JP3699007B2 - 携帯端末の無線電源制御システム及び方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は医療施設、電車内等において発着信を規制する携帯電話に関する。特に、本発明は、上記規制時にブラウザ接続、Eメール送受信を可能にする携帯電話の無線電源制御システム及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平10−294972号公報には、出力電波の強い広領域型無線機としての機能と、出力電波の弱い狭領域型無線機としての機能とを併せ持ち、両機能を切り替えて使用可能にし、狭い範囲において無線電話機に対して発信着信規制をかけることができる無線電話システムが開示されている。
【0003】
特開平11−308675号公報には、電磁波障害を未然に防止するための規制通知を行う無線基地装置から発せられる電波を受け規制通知信号を検知した時に自装置の電源を自動でオフするように制御する携帯電話装置が開示されている。
特開2000−041282号公報には、携帯電話機の使用を制限したい個所に設置した位置報知機から発信される位置情報の信号を携帯電話機に受信させるため、位置報知機は、少なくとも携帯電話機の機能を制限する範囲内において携帯電話機が受信可能な強度で位置情報信号を発信し、携帯電話は、位置報知機からの位置情報信号を受信すると、携帯電話機の所定機能の作動を制限させる自動停止機能付き携帯電話機システムが開示されている。
【0004】
【発明が解決しょうとする課題】
しかしながら、近年、上記携帯電話機には電話機能に加えてE(電子)メール送受信機能、インタネットへのブラウザ接続機能が設けられるようになってきているが、規制エリア内においては、電話だけでなくEメール送受信、ブラウザ接続も不可能になってしまうという問題がある。
【0005】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて、規制エリア内においてもEメール送受信、ブラウザ接続が可能となる携帯端末の無線電源制御システム及び方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記問題点を解決するために、規制エリア内の電話時に送受信を規制する携帯端末の無線電源制御システムにおいて、送受信を行う無線部に電源を供給する電源部と、規制エリア内の前記電話の送受信を規制するモードを設定した場合の待ち受け時に前記電源部に電源供給を停止させ、前記待ち受け時にブラウザ接続の要求があった場合にブラウザデータ取得時のみ、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させる電源供給制御部とを備える携帯端末の無線電源制御システムを提供する。
【0007】
この手段により、ブラウザ接続時の無線部の動作では、データが送信されるのは、ブラウザ情報のダウンロード要求等の制御信号が若干送られる時だけで、通信の大部分はブラウザデータの受信に割り当てられる。これにより、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生は、電話中、電話の呼出中に比較して、ブラウザ接続時には、かなり少なくなる。
【0008】
このため、規制エリアモード時にブラウザ接続を許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
好ましくは、前記電源供給制御部は、前記待ち受け時に、ブラウザ接続の要求があった場合のブラウザデータ取得時に代わり、Eメール送受信の要求があった場合にEメール送受信時のみ、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させる。
【0009】
この手段により、Eメール送信時の無線部の動作では、携帯端末により送受信されるEメールのデータ量は非常に小さいため、Eメールデータが瞬時に送受信され、無線部に電源を供給する時間は、電話時に比べて非常に短い。つまり、規制エリアモード中にEメールを送信しても、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生は、電話中、電話の呼出中に比較して、Eメール送受信時には、かなり少ないことがわかる。
【0010】
このため、規制エリアモード時にEメールの送受信を許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
好ましくは、前記電源供給制御部は、前記待ち受け時にブラウザ接続の要求があった場合にブラウザデータ取得時に加え、さらに、Eメール送受信の要求があった場合にEメール送受信時に、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させる。
