JP3706766B2 - 電子透かし情報の埋め込み方法および抽出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタルデータ、特に画像データなどのマルチメディアデータに対する電子透かし技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、画像データなどのマルチメディアデータに対する著作権保護の観点から、電子透かし技術が注目されつつある。電子透かし技術とは、所定の規則にしたがい、マルチメディアデータに、所定の情報を、少なくとも前記所定の規則を用いることなく当該所定の情報を当該マルチメディアデータから抽出できないように埋め込む技術である。たとえば、所定の規則にしたがい、画像データの購入者などに関する情報を当該画像データ自体に目に見えない形態で埋め込んでおき、不正コピーされた場合に、前記所定の規則にしたがって、不正コピーされたデータから埋め込まれた情報を抽出することで、不正コピーを行った者(すなわち購入者)を特定する。
【0003】
図17は、従来の電子透かし技術による画像データへの情報埋め込み・抽出処理の原理を説明するための図である。
【0004】
図示するように、情報の埋め込み処理に際しては、埋め込みたい情報を構成するビットb1〜bnのうちビットbi(0≦i≦n)について、画像データの予め定められた領域Q1〜Qmにある画素データ各々の輝度を、当該ビットが1ならばUだけ増加させ、0ならばUだけ減少させるように変更する。この処理を埋め込む領域の位置をかえながらビットb1〜bnの全てに対して行うことにより、画像データに電子透かし情報を埋め込む。
【0005】
一方、このようにして埋め込まれた電子透かし情報の抽出処理に際しては、埋め込まれた情報を構成するビットb1〜bnのうちビットbi(0≦i≦n)について、画像データの前記予め定められた領域Q1〜Qm毎に、画素データの輝度値平均Fを求め、この平均の総和ΣFを求める。また、前記予め定められた領域Q1〜Qm各々に隣接する周辺領域毎に、画素データの輝度の平均Rを求め、この平均の総和ΣR(Reference Value)を求める。そして、ΣF−ΣR>Th(ここで、Thは要求される誤り率により異なるが、たとえば、Th≧U×m(mはbiを埋め込んだ領域Qの数)とする)であればbi=1と判断し、ΣF−ΣR<−Thであればbi=0と判断し、そして、−Th<ΣF−ΣR<Thであれば、前記予め定められた領域Q1〜Qmに情報は埋め込まれていないと判断する。この処理をビットb1〜bnの全てに対して行うことにより、画像データに埋め込まれた電子透かし情報を抽出する。
【0006】
電子透かし技術に関しては、1998第56回情報処理学会全国論文集に詳しく述べられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような電子透かし情報が埋め込まれた画像データに、当該画像データを構成する各画素の位置を特定するためのX−Y座標の原点を変更する処理(以下、画像シフト処理と呼ぶこととする)が施された場合、電子透かし情報を構成する各ビットのX−Y座標上での埋め込み位置が変化してしまう。
【0008】
たとえば、図17において、画像データを構成する各画素の位置を特定するためのX−Y座標の原点Oが当該画像データの左上頂点に設定されるものと仮定する。ここで、図18に示すように、電子透かし情報が埋め込まれた画像データの上部がカットされると、電子透かし情報を構成する各ビットb1〜bnのX−Y座標上での埋め込み位置が変化してしまう。
【0009】
この場合、上述したような、電子透かし情報を構成する各ビットのX−Y座標上での埋め込み位置を用いた従来の電子透かし情報抽出処理では、電子透かし情報を構成する各ビットを抽出することができない。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電子透かし情報が埋め込まれた画像データに画像シフト処理が施された場合でも、当該画像シフト処理が施された画像データから電子透かし情報が埋め込まれている位置を特定することが可能な電子透かし技術を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、電子透かし情報b1〜bn(2≦n)各々を、前記複数の領域Sのうちの少なくとも1つに埋め込む、電子透かし情報の埋め込み方法であって、
前記電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと情報が埋め込まれない領域H1〜Hm(1≦m)とでなる所定の配列を有する組が、所定の規則にしたがって複数配置され、且つ、前記複数の領域S各々が、前記領域T1〜Tn、H1〜Hmのいずれかに割り当てられるように、前記電子透かし情報b1〜bnを前記画像データに埋め込むことを特徴とする。
【0012】
ここで、領域Sのサイズ(M×N)は、画像データに施されるであろう画像シフト処理に応じて定めることが好ましい。たとえば、画像シフト処理がX方向およびY方向のそれぞれにおいて、2画素単位で行うことが可能であるならば、領域Sのサイズを2×2画素に設定する。
【0013】
本態様によれば、電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと情報が埋め込まれない領域H1〜Hmとでなる所定の配列を有する組が、所定の規則にしたがい、画像データを分割することで得られる複数の領域S各々が前記領域T1〜Tn、H1〜Hmのいずれかに必ず割り当てられるように、複数配置される。
【0014】
したがって、このようにして電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データに画像シフト処理が施され、このために、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた領域T1〜TnのX−Y座標上における位置が変化した場合でも、この画像シフト処理が施された画像データを複数の領域Sに分割し、当該複数の領域Sから情報が埋め込まれていない領域H1〜Hmを検出することで、当該検出した領域H1〜Hmの画像データ上のX−Y座標値より、当該画像データ上に複数配置された組を各々認識することができる。組内において、電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれた領域T1〜Tnと前記電子透かし情報が埋め込まれていない領域H1〜Hmは、所定の配列を有しているので、各組について、電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれた領域T1〜Tnを特定することができる。
【0015】
本発明の第2の態様は、画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、電子透かし情報b1〜bn(2≦n)各々を前記複数の領域Sのうちの少なくとも1つに埋め込む、電子透かし情報の埋め込み方法であって、
前記電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと前記電子透かし情報b1〜bnの前記領域T1〜Tnへの埋め込み形態を特定する情報p1〜pk(1≦k)が埋め込まれる領域J1〜Jkと情報が埋め込まれない領域H1〜Hm(1≦m)とでなる所定の配列を有する組が、所定の規則にしたがって複数配置され、且つ、前記複数の領域S各々が、前記領域T1〜Tn、J1〜Jk、H1〜Hmのいずれかに割り当てられるように、前記電子透かし情報b1〜bnと前記埋め込み形態を特定する情報p1〜pkを、前記画像データに埋め込むことを特徴とする。
【0016】
ここで、領域Sのサイズ(M×N)は、上述した第1の態様と同様、画像データに施されるであろう画像シフト処理に応じて定めることが好ましい。
【0017】
