JP3570099B2 - 高分子圧電体、高分子圧電素子および圧力センサ - Google Patents

高分子圧電体、高分子圧電素子および圧力センサ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、高分子圧電体、及び、高分子圧電体を用いた高感度な圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
高分子圧電体を検出素子とする圧力センサは、たとえば、特開平2−268228号公報、特開平2−268230号公報、特開平4−147027号公報に記載されている。そのような圧力センサは、流量を検出するフルイディック素子等を使った流量計における振動周波数の検出に用い、その周波数をカウントすることによって、流量を計測するものである。このような圧力センサにおいては、高い信頼性と数10mPaといった微小な圧力変動でも計測できる高い感度が要求される。
【0003】
ところで、圧力検出に用いられる高分子圧電体としては、フッ化ビニリデンやフッ化ビニリデンと3フッ化エチレン共重合体(以下、P(VDF−TrFE)と略する)やフッ化ビニリデンと4フッ化エチレン共重合体(以下、P(VDF−TeFE)と略する)が知られているが、これらを圧力センサの検出部にも用いることができる。
【0004】
これらの高分子圧電体は、厚み方向の電気機械結合定数を高くしてその方向の電気機械変換効率を向上させたものが、たとえば特公昭62−42560号公報において超音波トランスデューサに使用されている。ここで、電気機械結合定数とは、圧電性を表す定数の1つで電気的エネルギーと機械的エネルギーを相互に変換する効率に比例する定数で、カップリングファクターともいう。しかしながら、上述した圧力センサでは膜厚方向の圧電性のみならず、膜面方向(伸び方向)に伸ばされる外力による伸び圧電性をも利用するので、単に厚み圧電性が高いというだけでは充分でないことがある。
【0005】
P(VDF−TrFE)における伸び方向の圧電性は、VDFモル分率が50mol%付近で伸び圧電性が最大になるが、その値は無機圧電材料やフッ化ビニリデンの延伸膜で得られている値と比較して小さく、圧力センサに用いても性能が充分でない。
【0006】
したがって、従来の高分子圧電体を上述したようなガス流量計の圧力センサに用いても、高感度は得られず、数10mPaという微小な圧力の検出は難しい。感度は、圧力センサの構造や高分子圧電膜の把持の仕方等によっていくらか向上できるけれども、厚み方向と伸び方向の圧電性がともに優れた高分子圧電体が提供されない限り、根本的な解決にならない。
【0007】
また、これまでの圧力センサでは素子の形や大きさによって特性が左右されるにも関わらず、適切な数値を上げてセンサの構成を規定していなかったため、製品のバラツキが大きいとの問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、従来の高分子圧電体の上述した問題点を解決し、厚み方向と伸び方向の圧電性が共に優れ、圧力センサを構成するような場合に好適な高分子圧電体を提供するにある。また、この発明の他の目的は、そのような高分子圧電体を用いた高感度な圧力センサを提供するにある。
【0009】
また、このような圧力センサをバラツキ無く製造するための素子形状、形態を提示するものである。
【0011】
明によれば、70〜83mol%でフッ化ビニリデンと、3フッ化エチレンおよび/または4フッ化エチレンとの共重合体フィルムであり、フィルム厚み方向の電気機械結合定数(k)と膜面方向の引張弾性率(E)[N/m2 ]とが、
E≦1.32×1010k-6.9×108 (k<0.25のとき)
E≦0.56×1010k+12.1×108 (k≧0.25のとき)
の関係を満たし、厚み方向に分極していることを特徴とする高分子圧電体が提供される。
