JP3870232B2 - 衣料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、股関節の安定を補助し、腰椎前湾を弱める機能を有する衣料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加齢や運動不足、或いは運動による筋肉の過度の使用などから、姿勢に乱れが生じたり、一部分の筋肉への負担が過剰になり、痛みが生じたり、動きが制限されることがある。
【0003】
特に腰部では、脊柱起立筋をサポートする腹筋類の弱体化から腰椎の前湾が大きくなったり、骨盤の傾きを安定させ、股関節を安定的に機能させる筋肉として重要な役割を果たしている大殿筋や中殿筋、更にはハムストリングスと呼ばれている大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋などの弱体化により、骨盤が後傾しやすくなり、腰痛が生じたり、外腹斜筋の機能がハムストリングスの弱体化によりうまく働かなくなり、上半身が十分にささえられなくなり、腰を回旋する場合の支点が定まらず腰の回旋(ねじり)動作がスムーズに行かないといった動きの制限や、不都合に繋がる。
【0004】
また、骨盤の後傾により、ヒップが扁平になり、腰椎の前湾とも相俟って脇腹の筋肉が皺となってくびれ、腰の左右へのひねり角度も小さくなり、全体として老人ぽい体形となるばかりでなく、姿勢の崩れから、腰痛のみならず、間接的に膝関節痛も生じる原因となっている。
【0005】
従来より、例えばヒップアップなどの体形補整機能を付与するために、衣料本体の所定部分に当て布などをあてがって、当該所定部分の緊締力を強化した体形補整を目的とした衣料や、スポーツなどの運動能力を補助するため特定の筋肉をサポートするスポーツ用タイツ等が提案されている。
【0006】
上述した腰椎の前湾を防止し股関節を安定化させて、腰痛や動きの制限を防止し、股関節の動きの制限を少なくするため、従来の手法としては、例えば次のような手段が一般的に採用されている。
【0007】
<1>腰部や下腹部などにテーピングを施す方法。
【0008】
<2>ベルト状のコルセットを<1>と同様に腰部や下腹部などに巻きつけて着用する方法。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、<1>の方法は、自分自身でテーピングすることは困難であり、他の人にテーピングしてもらう必要があるが、素人ではテーピングはできないので、専門家にいちいちテーピングをしてもらう必要があり、着脱が不便である。また、長時間着用することができないし、皮膚障害に繋がることもある等の問題がある。
【0010】
<2>の方法としては、腹圧を上げたり、腰椎の過伸展を防いで、背筋への負担を少なくすることで腰痛を緩和するもの、また、股関節に対して輪状に強く圧迫して安定を図ろうとするものがある。しかしこれらは非常に着用者の動きを制限すものであり、日常時やスポーツを行う場合などは着用感が極めて悪く、着用しづらいという問題がある。
【0011】
本発明は、日常時の着用やスポーツを行う際の着用などの通常時の着用においても着用感が良好で、素人にも自分自身で容易に着用でき、股関節の安定性を向上し、若々しい体型・姿勢を作り、腰椎の前湾を弱める機能があり、腰痛などの痛みの緩和にも寄与し、また、人体の腰部や股関節の可動域の拡大機能を利用して、スポーツを行う場合にはそのパフォーマンスの向上を可能にし、高齢者においては転倒の防止にもつながる機能を有する衣料を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、次の様な衣料を提供するものである。
【0013】
(1)少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料であって、前記衣料は部分的に緊締力の強い部分を有しており、前記緊締力の強い部分として、衣料後側の人体の仙骨から腰椎上のいずれかの部分に相当する位置に於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(A)と、下腹部の腹直筋上に於いて左右部分が連結しており 、前記下腹部の腹直筋上から左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(B)を有する衣料。
【0014】
(2)下腹部の腹直筋上に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上から左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇を背面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部(C)を更に有する前記(1)項に記載の衣料。
【0015】
(3)ほぼウェスト部の後中心位置近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋の一部に当接され少なくとも脇を前面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部(D)を更に有する前記(1)〜(2)項のいずれかに記載衣料。
【0016】
(4)前(2)項記載の強緊締力部(C)と前記(3)項記載の強緊締力部(D)とを更に有する前記(1)項に記載の衣料。
【0017】
(5)主たる伸縮方向が衣料縦方向であって下腹部中央部をカバーするお腹押え用強緊締力部(F)を更に有しており前記強緊締力部(B)が前記お腹押え用強緊締力部(F)の左右の下脇側にそれぞれその一端が連結されており、前記(F)の左右の下脇側からそれぞれ左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(B)である前記(1)項に記載の衣料。
【0018】
(6)主たる伸縮方向が衣料縦方向であって下腹部中央部をカバーするお腹押え用強緊締力部(F)を更に有し
前記強緊締力部(B)が、前記お腹押え用強緊締力部(F)の左右の下脇側にそれぞれその一端が連結されてお前記(F)の左右の下脇側からそれぞれ左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(B)であり
前記強緊締力部(C)が、前記お腹押え用強緊締力部(F)の左右の上脇側にそれぞれその一端が連結されてお前記(F)の左右の上脇側からそれぞれ左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇を背面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部(C)である前記(2)項に記載の衣料。
【0019】
(7)強緊締力部(A)で表わされる部分が、更に大転子近傍から前側大腿部の内側に向かって縫工筋、大腿直筋、内側広筋から選ばれたいずれか少なくとも1つの大腿四頭筋の少なくとも一部をカバーしている強緊締力部(A2)である前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の衣料。
【0020】
(8)強緊締力部(A)で表わされる部分が、更に大転子近傍から大腿部の腸脛靭帯及び/又は外側広筋近傍上を通り膝蓋部より少し上の部分までをカバーしている強緊締力部(A3)である前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の衣料。
【0021】
(9)強緊締力部(A)で表わされる部分が、更に大転子近傍から腸脛靭帯及び/又は外側広筋近傍上を通って、膝蓋部に至り、更に膝蓋部から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部外側で腓腹筋及び/又はヒラメ筋近傍上を通り、外踝部上方近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(A4)である前記(1)〜(6)項のいずれかに記載の衣料。
【0022】
(10)強緊締力部(B)で表わされる部分が、更に大転子近傍から臀部の膨らみの下方部分をカバーしている強緊締力部(B2)である前記(1)〜(9)項のいずれかに記載の衣料。
【0023】
(11)強緊締力部(B)で表わされる部分が、更に大転子近傍から大腿部後ろ側のハムストリングスの少なくとも一部をカバーしている強緊締力部(B3)である前記(1)〜(9)項のいずれかに記載の衣料。
【0024】
(12)前記(2)項に記載の強緊締力部(C)と前記(3)項に記載の強緊締力部(D)とが一体となって連続している強緊締力部(C−D)を更に有する前記(1)項に記載の衣料。
【0025】
(13)大腿部内側上方部分から、内側広筋をサポートするために内側広筋上を通って、膝蓋部に至り、更に膝蓋部から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部内側で腓腹筋及び/又はヒラメ筋近傍上を通り、内踝部上方近傍に至る強緊締力部(E)を更に有する前記(9)項に記載の衣料。
【0026】
(14)強緊締力部が衣料本体布の表側又は裏側に当て布を積層して形成した強緊締力部である前記(1)〜(13)項のいずれかに記載の衣料。
【0027】
(15)強緊締力部が、衣料本体布の編組織を切り替えて、弱緊締力部と強緊締力部とをパターン状に形成することにより形成された強緊締力部である前記(1)〜(13)項のいずれかに記載の衣料。
【0028】
(16)強緊締力部が、衣料本体布の所定部分に弾力性を有する合成樹脂又はゴムのフィルムを積層するか、または、弾力性を有する合成樹脂又はゴムの溶液又はエマルションを含浸又はコーティングし乾燥させて形成した強緊締力部である前記(1)〜(13)項のいずれかに記載の衣料。
【0029】
(17)強緊締力部が、150〜400gfの緊締力を有する前記(1)〜(16)項のいずれかに記載の衣料。
【0030】
(18)伸縮性生地が伸縮性ツーウェイトリコット編物及び伸縮性ラッセル編物から選ばれた編物である前記(1)〜(17)項のいずれかに記載の衣料。
【0031】
(19)少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、ガードル、スパッツ、スポーツ用タイツ、ボディスーツ、レオタード、水着から選ばれた衣料である前記(1)〜(18)項のいずれかに記載の衣料。
【0032】
(20)少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、人体の大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有している衣料である前記(1)〜(19)項のいずれかに記載の衣料。
【0033】
(21)少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、その裾下端位置が股部の位置とほぼ同等の高さの位置にあるか、または、それより上にあり、大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有していない衣料である前記(1)〜(19)項のいずれかに記載の衣料。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の具体的実施の形態例について説明するが、本発明では、本発明衣料本体のどの部分に緊締力の強い部分が配置されているか、緊締力の強い部分が配置されている衣料上における位置の説明に身体の一部や筋肉や骨格相当部分の名称を使用している部分もあるので、理解を容易にするために、先ず、本発明で緊締力の強い部分の位置等の説明に使用する骨格や筋肉の人体における位置を説明しておく。
【0035】
図70は図の左半分が人体前面側の骨格図、また、右半分が人体前面側の筋肉図である。図71は図の左半分が人体後面側の骨格図、また、右半分が人体後面側の筋肉図である。尚、図70、図71において、本発明の説明に特に必要のない部分の筋肉や骨格は一部図示ならびに説明を省略している。
【0036】
図70、図71において、201が腰椎、201aが第1腰椎、201bが第2腰椎、201cが第3腰椎、201dが第4腰椎、201eが第5腰椎である。また、202が仙骨、203が骨盤(腸骨)、204が大腿骨頭、205が大転子、206が大腿骨体、207が腓骨、208が脛骨、301が腹直筋、302が外腹斜筋、303が縫工筋、304が大腿直筋、305が外側広筋、306が内側広筋、307が膝蓋の位置、308が広背筋、309が中殿筋、310が大殿筋、311が腸脛靭帯、312が大腿二頭筋、313が半腱様筋、314が半膜様筋、315が腓腹筋、315aが脚部外側の腓腹筋、315bが脚部内側の腓腹筋、316がヒラメ筋、316aが脚部外側のヒラメ筋、316bが脚部内側のヒラメ筋、317aが外踝部、317bが内踝部、318が大腿筋膜張筋である。なお、各筋肉の筋繊維の方向は、図示の各筋肉中に示した細線の長さ方向であり、この筋繊維の方向が筋肉の収縮方向である。内腹斜筋が図70と図71には図示されていないが、内腹斜筋はほぼ腹直筋と外腹斜筋の背面側に存在し、筋繊維方向は人体前中心から左右にそれぞれほぼ斜め下向き方向である。なお、これらの骨格や筋肉の位置、形、大きさは個体それぞれに応じて若干相違するので、上記筋肉ならびに骨格図は代表例の一つとして示したものである。
【0037】
また、本発明において緊締力の強い部分が配置されている衣料上における位置の説明に「……近傍」と言う用語を用いているが、これは所定の指定された位置から多少のずれがあっても、本発明の目的が達成できる範囲においては差し支えないということを意味している。上述したように骨格や筋肉の位置、形、大きさは個体それぞれに応じて相違するし、人体全体の大きさも相違するので、緊締力の強い部分が配置されている衣料上における位置が所定の指定された位置から多少のずれがあっても、本発明の目的が達成できる範囲においては差し支えない。
【0038】
なお、本発明において、強緊締力部は特に断らない限りその主たる伸縮方向はほぼその長手方向である。ほぼ長手方向としたのは、強緊締力部が布地によって構成されている場合で、その形がカーブしている場合にはどの部分においてもすべてその主たる伸縮方向がその長手方向であると言う布地を得ることは困難だからである。また、強緊締力部において「主たる伸縮方向がほぼその長手方向」とは、長手方向と直角の方向にも伸縮性がある場合には、長手方向と直角方向の伸縮性は長手方向の伸縮性と同等か、それ以下であることを意味している。また、長手方向と直角方向には伸縮性を持たないものも含まれる。強緊締力部分は長手方向の伸縮性の方がそれと直角方向の伸縮性よりも大きいことが好ましい。
【0039】
また、本発明において「……に於いて左右部分が連結しており」の「連結」とは、左右部分が継ぎ目なく連続した状態の場合と、左右部分が縫合または接着などにより繋がっている場合も含むものである。
【0040】
図1〜図3に参考例としての衣料のロングタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図1〜図3に示したロングタイプのガードル10aにおいては、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1を有している。このガードル10aの他の本体部分は前記強緊締力部に比べて緊締力のより小さい伸縮性生地からなっている。強緊締力部1が大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通っており、しかも、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しているので、しっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って、腰の回旋運動をサポートし腰の回旋角度の減少を防止し、骨盤の前後方向への安定に大きな役割をはたすことができ、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。また、強緊締力部が大転子近傍をカバーしているので大腿骨頭204と寛骨臼との結合を良好にし、股関節の安定性を向上させる機能を有する衣料を提供できる。
【0041】
