JP3799296B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリにおける画像形成装置に用いられる定着装置で、特に耐熱性の定着フィルムを介して発熱抵抗層により未定着トナーを記録紙に加熱定着させる定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真方式の複写機、プリンタ等の多くは定着手段として熱効率、安全性が良好な接触加熱型の熱ローラ定着方式や、スタンバイ時に加熱定着装置に電力を供給せず、消費電力を極力低く抑えた方法、詳しくはヒータ部と加圧ローラの間に薄肉のフィルムを介して記録材上のトナー像を定着する省エネルギータイプのフィルム加熱方式を採用している。
【0003】
フィルム加熱方式による加熱定着方法の1例が特開昭63−313182号公報・特開平2−157878号公報・特開平4−44075号公報・特開平4−204980公報等に提案されている。図7にフィルム加熱方式の1例の概略構成を示した。すなわち図7において、ステイホルダー(支持体)1に固定支持させた加熱部材(加熱体、以下ヒータと記す)2と、該ヒータ2に耐熱性の薄肉フィルム(以下、定着フィルムと記す)3を挟んで後述する加圧手段により所定のニップ幅のニップ部(定着ニップ部)を形成させて圧接させた弾性加圧ローラ4を有する。ヒータ2は通電により所定の温度に加熱・温調される。定着フィルム3は不図示の駆動伝達手段あるいは加圧ローラ4の回転力により、定着ニップ部においてヒータ2面に密着・摺動しつつ矢印の方向に搬送移動される、円筒状あるいはエンドレスベルト状、もしくはロール巻きの有端ウエブ状の部材である。
【0004】
ヒータ2を所定の温度に加熱・温調させ、定着フィルム3を矢印の方向に搬送移動させた状態において、定着ニップ部の定着フィルム3と加圧ローラ4との間に被加熱材としての未定着トナー像を形成担持させた記録材を導入すると、記録材は定着フィルム3の面に密着して該定着フィルム3と一緒に定着ニップ部を挟持搬送される。この定着ニップ部において、記録材・トナー像がヒータ2により定着フィルム3を介して加熱されて記録材上のトナー像が加熱定着される。定着ニップ部を通った記録材部分は定着フィルム3の面から剥離して搬送される。
【0005】
定着フィルム3は、定着ニップ部においてヒータ2の熱を効率よく被加熱材としての記録材に与えるため、厚みは20〜70μmとかなり薄くしている。定着フィルム3は図8に示すようにフィルム基層3a、導電性プライマー層3b、離型性層3cの3層構成で構成されており、フィルム基層3a側がヒータ側であり、離型性層3cが加圧ローラ側である。フィルム基層3aは絶縁性の高いポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK等であり、耐熱性、高弾性を有しており、可撓性のある厚み15〜60μm程度で形成されている。
【0006】
また、フィルム基層3aにより定着フィルム3全体の引裂強度等の機械的強度を保っている。導電性プライマー層3bは厚み2〜6μm程度の薄い層で形成されており、定着フィルム表面に一部露出している。静電オフセット等を防止するため、定着フィルム表面に露出した導電性プライマー層には不図示の導電ブラシが接しており、プリント中はトナーと同極性のバイアスを印加している。離型性層3cは定着フィルム3に対するトナーオフセット防止層であり、離型性の良好なPFA、PTFE、FEP等のフッ素樹脂を厚み5〜15μm程度に被覆して形成してある。また、定着フィルム3表面のチャージアップを軽減し、静電オフセットを防止するため、離型性層中には比抵抗が10Ωcm〜10Ωcm程度のカーボンブラック等の導電部材が混入されている。
【0007】
また、ステイホルダー1は、例えば耐熱性プラスチック製部材より形成され、ヒータ2を保持するとともに定着フィルム3の搬送ガイドも兼ねている。よって定着フィルム3との摺動性を高めるために、定着フィルム3とヒータ2やステイホルダー1の外周面の間に耐熱性の高いグリース等を介在させてある。また、加圧部材4は芯金6の外部にシリコンゴムを成形した弾性層あるいはシリコンゴムを発泡して成るスポンジ弾性層7、さらにその外層に定着ローラと同様のPTFEあるいはPFA、FEP等の離型性層8をチューブ状に、あるいはコーティング塗工して形成して成る。
【0008】
加熱部材としてのヒータ2には一般にセラミックヒータが使用される。例えば、アルミナ等の電気絶縁性・良熱伝導性・低熱容量のセラミック基板の面(定着フィルム3と対面する側の面)に基板長手(図面に垂直の方向)に沿って銀パラジューム(Ag/Pd)・Ta2N等の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷等で形成具備させ、さらに該発熱抵抗層形成面を薄肉のガラス保護層で覆ってなるものである。このセラミックヒータ2は通電発熱抵抗層に通電がなされることにより該通電発熱抵抗層が発熱してセラミック基板・ガラス保護層を含むヒータ全体が急速昇温する。このヒータ2の昇温がヒータ背面に設置された温度検知手段5により検知されて不図示の通電制御部へフィードバックされる。通電制御部は温度検知手段5で検知されるヒータ温度が所定のほぼ一定温度(定着温度)に維持されるように通電発熱抵抗層に対する給電を制御する。
