JP3514965B2 - 受信装置 - Google Patents

受信装置

Info

Publication number
JP3514965B2
JP3514965B2 JP00314298A JP314298A JP3514965B2 JP 3514965 B2 JP3514965 B2 JP 3514965B2 JP 00314298 A JP00314298 A JP 00314298A JP 314298 A JP314298 A JP 314298A JP 3514965 B2 JP3514965 B2 JP 3514965B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency response
transmission line
subcarrier
line frequency
distortion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP00314298A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11205274A (ja
Inventor
一美 佐藤
稔 行方
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP00314298A priority Critical patent/JP3514965B2/ja
Publication of JPH11205274A publication Critical patent/JPH11205274A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3514965B2 publication Critical patent/JP3514965B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直交周波数分割多
重(orthogonal freqency division multiplex:OFD
Μ)信号を同期検波受信する受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、テレビジョン放送のディジタル化
に伴い、映像(動画、静止画)、音声などの大量の情報
を一度に無線伝送することが必要とされている。このた
めには、16値QAΜ、64値QΑΜなどといった高効率の
多値変調方式を用いることが必須となる。16値QΑM、
64値QΑΜは単一の搬送波の振幅と位相それぞれに情報
を載せる変調方式であり、受信装置側では、受信した信
号を同期検波によって元のデータ系列に復調する。
【0003】ところで、無線伝搬環境では、マルチパス
などにより信号波形の振幅及び位相に大きな歪みが生じ
る。したがって、このような歪みの生じた受信信号を受
信装置でそのまま同期検波すると、元のデータ系列とは
全く異なる受信デ−タ系列を得る結果となる。通常、上
記多値変調方式で変調した信号を受信装置で受信して同
期検波を行うためには、受信装置に伝送路応答の推定手
段、および推定結果を用いて振幅歪みおよび位相歪みを
補償する手段を設けておく必要がある。
【0004】このように単一の搬送波にできるだけ多く
の情報を載せて送ろうとする多値変調方式に対して、複
数の搬送波を利用して情報を搬送するOFDΜが脚光を
浴びている。このOFDΜは、符号化したデータを分割
して、互いに直交する複数の搬送波に振り分け、これを
多重して伝送するディジタル伝送方式である。
【0005】このOFDΜと上記多値変調の技術を併用
することで周波数利用効率が高まり、無線伝送可能な情
報量が飛躍的が増加するため、これらの方式を併用した
無線伝送システムが今後の主流になると予想される。
【0006】このような無線伝送システムに利用される
受信装置では、受信されたOFDΜ信号をフーリエ変換
して周波数スペクトル信号を得る。この周波数スペクト
ル信号のサブキャリアを用いることにより伝送路周波数
応答を求めることができる。受信されたΟFDΜ信号の
サブキャリアが既知であれば、その既知サブキャリアを
用いて各サブキャリアの伝送路周波数応答スペクトルが
求められ、OFDΜ信号の帯域内全体の伝送路周波数応
答も求められる。
【0007】ところで、各サブキャリアの伝送路周波数
応答スペクトルには、受信装置内で生じた雑音成分、例
えば熱雑音などと呼ばれる不要な信号が含まれる。
【0008】そこで、この熱雑音を除去するために、受
信装置では、伝送路周波数応答を周波数軸上でフィルタ
に通して雑音成分を除去し、雑音除去後の伝送路周波数
応答を用いて受信したΟFDM信号のサブキャリアの歪
み補償を行うようになる。このようにフィルタを用いて
伝送路周波数応答に含まれる雑音成分を除去した場合、
フィルタを使用しない場合に比べて受信特性が大幅に向
上する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記フ
ィルタを利用したことでの問題もある。
【0010】すなわち、フィルタで、伝送路周波数応答
からなるべく多くの雑音成分を除去しようとすると、伝
送路周波数応答成分を削ることなく、しかもできるだけ
狭い範囲でフィルタの帯域幅を設定する必要があり、フ
ィルタが例えばローパスフィルタなどの場合、フィルタ
を通過した伝送周波数応答の両端部分が大きく歪むこと
がある。そして両端部分が歪んだ伝送路周波数応答を用
いてOFDM信号のサブキャリアの歪み補償を行った場
合、歪み補償後のサブキャリアの両端に歪みが生じると
いう問題がある。
【0011】特に伝送路周波数応答の帯域に合わせるよ
うにフィルタの帯域幅を狭く設定すればするほど、歪み
補償後のサブキャリアの両端の歪みが顕著に現れ、受信
特性が大きく劣化するという問題があった。
【0012】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、伝送路周波数応答の雑音成分をフィ
ルタで除去する上で、伝送路周波数応答の両端の歪みを
抑えることのできる受信装置を提供することを目的とし
ている。
【0013】また、本発明は、受信特性を向上すること
のできる受信装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明の受信装置は、直交周波数分割
多重信号を受信する受信手段と、前記受信手段により受
信された直交周波数分割多重信号を複数のサブキャリア
からなる周波数スペクトル信号に変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された周波数スペクトル信号の
中の所定のサブキャリアを用いて伝送路周波数応答を算
出する伝送路周波数応答算出手段と、前記伝送路周波数