本態様によれば、電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと前記電子透かし情報b1〜bnの前記領域T1〜Tnへの埋め込み形態を特定する情報p1〜pkが埋め込まれる領域J1〜Jkと情報が埋め込まれない領域H1〜Hmとでなる所定の配列を有する組が、所定の規則にしたがい、画像データを分割することで得られる複数の領域S各々が前記領域T1〜Tn、J1〜Jk、H1〜Hmのいずれかに必ず割り当てられるように、複数配置される。
【0018】
したがって、このようにして電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データに画像シフト処理が施され、このために、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた領域T1〜TnのX−Y座標上における位置が変化した場合でも、この画像シフト処理が施された画像データを複数の領域Sに分割し、当該複数の領域Sから情報が埋め込まれていない領域H1〜Hmを検出することで、当該検出した領域H1〜Hmの画像データ上のX−Y座標値より、当該画像データ上に複数配置された組を各々認識することができる。
【0019】
さらに、本態様では、各組毎に、当該組に属する領域T1〜Tnへの電子透かし情報b1〜bnの埋め込み形態を特定する情報p1〜pkが領域J1〜Jkに埋め込まれる。このため、各組毎に電子透かし情報b1〜bnの埋め込み形態を変えた場合でも、画像データから電子透かし情報b1〜bnを抽出することが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の1実施形態について説明する。
【0021】
まず、本実施形態が適用された電子透かしシステムに用いられる電子透かし情報埋め込み装置について説明する。
【0022】
図1は、本発明の1実施形態が適用された電子透かしシステムに用いられる電子透かし情報埋め込み装置の概略構成図である。
【0023】
図示するように、本実施形態の電子透かし情報埋込み装置1は、処理部100と記憶部110とでなる。
【0024】
処理部100は、画像データや画像データに埋め込むべき電子透かし情報や電子透かし情報が埋め込まれた画像データの入出力を担う入出力部101と、電子透かし情報埋込み装置1の各部を統括的に制御する制御部102と、ブロック分割部103と、情報埋込部104とを有する。
【0025】
記憶部110は、入出力部101を介して入力された画像データを保持する画像保持部111と、入出力部101を介して入力された、画像保持部111で保持している画像データに埋め込むべき電子透かし情報b1〜bn(2≦n)を保持する透かし情報保持部112と、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データを保持する透かし入り画像保持部113と、電子透かし情報b1〜bnを画像データへ埋め込む際のルールを記憶する組配列/配置ルール記憶部114とを有する。
【0026】
ブロック分割部103は、画像保持部111に保持されている画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割する。ここで、領域Sのサイズ(M×N)は、本装置による電子透かし情報埋め込み後に、画像データに施されるであろう画像シフト処理に応じて定めることが好ましい。たとえば、画像シフト処理がX方向およびY方向のそれぞれにおいて、2画素単位で行うことが可能であるならば、図2に示すように、領域Sのサイズを2×2画素に設定する。
【0027】
情報埋込部104は、組配列/配置ルール記憶部114に記憶されたルールにしたがい、透かし情報保持部112に保持された電子透かし情報b1〜bnを画像保持部111に保持された画像データに埋め込む。
【0028】
具体的には、電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと、電子透かし情報b1〜bnの領域T1〜Tnへの埋め込み形態を特定する情報pが埋め込まれる領域Jと、情報が埋め込まれない領域Hとでなる所定の配列を有する組Gが、画像データ上に敷き詰められるように配置され、且つ、ブロック分割部103にて画像データを分割することで得た複数の領域S各々が、領域T1〜Tn、J、Hのいずれかに必ず割り当てられるように、電子透かし情報b1〜bnおよび情報pを画像データに埋め込む。
【0029】
なお、電子透かし情報b1〜bnおよび情報pの画像データへの埋め込みは、従来の技術と同様、情報のビット値(0,1)に応じて、対応する領域の画像データの輝度値をUだけ増減することで行うものとする。ただし、本実施形態では、各組Gのある領域Sに埋め込まれた情報を抽出する際に、当該領域Sの上下左右に位置する領域Sに埋め込まれた情報の影響を受けないようにするため、組G内の各領域Sに対する、埋め込むべき情報のビット値に応じた画素データの輝度値増減方向パターンとして、2種類のパターンを用意している。情報pは、この輝度値増減方向パターンを特定するために用いられる。
【0030】
ここで、各組Gに適用する画像データの輝度値増減方向パターンの設定は、たとえば、図3に示すように、3×3の合計9つの領域S1〜S9からなる組Gを画像データ上に敷き詰めるよう配置する場合、図4に示すように、組G内のすべての領域S1〜S9について、ビット値に対する画素データの輝度値増減方向がすべて同じになる第1のパターンと、上下左右に位置する領域S間において、ビット値に対する画素データの輝度値増減方向が反対となる第2のパターンとを用意する。そして、図5に示すように、画像データ上において上下左右に位置する組G間において、異なる輝度値増減方向パターンが適用されるように設定する。
【0031】
また、組G内の各領域Sへの領域T1〜Tn、J、Hの割り当ては、たとえば以下の条件を満足するように行う。
【0032】
すなわち、適用された輝度増減方向パターンを特定する情報pの画像データからの抽出は、組Gに適用された輝度増減方向パターンが判明される前に行う必要がある。このため、当該情報pが埋め込まれる領域Jは、ビット値に対する画像データの輝度値増減方向がすべての輝度増減方向パターンにおいて同じとなる領域Sに割り当てる。図4に示す例では、領域S1、S3、S5、S7、S9のいずれかに領域Jを割り当てる。
【0033】
また、情報が埋め込まれていない領域Hについて、当該領域に情報が埋め込まれていないことを検出するためには、当該領域の上下左右に位置する領域に埋め込まれた情報による輝度値増減の影響を受けないようにしなけらばならない。このため、情報が埋め込まれない領域Hは、当該領域の上下左右に位置する領域のビット値に対する画像データの輝度値増減方向が輝度増減方向パターンにより反転する領域Sに割り当てる。図4に示す例では、領域S1、S3、S5、S7、S9のいずれかに領域Hを割り当てる。
【0034】
電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれる領域T1〜Tnは、必然的に、領域J,Hが割り当てられた領域以外の領域S1〜S9に割り当てられることになるが、この際、後述する情報が埋め込まれていない領域Hの検出において、誤検出されないようにするために、以下の点に注意することが好ましい。
【0035】
すなわち、領域Ti(1≦i≦n)が、ビット値に対する画像データの輝度値増減方向が輝度増減方向パターンより反転する領域Sに割り当てられた場合、各組Gに付いて求めた領域Ti内の画素データの輝度値平均Fを加算すると、当該領域Tiに埋め込まれた電子透かし情報biのビット値による輝度値増減分がキャンセルされてしまう。したがって、その総和ΣFには情報埋め込みによる輝度値増減分は反映されない。
【0036】
一方、当該領域Tiの上下左右に位置する隣接領域のビット値に対する画像データの輝度値増減方向は、すべての輝度増減方向パターンにおいて同じとなる。このため、各組Gに付いて求めた、これら隣接領域の画素データの輝度値平均Rの総和ΣRには、埋め込まれた情報のビット値による輝度値増減分が反映される。したがって、通常、総和ΣFと総和ΣRとにはある程度の差分が生じる。
【0037】
