JP3400013B2 - 放香性バルーン - Google Patents

放香性バルーン

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JP3400013B2 JP12011893A JP12011893A JP3400013B2 JP 3400013 B2 JP3400013 B2 JP 3400013B2 JP 12011893 A JP12011893 A JP 12011893A JP 12011893 A JP12011893 A JP 12011893A JP 3400013 B2 JP3400013 B2 JP 3400013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放香性および形態保持性
に優れたバルーンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成樹脂製あるいはゴム製バルー
ンが、販売促進用品、玩具、デコレーション用品等とし
て多用されている。かかるバルーンは印刷を施し空中に
浮遊あるいは糸等を用いて懸垂したり、あるいはショー
ウィンドー内等に設置して用いるものであるが、専ら視
覚的なアピール性を利用するにすぎない。更にアピール
性を付与する目的でバルーンに金属蒸着を施すことも採
用されているが、単に視覚的アピール性を強調するに留
まる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記視覚的
アピール性に加え、バルーンに放香性機能を付与するこ
とを目的とする。本発明者はバルーンに放香性を付与す
る目的でバルーン表面に放香性物質を塗布する方法、例
えば印刷インキに放香性物質を配合し、バルーン用基材
表面に印刷すると共に放香性を付与する方法あるいはポ
リエチレン製のバルーン内部に放香性物質を充填し、バ
ルーンを構成するフィルムを通して当該放香性物質が透
過する作用を利用して放香性を付与する方法等について
検討したところ、前者は放香性の持続性に劣り、また後
者も放香機能の持続性および形態保持の持続性に劣り、
且つ、バルーンの破裂強度にも劣り到底商品価値のある
ものは得られなかった。
【0004】そこでバルーンを構成するポリエチレンに
ガスバリヤー性フィルムを複合し、バルーン内に放香性
物質を充填後、密封したバルーンについて検討したが、
形態保持の持続性については満足するものであったが、
放香機能については全く不満足なものであった。すなわ
ち本発明は、視覚的アピール性を損うことなく、放香性
および形態保持性を長期間付与することを技術的課題と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決するために鋭意検討した結果、ポリアミドとエチレ
ン−ビニルアルコール共重合体を複合した二軸延伸フィ
ルムからなるガスバリヤー性フィルムと、最内層として
密度(ASTM D1505)が0.905〜0.95
0g/cm、ビカット軟化点(ASTM D152
5)が90〜120℃、および融点(ASTM D21
17)が110〜130℃の線状低密度ポリエチレンか
らなるフィルムとを含む合成樹脂フィルムであって、該
合成樹脂フィルムの酸素透過量(JIS Z1707)
が23℃、50%RHにおいて50ml/m・day
・atm以下である合成樹脂フィルムからなるバルーン
本体と、2種以上の異種のポリオレフィンを積層した複
合フィルムからなる頸部とからなり、且つバルーン本体
内および/または頸部内に放香性物質を充填してなるバ
ルーンが、前記課題を一挙に解決することを見出し、本
発明を完成した。
【0006】本発明にかかるバルーン本体には、少なく
とも最内層にポリオレフィンフィルムを用いることが、
頸部との熱接合性、および充分な熱接合強度を得るうえ
で好ましい。本発明でいうポリオレフィンには低密度、