次に図4〜図6に本発明の衣料である別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図4〜図6に示したロングタイプのガードル10bにおいては、図1〜図3に示したガードル10aと同様の位置に同様の強緊締力部(A)として、強緊締力部1を有するとともに、更に強緊締力部(B)として、下腹部の腹直筋上4に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上4の位置から左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部5を有している。これ以外の点は図1〜図3に示したロングタイプのガードルと同様であるので、同一部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略している。
【0042】
図4〜図6に示したガードルは、強緊締力部1を有しているので図1〜図3に示したガードル10aと同様の効果を達成しうるとともに、更に強緊締力部(B)として、下腹部の腹直筋上4に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上4の位置から左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍3に至る部分をカバーしている強緊締力部5により、腹直筋301の一部と内腹斜筋をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を有する衣料を提供できる。
【0043】
次に図7〜図9に参考例としての衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図7〜図9に示したロングタイプのガードル10cにおいては、図1〜図3に示したガードル10aと同様の位置に同様の強緊締力部(A)として強緊締力部1を有し、更に強緊締力部(C)として、下腹部の腹直筋上4に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上4から左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇7を背面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部6を有している。これ以外の点は図1〜図3に示したロングタイプのガードルと同様であるので、同一部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略している。
【0044】
図7〜図9に示したガードルは、強緊締力部1を有しているので図1〜図3に示したガードル10aと同様の効果を達成しうるとともに、更に強緊締力部(C)として、下腹部の腹直筋上4に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上4の位置から左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇7を背面側に超える位置に至る部分をカバーしている強緊締力部6により、腹直筋301の一部と外腹斜筋302をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を有する衣料を提供できる。
【0045】
次に図10〜図12に参考例としての衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図10〜図12に示したロングタイプのガードル10dにおいては、図1〜図3に示したガードル10aと同様の位置に同様の強緊締力部(A)として強緊締力部1を有し、更に強緊締力部(D)として、ほぼウェスト部の後中心位置8近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋の一部に当接され少なくとも脇7を前面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部9を有している。これ以外の点は図1〜図3に示したロングタイプのガードルと同様であるので、同一部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略している。
【0046】
図10〜図12に示したガードルは、強緊締力部1を有しているので図1〜図3に示したガードル10aと同様の効果を達成しうるとともに、更に強緊締力部(D)として、ほぼウェスト部の後中心位置8近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋308及び中殿筋309及び外腹斜筋302の一部に当接され少なくとも脇7を前面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部9により、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能を補助する機能を発揮できる。
【0047】
次に図13〜図15に本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図13〜図15に示したロングタイプのガードル10eにおいては、図1〜図3に示したガードル10aと同様の位置に同様の強緊締力部(A)として、強緊締力部1を有し、図4〜図6に示したガードル10bと同様の位置に同様の強緊締力部(B)として、強緊締力部5を有し、図7〜図9に示したロングタイプのガードル10cと同様の位置に同様の強緊締力部(C)として、強緊締力部6を有し、図10〜図12に示したロングタイプのガードル10dと同様の位置に同様の強緊締力部(D)として、強緊締力部9を有している。この例では下腹部の腹直筋上4に於いて強緊締力部5と強緊締力部6とは一体となって連結している。また、強緊締力部6と強緊締力部9とは一体となって連結していて、強緊締力部11を形成している。従って、強緊締力部1、5、6、9を有しているので図1〜図12に示した各ガードル10a、10b、10c、10dにおいて説明したと同様の効果を合わせ持つガードルが得られるとともに、強緊締力部5と強緊締力部6とは一体となって連結しているので、腹筋をより強力にサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能がより発揮されやすい。また、強緊締力部6と強緊締力部9とは一体となって連結していて、強緊締力部11を形成しているので、ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋308及び中殿筋309及び外腹斜筋302をより強力にサポートし、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能がより発揮されやすい。
【0048】
次に図16〜図18に本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図16〜図18に示したロングタイプのガードル10fにおいては、図13〜図15に示したガードル10eと比較すると、強緊締力部5で表わされる部分が、大転子3近傍から更に臀部の膨らみの下方部分に伸びており、この延長された部分の強緊締力部を符号12で表わすと、強緊締力部5と強緊締力部12が一体となって強緊締力部(B2)を形成している。従ってこのガードルは図13〜図15に示したガードル10eと同様の優れた機能を発揮できるとともに、強緊締力部(B2)を有するので、大転子3を押さえる機能がより強化されており、大腿骨頭204と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。更に強緊締力部12により、ヒップアップ機能を付与することができる。
【0049】
次に図19〜図21に本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図19〜図21に示したロングタイプのガードル10gにおいては、図16〜図18に示したガードル10fと比較すると、図16〜図18に示したガードル10fでは下腹部ほぼ中央部で強緊締力部5と強緊締力部6とが一体となって連結しているのに対し、図19〜図21に示したロングタイプのガードル10gにおいては、下腹部中央部に符号20で示される主たる伸縮方向が衣料縦方向のお腹押え用強緊締力部(F)が存在している。
【0050】
即ちこのガードル10gにおいては、前記お腹押え用強緊締力部(F)20の左右のやや下脇側に強緊締力部5のそれぞれ左右の一端が連結されており、前記(F)20の左右の上脇側に強緊締力部6のそれぞれ左右の一端が連結されている。前記以外の点は図16〜図18に示したガードルと同様であるので、同じ部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略した。
【0051】
このガードル10gにおいても、左右の強緊締力部5と左右の強緊締力部6は、それぞれお腹押え用強緊締力部(F)20を介して連結されているので、図16〜図18に示したガードルとほぼ同等の機能を発揮することができるとともに、特に、お腹押え用強緊締力部(F)20が存在するので、腹部の贅肉の膨出を押さえ、腹部の形状をより美しく整える機能も発揮される。なお、図19〜図20において符号21で示される部分はクロッチを示している。クロッチを構成する生地は、特に限定するものではないが、縦方向に伸縮性を有する生地が通常用いられる。
【0052】
次に図22〜図24に本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図22〜図24に示したロングタイプのガードル10hにおいては、図19〜図21に示したガードル10gと比較すると、図19〜図21に示したガードル10gにおいては、強緊締力部5で表わされる部分が、大転子3近傍から更に臀部の膨らみの下方部分に伸びた強緊締力部12を有していて、強緊締力部5と強緊締力部12が一体となって強緊締力部(B2)を形成しているのに対し、図22〜図24に示したロングタイプのガードル10hにおいては、強緊締力部5で表わされる部分が、大転子3近傍から更に大腿部後ろ側のハムストリングスとも呼ばれている大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋などの少なくとも一部をカバーして腓骨(図52の207)の存在する側で膝蓋部より少し上の部分近傍にまで伸びており、この延長された強緊締力部を符号5aで表わすと、強緊締力部5と強緊締力部5aとが一体となって強緊締力部(B3)を形成している。また、このロングタイプのガードル10hにおいては、強緊締力部1で表わされる部分が、大転子3近傍から更に前側大腿部の内側に向かって縫工筋、大腿直筋、内側広筋などの大腿四頭筋の少なくとも一部をそのほぼ筋繊維方向に沿ってカバーして脛骨(図52の208)の存在する側で膝蓋部より少し上の部分近傍にまで伸びており、この延長された強緊締力部を符号1aで表わすと、強緊締力部1と強緊締力部1aとが一体となって強緊締力部(A2)を形成している。前記以外の点は図19〜図21に示したガードルと同様であるので、同じ部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略した。
【0053】
このガードル10hにおいては、強緊締力部12が存在しないと言う点の相違を除いては図19〜図21に示したガードルとほぼ同等の機能を発揮することができるとともに、強緊締力部(A2)と(B3)を有するので、大転子3を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭204と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。そして、強緊締力部1a並びに強緊締力部5aにより、大腿四頭筋(縫工筋、大腿直筋、内側広筋など)、ハムストリングスとも呼ばれている大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋のほぼ筋肉収縮方向をサポートしているので、スポーツを行う場合に、脚部のこれらの筋肉をサポートするとともに、マッサージ効果が生起し、血液、リンパ球の流れが促進されることにより、エネルギーの消耗や乳酸の蓄積によって生じた筋肉疲労の回復が促進できる。また、走行動作における地面を強く後ろに押す機能、ジャンプ時により高く跳ぶ機能、足を上げる機能などがより強化される。また高齢者が着用した場合には、転倒を防止し歩行の安定性を高める機能がより一層強化される。
【0054】
次に図25〜図26に本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図、背面図をそれぞれ示した。このガードルの正面図は図22と同じになるので、図示を省略した。図25〜図26に示したロングタイプのガードル10iにおいては、図22〜図24に示したガードル10hと比較すると、図22〜図24に示したガードル10hにおいては、強緊締力部1が、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しているのに対し、図25〜図26に示したガードル10iにおいては、強緊締力部1が、ガードル後側の人体の仙骨に相当する位置2aに於いて左右部分が連結している。これ以外の点は実質上図22〜図24に示したロングタイプのガードル10hと同様であるので、同一部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略している。
【0055】
図25〜図26に示したガードル10iにおいては、強緊締力部1が大殿筋をカバーする面積が、図22〜図24に示したロングタイプのガードル10hと比べて若干少なくなり、その割合だけ強緊締力部1の機能がやや減少するが、それでも十分に大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って図25〜図26に示したガードル10iにおいても、図22〜図24に示したロングタイプのガードル10hとほぼ同様の機能を発揮できるガードルが得られる。
【0056】
次に図27〜図29に本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図27〜図29に示したロングタイプのガードル10jにおいては、強緊締力部5と強緊締力部6の配置は、正面側においては、図13に示したガードルの正面図で示したものと同様である。また強緊締力部1がガードル後側の人体の仙骨に相当する位置2aに於いて左右部分が連結している点で図26に示したガードルと同様である。このガードルの特異な点は、強緊締力部1と強緊締力部5とが大転子3の位置で合体した後、更に腸脛靭帯(図71の311参照)の筋繊維方向にほぼ沿って下方に伸びて膝蓋部より少し上の部分にまで至る強緊締力部1bを有する点である。尚、強緊締力部1と、強緊締力部1b又は図31において後述する強緊締力部1cとが一体となった強緊締力部を強緊締力部(A3)と称することにする。
【0057】
図27〜図29に示したガードル10jにおいては、強緊締力部5で表わされる部分が、大転子3近傍で強緊締力部1と合体し、更に腸脛靭帯の筋繊維方向にほぼ沿って下方に伸びて膝蓋部に至る強緊締力部1bを有するので、大転子3近傍を強緊締力部5と強緊締力部1と強緊締力部1bの3方向から引っ張って押圧することができ、図13〜図15に示したガードルに比べて、大転子3を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭204と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。そのほか図13〜図15のガードルと同じ位置の強緊締力部6、5、9は図13〜図15のガードルと同じ機能を発揮し、図25〜図26のガードルと同じ位置の強緊締力部1は図25〜図26のガードルと同じ機能を発揮する。
【0058】
次に図30〜図31に本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図、背面図をそれぞれ示した。このガードルの正面図は図27と同じになるので、図示を省略した。図30〜図31に示したロングタイプのガードル10kにおいては、図27〜図29に示したガードル10jと比較すると、図27〜図29に示したガードル10jにおいては、強緊締力部1と強緊締力部5とが大転子3の位置で合体した後、更に腸脛靭帯の筋繊維方向にほぼ沿って下方に伸びて膝蓋部に至る強緊締力部1bを有するのに対し、図30〜図31に示したロングタイプのガードル10kにおいては、強緊締力部1と強緊締力部5とが大転子3の位置で合体した後、強緊締力部1が更に外側広筋(図70の305参照)の筋繊維方向にほぼ沿って人体中心側に向かって斜め下方に伸びて膝蓋部の少し上の部分にまで至る強緊締力部1cを有している。強緊締力部1cにより外側広筋をサポートし、この筋肉のマッサージ効果が生起し、筋肉疲労の回復が促進されるなどの機能が発揮される。その他の点については図27〜図29に示したガードル10jとほぼ同様の機能が発揮できる。