【0011】
この手段により、ブラウザ接続時の無線部の動作では、データが送信されるのは、ブラウザ情報のダウンロード要求等の制御信号が若干送られる時だけで、通信の大部分はブラウザデータの受信に割り当てられる。
また、Eメール送信時の無線部の動作では、携帯端末により送受信されるEメールのデータ量は非常に小さいため、Eメールデータが瞬時に送受信され、無線部に電源を供給する時間は、電話時に比べて非常に短い。
【0012】
これにより、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生は、電話中、電話の呼出中に比較して、ブラウザ接続時、Eメール送受信時には、かなり少なくなる。
このため、規制エリアモード時にブラウザ接続、Eメール送受信を許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
【0013】
好ましくは、前記電源供給制御部は、前記待ち受け時に、前記待ち受け時に1つのブラウザ接続の要求があった場合にブラウザデータ取得時に加え、さらに、複数のブラウザ接続要求又は複数のEメール送受信要求があった場合に、それぞれの要求に対して、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させる。
この手段により、ブラウザ接続、Eメール送受信は、無線部に電源を供給する時間が、電話時に比べて非常に短く、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生がかなり少ないので、待ち受け時に何回も許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
【0014】
好ましくは、前記電源供給制御部は、前記待ち受け時に、前記電話の送受信要求があった場合に、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させずに、表示部に発呼できない旨の警告文を表示させる。
この手段により、前記無線部への電源を供給の停止だけであり、その他への電源供給を可能にしてあるので、表示部の警告文の表示が可能になる。
【0015】
好ましくは、前記規制エリアの前記電話には車両、医療施設内の少なくとも1つにおける電話を含むことを特徴とする、携帯端末の無線電源制御システム。
この手段により、車両、医療施設内の規制エリアでのブラウザ接続、Eメール送受信が可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
【0016】
さらに、本発明は、規制エリア内の電話時に送受信を規制する携帯端末の無線電源制御方法において、送受信を行う無線部に電源を供給させる工程と、規制エリア内の前記電話の送受信を規制するモードを設定した場合の待ち受け時に電源供給を停止させ、前記待ち受け時にブラウザ接続の要求があった場合にブラウザデータ取得時のみ、前記無線部への電源を供給させる工程とを備える携帯端末の無線電源制御方法を提供する。
【0017】
この手段により、上記発明と同様に、ブラウザ接続時の無線部の動作では、データが送信されるのは、ブラウザ情報のダウンロード要求等の制御信号が若干送られる時だけで、通信の大部分はブラウザデータの受信に割り当てられる。これにより、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生は、電話中、電話の呼出中に比較して、ブラウザ接続時には、かなり少なくなる。
【0018】
このため、規制エリアモード時にブラウザ接続を許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る携帯端末の無線電源制御システムの概略構成を示すブロック図である。
本図に示すように、携帯電話機を含む携帯端末の無線電源制御システムは、医療施設および電車内等において、携帯端末の無線部への電源供給を停止しておくが、ユーザーがブラウザ接続操作等を行った時には、ブラウザからのデータ送受信のタイミングでのみ無線部への電源供給を行うモードを持つことにより、ペースメーカー使用者への電磁波障害を配慮すると共に、ユーザーの携帯端末の使い勝手を低減させないことを目的とする。
【0020】
すなわち、携帯端末21は電話機能、Eメール送受信機能、ブラウザ接続機能を有し、通常、基地局35を介して、送受信を行い、特に、位置登録等の処理のため、待ち受け状態にある時にも、間欠的にデータの送受信を行っている。
携帯端末21にはアンテナ22が設けられ、アンテナ22は、基地局35と、電話データ、Eメールデータ、ブラウザデータ等に関する無線信号の送受信を行う。
【0021】
