JP3873299B2 - 仮名漢字変換装置および仮名漢字変換方法 - Google Patents

仮名漢字変換装置および仮名漢字変換方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、仮名漢字変換装置および仮名漢字変換方法に関し、詳しくは単語間の係り受けの情報を、文節分かち書きもしくは単語の漢字候補の選択に利用する仮名漢字変換装置および仮名漢字変換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、キーボードなどから入力された仮名文字列を、所望の仮名漢字混じり文に変換する仮名漢字変換装置が、日本語文の入力装置として、あるいは日本語文の編集装置として、種々提案されている。こうした仮名漢字変換装置としては、使用者が単語や文節の区切り位置をいちいち指定する必要がなく、しかも変換後の文字列は使用者が望んだ表記となるものが望まれている。日本語には、同音異議語や同訓異議語が多数存在することから、誤りなく所望の仮名漢字混じり文を得るためには、最終的には文の意味を解析しなければならないが、意味を解析するためには、少なくとも有機的に関連づけられた数万に上る言葉の知識ベースが必要となり、実現は極めて困難である。
【0003】
そこで、従来の仮名漢字変換装置では、文節分かち書きの処理や、同音異議語の選択における学習処理を工夫し、意味を解析することなく、使用者が望む結果が得られるよう試みている。文節分かち書きの処理としては、2文節を基本単位とし成り立ち得る文節の中で最長の文節が得られる文節を第1候補とする2文節最長一致法や、文節を構成する単語の候補となり得る単語および単語同士の組合わせにコストを付け、この点数が所定の条件を満たす文節を第1候補とする最小コスト法などがある。また、学習処理には、同音異議語の中から直前に使用者が選択した単語を最優先で次回の候補とする同音異議語の学習や、ある単語を含んだ文節の長さとして直前に使用者が指定した長さを最優先とする文節長の学習などが知られている。
【0004】
更に、最近では、単語同士の特定の関係(例えば、「熱いお茶」の「熱い」と「お茶」、あるいは「暑い夏」の「暑い」と「夏」)に着目し、この関係を記憶した辞書を用意することで、一方の単語(例えば「お茶」)が特定されたとき、この単語に関係のある言葉(例えば「熱い」)を第1候補として選択するものも提案されている(例えば特開平3−105664号の「かな漢字変換装置」や特開平4−277861号公報の「かな漢字変換装置」など)。こうした単語間の特定の関係は、「係り受け」あるいは「共起」と呼ばれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの仮名漢字変換装置では、一旦文節分かち書きを行なって得られた文節における単語同士の関係を見ているに過ぎないので、文節分かち書きが誤っていれば、せっかく用意した単語間の関係を記憶した辞書も役に立たない。そもそも、単語間の関係としてせいぜい隣接する単語間の関係を見ているに過ぎないので、日本語として最も自然な仮名漢字混じり文を得ることができない場合があった。かといって、むやみに単語間の関係を検討する範囲を広げれば、その組合わせの数は、入力した仮名文字の数の増加に応じて等比級数的に増加するから、仮名漢字変換の完了までに、許容できない長い時間がかかってしまう。
【0006】
また、こうした単語間の関係として、単純に2以上の単語が近接して使用される程度の情報(以下、広い意味で「共起」と呼ぶ)では、日本語における助詞の役割が看過され、正しい変換結果を得ることができない。例えば「記者」と「帰社(する)」が共起関係にあるという情報を記憶しているだけでは、「きしゃがきしゃする」は「記者が帰社する」に正しく変換できても、「きしゃにきしゃする」では、「記者に帰社する」となってしまい正しい変換とならない。そこで、係り受けの情報として、「名詞」+「助詞」+「用言」(例えば「記者」+「が」または「は」+「帰社する」)のように、係り語と受け語の間に許容される付属語(助詞など)の情報を含めて係り受け情報とし、これを記憶する方法が考えられるが、日本語の場合、受動や使役などの表現では、付属語である助詞が変化するため、今度は、「きしゃにきしゃさせる」を正しく変換できないという問題を招致する。とはいえ、受動や使役の場合の係り受けの成立を認めるために、許容する付属語の範囲を広げたのでは、係り受けによる仮名漢字変換の精度が低下してしまう。
【0007】
更に、日本語の場合、「受付」と「受け付け」、あるいは「受付け」のように、同じ言葉であっても異なる表記が許されているものがあるという特徴があり、これらの表記に関して係り受けをすべて認めようとすると、総ての表記の単語を単語辞書に登録するだけでなく、係り受け辞書にも登録しておかねばならないという問題があった。派生的なこれらの表記をすべて係り受けの対象とするために総ての派生表記を登録しておくと、係り受け辞書の容量が極めて大きなものとなってしまうばかりでなく、係り受けの検定に要する時間も増大し、許容できないものとなってしまうことも考えられた。
【0008】
本発明の仮名漢字変換装置および仮名漢字変換方法は、こうした問題を解決し、入力した文字列の分かち書きや漢字候補の優先順位の変更を、使役や受動を勘案した係り受けの関係を利用して行ない、所望の仮名漢字混じり文を得ることを目的としてなされ、次の構成を採った。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明の仮名漢字変換装置は、
単語辞書を参照して、入力された仮名文字列を文節分かち書きして文節分かち書き候補を作成し、該文節分かち書き候補を用いて仮名漢字混じり文を構成する候補文字列を生成する仮名漢字変換装置であって、
所定の文節同士の係り受けを構成する係り語と受け語の情報を、該係り語と受け語の間に許される許容付属語の情報と共に記憶した係り受け情報辞書と、
前記入力された文字列を文節分かち書きする処理を行なうとき、自立語を記憶した自立語辞書および付属語を記憶した付属語辞書を参照し、前記入力された仮名文字列から生成しうる単語同士の組合せを網羅的に生成する生成手段と、
該生成された単語同士の組合せの中から、前記係り受け情報を参照して、前記係り語と受け語の情報に該当する単語を備えた文節を検索する文節検索手段と、
該係り語と受け語の情報に該当する単語を備えた文節が検索されたとき、前記係り語に付属する語が前記許容付属語であるかを判定する第1の判定手段と、
前記係り語と受け語の情報に該当する単語を備えた文節が検索されたとき、該受け語に続く付属語が使役もしくは受動を表わす語である場合には、前記係り語に付属する語が、使役もしくは受動に対応した語であるかを判定する第2の判定手段と、
該第1および第2の判定手段のいずれかが肯定判断した場合には、前記検索された単語同士の組合せを、前記文節分かち書きにおける優先的な候補とし、いずれもが肯定判断しなかった場合には、前記検索された単語同士の組合せを、前記文節分かち書きにおける優先的な候補としない文節候補制限手段と
を備えたことを要旨とする。
【0010】
この仮名漢字変換装置に対応する仮名漢字変換方法は、
単語辞書を参照して、入力された仮名文字列を文節分かち書きし、コンピュータにより、仮名漢字混じり文字列候補を生成する仮名漢字変換方法であって、
キーボードから入力された前記仮名文字列を文節分かち書きする処理を行なうとき、自立語を記憶した自立語辞書および付属語を記憶した付属語辞書を参照し、前記入力された仮名文字列から生成しうる単語同士の組合せを、コンピュータにより、網羅的に生成し、
該生成された単語同士の組合せの中から、所定の文節同士の係り受けの情報を該係り語と受け語の間に許される許容付属語の情報と共に記憶した係り受け情報を参照して、係り受け情報に該当する単語を備えた文節を、コンピュータにより検索し、
該係り語と受け語の情報に該当する単語を備えた文節が検索されて見い出されたとき、
前記係り語に付属する語が前記許容付属語であるかを判定し、
該受け語に続く付属語が使役もしくは受動を表わす語である場合には、前記係り語に付属する語が、使役もしくは受動に対応した語であるかを判定し、
該いずれかの判定結果が肯定判断である場合には、前記検索された単語同士の組合せを、前記文節分かち書きにおける優先的な候補とし、いずれの判定結果も肯定判断でなかった場合には、前記検索された単語同士の組合せを、前記文節分かち書きにおける優先的な候補としないことで、前記文節分かち書きの候補を、コンピュータにより制限すること
を要旨とする。
【0011】
以上のように構成された本発明の第1の仮名漢字変換装置および仮名漢字変換方法によれば、係り受け情報辞書に所定の文節同士の係り受けを構成する係り語と受け語の情報を両語の間に許される許容付属語の情報と共に記憶しておき、入力された文字列を文節分かち書きする処理を行なうとき、この係り受け情報辞書に記憶された係り受け情報を参照して、係り受け情報に該当する単語を備えた文節を検索する。係り語と受け語の情報に該当する文節が検索されたとき、係り語に付属する語が許容付属語であるかの判定、および受け語に続く付属語が使役もしくは受動を表わす語である場合には、前記係り語に付属する語が、使役もしくは受動に対応した語であるかの判定を行なう。この検索結果に基づいて、文節分かち書きの候補を制限する。従って、係り受けの情報が存在する場合、単純に両語の存在によって係り受けの成立を見るのではなく、係り語に付属する語が、両語の関係を許す場合に係り受けの成立とし、かつ受け語が使役または受動を示す語である場合には、係り語に付属する語が使役または受動に対応した語である場合に、係り受けの成立として、文節候補の制限を行なうから、文節分かち書きの非所望な候補は選択され難くなり、所望の分かち書きがなされる可能性が高くなる。なお、文節候補の制限に代えて、既に他の手法により推定された文節分かち書きを前提として、各文節毎の漢字候補の優先順位を変更するものとすれば、所望の漢字候補を第1候補として得られる可能性を高めることができる。
