JP3856763B2 - マイクロ流体素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路の内表面に多孔質層を有するマイクロ流体素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療診断や生化学的試験をはじめとする様々な分野において、DNAや生化学物質などを含有した微量流体の成分を分析するために、マイクロ流体素子が広く使用されている。
【0003】
マイクロ流体素子は、マイクロ流体デバイス、マイクロ・フルイディック・デバイス、マイクロ・ファブリケイテッド・デバイス、ラボ・オン・チップ、またはマイクロ・トータル・アナリティカル・システム(μ−TAS)とも呼ばれるものであり、内部に有する微細な毛細管状の流路中で反応や分析を行うことにより、反応や分析の迅速化、必要試料量の減少、さらには廃棄物の減少が可能となる。
【0004】
このようなマイクロ流体素子を使用して、流路の内表面に酵素や触媒などを固定して流体中の試料と反応させる場合や、特定配列のDNA断片を固定して試料中のDNAを検出する場合には、反応性や感度を向上させるために、より多くの酵素や触媒、あるいはDNA断片を固定化することが重要となる。
【0005】
流路中に酵素や触媒、あるいはDNA断片などの固定量を増加させるには、流路内表面を多孔質状にすることが好ましいが、従来使用されているエッチング法などの方法により、シリコン、石英、ガラス、あるいは重合体などの基材に、毛細管状の微細な流路を形成する方法(例えば、特許文献1参照。)により流路を形成した後、微細な流路の内表面に流路を閉塞することなく多孔質状の層や膜を形成することは非常に煩雑であり、また該流路の流路断面積が一定になるように均一厚さの多孔質状の層や膜を形成することは困難であった。
【0006】
一方、流路の表面ではなく、プレートなどの表面に酵素や触媒の固定量を増す方法としては、該プレートの表面に薄い多孔質層を形成し、ここに固定する方法が開示されている(特許文献2参照。)。しかしながら、マイクロ流体素子の微細な流路内面に、このような多孔質層を設ける方法はこれまで知られていなかった。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−46797号公報
【特許文献2】
特開2000−2705号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、マイクロ流体素子の微細な流路の内表面に該流路を閉塞することなく、また、例えば酵素や抗原などのタンパク質、ポリヌクレオチド、あるいは触媒などを最適に多く固定できる多孔質層を該流路の表面に均一な厚さで形成するマイクロ流体素子の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決する方法について鋭意検討した結果、支持体の上に、表面に多数の細孔を有する多孔質層を形成しておき、該多孔質層の上に活性エネルギー線硬化性の組成物を塗工して細孔を埋め、前記エネルギー線硬化性の組成物の露光、現像により、流路と成すべき部分以外を硬化させて底面に多孔質層が露出した凹部を形成した後、該凹部に蓋となる部材を固着して流路を形成することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明は、(1)支持体の表面に多数の細孔を有する多孔質層を形成する工程、(2)該多孔質層の上に活性エネルギー線重合性の化合物(a)を含有する活性エネルギー線硬化性の組成物(X)を塗工し、該組成物(X)の未硬化塗膜を形成し、流路と成すべき部分以外の前記未硬化塗膜に活性エネルギー線を照射して前記組成物(X)の硬化又は半硬化塗膜を形成し、非照射部分の未硬化の前記組成物(X)を除去して、多孔質層が底面に露出した凹部を形成する工程、及び、(3)前記凹部を有する部材の凹部に蓋となる他の部材を固着して前記凹部を空洞状の流路と成す工程を有するマイクロ流体素子の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の、流路の内表面に多孔質層を有するマイクロ流体素子の製造方法は、少なくとも以下の(1)〜(3)の工程を有する。
(1)支持体の表面に多数の細孔を有する多孔質層を形成する工程、
(2)該多孔質層の上に活性エネルギー線重合性の化合物(a)を含有する活性エネルギー線硬化性の組成物(X)を塗工し、該組成物(X)の未硬化塗膜を形成し、流路と成すべき部分以外の前記未硬化塗膜に活性エネルギー線を照射して前記組成物(X)の硬化又は半硬化塗膜を形成し、非照射部分の未硬化の前記組成物(X)を除去して、多孔質層が底面に露出した凹部を形成する工程、
(3)前記凹部を有する部材の凹部に蓋となる他の部材を固着して前記凹部を空洞状の流路と成す工程。
【0012】
工程(1)において多数の細孔を有する多孔質層を形成する方法としては、多孔質層が形成できれば任意であり、例えば下記の三つの方法を好適に使用することができる。
【0013】
多孔質層を形成する第一の方法は、支持体上に活性エネルギー線重合性の化合物(b)(以下、該化合物を重合性化合物(b)と称する。)と、重合性化合物(b)とは相溶するが、重合性化合物(b)の重合体とは相溶しない貧溶剤(R)とを含有する活性エネルギー線硬化性の製膜液(Y)(以下、該製膜液を製膜液(Y)と称する。)を塗布した後、該製膜液(Y)に活性エネルギー線を照射し、重合性化合物(b)を重合させると共に相分離を生じさせることにより、多孔質層を形成する方法(以下、該方法を反応誘発型相分離法と称する。)である。該方法では、重合性化合物(b)の重合により生成した重合体が、貧溶剤(R)と相溶しなくなり、重合体と貧溶剤(R)とが相分離を生じ、重合体内部や重合体間に貧溶剤(R)が取り込まれた状態になる。この貧溶剤(R)を除去することにより、貧溶剤(R)が占めていた領域が孔となり多孔質層を形成できる。
【0014】
重合性化合物(b)としては、重合開始剤の存在下または非存在下で活性エネルギー線により重合するものであり、付加重合性の化合物や、活性エネルギー線重合性官能基として重合性の炭素−炭素二重結合を有するものが好ましく、なかでも、反応性の高い(メタ)アクリル系化合物やビニルエーテル類、また光重合開始剤の不存在下でも硬化するマレイミド系化合物が好ましい。さらに、半硬化の状態で形状保持性を高くでき、硬化後の強度も高くできることから、重合して架橋重合体を形成する化合物であることが好ましい。そのために、1分子中に2つ以上の重合性の炭素−炭素二重結合を有する化合物(以下、「1分子中に2つ以上の付加重合性の官能基を有する」ことを「多官能」と称する。)であることが更に好ましい。
【0015】
このような重合性化合物(b)としては、例えば、(メタ)アクリル系モノマー、マレイミド系モノマー、あるいは、分子鎖に(メタ)アクリロイル基やマレイミド基を有する重合性のオリゴマー(プレポリマーともいう。)などが使用できる。
【0016】