【0059】
次に図32〜図33に本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図、背面図をそれぞれ示した。このガードルの正面図は図27と同じになるので、図示を省略した。図32〜図33に示したロングタイプのガードル10mにおいては、図27〜図29に示したガードル10jと比較すると、図27〜図29に示したガードル10jにおいては、強緊締力部1と強緊締力部5とが大転子3の位置で合体した後、更に腸脛靭帯の筋繊維方向にほぼ沿って下方に伸びて膝蓋部に至る強緊締力部1bを有するのに対し、図32〜図33に示したロングタイプのガードル10mにおいては、強緊締力部1と強緊締力部5とが大転子3の位置で合体した後、図23、図24のガードルと同様に強緊締力部5が大転子3近傍から更に大腿部後ろ側のハムストリングスの少なくとも一部をカバーして腓骨の上端近傍にまで伸びており、強緊締力部5と強緊締力部5aとが一体となって強緊締力部(B3)を形成している。強緊締力部5aにより、大腿四頭筋、ハムストリングスのほぼ筋肉収縮方向をサポートしているので、スポーツを行う場合に、脚部のこれらの筋肉のマッサージ効果による筋肉疲労の回復を促進する機能、走行動作における地面を強く後ろに押す機能、ジャンプ時により高く跳ぶ機能、足を上げる機能などがより強化される。また高齢者が着用した場合には、転倒を防止し歩行の安定性を高める機能がより一層強化される。その他の機能は図27〜図29のガードル10jとほぼ同様の機能を発揮できる。
【0060】
次に図34〜図36に本発明の衣料のスポーツ用タイツの正面図、背面図、左側面図をそれぞれ示した。図37は図35のA−A’ラインにおける断面略図である。図34〜図37に示したスポーツ用タイツ30aにおいては、強緊締力部6、5、9は図30〜図31に示したガードル10kの強緊締力部と同様の強緊締力部である。図34〜図37に示したスポーツ用タイツ30aにおいては、強緊締力部1が大転子3近傍から更に腸脛靭帯及び外側広筋近傍上をほぼその筋繊維方向に沿って通り、膝蓋部35の側面に至り、更に膝蓋部35の側面から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部外側で腓腹筋及びヒラメ筋近傍上をほぼその筋繊維方向に沿って通り、外踝部上方近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1eを有している。強緊締力部1と1eからなる強緊締力部を強緊締力部(A4)と称することにする。また、このスポーツ用タイツ30aは、図37に示されるように、大腿部内側から、内側広筋をサポートするために内側広筋上をほぼその筋繊維方向に沿って通り、膝蓋部35の側面に至り、更に膝蓋部35の側面から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部内側で腓腹筋及びヒラメ筋近傍上をほぼその筋繊維方向に沿って通り、内踝部上方近傍に至る強緊締力部(E)31を更に有する。
【0061】
尚、膝部については、図34を用いてさらに詳細に説明すると、外側の強緊締力部1eにおいては、膝蓋部35の上方と下方の内寄りにおいて二ツ山型36、37を形成して膝蓋部35を避ける構造とし、内側の強緊締力部31においては、膝蓋部35の上方と下方の外寄りにおいて二ツ山型40、41を形成して膝蓋部35を避ける構造とすると同時に、対向各二ツ山型40と41、36と37とが交差する構造となることが好ましい。膝部がこのような構造をとることにより、膝蓋靭帯や側副靭帯をサポートする作用を有する。ただし、膝部の強緊締力部の配置は上記の態様に限定されるものではない。なお、このスポーツ用タイツ30aの他の本体部分は前記各強緊締力部に比べて緊締力のより小さい伸縮性生地からなっている。尚、図35において22は臀溝の位置を模式的に示したものである。
【0062】
図34〜図37に示したスポーツ用タイツ30aにおいては、強緊締力部1によりしっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って、股関節の伸展、特に骨盤の前後方向への安定性に大きな役割をはたすことができ、また腰の左右への回転角度の現象を防止し、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。また、強緊締力部1、1e、5が大転子3近傍を3方向からカバーしているので大腿骨頭204と寛骨臼との結合を一層良好にし、股関節の安定性を向上させることができる。また、このスポーツ用タイツ30aにおいては、下腹部の腹直筋上4に於いて強緊締力部5と強緊締力部6とは一体となって連結しているので、腹筋をより強力にサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能がより発揮されやすい。また、強緊締力部6と強緊締力部9とは一体となって連結していて、強緊締力部11を形成しているので、ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋308及び中殿筋309及び外腹斜筋302をより強力にサポートし、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能がより発揮されやすい。また、このスポーツ用タイツ30aにおいては、強緊締力部1と強緊締力部1eとからなる強緊締力部(A4)と強緊締力部31からなる強緊締力部(E)を有しているので、スポーツにおいてこれらの強緊締力部でサポートしている脚部の筋肉のマッサージ効果が生起し、これらの筋肉の疲労の回復の促進機能を発揮する。また高齢者が着用した場合には、転倒を防止し歩行の安定性を高める機能がより一層強化される。
【0063】
次に図38〜図39に本発明の衣料である別の態様のスポーツ用タイツの背面図、左側面図をそれぞれ示した。正面図は図34と同一であるので図示を省略した。
【0064】
図38〜図39に示したスポーツ用タイツ30bを、図34〜図37に示したスポーツ用タイツ30aと比較すると、図34〜図37に示したスポーツ用タイツ30aにおいては、強緊締力部5で表わされる部分の下方端が、大転子3近傍で終了しているのに対し、図38〜図39に示したスポーツ用タイツ30bにおいては、強緊締力部5で表わされる部分が、大転子3近傍から更に大腿部後ろ側のハムストリングスの少なくとも一部をカバーして腓骨(図70の207)の存在する側の膝蓋部の少し上の部分にまで伸びており、強緊締力部5と強緊締力部5aとが一体となって強緊締力部(B3)を形成している。前記以外の点は図34〜図37に示したスポーツ用タイツ30aと同様であるので、同じ部分には同じ符号を付して詳細な説明を省略した。
【0065】
このスポーツ用タイツ30bにおいては、前記図34〜図37に示したスポーツ用タイツ30aと同様の機能を有するとともに、強緊締力部5と5aが大転子3近傍において一体となっている強緊締力部(B3)を有するので、大転子3を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭204と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。そして、強緊締力部5aにより、ハムストリングスとも呼ばれている大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋のほぼ筋肉収縮方向をサポートしているので、スポーツを行う場合などにおいて、走行動作における地面を強く後ろに押す機能、ジャンプ時により高く跳ぶ機能、足を上げる機能などがより強化される。また、これらの筋肉のマッサージ効果が生起し、これらの筋肉の疲労の回復が促進される。また高齢者が着用した場合には、転倒を防止し歩行の安定性を高める機能がより一層強化される。
【0066】
図40〜図41に参考例としての衣料である更に別の態様のスポーツ用タイツの背面図、左側面図をそれぞれ示した。正面図は強緊締力部5と6が存在しないことを除いて図34とほぼ同一である。
【0067】
図40〜図41に示したスポーツ用タイツ30cは、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1を有している。そして強緊締力部1fとして人体のウェスト脇側に相当する部分から中殿筋のほぼ筋繊維方向に沿って大転子3近傍に至り(この部分を符号25で示した。)、大転子3近傍から更に腸脛靭帯及び外側広筋近傍上をほぼその筋繊維方向に沿って通り、膝蓋部35の側面に至り、更に膝蓋部35の側面から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部外側で腓腹筋及びヒラメ筋近傍上をほぼその筋繊維方向に沿って通り、外踝部上方近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1fを有している。また、脚部の内側においては図37に示したと同様に、大腿部内側から、内側広筋をサポートするために内側広筋上をほぼその筋繊維方向に沿って通り、膝蓋部35の側面に至り、更に膝蓋部35の側面から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部内側で腓腹筋及びヒラメ筋近傍上をほぼその筋繊維方向に沿って通り、内踝部上方近傍に至る強緊締力部(E)31を有する。尚、膝部については、図34を用いて説明した事項と同一であるから、同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
図40〜図41に示したスポーツ用タイツ30cにおいては、強緊締力部1により大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができ、更に強緊締力部1fの25で示した部分により中殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って、股関節の伸展、特に骨盤の前後方向への安定性に大きな役割をはたすことができ、腰の回旋運動をサポートし、腰の回旋可能角度の減少を防止し、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。また、強緊締力部1及び1fが大転子3近傍を3方向からカバーしており、且つ強緊締力部1fの符号25で示した強緊締力部が大転子3にかかる力をほぼ直線状に上方に引っ張っているので大腿骨頭204と寛骨臼との結合を一層良好にし、股関節の安定性を向上させることができる。また、このスポーツ用タイツ30cにおいては、強緊締力部1fの大転子3から下方に存在する強緊締力部分と脚部内側に存在する強緊締力部(E)31によって、スポーツを行う場合に、これらの強緊締力部でサポートされた各筋肉のマッサージ効果が生起し、これらの筋肉の疲労の回復を促進する機能を有する。
【0069】
次に図42〜図43に参考例としての衣料である更に別の態様のスポーツ用タイツの背面図、左側面図をそれぞれ示した。正面図は強緊締力部5と6が存在しないことを除いて図34とほぼ同一である。図42〜図43に示したスポーツ用タイツ30dと図40〜図41に示したスポーツ用タイツ30cとを比べると、主な相違点は次のようである。
【0070】
<1>図40〜図41に示したスポーツ用タイツ30cにおいては、強緊締力部1が、スポーツ用タイツ後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しているのに対し、図42〜図43に示したスポーツ用タイツ30dにおいては、強緊締力部1が、スポーツ用タイツ後側の人体の仙骨に相当する位置2aに於いて左右部分が連結している。
【0071】
<2>図40〜図41に示したスポーツ用タイツ30cにおける強緊締力部1fの上方部分25と比べて、図42〜図43に示したスポーツ用タイツ20dの強緊締力部1gの上方部分26は若干人体前側方向に湾曲しており、大腿筋膜張筋並びに中殿筋のうちのより外側部分の中殿筋をそれらの筋繊維方向にほぼ沿ってカバーしている。
【0072】
<3>図42〜図43に示したスポーツ用タイツ30dは、強緊締力部(D)として、ほぼウェスト部の後中心位置8近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋の一部に当接される強緊締力部9を更に有していて、この強緊締力部9が強緊締力部1gと一体的に結合されている。
【0073】
スポーツ用タイツ30cと30dには、上記<1><2>の点に若干の相違はあるものの、これらの点の差異に基づく機能の差異はあまりみられず、この両者はほぼ同等の機能を有している。但し、スポーツ用タイツ30dは、<3>に記載したように強緊締力部9を更に有しているので、スポーツ用タイツ30cに比べて、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能を補助する機能を更に有する。
【0074】
次に図44〜図45に参考例としての衣料である更に別の態様のスポーツ用タイツの背面図、左側面図をそれぞれ示した。正面図は強緊締力部5と6が存在しないことを除いて図34とほぼ同一である。図44〜図45に示したスポーツ用タイツ30eと図40〜図41に示したスポーツ用タイツ30cとを比べると、主な相違点は次のようである。
【0075】
<1>図44〜図45に示したスポーツ用タイツ30eは、大転子3近傍から臀部の膨らみの下方部分に伸びている強緊締力部12を更に有する。
【0076】
<2>図44〜図45に示したスポーツ用タイツ30eは、強緊締力部(D)として、ほぼウェスト部の後中心位置8近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋の一部に当接される強緊締力部9を更に有していて、この強緊締力部9が強緊締力部1fの上端に結合されている。
【0077】
従ってこのスポーツ用タイツ30eは、図40〜図41に示したスポーツ用タイツ30cと同等の機能のほか、強緊締力部12を有するので、大転子3を押さえる機能がより強化されており、大腿骨頭204と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。更に強緊締力部12により、ヒップアップ機能を付与することができる。また強緊締力部9を有し、強緊締力部9が強緊締力部1fの上端に結合されているので、スポーツ用タイツ30cに比べて、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能を補助する機能を更に有する。
【0078】
次に図46〜図48に本発明の衣料のボディスーツの着用状態における正面図、背面図、左側面図をそれぞれ示した。
【0079】
図46〜図48に示したボディスーツ60aは上半身部が50で示され、下半身部が51で示されている。このボディスーツ60aは下半身部51の裾が長めのタイプのボディスーツである。上半身部はストラップと兼ねて背部の一部分を充当している布52を有している。下半身部51のそれぞれの強緊締力部の配置は図19〜図21に示したガードル10gの場合と実質的に同じである。従ってガードル10gと同じ部分には同じ符号を付して説明を省略している。よってこのボディスーツ60aは図19〜図21に示したガードル10gの場合と実質的に同じ機能を発揮できるボディスーツである。
【0080】
次に図49〜図51に本発明の衣料である更に別の態様のボディスーツの着用状態における正面図、背面図、左側面図をそれぞれ示した。
【0081】
このボディスーツ60bと図46〜図48に示したボディスーツ60aとの相違点は図46〜図48に示したボディスーツ60aは下半身部51の裾が長めのタイプのボディスーツであるのに対し、図49〜図51に示したボディスーツ60bは下半身部51の裾が短いタイプのボディスーツである点が異なるのみで、その他の部分は実質的に同一である。従って図46〜図48に示したボディスーツ60aと同じ部分には同じ符号を付して説明を省略している。よってこのボディスーツ60bは図46〜図48に示したボディスーツ60aの場合と実質的に同じ機能を発揮できるボディスーツである。