【0012】
また、本発明の別の態様によれば、70〜83mol%でフッ化ビニリデンと、3フッ化エチレンおよび/または4フッ化エチレンとの共重合体フィルムであり、フィルム厚み方向の電気機械結合定数(k)と膜面方向の引張弾性率(E)[N/m2 ]とが、
8.31×109k+2.66×108≦E≦1.32×1010k-6.9×108 (k<0.25のとき)
8.31×109k+2.66×108≦E≦0.56×10 10 k+12.1×108(0.25≦k<0.27のとき)
1.26×10 10 k-8.84×108≦E≦0.56×10 10 k+12.1×108 (0.27≦kのとき)
の関係を満たし、厚み方向に分極していることを特徴とする高分子圧電体が提供される。
【0013】
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の高分子圧電体の両面に電極膜を形成してなる高分子圧電素子が提供される。
【0014】
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の高分子圧電体の両面に最表層を金層とする多層電極膜を形成してなる高分子圧電素子が提供される。
【0015】
また、本発明の好ましい態様によれば、上記高分子圧電体の両面に電極膜が形成されてなる高分子圧電素子であって、曲率半径が30mm〜60mmの略球面に成形された等価直径6mm〜14mmの曲面部位を有することを特徴とする高分子圧電素子が提供される。
【0016】
また、本発明の好ましい態様によれば、上記の高分子圧電素子と、該高分子圧電素子の両面に被測定気体を導入する導入路とを有する圧力センサが提供される。
【0017】
また、本発明の好ましい態様によれば、圧電素子の周縁部を2個のホルダで両面から挟持して配置された圧力検出部を一つ備え、該圧力検出部へ流体の圧力を導入する2個の入口孔が設けられ、一方の入口孔が前記圧力検出部の圧電素子の第1の面に連通され、他方の入口孔が前記圧力検出部の圧電素子の第2の面に連通される圧力センサであって、
前記圧電素子として上記の高分子圧電素子を備える圧力センサが提供される。
【0018】
また、本発明の好ましい態様によれば、圧電素子の周縁部を2個のホルダで両面から挟持して配置された第1および第2の圧力検出部を備え、該圧力検出部へ流体の圧力を導入する2個の入口孔が設けられ、一方の入口孔が第1の流体圧力導入経路を介して第1の圧力検出部の圧電素子の第1の面に連通されるとともに、第2の流体圧力導入経路を介して第2の圧力検出部の圧電素子の、第1の圧力検出部の圧電素子の第1の面とは極性が異なる第2の面に連通され、他方の入口孔が第3の流体圧力導入経路を介して第2の圧力検出部の圧電素子の第1の面に連通されるとともに、第4の流体圧力導入経路を介して第1の圧力検出部の圧電素子の第2の面に連通される圧力センサであって、
前記圧電素子として上記の高分子圧電素子を備える圧力センサが提供される。
【0019】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記第1の圧力検出部の圧電素子の第1の面の電極と前記第2の圧力検出部の第1の面の電極または前記第1の圧力検出部の圧電素子の第2の面の電極と前記第2の圧力検出部の第2の面の電極とを接続し、これらの圧電素子を差動接続してなる圧力センサが提供される。
【0020】
【発明の実施形態】
この発明をさらに詳細に説明するに、圧力センサの感度向上のための課題を解決するためには、圧力センサに利用する高分子圧電膜、および、圧電素子によって感度を向上させることが必要である。本発明の圧力センサは厚み方向の圧電効果を利用するだけでなく、伸び方向の圧電性を利用している。一方、高分子圧電体では、厚み圧電性と伸び圧電性は独立した性質であり、厚み方向の圧電性が良好であっても、必ずしも、伸び方向の圧電性が良好であるとは限らない。
