JP3849319B2 - 画像データ処理装置およびその色補正方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像データ処理装置およびその色補正方法に関するものであり、特に、誤差拡散法およびディザ法によりそれぞれ実現される画像の色を補正する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
濃淡のある画像を記録あるいは表示する場合、2値画像データ、すなわちドットを形成するか否かを規定するデータに基づいて濃淡を表現することが行われている。2値の画像データに基づいて形成されるドットの単位面積当たりの数を変化させることにより、濃淡を表現することができるのである。これは白黒画像であっても、カラー画像であっても同じである。
【0003】
この2値画像データは、画像の濃淡、すなわち階調の大きさを規定する多値の画像データを2値画像データに変換することにより得られる。この変換の手法として従来、誤差拡散法やディザ法が知られている。誤差拡散法としては、ある画素について作成された多階調の画像データの値を2値化した場合に、2値化によって生じた誤差を、未だ2値化されていない周辺の画素の濃度に分配する方法(狭い意味の誤差拡散法)、あるいは2値化する際に周辺に存在する既に2値化された画素からその2値化の際に生じた誤差の所定割合を受け取る方法(平均誤差最小法とも言う)等がよく知られている。これらを含む誤差拡散法が広義の誤差拡散法であり、本明細書では、「誤差拡散法」なる用語は、特に断らない限り、広義の誤差拡散法として用いる。また、ディザ法は、しきい値マトリクスにより構成されるディザパターンを用いて2値化を行う方法である。しきい値マトリクスは、正方形状に配列されたn×n個(nはディザパターンによって2値化される多値画像データの階調の最大値の平方根に等しい)のしきい値の集合であり、1からn2 までの整数値が適宜に配列されている。画像データの値を、対応するマトリクスのしきい値と比較し、しきい値より大きいか否かによって2値化データが作成される。
【0004】
誤差拡散法により実現される色とディザ法により実現される色とは、一致しないのが普通である。これは、同じ多値画像データを2値化するのであっても、誤差拡散法とディザ法とでは、2値化の手法が異なることによりドットの数は同じであっても形成される位置が一致しないことによる。ドットの配置や隣接ドットとの重なりの発生率が異なることにより色が異なってくるのである。そのため、誤差拡散法による2値画像データの作成とディザ法による2値画像データの作成とが択一的に行われる装置においては、それぞれの方法で2値化された画像の色が互いに一致しない不都合が生ずる。例えば、原画像の種類に応じて多値画像データの2値化の方法が選択されるのであるが、表示あるいは記録された画像の色が互いに異なってしまい、使用者に色の再現性が悪い印象を与えるのである。
【0005】
そこで、従来は、誤差拡散法を用いて2値画像データを得る前およびディザ法を用いて2値画像データを得る前にそれぞれ、誤差拡散用のルックアップテーブルおよびディザ用のルックアップテーブルを用いて多値画像データを補正し、各2値化法により実現される画像の色が同じになるようにすることが行われていた。しかしながら、各2値化法について色補正用のルックアップテーブルが必要であり、装置が複雑となり、また、処理に時間がかかる問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段,作用および効果】
本発明は、以上の事情を背景とし、誤差拡散法により実現される画像の色とディザ法により実現される画像の色とが実質的に一致する画像データ処理装置およびそれの設計時における色補正方法を提供することを課題として為されたものであり、本発明によって、下記各態様の画像データ処理装置および色補正方法が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせを例示するためであり、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合わせが以下のものに限定されると解釈されるべきではない。
(1)誤差拡散法とディザ法とで選択的に画像データを処理可能な画像データ処理装置において、誤差拡散法により実現される画像とディザ法により実現される画像との両方の色を補正する方法であって、
前記画像データについて前記誤差拡散法の誤差拡散パターンに対応する色補正を行い、その色補正に適合するようにディザ法のディザパターンを決定する画像データ処理装置の色補正方法(請求項1)。
誤差拡散法の誤差拡散パターンに対応する色補正は、誤差拡散法により実現される画像の色が所望の色(一般には正規の色、例えば、画像データが原画像の読取りによって得られる画像データであれば、原画像の色により近い色、画像データがオペレータによって作成されたデータであれば、オペレータが意図する色)となるように行われる。そして、この色補正に適合するようにディザ法のディザパターンが決定される。このディザパターン決定の一法は、一般的に使用されている基本的なディザパターンを色補正のために修正することであり、この方法によれば容易に決定できるが、全く新規なディザパターンを作成することも可能である。本発明に従って決定されるディザパターンと基本的なディザパターンとを区別する必要がある場合には、前者を「特殊ディザパターン」、後者を「通常ディザパターン」と称することとする。
特殊ディザパターンにより処理される画像データは、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われた多値画像データである場合と、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われていない多値画像データである場合とがあるが、いずれの場合にも、特殊ディザパターンによって処理された画像データに基づいて形成される画像と、誤差拡散パターンおよびそれのための色補正によって処理された画像データに基づいて形成される画像とが実質的に同じになるように、特殊ディザパターンが決定される。そのため、誤差拡散法により実現される画像の色と、ディザ法により実現される画像の色とは、いずれも所望の色になり、実質的に互いに同じになって、処理法の違いによる画像の色の違いがなくなる。
ディザ法により処理される多値画像データが誤差拡散パターンに対応する色補正が行われた画像データである場合には、誤差拡散パターンに対応する色補正が、誤差拡散法とディザ法とに共用されることとなる。誤差拡散パターンに対応する色補正は、通常ディザパターンに対応して行われるべき色補正と同じではないが、相当程度似ているのが普通であるため、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われた多値画像データに基づいて画像が形成されれば、その画像は、誤差拡散パターンおよびそれのための色補正によって処理された画像データに基づいて形成される画像と相当程度似ている。したがって、この場合の特殊ディザパターンは、誤差拡散パターンのための色補正によって処理された画像データを、誤差拡散法により実現される画像の色にさらに近い画像が得られるように修正するものであることになる。
それに対して、特殊ディザパターンにより処理される多値画像データが、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われていない画像データである場合には、そのような多値画像データを処理した画像データに基づいて形成される画像の色が、誤差拡散法により実現される画像の色と実質的に同じになるように、特殊ディザパターンが決定される。
上記2つの場合のいずれにおいても、ディザ法に専用の色補正手段は不要となるため、その分装置が簡略となり、コスト低減が可能となる。後者においては、その上、ディザパターンによる処理に先立って多値画像データの色補正を行う必要がなくなる分処理時間が短縮される効果が得られる。ディザ法は画像データの処理に要する時間が誤差拡散法に比較して短く、迅速な画像形成が望まれる場合に選択されることが多いため、上記処理時間の短縮効果は実用上きわめて有意義なものである。
なお、ディザ法および誤差拡散法により多値画像データが処理されて得られるデータは、2値画像データであることが多いが、これに限らない。多値画像データの階調数より小さい階調数の画像データに変換してもよいのであり、そのようなディザ法および誤差拡散法によって画像データを処理する方法にも本発明を適用し得る。
(2)誤差拡散法とディザ法とで選択的に画像データを処理可能な画像データ処理装置において、誤差拡散法により実現される画像とディザ法により実現される画像との両方の色を補正する方法であって、
前記誤差拡散法の誤差拡散パターンにより処理された画像データによって実現される画像の色が所望の色になるように前記画像データを補正する誤差拡散対応データ補正規則を準備する誤差拡散対応データ補正規則準備工程と、
前記誤差拡散対応データ補正規則および前記誤差拡散パターンにより処理された画像データによって実現される画像である誤差拡散法画像と、前記ディザ法のディザパターンにより処理された画像データによって実現される画像であるディザ法画像とが実質的に一致するように前記ディザパターンを変更するディザパターン変更工程と
を含むことを特徴とする画像データ処理装置の色補正方法(請求項2)。
「所望の色」は、本来あるべき正規の色、例えば、スキャナにより読み取られる原画像の色や、画像データの作成者が意図する色とされるのが普通であるが、意図的にそれらとは異なる色とされてもよい。例えば、色が複数種類に異なる画像を形成可能とし、使用者がそれらの1つを選択できるようにすることも可能なのであり、その場合に、それら複数種類の画像の1つ以上について、本発明を適用することも可能なのである。
誤差拡散法画像とディザ法画像とを比較すれば、両画像の色が同じであるか否か、同じでない場合にはどのように異なるかの傾向がわかり、ディザパターンを変更して誤差拡散法画像とディザ法画像とを実質的に一致させることができる。誤差拡散パターンにより処理される画像データは、誤差拡散対応データ補正規則によって補正されており、誤差拡散法画像とディザ法画像とが実質的に一致するようにディザパターンを変更すれば、ディザ法により処理される画像データについては、ディザ対応データ補正規則による色補正を行わなくても、ディザ法画像においても誤差拡散法画像と同様に所望の色が得られる。
変更前のディザパターンが基本的なディザパターンである通常ディザパターンであり、変更により得られるディザパターンが特殊ディザパターンであり、特殊ディザパターンにより処理される画像データは、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われた多値画像データである場合と、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われていない多値画像データである場合とがある。