中密度、高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体や
エチレンと他のコモノマーとの共重合体、例えばエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、線状低密度ポリエチレン、超
低密度ポリエチレン等のポリエチレン系重合体あるいは
プロピレン単独重合体やプロピレンと他のコモノマーと
の共重合体例えばエチレン−プロピレン共重合体等のポ
リプロピレン系重合体を含む。
【0007】これらのポリオレフィンのうち、本発明の
効果を充分得るうえで線状低密度ポリエチレンまたはエ
チレン−酢酸ビニル共重合体を選択することが、バルー
ン本体の破裂強度を向上させる点で好ましい。中でも、
密度(ASTM D1505)が0.905〜0.95
0g/cm3好ましくは0.910〜0.935g/c
3、ビカット軟化点(ASTM D1525)が90
〜120℃、好ましくは95〜115℃、および融点
(ASTM D2117)が110〜130℃好ましく
は115〜125℃のエチレンとα−オレフィンを主成
分とする線状低密度ポリエチレンを選択することが特に
好ましい。密度が前記値を下まわるとバルーン本体と頸
部との熱接合性に劣り、また密度が前記値を上まわると
弾性が大きくなり、形状が自由に設計できなくなるこ
と、すなわち形状の任意性を損う。
【0008】また ビカット軟化点が前記値を下まわる
と主としてバルーン本体と頸部の熱接合部分において、
高温となる場所、例えば夏場の太陽光が照射されるショ
ーウィンドー内あるいは自動車内等において剥離を起
し、ガス抜けを生じ、またビカット軟化点が前記値を上
まわると、バルーン本体と頸部の熱接合時、熱接合加工
性に劣る。また融点が前記値を下まわるとバルーン本体
と頸部の熱接合時の加圧により、熱接合部分の肉厚が薄
くなり接合強度を損い、また融点が前記値を上まわると
熱接合可能温度が高温側にシフトし、接合面の外観を損
うか、または低温で熱接合すると所定の接合強度が得ら
れない。
【0009】本発明にかかるバルーン本体には放香性を
持続させること、および、ガス抜けを防止して長期にわ
たり形態を保持する目的で、ガスバリヤー性フィルムを
用いることが必要である。かかるガスバリヤー性フィル
ムとしては、エチレン−ビニルアルコール共重合体フィ
ルム、塩化ビニリデン系ポリマー押出フィルム、塩化ビ
ニリデン系ポリマーコーティングフィルム、あるいは各
種蒸着フィルム、例えばアルミニウム蒸着フィルム、酸
化アルミニウム蒸着フィルム、酸化硅素蒸着フィルム
等、それ自体は公知のガスバリヤー性フィルムを採用し
得る。
【0010】これらのガスバリヤー性フィルムのうち
ポリアミドとエチレン−ビニルアルコール共重合体を複
合した二軸延伸フィルムがバルーンの強度、ピンホール
性の改善、バルーン本体と頸部の熱接合加工性および放
香性の持続性の点で好ましい。
【0011】前記エチレン−ビニルアルコール共重合体
としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン
化したもので、エチレン含有率が15〜60モル%、特
に20〜50モル%、ケン化度が95%以上、特に98
%以上、15%含水フェノール中における極限粘度(3
5℃)が0.04〜0.20リットル/g、特に0.0
5〜0.15リットル/gのものが良い。エチレン含有
率が前記値を下まわると、フィルム製膜性に劣り、フィ
ルム面にゲル、フィシュ・アイ等が発生しやすく気体を
圧入してバルーンを形成したときかかるゲル、フィシュ
・アイ部分から破裂を起し、またエチレン含有率が前記
値を上まわるか、またはケン化度が前記値を下まわると
放香性の持続性に劣り、またバルーン本体と頸部の熱接
合部分の接合強度に劣る。また極限粘度が前記値を下ま
わるとフィルム強度が低下しバルーンへ気体圧入時、破