【0009】
すなわちヒータ2は所定の定着温度に加熱・温調される。ここでヒータの発熱抵抗層パターンは図3のようになっている。上流側の発熱抵抗層15aは記録材の最大幅とほぼ同じ長さであり、下流側の発熱抵抗層15bは発熱抵抗層15aより長く、端部の抵抗層幅を狭くすることにより抵抗値を高くしているため通電時に端部の発熱量が大きくなる構成となっている。
【0010】
また、下流側の発熱抵抗層15bの発熱抵抗層15aに対する通電比率が可変であり、記録材を加熱定着する枚数に応じて該通電比率を変動させることでヒータの長手方向の温度分布を均一にする。すなわち加熱定着装置が十分に冷えた状態からのプリント初期の場合は、端部から熱が奪われるため、端部の発熱量の大きい発熱抵抗層15bの通電比率を高くしておき、端部への熱の逃げがあっても十分な定着性を得ることができるようにする。また、加熱定着装置が十分に加熱された状態では逆に非通紙領域での発熱量が大きくなることによる定着部材の熱劣化を防止するため、発熱抵抗層15bの通電比率を低くしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記発熱抵抗層パターンにおいて、幅の狭い記録材が加熱定着装置を通過した後、所定時間内に幅の広い記録材が通過する場合、発熱抵抗層15bの通電制御は図9のようになっている。すなわち、幅の狭い記録材が加熱定着装置を通過する場合は発熱抵抗層の長さに比べて記録材が通過する領域は十分に小さいため、発熱抵抗層長さの比較的短い通電発熱抵抗層15aのみに通電を行い所定温度に温調する。
【0012】
その後、幅の広い記録材が通過する時は通常の制御どおりに端部定着性を満足させようとして端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層15bにも通電を行っている。しかしながら、小サイズ記録材を通紙した後に普通サイズの記録材を通紙した時の定着ニップ内の温度分布は図10のように非通紙部昇温により端部温度が高くなっている。これは非通紙部昇温以外に、幅の広い記録材プリント時に端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層15bを点灯することが原因として考えられる。
【0013】
図11は小サイズ記録材をプリントした後、普通サイズ記録材をプリントした時の中央部と端部のヒータ温度である。小サイズ記録材プリントによる非通紙部昇温の影響で普通サイズプリント時に端部温度が240℃以上に昇温している。ホットオフセットと定着不良が発生しない温度領域は図10のようになっており、小サイズ記録材における通紙域と非通紙域の温度差が大きくなると小サイズ記録材における通紙域と非通紙域で同時にホットオフセット、定着不良のない良好な画像を得ることができなくなってしまう。
【0014】
すなわち図10のように、小サイズにおける通紙域の定着性を満足するような定着温度に設定した場合、小サイズにおける非通紙域においては過定着となり、ホットオフセットが発生してしまう(図10▲1▼)。また、小サイズにおける非通紙域においてホットオフセットが発生しないような定着温度に設定した場合、小サイズにおける通紙域において定着不良が発生してしまう(図10▲2▼)。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本 発明では上記課題を解決するため以下のことを特徴とする画像形成装置とする。
【0016】
未定着画像が形成された記録材を、加圧部材と加熱部材とを互いに圧接してなる定着ニップ間を通過させることにより、上記未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる加熱定着装置に配設された加熱ヒータが複数の通電発熱抵抗層を有し、少なくとも1本の通電発熱抵抗層の端部発熱量が中央部より大きいものにおいて
幅の狭い記録材がプリントされた後、所定時間内に幅の広い記録材をプリントする場合には、上記端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層への通電比率を通常より小さくすることを特徴とする画像形成装置。以上ように端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層の通電を抑え、端部の発熱量を小さくすることで、中央と端部の温度差を小さくでき、ホットオフセット防止と定着性確保の両立が可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下に、本発明に係る実施例を示すが、まず図1は、本発明に係る画像形成装置の構成図である。
【0018】
図1において、19は感光ドラムであり、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料がアルミニウムやニッケルなどのシリンダ状の基盤上に形成されている。感光ドラム19は矢印の方向に回転駆動され、まずその表面は帯電装置としての帯電ローラ20によって一様帯電される。次に画像情報に応じてON/OFF制御されたレーザビーム21がスキャナユニット内で回転するポリゴンミラーにより反射して観光ドラムに走査露光が施され、静電潜像が形成される。この静電潜像は、現像装置22で現像、可視化される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法などが用いられ、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることが多い。
