以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るクーポン提供システムの構成の概要を示す図である。
クーポン提供システムは、ユーザにクーポンを提供するためのWebサイト(以下、「クーポンサイト」という。)を公開するためのシステムである。クーポン提供システムは、Webサーバ1と、管理端末50と、登録店端末60と、ユーザ端末70と、携帯端末71とを備える。Webサーバ1と上記各端末装置とは、インターネットを介し接続されている。
Webサーバ1は、本発明のクーポン提供装置の一例であり、ユーザにクーポンを提供するためのWebページを送信する装置である。管理端末50は、Webサーバ1の管理者が使用する端末装置である。登録店端末60は、クーポンの発行者である店、会社など(以下、「登録店」という。)の担当者(以下、単に「担当者」ともいう。)が使用する端末装置である。ユーザ端末70および携帯端末71は、ユーザがクーポンを取得するための端末装置である。
Webサーバ1には、クーポンの発行者である店に関する情報である登録店データ、クーポンの内容を示す情報であるクーポンデータ、およびバナー広告(以下、単に「バナー」ともいう。)に関する情報であるバナーデータを有している。Webサーバ1は、それら各データとデザインテンプレートとを使用し、登録店情報ページ21、クーポン25等のコンテンツを生成し、ユーザ端末70へ送信する。なお、登録店データについては図3を用いて後述する。クーポンデータについては図5を用いて後述する。バナーデータについては図8を用いて後述する。
管理者は、管理端末50からWebサーバ1にアクセスすることにより、Webサーバ1の管理を行うことができる。例えば、クーポンサイト内のWebページ等に表示されるバナーの登録を行うことができる。
担当者は、登録店端末60からWebサーバ1にアクセスすることにより、自身の店の情報およびクーポンの内容の入力、更新等を行うことができる。
ユーザは、ユーザ端末70または携帯端末71からWebサーバ1へアクセスすることにより、登録店情報ページ21、クーポン25等のコンテンツをそれら端末装置に備えられたディスプレイに表示させることができる。
また、Webサーバ1は、バナー30が埋め込まれたクーポン25をユーザの端末装置へ表示させる表示データを生成し送信する。Webサーバ1は、クーポン25にバナー30を配置する際に、一定のルールに従って配置する。
このように、バナー30をクーポン内に表示させることにより、Webサーバ1の管理者は、バナーの広告主に広告料を請求する。これにより、クーポンを提供する登録店に、クーポン等の情報を公開するための費用を負担させることはない。クーポン25にバナー30を配置する際のルールについては、図9および図10を用いて後述する。Webサーバ1が、クーポン25にバナー30を配置する際の動作については図11を用いて後述する。
なお、管理端末50、登録店端末60、ユーザ端末70および携帯端末71は、Webサーバ1から送信される情報を表示するためのブラウザソフト(以下、単に「ブラウザ」という。)を有している。
図2は、Webサーバ1の機能的な構成を示す機能ブロック図である。Webサーバ1は上述のように、本発明のクーポン提供装置の一例である。
図2に示すように、Webサーバ1は、通信部2と、認証部3と、登録店データ記憶部4と、クーポンデータ記憶部5と、バナーデータ記憶部6と、データ管理部7と、テンプレート記憶部8と、ルールデータ記憶部9と、組合せ決定部10と、履歴データ記憶部11と、表示データ生成部12とを備える。
また、管理端末50、登録店端末60、およびユーザ端末70と、Webサーバ1とはインターネット200を介し接続されている。
なお、Webサーバ1は、クーポンサイトを構成するHTML(HyperText Markup Language)ファイルおよび画像ファイルを記憶し送信する機能など、Webサーバが本来備える機能も有している。しかしながら、これら機能の図示および説明は省略し、本発明の実施の形態のWebサーバ1に特徴的な構成部についてのみ図示および説明を行う。
通信部2は、管理端末50等の端末装置との間で情報のやり取りを行うための処理部である。認証部3は、Webサーバ1へ情報の登録等が行われる際の認証を行う処理部である。管理者および登録店の担当者は、それぞれに付与されたIDおよびパスワードを用いることで、認証部3の認証を受けることができる。
登録店データ記憶部4は、登録店データを記憶するための記憶装置である。クーポンデータ記憶部5は、本発明のクーポン提供装置におけるクーポンデータ記憶手段の一例であり、クーポンデータを記憶するための記憶装置である。バナーデータ記憶部6は、本発明のクーポン提供装置におけるバナー情報記憶手段の一例であり、バナーデータおよびバナー画像を記憶するための記憶装置である。
データ管理部7は、登録店データ記憶部4、クーポンデータ記憶部5、バナーデータ記憶部6、および後述の履歴データ記憶部11に記憶されている情報の管理を行う処理部である。
なお、データ管理部7は、本発明のクーポン提供装置における条件変更手段、集計手段、再変更手段、および算出手段が有する、組合せ決定部10へ指示する機能、および、各種情報に基づく集計および計算を行う機能を有する。
テンプレート記憶部8は、本発明のクーポン提供装置におけるテンプレート記憶手段の一例であり、登録店情報ページやクーポンのテンプレートを記憶するための記憶装置である。ルールデータ記憶部9は、本発明のクーポン提供装置における決定条件記憶手段の一例であり、クーポンとバナー広告との組合せを決定する際のルールを記憶するための記憶装置である。
組合せ決定部10は、ルールデータ記憶部9に記憶されているルールデータに基づき、クーポンとバナー広告との組合せを決定する処理部である。なお、組合せ決定部10は、本発明のクーポン提供装置における決定手段および条件選択手段が有するクーポンとバナー広告との組合せを決定する機能と決定条件を選択する機能とを実現する。