裂を来し、また極限粘度が前記値を上まわると、フィル
ムの成形性に劣り、製膜時ダイラインを生じ均質な膜面
が得られず外観を損う。
【0012】本発明においてバルーン本体を構成するフ
ィルムは、実際に使用する構成および厚みにおいて酸素
透過量(JIS Z1707)が23℃、50%RHに
おいて50ml/m2・day・atm以下、好ましく
は15ml/m2・day・atm以下、更に好ましく
は5ml/m2・day・atm以下のものが、バルー
ンの形態保持性と放香機能の持続性の点で好ましい。
【0013】本発明においてバルーン本体を構成するポ
リオレフィンフィルムの厚さは5〜200μ、特に7〜
100μの範囲から選択することが好ましい。ポリオレ
フィンの厚さが前記厚さを下まわるとバルーン本体の接
合強度が低下し、気体圧入時接合部分から破裂し、前記
厚みを上まわると接合時の加工性に劣り、また経済性に
も劣る。本発明にかかるバルーン本体には、前記ポリオ
レフィンフィルムおよびガスバリヤー性フィルムの他に
必要に応じて、他のフィルムを複合することも良い。例
えば、二軸延伸ポリアミドフィルム、二軸延伸ポリエス
テルフィルム、あるいは二軸延伸ポリプロピレンフィル
ムを複合するとバルーンの強度および熱接合加工性向上
の点で好ましい。
【0014】本発明では、視覚的アピール性を強調する
目的で印刷あるいはアルミニウム蒸着等を施すことも推
奨される。本発明では2枚以上の合成樹脂性フィルムを
接合してバルーン本体を作ることを要件とするが、かか
る要件を満足することにより、バルーン本体の該接合部
分に容易に頸部を接合することができるという効果を奏
する。接合方法としては熱接合法、超音波接合法、ある
いは接着剤による接合法等が採用されるが、接合部分の
外観が美麗で、且つ充分な接合強度を得るには熱接合に
よる方法が好ましい。
【0015】次に本発明にかかる放香性バルーンを構成
する頸部について説明する。本発明でいう頸部とは、気
体吹込機能と吹込まれた気体の逆流防止機能を併せて備
えた合成樹脂製部品をいう。すなわち該頸部はバルーン
本体に気体を吹込みバルーン本体を膨張せしめるための
気体吹込口の役割と、吹込まれた気体が該吹込口を逆流
して、バルーン本体が収縮することを防止する逆流防止
弁の役割を同時に満足する機能を有すものをいう。
【0016】本発明でいう頸部の例を図3に示す。最も
簡単な頸部の例は図3の(1)および図4〜5に示すよ
うに2枚のポリオレフィンフィルムを対向させ、側部を
接合した筒状体である。吹込まれた気体の逆流防止機能
を強化し、且つ頸部内に挿入された充填材がバルーン本
体内に移動することを防止する点で図3の(2)または
(3)に示すような頸部も、本発明で用いられる好まし
い例である。
【0017】図3に示す頸部の逆流防止機能付与部は、
バルーン本体に気体が圧入されると、図2に示すように
その圧力により自動的に閉鎖され、気体の逆流を防止す
る。該頸部はポリオレフィンで構成されることが好まし
い。かかるポリオレフィンとしては、前記バルーン本体
に使用されるポリオレフィンとして例示されたものが使
用されるが、必ずしもバルーン本体に使用されるポリオ
レフィンと頸部に使用されるポリオレフィンが同一の樹
脂であることを要せず、両者が接合できるものであれ
ば、異種のポリオレフィンを適宜選択することも良い。
【0018】本発明で用いられる頸部には、2種以上の
異種のポリオレフィンを積層した複合フィルムを用い
る。異種ポリオレフィンを複合することにより、それぞ
れのポリオレフィンの物性の相違から複合されたフィル
ムが若干カールするが、本発明では、かかるカールが吹
込まれた気体の逆流防止に極めて有効である。
【0019】本発明はバルーン本体内および/または頸
部内に放香性物質を充填することを要件とする。かかる
放香性物質としては、放香性を有するものであれば、特