【0021】
高分子圧電膜を使用したフィルム状圧電素子、特に、圧電膜の上下面の差圧を測定するものでは、圧力の印加にともなって圧電膜が変形する。高分子圧電体では力学的エネルギーによる歪みによって生じた分極量の変化を電気エネルギーに変換する。この変換の効率で高分子圧電素子の性能、ひいては、高分子圧電素子の性能を左右する。
【0022】
そこで、本発明者は鋭意検討の結果、高分子圧電膜の厚み方向の圧電定数を良好に保ったまま、伸び方向の圧電性能を良好にするには、膜の物性値の一つである引張弾性率(N/m) が低く、圧電膜に加わった単位応力あたりの歪みが大きな高分子圧電膜が有効であるとの結論に達した。
【0023】
つまり、低い引張弾性率をもつ高分子圧電膜は、圧力センサで検出が要求される数10mPaという微小な圧力によっても変形が大きく、その結果、分極量が変化し伸び方向の圧電性、並びに、変換効率が良好になり得るので、高感度な圧力センサが得られるのである。
【0024】
低い引張弾性率を有する高分子圧電膜フッ化ビニリデン/3フッ化エチレン共重合体は、たとえば、製膜後の熱処理工程(強誘電−常誘電相転移点と融点との間の温度の熱を印加することで結晶性を高める工程)時の徐冷速度を3℃/分程度に早めることにより得られ、自然放冷したものと比較して引張弾性率が0.1〜0.3×10N /m低くする事ができる。
【0025】
さらに、圧電膜を分極後、100度の温度で数10分(20〜30分間)アニーリングを施すことで、弾性率を幾分(数%)下げることができる。また、この他にも製造工程中の操作で引張弾性率を低下させるのであればどのような方法を用いてもよい。
【0026】
原料ポリマの分子量に関しては、一般に、高分子では分子量の増加にともなって高分子特有の柔軟性やしなやかさを持ち、低い引張弾性率をもった圧電膜となる傾向がある。P(VDF−TrFE)および/またはP(VDF−TeFE)において、230゜Cにおけるメルトフローレイト(Melt Flow Rate )が0.02g/分以下、より好ましくは、0.01g/分以下である高分子圧電体を使用すると引張弾性率の低い高分子圧電膜になり、高感度な圧力センサが得られる。 言い換えると、圧電膜の引張弾性率が2.9×10以下であるものを使用できたならば、圧力センサの感度が大きく信頼性高い計測ができる。
【0027】
一方、フッ化ビニリデン/3フッ化エチレンの場合、共重合比によって厚み方向の電気機械結合定数が変化し、例えば、前者の共重合比が70mol%ではk=0.20、80mol%ではk=0.27といった値をとる。同時に引張弾性率にも変化があり、厚み方向の電気機械結合定数を良好にすると弾性率が大きくなる傾向があるため、特定の電気機械結合定数をもつ高分子圧電膜のとりうる引張弾性率は一定の範囲内である。
【0028】
上記の方法によって得られる高分子圧電膜、高分子圧電膜の電気機械結合定数と引張弾性率との関係は、kが0.20の場合おおむね、引張弾性率は2.0×10の値になり、kが0.25のときには2.3〜2.7×10の値をとる。同様に、k=0.27のときには2.5〜2.9×10、 k=0.3のときにはほぼ2.9×10の値をとる。この値は、高分子圧電膜の製造条件が変化すると、微妙に範囲内の値が得られなかったりするが、おおむねこの値をとる。
【0029】
縦軸に厚み方向の電気機械結合定数(k)をとり、横軸に引張弾性率(E)[N/m2 ]をとると、図3のAの領域が得られる。領域Aは(k、E)=(0.2、1.95×109 ) 、(0.25、2.7×109 ) 、(0.27、2.9×109 ) 、(0.3、2.89×109 ) 、(0.269、2.5×109 ) 、(0.21、2.0×109 ) の各点を結んで囲まれる領域である。
【0030】