履歴データ記憶部11は、Webサーバ1へのアクセスの履歴を記憶するための記憶装置である。クーポン内に表示されたバナーがクリックされた回数等も履歴データとして記憶される。また、履歴データを集計したデータである集計データも記憶される。履歴データおよび集計データについては、図14を用いて後述する。なお、履歴データ記憶部11は、本発明のクーポン提供装置におけるクリック履歴記憶手段と表示履歴記憶手段とが有する情報を記憶する機能を実現する。
表示データ生成部12は、ユーザ端末70等の端末装置からの要求に従い、それら端末装置に表示させる表示データを生成する処理部である。具体的には、表示データ生成部12は、端末装置からの要求に従い端末装置に表示させる画面を構成するHTML(HyperText Markup Language)ファイルを生成する。
なお、ユーザは、ユーザ端末70以外に、図1に示すように、携帯端末71を用いてWebサーバ1との通信が可能である。
図3は、登録店データ記憶部4に記憶されている登録店データ4aのデータ構成の一例を示す図である。
登録店データ4aは、上述のように、クーポンの発行者である登録店に関する情報であり、データ項目として、店ID、店名、住所、TEL、FAX、カテゴリ、店情報、公開開始日、および公開終了日を有する。
登録店データ4aに登録されている情報は、テンプレート記憶部8に記憶されている登録店情報ページ用のテンプレートに配置され公開される。
登録店データ4aに登録されている店は、クーポンサイト内で、店に関する情報およびクーポンを公開することのできる登録店であり、各登録店の情報には、データ管理部7により、ユニークなIDである店IDが付与される。店IDにより一意に識別される情報を以下、「個別登録店データ」という。
カテゴリは、各登録店の業種を示す情報であり、飲食店等は「食べ処」、遊戯施設等は「レジャー」、ホテル等は「宿泊」のカテゴリにそれぞれ分類される。また、図3には示されていないが、物産品等の販売業者は「お土産」のカテゴリに分類される。
店情報は、各登録店の特徴や営業時間などの情報である。公開開始日および公開終了日は、クーポンサイト内で、登録店情報ページを公開することのできる期間を決定する情報である。
なお、登録店データ4aは、登録店の担当者により入力および修正されるデータである。入力および修正を行う際、担当者は登録店端末60からWebサーバ1へアクセスし、所定のIDおよびパスワードを入力することにより、認証部3の認証を受ける。認証を受けた後、所定の画面において入力および修正を行う。また、担当者は、公開されるクーポンについての情報も入力および修正をすることができる。
図4は、公開されるクーポンについての情報を入力するためのクーポンデータ入力画面100の一例を示す図である。
クーポンデータ入力画面100は、担当者が、登録店端末60から所定のIDおよびパスワードを入力し、認証部3により認証された後に表示される画面である。また、店ID“S0002”である登録店“○○リゾート”が、クーポンデータを入力した場合の表示例を示している。
クーポンデータ入力画面100に表示されている、店ID、カテゴリ、店名、および地域は、上述の登録店データ4aから抽出され表示されている。なお、地域は、クーポンの発行者の営業地域を示し、本実施の形態においては、住所に含まれる市名が抽出される。これら情報は、この画面からは入力および修正をすることはできない。また、クーポンIDは、Webサーバ1のデータ管理部7により付与されるユニークなIDである。クーポンIDも入力および修正をすることはできない。
クーポンデータ入力画面100において、キーワード、タイトル、特典、画像、公開開始日、および公開終了日は、担当者が、入力および修正することができる情報である。なお、公開開始日および公開終了日は、クーポンを公開する期間を決定する情報であり、登録店データ4aから抽出され表示されている。この期間内であれば、クーポンを公開する期間を変更することができる。
キーワードは、クーポンの内容に特徴的な事項を示すキーワードであり、タイトルはクーポンに付与されるタイトルである。特典は、クーポンを使用することによりユーザが受けることのできる特典の内容である。これら、キーワード、タイトル、および特典は、担当者が決定し入力することができる。また、担当者は「参照」と表示された参照ボタンをクリックすることにより、クーポンに表示される画像ファイルを登録店端末60に保存された画像ファイルの中から選択し決定することができる。
クーポンデータ入力画面100において表示されている情報は、「登録」と表示された登録ボタンがクリックされることにより、選択された画像ファイルとともに登録店端末60から、Webサーバ1へ送信される。送信された情報および画像ファイルは、クーポンデータ記憶部5に記憶される。
図5は、クーポンデータ記憶部5に記憶されているクーポンデータ5aのデータ構成の一例を示す図である。
クーポンデータ5aは、上述のように、クーポンの内容を示す情報であり、データ項目として、図4に示すクーポンデータ入力画面100に表示された項目を有する。また、データ項目として、クーポンの属性情報であるカテゴリ、地域、およびキーワードを含んでいる。
クーポンデータ5aに登録されている情報は、テンプレート記憶部8に記憶されているテンプレートに配置され、クーポンとして公開される。
各クーポンの内容を示す情報には、上述のように、ユニークなIDであるクーポンIDが付与される。クーポンIDにより一意に識別される情報を以下、「個別クーポンデータ」という。
個別クーポンデータは、データ項目として、店IDを有している。つまり、個別クーポンデータと個別登録店データとは、店IDにより紐付けされている。また、店名、カテゴリ、地域は、店IDにより特定される個別登録店データにおける店名、カテゴリ、地域がそのまま複製される。
