JP3417939B2 - マスク及びマスクを用いたパターン形成方法 - Google Patents

マスク及びマスクを用いたパターン形成方法

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JP3417939B2
JP3417939B2 JP2001399335A JP2001399335A JP3417939B2 JP 3417939 B2 JP3417939 B2 JP 3417939B2 JP 2001399335 A JP2001399335 A JP 2001399335A JP 2001399335 A JP2001399335 A JP 2001399335A JP 3417939 B2 JP3417939 B2 JP 3417939B2
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  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマスク及びその製造
方法並びにマスクを用いたパターン形成方法に係り、特
に光の位相シフトを利用したマスク及びその製造方法並
びにマスクを用いたパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の製造工程において素子、回
路等のパターンを半導体ウエハ上に形成する際には、通
常紫外光によるパターン転写露光の方法が用いられる。
【0003】半導体ウエハに、転写されるパターンは、
光を透過するガラス基板に設けられた光を遮蔽する金属
薄膜の有無によって形成される。このガラス基板上に転
写パターンを形成したものの中で、ウエハ上に転写する
チップパターンと同じ大きさ及び数のパターンを備えた
ものを原寸マスクまたは単にマスクと呼び、例えば5〜
10倍に拡大してウエハ上に形成されるチップ数よりの
少ない数のチップパターンが配設されたものを拡大マス
クまたはレチクルと呼ぶ。そして、マスクの場合は平行
光線により、またレチクルの場合は縮小レンズ系を使っ
て縮小投影によりウエハ上にレジスト膜を介してパター
ンの転写露光が行われる。この場合、特に、微細化され
高集積化されるパターンの転写に際して解像力を高める
ためには、露光領域縁部の光のコントラストを高めるこ
とが必要である。従来の所定形状の不透明層と透明基板
層とで構成されたマスクを図に示し、ウエハ上にパタ
ーン形成する場合を図に示す。図は、従来のホトマ
スク450 を示した構成図である。図中、451 は金属ク
ロム(Cr)等の材料よりなる不透明層であり、透明基
板層452 上で周知のリソグラフィとエッチングで所定パ
ターンが形成される。又、図において、露光装置(図
示せず)より照射された光Cはホトマスク450 の不透明
層451 は透過せず、不透明層451 が形成されていない透
明基板層452を透過する。透過した光は、結像レンズ系4
53 を通り、ウエハ454 上に塗布されたOFPR(商品
名、東京応化工業株式会社)等のレジスト材料455 を感
光する。これにより、ウエハ454 上にはエッチングによ
りホトマスク450 と同じパターンが形成される。
【0004】ところで、光学レンズ系を用いてパターン
を形成する場合、ウエハ454 上では不透明層の有無によ
るコントラストのみのデータに基づいて行なっている。
従って、パターン形成には光学レンズ系からの光の波長
による物理的な解像限界があり、使用する光の波長より
細いパターンの形成は困難である。
【0005】ところで、従来のホトリソグラフィ工程
は、ガラスや石英等の透明基板上にクロミウム(Cr)
膜等の不透明層を形成し、パターン化したものをレチク
ルとして用いている。図(A),(B)にこのような
従来の技術によるパターン形成方法の例を示す。
【0006】図(A)において、光源461 はi線用、
g線用のフィルタを備えた水銀ランプやエキシマレーザ
等で構成され、光源461 から発生する光463 が照明系レ
ンズ462 を介してレチクル464 を照射している。照明系
レンズ462 は、例えばパーシャルコヒーレンシーσ=0.
50のものを用いる。レチクル464 は、例えばガラス等の
透明基板468 の上にCr膜等の不透明パターン469 を形
成したものである。レチクル464 上の不透明パターン46
9 は、結像光学系レンズ465 によって半導体基板466 上
のホトレジスト層467 に結像される。結像系レンズ465
は、例えば開口数NA=0.50のものを用いる。上に述べ
たパターン形成方法の場合、解像力は、 K1・λ/NA となる。ここで、K1はプロセス係数であり、通常0.6
〜0.8 の数値をとる。λは光の波長、NAは結像系レン
ズの開口数である。光源461 から発する光463 の波長λ
は、例えば水銀ランプのi線の場合は約365 nmであり、
エキシマレーザの場合は例えば248nm や198nm である。
開口数NAは結像レンズ系によるが、例えば約0.5 程度
である。解像力を向上させるにはK1かλを小さく、N
Aを大きくすることが必要であるが、K1,NAはその
値を自由に選べない。波長λも光源や光学系等で制限さ
れる。露光に用いる光の波長λ,開口数NA及びプロセ
ス係数K1が決まると解像力が定まり、解像力以下のパ
ターンは結像できない。
【0007】光源461 から発した光463 はレチクル464
の全表面を照射し、不透明パターン469 を照射した光部
分は不透明パターン469 によって遮蔽される。このた
め、図(A)下段に示すように不透明パターンが無い
部分に照射した光のみがレチクル464 を透過し、結像系
レンズ465 によってホトレジスト層467 に照射される。
ホトレジスト層467 上では照射した光の振幅の2乗に比
例する光強度分布のパターンが形成され、ホトレジスト
層 467 を選択的に露光する。
【0008】図(B)に不透明パターンを有する不透
明マスクを拡大して示す。ガラス、石英等の透明基板46
8 の上にCrパターンの不透明パターン469 が形成され
てマスクないしレチクル464 を構成している。露光でき
るパターンの最小幅Wは結像系レンズ465 で定まる解像
力によって制限される。
【0009】このような従来の技術によって、解像力を
越えて細くした線パターンを露光した場合の光強度分布