応答算出手段により算出された伝送路周波数応答に所定
の周波数成分を付加する周波数成分付加手段と、前記伝
送路周波数応答に含まれる雑音を除去する帯域幅を可変
させて設定可能なフィルタ手段と、前記周波数成分付加
手段により所定の周波数成分が付加される前の伝送路周
波数応答の帯域もしくは前記周波数成分付加手段により
所定の周波数成分が付加された伝送路周波数応答の帯域
に応じて前記フィルタ手段の帯域幅を設定する帯域幅設
定手段と、前記帯域幅設定手段により設定された帯域幅
の前記フィルタ手段を通過した前記伝送路周波数応答を
用いて前記周波数スペクトル信号のサブキャリアの歪み
を補償する歪み補償手段とを具備することを特徴として
いる。
【0015】この請求項1記載の発明では、伝送路周波
数応答算出手段により算出された伝送路周波数応答に対
して周波数成分付加手段が所定の周波数成分を付加した
上で、雑音除去用のフィルタ手段に通し、フィルタ手段
は、所定の周波数成分が付加される前もしくは所定の周
波数成分を付加した伝送路周波数応答に合った帯域幅が
設定されて伝送路周波数応答から雑音成分を除去するの
で、伝送路周波数応答の周波数付加部分については従来
同様に歪みはするものの、実質的に必要な部分について
は歪みを抑えることができ、受信特性を向上することが
できる。
【0016】請求項2記載の発明の受信装置は、請求項
1記載の受信装置において、前記周波数成分付加手段
は、前記伝送路周波数応答算出手段によって算出された
前記伝送路周波数応答の末端部分の片側もしくは両側
に、少なくとも一本以上のスペクトルを付加することを
特徴としている。
【0017】この請求項2記載の発明では、伝送路周波
数応答の末端部分の片側もしくは両側に、少なくとも一
本以上のスペクトルを付加し、その伝送路周波数応答を
雑音除去用のフィルタに通すので、本来必要となる伝送
路周波数応答に生じる歪みを抑えることができ、受信特
性を向上することができる。
【0018】請求項3記載の発明の受信装置は、請求項
1記載の受信装置において、前記周波数成分付加手段
は、前記伝送路周波数応答算出手段によって算出された
前記伝送路周波数応答の末端部分の片側もしくは両側
に、前記伝送路周波数応答の末端のスペクトルと同等の
スペクトルを少なくとも一本以上付加することを特徴と
している。
【0019】請求項3記載の発明では、伝送路周波数応
答の末端のスペクトルと同等のスペクトルを少なくとも
一本以上付加するので、受信装置の構成を複雑化するこ
となく、伝送路周波数応答を雑音除去用のフィルタに通
すことによって生じる歪みを抑えることができ、受信特
性を向上することができる。
【0020】請求項4記載の発明の受信装置は、請求項
1記載の受信装置において、前記歪み補償手段により歪
み補償されたサブキャリアを基に、送信元のデータ系列
を復調する復調手段と、前記復調手段により復調された
データ系列を変調して前記伝送路周波数応答算出手段へ
出力する変調手段とをさらに具備したことを特徴として
いる。
【0021】この請求項4記載の発明では、受信された
OFDMシンボルが伝送路周波数応答算出用の既知シン
ボルであったときは上記請求項1と同様に伝送路周波数
応答算出を算出する一方、受信されたOFDMシンボル
がデータシンボルであったときは、復調手段により復調
されたデータ系列を変調して伝送路周波数応答算出手段
へ戻し、伝送路周波数応答算出手段では、戻された変調
信号を用いて伝送路周波数応答を算出するので、所望の
ときに伝送路周波数応答が求められるようになり、電波
の受信環境の変化に対する追従性を向上できる。
【0022】請求項5記載の発明の受信装置は、直交周
波数分割多重信号を受信する受信手段と、前記受信手段
により受信された直交周波数分割多重信号を複数のサブ
キャリアからなる周波数スペクトル信号に変換する変換
手段と、前記変換手段により変換された周波数スペクト
ル信号に所定のサブキャリアを付加するサブキャリア付
加手段と、前記サブキャリア付加手段により所定のサブ
キャリアが付加された周波数スペクトル信号の中の所定
のサブキャリアを用いて伝送路周波数応答を算出する伝
送路周波数応答算出手段と、前記伝送路周波数応答に含
まれる雑音を除去する帯域幅を可変させて設定可能なフ
ィルタ手段と、前記伝送路周波数応答の帯域に応じて前
記フィルタ手段の帯域幅を設定する帯域幅設定手段と、
前記帯域幅設定手段により設定された帯域幅の前記フィ
ルタ手段を通過した伝送路周波数応答を用いて前記周波
数スペクトル信号のサブキャリアの歪みを補償する歪み
補償手段とを具備したことを特徴としている。
【0023】請求項5記載の発明では、直交周波数分割
多重信号を周波数変換して得た周波数スペクトル信号に
所定のサブキャリアを付加し、その周波数スペクトル信
号の中の所定のサブキァリアを用いて伝送路周波数応答
を算出し、その伝送路周波数応答を雑音除去用のフィル
タ手段に通すので、伝送路周波数応答のサブキァリアを
付加した部分については従来同様に歪みはするものの、
実質的に必要な部分については歪みを抑えることがで
き、受信特性を向上することができる。
【0024】請求項6記載の発明の受信装置は、請求項
5記載の受信装置において、前記サブキャリア付加手段
は、前記周波数スペクトル信号のサブキャリアの末端部
分の片側もしくは両側に、少なくとも一本以上のサブキ
ャリアを付加することを特徴としている。
【0025】請求項6記載の発明では、周波数スペクト
ル信号のサブキャリアの末端部分の片側もしくは両側
に、少なくとも一本以上のサブキャリアを付加した上で
伝送路周波数応答を算出し、その伝送路周波数応答を雑
音除去用のフィルタに通すので、本来必要とする伝送路
周波数応答に生じる歪みを抑えることができ、受信特性
を向上することができる。
【0026】請求項7記載の発明の受信装置は、請求項
5記載の受信装置において、前記サブキャリア付加手段
は、前記周波数スペクトル信号のサブキャリアの末端部
分の片側もしくは両側に、前記末端部分のサブキャリア
と同等のサブキャリアを少なくとも一本以上付加するこ
とを特徴としている。
【0027】請求項7記載の発明では、周波数スペクト
ル信号のサブキャリアの末端部分の片側もしくは両側
に、前記末端部分のサブキャリアと同等のサブキャリア
を少なくとも一本以上付加するので、受信装置の構成を
複雑化することなく、伝送路周波数応答を雑音除去用の
フィルタに通すことによって生じる歪みを抑えることが
でき、受信特性を向上することができる。
【0028】請求項8記載の発明の受信装置は、請求項
5記載の受信装置において、前記歪み補償手段により歪
み補償されたサブキャリアを基に、送信元のデータ系列
を復調する復調手段と、前記復調手段により復調された
データ系列を変調して前記伝送路周波数応答算出手段へ
