JP3835238B2 - ディーゼル機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼル機関の制御装置に関し、詳細には、低温予混合燃焼による運転を行うものにおいて、過渡状態での低温予混合燃焼の安定した燃焼状態を維持する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼル機関における一般的な燃焼では、まず、噴射された燃料の蒸発により可燃混合気が形成され、やがて筒内が所定の温度及び圧力域に達したときに着火して初期燃焼(予混合燃焼)が生じる。そして、この燃焼によって筒内がさらに高温高圧となるため、その後は、燃料が噴射と同時に蒸発しながら燃焼(拡散燃焼)する。このような従来の燃焼方式では、噴射開始から着火までの期間(着火遅れ期間)が燃焼期間全体に対して短くなるので、後者の拡散燃焼が主体となる。
【0003】
ところで、本出願人に係る特許第2864896号公報には、燃焼期間全体に対する予混合燃焼の占める割合を拡散燃焼のものよりも積極的に高くして、予混合燃焼を主体とする燃焼を行わせ、ディーゼル機関から排出される窒素酸化物(NOx)やスモーク(粒子状物質;PM)をともに減少させる技術が開示されている。
【0004】
この技術では、排気還流(EGR)等により吸気の酸素濃度を低下させて燃焼温度を低下させるとともに、燃料噴射時期を通常よりも大幅に遅角させることで、熱発生パターンが単段燃焼の形態となるように着火遅れ期間を長期化させる。これにより、低温燃焼によりNOxの発生が抑制された状態で、燃焼の予混合化によりPM排出量が減少されるのである。実際には、先の拡散燃焼が主体となる燃焼(以下、単に「拡散燃焼」ともいう。)と、このように燃焼温度を低下させて行わせる、予混合燃焼が主体となる燃焼(以下、「低温予混合燃焼」ともいう。)とは、図15に示すように運転状態に応じて切り換えられるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上に述べたように、上記特許第2864896号公報に開示された技術によれば、低温予混合燃焼の燃焼状態が安定している間は、NOx及びPM排出量がともに減少される。しかしながら、低温予混合燃焼を行わせる際に、単に燃料噴射を着火遅れ期間内に終了させることとしただけでは、特定の運転状態において着火性が悪化し、燃焼状態が不安定となる場合がある。
【0006】
ここで、具体的な例として、運転者からの加速要求に応じて運転状態が低負荷域から高負荷側に変化した場合を考える。このとき、変化後に低温予混合燃焼による運転を行うものとすると、要求負荷の増大に対応して燃料噴射量が増量されるとともに、燃料噴射時期が遅角されるが、同時にEGR率((EGR量/新気量)×100[%])が減少され、また過給圧が増大される。これらのうち、燃料噴射量及び燃料噴射時期については電子制御等により遅れを伴うことなく制御できる。しかしながら、EGR率及び過給圧の制御に遅れが伴うことは回避できない。そして、加速要求に対して、EGR率の応答遅れにより酸素濃度に不足が生じたり、あるいは過給圧の応答遅れにより充分に高い筒内温度(圧縮端温度)が得られなくなると、着火遅れ期間が長くなり過ぎ、失火を起こして未燃燃料(HC)を排出させる惧れがある。
【0007】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、低温予混合燃焼を行わせる際に燃焼安定度を検出し、燃焼状態が不安定であるか又は不安定となる惧れのある場合には、燃料噴射を特別に制御してその回復又は維持を図る点にある。
本発明は、特に、過渡状態において低温予混合燃焼の安定した燃焼状態を維持することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明では、(A)吸気の酸素濃度を低下させて燃焼温度を低下させる燃焼温度制御手段、(B)拡散燃焼を主体とした第1の燃焼方式と、燃焼温度制御手段により燃焼温度が低下されているときに燃料噴射を着火遅れ期間内に終了させて行わせる、予混合燃焼を主体とした第2の燃焼方式とを、運転状態に応じて切り換える燃焼方式切換手段、(C)燃焼方式切換手段による切換結果に応じて燃料噴射弁の噴射動作を制御する燃料噴射制御手段、及び(D)第2の燃焼方式による場合の燃焼状態の安定度(燃焼安定度)を検出する燃焼安定度検出手段を備えてディーゼル機関の制御装置を構成し、燃料噴射制御手段が、第2の燃焼方式による場合に、燃焼安定度検出手段により検出された燃焼安定度に応じて、機関出力のための要求燃料量の少なくとも一部を噴射する主噴射と、要求燃料量に対する追加分若しくは不足分としての燃料を主噴射後に噴射する補助噴射とを行わせ、この補助噴射を燃焼安定度に基づいて制御するとともに、主噴射の着火遅れ期間内に終了させることとした。