がどのようになるかを図(A)〜(D)を参照して以
下に説明する。なお、図(A)〜(D)の例におい
て、用いた光の波長は365nm ,開口数NAは0.50,パー
シャルコヒーレンシーσは約0.50である。
【0010】図(A)は幅0.35μmのパターンを結像
させた時の光強度分布を示す。光強度分布は中心位置
(0.0)でほぼ“0”に近付き、両側で次第に持ち上
がっている。光強度が最大になる位置では線幅約1.0 μ
m以上ある。光強度約0.2 程度を現像の閾値としてホト
レジスト層を現像すれば、設計通りの幅0.35μm程度の
パターンを現像することもできる。
【0011】図(B)は、幅0.30μmのパターンを結
像した場合の光強度分布を示す。図(A)の幅0.35μ
mの場合と比べて、明らかに変化のみられるのは、中心
位置(0,0)での光強度最小値の上昇である。光強度
分布の幅自体にはさほどの変化は見られない。
【0012】図(C),(D)は、夫々幅0.25μmと
幅0.20μmのパターンを結像した場合の光強度分布を示
す。図(B)の場合と同様、パターンの中心での光強
度の最小値が次第に上昇しているが、パターン幅自体は
さほど変化を示していない。即ち、解像力を越えてパタ
ーン幅を減少させても、得られる光強度分布のパターン
幅は減少せず、かえってパターン中央部での光強度の最
小値が持ち上がってしまう。この場合、露光線幅を減少
させることができないばかりでなく、黒レベルを灰色に
持ち上げてしまう。このように解像力以下の像を結像す
ることはできない。
【0013】そのために、先にIBM(株)から、IEEE
TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES,VOL.ED-29,NO.12,
DECEMBER 1982 に、『Improving Resolution in Photol
ithography with a Phase-Shifting Mask (位相シフト
マスクによるフォトリソグラフィにおける解像度の改
良)』と題して、マスク上の所定パターン部を他のパタ
ーンを有する残りの部分とは異なる光路長とすることで
透過光のウエハ上での光の位相を両パターン部間で180
度シフトさせる方法が発表されている。この方法では、
パターン間の光の干渉をなくしてウエハ上での光のコン
トラストを向上させ同一露光装置における解像力の改良
を図っている。
【0014】しかし、この発表による従来の方法で、微
細パターンを有するマスクやレチクルへの適用が今一つ
困難であり、又、位相シフトパターン固有のパターンデ
ータを作成するという手間が増えるという問題がある。
そこで、微細パターンを有するマスクやレチクルへの適
用が更に容易で、かつ、パターンデータ作成等の行程数
の増大を生じない位相シフトパターンが要望されてい
る。
【0015】上記従来の位相シフトマスクにおいて位相
シフトパターンは、転写される透光パターン(白パター
ン)からなる設計パターンの近傍にこの設計パターンよ
り狭い幅を有する補助の透光パターンを形成し、この補
助パターン上に位相シフタとして塗布・露光・現像の工
程を経て形成するレジスト等の有機物パターン或いは化
学気相成長・リソグラフィの工程を経て形成する無機物
パターンを載設することによって形成されている。例え
ば、ネガ型のレジストパターンを位相シフタに用いる位
相シフトマスクは、以下に図(a)〜(d)を参照し
て説明する方法により形成される。
【0016】先ず、図(a)に示す如く、ガラス基板
551 上に遮光膜552 を設け、電子ビーム(EB)露光を
用いるリソグラフィにより例えば1.5 μm 程度の幅の開
孔パターン、即ち、透光領域よりなる設計パターン(転
写パターン)553 と、設計パターン553 より例えば0.5
μm 程度離れた近傍領域に設計パターンより狭い例えば
0.5 μm 程度の幅の開孔パターンよりなる微細パターン
554A,554Bを補助パターンとして形成する。
【0017】次に、図(b)に示す如く、開孔パター
ン553 ,554A,554Bの内面を含むガラス基板551の表
面に、EB露光の際のチャージアップ防止のための透明
な薄い導電膜555 を形成する。
【0018】次に、図(c)に示す如く、ガラス基板
551上に透過する光の位相が180度シフトする厚さの
ネガ型EBレジスト膜656 を塗布形成し、必要に応じて
プリベークを行った後で微細パターン554A,554B上に位
相シフトパターンのEB露光を行なう。
【0019】ここで、上記レジスト膜656 の膜厚Dは次
の式(1)によって求める。
【0020】D=λ/2(n−1)……(1) λ:露光に用いる光の波長 n:シフタ材料の屈折率 そして露光に例えば波長365nm のi線を使用する場合
は、レジスト膜656 の屈折率が約1.6 であるからレジス
ト膜656 の厚さDは約304 μm となる。
【0021】次に、図(d)に示す如く、現像を行い
前記透光領域よりなる微細パターン554A及び554B上に選
択的に膜厚Dのネガ型EBレジスト膜656 よりなる位相
シフタ、即ち、位相シフトパターン556A,556Bを形成す
る。
【0022】図は、上記図(d)に示される構成の
位相シフトマスクを用いてi線により露光を行った際、
マスクを透過したi線のパターン位置に対応する位相の
プロファイル図である。
【0023】他方、ポジ型レジストを用いる際には、上
記ネガ型レジストを用いる場合と同様な工程を経て、図
に示すように、設計パターン535 上に選択的にポジ型
レジストによる位相シフトパターン557 が形成される。
なお図中の各符号は図と同一対象物を示す。
【0024】図は、図に示された位相シフトマスク
に対応する透過光(i線)の位相プロファイル図であ
る。
【0025】上記図(d)及び図に示す位相シフト
マスクにおいては、図及び図の位相プロファイル図
に示されるように、夫々のマスクの設計パターン553 部
を透過するi線(ia 及びic )と補助パターン554A及
び554Bを透過するi線(ib及びid )とはそれぞれ位
相が180 度ずれている。このため、露光されるレジスト
膜の設計パターンの直下領域から横方向に散乱してくる
i線(ia ,ic )は隣接する補助パターンの直下部か
ら横方向に散乱してくる180 度位相のずれたi線(ib