出力する変調手段とをさらに具備したことを特徴として
いる。
【0029】この請求項8記載の発明では、受信された
OFDMシンボルが伝送路周波数応答算出用の既知シン
ボルであったときは上記請求項5と同様に伝送路周波数
応答算出を算出する一方、受信シンボルがデータシンボ
ルであったときは、復調手段により復調されたデータ系
列を変調して伝送路周波数応答算出手段へ戻し、伝送路
周波数応答算出手段では、戻された変調信号を用いて伝
送路周波数応答を算出するので、所望のときに伝送路周
波数応答が求められるようになり、電波の受信環境の変
化に対する追従性を向上できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る第1実
施形態のΟFDΜ同期検波受信装置の構成を示す図であ
る。図1に示すように、このΟFDΜ同期検波受信装置
は、アンテナ1、受信部2、フーリエ変換部3、伝送路
周波数応答算出部4、冗長周波数成分付加部5、帯域幅
制御部6、フィルタ7、歪み補償部8、復調部9などを
有している。
【0031】受信部2は、アンテナ1で受信されたOF
DM信号の同期確立処理、ガードタイム除去処理、この
ガードタイム除去処理によって得られたOFDMシンボ
ルの種類判別などの受信処理を行い、フーリエ変換部3
へ出力する。OFDΜシンボルの種類としては、大別す
ると、受信測定用の参照シンボルとそれ以外のOFDΜ
シンボル(データシンボル)とに分けることができる。
受信測定用の参照シンボルとしては、例えば同期捕捉用
のシンボル、遅延時間測定用のシンボル、伝送路周波数
応答算出用のシンボルなどがある。フーリエ変換部3
は、受信部2から出力されたOFDΜシンボルを周波数
変換することにより複数のサブキャリアからなる周波数
スぺクトル信号を生成し、OFDΜシンボルの種類に応
じたサブキャリアを伝送路周波数応答算出部4あるいは
歪み補償部8へ出力する。受信されたOFDΜシンボル
が例えば伝送路周波数応答算出用のシンボルであれば、
そのシンボルのサブキャリアを伝送路周波数応答算出部
4へ出力し、データシンボルであれば、そのシンボルの
サブキャリアを歪み補償部8へ出力する。また、ΟFD
Mシンボル内に、伝送路周波数応答算出用のサブキャリ
アとデータが送信されたサブキャリアとが混在する場合
は、それぞれを振り分けて、例えば伝送路周波数応答算
出部4もしくは歪み補償部8へ出力する。
【0032】伝送路周波数応答算出部4は、フーリエ変
換部3から入力される伝送路周波数応答算出用のシンボ
ルのサブキャリアに対応する送信既知ΟFDMシンボル
のサブキャリアを予め保持しており、各サブキャリアか
ら伝送路周波数応答を算出し冗長周波数成分付加部5へ
出力する。冗長周波数成分付加部5は、伝送路周波数応
答算出部4から入力された伝送路周波数応答に冗長成分
を付加してフィルタ7に出力する。フィルタ7は、他か
らの制御で帯域幅を可変して設定可能なものであり、例
えばトランスバーサルフィルタなどである。帯域幅制御
部6は、伝送路周波数応答の帯域に応じた制御信号をフ
ィルタ7に出力してフィルタ7の帯域幅を設定する。歪
み補償部8は、フィルタ7を通じて入力された伝送路周
波数応答を用いて、フーリエ変換部3から出力されたデ
ータシンボルのサブキャリアの歪み補償を行う。
【0033】この第1実施形態のΟFDΜ同期検波受信
装置の場合、アンテナ1で受信されたΟFDΜ信号は、
受信部2で同期の確立、ガードタイム除去等の受信処理
が行われた後、フーリエ変換部3へ出力される。フーリ
エ変換部3では、入力されたOFDΜ信号を周波数変換
することにより複数のサブキャリアを生成し、OFDΜ
シンボルの種類に応じたサブキャリアを伝送路周波数応
答算出部4あるいは歪み補償部8へ出力する。
【0034】例えば受信されたOFDΜシンボルが伝送
路周波数応答算出用のシンボルであれば、そのシンボル
のサブキャリアは、フーリエ変換部3から伝送路周波数
応答算出部4に出力される。またデータシンボルであれ
ば、そのシンボルのサブキャリアは、フーリエ変換部3
から歪み補償部8へ出力される。
【0035】伝送路周波数応答算出部4では、フーリエ
変換部3から伝送路周波数応答算出用のシンボル(既知
シンボル)のサブキャリアが入力されると、入力された
サブキャリアに基づいて伝送路周波数応答を算出する。
この場合、伝送路周波数応答算出部4では、受信された
伝送路周波数応答算出用のシンボルのサブキャリアに対
応する送信既知ΟFDMシンボルのサブキャリアとを除
算することによって伝送路周波数応答を算出する。
【0036】通常、この伝送路周波数応答算出部4によ
り算出された伝送路周波数応答には雑音成分が含まれる
ため、この伝送路周波数応答をフィルタ7に通すことに
よって雑音成分を除去する必要があるが、フィルタ7が
伝送路周波数応答に対して適性に設定されていると、伝
送路周波数応答を単純にフィルタ7を通しただけでは、
はその両端が歪む。
【0037】そこで、この第1実施形態のΟFDΜ同期
検波受信装置では、伝送路周波数応答算出部4とフィル
タ7との間に冗長周波数成分付加部5を設け、伝送路周
波数応答の帯域両端部分に所定の周波数成分としての冗
長な周波数成分を付加する。例えば伝送路周波数応答算
出部4で算出された伝送路周波数応答の両端に、伝送路
周波数応答の両端と同一のスペクトルを一本もしくは複
数本付加する。
【0038】冗長周波数成分付加部5の出力である冗長
な周波数成分が付加された伝送路周波数応答は、帯域幅
制御部6によって設定された帯域の雑音除去用のフィル
タ7に入力される。
【0039】そして、このフィルタ7によって伝送路周
波数応答に含まれる雑音成分が除去される。このフィル
タ7では、雑音のみに限らず、雑音に似た信号であれ
ば、伝送路周波数応答と無関係な干渉信号なども除去さ
れる。このとき帯域幅設定部6により伝送路周波数応答
の帯域に応じてフィルタ7の帯域幅が設定されるので、
フィルタ7の出力としては、冗長な周波数成分が付加さ
れた部分については歪みが生じるものの、本来必要な伝
送路周波数応答の両端部分の歪みは抑えられる。このフ
ィルタ7を通過した伝送路周波数応答は歪み補償部8に
入力される。
【0040】歪み補償部8では、フーリエ変換部3から
入力されたサブキャリアが、フィルタ7からの伝送路周
波数応答を用いて歪み補償され、歪み補償されたサブキ
ャリアが復調部9へ出力される。ここでは、例えば入力
されたサブキャリアをフィルタ7からの伝送路周波数応
答で除算するといったことが行われる。
【0041】歪み補償されたサブキャリアが復調部9に
入力されると、復調部9では、入力されたサブキャリア
を基にデータ系列を復調する。
【0042】続いて、図2〜6を参照して冗長周波数成
分付加部5の詳細な動作について説明する。ここでは、
上記第1実施形態のΟFDΜ同期検波受信装置について