(1)項および (2)項の方法は、画像データに基づいて画像を光で表すCRTディスプレイ等の画像データ処理方法において採用してもよく、あるいは画像をインク等の記録材料によって記録するプリンタ等の画像データ処理装置において採用してもよく、両方の機能を備えた装置において採用してもよい。
(3)前記ディザパターン変更工程が、
前記誤差拡散法画像のドットゲインカーブである第1ドットゲインカーブを取得する第1ドットゲインカーブ取得工程と、
前記ディザ法画像のドットゲインカーブである第2ドットゲインカーブを取得する第2ドットゲインカーブ取得工程と、
それら取得した第1ドットゲインカーブと第2ドットゲインカーブとを比較するドットゲインカーブ比較工程と
を含む (2)項に記載の画像データ処理装置の色補正方法。
ドットゲインカーブは、ドットゲインカーブを取得するために作成されたドットゲインカーブ取得用入力画像データを、誤差拡散パターンおよびディザパターンによりそれぞれ処理することによって形成されるドットの数と濃度または輝度との関係を表す。画像がインク等の記録材料により形成される場合には濃度、光により形成される場合には輝度が使用されるのである。形成されるドットの数が異なるように複数種類のドットゲインカーブ取得用入力画像データを用意し、ドット数と濃度(または輝度)との組を複数組取得してドットゲインカーブを作成する。同じドットゲインカーブ取得用入力画像データを誤差拡散パターンおよびディザパターンによってそれぞれ処理すれば、形成されるドットの数は同じであるが、濃度(または輝度)は異なる。形成されるドットの位置が異なるからであり、第1ドットゲインカーブおよび第2ドットゲインカーブを取得し、比較すれば、濃度差(または輝度差)の生じ方や大きさがわかり、それに基づいて誤差拡散法画像とディザ法画像とが実質的に一致するようにディザパターンを変更することができる。
(4)前記第1ドットゲインカーブと前記第2ドットゲインカーブとの少なくとも一方の取得が、ドット形成面積の演算に基づいて行われる (3)項に記載の画像データ処理装置の色補正方法。
単位面積当たりのドット形成面積と濃度(または輝度)との関係は予めわかっており、ドット形成面積に基づいて濃度(または輝度)を取得し、ドットゲインカーブを取得することができる。
(5)前記第1ドットゲインカーブと前記第2ドットゲインカーブとの少なくとも一方の取得が、実際にドットが形成された面の測色の結果に基づいて行われる (3)項または (4)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置の色補正方法。実際にドットが形成された面を測色すれば、その面の濃度(または輝度)がわかり、ドットゲインカーブを取得することができる。
(6)前記ディザパターン変更工程が、前記誤差拡散法画像と前記ディザ法画像との色差を取得する色差取得工程を含み、その色差取得工程で取得した色差がしきい値以下となるように前記ディザパターンを変更するものである (2)項に記載の画像データ処理装置の色補正方法。
色差は、例えば、誤差拡散法画像の色とディザ法画像の色とをそれぞれ測色装置を用いて測定し、その測定結果に基づいて演算により取得することができる。
(7)前記誤差拡散対応データ補正規則準備工程が、前記誤差拡散対応データ補正規則として誤差拡散対応ルックアップテーブルを作成する誤差拡散対応ルックアップテーブル作成工程を含む (2)項ないし (6)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置の色補正方法。
誤差拡散対応ルックアップテーブルは、入力画像データの値に対して出力画像データの値、すなわち誤差拡散パターンにより処理された画像データによって実現される画像の色が所望の色になる値が対応付けられたテーブルであり、演算によることなく、画像データを容易にかつ迅速に補正することが可能である。誤差拡散対応ルックアップテーブルは、全部の入力画像データの値についてそれぞれ出力画像データの値を有するテーブルとしてもよく、あるいは規定点の出力画像データのみを規定するものとしてもよい。後者の場合には、補間演算が必要にはなるが、この演算は比較的簡単である。
(8)前記誤差拡散対応データ補正規則準備工程が、前記誤差拡散対応データ補正規則として誤差拡散対応マスキング式を作成する誤差拡散対応マスキング式作成工程を含む (2)項ないし (6)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置の色補正方法。
画像データは、誤差拡散対応マスキング式を用いた演算により補正される。そのため、ルックアップテーブルの使用時に比較して、画像データの処理を行う装置に設けられる記憶装置の記憶容量が少なくて済む。
(9)誤差拡散パターンの使用による色補正を行う誤差拡散法により画像データを処理する誤差拡散処理部と、
ディザ法により画像データを処理するディザ処理部と、
それら誤差拡散処理部とディザ処理部とを択一的に選択する選択部と、
前記誤差拡散処理部において処理された画像データにより実現される画像の色が正規の色になるように、誤差拡散処理部における処理前の画像データについて誤差拡散対応データ補正規則に従って色補正を行う誤差拡散対応データ補正手段と
を含み、前記ディザ処理部において処理される画像データについてディザ対応データ補正規則に従って色補正を行うディザ対応データ補正手段は含まず、かつ、前記誤差拡散対応データ補正規則および前記誤差拡散パターンにより処理された画像データによって実現される画像である誤差拡散法画像と、前記ディザ法のディザパターンにより処理された画像データによって実現される画像であるディザ法画像とが実質的に一致する画像データ処理装置(請求項3)。
画像データの処理を誤差拡散法に従って行うべきか、ディザ法に従って行うべきかに応じて、誤差拡散処理部とディザ処理部との一方が選択される。いずれの処理部において処理されても、画像の色が実質的に同じになる。ディザ対応データ補正規則が不要な分、装置を簡易に構成し得るとともに、ディザ法によるデータ処理時間が短縮できる。
ディザ法のディザパターンにより処理される画像データは、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われた多値画像データである場合と、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われていない多値画像データである場合とがある。
本態様の装置は、画像を光で表すCRTディスプレイ等の画像データ処理装置として採用してもよく、画像をインク等の物理的な記録材料によって記録するプリンタ等の画像データ処理装置として採用してもよく、両方の機能を備えた装置の画像データ処理装置として採用してもよい。
誤差拡散処理部とディザ処理部とで処理された画像データに基づく画像の実質的同一は、例えば、誤差拡散対応データ補正規則および誤差拡散パターンのドットゲインカーブである第1ドットゲインカーブとディザ法により画像データを処理するためのディザパターンのドットゲインカーブである第2ドットゲインカーブとが実質的に同じであるか否かにより判定することができる。また、両処理部において処理された画像データに基づく画像を測色装置により測色し、色差がしきい色差以下であるか否かにより判定することもできる。
(10)前記誤差拡散対応データ補正規則が誤差拡散対応ルックアップテーブルを含む (9)項に記載の画像データ処理装置。
本態様の装置は (7)項に記載の色補正方法の実施に使用することができる。
(11)前記誤差拡散対応データ補正規則が誤差拡散対応マスキング式を含む (9)項に記載の画像データ処理装置。
本態様の装置は (8)項に記載の色補正方法の実施に使用することができる。
(12)同一の入力画像データに対する誤差拡散法画像の濃度とディザ法画像の濃度との差の最大値の、濃度の最大値に対する比が、10%以下である (9)項ないし(11)項に記載の画像データ処理装置。
上記比は、5%以下であることが望ましく、3%以下、2%以下であることがさらに望ましい。
前述のように、画像の濃度あるいは輝度は、処理される画像データが同じであっても、画像データの処理法によって異なるが、その濃度差の最大値の、濃度の最大値に対する比が、10%以下であれば、誤差拡散法画像とディザ法画像とは実質的に一致していると言うことができる。
(13)前記誤差拡散法画像と前記ディザ法画像との色差(ΔE)が15以下である (9)項ないし(12)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置。
上記色差は10以下,5以下であることがさらに望ましい。
(14)さらに、
入力画像データの値を座標値とする座標系に設定された複数の規定点の各々における出力画像データの値を規定する規定点ルックアップテーブルと、
その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算する補間演算手段と
を含み、
前記規定点ルックアップテーブルを、少なくとも入力画像データの極限値に対応する規定点における出力画像データが予定の最高値より大きいものとした (9)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置(請求項4)。
入力画像データの極限値は、入力画像データと出力画像データとの種類が同じである場合には「入力画像データの最高値」となり、異なる場合には「入力画像データの最低値」となる。画像データの種類とは、光の強さを規定する輝度データであるか、インク等の記録材料の濃さを規定する濃度データであるかであり、本態様は出力画像データが輝度データである場合に適用される態様であって、例えば、規定点ルックアップテーブルが、輝度データについて色補正を行い、輝度データを得るものである場合のように、入力画像データが輝度データである場合には、入力画像データの極限値は最高値となり、規定点ルックアップテーブルが、例えば、濃度データを輝度データに変換するものである場合のように、入力画像データが濃度データである場合には、入力画像データの極限値は最低値となるのである。