アンテナ22には無線部23が接続され、無線部23は通話データ、Eメールデータ、ブラウザデータ等の無線信号について変調、復調を行う。
無線部23には制御部24が接続され、制御部24は、携帯端末21の全体を制御する。
特に、制御部24には電源供給制御部24Aが設けられ、電源供給制御部24Aは、無線部23に電源供給制御信号を出力し、無線部23の電源供給を制御する。
【0022】
すなわち、電源供給制御部24Aは、医療施設および電車内等において、携帯端末の無線部への電源供給を停止し、この電源供給停止中に、ユーザーがブラウザ接続操作、Eメール接続操作を行った時には、ブラウザからのデータ送受信のタイミング、Eメールの送受信のタイミングでのみ無線部への電源供給を行う。制御部24には解析部25が接続され、解析部25はCPU(中央演算装置)で構成され、復調されたデータを、変調すべきデータを解析する。
【0023】
解析部25にはメモリ26が接続され、メモリ26は復調データ、変調データを解析するプログラム、データを格納する。
さらに、解析部25には表示部27が接続され、表示部27は、携帯端末21の機能表示の他、自己の呼び出しの報知表示、ブラウザデータ表示、Eメールデータ表示、発呼できない旨の警告文等の表示を行う。
【0024】
さらに、制御部24にはマイクロフォン28、レシーバ29が接続され、マイクロフォン28、レシーバ29は通話動作を行うために使用される。
さらに、制御部24には報知部30が接続され、報知部30は自己の呼び出しがあった場合に報知動作を行うために使用される。
さらに、制御部24には規制エリアモードスイッチ31、電話機能スイッチ32、ブラウザ機能スイッチ33、Eメール機能スイッチ34が設けられる。なお、電話機能スイッチ32、ブラウザ機能スイッチ33、Eメール機能スイッチ34のいずれか1つのみが動作可能であり、同時に2以上が動作することはない。
【0025】
規制エリアモードスイッチ31は電車、医療施設内等における発信、着信を規制するモードの設定を行うために使用され、規制エリアモード要求信号を電源供給制御部24Aに出力する。
電話機能スイッチ32は、マイクロフォン28、レシーバ29を用いて電話動作を行うために使用され、例えば、報知中のオフフックにより、発呼設定要求信号を電源供給制御部24Aに出力し、且つ、無線部23を介して、基地局35への呼設定応答により、呼設定を完了させる。
【0026】
ブラウザ機能スイッチ33は、接続先のアドレスを入力しブラウザ情報のダウンロードを要求するために使用され、制御部24を介して、ブラウザのダウンロード要求信号を解析部25に出力する。解析部25は無線部23、アンテナ22を使ってダウンロード要求信号を基地局35に送信する。
携帯端末21からの要求を受け取った基地局35は、要求のあったアドレスに該当するブラウザデータをプロバイダから受信し、携帯端末21はアンテナ22、無線部23により基地局35からのブラウザデータを受信する。解析部25は受信したブラウザデータを解析し、表示部27に表示させると共にメモリ26に格納させる。
【0027】
Eメール機能スイッチ34は、接続先のアドレスを入力し、Eメールの送受信を要求するために使用され、制御部24を介して、Eメール送受信要求信号を解析部25に出力する。解析部25は無線部23、アンテナ22を使って送受信要求を基地局35に行う。
携帯端末21からのEメール送受信要求を受け取った基地局35は、要求のあったアドレスに該当するEメールデータをプロバイダと送受信し、携帯端末21はアンテナ22、無線部23により基地局35からのEメールデータを受信する。解析部25は受信したEメールデータを解析し、表示部27に表示させると共にメモリ26に格納させる。解析部25は受信したEメールデータを解析し、表示部27に表示させると共にメモリ26に格納させる。
【0028】
図2は図1における無線部23の概略構成のブロックを示す図である。本図に示すように、無線部23には送信部41、受信部42が設けられ、送信部41、受信部42は携帯端末21の送受信を行う。
送信部41、受信部42とアンテナ22の間にはセレクタ43が設けられ、セレクタ43は送信部41、受信部42を択一的に選択してアンテナ22に接続する。
【0029】
このように、送信と受信のタイミングについては、ずらされている構成が一般的な制御方法である。
さらに、送信部41、受信部42と制御部24との間には無線制御部44が設けられ、無線制御部44は、制御部24の制御に基づき、送信部41に送信データを変調させ、受信部42の受信データを復調し、送受信に応じてセレクタ43の接続を制御する。
【0030】
さらに、無線部23には電源部45が設けられ、電源部45は送信部41、受信部42への電源を供給する。