計算機にてシミュレーションを行った結果を基に、冗長
周波数成分付加部5の動作とその効果を説明する。
【0043】一例として、OFDΜのフーリエ変換規模
を256 とする。OFDΜ信号がフーリエ変換部3によっ
て周波数変換されると、256 本の周波数スペクトルとし
て出力される。出力される各周波数スペクトルに対し
て、周波数の小さい方から大きい方へ 1〜256 の番号を
振り、この番号を周波数番号とする。ここでは周波数番
号29〜228 に200 本のサブキャリアを立ててOFDΜ信
号を構成する。またキャリア間隔4[kHz]、ガードタイム
62.5[μsec]とする。
【0044】伝送路を固定二波モデルとし、遅延波の遅
延時間τ=10[μsec]、所望波対遅延波電力比D/U=
5[dB]とすると、伝送路周波数応答算出部4の出力、つ
まり伝送路周波数応答は図2のように表される。この図
2の伝送路周波数応答には、雑音が含まれていないの
で、これは伝送路周波数応答の真値となる。
【0045】しかし、受信装置内部の熱雑音などによ
り、実際に伝送路周波数応答算出部4で算出される伝送
路周波数応答には、図3のように雑音が含まれる。
【0046】この図3は1ビットあたりの信号エネルギ
ーEbと雑音電力密度Noとの比であるEb/No=20
[dB]の場合の伝送路周波数応答算出部4の伝送路周波
数応答を示している。
【0047】通常、周波数番号 1〜28、 229〜256 には
信号を送信しないので、この部分は0 とする。
【0048】この図3のように雑音成分を含んだ伝送路
周波数応答から雑音成分を除去するためには、この伝送
路周波数応答をフィルタ7に通すことになる。
【0049】一例としてロールオフ係数0.5 のロールオ
フフィルタを伝送路周波数応答の雑音除去用のフィルタ
7として用いる。
【0050】遅延波の遅延時間がτ=10[μsec]である
ことから、伝送路周波数応答成分を削らない最小の片側
帯域幅Bを計算すると、OFDΜシンボル長Tの0.08倍
となる。すなわちOFDΜシンボル長に対するフィルタ
帯域幅B/T=0.08のときに伝送路周波数応答を削るこ
となく雑音を最も多く除去できる。
【0051】図4に、伝送路周波数応答算出部4から出
力される伝送路周波数応答を帯域幅0.08Tのフィルタ7
に通した後の伝送路周波数応答を示す。この受信装置の
歪み補償部8では、入力されたサブキャリアの歪み補償
に、周波数番号29〜228 の伝送路周波数応答を用いる。
【0052】この図4を見ると、フィルタ7を通過した
後の伝送路周波数応答は、ほぼ真値に近付き、フィルタ
7によって雑音が大幅に除去されていることが判るが、
伝送路周波数応答の両端部分は歪んでしまい、真値とは
大きく異なる値になる。
【0053】そこで、本実施形態の場合、図3に示した
伝送路周波数応答に対して、冗長周波数成分付加部5に
おいて、フィルタ7による歪みを抑えるための冗長な周
波数成分を付加する。
【0054】図3の伝送路周波数応答の右端及び左端に
それぞれ10個ずつの冗長スペクトルを付加した例を図5
に示す。ここでは伝送路周波数応答算出部4の出力の両
端のスペクトルとそれぞれ同一の冗長スペクトルを伝送
路周波数応答の両外側に付加することとする。なお、こ
の例では、伝送路周波数応答に付加する冗長スペクトル
の個数を両側で等しくしたが、違えるようにしても良
い。
【0055】すなわち、伝送路周波数応答算出部4が出
力する伝送路周波数応答の一方の末端部分に位置する周
波数番号29の伝送路周波数応答スペクトルと等しい冗長
スペクトルを周波数番号19〜28に10個付加し、伝送路周
波数応答算出部4が出力する伝送路周波数応答の他方の
端末部分に位置する周波数番号228 の伝送路周波数応答
スペクトルと等しい冗長スペクトルを周波数番号229 〜
238 に10個付加する。この冗長周波数成分付加部5によ
って冗長スペクトルが付加された伝送路周波数応答はフ
ィルタ7へ出力されてフィルタ7によって雑音成分を除
去される。
【0056】図6は冗長スペクトルが付加された伝送路
周波数応答がフィルタ7を通過したときの伝送路周波数
応答を示す図である。
【0057】この図6と図4とから冗長スペクトルを付
加した伝送路周波数応答をフィルタ7に通すと、冗長ス
ペクトルを付加せずにフィルタ7に通した場合に比べ
て、歪み補償に用いる周波数番号29〜228 までの伝送路
周波数応答の両端のフィルタ7による歪みが抑えられ、
伝送路周波数応答が真値に近付く。
【0058】このことから、伝送路周波数応答算出部4
で算出した伝送路周波数応答に冗長スペクトルを付加す
ることによって伝送路周波数応答を雑音除去用のフィル
タ7に通すために生じる伝送路周波数応答の両端の歪み
を抑えられることを確認できた。
【0059】次に、図7を参照し第1実施形態の同期検
波受信装置と従来の受信装置とのビット誤り率について
説明する。
【0060】第1実施形態の同期検波受信装置のように
伝送路周波数応答算出部4で算出した伝送路周波数応答
に冗長スペクトルを付加した場合と、従来のように冗長
スペクトルを付加しない場合との各ビット誤り率特性を
計算機にてシミュレーションして求め、両者を比較す
る。
【0061】但し、OFDΜ信号のパラメータはFFT
規模256 、サブキヤリア数200 、サブキャリア間隔4[kH
z]、ガード長62.5[μsec]とし、変調方式は16値QΑ
Μ、雑音除去用のフィルタ7はロールオフ係数0.5 のロ
ールオフフィルタ、冗長成分付加部5が付加する冗長ス
ペクトル数は伝送路周波数応答の両端にそれぞれ10本づ
つとする。伝送路のパラメータは、Eb/No=20[d
B]、OFDΜシンボル長T=10[μsec]、D/U=5
[dB]とする。
【0062】フィルタ7の片側帯域幅をΒとし、上記の
パラメータを使用すると、OFDMシンボル長Tとフィ
ルタ7の片側帯域幅Bとの関係、つまりB/T=0.08と
なり、これが雑音除去用のフィルタ7の最適な帯域幅で
あると予想される。
【0063】図7より、冗長スペクトルを付加しない場
合は、フィルタ7の帯域幅が小さいときに解析値との差
が大きくなる。これはフィルタ7の帯域幅が小さくなる
ほど、フィルタ7による伝送路周波数応答の両端の歪み
が大きくなることが原因である。解析ではB/T=0.08
でビット誤り率が最小となることが予想されるが、冗長
スペクトルを付加しない場合は、伝送路周波数応答の両
端の歪みのため、B/T=0.16でビット誤り率が最小と
なり解析値と大きく異なる。
【0064】一方、冗長スペクトルを付加した場合は、
伝送路周波数応答の両端の歪みが抑えられるため、フィ
ルタ7の帯域幅が小さいときにビット誤り率特性が大き
く改善し解析値に近づく。冗長スペクトルを付加した場
合にビット誤り率が最小となるフィルタ7の帯域幅は0.