上記(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えばジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2′−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエチレンオキシフェニル)プロパン、2,2′−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリプロピレンオキシフェニル)プロパン、ヒドロキシジピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ビス(アクロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、N−メチレンビスアクリルアミドなどの2官能モノマー;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレート、カプロラクトン変性トリス(アクロキシエチル)イソシアヌレートなどの3官能モノマー;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能モノマー;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの6官能モノマーが挙げられる。
【0017】
マレイミド系モノマーとしては、例えば、4,4′−メチレンビス(N−フェニルマレイミド)、2,3−ビス(2,4,5−トリメチル−3−チエニル)マレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、トリエチレングリコールビスマレイミド、N,N′−m−フェニレンジマレイミド、m−トリレンジマレイミド、N,N′−1,4−フェニレンジマレイミド、N,N′−ジフェニルメタンジマレイミド、N,N′−ジフェニルエーテルジマレイミド、N,N′−ジフェニルスルホンジマレイミド、1,4−ビス(マレイミドエチル)−1,4−ジアゾニアビシクロ−[2,2,2]オクタンジクロリド、4,4′−イソプロピリデンジフェニル=ジシアナート・N,N′−(メチレンジ−p−フェニレン)ジマレイミドなどの2官能マレイミド;N−(9−アクリジニル)マレイミドなどのマレイミド基とマレイミド基以外の重合性官能基とを有するマレイミドが挙げられる。これらマレイミド系モノマーは、ビニルモノマー、ビニルエーテル類、アクリル系モノマーなどの重合性炭素・炭素二重結合を有する化合物と共重合させることもできる。
【0018】
分子鎖に(メタ)アクリロイル基やマレイミド基を有する重合性のオリゴマーとしては、質量平均分子量が500〜50000のものが挙げられ、例えば、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリブタジエン樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂などが挙げられる。
【0019】
これら重合性化合物(b)は、単独で、又は、2種類以上を混合して用いることもできる。また、粘度の調節、接着性や半硬化状態での粘着性の調節、あるいは反応性や親水性などの機能を付与する目的で、単官能(メタ)アクリル系モノマーや、単官能マレイミド系モノマーなどの単官能モノマーと混合して使用してもよい。
【0020】
単官能(メタ)アクリル系モノマーとしては、例えば、メチルメタクリレート、アルキル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシジアルキル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、アルキルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、エチレンオキサイド変性フタル酸アクリレート、w−カルボキシカプロラクトンモノアクリレート、2−アクリロイルオキシプロピルハイドロジェンフタレート、2−アクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリル酸ダイマー、2−アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロジェンフタレート、フッ素置換アルキル(メタ)アクリレート、塩素置換アルキル(メタ)アクリレート、スルホン酸ソーダエトキシ(メタ)アクリレート、スルホン酸−2−メチルプロパン−2−アクリルアミド、燐酸エステル基含有(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルクロライド、(メタ)アクリルアルデヒド、スルホン酸エステル基含有(メタ)アクリレート、シラノ基含有(メタ)アクリレート、((ジ)アルキル)アミノ基含有(メタ)アクリレート、4級((ジ)アルキル)アンモニウム基含有(メタ)アクリレート、(N−アルキル)アクリルアミド、(N、N−ジアルキル)アクリルアミド、アクリロイルモルホリンなどが挙げられる。
【0021】
単官能マレイミド系モノマーとしては、例えば、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−ドデシルマレイミドなどのN−アルキルマレイミド;N−シクロヘキシルマレイミドなどのN−脂環族マレイミド;N−ベンジルマレイミド;N−フェニルマレイミド、N−(アルキルフェニル)マレイミド、N−ジアルコキシフェニルマレイミド、N−(2−クロロフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2,6−ジエチルフェニル)マレイミド、2,3−ジクロロ−N−(2−エチル−6−メチルフェニル)マレイミドなどのN−(置換又は非置換フェニル)マレイミド;N−ベンジル−2,3−ジクロロマレイミド、N−(4′−フルオロフェニル)−2,3−ジクロロマレイミドなどのハロゲンを有するマレイミド;ヒドロキシフェニルマレイミドなどの水酸基を有するマレイミド;N−(4−カルボキシ−3−ヒドロキシフェニル)マレイミドなどのカルボキシ基を有するマレイミド;N−メトキシフェニルマレイミドなどのアルコキシ基を有するマレイミド;N−[3−(ジエチルアミノ)プロピル]マレイミドなどのアミノ基を有するマレイミド;N−(1−ピレニル)マレイミドなどの多環芳香族マレイミド;N−(ジメチルアミノ−4−メチル−3−クマリニル)マレイミド、N−(4−アニリノ−1−ナフチル)マレイミドなどの複素環を有するマレイミドなどが挙げられる。
【0022】
反応誘発型相分離法で使用する貧溶剤(R)としては、重合性化合物(b)とは相溶するが、重合性化合物(b)から生成する重合体は溶解(相溶)しないものを使用する。貧溶剤(R)と重合性化合物(b)との相溶の程度は、均一な製膜液(Y)が得られればよい。貧溶剤(R)は、単一溶剤であっても混合溶剤であってもよく、混合溶剤の場合には、その構成成分単独では重合性化合物(b)と相溶しないものや、重合性化合物(b)の重合体を溶解させるものであっても良い。このような貧溶剤(R)としては、例えば、デカン酸メチル、ラウリル酸メチル、アジピン酸ジイソブチルなどの脂肪酸のアルキルエステル類;ジイソブチルケトンなどのケトン類;デカノールなどのアルコール類;2−プロパノールと水との混合物などのアルコールと水との混合物などが挙げられる。
【0023】
反応誘発型相分離法においては、製膜液(Y)に含まれる重合性化合物(b)の含有量によって、得られる多孔質層の孔径や強度が変化する。重合性化合物(b)の含有量が多いほど多孔質層の強度が向上するが、孔径は小さくなる傾向にある。重合性化合物(b)の好ましい含有量としては15〜50質量%の範囲、更に好ましくは25〜40質量%の範囲が挙げられる。重合性化合物(b)の含有量が15質量%以下になると、多孔質層の強度が低くなり、重合性化合物(b)の含有量が50質量%以上になると、多孔質部の孔径の調整が難しくなる。
【0024】
製膜液(Y)には、重合速度や重合度、あるいは孔径分布などを調整するために、重合開始剤、溶剤、界面活性剤、重合禁止剤、あるいは重合遅延剤などの各種添加剤を添加してもよい。
【0025】