【0082】
次に、強緊締力部と、弱緊締力部とを、編組織を変更することによって所定のパターン状に編み分けることによって作成した衣料の例を示す。
【0083】
以下の例では、強緊締力部を、3種類に編分け、最も緊締力の強い強緊締力部(以下、第1強緊締力部と言う。)、その次に緊締力の強い第2番目の強緊締力部(以下、第2強緊締力部と言う。)、更に、第2番目の強緊締力部に比べれば緊締力は弱いが、弱緊締力部に比べて強い緊締力を有する第3番目の強緊締力部(以下、第3強緊締力部と言う。)とし、その他の部分を弱緊締力部として、4段階に編み分けて、形成した衣料のうち、ロングタイプのガードル(図52〜図54)とショートタイプのガードル(図55〜図57)についての一実施の形態について説明する。
【0084】
図52は、本発明のロングタイプのガードルの前側から見た斜視図、図53は、その後側から見た斜視図、図54は、このガードルの後から前脇ならびに脚部に用いられる生地の裁断前の平面図である。
【0085】
図52〜図54に示したロングタイプのガードル10nにおいては、図19〜図21に示したガードル10gと比較的よく似ている。図19〜図21に示したガードル10gと比較すると、図19〜図21に示したガードル10gでは、強緊締力部1が、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しているのに対し、図52〜図54に示したガードル10nにおいては、強緊締力部1が、ガードル後側の人体の仙骨に相当する位置2aに於いて左右部分が連結している。また、図52〜図54に示したガードル10nでは、強緊締力部6が更にお腹押え用強緊締力部(F)の脇で下方に折れ曲がり伸びており、強緊締力部5と強緊締力部1の上側に沿って伸びている。また、図52〜図54に示したガードル10nでは、裾部分に強緊締力部70が更に存在している。これ以外の点は実質上図19〜図21に示したロングタイプのガードル10gと同様であるので、同一部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略している。
【0086】
そして、このロングタイプのガードルは、強緊締力部を、前述したように第1強緊締力部、第2強緊締力部、第3強緊締力部、及び弱緊締力部の、4段階に編み分けて、形成している。編分けは、いかなる編組織を用いてもよく、編密度や、糸の緊張力の強さを調整できる編分け手法であればいずれの方法でもよいが、この実施の形態では、比較的緊締力の強い部分が丸編みに比べて、より強い緊締力で編み込むことができ、見栄えもよく、伝染によるほつれなどの生じにくい、ジャカード編の経編で、その表側にあらわれる編組織を編み分けて、上述のような第1強緊締力部、第2強緊締力部、第3強緊締力部、及び弱緊締力部の、4段階の編分けを行った。
【0087】
すなわち、ジャカード編からなる地編が非弾性糸で編まれ、挿入糸として弾性糸を用いた経編地からなっており、緊締力の強弱の要求に応じて前記地編の表側にあらわれる編組織を切り替えて、組織の変化により、所定部分に所定の比較的緊締力の強い部分と比較的緊締力の弱い部分をパターン状に設ける事によって、緊締力の強弱の要求に応じて、所定の位置に所定のパターンで、所望の緊締力を有する部分を編み分けて設けることができる。
【0088】
ここではパワーネット組織を上記の如く編分けて用いるが、第1強緊締力部、第2強緊締力部、第3強緊締力部をそれぞれサテン調ネット組織とし、弱緊締力部をメッシュ調ネット組織とした。
【0089】
この地編生地は例えば次の様な方法で製造できる。すなわちジャカード制御装置を有する経編機(例えば米国特許第5,390,512号(対応日本特開平6-166934号)など参照、あるいは具体的には糸ガイドバーに曲げ変換器が取り付けられているカールマイヤーテキスタイルマシーンファブリックGmbH社製(日本マイヤー株式会社発売)の高速ジャカードラッシェル機“RSJ 4/1”)などを用いて、ジャカード制御装置を有する経編機のコンピーターに各ウェールと各コースに関して所定位置に所定の編組織が達成されるように指令を入力することにより実現できる。
【0090】
ここでは、強緊締力部を、第1強緊締力部、第2強緊締力部、第3強緊締力部の3段階に区別するのに、1繰り返しの編単位中の、2針以上(ここでは2針)の振りが入った割合を多くするか、中程度にするか、少なくするかによって編み分けている。2針振るとは、あるウェールを編む際に、(1)隣のウェールに振り、(2)次に、本来のウェールに戻して編む、と言う方法で2針の振りが達成できる。前記(1)と(2)を1繰り返しの編単位中、多く入れれば入れるほど、強緊締力部の緊締力をより強くすることができる。また、弱緊締力部は、ここではサテン調ネット組織に比べて、空間部分が大きく、単位当たりの糸の密度の少ないメッシュ調ネット組織を用いた。
【0091】
このような編分けは、例えば特開平10−96147号や国際出願番号PCT/JP99/01098号などにも詳述されているので、必要とあれば、これらを参照できる。
【0092】
なお、本実施態様においては、地編組織を構成する糸として、表側にあらわれる糸も裏側にあらわれる糸も、20デニールのナイロン糸を用いた。挿入糸として各ウェールごとに1本づつの280デニールのポリウレタン弾性糸と40デニールのポリウレタン弾性糸を用い、40デニールのポリウレタン弾性糸については、ウェール方向に対して蛇行して挿入、言い換えれば複数のウェールにまたがって蛇行して挿入されており、従って、ウェール方向だけでなく、それと直角方向であるコース方向の2方向に伸縮性が発現されるようにした。280デニールのポリウレタン弾性糸は、ほぼ同一ウェール上に挿入されて、主としてウェール方向の伸縮性に寄与している。なお、これらのポリウレタン弾性糸は、地編の表側にあらわれる編組織の変化にかかわらず、地編組織全体に、上述の手法ならびに割合でほぼ均等に挿入されている。生地全体のナイロン糸とポリウレタン弾性糸の使用割合は、ナイロン糸80重量%、ポリウレタン弾性糸20重量%とした。
【0093】
しかして、図52〜図53に示したロングタイプのガードルにおいて、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の仙骨に相当する位置2aに於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1は、大転子3の存在する部分の区画を2針の振りの入った割合の多い、第1強緊締力部で構成し、大転子3の存在する部分の区画を除いた強緊締力部1は、2針の振りの入った割合が中くらいの割合の、第2強緊締力部で構成されている。下腹部中央部の符号20で示されるお腹押え用強緊締力部(F)は、第2強緊締力部で構成されている。
【0094】
前記お腹押え用強緊締力部(F)20の左右のやや下脇側に連結されている強緊締力部5と、大転子3の存在する部分の区画を介して、それに連なる強緊締力部12が一体となって強緊締力部(B2)が形成されているが、大転子3の存在する部分の区画を除いて、強緊締力部5と強緊締力部12は、第2強緊締力部で構成されている。
【0095】
更に、強緊締力部(C)の一態様である強緊締力部6、その後ろのウェスト部分を一体となってカバーする強緊締力部(D)の強緊締力部9で示される部分は、第3強緊締力部で構成されている。また、裾部分の強緊締力部70は、第2強緊締力部で構成されている。
【0096】
その他の部分、すなわち、71で示される臀部上部の部分、72で示される脚部の一部部分、73で示される臀裂部の左右やや上方部分、74で示される腹部上部は、弱緊締力部であるメッシュ調ネット組織で構成されている。
【0097】
このガードルにおいても、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の仙骨に相当する位置2aに於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1を有している。従って、しっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。これにより、腰の回旋運動をサポートし腰の回旋角度の減少を防止し、骨盤の前後方向への安定に大きな役割をはたすことができ、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。
【0098】
また、強緊締力部5で表わされる部分が、大転子3近傍から更に臀部の膨らみの下方部分に伸びた強緊締力部12と一体となって強緊締力部(B2)を形成している。従ってこのガードルは強緊締力部(B2)の存在により、大転子3を押さえる機能がより強化されており、大腿骨頭204と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。更に強緊締力部12により、ヒップアップ機能を付与することができる。
【0099】
また、左右の強緊締力部5と左右の強緊締力部6は、それぞれお腹押え用強緊締力部(F)20を介して連結しているので、腹筋をより強力にサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能がより発揮されやすい。また、強緊締力部6と強緊締力部9とは一体となって連結していて、強緊締力部11を形成しているので、ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋308及び中殿筋309及び外腹斜筋302をより強力にサポートし、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能がより発揮されやすい。
【0100】
更に、裾部分の強緊締力部70は、第2強緊締力部で構成されているので、裾のずり上がりを防止できる。この部分が面状に太腿部分を押えるので、裾にゴムテープなどを付けた場合に比べて、食い込みがなく着用感に優れている。
【0101】
しかも、このガードルは強緊締力部が、布の裏打ちなどによって形成されたものではなく、編組織を編み分けて形成した強緊締力部であるから、強緊締力部と弱緊締力部の境目に実質上段差がない。従って、この境目の段差がアウターウェァーに反映して、アウターウェァーに段差があらわれて、着用者の外観を見苦しくするおそれがない。
【0102】
なお、図54は、このガードルの後から前脇ならびに脚部に用いられる生地の裁断前の平面図であるが、点線ラインA−B−C−D−E−F−G−Aで囲まれた部分が、図52のお腹押え用強緊締力部20と腹部上部74の部分を除いた右側の前から後ろにかけての身頃(充当生地)の裁断ラインを示している。なお、点線ラインH−I−Jで囲まれた部分75は、クロッチに充当するピースの裁断ラインである。G−Fのラインが、ガードルの後ろの中心ラインとなる。図54の各部分には、図52、図53と同じ部分には同じ符号が付与されているので、図54に示された各部分のどの部分が、図52、図53のどの部分を構成するかは、容易に理解される。図54において、このジャカードラッシェル経編地を形成している糸の供給方向すなわちウェール方向は、矢印Sの方向である。
【0103】
この実施態様で示したガードルは、上記図54で示した、ガードルの後から前脇ならびに脚部に用いられる生地について、左身側と右身側の2枚、75で示されたクロッチ布、図52の腹部上部74とお腹押え用強緊締力部(F)20が編み分けられて一体になっている腹部布の合計4枚の生地から構成されている。
【0104】
次に、図55〜図57を引用して、本発明の衣料の一実施の形態である、ショートタイプのガードルについて説明する。
【0105】
図55は、本発明のショートタイプのガードルの前側から見た斜視図、図56は、その後側から見た斜視図、図57は、このガードルの後から前脇部に用いられる生地の裁断前の平面図である。
【0106】
図55〜図57に示したショートタイプのガードル10pにおいては、図52〜図54に示したロングタイプのガードル10nと比較的類似部分が多い。従って、ロングタイプのガードル10nと、同一部分には同一の符号を付して詳細な説明を省略している。
【0107】
このショートタイプのガードル10pにおいても、強緊締力部1が、ガードル後側の人体の仙骨に相当する位置2aに於いて左右部分が連結している。また、図52〜図54に示したガードル10nと同様に、強緊締力部6が更にお腹押え用強緊締力部(F)の脇で下方に折れ曲がり伸びており、強緊締力部5と強緊締力部1の上側に沿って伸びている。なお、図55に示されるお腹押え用強緊締力部(F)20の下側に、前裾部分76が、接ぎライン79で縫製により取り付けられている。(従って、前裾部分76は、お腹押え用強緊締力部(F)20腹部通常のパワーネットの部分と編分けによって形成したものではない。この生地は通常の編分けを必要としない経編で作成されたパワーネット組織の生地である。この部分の緊締力は特に限定されないが、第3の強緊締力部のランクに相当する。)。78は、脚部穴である。
【0108】
そして、このショートタイプのガードルは、強緊締力部を、前述したように第1強緊締力部、第2強緊締力部、第3強緊締力部、及び弱緊締力部の、4段階に編み分けて、形成している。編分けは、前記図52〜図54に示したロングタイプのガードルで用いたと同様に、ジャカード編の経編で、地編の表側にあらわれる編組織を編み分けて、上述のような第1強緊締力部、第2強緊締力部、第3強緊締力部、及び弱緊締力部の、4段階の編分けを行った。
【0109】
すなわち、ジャカード編からなる地編が非弾性糸で編まれ、挿入糸として弾性糸を用いた経編地からなっており、緊締力の強弱の要求に応じて前記地編の表側にあらわれる編組織を切り替えて、組織の変化により、所定部分に所定の比較的緊締力の強い部分と比較的緊締力の弱い部分をパターン状に設ける事によって、緊締力の強弱の要求に応じて、所定の位置に所定のパターンで、所望の緊締力を有する部分を編み分けて設けている。
【0110】
この例においても、パワーネット組織を上記の如く編分けて、第1強緊締力部、第2強緊締力部、第3強緊締力部をそれぞれサテン調ネット組織とし、弱緊締力部をメッシュ調ネット組織とした。
【0111】
ここでも、前記の例と同様に、強緊締力部を、第1強緊締力部、第2強緊締力部、第3強緊締力部の3段階に区別するのに、1繰り返しの編単位中の、2針の振りが入った割合を多くするか、中程度にするか、少なくするかによって編み分けている。また、弱緊締力部は、ここではサテン調ネット組織に比べて、空間部分が大きく、単位当たりの糸の密度の少ないメッシュ調ネット組織を用いた。
【0112】
なお、本実施態様においては、地編組織を構成する糸として、表側にあらわれる糸も裏側にあらわれる糸も、20デニールのナイロン糸を用いた。挿入糸として各ウェールごとに1本づつの280デニールのポリウレタン弾性糸と40デニールのポリウレタン弾性糸を用い、40デニールのポリウレタン弾性糸については、ウェール方向に対して蛇行して挿入、言い換えれば複数のウェールにまたがって蛇行して挿入されており、従って、ウェール方向だけでなく、それと直角方向であるコース方向の2方向に伸縮性が発現されるようにした。280デニールのポリウレタン弾性糸は、ほぼ同一ウェール上に挿入されて、主としてウェール方向の伸縮性に寄与している。なお、これらのポリウレタン弾性糸は、地編の編組織の変化にかかわらず、地編組織全体に、上述の手法ならびに割合でほぼ均等に挿入されている。生地全体のナイロン糸とポリウレタン弾性糸の使用割合は、ナイロン糸80重量%、ポリウレタン弾性糸20重量%とした。
【0113】
なお、前裾部分76のパワーネット組織の生地は、20デニールのナイロン糸80重量%と20重量%のポリウレタン弾性糸からなり、ポリウレタン弾性糸は、挿入糸として用いられ、40デニールのポリウレタン弾性糸を各ウェールごとに1本づつ挿入した。40デニールのポリウレタン弾性糸は、ほぼ同一ウェール上に挿入されて、主としてウェール方向の伸縮性に寄与している。
【0114】
しかして、図55〜図57に示したショートタイプのガードルにおいて、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の仙骨に相当する位置2aに於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1は、大転子3の存在する部分の区画を2針の振りの入った割合の多い、第1強緊締力部で構成し、大転子3の存在する部分の区画を除いた強緊締力部1は、2針の振りの入った割合が中くらいの割合の、第2強緊締力部で構成されている。下腹部中央部の符号20で示されるお腹押え用強緊締力部(F)は、第2強緊締力部で構成されている。