規定点ルックアップテーブルによる画像データの補正は、誤差拡散法あるいはディザ法による画像データの処理の前であって、誤差拡散対応データ補正規則による画像データの補正後に行われる。後述するように、規定点ルックアップテーブルが誤差拡散対応ルックアップテーブルを兼ねているのであれば、両ルックアップテーブルによる補正は同時に行われる。入力画像データを補正するためのルックアップテーブルは、全部の入力画像データの値の各々について出力画像データの値を有するテーブルとしてもよいが、ルックアップテーブルを記憶する記憶装置の容量が大きくなる。そのため、ルックアップテーブルは、入力画像データの値を座標値とする座標系に設定された複数の規定点の各々のみについて、出力画像データの値が規定された規定点ルックアップテーブルとされ、記憶装置の記憶容量が少なくて済むようにされている。入力画像データの値と同じ値の規定点があれば、その規定点の出力画像データの値が、そのまま出力画像データの値とされる。入力画像データの値と同じ値の規定点がなければ、その入力画像データの値を含む複数の規定点の各々における出力画像データの値に基づいて補間演算が行われ、入力画像データの値に対応する出力画像データの値が求められる。
入力画像データの極限値に対応する規定点における出力画像データの値が予定の最高値より大きくされている(このことを最高値の引上げと略称する)ため、入力画像データの値が、入力画像データの極限値を座標値とする規定点と、その規定点に隣接する規定点との間の値であっても、補間演算により得られた出力画像データの値が予定の最高値を超えることができる。入力画像データの値が極限値でなくても、予定の最高値以上の出力画像データが得られるのであり、後述の理由で、黄色や白の美しい画像が得られる画像データを得ることができる。
入力画像データの極限値が最高値であり、出力画像データの最高値の引上げが行われた画像データ処理装置は、例えば、ディスプレイやスキャナ(読取画像がディスプレイにより再現されることが予定されているもの)等、画像が光によって出力(表示)され、画像データが輝度データである装置に設けられる。このようにすれば、光により出力される画像の色が美しくなる。例えば、カラーディスプレイにより表示される黄,マゼンタ,シアン,赤,緑,青等が美しくなり、モノクロディスプレイにより表示される白が美しくなるのである。
(15)前記補間演算手段を、演算した出力画像データの値が前記予定の最高値を超える場合には、その出力画像データの値を予定の最高値に抑える制限手段を含むものとした(14)項に記載の画像データ処理装置。
本態様によれば、出力画像データの値が予定の最高値に抑えられることにより、当該画像データ処理装置が設けられた装置に支障が生ずることを確実に回避し得る。例えば、多値画像データを誤差拡散法によって2値画像データに変換する場合、制限手段が設けられなければ、出力画像データの最高値を超える分が多値画像データの2値化に無用の悪影響を与えるのであるが、制限手段が設けられていれば、それを回避できる。誤差拡散法では、あるピクセルの多値画像データの値としきい値との差が、そのピクセル以外のピクセルに分散させられるため、出力画像データの値が予定の最高値を超えているのに最高値に制限されなければ、その最高値を超える分だけ無駄にしきい値との差が大きくなり、他のピクセルに分散させられて、それらピクセルについて設定される2値画像データに悪影響を及ぼすのであるが、最高値に制限されればそれが回避できるのである。それに対し、多値画像データをディザ法によって2値画像データに変換する場合には、画像データのうちの最高値のものも、最高値を超えるものも、共にドットの形成を表す値に変換されるのみであるから、制限手段が設けられなくても、上記のような悪影響は生じない。しかし、例えば、多値画像データの1ピクセル分を表すのに8ビットでは足りなくなるという別の問題が生じる。0から255までの数値は8ビットで表すことができるのに対し、例えば、260は8ビットで表し得ないのである。この観点からすれば、制限手段を設けることが望ましい。
(16)前記規定点ルックアップテーブルが、前記入力画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データの値が予定の最高値になるように前記複数の規定点の出力画像データの値が定められた上で、入力画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データの値のみが増大させられたものである(14)項または(15)項に記載の画像データ処理装置。
本態様によれば、出力画像データの最高値の引上げが行われる規定点は、入力画像データの極限値に対応する規定点のみであり、極限値に対応する規定点とその規定点に隣接する規定点との間の出力画像データのみが最高値の引上げの影響を受ける。極限値に対応する規定点とその規定点に隣接する規定点との間の出力画像データのうちの、極限値に対応する規定点に近い出力画像データのみが最高値より大きくなるのである。本態様によらず、例えば、入力画像データの極限値に対応する規定点およびその規定点に隣接する規定点における各出力画像データの値をいずれも予定の最高値としても、値がそれら規定点間の値である入力画像データに対する出力画像データの値を予定の最高値とすることはできる。しかし、この場合には、引上げが望ましくない出力画像データについても引上げが行われてしまい、色の出力精度が低下する。それに対し、本態様によれば、極限値に極く近い入力画像データの値のみについて、出力画像データの値の引上げが行われるため、上記出力精度の低下が回避される。
(17)前記規定点ルックアップテーブルが、前記入力画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データの値が予定の最高値になるように前記複数の規定点の出力画像データの値が定められた上で、入力画像データの極限値に対応する規定点およびそれに隣接する1個以上5個以下の規定点の出力画像データの値のみが増大させられたものである(14)項または(15)項に記載の画像データ処理装置。
入力画像データの極限値に対応する規定点については、出力画像データの値が必ず予定の最高値より大きくされるのであるが、その規定点に隣接する規定点については、出力画像データの値が予定の最高値より大きくされてもよく、あるいは、予定の最高値より小さい範囲で大きくされてもよい。
入力画像データの極限値に対応する規定点に隣接する規定点について、予定の最高値より小さい範囲で大きくされれば、入力画像データの極限値に対応する規定点と、その規定点に隣接する規定点との間の出力画像データのみならず、それより広い領域の出力画像データが最高値引上げの影響を受けることとなるが、その影響の程度が急激に変化する箇所が生じることが回避される。
出力画像データの値が増大させられる規定点の数は、規定点総数よりは十分に小さい数に選定されるのが普通であり、一般に規定点総数が大きいほど大きい数に選定される。
(18)さらに、
入力画像データの値を座標値とする座標系に設定された複数の規定点の各々における出力画像データの値を規定する規定点ルックアップテーブルと、
その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算する補間演算手段と
を含み、
前記規定点ルックアップテーブルを、少なくとも入力画像データの極限値に対応する規定点における出力画像データが予定の最低値より小さいものとした (9)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置(請求項5)。
入力画像データの極限値は、入力画像データと出力画像データとの種類が同じである場合には「入力画像データの最低値」となり、異なる場合には「入力画像データの最高値」となる。本態様は出力画像データが濃度データである場合に適用される態様であって、例えば、規定点ルックアップテーブルが、濃度データについて色補正を行い、濃度データを得るものである場合のように、入力画像データが濃度データである場合には、入力画像データの極限値は最低値となり、規定点ルックアップテーブルが、例えば、輝度データを濃度データに変換するものである場合のように、入力画像データが輝度データである場合には、入力画像データの極限値は最高値となるのである。
入力画像データの極限値に対応する規定点における出力画像データの値が予定の最低値より小さくされている(このことを最低値の引下げと略称する)ため、入力画像データの値が、入力画像データの極限値を座標値とする規定点と、その規定点に隣接する規定点との間の値であっても、補間演算により得られた出力画像データの値が予定の最低値を下回ることができる。入力画像データの値が極限値でなくても、予定の最低値以下の出力画像データが得られるのであり、後述の理由で、黄色や白の美しい画像が得られる画像データを得ることができる。
入力画像データの極限値が最低値であり、出力画像データの最低値の引下げが行われた画像データ処理装置は、例えば、プリンタやスキャナ(読取画像がプリンタにより再現されることが予定されているもの)等、画像がインク等の記録材料により形成される装置に設けられる。このようにすれば、記録材料により形成される画像の色が美しくなる。例えば、カラープリンタにより記録される黄,マゼンタ,シアン,赤,緑,青等が美しくなり、モノクロプリンタにより記録される画像の白が美しくなるのである。
(19)前記補間演算手段を、演算した出力画像データの値が前記予定の最低値を下回る場合には、その出力画像データの値を予定の最低値に引き上げる制限手段を含むものとした(18)項に記載の画像データ処理装置。
本態様においては、出力画像データの値が予定の最低値に引き上げられることにより、前記(15)項に記載の態様におけると類似の効果が得られる。例えば、多値画像データを誤差拡散法によって2値画像データに変換する場合、出力画像データの最低値を下回る分が多値画像データの2値化に無用の悪影響を与えることが回避され、あるいは、多値画像データの1ピクセル分を表すのに8ビットでは足りなくなるという問題の発生が回避される等の効果が得られるのである。
(20)前記規定点ルックアップテーブルが、前記入力画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データの値が予定の最低値になるように前記複数の規定点の出力画像データの値が定められた上で、入力画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データの値のみが減少させられたものである(18)項または(19)項に記載の画像データ理装置。
本態様においては、入力画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データの値が減少させられる点において前記(16)項に記載の態様と異なるが、作用,効果は同様に考えることができ、極限値に極く近い入力画像データの値のみについて、出力画像データの引下げが行われるため、出力精度の低下を回避できる効果が得られる。