しかしながら、当該領域Tiの上下左右に位置する隣接領域に埋め込まれた情報のビット値が、2つの領域が1であり、残り2つの領域が0である場合、これら隣接する領域に埋め込まれた画素データの輝度値平均Rをとると、輝度値増減分がキャンセルされてしまう。このため、総和ΣFと総和ΣRとの差分が小さくなり、当該領域Tiを情報が埋め込まれていない領域Hと誤検出してしまうおそれもある。このため、領域Tiが、ビット値に対する画像データの輝度値増減方向が輝度増減方向パターンより反転する領域Sに割り当てられる場合、当該領域Sの上下左右に位置する隣接領域の1つに情報が埋め込まれていない領域Hを割り当てるようにし、これら隣接する領域に埋め込まれた画素データの輝度値平均Rに、埋め込まれた情報のビット値による輝度値増減分が反映されるようにしておく。
【0038】
図4および図5に示す例では、組G内の領域S1〜S9への領域T1〜Tn、J、Hの割り当てを、たとえば、図6に示すようにすることで、上記の条件を満足することができる。
【0039】
次に、本実施形態が適用された電子透かし情報埋込み装置のハードウエア構成について説明する。
【0040】
図7は図1に示す電子透かし情報埋込み装置1のハードウエア構成の一例を示す図である。
【0041】
図示するように、本実施形態の電子透かし情報埋込み装置は、CPU201と、メモリ202と、ハードディスク装置などの外部記憶装置203やその他の外部記憶装置204と、キーボードなどの入力装置205と、ディスプレイなどの出力装置206と、外部記憶装置や入出力装置とのインターフェース207とを備えた、一般的な構成を有する情報処理装置上に構築することができる。ここで、図1に示す処理部100の各部は、CPU201がメモリ202上にロードされたプログラムを実行することで、情報処理装置上に具現化されるプロセスとして実現される。また、この場合、メモリ202や外部記憶装置203、204が図1に示す記憶部110として使用される。
【0042】
上述した、CPU201により実行されることで情報処理装置上に本実施形態の電子透かし情報埋込み装置を具現化するためのプログラムは、予め外部記憶装置203に記憶され、必要に応じてメモリ202上にロードされ、CPU201により実行される。あるいは、可搬性の記憶媒体208、たとえばCD−ROMを扱う外部記憶装置204を介して、必要に応じて、可搬性の記憶媒体208からメモリ202上にロードされ、CPU201により実行される。もしくは、一旦、外部記憶装置204を介して、可搬性の記憶媒体208から外部記憶装置203にインストールされた後、必要に応じて、外部記憶装置203からメモリ202上にロードされ、CPU201により実行される。さらには、図示していないネットワーク接続装置を介して、ネットワーク経由で、一旦外部記憶装置203にダウンロードされてからメモリ202上にロードされ、あるいは、直接、ネットワーク経由でメモリ202上にロードされて、CPU201により実行される。
【0043】
次に、本実施形態が適用された電子透かし情報埋込み装置の動作について説明する。
【0044】
図8は図1に示す電子透かし情報埋込み装置1の動作を説明するためのフロー図である。このフローは、制御部102が、入出力部101と協調して、画像データと電子透かし情報b1〜bnを、それぞれ、画像保持部111、透かし情報保持部112に保持させることにより開始される。
【0045】
まず、ブロック分割部103は、先に図2を用いて説明したように、組配列/配置ルール記憶部114に記憶されたルールにしたがい、画像保持部111に保持された画像データを予め定められたM×N(1≦M,N)の画素でなる複数の領域Sに分割する(ステップS1001)。
【0046】
次に、情報埋込部104は、先に図2乃至図5を用いて説明したように、組配列/配置ルール記憶部114に記憶されたルールにしたがい、各組Gに適用する輝度値増減方向パターン(第1あるいは第2パターン)を設定する(ステップS1002)。それから、組配列/配置ルール記憶部114に記憶されたルールにしたがい、先に図6を用いて説明したように、電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと輝度値増減パターンを特定する情報pが埋め込まれる領域Jと情報が埋め込まれない領域Hとでなる所定の配列を有する組Gが、画像データ上に敷き詰められるように順次配置され、且つ、ブロック分割部103にて画像データを分割することで得た複数の領域S各々が領域T1〜Tn、J、Hのいずれかに必ず割り当てられるように、領域T1〜Tn、J、Hを複数の領域Sに割り当てる(ステップS1003)。
【0047】
次に、情報埋込部104は、透かし情報保持部112より1ビット分の電子透かし情報bi(1≦i≦n)を読み出す(ステップS1004)。それから、読み出した電子透かし情報biを、ステップS1002で割り当てた各組Gの対応する領域Tiに、ステップS1002で設定した各組Gの輝度値増減方向パターンにしたがい、電子透かし情報biのビット値に応じて該領域Ti内の画素データの輝度値をUだけ増減することで、埋め込む(ステップS1005)。
【0048】
次に、上記のステップS1004、S1005の処理が、透かし情報保持部112に保持された電子透かし情報b1〜bnのすべてに対して行なわれると(ステップS1006)、情報埋込部104は、各組Gの領域Jに、ステップS1003で設定された輝度値増減方向パターン(第1あるいは第2パターン)を識別する情報pを埋め込む(ステップS1007)。なお、上述したように、情報pの領域Jへの埋め込みついては、すべての輝度値増減方向パターンにおいて、ビット値に対する画素データの輝度値増減方向が同じになる。
【0049】
各組Gの領域Jへの情報pの埋め込みが終了すると、すなわち、電子透かし情報b1〜bnと各組Gの電子透かし情報の埋め込み形態を特定する情報pの画像データへの埋め込みが終了すると、処理後の画像データを透かし入り画像保持部113に保持させて、本フローを終了する。この画像保持部113に保持された画像データは、透かし入り画像データとして、必要に応じて入出力部101から出力される。
【0050】
次に、本実施形態が適用された電子透かしシステムに用いられる電子透かし情報抽出装置について説明する。
【0051】
図9は、本発明の1実施形態が適用された電子透かしシステムに用いられる電子透かし情報抽出装置の概略構成図である。
【0052】
図示するように、本実施形態の電子透かし情報抽出装置3は、処理部300と記憶部310とでなる。
【0053】
処理部301は、電子透かし情報が埋め込まれた画像データや当該画像データから抽出した電子透かし情報の入出力を担う入出力部301と、電子透かし情報抽出装置3の各部を統括的に制御する制御部302と、ブロック分割部303と、組認識部304と、情報抽出部305とを有する。
【0054】
記憶部310は、入出力部301を介して入力された、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データを保持する画像保持部311と、電子透かし情報b1〜bnを画像データから抽出する際のルールを記憶する組配列/配置ルール記憶部312と、画像データより抽出された電子透かし情報b1〜bnを保持する透かし情報保持部313とを有する。ここで、組配列/配置ルール記憶部312に記憶されるルールは、図1に示す電子透かし情報埋込み装置1の組配列/配置ルール記憶部114に記憶されるルールと同じである。
【0055】
ブロック分割部303は、画像保持部311に保持されている電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データを、図1に示す電子透かし情報埋込み装置1のブロック分割部303と同じ要領で、M×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割する。ここで、領域Sのサイズ(M×N)は、図1に示す電子透かし情報埋込み装置1のブロック分割部303で設定されている領域Sのサイズと同じに設定しておく。
【0056】