光重合開始剤としては、活性エネルギー線に対して活性であり、重合性化合物(b)を重合させることが可能なものであれば、特に制限はなく、ラジカル重合開始剤、アニオン重合開始剤、カチオン重合開始剤などが使用でき、例えば、p−tert−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2′−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンなどのアセトフェノン類;ベンゾフェノン、4、4′−ビスジメチルアミノベンゾフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのケトン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインエーテル類;ベンジルジメチルケタール、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどのベンジルケタール類;N−アジドスルフォニルフェニルマレイミドなどのアジドが挙げられる。また、マレイミド系化合物などの重合性光重合開始剤を使用することもできる。
【0026】
重合遅延剤や重合禁止剤としては、α−メチルスチレン、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテンなどの活性エネルギー線重合性化合物としては重合速度の低いビニル系モノマー;tert−ブチルフェノールなどのヒンダントフェノール類などが挙げられる。
【0027】
また、添加する溶剤としては、特に限定されないが、例えば、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドの如くアミド系溶剤、塩化メチレンなどの塩素系溶剤が挙げられる。
【0028】
また、塗工性、平滑性などの機能付与、フォトリソグラフィーによるパターン形成時のパターンの解像度や親水性の度合いの調整などの目的で、公知慣用の界面活性剤、疎水性化合物、増粘剤、改質剤、着色剤、蛍光色素、紫外線吸収剤、酵素、蛋白、細胞、触媒などを添加することもできる。
【0029】
反応誘発型層分離法において使用できる支持体は、活性エネルギー線硬化性の組成物(X)(以下、該組成物を組成物(X)と称する。)や使用する活性エネルギー線によって実質的に侵されず、例えば、溶解、分解、重合などが生じず、かつ、組成物(X)を実質的に侵されないものであればよい。また、製膜液(Y)によっても実質的に侵されないものを使用できる。
【0030】
このような支持体としては、例えば、重合体;ガラス;石英などの結晶;セラミック;シリコンなどの半導体;金属などが挙げられるが、これらの中でも、重合体が特に好ましい。支持体に使用する重合体は、単独重合体であっても、共重合体であっても良く、熱可塑性重合体であっても、熱硬化性重合体であっても良い。また、支持体は、ポリマーブレンドやポリマーアロイで構成されていても良いし、積層体その他の複合体であっても良い。更に、支持体は、改質剤、着色剤、充填材、強化材などの添加物を含有しても良い。
【0031】
反応誘発型相分離法を使用すると、直径約0.1μm〜1μmの粒子状の重合体が互いに凝集し、この粒子間の隙間が細孔となる凝集粒子構造の多孔質層や、重合体が網目状に凝集した三次元網目構造の多孔質層を形成することができる。また、該反応誘発型相分離法においては、通常、細孔の孔径が膜の厚み方向に均一な、いわゆる等方性膜が形成されるが、製膜液(Y)に揮発性の溶剤を添加し、塗布した後、活性エネルギー線照射前にその一部を揮発除去することで、膜の厚み方向に孔径の分布を有する、いわゆる不均質膜(非対称膜ともいう)を形成することもできる。このとき、揮発性の良溶剤を添加することで、製膜液(Y)を塗工する支持体との接触面に孔径の小さな層(緻密層ともいう)を形成することができ、揮発性の貧溶剤又は非溶剤を添加することで、支持体と反対の面に緻密層を形成することができる。該反応誘発型相分離法により、例えば、孔径が0.05〜5μmの多孔質層を形成できる。
【0032】
多孔質層を形成する第二の方法は、支持体と、該支持体を溶解あるいは膨潤できる溶剤(S)とを接触させた後、該支持体を溶解あるいは膨潤させないが溶剤(S)とは相溶する溶剤(T)を用いて溶剤(S)を洗浄除去し、多孔質層を形成する方法(以下、該方法を「表面膨潤法」と称する。)である。該方法では、支持体として、溶剤により溶解あるいは膨潤する重合体を使用し、該重合体の表面に溶剤を接触させて、該支持体の一部を溶解または膨潤させた後、該重合体と相溶しない溶剤で洗浄することにより、該重合体が網目状に凝集し多孔質層が形成される。
【0033】
表面膨潤法における支持体としては、例えば、ポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ポリスチレン/マレイン酸共重合体、ポリスチレン/アクリロニトリル共重合体などのスチレン系重合体;ポリスルホン、ポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリルなどの(メタ)アクリル系重合体;ポリマレイミド系重合体;ビスフェノールA系ポリカーボネート、ビスフェノールF系ポリカーボネート、ビスフェノールZ系ポリカーボネートなどのポリカーボネート系重合体;酢酸セルロース、メチルセルロースなどのセルロース系重合体;ポリウレタン系重合体;ポリアミド系重合体;ポリイミド系重合体などが挙げられる。
【0034】
表面膨潤法における溶剤(S)は、前記支持体を溶解あるいは膨潤できるものであれば、特に限定されず、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド、塩化メチレンなどの塩素系溶剤が挙げられる。また、これら溶剤(S)は混合して混合溶剤として使用することもできる。
【0035】
溶剤(T)としては、溶剤(S)と相溶し、支持体を溶解しないものである。溶剤(T)としては、例えば水、プロパノールなどのアルコール類、水とアルコールの混合物などが挙げられる。
【0036】
支持体を溶剤(S)と接触させる方法としては、例えば、支持体の溶剤(S)への浸漬、溶剤(S)の支持体表面への噴霧、流延などが挙げられる。
【0037】
溶剤(T)による溶剤(S)の洗浄方法としては、例えば、溶剤(T)中への浸漬して洗浄する方法や、あるいは溶剤(T)を噴霧して洗浄する方法などが挙げられるが、支持体ごと溶剤(T)へ浸漬する方法が好ましい。
【0038】
表面膨潤法で製造された多孔質層は、支持体と一体化されており、三次元網目状構造や凝集粒子構造、あるいはマクロボイドを有する複雑な構造を形成できる。多孔質層の厚みは、支持体と溶剤(S)との接触時間によって制御でき、接触時間が短いほど、多孔質層の厚みが薄くなる。支持体と溶剤(S)との接触時間は、使用する支持体の素材や厚さ、あるいは溶剤の種類などにより適宜調整する必要がある。接触時間が短すぎると、支持体の溶解が十分に進まず孔が十分に形成されない。また、接触時間が長すぎると、支持体の強度が低下する。
【0039】
多孔質層を形成する第三の方法は、鎖状重合体を溶剤(U)に溶解してなる製膜溶液を支持体に塗布し、該支持体と、該鎖状重合体を溶解または膨潤させず、かつ溶剤(U)とは相溶する溶剤(V)とを接触させることにより、鎖状重合体を多孔質状に凝集させ、支持体表面に多孔質層を形成する方法(以下、該方法を湿式法と称する。)である。
【0040】
湿式法において使用できる鎖状重合体としては、溶剤(U)に溶解して多孔質層を形成するものが使用でき、スチレン系重合体、スルホン系重合体、ビニル系重合体、アミド系重合体、イミド系重合体、セルロース系重合体、ポリカーボネート、アクリル系重合体などの鎖状重合体がコストを低くでき、取り扱いが容易であることから好ましい。