【0115】
前記お腹押え用強緊締力部(F)20の左右のやや下脇側に連結されている強緊締力部5と、大転子3の存在する部分の区画を介して、それに連なる強緊締力部12が一体となって強緊締力部(B2)が形成されているが、大転子3の存在する部分の区画を除いて、強緊締力部5と強緊締力部12は、第2強緊締力部で構成されている。
【0116】
更に、強緊締力部(C)の一態様である強緊締力部6、その後ろのウェスト部分を一体となってカバーする強緊締力部(D)の強緊締力部9で示される部分は、第3強緊締力部で構成されている。
【0117】
その他の部分、すなわち、71で示される臀部上部の部分、73で示される臀裂部の左右やや上方部分、74で示される腹部上部は、弱緊締力部であるメッシュ調ネット組織で構成されている。
【0118】
このガードルにおいても、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の仙骨に相当する位置2aに於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1を有している。従って、しっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。これにより、腰の回旋運動をサポートし腰の回旋角度の減少を防止し、骨盤の前後方向への安定に大きな役割をはたすことができ、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。
【0119】
また、強緊締力部5で表わされる部分が、大転子3近傍から更に臀部の膨らみの下方部分に伸びた強緊締力部12と一体となって強緊締力部(B2)を形成している。従ってこのガードルは、強緊締力部(B2)の存在により、大転子3を押さえる機能がより強化されており、大腿骨頭204と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。更に強緊締力部12により、ヒップアップ機能を付与することができる。
【0120】
また、左右の強緊締力部5と左右の強緊締力部6は、それぞれお腹押え用強緊締力部(F)20を介して連結しているので、腹筋をより強力にサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能がより発揮されやすい。また、強緊締力部6と強緊締力部9とは一体となって連結していて、強緊締力部11を形成しているので、ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋308及び中殿筋309及び外腹斜筋302をより強力にサポートし、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能がより発揮されやすい。
【0121】
しかも、このガードルは強緊締力部が、布の裏打ちなどによって形成されたものではなく、編組織を編み分けて形成した強緊締力部であるから、強緊締力部と弱緊締力部の境目に実質上段差がない。従って、この境目の段差がアウターウェァーに反映して、アウターウェァーに段差があらわれて、着用者の外観を見苦しくするおそれがない。
【0122】
なお、図57は、このガードルの後から前脇に用いられる生地の裁断前の平面図であるが、点線ラインA−B−C−D−E−Aで囲まれた部分が、図55のお腹押え用強緊締力部20と腹部上部74の部分を除いた右側の前から後ろにかけての身頃(充当生地)の裁断ラインを示している。なお、点線ラインF−G−H−Iで囲まれた部分75は、クロッチ75に充当するピースの裁断ラインである。E−Dのラインが、ガードルの後ろの中心ラインとなる。図57の各部分には、図55、図56と同じ部分には同じ符号が付与されているので、図57に示された各部分のどの部分が、図55、図56のどの部分を構成するかは、容易に理解される。尚、図57において、このジャカードラッシェル経編地を形成している糸の供給方向すなわちウェール方向は、矢印Sの方向である。
【0123】
この実施態様で示したガードルは、上記図57で示した、後から前脇に用いられる生地について、左身側と右身側の2枚、75で示されたクロッチ布、図55の腹部上部74とお腹押え用強緊締力部(F)20が編み分けられて一体になっている腹部布、及び左右の前裾部分76の合計6枚の生地から構成されている。
【0124】
次に図58〜図60に本発明の衣料である更に別の態様のショートタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図58〜図60に示したショートタイプのガードル10qにおいては、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1を有している。また、図19と同様に下腹部中央部に主たる伸縮方向が衣料縦方向のお腹押え用強緊締力部(F)20が存在している。更に、ガードル10qの裾周りについては、80が前裾布であり、この態様では、縁部がほつれ防止処理されている、いわゆる端始末を必要としない伸縮性の布(従って裾縁部分を折り返して縫製するような端始末を施していない裾縁部分が平坦な布)であり、且つ身体にフィットするよう強緊締力を有するパワーネット編物を採用している。そしてこの前裾布80の強緊締力部に連なってその脇側から脇裾に沿って、大転子3近傍に至る強緊締力部5bと更にそれが後ろ裾に沿って臀部の膨らみの下方部分に伸びている強緊締力部12を有している。強緊締力部である前裾布80はお腹押え用強緊締力部(F)20に連なっているので、前裾布80を腹押え用強緊締力部の延長と考えると、前記前裾布80と強緊締力部5bとは、図16〜図18で示したガードルのお腹押え用強緊締力部(F)20と強緊締力部5の合わさったものとほぼ同様の作用をする下腹部の腹直筋上の位置から左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部5とほぼ同等と見なすことが可能である。
【0125】
よって、本態様のショートタイプのガードル10qは、強緊締力部1が大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通っており、しかも、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しているので、しっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って、腰の回旋運動をサポートし腰の回旋角度の減少を防止し、骨盤の前後方向への安定に大きな役割をはたすことができ、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。また、強緊締力部1と5b並びに12が大転子3近傍をカバーしているので大腿骨頭204と寛骨臼との結合を良好にし、股関節の安定性を向上させる機能を発揮する。更に、前裾布80を前述したようにお腹押え用強緊締力部(F)20の延長と考えるとこれらと強緊締力部5bにより、腹直筋301の一部と内腹斜筋をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を発揮できる。更に強緊締力部12により、ヒップアップ機能を付与することができる。
【0126】
次に図61〜図63に本発明の衣料である更に別の態様のショートタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図61〜図63に示したショートタイプのガードル10rにおいては、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1を有している。また、下腹部中央部に主たる伸縮方向が衣料縦方向のお腹押え用強緊締力部(F)20が存在し、前記お腹押え用強緊締力部(F)20の左右のやや下脇側に強緊締力部5のそれぞれ左右の一端が連結されており、前記(F)20の左右の上脇側に強緊締力部6のそれぞれ左右の一端が連結されている。図19と若干異なるのは、強緊締力部5と6が脇側で連なっている点である。また、強緊締力部5で表わされる部分が、大転子3近傍から更に強緊締力部12で示されるように後ろ裾に沿って臀部の膨らみの下方部分に伸びており、強緊締力部5と強緊締力部12が一体となった強緊締力部(B2)を有している。また、強緊締力部(D)として、ほぼウェスト部の後中心位置8近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋308及び中殿筋309及び外腹斜筋302の一部に当接され少なくとも脇7を前面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部9を有し、更にまた、下腹部の腹直筋上4に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上4の位置(お腹押え用強緊締力部(F)20)から左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇7を背面側に超える位置に至る部分をカバーしている強緊締力部6を有していて、前記強緊締力部6と強緊締力部9とは一体となって連結していて、強緊締力部11を形成している。よって、このショートタイプのガードル10rにおいては、強緊締力部5、6、9(11)、12が一連に連なって形成されており、特に限定するものではないが、このような態様は、先の図52〜図57の実施の形態で示したジャカードラッセル編みによって地編みの表側にあらわれる編組織を切り替えて、組織の変化により、所定部分に所定の比較的緊締力の強い部分と比較的緊締力の弱い部分をパターン状に設ける手法が容易に適用できる態様の衣料である。
【0127】
以上に説明したこのショートタイプのガードル10rにおいては、強緊締力部1が大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通っており、しかも、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しているので、しっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って、腰の回旋運動をサポートし腰の回旋角度の減少を防止し、骨盤の前後方向への安定に大きな役割をはたすことができ、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。また、強緊締力部1と5並びに12が大転子3近傍をカバーしているので大腿骨頭204と寛骨臼との結合を良好にし、股関節の安定性を向上させる機能を発揮できる。
【0128】
また、お腹押え用強緊締力部(F)20と強緊締力部5により、腹直筋301の一部と内腹斜筋をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を発揮できる。更に強緊締力部12により、ヒップアップ機能を付与することができる。
【0129】
また、お腹押え用強緊締力部(F)20と強緊締力部6により、腹直筋301の一部と外腹斜筋302をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を発揮するとともに、強緊締力部6と強緊締力部9とは一体となって連結していて、強緊締力部11を形成しているので、ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋308及び中殿筋309及び外腹斜筋302をより強力にサポートし、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能がより発揮されやすい。
【0130】
しかも、ショートタイプのガードル10rにおいては、前ウェスト布82として、トリコットなどの緊締力の小さい伸縮性を有するソフトな生地を2つ折りにしてワサ(折り返し部分)がウェスト上端側となるように配置している。従ってお腹押え用強緊締力部(F)20がもしウエスト上端まで到達している場合には、強緊締力部6と強緊締力部9とが一体となって連結している強緊締力部11で強いパワーがウェストにかかるようにしているが、これらとお腹押え用強緊締力部(F)20とで締め付けパワーが強くなりすぎて着用感が低下することを改良し、胃の上部になるウェスト前側部にかかるパワーをソフトにし、脇から背面にかけては強緊締力部11で強いパワーがウェストにかかるようにして着用感と機能の発揮とをバランスさせた衣料が提供できる。
【0131】
次に図64〜図66に本発明の衣料である更に別の態様のショートタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図64〜図66に示したショートタイプのガードル10sにおいては、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1を有している。また、図58と同様に下腹部中央部に主たる伸縮方向が衣料縦方向のお腹押え用強緊締力部(F)20が存在している。更に、ガードル10sの裾周りについては、80が前裾布であり、この態様では、縁部がほつれ防止処理されている、いわゆる端始末を必要としない伸縮性の布(従って裾縁部分を折り返して縫製するような端始末を施していない裾縁部分が平坦な布)であり、身体にフィットするよう強緊締力を有するパワーネット編物を採用している。そしてお腹押え用強緊締力部(F)20と前裾布80の強緊締力部に連なってその脇側から脇裾に沿って、大転子3近傍に至る強緊締力部5を有している。強緊締力部5はお腹押え用強緊締力部(F)20に連なっているので、強緊締力部5とお腹押え用強緊締力部(F)20は、図19で示したガードルのお腹押え用強緊締力部(F)20と強緊締力部5とほぼ同様の機能を有する下腹部の腹直筋上の位置から左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部5と同等と見なされる。
【0132】
よって、本態様のショートタイプのガードル10sは、強緊締力部1が大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通っており、しかも、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しているので、しっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って、腰の回旋運動をサポートし腰の回旋角度の減少を防止し、骨盤の前後方向への安定に大きな役割をはたすことができ、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。また、強緊締力部1と5が大転子近傍をカバーしているので大腿骨頭204と寛骨臼との結合を良好にし、股関節の安定性を向上させる機能を発揮する。更に、お腹押え用強緊締力部(F)20と強緊締力部5により、腹直筋301の一部と内腹斜筋をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を発揮できる。なお、83はショートタイプのガードル本体の後ろ側の裾ラインである。
【0133】
次に図67〜図69に本発明の衣料である更に別の態様のショートタイプのガードルの着用状態における正面図、左側面図、背面図をそれぞれ示した。図67〜図69に示したショートタイプのガードル10tにおいては、強緊締力部(A)として、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ中間部でほぼ大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部1を有している。また、強緊締力部(C)として、下腹部の腹直筋上4に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上4から左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇を背面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部6を有しているとともに、強緊締力部(D)として、ほぼウェスト部の後中心位置8近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋308及び中殿筋309及び外腹斜筋302の一部に当接され少なくとも脇を前面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部9を有し、前記強緊締力部6と強緊締力部9とは一体となって連結していて、強緊締力部11を形成している。
