JP3385146B2 - 会話文翻訳装置 - Google Patents

会話文翻訳装置

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JP3385146B2
JP3385146B2 JP00610296A JP610296A JP3385146B2 JP 3385146 B2 JP3385146 B2 JP 3385146B2 JP 00610296 A JP00610296 A JP 00610296A JP 610296 A JP610296 A JP 610296A JP 3385146 B2 JP3385146 B2 JP 3385146B2
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幸弘 久保
こずえ 木村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、第1言語による
会話文を第2言語に翻訳する際に、予め登録されている
会話用例文を利用して翻訳を行う会話文翻訳装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】観光等で海外に出かける機会が多くなっ
た現在では、外国での会話に困らないように多くの会話
表現を集めた会話用例集が多く出版されている。また、
これらの会話用例集を電子化し、キー操作等で会話用例
文を選び出して選び出された会話用例文の翻訳文を表示
する会話文翻訳装置も発売されている。
【0003】通常、上述のような会話文翻訳装置として
は、自由に作成した第1言語での入力文を機械翻訳機に
よって第2言語に翻訳して出力とするものではなく、選
択された会話用例文の翻訳文を表示する用例文使用方式
を採用している。その理由としては、 ・第1言語での自由文を翻訳する機械翻訳機は複雑であ
るために携帯する大きさで実現することが困難である ・上記機械翻訳機によって自由文を翻訳する技術が未熟
であるために、予め用意した会話用例文の翻訳文を出力
する用例文使用方式に比べて翻訳結果の質が悪い ことが上げられる。
【0004】一方、上記用例文使用方式においては、数
多くの使用状況に適合可能なように多くの会話用例文を
記憶させておくことが望ましい。さらに、特公昭61−
16117号公報で提案されているように、会話用例文
中に置換可能な部分を含んで記憶しておき、会話用例文
の置換可能な部分を置き換え可能にしておけば更に会話
用例文の適用範囲を広げることができる。ところが、会
話用例文の数が多くなればなるほど、会話文翻訳装置に
登録された会話用例文の中から目的の会話用例文を選び
出すことが面倒であり困難になるという欠点がある。
【0005】そこで、このような欠点を解消するため
に、例えば、特公昭60−24501号公報に見られる
ように、会話用例文をガテゴリ別に区分して記憶してお
き、検索の際に使用状況に該当するガテゴリを指定する
ことによって検索範囲を狭める方法が採用されている。
また、検索範囲を狭める他の方法として、キーワードを
指定して当該キーワードを含んだ会話用例文を選択する
方法がある。例えば、特公昭58−58714号公報に
おいては、入力されたキーワードと各会話用例文中の単
語とのマッチングを行ない、キーワードに一致した単語
を用いた会話用例文の翻訳文を目的とする会話用例文の
翻訳文として出力する。更に他の方法として、特開平5
−324702号公報では、各会話用例文にラベル情報
を付加しておき、指定されたラベル情報が付加されてい
る会話用例文を選択する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の会話文翻訳装置では、より広い会話状態をカバーす
るように更に多くの会話用例文を記憶すると、目的とす
る会話用例文を探し出すことが困難になると言う問題点
が再発してくる。例えば、特公昭60−24501号公
報に開示された会話用例文をガテゴリ別に区分して記憶
しておく方法では、記憶されるカテゴリ数が多くなった
り、一つのカテゴリに属する会話用例文の数が多くなっ
たりして、目的の会話用例文が見つけ難い。さらにこの
欠点を解消するために、一つのカテゴリの中にサブカテ
ゴリを設けて上記カテゴリを階層的に構築し、各階層に
おいて選択すべきカテゴリや会話用例文の数を少なくす
る方法が提案されている。ところが、この方法の場合に
も、カテゴリの多階層化が進む程目的とする会話用例文
に到達するまでの操作が繁雑になり、目的とする会話用
例文を捜し出すのが困難になる。
【0007】また、上述のような会話用例文をカテゴリ
別に分類する会話文翻訳装置では、会話用例文のカテゴ
リ分類を開発者が行っているので、目的とする会話用例
文が必ずしも使用者が想定したカテゴリ内に該当してい
るとは限らず、使い勝手がよくない場合がある。そし
て、上述の如く階層的なカテゴリ体系を構築すれば、上
述の使い勝手の悪さが更に増長されてしまうことにな
る。
【0008】これに対して、上記キーワードによって会
話用例文を検索する方法では、上述のように、入力され
た単語をキーワードとして会話用例文を検索している。
例えば、「鍵」という単語をキーワードとして入力するこ
とによって、この単語が使用されている「鍵を下さい」や
「鍵をなくしました」という会話用例文を選定したり、予
め各会話用例文にキーワードを付加しておいて、「鍵」と
いうキーワードが付加されている会話用例文を選定する
方法がある。この方法によれば、検索したい会話用例文
の中心となるべき単語をキーワードとして使用者が入力
すれば、そのキーワードに関連した会話用例文が選定さ
れて表示されるので、カテゴリを辿って目的とする会話
用例文にたどり着くより直接的に目的とする会話用例文
を指定できる。
【0009】ところが、このキーワードを用いる方法の
場合にも、記憶している会話用例文が多くなると一つの
キーワードで多数の会話用例文が選定されることにな
り、その選択が困難になってくる。このことを解決する
ために、複数のキーワードを指定してさらに会話用例文
の検索範囲を絞り込む方法があるが、使用者が設定した
い会話用例文の中から、何れの単語をどのようにして複
数のキーワードとして選択するか等の問題がある。
【0010】このように、上述した各従来の会話文翻訳
装置は、第1言語による自然な文での入力という理想的
な入力方法とは掛け離れた入力法と言わざるを得ないよ
うな問題を抱えているのである。以上のような問題は、
ユーザが入力して翻訳したい文を、予め登録されている
会話用例文の中から選び出すという作業の際に生じる問
題であり、使用者が「自分が翻訳したい文がどのガテゴ
リに属するか」あるいは「如何様なキーワードで検索した
らよいか」ということを常に意識して会話用例文を選択