【0041】
湿式法における溶剤(U)は前記表面膨潤法において使用し得る溶剤(S)と同様の溶剤が使用でき、溶剤(V)としては前記表面膨潤法における溶剤(T)と同様の溶剤が使用できる。
【0042】
また、必要に応じて、前記した反応誘発型相分離法において使用できる添加剤などの各種添加剤を製膜溶液に添加してもよい。
【0043】
湿式法において使用できる支持体は、鎖状重合体を溶剤(U)に溶解した製膜溶液によって実質的に侵されないものであれば、特に限定されないが、支持体の強度が極端に低下しなければ、上記製膜溶液にある程度侵されるものを使用しても、多孔質層と支持体との密着性が向上させることができる。このような支持体としては、例えば、重合体;ガラス;石英などの結晶;セラミック;シリコンなどの半導体;金属などが挙げられるが、これらの中でも、重合体が特に好ましい。
【0044】
湿式法により得られる多孔質の形状は、三次元網目状(スポンジ状)、凝集粒子状、その他、マクロボイドを有する複雑な形状であり得る。
【0045】
湿式法を使用した場合には、塗工支持体の反対の面に緻密層を有する不均質膜(非対称膜)が形成されることが多いが、製膜溶液への塩やその他の低分子化合物(孔形成剤)の添加、貧溶剤や良溶剤の沸点調整、あるいは製膜溶液中の鎖状重合体を互いに相溶しない複数種の鎖状重合体の混合物とすることなどにより、等方性膜とすることも可能である。また、鎖状重合体の濃度、溶剤の添加量などを調製することにより、孔径が0.005〜2μmの多孔質層を形成できる。
【0046】
上記3つの方法において使用する支持体の形状は特に限定されず、使用目的に応じて任意の形状のものを使用できる。例えば、シート状(フィルム状、リボン状、ベルト状を含む)、板状、ロール状、球状などの形状が挙げられるが、組成物(X)をその上に塗工し易く、また、活性エネルギー線を照射し易いという観点から、塗工面が平面状または2次曲面状の形状であることが好ましい。
【0047】
支持体はまた、重合体の場合もそれ以外の素材の場合も、表面処理されていて良い。表面処理は、反応誘発型相分離法、または湿式法の製膜液による溶解防止を目的としたもの、製膜液の濡れ性向上及び多孔質層の接着性向上を目的としたものなどが挙げられる。
【0048】
支持体の表面処理方法は任意であり、例えば、重合性化合物(b)として列挙した化合物群から選ばれるものを含有する組成物を支持体の表面に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させる処理、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、酸又はアルカリ処理、スルホン化処理、フッ素化処理、シランカップリング剤等によるプライマー処理、表面グラフト重合、界面活性剤や離型剤等の塗布、ラビングやサンドブラストなどの物理的処理などが挙げられる。また、多孔質層の素材が有する反応性官能基や上記の表面処理方法によって導入された反応性官能基と反応して表面に固定される化合物を反応させる方法が挙げられる。
【0049】
支持体は、その表面に形成された流路(マイクロ流体素子)と一体化されたものであっても良いし、必要に応じて、流路形成後、支持体を取り除く一時的なものであっても良い。
【0050】
上記に例示した方法によれば、支持体の表面に、三次元網目状、凝集粒子状、マクロボイドを有する形状、あるいはこられの混合形状を有する多孔質層を形成できる。また、得られる多孔質層は大きな表面積を有するため、触媒や酵素、あるいはDNA、糖鎖、細胞、タンパク質などを多く固定できる。
【0051】
多孔質層の細孔表面を疎水性にすると、細孔の表面に官能基を導入しなくても酵素や抗原などのタンパク質を疎水性相互作用で多孔質層の細孔表面に固定させることができる。一方、タンパク質やDNA、糖鎖などを固定させる場合には、予め多孔質層の細孔表面に反応性を有する官能基(例えばアミノ基、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アルデヒド基、イソシアナト基、―COCl基等)を導入し、次いで、直接または他の官能基を介して、上記タンパク質やDNA、糖鎖などのアミノ基や水酸基、リン酸基、カルボキシル基を反応させることにより、共有結合で多孔質層の細孔表面に固定することができる。
【0052】
多孔質層の厚みは、使用目的に応じて適宜選択すればよい。例えばアフィニティークロマトグラフィーとして使用する場合には、多孔質層の厚さは3〜100μmであることが好ましく、5〜50μmであることが更に好ましい。多孔質層の厚さを該範囲とすることにより、固定物質を充分な量固定でき、さらに吸脱着の速度が過剰に遅くなることが無いため迅速の反応や分析を行うことができる。
【0053】
得られた多孔質層の細孔表面を用途に応じて上記支持体の表面処理に挙げた方法で表面処理を行ってもよい。例えば、タンパク質やDNAなどの溶質の多孔質層表面への非特異的吸着を抑制する目的で、多孔質層の細孔表面に親水基、疎水基及びその他の官能基を導入する目的で、重合性化合物(b)として列挙した化合物群から選ばれる一種以上の化合物(特に親水性や両新媒性の重合性化合物)を含む組成物を多孔質層の細孔表面に塗布し、活性エネルギー線を照射して硬化させる方法などにより表面処理できる。
【0054】
工程(2)においては、多孔質層に組成物(X)を塗工することにより、多孔質層内に組成物(X)が含浸された形態で、多孔質層内、および多孔質層上に組成物(X)の未硬化塗膜が形成される。その後、流路と成すべき部分以外の未硬化塗膜に活性エネルギー線を照射し、非照射部分の未硬化の組成物(X)を除去することにより、底面が多孔質層、壁面が組成物(X)の硬化又は半硬化塗膜からなる凹部が得られる。一方、流路となる部分以外の多孔質層は、含浸した組成物(X)の硬化または半硬化物により細孔が閉塞される。
【0055】
工程(2)において使用する活性エネルギー線重合性の化合物(a)(以下、該化合物を重合性化合物(a)と称する。)は、重合開始剤の存在下、あるいは非存在下で活性エネルギー線により重合し得る化合物であり、付加重合性の化合物や、活性エネルギー線重合性官能基として重合性の炭素−炭素二重結合を有するものが好ましい。なかでも、反応性の高い(メタ)アクリル系化合物やビニルエーテル類や、光重合開始剤の不存在下でも硬化するマレイミド系化合物などが好ましい。
【0056】
また、重合性化合物(a)が多官能の化合物であると、重合して架橋構造となるため、硬化後の強度も高くなる。
【0057】
このような重合性化合物(a)としては、例えば、前記した反応誘発型相分離法において使用できる重合性化合物(b)と同様の化合物を使用できる。
【0058】
重合性化合物(a)は単独で、あるいは二種以上を混合して使用することができ、また、粘度の調節や、あるいは接着性、粘着性、親水性などの機能を付与するために、単官能モノマーと混合して使用してもよい。
混合できる単官能モノマーとしては、例えば前記した反応誘発型相分離法において使用できる単官能モノマーと同様の化合物を使用できる。
【0059】
組成物(X)は、少なくとも上記重合性化合物(a)を含有する。該組成物(X)は、重合性化合物(a)の他に、重合性化合物(a)と共重合可能な両親媒性の重合性化合物(以下、該両親媒性の重合性化合物を両親媒性化合物(c)と称する。)を含有することが好ましい。組成物(X)が両親媒性化合物(c)を含有することで、得られる硬化物を水に膨潤しにくくでき、かつ硬化物の表面を生体成分に対して吸着性の低い親水性にすることができる。
【0060】