(21)前記規定点ルックアップテーブルが、前記入力画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データの値が予定の最低値になるように前記複数の規定点の出力画像データの値が定められた上で、入力画像データの極限値に対応する規定点およびそれに隣接する1個以上5個以下の規定点の出力画像データの値のみが減少させられたものである(18)項または(19)項に記載の画像データ理装置。入力画像データの極限値に対応する規定点については、出力画像データの値は必ず予定の最低値より小さくされるのであるが、その規定点に隣接する規定点については、出力画像データの値が予定の最低値より小さくされてもよく、あるいは、予定の最低値より大きい範囲で小さくされてもよい。
入力画像データの極限値に対応する規定点に隣接する規定点について、予定の最低値より大きい範囲で小さくされれば、入力画像データの極限値に対応する規定点と、その規定点に隣接する規定点との間の出力画像データのみならず、それより広い領域の出力画像データが最低値引上げの影響を受けることとなるが、その影響の程度が急激に変化する箇所が生じることが回避される。
出力画像データの値が減少させられる規定点の数は、規定点総数よりは十分に小さい数に選定されるのが普通であり、一般に規定点総数が大きいほど大きい数に選定される。
(22)さらに、
入力画像データの値を座標値とする座標系に設定された複数の規定点の各々における出力画像データの値を規定する規定点ルックアップテーブルと、
その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算する補間演算手段と
を含み、
前記規定点ルッククアップテーブルとして、少なくとも入力画像データの極限値に対応する規定点における出力画像データが予定の最高値より大きい第1ルックアップテーブルと、少なくとも入力画像データの極限値に対応する規定点における出力画像データが予定の最低値より小さい第2ルックアップテーブルとを設けるとともに、それら2つのルックアップテーブルを選択する選択手段を設けた (9)項ないし(13)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置。
第1ルックアップテーブルの「入力画像データの極限値」および第2ルックアップテーブルの「入力画像データの極限値」はそれぞれ、(14)項および(18)項に記載の画像データ処理装置における説明がそのまま該当する。
本態様の画像データ処理装置は、ディスプレイ等、画像の出力を光により行う機能と、プリンタ等、画像の出力を記録材料により行う機能との両方を備えた装置に設けられる。画像の出力が光によって行われる場合には、出力画像データが輝度データとされる必要があるため、選択手段により第1ルックアップテーブルが選択され、画像の出力が記録材料により行われる場合には、出力画像データが濃度データとされる必要があるため、選択手段により第2ルックアップテーブルが選択される。それにより、画像の出力が光によって行われる場合にも、記録材料によって行われる場合にも、黄色や白の美しい画像が得られることとなる。また、補間演算手段が、画像の出力が光によって行われる場合と記録材料によって行われる場合とに兼用されるため、その分、装置のコスト低減が可能となる。なお、プリンタは、ドットプリンタであればよく、インクジェット, サーマルプリンタの他、レーザプリンタ等でもよい。
本態様に関しても、(15),(16),(17),(19),(20),(21) 項に記載の各特徴を採用することができる。
(23)前記補間演算手段を、演算した出力画像データの値が前記予定の最高値を超える場合には、その出力画像データの値を予定の最高値に抑え、演算した出力画像データの値が前記予定の最低値を下回る場合には、その出力画像データの値を予定の最低値まで引き上げる制限手段を含む(22)項に記載の画像データ処理装置。
本態様によれば、前記(15)項および(19)項に記載の効果が得られる。
(24)前記規定点ルックアップテーブルが前記誤差拡散対応ルックアップテーブルを兼ねている(14)項ないし(23)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置。
本態様によれば、ルックアップテーブルが少なくて済み、装置を簡易にかつ安価に構成することができるとともに、画像データ処理時間を短縮し得る。
(25)前記補間演算手段が直線補間により前記任意の入力画像データの値に対応する出力画像データの値を演算する直線補間演算手段を含む(14)項ないし(24)項のいずれか1つに記載の画像データ処理装置。
直線補間演算手段によれば、補間演算を簡易にかつ迅速に行うことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、画像の読取り機能,記録媒体への記録機能および画面への表示機能を備えた画像システムを例に取り、本発明の実施形態である画像データ処理装置および色補正方法を説明する。
図1において10はハウジングであり、画像データを読み取る読取部12と、画像データに基づいて記録媒体たる記録用紙14に画像をプリントするプリント部16とが設けられている。読取部12に、複数の送りローラ18および送りローラ18を駆動する駆動源たる原稿送りモータ20を含み、画像が読み取られる原稿を送るる原稿送り装置22および画像データ読取装置たるCCDイメージセンサ24を含んでいる。CCDイメージセンサ24は、赤色光,緑色光および青色光を選択的に発するランプ装置と、複数のCCDがライン状に並んだCCD装置と、原稿からの反射光をCCD装置に導く光学系とを含む。読取原稿に3色の光が選択的に照射され、その反射光と原稿の送りとに基づいて二次元のカラーの読取画像データが得られる。
【0008】
プリント部16は、記録用紙14が収容されたカセット30,記録用紙14を送る記録媒体送り装置たる記録用紙送り装置32,記録用紙14に画像を記録する記録ヘッド34および記録ヘッド34を移動させるヘッド移動装置36を含んでいる。記録用紙送り装置32は、2個を一対とする送りローラ38を複数対含み、それら送りローラ38は、記録用紙送り方向と直角に設けられたプラテン40の記録用紙送り方向において上流側と下流側とにそれぞれ設けられている。これら送りローラ38は、駆動源たる用紙送りモータ42(図3参照)により回転させられる。
【0009】
記録ヘッド34は、インクを噴射して記録用紙14に画像を記録するインクジェット式のヘッドであり、シアン色のインクを噴射するインク噴射ヘッド,マゼンタ色のインクを噴射するインク噴射ヘッドおよびイエロー色のインクを噴射するインク噴射ヘッドを備えている。各インク噴射ヘッドはそれぞれ、複数個のインク噴射ノズルを有している。複数個のインク噴射ノズルはそれぞれ、吐出口およびインク室を有しており、インク室の壁を構成する圧電材料製のピエゾ素子に駆動電圧を印加することにより、インクを噴射し、記録用紙14に画像をカラーで記録する。
【0010】
記録ヘッド34は、上記4色の各インクが収容されたカートリッジ44と共にキャリッジ46に搭載されている。キャリッジ46は、キャリッジ駆動モータ48(図3参照)を駆動源とするキャリッジ移動装置により、記録用紙送り方向と直角な方向に移動させられ、記録ヘッド34が記録用紙14に沿って移動させられる。記録用紙14は、給紙ローラ50によってカセット30から1枚ずつ送り出されるとともに、記録用紙送り装置32によってプラテン40と記録ヘッド34との間に送られ、記録ヘッド34により画像が記録される。
【0011】
上記読取部12およびプリント部16とは別体にCRTディスプレイ58が設けられ、表示部60を構成している。CRTディスプレイ58はカラーディスプレイであり、図2に概略的に示すように、赤色用,緑色用,青色用の各電子銃62,64,66,シャドウマスク(図示省略)および赤,緑,青の各蛍光体が設けられた蛍光面68を含む。各電子銃62,64,66からの電子ビームがシャドウマスクを介して対応する色の蛍光体を刺激し、それにより画像がカラーで表示される。電子銃62,64,66の強度を変えることにより種々の色が得られる。
【0012】
本画像システムは、図3に示す制御装置80を備えている。制御装置80は、PU(プロセッシングユニット)82,ROM84,RAM86およびそれらを接続するバス88を含むコンピュータ90を主体とするものである。バス88には入出力インタフェース92が接続され、前記読取部12を構成する読取制御装置94,プリント部16を構成する記録制御装置96,表示部60を構成する表示制御装置98および入力装置100等が接続されている。これら読取制御装置94,記録制御装置96および表示制御装置98は制御装置80と同様にコンピュータを主体として構成されており、読取制御装置94は、原稿送りモータ20,CCDイメージセンサ24等を制御し、記録制御装置96は用紙送りモータ42,記録ヘッド34(正確には、複数のインク噴射ノズルの各ピエゾ素子を駆動する駆動回路)およびキャリッジ駆動モータ48を制御し、表示制御装置98は電子銃62,64,66を制御する。入力装置100は、例えば、テンキー,アルファベットキー,ファンクションキー等を備えたキーボードにより構成され、作業者が入力装置100を用いてデータ等を入力する。入力装置は、例えば、作業者が画像データを記録用紙14に記録するか、CRTディスプレイ58に表示するかや、画像データを記録用紙14に記録する場合、2値化処理を誤差拡散パターンを用いて行うか、ディザパターンを用いて行うか等の指示等を行うために用いられる。ROM84には、図4にフローチャートで示す色補正処理のためのプログラムを始めとする種々のプログラムおよび図6ないし図8にそれぞれ示すルックアップテーブル110,112,114が格納されている。
【0013】
読取部12における画像データの読取りから、プリント部16における画像データの記録および表示部60における画像データの表示までの画像データの処理を図5に概略的に示す。読取部12において画像データの読取りにより得られた読取画像データについては、読取用ルックアップテーブル110を用いて色補正が行われ、読取画像データが原画像の色に忠実な色の画像を規定するデータに補正される。この補正後の画像データに基づいて画像がCRTディスプレイ58に表示され、あるいは記録用紙14に記録されるのであるが、CRTディスプレイ58に表示する際には、画像がよりきれいな色で表示されるように表示用ルックアップテーブル112を用いて色補正が行われ、記録用紙14に記録する際には、記録用ルックアップテーブル114を用いて、輝度データである読取画像データが濃度データである記録画像データに変換されるとともに、よりきれいな色で画像が記録されるデータに補正される。ルックアップテーブル110,112,114を用いた色補正は、制御装置80において行われる。なお、読取用ルックアップテーブル110による色補正が、表示用ルックアップテーブル112および記録用ルックアップテーブル114によりそれぞれ行われるようにすること、すなわち、表示用ルックアップテーブル112および記録用ルックアップテーブル114に読取用ルックアップテーブル110を兼ねさせることも可能であるが、本実施形態における読取部12は、他社の表示部60やプリント部16とも組み合わせて使用可能なものとして構成されているため、標準的な読取画像データを出力するために、読取用ルックアップテーブル110が表示用ルックアップテーブル112および記録用ルックアップテーブル114とは別に設けられている。読取部12が、他社の表示部60やプリント部16と組み合わせて使用される場合には、読取用ルックアップテーブル110を、読取制御装置96を構成するコンピュータのROMに格納し、読取制御装置96に読取用ルックアップテーブル110を用いた色補正を行わせる。