【0134】
更に強緊締力部(B)として、左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい大転子3近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部5を有している。この態様のガードルの強緊締力部5は、「下腹部の腹直筋上4に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上4の位置から強緊締力部5が出発している」という条件を形式上は満たしていないが、強緊締力部5は強緊締力部6の下側の左右の縁に連なって連結されており、強緊締力部6の下側部分が、強緊締力部5の機能を兼ねており、従って、実質上は、下腹部の腹直筋上4に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上4の位置から強緊締力部5が出発していると見なせ、実質上は同等である。強緊締力部5と強緊締力部6とは縫製ラインが存在しているだけであり、もし、強緊締力部5と強緊締力部6とが一体の一枚の生地で作成されているとすれば、図13に示したものと同等になる。従って、図13で示した強緊締力部5と強緊締力部6とが一体のものに強緊締力部5と強緊締力部6とが交わる部分に、強緊締力部6の外側のラインに沿って縫製ラインを設けたものと同等になる。なお、83はショートタイプのガードル本体の後ろ側の裾ラインである。
【0135】
従ってこの態様のショートタイプのガードル10tにおいては、強緊締力部1が大殿筋の筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通っており、しかも、ガードル後側の人体の第4腰椎から仙骨に相当する位置2に於いて左右部分が連結しているので、しっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って、腰の回旋運動をサポートし腰の回旋角度の減少を防止し、骨盤の前後方向への安定に大きな役割をはたすことができ、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。また、強緊締力部1と5が大転子3近傍をカバーしているので大腿骨頭204と寛骨臼との結合を良好にし、股関節の安定性を向上させる機能を発揮できる。また、強緊締力部5により、腹直筋301の一部と内腹斜筋をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を発揮できる。
【0136】
また、強緊締力部6により、腹直筋301の一部と外腹斜筋302をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を発揮するとともに、強緊締力部6と強緊締力部9とは一体となって連結していて、強緊締力部11を形成しているので、ウェスト部の後中心位置8近傍から左右の広背筋308及び中殿筋309及び外腹斜筋302をより強力にサポートし、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能がより発揮されやすい衣料を提供できる。
【0137】
以上、衣料の実施の態様として、ガードル、スポーツ用タイツ、ボディスーツについての具体例を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の態様のみに限定されるものではなく、スパッツ、レオタード、水着、その他の少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており、人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料に適用可能である。
【0138】
また、本発明の衣料において、少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、「人体の大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有している衣料」とは、例えば図1その他に示したロングタイプのガードルとか、図34その他に示したスポーツ用タイツなどで示されるように、大腿部あるいは大腿部と下腿部を筒状に包み込む脚部を有している衣料などであり、図示していないがこのような脚部を有するタイプのスパッツ、ボディスーツ、レオタード、水着などにも適用可能である。このような本発明の好ましい態様においては、大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有することにより、全体の長さも脚部が存在する分長くなり、よりしっかりと身体に固定されフィツトしており、従って、強緊締力部の緊締力がより有効に作用し易くなり好ましい。特に大転子を押さえる機能がより効果的に発揮され好ましい。
【0139】
また、本発明の衣料において、少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、「その裾下端位置が股部の位置とほぼ同等の高さの位置にあるか、または、それより上にあり、大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有していない衣料」とは、例えば図55、図58その他に示したショートタイプのガードルとか、図49に示したボディスーツなどで示されるように、大腿部あるいは大腿部と下腿部を筒状に包み込む脚部を有しておらず、人体の脚部を出す穴が設けられている様な衣料であり、通常このような衣料はその裾の下端位置が股部の位置とほぼ同等の高さの位置にあるか、または、それより上にあるので、上記の様な表現をしたものである。図示していないがこのような大腿部を筒状に包み込む脚部を有していないタイプのレオタード、水着などにも適用可能である。こういった裾丈のものは、大転子をカバーし裾ラインが大転子近傍ないしその下方を通るが、裾ラインは通常身体に密着するようにされているから、大転子部分を抑える機能が効果的に発揮しうる。更に、このような本発明の態様においては、大腿部を筒状に包み込む脚部を有していないので、蒸れが少なく、従って暑いシーズンにも好適に着用でき、また、大腿部への圧迫感が少ないので、より着用感が良好な衣料を提供できる。
【0140】
本発明の衣料は、伸縮性生地からなる衣料であって、部分的に緊締力の強い部分(強緊締力部)を有するものである。
【0141】
本発明の衣料において、強緊締力部の形成方法としては、衣料本体に所定形状の伸縮性生地を重ね合わせてそれを縫合させることによって形成してもよいし、衣料本体に所定形状の伸縮性生地を重ね合わせてそれを接着することによって形成してもよい。これらの方法によれば、容易に耐久性のある衣料を製造することができる。もちろん、強緊締力部とそれ以外の部分をそれぞれ所定形状のパーツにして、それらを接ぎ合わせて本発明の下肢部保護衣料を形成してもよいが、縫製が複雑になり、やや手間がかかる。
【0142】
また、そのほか例えば、衣料本体に所定形状の伸縮性生地を引き伸ばして重ね合わせて縫合または接着する方法によって強緊締力部を形成してもよい。これらの方法によれば、強緊締力部により強力な緊締力を付与する場合に好適である。
【0143】
また、衣料本体の所定部分に弾力性を有する合成樹脂またはゴムの溶液またはエマルションを含浸またはコーティングしその後乾燥させる方法、弾力性を有する合成樹脂またはゴムのフイルムを積層する方法によって強緊締力部を形成してもよい。これらの方法によれば、強緊締力部の厚みが比較的薄いものを得ることができる。弾力性を有する合成樹脂としてはポリウレタン樹脂やポリエステルエラストマー樹脂その他の適宜の弾性樹脂が適用できる。
【0144】
また、衣料本体を構成する伸縮性生地の編み組織をより緊締力の強い編み組織にする方法によって強緊締力部を形成してもよい。これらの方法によれば、同様に重ね合わせをしなくてもすむので、強緊締力部の厚みがより薄いものを得ることができる。尚、上述したような編み組織の切り替えによって強緊締力部を形成する方法の定義には、衣料本体を構成する繊維素材のうち、弾性繊維の太さが他の部分より太い弾性繊維を使用する方法によって強緊締力部を形成する方法も含まれる。この方法によっても、重ね合わせをしなくてもすむので、強緊締力部の厚みがより薄いものを得ることができる。
【0145】
上記した強緊締力部の形成方法の中でも、衣料本体に所定形状の伸縮性生地を重ね合わせてそれを縫合することによって形成する方法と、衣料本体に所定形状の伸縮性生地を引き伸ばして重ね合わせて縫合する方法とが好ましい。尚、これらの方法によれば、衣料本体に縫合される伸縮性生地の緊締力は衣料本体の伸縮性生地の緊締力よりもやや小さくても、同じでも、大きくてもよい。衣料本体に伸縮性生地が重ね合わせられた結果、重ね合わされた部分の緊締力が増大するからである。どのくらいの緊締力の生地を重ね合わせたらよいかは、衣料の種類や使用目的、着用者の好みなどによって適宜選定すればよい。
【0146】
強緊締力部の緊締力としては、特に限定するものではないが、ほぼその長さ方向で150〜400gfの緊締力を有する様に設計することが好ましい。このような緊締力の範囲において、本発明の機能が効果的に発揮され、また、圧迫感が余りに強過ぎることもなく着用感が良好で好ましい。尚、弱緊締力部の緊締力が150gfを超えることがあっても、当該衣料中に設けられているいずれの強緊締力部よりも、その緊締力が小さければ差し支えない。
【0147】
緊締力の測定方法としては、インストロン型万能引張試験機(島津製作所製“オートグラフ”AG−500D)を用い、引張り速度300±20mm/minにて試料長(つかみ間隔)の80%までの伸長回復を3回繰り返し、3回目の伸長回復の際の30%伸長時および回復時の値のうちの回復時の値を読み取り緊締力とする。試料の大きさは幅2.5cm、長さ16cm、上部つかみ2.5cm、下部つかみ3.5cm、引張間隔10cmとすることが好ましいが、かかる大きさの試料が測定対象の衣料から切り出せない場合にはそれより小さくても差し支えない。ただ、試料の大きさが小さくなるほど、測定誤差が大きくなるので、切り出せる範囲でできるだけ大きな試料を採取して測定することが好ましい。尚、衣料本体に伸縮性生地などが重ね合わせられて強緊締力部が形成されている様な場合は、その緊締力の測定試料としては、当然のことながら重ね合わされた試料を測定する必要がある。
【0148】
本発明の衣料における強緊締力部の幅は、強緊締力部の存在部位、用いる素材の緊締力の強さ、強緊締力部の形成手段、着用者の障害の程度や障害部位、または障害予防の目的、行うスポーツの種類、大人か子供かなどによって適宜本発明の目的が達成される範囲で適当な幅にすれば良く、特に限定するものではないが、例えば、最も幅の広い部分は通常5〜15cm程度、より好ましくは8〜13cm程度が好ましく、その他の強緊締力部の幅は、例えば大腿部外側側部の一番細い幅で、通常2〜10cm程度、より好ましくは4〜8cm程度が好ましい。また、例えば図19、図22、図46、図49などで示したお腹押え用強緊締力部の最も幅の広い部分は、着用者の身体の大きさによって当然異なってくるが、通常8〜17cm程度、より好ましくは10〜14cm程度が一般的である。もちろん本発明の目的が達成される範囲に於いて、強緊締力部の幅は、部位に応じて部分的に狭幅になったり、広幅になったりすることがあるのは何ら差し支えない。
【0149】
また、本発明の衣料は、伸縮性生地として、衣料本体部分や各強緊締力部において、伸縮性を有するポリウレタン繊維含有ラッセル編物であるポリウレタン繊維含有パワーネットや、ポリウレタン繊維含有トリコット編物であるポリウレタン繊維含有ツーウェイトリコット編物などを好ましく用いることができるので、従来の比較的厚地のパイル地やネオプレンシートなどを用いるサポーターなどに比べて、通常の衣料を作成する際に用いられている程度の厚み、例えば約0.3〜0.8mmの厚みの生地が使用でき、したがって着用時のプロポーションなどの外観が低下が少なく、身体によくフィットし、通気性も比較的良好な衣料を提供できる。パワーネットの種類としては、例えば、プレーンパワーネット、サテンパワーネット、ツーウェイラッセル、“トリスキン”(ト部株式会社の商標)などが挙げられる。
【0150】
また、強緊締力部の緊締力はすべて同一である必要はなく、部位に応じて異なった緊締力としてもよい。
【0151】
尚、前述の実施の形態で記載した、各衣料に関し、強緊締力部と、それ以外の弱緊締力部の緊締力を測定した結果を下記する。
【0152】
[緊締力測定結果例1]
図1〜図51で示したような衣料で、衣料本体布に、当て布をあてがって、当該当て布をあてがった部分を強緊締力部分とした態様の例のその1
<1>本体布:
“トリスキン”(ト部株式会社の商標名、ツーウェイパワーネット編物)。40デニールのナイロン糸、挿入糸として140デニールと40デニールのポリウレタン弾性糸各ウェールに1本づつ挿入。40デニールのポリウレタン弾性糸の挿入方法は、前述した複数のウェールにまたがって蛇行して挿入した。
【0153】
混用率:ナイロン73.7重量%、ポリウレタン弾性糸26.3重量%
伸長力:140gf 緊縮力:129gf
【0154】
<2>強緊縮力部1:上記本体布に下記当て布をあてがった部分(但し、大転子3のような当て布が2重に重なる部分を除いた部分)
当て布:ワンウェイパワーネット。70デニールのナイロン糸、挿入糸として280デニールのポリウレタン弾性糸各ウェールに1本づつ挿入。
【0155】
混用率:ナイロン81重量%、ポリウレタン弾性糸19重量%
伸長力:280gf 緊縮力:240gf
【0156】
<3>強緊縮力部2:(大転子3近傍部分。当て布が2枚重なった部分で、本体布と合わせて3枚重ねとなっている部分)
上記本体布に、上記当て布を2枚重ねて測定。
【0157】
伸長カ:423gf 緊縮力:354gf
【0158】
[緊締力測定結果例2]
図1〜図51で示したような衣料で、衣料本体布に、当て布をあてがって、当該当て布をあてがった部分を強緊締力部分とした態様の例のその2
<1>本体布:
ツーウェイパワーネット。40デニールのナイロン糸、挿入糸として260デニールと40デニールのポリウレタン弾性糸各ウェールに1本づつ挿入。40デニールのポリウレタン弾性糸の挿入方法は、前述した複数のウェールにまたがって蛇行して挿入した。
【0159】
混用率:ナイロン73.7重量%、ポリウレタン弾性糸26.3重量%
伸長力:140gf 緊縮力:129gf
【0160】
<2>強緊縮力部1:上記本体布に下記当て布をあてがった部分(但し、大転子3のような当て布が2重に重なる部分を除いた部分)
当て布:ワンウェイパワーネット。40デニールのナイロン糸、挿入糸として140デニールのポリウレタン弾性糸各ウェールに1本づつ挿入。
【0161】
混用率:ナイロン80.4重量%、ポリウレタン弾性糸19.6重量%
伸長力:219gf 緊縮力:200gf
【0162】
<3>強緊縮力部2:(大転子3近傍部分。当て布が2枚重なった部分で、本体布と合わせて3枚重ねとなっている部分)
上記本体布に、上記当て布を2枚重ねて測定。
【0163】
伸長力:275gf 緊縮力:245gf
【0164】
[緊締力測定結果例3]
図52〜図57で示したような衣料で、ジャカードラッシェル機によるツーウェイパワーネットであって、地編組織の表側にあらわれる組織を編み分けて強緊締力部と弱緊締力部を形成したもの。糸使いは、図52〜図57の説明で説明した通り。
【0165】
地編組織が20デニールのナイロン糸、280デニールと40デニールのポリウレタン弾性糸が各ウェールに1本づつ挿入。40デニールのポリウレタン弾性糸の挿入方法は、前述した複数のウェールにまたがって蛇行して挿入されている。
【0166】
混用率:ナイロン糸80重量%、ポリウレタン弾性糸20重量%
<1>弱緊締力部(メッシュ調ネット組織の部分):
伸長力:232gf 緊締力:132gf
<2>第3強緊締力部:(サテン調ネット組織の部分):
伸長力:271gf 緊縮力:151gf
<3>第2強緊締力部:(サテン調ネット組織の部分):
伸長力:291gf 緊縮力:157gf
<4>第1強緊締力部:(サテン調ネット組織で、尚かつ、大転子上の部分):
伸長力:297gf 緊縮力:168gf
【0167】
【発明の効果】