1 前後であり、解析によって求めた最適帯域幅0.08とほ
ぼ一致する。
【0065】この結果から、伝送路周波数応答算出部4
で算出した伝送路周波数応答に冗長スペクトルを付加す
ることによって受信特性を改善されることが確認され
た。なお、B/T<0.08では算出した伝送路周波数応答
の真値成分を削ってしまうために、ビット誤り率特性が
大きく劣化する。
【0066】このようにこの第1実施形態のOFDΜ同
期検波受信装置によれば、冗長スペクトルを付加した伝
送路周波数応答をフィルタ7に通すことにより、冗長ス
ペクトルを付加せずにフィルタ7に通した場合に比べ
て、歪み補償に用いる周波数番号29〜228 までの伝送路
周波数応答の両端のフィルタ7による歪みを抑えること
ができ、伝送路周波数応答を真値に近づけることができ
る。
【0067】また、伝送路周波数応答の両端の歪みが抑
えられたことでフィルタ7の帯域幅が小さいときのビッ
ト誤り率特性も大きく改善し、受信特性を向上すること
ができる。
【0068】次に、図8を参照して本発明に係る第2実
施形態のΟFDΜ同期検波受信装置について説明する。
図8は本発明に係る第2実施形態のΟFDΜ同期検波受
信装置の構成を示す図である。この第2実施形態におい
て、上記第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付
しその説明は省略する。この第2実施形態では、伝送路
周波数応答の算出に、既知シンボルのみでなくデータシ
ンボルも用いる例について説明する。
【0069】図8に示すように、この第2実施形態のΟ
FDΜ同期検波受信装置は、図1の構成に、復調部9の
出力であるデータ系列を変調して伝送路周波数応答算出
部4に帰還する変調部10をさらに付加して構成されて
いる。
【0070】この第2実施形態のΟFDΜ同期検波受信
装置の場合、図1と同様に、アンテナ1で受信されたO
FDΜ信号をフーリエ変換部3でフーリエ変換、つまり
周波数変換して複数のサブキャリアからなる周波数スペ
クトル信号を生成し、その周波数スペクトル信号の中の
所定のサブキャリア、例えば伝送路周波数応答算出用の
シンボルやデータシンボルのサブキャリアを伝送路周波
数応答算出部4へ出力する。
【0071】伝送路周波数応答算出部4では、入力され
たサブキャリアを用いて伝送路周波数応答を算出して冗
長周波数付加部5へ出力する。
【0072】冗長周波数付加部5では、入力された伝送
路周波数応答に所定の冗長周波数成分を付加し、冗長周
波数成分を付加した伝送路周波数応答をフィルタ7を介
して歪み補償部9へ出力する。
【0073】歪み補償部9では、入力された伝送路周波
数応答を用いてフーリエ変換部3からのOFDMシンボ
ルのサブキャリアの歪み補償を行う。
【0074】上記図1では伝送路周波数応答算出用のシ
ンボル(既知シンボル)を受信した場合のみフーリエ変
換部3の出力を伝送路周波数応答算出部4に入力した
が、この第2実施形態のΟFDΜ同期検波受信装置で
は、伝送路周波数応答算出用の既知シンボルばかりでは
なくデータシンボルが受信された場合も伝送路周波数応
答算出部4で伝送路周波数応答を算出する。
【0075】すなわち、受信部2が既知シンボルを受信
した場合は、上記第1実施形態のΟFDΜ同期検波受信
装置と同様に伝送路周波数応答を算出する一方、受信部
2がデータシンボルを受信した場合は、復調部9の出
力、つまり実際に復調したデ−タ系列を変調部10で再
変調して伝送路周波数応答算出部4に入力する。変調部
10で再変調して得られた信号は、送信機から送信され
たサブキャリアの推定値である。
【0076】この場合、伝送路周波数応答算出部4で
は、変調部10から入力された変調信号と、フーリエ変
換部3から入力されたデータシンボルのサブキャリアと
を基に伝送路周波数応答を算出する。例えばフーリエ変
換部3から入力されたデータシンボルの受信サブキャリ
アを、変調部10から入力された変調信号で除算する。
このようにこの第2実施形態のΟFDΜ同期検波受信装
置によれば、伝送路周波数応答の算出に、既知シンボル
のみでなくデータシンボルも用いるので、所望のときに
伝送路周波数応答が求められるようになり、電波の受信
環境の変化に対する追従性を向上でき、受信特性を向上
することができる。
【0077】次に、図9を参照して本発明に係る第3実
施形態のΟFDΜ同期検波受信装置について説明する。
図9は本発明に係る第3実施形態のΟFDΜ同期検波受
信装置の構成を示す図である。この第3実施形態におい
て、上記第1実施形態と同様の構成には同一の符号を付
しその説明は省略する。この第3実施形態では、第1、
2実施形態のように伝送路周波数応答算出後に周波数成
分を付加するのではなく、伝送路周波数応答算出前のサ
ブキャリアに所定のサブキャリアを付加する例について
説明する。
【0078】図9に示すように、この第3実施形態のΟ
FDΜ同期検波受信装置は、図1の構成に対して、伝送
路周波数応答算出部4とフィルタ7との間に設けた冗長
周波数成分付加部5に代えて、フーリエ変換部3と伝送
路周波数応答算出部4との間に冗長サブキャリア付加部
11を設け、この冗長サブキャリア付加部11でフーリ
エ変換部3からのサブキャリアに冗長サブキャリアを付
加して伝送路周波数応答算出部4へ出力するよう構成さ
れている。
【0079】この第3実施形態のΟFDΜ同期検波受信
装置の場合、アンテナ1で受信されたΟFDΜ信号は、
受信部2で同期の確立、ガードタイム除去等の受信処理
が行われた後、フーリエ変換部3へ出力される。フーリ
エ変換部3では、入力されたOFDΜ信号を周波数変換
することにより複数のサブキャリアを生成し、OFDΜ
シンボルの種類に応じたサブキャリアを伝送路周波数応
答算出部4あるいは歪み補償部8へ出力する。
【0080】例えば受信されたOFDΜシンボルが伝送
路周波数応答算出用のシンボルであれば、そのシンボル
のサブキャリアは、フーリエ変換部3から冗長サブキャ
リア付加部11に出力される。またデータシンボルであ
れば、そのシンボルのサブキャリアは、フーリエ変換部
3から歪み補償部8へ出力される。
【0081】冗長サブキャリア付加部11では、フーリ
エ変換部3から伝送路周波数応答算出用のシンボル(既
知シンボル)のサブキャリアが入力されると、入力され
たサブキャリアに冗長なサブキャリアを付加して伝送路
周波数応答算出部4へ出力する。例えば冗長サブキャリ
ア付加部11では、フ−リエ変換部3から出力されたO
FDΜ信号のサブキャリアの両端部分に、そのサブキャ
リアの両端と同一のサブキャリアを一本もしくは複数本
付加する。
【0082】伝送路周波数応答算出部4では、冗長サブ
キャリア付加部11により冗長なサブキャリアが付加さ
れたサブキャリアが入力されると、入力されたサブキャ
リアを用いて伝送路周波数応答を算出する。この場合、
伝送路周波数応答算出部4では、伝送路周波数応答算出
用のシンボルのサブキャリアに対応する送信既知ΟFD
Mシンボルのサブキャリアとを除算することによって伝
送路周波数応答を算出する。なお、伝送路周波数応答算
出部4では、冗長なサブキャリアが付加された部分につ
いては、送信既知OFDΜシンボルの両端のサブキャリ
アで除算することによって伝送路周波数応答を算出す
