自動的に判定してもよい。
【0087】
また、画像補正処理を複数回繰返す場合、1回目の画像補正処理では、コンテンツの各頁のうちで文字だけが印刷された頁をスキャナで読取って作成された入力画像データを、処理対象とすることが好ましい。これは、前記画像データの輝度ヒストグラムの輝度値の出現頻度の分布を表す曲線に明瞭な盛上がりが確実に2つ含まれるので、推定される入力画像のコントラスト〔Hv,Lv〕に誤りが生じにくいためである。ゆえに、輝度補正ルックアップテーブルCaLUT が、コンテンツの各頁の紙質および印刷インキの色に、確実に適合することができる。
【0088】
また、前記場合には、1回目の画像補正処理では、予め準備したテスト用画像データを処理対象とし、2回目以後の画像補正処理では、コンテンツの各頁を読取って作成された画像データを処理対象としてもよい。テスト用画像データは、コンテンツの各頁と同じ紙質の紙に、コンテンツの各頁と同じ色の印刷インキを用いて、地の部分と印刷インキが印刷される部分との面積の比率が等しいパターンを印刷し、前記パターンが印刷された紙面を、スキャナで読取って生成される。これによっても、生成される輝度補正ルックアップテーブルCaLUT が、コンテンツの各頁の紙質および印刷インキの色に、確実に適合することができる。
【0089】
さらにまた、2回目以後の画像補正処理でも、処理対象の入力画像データと輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT が適合しなくなる場合、ステップa3の判定を否定して、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を作成しなおしてもよい。前記場合の例として、たとえば、処理対象の入力画像データの生成時に読取った頁の紙質が他の頁の紙質と異なる場合、前記読取った頁の印刷インキの色が他の頁の印刷インキの色と異なる場合、および前記読取った頁に絵が入っている場合が挙げられる。
【0090】
ステップa7の判定を行う理由は、以下の通りである。たとえば、画像処理装置31が前記電子的な刊行物の作成に用いられる場合、前記スキャナが読取る原稿に印刷された画像が、いわゆる文書画像であることがある。文書画像とは、画像内に文字だけがあるものである。この場合に、文字の数が少なかったり文字を構成する線が細かったりすると、入力画像データ51内の文字の色に相当する輝度値の画素データの数が、文字の色に相当する輝度値以外の他の輝度値の画素データの数とほぼ等しくなることがある。この場合、輝度ヒストグラムの曲線61の低域範囲W1内の部分に明瞭な盛上がりが現れないことがあり、この場合、低域範囲W1内の輝度値のうちで出現頻度が最大の輝度値が、文字の色または文字の色に類似する色に相当するとは限らない。このために、前記場合に、前記曲線61の前記小さいほうの極大値に対応する輝度値Lmax に基づいてコントラストの下限輝度値Lvを推定すると、下限輝度値Lvが実際の前記文字の色に相当する輝度値と一致しないことがある。ゆえに、下限輝度値Lvの誤りを防止するために、ステップa7の判定によって、下限輝度値Lvの推定手法を変えているのである。
【0091】
また、ステップa7の判定で前記高域範囲W2内の出現頻度の最大値が閾値Th以上か否かを判定していないのは、以下の理由からである。曲線61の高域範囲W2内の盛上がりに相当する輝度値は、入力画像の地の色、または入力画像の地の色に極めて近い色に相当すると予想される。画素データが前記盛上がりに相当する輝度値である画素は、入力画像の地の部分を構成する。入力画像内の地の部分を構成する画素の数は、入力画像内の地の部分以外の残余の部分を構成する画素の数、すなわち入力画像に描かれた線および点を構成する画素の数と比較して極めて多いと予想される。ゆえに、入力画像データ51内の前記輝度値の出現頻度は、他の輝度値の出現頻度と比較して、極めて多いと予想される。したがって、曲線61の高域範囲W2内の部分には明瞭な盛上がりが必ずあると考えられるので、盛上がりの有無を判定していないのである。
【0092】
また、図3の画像補正処理では、ステップa14,a15のLUT作成処理に代わって、式13〜15に基づいて輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を作成してもよい。
【0093】
【数3】
【0094】
任意の処理前の輝度値kに対応する処理後の輝度値CaLUT〔k〕は、以下の手順で決定される。まず、任意の処理前の輝度値kが下限輝度値Lv以上であるか否か、および上限輝度値Hv未満であるか否かが、判定される。任意の処理前の輝度値が下限輝度値Lv未満であれば、式13に基づいて、処理後の輝度値CaLUT〔k〕が0に定められる。任意の処理前の輝度値が下限輝度値Lv以上上限輝度値Hv以下であれば、式14の右辺が計算されて、処理後の輝度値CaLUT〔k〕が計算された数値に定められる。任意の処理前の輝度値が上限輝度値Hvをこえていれば、式15に基づいて、処理後の輝度値CaLUT〔k〕が上限値Vmax に定められる。最後に、定められた各処理後の輝度値CaLUT〔k〕が、前記第2の記憶領域内の前記任意の処理前の輝度値kに対応する小領域に、記憶される。これによって、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を作成することなく、階調補正用ルックアップテーブルRLUT と入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕とを用いて、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を直接作成することができる。したがって、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を作成する手間を省き、テーブル作成処理を簡略化することができる。
【0095】
また、階調補正用ルックアップテーブルは、表示装置35に応じて予め作成されて、前記階調補正用LUT記憶部44に記憶される。画像処理装置31内の表示装置35を階調特性が異なる別の表示装置に取換える場合、該記憶部44の記憶内容を前記別の表示装置の階調特性に併せて変更するだけであり、図3の画像補正処理の各ステップの処理を変更する必要はない。これによって、表示装置35を交換する場合、データ処理装置34の変更箇所が少ないので、表示装置35の交換に伴う作業を簡略化することができる。
【0096】
図3の画像補正処理では、輝度補正部38は、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を作成せずに、階調補正用ルックアップテーブルRLUT に基づく輝度変換処理と、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT に基づく輝度変換処理とを、入力画像データ51に順次施しても良い。上述するように輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT を作成する場合、画像輝度変換部46は、入力画像データ51に輝度変換処理を1回だけ施すことになるので、1回の輝度変換処理によって、コントラスト補正と階調補正とが同時に行われることになり、処理が簡略化される。また、ステップa7,a10,a11を省略して、ステップa6とステップa8とを直結し、処理を簡略化してもよい。
【0097】
上述の画像補正処理によって得られた出力画像データを表示装置35に表示する場合、表示される画像のコントラストは、データ規格上の最大のコントラスト〔Vmin ,Vmax 〕に拡大される。これによって、表示装置に表示される画像のコントラストから、前記原稿の紙質や印刷インクの色等の影響を除いて、コントラストを向上させることができる。また、出力画像データの各画素データと入力画像の各画素との対応関係によって表示装置35の階調特性が補正されるので、画像処理装置31全体の階調特性は線形になる。前記対応関係は、画像入力装置33とデータ処理装置34とから構成される系の入出力特性に相当する。すなわち、出力画像データによって、表示装置35の階調特性の偏りが吸収される。このように、入力画像データに上記画像補正処理を施すことによって、表示装置35の階調特性を補正することができる。これらのことから、第1実施形態の画像処理装置31は、入力画像のコントラストと表示装置35の表示特性とを同時に補正して、表示装置35に表示される画像の視認性を向上させることができる。
【0098】
以下に、本発明の第1実施形態である画像処理装置について説明する。第1実施形態の画像処理装置は、第1参考例の画像処理装置と比較して、データ処理装置34が図8に示すデータ処理装置81に置換えられる点が異なり、他は等しいので、同じ構成の装置、データ、およびテーブルには、同じ符号を付し、説明は省略する。
【0099】
図8は、第1実施形態の画像処理装置内のデータ処理装置81の電気的な構成を表すブロック図である。データ処理装置81は、文字領域抽出部83と、画像鮮鋭化部84と、輝度補正部85と、データ記憶部86と、操作部40とを含む。輝度補正部85は、階調補正用LUT記憶部44と、画像輝度変換部87とを含む。文字領域抽出部83は、入力画像51内から1または複数の文字領域を抽出する。文字領域とは、入力画像51内の文字がある部分である。画像鮮鋭化部84は、文字領域抽出部83の文字領域の抽出結果に基づいて、入力画像データ51にいわゆる選択的鮮鋭化処理を施す。この場合、入力画像内の文字領域に施す鮮鋭化処理は、入力画像内の文字領域以外の残余領域に施す鮮鋭化処理よりも、鮮鋭化の度合が強い。鮮鋭化が施された入力画像データ51を、鮮鋭化画像データと称する。
【0100】
輝度補正部85は、階調補正用ルックアップテーブルRLUT に基づいて、鮮鋭化画像データに輝度補正処理を施す。このために画像輝度変換部87は、鮮鋭化画像データの各画素データに、階調補正用ルックアップテーブルRLUT に基づいた輝度変換処理をそれぞれ施す。前記輝度変換処理が施された画素データの集合が、出力画像データ89である。データ記憶部86は、文字領域抽出部83、画像鮮鋭化部84、および輝度補正部85がそれぞれ上述の処理を行う際に、処理に用いる各種のデータを一時的に記憶する。このために、データ記憶部86内には、前記各種のデータをそれぞれ記憶するための複数の記憶領域が、それぞれ設定されている。前記各記憶領域のアドレスは、予め定められているものとする。データ記憶部86は、たとえばランダムアクセスメモリによって実現される。