組認識部304は、組配列/配置ルール記憶部312に記憶されたルールにしたがい、画像保持部311に保持されている電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データに複数配置された各組Gの位置を認識する。具体的には、以下の要領で行う。
【0057】
先ず、ブロック分割部303で複数の領域Sに分割された画像データに、組配列/配置ルール記憶部312に記憶されたルールによって特定される組Gと同じサイズ・形状の仮の組G’を、組配列/配置ルール記憶部312に記憶されたルールによって特定される所定の規則にしたがい配置する(つまり、画像データ上に敷き詰められるように配置する)。
【0058】
次に、上記のようにして画像データ上に配置された仮の組G’各々の領域Sについて、情報が埋め込まれているか否かを調べ、情報が埋め込まれていない領域Hを検出する。
【0059】
具体的には、たとえば、図3に示すような3×3の合計9つの領域S1〜S9からなる組Gと同じサイズ・形状の仮の組G’を画像データ上に敷き詰めるよう配置した場合、領域Si(1≦i≦9)について、各仮の組G’毎に、当該領域Si内の画素データの輝度値平均Fを求め、この平均の総和ΣFを求める。また、各仮の組G’毎に、当該領域Siの上下左右に位置する隣接領域の画素データの輝度値平均Rを求め、この平均の総和ΣRを求める。そして、|ΣF−ΣR|≧Th(ここで、Thは要求される誤り率により異なるが、たとえば、Th≧U×m(mは画像データ上に配置された仮の組G’の数)とする)であれば、当該領域Siに何らかの情報が埋め込まれていると判断し、|ΣF−ΣR|<Thであれば、当該領域Siには情報が埋め込まれていないと判断する。この処理を領域S1〜S9の全てに対して行うことにより、情報が埋め込まれていない領域を検出する。
【0060】
上述したように、情報が埋め込まれていない領域H以外に割り当てられた領域について、当該領域が、ビット値に対する画像データの輝度値増減方向がすべての輝度増減方向パターンにおいて同じ領域Sに割り当てられている場合、各仮の組G’毎に求めた、当該領域の画素データの輝度値平均Fの総和ΣFには、当該領域に埋め込まれた情報による輝度値増減が反映される。一方、各仮の組G’毎に求めた、当該領域の上下左右に位置する隣接領域の画素データの輝度値平均Rの総和ΣRには、これら隣接領域のビット値に対する画像データの輝度値増減方向が輝度増減方向パターンにより反転するため、埋め込まれた情報による輝度値増減がキャンセルされる。したがい、総和ΣFと総和ΣRにはある程度の差が生じる。
【0061】
また、情報が埋め込まれていない領域H以外に割り当てられた領域について、当該領域が、ビット値に対する画像データの輝度値増減方向が輝度増減方向パターンにより反転する領域Sに割り当てられている場合、各仮の組G’毎に求めた、当該領域の画素データの輝度値平均Fの総和ΣFには、当該領域に埋め込まれた情報による輝度値増減がキャンセルされる。一方、各仮の組G’毎に求めた、当該領域の上下左右に位置する隣接領域の画素データの輝度値平均Rの総和ΣRには、これら隣接領域のビット値に対する画像データの輝度値増減方向がすべての輝度増減方向パターンで同じであり、かつ、これら4つの隣接領域のうちの1つは、情報が埋め込まれていない領域Hであるため、その他の3つの隣接領域に埋め込まれた情報による輝度値増減が反映される。したがい、総和ΣFと総和ΣRにはある程度の差が生じる。
【0062】
これに対し、情報が埋め込まれない領域Hは、当該領域の上下左右に位置する隣接領域のビット値に対する画像データの輝度値増減方向が輝度増減方向パターンにより反転する領域Sに割り当てられている。このため、各仮の組G’毎に求めた、当該領域の上下左右に位置する隣接領域の画素データの輝度値平均Rの総和ΣRには、埋め込まれた情報による輝度値増減がキャンセルされる。一方、領域Hには、そもそも情報が埋め込まれていないのであるから、各仮の組G’毎に求めた、当該領域の画素データの輝度値平均Fの総和ΣFには、情報埋め込みによる輝度値増減がない。したがい、総和ΣFと総和ΣRとの間に生じる差は小さくなる。
【0063】
このため、領域Siについて、各仮の組G’毎に求めた総和ΣFと総和ΣRとの差分を求めることで、情報pが埋め込まれていない領域Hを検出することができる。
【0064】
次に、上記のようにして、情報が埋め込まれていない領域Hを検出したならば、この領域Hの画像データ上の位置から、画像データ上に複数配置された、電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれた領域T1〜Tnと画像データの輝度値増減方向パターンを特定する情報pが埋め込まれた領域Jと情報が埋め込まれていない領域Hとでなる、組配列/配置ルール記憶部312に記憶されたルールによって特定される所定の配列を有する組Gを認識する。
【0065】
たとえば、図6に示すように、電子透かし情報b1〜b7が各々埋め込まれた領域T1〜T7と情報pが埋め込まれた領域Jと情報が埋め込まれていない領域Hが3×3の合計9つの領域Sに所定の配列で割り当てられてなる組Gが、画像データ上に敷き詰められるように順次配置されることにより、電子透かし情報b1〜b7が画像データに埋め込まれている場合において、この画像データの上部2画素ライン分がカットされ画像シフトが生じた場合を考える。
【0066】
この場合、仮の組G’は、図10に示すように割り当てられるが、本実施形態では、電子透かし情報を画像データに埋め込む際に、電子透かし情報b1〜b7が各々埋め込まれる領域T1〜T7と情報pが埋め込まれる領域Jと電子透かし情報が埋め込まれない領域Hが3×3の合計9つの領域Sに所定の配列で割り当てられてなる組Gが、画像データ上に敷き詰められるように順次配置しているので、各仮の組G’には情報が埋め込まれない領域Hが必ず含まれることになる。
【0067】
このため、画像データから情報が埋め込まれていない領域Hを検出をすることで、図11に示すように、この領域Hの画像データ上の位置から、画像データ上に複数配置された組Gを各々認識することができる。
【0068】
情報抽出部305は、組認識部304で認識された各組Gの配置にしたがい、画像保持部311に保持されている電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データから電子透かし情報b1〜bnを抽出する。
【0069】
具体的には、先ず、組認識部304で認識された各組Gの領域Jより情報pを抽出し、各組Gへの情報埋め込みに用いた輝度値増減方向パターンを調べる。なお、領域Jよりの情報pの抽出は、領域J内の画素データの輝度値平均Fと当該領域の上下左右に位置する隣接領域の画素データの輝度値平均Rとの差分F−Rを調べ、その差分F−Rが所定の閾値+Th(情報埋め込みの際に用いたUよりもやや低めに設定する)以上である場合は、その領域に埋め込めれている情報pはビット値が1であると判断し、その差分F−Rが所定の閾値−Th以下の場合は、その領域に埋め込めれている情報pはビット値が0であると判断する。
【0070】
次に、各組Gの領域Jに埋め込まれた情報pの値が判明したならば、当該情報pにより特定される輝度値増減方向パターンを考慮しつつ、領域Ti(1≦i≦n)について、当該領域内の各画素データの輝度値平均Fと当該領域の上下左右に位置する隣接領域の画素データの輝度値平均Rとの差分を、各組Gより抽出する。ここで、情報pにより特定される輝度値増減方向パターンを考慮するとは、ある組Gの情報pにより特定される輝度値増減方向パターンが、当該組Gの領域Tiに対し、ビットが1ならばUだけ増加させ、0ならばUだけ減少させるように電子透かし情報biが埋め込まれたことを示している場合、平均Fと平均Rとの差分としてF−Rを抽出し、該輝度値増減方向パターンが、ビットが1ならばUだけ減少させ、0ならばUだけ増加させるように電子透かし情報biが埋め込まれたことを示している場合は、平均Fと平均Rとの差分としてR−Fを抽出することで、ビット値に対する画素データの輝度値増減方向の相違によるビット値に対する、前記差分の符号の相違を打ち消すことを意味する。
【0071】