本発明の衣料は、次の様な機能を発揮し得る衣料が提供される。
【0168】
(1)本発明の衣料は、衣料後側の人体の仙骨から腰椎上のいずれかの部分に相当する位置に於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(A)を有するので、しっかりと大殿筋をその筋繊維方向にサポートすることができる。従って、股関節の伸展、特に骨盤の前後方向への安定性に大きな役割をはたすことができ、腰の回旋運動をサポートし、腰の回旋可能角度の減少を防止し、高齢者においては転倒の防止に有効である。また、走行、ジャンプ、スロープを上る際の股関節の前後方向への伸展に大きな役割をはたすことができる。また、強緊締力部が大転子近傍をカバーしているので大腿骨頭と寛骨臼との結合を良好にし、股関節の安定性を向上させる機能を有する衣料を提供できる。
【0169】
そして、下腹部の腹直筋上に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上から左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(B)を更に有しており、更に腹直筋の一部と内腹斜筋をサポートするので、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を更に付加した衣料を提供できる。
【0170】
(2)また、下腹部の腹直筋上に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上から左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇を背面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部(C)を更に有する本発明の好ましい態様とすることにより、更に腹直筋の一部と外腹斜筋をサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能を更に付加した衣料を提供できる。
【0171】
(3)また、ほぼウェスト部の後中心位置近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋の一部に当接され少なくとも脇を前面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部(D)を更に有する本発明の好ましい態様とすることにより、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能を補助する機能を更に付加した衣料を提供できる。
【0172】
尚、前記(1)項記載の強緊締力部(A)及び(B)に加えて、前記(2)項記載の強緊締力部(C)とを更に有する本発明の好ましい態様とすることにより、前記(1)項に記載した機能に加えて、強緊締力部(B)と強緊締力部(C)とが一体となって連結しているので、腹筋をより強力にサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能がより発揮されやすい衣料を提供できる。
【0173】
(4)また、前記(1)項記載の強緊締力部(A)及び(B)に加えて、前記(2)項記載の強緊締力部(C)と前記(3)項記載の強緊締力部(D)とを更に有する本発明の好ましい態様とすることにより、強緊締力部(B)と強緊締力部(C)とは一体となって連結しているので、腹筋をより強力にサポートし、前記(1)項に記載した機能に加えて、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能がより発揮されやすい衣料を提供できる。また、強緊締力部(D)を有しているので、ウェスト部の後中心位置近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋をより強力にサポートし、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能がより発揮されやすい衣料を提供できる。
【0174】
(5)また、主たる伸縮方向が衣料縦方向であって下腹部中央部をカバーするお腹押え用強緊締力部(F)を更に有しており前記強緊締力部(B)が、前記お腹押え用強緊締力部(F)の左右の下脇側にそれぞれその一端が連結されてお前記(F)の左右の下脇側からそれぞれ左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(B)である本発明の好ましい態様とすることにより、前記 ( ) 述べた機能のほかに、腹部の贅肉の膨出を押さえ、腹部の形状をより美しく整える機能も更に付加された衣類を提供できる。
【0175】
(6)また、主たる伸縮方向が衣料縦方向であって下腹部中央部をカバーするお腹押え用強緊締力部(F)を更に有し
前記強緊締力部(B)が、前記お腹押え用強緊締力部(F)の左右の下脇側にそれぞれその一端が連結されてお前記(F)の左右の下脇側からそれぞれ左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(B)であり
前記強緊締力部(C)が、前記お腹押え用強緊締力部(F)の左右の上脇側にそれぞれその一端が連結されてお前記(F)の左右の上脇側からそれぞれ左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇を背面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部(C)である本発明の好ましい態様とすることにより、前記(1)〜(2)項で述べた機能のほかに、腹部の贅肉の膨出を押さえ、腹部の形状をより美しく整える機能も更に付加された衣類を提供できる。
【0176】
(7)また、強緊締力部(A)で表わされる部分が、更に大転子近傍から前側大腿部の内側に向かって縫工筋、大腿直筋、内側広筋から選ばれたいずれか少なくとも1つの大腿四頭筋の少なくとも一部をカバーしている強緊締力部(A2)である本発明の好ましい態様とすることにより、大転子3を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。そして、強緊締力部(A2)により、大腿四頭筋(縫工筋、大腿直筋、内側広筋など)をほぼその筋繊維方向に沿ってサポートしているので、スポーツを行う場合に、これらの脚部の筋肉へのマッサージ効果が発揮され、これらの筋肉の疲労の回復を促進する機能が更に付加された衣類を提供できる。また高齢者が着用した場合には、転倒を防止し歩行の安定性を高める機能がより一層強化される。
【0177】
(8)また、強緊締力部(A)で表わされる部分が、更に大転子近傍から大腿部の腸脛靭帯及び/又は外側広筋近傍上を通り膝蓋部より少し上の部分までをカバーしている強緊締力部(A3)である本発明の好ましい態様とすることにより、大転子3を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。そして、強緊締力部(A3)により、腸脛靭帯及び/又は外側広筋をほぼその筋繊維方向に沿ってサポートしているので、スポーツを行う場合に、これらの脚部の筋肉へのマッサージ効果が発揮され、血液、リンパ球の流れが促進されることにより、エネルギーの消耗や乳酸の蓄積によって生じた筋肉疲労の回復を促進する機能が更に付加された衣類を提供できる。また高齢者が着用した場合には、転倒を防止し歩行の安定性を高める機能がより一層強化される。
【0178】
(9)また、強緊締力部(A)で表わされる部分が、更に大転子近傍から腸脛靭帯及び/又は外側広筋近傍上を通って、膝蓋部に至り、更に膝蓋部から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部外側で腓腹筋及び/又はヒラメ筋近傍上を通り、外踝部上方近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(A4)である本発明の好ましい態様とすることにより、大転子3を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。そして、強緊締力部(A4)により、腸脛靭帯及び/又は外側広筋をほぼその筋繊維方向に沿ってサポートし、また、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートしているので、スポーツを行う場合に、これらの脚部の筋肉のマッサージ機能が発揮され、これらの筋肉の疲労の回復を促進する機能が更に付加された衣類を提供できる。また高齢者が着用した場合には、転倒を防止し歩行の安定性を高める機能がより一層強化される。
【0179】
(10)また、強緊締力部(B)で表わされる部分が、更に大転子近傍から臀部の膨らみの下方部分をカバーしている強緊締力部(B2)である本発明の好ましい態様とすることにより、大転子3を押さえる機能がより強化されており、大腿骨頭と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。強緊締力部(B2)により、ヒップアップ機能が更に付加された衣料を提供できる。
【0180】
(11)また、強緊締力部(B)で表わされる部分が、更に大転子近傍から大腿部後ろ側のハムストリングスの少なくとも一部をカバーしている強緊締力部(B3)である本発明の好ましい態様とすることにより、大転子3を押さえる機能が更に一層強化されており、大腿骨頭204と寛骨臼との結合をより良好にし、股関節の安定性を向上させる機能がより強化される。ハムストリングスとも呼ばれている大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋のほぼ筋肉収縮方向をサポートしているので、スポーツを行う場合に、脚部のこれらの筋肉疲労の回復を促進し、走行動作における地面を強く後ろに押す機能、ジャンプ時により高く跳ぶ機能、足を上げる機能などをより強化する機能を更に付加した衣料を提供できる。また高齢者が着用した場合には、転倒を防止し歩行の安定性を高める機能がより一層強化される。
【0181】
(12)また、前記(2)項に記載の強緊締力部(C)と前記(3)項に記載の強緊締力部(D)とが一体となって連続している強緊締力部(C−D)を更に有する本発明の好ましい態様とすることにより、強緊締力部(C)と強緊締力部(D)とが一体となって連結しているので、腹筋をより強力にサポートし、腰椎の前湾を弱め、良好な姿勢を保持し、体型が若々しく見え、腰痛などの痛みの発生を予防しうる機能がより発揮されやすい。また、強緊締力部(C)と強緊締力部(D)とは一体となって連結していて、強緊締力部(C−D)を形成しているので、ウェスト部の後中心位置近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋をより強力にサポートし、骨盤の後傾を防止し、骨盤の位置を安定した位置に保つ機能がより発揮されやすい。
【0182】
(13)また、大腿部内側上方部分から、内側広筋をサポートするために内側広筋上を通って、膝蓋部に至り、更に膝蓋部から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部内側で腓腹筋及び/又はヒラメ筋近傍上を通り、内踝部上方近傍に至る強緊締力部(E)を更に有する本発明の好ましい態様とすることにより、内側広筋をほぼその筋繊維方向に沿ってサポートし、また、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートしているので、スポーツを行う場合に、これらの脚部の筋肉へのマッサージ機能が発揮され、これらの筋肉の疲労の回復を促進する機能が更に付加された衣類を提供できる。また高齢者が着用した場合には、転倒を防止し歩行の安定性を高める機能がより一層強化される。
【0183】
(14)また、強緊締力部が衣料本体布の表側又は裏側に当て布を積層して形成した強緊締力部である本発明の好ましい態様とすることにより、本発明の衣料の製造が容易で、容易に耐久性のある衣料を製造することができる。
【0184】
(15)また、強緊締力部が、衣料本体布の編組織を切り替えて、弱緊締力部と強緊締力部とをパターン状に形成することにより形成された強緊締力部である本発明の好ましい態様とすることにより、強緊締力部の厚みがより薄く、強緊締力部とそれ以外の部分との段差がなく、着用感に優れ、見栄えの優れた本発明の衣料を得ることができる。
【0185】
(16)また、強緊締力部が、衣料本体布の所定部分に弾力性を有する合成樹脂又はゴムのフィルムを積層するか、または、弾力性を有する合成樹脂又はゴムの溶液又はエマルションを含浸又はコーティングし乾燥させて形成した強緊締力部である本発明の好ましい態様とすることにより、比較的安価にしかも強緊締力部の厚みが比較的薄いものを得ることができる。
【0186】
(17)また、強緊締力部が、150〜400gfの緊締力を有する本発明の好ましい態様とすることにより、このような緊締力の範囲において、本発明の機能が効果的に発揮され、また、圧迫感が余りに強過ぎることもなく着用感が良好な本発明の衣料を提供できる。
【0187】
(18)また、伸縮性生地が伸縮性ツーウェイトリコット編物及び伸縮性ラッセル編物から選ばれた編物である本発明の好ましい態様とすることにより、従来の比較的厚地のパイル地やネオプレンシートなどを用いるサポーターなどに比べて、通常の衣料を作成する際に用いられている程度の厚み、例えば約0.3〜0.8mmの厚みの生地が使用でき、したがって着用時のプロポーションなどの外観が低下が少なく、身体によくフィットし、通気性も比較的良好な本発明の衣料を提供できる。
【0188】
(19)また、少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、ガードル、スパッツ、スポーツ用タイツ、ボディスーツ、レオタード、水着から選ばれた衣料である本発明の好ましい態様においては、これらの衣料は人体の肌の上に密着して着用されるか、または比較的肌側に近い部分にフィットさせて着用され、従って前述した機能が効果的に発揮される衣料であり好ましい。
【0189】
(20)また、少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、人体の大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有している衣料である本発明の好ましい態様においては、大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有することにより、全体の長さも脚部が存在する分長くなり、よりしっかりと身体に固定されフィツトしており、従って、強緊締力部の緊締力がより有効に作用し易くなり好ましい。特に大転子を押さえる機能がより効果的に発揮され好ましい。
【0190】