この範囲は高分子圧電膜の製造方法によってさらに拡大でき、より低い引張弾性率をもつ高分子圧電膜が実現できる可能性がある。
【0031】
さて、高分子圧電膜から生じる発生電荷は加えられた圧力に比例しており、発生電荷を電子回路で電位(電圧)として取り出す方法がもっとも有効である。当然発生電荷が大きければ、信頼性が高く高感度な圧力センサになる。正規の信号成分と外部からのノイズ(音、振動、電子回路ノイズ)と区別するには、ある一定値以下をノイズとして切り捨て、信号と認めないことが必要である。ここで、‘ある一定値’は、たとえば、0.1mV以上の電圧が得られればノイズ分と区別が容易となるので、この値やその近傍を用いる。一方、圧力が相当大きくなっても信号の取り出しには何ら問題がない。よって、圧力センサではより低い圧力が検出できるようになれば、測定レンジの拡大につながる。
【0032】
また、電子回路のS/N 比が向上すれば、圧電膜の出力値がさらに小さくても十分である。圧電膜と電子回路の両方で特性を改善できれば、よりよい特性を有するセンサが得られる。
【0033】
高分子圧電体の出力値は圧電膜の等価直径(曲面を有する部分の大きさを指す。なお、高分子圧電体の形状が円形でないときは、同一の面積を与える円の直径により評価する。以下「膜直径」という。)と曲率半径などによって変化するが、センサの小型化、圧電膜のハンドリングなどを考慮すると、膜直径6mm〜14mm、球面の曲率半径30mm〜60mm程度が望ましい。より好ましくは膜直径8mm〜10mm、球面の曲率半径40mm〜60mmが望ましい。圧電体からの出力は、たとえば、圧電膜の曲率半径が大きいものほど良好である(出力電圧が大きい)。しかし、曲率半径が大きくなるにつれて、圧電膜の成形のばらつきの制御が難しくなり、センサの組立が困難となることもある。素子の大きさも大きい程出力信号が大きく良好になるが、大きくなると、周縁部の固定が難しく、またコストが高くなるため膜直径14mmよりこのましくは10mm程度以下とするのがよい。
【0034】
圧電素子の特性は、厚み方向の電気機械結合定数(k) と引張弾性率(E) との得られる関係がある範囲に決まることは前述したとおりである。実際に、のび方向の圧電性も厚み方向の圧電性もともに良好で10mPaの圧力まで信頼性高く検出できるのは、引張弾性率が小さく、かつ、kが大きい範囲であり、図3にしめす領域Aのうち、フィルム厚み方向の電気機械結合定数(k) と引張弾性率(E) [N/m2 ] とが、
8.31×109k+2.66×108≦E≦1.32×1010k-6.9×108 (k<0.25のとき)
8.31×109k+2.66×108≦E≦0.56×10 10 k+12.1×108(0.25≦k<0.27のとき)
1.26×10 10 k-8.84×108≦E≦0.56×10 10 k+12.1×108 (0.27≦kのとき)
の関係を満たす領域に属する場合で特に好ましい結果が得られる。なお、上記E の下限は、上記製造方法により製造する場合の制約条件で有り、製造方法の改良によりさらに低い値のほうに広がる可能性が高い。なお、上記結果は、膜直径が8mmで平均曲率半径が40mmの球面の一部を切り取った形状(図1参照)の高分子圧電素子において、10mPaの圧力差を0.1mV のノイズに埋もれないで測定できる範囲を示している。より膜直径や曲率半径が大きい場合にはより高いS/N 比が得られるし、回路のS/N 比が高まればさらに小さな圧力差の測定に使用できる。しかしながら、高分子圧電体が上記特性の範囲内に含まれるのが好ましい。
【0035】