【0009】
すなわち、本発明は、検出された燃焼安定度に応じて必要があれば、主噴射により噴射された燃料が着火雰囲気を形成しつつあるところで補助噴射を行わせて、着火源を形成することを要旨としている。このとき、補助噴射が主噴射からの着火遅れ期間内に終了されるので、第2の燃焼方式の成立自体が損なわれることはない。なお、補助噴射により要求燃料量に対する不足分を噴射する場合は、主噴射との総噴射量が要求燃料量と一致することになる。
【0010】
請求項2に記載の発明では、燃焼安定度が正常範囲の下限値としての所定値よりも低いときに補助噴射を行わせることとした。
請求項3に記載の発明では、燃焼安定度が低いときほど補助噴射による噴射量を増量することとした。
請求項4に記載の発明では、燃焼安定度が低いときほど補助噴射の噴射回数を増加させることとした。
【0011】
請求項5に記載の発明では、運転状態の変化率が大きいときほど燃焼安定度を低い値として検出することとし、また、請求項6に記載の発明では、運転状態としてのアクセル開度、要求トルク又は機関回転速度の変化率が大きいときほど燃焼安定度を低い値として検出することとした。
請求項7に記載の発明では、燃焼安定度検出手段において、運転状態に基づいて圧縮端温度若しくはその相当量の目標値としての目標圧縮端温度を算出する目標圧縮端温度算出手段と、実際の圧縮端温度若しくはその相当量の推定値としての実圧縮端温度を検出する実圧縮端温度検出手段とを備えるとともに、目標圧縮端温度算出手段により算出された目標圧縮端温度と、実圧縮端温度検出手段により検出された実圧縮端温度との差が大きいときほど燃焼安定度を低い値として検出することとした。また、請求項8に記載の発明では、実圧縮端温度をEGR率及び過給圧のうち少なくとも一方に基づいて検出することとした。
【0012】
請求項9に記載の発明では、圧縮比を所定の低圧縮比に設定するとともに、第2の燃焼方式によるべき運転領域よりも低負荷側に第1の燃焼方式によるべき運転領域を設けることとした。
吸気弁閉時期を通常よりも遅角させるなどの方法により圧縮比を低く設定することで、第2の燃焼方式による運転をより高負荷側の運転領域において行うことが可能となる。その一方で、圧縮比の低下により圧縮端温度が低下することに対応して、低負荷側に第1の燃焼方式によるべき運転領域を設けている。ここで、運転者からの加速要求に基づいて、この第1の燃焼方式によるべき運転領域から第2の燃焼方式によるべき運転領域に移行した際には、EGR装置を持つものではEGR率が減少され、過給機を持つものでは過給圧が増大されることとなるので、応答遅れが生じて燃焼状態が不安定となる可能性が高い。本発明によれば、このような運転領域の移行の際にも燃焼安定度に応じて補助噴射が行われることとなる。
【0013】
請求項10に記載の発明では、(A)吸気の酸素濃度を低下させて燃焼温度を低下させる燃焼温度制御手段、(B)拡散燃焼を主体とした第1の燃焼方式と、燃焼温度制御手段により燃焼温度が低下されているときに燃料噴射を着火遅れ期間内に終了させて行わせる、予混合燃焼を主体とした第2の燃焼方式とを、運転状態に応じて切り換える燃焼方式切換手段、及び(C)燃焼方式切換手段による切換結果に応じて燃料噴射弁の噴射動作を制御する燃料噴射制御手段を備えてディーゼル機関の制御装置を構成し、第2の燃焼方式による場合の圧縮比を所定の低圧縮比に設定するとともに、燃焼方式切換手段において、第2の燃焼方式によるべき運転領域よりも低負荷側に第1の燃焼方式によるべき運転領域を設け、さらに、燃料噴射制御手段が、上記低負荷側に設けられた第1の燃焼方式によるべき運転領域から第2の燃焼方式によるべき運転領域への移行直後の所定期間に、機関出力のための要求燃料量の少なくとも一部を噴射する主噴射と、要求燃料量に対する追加分若しくは不足分としての燃料を主噴射後に噴射する補助噴射とを行わせるとともに、この補助噴射を主噴射の着火遅れ期間内に終了させることとした。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、第2の燃焼方式による場合に、燃焼安定度に応じて主噴射と補助噴射とを行わせるとともに、補助噴射を燃焼安定度に基づいて制御することで、過渡状態のように従来の燃料噴射では着火遅れ期間が長くなり過ぎて燃焼状態が不安定となる場合でも、着火性を向上させて着火遅れ期間を適正に制御し、安定した燃焼状態を維持できる。ここで、主噴射と補助噴射との総噴射量を要求燃料量と一致させることとすれば、燃費を悪化させることなくこの効果が得られる。