上記のようにして、領域Tiについて、当該領域内の画素データの輝度値平均Fと当該領域の上下左右に位置する隣接領域の画素データの輝度値平均Rとの差分を各組Gより抽出したならば、当該差分の総和Zを求め、この総和Zを所定の閾値W(情報埋め込みの際に用いたUよりもやや低めに設定した閾値Th×組認識部304で認識された組数に設定する)と比較することで、電子透かし情報biのビット値を調べる。たとえば、総和Zが閾値+W以上の場合は、電子透かし情報biのビット値を1と判定し、閾値−W以下の場合は、電子透かし情報biのビット値を0と判定する。
【0072】
以上の処理を領域T1〜Tnのすべてについて行うことにより、画像データから電子透かし情報b1〜bnを抽出する。
【0073】
次に、本実施形態が適用された電子透かし情報抽出装置のハードウエア構成について説明する。
【0074】
本実施形態の電子透かし情報抽出装置のハードウエア構成は、図7に示す電子透かし情報埋込み装置のハードウエア構成と基本的に同様である。すなわち、CPU201と、メモリ202と、ハードディスク装置などの外部記憶装置203やその他の外部記憶装置204と、キーボードなどの入力装置205と、ディスプレイなどの出力装置206と、外部記憶装置や入出力装置とのインターフェース207とを備えた、一般的な構成を有する情報処理装置上に構築することができる。ここで、図9に示す処理部300の各部は、CPU201がメモリ202上にロードされたプログラムを実行することで、情報処理装置上に具現化されるプロセスとして実現される。また、この場合、メモリ202や外部記憶装置203、204が図9に示す記憶部310として使用される。
【0075】
上述した、CPU201により実行されることで情報処理装置上に本実施形態の電子透かし情報抽出装置を具現化するためのプログラムは、予め外部記憶装置203に記憶され、必要に応じてメモリ202上にロードされ、CPU201により実行される。あるいは、可搬性の記憶媒体208、たとえばCD−ROMを扱う外部記憶装置204を介して、必要に応じて、可搬性の記憶媒体208からメモリ202上にロードされ、CPU201により実行される。もしくは、一旦、外部記憶装置204を介して、可搬性の記憶媒体208から外部記憶装置203にインストールされた後、必要に応じて、外部記憶装置203からメモリ202上にロードされ、CPU201により実行される。さらには、図示していないネットワーク接続装置を介して、ネットワーク経由で、一旦外部記憶装置203にダウンロードされてからメモリ202上にロードされ、あるいは、直接、ネットワーク経由でメモリ202上にロードされ、CPU201により実行される。
【0076】
なお、本実施形態の電子透かしシステムに用いられる電子透かし情報埋込み装置と電子透かし情報抽出装置は、同じ情報処理装置上に構築することも可能である。
【0077】
次に、本実施形態が適用された電子透かし情報抽出装置の動作について説明する。
【0078】
図12は図9に示す電子透かし情報抽出装置3の動作を説明するためのフロー図である。このフローは、制御部302が、入出力部301と協調して、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データを、画像保持部311に保持させることにより開始される。
【0079】
まず、ブロック分割部303は、画像保持部311に保持された画像データを、図1に示す電子透かし情報埋込み抽出装置1のブロック分割部303で設定されているサイズの複数の領域Sに分割する(ステップS3001)。
【0080】
次に、組認識部304は、先に図10を用いて説明したように、ステップS3001で複数の領域Sに分割された画像データに、組配列/配置ルール記憶部312に記憶されたルールによって特定される組Gと同じサイズ・形状の仮の組G’を、組配列/配置ルール記憶部312に記憶されたルールによって特定される所定の規則にしたがい配置する(ステップS3002)。
【0081】
次に、組認識部304は、上述したように、画像データ上に配置された各仮の組G’において情報が埋め込まれていない領域Hを検出する(ステップS3003)。
【0082】
それから、組認識部304は、先に図11を用いて説明したように、検出した領域Hの画像データ上の位置から、画像データ上に複数配置された、電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれた領域T1〜Tnと輝度値増減方向パターンを特定する情報pが埋め込まれた領域Jと情報が埋め込まれない領域Hとでなる、組配列/配置ルール記憶部312に記憶されたルールによって特定される所定の配列を有する組Gを認識する(ステップS3004)。
【0083】
組認識部304による組Gの認識が終了すると、情報抽出部305は、組認識部304で認識された各組Gの領域Jより情報pを抽出し、ビット値を調べることで、各組Gに用いられた輝度値増減方向パターンを判定する(ステップS3005)。
【0084】
次に、情報抽出部305は、組認識部304で認識された各組Gの領域T1〜Tnのうち、領域Tiに注目する(ステップS3006)。
【0085】
次に、情報抽出部305は、ある組Gについて、当該組Gの領域Ti内の各画素データの輝度値平均Fを求め(ステップS3007)、それから、当該領域Tiの上下左右に位置する隣接領域の画素データの輝度値平均Rを求める(ステップS3008)。そして、当該組Gについて、ステップS3005で判定した輝度値増減方向パターンにより特定される領域Tiへの電子透かし情報biの埋め込みに用いた画素データの輝度増減方向にしたがい、平均Fと平均Rとの差分を求める(ステップS3009)。具体的には、当該組Gに対する輝度値増減方向パターンが、領域Tiに対し、ビットが1ならばUだけ増加させ、0ならばUだけ減少させるように電子透かし情報biが埋め込まれたことを示している場合は、平均Fと平均Rとの差分としてF−Rを求め、該輝度値増減方向パターンが、ビットが1ならばUだけ減少させ、0ならばUだけ増加させるように電子透かし情報biが埋め込まれたことを示している場合は、平均Fと平均Rとの差分としてR−Fを求める。
【0086】
次に、情報抽出部305は、ステップS3006で注目した領域Tiについて、組認識部304で認識したすべての組Gに対してステップS3007〜S3009の処理が終了したならば(ステップS3010)、領域Tiについて、ステップS3009にてすべての組Gに対して求めた差分の総和Zを求め、この差分の総和Zを所定の閾値W(情報埋め込みの際に用いたUよりもやや低めに設定した閾値Th×組認識部304で認識された組数に設定する)と比較する(ステップS3011)。そして、総和Zが閾値+W以上の場合は、各組Gの領域Tiに埋め込まれた電子透かし情報biは1と判定し(ステップS3012)、総和Zが閾値−W以下の場合は、電子透かし情報biのビット値は0と判定する(ステップS3013)。なお、総和Zが閾値+W以上でなく、閾値−W以下でもない場合は、本来領域Tiに埋め込まれるべき電子透かし情報biが埋め込まれていないことを意味する。この場合、本実施形態の電子透かし情報埋込み装置により電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データに、画像シフト以外の処理(たえば、回転処理や拡大・縮小処理)が施された可能性があるので、エラー処理を行って(ステップS3014)、本フローを終了する。
【0087】
電子透かし情報が埋め込まれた領域T1〜Tnのすべてについて、ステップS3006〜S3011の処理が終了すると(ステップS3015)、情報抽出部304は、電子透かし情報b1〜bnのビット値を透かし情報保持部313に保持させて、本フローを終了する。この透かし情報保持部313に保持された画像データは、電子透かし情報として必要に応じて入出力部301から出力される。
【0088】
以上、本発明の1実施形態について説明した。
【0089】