に制限はない。放香性物質の例としては、テンタロー
ム、アセトイン、アセト酢酸エチル、アセトフェノン、
オーベピン、イソオイゲノール、オイゲノール、ケイ皮
アルコール、ケイ皮アルデヒド、ケイ皮酸エステル、ゲ
ラニオール、シトロネロール、ジヒドロジャスモン、テ
トラヒドロリナロール、テレピネオール、バリニン、ヘ
リオトロピン、エル−メントール、リモネン、ローズフ
ェノン等を挙げることができるが、必ずしもこれらに限
定されるものではない。また2種以上の放香性物質を併
用することも好ましい。
【0020】本発明でいう放香性物質とは、前記放香性
物質に留まらず、パラジクロールベンゼン、ナフタレン
等の防虫効果のある放香性物質も含まれる。これらの防
虫効果のある放香性物質を用いる場合の用途としては、
密閉したショーウィンドー内等においてディスプレイ効
果と防虫効果を併せて奏することが要求されるような用
途である。
【0021】前記放香性物質を頸部内に充填せしめる態
様としては、充填材例えば活性炭やセラミック等の多孔
性物質に放香性物質を添加し充填する方法、デンプンや
ポリビニルアルコール、ゼラチン等の賦形性を有する物
質に該放香性物質を練り込み、賦形後、充填する方法、
あるいは充填材として紙、綿、繊維、不織布等の合成ま
たは天然の繊維状物質を用い、かかる充填材に放香性物
質を含浸乃至担持せしめて充填する方法等を例示するこ
とができる。好ましい態様としては、充填材として嵩比
重の小さい前記繊維状物質を頸部に挿入し、次いで放香
性物質を充填したスプレーのノズルを通して該繊維状物
質に放香性物質を含浸せしめ充填する方法が挙げられ
る。この態様は繰り返し使用が容易な点で好ましい。
【0022】本発明にかかる放香性バルーンは、バルー
ン本体に空気より比重の小さいヘリウム等を充填し、大
気中で浮遊させて用いる場合の他に、空気あるいは空気
と比重が同じか、または大きい気体を充填し、床面ある
いは、ショーウィンドー内等に設置して用いる場合も含
むが、空中に浮遊せしめて用いる場合には、例えば前記
放香性物質と圧搾ヘリウム等に充填したスプレー缶を用
い、該スプレー缶のノズルから吹込み口を通してバルー
ン本体に放香性物質とヘリウムを圧入してバルーン本体
を膨張せしめ、併せて放香性物質をバルーン本体内に充
填せしめる方法が推奨される。
【0023】また、床面あるいはショーウィンドー内等
に設置して用いる場合には、放香性物質と圧搾窒素等を
充填したスプレー缶を用いれば良い。これらの態様の場
合には、1本のスプレー缶で、バルーン本体に気体を圧
入しバルーンを膨張せしめる作業と、バルーン本体内に
放香性物質を充填せしめる作業が同時に行なえる点で好
ましい態様と言える。またこのような態様の場合には、
スプレー缶に充填された放香性物質が、加圧気体と共に
吹込み口を通してバルーン本体に流入するが、本発明に
おいては、バルーン本体にガスバリヤー性フィルムを用
いているので、バルーン本体に流入した放香性物質は、
バルーン本体のフィルムを通して大気中に散逸すること
がなく、専ら気体透過性の大きい頸部のポリオレフィン
を通して大気中に放散、放香することになる。
【0024】またヘリウムまたは窒素等の気体を圧入し
て膨張せしめたバルーンの頸部に充填材を充填後、該充
填材に放香性物質を含浸乃至担持せしめる方法あるい
は、放香性物質を含浸乃至担持せしめた充填材を前記頸
部に挿入せしめる方法等の場合には、充填材に含浸乃至
担持された放香性物質は一部、前記頸部のポリオレフィ
ンを通してバルーン本体内に透過、流入するが、この場
合も、バルーン本体にガスバリヤー性フィルムを用いて
いるので、バルーン本体に流入した放香性物質は、バル
ーン本体のフィルムを通して大気中に散逸することな
く、頸部充填材に含浸乃至担持された放香性物質が大気
中への放散するにしたがって、専ら気体透過性の大きい
頸部のポリオレフィンを通して大気中に放散放香するこ
ととなる。