る。通常、この伝送路周波数応答算出部4で算出された
伝送路周波数応答には雑音が含まれるため、伝送路周波
数応答をフィルタ7を通し、雑音成分を除去する。
【0083】この場合、帯域幅制御部6によって、伝送
路周波数応答算出部4により算出された伝送路周波数応
答の帯域に応じた雑音除去帯域がフィルタ7に設定され
るので、伝送路周波数応答がフィルタ7に入力される
と、設定された帯域幅で雑音成分が除去される。このと
き伝送路周波数応答の帯域のうち、冗長サブキャリア付
加部11で付加されたサブキャリアの冗長部分に歪みが
生じるものの、本来必要な伝送路周波数応答の部分の歪
みは抑えられる。フィルタ7によって必要部分の歪みが
抑えられ、かつ雑音成分が除去された伝送路周波数応答
は歪み補償部8に出力される。
【0084】歪み補償部8では、フィルタ7から入力さ
れた伝送路周波数応答を用いて、フーリエ変換部3から
のOFDΜシンボルのサブキャリアの歪み補償を行う。
例えばこの歪み補償部8では、フーリエ変換後のOFD
Μシンボルのサブキャリアをフィルタ7から出力される
伝送路周波数応答で除算するといったことが行われる。
そして、歪み補償部8により歪み補償されたサブキャ
リアは復調部9へ出力され、この復調部9では、歪み補
償後のOFDMシンボルのサブキャリアからデータ系列
を復調する。
【0085】このようにこの第3実施形態のΟFDΜ同
期検波受信装置によれば、フーリエ変換部3と伝送路周
波数応答算出部4との間に冗長サブキャリア付加部11
を設けたことにより、伝送路周波数応答算出部4では、
冗長なサブキャリアが付加されたサブキャリアを用いて
伝送路周波数応答を算出するので、伝送路周波数応答の
帯域のうち、冗長サブキャリア付加部11で付加された
サブキャリアの冗長部分に歪みが生じるものの、本来必
要な伝送路周波数応答の部分の歪みを抑えることができ
る。
【0086】次に、図10を参照して本発明に係る第4
実施形態のΟFDΜ同期検波受信装置について説明す
る。図10は本発明に係る第4実施形態のΟFDΜ同期
検波受信装置の構成を示す図である。この第4実施形態
において、上記第1実施形態と同様の構成には同一の符
号を付しその説明は省略する。この第4実施形態では、
フーリエ変換部3からのサブキャリアに冗長なサブキャ
リアを付加すると共に伝送路周波数応答を算出する上で
既知シンボルのみでなくデータシンボルも用いる例につ
いて説明する。
【0087】図10に示すように、この第4実施形態の
ΟFDΜ同期検波受信装置は、第3実施形態の構成に変
調部10をさらに付加して構成されている。この変調部
10は、復調部9の出力であるデータ系列を再度変調し
て伝送路周波数応答算出部4へ出力するものである。
【0088】この第4実施形態のΟFDΜ同期検波受信
装置の場合、第3実施形態と同様に、アンテナ1で受信
されたOFDΜ信号を受信部2で受信処理してフーリエ
変換部3へ出力する。フーリエ変換部3では、入力され
たOFDΜ信号を周波数変換して複数のサブキャリアを
生成し、その中の所定のサブキャリア、例えば伝送路応
答算出用のシンボル(既知シンボル)やデータシンボル
などのサブキャリアを冗長サブキャリア付加部11へ出
力する。
【0089】冗長サブキャリア付加部11では、入力さ
れたサブキャリアに冗長なサブキャリアを付加して伝送
路周波数応答算出部4へ出力する。
【0090】伝送路周波数応答算出部4では、冗長なサ
ブキャリアが付加されたサブキャリアが入力されると、
そのサブキャリアの種類に応じて伝送路周波数応答を算
出する。
【0091】例えば伝送路周波数応答算出用のシンボル
のサブキャリアであれば、そのサブキャリアを用いて伝
送路周波数応答を算出する。またデータシンボルのサブ
キャリアであれば、そのサブキャリアと変調部10から
戻されてきた変調信号とから伝送路周波数応答を算出す
る。
【0092】この伝送路周波数応答算出部4によって算
出された伝送路周波数応答は、フィルタ7を介して歪み
補償部8に出力される。伝送路周波数応答をフィルタ7
に通すことで、伝送路周波数応答に含まれる雑音成分が
除去されると共に、伝送路周波数応答の冗長なサブキャ
リアを付加した冗長部分に歪みが生じるが、実際に必要
な伝送路周波数応答の部分の歪みは抑制される。
【0093】雑音成分が除去された伝送路周波数応答が
歪み補償部8に入力されると、歪み補償部8では、入力
された伝送路周波数応答を基にOFDMシンボルのサブ
キャリアの歪み補償を行い復調部9へ出力する。復調部
9では、入力された歪み補償後のOFDMシンボルのサ
ブキャリアからデータ系列を生成し、次段へ出力する。
すなわち、この第4実施形態では、上記第3実施形態
のように伝送路周波数応答算出用のシンボルなどの既知
シンボルを受信したときのみそのシンボルのサブキャリ
アに冗長サブキャリア付加部11で冗長サブキャリアを
付加して伝送路周波数応答を算出するのではなく、既知
シンボルのサブキャリア以外にデータシンボルのサブキ
ャリアにも冗長サブキャリア付加部11で冗長サブキャ
リアを付加し伝送路周波数応答算出部4へ出力し、伝送
路周波数応答算出部4では、データシンボルのサブキャ
リアが入力されると、そのサブキャリアと変調部10か
ら戻されてきた変調信号とから伝送路周波数応答を算出
する。
【0094】このようにこの第4実施形態のΟFDΜ同
期検波受信装置によれば、受信部2で既知シンボルが受
信されたときは、第3実施形態と同様にそのシンボルの
サブキャリアに冗長サブキャリアを付加して伝送路周波
数応答を算出する一方、受信部2でデ−タシンボルが受
信された場合は、そのデータシンボルのサブキャリアに
冗長サブキャリアを付加して伝送路周波数応答算出部4
へ出力すると共に、復調部9により復調されたデ−タ系
列を変調部10で再変調して伝送路周波数応答算出部4
に帰還させ、伝送路周波数応答算出部4では、変調部1
0からの変調信号と冗長サブキャリアが付加されたサブ
キャリアとから伝送路周波数応答を算出するので、所望
のときに伝送路周波数応答が求められるようになり、電
波の受信環境の変化に対する追従性を向上でき、受信特
性を向上することができる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、直交周波数分割多重信号を周波数変換して
得た周波数スペクトル信号の中の所定のサブキャリアを
用いて伝送路周波数応答を算出し、算出した伝送路周波
数応答に所定の周波数成分を付加した上でフィルタ手段
に通して伝送路周波数応答中に含まれる雑音を除去する
ので、フィルタによる雑音除去で生じる伝送路周波数応
答の必要部分の歪みを抑えることができ、これにより受
信特性を向上することができる。
【0096】また請求項2記載の発明によれば、受信装
置が、算出した伝送路周波数応答の末端部分の片側もし
くは両側に少なくとも一本以上のスペクトルを冗長周波
数成分として付加し雑音除去用のフィルタに通すので、
フィルタリング後の伝送路周波数応答の必要な部分の歪
みを抑えることができ、受信特性を向上することができ
る。
【0097】さらに請求項3記載の発明によれば、受信
装置が、算出した伝送路周波数応答の末端部分の片側も