(21)また、少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、その裾下端位置が股部の位置とほぼ同等の高さの位置にあるか、または、それより上にあり、大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有していない衣料である本発明の好ましい態様においては、こういった裾丈のものは、大転子をカバーし裾ラインが大転子近傍ないしその下方を通るが、裾ラインは通常身体に密着するようにされているから、大転子部分を抑える機能が効果的に発揮しうる。更に、蒸れが少なく、従って暑いシーズンにも好適に着用でき、また、大腿部への圧迫感が少ないので、より着用感が良好な衣料を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例としての衣料のロングタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図2】 図1のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図3】 図1のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図4】 本発明の衣料である別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図5】 図4のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図6】 図4のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図7】 参考例としての衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図8】 図7のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図9】 図7のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図10】 参考例としての衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図11】 図10のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図12】 図10のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図13】 本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図14】 図13のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図15】 図13のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図16】 本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図17】 図16のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図18】 図16のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図19】 本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図20】 図19のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図21】 図19のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図22】 本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図23】 図22のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図24】 図22のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図25】 本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図26】 図25のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図27】 本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図28】 図27のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図29】 図27のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図30】 本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図31】 図30のロングタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図32】 本発明の衣料である更に別の態様のロングタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図33】 図32のロングタイプのガードルの着用状態における背面図
【図34】 本発明の衣料であるスポーツ用タイツの正面図。
【図35】 図34のスポーツ用タイツの背面図。
【図36】 図34のスポーツ用タイツの左側面図。
【図37】 図35のスポーツ用タイツのA−A’ラインにおける断面略図。
【図38】 本発明の衣料である別の態様のスポーツ用タイツの背面図。
【図39】 図38のスポーツ用タイツの左側面図。
【図40】 参考例としての衣料である更に別の態様のスポーツ用タイツの背面図。
【図41】 図40のスポーツ用タイツの左側面図。
【図42】 参考例としての衣料である更に別の態様のスポーツ用タイツの背面図。
【図43】 図42のスポーツ用タイツの左側面図。
【図44】 参考例としての衣料である更に別の態様のスポーツ用タイツの背面図。
【図45】 図44のスポーツ用タイツの左側面図。
【図46】 本発明の衣料のボディスーツの着用状態における正面図。
【図47】 図46のボディスーツの着用状態における背面図。
【図48】 図46のボディスーツの着用状態における左側面図。
【図49】 本発明の衣料である更に別の態様のボディスーツの着用状態における正面図。
【図50】 図49のボディスーツの着用状態における背面図。
【図51】 図49のボディスーツの着用状態における左側面図。
【図52】 本発明のロングタイプのガードルの前側から見た斜視図。
【図53】 図52のロングタイプのガードルの後側から見た斜視図。
【図54】 図52〜図53に示したガードルの後から前脇ならびに脚部に用いられる生地の裁断前の平面図。
【図55】 本発明のショートタイプのガードルの前側から見た斜視図。
【図56】 図55のショートタイプのガードルの後側から見た斜視図。
【図57】 図55〜図56に示したガードルの後から前脇部に用いられる生地の裁断前の平面図。
【図58】 本発明の衣料である更に別の態様のショートタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図59】 図58のショートタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図60】 図58のショートタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図61】 本発明の衣料である更に別の態様のショートタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図62】 図61のショートタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図63】 図61のショートタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図64】 本発明の衣料である更に別の態様のショートタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図65】 図64のショートタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図66】 図64のショートタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図67】 本発明の衣料である更に別の態様のショートタイプのガードルの着用状態における正面図。
【図68】 図67のショートタイプのガードルの着用状態における左側面図。
【図69】 図67のショートタイプのガードルの着用状態における背面図。
【図70】 人体前面側の骨格及び筋肉図。
【図71】 人体後面側の骨格及び筋肉図。
【符号の説明】
1 強緊締力部
1e 強緊締力部
1f 強緊締力部
1g 強緊締力部
2 第4腰椎から仙骨に相当する位置
2a 仙骨に相当する位置
3 大転子
4 下腹部の腹直筋上
5 強緊締力部
5a、5b 強緊締力部
6 強緊締力部
7 脇
8 ほぼウェスト部の後中心位置
9 強緊締力部
10a、10b、10c、10d、10e、10f、10g、10h、10i、10j、10k、10m、10n、10p、10q、10r、10s、10t ガードル
11 強緊締力部
12 強緊締力部
20 お腹押え用強緊締力部(F)
21 クロッチ
22 臀溝の位置
25 強緊締力部1fの一部
26 強緊締力部1gの上方部分
30a、30b、30c、30d、30e スポーツ用タイツ
31 強緊締力部(E)
35 膝蓋部
36、37 二ツ山型
40、41 二ツ山型
50 上半身部
51 下半身部
52 ストラップと兼ねて背部の一部分を充当している布
60a ボディスーツ
60b ボディスーツ
70 裾部分の強緊締力部
71 臀部上部の部分
72 脚部の一部部分
73 臀裂部の左右やや上方部分
74 腹部上部
75 クロッチ布
76 前裾部分
78 脚部穴
79 接ぎライン
80 前裾布
82 前ウェスト布
83 後ろ側の裾ライン
201 腰椎
201a 第1腰椎
201b 第2腰椎
201c 第3腰椎
201d 第4腰椎
201e 第5腰椎
202 仙骨
203 骨盤
204 大腿骨頭
205 大転子
206 大腿骨体
207 腓骨
208 脛骨
301 腹直筋
302 外腹斜筋
303 縫工筋
304 大腿直筋
305 外側広筋
306 内側広筋
307 膝蓋の位置
308 広背筋
309 中殿筋
310 大殿筋
311 腸脛靭帯
312 大腿二頭筋
313 半腱様筋
314 半膜様筋
315 腓腹筋
315a 脚部外側の腓腹筋
315b 脚部内側の腓腹筋
316 ヒラメ筋
316a 脚部外側のヒラメ筋
316b 脚部内側のヒラメ筋
317 踝
317a 外踝部
317b 内踝部
318 大腿筋膜張筋

Claims (21)

  1. 少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料であって、前記衣料は部分的に緊締力の強い部分を有しており、前記緊締力の強い部分として、衣料後側の人体の仙骨から腰椎上のいずれかの部分に相当する位置に於いて左右部分が連結しており、前記位置から左右の大殿筋のほぼ筋繊維方向に沿って臀部の膨らみの頂点又はその近傍を通り少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(A)と、下腹部の腹直筋上に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上から左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(B)を有する衣料。
  2. 下腹部の腹直筋上に於いて左右部分が連結しており、前記下腹部の腹直筋上から左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇を背面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部(C)を更に有する請求項1に記載の衣料。
  3. ほぼウェスト部の後中心位置近傍に於いて左右部分が連結しており、前記ウェスト部の後中心位置近傍から左右の広背筋及び中殿筋及び外腹斜筋の一部に当接され少なくとも脇を前面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部(D)を更に有する請求項1〜2のいずれかに記載の衣料。
  4. 求項記載の強緊締力部(C)と請求項3記載の強緊締力部(D)とを更に有する請求項1に記載の衣料。
  5. 主たる伸縮方向が衣料縦方向であって下腹部中央部をカバーするお腹押え用強緊締力部(F)を更に有しており前記強緊締力部(B)が前記お腹押え用強緊締力部(F)の左右の下脇側にそれぞれその一端が連結されており、前記(F)の左右の下脇側からそれぞれ左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(B)である請求項1に記載の衣料。
  6. 主たる伸縮方向が衣料縦方向であって下腹部中央部をカバーするお腹押え用強緊締力部(F)を更に有し
    前記強緊締力部(B)が、前記お腹押え用強緊締力部(F)の左右の下脇側にそれぞれその一端が連結されてお前記(F)の左右の下脇側からそれぞれ左右の内腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め下方向に向かい少なくとも大転子近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(B)であり
    前記強緊締力部(C)が、前記お腹押え用強緊締力部(F)の左右の上脇側にそれぞれその一端が連結されてお前記(F)の左右の上脇側からそれぞれ左右の外腹斜筋のほぼ筋繊維方向に沿って斜め上方に向かい少なくとも脇を背面側に超える位置までの部分をカバーしている強緊締力部(C)である請求項2に記載の衣料。
  7. 強緊締力部(A)で表わされる部分が、更に大転子近傍から前側大腿部の内側に向かって縫工筋、大腿直筋、内側広筋から選ばれたいずれか少なくとも1つの大腿四頭筋の少なくとも一部をカバーしている強緊締力部(A2)である請求項1〜6のいずれかに記載の衣料。
  8. 強緊締力部(A)で表わされる部分が、更に大転子近傍から大腿部の腸脛靭帯及び/又は外側広筋近傍上を通り膝蓋部より少し上の部分までをカバーしている強緊締力部(A3)である請求項1〜6のいずれかに記載の衣料。
  9. 強緊締力部(A)で表わされる部分が、更に大転子近傍から腸脛靭帯及び/又は外側広筋近傍上を通って、膝蓋部に至り、更に膝蓋部から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部外側で腓腹筋及び/又はヒラメ筋近傍上を通り、外踝部上方近傍に至る部分をカバーしている強緊締力部(A4)である請求項1〜6のいずれかに記載の衣料。
  10. 強緊締力部(B)で表わされる部分が、更に大転子近傍から臀部の膨らみの下方部分をカバーしている強緊締力部(B2)である請求項1〜9のいずれかに記載の衣料。
  11. 強緊締力部(B)で表わされる部分が、更に大転子近傍から大腿部後ろ側のハムストリングスの少なくとも一部をカバーしている強緊締力部(B3)である請求項1〜9のいずれかに記載の衣料。
  12. 請求項2記載の強緊締力部(C)と請求項3記載の強緊締力部(D)とが一体となって連続している強緊締力部(C−D)を更に有する請求項1に記載の衣料。
  13. 大腿部内側上方部分から、内側広筋をサポートするために内側広筋上を通って、膝蓋部に至り、更に膝蓋部から、腓腹筋及びヒラメ筋をサポートするために脚部内側で腓腹筋及び/又はヒラメ筋近傍上を通り、内踝部上方近傍に至る強緊締力部(E)を更に有する請求項9に記載の衣料。
  14. 強緊締力部が衣料本体布の表側又は裏側に当て布を積層して形成した強緊締力部である請求項1〜13のいずれかに記載の衣料。
  15. 強緊締力部が、衣料本体布の編組織を切り替えて、弱緊締力部と強緊締力部とをパターン状に形成することにより形成された強緊締力部である請求項1〜13のいずれかに記載の衣料。
  16. 強緊締力部が、衣料本体布の所定部分に弾力性を有する合成樹脂又はゴムのフィルムを積層するか、または、弾力性を有する合成樹脂又はゴムの溶液又はエマルションを含浸又はコーティングし乾燥させて形成した強緊締力部である請求項1〜13のいずれかに記載の衣料。
  17. 強緊締力部が、150〜400gfの緊締力を有する請求項1〜16のいずれかに記載の衣料。
  18. 伸縮性生地が伸縮性ツーウェイトリコット編物及び伸縮性ラッセル編物から選ばれた編物である請求項1〜17のいずれかに記載の衣料。
  19. 少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、ガードル、スパッツ、スポーツ用タイツ、ボディスーツ、レオタード、水着から選ばれた衣料である請求項1〜18のいずれかに記載の衣料。
  20. 少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、人体の大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有している衣料である請求項1〜19のいずれかに記載の衣料。
  21. 少なくとも下半身の一部をカバーし股部を有しており人体にフィットさせて着用する伸縮性生地からなる衣料が、その裾下端位置が股部の位置とほぼ同等の高さの位置にあるか、または、それより上にあり、大腿部を少なくとも股部より下側まで筒状に包み込む脚部を有していない衣料である請求項1〜19のいずれかに記載の衣料。
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