【0101】
文字領域抽出部83、画像鮮鋭化部84、および画像輝度変換部87は、それぞれ個別の回路によって実現される。また、前記部83,84,87のうちの少なくとも2つの部は、単一の中央演算処理回路の演算処理によって実現される仮想回路とされてもよい。
【0102】
まず、鮮鋭化処理について、概略的に説明する。鮮鋭化処理は、一般的に、式16によって表現される。式16〜18は、「画像解析ハンドブック」(東京大学出版社、高木幹男下田陽久監修)の549頁に開示されている。以下の式で、「F(x,y)」は入力画像データ51を関数表現したものである。「∇2F(x,y)」はいわゆるラプラシアン画像を関数表現したものである。「G(x,y)」は鮮鋭化画像データを関数表現したものである。「h(x,y)」は、鮮鋭化の度合である。
【0103】
式17に示すように、鮮鋭化の度合h(x,y)が常に予め定める定数であるならば、式16に基づいて、入力画像全体に均一に鮮鋭化処理が施される。また式18に示すように、鮮鋭化の度合が予め定める条件に基づいて変化する値であるならば、式16に基づいて、入力画像にいわゆる選択的画像鮮鋭化処理が施される。たとえば、鮮鋭化の度合h(x,y)がいわゆる線検出オペレータによって決定される場合、入力画像内の線状構造の部分付近だけが鮮鋭化される。
【0104】
入力画像データ51は、紙面に絵と文字とが印刷されて構成される原稿をスキャナで読込んで作成されると仮定する。入力画像内で文字が描かれる部分を文字領域と称する。この場合、入力画像データに鮮鋭化処理を施すと、一般に、文字はエッジ周辺でのコントラストが高くなるので読みやすくなる。しかしながら、この場合、鮮鋭化の度合が強過ぎると、画像内の文字のエッジ周辺にある画素の輝度は真白または真黒に偏るので、見た目が2値化画像に類似することがある。これによって、文字が潰れたりかすれたりするので、逆に文字が見辛くなる。上述したことは、特に、表示装置の構造上1文字を明瞭に表示するために必要な画素の数よりも、1文字を構成する画素の数が少ない文字に顕著に起こる。たとえば、ハーフトーンで文字を表示する場合、一般的な漢字を含めた文字を、判別可能な大きさで表示するには、20ドット×20ドット以上必要であり、これより少ない構成画素で文字を表示しようとした場合に、前述の問題が発生する。
【0105】
また、絵は、いわゆる濃淡画像と同じ手法、またはいわゆる網点画像と同じ手法で描かれている。濃淡画像と同じ手法の絵に鮮鋭化処理が施される場合、入力画像データに含まれる雑音が強調されるので、見た目がザラザラした感じになったり、エッジ部分のがたつきが目立つことがある。また網点画像と同じ手法の絵に鮮鋭化処理が施される場合、空間周波数の高域周波数成分が強調されて、モアレが発生することがある。これらの問題を回避するために、本実施形態の画像処理装置では、入力画像データ51内の文字領域と残余領域との鮮鋭化の度合h(x,y)を変えている。
【0106】
図9は、第1実施形態の画像処理装置が実行する画像補正処理を説明するためのフローチャートである。図9のフローチャートを用いて、画像補正処理を説明する。たとえば、画像処理装置の操作者が、操作部40を用いて画像補正処理の実行を指示すると、ステップb1からステップb2に進む。
【0107】
まず、画像入力装置33が、ステップb2で、入力画像データ51を、データ記憶部86の予め定める第1の記憶領域に記憶させる。入力画像データ51は、画像補正処理が始まってから作成してもよく、また画像補正処理を開始する前に予め作成しておいてもよい。入力画像データ51が表す入力画像91を、図10に表す。
【0108】
次いで、文字領域抽出部83が、ステップb3〜b10の文字領域の抽出処理を行う。具体的には、まず文字領域抽出部83は、ステップb3で、入力画像データに2値化処理を施す。これによって、入力画像の全ての画素データのうちで、入力画像91の地の部分を構成する画素に対応する画素データは「0」に変換され、前記地の部分を構成する画素に対応する画素データ以外の残余の画素データは「1」に変換される。前記残余の画素データは、文字を構成する線および点を構成する画素、ならびに絵や写真の暗い部分を構成する画素にそれぞれ対応する。2値化処理が施された入力画像データを、2値画像データと称し、2値画像データが表す画像を、2値画像と称する。2値画像データの各画素データは、輝度値を意味するものではない。2値画像データは、データ記憶部86の予め定める第2の記憶領域に記憶される。2値化処理は、具体的には、たとえば、判別分析法、モード法、または徴分ヒストグラム法を用い、各手法のパラメータは、入力画像データの画素データが上述のように変換されるように調整されている。2値画像92を、図11に表す。図11では、画素データが「1」である画素は黒画素で記し、画素データが「0」である画素は白画素で記している。
【0109】
次いで、文字領域抽出部83は、ステップb4で、2値画像92内で、画素データが1の画素の連結部分を、全て求める。連結部分とは、2値画像92内で、画素データが1の複数の画素が順次隣接して連なっている部分である。すなわち、連結部分を構成する画素の画素データは全て1であり、かつ、連結部分を構成する任意の1つの画素は、該連結部分を構成する少なくとも1つの他の画素に隣接する。このために、文字領域抽出部83は、2値画像データにいわゆるラベリング処理を施し、単一の連結部分を構成する各画素に対応する画素データに、同じラベル、すなわち番号をつける。ラベリング処理の詳細は、公知の技術と等しいので、詳細な説明は省略する。
【0110】
図11の2値画像92を表す2値画像データにラベリング処理を施した場合、複数の連結部分が得られる。ステップb4の処理が終了した時点では、たとえば「い」であるような、文字を構成する線が複数ある文字は、各線がそれぞれ独立した連結部分であると見なされ、各線にそれぞれ異なるラベルが付される。また、絵がいわゆる濃淡画像として描かれている場合、絵の暗い部分が1つの連結部分として見なされる。さらにまた、絵がいわゆる網点画像として描かれる場合、2つ以上の画素から構成される複数の網点がそれぞれ独立した連結部分であると見なされる。
【0111】
次いで、文字領域抽出部83は、ステップb4で求められた各連結部分の外接矩形をそれぞれ求める。前記連結部分は文字であると予想されるので、求められる外接矩形は、文字領域の候補となる。続いて、文字領域抽出部83は、ラベリングテーブルを作成する。ラベリングテーブルは、各外接矩形毎に、各連結部分を構成する画素に付されたラベルと、各連結部分の外接矩形を定義するためのパラメータと、各外接矩形の除外フラグと、各外接矩形の文字フラグとを、対応付けたものである。i番目の外接矩形を規定するためのパラメータは、たとえば、該外接矩形の左上の頂点の座標(si,ti),該外接矩形の左下の頂点座標(ui,vi)、ならびに、該外接矩形の高さhiおよび幅wiである。iは、任意の整数である。前記頂点の座標は、2値画像92内の画素の位置を特定するために2値画像92に設定されている2次元座標系の座標である。各外接矩形の除外フラグは、ステップb5の初期状態では、全てリセット状態であって各外接矩形が文字領域の候補であることを表している。後述する除外処理によって文字領域ではないと判定された外接矩形の除外フラグは、セットされる。各外接矩形の文字フラグは、後述の第3の除外処理に用いられる。ラベリングテーブルは、データ記憶部86の予め定める第3の記憶領域に記憶される。
【0112】
【表2】
【0113】
表2は、図11の2値化画像92に基づいて外接矩形を求めた場合に作成されるラベリングテーブルを表す。またこの場合に求められた各連結部分の外接矩形N1 〜Nn+2 を、図12に示す。以後、座標(x,y)のx座標値xおよびy座標値yは、2値画像92内の予め定める基準点からx座標軸およびy座標軸に平行に座標(x,y)の画素がある列および行までの画素の数に相当すると仮定する。また、外接矩形の幅および高さの単位は、ドット、すなわち画素の数であると仮定する。ステップb5の処理が終了した時点では、たとえば「ろ」であるような、1本の線から構成される文字は単一の外接矩形内に入っている。逆に、たとえば「い」であるような、文字を構成する線が複数ある文字は、各線がそれぞれ独立した外接矩形内に入っており、文字全体が1つの外接矩形に入っていない。
【0114】
すなわち、ステップb3,b4の処理は、入力画像91の中に、輝度が相互に類似する複数の画素が連結して構成される連結部分に外接する外接矩形を設定する外接矩形設定処理である。前記連結部分は文字であると予想されるので、設定される外接矩形は、文字領域の候補となる。しかしながら、前記外接矩形設定処理だけを行った場合、上述の「い」のように、文字の形状に起因して、単一の文字が単一の外接矩形に入っていないことがある。また前記場合、文字の外接矩形の他に、絵の暗い部分の外接矩形も同時に求められている。さらにまた、前記場合、入力画像91に罫線が描かれているならば、罫線の外接矩形も同時に求められてしまう。このために、文字領域抽出部83は、ステップb6〜b10の文字判定処理によって、外接矩形設定処理で求めた全ての外接矩形のうちで、文字の外接矩形だけを選択する。
【0115】