公開開始日および公開終了日は、図4に示すクーポンデータ入力画面100においいて担当者に変更されていない場合、個別登録店データにおける公開開始日および公開終了日と同じ日付を示す。
なお、図示していないが、クーポンに表示される画像の画像ファイルも、クーポンデータ記憶部5に記憶される。
クーポンデータ5aに登録されている情報は、上述のように、テンプレート記憶部8に記憶されているテンプレートに配置され、クーポンとして公開される。その際、Webサーバ1の組合せ決定部10により、クーポン内に配置されるバナーが決定され、バナーを含むクーポンとして公開される。このバナーは、管理者によりWebサーバ1に登録される。
図6は、管理者がバナーを登録するためのバナー登録画面110の一例を示す図である。
バナー登録画面110は、管理者が、管理端末50から所定のIDおよびパスワードを入力し、認証部3により認証された後に表示される画面である。管理者は、バナー登録画面110を介し、バナー広告に関する情報の登録を行う。また、図6に示すバナー登録画面110は、バナー広告を出稿する企業である広告主が“○○鉄道”という会社である場合の登録時の表示例である。
バナー登録画面110において、登録すべきデータ項目である、広告主、地域、カテゴリ、キーワード、画像、URL、公開開始日および公開終了日は、管理者と広告主との契約時に決定される。
地域は、バナー広告の広告主の営業地域を示す情報であり、カテゴリは、バナー広告により告知したい情報の分野のカテゴリである。キーワードは、バナー広告の内容に特徴的な事項を示すキーワードである。
また、管理者は「参照」と表示された参照ボタンをクリックすることにより、バナー画像のファイルを管理端末50に保存された画像ファイルの中から選択しWebサーバ1へアップロードすることができる。アップロードされたバナー画像ファイルは、バナー登録画面110内に表示される。図6に示すバナー登録画面110においてはバナー30が表示されている。
URLは、バナーがクリックされた際に表示されるWebページのURLである。公開開始日および公開終了日は、バナーが公開される期間を決定する情報である。
また、画面右上部には、データ管理部7がバナーに関する情報に付与するユニークなIDであるバナーIDが表示される。つまり、この“○○鉄道”のバナーに関する情報にはバナーIDとして“B401”が付与されている。
また、“トップページ”と表示された横にあるチェックボックス111をチェックすることにより、クーポンサイトのトップページへ表示させることができる。
上述のように、バナーはクーポン内に表示されるが、バナー広告の広告主との契約等により、クーポンサイトのトップページにも表示させることができる。
図7は、バナー30が表示されたクーポンサイトのトップページ20の一例を示す図である。
図7に示すトップページ20には、クーポンをはじめ様々な情報ページへのリンクとともに、バナー30が表示されている。
なお、バナー登録画面110において入力され表示されている情報は、「登録」と表示された登録ボタンがクリックされることにより、選択されたバナー画像ファイルとともに管理端末50から、Webサーバ1へ送信される。送信された情報およびバナー画像ファイルは、バナーデータ記憶部6に記憶される。チェックボックス111がチェックされている場合、そのチェックされた情報もWebサーバ1に送信される。Webサーバ1では表示データ生成部12がその情報を受け取り、所定の記憶領域に記憶されているトップページ20のHTMLをバナー30が表示されるように書き換える。
図8は、バナーデータ記憶部6に記憶されているバナーデータ6aのデータ構成の一例を示す図である。
バナーデータ6aは、上述のように、バナー広告に関する情報であり、データ項目として、図6に示すバナー登録画面110に表示された項目を有する。また、データ項目として、バナー広告の属性情報であるカテゴリ、地域、およびキーワードを含んでいる。
バナーデータ6aは、組合せ決定部10が、クーポンとそのクーポンに埋め込まれるバナーとの組合せを決定する際に用いられる。
各バナー広告に関する情報には、上述のように、ユニークなIDであるバナーIDが、データ管理部7により付与される。バナーIDにより一意に識別される情報を以下、「個別バナーデータ」という。
なお、図示していないが、管理端末50から送信されたバナー画像ファイルも、バナーデータ記憶部6に記憶される。また、バナーデータ記憶部6には、広告主の住所などの必要な情報も記憶されており、さらに、図13を用いて後述する携帯端末向けのクーポンにもバナーを埋め込むか否かについての情報も記憶されている。
上述のように、組合せ決定部10は、クーポンとそのクーポンに埋め込まれるバナーとの組合せを決定するが、その決定の際、ルールデータ記憶部9に記憶されているルールデータに基づいて決定を行う。このルールデータは、管理者が決定し登録を行う。
図9は、管理者がクーポンとバナーとの組合せにおけるルールを定義するための組合せルール定義画面120の一例である。
組合せルール定義画面120は、管理者が、管理端末50から所定のIDおよびパスワードを入力し、認証部3により認証された後に表示される画面である。
図9に示すように、組合せルール定義画面120には、第1条件および第2条件を設定するためのチェックボックスが並んで表示される。図9に示す例では、第1条件チェックボックス121の選択の組合せにより、第1条件は「同一“カテゴリ”を“排除”」となっている。また、第2条件チェックボックス122の選択の組合せにより、第2条件は「同一“キーワード”を“選択”」となっている。
また、画面下部のチェックボックスにおいて、「このルールを適用“する”」という選択がなされている。