せざるを得ないということから発生している。
【0011】そこで、この発明の目的は、翻訳したい文
を自由に入力することによって最適な会話用例文を自動
的に選択してその翻訳文を表示する会話文翻訳装置を提
供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に係る発明の会話文翻訳装置は、被翻訳言
語である第1言語による自由な会話文が入力される入力
部と、上記第1言語による文の構成要素の意味を表す意
味素性とこの意味素性の要素である上記第1言語による
文字列が互いに対応付けられて登録された意味素性辞書
と、上記意味素性辞書を参照して上記入力部から入力さ
れた会話文から上記意味素性を抽出する解析部と、上記
第1言語による会話の用例文である会話用例文と,翻訳
言語である第2言語による当該会話用例文の翻訳文と,
当該会話用例文に係る意味素性の列とが,互いに対応付
けられて登録された対訳データベースと、上記対訳デー
タベースに登録されている各会話用例文の意味素性列か
ら上記解析部で抽出された意味素性を検索して,検索結
果に基づく一致度が最も高い会話用例文を選定する意味
検索部と、上記意味検索部で選定された会話用例文とこ
の選定された会話用例文の翻訳文を表示する表示部を備
えて、上記第1言語で入力された自由文に意味的に最も
近い会話用例文を自動的に選定してその第2言語による
翻訳文を得ることを特徴としている。
【0013】上記構成によれば、意味検索部によって、
対訳データベースに登録されている各会話用例文の意味
素性列と第1言語による入力文から解析部で抽出された
意味素性との一致度が最も高い会話用例文が選定されて
表示される。こうして、上記第1言語で入力された自由
文に意味的に最も近い会話用例文が自動的に選定され
て、その第2言語による翻訳文が得られる。
【0014】また、請求項2に係る発明の会話文翻訳装
置は、被翻訳言語である第1言語による自由な会話文が
入力される入力部と、上記第1言語による文の構成要素
の意味を表す意味素性とこの意味素性の要素である上記
第1言語による文字列とが,互いに対応付けられて登録
された意味素性辞書と、上記意味素性辞書を参照して,
上記入力部から入力された会話文から上記意味素性を抽
出する解析部と、上記第1言語による会話の用例文であ
る会話用例文と,翻訳言語である第2言語による当該会
話用例文の翻訳文と,当該会話用例文に係る意味素性の
列とが,互いに対応付けられて登録された対訳データベ
ースと、上記対訳データベースに登録されている各会話
用例文の意味素性列から上記解析部で抽出された意味素
性を検索して,検索結果に基づく一致度の高い順に複数
の会話用例文を選定する意味検索部と、ユーザとの対話
によって,上記意味検索部で選定された複数の会話用例
文から入力会話文の文意により近い会話用例文を選択す
る選択部と、上記選択部で選択された会話用例文と,こ
の選択された会話用例文の翻訳文を表示する表示部を備
えて、上記第1言語で入力された自由文に意味的に最も
近い会話用例文を自動的に選定してその第2言語による
翻訳文を得ることを特徴としている。
【0015】上記構成によれば、意味検索部によって、
対訳データベースに登録されている各会話用例文の意味
素性列と第1言語による入力文から解析部で抽出された
意味素性との一致度の高い順に複数の会話用例文が選定
され、選択部によるユーザとの対話によって、入力会話
文の文意により近い会話用例文が選択される。こうし
て、上記第1言語に入力された自由文に意味的に最も近
い会話用例文が自動的に選定されて、その第2言語によ
る翻訳文が得られる。
【0016】また、請求項3に係る発明は、請求項1ま
たは請求項2に係る発明の会話文翻訳装置において、上
記意味素性辞書は、上記第1言語による文の意志を表す
意味素性である意志意味素性と,この意志意味素性の要
素である上記第1言語による文字列とが,互いに対応付
けられて成る意志意味素性辞書と、上記第1言語による
文の文脈を表す意味素性であって上記意志意味素性以外
の意味素性である文脈意味素性と,この文脈意味素性の
要素である上記第1言語による文字列とが,互いに対応
付けられて成る文脈意味素性辞書とを有することを特徴
としている。
【0017】上記構成によれば、解析部によって意味素
性が抽出される際に、意味素性辞書における意志意味素
性辞書と文脈意味素性辞書とを用いて、入力会話文の意
志を表す意味素性である意志意味素性と入力会話文の文
脈を表す意味素性であって上記意志意味素性以外の意味
素性である文脈意味素性とに分けて意味素性が抽出され
る。こうして、意味検索部によって入力会話文の文意に
近い会話用例文が選定されるに際しては、入力会話文の
文意をより的確に捕らえて、より意味的に近い会話用例
文が選定される。
【0018】また請求項4に係る発明は、請求項1また
は請求項2に係る発明の会話文翻訳装置において、上記
意味検索部は、上記会話用例文の意味素性列から検索さ
れた意味素性に該当する入力会話文の文字列が上記入力
会話文の全文字列をカバーする割合を表すカバー率を算
出するカバー率算出手段を有して、上記カバー率を用い
て上記一致度を求めることを特徴としている。
【0019】上記構成によれば、意味検索部によって会
話用例文が選定される際に、会話用例文の意味素性列か
ら検索された意味素性に該当する入力会話文の文字列が
上記入力会話文の全文字列をカバーする割合が大きい会
話用例文ほど、入力会話文の文意に近い会話用例文であ
ると判定される。
【0020】また、請求項5に係る発明は、請求項1ま
たは請求項2に係る発明の会話文翻訳装置において、上
記対訳データベースに上記会話用例文毎に登録されてい
る意味素性には重みが付加されており、上記意味検索部
は、上記重みを用いて上記一致度を求めることを特徴と
している。
【0021】上記構成によれば、対訳データベースに登
録されている意味素性に付加された重みを用いて、入力
会話文中における意味素性の重要度を考慮して会話用例
文が選定される。
【0022】また、請求項6に係る発明は、請求項1ま
たは請求項2に記載の会話文翻訳装置において、上記意
味素性辞書は,上記第1言語による文の置き換え可能な
意味素性である可変意味素性と,この可変意味素性の項
目である可変意味素性エントリと,この可変意味素性エ
ントリの上記第2言語による翻訳語と,上記可変意味素
性エントリの要素である上記第1言語による文字列と
を,互いに対応付けて成る可変意味素性辞書を有し、上
記対訳データベースに登録された上記第1言語による会
話用例文と当該会話用例文の上記第2言語による翻訳文
と当該会話用例文に係る意味素性列には,上記可変意味
素性あるいはその可変意味素性に該当する文字列を指定