【0012】
ここで、前記辞書が、単語の読みと該読みに対応する表記とを記憶した単語辞書であって、単語の読みに対応する表記として、複数の表記が存在する場合には、代表表記として定めた表記と、派生表記として定めた表記とを記憶した表記情報部を備えるものとし、
前記文節検索手段を、前記単語辞書に記憶された代表表記のみを用いて前記係り受けの検索を行なう手段とし、
更に、
前記文節分かち書き候補については、前記単語辞書の表記情報部に記憶された代表表記および派生表記を用いて、変換後の候補文字列を表示する候補文字列表示手段を備えるものとすることができる。
【0013】
この仮名漢字変換装置では、単語辞書には、代表表記と派生表記とが記憶されており、第1の仮名漢字変換装置において文節分かち書きされた各文節についての係り受けの検定については、代表表記のみを用いて行なって単語を特定し、特定された単語についての候補文字列の表示については、代表表記および派生表記を用いて行なう。
【0014】
更に、上記仮名漢字変換装置において、
前記文節候補制限手段に代えて、該第1および第2の判定手段の判定結果に基づいて、前記文節毎の漢字候補の優先順位を変更する漢字候補優先手段を備えるものとすることもできる。この場合には、係り受けに該当しないものも漢字候補としては残されるが、漢字候補としては係り受けが成立するものが優先されることになり好適である。
【0015】
また、仮名漢字変換装置における文節検索手段を、
後方の文節を起点として、既に登録された検索済み範囲を除いて、前方に向かって順次係り受け情報に該当する単語を備えた文節を検索する遡行検索手段と、
該検索により係り受け情報に該当する単語を備えた文節が見いだされたとき、該起点となった文節から該見いだされた文節までを、係り受け情報の検索済み範囲として登録する既検索範囲登録手段とを備えたものとすることもできる。こうしておけば、次の検索時には、この範囲は検索範囲から除かれるから、分かち書きのための検索時間が短くて済み、更に鎖交した係り受けを誤って選択するということがない。
【0016】
上記仮名漢字変換装置における文節候補制限手段を、前記第1または第2の判定手段が、該当する係り語と受け語とその付属語の存在を判定したとき、該語を含む文節分かち書きを優先的に選択する手段を備えるものとすれば、係り受けが成立する分かち書きを優先することになり、好適である。
【0017】
前記漢字候補優先手段を備えた仮名漢字変換装置において、
この漢字候補優先手段を、前記第1または第2の判定手段が、該当する係り語と受け語とその付属語の存在を判定したとき、該語を含む文節分かち書きを優先的に選択すると共に、該単語を仮名漢字変換の第1候補として選択する手段を備えるものとすることができる。この場合には、分かち書きおよび第1候補の選択が、係り受けに基づいてなされることになり、係り受けの成立がもっとも優先されることになる。
【0018】
更に、上記文節検索手段を、係り受け関係を有する単語間に存在する補助的な語が、予め定めた特定の文法構造を有する語である場合には、係り受け関係は成立と判断する手段を備えるものとすれば、付属語に関する情報量を低減することが可能となる。
【0019】
また、文節検索手段を備えた仮名漢字変換装置において、
文節検索手段を、
所定の文節を起点として、前記係り受け辞書に記憶された係り受け情報を参照して、係り受け情報に該当する単語を備えた文節を、該起点とした文節に隣接する文節以外の文節まで検索する隔文節検索手段と、
前記隔文節検索手段により係り受けの関係が見いだされたとき、前記起点となった文節から該見いだされた文節までの範囲を、次の隔文節検索手段による検索範囲から除外する検索範囲除外手段と
を備えるものとすることもできる。
【0020】
この場合には、係り受けの交差を排除して正しい係り受けの誤判定を回避すると共に、係り受けの検索の高速化を図ることが可能となる。
【0021】
なお、こうした仮名漢字変換装置において、係り受け辞書を参照して係り受けの関係にある単語を含む文節が見い出されなかった範囲については、既知の文節分かち書きの手法を適用することができる。例えば、2文節最長一致法を用いても良いし、単語間または/および文節間の結合の生じ易さに点数(コスト)を付け、この結合の生じ易さが最大(最小コスト)となるよう単語または/および文節を選択するものとしても良い。望ましくは、単語間の結合および文節間の結合の生じ易さが最大となる組合わせを選択するよう構成すればよい。
【0024】
この仮名漢字変換装置および仮名漢字変換方法では、係り受け情報辞書を参照して係り受け検定を行なう際、単語辞書に登録された代表表記のみを用いて検定を行なって、入力された文字列を構成する単語を特定するが、この特定された単語の候補文字列を表示する際には、単語辞書に記憶された代表表記のみならず、派生表記を用いて表示を行なう。従って、係り受けを含む文法処理の高速化と表記の多様性とを両立させることができる。
【0025】
【実施例】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例について説明する。図1は、仮名漢字変換の制御ロジックを示すブロック図、図2は、この仮名漢字変換制御ロジックが実際に動作するハードウェアを示すブロック図である。図2に示すように、この装置は、周知のCPU21を中心にバス31により相互に接続された次の各部を備える。CPU21とバス31により相互に接続された各部について、簡単に説明する。
【0026】
ROM22:仮名漢字変換プログラム等を記憶するマスクメモリ、
RAM23:主記憶を構成する読み出しおよび書き込みが可能なメモリ、
キーボードインタフェース25:キーボード24からのキー入力を司るインタフェース、
CRTC27:カラーで表示可能なCRT26への信号出力を制御するCRTコントローラ、
プリンタインタフェース29:プリンタ28へのデータの出力を制御するインタフェース、
ハードディスクコントローラ(HDC)30;ハードディスク32を制御するインタフェース、
である。ハードディスク32には、RAM23にロードされて実行される各種プログラムやデバイスドライバの形式で提供される仮名漢字変換処理プログラム、あるいはその仮名漢字変換処理プログラムが参照する各種変換辞書などが記憶されている。
【0027】
こうして構成されたハードウエアにより、文章が入力,仮名漢字変換,編集,表示,印刷などがなされる。すなわち、キーボード24から入力された文字列は、CPU21により所定の処理がなされ、RAM23の所定領域に格納され、CRTC27を介してCRT26の画面上に表示される。
【0028】
次に、こうして構成されたハードウエアにより実行される機能を図1を用いて説明する。図1に示した各部の構成と働きについて概説するが、ここで行なわれる処理は、キーボード24より入力されたデータに基づき、中央処理装置(CPU21)が実行するものである。このCPU21により、総ての処理がおこなわれる。仮名漢字変換については、キーボード24が操作されたとき、所定の割込処理が起動し、入力したキーイメージを対応する仮名文字列に変換し、更にこれを仮名漢字混じり文字列に変換するデバイスドライバが起動する。もとより、並列処理可能なコンピュータであれば、仮名漢字変換を一つのアプリケーション(インプットメソッド)が行なうものとし、変換結果を、必要とするアプリケーションに引き渡す構成としても差し支えない。この場合には、キーボード24からの入力をインプットメソッドが一括して引き受けることになる。
【0029】
キーボード24からのキーイメージは、文字入力部40により受け付けられ、ここで、対応する仮名文字列に変換される。ローマ字入力の場合には所定の変換テーブルを参照して、仮名文字列に変換する。一つの仮名文字が得られる度に文字入力部40は、その仮名文字を変換制御部42に送出する。この変換制御部42は、仮名漢字変換の中心的な役割を果たす所であり、後述する種々の仮名漢字変換を制御して、結果を変換後文字列出力部44に送出する。変換後文字列出力部44は、現実には、CRTC27に信号を送り、CRT26に変換後文字列を表示する。
【0030】
変換制御部42は、受け取った仮名文字を文字列入力部50に引き渡す。文字列入力部50は、文字格納部52に仮名文字列を格納する。この文字列に基づいて、自立語候補作成部54と付属語候補作成部64とが、単語データの候補を作成する。自立語候補作成部54は、ハードディスク32に予め記憶された自立語辞書58を用い、自立語解析位置管理部56の管理の下で、得られた仮名文字列から自立語候補を抽出する処理を行なう。一方、付属語候補作成部64は、同じく付属語辞書68を用い、付属語解析位置管理部66の管理の下で、得られた仮名文字列から付属語候補を抽出する処理を行なう。解析位置を移動しつつ、自立語候補と付属語候補を抽出する処理については、後述する。
【0031】