本実施形態によれば、電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと前記電子透かし情報b1〜bnの前記領域T1〜Tnへの埋め込み形態(輝度値増減方向パターン)を特定する情報pが埋め込まれる領域Jと情報が埋め込まれない領域Hとでなる所定の配列を有する組Gが画像データ上に敷き詰められるように順次配置され、且つ、画像データを分割することで得られる複数の領域S各々が領域T1〜Tn、J、Hのいずれかに割り当てられるようにして、電子透かし情報b1〜bnおよび情報pを画像データに埋め込むようにしている。
【0090】
したがって、このようにして電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データに画像シフト処理が施され、このために、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた領域T1〜TnのX−Y座標上における位置が変化した場合でも、この画像シフト処理が施された画像データを複数の領域Sに分割し、当該複数の領域Sから情報が埋め込まれていない領域Hを検出することで、当該検出した領域Hの画像データ上のX−Y座標値より、当該画像データ上に複数配置された組Gを各々認識することができる。
【0091】
特に、本実施形態では、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データに対して、先ず、電子透かし情報埋め込みの際に用いた組Gと同じ形状・サイズを持つ仮の組G’を、電子透かし情報埋め込みの際における該組Gの配置ルールにしたがって配置し、次に、このようにして画像データ上に順次配置した各仮の組G’の領域Sを調べることで、情報が埋め込まれていない領域Hを検出し、それから、検出した領域Hの画像データ上のX−Y座標値より、当該画像データ上に複数配置された組Gを各々認識することにより、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データ上の領域T1〜Tnを検出するようにしている。
【0092】
すなわち、本実施形態によれば、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データ上の領域T1〜Tnの検出位置を特定するに際し、仮の組G’内に含まれる領域Sの数に応じた回数、差分|ΣF−ΣR|を算出して、情報が埋め込まれているか否かを調べればよいので、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データ上の領域T1〜Tnの検出位置の特定を高速に実行することができる。この効果は、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データに、画像シフト以外の処理(たえば、回転処理や拡大・縮小処理)が施された場合に、これらの処理をも考慮して、画像データ上の領域T1〜Tnの検出位置を特定できるように電子透かし抽出装置が構成されている場合に特に効果的である。
【0093】
本発明者等は、電子透かし情報b1〜bn各々について(該情報を画像データに埋め込む者との間で)予め定められたX−Y座標上における画像データへの埋め込み位置を調べる処理を、すべての埋め込み位置から対応する電子透かし情報b1〜bnが検出されるまで、画像データに対し、当該画像データに施されたであろう左右反転や拡大・縮小処理や回転処理と同じ変形処理を施しながら繰り返すことで、電子透かし情報b1〜bn埋め込み後に可逆的な幾何学的変形(変形前の画像データを復元可能な変形)が加えられた画像データから、電子透かし情報b1〜bnを抽出する方法について発明し、すでに出願している(出願番号:特願平10−343119)。
【0094】
この方法を画像シフト処理にも適用することは可能である。すなわち、画像データのX−Y座標上の原点Oを変更する処理を、上記の変形処理と組み合わせて施しながら繰り返すことで、電子透かし情報b1〜bn埋め込み後に可逆的な幾何学的変形および画像シフト処理が加えられた画像データから、電子透かし情報b1〜bnを抽出することも可能である。しかしながら、この場合、電子透かし情報b1〜bn各々の検出位置を特定するための探索回数が極端に増加してしまい、処理にかかる負担が飛躍的に増加してしまう。
【0095】
図13は、画像データに施されたであろう左右反転や拡大・縮小処理や回転処理と同じ変形処理を当該画像データから電子透かし情報b1〜bnが抽出されるまで繰り返し行う方法を、画像シフト処理による変形にも適用させた場合(図13(a))と、当該方法に本実施形態の抽出方法を組み合わせた場合(図13(b))における処理負担の相違を説明するためのフロー図である。
【0096】
図13(a)において、画像データに施す回転処理を1度づつ360度行い、拡大・縮小処理を0.5倍〜2.0倍の範囲で拡大率を0.1倍刻みで行うとすると、左右反転と回転処理と拡大・縮小処理の組み合わせのために必要となる、電子透かし情報b1〜bn抽出のための探索回数は、最大で2回(左右反転処理回数)×360回(回転処理回数)×21回(拡大・縮小処理回数)=15120回となる。これに画像シフト処理が加わると探索回数が飛躍的に増加してしまう。すなわち、画像データを構成する各画素データ数は膨大であり、また、各画素データの位置を特定するX−Y座標の原点Oの位置は、常に画像データ上に位置するとは限らないため(たとえば、図18に示すように、画像データの一部がカットされた場合において、カット前の原点Oがカットされた部分に位置している場合も有り得る)、X−Y座標の原点Oの位置の探索回数は膨大となる。これが、上記の探索回数15120に乗算されるため、フローのルーチン回数は膨大となってしまう。
【0097】
これに対し、本実施形態を適用した場合によれば、図13(b)に示すように、フローのルーチン回数は、画像シフト処理に対する対策を施さない場合と基本的に変わらない。
【0098】
このように、本実施形態は、電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データに、画像シフト以外の幾何学的変形処理が施された場合に、これらの処理をも考慮して、画像データ上の領域T1〜Tnの検出位置を特定できるように電子透かし抽出装置が構成されている場合に特に効果的である。
【0099】
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0100】
たとえば、上記の実施形態では、電子透かし情報の画像データへの埋め込みに際し、各組G毎に、情報が埋め込まれていない領域Hが1つ割り当てられるようにしたものについて説明したが、各組G毎に、情報が埋め込まれていない領域Hが複数割り当てられるようにしてもよい。この場合、図14に示すように、各組G毎に、複数の領域Hを、上下左右に対して非対称となるよう割り当てておくと、情報抽出の際に、この複数の領域Hの配列を調べることで、図15に示すように画像データに加えられた左右反転や、図16に示すように画像データに加えられた回転などを併せて検出することが可能となる。
【0101】
また、図14に示す上下左右に対して非対称となる、情報が埋め込まれていない複数の領域Hに代えて、たとえば、ビット値が1となる情報を埋め込んだ領域を配置するようにしてもよい。そして、ビット値1を有する領域であって、このような配列を有する領域を検出することで、画像データ上における組Gの配置を特定するようにしてもよい。
【0102】