【0019】
可視化されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ23により、所定のタイミングで搬送された記録材P上に感光ドラム19上より転写される。ここで感光ドラム19上のトナー像の画像形成位置と記録材の先端の書き出し位置が合致するように24のセンサにて記録材の先端を検知し、タイミングを合わせている。所定のタイミングで搬送された記録材Pは感光ドラム19と転写ローラ23に一定の加圧力で挟持搬送される。このトナー像が転写された記録材Pは定着装置25へと搬送され、永久画像として定着される。一方、感光ドラム19上に残存する転写残りの残留トナーは、クリーニング装置26により感光ドラム19表面より除去される。
【0020】
また、記録材が現像される前の搬送路に記録材が所定以上の幅を持つものである場合に動作する幅センサを設けており、この幅センサの信号により、現像及び定着の制御を自動的に変えることができる。
【0021】
図2に、本発明に係る加熱定着装置25の構成を示す。図2において、定着部材27は以下の部材から構成される。14は熱容量の小さな定着フィルムであり、熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、膜厚を総厚100μm以下、本実施例では60μmとした。さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層にはPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PFA(テトラフルオロエチレン パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、ETFE(エチレン テトラフルオロエチレン共重合体)、CTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリビニリデンフルオライド)等のフッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆したものである。
【0022】
また、15は定着フィルム14の内部に具備された加熱用ヒータであり、これにより記録材上のトナー像を溶融、定着させるニップ部の加熱を行う。加熱用ヒータ15はアルミナ等の高絶縁性のセラミックス基板やポリイミド、PPS、液晶ポリマー等の耐熱性樹脂基板の表面に長手方向に沿って、例えばAg/Pd(銀パラジウム)、RuO2、Ta2N等の通電発熱抵抗層をスクリーン印刷等により、厚み10μm程度、幅1〜5mm程度の線状もしくは細帯状に塗工して形成した通電加熱用部材である。あるいは、金属製基板上の定着ニップ反対側に絶縁層、通電発熱抵抗層を順次積層してなる金属製加熱用ヒータであり、該金属製基板は定着ニップ側が湾曲した形状であっても良い。
【0023】
上記通電発熱抵抗層のパターンは図3のような形状をしている。すなわち上流側の発熱抵抗層15aは通紙可能な記録材の最大幅より1mmだけ長く、発熱量は長手方向に対して一定であるのに対し、下流側の発熱抵抗層15bは通紙可能な記録材の最大幅より十分に長く、端部は抵抗層幅を絞り抵抗値を高くすることにより発熱量が大きくなるようになっている。また発熱抵抗層15a、15bは電極部15c〜15eより不図示の電源より給電されることで独立に発熱可能である。またそれぞれの通電発熱抵抗層への不図示の給電用電源は独立しており、通電発熱抵抗層15a、15bへの通電比率は変動可能である。
【0024】
また、それぞれの通電発熱抵抗層15a、15bの抵抗値の比は2:3となるように形成した。この結果、同等の通電比率で通電発熱抵抗層への通電を行った場合、上流側の通電発熱抵抗層15aと下流側の通電発熱抵抗層15bの発熱量比は3:2となる。
【0025】
図4はそれぞれの通電発熱抵抗層15aおよび15bの通電による加熱用ヒータ幅の温度分布を測定した結果である。図中の横軸はニップ内の位置を示しており、ニップ中心を0とし、上流側をマイナス、下流側をプラスで表した。温度制御用のサーミスタはニップ中心から1.2mm下流に位置している。
【0026】
図4より、上流側通電発熱抵抗層15aのみ通電した場合と、15a及び15b双方に通電した場合では加熱用ヒータの幅方向に渡って略均一的な温度分布となっており、サーミスタ位置付近でも安定している。一方下流側に位置した通電発熱抵抗層15bにのみ通電した場合は、ニップ下流に温度ピークがあり、サーミスタ配置付近での温度変化が大きい。
【0027】
また、それぞれの場合に温調温度を振って定着性及びホットオフセットのマージンを確認した所、下流側の通電発熱抵抗層15bのみへの通電ではマージンがほとんど得られなかった。以上のことから複数の通電発熱抵抗層を有し、異なる通電率で複数の通電発熱抵抗層を制御する場合は、通電率の低い発熱抵抗層を下流側に配置させて制御したほうが、ニップ内での温度分布が小さく安定した制御ができるため、定着性、ホットオフセットのマージンを得ることができる。