ここで、自立語辞書58は、学習により、同音異義語や接辞などの優先順位を変更する。この学習処理を行なうのが、係り受け学習部70,自立語学習部72,補助語学習部74,接辞学習部76,文字変換学習部78である。係り受け学習部70は、係り受けが成立する条件で、使用者が係り受けに該当する単語以外の語を選択した場合、同じ単語の組合わせでは、使用者が選択した組合わせを優先するよう係り受けの関係を学習するものである。自立語学習部72は、同音異義語の存在する自立語群において、最後に選択された単語を最優先の候補とするよう学習するものである。補助語学習部74は、例えば「ください」などの補助語を「ください」「下さい」など、いずれの語形で変換するかを学習するものである。更に、接辞学習部76は、接頭語,接尾語などの変換形式(例えば、「御」「ご」など)を学習するものである。文字変換学習部78は、入力した文字列をそのままひらがなやカタカナとして確定させた場合に、その文字列を学習し、次回以降の変換処理では確定させたひらがなまたはカタカナを候補として出力するものである。
【0032】
自立語候補作成部54,付属語候補作成部64により、作成された語候補を得て、単語データ作成部80が、各語候補についてのデータを作成する。即ち、得られた自立語と付属語、自立語と自立語、更には「自立語+付属語」からなる文節間の接続を接続検定テーブル84を参照して接続検定部82が行なった結果、および全体のコスト計算をコスト計算部86が行なった結果を得て、単語毎のデータとして出力するのである。この単語データは、一旦単語データ格納部100に格納され、係り受け候補調整部90からの調整出力を受けて、文節分かち書きの処理に用いられる。
【0033】
係り受け候補調整部90は、自立語候補作成部54,付属語候補作成部64からの語候補を受けて、係り受けの検定を行なうものである。係り受けの検定は、ハードディスク32に予め用意された係り受け辞書98を参照することによって行なわれる。係り受けの検定を行なう範囲は、係り受け範囲管理部96により管理される。また、係り受けの関係の検定には、いくつかの許容条件があり、これが使役・受動解析部92,助詞許容解析部94等により判定される。以上の係り受けの検定により調整された係り受け候補と、先に説明した単語データとは、単語データ格納部100により統合され、文節分かち書き部102による文節分かち書きの処理に供される。文節分かち書き部102は、得られたデータから文節分かち書きの第1候補を決定する。
【0034】
以上の処理により文節分かち書きの第1候補と、その文節毎の仮名漢字変換の第1候補が決定される。文節分かち書き部102は、その候補を文節データ格納部106に格納し、格納された候補は、変換文字列出力部108により変換制御部42に出力される。変換制御部42は、この文字列を候補文字列として表示すると共に、非所望の文字列が候補となる場合もありえるから、使用者による指示を受けて、次候補の表示や選択などの処理を行なう。これらの指示や選択の結果などは、文節データ格納部106や既述した各学習部70ないし78に入力され、文節の一部確定や学習による優先順位の書き換えなどに用いられる。なお、図示していないが、使用者により文字列の確定処理がなされると、各部に一時的に保存されたデータは総て消去され、次の変換に備える。
【0035】
以上、仮名文字の入力から変換語文字列の出力までを概説したが、次に各処理の詳細について説明する。まず最初に一般的な文節分かち書きの処理について説明し、次に本発明の要部である係り受けの処理について説明する。図3は、最小コスト法による文節分かち書きの処理の概要を示すフローチャートである。図示するように、まず、一時的に保存されたデータの消去や解析位置を1桁目に初期化するなどの初期化の処理(ステップS200)を行なった後、解析位置を求める処理を行なう(ステップS210)。解析位置とは、それまでに入力された仮名文字列の先頭から順に一つずつ進められていく位置である。例えば、図4に示す例文「くるまではこをはこぶ」という仮名文字列が入力されているとすれば、最初の解析位置は1桁目の「く」の位置である。この解析位置で、ハードディスク32に記憶された自立語辞書58および付属語辞書68を検索する処理を行なう(ステップS220)。
【0036】
辞書の検索を行なった後、得られた単語についてそれ以前の単語との結合をチェックする処理を行ない(ステップS230)、単語間の結合がありえない語しか得られていない場合には、更に辞書を検索する。例えば、図4に示した例では、「こをはこぶ」の「は」について付属語辞書68から検索された係助詞の「は」は、そのなど直前の格助詞「を」との結合がありえないと判断されるから、単語データ作成部80,接続検定部82による接続の検定により、無効なデータとして扱われる。図4では、こうした結合チェックにより無効と判断された語に符号「×」を付けた。なお、単語間の結合は、接続検定テーブル84に予め記憶されているが、この接続検定テーブル84は、単語の品詞同士の結合の可能性についての情報を与えるテーブルであり、実施例では、400×400程度のマトリックスとして与えられている。一つの解析位置での辞書検索と結合チェックが終われば、解析位置を順に進めて更に処理を繰り返す。
【0037】
結合の可能性のある単語については、次にコスト計算を行ない、その語の最小総コストを求める処理を行なう(ステップS240)。この処理は、コスト計算部86が行なうもので、図4(A)に示す例では、「くるま」は、例えば「く」+「る」+「ま」、「くる」+「ま」「くるま」と分けることができ、これらに単語を当てはめてゆくとき、自立語=2、付属語=0のコストを持つものとし、「苦」(自立語)+「流」(自立語)ならば、「流」の総コストは4、と求めるものである。この時、「間」のコストが4となるのは、最小の総コストを求めるからであり、「苦」+「流」+「間」のコスト6ではなく、「来る」+「間」の場合のコスト4を採用するからである。「で」「は」は付属語なので、それ以前の単語のうち最小のコストの単語「車」=2のコストがそれ自身のコストとなる。図4には、各語のコストを右下に示した。
【0038】
以上のコスト計算の後で、各単語のコストをチェックし、不適切なコストのものを無効とする処理を行なう(ステップS250)。不適切なコストとは、他の語の組合わせと比べてコストが大きくなってしまう語の組合わせである。即ち、「区」+「留」といった語の組合わせを選択することは、その位置までで得られる他の語「来る」や「繰る」のコストより高くなってしまうので、不適切なコストと判断して、これを文節候補から除外するのである。この最小コストの考え方から採用されない語を、図4では、語の右上に「●」として示した。なお、図4において、「○」は、その語が、上述した結合チェックとコストチェックの結果、文節候補を形成する可能性のある語として残ったものであることを示している。
【0039】
次に、こうしてコストが与えられた単語候補をリンクする処理を行なう(ステップS260)。即ち、結合が有効とされた語について、その結合関係をポインタを設定することで関係づけるのである。図4の例では、「来る」「繰る」「車」「まで」「で」「は」「では」などが無効でない語として最小総コストの計算がなされたから、「来る」「繰る」については「まで」にリンクし、「車」については「で」「では」にリンクするというように関係づけるのである。こうした結合チェックやコスト計算、そしてリンクづけの処理を、一つの解析位置で総ての単語の検索が完了する間で繰り返す。また、その解析位置での辞書の検索が完了すると、更に解析位置を一つ進めて、新たな単語の成立を検討し、同様に結合チェックやコスト計算などを繰り返す。
【0040】
解析位置が、既に入力された最後の仮名文字の位置に至り、全語について解析が完了した場合には(ステップS265)、以上の処理を前提として、最小コストのパスを検索する処理を行なう(ステップS270)。この処理は、文節分かち書き部102が行なうもので、有効とされた語の組合わせのなかで、語に付与されたコストの総和が最小になるものを検索する処理である。「くるまではこをはこぶ」の例では、図4(B)に実線Jのパスとして示すように、「車で」+「箱を」+「運ぶ」という分かち書きが総コスト18となるので、最小コストとして選択される。なお、最小コストではないが、他の文節分かち書きの候補も検索される。例えば、図4(B)に破線Bのパスとして示すように、「車では」+「子を」+「運ぶ」という分かち書き(コスト=20)である。こうして分かち書きの候補を作成した後(ステップS280)、今度は各文節の内部での候補を作成する処理を行なう(ステップS290)。即ち、ひとつの文節分かち書きの内部で、例えば「はこを」に対して「箱を」や「函を」といった候補を用意するのである。これらの文節の候補や単語の候補は、使用者により文節の分け方をかえるよう指示されたり、次候補を表示するよう指示された場合に使用される。
【0041】
いま一つの文節分かち書きの例を図5に示す。この例は、後述する係り受けの説明に用いるものであるが、係り受けを考慮しない最小コスト法による文節分かち書きを、「きしゃをきしゃさせる」について適用したものを示す。この例では、結合チェック(ステップS230)により、「ゃ」は名詞との直接の結合が無効であることから除外される(×印)。また、「木」や「氏」、あるいは「社」などは、最小総コストのチェック(ステップS250)から除外される(●印)。この結果、図5に示した例では、「きしゃを」+「きしゃ」という文節分かち書きがなされ、各語の優先順位が図5に示した順序であるとすれば、「きしゃ」の第1候補としては「貴社」が選ばれることになる。なお、後半の「きしゃ」については、解析が「きしゃ」の末尾までまでしか至っていない場合には、前半の第1候補と同一の「貴社」が選ばれることになるが、「きしゃ」の後に「させ」や「する」などが付属する場合には、例えば使役「させ」が付属する語であることを考慮して「帰社」を第1候補として表示することができる。