電源部45と送信部41、受信部42の間に電源スイッチ46が設けられ、電源スイッチ46は、制御部24の電源供給制御部24Aに制御されて、送信部41、受信部42の電源の供給、停止を行う。
【0031】
規制エリアモードスイッチ31により、規制エリアモードが設定された場合には、送信部41、受信部42に電源部45の供給が停止される。
このため、規制エリアモードの設定時に、電話機能スイッチ32により電話のための発呼を行った場合には、送信部41、受信部42への電源供給が行われず、表示部27に発呼できない旨の警告文が表示される。
【0032】
ペースメーカに悪影響を及ぼす電磁波を発するのは送信部41のみで、受信部42は動作していても特に問題は無いのだが、携帯端末21においては、受信部42のみ動作していても、基地局35からの情報は受け取れないため、ここでは受信部42の動作も停止するものとする。
なお、規制エリアモードスイッチ31の規制エリアモードの設定時に、規制エリアモードスイッチ31、電話機能スイッチ32、ブラウザ機能スイッチ33、Eメール機能スイッチ34による操作と、前述のように、表示部27による画面表示の動作は可能としておく。
【0033】
また、規制エリアモードの設定時に、ブラウザ機能スイッチ33によるブラウザ情報のダウンロード要求、Eメール機能スイッチ34によるEメール送受信要求があった場合は、解析部25は電源供給制御部24Aを介して無線部23に電源を供給させ前述の手順でブラウザデータ、Eメールデータを取り込む。
さらに、解析部25は、必要なデータの取り込みが終了した後には、無線部23に電源の供給を停止させる。
【0034】
図3は図1における電源供給制御部24Aの概略構成例を示すブロック図である。本図に示すように、制御部24の電源供給制御部24Aは論理積回路(AND)47と、論理積回路47の後段に位置する論理和回路(OR)48からなる。
本図(a)に示すように、論理積回路47は、規制エリアモードスイッチ31、電話機能スイッチ32から規制エリアモード設定要求信号、発呼設定要求信号をそれぞれ入力する。
【0035】
論理和回路48は論理積回路47の出力信号、ブラウザ機能スイッチ33からブラウザのダウンロード要求信号を入力し、電源供給制御信号を形成し電源スイッチ46に出力する。
本図(b)に示すように、論理積回路47は、規制エリアモードスイッチ31、電話機能スイッチ32から規制エリアモード設定要求信号、発呼設定要求信号をそれぞれ入力する。
【0036】
論理和回路48は論理積回路47の出力信号、Eメール機能スイッチ34からEメール送受信要求信号を入力し、電源供給制御信号を形成し電源スイッチ46に出力する。
本図(c)に示すように、論理積回路47は、規制エリアモードスイッチ31、電話機能スイッチ32から規制エリアモード設定要求信号、発呼設定要求信号をそれぞれ入力する。
【0037】
論理和回路48は論理積回路47の出力信号、ブラウザ機能スイッチ33のブラウザのダウンロード要求信号、Eメール機能スイッチ34からのEメール送受信要求信号を入力し、電源供給制御信号を形成し電源スイッチ46に出力する。図4、図5は図3における電源供給制御部24Aの概略構成例の動作を説明するタイミングチャートである。
【0038】
本図4(a)に示すように、規制エリアモードスイッチ31により規制エリアモード設定要求信号が「H(高)」状態から「L(低)」状態になり、規制エリアモード設定の状態では、電話機能スイッチ32により発呼設定要求信号が「L」状態から「H」状態になり発呼設定状態になっても、例えば、ブラウザ機能スイッチ33からブラウザのダウンロード要求信号が無く、「L」状態のままである場合には、電源供給制御部24Aから電源スイッチ46へは電源供給制御信号「L」状態が出力され、送信部41、受信部42への電源供給が行われない。
【0039】
本図4(b)に示すように、規制エリアモードスイッチ31により規制エリアモード設定要求信号が「H」状態から「L」状態になり、規制エリアモード設定の状態では、電話機能スイッチ32により発呼設定要求信号が「L」状態のままで発呼設定要求がない状態でも、ブラウザ機能スイッチ33からブラウザのダウンロード要求信号が「L」状態から「H」状態になる場合、ブラウザのダウンロード要求がある期間だけ電源供給制御部24Aから電源スイッチ46へは電源供給制御信号「H」状態が出力され、送信部41、受信部42への電源供給が行われる。
【0040】
本図5(c)に示すように、規制エリアモードスイッチ31により規制エリアモード設定要求信号が「H」状態から「L」状態になり、規制エリアモード設定の状態では、電話機能スイッチ32により発呼設定要求信号が「L」状態のままで発呼設定要求がない状態でも、Eメール機能スイッチ34からEメール送受信要求信号が「L」状態から「H」状態になる場合、Eメール送受信要求がある期間だけ電源供給制御部24Aから電源スイッチ46へは電源供給制御信号「H」状態が出力され、送信部41、受信部42への電源供給が行われる。