しくは両側に、伝送路周波数応答の末端のスペクトルと
同等のスペクトルを冗長周波数成分として少なくとも一
本以上付加することにより、受信装置の構成を複雑化す
ることなく、フィルタリング後の伝送路周波数応答の必
要な部分の歪みを抑えることができ、受信特性を向上す
ることができる。
【0098】また、請求項4、8記載の発明によれば、
復調手段により復調されたデータ系列を変調手段で変調
して伝送路周波数応答算出手段へ出力するので、既知シ
ンボルが受信されたときだけでなく、データシンボルが
受信されたときも伝送路周波数応答を算出してサブキャ
リアの歪み補償を行うので、所望のときに伝送路周波数
応答が求められるようになり、電波の受信環境の変化に
対する追従性を向上でき、これにより受信特性を向上す
ることができる。
【0099】さらに、請求項5記載の発明によれば、直
交周波数分割多重信号を周波数変換して得た周波数スペ
クトル信号に冗長なサブキャリアを付加し、その中の所
定のサブキャリアを用いて算出して得た伝送路周波数応
答をフィルタ手段に通して伝送路周波数応答中に含まれ
る雑音を除去するので、フィルタリング後の伝送路周波
数応答の必要な部分の歪みを抑えることができ、これに
より受信特性を向上することができる。
【0100】また、請求項6記載の発明によれば、受信
装置が、周波数変換して得た周波数スペクトル信号のサ
ブキャリアの末端部分の片側もしくは両側に、少なくと
も一本以上のサブキャリアを冗長成分として付加するこ
とにより、フィルタリング後の伝送路周波数応答の必要
な部分の歪みを抑えることができ、受信特性を向上する
ことができる。
【0101】さらに、請求項7記載の発明によれば、受
信装置が、周波数変換されたOFDΜ受信信号のサブキ
ャリアの末端部分の片側もしくは両側に、サブキャリア
の末端部分のサブキャリアと同等のサブキャリアを少な
くとも一本以上を冗長成分として付加することより、受
信装置の構成を複雑化することなく、フィルタリング後
の伝送路周波数応答の必要な部分の歪みを抑えことがで
き、受信特性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のOFDM同期検波
受信装置の構成を示す図。
【図2】固定二波モデルにおける伝送路周波数応答の真
値の一例を示す図。
【図3】固定二波モデルにおいて、雑音を含む伝送路周
波数応答の一例を示す図。
【図4】図3の伝送路周波数応答をフィルタに通して得
た波形の一例を示す図。
【図5】固定二波モデルにおいて、冗長スペクトルを付
加した伝送路周波数応答の一例を示す図。
【図6】図5の伝送路周波数応答をフィルタに通して得
た波形の一例を示す図。
【図7】冗長スペクトル有り無しでのビット誤り率特性
を示す図。
【図8】本発明に係る第2実施形態のOFDM同期検波
受信装置の構成を示す図。
【図9】本発明に係る第3実施形態のOFDM同期検波
受信装置の構成を示す図。
【図10】本発明に係る第4実施形態のOFDM同期検
波受信装置の構成を示す図。
【符号の説明】
1…アンテナ、2…受信部、3…フーリエ変換部、4…
伝送路周波数応答算出部、5…冗長周波数成分付加部、
6…帯域幅制御部、7…フィルタ、8…歪み補償部、9
…復調部、10…変調部、11…冗長サブキャリア付加
部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−163822(JP,A) 特開 平10−257013(JP,A) 特開 平10−75226(JP,A) 特表 平8−501195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04J 11/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直交周波数分割多重信号を受信する受信
    手段と、 前記受信手段により受信された直交周波数分割多重信号
    を複数のサブキャリアからなる周波数スペクトル信号に
    変換する変換手段と、 前記変換手段により変換された周波数スペクトル信号の
    中の所定のサブキャリアを用いて伝送路周波数応答を算
    出する伝送路周波数応答算出手段と、 前記伝送路周波数応答算出手段により算出された伝送路
    周波数応答に所定の周波数成分を付加する周波数成分付
    加手段と、 前記伝送路周波数応答に含まれる雑音を除去する帯域幅
    を可変させて設定可能なフィルタ手段と、 前記周波数成分付加手段により所定の周波数成分が付加
    される前の伝送路周波数応答の帯域もしくは前記周波数
    成分付加手段により所定の周波数成分が付加された伝送
    路周波数応答の帯域に応じて前記フィルタ手段の帯域幅
    を設定する帯域幅設定手段と、 前記帯域幅設定手段により設定された帯域幅の前記フィ
    ルタ手段を通過した前記伝送路周波数応答を用いて前記
    周波数スペクトル信号のサブキャリアの歪みを補償する
    歪み補償手段とを具備することを特徴とする受信装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の受信装置において、 前記周波数成分付加手段は、 前記伝送路周波数応答算出手段によって算出された前記
    伝送路周波数応答の末端部分の片側もしくは両側に、少
    なくとも一本以上のスペクトルを付加することを特徴と
    する受信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の受信装置において、 前記周波数成分付加手段は、 前記伝送路周波数応答算出手段によって算出された前記
    伝送路周波数応答の末端部分の片側もしくは両側に、前
    記伝送路周波数応答の末端のスペクトルと同等のスペク
    トルを少なくとも一本以上付加することを特徴とする受
    信装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の受信装置において、 前記歪み補償手段により歪み補償されたサブキャリアを
    基に、送信元のデータ系列を復調する復調手段と、 前記復調手段により復調されたデータ系列を変調して前
    記伝送路周波数応答算出手段へ出力する変調手段とをさ
    らに具備したことを特徴とする受信装置。
  5. 【請求項5】 直交周波数分割多重信号を受信する受信
    手段と、 前記受信手段により受信された直交周波数分割多重信号
    を複数のサブキャリアからなる周波数スペクトル信号に
    変換する変換手段と、 前記変換手段により変換された周波数スペクトル信号に
    所定のサブキャリアを付加するサブキャリア付加手段
    と、 前記サブキャリア付加手段により所定のサブキャリアが
    付加された周波数スペクトル信号の中の所定のサブキャ
    リアを用いて伝送路周波数応答を算出する伝送路周波数
    応答算出手段と、 前記伝送路周波数応答に含まれる雑音を除去する帯域幅
    を可変させて設定可能なフィルタ手段と、 前記伝送路周波数応答の帯域に応じて前記フィルタ手段
    の帯域幅を設定する帯域幅設定手段と、 前記帯域幅設定手段により設定された帯域幅の前記フィ