【0025】すなわち、バルーン本体にガスバリヤー性
フィルムを用いることによりバルーン本体は放香性物質
の備蓄機能も有することになり、放香性の持続性を極め
て増大させる作用効果を奏するのであり、本発明の特筆
すべき作用効果の一つであると言える。
【0026】このように本発明では、バルーン本体に放
香性物質の備蓄機能と形態保持性を付加する目的でガス
バリヤー性フィルムを用い、且つ、頸部には、放香性物
質をバルーン本体内に透過、流入せしめ、またバルーン
本体に透過、流入した放香性物質を徐々に該頸部から透
過、放散せしめる目的で気体透過性の大きいポリオレフ
ィンを用いるのが最も好ましい。尚、放香機能の程度
は、バルーン本体から突出し、大気中に露出した頸部の
長さと充填材の位置、気体吹込口の大きさ、充填材の充
填密度乃至充填量あるいは頸部に用いるポリオレフィン
フィルムの材質あるいは厚さ等により任意に調節するこ
とができる点も、本発明の重要な作用効果の1つであ
る。
【0027】本発明にかかる放香性バルーンは視覚的ア
ピール性に加え放香機能に優れているので、販売促進用
品、玩具、室内装飾用品、車内装飾用品あるいはパーテ
ィ装飾用品などとして好適に使用される。また放香性物
質として害虫が忌避する物質を採用することによって、
前記ディスプレイ効果と共に、虫害防止効果を併せて奏
することが要求される用途、例えば密閉されたショーケ
ース内のデコレーション兼防虫用具として好適に使用さ
れる。
【0028】
【実施例】次に実施例により本発明を説明するが評価方
法は次に示す方法による。尚、感応試験による判定は、
パネラー10名の判定結果に基づいて総合的に判定し
た。 放香機能 放香性バルーンを23℃、50%RHに調節した実験室
内に固定し、バルーンの頸部より1.5m水平に離れた
位置で放香性を感応的に判定する。 放香機能および形態保持の持続性 放香機能および形態保持性を経時的に判定する。 放香機能調節の容易性 放香機能を簡単に調節できるか否か判定する。 形状の任意性 各実施例および比較例で用いたフィルムにてバルーンの
形状を円盤型の他に魚型、星型に変えてその成形加工の
容易性、形状の仕上り具合から判定する。 破裂強度 膨張したバルーンを23℃、50%RHで状態調節し2
枚の平行板の間に挟み、加重を加えて、バルーンが破裂
する時の加重を測定する。
【0029】実施例1 頸部の製作 酢酸ビニル含有率8重量%、融点98℃、密度0.92
7g/cm3のエチレン−酢酸ビニル共重合体(東ソー
(株)ウルトラセン520F)と密度0.920g/c
3、ビカット軟化点102℃、融点120℃のエチレ
ンとα−オレフィンを共重合して得られる直鎖状(線
状)低密度ポリエチレン(三井石油化学工業(株)ウル
トゼックス2022L)をTダイを用い共押出法にて、
各層厚みが20μ、総厚40μの複合フィルムを得た。
前記共押出複合フィルムを2枚用意し、その一方のフィ
ルムのバルーン本体と熱接合する部分の酢酸ビニル共重
合体側に、バルーン本体との熱接合時、気体吹込口が閉
鎖されることを防止する目的で、図6に示す接合防止処
理部に、耐熱性のあるシリコン樹脂をグラビアコーティ
ングした。次いで前記シリコン樹脂をコーティングした
フィルムと未コーティングフィルムをエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体同志が対向するように重ね合わせ、図6に
示すように両側を熱接合して幅2cm×10cmの頸部
を作った。
【0030】 バルーン本体の製作 エチレン含有率27モル%、ケン化度99.6%、極限
粘度(15%含水フェノール、35℃)が0.11リッ
トル/gのエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物とナ
イロン−6をTダイを用いて共押出製膜後、テンター方
式同時二軸延伸機にて温度125℃で縦、横共に3.5