また、本実施形態では、電子透かし情報の画像データへの埋め込みに際し、各組Gに適用する輝度値増減方向パターンとして、図4に示すような2種類のパターンを用いたものについて説明したが、3種類以上のパターンを用いるようにしてもかまわない。この場合、この3種類以上のパターンを特定する情報p1〜pk(kはパターンの数に応じて定まる)を、各組Gの領域に割り当てるようにすればよい。また、パターンの組み合わせも、情報が埋め込まれていない領域Hの画素データの輝度値平均Fの各組Gについての総和ΣFと当該領域の上下左右に位置する隣接領域の画素データの輝度値平均Rの総和ΣRとの差分に、これら隣接領域に埋め込まれた情報による輝度値増減の影響を受けないものであれば、どのようなものであってもよい。また、情報が埋め込まれていない領域Hを、何らかの方法により、当該領域Hの上下左右に位置する隣接領域に埋め込まれた情報の影響を受けることなく検出可能であるならば、用いるパターンを1種類のみとしてもよい。この場合、情報pを埋め込む領域Jは不要となる。なお、この場合の画像データからの電子透かし情報の抽出は、たとえば、情報が埋め込まれていない領域Hに隣接する領域Ti(1≦i≦n)について、当該領域内の画素データの輝度値平均Fと、情報が埋め込まれていない領域Hの画素データの輝度値平均Rとの差分F−Rを、各組Gについて求め、求めた差分F−Rの総和Σ(F−R)と閾値とを比較することで、前記領域Tiに埋め込まれた情報のビット値を判定する。次に、埋め込まれた情報のビット値が判定された領域Tiに隣接する領域Tj(1≦j≦n,j≠i)について、当該領域Tj内の画素データの輝度値平均Fと、領域Tiの画素データの輝度値平均Rから領域Tiに埋め込まれた情報のビット値に応じた輝度増減値を引いた値R’の差分F−R’を、各組Gについて求め、求めた差分F−R’の総和Σ(F−R’)と閾値とを比較することで、前記領域Tjに埋め込まれた情報のビット値を判定する。この処理を電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた領域T1〜Tnのすべてに対して行うことで、画像データから電子透かし情報b1〜bnを抽出するようにすれば、領域Tiの隣接領域に埋め込まれた情報の影響を受けることなく、領域Tiに埋め込まれた情報のビット値を精度よく判定することが可能となる。
【0103】
また、本実施形態では、情報を埋め込む領域の画素データの輝度値をビット値に応じて増減することで、当該領域に情報を埋め込んでいるが、輝度値の代えてその他のデータ値に変更を加えるようにすることで、当該領域に情報を埋め込むようにしてもよい。
【0104】
さらに、本実施形態では、電子透かし情報を埋め込む対象として、静止画像データの場合を例にとり説明しているが、本発明は、当然のことながら、動画像データにも適用可能である。この場合、フレームあるいはフィールド画像データを単位として、電子透かし情報を埋め込むようにすればよい。また、動画像データにMPEGなどのフレームあるいはフィールド間予測符号化が施されている場合には、Iフレームに電子透かし情報を埋め込むようにすればよい。
【0105】
さらに、本実施形態により画像データに埋め込まれた電子透かし情報を、当該画像データに施された回転や拡大・縮小を検出するためのキャリブレーション用透かしとして用いるようにしてもよい。
【0106】
すなわち、本実施形態のようにして電子透かし情報を画像データに埋め込んだ後、著作権などの電子透かし情報を別の方法(たとえば、従来の技術で説明した方法にて、情報の埋め込みの際に輝度値増減の変わりに色情報に変更を加える方法)により、画像データに埋め込む。
【0107】
そして、画像データから著作権などの電子透かし情報を抽出する場合には、先ず、画像データを構成する各画素データについて、隣接画素データとの輝度値の差分を調べることで、画像データ上において情報が埋め込まれていない領域を検出する。次いで、検出した領域のサイズおよび配置パターンが、上記の実施形態のようにして電子透かし情報を画像データに埋め込んだ際における、領域Sのサイズ、および、組G内の領域の配列パターンと組Gの画像データ上での配置パターンにより特定される情報が埋め込まれていない領域の配置パターンと同じになるように、画像データに反転処理や回転処理を加える。これにより、電子透かし情報を埋め込んだ際の画像データを復元する。著作権などの電子透かし情報が埋め込まれた位置の前記情報が埋め込まれていない領域からの相対位置を予め把握しておくことで、当該情報を画像データから抽出することができる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電子透かし情報が埋め込まれた画像データに画像シフト処理が施された場合でも、当該画像シフト処理が施された画像データから電子透かし情報が埋め込まれている位置を特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態が適用された電子透かしシステムに用いられる電子透かし情報埋め込み装置1の概略構成図である。
【図2】図1に示す電子透かし情報埋め込み装置1のブロック分割部103の動作原理を説明するための図である。
【図3】図1に示す電子透かし情報埋め込み装置1の情報埋込部104の動作原理を説明するための図である。
【図4】図1に示す電子透かし情報埋め込み装置1の情報埋込部104の動作原理を説明するための図である。
【図5】図1に示す電子透かし情報埋め込み装置1の情報埋込部104の動作原理を説明するための図である。
【図6】図1に示す電子透かし情報埋め込み装置1の情報埋込部104の動作原理を説明するための図である。
【図7】図1に示す電子透かし情報埋込み装置1のハードウエア構成の一例を示す図である。
【図8】図1に示す電子透かし情報埋込み装置1の動作を説明するためのフロー図である。
【図9】本発明の1実施形態が適用された電子透かしシステムに用いられる電子透かし情報抽出装置3の概略構成図である。
【図10】図9に示す電子透かし情報抽出装置3の組認識部304の動作原理を説明するための図である。
【図11】図9に示す電子透かし情報抽出装置3の組認識部304の動作原理を説明するための図である。
【図12】図9に示す電子透かし情報抽出装置3の動作を説明するためのフロー図である。
【図13】画像データに施されたであろう左右反転や拡大・縮小処理や回転処理と同じ変形処理を当該画像データから電子透かし情報b1〜bnが抽出されるまで繰り返し行う方法を、画像シフト処理による変形にも適用させた場合(図13(a))と、当該方法に本発明の抽出方法を組み合わせた場合(図13(b))における処理負担の相違を説明するためのフロー図である。
【図14】図1に示す電子透かし情報埋め込み装置1の情報埋込部104において、画像データに対する組Gの配置パターンの変形例を説明するための図である。
【図15】図14に示す組Gの配置パターンを有する画像データに反転処理が加えられた様子を説明するための図である。
【図16】図14に示す組Gの配置パターンを有する画像データに180度回転処理が加えられた様子を説明するための図である。
【図17】従来の電子透かし技術による画像データへの情報埋め込み・抽出処理の原理を説明するための図である。
【図18】従来の電子透かし技術による画像データへの情報埋め込み・抽出処理において、画像データに画像シフト処理が施された場合の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1…電子透かし情報埋込み装置
3…電子透かし情報抽出装置
100,300…処理部
101,301…入出力部
103,303…ブロック分割部
104,305…情報埋込部
110,310…記憶部
111,311…画像保持部
112,313…透かし情報保持部
113…透かし入り画像保持部
114,312…組配列/配置ルール記憶部
201…CPU
202…メモリ
203,204…外部記憶装置
205…入力装置
206…出力装置
607…インターフェース
208…記憶媒体
314…組認識部
Claims (10)
- 画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、電子透かし情報b1〜bn(2≦n)各々を、前記複数の領域Sのうちの少なくとも1つに埋め込む、電子透かし情報の埋め込み方法であって、
前記電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと情報が埋め込まれない領域H1〜Hm(1≦m)とでなる所定の配列を有する組が、所定の規則にしたがって複数配置され、且つ、前記複数の領域S各々が、前記領域T1〜Tn、H1〜Hmのいずれかに割り当てられるように、前記電子透かし情報b1〜bnを前記画像データに埋め込むこと