10mPaの圧力でも検出できる高感度な圧力センサの実施形態の一例をあげると、引張弾性率2.4×10N /mで電気機械結合定数が0.25の圧電膜で膜厚17μmの両面に片面50nmのアルミニウム電極を蒸着によって形成し、膜直径8mm(曲面部分の平面形状は円形)、曲率半径40mmの場合を挙げることが出来る。高分子圧電体の特性は(厚み方向の電気機械結合定数と引張弾性率)、製造条件、特に、熱処理の徐冷条件を調整したり、原料ポリマを選ぶことで実現できるのである。両面の電極は圧電体表面の電気的な接続のためである。この圧電素子では圧力10mPaの10Hzの交流圧力変化を上下面に加えた時に0.1mV以上の出力値が発生できるために電気回路で容易に増幅でき、10mPaの微小圧力を検出できる高感度な圧力センサとなる。
【0036】
圧電素子表面に付与する電極材料は、電荷の取り出しと伝達する役割を担えるもので、一般的には、アルミ二ウム、ニッケル、銅など、また、有機系の導電膜を使用することもある。本発明の圧力センサでは圧電膜に形成された電極を含む素子全体が同様に変形しているため、圧電素子全体の引張弾性率が出力値に影響する。電極の膜厚を厚くすると素子全体の引張弾性率が大きくなり出力値が小さくなってしまう。
【0037】
いずれの材料を使っても電極膜厚が厚くなればなるほど、圧電素子全体の引張弾性率が増大する。圧電膜自身の引張弾性率と比較して、金属からなる電極の引張弾性率は一桁以上大きいことから、非常に薄い膜厚においても素子全体の引張弾性率への影響は大きくなる。引張弾性率が小さくなるように、電極の膜厚は50nm〜100nm程度に薄くするのが特に好ましい。
【0038】
一方、構造上高感度を達成するために圧電素子を測定流体に直接曝すためには、圧電膜表面に形成される電極は耐腐食性を有することが望ましい。電極材料はクロムやニッケルを単独で用いても良いが、最表面に金層を有する圧電素子は、耐腐食性、耐水性が良好である。電極の膜厚は薄ければ薄い方が圧電素子全体の引張弾性率が小さくなって圧力センサの感度が向上するが、耐腐食性を考慮し電極機能を保証するため、金の膜厚はその下層がピンホールで腐食しない程度に、50〜90nm程度にすることが好ましい。
【0039】
本発明の高分子圧電体および圧電素子を用いた圧力センサの一実施形態を図1に示す。このセンサは、3次元的には略球面形状で外縁が円形の高分子圧電素子2の周縁部が、中央に円形の圧力導入口3を有する円形の底面と円筒状の壁面からなるホルダ1、4に挟持された構造をしている。ホルダ1および4のそれぞれの圧電素子挟持面は圧電素子2の形状に合わせて外側から内側にむかって傾斜している。ホルダ1および4は圧電素子2を介して2個の圧力室を形成している。なお、ホルダ1および4は圧電素子2に発生した電位差を取り出す電極の役割をも果たしている。
【0040】
このセンサの信号検出は次のメカニズムにより行う。すなわち、1個の圧電素子2において、異なった2つの圧力を有する気体がそれぞれの圧力導入口3を経由して、圧力室内の圧電素子2の両面に導かれると、圧電膜の両面間に圧力差が発生し圧電素子が変形することにより分極量の変化を生じる。分極量が変化したことによって上述のとおり電荷が圧電体の両面に発生し、これがたとえば電圧の形で電極層とホルダ1、4とを介して出力される。
【0041】
次に、本発明の圧力センサの別の態様を図2に示す。この態様では、周縁部が略平面で中央部が曲面(ここでは、略球面の一部)を有する圧電素子2、2の周縁部をそれぞれ2個のホルダ4、13および5、11で両面から挟持して配置された圧力検出部21、22と、これら圧力検出部21、22へ流体の圧力を導入する2個の入口孔10、12が設けられ、一方の入口孔12が流体圧力導入経路7を介して圧力検出部21の圧電素子2の第1の面に連通されるとともに、流体圧力導入経路8を介して圧力検出部22の圧電素子2の、圧力検出部21の圧電素子2の第1の面とは極性が異なる第2の面に連通され、他方の入口孔10が流体圧力導入経路9を介して圧力検出部22の圧電素子2の第1の面に連通されるとともに、流体圧力導入経路6を介して圧力検出部21の圧電素子2の第2の面に連通されている。このため、入口孔10と12との間で圧力に差があると、2つの圧電素子の変形方向が逆になる。