【0041】
本図5(d)に示すように、規制エリアモードスイッチ31により規制エリアモード設定要求信号が「H」状態から「L」状態になり、規制エリアモード設定の状態では、電話機能スイッチ32により発呼設定要求信号が「L」状態のままで発呼設定要求がない状態でも、Eメール機能スイッチ34からEメール送受信要求信号が「L」状態から「H」状態になる場合、Eメール送受信要求がある期間だけ電源供給制御部24Aから電源スイッチ46へは電源供給制御信号「H」状態が出力され、送信部41、受信部42への電源供給が行われる。その後、ブラウザ機能スイッチ33からブラウザのダウンロード要求信号が「L」状態から「H」状態になる場合、ブラウザのダウンロード要求がある期間だけ電源供給制御部24Aから電源スイッチ46へは電源供給制御信号「H」状態が出力され、送信部41、受信部42への電源供給が行われる。
【0042】
図6は送信部41、受信部42の動作を説明するタイミングチャートである。本図(a)に示すように、電話時の送信部41、受信部42の動作では、上りと下りの音声チャンネルは、常に開いているため、送信、受信のタイミングは1対1の比率で間欠に繰り返されている。このタイミングでは、着呼による呼出動作中(呼出音が鳴っている間)も同様である。
【0043】
本図(b)に示すように、ブラウザ接続時の送信部41、受信部42の動作では、データが送信されるのは、ブラウザ情報のダウンロード要求等の制御信号が若干送られる時だけで、通信の大部分はブラウザデータの受信に割り当てられる。これにより、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生は、電話中、電話の呼出中に比較して、ブラウザ接続時には、かなり少ないことがわかる。
【0044】
このため、規制エリアモード時にブラウザ接続を許可することが可能になり、ユーザの携帯端末21の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
本図(c)に示すように、Eメール送信時の送信部41、受信部42の動作では、携帯端末21により送られるEメールのデータ量は非常に小さいため、送信部41をONにする時間は、電話時に比べて非常に短いので、Eメールデータが瞬時に送信される。つまり、規制エリアモード中にEメールを送信しても、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生は、電話中、電話の呼出中に比較して、Eメール送信時には、かなり少ないことがわかる。
【0045】
このため、規制エリアモード時にEメールの送信を許可することが可能になり、ユーザの携帯端末21の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
なお、この場合、受信は生じない。
本図(d)に示すように、Eメール受信時の送信部41、受信部42の動作では、Eメールデータを受信するために制御信号が瞬時に送られ、Eメールデータが瞬時に受信される。
【0046】
Eメールデータを受信するために送信される制御信号のデータ量は非常に小さいため、送信部41をONにする時間は、電話時に比べて非常に短いので、制御信号のデータが瞬時に送信される。つまり、規制エリアモード中に制御信号のデータを送信しても、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生は、電話中、電話の呼出中に比較して、Eメール受信時には、かなり少ないことがわかる。
【0047】
このため、規制エリアモード時にEメールの受信を許可することが可能になり、ユーザの携帯端末21の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
図7は、図3(a)の電源供給制御部24Aの動作例である規制エリアモード設定時のブラウザ接続を説明するフローチャートである。
ステップS51において、携帯端末21の電源(図示しない)がONになるのを待つ。
【0048】
ステップS52において、電源がONになったら待ち受け1の状態になる。待ち受け1の状態では、制御部24の電源供給制御部24Aにより無線部23の電源スイッチ46がONになり、送信部41、受信部42に電源部45から電源供給が行われ、基地局35と携帯端末21の無線接続が常時行われる。
ステップS53において、制御部24の電源供給制御部24Aでは、規制エリアモードスイッチ31により規制エリアモードが選択されたか否かの判断を行う。
【0049】
ステップS54において、規制エリアモードが選択されていない場合には、制御部24では基地局35から携帯端末21への電話の着呼の有無判断を行う。