,id )によって打ち消され、露光領域端面のコント
ラストは高まり解像力が向上する。
【0026】なお、補助パターンの開孔幅は標準の露光
においてはレジスト膜の底部まで感光させる光量が得ら
れない程度に狭い幅に形成されるので、このマスクを用
いて露光を行う際に補助パターンがウエハ上に転写され
ることはない。
【0027】図〜図と共に示した従来技術は、例え
ば特開昭61-292643 号公報、特開昭62-67514号公報及び
特開昭62-18946号公報などで提案されている。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の位相シ
フトマスクでは次の様な問題点がある。
【0029】第1に、位相シフトを用いないマスクの場
合、光学系の物理的解像限界から光の波長より細いパタ
ーンの形成は困難である。細い線幅を実現しようとする
と、用いる光波長を減少させるか開口数を増大させるな
どの構造的な変更を行う必要がある。従って、今後のI
C等が必要とする微細なパターンを光学的方法で形成す
ることができない。
【0030】第2に、位相シフトを用いるマスクの場
合、いわゆるライン・アンド・スペースの如き規則性を
有するパターンのみにしか適用できず、多様なパターン
を含むIC等の製造には適用できない。又、不透明層を
常に必要とすることから、微細なパターンを形成するこ
とができない。
【0031】第3に、位相シフトを用いるマスクの場
合、設計パターンよりも更に微細な補助パターンを露光
技術を用いてパターニングしなければならないので、補
助パターンが解像限界を越えないためには設計パターン
の微細化が制限される。
【0032】第4に、位相シフトを用いるマスクの場
合、設計パターンのデータの他に固有の補助パターンデ
ータを含んだパターンデータ、位相シフトのパターンデ
ータ等も作成しなければならないのでパターンデータ作
成の工数が増大する。
【0033】第5に、位相シフトを用いるマスクの場
合、位相シフタにレジスト等の有機物質を用いる場合、
屈折率に影響を及ぼす膜質及び膜厚の制御が難しいの
で、位相シフト量が正確で且つ均一な位相シフトパター
ンの形成が困難である。
【0034】第6に、位相シフトを用いるマスクの場
合、位相シフタがガラス基板と異種物質であるため、位
相シフタとガラス基板との境界で反射が生じて露光効率
が低下する。
【0035】そこで、本発明は従来の解像力を越えて幅
の狭いパターンを結像することができ、微細なパターン
を解像度を向上させて形成することができると共に、パ
ターンデータを簡略化できるマスク及びその製造方法並
びにマスクをもちいたパターン形成方法を提供すること
を目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、露光に用
いる光に対して透明な透明基板層と、該透明基板層上に
形成されたマスクパターン層とからなるマスクにおい
て、該マスクパターン層が、位相シフト層のみからな
り、該位相シフト層が、透過光に対してπの位相シフト
を与える第1の位相シフト層と、該第1の位相シフト層
に接し、透過光に対してπ/2の位相シフト又は2πの
位相シフトを与える第2の位相シフト層とからなること
を特徴とするマスクによって達成できる。 上記の課題
は、マスクを透過した光をレンズ系を介してウエハ上の
ホトレジスト層に結像させてパターンを該ホトレジスト
層上に形成するマスクを用いたパターン形成方法におい
て、該マスクは露光に用いる光に対して透明な透明基板
層と、該透明基板層上に形成されたマスクパターン層と
からなり、該マスクパターン層が、位相シフト層のみか
らなり、該位相シフト層が、透過光に対してπの位相シ
フトを与える第1の位相シフト層と、該第1の位相シフ
ト層に接し、透過光に対してπ/2の位相シフト又は2
πの位相シフトを与える第2の位相シフト層とからな
り、光の干渉により、該第1の位相シフト層と該第2の
位相シフト層とにより所定のパターンを形成する工程を
含むことを特徴とするマスクを用いたパターン形成方法
によっても達成できる。
【0037】
【0038】
【発明の実施の形態】本発明の理解を容易にするための
マスクの比較例を図9に示す。マスク1は、露光に用い
る光Lに対して透明な透明基板層2と、透明基板層2上
に形成されたマスクパターン層5とからなる。マスクパ
ターン層5は、光Lが透過し得る位相シフト層3aによ
り構成される。
【0039】マスク1を透過した光のうち、位相シフト
層3aを透過した光と透明基板2のみを透過した光とで
は光の位相がずれている。従って、透明基板2のみを透
過した光と位相シフト層3aを透過して位相シフトを生
じた光との境界では、干渉により光強度が低下する。こ
れにより、露光の際にはウエハ(図示せず)上に露光に
用いる光Lの波長より小さい干渉パターンを形成するこ
とができる。又、マスクパターン層5の厚さを調整する
ことにより、光の位相シフト量を調整して露光パターン
の解像力を向上させることもできる。
【0040】図10は、マスク1の位相シフト層3aの
1つのエッジ部分での光強度を説明するための図であ
る。同図(a)中、透明基板2及び位相シフト層3aを
透過した光と透明基板2のみを透過した光とでは、光の
位相が例えば略180 度シフトする。従って、マスク1を
透過した光の光の電気ベクトルE及び光強度Pは夫々同
図(b),(c)に示す如くとなる。同図(c)から明
らかな如く、位相シフト層3aのエッジ部分での光強度
の変化を利用して線パターンを露光することができる。
【0041】図11は、マスク1の位相シフト層3aの
両エッジ部分での光強度を説明するための図である。同
図中、図10と同一部分には同一符号を付し、その説明
は省略する。この場合、位相シフト層3aの幅Wが充分
小さいと、マスク1を透過した光の光強度Pは図11
(c)に示す如くとなる。これにより、幅Wを制御する
ことにより線パターンの幅を制御することができる。
【0042】図12は、マスク1を用いた露光に使われ
る光学系の概略を示す。光源6は例えば水銀ランプから
なり、水銀ランプにはi線(波長365nm )のみを通過さ
せるフィルタ(図示せず)が設けられている。光源6か
らの光は、照明用レンズ系8を介して光Lとしてレンズ
系8の焦点距離に位置するマスク1に達する。ここで、
光Lの部分コヒーレント(パーシャルコヒーレンシー)