【0014】
読取部12において原稿の読取りにより得られた読取画像データは、読取制御装置96から制御装置80へ供給され、読取画像データについて、読取用ルックアップテーブル110を用いて色補正が行われる。読取画像データの補正を行う読取用ルックアップテーブル110の一部を図6に示す。読取用ルックアップテーブル110は、入力画像データ、すなわち読取画像データの値を座標値とする3次元座標系に設定された規定点の各々における出力画像データの値を規定する。読取画像データはカラー画像データであり、光の3原色である赤,緑,青(以下、それぞれR,G,Bで表す)の各々について、その強さを表す輝度データを含むため、入力画像データの値を座標値とする座標系が3次元とされているのである。本実施形態においては、3原色の各々について256段階の階調が設定され、3次元座標系の3軸、すなわちR軸,G軸,B軸の各予定の最高値は255であり、予定の最低値は0である。そして、規定点は、原則として、各軸毎に16階調毎に17点(0を含む)ずつ設定され、3次元座標系全体においては173 個の規定点が設定されており、各規定点の各々について、その規定点の3次元座標系における位置を規定する座標値、すなわち入力画像データの値と、その規定点における出力画像データの値とが対応付けられている。
【0015】
任意の入力画像データの値に対応する出力画像データの値は、補間演算によって求められる。上記のように、3軸の各軸毎に17個ずつの規定点を設定すれば、入力画像データの値を座標値とする3次元座標系は、原則として、1辺を16とし、8個の規定点を頂点とする163 個の立方体に分割される。補間演算は、任意の入力画像データの値が、いずれの立方体内に位置するかを求め、その立方体を規定する8個の規定点における出力画像データの値に基づいて行われ、任意の入力画像データの値に対応する出力画像データが求められる。
【0016】
図9に示すように、入力画像データの値を座標値とする座標系において設定された上記立方体の各辺は座標系の軸に平行であるが、その立方体の各規定点における出力画像データの値を頂点とする六面体は、一般に、それの各辺が座標軸に平行とはならず、歪んだ六面体になる。入力画像データの値を座標値とする点に対応する点はこの歪んだ六面体内に位置する。実際には、六面体の各辺は直線ではないが、直線に近似し、この歪んだ六面体を規定する8個の規定点の座標値に基づく直線補間演算により出力画像データが求められる。この直線補間演算の手法はよく知られており、説明は省略する。図6には、入力画像データの値を座標値とする3次元座標系において、入力画像データ(250,250,0)により規定される点Pを含む立方体を規定する8個の規定点D1 〜D8 の各座標値およびそれら規定点の各々における出力画像データの値が示されている。入力画像データ(250,250,0)に対応する出力画像データを求めるべく、8個の規定点の各々における出力画像データに基づいて直線補間演算が行われた結果、出力画像データ(252,250,0)が得られたとする。
【0017】
全部の入力画像データの値について出力画像データの値が得られたならば、そのデータについて表示あるいは記録のための色補正が行われる。読み取られた画像データを記録用紙14に記録すべきか、CRTディスプレイ58に表示すべきかは、オペレータにより入力装置100から指示される。まず、画像がCRTディスプレイ58に表示される場合を説明する。この場合、画像はR,G,B3色の光の混色によって表示されるため、表示部60に供給される画像データは輝度データでよいが、よりきれいな色の画像が得られるように表示用ルックアップテーブル112を用いて画像データが補正される。
【0018】
この色補正は、図4に示す色補正処理に従って行われる。まず、ステップ1(以下、S1と略記する。他のステップについても同じ。)において1ピクセル分の入力画像データが読み込まれる。この入力画像データは、先に、読取用ルックアップテーブル110を用いた色補正により得られた出力画像データである。次いでS2が実行され、記録用紙14に画像データが記録されるか否かの判定が行われる。ここでは、CRTディスプレイ58への画像データの表示がオペレータによって指示されているため、S2の判定結果はNOとなってS3が実行され、入力画像データにより規定される点を含む立方体を規定する8個の規定点の座標値が求められるとともに、それら規定点の各々における出力画像データの値が表示用ルックアップテーブル112から取り込まれる。
【0019】
表示用ルックアップテーブル112は、読取用ルックアップテーブル110と同様に、入力画像データの値を座標値とする3次元座標系に設定された173 個の規定点の各々における出力画像データの値を規定したものであり、3軸の各予定の最高値は255、最低値は0であるが、出力画像データの最高値が予定の最高値である255より大きくされている。表示用ルックアップテーブル112は、入力画像データおよび出力画像データ共に輝度データであって、輝度データを輝度データに色補正するルックアップテーブルであり、入力画像データの極限値である最高値に対応する規定点における出力画像データの値が予定の最高値より大きくされているのである。表示用ルックアップテーブル112の一部を図7に示す。図7には、上記3次元座標系において、入力画像データ(250,250,0)により規定される点Pを含む立方体を規定する8個の規定点D1 〜D8 の各座標値およびそれら規定点の各々における出力画像データの座標値が示されている。
【0020】
次いでS4が実行され、入力画像データの値に対応する出力画像データの値を求めるべく、上記8個の規定点D1 〜D8 における出力画像データの値に基づいて直線補間演算が行われる。入力画像データの値を座標値とする3次元座標値においては、任意の入力画像データにより規定される点は、8個の規定点を頂点とする立方体に含まれるが、出力画像データの値を座標値とする3次元座標系においては、8個の規定点により規定される歪んだ六面体内にある。この六面体の各辺は直線ではないが、直線に近似し、この歪んだ六面体を規定する8個の規定点の座標値に基づく直線補間演算により出力画像データが行われる。
【0021】
補間演算の後、S5が実行され、記録用紙14に画像データが記録されるか否かの判定が行われるが、この判定結果はNOであってS6が実行される。S6においては出力画像データを構成するR,G,Bについての3つの値がそれぞれ、予定の最高値、すなわち255より大きいか否かの判定が行われる。前述のように、出力画像データの最高値が予定の最高値である255より大きくされており、出力画像データの値が予定の最高値より大きくなり得る。入力画像データ(250,250,0)について行われた直線補間演算の結果が(257,256,0)になったとすれば、RおよびGについては値が255より大きいためS6の判定結果がYESになってS7が実行され、値が予定の最高値である255に抑えられる。Bについては255以下であるため、S6の判定結果がNOになり、S7は実行されない。このようにして得られた出力画像データの値は、S8の実行により表示制御装置98に供給される。
【0022】
このように入力画像データの値が最高値より小さい値であっても、値が予定の最高値の出力画像データが得られるため、入力画像データ(250,250,0)に対する出力画像データは(255,255,0)となる。表示部60においては、出力画像データの値に基づいて電子銃62,64,66を駆動する駆動電圧の大きさが設定される。CRTディスプレイ58において黄色は、赤色光と緑色光との混色によって得られるが、赤および緑の各値が予定の最高値とされることにより、美しい黄色が得られる。
【0023】
記録用紙14に画像を記録する場合を説明する。この場合には、S1の実行後、S2が実行されるが、その判定結果がYESになってS9が実行され、入力画像データにより規定される点を含む立方体を規定する8個の規定点の座標値が求められるとともに、それら規定点における出力画像データの値が図8に示す記録用ルックアップテーブル114から取り込まれる。記録用紙14への画像の記録はインクにより行われるため、インクの濃さを規定する濃度データが必要であり、記録用ルックアップテーブル114を用いて輝度データが濃度データに変換される。
【0024】
光の3原色であるR,G,Bと、インクの3原色であるシアン,マゼンタ,イエロー(以下、C,M,Yで表す)とは、図10に示すように補色関係にある。そのため、最も単純には、階調値の最高値である255から輝度データの値を引くことにより、濃度データが得られる。この演算が記録用ルックアップテーブル114を用いて行われる。記録用ルックアップテーブル114は、入力画像データの値を座標値とする3次元座標系、すなわちR,G,Bを各軸とし、各軸の最高値が255、最低値が0である3次元座標系において設定された複数の規定点の各々について、出力画像データの値が規定されたテーブルである。規定点は、原則として、3次元座標系の3軸毎に16階調毎に17点ずつ設定され、3次元座標系全体においては173 個の規定点が設定されている。
【0025】
輝度データに対して濃度データが求められるため、出力画像データの値はC,M,Yを3軸とする3次元座標系における値であって、濃度を表す。この3次元座標系の各軸の最高値は255,予定の最低値は0であるが、階調値の最高値である255から輝度データの値を引くことにより濃度データが求められるため、入力画像データの最高値に対応するのは出力画像データの最低値であり、記録用ルックアップテーブル114においては、入力画像データの極限値である最高値に対応する規定点における出力画像データの値は、図8に示すように、予定の最低値である0より小さくされている。図8には、記録用ルックアップテーブル114のうち、入力画像データ(250,250,0)により規定される点Pを含む立方体を規定する8個の規定点D1 〜D8 の座標値およびそれら規定点の各々における出力画像データの座標値が図示されている。
【0026】