【0015】
請求項2に係る発明によれば、燃焼安定度が正常範囲内にあるときは第2の燃焼方式のための通常の燃料噴射を行うことが可能であるから、燃料噴射弁の作動を不要に複雑化させずに済む。
請求項3に係る発明によれば、燃焼安定度が低いときほど補助噴射による噴射量を増量することで、燃焼状態が大幅に不安定化する惧れのある場合でも、これを安定維持できる。あるいは、燃焼状態が現に不安定である場合には、これを早期に回復できる。
【0016】
請求項4に係る発明によれば、燃焼安定度が低いときほど補助噴射の噴射回数を増加させることで、燃焼状態の安定維持のために最適な着火源の形成が可能となり、燃焼状態を一層安定させることができる。
請求項5に係る発明によれば、運転状態の変化率に基づいて燃焼安定度を検出することで、EGR率や過給圧の変化に生じる応答遅れ等のために燃焼状態が不安定となることを予測して、補助噴射の制御に反映させることが可能である。このため、燃焼状態が不安定化するのを未然に回避できる。特に、請求項6に係る発明により運転状態としてアクセル開度、要求トルク又は機関回転速度を採用すれば、その予測が容易となる。
【0017】
請求項7に係る発明によれば、着火性に支配的な影響を及ぼす圧縮端温度若しくはその相当量(例えば、圧縮端温度と等価なパラメータとして代用できる圧縮端圧力)を採用し、その目標値と実際値との差に基づいて燃焼安定度を検出することで、燃焼状態が不安定となることを推測できる。特に、請求項8に係る発明によれば、EGR率及び過給圧のうち少なくとも一方に基づいて実際の圧縮端温度若しくはその相当量を正確に検出できるので、この推測結果の信頼性が向上される。
【0018】
請求項9に係る発明によれば、 より高負荷側の運転領域において第2の燃焼方式による運転を行うことが可能となるばかりでなく、加速要求に応じて第1の燃焼方式による運転から第2の燃焼方式による運転に移行した際に安定した燃焼状態を維持できる。
請求項10に係る発明によれば、第1の燃焼方式による運転から第2の燃焼方式による運転に移行した際に補助噴射が行われるので、加速要求に基づいて生じる過渡状態において安定した燃焼状態を維持できる。ここで、主噴射と補助噴射との総噴射量を要求燃料量と一致させることとすれば、燃費を悪化させることなくこの効果が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るディーゼル機関(エンジン)1の構成図である。
エンジン本体2に接続された吸気通路3には、導入部にエアフィルタ(図示せず)が取り付けられており、ここで、吸入空気中に浮遊する粉塵等が除去される。そして、エアフィルタの直ぐ下流に設置されたエアフローメータ31から吸入空気量に対応した検出信号が出力され、電子制御ユニット(ECU)41に入力される。
【0020】
吸気通路3には、可変ノズル型ターボチャージャ4が介装されており、エアフローメータ31を介した吸入空気は、コンプレッサ部4aにより圧縮されて送り出される。また、吸気通路3には、ターボチャージャ4とともにインタークーラ5が併設されており、コンプレッサ部4aから圧送された吸入空気は、ここで冷却された後、マニホールド部において各気筒に分配される。
【0021】
エンジン本体2には、各気筒の燃焼室の上部略中央に臨ませてインジェクタ6が設置されている。燃料ポンプ7により所定圧力に圧縮された燃料は、燃料供給配管を介してコモンレール8に導入され、そこから各インジェクタ6に供給される。インジェクタ6は、ECU41からの制御信号に応じて作動し、所定時期に開駆動して、所定量の燃料を筒内に直接噴射する。
【0022】
排気通路9には、ターボチャージャ4のタービン部4bが設置されている。ターボチャージャ4の可変ノズルのノズル開度が図示しないセンサにより検出され、その検出信号がECU41に入力されるようになっており、ECU41は、運転状態に応じて前記ノズル開度を制御する。タービン部4bを介した排気ガスは、フィルタ等の排気後処理装置(図示せず)において浄化処理された後、大気中に放出される。
【0023】