σは0.5 であるが、σは0.3 ≦σ≦0.7 の範囲内であれ
ば良い。
【0043】マスク1を透過した光は結像レンズ系9を
介して、ホトレジスト層10が塗布されたウエハ11上
に結像する。ここで、結像レンズ系9は1/5 縮小レンズ
からなり、開口数NAは0.5 である。ウエハ11は、フ
ラットに保つために平坦なチャック(図示せず)で真空
吸着されている。
【0044】次に、マスクを用いたパターン形成方法の
比較例を図12における露光状態を示す図13と共に説
明する。図12における照明用レンズ系8を経た光は、
マスク1のマスクパターン層5を透過した光7aとマス
クパターン層5のない部分を透過した光7bとなり、そ
の位相差は180 度である。
【0045】これらの光7a,7bは、結像レンズ系9
を介してウエハ11上のホトレジスト層10に結像され
るが、位相シフト層3aのエッジ部分に対応する部分で
は干渉により急激な光の強度変化が起る。従って、ウエ
ハ11上には、光の波長より小さいパターンを形成する
ことができる。
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
【0096】
【0097】
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
【0116】
【0117】
【0118】
【0119】
【0120】
【0121】
【0122】
【0123】次に、本発明になるマスクを用いたパター
ン形成方法についてより詳細に説明する。図14は、マ
スクの位相シフト層のエッジを利用したパターン形成方
法を説明するための図であり、図10に対応している。
14中、図12と実質的に同じ部分には同一符号を付
し、その説明は省略する。
【0124】透明基板2上に屈折率n,厚さtの位相シ
フト層3aが形成され、マスク1を構成している。マス
ク1のパターンは、結像レンズ系9によって半導体基板
(ウェハ)11上のホトレジスト層10に結像される。
この際、位相シフト層3aのエッジによって所望のパタ
ーンを結像させる。
【0125】位相シフト層3aは入射光を透過させる
が、空気ないしは真空とは異なった屈折率nを有するこ
とにより、透過光に位相シフトを与える。位相シフト量
Sは S=(n−1)t/λ (ラジアン表示の場合は2π(n−1)t/λ)とな
る。以下位相シフト量Sがπ(逆位相)であるとして説
明する。
【0126】マスク1を透過した光は、図14中中段に
示すように、光の電気ベクトルEが位相シフト層3aの
パターンに対応して逆相に位相を変化させている。この
ような光の電気ベクトルEの分布を有する光がホトレジ
スト層10に入射して吸収されると、その時の光強度分
布はE2 に比例するので、図中下段に示すように位相変
化の場所で細い幅の黒パターンPBを形成する。即ち、
光の電気ベクトルEが、図中中段に示すように、符号を
反転させている場合、電気ベクトルEが0になる点があ
る。得られる光強度Pの分布は電気ベクトルEの二乗に
比例するので、E=0の点でPの最小値は0になる。従
って、明確な黒パターンが得られる。
【0127】一般的に位相シフト層3aが透過光に対し
て位相変化を与えると、その位相変化が空間的に分布し
たパターンが得られる。位相変化が逆相の時は、位相変
化する位置での光強度Pは常に0であり、時間積分して
も0である。そこで位相シフト層3aのエッジ部分で
は、光強度が0になる。位相変化が逆相以外の時は、時
間によって電気ベクトルEが同符号になったり逆符号に
なったりし、時間積分した光強度は0にならない。
【0128】このような位相シフト層のエッジ部分を使
った結像の例を図15(A),(B)を参照して説明す
る。
【0129】図15(A)は、位相シフト層がπ(逆
相)の位相シフトを与える場合の光強度分布を示す。図
中、位相シフトπの領域が、横軸0.0より左の領域に
相当し、右側の位相シフト0の開口部分に0.0の位置
で接している。図15(A)は、このような位相シフト
層の1つの縁の部分の光強度分布を示す。位相シフト層
の端に対応するパターン中央部では光強度がほぼ0まで
減少している。このような結像原理による場合、従来の
解像力を越えた線パターンを得ることが可能である。
又、位相シフト層のエッジ部分の位相差が180 °±30
°であれば同様の効果が得られる。
【0130】図15(B)は、位相シフト層がπ/2の
位相シフトを与える場合の光強度分布を示す。位相シフ
トがπ/2の場合は、位相シフト層を透過した部分と開
口部分を透過した部分の光の位相が逆相になる時と同相
になる時とがあり、時間的に積分をした時に光強度の最
小値が0にはならない。図示の場合、光強度の最小値は
約0.5 以上の値を取り、均一部分での光強度約1.0 の半
分程度となっている。現像レベルをこの光強度の最小値
以下にとれば、図中のパターンは無視された現像が行え
る。位相シフト層のエッジ部分の位相差が90°±15
°であれば、通常の現像条件(現像レベル35%)では
パターンは無視され形成されない。また、現像レベルを
光強度の最小値と均一値の間にとれば、中央部分でパタ
ーンが現像される。
【0131】次に、本発明になるマスクを用いたパター
ン形成方法の第実施例を図16と共に説明する。図
(A),(B)は、本実施例によるループ形状のパタ
ーン形成を説明するための図である。図16(A)はマ
スクパターンを示す。透明基板から形成される開口部6
0の上にマスク61が形成されている。マスク61は、
入射光の半波長の光路差に相当する位相シフト量を有
し、透過光に対してπの位相シフトを与える。このよう
なマスクパターンを結像した結果は、図16(B)に示
すようになる。開口部60又は位相シフト層61のみを
結像した部分は一定の光強度を有し、画面上白になる。
開口部60と位相シフト層61の境界の部分に黒パター
ン62が形成される。即ち、開口部60を透過した光と
位相シフト層61を透過した光とが干渉によって混合す
ると、逆位相が互いにキャンセルしあうことにより光強
度が0になり黒パターンが形成される。
【0132】位相シフト層61を酸化シリコン膜で形成
して水銀ランプのi線を光として用いる場合は、位相シ
フト層61の屈折率は約1.47であり、屈折率約1.00の空
気に対して約0.47の屈折率差を有する。半波長の光路差