【0042】
なお、以上の説明では、コスト計算は、各語自身についてのみ行なったが、実際には、単語同士の結合のしやすさの度合いに応じてコストを下げるポイントを付与したり、文節同士の結合について文法的な規則に基づいて同様に結合し易い文節同士の組合わせにコストを下げるポイントを付与することもできる。ここでは、文節分かち書きの処理に対する理解の便を図って、最も簡易な手法を用いて説明したに過ぎない。
【0043】
以上の文節分かち書きの処理を踏まえ、次に係り受けによる文節分かち書きの処理について説明する。図6は、係り受け検定を行なう処理を取り出して示すフローチャートである。この処理は、図3に示したステップS220ないしステップS250の処理と並行して実施される。実際には、解析位置を求めた後(ステップS210)、各種辞書を検索する際、自立語辞書58,付属語辞書68の検索に併せて、係り受け辞書98も検索し、結合チェック、最小総コストの計算に伴うコストチェックと共に、次の係り受け検定処理がなされる。この処理が開始されると、まず、解析位置において候補となり得る語(○印の語)について、係り受け候補調整部90が係り受け辞書98を検索し、係り受け情報が存在する語であるか否かの判断を行なう(ステップS300)。なお、解析位置における語が、接続詞、感動詞、独立語の場合には、係り受けは存在しないとして、その単語についての処理は直ちに終了する。
【0044】
例として、「きしゃをきしゃさせる」という仮名文字が入力されて、解析が「きしゃをきしゃ」まで進んだ場合を取り挙げて説明する。この時、後半の「きしゃ」の候補としては、「記者」「貴社」「汽車」「帰社」などが得られるから、これらの各語について、係り受け辞書98内に何らかの情報が存在するかを調べるのである。なお受け語となる語が「聞いた」や「利いた」など用言であって活用形を有する場合には、語幹「聞」や「利」あるいは基本形「聞く」や「利く」をキーワードにして、係り受け辞書98は参照可能に構成されている。
【0045】
実施例における係り受け辞書98の構造の一例を図7に示す。本実施例の係り受け辞書98は、[見出し+受け語(語幹)+1つの係り語+付属語情報]を単位とする構造を持っており、図7の例では、受け語「帰社」について、見出し「きしゃ」+受け語「帰社」+係り語「記者」+「が」、見出し「きしゃ」+受け語「帰社」+係り語「貴社」+「に」、見出し「きしゃ」+受け語「帰社」+係り語「汽車」+「で」・・・・・というように、一つの受け語について、複数の組みのデータを持っている。更に、見出し「きしゃ」,受け語「記者」については、係り語群「貴社,新聞,通信社・・・」を構成する各語について、同様に、見出し「きしゃ」+受け語「記者」+係り語「貴社」+「の」などのように、一つの係り語毎にデータを持っている。これらのデータは、受け語についての見出し語の五十音順に並んでいる。もとより、他の語についても、同様の係り受け情報が記憶されている。係り受け候補調整部90は、この係り受け辞書を検索し、該当する見出しおよび受け語が存在する場合には、係り語の候補を辞書から取り出して、係り受けの検定に供するのである。なお、これらのデータは、見出しと受け語は同一であるから、データ群全体の頭に見出し語と受け語を用意し、係り語と付属語の情報を、個々に用意するものとしても良い。
【0046】
また、図7の例では、係り受けの検定を分かりやすく示すため、最小限の情報のみ示したが、実際の係り受け辞書98は、「受け単語見出し+係り単語見出し」、「受け単語見出し長」、「受け単語漢字」、「受け単語品詞」、「係り単語見出し長」、「係り単語漢字」、「係り単語品詞」、「係り受け関係」などの詳細な情報からなる。受け単語や係り単語の品詞は、係り受けの成立と付属語の許容を検討するために必要であり、見出し長のデータは、辞書98から高速に切り出しを行なうのに必要である。
【0047】
係り受けの情報が存在する語(以下、受け語という)が見い出された場合には、次に、係り受けが既に成立したとして登録された範囲を除き、前方に向かって係り受けに対応する語(以下、係り語という)が存在するか検索を行ない(ステップS310)、対応する係り語があるか否かの判断を行なう(ステップS320)。この時、係り語の検索は、最小総コストとなっている語のみならず、他の語についても行なわれる。いま、係り受け辞書98には、図7に示したように、「記者(が)帰社」、「貴社(に)帰社」、「貴社(の)記者」、「汽車(で)帰社」という係り受けが記憶されているものとする。ここで()内の仮名は、係り受け関係を有するとされる語の間に存在する可能性があるとして許容されている付属語である。ステップS300において受け語となり得ると判断された「帰社」「記者」について、係り受け情報に受け語が存在するので、これらについて各々係り語が存在するか判断すると、図5に示した例では、「帰社」については「きしゃ」という文字列の候補である「記者」「貴社」「汽車」が該当すると判断され、「記者」については「きしゃ」という文字列の候補である「貴社」が該当すると判断される。ステップS320で、係り語が存在すると判断された場合には、次に両語の間に存在する付属語が、係り受けの存在を許容する語であるか否かの判断を行なう(ステップS330)。
【0048】
助詞の許容解析は、係り受けのタイプにより定義された許容関係を見たしているかを判断するものであり、係り受けのタイプ毎に次の類型を持つ。
[I]連用修飾型
▲1▼名詞+助詞+用言の場合の助詞
格助詞「が」「から」「で」「と」「に」「へ」「より」「を」「の」
係助詞「は」
▲2▼用言連用形+用言の場合
▲3▼名詞+用言(助詞省略型)の場合の省略可能な助詞
「が」「は」係助詞,副助詞
[II]連体修飾型
▲4▼名詞+助詞+名詞の場合の助詞
「の」
▲5▼体言+体言(並列)の場合の助詞
「や」「と」
▲6▼用言連体形+名詞の場合
▲7▼連体詞+名詞の場合
【0049】
即ち、係り受け関係にあると判断された2つの語の関係が上記の▲1▼ないし▲7▼のいずれかに属するとして、係り受け関係にある両語の間に存在する付属語(大部分は助詞もしくは助詞的表現)が上記のいずれかに該当する場合は、係り受け辞書98には係り受け関係を有する語について許容する助詞の設定がなされているから、これを検定するのである。例えば、「機転」と「利く」との間の係り受けが助詞の許容設定(の・が)を伴っている場合、上記▲1▼のケース(名詞+助詞+用言)に属するから、「の」「が」は両語間に存在可能であるけれども(機転が利いた、機転の利いた→○)、他の格助詞「から」「で」などは許容できない(機転から利いた、機転で利いた→×)ということになる。
【0050】
▲1▼ないし▲7▼の各関係について、そこに挙げられたもの以外については、許容されると判断する。この許容されると判断する例を以下に列挙するが、これらは、係り受けとしては実際の表現としては成り立たない場合を含む可能性がある。しかし、係り受けは、実際の人間の言語活動としては、広い概念であり、あまりに厳格な係り受けの取り決めはむしろ現実にそぐわないことが多い。また、余りに厳密な係り受けの取り決めは係り受け辞書98のいたずらな増大を招くだけであり、係り受け検定の速度も低下させる。そこで、本実施例では、付属語の許容について、係り受けの生じる関係を▲1▼から▲7▼に分け、その中で許容・非許容の明確なものについては、係り受け辞書に許容するものとして係り受け関係の成り立つ語と共に記憶し、それ以外については、許容するものとしたのである。
【0051】
[III]許容される表現−連用修飾形の場合
・名詞+格助詞的表現+用言における格助詞的表現
「ずつ」「として」「のため」「において」「によって」など、
・名詞+係助詞+用言における係助詞
「こそ」「さえ」「しか」「でも」「も」など、
・名詞+副助詞+用言における副助詞
「きり」「くらい」「ずつ」「だけ」など、
・名詞+副助詞的表現+用言における副助詞的表現
「なので」「なら」など、
・用言+助詞+用言における助詞
「のは」など
・接続助詞 「ので」「から」「から」「て」など、
・接続助詞的表現 「からには」「ためには」「ほど」「うえ」など、
・用言+用言を並列させる表現 「か」「し」「たり」「と同時に」など、
【0052】
[IV]許容される表現−連体修飾形
・名詞+助詞的表現+名詞における助詞的表現
「における」「に関する」「に基づいて」など、
・用言+助詞的表現+名詞における助詞的表現
「ための」「といった」「に伴う」「などの」「ごとき」など、
・体言+体言を並列させる表現 「か」。
【0053】
以上の規則に従って、係り受けの関係が見い出された2つの語の間の付属語の許容について判断する。例として挙げた「記者」「帰社」の場合には、許容される格助詞は「が」であるから、「きしゃをきしゃ」については係り受けの成立が認められない。そこで、これを判定し(ステップS340)、係り受けを成立させる係り語と受け語か存在するするにもかかわらず、係り受けが成立しないと判断された場合には、次に使役・受動の係り受けの検定処理を行なう(ステップS342)。
【0054】