両親媒性化合物(c)としては、分子内に親水基と疎水基の両者を含有し、活性エネルギー線の照射により、組成物(X)に含有される活性エネルギー線重合性化合物(a)と共重合可能な重合性官能基を有する化合物を使用できる。両親媒性化合物(c)は、重合性化合物(a)と均一に相溶するものであればよい。ここで相溶とは、巨視的に相分離しないことを言い、ミセルを形成して安定的に分散している状態も含まれる。
【0061】
重合性化合物(a)が1分子中に2個以上の重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物である場合には、両親媒性化合物(c)は、1分子中に1個以上の重合性炭素−炭素不飽和結合を有する化合物であることが好ましい。
【0062】
両親媒性化合物(c)は、分子中に親水基と疎水基を有し、水、あるいは疎水性溶媒のそれぞれに相溶する化合物である。この場合においても、相溶とは巨視的に相分離しないことをいい、ミセルを形成して安定的に分散している状態も含まれる。
【0063】
両親媒性化合物(c)は、0℃において、水に対する溶解度が0.5質量%以上で、かつ25℃のシクロヘキサンとトルエンの混合溶媒(シクロヘキサン:トルエン=5:1(質量比))に対する溶解度が25質量%以上であることが好ましい。ここで言う溶解度とは、例えば、溶解度が0.5質量%以上であるとは、少なくとも0.5質量%の化合物が溶解可能であることをいう。水に対する溶解度、あるいはシクロヘキサンとトルエンの混合溶媒に対する溶解度の少なくとも一方がこれらの値より低い化合物を使用すると、表面親水性と耐水性の両特性に優れる硬化物を得ることが困難となる。
【0064】
両親媒性化合物(c)は、ノニオン性親水基、特にポリエーテル系の親水基を有する場合には、親水性と疎水性のバランスが、グリフィンのHLB(エイチ・エル・ビー)値にして11〜16の範囲にあるものが好ましく、11〜15の範囲にあるものが更に好ましい。この範囲外では、高い親水性と耐水性に優れた成形物を得ることが困難であるか、それを得るための化合物の組み合わせや混合比が限定されてしまう。
【0065】
両親媒性化合物(c)が有する親水基は任意であり、例えば、アミノ基、四級アンモニウム基、ホスホニウム基などのカチオン性基;スルホン基、燐酸基、カルボニル基などのアニオン性基;水酸基、ポリエチレングリコール鎖、アミド基などのノニオン基;アミノ酸残基などの両イオン性基であってよい。両親媒性化合物(c)は、親水基としてポリエーテル鎖を有する化合物が好ましく、繰り返し数6〜20のポリエチレングリコール鎖を有する化合物が特に好ましい。
【0066】
両親媒性化合物(c)の疎水基としては、例えば、アルキル基、アルキレン基、アルキルフェニル基、長鎖アルコキシ基、フッ素置換アルキル基、シロキサン結合を有する基などが挙げられる。両親媒性化合物(c)は、疎水基として炭素数6〜20のアルキル基又はアルキレン基を有する化合物であることが好ましい。炭素数6〜20のアルキル基又はアルキレン基は、例えば、アルキルフェニル基、アルキルフェノキシ基、アルコキシ基、フェニルアルキル基などの形で含有されていてもよい。
【0067】
両親媒性化合物(c)は、親水基として繰り返し数6〜20のポリエチレングリコール鎖を有し、かつ、疎水基として炭素原子数6〜20のアルキル基又はアルキレン基を有する化合物であることが好ましい。これらの両親媒性化合物(c)の中でも、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(n=8〜17)(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリプロピレングリコール(n=8〜17)(メタ)アクリレートが特に好ましい。
【0068】
組成物(X)に含まれる、重合性化合物(a)と両親媒性化合物(c)の好ましい割合は、重合性化合物(a)及び両親媒性化合物(c)の種類や組み合わせによって異なるが、重合性化合物(a)1質量部に対して、両親媒性化合物(c)0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜3質量部であることが更に好ましい。重合性化合物(a)1質量部に対して、両親媒性化合物(c)が0.1質量部未満であると、高い親水性の表面を形成することが困難となり、また、5質量部よりも多いと、水に対して膨潤し、組成物(X)の重合体がゲル化するおそれがある。
【0069】
重合性化合物(a)と両親媒性化合物(c)との混合比を適宜選択することにより、湿潤状態でゲル化せず、かつ高親水性、および低吸着性を示す硬化物を製造することができる。両親媒性化合物(c)の親水性の度合いが強いほど、例えばグリフィンのHLB値が大きなものほど、両親媒性化合物(c)の添加量を少なくすることが好ましい。
【0070】
組成物(X)には、必要に応じて、光重合開始剤、重合遅延剤、重合禁止剤、溶剤、増粘剤、改質剤、着色剤などを混合して使用することができる。
【0071】
組成物(X)に添加できる光重合開始剤、重合遅延剤、および重合禁止剤としては、例えば、前記した反応誘発型相分離法において製膜液(Y)の光重合開始剤、重合遅延剤、および重合禁止剤と同様の化合物を好適に使用できる。
【0072】
溶剤としては、特に限定されないが、使用する重合性化合物(a)や組成物(X)に添加された添加剤、あるいは要求される粘度などによって溶剤の種類や添加量を適宜調整する必要があるが、例えば、エタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミドのようなアミド系溶剤、塩化メチレンなどの塩素系溶剤などが挙げられる。
【0073】
組成物(X)の粘度は、多孔質層の孔径に応じて変わりうるものであるが、多孔質層の上に塗工した際に、組成物(X)が速く多孔質層内へ浸透すること、および活性エネルギー線照射後に、非照射部分の未硬化の組成物(X)を除去する際に、組成物(X)が完全に多孔質層から除去される観点から、組成物(X)の粘度が25℃において30〜3000mPa・sの範囲であることが好ましく、100〜1000mPa・sの範囲であることが更に好ましい。粘度が30mPa・s未満であると、凹部の深さ制御が困難になり、一方、粘度が3000mPa・sより大きいと、組成物(X)の多孔質層内部への浸透が困難になり、また、非照射部分の未硬化の組成物(X)の除去も困難になる。
【0074】
工程(2)において、多孔質層の上に組成物(X)を塗工する方法としては任意の塗工方法を用いることができ、例えば、スピンコート法、ローラーコート法、流延法、ディッピング法、スプレー法、バーコーター法、X−Yアプリケータ法、スクリーン印刷法、凸版印刷法、グラビア印刷法、ノズルからの押し出しや注型などの方法が挙げられる。また、組成物(X)が高粘度である場合や特に薄く塗工する場合には、組成物(X)に溶剤を含有させて塗工した後、該溶剤を揮発させる方法により塗工することもできる。
【0075】
組成物(X)を塗工する厚さは、活性エネルギー線照射後に多孔質層の上部に硬化又は半硬化塗膜が得られれば特に制限されないが、例えば底面の多孔質層に特定の物質を固定して、アフィニティークロマトグラフィーとして使用する場合には、活性エネルギー線照射後に多孔質層の上部に形成される硬化又は半硬化塗膜の厚さ、すなわち凹部の壁面高さが3〜150μmとなる範囲が好ましく、5μm〜50μmとなる範囲であれば更に好ましい。3μmより薄いと凹部に蓋となる他の部材を固着して該凹部を空洞状の流路とする際に、流路が閉塞するおそれがある。一方、150μmより厚いと、水溶液が流路内を通過しながら、水溶液中の物質が底面の多孔質層に吸脱着(相互作用)しにくくなり、アフィニティークロマトグラフィーの用途には不向きとなる。
【0076】