する可変意味素性情報を付加すると共に、上記可変意味
素性辞書および可変意味素性情報を参照して,上記意味
検索部で選定された会話用例文とその翻訳文とにおける
上記可変意味素性に該当する文字列を,入力会話文にお
ける可変意味素性の可変意味素性エントリとその翻訳語
とで置き換える素性要素置換部を備えたことを特徴とし
ている。
【0023】上記構成によれば、素性要素置換部によっ
て、上記選定された会話用例文とその翻訳文における可
変意味素性に該当する文字列が、入力会話文における可
変意味素性の可変意味素性エントリとその翻訳語とに置
き換えられることによって、入力会話文の細やかな文意
に即した会話用例文が得られる。
【0024】また、請求項7に係る発明は、請求項1ま
たは請求項2に係る発明の会話文翻訳装置において、上
記意味素性辞書は,上記第1言語による文の置き換え可
能な意味素性である可変意味素性と,この可変意味素性
の項目である可変意味素性エントリと,この可変意味素
性エントリの上記第2言語による翻訳語と,上記可変意
味素性エントリの要素である上記第1言語による文字列
とを,互いに対応付けて成る可変意味素性辞書を有し、
上記対訳データベースに登録された上記第1言語による
会話用例文と当該会話用例文の上記第2言語による翻訳
文とには,上記可変意味素性に該当する文字列を指定す
る可変意味素性情報を付加すると共に、ユーザとの対話
によって,上記可変意味素性辞書および可変意味素性情
報を参照して,上記意味検索部で選定された会話用例文
とその翻訳文における上記可変意味素性に該当する文字
列を他の可変意味素性エントリとその翻訳語に選択的に
置き換える素性要素選択部を備えたことを特徴としてい
る。
【0025】上記構成によれば、素性要素選択部によっ
て、上記選定された会話用例文とその翻訳文における可
変意味素性に相当する文字列が他の可変意味素性の可変
意味素性エントリとその翻訳語とに選択的に置き換えら
れることによって、入力会話文の細やかな文意に即した
会話用例文がユーザとの対話によって得られる。
【0026】また、請求項8に係る発明は、請求項1ま
たは請求項2に係る発明の会話文翻訳装置において、上
記意味検索部で直前に選定されて目的とする会話用例文
であると確定された会話用例文の分類を表す分類情報を
記憶する分類記憶部を備えると共に、上記対訳データベ
ースには,上記会話用例文の分類情報を各会話用例文毎
に登録し、上記意味検索部は,上記対訳データベースに
登録された各会話用例文の分類情報と上記分類記憶部に
記憶された分類情報とが一致するか否かを判定する一致
判定手段を有して,入力会話文の文意に近い会話用例文
を選定する場合に,上記分類記憶部に記憶された分類情
報に一致した分類情報を有する会話用例文を優先的に選
定することを特徴とている。
【0027】上記構成によれば、直前に選定された会話
用例文の分類情報に一致した分類情報を有する会話用例
文が優先的に選定されることによって、現在翻訳中の会
話文と同じ話題の会話用例文とその翻訳文とが迅速に得
られる。
【0028】また、請求項9に係る発明は、請求項2に
かかる発明の会話文翻訳装置において、上記対訳データ
ベースには,上記会話用例文の分類を表す分類情報を各
会話用例文毎に登録し、上記選択部は,上記対訳データ
ベースを参照して上記意味検索部で選定された複数の会
話用例文の分類情報を表示する分類情報表示手段と,ユ
ーザとの対話によって選択された分類情報に従って,上
記意味検索部で選定された複数の会話用例文を絞り込む
会話用例文絞り込み手段を有することを特徴としてい
る。
【0029】上記構成によれば、意味検索部で多数の会
話用例文が選定された際に、ユーザによって選択された
分類情報に従って上記選定された多くの会話用例文が絞
り込まれて、入力会話文の文意に即した会話用例文が迅
速に選択される。
【0030】また、請求項10に係る発明は、請求項2
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記選択部は,
入力会話文の文意により近い会話用例文をユーザとの対
話によって選択するに際して複数の会話用例文を選択可
能になっており、上記表示部は,上記選択部で選択され
た複数の会話用例文とこの選択された会話用例文夫々の
翻訳文とを表示可能になっていることを特徴としてい
る。
【0031】上記構成によれば、複数の文意を有する会
話用例文が入力された際に、入力会話文の文意に即した
複数の会話用例文とそれらの翻訳文とが表示されて、入
力会話文が有する個々の文意に即した会話用例文とその
翻訳文とが得られる。
【0032】また、請求項11に係る発明は、請求項6
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記素性要素置
換部は、上記解析部によって抽出された意味素性を参照
して,入力会話文における置換対象の可変意味素性に該
当する文字列を検出する文字列検出手段と、上記解析部
によって抽出された意味素性および上記可変意味素性情
報を参照して,上記意味検索部で選定された会話用例文
あるいは上記選択部で選択された会話用例文における上
記置換対象の可変意味素性に対して所定の相対位置に在
る意味素性と,上記入力会話文における上記文字列検出
手段によって検出された文字列に対して上記所定の相対
位置に在る意味素性とが一致するか否かを判定して,判
定結果が不一致である場合には上記文字列検出手段に他
の文字列を検出させる一致判定手段を有して、上記一致
判定手段の判定結果が一致である場合には、上記選定ま
たは選択された会話用例文とその翻訳文とにおける上記
置換対象の可変意味素性に該当する文字列を、上記文字
列検出手段によって検出された文字列に対応する可変意
味素性エントリとその翻訳語とで置き換えるようになっ
ていることを特徴としている。
【0033】上記構成において、上記素性要素置換部に
おける一致判定手段によって、選定または選択された会
話用例文と入力会話文とにおける置換対象の可変意味素
性に対して所定の相対位置に在る意味素性同士が一致す
ると判定された場合に、当該会話用例文とその翻訳文と
における上記置換対象の可変意味素性に該当する文字列
が、文字列検出手段によって入力会話文から検出された
上記置換対象の可変意味素性に該当する文字列に対応す
る可変意味素性エントリとその翻訳語とで置き換えられ
る。こうして、入力会話文に同じ可変意味素性に属する
文字列が複数存在する場合には、当該会話用例文におけ
る当該可変意味素性に該当する文字列と置き換えが適当
な入力会話文の文字列で置き換え処理が行われて、入力
会話文の文意に即した会話用例文とその翻訳文とが得ら
れる。
【0034】また、請求項12に係る発明は、請求項6