使役・受動の係り受け検定処理は、図1に示した使役受動解析部92により行なわれる。この処理について詳しく説明する。図5に示した文例では、更に解析が図8に示すように「きしゃをきしゃさせ」まで進むと、使役・受動であると判断でき、使役・受動の場合を考慮した係り受け処理を行なうことになる(ステップS342)。この処理は、ステップS320,S330と同様に、対応する係り語があるかと言う点とその場合の付属語が許容される語であるかと言う判断である。「きしゃ」に対して「帰社」に着目すると、対応する語「記者」は存在し、次に付属語の解析を行なうと、使役の場合には、本来の付属語「が」については「を」が許容されることが予め記憶されているから、係り受けが成立すると判断することになる。なお、「帰社」と「貴社」との関係は、本来許容される付属語が「に」であり、使役の場合であっても「を」が許容される関係ではないので、係り受けの成立は認められない。同様に「帰社」と「汽車」+「で」についても係り受けの検定を行ない、係り語と受け語との間に使役であることにより許容される付属語は存在しないことが分かる。
【0055】
そこで、これらの解析結果を基に係り受けの成立について判断し(ステップS344)、使役・受動を考慮して係り受けが成立していると判断された場合には、ステップS340で通常の係り受けが成立していると判断された場合と共々、優先的にその語を含んだ文節を、最小総コストの違いを越えて文節候補とする処理を行なう(ステップS350)。更にこうして見い出された受け語から係り語までの間を係り受け成立済み範囲として登録し、これを管理する処理を行ない(ステップS360)、全範囲について係り受けの検索を行なったか否かの判断(ステップS370)に進む。なお、通常の係り受けはもとより使役・受動を考慮しても係り受けの成立が否定された場合には、ステップS350,360を行なわず、ステップS370に移行する。
【0056】
係り受けを、受け語から前方に検索して、検索済みとして登録された範囲を除いて総ての語について完了するまで、上記の処理(ステップS310ないし370)を繰り返し、全範囲についての検索が完了すると、次に受け語についての複数の候補について、係り受けの検定が完了したか否かの判断を行なう(ステップS380)。即ち、この例では、受け語となる後半の「きしゃ」についての候補「貴社」「帰社」「記者」「汽車」などについて、総て係り受けの関係が成立するものがあるか、検定するのである。係り受けの関係が成立する語が見い出され、付属語の許容解析もパスし、係り受けが成立したと判断された語は、文節候補として最も高い優先順位に設定される(ステップS350)。複数の候補単語について係り受けの関係が成立した場合には、辞書に登録されていた順に優先順位の高い文節候補とする。
【0057】
ここで、係り受けの成立した語を含む文節を文節候補とする際、その文節が最小総コストとなっていない語を含む文節であっても優先されるという点について説明する。「きしゃをきしゃさせ」の例では、選択される文節「きしゃを」「きしゃさせ」は、係り受けによる検定を行なわない最小総コスト法による文節候補と、文節の分け方自体は同じである。しかし、例えば、「じょうききしゃをきしゃさせ」という仮名文字列が入力され、「蒸気汽車」という自立語が存在したと仮定すると、図9に示すように、「蒸気汽車を」「帰社させ」が最小コストのパス(実線G)となって第1候補となってしまう。これに対して、係り受け関係(「記者(が)帰社」)の使役・受動による検定がなされた場合には、最小コストのパスとはならない「上記」「記者を」「帰社させ」が第1候補とされる(図9破線B)。
【0058】
最初の例文「きしゃをきしゃさせる」について、単語間の接続チェックなどを行なって接続し得ない候補を削除して最終的に得られた文節候補を図10に示す。従って、この文節分かち書きの第1候補は、「記者を帰社させる」となる。
【0059】
以上使役表現の一例について説明したが、その類型としては、名詞N1,動詞Pと表記するものとして、以下のものがある。
「N1を+Pさせる/せる」が、「N1が+P」の使役型
「N1に+Pさせる/せる」が、「N1に+P」の使役型
「N1+Pさせる/せる」が、「N1 +P」の使役型
【0060】
なお、本実施例では、2文節以上に亘る助詞検定必要な下記のような使役の型は許容しない。
「N1に+対して+P(動詞未然形)させる」
「N1を+P(形容動詞)に+する」
「N1を+P(形容詞)く+する」
「N1を+P(名詞)に+する」
「N1を+P(動詞終止形)ように+する」
「N1を+Pせしめる」
【0061】
更に、受動の場合の係り受けの処理について例示する。係り受けとして「生徒(を)教える」が存在する場合に、入力した仮名文字列「せいとがおしえられる」を文節分かち書きするばあいの処理を例にとって説明する。図11は、「せいとをおしえ」まで解析位置が進み、「教え」について、前方に遡って係り語が存在するかを検索する場合を示している。「教え」を受け語とする係り受けはもとより「生徒(を)教える」だけではなく、「数学(を)教える」とか「先生(が)教える」なども存在するが、これらは係り受け辞書98に登録されており、「教」を見出しとして検索することができる。この検索は、前方に遡ってなされるから、「緒」「尾」から検定が開始され、「聖徒が」「生徒が」に至って、「教」を見出しとする係り受けの中の「生徒(を)教える」の「生徒」を見い出すことになる。この係り受けは、そのままでは「生徒が教え」なので付属語の許容解析をパスせず、係り受けの検定は一旦打ち切られる。その後、文節分かち書きの検定が進んで「おしえられ」まで至って、再度係り受けの検定がなされると、使役・受動の係り受けの検定により初めて付属語の許容解析をパスする。従って、受動の場合の係り受けとして成立と判断され、「生徒が」と「教えられ」とが文節分かち書きの第1候補となる。この様子を図12に示す。得られる第1候補は、「生徒が教えられ」となる。ここで、「生徒が」から「教えられ」までは、係り受けの成立範囲として、その後の係り受けの検索範囲からは除外される。
【0062】
以上受動表現の一例について説明したが、その類型としては、名詞N1,動詞Pと表記するものとして、以下のものがある。
「N1が+Pられる/れる」が、「N1を+P」の受動型
「N1に+Pられる/れる」が、「N1が+P」の受動型
「N1+Pせれる/れる」が、「N1 +P」の受動型
【0063】
なお、本実施例では、2文節以上に亘る助詞検定必要な下記のような受動の型は許容しない。
「N1に(によって)+Pられる」
「N1に(により)+Pられる」
「N1が+N2に+Pられる」
「N1の+Pられる」
「N1は+N2に+P(さ)れる」
「N1から+P(さ)れた+N2」
【0064】
以上説明した本実施例によれば、単語のコストを計算して文節分かち書きの候補を求める処理の過程で同時に使役・受動の場合を含む係り受け情報も検索しているので、文節分かち書きの候補を求める段階で、使役・受動を含む係り受けの情報を反映させることができる。係り受けの情報は、高次の言語活動なので、単語間や文節間のコスト計算による文節分かち書きの選択の画一性による弊害を回避して、より使用者の意図に沿った文節分かち書きの候補を求めることが可能となる。しかも、自立語辞書58や付属語辞書68を参照して行なわれる最小コスト法による文節分かち書きの処理と同時に係り受けの処理もなされるから、係り受けの情報を用いた文節分かち書きの処理を短時間の内に完了することができる。文節分かち書きを済ませてから改めて係り受け辞書98を参照しにゆく場合には、係り受けの情報を用いて文節の分け方を変更することができないばかりか、辞書の参照を再度行なうので、処理に時間を要する。
【0065】
また、係り受けが一旦成立したと判断された場合には、その受け語から係り語までの範囲を係り受け成立範囲として、その後の検索範囲から除外するので、係り受けの範囲が交差することがない。また、2以上の受け語が一つの係り語を受けるという判断をすることもない。また、係り受けの成立を隣接する文節を越えて判断するので、副詞などによる修飾が係り受け関係の間に入っても係り受けの検定を正しく行なうことができる。従って、複数の係り受けが成立する場合には、図13(A)に示すように、独立した係り受けが別個に成立する組合わせか、図13(B)に示すように、一つの受け語が2以上の係り語を受ける組合わせか、図13(C)に示すように、一つの係り受けを跨ぐようにもう一つの係り受けが成立する組合わせが許されることになる。
【0066】
次に、本発明の第2実施例について説明する。第2実施例では、第1実施例と同様のハードウェア構成を用い、その機能ブロックも図1に示すものとほぼ同一である。機能ブロックにおいて異なるのは、自立語辞書58の構造と、係り受け辞書98の構造であり、辞書構造の相違に伴う単語検索処理,係り受け検定処理および表示処理である。第2実施例における処理に従って、これらの相違点および辞書構造の相違について順次説明する。
【0067】
図14は、第2実施例における仮名漢字変換処理ルーチンを示すフローチャートである。この処理ルーチンは、キーボード24から一ないし複数の仮名文字が入力された後、変換キー(例えば「スペースキー」)が押されたとき、開始される処理である。なお、変換キーが操作されなくても所定数の仮名文字が入力されたとき、あるいは「。」や「、」「.」などの区切り記号が入力されたときに、図14の仮名漢字変換処理が開始されるものとしても差し支えない。この処理が開始されると、まず単語検索処理(ステップS400)と分かち書き処理(ステップS420)とが行なわれる。これらの処理は、第1実施例における図3の処理に該当する処理である。