照射する活性エネルギー線としては、紫外線、可視光線、赤外線、レーザー光線、放射光などの光線;エックス線、ガンマ線、放射光などの電離放射線;電子線、イオンビーム、ベータ線、重粒子線などの粒子線が挙げられる。これらの中でも、取り扱い性や硬化速度の面から紫外線及び可視光が好ましく、紫外線が特に好ましい。硬化速度を速め、硬化を完全に行う目的で、活性エネルギー線の照射を低酸素濃度雰囲気で行うことが好ましい。低酸素濃度雰囲気としては、窒素気流中、二酸化炭素気流中、アルゴン気流中、真空又は減圧雰囲気中が好ましい。
【0077】
多孔質層を底面全体または底面の一部に形成された凹部を形成するために、上記活性エネルギー線を照射する際に、活性エネルギー線をパターニング照射する。パターニング照射の方法は任意であり、例えば、活性エネルギー線を照射しない部分をマスキングして照射する、あるいはレーザーなどの活性エネルギー線のビームを走査するなどのフォトリソグラフィーの手法が利用できる。
【0078】
組成物(X)の未硬化塗膜の硬化を半硬化とすることによって、接着剤を使用することなく蓋となる他の部材と固着することが可能であり、また、接着剤を使用する場合にも接着強度が向上する。組成物(X)の硬化状態を半硬化とした場合には、最終的なマイクロ流体素子と成す前のいずれかの工程において後硬化を行い、完全に硬化させることが好ましいが、本発明のマイクロ流体素子の機能に差し障りがなければ必ずしも完全に硬化させる必要はない。後硬化は、活性エネルギー線による硬化の場合には、半硬化させるのに使用した活性エネルギー線と同じものであっても異なるものであっても良い。後硬化はまた、活性エネルギー線による硬化の他に、熱硬化により硬化してもよい。
【0079】
工程(3)は、工程(2)において形成された凹部を有する部材の凹部に蓋となる他の部材を固着して前記凹部を空洞状の流路と成す工程である。
【0080】
蓋となる部材としては、使用目的に応じて適宜選択し得るものであり、流路に流す流体に侵されないものを使用すればよく、該部材は粘着性を有するテープやシートまたは板状のものであっても良い。
【0081】
蓋となる部材で凹部に蓋をするには、蓋部材と凹部を有する部材を貼り合わせればよい。上記したように、凹部を有する部材が半硬化塗膜で、蓋部材との接着性が良好で有れば、そのまま貼り付ければよい。また、凹部を有する部材の接着性が低いか、あるいは硬化塗膜である場合には、接着剤などを使用して両部材を貼り合わせればよい。
【0082】
また、活性エネルギー線重合性化合物を含む組成物を高分子のフィルムやシートのような支持体に塗布し、活性エネルギー線を照射して、該組成物の塗膜を半硬化させて、上記凹部を有する部材の凹部に貼り合わせて、再び活性エネルギー線を照射して完全に硬化させる方法もある。ここで使用される活性エネルギー線重合性化合物及びその組成物は、上記工程(2)で使用される重合性化合物(a)及び組成物(X)と同じものが使用できる。また、重合性化合物の塗布方法も工程(2)と同様の方法が使用できる。
【0083】
蓋部材と凹部を有する部材を貼り合わせる際の接着剤としては、例えば、エポキシ樹脂系接着剤、スチレンブタジエン樹脂系接着剤、(メタ)アクリル系接着剤などが使用できる。
【0084】
本発明の製造方法を使用すると、微細な流路の内表面に、該流路を閉塞することなく、均一な厚さの多孔質層を有するマイクロ流体素子を容易に得ることができる。また、該製造方法により、複数の微小なマイクロ流体素子を、一枚の支持体(露光現像版)上に、位置合わせする必要なく容易に作成することができることから、良好な再現性、優れた寸法安定性で多数のマイクロ流体素子を一度に生産することができる。
【0085】
本発明の製造方法により得られたマイクロ流体素子は、微細な流路内部に多孔質層を有することから、比表面積が大きく、多くの物質を固定化でき、極少量の試験液で、感度や精度の高い生化学の分析や検出を短時間で行うことができる。
【0086】
【実施例】
以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例の範囲に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」及び「%」は、特に断りがない限り、各々「質量部」及び「質量%」を表わす。
【0087】
実施例中における粘度測定、および紫外線ランプの照射は、以下の方法による。
[粘度測定]
25℃における組成物の粘度を芝浦システム株式会社製のVDH−K型粘度計を用いて測定した。
【0088】
[紫外線ランプ1による照射]
3000Wメタルハライドランプを光源とするアイグラフィックス株式会社製のUE031−353CHC型UV照射装置を用い、365nmにおける紫外線強度が40mW/cm2の紫外線を特に指定が無い限り室温、窒素雰囲気中で照射した。
【0089】
[紫外線ランプ2による照射]
200Wメタルハライドランプを光源とするウシオ電機株式会社製のマルチライト200型露光装置用光源ユニットを用い、365nmにおける紫外線強度が100mW/cm2の紫外線を、特に指定が無い限り室温、窒素雰囲気中で照射した。
【0090】
(実施例1)
本実施例1は、多孔質層を「反応誘発型相分離法」によって製造した例である。
【0091】
[製膜液(Y)の調製]
平均分子量2000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製)72部、ジシクロペンタニルジアクリレート「R−684」(日本化薬株式会社製)18部、メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業株式会社製)10部、デカン酸メチル(和光純薬工業株式会社製)を150部、揮発性の良溶剤としてアセトンを10部、紫外線重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)3部を、均一に混合して製膜液(Y1)を調製した。
【0092】
[組成物(X)の調製]
平均分子量2000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製)50部、ヘキサンジオールジアクリレート「ニューフロンティアHDDA」(第一工業製薬株式会社製)40部、メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業株式会社製)10部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)5部、及び重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学株式会社製)0.5部を混合して、組成物(X1)を調製した。該組成物(X1)の粘度は192mPa・sであった。
【0093】
[工程1:多孔質層の形成]
厚さ1mmのアクリル板を支持体として使用し、該支持体上にスピンコーター(ミカサ株式会社製)を用いて、600rpmの回転で製膜液(Y1)を塗工し、該製膜液(Y1)に紫外線ランプ1により紫外線を40秒照射して製膜液(Y1)を硬化させ、n−ヘキサンで貧溶剤(R)を洗浄除去して多孔質層(1)を形成した。
【0094】
[工程2:多孔質層が底面に露出した凹部(流路)の形成]
上記多孔質層(1)の上に、スピンコーター(ミカサ株式会社製)を用いて800rpmの回転数で組成物(X1)を塗工し、該組成物(X1)の未硬化塗膜を形成し、流路と成すべき部分以外の該未硬化塗膜にフォトマスクを通して紫外線ランプ2による紫外線照射を120秒行って前記組成物(X1)の半硬化塗膜を形成し、非照射部分の未硬化の前記組成物(X1)をエタノールで除去して、多孔質層(1)が底面に露出した凹部(流路1)を支持体上に形成した。