S9の実行後、S4が実行され、S9において読み込んだデータに基づいて直線補間演算が行われ、入力画像データの値に対する出力画像データの値が求められる。次いでS5が実行され、記録用紙14に画像を記録するか否かの判定が行われるが、この判定結果はYESであり、S10において出力画像データの値が0より小さいか否かの判定が行われる。例えば、入力画像データの値が(250,250,0)であるとすれば、直線補間演算の結果は(−1,−1,255)となり、C,MについてはS10の判定結果がYESになってS11が実行され、出力画像データの値が予定の最低値に引き上げられて0とされる。YについてはS10の判定結果はNOであり、S11は実行されない。このようにして得られた出力画像データの値(0,0,255)は、S12において記録制御装置96に供給される。
【0027】
このように記録用ルックアップテーブル114が、入力画像データの最高値に対応する出力画像データの値が予定の最低値より小さくされるとともに、予定の最低値を下回る値が予定の最低値に引き上げられて0とされるため、入力画像データの座標値が(250,250,0)であって、完全な黄色を規定するデータでなくても、記録は黄色のインクのみで行われ、黄色の中にシアンおよびマゼンタが混じることがない美しい画像が得られる。記録用ルックアップテーブル114を用いて、輝度データの濃度データへの変換が行われるとともに、色の補正が行われるのである。
【0028】
以上のようにして補正された画像データは多値の画像データであり、表示部62においてCRTディスプレイ58に画像を表示する際には、多値画像データに基づいて電子銃62,64,66の駆動電圧が設定されるが、記録用紙14に画像を記録する場合、2値の画像データ、すなわちピクセル毎にドットを形成することを指示するドット形成データあるいはドットを形成しないことを指示するドット不形成データに変換される。このデータの変換は、誤差拡散法の誤差拡散パターンあるいはディザ法のディザパターンに従って行われる。いずれのパターンに従って2値化を行うかは、本実施形態においてはオペレータにより指示される。例えば、読取部12において画像データを読み取られた原画像が写真であれば、誤差拡散法に従って2値化され、文字のみの文書であれば、ディザ法に従って2値化される。
【0029】
記録制御装置96においては、記録用ルックアップテーブル114を用いた色変換により得られた出力画像データが供給されれば、図11に示す2値化処理が行われる。この処理は、記録制御装置96を構成するコンピュータのROMに格納されている。まず、S101において誤差拡散法により画像データを2値化するか否かの判定が行われる。誤差拡散法による画像データの2値化が指示されていれば、S101の判定結果はYESになってS102が実行され、誤差拡散パターンに従って画像データが2値化される。
【0030】
以上の説明においては、理解を容易にするために、記録用ルックアップテーブル114は、輝度データを単純に濃度データに変換するとともに、入力画像データのうち、最高値近傍のデータについて色補正が行われるテーブルとして説明したが、実際には、誤差拡散パターンに従って多値画像データが2値画像データに変換されたとき、より原画像に忠実な色が得られる色補正が併せて行われるように構成されている。記録用ルックアップテーブル114は、誤差拡散対応ルックアップテーブルを兼ねているのである。そのため、記録用ルックアップテーブル114を用いて入力画像データの値に対応する出力画像データの値が直線補間演算によって求められるとき、前記読取用ルックアップテーブル110および表示用ルックアップテーブル112を用いて出力画像データの値が直線補間演算される場合と同様に、歪んだ六面体内において出力画像データの値が取得されることとなる。
【0031】
誤差拡散パターンは、例えば、図12に示すように構成されている。誤差拡散パターンを用いた画像データの処理は、既によく知られており、簡単に説明する。図12において*印が、多値画像データが2値画像データに変換されるピクセルであり、そのピクセルについて取得された多値画像データの値がしきい値、例えば、記録濃度の最大値と最小値との中間値と比較され、2値画像データが作成されるとともに、誤差が拡散される。多値画像データの値がしきい値以上であれば、ドット形成データが作成されるとともに、多値画像データの値から記録濃度の最大値を引いた値が、誤差拡散パターンにおいて設定された誤差拡散値に従って近傍のピクセルに分散される。誤差の1/48に図12の各値を掛けた値が、対応するピクセルの多値画像データの値に加算されるのである。また、多値画像データの値がしきい値より小さければ、ドット不形成データが作成されるとともに、多値画像データの値から記録濃度の最小値を引いた値が、誤差拡散パターンにおいて設定された数値に従って近傍のピクセルに分散される。なお、ここでは画像はカラー画像であり、誤差拡散パターンを用いた処理は、C,M,Yの各濃度を規定する多値画像データについてそれぞれ、共通の誤差拡散パターンを用いて行われる。
【0032】
ディザ法による処理が指示されていれば、S101の判定結果がNOになってS103が実行され、ディザパターンに従って多値画像データが2値化される。ディザパターンは、図13に示すように、マトリクス状に構成されており、マトリクスを構成する複数のしきい値と多値画像データの値とが比較され、2値画像データが作成される。
【0033】
ディザパターンは、当該画像システムの画像データ処理装置の設計時に作成され、誤差拡散対応ルックアップテーブルおよび誤差拡散パターンにより処理した画像データによって実現された画像である誤差拡散法画像の色と、誤差拡散対応ルックアップテーブルおよびディザ法のディザパターンにより処理した画像データによって実現される画像であるディザ法画像の色とが実質的に一致するように作成されている。記録用ルックアップテーブル114を用いた輝度データの濃度データへの変換時に、誤差拡散パターンに対応した色補正が行われるため、ディザパターンにより処理される画像データについても、誤差拡散対応ルックアップテーブルによる色補正が行われているのである。画像はカラー画像であり、ディザパターンにより画像データを処理する場合にも、C,M,Yの各色の値についてディザパターンに従って処理を行う。
【0034】
ディザパターンの作成を説明する。ディザパターンの作成時には、まず、誤差拡散対応データ補正規則としての誤差拡散対応ルックアップテーブルを兼ねている記録用ルックアップテーブル114を作成する。この工程が誤差拡散対応データ補正規則準備工程の一例としての誤差拡散対応ルックアップテーブル作成工程である。記録用ルックアップテーブル114は、前述のように、輝度データを濃度データに変換する際に、入力画像データの最高値に対応する出力画像データの最低値を予定の最低値である0より小さい値に設定するとともに、誤差拡散パターンにより処理された画像データによって記録される画像の色が正規の色、例えば、原画像の色に忠実な色になるように作成する。次いで、記録用ルックアップテーブル114および誤差拡散パターンにより処理した画像データによって実現される画像である誤差拡散法画像と、ディザ法のディザパターンにより処理した画像データによって実現される画像であるディザ法画像とを比較する。
【0035】
この比較は、ドットゲインカーブ取得用の入力画像データ(多値の輝度データである)を複数種類作成し、それぞれの入力画像データについて誤差拡散法画像のドットゲインカーブである第1ドットゲインカーブと、ディザ法画像のドットゲインカーブである第2ドットゲインカーブとをそれぞれ取得し、両者を比較することにより行う。この作業はコンピュータを用いて行う。
【0036】
ドットゲインカーブ取得用入力画像データは、誤差拡散パターンを構成する誤差拡散値の数およびディザパターンを構成するしきい値の数より多数のピクセルを含むドット形成領域内にドットを形成するように作成し、各ピクセルについての設定値はすべて同じとする。この値は輝度の階調の最小値から最大値までの間から選択し、この値、すなわち階調レベルが異なる複数種類のドットゲインカーブ取得用入力画像データを準備する。なお、ドットゲインカーブ取得用入力画像データに従ってドット形成領域に形成されるドットの数および濃度は、インクの色が異なっても同じであり、第1ドットゲインカーブおよび第2ドットゲインカーブは、C,M,Yのいずれか1つの色について取得すれば足りる。そのため、輝度データであるドットゲインカーブ取得用入力画像データは、C,M,Yのいずれか1つの色が得られるとともに、濃度が複数種類に異なるように作成する。
【0037】
第1ドットゲインカーブを取得する際には、まず、ドットゲインカーブ取得用入力画像データを記録用ルックアップテーブル110を用いて濃度データに変換するとともに、誤差拡散パターンにより処理して2値画像データを得る。2値画像データを得れば、実際に記録用紙14に画像を記録しなくても、いずれのピクセルにドットが形成されるかがわかり、複数種類のドットゲインカーブ取得用入力画像データの各々について得られる複数の誤差拡散法画像のそれぞれについて、ドット形成面積を演算する。ドット形成面積は、ドット形成領域より小さい領域であって、誤差が均されている領域において形成されたドットについて演算することが望ましい。なお、本実施形態においては、インクは、記録用紙14に染みて縁がぼやけることがなく、また、隣接するピクセルに形成されたドットの一部が互いに重複することがあっても、重複部において濃度が大きくなることはないものとする。
【0038】
単位面積内におけるドット数(ドット形成面積)と濃度との関係は予めわかっており、上記のように演算された複数種類のドットの数と濃度との関係を表す第1ドットゲインカーブを得ることができる。第1ドットゲインカーブを図15に示す。ドットの数とドットゲインカーブ取得用入力画像データの値(レベル)とは対応しており、図15に示すカーブは、ドットゲインカーブ取得用入力画像データのレベルと濃度との関係を示すカーブであるということもできる。このように第1ドットゲインカーブを取得する工程が第1ドットゲインカーブ取得工程である。
【0039】
第2ドットゲインカーブの取得時には、図13(b)に例示するディザパターンを使用する。このディザパターンは、図13(a)に示すディザパターンを基本とし、このディザパターンを4個組み合わせたものであり、基本的なディザパターンである通常ディザパターンである。なお、図13(b)に示すディザパターンは、理解を容易にするために、8×8のマトリクスとされているが、本実施形態のプリント部16は画像を256階調で記録するものとされており、実際には、128×128のマトリクスのディザパターンが使用される。
【0040】