【0068】
図15に、単語検索処理ルーチンの詳細を示す。図示するように、単語検索処理ルーチンが起動されると、まず単語検索の開始位置Mを値1、即ち入力された仮名文字列の先頭位置とする処理を行なう(ステップS402)。次に、単語検索における読みの長さを示す変数Lを値1に初期化する処理を行ない(ステップS404)、この読みの長さLの語を自立語辞書58,付属語辞書68から検索する処理を行なう(ステップS405)。ここで、自立語辞書58は、図16に示すように、ヘッダとインデックスと辞書本体からなる。ヘッダは、辞書自体を管理するための情報である。インデックスおよび辞書本体は、基本単語と派生単語と意味用例とに分けて管理されている。基本単語とは、一つの単語が派生表記を有する場合、例えば「取り扱い」に対して「取扱」や「取扱い」などが表記として許されている場合、これらの表記を代表する単語として予め定められた単語である。即ち、基本単語とは、文節分かち書きや係り受けの処理において代表的に用いられる単語を意味しているに過ぎない。単語辞書に記録されている語であるため、代表単語と呼ぶが、言語における基本的に単語という意味ではない。以下、基本単語のことを、その表示については、「代表表記」と呼び、派生単語については「派生表記」と呼ぶ。
【0069】
意味用例についての領域は、第1実施例で説明した係り受けに関する情報と同一の情報が管理されている領域である。したがって、第2実施例では、自立語辞書58と係り受け辞書98とが、一体化されている。意味用例の領域に記憶された情報は、基本単語を中心とする係り受けの情報である。係り受けの情報と基本単語および派生単語との関係については、後述する。
【0070】
これらの基本単語,派生単語,意味用例は、辞書本体においては、B−Tree構造により管理されている。B−Tree構造は、多数のデータを検索する場合に採用される周知の管理構造であり、多数のデータが存在する場合、データが適正に編成されていれば、目的とするデータにたどり着くまでの時間が平均的な時間になる構造として知られている。辞書本体におけるB-Tree構造の一例を図17に示した。読み(仮名文字列)に基づいてB−Tree制御ブロックを辿って単語ブロックに至ると、ここに実際の単語データがおかれている。
【0071】
基本単語領域などの単語データは、大まかには、図18に示すデータ構造を有している。即ち、先頭に単語データのデータ長Xを示すデータが存在し、その後、Xバイトの実データが続いている。実データの先頭には、見出し語の長さYが記録されており、続いてYバイトの見出し語が記録されている。実際の単語データは、その後に続いている。単語データは、その先頭に単語長Wが記録されており、その直後に漢字データの有無などを示す1バイトのフラグが記録されている。フラグの後には、漢字データが記録されているが、この漢字データは、漢字データ長と実際の漢字文字列を示す漢字コードから構成されている。その後、単語情報および品詞情報(場合によっては複数の品詞情報)が記録されている。単語情報は、単語情報の長さを示すデータと、実際の単語情報とからなる。
【0072】
このように、基本単語でも派生単語でも、B−Tree構造を用いて、単語の見出し文字列に基づいて、所望の単語に関する情報を取り出すことができる。これらの単語情報は、更に図19に示すように、セパレータとこれに続くデータとから構成されている。セパレータとしては、それ以後に続くデータが表示される漢字のデータであることを示す表示漢字セパレータや、データが読み情報であることを示す読み情報セパレータ、派生表記であることを示す派生表記セパレータなどがある。表示漢字とは、一つの単語に代表表記と派生表記とがある場合に、デフォルトで漢字を表示するために、代表表記に対応する漢字での表記を記録しているものである。派生表記セパレータは、図19に示すように、セパレータの下位3ビットが派生表記の数に対応しており、その後に続く派生表記1,派生表記2は、図20に例示したように、代表表記に対する変容の形態を番号で示したものとなっている。即ち、派生表記1が、例えば番号5であれば、代表表記が「メモリ」であれば、「長音あり」が派生表記として存在することを示し、「メモリー」を意味する。即ち、派生表記の情報としては、実際の派生表記そのものが記憶されている訳ではなく、派生表記の形態が番号で記憶されているのである。また、読み情報は、単語の読みを与えるものであり、見出し語が漢字である場合などにその読みを与えるものである。この情報は、漢字から意味を同じくする他の漢字を検索する連想変換などの際に用いられる。なお、一つの基本単語とこの基本単語(代表表記)に対応する派生単語(派生表記)とは、別々の領域で管理されているが、単語の読み(見出し)と単語の品詞情報とが一致するものについて、対応関係があるとみなしている。
【0073】
図15に戻って、辞書検索を行なった後(ステップS405)、開始位置Mから長さLの読みの仮名文字列に合致する単語が見つかったか否かを判定する(ステップS406)。該当語が見つかった場合には、次に、その代表単語に付属するデータのうち派生表記に関するものを読み込む処理を行なう(ステップS408)。代表単語に対して種々の派生表記が存在し、派生単語管理領域に派生単語が記憶されている場合には、代表単語の付属データに派生表記への差し替えの必要・不要を示すフラグが保存されている。そこで、かかるフラグが参照し、代表単語を派生単語に差し替えるよう指示がなされている単語であるか否かを判断する(ステップS410)。このフラグに、派生単語への差し替えの必要を示す値が設定されている場合には、先に検索した代表単語を展開バッファに展開する共に、その単語にマークを付与する(ステップS411)。展開バッファとは、入力した仮名文字列に対して、この仮名文字列を構成し得る総ての代表単語および付属語を展開するための記憶領域であり、RAM23上に確保されたメモリ領域である。
【0074】
派生単語への差し替えの指示がなされていない場合、もしくは派生単語への差し替えが指示されていて代表単語にマークを付与した後、処理は、ステップS405に戻って、読みの長さLの語を更に検索する処理から繰り返す。読みの長さLの語がもはや自立語辞書58に存在しないと判断された場合には(ステップS406)、検索単語の長さをのばすことができるか否かを判断する(ステップS412)。入力された仮名文字列の全長さAに対してM+L<Aならば、読みの長さLを大きくすることができると判断し、読みを一文字分長くする処理(即ち、Lを値1だけインクリメントする処理)を行なう(ステップS414)。読みの長さLを値1だけ増加した後、ステップS405から上述した処理を繰り返す。
【0075】
この結果、展開バッファには、開始位置Mにおける長さ1から最大長さまでの読みの全単語が展開される。単語の展開およびコスト付与などについては、第1実施例と同様に行なわれる(図4参照)。読みの長さを順次長くしていって、単語長が伸ばせなくなると(ステップS412)、次に単語検索の開始位置Mを、入力した仮名文字列の末尾に向かって移動可能か否かを判断する(ステップS416)。移動可能であれば、その開始位置Mを先頭とする単語の検索はすべて終わったと判断し、開始位置Mを値1だけインクリメントする処理を行なった後(ステップS418)、読みの長さLを値1に戻して、上述した処理を繰り返すか越す。従って、これらの処理が行なわれると、展開バッファには、入力した仮名文字列を構成し得る可能性のある総ての代表単語および付属語が展開され、かつ派生表記のある代表単語については、これにマークを付与した状態とされる。
【0076】
以上の処理により単語検索処理(図14ステップS400)が完了する。そこで、次に文節分かち書き処理が行なわれる(ステップS420)。文節分かち書きは、周知のものであり、展開バッファに展開した上記単語を用い、各単語に付与した値の総和がもっとも小さな値となるように、文節の組み合わせを決定する。文節分かち書きの処理については第1実施例と変わるところは特にない。
【0077】
次に係り受けの検定処理を行なう(ステップS430)。係り受けの検定についてもその内容は第1実施例と同様であるが、本実施例では、上述したように、展開バッファには代表単語のみが展開されており、派生単語は展開されていない。第1実施例では、例えば「規則」+「が」+「変わる」という係り受けが存在する場合、「変わる」について派生表記「変る」が存在すれば、係り受け辞書には「規則が変わる」という係り受けと「規則が変る」という係り受けとが記憶されていた。本実施例では、係り受けの検定自体は、代表表記のみで行なうので、「きそく」+「が」+「かわる」という文字列に対する係り受けの検定は、「規則」+「が」+「変わる」のみについて行なわれる。したがって、係り受けの検定に要する時間は短縮されている。なお、本実施例では、係り受け辞書は、自立語辞書58の内部に含まれており、意味用例の管理領域に記憶されている。係り受け辞書の一例を図21に示す。係り受け辞書の内容は、第1実施例(図7参照)と同様、読み、受け語、係り語、許容する付属語からなる。また、使役や受動についても係り受けの判断や、係り受けの規則についても第1実施例と同様の規則を適用している(図13参照)。
【0078】