倍延伸して、ナイロン−6(5μ)/エチレン−ビニル
アルコール共重合体(5μ)/ナイロン−6(5μ)の
2種3層の延伸フィルムを得た。次いで一方のナイロン
−6面にアルミニウム蒸着(400Å)を施し更にかか
るアルミニウム蒸着層の上に一部分、5色印刷を施し
た。前記延伸フィルムの他方の面にコロナ処理、次いで
ウレタン−イソシアネート系アンカーコートを施したの
ち密度0.915g/cm3、ビカット軟化点98℃、
融点115℃の直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(三
井石油化学工業(株)ウルトゼックス1520L)を厚
さ15μで押出ラミネートし、複合フィルムを作った。
かかる複合フィルムの酸素透過量(JIS Z170
7)は23℃、50%RHで1.0ml/m2・day
・atmであった。かかる複合フィルムを2枚用意し、
前記直鎖状(線状)低密度ポレエチレン同志が対向する
ように重ね合せ、図1〜2に示すように気体吹込口とな
る部分を除いて円盤状(直径50cm)に周縁部を熱接
合してバルーン本体を作った。
【0031】 バルーン本体と頸部の接合 前記バルーン本体と頸部を図1、2及び6に示すよう
に、前記頸部の接合防止処理部にてヒートシールバーを
用いて外部から加熱加圧して熱接合した。頸部の内面
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)同志は、熱接合して
おらず、接合防止処理(シリコン樹脂コーティング)の
効果があることを確認した。
【0032】 気体および放香性物質の圧入 ゲラニオール400部(重量)、ネロール200部、ロ
ーズオイル100部、フェニルエチルアルコール90
部、ゲラニウムオイル60部、ヨノンアルファ40部、
ゲラニルアセテート35部、およびロジニルフォーメー
ト20部の混合物からなるローズ香を有する放香性物質
および圧搾ヘリウムを充填したスプレー缶(圧力9.5
kg/cm2)のノズルをバルーン本体の頸部気体吹込
口よりバルーン本体に挿入し、前記放香性物質とヘリウ
ムを圧入し、バルーン本体が充分膨張したところで、圧
入を停止し、ノズルを引き抜いた。バルーン頸部の逆流
防止付与部がバルーン本体の内圧により、作用し、密閉
状態となった。かかる逆流防止付与部は若干カールし、
密閉状態は良好であった。次いで前記ローズ香を有する
放香性物質を含浸させたふとん綿を頸部気体吹込口より
挿入し、図1〜2に示す頸部位置に設置し放香性バルー
ンを作った。バルーン本体にセロファンテープで糸の一
方の端を取り付け糸の他方の端を、23℃、50%RH
に調節した実験室内に固定し、放香性バルーンを浮遊せ
しめた。評価結果を表1に示す。
【0033】実施例2 実施例1において、ローズ香を有する放香性物質を含浸
させたふとん綿の代わりに、かかる放香性物質を含浸さ
せないふとん綿を用い、かかる未含浸ふとん綿を頸部に
挿入した以外は、実施例1と同様にして放香性バルーン
を作った。
【0034】実施例3 実施例1においてバルーン本体に放香性物質とヘリウム
を圧入することに代えて、圧搾ヘリウムのみを充填した
スプレー缶(圧力9.5kg/cm2)を用いて圧入し
た以外は、実施例1と同様にして放香性バルーンを作っ
た。
【0035】比較例1 直鎖状(線状)低密度ポリエチレン(三井石油化学工業
(株)ウルトゼックス1520L)フィルム(厚さ30
μ、23℃、50%RHにおける酸素透過量6700m
l/m2・day・atm)の表面にコロナ処理を施
し、次いで実施例1と同一の印刷をするに際して、印刷
インキ内に実施例1で用いたローズ香を有する放香性物
質を混入し、実施例1と同様に印刷後、かかる印刷面を
表側にして実施例1と同一の形状のバルーン本体を作
り、次いで実施例1と同一の頸部を熱接合後、当該頸部
気体吹込口より圧搾ヘリウム充填スプレー缶(圧力9.