まず、ステップb6で、文字領域抽出部83は、各外接矩形のサイズに基づいて全ての外接矩形のうちから文字以外の連結部分に外接する外接矩形を除外する第1の除外処理を行う。このために、文字領域抽出部83は、ラベリングテーブルに記憶された各外接矩形の高さおよび幅が、予め定める鮮鋭化を施すべき文字の高さおよび幅に関する第1の除外条件に適合するか否かを、それぞれ判定する。前記第1の除外条件は、式19で表される。任意のラベル番号iの外接矩形の高さhiおよび幅wiの少なくとも一方が式19の各項の条件の少なくとも1つを満たす場合、前記第1の除外条件が満たされると判定する。Smin は、鮮鋭化を施すべき文字の高さおよび幅の最小値である。Smax は、鮮鋭化を施すべき文字の高さおよび幅の最大値である。たとえば、前記最小値Smin は2ドットであり、前記最大値Smax は、30ドットである。文字が判読できるかどうかは、文字の構成ドット数で決まる。最小値Smin および最大値Smax の上記の具体的な値は、表示解像度のデータを扱う場合のものである。2ドット以下の連結成分は、網点や2値化時の雑音である可能性があるので除去する。30ドット以上の連結成分は、文字であっても、それだけのドットがあれば判読できるので、鮮鋭化をかける必要がそれほどないため、除去する。またこの最小値Smin および最大値Smax は表示解像度より高い解像度の画像、たとえばスキャナで読み込んだ時点での画像に対しては、(入力解像度/表示解像度)倍した値になる。一般的な日本語フォントでは、文字の外接矩形は正方形になることが多いので、高さと幅の最大値を等しくし、かつ高さと幅の最小値も等しくしてある。
【0116】
文字領域抽出部83は、第1の除外条件に適合する外接矩形を、ラベリングテーブルから除外する。具体的には、第1の除外条件に適合する外接矩形の除外フラグをセットする。除外フラグがセットされている場合、その除外フラグに対応する外接矩形は文字領域の候補から除外され、セットされていない場合に、その除外フラグに対応する外接矩形は文字領域の候補であると見なされる。
【0117】
一般的に、濃淡画像と同じ手法の絵の暗い部分は鮮鋭化を施すべき文字よりも大きい。また、網点画像と同じ手法の絵の網点は、鮮鋭化を施すべき文字よりも小さい。さらにまた、罫線は、高さおよび幅のいずれか一方が鮮鋭化を施すべき文字よりも大きい。ゆえに、第1の除外処理によって、絵の暗い部分や罫線の外接矩形を文字領域の候補から除くことができる。
【0118】
【表3】
【0119】
表3は、図10の入力画像91を処理対象とした場合の、ステップb6の処理が終了した時点のラベリングテーブルを表す。また前記時点でラベリングテーブルに残っている各外接矩形N2 〜Nn+2 を、図13に示す。前記時点では、ラベル番号が1の外接矩形N1 は、絵の暗い部分に相当する連結部分に外接していたので、文字領域の候補から除かれているが、ラベル番号が2の外接矩形N2 は、絵の暗い部分に相当する連結部分に外接していたが、該連結部分の高さおよび幅が文字の高さおよび幅にそれぞれ近いので、文字領域の候補から除かれていない。また、ラベル番号が3〜n+1の外接矩形N3 〜Nn+1 は、それぞれ文字または文字の一部分に外接しているので、文字領域の候補から除かれていない。
【0120】
再び図9を参照する。次いで、文字領域抽出部83は、ステップb7で、第1の統合処理を行う。第1の統合処理では、除外フラグがセットされていない外接矩形のうちでお互い重なりあっているもの同士が統合されて、1つの外接矩形になる。このために、文字領域抽出部83は、ラベリングテーブル内で除外フラグがセットされていない外接矩形のうちのいずれか1つの外接矩形が、該いずれか1つの外接矩形以外の他の外接矩形の少なくとも一部分に重なっていないか否かをそれぞれ判定する。前記いずれか1つの外接矩形が少なくとも一部分に重なっている他の外接矩形がある場合、まず、前記いずれか1つの外接矩形の連結部分と前記他の外接矩形内の連結部分とが同時に入る最小の外接矩形を求める。次いで、ラベリングテーブル内の、前記いずれか1つの外接矩形と前記他の外接矩形とのうちのいずれか一方の外接矩形の左上および右下の頂点の座標、幅ならびに高さを、求めた外接矩形の左上および右下の頂点の座標、幅ならびに高さにそれぞれ置換えて更新し、前記いずれか1つの外接矩形と前記他の外接矩形とのうちのいずれか他方に除外フラグをセットする。この処理を、前記いずれか1つの外接矩形をたとえばラベルの順に変更して繰返し行い、他の外接矩形と重なり合う外接矩形がなくなるまで、続ける。
【0121】
【表4】
【0122】
表4は、図10の入力画像91を処理対象とした場合に、ステップb7の処理が終了した時点のラベリングテーブルを表す。前記時点では、ラベル番号が1〜n−1の外接矩形N1 〜Nn-1 の状態は、表3の状態と等しい。また、ラベル番号がnである外接矩形Nn のパラメータが、「た」全体に外接する外接矩形のパラメータに書換えられ、ラベル番号がn+1,n+2の外接矩形Nn+1,Nn+2は、文字領域の候補から除かれている。これによって、単一の文字が複数の連結部分に分割されている場合、各連結部分に外接する外接矩形が相互に重なっていれば、これら外接矩形を統合して、前記文字全体に外接する単一の外接矩形を得ることができる。
【0123】
再び図9を参照する。次いで、文字領域抽出部83は、ステップb8で、第2の統合処理を行う。第2の統合処理では、除外フラグがセットされていない外接矩形のうちで、高さと幅の比が予め定める基準の比と大きく異なる外接矩形が、前記異なる外接矩形の周辺の外接矩形と統合されて、1つの外接矩形になる。第2の統合処理は、たとえば、「い」のように、単一の文字が複数の連結部分に分割されていて、かつ、各連結部分に外接する外接矩形が相互に重なっていない場合に、前記文字全体に外接する単一の外接矩形を得るために行われる。第2の統合処理の詳細は後述する。ステップb7,b8の処理を行うことで、「た」,「い」のように複数の連結部分に分割された文字全体に外接する外接矩形を得ることができる。
【0124】
続いて、文字領域抽出部83は、ステップb9で、第2の除外処理を行う。第2の除外処理では、除外フラグがセットされていない各外接矩形が、入力画像91内の各外接矩形に相当する部分を構成する複数の画素の輝度値のうちの最大値および最小値の差に基づいて、文字領域であるか否かが判定される。入力画像91の各画素と2値化画像92の各画素とは、それぞれ1対1で対応するので、入力画像91内の前記各外接矩形に相当する部分とは、前記各外接矩形のパラメータと同じ値のパラメータによって、入力画像91内に定義される矩形を外周とする部分である。表5は、図10の入力画像91を処理対象とした場合に、ステップb9の処理が終了した時点のラベリングテーブルを表す。
【0125】
【表5】
【0126】
第2の除外処理によって、除外フラグがセットされていない外接矩形のうちから、文字領域以外の外接矩形を除外することができる理由を、図14を用いて説明する。図14内の各矩形は、ステップb9の処理が終了した時点でラベリングテーブルに残されている各外接矩形に相当する入力画像91内の部分M2 〜Mn を表す。入力画像91内の部分Mn は、文字に外接する外接矩形Nn に相当する部分であり、入力画像91内の部分M2 は、絵の暗い部分に外接する外接矩形N2 に相当する部分である。前記部分Mn 内の文字の線を構成する画素の輝度値は真黒または真黒に近い色に相当し、かつ、前記部分Mn 内の地の部分を構成する画素の輝度値は真白または真白に近い色に相当する。ゆえに、前記部分Mn を構成する画素の輝度値の最大値および最小値の差が、画素輝度範囲の最大値Vmax および最小値Vmin の差とほぼ等しいと考えられる。
【0127】
逆に、前記部分M2 内の絵の暗い部分に隣接する部分を構成する画素の輝度値は、真白または真白に近い色に相当するとは限らない。ゆえに、前記部分M2 を構成する画素の輝度値の最大値および最小値の差は、画素輝度範囲の最大値Vmax および最小値Vmin の差と比べて小さくなり易い。このために、前記各外接部分に相当する入力画像91内の部分を構成する複数の画素の輝度値の最大値および最小値の差に基づいて、前記各部分が文字領域であるか否かを判定することができるのである。
【0128】
このために、文字領域抽出部83は、まず、入力画像91内の前記各外接矩形に相当する部分を、それぞれ求める。次いで、求めた前記各相当する部分毎に、該各部分を構成する複数の画素の画素データのうちの最大値および最小値、すなわち該各部分を構成する複数の画素の輝度値のうちの最大値および最小値を、それぞれ求める。続いて、前記各相当する部分毎に、前記輝度値の最大値と前記輝度値の最小値との差分が予め定める閾値を越えるか否かをそれぞれ判定し、判定結果に応じて前記各外接矩形の除外フラグを設定する。すなわち、前記差分が前記閾値を越える前記部分は、文字領域である可能性が高いと見なされ、該部分に相当する外接矩形の除外フラグがリセットしたままの状態に保たれる。前記差分が前記閾値以下である前記部分は、絵の一部分であるとみなされ、該部分に相当する外接矩形の除外フラグがセットされる。
【0129】
次いで、文字領域抽出部83は、ステップb10で、第3の除外処理を行う。第3の除外処理では、除外フラグがセットされていない外接矩形の相互の位置関係および前記外接矩形のサイズの類似の有無に基づいて、前記各外接矩形が文字領域であるか否かを判定する。第3の除外処理は、以下の理由で行われる。入力画像91内の文字が文章を構成する場合、文章が縦書きならば複数の文字の外接矩形は上下方向に並び、文章が横書きならば複数の文字の外接矩形は左右方向に並ぶ。またこの場合、各外接矩形の大きさはほぼ等しい。しかしながら、絵の暗い部分の外接矩形は、前記暗い部分が単一であれば文字の外接矩形から孤立しており、前記暗い部分が複数あっても各暗い部分の外接矩形は無秩序に並び、サイズもまちまちであると考えられる。このため、前記外接矩形の相互の位置関係およびサイズの類似性に基づいて、前記各外接矩形が文字に外接するか否かを判定することができるのである。第3の除外処理の詳細な説明は省略する。
【0130】
以上の処理により、ラベリングテーブル内では、文字の外接矩形の除外フラグだけがリセットされたまま残り、文字以外の連結部分の外接矩形の除外フラグはセットされる。文字領域抽出部83は、ラベリングテーブル内で、除外フラグがリセットされたまま残された外接矩形のパラメータと該外接矩形のラベルとを対応付けて、データ記憶部86の前記第3の記憶領域に書込む。前記記憶領域に書き込まれたデータから、最終的なラベリングテーブルが構成される。以上で、文字領域抽出処理は終了する。
【0131】