ステップS55において、制御部24では、電話の着呼がなければ、発呼の有無判断を行う。
ステップS56において、制御部24では、電話の発呼がなければ、Eメールの送信の有無判断を行う。
【0050】
ステップS57において、制御部24では、Eメールの送信が無ければ、Eメールの着信の有無判断を行う。
ステップS58において、制御部24では、Eメールの着信が無ければ、ブラウザ接続の有無の判断を行う。ブラウザの接続がなければ、ステップS52に戻り以上のスをステップを繰り返す。
【0051】
ステップS59において、着呼がある場合には、解析部25では、着呼処理を行う。
ステップS60において、発呼がある場合には、解析部25では、発呼処理を行う。
ステップS61において、メール送信がある場合には、解析部25では、メール送信処理を行う。
【0052】
ステップS62において、メール着信がある場合には、解析部25では、メール着信処理を行う。
ステップS63において、ブラウザ接続がある場合には、解析部25では、ブラウザ接続処理を行う。
ステップS64において、規制エリアモードが選択されている場合には、無線部23の電源スイッチ46がOFFになり、送信部41、受信部42に電源部45から電源供給が行われず、基地局35と携帯端末21の無線接続が原則的に行われなくなる。
【0053】
ステップS65において、待ち受け2の状態になる。待ち受け状態2では、送信部41、受信部42の電源部45だけがOFFであるため、規制エリアモードスイッチ31、電話機能スイッチ32、ブラウザ機能スイッチ33、Eメール機能スイッチ34の操作、表示部27による画面表示は可能となっている。
ステップS66において、電話機能スイッチ32により、ユーザが発呼操作を行ったか否かの判断を行う。
【0054】
ステップS67において、ユーザが発呼操作を行った場合には、表示部27に発呼できない旨の警告文を表示し、ステップS74に進む。
ステップS68において、ユーザが発呼操作を行っていない場合には、Eメール機能スイッチ34により、ユーザがEメール送受信を行ったか否かの判断を行う。
ステップS69において、ユーザがEメール送受信を行った場合には、表示部27にEメール送受信できない旨の警告文を表示し、ステップS74に進む。
【0055】
ステップS70において、ユーザがEメール送受信を行っていない場合には、ブラウザ機能スイッチ33により、ユーザがブラウザ接続を行ったか否かの判断を行う。ユーザがブラウザ接続を行わない場合にはステップS74に進む。
ステップS71において、ユーザがブラウザ接続を行った場合には、送信部41、受信部42の電源部45をONにする処理を行う。
【0056】
ステップS72において、基地局35からブラウザデータを取得する。
ステップS73において、ブラウザデータを取得後、送信部41、受信部42の電源部45をOFFにし、ステップS74に進む。
ステップS74において、規制エリアモードスイッチ31により設定された規制エリアモードが解除されたか否かを判断する。設定された規制エリアモードが解除されない場合にはステップS65の待ち受け状態2に戻る。この待ち受け2の状態では送信部41、受信部42の電源部45がOFFになっているため、着呼、Eメール送受信のイベントは発生しない。
【0057】
なお、ブラウザ接続は、無線部に電源を供給する時間が、電話時に比べて非常に短く、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生がかなり少ないので、待ち受け時に何回も許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
ステップS75において、設定された規制エリアモードが解除された場合には、送信部41、受信部42の電源部45をONにし、ステップS54に戻る。これにより、着呼、発呼、Eメール送信、Eメール着信、ブラウザ接続の各判定を含む通常動作が行われる。
【0058】
図8は、図3(b)の電源供給制御部24Aの動作例である規制エリアモード設定時のEメール送受信を説明するフローチャートである。
本図に示すように、図6と比較して、ステップS98〜ステップS103が異なる。
ステップS98において、ユーザが発呼操作を行っていない場合には、ブラウザ機能スイッチ33により、ユーザがブラウザ接続を行ったか否かの判断を行う。
【0059】
ステップS99において、ユーザがブラウザ接続を行った場合には、表示部27にブラウザ接続できない旨の警告文を表示し、ステップS104に進む。
ステップS100において、ユーザがブラウザ接続を行っていない場合には、Eメール機能スイッチ34により、ユーザがEメール送受信を行ったか否かの判断を行う。ユーザがEメール送受信を行わない場合にはステップS104に進む。
【0060】