輝度データであるドットゲインカーブ取得用入力画像データを記録用ルックアップテーブル114を用いて濃度データに変換するとともに、図13(b)に示すディザパターンに従って2値画像データに変換し、ドット数を取得するとともにドット形成面積を演算する。この場合には、ドット形成領域内において、少なくとも、ディザパターンを構成するピクセルが占める領域の整数倍のドット数取得領域を設定して、ドット数およびドット形成面積を取得することが望ましい。予めわかっているドット形成面積と濃度との関係に基づいて、単位面積内におけるドットの数と濃度との関係を表す第2ドットゲインカーブ(図15参照)を得る。このように第2ドットゲインカーブを取得する工程が第2ドットゲインカーブ取得工程である。
【0041】
次に、第1ドットゲインカーブと第2ドットゲインカーブとの比較により、複数種類のドット数についてディザ法画像と誤差拡散法画像との濃度を比較する。このように第1ドットゲインカーブと第2ドットゲインカーブとを比較する工程がドットゲインカーブ比較工程であり、第1ドットゲインカーブ取得工程および第2ドットゲインカーブ取得工程と共に画像比較工程を構成している。ディザ法画像と誤差拡散法画像とは、ドット数が同じでもドットの配置や隣接するドット同士の重なりの発生率が異なるため、両画像の濃度は一般に一致しない。ディザ法画像の方が誤差拡散法画像より濃度が小さいことが多い。そこで、ディザパターン変更工程を実行し、誤差拡散法画像の色とディザ法画像の色とを実質的に一致させる。
【0042】
この変更は、図13(b)に例示するディザパターンを構成するしきい値を図13(c)に例示するディザパターンを構成するしきい値に変更することにより行う。図13(b)に示す通常ディザパターンを色補正のために修正し、図13(c)に示すディザパターンを得るのである。図13(c)に示すディザパターンが特殊ディザパターンであり、本実施形態において、ディザパターンの作成は、この特殊ディザパターンを作成することである。図13(b)に示す通常ディザパターンでは、ディザ法画像の濃度が誤差拡散法画像の濃度より小さくなるため、ディザ法画像の濃度が大きくなるように通常ディザパターンを変更すればよい。通常ディザパターンを構成するしきい値の一部を小さくし、ドット形成データが作成され易くすればよいのである。
【0043】
また、図15のグラフから明らかなように、ドットの数(ドットゲインカーブ取得用入力画像データの値(レベル))が最大および最小の場合より、それらの間の値である場合に濃度差が大きい。そのため、図14に示すように、通常ディザパターンを構成する複数のしきい値のうち、中間の複数のしきい値について、他のしきい値よりも変更量を大きくする。それにより、ドット形成データ数の増加量が、中間のレベルの入力画像データの方が他のレベルの入力画像データより多くなり、濃度差を縮めることができる。図14は、図13(b)に示す通常ディザパターンを構成する4個の基本パターンにそれぞれI〜IVの番号を付け、図13(b)の通常ディザパターンを構成するしきい値と、I〜IVの各基本パターンにおけるしきい値と、変更量の和とを表にして示したものである。
【0044】
本実施形態においては、通常ディザパターンのしきい値の変更が、誤差拡散法画像の色の濃度とディザ法画像の色の濃度との差の最大値の、濃度の最大値(ピクセル全部にドットが形成された場合の値)に対する比が3%以下となるように行われている。このように通常ディザパターンを変更すれば、誤差拡散法画像の色とディザ法画像の色とに人が認識できるほどの差が生ぜず、違和感を生ずることがない。以上のように、通常ディザパターンを変更する工程がディザパターン変更工程である。上記第1,第2ドットゲインカーブの比較はコンピュータにより自動で行われる。通常ディザパターンの変更は、原則としてコンピュータにより、予め設定された変更プログラムに従って行われるとともに、コンピュータによる変更により得られたディザパターンに基づく処理により得られた画像と、誤差拡散パターンに基づく処理により得られた画像とをオペレータが比較し、変更量が不足しているしきい値および過剰なしきい値について、入力装置を用いて変更を指示することにより行われる。通常ディザパターンの変更は、原則としてコンピュータにより行われるため、オペレータの作業量が少なくて済む。
【0045】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、表示用ルックアップテーブル112が規定点ルックアップテーブルである第1ルックアップテーブルを構成し、記録用ルックアップテーブル114が規定点ルックアップテーブルである第2ルックアップテーブルを構成するとともに、誤差拡散対応ルックアップテーブルを兼ねており、記録制御装置96のS101を実行する部分が選択部を構成し、S102を実行する部分が誤差拡散処理部を構成し、S103を実行する部分がディザ処理部を構成し、制御装置80の記録用ルックアップテーブル114に従って色補正を行う部分が誤差拡散対応データ補正手段を構成している。制御装置80および記録制御装置96が、本発明の一実施形態である画像データ処理装置を構成しているのである。また、制御装置80のS4を実行する部分が補間演算手段を構成し、S6およびS7を実行する部分が、出力画像データの値を予定の最高値に抑える制限手段を構成し、S10およびS11を実行する部分が、出力画像データの値を予定の最低値に引き上げる制限手段を構成し、S2を実行する部分が選択手段を構成している。
【0046】
なお、上記実施形態においては、誤差拡散パターンにより処理された画像データにより実現される画像の色が正規の色となるように、誤差拡散法により処理される画像データをルックアップテーブルを用いて補正するようにされていたが、誤差拡散対応データ補正規則たる誤差拡散対応マスキング式を用いて補正してもよい。誤差拡散対応マスキング式は、例えば、図16に示すように構成される。係数a11ないしa33の各値を適宜に設定することにより、R,G,Bの各入力画像データの値に対して、正規の色が得られる出力画像データの値R´,G´,B´が得られる。この誤差拡散対応マスキング式を作成する工程が誤差拡散対応マスキング式作成工程である。
【0047】
また、上記各実施形態において誤差拡散法画像およびディザ法画像の比較は、各画像のドットゲインカーブを比較することにより行われていたが、誤差拡散法画像とディザ法画像との色差を取得することにより比較してもよい。例えば、誤差拡散対応ルックアップテーブルおよび誤差拡散パターンによる処理により得られた2値画像データ、ディザパターンによる処理により得られた2値画像データに基づいて記録用紙にドットを形成し、それらドットにより形成される画像を光電色彩計により測色し、各画像について、XYZ表色系の三刺激値X,Y,Zを直接取得する。そして、図17に示す(1)式ないし(3)式の演算を、2つの画像についてそれぞれ取得された2組の三刺激値X,Y,Zに基づいて行い、その演算結果を用いて(4)式ないし(6)式の演算を行った後、(7)式の演算を行って色差ΔEを求める。このように色差ΔEを求める工程が色差取得工程である。次いで、ディザパターン変更工程が実行され、色差ΔEが設定値、例えば5以下となるようにディザパターンを変更する。なお、図17に示す式は、XYZ表色系とは別に、国際照明委員会により勧告された均等色空間であるCIELABにおける2色の距離(色差)を求める式である。
【0048】
さらに、上記各実施形態において第1,第2ドットゲインカーブは、ドット形成面積の演算に基づいて取得されていたが、実際にドットが形成された面の測色に基づいて取得してもよい。ドットゲインカーブを取得するためのドットゲインカーブ取得用画像データを誤差拡散対応ルックアップテーブルおよび誤差拡散パターンにより処理して2値画像データを取得し、記録用紙に実際にドットを形成し、そのドット形成面を測色装置により測色して濃度を取得する。ドット形成面に形成したドットの数はわかっており、ドットゲインカーブが得られる。ディザパターンについても同様に、2値画像データを取得して記録用紙にドットを形成し、測色により濃度を取得する。
【0049】
また、上記各実施形態において、インクは記録用紙ににじまず、また、ドットの重複部における濃度は重複しない部分と同じであるとしてドットゲインカーブの取得を説明したが、インクが記録用紙ににじみ、ドットの重複部は、重複しない部分より濃度が濃くなるのであれば、それらを考慮してドット形成面積を演算し、濃度を取得してドットゲインカーブを取得することが望ましい。
【0050】
さらに、上記各実施形態においては、カラー画像を記録するためのシアン,マゼンタおよびイエローの各インクにおいて、ドット数と濃度との関係は同じであるとしてドットゲインカーブの取得を説明したが、その関係が色毎に異なるのであれば、通常ディザパターンを色毎に作成し、色毎にドットゲインカーブを取得して各通常ディザパターンを変更し、特殊ディザパターンを得ればよい。この場合には、実際の記録時にも、色毎に専用のディザパターンを用いて2値画像データが作成される。誤差拡散法による画像データ処理においては、誤差拡散対応ルックアップテーブルの数値の設定により、いずれの色についても正規の色が得られる画像データが得られるため、シアン,マゼンタ,イエローの各色について共通の誤差拡散パターンが用いられる。実際にドットが形成された面の測色によってドットゲインカーブを取得する場合も同じである。
【0051】
また、上記実施形態においてプリンタ部16は、シアン,マゼンタ,イエローの3色のインクによってカラー画像を記録するものとされていたが、更に黒インクを併用してカラー画像を記録するようにしてもよい。この場合、R,G,Bの各々について輝度を設定する多値画像データは、ルックアップテーブルを用いてC,M,Y,Kの各々の濃度を設定する多値画像データに変換される。
【0052】
さらに、プリンタは、カラープリンタに限らず、白黒プリンタでもよい。また、プリンタは、インクジェットプリンタ以外のドットプリンタ、例えばサーマルプリンタでもよい。
【0053】
また、ディザパターンにより処理される画像データは、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われていない多値画像データでもよい。誤差拡散パターンにより処理される画像データのみについて、誤差拡散パターンに対応する色補正が行われるようにするのである。
【0054】
さらに、上記各実施形態においては、読取部12,プリント部16,表示部60の各々について制御装置94,96,98が設けられるとともに、色補正を行うための制御装置80が設けられていたが、読取制御,記録制御,表示制御および色補正制御を1つの制御装置により行ってもよい。
【0055】