続いて、画像鮮鋭化部84は、ステップb11で、領域別画像鮮鋭化処理のために、入力画像91の各画素(x,y)の鮮鋭化の度合h(x,y) を設定する。x,yは、それぞれ任意の整数であり、各画素の入力画像91内の座標に基づいて一義的に定まる。各画素(x,y)の鮮鋭化の度合h(x,y) は、式20によって定義される。予め定める第1および第2の定数αc,αiは、表示装置の特性、文字と画素の大きさの関係、および使用者が表示装置35を目視した際の感じ方によって定められ、第1実施形態の画像処理装置の操作者が予めデータ処理装置81に入力しておく。たとえば、第1の定数αcは0.5であり、第2の定数αiは0.2である。
【0132】
具体的には、画像鮮鋭化部84は、まず、データ記憶部86から前記最終的なラべリングテーブルを読込む。次いで、各画素(x,y)が、最終的なラベリングテーブル内の外接矩形のパラメータによって定義される外接矩形、すなわち文字領域内にあるか否かを、それぞれ判定する。文字領域内にある画素の鮮鋭化の度合h(x,y) は、予め定める第1の定数αcに設定され、文字領域外にある画素の鮮鋭化の度合h(x,y) は、予め定める第2の定数αiに設定される。これによって、図15に示すように、文字領域内の画素の鮮鋭化の度合h(x,y)だけが、第1の定数αcに設定され、文字領域外の画素の鮮鋭化の度合h(x,y)は、第2の定数αiに設定される。
【0133】
続いて、画像鮮鋭化部84は、ステップb12で、ステップb11で定義した各画素の鮮鋭化の度合h(x,y) を用いて、データ記憶部86に記憶されている入力画像データ51に、選択的画像鮮鋭化処理を施す。具体的には、入力画像データの各画素データf(x,y) を、該各画素データがそれぞれ対応する画素の鮮鋭化の度合h(x,y) を用い式21に基づいて変換して、鮮鋭化画像の画素データg(x,y) を得る。f(x+1,y),f(x-1,y),f(x,y+1),f(x,y-1)は、それぞれ画素データf(x,y) が対応する画素の4隣接の画素の画素データである。得られた鮮鋭化画像の画素データg(x,y) の集合が、鮮鋭化画像データGである。鮮鋭化画像データは、入力画像データと比較して、各画素データの実際の輝度値が異なるだけで、他は等しい。鮮鋭化画像データGは、データ記憶部86の予め定める第4の記憶領域に記憶される。以上で、画像鮮鋭化処理が終了する。
【0134】
次に、画像輝度変換部87は、ステップb13で、鮮鋭化画像データGに、階調補正用ルックアップテーブルRLUT に基づいた輝度補正処理を施す。具体的には、まず階調補正用LUT記憶部44から階調特性補正用ルックアップテーブルRLUT を読出し、さらに鮮鋭化画像データGをデータ記憶部86の前記記憶領域から読出す。続いて、式22と階調特性補正用ルックアップテーブルRLUT とに基づいて、鮮鋭化画像データGの各画素データg(x,y) をそれぞれ輝度変換して、出力画像データ89の各画素データga(x,y) をそれぞれ得る。得られた各画素データga(x,y) は、データ記憶部86の予め定める第5の記憶領域内のアドレスに記憶される。前記アドレスは、得られた各画素データga(x,y) が対応する画素の出力画像内の位置座標に基づいて、それぞれ予め定められている。
ga(x,y) = RLUT〔g(x,y)〕 …(22)
【0135】
ステップb13の輝度変換処理は、第1参考例の画像処理装置のステップa16の輝度変換処理と比較して、入力画像データ51に代わって鮮鋭化画像データGを処理対象とし、かつ輝度補正用ルックアップテーブルCaL UT に代わって階調補正用ルックアップテーブルRLUT を用いる点が異なり、他は等しい。これによって、出力画像データ89が得られる。最後に、ステップb14で、得られた出力画像データ89が表示装置35に与えられて、ステップb15で画像補正処理が終了する。
【0136】
図9の画像補正処理では、第1〜第3の除外処理を順次行い、また、第1および第2の統合処理を順次行っている。上記画像補正処理では、3つの除外処理のうちの少なくとも1つを行えばよい。また、3つの除外処理のうちのいずれか2つを実行する場合、実行する除外処理の組合わせおよび順番はどのように定めても良い。さらに、3つの除外処理を行う場合の順番は、上述の順に限らない。実際には、2つ以上の除外処理を行う場合、第3の除外処理を最後に行うと、処理対象となる複数の外接矩形の数が第3の除外処理を1番目または2番目に行う場合よりも減少するので、処理が簡単になり、好ましい。さらに、ステップb3〜b5の処理で文字の外接矩形だけが得られる場合、これら除外処理を省略して処理を簡略化してもよい。さらにまた、上記画像補正処理では、2つの統合処理のうちのいずれか一方だけ行ってもよい。また、2つの統合処理を行う場合の順番は、上述の順に限らない。さらに、ステップb3〜b5の処理で単一の文字が必ず1つの外接矩形に含まれる場合、これら統合処理を省略して処理を簡略化してもよい。
【0137】
図16は、前記第2の統合処理を詳細に説明するためのフローチャートである。図9の画像補正処理において、ステップb7からステップb8に進むと、ステップc1からステップc2に進む。文字領域抽出部83は、まずステップc2で、カウンタnを初期化して、1を記憶させる。ラベリングテーブル内で、カウンタnが記憶する値と等しいラベルに対応するパラメータによって定義される外接矩形が、処理対象の外接矩形となる。続いて、ステップc2で、文字領域抽出部83は、処理対象の外接矩形に対応する除外フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステッc3からステップc18に進む。セットされていない場合、ステップc3からステップc4に進む。
【0138】
ステップc4では、文字領域抽出部83は、式23に基づいて、処理対象の外接矩形のサイズに関する第1の値L(n) を設定する。第1の値L(n) は、処理対象の外接矩形の高さhnおよび幅wnのうちで、大きいほうの値である。またステップc4では、文字領域抽出部83は、ステップc5で、式24に基づいて、処理対象の外接矩形のサイズに関する第2の値R(n) を設定する。第2の値R(n) は、処理対象の外接矩形の高さhnに対する処理対象の外接矩形の幅のwnの比、および処理対象の外接矩形の幅wnに対する処理対象の外接矩形の高さhnの比のうちで、大きいほうの値である。
L(n) = max(hn,wn) …(23)
R(n) = max(hn/wn,wn/hn) …(24)
【0139】
次いで文字領域抽出部83は、ステップc6で、処理対象の外接矩形の高さと処理対象の外接矩形の幅とが大きく異なるか否か、すなわち処理対象の外接矩形が正方形ではないか否かを判定する。このために文字領域抽出部83は、式25に基づいて、第2の値R(n) が予め定める定数cを越えるか否かを判定する。
R(n) > c …(25)
【0140】
処理対象の外接矩形が単一の文字全体に外接している場合、処理対象の外接矩形はほぼ正方形になり、第2の値R(n) は1に近くなる。これは、フォントの違いや、「り」、「つ」のように外接矩形が正方形にならない文字が存在することに、起因する。実際の処理では、文字の種類によるずれや誤差を考慮して、定数cはたとえば1.5に設定される。第2の値R(n) が定数c以下である場合、処理対象の外接矩形はほぼ正方形であると考えられる。この場合、処理対象の外接矩形は単一の文字全体に外接しているので、第2の統合処理を行う必要がないと考えられる。ゆえに、この場合、ステップc6からステップc18に進む。また、第2の値R(n) が定数cを越える場合、処理対象の外接矩形nは縦長または横長の長方形であると見なされる。この場合、処理対象の外接矩形は、単一の文字を構成する複数の連結部分のうちの一部分だけに外接していると考えられるので、近隣矩形の統合処理を行う必要がある。ゆえにこの場合、ステップc6からステップc7に進む。
【0141】
ステップc7では、文字領域抽出部83は、処理対象の外接矩形と統合可能な他の外接矩形の有無を調べるための探索領域S(n) を設定する。探索領域S(n) を構成する複数の画素の座標(x,y)は、たとえば、以下の式26によってそれぞれ定義される。C(n)xおよびC(n)yは、処理対象の外接矩形の中心の座標のx座標およびy座標である。
【0142】
続いて、ステップc8〜c10で、文字領域抽出部83は、2値化画像92内に設定された外接矩形のうちで処理対象の外接矩形以外の残余の外接矩形、すなわちラベルがnではない全ての外接矩形の中から、探索領域S(n) と重なる外接矩形を探索する。具体的には、文字領域抽出部83は、まずステップc8で、カウンタmを初期化して1を記憶させる。カウンタmが記憶する値と等しいラベルに対応するパラメータによって定義される外接矩形が、比較対象の外接矩形となる。次いで、ステップc9で、カウンタmに記憶された値がカウンタnに記憶された値と異なり、かつ、比較対象の外接矩形に対応する除外フラグがセットされているか否かを判定する。カウンタn,mに記憶された値が等しい場合、または前記除外フラグがセットされている場合、ステップc9からステップc16に進む。カウンタn,mに記憶された値が異なりかつ前記除外フラグがリセットされている場合、ステップc9からステップc11に進む。
【0143】
文字領域抽出部83は、ステップc11で、処理対象の外接矩形と比較対象の外接矩形とを統合した外接矩形を、仮の外接矩形vとして考える。前記仮の外接矩形vは、処理対象の外接矩形内の連結部分と比較対象の外接矩形内の連結部分とを含む最小の矩形である。次いで、前記仮の外接矩形vの第1の値L(v) および第2の値R(v) を計算する。続いて、文字領域抽出部83は、ステップc12で、仮の外接矩形の第1の値L(v) が式27に示す第1の統合条件を満たすか否かを判定する。第1の統合条件は、外接矩形の大きさの変動を制限するものである。仮の外接矩形の第1の値L(v) が第1の統合条件を満たさない場合、ステップc12からステップc16に進む。仮の外接矩形の第1の値L(v) が第1の統合条件を満たす場合、ステップc12からステップc13に進む。文字領域抽出部83は、ステップc13で、仮の外接矩形の第2の値R(v) が式28に示す第2の統合条件を満たすか否かを判定する。第2の統合条件は、仮の外接矩形の高さと仮の外接矩形の幅との比が、1に近付いたか否かを確認するためのものである。仮の外接矩形の第2の値R(v) が第2の統合条件を満たさない場合、ステップc13からステップc16に進む。仮の外接矩形の第2の値R(v) が第2の統合条件を満たす場合、ステップc13からステップc14に進む。すなわち、仮の外接矩形の第1および第2の値L(v) ,R(v)が第1および第2の統合条件をそれぞれ満たす場合、処理対象の外接矩形内の連結部分と比較対象の外接矩形内の連結部分とは、どちらも同じ1つの文字を構成する複数の連結部分の1つであると見なされる。ここで、aは0.2とする。