こうして係り受けの検定を行ない、文節分かち書きによっては決定できない単語候補(例えば「きそくがかわる」における「変わる」と「替わる」)が見いだされたものについて、係り受けが成立する単語が見いだされれば、この単語を第1候補とする処理が行なわれる。その後、第1候補とされた単語について、単語の表記を差し替える処理を行なう(ステップS440)。単語の差し替え処理は、第1候補とされた語(例えば「変わる」)について派生表記があるか否かを判断し、派生表記が存在する場合には、代表表記,派生表記の中で、最前に使用された表記を調べ、その表記に差し替えるものである。直前に使用された語が「変る」であれば、単語検索,分かち書き処理,係り受けの検定で一貫して用いてきた代表単語に代えて、派生表記である「変る」を用いるのである。
【0079】
単語差し替え処理を行なう処理ルーチンを図22に示す。この処理ルーチンでは、まず差し替えを行なう対象単語を、文節分かち書き処理により分かち書きされた最初の文節の単語に設定し(ステップS500)、その対象単語にマークがついているか否かの判断を行なう(ステップS510)。マークがついていれば派生表記が存在しかつ派生表記への差し替えが指示されている判断できるから、その後の第1候補を表示単語に差し替える処理を行なう(ステップS520)。表示単語とは、代表表記が以前に使用されていれば代表単語そのものであり、以前に派生表記が使用され学習されていればその派生単語である。対象単語にマークがついていなければ、表示単語の差し替えは行なわない。
【0080】
その後、未処理の単語がまだ残っているかを判断し(ステップS530)、残っていれば対象単語を一つ後ろにずらし(ステップS540)、上述したステップS510から処理を繰り返す。対象単語が残っていなければ、本処理ルーチンを終了する。なお、上述した処理において、派生表記が存在する場合に表示単語としてどの表記を用いるかの学習は、派生単語の管理領域の先頭に存在する単語を表示単語として利用するものとすれば容易である。この場合、代表単語を使用する場合には、派生単語の先頭に、代表表記自体(もしくは代表表記に相当する派生表記情報)を記憶しておいても良いし、派生単語の先頭に代表表記を使用するか派生表記を使用するかを示すフラグを記憶するものとしても良い。また、派生表記を用いる場合には、その表記を代表単語の管理領域に記憶しておくことも可能である。
【0081】
単語差し替え処理に続く、表示処理では、差し替えた単語の表記に従い、仮名漢字変換された後の語候補をCRT26上に表示する処理を行なう。なお、派生表記は、図19および図20に示したように、派生表記に対応した漢字を用意しているのではなく、派生表記の種別を示す番号を、派生表記セパレータの後に記録しているに過ぎない。従って、表示処理では、この番号に従って、例えば派生表記情報が「4」であれば、送りがなの「許容」であると判断し、代表単語「変わる」を「変る」と表示するのである。
【0082】
以上説明した本実施例によれば、入力された仮名文字列に対して単語を検索し分かち書き処理を行ない、係り受け処理を行なうまでは、語候補は代表単語のみを用いる。したがって、派生表記が認められている単語を検索した場合でも、派生表記については考慮する必要がなく、各々の処理を高速に行なうことができる。また、語候補を展開する展開バッファの容量も小さなものですませることができる。更に、複数の係り受けが存在する場合でも、係り受けの判定を容易に行なうことができるという利点が得られる。これを、図21の例を用いて説明する。図21に例示するように、「規則」+「が」+「変わる」、「取り扱い」+「が」+「変わる」、「荷物」+「の」+「取り扱い」という三種類の係り受けがあり、各単語について「変る」「取扱い」という派生表記が存在するとする。この場合、例えば「規則が変わる」について、「規則」+「が」+「変る」という表記が学習されたとする。この場合、「変わる」と「変る」を別々に係り受け情報として管理していると、「とりあつかいがかわる」を変換する際と、「きそくがかわる」の変換において「変る」が学習されていても、「取り扱い」+「が」+「変わる」と変換されてしまう。これに対して本実施例では、「変わる」については「本則」ではなく派生表記の「許容」を用いると言う学習がなされることになるので、他の係り受けが成立しても「変わる」については「変る」が一貫して用いられることになる。
【0083】
また、「にもつのとりあつかいがかわる」を変換する場合には、従来の係り受けの判断では、「荷物の/取り扱い」という係り受け情報があっても、「荷物の/取扱い」という係り受けが存在しないと、「荷物の/取り扱いが/変わる」という係り受けの連鎖の成立と、「取扱いが/変わる」という連鎖の成立とを比較し、前者の係り受けの成立を優先してしまうことになる。この結果、直前に「取扱いが/変わる」が学習されていても、「荷物の/取り扱いが/変わる」と変換されてしまう。これに対して本実施例では、「取り扱い」という語について「許容」の派生表記を用いることが学習されるのみなので、一旦「取扱い」を学習すれば正しく「荷物の/取扱いが/変わる」と変換することになる。
【0084】
なお、この実施例では、単語検索,文節分かち書き処理,係り受け検定までを代表単語で行なっているが、これらの処理の一部を代表表記と派生表記とを用いて行なうものとすることも差し支えない。
【0085】
以上本発明のいくつかの実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、例えば最小コスト法に代えて2文節最長一致法などの他の文節分かち書きの手法を用いた構成など、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の第1の仮名漢字変換装置および仮名漢字変換方法では、係り語と受け語の情報に該当する文節が検索されたとき、係り語に付属する語が許容付属語であるかの判定、および受け語に続く付属語が使役もしくは受動を表わす語である場合には、前記係り語に付属する語が、使役もしくは受動に対応した語であるかの判定を行ない、この検索結果に基づいて、文節分かち書きの候補を制限する。従って、係り受けの情報が存在する場合、単純に両語の存在によって係り受けの成立を見るのではなく、係り語に付属する語が、両語の関係を許す場合に係り受けの成立とし、かつ受け語が使役または受動を示す語である場合には、係り語に付属する語が使役または受動に対応した語である場合に、係り受けの成立として、文節候補の制限を行なうから、文節分かち書きの非所望な候補は選択され難くなり、所望の分かち書きがなされる可能性が高くなるという優れた効果を奏する。なお、文節候補の制限に代えて、既に他の手法により推定された文節分かち書きを前提として、各文節毎の漢字候補の優先順位を変更するものとすれば、所望の漢字候補を第1候補として得られる可能性を高めることができる。単に係り受けの情報を用いて単語の候補の優先順位を変更するだけでなく、文節分かち書きの段階で係り受けの情報に用い、更に係り受けの成立を使役や受動の場合にも判定できるので、高次の言語活動である係り受けを生かした分かち書き候補を得ることができるのである。また、使役・受動の係り受けの解析に特別な辞書を用意する必要がなく、処理も高速に行なうことができる。
【0087】
この他、請求項2の仮名漢字変換装置によれば、係り受けの検定においては、代表表記のみを用いるので、係り受けの検定に要する時間および必要なメモリ容量を低減できるという効果を奏する。更に、請求項3の仮名漢字変換装置では、上記の使役・受動を含む係り受け情報を用いて、文節分かち書きの制限に代えて文節毎の漢字候補の優先順位を変更するから、係り受けの情報を用いて所望の漢字候補を高い優先順位で得ることが可能となる。また、請求項4の仮名漢字変換装置によれば、分かち書きのための検索時間が短くて済み、更に鎖交した係り受けを誤って選択するということがないという効果を奏する。
【0088】
請求項5記載の仮名漢字変換装置によれば、係り受けの成立する語ほど優先的に文節候補にできるという効果を奏する。また、請求項6記載の仮名漢字変換装置によれば、係り受けに基づいて文節分かち書きを優先的に選択すると共に、係り受けの成立する語を仮名漢字変換の第1候補とするという効果を奏する。
【0089】
請求項7記載の仮名漢字変換装置によれば、付属語に関する情報量を低減することが可能となる。請求項8記載の仮名漢字変換装置によれば、係り受けを形成する係り語と受け語との間に修飾する語が存在するような場合にも、係り受けを見い出すことができるという効果を奏する。加えて、この係り受けの関係が見いだされたとき、前記起点となった文節から該見いだされた文節までの範囲を、次の係り受けの検索範囲から除外するものとすれば、係り受けの交差を排除して正しい係り受けの誤判定を回避すると共に、係り受けの検索の高速化を図ることが可能となる。
【0090】
請求項9記載の仮名漢字変換装置によれば、係り受けの関係にある単語を含む文節が見いだされなかった場合にも、適正な単語候補を選択することができる。
【0091】
本発明の第2の仮名漢字変換装置および仮名漢字変換方法によれば、係り受け情報辞書を参照して係り受け検定を行なう際、単語辞書に登録された代表表記のみを用いて検定を行なって、入力された文字列を構成する単語を特定するが、この特定された単語の候補文字列を表示する際には、単語辞書に記憶された代表表記のみならず、派生表記を用いて表示を行なうから、係り受けを含む文法処理の高速化と表記の多様性とを両立させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である仮名漢字変換装置における仮名漢字変換機能の実現形態を示す機能ブロック図である。