つまり、図9に示す条件の選択例では、第1条件と第2条件との組合せにより、あるクーポン内に表示させるバナーを決定する際に、そのクーポンと同一のカテゴリのバナーを排除し、そのクーポンと同一のキーワードを有するバナーを選択するというルールが定義される。
定義されたルールに基づき、組合せ決定部10は1つのクーポン内に表示される1つのバナーを決定する。組合せ決定部10の動作については図11を用いて後述する。
また、画面左上部には、データ管理部7がルールデータに付与するユニークなIDであるルールIDが表示される。組合せルール定義画面120では第1条件と第2条件とにより定義されるルールにルールIDとして“R001”が付与されている。
上述の選択がなされた状態で、“登録”と表示された登録ボタンがクリックされると、選択された情報が、管理端末50からWebサーバ1へ送信される。送信された情報は、ルールデータ記憶部9に記憶される。
図10は、ルールデータ記憶部9に記憶されているルールデータ9aのデータ構成の一例を示す図である。
ルールデータ9aは、上述のように、組合せ決定部10が、クーポンとバナーとの組合せを決定する際に参照される情報である。
各ルールには、上述のように、ユニークなIDであるルールIDが、データ管理部7により付与される。ルールIDにより一意に識別される情報を以下、「個別ルールデータ」という。また、個別ルールデータは、本発明のクーポン提供装置における決定条件の一例である。
図10に示すルールデータ9aには、3つのルールが例示されている。ルールIDが“R001”である個別ルールデータにおいて、適用フラグが“1”となっており、その他の個別ルールデータは、適用フラグは“0”となっている。適用フラグが“1”である個別ルールデータによって示されるルールは、現在有効なルールとして用いられていることを意味する。
つまり、現在、ユーザからの要求に基づき、表示データ生成部12が生成する表示データによってクーポンに埋め込まれるバナーは、組合せ決定部10が、ルールID“R001” の個別ルールデータによって示されるルールに基づいて決定したバナーである。適用フラグが“0である” 個別ルールデータは、現在、クーポンとバナーとの組合せの決定に用いられていない個別ルールデータである。
このように、ルールデータ9aは複数のルールを保持しておくことができる。これにより、管理者は複数のルールを定義することができ、必要に応じ、クーポンとバナーとの組合せの決定に適用するルールを変更することができる。
また、ルールは2つの条件により定義可能である。そのため、例えば、クーポンの提供者である登録店の営業範囲と、バナー広告の広告主である企業の営業範囲とがバッティングせず、かつ、それらの営業内容が関連性を有するようなルールを定義することができる。
図11は、組合せ決定部10が1つのクーポンに組合せるべきバナーを決定する際の動作を示すフロー図である。なお、決定の際に参照するルールとして、図10に示す、ルールID“R001”の個別ルールデータに示されるルールを用いた場合を想定する。つまり、第1条件「同一カテゴリ排除」と、第2条件「同一キーワードで選択」とにより定義されるルールに基づき決定がなされる場合の組合せ決定部10の動作を説明する。
組合せ決定部10は、ユーザ端末70からのクーポン表示要求を、通信部2およびデータ管理部7を介し受け取る。なお、クーポン表示要求には、クーポンを特定するクーポンIDが含まれている。
組合せ決定部10は、表示を要求されたクーポンのカテゴリをクーポンデータ記憶部5に記憶されているクーポンデータ5aを参照することにより取得する。取得後、そのカテゴリと同一カテゴリに属するバナーを排除する(S1)。
具体的には、表示を要求されたクーポンのカテゴリと同一のカテゴリ以外のカテゴリに属するバナーのバナーIDを、バナーデータ記憶部6に記憶されているバナーデータ6aの中から抽出する。
バナーIDの抽出後、表示を要求されたクーポンの個別クーポンデータからキーワードを取得する。取得したキーワードに含まれる複数の単語のうちの少なくとも1つを個別バナーデータのキーワードとして有するバナーのバナーIDを、先に抽出されたバナーIDの中から更に抽出する。
同一の単語を有するバナーがある場合(S2でYes)、該当するバナーの中から1つのバナーに絞り込み(S3)、そのバナーの画像ファイル名とバナーにリンクされるWebページのURLとをバナーデータ6aから抽出し、表示データ生成部12に送信する。この際、表示を要求されたクーポンの個別クーポンデータもともに送信される。
表示データ生成部12は、送信されたバナーの画像ファイル名と、URLと、個別クーポンデータと、テンプレート記憶部8に記憶されているクーポン表示用のテンプレートとを用い、クーポンを表示するための表示データを生成する。生成された表示データは通信部2を介し、ユーザ端末70へ送信される(S5)。
なお、上記の動作において、表示を要求されたクーポンのキーワードに含まれる単語と同一の単語をキーワードとして有するバナーが存在しなかった場合(S2でNo)、異なるカテゴリのバナー、つまり、第1条件のみを満たしたバナーの1つを選択し(S4)、表示データ生成部12にそのバナーの画像ファイル名を送信する。この選択は、例えば、複数のバナーの中からランダムに行われる。
また、上記の動作において、該当するバナーの中から1つのバナーに絞り込む(S3)際、例えば、クーポンのキーワードと同一の単語を最も多くキーワードとして持つバナーが選択される。
上記動作の結果、バナーが張り込まれたクーポンがユーザ端末70に表示される。
図12は、ユーザ端末70に表示されるクーポン25の一例を示す図である。
図12に示すクーポン25は、クーポンID“C0102”の個別クーポンデータ(図5参照)から抽出された情報で構成されている。更に、バナーID“B401”の個別バナーデータ(図8参照)によって特定されるバナー30を含んでいる。つまり、“○○リゾート”というレジャー施設が発行者であるクーポンであり、“○○鉄道”がバナーの広告主である。