|L(v)−L(n)|÷L(n)<a and …(27)
|R(v)−1.0|<|R(n)−1.0| …(28)
【0144】
文字領域抽出部83は、ステップc14で、処理対象の外接矩形と比較対象の外接矩形とを統合した新たな外接矩形を設定し、ラベリングテーブル内の処理対象の外接矩形のパラメータを、新たな外接矩形のパラメータに書換える。前記新たな外接矩形のパラメータは、たとえば、前述の仮の外接矩形のパラメータと等しい。続いて、文字領域抽出部83は、ステップc15で、ラベリングテーブル内の比較対象の外接矩形のパラメータに対応する除外フラグをセットする。
【0145】
続いて、文字領域抽出部83は、ステップc16でカウンタmの記憶する値に1を加算して更新し、ステップc17でカウンタmの更新された値が2値化画像92内に設定された外接矩形の総数を越えたか否かを判定する。カウンタmの更新された値が前記総数以下である場合、ステップc17からステップc9に戻り、カウンタmの更新された値と等しいラベルに対応するパラメータによって定義される外接矩形を、新たな比較対象の外接矩形として、ステップc9〜c16の処理を繰返す。カウンタmの更新された値が前記総数を越えた場合、ステップc17からステップc18に進む。
【0146】
続いて文字領域抽出部83は、ステップc18でカウンタnの記憶する値に1を加算して更新し、ステップc19でカウンタnの更新された値が前記総数を越えたか否かを判定する。カウンタnの更新された値が前記総数以下である場合、ステップc19からステップc3に戻り、カウンタnの更新された値と等しいラベルに対応するパラメータによって定義される外接矩形を、新たな処理対象の外接矩形として、ステップc4〜c19の処理を繰返す。カウンタnの更新された値が前記総数を越えた場合、ステップc20で前記第2の統合処理が終了する。
【0147】
図17を用い、ステップc9〜c16の処理を、具体的に説明する。図17において、外接矩形N3 ,N4 は、入力画像91の下部の文章のうちの左端の文の最上部の文字「い」の2つの連結部分にそれぞれ外接し、外接矩形N5 は、前記文の上から2番目の文字「ろ」に外接する。処理対象の矩形領域を外接矩形N3 と仮定する。また図17(A)では、処理対象の外接矩形N3 の探索領域S3 に、斜線を付して示す。この場合、外接矩形N4 ,N5 は、その一部分が探索領域S(3) にそれぞれ重なるので、比較対象の外接矩形として選ばれる。図17(B)に示すように、外接矩形N3 ,N4 を統合すると仮想する場合、仮の外接矩形N3+5 の第1および第2の値L(3+4) ,R(3+4) は、式29,31に示すように、第1および第2の統合条件をそれぞれ満たす。図17(C)に示すように、外接矩形N3 ,N5 を統合すると仮想する場合、仮の外接矩形N3+5 の第1の値L(3+5) は、式31に示すように、第1の統合条件を満たさない。
|L(3+4)−L(3)|÷L(3)=0.1<a …(29)
|R(3+4)−1.0|=0.05<|R(3)−1.0|=1.0 …(30)
|L(3+5)−L(3)|÷L(3)=1.3>a …(31)
【0148】
【表6】
【0149】
式29〜31の演算は、仮の外接矩形Ni(i=3,4,5,3+4,3+5)について、上記表のような結果が得られるので、これに基づいている。aを0.2としているのは、2割以上大きさが変わるならば、同一文字として統合するには不向きだからである。
【0150】
このように、仮の外接矩形N3+4 は、単一の文字「い」を構成する複数の連結部分にそれぞれ外接する外接矩形を統合したものなので、第1および第2の統合条件を満たす。逆に、仮の外接矩形N3+5 は、単一の文字「い」を構成する複数の連結部分のうちの1つに外接する外接矩形と、単一の文字「ろ」に外接する外接矩形とを統合したものなので、第1および第2の統合条件の少なくとも一方を満たさない。したがって、文字領域抽出部83は、式27,28で示す第1および第2の統合条件に基づいて、単一の文字を構成する複数の連結部分にそれぞれ外接する外接矩形同士だけを統合することができる。
【0151】
図18は、第3の除外処理を詳細に説明するためのフローチャートである。図9の画像補正処理において、ステップb9からステップb10に進むと、ステップd1からステップd2に進む。文字領域抽出部83は、まずステップd2で、ラベリングテーブル内の全ての文字フラグを、「未定」に設定する。次いで文字領域抽出部83は、ステップd3で、カウンタnを初期化して、1を記憶させる。ラベリングテーブル内で、カウンタnが記憶する値と等しいラベルに対応するパラメータによって定義される外接矩形が、処理対象の外接矩形となる。続いて、ステップd4で、文字領域抽出部83は、処理対象の外接矩形に対応する除外フラグがセットされているか否かを判定する。セットされている場合、ステップd4からステップd16に進む。セットされていない場合、ステップd4からステップd5に進む。ステップd5〜d15は、文字フラグを選択的にセットする処理である。
【0152】
文字領域抽出部83は、まずステップd5で、カウンタnの記憶する値が2値化画像92内に設定された外接矩形の総数を越えたか否かを判定する。カウンタnの記憶する値が前記総数を越えた場合、ステップd5からステップd17に進む。カウンタnの記憶する値が前記総数以下である場合、ステップd5からステップd6に進む。
【0153】
文字領域抽出部83は、ステップd6で、処理対象の外接矩形が文字であるか否かを調べるための探索領域Sa(n) を設定する。探索領域Sa(n) を構成する複数の画素の座標(x,y)は、たとえば、式32によって定義される。この結果、探索領域Sa(n) は、図19に示すように、処理対象の外接矩形を中心として、入力画像91内の上下方向および左右方向ににそれぞれ平行に長さkL(n) ずつ伸びる十字型の領域になる。上下方向は、入力画像91に設定される座標系のx座標軸に平行な方向である。左右方向は、入力画像91に設定される座標系のy座標軸に平行な方向である。C(n)xおよびC(n)yは、処理対象の外接矩形nの中心の座標のx座標およびy座標である。L(n) は、処理対象の外接矩形の高さhnおよび幅wnのうちで、大きいほうの値である。kは、探索範囲Sa(n) の広さを限定するための定数であり、たとえば2.0とする。
【0154】
文字領域抽出部83は、ステップd7で、ラベリングテーブル内の除外フラグが設定されていない外接矩形のうちで探索領域Sa(n) と重なる外接矩形の中から、処理対象の外接矩形に最も近い外接矩形を、比較対象の外接矩形として探索する。次いで、ステップd8で、文字領域抽出部83は、比較対象の外接矩形が探索されたか否か、すなわち比較対象の外接矩形が存在するか否かを判定する。比較対象の外接矩形が存在しない場合、ステップd8からステップd16に進む。比較対象の外接矩形が存在する場合、ステップd8からステップd9に進む。
【0155】
文字領域抽出部83は、ステップd9で、処理対象の外接矩形の大きさと比較対象の外接矩形の大きさとに基づいて、処理対象の外接矩形内の連結部分と比較対象の外接矩形内の連結部分とが、どちらも文字である可能性があるか否かを、判定する。このために、文字領域抽出部83は、処理対象の外接矩形の第1の値L(n) と、比較対象の外接矩形の第1の値L(m) とが、式33の判定条件を満たすか否かを判定する。βは、定数であり、たとえば0.2である。第1の値L(n) ,L(m) が式33の判定条件を満たさない場合、処理対象および比較対象の外接矩形の少なくとも一方は文字に外接していないと見なされる。この場合、ステップd9からステップd16に進む。第1の値L(n) ,L(m) が式33の判定条件を満たす場合、処理対象および比較対象の外接矩形がどちらも文字に外接していると見なされる。この場合、ステップd9からステップd10に進む。
|L(n)−L(m)|÷L(n)<β …(33)
【0156】
次いで、ステップd10〜d14で、文字領域抽出部83は、比較対象の外接矩形と探索領域Sa(n) とのずれが予め定める大きさ未満であるか否かを判定する。具体的には、まずステップd10で、比較対象の外接矩形と処理対象の外接矩形とが、縦方向に並んでいるか否かが判定される。縦方向に並んでいる場合、ステップd10からステップd11に進む。縦方向に並んでいない場合、比較対象の外接矩形と処理対象の外接矩形とは横方向に並んでいると見なされ、ステップd10からステップd13に進む。
【0157】
文字領域抽出部83は、ステップd11では、比較対象の外接矩形の左端の辺の座標Pos(m)left 、すなわち比較対象の外接矩形の左上隅の頂点の座標のx座標値smが、以下の式34に示す判定条件を満たすか否かを判定する。比較対象の外接矩形の左端の辺の座標Pos(m)left が式34の判定条件を満たさない場合、ステップd11からステップd16に進む。比較対象の外接矩形の左端の辺の座標Pos(m)left が式34の判定条件を満たす場合、ステップd11からステップd12に進む。続いて文字領域抽出部83は、ステップd12で、比較対象の外接矩形の右端の辺の座標Pos(m)right、すなわち比較対象の外接矩形の右下隅の頂点の座標のx座標値umが、以下の式35に示す判定条件を満たすか否かを判定する。比較対象の外接矩形の右端の辺の座標Pos(m)rightが式35の判定条件を満たさない場合、ステップd12からステップd16に進む。比較対象の外接矩形の右端の辺の座標Pos(m)rightが式35の判定条件を満たす場合、ステップd12からステップd15に進む。
(Pos(m)left >(C(n)x−L(n) ×δ))and …(34)
(Pos(m)right<(C(n)x+L(n) ×δ)) …(35)
【0158】