ステップS101において、ユーザがEメール送受信を行った場合には、送信部41、受信部42の電源部45をONにする処理を行う。
ステップS102において、基地局35からEメールデータを取得する。
ステップS103において、Eメールデータを取得後、送信部41、受信部42の電源部45をOFFにし、ステップS104に進む。
なお、ステップS104において、Eメール送受信は、無線部に電源を供給する時間が、電話時に比べて非常に短く、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生がかなり少ないので、待ち受け時に何回も許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
【0061】
図9は、図3(c)の電源供給制御部24Aの動作例である規制エリアモード設定時のEメール送受信、ブラウザ接続を説明するフローチャートである。
本図に示すように、図6と比較して、ステップS128〜ステップS135が異なる。
ステップS128において、ユーザが発呼操作を行っていない場合には、Eメール機能スイッチ34により、ユーザがEメール送受信を行ったか否かの判断を行う。ユーザがEメール送受信を行わない場合にはステップS132に進む。
【0062】
ステップS129において、ユーザがEメール送受信を行った場合には、送信部41、受信部42の電源部45をONにする処理を行う。
ステップS130において、基地局35からEメールデータを取得する。
ステップS131において、Eメールデータを取得後、送信部41、受信部42の電源部45をOFFにし、ステップS136に進む。
【0063】
ステップS132において、ユーザがEメール送受信を行っていない場合には、ブラウザ機能スイッチ33により、ユーザがブラウザ接続を行ったか否かの判断を行う。ユーザがブラウザ接続を行わない場合にはステップS136に進む。ステップS133において、ユーザがブラウザ接続を行った場合には、送信部41、受信部42の電源部45をONにする処理を行う。
【0064】
ステップS134において、基地局35からブラウザデータを取得する。
ステップS135において、ブラウザデータを取得後、送信部41、受信部42の電源部45をOFFにし、ステップS136に進む。
なお、ステップS136において、ブラウザ接続、Eメール送受信は、無線部に電源を供給する時間が、電話時に比べて非常に短く、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生がかなり少ないので、待ち受け時に何回も許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、送受信を行う無線部に電源を供給させ、規制エリア内の電話の送受信を規制するモードを設定した場合の待ち受け時に電源供給を停止させ、待ち受け時にブラウザ接続の要求があった場合にブラウザデータ取得時のみ、無線部への電源を供給させるようにしたので、ブラウザ接続時の無線部の動作では、データが送信されるのは、ブラウザ情報のダウンロード要求等の制御信号が若干送られる時だけで、通信の大部分はブラウザデータの受信に割り当てられる。これにより、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生は、電話中、電話の呼出中に比較して、ブラウザ接続時には、かなり少なくなる。このため、規制エリアモード時にブラウザ接続を許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
【0066】
さらに、待ち受け時にEメール送受信の要求があった場合にEメール送受信時のみ、一旦電源供給を停止した電源部に無線部への電源を供給させるようにしたので、Eメール送信時の無線部の動作では、携帯端末により送受信されるEメールのデータ量は非常に小さいため、Eメールデータが瞬時に送受信され、無線部に電源を供給する時間は、電話時に比べて非常に短い。つまり、規制エリアモード中にEメールを送信しても、ペースメーカーに悪影響を及ぼす電磁波の発生は、電話中、電話の呼出中に比較して、Eメール送受信時には、かなり少ないことがわかる。このため、規制エリアモード時にEメールの送受信を許可することが可能になり、ユーザの携帯端末の使い勝手がさらに向上するというメリットがある。
【0067】
さらに、待ち受け時に、電話の送受信要求があった場合に、一旦電源供給を停止した電源部に無線部への電源を供給させずに、表示部に発呼できない旨の警告文を表示させるようにしたので、無線部への電源を供給の停止だけであり、その他への電源供給を可能にしてあるので、表示部の警告文の表示が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る携帯端末の無線電源制御システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1における無線部23の概略構成のブロックを示す図である。