を形成する酸化シリコン膜の厚みは約0.388 μm であ
る。干渉による合成光の振幅をキャンセルするには、逆
位相が最も効果的であるが、必ずしも逆位相でなくて
も、例えば±30%以内の範囲で効果的な光強度の低下
を得ることができる。
【0133】図16に示すマスクパターンのように、位
相シフトのない開口部上に位相シフトπを有する位相シ
フト層61を形成すると、位相シフト層61の縁部に相
当する部分に黒パターンが形成される。この場合、黒パ
ターンは閉じたループ形状となる。
【0134】図17(A),(B)は、開いた形状(線
分)を形成するためのマスクパターンとその結像パター
ンを示す。
【0135】図17(A)はマスクパターンの形状を示
す。開口部60の上に、その一辺が対象とする線分を形
成する位相シフト層61が形成され、位相シフト層61
の残りの(不要な)端部に隣接させて位相シフトがπ/
2である位相シフト層64が形成されている。即ち、位
相シフトがπの位相シフト層61の4辺の内、1辺61
aは位相シフトが0の領域との境界を形成し、結像パタ
ーンにおいて図17(B)に示すような黒パターン65
を発生させる。その他の辺61b,61c,61dは、
位相シフトがπ/2である位相シフト層64と接してい
るので、そのエッジを横切る時の位相変化はπ/2とな
り、エッジ部での光強度の低下が小さい。位相シフト層
64の周囲の辺も位相シフトの量はπ/2であり、同様
に光強度の低下が小さい。現像レベルを調整することに
よって、黒パターン65のみを残すことができる。白と
黒のレベルの中間に1つの灰レベルを形成する場合を説
明したが、中間調を2レベル以上用いてもよい。
【0136】このように、位相シフトの量が異なる位相
シフト層を複数種類用いることによって、開いた形状の
線分等のパターンを形成することができる。
【0137】図18(A),(B)は、点のパターンを
形成するためのマスクパターンと結像パターンを示す。
【0138】図18(A)において、開口部60の上に
位相シフトがπである位相シフト層61が形成され、そ
の1つの頂点部分を除いて、位相シフトがπ/2である
位相シフト層64が取り囲んでいる。即ち、位相シフト
層61は、その1つの頂点部分においてのみ開口部60
と接している。このようなマスクパターンを結像する
と、図18(B)に示すように、位相シフト層61と開
口部60とが接する部分にのみ黒パターン66を形成す
ることができる。位相シフト層61と位相シフト層64
との境界は、位相シフト量がπ/2であるので、黒パタ
ーン66の部分と比べると光強度の低下は少ない。又、
位相シフト層64の外周部分も位相シフト量がπ/2で
あり、光強度の低下は同様に少ない。このため、黒パタ
ーン66のみをパターンとして現像し、他の中間調のパ
ターンは白パターンとして扱うことができる。
【0139】以上、1本の線状のパターンを形成する場
合を説明したが、以下に交差部を有するパターンの形成
について説明する。
【0140】図19(A),(B),(C)は、交差す
る線のパターンを形成するマスクパターンと結像パター
ンを示す。
【0141】図19(A)は、第1のマスクパターンを
示す。交差する線によって分割される領域に対応させ
て、平面を4つの象限に分割し、その第1の象限に位相
シフトのない開口部60を設け、開口部60に隣接する
2つの象限に位相シフトπの位相シフト層61を設け、
残る1つの象限には、位相シフトが2πである他の位相
シフト層67を設ける。即ち、各象限間の境界は、位相
シフトπを伴っている。図19(B)は、第2のマスク
パターンを示す。図19(A)同様、平面が4つの象限
に分割され、第1の象限に位相シフトのない開口部 6
0,それに隣接する2つの象限に位相シフトがπである
位相シフト層61が設けられ、残る1つの象限に位相シ
フトが0である他の開口部68が設けられる。この場合
も、隣接する象限間においては、位相シフトπが生じて
いる。
【0142】このようなマスクパターンを結像させる
と、図19(C)に示すような結像パターンが得られ
る。即ち、一様な位相を有する部分は白パターンとして
結像され、πの位相シフトを伴う部分が黒パターン69
として結像される。
【0143】なお、直線が交差する場合を図示して説明
したが、交差する線は直線に限らず如何なる曲線であっ
てもよい。
【0144】図20(A),(B)は、1つの直線に対
して他の直線が突き当たりそこで終端するT字型パター
ンを形成する場合のマスクパターンと結像パターンを示
す。図20(A)において、位相シフトが0である開口
部60に隣接して、位相シフトがπである位相シフト層
61a,61bが形成される。又、位相シフト層61a
の上に、位相シフトが0である開口部68を設けてその
間の位相シフトがπである境界を形成する。これらの境
界は、πの位相シフトを伴うので、図20(B)に示す
ように、結像した場合には黒パターンを形成する。ま
た、位相シフト層61bと68とが直接隣接するとその
境界がπの位相シフトを伴い黒パターンとして結像され
てしまうので、その中間に位相シフトがπ/2である位
相シフト層71を形成する。即ち、位相シフト層71の
境界ではπ/2の位相シフトのみが生じるので、光強度
の低下は比較的小さい。現像閾値を調整することによ
り、このような光強度の低下は白パターンとして現像す
ることができる。この結果、図20(B)に示すよう
な、黒パターン72が結像される。
【0145】なお、図20(A)のマスクパターンにお
いて、開口部68と位相シフト層61bとの間にギャッ
プがある場合を示したが、このようなギャップはある程
度以下のものであればよい。
【0146】半導体装置等においては、配線パターンの
途中にコンタクトをするための幅広の領域を設けること
等が行われる。このような配線パターンを作るためのマ
スクパターン及び結像パターンを図21(A)〜(D)
に示す。
【0147】図21(A)においては、位相シフト0の
開口部60と位相シフトπの位相シフト層61とが接し
て直線状の境界を形成し、境界の中央部において開口部
60内に位相シフトπの位相シフト層75,位相シフト
層61中に位相シフト0の開口部74が形成されてい
る。開口部74と位相シフト層75とは共に矩形の形状
を有し、その境界は開口部60と位相シフト層61との
間の境界と共に1つの直線状に配列されている。図中実