また文字領域抽出部83は、ステップd13で、比較対象の外接矩形の上端の辺の座標Pos(m)top 、すなわち比較対象の外接矩形の左上隅の頂点の座標のy座標値tmが、式36に示す判定条件を満たすか否かを判定する。比較対象の外接矩形の上端の辺の座標Pos(m)top が式36の判定条件を満たさない場合、ステップd13からステップd16に進む。比較対象の外接矩形の左端の辺の座標Pos(m)top が式36の判定条件を満たす場合、ステップd13からステップd14に進む。続いて文字領域抽出部83は、ステップd14で、比較対象の外接矩形の下端の辺の座標Pos(m)bottom 、すなわち比較対象の外接矩形の右下隅の頂点の座標のy座標値vmが、式37に示す判定条件を満たすか否かを判定する。比較対象の外接矩形の下端の辺の座標Pos(m)bottom が式37の判定条件を満たさない場合、ステップd14からステップd16に進む。比較対象の外接矩形の下端の辺の座標Pos(m)bottom が式37の判定条件を満たす場合、ステップd14からステップd15に進む。
(Pos(m)top >(C(n)y−L(n) ×δ))and …(36)
(Pos(m)bottom<(C(n)y+L(n) ×δ)) …(37)
【0159】
すなわち、ステップd10〜d11では、比較対象の外接矩形と処理対象の外接矩形とが縦方向にほぼ平行に並んでいる場合、処理対象の外接矩形の中心を通り縦方向に平行な仮想直線から比較対象の外接矩形の左端および右端の辺までのそれぞれの距離が、どちらも予め定める距離L(n) ×δ未満である場合だけ、比較対象の外接矩形と探索領域Sa(n) とのずれが、基準のずれ未満であると見なされる。また、比較対象の外接矩形と処理対象の外接矩形とが横方向にほぼ平行に並んでいる場合、処理対象の外接矩形の中心を通り横方向に平行な仮想直線から比較対象の外接矩形の上端および下端の辺までのそれぞれの距離が、どちらも予め定める距離L(n) ×δ未満である場合だけ、比較対象の外接矩形と探索領域Sa(n) とのずれが、基準のずれ未満であると見なされる。予め定める距離は基本的には第1の値L(n) の半分の値である。しかしながら、文字の違いや誤差を考慮して、定数δはたとえば8分の5(5/8)に設定される。
【0160】
ステップd9〜d14の処理によって、処理対象の外接矩形と比較対象の外接矩形の大きさがほぼ等しく、かつ、処理対象の外接矩形と比較対象の外接矩形とが縦方向または横方向にほぼ平行に並んでいる場合だけ、ステップd15の処理が行われる。文字領域抽出部83は、ステップd15で、処理対象の外接矩形の文字フラグと比較対象の外接矩形の文字フラグとに、それぞれ1をセットする。
【0161】
続いて、文字領域抽出部83は、ステップd16で、カウンタnに記憶された値に1を加算して更新し、ステップd4に戻る。これによって、カウンタnに更新された値と等しいラベルに対応するパラメータによって定義される外接矩形を処理対象の外接矩形として、ステップd4〜d16の処理が繰返される。
【0162】
また、ステップd5で、カウンタnが記憶する値が、定義された外接矩形の総数を越えた場合、文字領域抽出部83は、ステップd5からステップd17に進み、第3の除外処理を終了する。
【0163】
以後、文字領域抽出部83は、文字フラグがセットされていない外接矩形の除外フラグを1にセットする。これによって、入力画像内の全ての外接矩形のうちで、予め定める文字の並ぶ方向にほぼ平行に並ぶ複数の外接矩形だけが、文字領域の候補としてラベリングテーブル内に残される。図18のフローチャートの説明では、入力画像内では、文字は縦方向または横方向に平行に並んでいると仮定して説明したが、文字が縦方向でも横方向でもない斜め方向に平行に並んでいる場合、探索領域Sa(n) やステップd10〜d14の判定を、文字が並ぶ方向に併せて変更してもよい。
【0164】
以上のように説明した第1実施形態の画像処理装置が行う選択的鮮鋭化処理では、文字領域の鮮鋭化の度合が、文字領域以外の残余の領域の鮮鋭化の度合よりも強い。さらに、鮮鋭化画像に階調補正LUTを用いた輝度変換処理が施されている。これによって、文字領域内にある鮮鋭化を施すべき文字は、コントラストが輝度変換処理によって補正されかつエッジのぼけが鮮鋭化処理によって改善される。同時に、前記残余の領域は、コントラストが輝度変換処理によって補正され、かつ鮮鋭化処理に起因したノイズの強調が防止される。これによって、出力画像を表示装置に表示した場合に、文字領域内の文字が読み易くなり、同時に前記残余部分がノイズの少ない滑らかな見易い画像になる。
【0165】
以下に、本発明の第2実施形態である画像処理装置について説明する。第2実施形態の画像処理装置は、第1参考例の画像処理装置と比較して、データ処理装置34が図20に示すデータ処理装置101に置換えられる点が異なり、他は等しいので、同じ構成の装置、データ、およびテーブルには、同じ符号を付し、説明は省略する。
【0166】
図20は、第2実施形態の画像処理装置内のデータ処理装置101の電気的な構成を表すブロック図である。データ処理装置101のうちで、第1参考例および第1実施形態のデータ処理装置34,81内の装置と同じ動作を行う部には、同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0167】
データ処理装置101は、コントラスト推定部37、コントラスト補正用LUT作成部104、文字領域抽出部83、画像鮮鋭化部84、画像輝度変換部107、階調補正用LUT記憶部44、データ記憶部108、および操作部40を含む。コントラスト補正用LUT作成部104は、コントラスト推定部37によって推定されたコントラスト〔Lv,Hv〕に基づいて、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を作成する。画像輝度変換部107は、コントラスト補正のための輝度補正処理と、階調補正のための輝度補正処理とを行う。データ記憶部108は、コントラスト推定部37、コントラスト補正用LUT作成部104、文字領域抽出部83、画像鮮鋭化部84、および画像輝度変換部107がそれぞれ処理を行う際に、処理に用いる各種のデータを一時的に記憶する。このためにデータ記憶部108内には、各種のデータをそれぞれ記憶するための複数の記憶領域が予め設定されており、各記憶領域のアドレスは予め定められている。ヒストグラム作成部41、コントラスト検出部42、コントラスト補正用LUT作成部104,文字領域抽出部83,画像鮮鋭化部84,および画像輝度変換部107は、それぞれ個別の回路によって実現される。また、前記部41,42,104,83,84,107のうちの少なくとも2つの部は、単一の中央演算処理回路の演算処理によって実現される仮想回路とされてもよい。
【0168】
図21は、第2の実施形態の画像処理装置のデータ処理装置101が実行する画像補正処理を説明するためのフローチャートである。図21のフローチャートを用いて、画像補正処理を説明する。図21のフローチャートは、図2および図9のフローチャートと類似の動作を行うステップを含み、類似の動作を行うステップの詳細な説明は省略する。
【0169】
たとえば、画像処理装置の操作者が、たとえば操作部40を用いて画像補正処理の実行を指示すると、ステップe1からステップe2に進む。ステップe2の画像データの入力処理、およびステップe3〜e12の入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕の推定処理は、図2のフローチャートのステップa2の処理、およびステップa3〜a12の処理とそれぞれ等しい。
【0170】
コントラスト補正用LUT作成部104は、ステップe13で、ステップa13と同じ処理によって、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を作成する。次いで、コントラスト補正用LUT作成部104は、ステップe14で作成したコントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を、データ記憶部108の予め定める第2の記憶領域に記憶させる。
【0171】
次いで、画像輝度変換部107は、ステップe15でコントラスト補正を行うためのコントラスト補正手段として動作する。この場合、画像輝度変換部107は、入力画像データ51に、コントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT に基づいて、輝度補正処理を施す。具体的には、まずデータ記憶部108からコントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を読出し、さらに入力画像データ51をデータ記憶部108から読出す。続いて、以下の式38とコントラスト特性補正用ルックアップテーブルCLUT とに基づいて、入力画像データ51の各画素データf(x,y) をそれぞれ輝度変換して、補正画像データの各画素データfa(x,y) をそれぞれ得る。得られた各画素データfa(x,y) は、データ記憶部86の予め定める第3の記憶領域内のアドレスに記憶される。前記アドレスは、得られた各画素データfa(x,y) が対応する画素の補正画像内の位置座標に基づいて、それぞれ予め定められている。補正画像とは補正画像データが表す画像である。
fa(x,y) =CLUT〔f(x,y)〕 …(38)
【0172】
ステップe15の輝度変換処理は、第1実施形態の画像処理装置のステップa16の輝度変換処理と比較して、輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT に代わってコントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT を用いる点が異なり、他は等しい。これによって、入力画像のコントラスト〔Lv,Hv〕が、画素データの規格上最大のコントラスト〔Vmin ,Vmax〕まで拡大される。
【0173】