また、排気通路9とサージタンク10とがEGR通路11を介して連通され、この通路に制御弁(EGR弁)12が設置されている。EGR弁12は、ECU41からの制御信号を受けるステップモータ等の駆動装置13により駆動され、開弁時において、開度に応じて適量に流量制御された排気ガスが吸気系統に還流される。
【0024】
なお、エンジン1において設けられるセンサ類には、以上の他に、エンジン回転数Neを算出する際に使用される単位クランク角又は基準クランク角を検出するクランク角センサ32、運転者のアクセル操作量に相当するアクセル開度APOを検出するアクセルセンサ33、エンジン冷却水の温度(水温)Twを検出する水温センサ34等が設けられている。これらの検出信号は、いずれもECU41に入力される。
【0025】
次に、ECU41により実行される制御のうち、インジェクタ6による燃料噴射を制御するための制御ルーチンについて、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
S(ステップ)1では、運転状態としてのエンジン回転数Ne、アクセル開度APO及び水温Twを読み込む。
【0026】
S2では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度APOに基づいて燃料噴射制御のための基本噴射時期Ti及び基本噴射量Qiを算出する。ここで、Tiは、図3に示すように運転領域に応じて切り換えられるべき所定の燃焼方式を達成するための燃料噴射時期を、Ne及びAPOに対応させて割り付けたマップから読み込むことで設定する。ここで、読み込んだTiに水温Tw等に応じた補正を施して、低温時には進角させることとしてもよい。低温予混合燃焼による場合の燃料噴射時期Tiは、拡散燃焼による場合よりも遅角され、クランク角で圧縮上死点後の所定範囲内で燃料噴射が開始されるように設定される。一方、基本噴射量Qiは、Ne及びAPOに対応させて割り付けたマップから読み込み、APOが大きいときほど増量される。
【0027】
S3では、エンジン回転数Ne及びアクセル開度APOに基づいて、現在の運転状態が図3に示すマップのどの運転領域にあるかを判定する。運転領域Aにあると判定した場合は、S4へ進み、他の運転領域B又はCにあると判定した場合は、S7へ進む。
本実施形態では、運転状態に応じて拡散燃焼と低温予混合燃焼との間で燃焼方式を切り換えてエンジン1を制御するものにおいて、圧縮比を通常のエンジンよりも低下させ、所定の低圧縮比に設定することで、運転領域Aがより高負荷側に(運転領域B側に)拡大されている。その一方で、低圧縮比化のために圧縮端温度(ピストンが圧縮上死点にある時の筒内温度)が低下し、低負荷側の運転領域Cで低温予混合燃焼を安定して行うことが困難となっている。そこで、運転領域Cでは、拡散燃焼による運転を行うこととし、さらに着火性を向上させるため、パイロット噴射を行うこととしている。従って、S3において現在の運転状態が運転領域Cにあると判定してS7へ進んだ場合には、S7でパイロット噴射を行うための駆動パルスが形成されて、インジェクタ6へ出力される。
【0028】
S4では、アクセル開度APOの変化率(アクセル開度変化率)Rapoを算出する。Rapoは、本ルーチンの1つ前で保存したアクセル開度APObefを今回読み込んだAPOから減じ、その差を制御周期Tで徐することにより算出する(Rapo=(APO−APObef)/T)。
S5では、アクセル開度変化率Rapoが所定値A以上であるか否かを判定する。所定値Aは、低温予混合燃焼が安定した燃焼状態を維持できる範囲の運転状態の変化の限界に対応して設定され、Rapoがこれを下回るうちは、安定した燃焼状態を維持できることを示す。本ステップにおいて、Rapoが所定値A未満であると判定した場合は、S7へ進んで通常通りに駆動パルスを形成して出力するが、Rapoが所定値A以上であって、燃焼状態が不安定となると判定した場合は、S6へ進んで補助噴射条件を読み込んだ後にS7へ進む。
【0029】
ここで、本発明に係る補助噴射とは、機関出力のための要求燃料量(ここでは、基本噴射量Qiがこれに相当する。)のうちの少なくとも一部を噴射する主噴射に続いて、要求燃料量に対する追加分若しくは不足分としての燃料を噴射するものである。
そして、本実施形態に係る補助噴射条件とは、補助噴射による噴射量の基本噴射量Qiに占める割合rである。この補助噴射燃料割合r(但し、0≦r<1)は、アクセル開度変化率Rapoに応じて、例えば、図4(a)に示すように段階的に増大させたり、あるいは同図(b)に示すように連続的に増大させる。