さらに、上記各実施形態において、表示部60においては、表示用ルックアップテーブル112を用いた色補正により得られた多値画像データに基づいて電子銃62,64,66が制御されてカラー画像が表示されるようになっていたが、多値画像データを2値画像データに変換して電子銃62,64,66を制御し、カラー画像を表示してもよい。2値画像データを得るにあたり、画像を記録する場合と同様に、ディザ法および誤差拡散法によって選択的にデータを処理し、両法によって得られる画像データにより実現される各画像の色が実質的に同じになるようにディザパターンを決定してもよい。
【0056】
また、上記各実施形態において、誤差拡散パターンは、15個分のピクセルについて誤差拡散値が設定されたパターンとされていたが、誤差拡散パターンの大きさは、これに限定さず、更に大きいパターンとしてもよい。15個より多数のピクセルの各々について値が設定されたパターンとしてもよいのである。
【0057】
さらに、上記各実施形態において、読取画像データは読取用ルックアップテーブル110を用いて補正された後、表示用ルックアップテーブル112あるいは記録用ルックアップテーブル114を用いて補正されるようになっていたが、読取用ルックアップテーブル110を用いた補正は省略してもよく、あるいは表示用ルックアップテーブルに読取用ルックアップテーブルを兼ねさせ、記録用ルックアップテーブルに読取用ルックアップテーブルを兼ねさせてもよい。表示用ルックアップテーブルが読取用ルックアップテーブルを兼ねるとき、そのルックアップテーブルは読取部に設けてもよく、表示部に設けてもよい。
【0058】
また、上記各実施形態においては、記録用ルックアップテーブル114は3つの機能、すなわち▲1▼輝度データを濃度データに変換し、▲2▼画像データを、誤差拡散法により実現される画像の色が正規の色となる画像データに色補正し、▲3▼入力画像データの最高値に対応する規定点における出力画像データの値を予定の最低値より小さくすることにより色補正する機能を備えたものとされていたが、▲2▼の機能を別のルックアップテーブルにより行ってもよい。ただし、▲1▼および▲3▼の機能を行うルックアップテーブルおよび▲2▼の機能を行うルックアップテーブルがいずれも、規定点の出力画像データを規定する規定点ルックアップテーブルであって補間演算が行われる場合には、▲2▼の機能の後に▲1▼および▲3▼の機能が行われるようにすることが望ましい。
また、記録のために画像データを色補正する場合、入力画像データの最高値に対応する規定点における出力画像データの値を予定の最低値より小さくすることに代えて、入力画像データの最低値に対応する規定点における出力画像データの値を予定の最低値より小さくすることにより色補正を行ってもよい。この機能を▲3▼´とする。上記▲1▼の機能,▲2▼の機能および▲3▼´の機能は、それぞれ別々のルックアップテーブルにより行ってもよく、2つの機能を1つのルックアップテーブルにより行い、残りの1つの機能を別の1つのルックアップテーブルにより行ってもよい。ただし、▲3▼´の機能用のルックアップテーブルは、▲1▼の機能用のルックアップテーブルとは別に設けられ、かつ、▲1▼の機能用のルックアップテーブルより後に使用される。また、3つの機能を1つのルックアップテーブルで行うのではなく、かつ、それらルックアップテーブルが規定点の出力画像データを規定する規定点ルックアップテーブルであって補間演算が行われる場合には、▲3▼´の機能は最後に行われるようにすることが望ましい。また、▲1▼の機能が1つのルックアップテーブルにより行われ、かつ▲2▼の機能より前に行われるのであれば、▲2▼の機能のためのルックアップテーブルは、濃度データを濃度データに変換するテーブルとされ、▲1▼の機能が▲2▼の機能の後に行われるのであれば、▲2▼の機能のためのルックアップテーブルは輝度データを色補正して輝度データを得るテーブルとされる。なお、▲1▼の機能の後に▲2▼の機能を果たすルックアップテーブルは、画像データが誤差拡散法により処理される場合のみに使用され、ディザ法により処理される場合には使用されないようにすることも可能である。
【0059】
また、ルックアップテーブルによって画像データを処理するとき、入力画像データの極限値に対応する規定点の出力画像データの最高値を予定の最高値より大きく、あるいは出力画像データの最低値を予定の最低値より小さくすることは不可欠ではなく、行わなくてもよい。
【0060】
また、入力画像データの極限値に対応する出力画像データの値が予定の最高値より大きくされた規定点ルックアップテーブルあるいは入力画像データの極限値に対応する出力画像データの値が予定の最低値より小さくされた規定点ルックアップテーブルは誤差拡散対応ルックアップテーブルとは別に設けてもよく、その場合、誤差拡散対応ルックアップテーブルは、任意の入力画像データの値の各々に対応して出力画像データが設定されたテーブルとしてもよく、あるいは入力画像データの値を座標値とする座標系に設定された複数の規定点の各々における出力画像データの値を規定するテーブルとしてもよい。
【0061】
その他、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施形態である画像データ処理装置を含む画像システムを概略的に示す正面図(一部断面)である。
【図2】上記画像システムの表示部を構成するCRTディスプレイを概略的に示す図である。
【図3】上記画像システムのうち、画像データの色補正を制御する制御装置の構成を概念的に示すブロック図である。
【図4】上記制御装置を構成するコンピュータのROMに格納された色補正処理を示すフローチャートである。
【図5】上記制御装置による画像データの処理の流れを機能的に示すブロック図である。
【図6】上記コンピュータのROMに格納された読取用ルックアップテーブルの一部を示す図表である。
【図7】上記コンピュータのROMに格納された表示用ルックアップテーブルの一部を示す図表である。
【図8】上記コンピュータのROMに格納された記録用ルックアップテーブルの一部を示す図表である。
【図9】上記色補正処理において行われる直線補間演算を説明する図である。
【図10】上記色補正処理において行われる輝度データの濃度データへの変換を説明する図である。
【図11】上記プリント部に設けられた記録制御装置を構成するコンピュータのROMに格納された2値化処理を示すフローチャートである。
【図12】上記2値化処理において画像データを誤差拡散法により処理するための誤差拡散パターンを示す図である。
【図13】上記2値化処理において画像データをディザ法により処理するためのディザパターンを示す図である。
【図14】上記ディザパターンの変更を説明する図である。
【図15】誤差拡散法画像の第1ドットゲインカーブとディザ法画像の第2ドットゲインカーブとを示すグラフである。
【図16】本発明の別の実施形態である画像データ処理装置において画像データを補正するための誤差拡散対応マスキング式を表す図である。
【図17】本発明の別の実施形態である画像データ処理装置において、誤差拡散法画像とディザ法画像との色差を取得するための式を示す図である。
【符号の説明】
12:読取部 16:プリント部 60:表示部 80:制御装置
96:記録制御装置 98:表示制御装置 110:読取用ルックアップテーブル 112:表示用ルックアップテーブル 114:記録用ルックアップテーブル

Claims (5)

  1. 誤差拡散法とディザ法とで選択的に画像データを処理可能な画像データ処理装置において、誤差拡散法により実現される画像とディザ法により実現される画像との両方の色を補正する方法であって、
    前記画像データについて前記誤差拡散法の誤差拡散パターンに対応する色補正を行い、その色補正に適合するようにディザ法のディザパターンを決定することを特徴とする画像データ処理装置の色補正方法。
  2. 誤差拡散法とディザ法とで選択的に画像データを処理可能な画像データ処理装置において、誤差拡散法により実現される画像とディザ法により実現される画像との両方の色を補正する方法であって、
    前記誤差拡散法の誤差拡散パターンにより処理された画像データによって実現される画像の色が所望の色になるように前記画像データを補正する誤差拡散対応データ補正規則を準備する誤差拡散対応データ補正規則準備工程と、
    前記誤差拡散対応データ補正規則および前記誤差拡散パターンにより処理された画像データによって実現される画像である誤差拡散法画像と、前記ディザ法のディザパターンにより処理された画像データによって実現される画像であるディザ法画像とが実質的に一致するように前記ディザパターンを変更するディザパターン変更工程と
    を含むことを特徴とする画像データ処理装置の色補正方法。
  3. 誤差拡散パターンの使用による色補正を行う誤差拡散法により画像データを処理する誤差拡散法処理部と、
    ディザ法により画像データを処理するディザ法処理部と、
    それら誤差拡散法処理部とディザ法処理部とを択一的に選択する選択部と、
    前記誤差拡散処理部において処理された画像データにより実現される画像の色が正規の色になるように、誤差拡散処理部における処理前の画像データについて誤差拡散対応データ補正規則に従って色補正を行う誤差拡散対応データ補正手段と
    を含み、前記ディザ処理部において処理される画像データについてディザ対応データ補正規則に従って色補正を行うディザ対応データ補正手段は含まず、かつ、前記誤差拡散対応データ補正規則および前記誤差拡散パターンにより処理された画像データによって実現される画像である誤差拡散法画像と、前記ディザ法のディザパターンにより処理された画像データによって実現される画像であるディザ法画像とが実質的に一致する画像データ処理装置(請求項3)。
  4. さらに、
    入力画像データの値を座標値とする座標系に設定された複数の規定点の各々における出力画像データの値を規定する規定点ルックアップテーブルと、
    その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算する補間演算手段と
    を含み、
    前記規定点ルックアップテーブルを、少なくとも入力画像データの極限値に対応する規定点における出力画像データが予定の最高値より大きいものとしたことを特徴とする請求項3に記載の画像データ処理装置。
  5. さらに、
    入力画像データの値を座標値とする座標系に設定された複数の規定点の各々における出力画像データの値を規定する規定点ルックアップテーブルと、
    その規定点ルックアップテーブルの複数の規定点の各々における出力画像データの値に基づいて、任意の入力画像データの値に対応する出力画像データの値を補間演算する補間演算手段と
    を含み、
    前記規定点ルックアップテーブルを、少なくとも入力画像データの極限値に対応する規定点における出力画像データが予定の最低値より小さいものとしたことを特徴とする請求項3に記載の画像データ処理装置。
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