【0042】
ここで、圧電素子2、2の電気的な接続は、圧力検出部21の圧電素子2の第1の面の電極と圧力検出部22の第1の面の電極とを接続するか、圧力検出部21の圧電素子2の第2の面の電極と圧力検出部22の第2の面の電極とを接続しする。すると、これらの圧電素子を差動接続となっているため出力信号は図1の態様の倍になり、しかも、音や振動といった外部からのノイズは圧電素子の変形方向が同一のため差動出力はゼロとなり、ノイズはキャンセルされる仕組みになっている。すなわち、同相除去性能が飛躍的に向上する。なお、上記態様においては、圧電素子として周縁部が略平面の形状を有するものを用いているので、圧電素子の位置がホルダの間で前記略平面内方向にずれても圧電素子が変形したりすることがなく、製造公差を広くとることができる。したがって、一般にこの形状を用いると、同相除去性能が更に向上する。
【0043】
この2つの素子を使用した圧力センサでも、1つ1つの圧電素子の変形量が大きいほど電荷の発生が大きくなり、感度が向上する。本発明は前述の高分子圧電体、並びに、圧電素子を使用するので、さらに高感度なセンサが得られる。
【0044】
以下、本発明を実施例にしたがって説明する。
【0045】
【実施例】
(実施例1、および、比較例1)
フッ化ビニリデン/3フッ化エチレン共重合体でフッ化ビニリデン70、75、80、83mol%のものを、ジメチルホルムアミドを溶媒とする溶液とした。スピンコート法によって製膜し、常温、減圧下で溶媒を気化させ、さらに、100℃の温度で溶媒を完全に気化させた。この膜の厚さ20μmであった。ガラス板からはがさずに、融点(150℃付近)と強誘電−常誘電相転移温度(100〜150℃)間で30分間熱処理を行ったのち、自然放冷した(1℃/分)。膜両面にアルミニウムを50nm蒸着し電極をもうけ、常温で外部から±2.0kVのピークを持つ0.01Hzの交流電圧(三角波)を膜の上下面に外部から印加して分極処理を施した。その後、圧電膜をテフロン板を内側に貼った金属板ではさみながらエージングのために100℃で20分間熱を加えた。同様の工程で、熱処理の徐冷速度をオーブン内のファンを作動させて3℃/分、5℃/分とした。こうして得られた圧電体の引張弾性率や電気機械結合定数などの各特性を次の条件で測定した。
【0046】
[引張弾性率]
引張試験はJIS−K7127に準じる。試験温度:室温(25℃)。試験片の大きさ:1号形試験片の形状であるが、規定Aの全長に関しては200mmのところ、120mmとした。また、幅は10mmである。引張速度:試験速度Aに準じ、毎分1±0.5mm/分で行った。引張弾性率は引張応力とひずみ曲線のはじめの直線部分を用いて、算出した。
【0047】
[電気機械結合定数:k]
測定温度:室温。試験片の大きさ1cmの円形、あるいは、方形の電極のついた圧電膜に高周波を印加して厚み方向の共振点付近のアドミッタンスと位相の周波数特性を測定した(例えば、厚さ20μmなら、40MHzから90MHz)。解析は、J.Appl.Phys.,47,947(1976) .記載の圧電自由共振法により行い、kを求めた。
【0048】
[メルトフローレイト:MFR ]
ノズル:2φ、8lを用いて、測定温度230℃において、5kgf加圧した時の吐出量を測定した。吐出量が0.01g/分以下の場合には、10分間測定し、1分あたりの値に換算した。
【0049】
[圧力センサ感度]
膜厚17μmの高分子圧電膜の表面に片面50nmのアルミニウムを真空蒸着により両面に付与し、膜径8mmφ、曲率半径40mmの球面状にした圧電膜の周囲0.5mm幅を一対のホルダ兼電極で把持した。このとき、圧電膜との接触部は曲率40mmの同一形状とする。この素子の上下面に10mPa、10Hzの交流圧力が加わったときの高分子圧電素子からの発生電圧を測定した。