線で示した全ての境界がπの位相変化を伴う境界であ
る。
【0148】図21(B)においては、各領域を画定す
る境界は図21(A)と同様に形成されている。但し、
21(A)で開口部74であった部分が、位相シフト
が2πである位相シフト層76に置換されている。図
(A)同様、水平方向の直線の上下領域間にはπの位
相シフトが形成されている。また、中央部には、矩形状
の位相シフトπの境界が形成されている。
【0149】図21(C)は、他のマスクパターンを示
す。水平方向の直線によって大きく2つの領域に分離さ
れ、その上部においては、右側に位相シフトなしの開口
部60が配置され、左側には位相シフトπの位相シフト
層61が形成され、両者が限られた長さにおいて互いに
接している。また、図中上部には、両領域間に中間の位
相シフトπ/2を有する位相シフト層77が形成されて
いる。中央線の下部には、上部と対称的な構造が形成さ
れている。即ち、開口部60の下には、位相シフトπの
位相シフト層61が形成され、位相シフト層61の下に
は位相シフトなしの開口部68が形成され、限られた長
さにおいて互いに接している。中間の位相シフトπ/2
を有する位相シフト層77はこれらの両領域61,68
の中間に形成されている。全体として、πの位相シフト
を伴う境界が水平方向の直線に沿って形成される他、中
央部垂直の線分部分にも形成されている。
【0150】図21(D)は、図21(A),(B),
(C)に示すようなマスクパターンを結像させた場合の
結像パターンを示す。即ち、中央部分で幅を太くされた
領域を有する黒パターン78が結像される。
【0151】なお、図19(A),(B),図20
(A),図21(A),(B),(C)のマスクパター
ンにおいてラインの長さを有限長にする場合は不要な部
分にπ/2等の中間レベルの位相シフトを持つ領域を形
成すればよい。
【0152】以上、種々の結像パターンを形成するため
のマスクパターンについて説明したが、以下それらの内
幾つかについて数値計算によってどのような光強度プロ
フィールが得られるかについて説明する。
【0153】なお、計算においては、波長365 nmの光を
用い、開口数NA=0.50の結像系レンズとパーシャルコ
ヒーレンシーσ=0.50の照明系レンズを用いた。
【0154】図22(A)〜(C)は、交差する線のパ
ターンの例を示す。
【0155】図22(A)は、交差する線のパターン及
びそのサンプリンク領域を示す概略図である。図19
(B)に示すマスクパターンを採用し、図中右側に示す
方向にX,Y,Z軸の座標を用いる。又、破線で示す領
域をサンプリング領域としてその領域内における光強度
をモデルに従って算出した。図22(B)は、図22
(A)に示すサンプリング領域内における光強度プロフ
ィールを3次元モデル的に示したグラフである。位相シ
フトπを伴う境界部分に深い谷が形成されていることが
図から明確に理解されよう、図22(A)に示す下半分
の部分については図示していないが、対称的な構造とな
ることは当業者に自明であろう。このような光強度プロ
フィールを光強度に対する等高線で表すと、図22
(C)に示すようになる。即ち、図中X方向に延びる下
辺及び中央部分をY方向に延びる部分に光強度最低の領
域が形成され、これらの領域に隣接して次第に光強度が
増加する部分が形成される。
【0156】次に、図21(A)に示す配線パターンの
例の光強度を示す。図23(A)は、図21(A)の型
のマスクパターンを示し、そのサンプリング領域を破線
で示す。また、図中右部分に示すように、X,Y,Z軸
の座標を用いる。
【0157】図23は(B)はサンプリング領域内の光
強度プロフィールを示す。X方向に沿って細い谷が形成
され、X=0の領域付近において谷部が広がっている。
このプロフィールをXY平面に投影すると、図23
(C)に示すようになる。中央部で幅の広がった谷部が
形成されていることが図から明確に分かる。
【0158】図24(A)〜(C)は、図21(C)に
示す配線用マスクパターンを用いた場合を示す図であ
る。
【0159】図24(A)は、マスクパターンとそのサ
ンプリング領域を示す。図中中央の水平軸上には、位相
シフト0の開口部60と位相シフトπの位相シフト層6
1とがその一部を接して形成され、その間に位相シフト
がπ/2の位相シフト層77が形成されている。又、開
口部60の上辺は、水平方向と角度θ1をなしている。
位相シフト層(中間領域)77の2辺は、角度θ2をな
している。更に、位相シフト層61の上辺は、水平方向
と角度θ3をなしている。水平軸の下方には、対称的に
開口部60に接して位相シフトπの位相シフト層61が
形成され、位相シフト層61の下に位相シフト0の開口
部68が形成されている。又、位相シフト層77と対称
的な位置に他の位相シフト層77が形成されている。中
央部の開口部60,68と位相シフト層61とが接する
狭い領域の幅をW1とする。このサンプルにおいては、
θ1=θ2=θ3=60度とし、W1=0.2 μm とし
た。このようなマスクパターンを用いて形成した結像パ
ターンを図24(B),(C)に示す。破線で示す領域
がサンプリング領域である。
【0160】図24(B)はサンプリング領域内の光強
度プロフィールを示す。図中、X方向に深い谷が形成さ
れ、その中央部において、Y方向に谷が延びており、さ
らに分岐する浅い谷が形成されていることが分かる。
【0161】図24(B)の光強度プロフィールをXY
平面上に投影すると、図24(C)に示すようになる。
【0162】図25(A)〜(C)は、図18(A)に
示したマスクパターンと類似の構成を有するマスクパタ
ーンの例を示す。図中、右側に位相シフト0の開口部6
0が形成され、左側に先端が三角形状にされた、位相シ
フトπの位相シフト層61が配置され、両者間に幅W2
の接触が形成されている。又、開口部60と位相シフト
層61との間の中間領域には、位相シフトπ/2の位相
シフト層64が形成されている。図中破線で囲んだサン
プリング領域について光強度分布を計算した。なお、W
2としては、0.08μm のギャップを設定し、位相シフト
層61と64とが形成する2本の境界線の作る角度は6
0度とした。
【0163】図25(B)は、サンプリング領域内の光
強度プロフィールを示し、図25(C)はそのXY平面
上への投影を示す。(0.0)付近に長円状の光強度の