【0030】
図4(a)では、補助噴射燃料割合rは、アクセル開度Rapoが所定値A1(=A)未満である範囲で0に設定され、RapoがA1以上であり、かつA2(但し、A1<A2)未満である範囲でr1に設定される。また、RapoがA2以上であり、かつA3(但し、A2<A3)未満である範囲でr2(但し、r1<r2)に設定される。このような判断をA1〜Anについて行い、現状に最適なrを読み込む。
【0031】
一方、図4(b)では、補助噴射燃料割合rは、アクセル開度Rapoが所定値A1(=A)未満である範囲内で0に設定されるが、A1以上であれば、Rapoの増大に伴って増大される。
S5で安定した燃焼状態を維持できないとしてS6で補助噴射条件が読み込まれると、続くS7では、補助噴射条件に応じて駆動パルスが形成される。ここで、本実施形態では、基本噴射量Qiに補助噴射燃料割合rを乗じた量を補助噴射により噴射すべき燃料量Qs(=Qi×r)とするとともに、このQsをQiから減じた量を主噴射により噴射すべき燃料量Qm(=Qi−Qi×r)とする。なお、S5で安定した燃焼状態を維持できるとしてS7ヘ進んだ場合に噴射される燃料量は、基本噴射量Qiである。
【0032】
次に、以上の制御により得られる効果について説明する。本実施形態では、EGR装置とターボチャージャとを備えているが、定常状態での目標EGR率及び目標過給圧は、図5及び6に示すマップを参照して設定される。各マップの傾向について簡単に述べると、図5では、負荷が高いほど又は回転数が高いほど目標EGR率が低く設定されており、その一方で、図6では、負荷が高いほど又は回転数が高いほど目標過給圧が高く設定されている。
【0033】
ここで、運転者がアクセルを急激に踏み込み、図3に示すマップで、ポイントc1で示す運転状態からポイントa1で示す運転状態へと加速要求が生じた場合を考える。このとき、運転状態の変化に対して、燃料噴射量Qiや燃料噴射時期Tiは応答遅れを伴わずに制御される。ところが、目標EGR率の変化に対する実際のEGR率の変化や、目標過給圧の変化に対する実際の過給圧の変化には、図7に示すようにそれぞれで応答遅れが生じてしまう。
【0034】
図7(a)示すように、加速要求に応じて目標EGR率が減少された場合に実際のEGR率の変化に遅れが生じて、設定量を超過して排気ガスが還流されると、筒内において酸素濃度に不足が生じてしまう。また、図7(b)に示すように、目標過給圧が増大された場合に実際の過給圧の変化に遅れが生じて設定値を下回ると、圧縮端温度が充分に得られなくなる。要求された運転領域Aでは、低温予混合燃焼を行うために基本噴射時期Tiが通常の拡散燃焼による場合よりも遅角されており、ここで酸素濃度や圧縮端温度に不足が生じると、着火遅れ期間がさらに長期化して燃焼状態が不安定となり、失火に至る場合がある。
【0035】
本実施形態では、運転状態の変化としてアクセル開度APOの変化(アクセル開度変化率Rapo)に着目し、Rapoが所定値A以上である場合に補助噴射を行うこととした。
図8は、補助噴射を行う期間Δtを概念的に示したものであり、横軸に時刻tを、また縦軸にアクセル開度変化率Rapoを採っている。時刻t0から加速が開始され、時刻t1において所定値Aを超える加速要求に至ると、補助噴射が行われる。補助噴射は、その後、時刻t2においてRapoが所定値A未満となるまで継続される。
【0036】
図9は、本実施形態において得られる効果の説明として、熱発生率の変化を、運転状態c1からa1への加速要求下で補助噴射を行った場合(a)と、同じ加速要求下で通常の燃料噴射を行った場合(b)とで比較して示している。なお、横軸にクランク角を、また縦軸に熱発生率を採っている。
図9(b)では、加速要求に対してEGR率や過給圧の変化に応答遅れが生じて着火遅れ期間が長期化した結果として、燃焼が緩慢となり、失火に至る惧れのあることが分かる。
【0037】
これに対して、図9(a)では、補助噴射(駆動パルスPs)を行ったことで着火遅れ期間が同図(b)のものよりも短期化されており、燃焼が良好に進行していることが分かる。ここで、補助噴射の噴射時期は、そのときの着火遅れ期間が、定常状態において(補助噴射を行わずに)低温予混合燃焼を行う場合のものと略一致するように設定される。つまり、補助噴射により、過渡状態においても定常状態におけると同程度の着火遅れで燃焼を生じさせるのが好適である。但し、低温予混合燃焼を成立させるため、補助噴射は、主噴射の着火遅れ期間内に(図では、クランク角Cb前に)終了させる。
【0038】