【0028】
上記基板の背面には通電発熱抵抗層の発熱に応じて昇温した加熱用ヒータの温度を検知するためのサーミスタ等の温度検知素子28が2本の通電発熱抵抗層の間に配設されておりこの温度検知素子28の信号に応じて、長手方向端部にある電極部15c〜15eから通電発熱抵抗層に印加される電圧のデューティー比や波数等を適切に制御することで、定着ニップ内での温調温度を略一定に保ち、記録材上のトナー像を定着するのに必要な加熱を行う。温度検知素子28から不図示の温度制御部へのDC通電は不図示のDC通電部およびDC電極部15c〜15eを介して不図示のコネクタにより達成している。
【0029】
また、加熱用ヒータ15への電力供給は加熱用ヒータ両端部に配設された不図示のコネクタより行われる。また、加熱用ヒータ15の通電発熱抵抗層の表面には、定着フィルム14との摺擦に耐えることが可能な薄層のガラスコート、フッ素樹脂層等の保護層を設けている。あるいは上記基板として耐摩耗性に優れ、熱伝導性の良好なAlN(チッ化アルミ)等を用いた場合には通電発熱抵抗層を上記基板に対して定着ニップと反対側に形成してあっても良い。
【0030】
17は加熱用ヒータ15を保持し、ニップと反対方向への放熱を防ぐための断熱ステイホルダーであり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されており、定着フィルム14が余裕をもってルーズに外嵌されていて、矢印の方向に回転自在に配置されている。定着フィルム14は内部の加熱用ヒータ15および断熱ステイホルダー17に摺擦しながら回転するため、加熱用ヒータ15および断熱ステイホルダー17と定着フィルム14の間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このため加熱用ヒータ15および断熱ステイホルダー17の表面に耐熱性グリース等の潤滑剤を介在させてある。これにより定着フィルム14はスムーズに回転することが可能となる。
【0031】
また加圧部材18は芯金29の外側にシリコンゴムやフッ素ゴム等の耐熱ゴムあるいはシリコンゴムを発泡して形成された弾性層30からなり、この上にPFA、PTFE、FEP等の離型性層31を形成してあってもよい。加圧部材18は上記の定着部材27の方向に不図示の加圧手段により、長手方向両端部から加熱定着に必要なニップ部を形成するべく十分に加圧されている。
【0032】
以上が加熱定着装置の構成であるが、記録材Pは不図示の供給手段によって適宜供給され、耐熱性の定着入口ガイド32に沿って加熱部材27と加圧部材18によって形成される定着ニップ内に搬送される。その後、定着ニップより排出された記録材Pは耐熱性の不図示の定着排紙ガイドに案内されて不図示の排出トレイ上に排出される。
【0033】
上記定着ニップ内を小サイズの記録材が通過する場合、発熱抵抗層の幅と比較して記録材の幅が十分に小さいため通電発熱抵抗層15aのみに通電しており非通紙部昇温を少なくしている。しかしながら非通紙域の温度は図5のように小サイズの記録材プリント枚数が増加するにつれて高くなっていく。それに対して通紙域は温度検知素子によって一定に保たれているため通紙域と非通紙域温度差は大きくなる。そこで、小サイズ記録材通紙後に普通サイズ記録材をプリントする場合の発熱抵抗層15bへの通電制御は小サイズ記録材プリント枚数によって下表のようにする。
【0034】
【表1】
Figure 0003799296
【0035】
ここでの通電比率は長手にわたって発熱量が一定である上流側の発熱抵抗層15aの通電に対する下流側の端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bの通電比である。すなわち、通電比率が大きいほど、端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電の度合いが多くなるため長手方向両端部での発熱量が大きくなる。
【0036】
このように小サイズ記録材プリント枚数が増加するにつれて15bの通電比率を小さくすることで端部の発熱を抑え通紙域と非通紙域の温度差を小さくすることができ、定着温度を最適値に設定することによりホットオフセット、定着不良のない良好な画像を得ることができる。また、小サイズ記録材プリント枚数が増加するにつれて発熱抵抗層15bの通電比率を小さくすることにより非通紙域の昇温状態に応じた制御をすることができる。
【0037】
発熱抵抗層15bの通電比率を表1のような制御にしてcom#10サイズ記録材をプリントした後、LTRサイズ記録材のプリントを行い、定着性、ホットオフセットの評価を行った。定着性の測定は定着性の悪いボンド紙、ホットオフセットの評価はホットオフセットしやすい薄紙を、それぞれcom#10サイズ記録材を10、20、30、50枚プリント終了から20秒後に5枚プリントして評価した。
【0038】
比較例1として発熱抵抗層15bの通電比率を小サイズ記録材のプリント枚数に関わらず100%にして、小サイズ通紙域の定着性を満足するために定着温度は通常設定で行ったもの、比較例2として発熱抵抗層15bの通電比率を小サイズ記録材プリント枚数に関わらず100%にして、小サイズ非通紙域のホットオフセットを抑えるために定着温度を通常設定より20℃低くしたものについても同様に定着性、ホットオフセットの評価を行った。