最少領域が形成されていることが理解されよう。
【0164】図26(A),(B)はライン・アンド・
スペースパターンを説明するための図である。
【0165】図26(A)はライン・アンド・スペース
のマスクパターンを示す。位相シフト0の開口領域80
と位相シフトπの位相シフト層81とが交互に形成され
てライン・アンド・スペースパターンを形成している。
例えば、開口領域80と位相シフト層81とがそれぞれ
幅0.5 μm であるとして結像パターンに形成される光強
度プロフィールを計算すると、図26(B)に示すよう
になる。開口領域80と位相シフト層81の境界線に相
当する部分に光強度のミニマムが形成されている。な
お、光の波長は365 μm ,開口数NA=0.53,パーシャ
ルコヒーレンシーσ=0.50とした。
【0166】図27(A),(B)は各種サイズの混合
したパターンを形成する場合を示す。図27(A)はマ
スクパターンを示す。上段には大きな黒パターンを形成
するための不透明層(Cr層)85と位相シフト層86
との組み合わせパターンが形成され、中間部には、位相
シフト層自身の像を形成するための位相シフト層87が
形成され、下部には辺(エッジ)部分で結像パターンを
形成するための位相シフト層88が形成されている。な
お、位相シフト層88の周囲には、不要の辺の結像を防
止するための中間的位相シフトを有する位相シフト層8
9が形成されている。位相シフト層86,87,88
は、位相シフトπを与え、位相シフト層89は、例えば
位相シフトπ/2を与える。i線用の開口数NA=0.4
〜0.6 のレンズを用いる場合は、0.5 μm 以上のパター
ンは上段に示すパターンのように不透明層85の回りに
位相シフトπの領域86を配置して形成する。0.3 〜0.
5 μm の黒パターンを形成するには、中段に示すよう
に、位相シフトπの位相シフト層87のみのパターンで
マスクを形成する。0.25μm 以下のパターンは位相シフ
トπの位相シフト層88と位相シフト0の開口領域の境
界により形成する。この際、不要の位相シフト層88の
辺は、中間の位相シフトを示す位相シフト層89によっ
て囲んで現像レベルの調整により結像されないようにす
る。
【0167】図27(B)は結像パターンの例を示す。
上部には、不透明層85と位相シフト層86とで形成さ
れるマスクに対応した黒パターン91が形成され、中間
部には、位相シフト層67に対応した黒パターン92が
形成され、下部には位相シフト層88と開口領域90と
の境界に対応した細い黒パターン93が形成される。フ
ォトリソグラフィを用いてICを製造する場合、結像レ
ンズ系を用いてレチクルのパターンをウエハ上へ結像さ
せる。ICパターンの微細化に伴い、結像レンズ系の開
口数NAを大きくして解像力を向上することでICパタ
ーンの微細化に対応している。しかし、解像力を向上さ
せるために結像レンズ系の開口数NAを大きくすると、
焦点深度FDは下記の式に従って小さくなってしまう。
【数1】 ここで、K2はプロセス係数である。従って、凹凸を有
する表面に対して正確にパターンを形成することはでき
ない。
【0168】そこで、凹凸を有する表面に対しても良好
にパターンを形成することのできる実施例について説明
する。図28は、本発明になるマスクの第実施例を示
す。同図中、図と実質的に同じ部分には同一符号を付
し、その説明は省略する。本実施例では、位相シフト層
3aが厚さD1を有するシフタ部分3a1と厚さD2
(D2>D1)を有するシフタ部分3a2 とからなる。
この様に厚さが異なるシフタ部分を設けることにより、
露光の際に結像の焦点位置を任意に制御することができ
る。
【0169】
【0170】
【0171】
【0172】
【0173】
【0174】
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】以上の実施例においては、パーシャルコヒ
ーレンシーσは0.5 としたが、これに限定されるもので
はなく、0.3 ≦σ≦0.7 の範囲であれば良い。
【0179】又、マスクを用いて露光を行う際に用いる
光はi線に限定されるものではない。更に、光は透明基
板の位相シフト層が設けられている側から照射しても反
対側から照射しても良い。透明基板及び位相シフト層の
材質も実施例のものに限定されるものではない。例え
ば、透明基板は露光に用いる光に対して透明であれば良
い。又、位相シフト層は例えばSiO2,Al23,M
gF2等からなる。
【0180】更に、各実施例におけるマスクとは、レチ
クルを含むものである。従って、本発明になるマスクを
用いたパターン形成方法は半導体装置のパターン形成に
限られず、マスクやレチクルのパターン形成にも適用し
得ることは言うまでもない。以上本発明を実施例により
説明したが、本発明は本発明の主旨に従い種々の変形が
可能であり、本発明からこれらを排除するものではな
い。
【0181】
【発明の効果】本発明によれば、位相シフト層を効果的
に用いることにより従来の解像力を越えて幅の狭いパタ
ーンを結像することができ、微細なパターンを解像度を
向上させて形成することができると共に、パターンデー
タを簡略化できるので、実用的には極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】不透明層を設けた従来のマスクを示す断面図で
ある。
【図2】図1のマスクを用いてパターン形成を行う光学
系の構成図である。
【図3】従来のパターン形成方法を説明する図である。
【図4】従来例における光強度分布を説明する図であ
る。
【図5】位相シフト層を有しネガ形レジストを用いる従
来のマスクの製造方法の工程図である。
【図6】図5(d)に示すマスクを透過する光の位相プ
ロファイルを示す図である。
【図7】ポジ形レジストを用いて製造される位相シフト
層を有するマスクの断面図である。
【図8】図7に示すマスクを透過する光の位相プロファ
イルを示す図である。
【図9】本発明の理解を容易にするためのマスクの比較
例を示す図である。
【図10】位相シフト層の1つのエッジ部分での光強度
を説明するための図である。
【図11】位相シフト層の両エッジ部分での光強度を説
明するための図である。
【図12】マスクを用いた露光に使われる光学系の概略
構成図である。
【図13】マスクを用いたパターン形成方法を説明する