ステップe16〜e23の文字領域の抽出処理は、図9のフローチャートのステップb3〜b10と比較して、入力画像データ51に代わって前記補正画像データを処理対象とする点が異なり、他は等しい。また、ステップe24,e25の画像鮮鋭化処理は、図9のフローチャートのステップb11,b12の処理と等しい。これによって、前記補正画像データに、第1実施形態で説明した選択的鮮鋭化処理が施される。次いで、画像輝度変換部107は、ステップe26で、階調補正を行うための階調補正手段として動作する。この場合、画像輝度変換部107は、入力画像データ51に、階調補正用ルックアップテーブルRLUT に基づいて、輝度補正処理を施す。ステップe24の階調補正用の輝度補正処理は、図9のフローチャートのステップb13の処理と等しい。これによって得られた出力画像データが、ステップe28で表示装置35に与えられ、ステップe29で画像補正処理を終了する。
【0174】
図21で説明した画像補正処理のうちで、ステップe13のコントラスト補正用ルックアップテーブルCLUT に代わって、第1実施形態において式13〜式15を用いて説明した手法で輝度補正用CaLUT を作成し、ステップe15で輝度補正用ルックアップテーブルを用いた輝度補正処理を行っても良い。この場合、ステップa26の階調特性の補正のための輝度補正処理を省略することができるので、処理が簡略化される。
【0175】
以上の処理によって、表示装置に表示される画像は、コントラストが入力画像よりも拡大される。また、入力画像内の文字領域に施された鮮鋭化処理の鮮鋭化の度合は、文字領域以外の残余の領域に施された鮮鋭化処理の鮮鋭化の度合よりも強くなっている。さらに、表示装置に応じた階調補正が施されている。これら3つの理由のために、表示装置に表示される画像内に記載される文字が読み易くなり、また、視認性が高くなる。
【0176】
図22は、本発明の第2参考例である画像処理装置121の電気的構成を表すブロック図である。第2参考例の画像処理装置内で、第1参考例の画像処理装置と同じ構成の装置、データ、およびテーブルには、同じ符号を付し、説明は省略する。画像処理装置121は、データ作成装置123とデータ閲覧装置124とから構成される。データ作成装置123は、画像入力装置33と、データ処理装置34と、記憶媒体書込み装置126とから構成される。データ閲覧装置124は、記憶媒体読取り装置127と表示装置35とから構成される。
【0177】
データ処理装置34は、画像入力装置33から入力された画像データに予め定める画像補正処理を施して出力画像データを作成し、出力画像データを記憶媒体書込み装置126に与える。この際、前記画像補正処理は、データ閲覧装置124の表示装置35の表示特性に基づいて行われる。記憶媒体書込み装置126は、出力画像データを記憶媒体128に書込む。記憶媒体は、たとえば、フレキシブルディスクまたはCD−ROMで実現される。記憶媒体128は、記憶媒体書込み装置126および記憶媒体読取り装置127に、それぞれ着脱自在に装着可能である。出力画像データが書込まれた記憶媒体は、記憶媒体書込み装置126から取外されて、記憶媒体読取り装置127に装着される。記憶媒体読取り装置127は、記憶媒体128から出力画像データを読取り、表示装置35に与える。表示装置35は、与えられた画像に基づいて、表示画面に画像を表示させる。
【0178】
このような構成の画像処理装置121は、たとえば、データ作成装置123をいわゆる電子出版のオーサリングシステムとして用い、データ閲覧装置124をいわゆる電子出版の電子的な刊行物を閲覧するための装置として用いることができる。この場合、記憶媒体128には、電子的な刊行物として、コンテンツの各頁全体をそれぞれ1枚の画像として表す複数の画像データが記憶される。これら各画像データには、上述した画像処補正処理が施されているので表示装置35の表示画面に表示される画像は、階調特性の偏り、前記画像のコントラスト、および前記画像の解像度に起因する画像の視認性の低下が防止されている。したがって、データ閲覧装置124の表示装置35の表示画面の解像度を、従来技術の解像度に保ったまま、表示画面に表示される画像の記載される文字が読み易くすることができる。これによって、電子的な刊行物の作成の際に校正の手間を省いて作成処理を簡略化することができ、同時に、コンテンツの各頁に印刷された文章の見た目の印象をそのまま保ちかつ読み易くすることができる。
【0179】
このように、画像処理装置121では、データ作成装置123とデータ閲覧装置124とを、分離することができる。このため、画像処理装置121は、単一のデータ作成装置123と単一のデータ閲覧装置124とから構成されるだけに限らず、複数のデータ作成装置123と単一のデータ閲覧装置124とから構成されてもよく、単一のデータ作成装置123と複数のデータ閲覧装置124とから構成されてもよく、複数のデータ作成装置123と複数のデータ閲覧装置124とから構成されてもよい。また、データ処理装置34に代わって、第1実施形態の画像処理装置のデータ処理装置81および第2実施形態の画像処理装置のデータ処理装置101のいずれか一方を用いても良い。
【0180】
第1および第2参考例ならびに第1および第2実施形態の画像処理装置の説明では、入力画像データは白黒画像であると仮定した。これら画像処理装置は、入力画像データに、カラー画像を用いることもできる。入力画像データがいわゆるRGB信号の形態のデータ、すなわち赤の輝度信号成分と緑の輝度信号成分と青の輝度信号成分とから構成されるデータである場合の上記画像処理装置の処理手順を、簡略に説明する。前記場合、入力画像データにコントラスト補正および階調補正のための輝度変換処理を施すには、画像処理装置は、まず入力画像データから、輝度信号成分のみ(明度信号成分)を抽出する。次いで、前記明度信号成分を用いて、階調補正用およびコントラスト補正用のルックアップテーブルを作成する。さらに、元の画像、すなわちRGB信号の形態の入力画像データの前記各色信号成分に、ルックアップテーブルをそれぞれ作用させ、出力画像データを得る。前記明度成分データは、いわゆるYUV信号の形態のデータのうちのY信号である。
【0181】
また、前記場合に入力画像データに鮮鋭化処理を施すには、画像処理装置は、まず、入力画像データから、輝度信号成分(Y信号)を抽出し、前記輝度信号成分だけを用いて文字領域抽出処理を行う。続いて、元の画像、すなわちRGB信号の形態の入力画像データの前記各色信号成分に、前記文字抽出処理で得られた文字領域に基づいた選択的鮮鋭化処理をそれぞれ施して、出力画像データを得る。
【0182】
第1および第2参考例ならびに第1および第2実施形態の画像処理装置は、コンピュータによって実現されてもよい。このために、図2,8,20でそれぞれ説明した画像補正処理をコンピュータの中央演算処理装置に行わせるためのプログラムおよびデータを含むソフトウエアを、コンピュータによって読出し可能な記憶媒体に記憶させておく。この記憶媒体には、たとえば、CD−ROMおよびフレキシブルディスクが挙げられる。画像入力装置と表示装置とを備えたコンピュータを前記データ処理装置として動作させるには、まず、前記記憶媒体をコンピュータに装着して、記憶媒体内のソフトウエアをコンピュータにインストールし、次いで、インストールしたソフトウエア内のプログラムを中央演算処理装置に実行させる。これによって、コンピュータ内の中央演算処理装置およびメモリが、データ処理装置として動作するので、コンピュータ全体が画像処理装置として動作する。これによって、汎用的なコンピュータを用いて、容易に第1および第2参考例ならびに第1および第2実施形態の画像処理装置を実現することができる。
【0183】
第1および第2参考例ならびに第1および第2実施形態の画像処理装置は本発明の画像処理装置の例示であり、主要な動作が等しければ、他の様々な形で実施することができる。特に各装置および部の詳細な動作は、同じ処理結果が得られれば、これに限らず他の動作によって実現されてもよい。
【0185】
【発明の効果】
本発明によれば、画像処理装置の鮮鋭化手段は、処理対象の画像内の文字領域に施す鮮鋭化の度合を、処理対象の画像内の文字領域以外の残余領域に施す鮮鋭化の度合よりも強くする。同時に、前記画像処理装置の輝度変換手段は、表示装置の階調特性に基づいて、鮮鋭化された画像の各画素の輝度変換を行う。これによって、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度との差および前記表示手段の階調特性の両方に起因する画像の視認性の低下を、防止することができる。
【0188】
さらにまた本発明によれば、文字領域を求めるには、まず前記画像を構成する各画素のうちで輝度が相互に類似する複数の画素が連結して構成される複数の連結部分にそれぞれ外接する外接矩形をそれぞれ求め、全ての外接矩形のうちで、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合する。次いで、前記画像内の各外接矩形をそれぞれ輪郭とする複数の領域のうちで、直線上に並ぶ複数の外接矩形を、文字領域として容易に抽出する。これによって、画像内に文章が描かれる場合、文章を構成する文字に外接する外接矩形だけを文字領域として抽出することができる。
【0189】
また本発明によれば、鮮鋭化手段による鮮鋭化処理、輝度補正手段による輝度補正処理、またはコントラスト補正手段による処理対象の前記画像のコントラストを、該画像の元のコントラストよりも向上させる処理を行う。したがって、前記画像の解像度と前記表示手段の解像度との差もしくは前記表示手段の階調特性に起因する前記画像の視認性の低下を防止し、または前記画像のコントラストに起因する画像の視認性の低下を、さらに防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1参考例である画像処理装置31に含まれるデータ処理装置34の電気的構成を表すブロック図である。
【図2】 前記画像処理装置31の概略的な電気的構成を表すブロック図である。
【図3】 前記画像処理装置31が実行する画像補正処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】 入力画像データ51がいわゆる文書画像を表す場合の輝度ヒストグラムである。
【図5】 入力画像データがいわゆる文書画像を表す場合の輝度ヒストグラムである。