5kg/cm2)を用いてヘリウムを圧入して膨張せし
めた。本バルーンの放香機能は、印刷時の乾燥ゾーンで
の放香性物質の散逸および、バルーン成形加工工程での
散逸等により、製品化したときには、大幅に劣り商品価
値のないものであった。評価結果を表1に示す。
【0036】比較例2 比較例1において印刷インキ内に放香性物質を混入する
代わりにローズ香を有する放香性物質を含浸させた不織
布を両面テープでバルーン本体表面に貼付けた以外は比
較例1と同様にしてバルーンを作り、実施例1と同様に
評価した。
【0037】比較例3 比較例1において印刷インキ内に放香性物質を混入する
代わりに、実施例1で用いたローズ香を有する放香性物
質および圧搾ヘリウムを充填したスプレー缶(圧力9.
5kg/cm2)を用い、バルーン本体内にかかる放香
性物質とヘリウムを圧入し、バルーン本体を膨張せし
め、実施例1と同様に評価した。
【0038】
【0039】
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明によって奏せられる作用効果を次
に示す。 放香機能の付与およびその長期持続性 放香機能調節の容易性 形状の任意性 形態の長期保持性 破裂強度の改善
【図面の簡単な説明】
【図1】放香性バルーンの正面図である。
【図2】放香性バルーンの側面図である。
【図3】頸部の側面図であり、(1)、(2)および
(3)はそれぞれの態様を示す。
【図4】頸部の気体吹込口からみた平面図である。
【図5】頸部の逆流防止機能付与部からみた平面図であ
る。
【図6】頸部の接合防止処理部の側面図である。
【符号の説明】
1: バルーン本体の接合部 2: 逆流防止機能付与部 3: 充填材 4: バルーン本体と頸部接合部 5: 頸部 6: 気体吹込口 7: 頸部側部の接合部 8: 接合防止処理部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 張 仁凱 東京都中央区日本橋3丁目8番2号 株 式会社クラレ内 (56)参考文献 特開 平3−109092(JP,A) 特開 平2−293141(JP,A) 特開 平4−34590(JP,A) 特開 平6−182058(JP,A) 特開 平2−43036(JP,A) 特開 平4−255351(JP,A) 実開 平2−121096(JP,U) 実開 平6−75594(JP,U) 実開 平5−51399(JP,U) 実開 昭62−113600(JP,U) 張 仁凱,”「エベール」のバルーン への展開について”,フードパッケージ ング,株式会社日報,平成2年2月5 日,第34巻,第2号,p.68−73 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A63H 27/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミドとエチレン−ビニルアルコー
    ル共重合体を複合した二軸延伸フィルムからなるガスバ
    リヤー性フィルムと、最内層として密度(ASTM D
    1505)が0.905〜0.950g/cm、ビカ
    ット軟化点(ASTM D1525)が90〜120
    ℃、および融点(ASTM D2117)が110〜1
    30℃の線状低密度ポリエチレンからなるフィルムとを
    含む合成樹脂フィルムであって、該合成樹脂フィルムの
    酸素透過量(JIS Z1707)が23℃、50%R
    Hにおいて50ml/m・day・atm以下である
    合成樹脂フィルムからなるバルーン本体と、2種以上の
    異種のポリオレフィンを積層した複合フィルムからなる
    頸部とからなり、且つバルーン本体内および/または頸
    部内に放香性物質を充填してなるバルーン。
  2. 【請求項2】 上記頸部が気体吹込機能と吹き込まれた
    気体の逆流防止機能とを備えてなる、請求項1に記載の
    バルーン。
  3. 【請求項3】 上記バルーン本体の全部または一部にア
    ルミニウム蒸着層を含む、請求項1または2に記載のバ
    ルーン。
  4. 【請求項4】 上記頸部に充填材を充填してなる、請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のバルーン。
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