また、本実施形態では、補助噴射を行う際に、変化後の運転状態(図3のポイントa1)に対応する基本噴射量Qiは補正せず、運転状態の変化に応じて、補助噴射により噴射すべき燃料量のQiに占める割合rを制御している。このため、総噴射量が一定となるから、燃費を悪化させずに済む。
なお、以上の説明では、運転状態の変化として、アクセル開度APOの変化を採用したが、本発明はこれに限らず、代わりのパラメータとして、要求トルクやエンジン回転数を採用することとしてもよい。そして、前述同様にして要求トルク変化率やエンジン回転数変化率を算出し、これらが安定した燃焼状態を維持できないような急激な運転状態の変化を示す値に相当するときに補助噴射を行えばよい。
【0039】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。本実施形態では、ECU41において実行される燃料噴射制御のうち、分割噴射に係る処理のみが相違する。以下では、この相違する部分のみについて説明する。
先の第1実施形態では、低温予混合燃焼の燃焼安定度(低温予混合燃焼を行わせた場合に予測される燃焼状態の安定度)を検出するために運転状態(アクセル開度、要求トルク又はエンジン回転数)の変化に着目したが、ここでは、着火性に支配的な影響を及ぼす圧縮端温度を採用する。そして、現状の圧縮端温度が、良好な低温予混合燃焼を行うための目標温度を大きく下回るときには、着火遅れ期間が長くなり過ぎるものとして補助噴射を行う。
【0040】
図10は、本実施形態に係る燃料噴射の制御ルーチンのフロチャートである。同チャートにおいて、先の図2に示したフローチャートにおけると同様の処理を行うステップには図2のものと同一の符号を付し、ここでの説明を省略する。
S3で現在の運転状態が低温予混合燃焼域Aにあると判定した場合には、S14へ進み、圧縮端温度の定常状態での目標値である目標圧縮端温度tTcを設定する。
【0041】
S15では、実際のEGR率Regrを算出する。Regrの算出に際しては、まず、EGR率が0%であるとした場合の吸入空気量Qa0をマップから読み込む。そして、これとエアフローメータ31による検出値とに基づいて、下式により算出する。
Regr=((Qa0−吸入空気量Qa)/Qa0)×100
S16では、EGR率Regrに基づいて実際の圧縮端温度の推定値(実圧縮端温度)Tcを算出する。具体的には、Regr及び運転状態に基づいて吸気のガス組成に対応した比熱比κを推定し、推定されたκを下式に代入してTcを算出する。なお、式中εは、圧縮比である。
【0042】
Tc=吸気マニホールド内の吸気温度×ε^(κー1)
S17では、目標圧縮端温度tTcと実圧縮端温度Tcとの差ΔTc(=tTc−Tc)が所定値B以上であるか否かを判定する。所定値Bは、良好な着火性を得ることのできる圧縮端温度の限界(下限)値に対応して設定されている。ここで、ΔTcがB未満であると判定した場合は、実圧縮端温度Tcが目標圧縮端温度tTcにほど近く、良好な着火性が得られるとして、そのままS7へ進む。一方、ΔTcがB以上であると判定した場合は、TcがtTcを大きく下回っており、着火性が悪いものとしてS18へ進む。
【0043】
S18では、本実施形態に係る補助噴射条件としての補助噴射燃料割合rを読み込む。ここでのr(但し、0≦r<1)も、図4に示したものと同様に、図11(a)に示すように段階的に増大させたり、あるいは同図(b)に示すように連続的に増大させてよい。
図11(a)では、補助噴射燃料割合rは、目標圧縮端温度tTcと実圧縮端温度Tcとの差ΔTcが所定値B1(=B)未満である範囲で0に設定され、ΔTcがB1以上であり、かつB2(但し、B1<B2)未満である範囲でr1に設定される。そして、ΔTcがB2以上であり、かつB3(但し、B2<B3)未満である範囲でr2(但し、r1<r2)に設定され、以降同様な判断を繰り返す。
【0044】
一方、図11(b)では、補助噴射燃料割合rは、ΔTcが所定値B1(=B)未満である範囲で0に設定されるが、B1以上であれば、ΔTcの増大に伴って増大される。
そして、S7では、読み込んだ補助噴射条件に応じて前述同様にして補助噴射を行う。
【0045】
図12は、本実施形態において補助噴射を行う時間Δtを概念的に示したものであり、横軸に時刻tを、また縦軸に実圧縮端温度Tcを採っている。時刻t0において加速要求に応じて目標圧縮端温度tTcが切り換えられると、tTcとTcとの差ΔTcが所定値B以上となるので、補助噴射が開始される。その後、Tcが上昇して、時刻t1においてΔTcが所定値B未満となるまで補助噴射が継続される。