【0039】
その結果を以下に示す。まず、小サイズ記録材通紙後に普通サイズ記録材の1枚目プリント中の加熱ヒータ温度測定結果を示す。
【0040】
【表2】
Figure 0003799296
【0041】
更にこの時の定着性、ホットオフセット評価結果を以下に示す。
【0042】
【表3】
Figure 0003799296
【0043】
図6で示されるように実施例1では、小サイズにおける通紙域、非通紙域ともにヒータ温度が定着不良、ホットオフセットともに発生しない領域にあるため定着不良、ホットオフセットの発生しない良好な画像を得ることができている。それに対して比較例1では、小サイズにおける通紙域に関しては本実施例と同様に定着不良、ホットオフセットのない良好な画像を得ることができているが、小サイズにおける非通紙域では小サイズ記録材プリント時の昇温のためにホットオフセットが発生してしまっている。
【0044】
一方比較例2では、小サイズにおける非通紙域に関しては小サイズ記録材プリント時に昇温しているにもかかわらず、普通サイズ記録材プリント時に定着設定温度を通常より20℃低くしているため定着不良、ホットオフセットのない良好な画像を得ることができているが、昇温していない小サイズにおける通紙域においても定着温度が20℃低いため定着不良が発生してしまっている。
【0045】
以上のように小サイズ記録材プリント後に普通サイズ記録材をプリントする場合は端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電比率を小さくすることにより端部の昇温を抑え、ホットオフセットを防止することができた。
【0046】
(実施例2)
本実施例2において、画像形成装置および加熱定着装置全体の構成は前記実施例1と同様であるため再度の説明を省く。
【0047】
図5に示されるように、小サイズ記録材プリント直後は非通紙域の温度は高くなっており、この時に普通サイズ記録材をプリントするとホットオフセットが発生してしまうが、小サイズ記録材プリント終了からある程度時間が経つと、通紙域と非通紙域の温度差は小さくなり、この時に普通サイズ記録材をプリントしてもホットオフセットは発生しない。また、小サイズ記録材プリント終了からある程度時間が経った時に本実施例1のように端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電比率を小さくすると端部の定着性が悪化する可能性がある。
【0048】
そこで本実施例2は端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電を小サイズ記録材プリント終了から普通サイズ記録材プリント開始までの時間により変化させることを特徴とする。以下の表のように端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層15bへの通電を小サイズ記録材プリント枚数と小サイズ記録材プリント終了から普通サイズ記録材プリント開始までの間隔により変化させる。
【0049】
【表4】
Figure 0003799296
【0050】
このように小サイズ記録材プリント終了から普通サイズ記録材プリント開始までの間隔が大きくなる時は端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電を多くすることで端部定着性を満足し、ホットオフセットも発生しない良好な画像を得ることができた。
【0051】
(実施例3)
本実施例3において、画像形成装置および加熱定着装置全体の構成は前記実施例1と同様であるため再度の説明を省く。
【0052】
小サイズ記録材プリントにより非通紙部が昇温し、この直後に端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電比率を100%にしたまま普通サイズ記録材をプリントすると小サイズ記録材における非通紙域においてホットオフセットが発生するが、普通サイズ記録材プリントにより小サイズにおける非通紙部の熱が普通サイズ記録材に奪われていくため普通サイズ記録材を数枚プリントするとホットオフセットは発生しなくなる。下表は小サイズ記録材を所定枚数プリントして20秒後に端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bの通電比率を100%にして普通サイズ記録材をプリントした時にホットオフセットが発生した枚数を表している。
【0053】
【表5】
Figure 0003799296
【0054】
また、端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電比率を小さくしたまま普通サイズ記録材をプリントし続けると、端部の定着性が悪化してしまう。従って本実施例では小サイズ記録材プリント後の普通サイズ記録材プリントにおいて、端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電比率を小さくするという制御を行う枚数を小サイズ記録材プリント枚数が多くなるにつれて多くすること、及び端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電比率を小さくするという制御を行う枚数を小サイズ記録材プリント終了から普通サイズ記録材プリント開始までの時間が短いほど多くすることを特徴とする。また、普通サイズ記録材プリント枚数の増加により端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電比率を増加させていくことを特徴とする。