【図3】図1における電源供給制御部24Aの概略構成例を示すブロック図である。
【図4】図3における電源供給制御部24Aの概略構成例の動作を説明するタイミングチャートである。
【図5】図3における電源供給制御部24Aの概略構成例の動作を説明するタイミングチャートである。
【図6】送信部41、受信部42の動作を説明するタイミングチャートである。
【図7】図3(a)の電源供給制御部24Aの動作例である規制エリアモード設定時のブラウザ接続を説明するフローチャートである。
【図8】図3(b)の電源供給制御部24Aの動作例である規制エリアモード設定時のEメール送受信を説明するフローチャートである。
【図9】図3(c)の電源供給制御部24Aの動作例である規制エリアモード設定時のEメール送受信、ブラウザ接続を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
21…携帯端末
22…アンテナ
23…無線部
24…制御部
24A…電源供給制御部
25…解析部
26…メモリ
27…表示部
28…マイクロフォン
29…レシーバ
30…報知部
31…規制エリアモードスイッチ
32…電話機能スイッチ
33…ブラウザ機能スイッチ
34…Eメール機能スイッチ
35…基地局
41…送信部
42…受信部
43…セレクタ
44…無線制御部
45…電源部
46…電源スイッチ
47…論理積回路
48…論理和回路
Claims (7)
- 規制エリア内の電話時に送受信を規制する携帯端末の無線電源制御システムにおいて、
送受信を行う無線部に電源を供給する電源部と、
規制エリア内の前記電話の送受信を規制するモードを設定した場合の待ち受け時に前記電源部に電源供給を停止させ、前記待ち受け時にブラウザ接続の要求があった場合にブラウザデータ取得時のみ、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させる電源供給制御部とを備える携帯端末の無線電源制御システム。 - 前記電源供給制御部は、前記待ち受け時に、ブラウザ接続の要求があった場合のブラウザデータ取得時に代わり、Eメール送受信の要求があった場合にEメール送受信時のみ、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させることを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末の無線電源制御システム。
- 前記電源供給制御部は、前記待ち受け時にブラウザ接続の要求があった場合にブラウザデータ取得時に加え、さらに、Eメール送受信の要求があった場合にEメール送受信時に、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させることを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末の無線電源制御システム。
- 前記電源供給制御部は、前記待ち受け時に、前記待ち受け時に1つのブラウザ接続の要求があった場合にブラウザデータ取得時に加え、さらに、複数のブラウザ接続要求又は複数のEメール送受信要求があった場合に、それぞれの要求に対して、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させることを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末の無線電源制御システム。
- 前記電源供給制御部は、前記待ち受け時に、前記電話の送受信要求があった場合に、一旦電源供給を停止した前記電源部に前記無線部への電源を供給させずに、表示部に発呼できない旨の警告文を表示させることを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末の無線電源制御システム。
- 前記規制エリアの前記電話には車両、医療施設内の少なくとも1つの電話を含むことを特徴とする、請求項1に記載の携帯端末の無線電源制御システム。
- 規制エリア内の電話時に送受信を規制する携帯端末の無線電源制御方法において、
送受信を行う無線部に電源を供給させる工程と、
規制エリア内の前記電話の送受信を規制するモードを設定した場合の待ち受け時に電源供給を停止させ、前記待ち受け時にブラウザ接続の要求があった場合にブラウザデータ取得時のみ、前記無線部への電源を供給させる工程とを備える携帯端末の無線電源制御方法。
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