クーポンID“C0102”によって特定されるクーポンのカテゴリは“レジャー”であり、バナーID“B401”によって特定されるバナーのカテゴリは“交通”であり、同一ではない。また、これらクーポンとバナーとはともに、キーワードに“スキー”という単語を有している。つまり、クーポン25は、ルールID“R001”の個別ルールデータ(図10参照)に示されるルールに基づき作成されたものである。
なお、クーポン25に表示されている有効期限は、クーポンID“C0102”の個別クーポンデータにおける公開終了日である。また、ユーザは、バナー30をクリックすることにより、バナー30にリンクされたWebページを別ページで開くことができる。
ユーザは、ユーザ端末70に接続されたプリンタでクーポン25を印刷することで、クーポン25を使用し、クーポン25に記載された特典を受けることができる。
また、クーポンは携帯端末に表示させることもできる。
図13は、携帯端末71に表示されるクーポン26の一例を示す図である。
図13に示すクーポン26は、図12に示すクーポン25と内容的には同一であり、クーポン26においても、バナー30が表示される。
つまり、パーソナルコンピュータ向けのWebサイトと、携帯向けのWebサイトである携帯サイトとを有する広告主のバナーは、携帯端末向けのクーポンであるクーポン26にも埋め込まれ表示される。
ユーザはバナー30をクリックすることにより、バナー30にリンクされた携帯サイト内のWebページを開くことができる。
ユーザは、携帯端末71でクーポンを表示させ、クーポン26に示される登録店で提示することにより、特典を受けることができる。なお、携帯電話などの携帯端末は、表示画面をそのまま保存する機能を有している。そのため、ユーザは、予め保存しておいたクーポンの表示画面を登録店で提示することが一般的に行われている。
なお、クーポン25、クーポン26ともに、クーポンサイトのトップページやクーポンサイト内にある登録店のページにあるリンクをクリックすることにより表示させることができる。
なお、クーポン25およびクーポン26が表示される画面は、上述のように、表示データ生成部12の動作により生成される。テンプレート記憶部8には、パーソナルコンピュータなどのユーザ端末70向けのクーポン用テンプレートと、携帯電話などの携帯端末71向けのクーポン用テンプレートとを有している。
テンプレートは、HTMLで記述されており、店名などの各情報を表示する部分には、各情報に対応する文字列が入力されている。表示データ生成部12は、テンプレートを読み込み、各情報に対応する文字列を、店名などの各情報で置換する。また、テンプレートのバナーを表示する部分に該当する文字列を組合せ決定部10から受け取ったバナーの画像ファイル名で置換する。
例えば、テンプレートであるHTMLファイルには、“##店名##”という文字列が記述された部分があり、この文字列が、表示データ生成部12よって、個別クーポンデータに含まれる店名に置換される。また、“##バナー画像##” という文字列が個別バナーデータに含まれる画像のファイル名に置換される。
図12および図13に示すように、クーポンはバナーが貼られた状態で表示され、ユーザはクーポンを印刷する、または、クーポンが表示された画面を携帯端末に保存する。つまり、既存のWebページ上のバナー広告とは異なり、ユーザの手元に残ることになる。
従って、Webサーバ1は、バナー広告の広告主に対し、宣伝広告効果の高い広告手法を提供することができる。
また、クーポンとバナーとの組合せは、管理者により定義されたルールに基づいて組合せ決定部10によって決定される。このルールは2つの条件により構成される。
そのため、上述のように、例えば、クーポンの提供者である登録店の営業範囲と、バナー広告の広告主である企業の営業範囲とがバッティングせず、かつ、それらの営業内容が関連性を有するようなルールを定義することができる。
これにより、図12に示すクーポン25のように、レジャー施設のクーポンに、そのレジャー施設に行くための交通手段を宣伝広告するためのバナーを表示させることができる。
このことは、バナー広告の広告主とって、バナーの有する宣伝広告効果を向上させる上で重要なことである。また、クーポンを提供する登録店からすると、少なくとも自身のクーポンの有用性を阻害する情報ではないバナーが張られるだけで、無料でクーポンを公開することができる。
クーポンを利用するユーザからすると、クーポンの内容に関連性のあるバナーは有用である可能性が高い。例えば、図12に示すクーポン25の場合、“○○リゾート”に行くための電車に関する情報をバナーから、または、バナーのリンク先のWebページから得ることができる。
また、上述のように、管理者はルールを複数定義することができ、複数のルールはルールデータ記憶部9に記憶される。管理者は記憶された複数の中からルールを選択し、クーポンとバナーの組合せの決定に適用することができる。
ここで、Webサーバ1は、管理者が選択する際に参照すべき情報を管理者に提供することができる。
図14は、履歴データ記憶部11に記憶されている履歴データ11aおよび集計データ11bのデータ構成例を示す図である。
履歴データ11aは、ユーザによりクリックされたバナーの履歴情報である。履歴データ11aは図14に示すように、データ項目として、履歴ID、クーポンID、バナーID、ルールID、およびクリック日時を有する。履歴IDは、データ管理部7によって付与されたユニークなIDである。履歴IDにより一意に識別される情報を以下、「個別履歴データ」という。
クーポンIDは、バナーIDによって特定されるバナーが貼られていたクーポンのクーポンIDである。ルールIDは、そのバナーがクリックされたときに適用されていたルールのルールIDである。クリック日時は、そのバナーがクリックされた日時を示す情報である。
また、履歴データ記憶部11には、図示していないが、クーポンがユーザの要求に応じて表示された履歴も記憶されている。そのクーポンの表示履歴と、履歴データ11aとにより、ルールIDごとにバナーがクリックされた履歴を集計したのが、集計データ11bである。
集計データ11bは、データ項目として、ルールIDとクリック数とクリック率とを有する。クリック率とは、バナーがクリックされた回数を、バナーが表示された回数で割ったものを%表示したものである。なお、これらの集計は、データ管理部7が、毎日、所定の時間に行う。
この集計データ11bにより、管理者は、どのルールを適用した場合に、クリック数が多いか、または、クリック率が高いかを知ることができる。
つまり、管理者は、一端決定し適用させたルールを、集計データ11bを見ることにより、最適なものに変更することができる。また、例えば、複数のクーポンおよびバナー広告のカテゴリや、それらが関連する地域等の分散度、または集積度などと、過去に適用したルールにおけるクリック率から最適なルールを変更することができる。
このように、最適なルールを適用することで、バナーのクリック率またはクリック数を向上させることが可能となる。結果として、バナー広告の出稿量を増やすことが可能となる。
上述のように、本発明の実施の形態のWebサーバ1は、クーポンの提供者である登録店、バナー広告の広告主、Webサーバ1で公開されるクーポンサイトのユーザ、およびクーポンサイトを管理する管理者の4者にとって利便性の高いサイトを公開することができる。
このクーポンサイトは、バナー広告の広告主からの広告料の収入によって運営することができる。これにより、登録店は、クーポン等の情報を無料で公開することができる。またユーザも無料でクーポン等を取得することができる。
本発明の実施の形態のWebサーバ1を利用し、従来にない新たなビジネスモデルを構築することも可能である。
図15は、従来のクーポンサイトにおけるビジネスモデルの概要を示す図である。
図15に示すように、従来のビジネスモデルでは、クーポンサイトを運営する運営会社は、クーポンをクーポンサイトに提供する登録店から広告料として料金を徴収する。クーポンの更新は、運営会社が行う。
登録店に対しては、運営会社の営業マンが各種サポートを行なう。また、アクセス数を増加させるために、ユーザに対して、クーポンサイトの宣伝・告知を行う。
つまり、従来のビジネスモデルでは、登録店はクーポンを公開するために運営会社に料金を支払う必要がある。そのため、クーポンサイトにおいて、ユーザにとって有益なクーポンの数を増やすためには、運営会社の登録店を増やすための営業力が必要である。
従って、運営会社は、運営店を増やすための営業マンを雇用し、その営業マンは、登録店に対するサポートを行う必要がある。また、運営会社は、クーポンの更新作業も行う必要がある。
このように、従来のビジネスモデルにおいては、ユーザにとって有益なクーポンの数を増やすことが容易ではなく、運営会社の負担も大きい。
しかしながら、本発明の実施の形態のWebサーバ1を用いてクーポンサイトを運営することで、効率的にクーポンサイトを成長させていくことができる。
図16は、本発明の実施の形態におけるWebサーバ1を用いてクーポンサイトを運営する場合のビジネスモデルの概要を示す図である。また、図16は、北海道へ来る観光客向けの地域クーポンサイトにおけるビジネスモデルの例を示している。
運営会社は、クーポンを公開する登録店を集め、クーポンサイトにおいてそれら登録店のクーポンを公開する。登録店はクーポンの掲載料を負担する必要はないため、ユーザにとって有益なクーポンの数を増やし易くなる。また、自店のクーポンの更新を行うことができる。
運営会社は、クーポン内に表示するバナー広告の広告主を募集する。例えば、インターネット上で商品の販売を行うネットショップと、アフィリエイト広告の契約を結ぶ。
つまり、ネットショップへのリンクが張られたネットショップのバナーを経由し、ユーザが商品を購入すると、ネットショップからクーポンサイトの運営会社へ規定の報酬が支払われる旨の契約を結ぶ。また、運営会社は、観光客に対し、地域クーポンサイトの宣伝・告知を行う。
観光客は地域クーポンサイトを無料で利用することができ、クーポンを取得することができる。また、観光客は、携帯電話などの携帯端末でアクセスすることが多いと考えられ、多くの観光客はクーポンが表示された画面を携帯端末に保存することになる。
これにより、例えば、観光客が旅行から帰った後においても、そのクーポンは携帯端末に残されている可能性が高い。つまり、クーポンに付随してバナーも残されており、そのバナーから、ネットショップなどの広告主のサイトにアクセスすることができる。
また、運営会社は、コンピュータネットワークを活用して自宅や小さな事務所で事業を行っているSOHO(Small Office/Home Office)スタッフと契約を行い、登録店への各種サポートを行わせる。その際、作業量に応じたインセンティブや技術支援等の契約を行う。
近年では、上述のようなSOHOと呼ばれる形態で仕事をしている人が増加しており、また、運営会社も自社で営業マンを雇用する必要がないため、互いにメリットがある契約となる。
上述のように、Webサーバ1は、クーポンにバナー広告を掲載し、バナー広告の広告料収入によってクーポンサイトを運営することができる。これにより、登録店はクーポンの掲載料を負担することなく、クーポンを公開することができる。
登録店にとってはリスクを負うことなくクーポンが公開できるため、登録店を増やすことは容易である。なお、クーポン内に他の企業等のバナーが表示されることになるが、同じカテゴリに属するバナーは排除するなどのルールに基づいて表示されるバナーが決定される。そのため、登録店にとってデメリットとなるようなクーポンとバナーとの組合せは排除される。また、組合せのルールは変更可能であり、登録店、広告主の双方にとってメリットのある組合せとなるルールを地域的な事情等に合わせて管理者が決定することができる。
また、従来のWebページに貼られるバナーとは異なり、クーポンに貼られるバナーは、ユーザの手元に残ることになる。クーポンは紙に印刷され、または、携帯端末にクーポンの表示画面が保存されるからである。
バナー広告がユーザの手元に残るということは、従来のバナー広告に比べ、宣伝広告効果が高いということである。これはバナー広告の広告主にとってメリットは大きく、運営会社からするとクーポンサイトへの広告の出稿を促す好材料である。
登録店は無料でクーポンを公開でき、広告主は宣伝広告効果の高い媒体に広告を出稿できる。これにより、登録店、広告主ともに増加させることができ、結果としてユーザにとって有益なクーポンの数を増加させることができる。
有用なクーポンが増えると、当然にクーポンサイトにアクセスするユーザも増え、クーポンの利用者が増える。クーポンの利用者が増加することにより、クーポンサイトの運営会社は、登録店および広告主を集め易くなる。
このように、本発明の実施の形態のWebサーバ1を利用することで、クーポンサイトを効率的に成長させることができる。
なお、上述の実施の形態において、登録店データ4a、クーポンデータ5a、バナーデータ6a、ルールデータ9a、履歴データ11a、および集計データ11bの各データにおいて、データ構成は、図示および説明したデータ構成でなくてもよい。
例えば、登録店データ4aにおいて、店情報を詳細なデータ項目に分けてもよい。また、例えば、クーポンデータ5aにおいて、新たに有効期限のデータ項目を追加し、公開終了日と有効期限とを別に扱ってもよい。また、例えば、登録店データ4aとクーポンデータ5aとを同一のデータファイルとしてもよい。つまり、各データは、必要に応じたデータ構成を採用すればよい。
また、同様にクーポンデータ入力画面100、バナー登録画面110、および組合せルール定義画面120の各画面表示例も、図示および説明した構成でなくてもよい。例えば、データ構成の変更に応じ、適宜変更してもよい。
また、同様に、クーポンサイトのトップページ20、クーポン25およびクーポン26の表示画面も、図示および説明した構成でなくてもよく、ユーザや登録店の要望に応じて構成を変更してもよい。
また、クーポンとバナーとの組合せの決定に用いられるルールは、第1条件および第2条件の2つの条件により定義されるとした。しかしながら、1つの条件で定義されてもよく、また、3つ以上の条件により定義されてもよい。
また、図9に示す組合せルール定義画面120における第1条件と第2条件との組み合わせは、ルール定義のための条件の組合せの一例であり、他の条件の組合せによりルールが定義されてもよい。例えば、あるクーポン内に表示させるバナーを決定する際に、そのクーポンと同一のカテゴリのバナーを選択し、そのクーポンと同一の地域に関するバナーを排除するというルールが定義されてもよい。
こうすることで、例えば、管理者が、クーポンサイトの規模や地域的事情などに応じ、ルールを定義するために最適な条件の数、またはルール自体を決定することができる。
また、全てのクーポンとバナーとの組合せの決定に同一のルールを適用しなくてもよい。例えば、カテゴリが「食べ処」であるクーポンについては、第1条件を「同一地域を排除」、第2条件を「同一カテゴリを選択」としたルールを適用し、カテゴリが「宿泊」であるクーポンについては、第1条件を「同一カテゴリを排除」、第2条件を「同一地域を選択」としたルールを適用してもよい。
この場合、組合せ決定部10が、クーポンのカテゴリを判別し、カテゴリごとに異なるルールデータをルールデータ記憶部9から読み出せばよい。同様に、カテゴリ以外の属性情報、例えば、クーポンの発行者の営業地域ごとに異なるルールを適用してもよい。
こうすることで、クーポンのカテゴリなどの属性情報に応じて、より最適なバナーを選択し決定することができる。
また、クーポンとバナーとの組合せの決定に適用されるルールは、管理者が変更を行うとした。しかしながら、自動的に変更されてもよく、例えば、バナークリックの履歴に応じて、データ管理部7が、組合せ決定部10に、クリック数またはクリック率を向上させるようなルールの変更を行わせてもよい。
例えば、クーポンサイト開始時において、図10に示すルールID“R001”から“R003”に対応する3つのルールのそれぞれを適用する試行期間を設け、試行期間の経過後、最もクリック率の高いルールをその後に適用してもよい。また、例えば、クーポンのカテゴリなどの属性情報別に、クリック率を集計し、その属性情報ごとにその後に適用するルールを決定してもよい。
また、上述のように、組合せ決定部10が、クーポンとバナーとの組合せの決定に適用するルールを変更する場合、変更後にクリック率が低下した際に、再度、データ管理部7が組合せ決定部10にルールの変更をさせてもよい。
また、ルール自体の定義も管理者ではなく、例えば組合せ決定部10が行ってもよい。例えば、図9の組合せルール定義画面120に示すように、ルールの定義の基礎となる第1条件を、“カテゴリ”、“地域”、“キーワード”の“排除”または“選択”という組合せで設定する場合、6通りの組合せが存在する。この6通りの組合せのそれぞれに、第2条件として、第1条件と重複または矛盾しない条件の組合せが4通りずつ存在する。つまり、全部で24個のルールが定義可能である。
この24個のルールの中で、管理者が不要と考えるルール、例えば、第1条件が「同一カテゴリで選択」であり、第2条件が「同一キーワードで選択」というようなルールを定義しないように組合せ決定部10に記憶させておく。
組合せ決定部10は、残りの条件の組合せにより定義されるルールをそれぞれ適用する試行期間を設け、試行期間経過後、最もクリック率が高かったルールをその後の組み合わせの決定に適用する。この場合においても、上述のように、クーポンのカテゴリなどの属性情報別に、クリック率を集計し、その属性情報ごとにその後に適用するルールを決定してもよい。
このようにして、組合せ決定部10などに、クーポンとバナーの組合せの決定に適用するルールの変更を行わせ、また、ルールの定義自体をおこなわせることにより、例えば、管理者が行う作業を減らすことができる。
また、クーポンとバナーとの組合せの決定に用いられるルールは、クーポンと“同一”のカテゴリ等の属性情報を有するバナーを排除”または“選択”するという条件により定義されるとした。しかしながら、“同一”ではなく“類似”の属性情報を有するバナーを“排除”または“選択”するという条件でルールを定義してもよい。
類似であるか否かは、例えば、属性情報の地域の類否判断の場合、郵便番号を用いてもよく、2つの地域の郵便番号の上3桁が同一であれば、地域が類似しているとしてもよい。
このように、条件の設定に“同一”だけでなく、“類似”であるか否かの判断を加えることにより、より詳細にルールを定義することができる。
また、バナー広告の広告主から徴収する広告料を設定する際、上述のアフィリエイト広告による課金設定や、クリック数に応じた課金設定のような従量制の料金体系でもよく、また、単位期間あたりの定額制の料金体系でもよい。
また、上記の従量制の料金体系である場合、例えば、履歴データ記憶部11に記憶されている履歴データ11aなどを用い、データ管理部7にクリック数等を集計させてもよい。更に、集計結果に基づき、データ管理部7に、広告主ごとの請求データを生成させ、広告主宛に電子メールで送信させてもよい。また、例えば、データ管理部7が生成した請求データを広告主が指定する金融機関に所定の形式でインターネット経由で送信し、その金融機関から広告料を受け取る仕組みであってもよい。こうすることで、例えば、広告料の徴収に掛かる人手を削減することができる。
なお、上述の請求データを生成し送信する場合において、データ管理部7が、本発明のクーポン提供装置における請求額算出手段が有する請求額を算出する機能を発揮し、通信部2が、本発明のクーポン提供装置における請求額送信手段が有する請求額を送信する機能を発揮する。
また、クーポンの発行者に、クーポンの公開に伴う料金を負担させないだけでなく、クーポンサイトが得る広告収入を分配してもよい。
例えば、履歴データ11aの個別履歴データを、クーポンIDごとに集計する。これにより、クーポンごとに、そのクーポンに埋め込まれたバナーのクリック数を集計することができる。
この集計されたクーポンごとのバナークリック数に基づき、例えば、バナー広告の広告主から得た広告料収入の中から、そのバナークリック数に比例する金額をクーポンの発行者に分配してもよい。
この場合、バナークリック数の集計やクーポン発行者への分配金額の決定は、データ管理部7が行えばよい。また、データ管理部7が、発行者ごとに、発行者の指定する金融機関に入金すべき分配金額を示すデータを生成し、通信部2が、クーポンサイトの管理者が指定する金融機関へそのデータを送信してもよい。
このように、Webサーバ1が、クーポンの発行者に広告収入を分配する機能を有することにより、クーポンの発行者に多大な利点を与えることができる。つまり、クーポンの発行者は、無料でクーポンを公開できるだけでなく、クーポンの公開に伴う収入も得ることができる。
これにより、クーポンサイトは、ユーザにとって有用なクーポンをより多く集めることが可能であり、ユーザからのアクセス数を増加させることができる。このように、クーポンサイトをより成長させるための好循環を生み出すことができる。
また、クーポンに埋め込まれるバナーは、画像でなくてもよく、テキストデータをクーポンの中に表示させてもよい。また、アニメーション等の動画でもよい。
また、表示データ生成部12が、テンプレートを用いてクーポンの表示データを生成する場合、テンプレートであるHTMLファイル内の所定の文字列を必要な情報で置換するとした。しかしながら、表示データ生成部12が表示データを生成する方法は、上記方法に限定されるものではない。
上記のように動的に表示データを生成する場合、テンプレートにおいて、特定の文字列により示される位置に必要な情報を挿入してもよい。例えば、テンプレートであるHTMLファイルにおいて、店名を表示する部分に“<!――店名ここから――><!――店名ここまで――>”というコメントタグを記述しておく。表示データ生成部12は、個別登録店データから“○○リゾート”という店名を抽出し、“<!――店名ここから――>○○リゾート<!――店名ここまで――>”のようにコメントタグの間に挿入すればよい。
つまり、必要な情報が表示されるように、テンプレートにそれら情報を埋め込めればよい。
また、ユーザの要求時に表示データであるHTMLを動的に生成するのではなく、予め必要なHTMLファイルを生成しておいてもよい。例えば、クーポンデータ5aに新たに個別クーポンデータが登録された場合、また、既存の個別クーポンデータが修正された場合に、クーポン用のテンプレートを読み出し、必要な情報を埋め込んだHTMLファイルを生成し、テンプレート記憶部8等の記憶装置に記憶させておいてもよい。
また、履歴データ記憶部11に記憶されている履歴データを、ルールの変更以外の目的に使用してもよい。例えば、1カ月ごとにバナーごとのクリック数を集計し、もっともクリックされたバナーをクーポンサイトのトップページに表示するなどしてもよい。また、複数のバナーを、クーポンサイトのトップページに表示できる場合、その集計されたクリック数に応じた並び順でバナーを並べて表示させてもよい。同様に、クリック率に基づいて、バナーのトップページへの表示を決定してもよい。
また、管理者が使用する管理端末50は、インターネットを介しWebサーバ1に接続されているとしたが、管理端末50は、Webサーバ1にLAN(Local Area Network)経由で接続してもよい。また、管理端末50を用いず、Webサーバ1に接続された入力装置および表示装置を用いて、Webサーバ1の管理を行ってもよい。つまり、Webサーバ1を管理できる形態であればよい。