【図2】実施例としての仮名漢字変換装置が実現されるハードウェアを示すブロック図である。
【図3】文節分かち書き部102において実行される文節分かち書き処理を示すフローチャートである。
【図4】最小コスト法による文節分かち書きの様子を示す説明図である。
【図5】最小コスト法による文節分かち書きの他の例を示す説明図である。
【図6】実施例における係り受け検定の処理を示す説明図である。
【図7】第1実施例における係り受け辞書の一例を示す説明図である。
【図8】係り受けの情報を用いて行なわれる文節分かち書きの処理の一例を示す説明図である。
【図9】同じく他の文例の処理の様子を示す説明図である。
【図10】同じくその場合の仮名漢字変換の候補の優先順位を示す説明図である。
【図11】異なる類型の係り受けの処理の様子を示す説明図である。
【図12】その場合の仮名漢字変換の候補の優先順位を示す説明図である。
【図13】一つの入力文字列に内に複数の係り受けが存在する場合の類型を示す説明図である。
【図14】第2実施例における仮名漢字変換処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図15】その単語検索処理の詳細を示すフローチャートである。
【図16】自立語辞書58の内部構成を示す説明図である。
【図17】基本単語領域の管理の様子を示す説明図である。
【図18】単語データの構成を示す説明図である。
【図19】単語情報の詳細を各セパレータとともに示す説明図である。
【図20】派生表記の例を示す説明図である。
【図21】係り受け辞書の概略構成と代表表記・派生表記の一例を示す説明図である。
【図22】単語差し替え処理ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
21…CPU
22…ROM
23…RAM
24…キーボード
25…キーボードインタフェース
26…CRT
27…CRTC
28…プリンタ
29…プリンタインタフェース
30…ハードディスクコントローラ(HDC)
31…バス
32…ハードディスク
40…文字入力部
42…変換制御部
44…変換後文字列出力部
50…文字列入力部
52…文字格納部
54…自立語候補作成部
56…自立語解析位置管理部
58…自立語辞書
64…付属語候補作成部
66…付属語解析位置管理部
68…付属語辞書
70…係り受け学習部
70…学習部
72…自立語学習部
74…補助語学習部
76…接辞学習部
78…文字変換学習部
80…単語データ作成部
82…接続検定部
84…接続検定テーブル
86…コスト計算部
90…係り受け候補調整部
92…受動解析部
94…助詞許容解析部
96…係り受け範囲管理部
98…係り受け辞書
100…単語データ格納部
102…文節分かち書き部
104…係り受け転置情報調整部
106…文節データ格納部
108…変換文字列出力部

Claims (9)

  1. 単語辞書を参照して、入力された仮名文字列を文節分かち書きして文節分かち書き候補を作成し、該文節分かち書き候補を用いて仮名漢字混じり文を構成する候補文字列を生成する仮名漢字変換装置であって、
    所定の文節同士の係り受けを構成する係り語と受け語の情報を、該係り語と受け語の間に許される許容付属語の情報と共に記憶した係り受け情報辞書と、
    前記入力された文字列を文節分かち書きする処理を行なうとき、自立語を記憶した自立語辞書および付属語を記憶した付属語辞書を参照し、前記入力された仮名文字列から生成しうる単語同士の組合せを網羅的に生成する生成手段と、
    該生成された単語同士の組合せの中から、前記係り受け情報を参照して、前記係り語と受け語の情報に該当する単語を備えた文節を検索する文節検索手段と、
    該係り語と受け語の情報に該当する単語を備えた文節が検索されたとき、前記係り語に付属する語が前記許容付属語であるかを判定する第1の判定手段と、
    前記係り語と受け語の情報に該当する単語を備えた文節が検索されたとき、該受け語に続く付属語が使役もしくは受動を表わす語である場合には、前記係り語に付属する語が、使役もしくは受動に対応した語であるかを判定する第2の判定手段と、
    該第1および第2の判定手段のいずれかが肯定判断した場合には、前記検索された単語同士の組合せを、前記文節分かち書きにおける優先的な候補とし、いずれもが肯定判断しなかった場合には、前記検索された単語同士の組合せを、前記文節分かち書きにおける優先的な候補としない文節候補制限手段と
    を備えた仮名漢字変換装置。
  2. 請求項1記載の仮名漢字変換装置であって、
    前記辞書は、単語の読みと該読みに対応する表記とを記憶した単語辞書であって、単語の読みに対応する表記として、複数の表記が存在する場合には、代表表記として定めた表記と、派生表記として定めた表記とを記憶した表記情報部を備え、
    前記文節検索手段は、前記単語辞書に記憶された代表表記のみを用いて前記係り受けの検索を行なう手段であり、
    更に、
    前記文節分かち書き候補については、前記単語辞書の表記情報部に記憶された代表表記および派生表記を用いて、変換後の候補文字列を表示する候補文字列表示手段と
    を備えた仮名漢字変換装置。
  3. 請求項1または2記載の仮名漢字変換装置であって、
    前記文節検索手段は、
    後方の文節を起点として、既に登録された検索済み範囲を除いて、前方に向かって順次係り受け情報に該当する単語を備えた文節を検索する遡行検索手段と、
    該検索により係り受け情報に該当する単語を備えた文節が見いだされたとき、該起点となった文節から該見いだされた文節までを、係り受け情報の検索済み範囲として登録する既検索範囲登録手段とを備えた
    仮名漢字変換装置。
  4. 請求項1または2記載の仮名漢字変換装置であって、
    前記文節候補制限手段は、前記第1または第2の判定手段が、該当する係り語と受け語とその付属語の存在を判定したとき、該語を含む文節分かち書き候補を優先的に選択する手段を備えた仮名漢字変換装置。
  5. 文節検索手段は、係り受け関係を有する単語間に存在する補助的な語が、予め定めた特定の文法構造を有する語である場合には、係り受け関係は成立と判断する手段を備えた請求項1または2記載の仮名漢字変換装置。
  6. 請求項1または2記載の仮名漢字変換装置であって、
    文節検索手段は、所定の文節を起点として、前記係り受け辞書に記憶された係り受け情報を参照して、係り受け情報に該当する単語を備えた文節を、該起点とした文節に隣接する文節以外の文節まで検索する隔文節検索手段と、
    前記隔文節検索手段により係り受けの関係が見いだされたとき、前記起点となった文節から該見いだされた文節までの範囲を、次の隔文節検索手段による検索範囲から除外する検索範囲除外手段と
    を備えた仮名漢字変換装置。
  7. 請求項1または2記載の仮名漢字変換装置であって、
    係り受け辞書を参照して係り受けの関係にある単語を含む文節が見い出されなかった範囲については、単語間の結合および文節間の結合の生じ易さが最大となる組合わせを選択する手段を備えた仮名漢字変換装置。
  8. 単語辞書を参照して、入力された仮名文字列を文節分かち書きし、コンピュータにより、仮名漢字混じり文字列候補を生成する仮名漢字変換方法であって、
    キーボードから入力された前記仮名文字列を文節分かち書きする処理を行なうとき、自立語を記憶した自立語辞書および付属語を記憶した付属語辞書を参照し、前記入力された仮名文字列から生成しうる単語同士の組合せを、コンピュータにより、網羅的に生成し、
    該生成された単語同士の組合せの中から、所定の文節同士の係り受けの情報を該係り語と受け語の間に許される許容付属語の情報と共に記憶した係り受け情報を参照して、係り受け情報に該当する単語を備えた文節を、コンピュータにより検索し、
    該係り語と受け語の情報に該当する単語を備えた文節が検索されて見い出されたとき、
    前記係り語に付属する語が前記許容付属語であるかを判定し、
    該受け語に続く付属語が使役もしくは受動を表わす語である場合には、前記係り語に付属する語が、使役もしくは受動に対応した語であるかを判定し、
    該いずれかの判定結果が肯定判断である場合には、前記検索された単語同士の組合せを、前記文節分かち書きにおける優先的な候補とし、いずれの判定結果も肯定判断でなかった場合には、前記検索された単語同士の組合せを、前記文節分かち書きにおける優先的な候補としないことで、前記文節分かち書きの候補を、コンピュータにより制限する
    仮名漢字変換方法。
  9. 請求項8記載の仮名漢字変換方法であって、
    単語の読みと該読みに対応する表記とを記憶した単語辞書に、単語の読みに対応する表記として、複数の表記が存在する場合には、代表表記として定めた表記と、派生表記として定めた表記とを記憶し、
    前記分かち書きされた各文節について、前記単語辞書に記憶された代表表記のみを用いて、前記係り受け情報辞書を用いた係り受けの検定を行なって、該入力された文字列を構成する単語を、コンピュータにより特定し、
    該特定された単語について、前記単語辞書に記憶された代表表記および派生表記を用いて、変換後の候補文字列を表示装置に表示する
    仮名漢字変換方法。
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