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記素性要素置
換部は、上記可変意味素性情報を参照して,上記意味検
索部で選定された会話用例文あるいは上記選択部で選択
された会話用例文から置換対象の可変意味素性に該当す
る文字列を検出する文字列検出手段と、上記解析部によ
って抽出された意味素性および上記可変意味素性情報を
参照して,入力会話文における上記置換対象の可変意味
素性に対して所定の相対位置に在る意味素性と,上記選
定または選択された会話用例文における上記文字列検出
手段によって検出された文字列に対して上記所定の相対
位置に在る意味素性とが一致するか否かを判定して,判
定結果が不一致である場合には上記文字列検出手段に他
の文字列を検出させる一致判定手段を有して、上記一致
判定手段の判定結果が一致である場合には、上記選定ま
たは選択された会話用例文とその翻訳文とにおける上記
文字列検出手段によって検出された文字列とその翻訳語
とを、入力会話文における上記置換対象の可変意味素性
の可変意味素性エントリとその翻訳語とで置き換えるよ
うになっていることを特徴としている。
【0035】上記構成において、選定または選択された
会話用例文と入力会話文とにおける置換対象の可変意味
素性に対して所定の相対位置に在る意味素性同士が一致
する場合に、当該会話用例文とその翻訳文とにおける文
字列検出手段によって検出された上記置換対象の可変意
味素性に該当する文字列が、入力会話文における上記置
換対象の可変意味素性の可変意味素性エントリとその翻
訳語とで置き換えられる。こうして、当該会話用例文に
同じ可変意味素性に属する文字列が複数存在する場合に
は、入力会話文の当該可変意味素性に該当する文字列で
の置き換えが適当な当該会話用例文の文字列に対して置
き換え処理が行われて、入力会話文の文意に即した会話
用例文とその翻訳文とが得られる。
【0036】また、請求項13に係る発明は、請求項6
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記素性要素置
換部は、上記解析部によって抽出された意味素性を参照
して,入力会話文から置換対象の可変意味素性に該当す
る文字列を検出する第1文字列検出手段と、上記可変意
味素性情報を参照して,上記意味検索部で選定された会
話用例文あるいは上記選択部で選択された会話用例文か
ら上記置換対象の可変意味素性に該当する文字列を検出
する第2文字列検出手段と、上記解析部によって抽出さ
れた意味素性および上記可変意味素性情報を参照して,
上記入力会話文における上記第1文字列検出手段によっ
て検出された文字列に対して所定の相対位置に在る意味
素性と,上記選定または選択された会話用例文における
上記第2文字列検出手段によって検出された文字列に対
して上記所定の相対位置に在る意味素性とが一致するか
否かを判定して,判定結果が不一致である場合には上記
第1・第2文字列検出手段の何れか一方に他の文字列を
検出させる一致判定手段を有して、上記一致判定手段の
判定結果が一致である場合には、上記選定または選択さ
れた会話用例文とその翻訳文とにおける上記第2文字列
検出手段によって検出された文字列とその翻訳語とを、
入力会話文における上記第1文字列検出手段によって検
出された文字列の可変意味素性エントリとその翻訳語と
で置き換えるようになっていることを特徴としている。
【0037】上記構成によれば、選定または選択された
会話用例文と入力会話文との双方に同じ可変意味素性に
属する文字列が複数存在する場合には、当該会話用例文
における置換の対象となる可変意味素性に該当する文字
列と、入力会話文における上記置換の対象となる可変意
味素性に該当する文字列とのうち置き換えが適当な文字
列同士による置き換え処理が行われて、入力会話文の文
意に即した会話用例文とその翻訳文とが得られる。
【0038】また、請求項14に係る発明は、請求項6
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記対訳データ
ベースに登録された上記会話用例文に,当該会話用例文
における置換の対象となる可変意味素性に該当する文字
列の位置を指定するフラグを付加すると共に、上記素性
要素置換部は、上記フラグが付加されている会話用例文
情報に関して,上記フラグによって指定された文字列の
位置を検知する文字列位置検知手段を有して、上記意味
検索部で選定された会話用例文あるいは上記選択部で選
択された会話用例文の何れかとその翻訳文とにおける上
記文字列位置検知手段によって検知された位置に在る文
字列とその翻訳語とを、入力会話文における上記置換の
対象となる可変意味素性の可変意味素性エントリとその
翻訳語とで置き換えるようになっていることを特徴とし
ている。
【0039】上記構成によれば、選定または選択された
会話用例文における上記フラグによって指定された位置
に在る文字列とその翻訳語とが、入力会話文における置
換の対象となる可変意味素性の可変意味素性エントリと
その翻訳語とで置き換えられて、当該会話用例文に同じ
可変意味素性に属する文字列が複数存在する場合であっ
ても入力会話文の文意に即した会話用例文とその翻訳文
とが得られる。
【0040】また、請求項15に係る発明は、請求項6
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記対訳データ
ベースに登録された上記会話用例文に付加されて,当該
会話用例文における置換の対象となる可変意味素性に該
当する未置換の文字列に対する置換方法を指定するフラ
グと、入力会話文における上記置換の対象となる可変意
味素性の可変意味素性エントリとその翻訳語とによる置
き換えが上記素性要素置換部によって行われた会話用例
文に,上記フラグが付加されているか否かを判別するフ
ラグ判別部と、上記フラグ判別部によって上記フラグが
付加されていると判別された会話用例文に関して,上記
フラグによって指定された置換方法を検知する置換方法
検知部と、上記可変意味素性辞書を検索して,上記置換
の対象となる可変意味素性に該当し且つ上記素性要素置
換部による置き換えの際に用いられた可変意味素性エン
トリとは異なる可変意味素性エントリであって,上記置
換方法検知部で検知された置換方法に適合する可変意味
素性エントリとその翻訳語とを得る可変意味素性辞書検
索部を備えると共に、上記素性要素置換部は、上記フラ
グ判別部によって上記フラグが付加されていると判別さ
れた会話用例文とその翻訳文とにおける上記置換の対象
となる可変意味素性に該当する未置換の文字列を、上記
可変意味素性辞書検索部によって得られた可変意味素性
エントリとその翻訳語とで置き換えるようになっている
ことを特徴としている。
【0041】上記構成によれば、選定または選択された