【0046】
なお、本実施形態で採用された圧縮端温度は、圧縮端圧力と等価なパラメータである。従って、以上の説明で補助噴射を行うために圧縮端温度を用いたところに圧縮端圧力を代用してもよい。すなわち、図10のフローチャートにおいて、S14で圧縮端圧力の定常状態における目標値として目標圧縮端圧力tPcを設定し、S16でEGR率Regrに基づいて実際の圧縮端圧力である実圧縮端圧力Pcを算出し、S17でtPcとPcとの差ΔPc(=tPc−Pc)が所定値B’以上である場合に、S18において補助噴射条件を読み込むのである。
【0047】
また、過給機を備えるディーゼル機関においては、圧縮端温度(又は圧縮端圧力)を算出するために、EGR率Regrに限らず過給圧を採用してもよい。過給圧が不足しているときほど、目標圧縮端温度tTcに対して実圧縮端温度Tcが低く、着火性が悪くなっているものと考えられるからである。
以上では、効果の説明として、運転領域が拡散燃焼域Cから低温予混合燃焼域Aへ切り換えられた場合について説明した。しかしながら、本発明によれば、同じ運転領域A内で運転状態が変化された場合であっても、安定した燃焼状態を維持できないのであれば、補助噴射を行うことによりその維持を図ることが可能である。
【0048】
次に、本発明のさらに別の実施形態について説明する。以上では、補助噴射を1つの駆動パルスにより1回で行わせる例について説明したが、本実施形態では、補助噴射を複数回に分割して行う。そこで、分割して行う補助噴射について説明する。
補助噴射の分割回数Nは、図2に示したフローチャートのS6等において補助噴射燃料割合rとともに補助噴射条件として読み込まれるものであり、インジェクタ6の制御能力を考慮して、例えば、図13に示すように補助噴射燃料割合rが高いときほど多数に設定される。ここで、rは、これがアクセル開度変化率Rapoに基づいて設定されるものであることから、Rapoで代用でき、その他にも要求トルク変化率やエンジン回転数変化率で代用できる。
【0049】
図14は、補助噴射燃料割合rに応じたインジェクタ6の駆動パルス波形の変化を示している。ここで、rの増加は、燃焼安定度の低下に対応する。従って、補助噴射は、燃焼状態が大きく不安定化しそうになるときほど多くの回数に分割して行われることとなる。但し、低温予混合燃焼の成立自体を損なわないようにするため、分割回数Nに拘わらず、主噴射(パルスPm)の着火遅れ期間内に分割した全補助噴射(パルスPs1〜Psn)を終了させる。なお、燃費を悪化させないためには、主噴射と全補助噴射とにより噴射される燃料の総量を基本噴射量Qiに一致させるとよい。
【0050】
このように、燃焼安定度が低いときほど補助噴射を多くの回数に分割して行うことで、燃焼状態がいかに不安定化しそうになっても、その維持のために最適な着火源を形成して安定した燃焼状態を維持できるので、低温予混合燃焼を安定して行わせることができる。
なお、以上の説明では、アクセル開度等の運転状態の変化や圧縮端温度に着目し、低温予混合燃焼の燃焼安定度が低いときに補助噴射を行わせるようにした。しかしながら、本発明は、このようなものに限らず、図3の運転領域Cから運転領域Aに運転状態が移行したことをもって低温予混合燃焼の燃焼状態が不安定となるものとみなし、かかる移行直後の所定期間に補助噴射を行わせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るディーゼル機関の構成図
【図2】同上実施形態に係る燃料噴射制御のフローチャート
【図3】同上実施形態に係る燃焼方式の切換マップ
【図4】運転状態の変化に応じた補助噴射燃料割合rの設定を示す概念図
【図5】本発明の一実施形態に係るディーゼル機関における目標EGR率の設定マップ
【図6】同上ディーゼル機関における目標過給圧の設定マップ
【図7】加速要求下でのEGR率及び過給圧の過渡変化を示すタイムチャート
【図8】運転状態の変化に応じた補助噴射の実行期間を示す概念図
【図9】本発明の効果を示す熱発生率のタイムチャート
【図10】本発明の他の実施形態に係る燃料噴射制御のフローチャート
【図11】圧縮端温度に基づく補助噴射燃料割合rの設定を示す概念図
【図12】圧縮端温度に着目した補助噴射の実行期間を示す概念図
【図13】補助噴射の分割回数の設定を示す概念図
【図14】補助噴射を分割して行わせる際のインジェクタの駆動パルスの設定を示す概念図