ための図である。
【図14】マスクを用いたパターン形成方法を説明する
図である。
【図15】位相シフト層のエッジ部分を使った結像を説
明する光強度分布図である。
【図16】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、ループ形状パターンを
説明する図である。
【図17】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、開いた形状のパターン
を説明する図である。
【図18】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、点のパターンを説明す
る図である。
【図19】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、交差する線のパターン
を説明する図である。
【図20】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、T字形パターンを説明
する図である。
【図21】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、配線パターンを説明す
る図である。
【図22】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、交差するパターンを説
明する図である。
【図23】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、配線パターンを説明す
る図である。
【図24】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、配線パターンを説明す
る図である。
【図25】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、長円パターンを説明す
る図である。
【図26】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、ライン・アンド・スペ
ースパターンを説明する図である。
【図27】マスクを用いたパターン形成方法の第1実施
例を説明するための図であって、各種サイズの混合パタ
ーンを説明する図である。
【図28】マスクの第1実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 マスク 2,51 透明基板 3a,52 位相シフト 3 レジスト材料 4 レジストパターン 5 マスクパターン層 6 光源 8 レンズ系 9 結像レンズ系 10 ホトレジスト 11 ウエハ 12 アルミニウム薄膜層 13 領域 14,53 不透明層 15 大パターン領域 16 微細パターン領域 20 パターン 21 ストッパー層 31 ガラス基板 32 Cr層 33 開孔パターン 34 MOSI層 35 ネガ形EBレジスト層 36,40 設計パターン 37A,37B,41A,41B 位相シフトパターン 38 ポジ形EBレジスト層 39 開孔 53a パターン 54 EBレジスト層 55 レジスト 60,68 開口層 61 マスク 62,65,66,69,72,78 黒パターン 64,67,71,75,76,77 位相シフト 80 開口領域 81 位相シフト層 85 クロムマスク 86,87,88,89 位相シフト層 90 開口部 91,92,93 黒パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田口 眞男 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 角 一彦 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (72)発明者 柳下 祐一郎 神奈川県川崎市中原区上小田中1015番地 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−34854(JP,A) 特開 平3−267940(JP,A) 特開 昭62−92438(JP,A) 特開 平1−147458(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03F 1/00 - 1/16 G03F 7/20 - 7/24 G03F 9/00 - 9/02 H01L 21/027

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光に用いる光に対して透明な透明基板
    層と、該透明基板層上に形成されたマスクパターン層と
    からなるマスクにおいて、 該マスクパターン層が、位相シフト層のみからなり、 該位相シフト層が、透過光に対してπの位相シフトを与
    える第1の位相シフト層と、該第1の位相シフト層に接
    し、透過光に対してπ/2の位相シフト又は2πの位相
    シフトを与える 第2の位相シフト層とからなることを特
    徴とするマスク。
  2. 【請求項2】 マスクを透過した光をレンズ系を介して
    ウエハ上のホトレジスト層に結像させてパターンを該ホ
    トレジスト層上に形成するマスクを用いたパターン形成
    方法において、 該マスクは露光に用いる光に対して透明な透明基板層
    と、該透明基板層上に形成されたマスクパターン層とか
    らなり、 該マスクパターン層が、位相シフト層のみからなり、 該位相シフト層が、透過光に対してπの位相シフトを与
    える第1の位相シフト層と、該第1の位相シフト層に接
    し、透過光に対してπ/2の位相シフト又は2πの位相
    シフトを与える第2の位相シフト層とからなり、 光の干渉により、該第1の位相シフト層と該第2の位相
    シフト層とにより所定のパターンを形成する工程を含む
    ことを特徴とするマスクを用いたパターン形成方法。
  3. 【請求項3】 該露光に用いる光のパーシャルコヒレン
    シーσは0.3≦σ≦0.7の範囲に設定されているこ
    とを特徴とする請求項2記載のマスクを用いたパターン
    形成方法。
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