【0095】
[工程3:蓋の固着]
平均分子量約2000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製)72部、ヘキサンジオールジアクリレート「ニューフロンティアHDDA」(第一工業製薬株式会社製)18部、メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業株式会社製)10部、及び光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)2部を均一に混合した組成物を、片面がコロナ放電処理された厚さ30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学株式会社製)の上にスピンコーター(ミカサ株式会社製)を用いて800rpmの回転で塗工した。該未硬化塗膜に、紫外線ランプ1により紫外線を1秒照射し、前記組成物の半硬化塗膜を形成し、上記工程2で作製した凹部(流路1)に張り合わせ、再び紫外線ランプ1により、紫外線を40秒照射して完全に硬化させて、多孔質層が底面に露出した凹部(流路1)を有するマイクロ流体素子(1)を製造した。
【0096】
[多孔質層の構造観察]
上記工程1で作製した多孔質層(1)の表面を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、直径約0.5μmの凝集粒子の間隙として、孔径約0.4μm程度の細孔が観察された。また、多孔質層の断面を観察したところ、断面の厚みは約10μmであった。
【0097】
[凹部(流路)の構造観察]
上記工程2で作製した凹部(流路1)の断面を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、凹部の深さは約30μmであった。
【0098】
[DNAの固定]
上記工程2で作製した凹部(流路1)に5質量%ポリアリルアミン(分子量15000、日東紡株式会社製)水溶液を接触させ、50℃、2時間反応させた(ポリアリルアミン中の一部のアミノ基を多孔質層中のエポキシ基と反応させた)後、流水で15分洗浄して、多孔質層へのアミノ基の導入を行った。
【0099】
上記アミノ基を導入した凹部(流路1)を有する支持体を5質量%のグルタルアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)水溶液中に入れ、50℃、2時間反応させた(ポリアリルアミン中のほぼ全てのアミノ基をグルタルアルデヒド中の片方のアルデヒド基と反応させた)後、流水で10分洗浄して、多孔質層へのアルデヒド基の導入を行った。
【0100】
上記アルデヒド基を導入した凹部(流路1)に、5’末端にアミノ修飾、3’末端にイソチオシアン酸フルオレセイン−イソマーI型(FITC−I)修飾したDNA(長さ25塩基、エスペックオリゴサービス株式会社製)水溶液(濃度50μM)を1μL滴下して、湿度100%、50℃にて15時間反応(DNAの末端アミノ基を多孔質層のアルデヒド基と反応)させた後、0.2質量%のテトラヒドロ硼酸ナトリウム水溶液中に入れ、5分間還元反応させ、次いで、0.2×SSC/0.1%SDS溶液でリンスし、次に、0.2×SSCでリンスして、更に蒸留水でリンスして、自然乾燥させて、凹部(流路1)底面の多孔質層にDNAを固定した。(ここで、0.2×SSCは0.03M NaCl,3mMクエン酸ナトリウム水溶液であり、0.1%SDSは0.1質量%ドデシル硫酸ナトリウム水溶液である。)
【0101】
[DNAの定量]
底面の多孔質層にDNAを固定した凹部(流路1)のFITC−Iが発する蛍光強度を、フルオロイメージングスキャナー「FLA−3000G」(富士写真フィルム株式会社製)で測定した結果、蛍光強度値が1069LAU/mm2であった。
【0102】
(実施例2)
本実施例2は、多孔質層を「表面膨潤法」によって製造した例である。
[組成物(X)の調製]
平均分子量約2000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製)50部、1,6−ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート「フォトマー4361」(コグニスジャパン株式会社製)40部、両親媒性化合物としてノニルフェノキシポリエチレングリコール(n=17)アクリレート「N−177E」(第一工業製薬株式会社製)10部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)5部、及び重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学株式会社製)0.5部を混合して、組成物(X2)を調製した。該組成物(X2)の粘度は220mPa・sであった。
【0103】
[工程1:多孔質層の形成]
厚さ150μmのポリスチレンシート(大日本インキ化学工業株式会社製)を支持体として使用して、該支持体をN,N−ジメチルアセトアミド(和光純薬工業株式会社製)に室温にて5秒間浸漬した後、水中に投入し、更に流水で約5分洗浄して、多孔質層(2)と支持体が一体化したポリスチレンシートが得られた。
【0104】
更に、該多孔質層(2)の上に、平均分子量約2000の3官能ウレタンアクリレートオリゴマー「ユニディックV−4263」(大日本インキ化学工業株式会社製)2.5部、1,6−ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート「フォトマー4361」(コグニスジャパン株式会社製)2部、メタクリル酸グリシジル(和光純薬工業株式会社製)0.5部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン「イルガキュアー184」(チバガイギー社製)0.25部、及び溶剤としてエタノール95部を混合した組成物を、スピンコーターを用いて1500rpmの回転数で塗布し、紫外線ランプ1で紫外線を40秒照射して、表面にエポキシ基を導入した多孔質層2を形成した。
【0105】
[工程2:多孔質層が底面に露出した凹部(流路)の形成]
組成物(X1)の代わりに、組成物(X2)を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で多孔質層が底面に露出した凹部(流路2)を形成した。
【0106】
[工程3:蓋の固着]
実施例1の場合と同じ組成物及び同じ方法で蓋を凹部(流路2)に固着させ多孔質層が底面に露出した凹部(流路2)を有するマイクロ流体素子(2)を製造した。
【0107】
[多孔質層の構造観察]
上記工程1で作製した多孔質層(2)の表面を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、孔径約0.8μm程度の網目状の細孔が観察された。また、該多孔質層の断面を観察したところ、断面の厚みは約2μmであった。
【0108】
[凹部(流路)の構造観察]
上記工程2で作製した凹部(流路2)の断面を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、凹部の深さは約30μmであった。
[DNAの定量]
【0109】
上記工程2において形成した凹部(流路2)に、上記実施例1に示したDNAの固定方法と同様の方法によりDNAを固定した。該凹部(流路2)に固定されたFITC−Iが発する蛍光強度を、実施例1のDNAの定量と同様の方法により測定した結果、蛍光強度値は954LAU/mm2であった。
【0110】
(実施例3)