会話用例文に置換の対象となる可変意味素性に該当する
文字列が複数存在する場合に、その一方の文字列が素性
要素置換部によって置換されると、未置換の文字列の方
は、可変意味素性辞書から検索された上記置換の際に用
いられた可変意味素性エントリとは異なる可変意味素性
エントリとその翻訳語で置換される。こうして、当該会
話用例文に同じ可変意味素性エントリが存在することが
ないように上記素性要素置換部による当該会話用例文に
対する置き換え処理が行われる。
【0042】また、請求項16に係る発明は、請求項6
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記対訳データ
ベースに登録された上記会話用例文に付加されて,許可
できない可変意味素性エントリの組み合わせを指定する
フラグと、入力会話文における上記置換の対象となる可
変意味素性の可変意味素性エントリとその翻訳語とによ
る置き換えが上記素性要素置換部によって行われた会話
用例文に,上記フラグが付加されているか否かを判別す
るフラグ判別部と、上記フラグ判別部によって上記フラ
グが付加されていると判別された会話用例文に関して,
上記フラグによって指定された可変意味素性エントリの
組み合わせの要素に該当する未置換の文字列を検出する
未置換文字列検出部と、上記可変意味素性辞書を検索し
て,上記未置換文字列検出部によって検出された未置換
の文字列の可変意味素性と同一の可変意味素性に該当す
る可変意味素性エントリであって,上記未置換の文字列
の可変意味素性エントリとは異なる可変意味素性エント
リとその翻訳語とを得る可変意味素性辞書検索部を備え
ると共に、上記素性要素置換部は、上記フラグ判別部に
よって上記フラグが付加されていると判別された会話用
例文とその翻訳文とにおける上記未置換の文字列を、上
記可変意味素性辞書検索部によって得られた可変意味素
性エントリとその翻訳語とで置き換えるようになってい
ることを特徴としている。
【0043】上記構成によれば、選定または選択された
フラグが付加された会話用例文に置換の対象となる可変
意味素性に該当する文字列が複数存在する場合に、その
一方の文字列が素性要素置換部によって置換されると、
上記フラグで指定された可変意味素性エントリの組み合
わせの要素に該当する未置換の文字列が、可変意味素性
辞書から検索された上記未置換の文字列とは異なる可変
意味素性エントリとその翻訳語で置換される。こうし
て、当該会話用例文に不許可の可変意味素性エントリの
組み合わせが存在することがないように上記素性要素置
換部による当該会話用例文に対する置き換え処理が行わ
れる。
【0044】また、請求項17に係る発明は、請求項1
あるいは請求項2に係る発明の会話文翻訳装置におい
て、上記対訳データベースには,会話用例文と意味的に
実質同一の想定文に係る意味素性の列を当該会話用例文
に対応付けて登録し、上記意味検索部は、上記対訳デー
タベースに登録されている各会話用例文の意味素性列か
ら上記解析部で抽出された意味素性を検索して会話用例
文を選定する処理を、当該会話用例文に対応付けられて
いる複数の意味素性列の夫々に対して個別に行うように
なっていることを特徴としている。
【0045】上記構成によれば、ある入力会話文に対し
て1つの会話用例文が選定または選択される場合には、
当該入力会話文と意味的に実質同一の入力会話文に対し
ても同じ会話用例文が選定または選択されることにな
る。こうして、ある入力会話文と意味的に同一あるいは
似ている入力会話文に対して同一会話用例文が選定また
は選択される。
【0046】また、請求項18に係る発明は、請求項1
7に係る発明の会話文翻訳装置において、ある意味素性
と,上記対訳データベースに登録された会話用例文とそ
の会話用例文に対応付けられている意味素性列の1つで
あって当該意味素性を含む意味素性列との組とを対応付
けて,当該意味素性から特定の会話用例文と1つの意味
素性とで成る組を導出するためのインデックスを備える
と共に、上記意味検索部は、上記対訳データベースに登
録されている各会話用例文の意味素性列から上記解析部
で抽出された意味素性を検索する場合に、上記インデッ
クスを用いることによって、1つの会話用例文に対応付
けられている個々の意味素性列単位で上記検索を行うこ
とを特徴としている。
【0047】上記構成によれば、解析部で抽出された意
味素性を検索する場合には、上記インデックスを用いる
ことによって、1つの会話用例文に対応付けられている
個々の意味素性列単位で行うことが可能である。その結
果、ある入力会話文と意味的に同一の会話用例文に対し
ても、あるいは、意味的に似ている入力会話文に対して
も、同一会話用例文が選定または選択される。
【0048】また、請求項19に係る発明は、請求項2
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記対訳データ
ベースには,会話用例文が使用される状況を表す補足情
報を当該会話用例文に対応付けて登録し、上記選択部
は、ユーザと対話を行う際に、上記意味検索部で選定さ
れた複数の会話用例文と各会話用例文に対応付けられて
いる補足情報とをユーザに呈示するようになっているこ
とを特徴としている。
【0049】上記構成によれば、ユーザによって、選択
部で呈示される補足情報が参照されて、使用される状況
に相応しい翻訳文に対応付けられている会話用例文が選
択される。
【0050】また、請求項20に係る発明は、請求項1
あるいは請求項2に係る発明の会話文翻訳装置におい
て、上記意味素性辞書に登録される意味素性としてオプ
ショナルな意味素性を設定し、上記対訳データベースに
登録された意味素性列には,上記オプショナルな意味素
性を指定するオプショナル意味素性情報を付加し、上記
意味検索部は、上記オプショナル意味素性情報を参照し
て、上記対訳データベースに登録されている会話用例文
の意味素性列に存在する上記オプショナルな意味素性に
該当する文字列が入力会話文中に存在しない場合には、
当該意味素性列中には当該オプショナルな意味素性が存
在しないと見なして、上記会話用例文の選定を行うよう
になっていることを特徴としている。
【0051】上記構成によれば、対訳データベースに登
録されている会話用例文の意味素性列に存在するオプシ
ョナルな意味素性に該当する文字列が入力会話文中に存
在しない場合には、当該意味素性列中には当該オプショ
ナルな意味素性は存在しないと見なして会話用例文の選
定が行われる。こうして、在っても無くても意味に影響
を与えないような文字列の影響が排除される。
【0052】また、請求項21に係る発明は、請求項6
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記解析部は、