【0050】
得られた高分子圧電膜の厚み方向の電気機械結合定数と圧電膜のみの引張弾性率、素子出力値、さらに、圧力センサの良/不良をに示す。センサの良/不良は素子出力値が0.1mVを境界として、0.1mVを越えものを「良」、越えないものを「不良」とした。
【0051】
フッ化ビニリデン/3フッ化エチレンの共重合比によって、電気機械結合定数と引張弾性率はほぼ決まるが、製造条件の熱処理徐冷速度を変化させることで、おおむね得られる範囲が限定される。
【0052】
【表1】
Figure 0003570099
フッ化ビニリデン/3フッ化エチレン共重合体でフッ化ビニリデン80mol%、分子量の異なるMFRが0.170g/分、0.018g/分、0.007g/分の高分子圧電体を、ジメチルホルムアミドを溶媒とする溶液とした。製膜後、常温減圧下で溶媒を気化させ、さらに、100℃の温度で溶媒を完全に気化させた。この膜の厚さは21μmであった。この膜の融点は148℃、強誘電−常誘電相転移点は138℃で、140℃で熱処理結晶化させたのち、3℃/分で徐冷した。
【0053】
膜両面にアルミニウムを蒸着して厚さ50nmの電極をそれぞれもうけ、常温で外部から±2.0kVのピークを持つ0.01Hzの交流電圧(三角波)を膜の上下面に外部から印加してポーリング処理を施した。その後、圧電膜を金属板ではさみエージングのために100℃で20分間熱を加えた。
【0054】
得られた高分子圧電膜の厚み方向の電気機械結合定数と圧電膜のみの引張弾性率、素子出力値、さらに、圧力センサの良/不良を第2表にまとめた。分子量の増加に伴って 引張弾性率は小さくなり、素子の出力値は大きくなる。
【0055】
【表2】
Figure 0003570099
実施例1、2、ならびに、種々の実験結果により、図3の電気機械結合定数と引張弾性率との関係を得た。第3図に得られる領域Aと高感度な圧力センサとして利用可能な高分子圧電膜の範囲(斜線部)を示す。
【0056】
(実施例3、および、比較例3)
実施例2において、共重合比80mol%、MFR0.018g/分について、アルミニウム電極の厚さを片面30、65、125nm、両面の合計膜厚60、130、250nmに変化させた。また、電極材料をクロム/金の複合体として最表層に金を形成したものについても同様に試料を作成した。得られた高分子圧電膜の厚み方向の電気機械結合定数と電極を含む圧電素子の引張弾性率、素子出力値、さらに、圧力センサの良/不良を第3表にまとめた。
【0057】
【表3】
Figure 0003570099
【0058】
【発明の効果】
厚み方向の圧電性能・電気機械変換効率を良好に保ったまま、伸び方向の圧電性能・変換効率を向上させた高分子圧電膜を得た結果、微小圧力(10mPa)をも検出可能な圧力センサが実現できた。これは、歪みやすい柔軟で軟らかい膜を、圧力センサのような伸び方向の圧電性を利用する素子に用いることで感度向上に寄与できたからである。
【0059】
10mPaの微小な圧力変動を信頼高く測定できる圧力センサ得られた結果、例えば、ガス流量計のような流量測定機器の測定精度を著しく向上し、また、測定範囲(レンジ)を拡大できたことに効果があった。
【0060】
耐水性・耐腐食性の良好な材料、特に、最表層に金を形成したものでは、優れた感度を持つばかりでなく、耐水性・耐腐食性に優れた圧力センサが実現できる。
【0061】
また、本発明の圧電膜、および圧電素子を使用して、例えば、スピーカやマイクロホンの高感度化への応用も期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧力センサ機構部の概略図である。
【図2】2個の圧力センサを差動接続してなる圧力センサ機構部の概略図である。
【図3】高分子圧電膜の引張弾性率と電気機械結合定数の関係図である。