本実施例3は、多孔質層を「湿式法」によって製造した例である。
[製膜溶液の調製]
鎖状重合体として芳香族ポリアミド(帝人株式会社製の「コーネックス」)5部、溶剤(U)としてN,N−ジメチルアセトアミド(和光純薬工業株式会社製)90部、添加剤としてエチレングリコール5部を均一に混合し製膜溶液3を得た。
【0111】
[組成物(X)の調製]
トリテトラエチレングリコールビスマレイミド「ルミキュアMIA200」(大日本インキ化学工業株式会社製)50部、1,6−ヘキサンジオールエトキシレートジアクリレート「フォトマー4361」(コグニスジャパン株式会社製)40部、N,N−ジメチルアクリルアミド「DMAA」(株式会社興人製)10部、及び重合遅延剤として2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン(関東化学株式会社製)0.5部を混合して組成物(X3)を調製した。該組成物(X3)の粘度は100mPa・sであった。
【0112】
[工程1:多孔質層の形成]
厚さ1mmのアクリル板の支持体上に、50μmのバーコーターを用いて、製膜溶液3を塗布し、該支持体を水中に投入し、乳白色の凝固塗膜を得た。得られた凝固塗膜を更に流水で10分洗浄し、40℃の真空中で1時間乾燥して多孔質層(3)を得た。
【0113】
[工程2:多孔質層が底面に露出した凹部(流路)の形成]
組成物(X1)の代わりに、組成物(X3)を用いたこと以外は実施例1と同じ方法で多孔質層(3)が底面に露出した凹部(流路3)を形成した。
【0114】
[工程3:蓋の固着]
実施例1の場合と同じ組成物及び同じ方法で蓋を凹部(流路3)に固着させ多孔質層が底面に露出した凹部(流路3)を有するマイクロ流体素子(3)を製造した。
【0115】
[多孔質層の構造観察]
上記工程1で作製した多孔質層(3)の表面を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、孔径約0.6μm程度の網目状の細孔が観察された。また、該多孔質層の断面を観察したところ、断面の厚みは約35μmであった。
【0116】
[凹部(流路)の構造観察]
上記工程2で作製した凹部(流路3)の断面を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、凹部の深さは約30μmであった。
【0117】
(比較例1)
[凹部(流路)の形成]
表面にアミノ基が導入されたスライドガラス「Amine Silane」(松浪硝子工業株式会社製)の上に、スピンコーター(ミカサ株式会社製)を用いて800rpmの回転数で、実施例1において作成した組成物(X1)を塗工して該組成物(X1)の未硬化塗膜を形成し、紫外線ランプ2により流路と成すべき部分以外の前記未硬化塗膜にフォトマスクを通して紫外線を120秒照射して該組成物(X1)の半硬化塗膜を形成し、非照射部分の未硬化の組成物(X1)をエタノールで除去して、ガラスが底面に露出された凹部(流路H1)を形成した。
【0118】
[ガラス底面へのアルデヒ基導入]
上記アミノ基を導入した凹部(流路H1)を5質量%のグルタルアルデヒド(和光純薬工業株式会社製)水溶液中に入れ、50℃、2時間処理した(ガラス表面のほぼ全てのアミノ基をグルタルアルデヒド中の片方のアルデヒド基と反応させる)後、流水で10分洗浄して、ガラス底面へのアルデヒド基の導入を行った。
【0119】
[DNAの固定]
上記アルデヒド基を導入した凹部(流路H1)に、5’末端にアミノ修飾、3’末端にイソチオシアン酸フルオレセイン−イソマーI型(FITC−I)修飾したDNA(長さ25塩基、エスペックオリゴサー株式会社製)水溶液(濃度50μM)を1μL滴下して、湿度100%の密封容器に入れ、50℃、15時間反応(DNAの末端アミノ基をガラス表面のアルデヒド基と反応)させた後、0.2質量%のテトラヒドロ硼酸ナトリウム水溶液中に入れ、5分間還元反応させ、次いで、0.2×SSC/0.1%SDS溶液でリンスし、次に、0.2×SSCでリンスして、更に蒸留水でリンスして、自然乾燥させて、DNAの固定を行った。
【0120】
[DNAの定量]
上記の底面ガラスにDNAを固定した凹部(流路H1)のFITC−Iが発する蛍光強度を、フルオロイメージングスキャナーFLA−3000G(富士写真フィルム株式会社製)で測定した結果、蛍光強度値が73LAU/mm2であった。
【0121】
上記実施例1〜2、および比較例1におけるDNAの定量結果より、比較例1の多孔質層を有さない流路に比べ、実施例の多孔質層を有する流路の比表面積が非常に大きく、多くの物質を固定化できることが明らかであった。
【0122】
【発明の効果】
本発明の製造方法を使用することにより、マイクロ流体素子の微細な流路の内表面に該流路を閉塞することなく、また、該流路の表面に均一な厚さの多孔質層を有するマイクロ流体素子を容易に製造することができる。
【0123】
本発明の製造方法により得られたマイクロ流体素子は、微細な流路内部に多孔質層を有することから、比表面積が大きく、多くの物質を固定化でき、極少量の試験液で、感度や精度の高い生化学の分析や検出を短時間で行うことができる
【0124】
また、多孔質層を形成する工程の後に、多孔質層の細孔表面を表面処理する工程を有することにより、多孔質層の細孔表面に反応性を有する官能基を導入でき、タンパク質やDNA、糖鎖などのアミノ基や水酸基、リン酸基、カルボキシル基などと反応させてこれらの物質を共有結合で多孔質層の細孔表面に固定することができる。
【0125】
さらに、25℃における組成物(X)の粘度を30〜3000mPa・sとすることにより、組成物(X)を多孔質層の上に塗工した際に組成物(X)が速く多孔質層内へ浸透し、また、活性エネルギー線照射後に、非照射部分の未硬化の組成物(X)を除去する際に、組成物(X)が完全に多孔質層から除去される。
Claims (5)
- (1)支持体の表面に多数の細孔を有する多孔質層を形成する工程、(2)該多孔質層の上に活性エネルギー線重合性の化合物(a)を含有する活性エネルギー線硬化性の組成物(X)を塗工し、該組成物(X)の未硬化塗膜を形成し、流路と成すべき部分以外の前記未硬化塗膜に活性エネルギー線を照射して前記組成物(X)の硬化又は半硬化塗膜を形成し、非照射部分の未硬化の前記組成物(X)を除去して、多孔質層が底面に露出した凹部を形成する工程、及び、(3)前記凹部を有する部材の凹部に蓋となる他の部材を固着して前記凹部を空洞状の流路と成す工程を有することを特徴とする、マイクロ流体素子の製造方法。
- 前記支持体の表面に多数の細孔を有する多孔質層を形成する工程の後に、該多孔質層の細孔表面を表面処理する工程を有する請求項1に記載のマイクロ流体素子の製造方法。
- 前記活性エネルギー線硬化性の組成物(X)が、活性エネルギー線重合性の化合物(a)と、該活性エネルギー線重合性の化合物(a)と共重合可能な両親媒性の重合性化合物とを含有する組成物である請求項1または2に記載のマイクロ流体素子の製造方法。
- 前記組成物(X)の粘度が25℃において30〜3000mPa・sである請求項1〜3に記載のマイクロ流体素子の製造方法。
- 前記支持体の表面に多数の細孔を有する多孔質層を形成する工程が、支持体上に活性エネルギー線重合性の化合物(b)と、該化合物(b)とは相溶するが、化合物(b)から生成する重合体とは相溶しない貧溶剤(R)とを含有する活性エネルギー線硬化性の製膜液(Y)を塗布した後、該製膜液(Y)に活性エネルギー線を照射して、支持体の表面に多数の細孔を有する多孔質層を形成する工程である請求項1または2に記載のマイクロ流体素子の製造方法。
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