【図6】 入力画像データがいわゆる文書画像を表す場合の輝度ヒストグラムである。
【図7】 輝度補正用ルックアップテーブルCaLUT 内の処理前の輝度値kと処理後の輝度値CaLUT〔k〕との関係を表すグラフである。
【図8】 第1実施形態の画像処理装置内のデータ処理装置81の電気的な構成を表すブロック図である。
【図9】 第1実施形態の画像処理装置が実行する画像補正処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】 入力画像データ51が表す入力画像91を表す図である。
【図11】 2値化処理が施された入力画像データであるラベル画像データが表すラベル画像92を表す図である。
【図12】 図9の画像補正処理内の外接矩形抽出処理終了後に得られる前記ラベル画像92内の連結部分の外接矩形N1〜Nn+2を表す図である。
【図13】 図9の画像補正処理内の第1の除外処理終了後に得られる前記ラベル画像92内の連結部分の外接矩形N2〜Nn+2を表す図である。
【図14】 図9の画像補正処理内の第2の除外処理終了後に得られる前記ラベル画像92内の連結部分の外接矩形N2〜Nn+2に対応する前記入力画像91内の部分M2〜Mnを表す図である。
【図15】 図9の画像補正処理のステップb11において設定された各画素の鮮鋭化の度合h(x,y) を表す図である。
【図16】 図9の画像補正処理内の第2の統合処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
【図17】 前記第2の統合処理を説明するための図である。
【図18】 図9の画像補正処理内の第3の除外処理を詳細に説明するためのフローチャートである。
【図19】 前記第3の除外処理で用いられる探索領域Sa(n)を説明するための図である。
【図20】 第2実施形態の画像処理装置内のデータ処理装置101の電気的な構成を表すブロック図である。
【図21】 第2実施形態の画像処理装置が実行する画像補正処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】 本発明の第2参考例である画像処理装置121の電気的構成を表すブロック図である。
【図23】 従来技術において、画像データの規格上最大のコントラストよりも小さいコントラストの画像と、前記最大のコントラストの画像とを表す図である。
【図24】 従来技術において、表示装置の表示画面の構造を説明するための図である。
【図25】 従来技術において、印刷ドットが前記表示画面の表示画素よりも小さい原稿と、該原稿を表示した表示画面とを表す図である。
【図26】 従来技術において、鮮鋭化処理が施されていない画像と、鮮鋭化処理が施された画像とを表す図である。
【図27】 従来技術において、表示装置の階調特性を表すグラフである。
【図28】 図27のグラフの階調特性の表示装置の表示例である。
【図29】 図27のグラフの階調特性に応じた階調補正テーブルの入力濃度と出力輝度との関係を表すグラフである。
【図30】 図27のグラフの階調特性の表示装置を有し、かつ、図29の階調補正テーブルの補正処理を行う画像処理装置全体の階調特性を表すグラフである。
【図31】 図27のグラフの階調特性に応じたガンマ補正テーブルの入力濃度と出力輝度との関係を表すグラフである。
【図32】 図27のグラフの階調特性の表示装置を有し、かつ、図31のガンマ補正テーブルの補正処理を行う画像処理装置全体の階調特性を表すグラフである。
【図33】 従来技術において、階調補正処理が施されていない画像と、階調補正処理が施された画像とを表す図である。
【符号の説明】
33 画像入力装置
34 データ処理装置
35 表示装置
37 コントラスト推定部
38,85 輝度補正部
46,87,107 画像輝度変換部
51 入力画像データ
52,89,109 出力画像データ
83 文字領域抽出部
84 画像鮮鋭化部
Claims (5)
- 予め定める階調特性を有する表示手段と、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像内から文字が描かれた文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、
前記画像内の前記文字領域以外の残余領域に予め定める度合の鮮鋭化をそれぞれ施し、前記文字領域に、前記残余領域に施した鮮鋭化の度合よりも強い度合の鮮鋭化をそれぞれ施す鮮鋭化手段と、
前記表示手段が有する前記階調特性に基づいて、鮮鋭化が施された前記文字および前記残余領域をそれぞれ構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段とを含み、
前記文字領域抽出手段は、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、
各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出し、
前記表示手段は、前記輝度補正手段によって各画素の輝度が補正された画像を表示することを特徴とする画像処理装置。 - 予め定められた階調特性を有する表示手段を備えたデータ閲覧装置と、入力画像を処理して前記表示手段に表示させるための画像データを作成するデータ作成装置とを備える画像処理装置であって、
前記データ作成装置は、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像のコントラストを推定するコントラスト推定手段と、
推定された前記コントラストに基づいて前記画像のコントラストを増大させ、かつ、前記表示手段の階調特性に基づいて前記画像を構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段と、
前記輝度が補正された画像データを記録媒体に書き込む記録媒体書き込み手段と、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、
各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出する文字領域抽出手段とを備え、
前記データ閲覧装置は、
前記記録媒体から画像データを読み取る記録媒体読み取り手段を備え、
読み取った前記画像データに基づいて画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像処理装置。 - 入力画像を処理して予め定められた階調特性を有する表示手段に画像を表示させるための画像データを作成する画像データ作成装置であって、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像のコントラストを推定するコントラスト推定手段と、
推定された前記コントラストに基づいて前記画像のコントラストを増大させ、かつ、前記表示手段の階調特性に基づいて前記画像を構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段と、
前記輝度が補正された画像データを記録媒体に書き込む記録媒体書き込み手段と、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出する文字領域抽出手段とを備えることを特徴とする画像データ作成装置。 - 予め定められた階調特性を有する表示手段を備えたデータ閲覧装置と、入力画像を処理して前記表示手段に表示させるための画像データを作成するデータ作成装置とを備える画像処理装置であって、
前記データ作成装置は、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像内から文字が描かれた文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、
前記画像内の前記文字領域以外の残余領域に予め定める度合の鮮鋭化をそれぞれ施し、前記文字領域に、前記残余領域に施した鮮鋭化の度合よりも強い度合の鮮鋭化をそれぞれ施す鮮鋭化手段と、
前記表示手段が有する前記階調特性に基づいて、鮮鋭化が施された前記文字および前記残余領域をそれぞれ構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段と、
前記輝度が補正された画像データを記録媒体に書き込む記録媒体書き込み手段とを備え、
前記文字領域抽出手段は、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、
各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出し、
前記データ閲覧装置は、
前記記録媒体から画像データを読み取る記録媒体読み取り手段を備え、
読み取った前記画像データに基づいて画像を前記表示手段に表示することを特徴とする画像処理装置。 - 入力画像を処理して予め定められた階調特性を有する表示手段に画像を表示させるための画像データを作成する画像データ作成装置であって、
複数の画素から構成される画像を入力する画像入力手段と、
前記画像内から文字が描かれた文字領域を抽出する文字領域抽出手段と、
前記画像内の前記文字領域以外の残余領域に予め定める度合の鮮鋭化をそれぞれ施し、前記文字領域に、前記残余領域に施した鮮鋭化の度合よりも強い度合の鮮鋭化をそれぞれ施す鮮鋭化手段と、
前記表示手段が有する前記階調特性に基づいて、鮮鋭化が施された前記文字および前記残余領域をそれぞれ構成する各画素の輝度を補正する輝度補正手段と、
前記輝度が補正された画像データを記録媒体に書き込む記録媒体書き込み手段とを備え、
前記文字領域抽出手段は、
前記画像を構成する各画素の輝度を2値化し、2値化された輝度が相互に等しい複数の画素が連結して構成される1または複数の連結部分を求め、各連結部分に外接する外接矩形をそれぞれ求め、少なくとも一部分が重なり合う外接矩形を統合して単一の外接矩形にし、
各外接矩形をそれぞれ輪郭とする前記画像内の複数の領域のうちで、予め定める基準軸線に略平行に並ぶ領域を、文字領域としてそれぞれ抽出することを特徴とする画像データ作成装置。
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