【符号の説明】
1 ホルダ兼電極
2 高分子圧電素子
3 圧力導入口
4 ホルダ兼電極
5 ホルダ兼電極
6 流体圧力導入経路
7 流体圧力導入経路
8 流体圧力導入経路
9 流体圧力導入経路
10 入口孔
11 ホルダ兼電極
12 入口孔
13 ホルダ兼電極
21 圧力検出部
22 圧力検出部

Claims (9)

  1. 70〜83mol%でフッ化ビニリデンと、3フッ化エチレンおよび/または4フッ化エチレンとの共重合体フィルムであり、フィルム厚み方向の電気機械結合定数(k)と膜面方向の引張弾性率(E)[N/m2]とが、≦1.32×1010k-6.9×108 (k<0.25のとき)≦0.56×1010k+12.1×108 (k≧0.25のとき)
    の関係を満たし、厚み方向に分極していることを特徴とする高分子圧電体。
  2. 70〜83mol%でフッ化ビニリデンと、3フッ化エチレンおよび/または4フッ化エチレンとの共重合体フィルムであり、フィルム厚み方向の電気機械結合定数(k)と膜面方向の引張弾性率(E)[N/m2]とが、
    8.31×109k+2.66×108≦E≦1.32×1010k-6.9×108 (k<0.25のとき)
    8.31×109k+2.66×108≦E≦0.56×10 10 k+12.1×108(0.25≦k<0.27のとき)
    .26×10 10 k-8.84×108≦E≦0.56×10 10 k+12.1×108 (0.27≦kのとき)
    の関係を満たし、厚み方向に分極していることを特徴とする高分子圧電体。
  3. 請求項1または2に記載の高分子圧電体の両面に電極膜を形成してなる高分子圧電素子。
  4. 請求項1または2に記載の高分子圧電体の両面に最表層を金層とする多層電極膜を形成してなる高分子圧電素子。
  5. 請求項1または2に記載の高分子圧電体の両面に電極膜が形成されてなる高分子圧電素子であって、曲率半径が30mm〜60mmの略球面に成形された等価直径6mm〜14mmの曲面部位を有することを特徴とする高分子圧電素子。
  6. 請求項またはに記載の高分子圧電素子と、該高分子圧電素子の両面に被測定気体を導入する導入路とを有する圧力センサ。
  7. 圧電素子の周縁部を2個のホルダで両面から挟持して配置された圧力検出部を一つ備え、該圧力検出部へ流体の圧力を導入する2個の入口孔が設けられ、一方の入口孔が前記圧力検出部の圧電素子の第1の面に連通され、他方の入口孔が前記圧力検出部の圧電素子の第2の面に連通される圧力センサであって、
    前記圧電素子は、請求項またはに記載の高分子圧電素子である圧力センサ。
  8. 圧電素子の周縁部を2個のホルダで両面から挟持して配置された第1および第2の圧力検出部を備え、該圧力検出部へ流体の圧力を導入する2個の入口孔が設けられ、一方の入口孔が第1の流体圧力導入経路を介して第1の圧力検出部の圧電素子の第1の面に連通されるとともに、第2の流体圧力導入経路を介して第2の圧力検出部の圧電素子の、第1の圧力検出部の圧電素子の第1の面とは極性が異なる第2の面に連通され、他方の入口孔が第3の流体圧力導入経路を介して第2の圧力検出部の圧電素子の第1の面に連通されるとともに、第4の流体圧力導入経路を介して第1の圧力検出部の圧電素子の第2の面に連通される圧力センサであって、
    前記圧電素子は、請求項またはに記載の高分子圧電素子である圧力センサ。
  9. 前記第1の圧力検出部の圧電素子の第1の面の電極と前記第2の圧力検出部の第1の面の電極または前記第1の圧力検出部の圧電素子の第2の面の電極と前記第2の圧力検出部の第2の面の電極とを接続し、これらの圧電素子を差動接続してなる請求項に記載の圧力センサ。
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