上記意味素性辞書に登録しておくことができない特定文
字列を入力会話文から検索し,この検索された特定文字
列に対応付けられている可変意味素性と当該特定文字列
とを出力する特定文字列検出手段を有して,上記可変意
味素性辞書を用いて入力会話文から上記意味素性を抽出
するに先立って上記特定文字列検出手段によって上記特
定文字列を検出して,この特定文字列に対応付けられた
可変意味素性と当該特定文字列とを出力し、上記素性要
素置換部は、上記意味検出部で選定された会話用例文あ
るいは上記選択部で選択された会話用例文の何れかとそ
の翻訳文とに上記特定文字列検出手段から出力された可
変意味素性と同一の可変意味素性に該当する文字列が在
る場合には,当該文字列を上記特定文字列検出手段から
出力された特定文字列で置き換えるようになっているこ
とを特徴としている。
【0053】上記構成によれば、意味素性辞書に登録し
ておくことができない特定文字列を専門に検出する特定
文字列検出手段によって、入力会話文から当該特定文字
列が検索される。そして、上記選定または選択された会
話用例文とその翻訳文とにおける上記特定文字列検出手
段から出力された可変意味素性に該当する文字列が当該
特定文字列で置き換えられる。こうして、例えば、ホテ
ルの部屋番号のような意味素性辞書に登録しておくこと
ができない所定桁数の数字列から成る特定文字列が入力
会話文に存在する場合であっても、恰も、可変意味素性
辞書に当該特定文字列が登録されていたかのごとく素性
要素置換部による置き換え処理が行われて、入力会話文
の文意に即した会話用例文とその翻訳文とが得られる。
【0054】また、請求項22に係る発明は、請求項6
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記可変意味素
性辞書に登録される可変意味素性として,上記可変意味
素性エントリが空であるオプショナルな可変意味素性を
設定し、上記素性要素置換部は、上記意味検索部で選定
された会話用例文または上記選択部で選択された会話用
例文に上記オプショナルな可変意味素性が存在するが入
力会話文には存在しない場合には、当該会話用例文とそ
の翻訳文とにおける当該オプショナルな可変意味素性に
該当する文字列に対して上記置き換えを行う場合には、
当該会話用例文の当該文字列は空文字列で置き換えるよ
うになっていることを特徴としている。
【0055】上記構成によれば、上記選定または選択さ
れた会話用例文に入力会話文には存在しないオプショナ
ルな可変意味素性が存在する場合には、当該会話用例文
の当該文字列は空文字列で置き換えられる。こうして、
第2言語では使用されるが第1言語ではあまり使用しな
いような可変意味素性を上記オプショナルな可変意味素
性として登録することによって、入力会話文から上記オ
プショナルな可変意味素性に該当する文字列が欠落して
も、当該文字列は空文字列である会話用例文と対応する
翻訳語が相応しい文字列で置き換えられた翻訳文とが得
られる。
【0056】また、請求項23に係る発明は、請求項6
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記可変意味素
性辞書に登録される可変意味素性として,上記可変意味
素性エントリに対応する当該可変意味素性エントリの翻
訳語が空であるパッシブな可変意味素性を設定し、上記
素性要素置換部は、上記意味検索部で選定された会話用
例文あるいは上記選択部で選択された会話用例文の何れ
かとその翻訳文とにおける上記パッシブな可変意味素性
に該当する文字列に対して上記置き換えを行う場合に
は、上記翻訳文の当該文字列は空文字列で置き換えるよ
うになっていることを特徴としている。
【0057】上記構成によれば、上記選定または選択さ
れた会話用例文の翻訳文におけるパッシブな可変意味素
性に該当する文字列は、空文字列で置き換えられる。こ
うして、第1言語では使用されるが第2言語では使用し
ないような可変意味素性を上記パッシブな可変意味素性
として登録することによって、当該会話用例文の当該文
字列に対応する翻訳語が自動的に空文字列で置き換えら
れた違和感の無い翻訳文が得られる。
【0058】また、請求項24に係る発明は、請求項2
に係る発明の会話文翻訳装置において、上記選択部は、
上記会話用例文の選択に先立って,上記意味検索部によ
って選定された複数の会話用例文を呈示して,ユーザと
の対話によって,上記入力部に入力された会話文に対し
て修正が必要であるか否かを判定して,判定結果が可で
ある場合には上記入力部及び解析部に制御信号を送出す
る修正判定手段を有し、上記入力部は、上記修正判定手
段からの制御信号を受けると,先に入力された会話文に
対する追加文の入力を許可し、上記解析部は、入力され
た会話文を保持する会話文保持手段を有して,上記修正
判定部からの制御信号を受けた場合には,上記会話文保
持手段に保持されている入力会話文に上記入力部から入
力された追加文を付加して成る入力会話文から上記意味
素性を抽出するようになっていることを特徴としてい
る。
【0059】上記構成によれば、会話文に対して修正が
必要である場合には、入力部によって追加文の入力が許
可され、解析部によって会話文保持手段に保持されてい
る入力会話文に追加文を付加して成る入力会話文から意
味素性が抽出される。こうして、最初に入力された短い
文が選択部との対話によって繰り返し修正されて、容易
に目的の会話用例文とその翻訳文が得られる。
【0060】また、請求項25に係る発明は、請求項2
4に係る発明の会話文翻訳装置において、上記意味検索
部は、上記意味素性を検索した結果に基づいて,上記解
析部で抽出された意味素性を上記意味素性列中に有して
いる会話用例文の個数をカウントする会話用例文数カウ
ント手段を有し、上記修正判定手段は、上記意味検索部
によって選定された複数の会話用例文に加えて,上記会
話用例文数カウント手段によるカウント値をも呈示する
ようになっていることを特徴としている。
【0061】上記構成によれば、入力会話文から抽出さ
れた意味素性を意味素性列中に有する会話用例文の個数
がカウンされて選択部の修正判定手段によって呈示され
る。こうして呈示された上記カウント値が参照されて最
適な修正文が入力され、迅速に目的の会話用例文とその
翻訳文とが得られる。
【0062】また、請求項26に係る発明は、請求項2
4にかかる発明の会話文翻訳装置において、上記意味検
索部による会話用例文の選定結果を記憶する選定結果記
憶部と、上記選定結果記憶部に記憶されている前回の選
定結果と,上記意味検索部による今回の選定結果とを比
較して,前回の選定結果に対する今回の選定結果の差分
を求める比較部を備えると共に、上記修正判定手段は、