    ルタ手段を通過した伝送路周波数応答を用いて前記周波
    数スペクトル信号のサブキャリアの歪みを補償する歪み
    補償手段とを具備することを特徴とする受信装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の受信装置において、 前記サブキャリア付加手段は、 前記周波数スペクトル信号のサブキャリアの末端部分の
    片側もしくは両側に、少なくとも一本以上のサブキャリ
    アを付加することを特徴とする受信装置。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の前記受信装置において、 前記サブキャリア付加手段は、 前記周波数スペクトル信号のサブキャリアの末端部分の
    片側もしくは両側に、前記末端部分のサブキャリアと同
    等のサブキャリアを少なくとも一本以上付加することを
    特徴とする受信装置。
  8. 【請求項8】 請求項5記載の前記受信装置において、 前記歪み補償手段により歪み補償されたサブキャリアを
    基に、送信元のデータ系列を復調する復調手段と、 前記復調手段により復調されたデータ系列を変調して前
    記伝送路周波数応答算出手段へ出力する変調手段とをさ
    らに具備したことを特徴とする受信装置。
JP00314298A 1998-01-09 1998-01-09 受信装置 Expired - Fee Related JP3514965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00314298A JP3514965B2 (ja) 1998-01-09 1998-01-09 受信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00314298A JP3514965B2 (ja) 1998-01-09 1998-01-09 受信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11205274A JPH11205274A (ja) 1999-07-30
JP3514965B2 true JP3514965B2 (ja) 2004-04-05

Family

ID=11549116

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00314298A Expired - Fee Related JP3514965B2 (ja) 1998-01-09 1998-01-09 受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3514965B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10257116A (ja) * 1997-03-11 1998-09-25 Nec Corp 直交周波数変換装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11205274A (ja) 1999-07-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6628638B1 (en) Method and apparatus for receiving diversity signals for use in OFDM radio communication system
US6219334B1 (en) Receiving apparatus for receiving orthogonal frequency division multiplexing signal and receiving method thereof
EP2315386B1 (en) OFDM communications methods and apparatus
EP0955754B1 (en) Method and apparatus for achieving and maintaining symbol synchronization in an OFDM transmission system
JP3737264B2 (ja) ダイバーシチ受信装置
US6058145A (en) Method of demodulating a multi-frequency quadrature modulated signal
US6680901B1 (en) OFDM demodulator
JP4311132B2 (ja) Ofdm伝送方式における受信装置
JPH08321820A (ja) 直交周波数分割多重信号の伝送方法ならびにその送信装置および受信装置
US6215815B1 (en) Band insertion and precancellation technique for simultaneous communications of analog frequency-modulated and digitally modulated signals
JP2005192109A (ja) Ofdm無線通信システムのための伝搬路推定器及びこれを用いた受信装置
EP0486667A1 (en) Communication signal having a time domain pilot component
KR19990028080A (ko) 직교 주파수 분할 다중화 전송 방식에서 주파수 동기 장치 및방법
JP2003110528A (ja) Ofdm用周波数特性検出器、ofdm用周波数特性補償器及びofdm用中継装置
JP3514965B2 (ja) 受信装置
JP3768439B2 (ja) ダイバーシティ受信装置
EP1370017A1 (en) Interference reduction for simulcast signals
JP3559428B2 (ja) 受信装置
JPH07154129A (ja) Lms方式のアダプティブアレイアンテナ装置
JP2000022660A (ja) ディジタル通信装置
JP3507657B2 (ja) 直交周波数分割多重方式の復調器
JP2002026861A (ja) 復調装置及び復調方法
JP2005512441A (ja) アナログ信号前置補償を行うamデジタル音声放送
JP4930262B2 (ja) Ofdm受信装置及びofdm受信方法
JP3539383B2 (ja) Ofdm通信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080123

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090123

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100123

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110123

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees