JP3448635B2 - スルフェンアミド化合物及びその製造方法 - Google Patents

スルフェンアミド化合物及びその製造方法

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JP3448635B2
JP3448635B2 JP28339298A JP28339298A JP3448635B2 JP 3448635 B2 JP3448635 B2 JP 3448635B2 JP 28339298 A JP28339298 A JP 28339298A JP 28339298 A JP28339298 A JP 28339298A JP 3448635 B2 JP3448635 B2 JP 3448635B2
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sulfenamide
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acyl
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政男 清水
勲 渋谷
康夫 蒲
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スルフェンアミド
化合物及びその製造方法に関するものである。さらに詳
しくは,チオサリチル酸エステル化合物をアミノ化して
得られるスルフェンアミド化合物及びその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般式(3)
【化4】 (式中、R1〜R4は水素原子または不活性置換基であ
る。)で示される1,2-ベンゾイソチアゾリノン化合物は
種々の生理活性を持つ事が知られており,特に5-クロロ
および6-クロロ-1,2-ベンゾイソチアゾリノンは抗菌・
抗バクテリア活性があることが報告されている(Adv. H
eterocycl. Chem., 14,58 (1972))。さらに,1,2-ベン
ゾイソチアゾリノンから誘導される1-(1,2-ベンゾイソ
チアゾール-3-イル)ピペラジン誘導体には抗精神病作用
がある(J. Med. Chem., 29,359 (1986))という重要な
化合物である。また,1,2-ベンゾイソチアゾリノンを酸
化することにより甘味料であるサッカリンを得ることも
できる(J. Chem. Soc., 123, 170 (1923), Chem. Be
r., 61, 1308 (1928))。
【0003】従来,1,2-ベンゾイソチアゾリノン化合物
は,ジチオサリチル酸を塩素と処理をした後,アミンと
反応させることにより製造されていたが(米国特許第28
70015号,ベルギー国特許第565380号,第617384号,ド
イツ国特許第1135468号),有毒な塩素や臭素を用いな
ければならず,安全な製造法の開発が望まれている。さ
らにこの方法による製造方法では,N-無置換ベンゾイ
ソチアゾリノン化合物を製造するにあたり,目的物は得
られず,ジスルフェンアミドのみが得られてくるという
欠点もある(J. Org. Chem.,40, 2029 (1975))。ま
た,1,2-ベンゾジチオール-3-オンや1,2-ベンゾジチオ
ール-3-オン 1-オキシドより製造する方法も知られて
いるが(J. Chem. Soc., 123, 170 (1923), Tetrahedro
n Lett., 37, 5337 (1996)),これらの化合物はいずれ
も特殊な試薬であって,入手が容易ではなく工業的に実
施する方法としては不適当である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なスル
フェンアミド化合物を提供することにより、有毒な塩素
ガスを用いることなくまた、入手しにくい出発原料を用
いることなく1,2-ベンゾイソチアゾリノン化合物を製造
するための工業的に有利な化合物を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チオサリ
チル酸エステル化合物のチオール基が容易にアミノ化さ
れることに着目し、チオサリチル酸エステル化合物のチ
オール基をアミノ化して得られるスルフェンアミド化合
物を分子内縮合環化反応をさせれば,安全かつ容易に1,
2-ベンゾイソチアゾリノン化合物が得られることを見い
出し、その結果、新規なスルフェンアミド化合物とその
製造方法を見いだすに至った。
【0006】すなわち、本発明によれば、下記 一般式
(2)
【化5】 (式中、R〜Rは、水素原子または炭素数1〜6の
鎖状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素
数1〜6のジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、Rは、炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のシクロアル
キル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12
のアリールアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のジア
ルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル基、ハロゲン原
子、ニトロ基の置換基を有してもよいピリジル基、チエ
ニル基、フリル基から選ばれる複素環基である。)で表
されるチオサリチル酸エステル化合物を、ヒドロキシル
アミン−O−スルホン酸、O−アシルまたはO−スルフ
ォニルヒドロキシルアミン化合物、クロラミンから選ば
れるアミノ化剤によりアミノ化する一般式(1)
【化6】 (式中、R〜Rは水素原子または炭素数1〜6の鎖
状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数
1〜6のジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、Rは炭素数
1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のシクロアルキ
ル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12の
アリールアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基、
炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のジアルキ
ルアミノ基、炭素数1〜6のアシル基、ハロゲン原子、
ニトロ基の置換基を有してもよいピリジル基、チエニル
基、フリル基から選ばれる複素環基である。)で表され
るスルフェンアミド化合物 及びその製造方法が提供さ
れる。
【0007】また、本発明によれば1,2-ベンゾイソチア
ゾリノン化合物を工業的に製造するのに有利な化合物を
提供することができる。
【0008】
【発明実施の形態】本発明によれば、前記一般式(1)
で表されるスルフェンアミド化合物は、前記一般式
(2)で表されるチオサリチル酸エステル化合物をアミ
ノ化させることにより製造される。前記一般式(1)、
(2)において、R1〜R4は水素または不活性置換基を
示すが、この場合の不活性という意味は、本発明のアミ
ノ化反応に不活性なものであればどのようなものでもよ
い。このような置換基には、鎖状または環状のアルキル
基、アルコキシ基、ジアルキルアミノ基、アシル基、ア
ルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が包
含される。これらの置換基に結合するアルキル基の炭素
数は、通常1〜6である。また、R5は有機基を示す
が、この場合の有機基には脂肪族基,芳香族基および複
素環基が包含される。脂肪族基にはアルキル基やシクロ
アルキル基が包含される。アルキル基の炭素数は1〜1
2,好ましくは1〜6である。これらのアルキル基およ
びシクロアルキル基は,ハロゲン原子,アルコキシル
基,ジアルキルアミノ基,アシル基,アルコキシカルボ
ニル基等の置換基を有していてもよい。これらの置換基
におけるアルキル基は,炭素数1〜6の低級アルキル基
であることができる。前記脂肪族基の具体例を示すと,
メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,ブチル,ヘ
キシル,シキロヘキシル,エトキシエチル,ジメチルア
ミノエチル,アセチルエチル,メトキシカルボニルエチ
ル等が挙げられる。芳香族基には,アリール基およびア
リールアルキル基が包含される。これらのアリール基お
よびアリールアルキル基は,ハロゲン原子,アルコキシ
基,ニトロ基,アシル基,ジアルキルアミノ基,アルコ
キシカルボニル基等の置換基を有していてもよい。前記
芳香族基の具体例としては,フェニル,トリル,キシリ
ル,ナフチル,ベンジル,フェネチルおよびそれらの核
置換体等が挙げられる。複素環基としては,ピリジル
基,チエニル基,フリル基等が挙げられる。これらの複
素環基も,アルキル基,ハロゲン原子,アルコキシ基,
ニトロ基,ジアルキルアミノ基,アシル基,アルコキシ
カルボニル基等の置換基を有していてもよい。
【0009】アミノ化剤は,イオウ−窒素結合を形成す
る能力を持っている物質であればよく,ヒドロキシルア
ミン-O-スルホン酸(HOSA),O-アシルまたはO-
スルフォニルヒドロキシルアミン化合物,クロラミン等
が挙げられる。アミノ化剤の使用割合は,チオサリチル
酸エステル化合物1当量当たり,少なくとも1当量,好
ましくは1.5〜2.5当量の割合である。
【0010】前記アミノ化反応は,好ましくは反応溶媒
の存在下で実施されるが,この場合の反応溶媒は,水,
炭素数1〜6の低級脂肪族アルコールとしては,メタノ
ール,エタノール,1-プロパノール,イソプロパノー
ル,1-ブタノール,2-ブタノール,イソブタノール,te
rt-ブタノール,ペンタノール,ヘキサノール等,エー
テル類としては,ジエチルエーテル,THF,イソプロ
ピルエーテル等,含窒素有機溶媒系としては,アセトニ
トリル,DMF等が挙げられる。また,これらの溶媒は
単独または混合溶媒の形で使用される。
【0011】前記アミノ化の方法における温度は、30
度〜50度付近の温度で行うことができるが、あまり低
温すぎると反応時間が遅くなり、高すぎると分解反応や
副反応が多くなるので、0度〜30度の範囲で実施する
のが好ましい。反応時間は反応温度により左右され,一
概に定めることはできないが,通常は10分〜2時間で
十分である。
【0012】このようにして、本発明のアミノ化によっ
て例えば化学式(4)から(8)で示されるスルフェン
アミド化合物を製造することができた。
【0013】本発明の一般式(1)で示されるスルフェ
ンアミド化合物を塩基存在下、分子内環化縮合反応を行
うことにより、1,2ーベンゾイソチアゾリノン化合物
を得ることができる。塩基は,反応系において均一な状
態で存在するものが好ましく,このようなものとして
は,アルカリ金属水酸化物化合物,アルカリ土類金属水
酸化物化合物,アルカリ金属アルコラート化合物等が包
含される。特に制限はないが,水酸化ナトリウムや水酸
化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物が好ましい結
果を与える。
【0014】縮合反応において,反応に際して用いられ
る溶媒については,炭素数1〜6の低級脂肪族アルコー
ルとしては,メタノール,エタノール,1-プロパノー
ル,イソプロパノール,1-ブタノール,2-ブタノール,
イソブタノール,tert-ブタノール,ペンタノール,ヘ
キサノール等,エーテル類としては,ジエチルエーテ
ル,THF,イソプロピルエーテル等,含窒素有機溶媒
系としては,ピリジン,アセトニトリル,DMF等が挙
げられる。また,これらの溶媒は単独または混合溶媒の
形で使用される。特に制限はないが,スルフェンアミド
類と塩基の双方が可溶な溶媒として,メタノールやエタ
ノールのような第一級アルコールが好ましい結果を与え
る。
【0015】本縮合反応の方法における反応の温度は,
0度〜100度付近の温度で行うことができるが,あま
り低温すぎると反応時間が遅くなり,高すぎると分解反
応や副反応が多くなるので,0度〜30度の範囲で実施
するのが好ましい。反応時間は反応温度により左右さ
れ,一概に定めることはできないがが,通常は30分〜
2時間で十分である。
【0016】(1) 一般式(1)
【化1】 (式中、R〜Rは水素原子または炭素数1〜6の鎖
状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数
1〜6のジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、Rは、炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のシクロアル
キル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12
のアリールアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のジア
ルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル基、ハロゲン原
子、ニトロ基の置換基を有してもよいピリジル基、チエ
ニル基、フリル基から選ばれる複素環基である。)で表
されるスルフェンアミド化合物。 (2) Rが炭素数1〜12のアルキル基である上記
1記載のスルフェンアミド化 合物。 (3) Rが炭素数1〜12のシクロアルキル基であ
る上記1または上記2に記載 されたスルフェンアミド
化合物。 (4) R、Rが炭素数1〜6のアルコキシ基であ
る上記1ないし上記3のいずれかひとつに記載されたス
ルフェンアミド化合物。 (5) R、R、R、Rが水素原子である上
記1ないし上記3記載のいずれかひとつに記載されたス
ルフェンアミド化合物。 (6) 一般式(2)
【化2】 (式中、R〜Rは水素原子または、炭素数1〜6の
鎖状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素
数1〜6のジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、Rは、炭素
数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のシクロアル
キル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12
のアリールアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル
基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のジア
ルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル基、ハロゲン原
子、ニトロ基の置換基を有してもよいピリジル基、チエ
ニル基、フリル基から選ばれる複素環基である。)で表
されるチオサリチル酸エステル化合物を、ヒドロキシル
アミン−O−スルホン酸、O−アシルまたはO−スルフ
ォニルヒドロキシルアミン化合物、クロラミンから選ば
れるアミノ化剤によりアミノ化する一般式(1)
【化3】 (式中、R〜Rは水素原子または炭素数1〜6の鎖
状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数
1〜6のジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、Rは炭素数
1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のシクロアルキ
ル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12の
アリールアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基、
炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のジアルキ
ルアミノ基、炭素数1〜6のアシル基、ハロゲン原子、
ニトロ基の置換基を有してもよいピリジル基、チエニル
基、フリル基から選ばれる複素環基である。)で表され
るスルフェンアミド化合物 の製造方法。 (7) アミノ化剤を用いて、−30℃〜50℃でアミ
ノ化を行う請求項6記載のスルフェンアミド化合物 の
製造方法。 (8) チオサリチル酸エステル1当量あたり、1.0
〜3当量好ましくは、1.5〜2.5当量のアミノ化剤
を用いる上記6または上記7に記載されたスルフェンア
ミド化合物 の製造方法。 (9) 反応溶媒の存在下でアミノ化を行う上記6ない
し上記8のいずれかひとつに記載されたスルフェンアミ
ド化合物 の製造方法。 (10)反応溶媒として、水、メタノール、エタノー
ル、1ープロ パノール、イソプロパノール、1ーブタノ
ール、2ーブタノール、イソブタノール、tert-ブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、アセトニ
トリル、ジメチルフォルムアミドを単独もしくは混合で
用いる上記6ないし上記9のいずれかひとつに記載され
たスルフェンアミド化合物 の製造方法。
【0017】(6) 一般式(2)
【化8】 (式中、R1〜R4は水素原子または不活性置換基、R5
は不活性置換基である。)で表されるチオサリチル酸エ
ステル化合物をアミノ化する一般式(1)
【化9】 (式中、R1〜R4は水素原子または不活性置換基、R5
は不活性置換基である。)で表されるスルフェンアミド
化合物 の製造方法。 (7) アミノ化剤を用いて、−30℃〜50℃でアミ
ノ化を行う請求項6記載のスルフェンアミド化合物 の
製造方法。 (8) チオサリチル酸エステル1当量あたり、1.0
〜3当量好ましくは、1.5〜2.5当量のアミノ化剤
を用いる請求項6または請求項7に記載されたスルフェ
ンアミド化合物 の製造方法。 (9) 反応溶媒の存在下でアミノ化を行う請求項6な
いし請求項8のいずれかひとつに記載されたスルフェン
アミド化合物 の製造方法。 (10) アミノ化剤として、ヒドロキシルアミンーOー
スルホン酸、OーアシルまたはOースルフォニルヒドロキ
シルアミン化合物、クロラミンを用いる請求項6ないし
請求項9のいずれかひとつに記載されたスルフェンアミ
ド化合物の製造方法。 (11) 反応溶媒として、水、メタノール、エタノー
ル、1ープロパノール、イソプロパノール、1ーブタノー
ル、2ーブタノール、イソブタノール、tert-ブタノー
ル、ペンタノール、ヘキサノール、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、アセトニ
トリル、ジメチルフォルムアミドを単独もしくは混合で
用いる請求項6ないし請求項10のいずれかひとつに記
載されたスルフェンアミド化合物 の製造方法。
【0018】次に,本発明を実施例により詳細に説明す
る。なお,本発明の実施例は本発明の理解を容易にする
ために代表的な物をあげたものであり,本発明はこれだ
けに限定されるものではない。なお,下記実施例によっ
て製造されるスルフェンアミド化合物は,すべて新規化
合物であり,各種スペクトルと元素分析の結果を主要な
判定基準として同定した。結晶化が困難な化合物に関し
ては,p-ニトロベンズアルデヒドを反応させてイミン化
合物誘導体として元素分析を行った。また,製造された
化合物(4)〜(8)は,前記で示した化合物(4)〜
(8)に対応するもので,その物性値としては,融点,
核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR),赤外吸収スペ
クトル(IR),元素分析値の順にそれぞれ記した。
【0019】実施例1 内容積100mlのガラス製容器中に水酸化カリウム2
mmolを溶解させた水20mlにチオサリチル酸メチ
ル2mmolを入れ,HOSA3mmolを水酸化カリ
ウム3mmolが溶解した水20mlに溶解させた物を
氷浴上で滴下させた。窒素雰囲気下、30分撹拌した
後、析出した白色の物質を濾過して、乾燥し、さらに塩
化メチレン−ヘキサンで再結晶することにより化学式
(4)
【化10】 で表されるスルフェンアミドを得た。 収率 72%;融点 88-89℃;1H-NMR(CDCl3) 2.61 (brs,
2H), 3.91 (s, 3H), 7.15 (t, 1H, J=7Hz), 7.56 (t, 1
H, J=7Hz), 7.94 (d, 1H, J=8Hz), 8.01 (d, 1H, J=8H
z);IR(KBr) 3391, 3299, 1701, 1271, 743 cm-1。 C89NO2Sとしての元素分析値(%) 測定値:C, 52.41, H, 4.91, N, 7.34 計算値:C, 52.44, H, 4.95, N, 7.69
【0020】実施例2 内容積100mlのガラス製容器中に水酸化カリウム2
mmolを溶解させた水15mlとエタノール15ml
の混合溶媒に、チオサリチル酸エチル2mmolを入
れ、HOSA3mmolを水酸化カリウム3mmolが
溶解した水20mlに溶解させた物を氷浴上で滴下させ
た。窒素雰囲気下、30分撹拌した後、10mlの塩化
メチレンで3回抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで
乾燥した後、減圧下溶媒を除去し、粗生成物を塩化メチ
レン−ヘキサンから再結晶することにより化学式(5)
【化11】 で表されるスルフェンアミドを得た。 収率 98%;融点 74-75℃;1H-NMR(CDCl3) 1.40 (t, 3
H, J=7Hz), 2.62 (brs,2H), 4.38 (q, 2H, J=7Hz), 7.1
5 (t, 1H, J=7Hz), 7.56 (t, 1H, J=7Hz), 7.93 (d, 1
H, J=8Hz), 8.03 (d, 1H, J=8Hz);IR(KBr) 3370, 328
1, 1692, 1275, 754 cm-1。 C911NO2Sとしての元素分析値(%) 測定値:C, 54.57, H, 5.52, N, 6.74 計算値:C, 54.80, H, 5.62, N, 7.10
【0021】実施例3 実施例2において、チオサリチル酸エチルの代わりにチ
オサリチル酸プロピルを用いて、実施例2と同様に反応
を行ない、化学式(6)
【化12】 で表されるスルフェンアミドを得た。 収率 85%;融点(p-ニトロベンズアルデヒドとの縮合
化合物として)156-157℃;1H-NMR(CDCl3) 1.03 (t, 3
H, J=7Hz), 1.80 (hex, 2H, J=7Hz), 2.61 (brs,2H),
4.28 (t, 2H, J=7Hz), 7.16 (t, 1H, J=8Hz), 7.56 (t,
1H, J=7Hz), 7.91 (d, 1H, J=8Hz), 8.03 (d, 1H, J=8
Hz);IR(KBr) 3393, 3308, 1699, 1269, 745 cm-1。 p-ニトロベンズアルデヒドとの縮合化合物C17162
4Sとしての元素分析値(%) 測定値:C, 59.14, H, 4.60, N, 7.97 計算値:C, 59.28, H, 4.69, N, 8.14
【0022】実施例4 実施例2において、チオサリチル酸エチルの代わりにチ
オサリチル酸イソプロピルを用いて、実施例2と同様に
反応を行ない、化学式(7)
【13】で表されるスルフェンアミドを得た。 収率 95%;融点(p-ニトロベンズアルデヒドとの縮合
化合物として)140-141℃;1H-NMR(CDCl3) 1.37 (d, 6
H, J=6Hz), 2.62 (brs, 2H), 5.25 (hep, 1H, J=6Hz),
7.15 (t, 1H, J=7Hz), 7.55 (t, 1H, J=8Hz), 7.91 (d,
1H, J=8Hz), 8.01 (d, 1H, J=8Hz);IR(KBr) 3391, 33
08, 1698, 1271, 1101, 747 cm-1。 p-ニトロベンズアルデヒドとの縮合化合物C17162
4Sとしての元素分析値(%) 測定値:C, 58.82, H, 4.68, N, 7.90 計算値:C, 59.28, H, 4.69, N, 8.14
【0023】実施例5 実施例1において、チオサリチル酸メチルの代わりに4,
5-ジメトキシチオサリチル酸メチルを用いて、実施例1
と同様に反応を行ない、化学式(8)
【化14】 で表されるスルフェンアミドを得た。 収率 72%;融点 148-150℃;1H-NMR(CDCl3) 2.67 (br
s, 2H), 3.89 (s, 3H),3.91 (s, 3H), 4.00 (s, 3H),
7.49 (s, 1H), 7.63 (s, 1H);IR(KBr) 3383, 3289, 16
90, 1503, 1429, 1263, 1181, 1105, 980, 775 cm-1。 C1013NO4Sとしての元素分析値(%) 測定値:C, 49.21, H, 5.30, N, 5.38 計算値:C, 49.36, H, 5.40, N, 5.76
【0024】(1,2-ベンゾイソチアゾリノン製造例)内
容積50mlのガラス製容器中にスルフェンアミド化合
物(4)1mmol、KOH1mmol、エタノール2
0mlを仕込み、窒素雰囲気下室温で30分撹拌させ
た。減圧下溶媒を除去し、水20mlを加え、希塩酸で
中和した後、10mlの塩化メチレンで3回抽出した。
抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を除去
し、粗生成物を塩化メチレン:アセトン:メタノール
(100:40:8)の混合溶媒を溶出液とするシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。得られ
た生成物は、エタノールから再結晶して、さらに純度を
高める事ができる。このようにして化学式(9)
【化15】 で表される1,2-ベンゾイソチアゾリノンを収率87%で
得ることができた。 融点 158℃(文献値 158-159℃);1H-NMR(CDCl3) 7.41
-7.46 (m, 1H), 7.61-7.68 (m, 2H), 8.08 (d, 1H, J=8
Hz);13C-NMR(CDCl3) 120.8, 124.3, 125.3, 125.9, 13
1.7, 144.8, 169.1;IR(KBr) 3057, 2917, 2697, 1640,
743, 608 cm-1
【0025】
【発明の効果】本発明のスルフェンアミド化合物及びそ
の製造方法により、1,2-ベンゾイソチアゾリノン化合物
を有毒なガスを用いることなく安全に収率よく製造する
ことができ、工業的な1,2-ベンゾイソチアゾリジノン化
合物の製造方法を提供することができた。
【化13】
【化16】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07C 313/00 C07D 275/00 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R〜Rは、水素原子または炭素数1〜6の
    鎖状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素
    数1〜6のジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル
    基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、Rは、炭素
    数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のシクロアル
    キル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12
    のアリールアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル
    基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のジア
    ルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル基、ハロゲン原
    子、ニトロ基の置換基を有してもよいピリジル基、チエ
    ニル基、フリル基から選ばれる複素環基である。)で表
    されるスルフェンアミド化合物。
  2. 【請求項2】 Rが炭素数1〜12のアルキル基であ
    る請求項1記載のスルフェンアミド化合物。
  3. 【請求項3】 Rが炭素数1〜12のシクロアルキル
    基である請求項1または請求項2に記載 されたスルフ
    ェンアミド化合物。
  4. 【請求項4】 R、Rが炭素数1〜6のアルコキシ
    基である請求項1ないし請求項3のいずれかひとつに記
    載されたスルフェンアミド化合物。
  5. 【請求項5】 R、R、R、Rが水素原子で
    ある請求項1ないし請求項3記載のいずれかひとつに記
    載されたスルフェンアミド化合物。
  6. 【請求項6】 一般式(2) 【化2】 (式中、R〜Rは、水素原子または炭素数1〜6の
    鎖状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素
    数1〜6のジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル
    基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、Rは、炭素
    数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のシクロアル
    キル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12
    のアリールアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル
    基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のジア
    ルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル基、ハロゲン原
    子、ニトロ基の置換基を有してもよいピリジル基、チエ
    ニル基、フリル基から選ばれる複素環基である。)で表
    されるチオサリチル酸エステル化合物を、ヒドロキシル
    アミン−O−スルホン酸、O−アシルまたはO−スルフ
    ォニルヒドロキシルアミン化合物、クロラミンから選ば
    れるアミノ化剤によりアミノ化する一般式(1) 【化3】 (式中、R〜Rは水素原子または炭素数1〜6の鎖
    状のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数
    1〜6のジアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシル
    基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、Rは炭素数
    1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のシクロアルキ
    ル基、炭素数1〜12のアリール基、炭素数1〜12の
    アリールアルキル基、又は炭素数1〜6のアルキル基、
    炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のジアルキ
    ルアミノ基、炭素数1〜6のアシル基、ハロゲン原子、
    ニトロ基の置換基を有してもよいピリジル基、チエニル
    基、フリル基から選ばれる複素環基である。)で表され
    るスルフェンアミド化合物 の製造方法。
  7. 【請求項7】 アミノ化剤を用いて、−30℃〜50℃
    でアミノ化を行う請求項6記載のスルフェンアミド化合
    物 の製造方法。
  8. 【請求項8】 チオサリチル酸エステル1当量あたり、
    1.0〜3当量好ましくは、1.5〜2.5当量のアミ
    ノ化剤を用いる請求項6または請求項7に記載されたス
    ルフェンアミド化合物 の製造方法。
  9. 【請求項9】 反応溶媒の存在下でアミノ化を行う請求
    項6ないし請求項8のいずれかひとつに記載されたスル
    フェンアミド化合物 の製造方法。
  10. 【請求項10】反応溶媒として、水、メタノール、エタ
    ノール、1ープロ パノール、イソプロパノール、1ーブ
    タノール、2ーブタノール、イソブタノール、tert-ブタ
    ノール、ペンタノール、ヘキサノール、ジエチルエーテ
    ル、テトラヒドロフラン、イソプロピルエーテル、アセ
    トニトリル、ジメチルフォルムアミドを単独もしくは混
    合で用いる請求項6ないし請求項9のいずれかひとつに
    記載されたスルフェンアミド化合物 の製造方法。
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