【0055】
以下の表のように小サイズ記録材プリントから普通サイズ記録材プリントまでの時間、小サイズ記録材プリント枚数、普通サイズ記録材プリント枚数により端部発熱量の大きい発熱抵抗層15bへの通電を変化させることで、ホットオフセットがなく、且つ定着不良も発生しない良好な画像を得ることができる。
【0056】
【表6】
Figure 0003799296
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、未定着画像が形成された記録材を、加圧部材と加熱部材とを互いに圧接してなる定着ニップ間を通過させることにより、上記未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる加熱定着装置に配設された加熱ヒータが複数の通電発熱抵抗層を有し、少なくとも1本の通電発熱抵抗層の端部発熱量が中央部より大きいものにおいて、幅の狭い記録材がプリントされた後、幅の広い記録材をプリントする場合には、上記端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層への通電比率を通常より小さくすることにより、ホットオフセットのない良好な画像を得ることができた。
【0058】
さらに、端部を必要以上に昇温させることがないため、定着部材の耐久性向上という効果も得られる。また、小サイズ記録材プリントから普通サイズ記録材プリントまでの間隔により端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層への通電比率を変化させることにより加熱定着装置がどのような昇温状態であっても定着不良とホットオフセットを防止することができた。
【0059】
さらに、小サイズ記録材プリント枚数や小サイズ記録材プリントから普通サイズ記録材プリントまでの間隔により普通サイズ記録材で通電比率を変化させる枚数を変えることで確実にホットオフセットを防止することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に関わる画像形成装置の構成図
【図2】 本発明に関わる加熱定着装置の構成図
【図3】 本発明に関わる加熱ヒータの発熱抵抗層パターン
【図4】 本発明に関わる加熱ヒータニップ内の搬送方向温度分布
【図5】 本発明におけるプリントモードでのヒータ温度測定結果
【図6】 本発明におけるヒータ内長手方向温度分布の概念図
【図7】 フィルム加熱方式の加熱定着装置の構成図
【図8】 従来例における定着フィルムの断面図
【図9】 従来例における発熱抵抗層への通電比率
【図10】 従来例におけるヒータ内長手方向温度分布の概念図
【図11】 従来例におけるプリントモードでのヒータ温度測定結果
【符号の説明】
19 感光ドラム
20 帯電ローラ
21 レーザビーム
22 現像装置
23 転写ローラ

Claims (4)

  1. 未定着画像が形成された記録材を、加圧部材と加熱部材とを互いに圧接してなる定着ニップ間を通過させることにより、上記未定着画像を記録材上に永久画像として加熱定着させる加熱定着装置を有する画像形成装置において、
    上記加熱定着装置に具備された加熱ヒータが複数の通電発熱抵抗層を有し、少なくとも1本の通電発熱抵抗層の端部発熱量が中央部より大きく、他の通電発熱抵抗層の1系列より、記録材搬送方向の下流側に形成されており、
    幅の狭い記録材がプリントされた後、所定時間内に幅の広い記録材をプリントする場合には、上記端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層への通電比率を通常より小さくすることを特徴とする画像形成装置。
  2. 上記端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層への通電比率を、幅の狭い記録材のプリント枚数により変化させることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 上記端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層への通電比率を、幅の狭い記録材プリントから幅の広い記録材プリントまでの間隔により変化させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 上記端部発熱量の大きい通電発熱抵抗層の通電比率を通常より小さくするという制御を行う枚数を幅の狭い記録材のプリント枚数が多いほど増加させることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の画像形成装置。
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