上記意味検索部によって選定された複数の会話用例文に
加えて、上記比較部によって得られた上記差分をも呈示
するようになっていることを特徴としている。
【0063】上記構成によれば、意味検索部による会話
用例文の前回の選定結果に対する今回の選定結果の差分
が求められて選択部の修正判定手段によって呈示され
る。こうして呈示された上記差分が参照されて最適な修
正文が入力され、迅速に目的の会話用例文とその翻訳文
とが得られる。
【0064】また、請求項27に係る発明は、請求項2
4に係る発明の会話文翻訳装置において、上記入力部か
ら入力された文字列から抽出された上記意味素性の列を
記憶する意味素性記憶部と、上記入力部から所定の言語
単位の語句が入力されたか否かを判別し,上記所定の言
語単位の語句が入力されたと判別すると上記意味検出部
を起動して,上記意味素性記憶部に記憶された意味素性
の列を上記意味検出部に送出する翻訳制御部を備えると
共に、上記解析部は、上記入力部から順次送出されてく
る文字列から上記意味素性を抽出し、この抽出した意味
素性を上記意味素性記憶部に送出して記憶させるように
なっていることを特徴としている。
【0065】上記構成によれば、入力部から所定の言語
単位の語句が入力される毎に意味検出部が起動されて、
その時点まで入力された上記所定の言語単位の語句から
抽出されて意味素性記憶部に記憶された意味素性の列に
基づいて会話用例文が選定されてる。こうして上記所定
の言語単位の語句が入力される毎に表示される会話用例
文とその翻訳文が参照されて上記所定の言語単位の最適
な語句が入力され、短い語句の入力で迅速に目的の会話
用例文とその翻訳文とが得られる。
【0066】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図示の実施の形
態により詳細に説明する。 <第1実施の形態>図1は、本実施の形態における会話
文翻訳装置のブロック図である。
【0067】本実施の形態における会話文翻訳装置は、
被翻訳言語である第1言語での自然な会話文がユーザに
よって自由に入力される入力部1と、この入力部1から
送出される第1言語の文字列から入力会話文における構
成要素の意味を表す意味素性を抽出する解析部2と、上
記解析部2による意味素性抽出の際に用いられる意味素
性辞書6と、第1言語による会話用例文と翻訳言語であ
る第2言語による翻訳文と上記会話用例文の意味素性列
との組からなる対訳データベース7と、解析部2で抽出
された意味素性に基づいて対訳データベース7から適切
な第1言語による会話用例文を選定する意味検索部3
と、選定された会話用例文とその翻訳文である第2言語
による文を表示する表示部4と、入力部1,解析部2,意
味検索部3および表示部4を制御して会話文翻訳処理動
作を行う制御部5から概略構成される。
【0068】ここで、本実施の形態における上記意味素
性としては、日本語文における構成要素のうちで意味を
持つ単位である自立語を中心に、主に名詞,動詞,形容
詞,副詞等の基本形等を用いる。その際に、名詞や副詞
においては、表記が異なっても同じ意味を表す単語、例
えば「旅券」と「パスポート」や「少し」と「少々」等は同一の
意味素性として扱う。そうすることによって、入力会話
文の若干の揺れを吸収することができるのである。
【0069】上記入力部1はキーボードあるいは手書き
認識装置や音声認識装置で構成されており、入力された
第1言語による自然な会話文を文字列に変換して一文ず
つ解析部2に送出する。上記意味素性辞書6は、意味素
性名とその意味素性名をどのような文字列から抽出する
かを示す意味素性表現とを対応付けて構成されている。
図2は意味素性辞書6の内容の一例を示す概念図であ
る。図2に示す例では、入力会話文の中に「チェックイ
ン」という文字列が存在すれば、「チェックイン」という
意味素性名を有する意味素性を得ることを意味する。同
様に、入力会話文中に「お願いします」,「お願い」,「お願
いしたい」,「お願いしたいのです」,「お願いしたいのです
が」,「おねがい」,「おねがいします」,「たのむ」,「たのみま
す」あるいは「希望します」という文字列が存在すれば、
「お願い」という意味素性名を有する意味素性を得ること
意味している。
【0070】上記解析部2は、上述のような意味素性辞
書6を参照して、入力部1から送出されてくる第1言語
の文字列から入力文に含まれている意味素性を抽出して
出力する。その際に、上記意味素性辞書6における意味
素性名「お願い」のように、一つの意味素性名に対応付け
られる意味素性表現としてなるべく多くの言い回しや表
記を登録しておくことによって、的確に必要な意味素性
が抽出される。
【0071】上記対訳データベース7は、第1言語によ
る会話用例文と、その会話用例文を翻訳した第2言語に
よる文と、当該会話用例文の意味を表現している意味素
性の列との組が、複数記述されて構成されている。図3
は、上記対訳データベース7の内容の一例を示す概念図
である。図3に示す例においては、第1言語による会話
用例文は「チェックインをお願いします。」であり、当
該会話用例文の第2言語による翻訳文は「Check
in,please.」であり、当該会話用例文の意味を表し
ている意味素性列は「チェックイン お願い」である。同
様に、次の例は、第1言語による会話用例文は「そのホ
テルへの行き方を教えて下さい。」であり、当該会話用例
文の第2言語への翻訳文は「Could youtell me how to
get to the hotel?」であり、意味素性列は「ホテル 行
き方教える 下さい」である。
【0072】上記意味検索部3は、対訳データベース7
中の各会話用例文が有している意味素性列から解析部2
によって抽出された意味素性を検索し、検索された意味
素性数が1番多い会話用例文を選定する。上記表示部4
は、意味検索部3で選定された第1言語による当該会話
用例文とその第2言語による翻訳文を対訳データベース
7から読み出して表示する。
【0073】図4は、上記制御部5の制御の下に入力部
1,解析部2,意味検索部3および表示部4によって実行
される会話文翻訳処理動作のフローチャートである。以
下、図4を参照しつつ、日本語(第1言語)による自由な
会話文「チェックインのお願い」が入力されて英語(第2
言語)の翻訳文を出力する場合を例に、詳細に説明す
る。尚、図4中における“n"は上記対訳データベース
7中における会話用例文の番号(最大値“N")であり、
“c"は検索された意味素性の数であり、“cmax"は意
味素性数cの最大値であり、“n0"は最大意味素性数c
maxを呈する会話用例文の番号である。
【0074】上記入力部1は、入力された「チェックイ
ンのお願い」という会話文を文字列に変換して解析部2
に送出する。そうすると、解析部2は、入力文「チェッ