を特徴とする電子透かし情報の埋め込み方法。 - 画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、電子透かし情報b1〜bn(2≦n)各々を、前記複数の領域Sのうちの少なくとも1つに埋め込む、電子透かし情報の埋め込み方法であって、
前記電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと前記電子透かし情報b1〜bnの前記領域T1〜Tnへの埋め込み形態を特定する情報p1〜pk(1≦k)が埋め込まれる領域J1〜Jkと情報が埋め込まれない領域H1〜Hm(1≦m)とでなる所定の配列を有する組が、所定の規則にしたがって複数配置され、且つ、前記複数の領域S各々が、前記領域T1〜Tn、J1〜Jk、H1〜Hmのいずれかに割り当てられるように、前記電子透かし情報b1〜bnと前記埋め込み形態を特定する情報p1〜pkを、前記画像データに埋め込むこと
を特徴とする電子透かし情報の埋め込み方法。 - 請求項2記載の電子透かし情報の埋め込み方法であって、
前記電子透かし情報b1〜bnを、各々、ビット値(0,1)に応じて、対応する領域T1〜Tnの画素データ値を増減することで埋め込み、
前記埋め込み形態を特定する情報p1〜pkは、当該情報p1〜pkが埋め込まれる領域J1〜Jkが属する組において、領域T1〜Tn各々の電子透かし情報のビット値に対する画素データ値の増減方向パターンを示すこと
を特徴とする電子透かし情報の埋め込み方法。 - 請求項1記載の電子透かし情報の埋め込み方法により電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データから前記電子透かし情報を抽出する、電子透かし情報の抽出方法であって、
画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、当該複数の領域Sから情報が埋め込まれていない領域H1〜Hmを検出し、当該検出した領域H1〜Hmの前記画像データ上の位置より、前記画像データ上に複数配置された組を各々認識すること
を特徴とする電子透かし情報の抽出方法。 - 請求項2記載の電子透かし情報の埋め込み方法により電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データから前記電子透かし情報を抽出する、電子透かし情報の抽出方法であって、
画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、当該複数の領域Sから情報が埋め込まれていない領域H1〜Hmを検出し、当該検出した領域H1〜Hmの前記画像データ上の位置より、前記画像データ上に複数配置された組を各々認識し、
認識した複数の組各々について、領域J1〜Jkに埋め込まれた情報p1〜pkを抽出して、当該組における電子透かし情報b1〜bnの領域T1〜Tnへの埋め込み形態を認識し、認識した埋め込み形態にしたがって、領域T1〜Tnから電子透かし情報b1〜bnを抽出すること
を特徴とする電子透かし情報の抽出方法。 - 請求項3記載の電子透かし情報の埋め込み方法により電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データから前記電子透かし情報を抽出する、電子透かし情報の抽出方法であって、
画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、当該複数の領域Sから情報が埋め込まれていない領域H1〜Hmを検出し、当該検出した領域H1〜Hmの前記画像データ上の位置より、前記画像データ上に複数配置された組を各々認識し、
認識した複数の組各々について、領域J1〜Jkに埋め込まれた情報p1〜pkを抽出して、当該組における電子透かし情報のビット値に対する画素データ値の増減方向パターンを認識し、認識した増減方向パターンにしたがって、領域T1〜Tnに埋め込まれた電子透かし情報b1〜bn各々のビット値を検出すること
を特徴とする電子透かし情報の抽出方法。 - 画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、電子透かし情報b1〜bn(2≦n)各々を、前記複数の領域Sのうちの少なくとも1つに埋め込む、電子透かし情報埋め込みのためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、
当該プログラムは、情報処理装置に、前記電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと前記電子透かし情報b1〜bnの埋め込み形態を特定する情報p1〜pk(1≦k)が埋め込まれる領域J1〜Jkと情報が埋め込まれない領域H1〜Hm(1≦m)とでなる所定の配列を有する組が、所定の規則にしたがって複数配置され、且つ、前記複数の領域S各々が前記領域T1〜Tn、J1〜Jk、H1〜Hmのいずれかに割り当てられるように、前記電子透かし情報b1〜bnと前記埋め込み形態を特定する情報p1〜pkを前記画像データに埋め込む処理を実行させること
を特徴とする電子透かし情報埋め込みのためのプログラムが記憶された記憶媒体。 - 請求項7記載の埋め込み処理により電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データから前記電子透かし情報を抽出する、電子透かし情報抽出のためのプログラムが記憶された記憶媒体であって、
当該プログラムは、情報処理装置に、前記画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、当該複数の領域Sから情報が埋め込まれていない領域H1〜Hmを検出し、当該検出した領域H1〜Hmの前記画像データ上の位置より、前記画像データ上に複数配置された組を各々認識する処理と、
認識した複数の組各々について、領域J1〜Jkに埋め込まれた情報p1〜pkを抽出して、当該組における電子透かし情報b1〜bnの領域T1〜Tnへの埋め込み形態を認識し、認識した埋め込み形態にしたがって、領域T1〜Tnから電子透かし情報b1〜bnを抽出する処理とを実行させること
を特徴とする電子透かし情報抽出のためのプログラムが記憶された記憶媒体。 - 画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、電子透かし情報b1〜bn(2≦n)各々を、前記複数の領域Sのうちの少なくとも1つに埋め込む、電子透かし情報埋め込み装置であって、
前記電子透かし情報b1〜bnが各々埋め込まれる領域T1〜Tnと前記電子透かし情報b1〜bnの埋め込み形態を特定する情報p1〜pk(1≦k)が埋め込まれる領域J1〜Jkと情報が埋め込まれない領域H1〜Hm(1≦m)とでなる所定の配列を有する組が、所定の規則にしたがって複数配置され、且つ、前記複数の領域S各々が前記領域T1〜Tn、J1〜Jk、H1〜Hmのいずれかに割り当てられるように、前記電子透かし情報b1〜bnと前記埋め込み形態を特定する情報p1〜pkを前記画像データに埋め込む手段を有すること
を特徴とする電子透かし情報埋め込み装置。 - 請求項9記載の電子透かし情報埋め込み装置により電子透かし情報b1〜bnが埋め込まれた画像データから前記電子透かし情報を抽出する、電子透かし情報抽出装置であって、
前記画像データをM×N(1≦M,N)画素でなる複数の領域Sに分割し、当該複数の領域Sから情報が埋め込まれていない領域H1〜Hmを検出し、当該検出した領域H1〜Hmの前記画像データ上の位置より、前記画像データ上に複数配置された組を各々認識する手段と、
認識した複数の組各々について、領域J1〜Jkに埋め込まれた情報p1〜pkを抽出して、当該組における電子透かし情報b1〜bnの領域T1〜Tnへの埋め込み形態を認識し、認識した埋め込み形態にしたがって、領域T1〜Tnから電子透かし情報b1〜bnを抽出する手段とを有すること
を特徴とする電子透かし情報抽出装置。
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