【図15】燃焼方式の切換マップの一般的な例
【符号の説明】
1…エンジン
2…エンジン本体
3…吸気管
4…ターボチャージャ
6…インジェクタ
10…EGR通路
11…EGR制御弁
31…エアフローメータ
32…クランク角センサ
33…アクセルセンサ
34…水温センサ
Claims (10)
- 吸気の酸素濃度を低下させて燃焼温度を低下させる燃焼温度制御手段と、
拡散燃焼を主体とした第1の燃焼方式と、前記燃焼温度制御手段により燃焼温度が低下されているときに燃料噴射を着火遅れ期間内に終了させて行わせる、予混合燃焼を主体とした第2の燃焼方式とを、運転状態に応じて切り換える燃焼方式切換手段と、
該手段による切換結果に応じて燃料噴射弁の噴射動作を制御する燃料噴射制御手段と、
前記第2の燃焼方式による場合の燃焼状態の安定度を検出する燃焼安定度検出手段と、を備え、
前記燃料噴射制御手段は、前記第2の燃焼方式による場合に、前記燃焼安定度検出手段により検出された燃焼安定度に応じて、機関出力のための要求燃料量の少なくとも一部を噴射する主噴射と、前記要求燃料量に対する追加分若しくは不足分としての燃料を前記主噴射後に噴射する補助噴射とを行わせ、該補助噴射を前記燃焼安定度に基づいて制御するとともに、前記主噴射の着火遅れ期間内に終了させることを特徴とするディーゼル機関の制御装置。 - 前記燃料噴射制御手段が、前記燃焼安定度が正常範囲の下限値としての所定値よりも低いときに前記補助噴射を行わせる請求項1に記載のディーゼル機関の制御装置。
- 前記燃料噴射制御手段が、前記燃焼安定度が低いときほど前記補助噴射による噴射量を増量する請求項1又は2に記載のディーゼル機関の制御装置。
- 前記燃料噴射制御手段が、前記燃焼安定度が低いときほど前記補助噴射の噴射回数を増加させる請求項1〜3のいずれか1つに記載のディーゼル機関の制御装置。
- 前記燃焼安定度検出手段が、運転状態の変化率が大きいときほど前記燃焼安定度を低い値として検出する請求項1〜4のいずれか1つに記載のディーゼル機関の制御装置。
- 前記燃焼安定度検出手段が、前記運転状態としてのアクセル開度、要求トルク又は機関回転速度の変化率が大きいときほど前記燃焼安定度を低い値として検出する請求項5に記載のディーゼル機関の制御装置。
- 前記燃焼安定度検出手段が、運転状態に基づいて圧縮端温度若しくはその相当量の目標値としての目標圧縮端温度を算出する目標圧縮端温度算出手段と、実際の圧縮端温度若しくはその相当量の推定値としての実圧縮端温度を検出する実圧縮端温度検出手段とを備えるとともに、前記目標圧縮端温度算出手段により算出された目標圧縮端温度と、前記実圧縮端温度検出手段により検出された実圧縮端温度との差が大きいときほど前記燃焼安定度を低い値として検出する請求項1〜4のいずれか1つに記載のディーゼル機関の制御装置。
- 前記実圧縮端温度検出手段が、前記実圧縮端温度を排気還流率及び過給圧のうち少なくとも一方に基づいて検出する請求項7に記載のディーゼル機関の制御装置。
- 圧縮比が所定の低圧縮比に設定されるとともに、
前記燃焼方式切換手段において、前記第2の燃焼方式によるべき運転領域よりも低負荷側に前記第1の燃焼方式によるべき運転領域が設けられた請求項1〜8のいずれか1つに記載のディーゼル機関の制御装置。 - 吸気の酸素濃度を低下させて燃焼温度を低下させる燃焼温度制御手段と、
拡散燃焼を主体とした第1の燃焼方式と、前記燃焼温度制御手段により燃焼温度が低下されているときに燃料噴射を着火遅れ期間内に終了させて行わせる、予混合燃焼を主体とした第2の燃焼方式とを、運転状態に応じて切り換える燃焼方式切換手段と、
該手段による切換結果に応じて燃料噴射弁の噴射動作を制御する燃料噴射制御手段と、を備え、
前記第2の燃焼方式による場合の圧縮比が所定の低圧縮比に設定されるとともに、
前記燃焼方式切換手段において、前記第2の燃焼方式によるべき運転領域よりも低負荷側に前記第1の燃焼方式によるべき運転領域が設けられ、さらに、
前記燃料噴射制御手段は、低負荷側に設けられた前記第1の燃焼方式によるべき運転領域から前記第2の燃焼方式によるべき運転領域への移行直後の所定期間に、機関出力のための要求燃料量の少なくとも一部を噴射する主噴射と、前記要求燃料量に対する追加分若しくは不足分としての燃料を前記主噴射後に噴射する補助噴射とを行わせるとともに、該補助噴射を前記主噴射の着火遅れ期間内に終了させることを特徴とするディーゼル機関の制御装置。
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