クインのお願い」の中から、意味素性辞書6に登録され
た意味素性表現と同じ文字列を検索する。そして、意味
素性表現「チェックイン」と「お願い」とが検索されて意味
素性名「チェックイン」と「お願い」とが抽出される。解析
部2は、こうして抽出された意味素性名「チェックイン」
と「お願い」を意味検索部3に送出する。…ステップS1,
S2
【0075】そうすると、上記意味検索部3は、解析部
2からの意味素性名に基づいて、対訳データベース7を
用いて、入力された会話文「チェックインのお願い」に適
合する会話用例文を選定する。この場合の例では、対訳
データベース7に登録されている2つの会話用例文の意
味素性列から、上記ステップS2において抽出された意
味素性名「チェックイン」と「お願い」を検索し、最も多く
の意味素性名が検索された会話用例文を入力文に適合す
る会話用例文として選定する。すなわち、上記対訳デー
タベース7に登録された1番目(n=1)の会話用例文
「チェックインをお願いします。」は、「チェックイン」と
「お願い」との両方を有している(c=2)。これに対し
て、2番目(n=2)の会話用例文「そのホテルへの行き
方を教えて下さい。」は、何れの意味素性名も有していな
い(c=0)。そのために、1番目(n0=1)の会話用例
文「チェックインをお願いします。」を選定してその選定
情報を表示部4に送出するのである。…ステップS3〜
ステップS9
【0076】上記表示部4は、上述のごとく、対訳デー
タベース7に登録された1番目の会話用例文「チェック
インをお願いします。」が選定されたという情報を意味検
索部3から受け取ると、当該会話用例文とその会話用例
文の翻訳結果である第2言語の文「Check in, please.」
を表示するのである。…ステップS10
【0077】上述の例においては、上記対訳データベー
ス7に登録された会話用例文が有する複数の意味素性を
総て有する会話文が入力されている。次に示す例は、対
訳データベース7に登録された会話用例文が有する複数
の意味素性の一部の意味素性しか有していない会話文が
入力された場合の例である。
【0078】ここで、上記入力部1に入力された会話文
は「ホテルへの道を教えて」であるとする。そうすると、
解析部2は、意味素性辞書6を参照して、入力会話文
「ホテルへの道を教えて」の中から、意味素性名「ホテル」
を有する意味素性表現「ホテル」と、意味素性名「教え
る」を有する意味素性表現「教え」とを抽出する。そし
て、抽出した意味素性名「ホテル」と「教え」とを意味検索
部3に送出する。
【0079】上記意味検索部3は、対訳データベース7
に登録されている2つの会話用例文の意味素性列から上
記抽出された意味素性名「ホテル」と「教える」を検索す
る。そして、最も多くの意味素性が検索された会話用例
文を選定する。すなわち、上記対訳データベース7に登
録されている1番目の会話用例文「チェックインをお願
いします。」は何れの意味素性名も有していないのに対し
て、2番目の会話用例文「そのホテルへの行き方を教え
て下さい。」は、両意味素性名「ホテル」と「教える」とを有
している。さらに、2番目の会話用例文「そのホテルへ
の行き方を教えて下さい。」は、その他に、入力会話文
「ホテルへの道を教えて」から抽出されない意味素性名
「行き方」と「下さい」を有しているが、このような場合に
おいても、入力会話文から抽出された意味素性名に合致
する意味素性名の数は1番目の会話用例文よりも多いの
で、2番目の会話用例文「そのホテルへの行き方を教え
て下さい」を選定して、2番目の会話用例文が選定され
たことを表す情報を表示部4に送出するのである。
【0080】上記表示部4は、意味検索部3から送出さ
れた、対訳データベース7に登録されている会話用例文
の中から2番目の会話用例文「そのホテルへの行き方を
教えて下さい。」を選定したという情報を受け取り、その
会話用例文と、翻訳結果である第2言語による文「Could
you tell me how to get to the hotel?」を表示す
る。
【0081】上述のように、本実施の形態においては、
意味素性辞書6と対訳データベース7を有する。そし
て、意味素性辞書6には、第1言語による文の意味を表
す意味素性(意味素性名)とその意味素性名を抽出する文
字列である意味素性表現とを対応付けて登録している。
また、対訳データベース7には、第1言語による会話用
例文とその会話用例文の第2言語での翻訳文と上記会話
用例文の意味を表す意味素性(意味素性名)列とを対応付
けて登録している。そして、入力部1から送出されてく
る第1言語による自然な会話文の文字列から解析部2に
よって意味素性辞書6を用いて意味素性名を抽出し、意
味検索部3によって、上記抽出された意味素性名が1番
多く検索される意味素性列に対応付けられた会話用例文
を対訳データベース7から選定する。そして、この選定
された第1言語による会話用例文とその第2言語による
翻訳文を表示部4に出力するようにしている。
【0082】すなわち、上記第2言語に翻訳したい第1
言語での文を自由に入力部1に入力することによって、
解析部2および意味検索部3によって最適な会話用例文
を自動的に選択して、表示部4でこの選択された第1言
語での会話用例文と第2言語での翻訳文とを出力するこ
とができる。
【0083】したがって、本実施の形態によれば、ユー
ザは、予め登録されている多数の会話用例文の中から今
翻訳したい会話用例文を選び出す必要が全くなく、入力
部1に翻訳したい文を自由に入力するだけで、容易に,
迅速に,的確に最適な会話用例文の翻訳文を得ることが
できるのである。
【0084】<第2実施の形態>本実施の形態は、選定
された会話用例文における意味素性の要素を置き換える
ことによって、会話用例文の数を増やすことなく入力会
話文の文意をより的確に表す会話用例文とその翻訳文を
得るものである。
【0085】図5は、本実施の形態の会話文翻訳装置の
ブロック図である。本実施の形態における会話文翻訳装
置は、ユーザによって第1言語での自由な会話文が入力
される入力部11と、入力部11から入力された第1言
語の文字列から意味素性を抽出する解析部12と、上記
解析部12による意味素性抽出の際に用いられる意味素
性辞書20と、第1言語による会話用例文と第2言語に
よる翻訳文と上記会話用例文の意味素性名列と上記会話
用例文が使用される状況の分類を記述した分類情報との
組から成る対訳データベース21と、直前に選択された
会話用例文の上記分類情報が記憶されている分類記憶部
18と、解析部12で抽出された意味素性に基づいて対
訳データベース21から適切な単一または複数の会話用
例文を選定する意味検索部13を有する。さらに、上記
選定された会話用例文における意味素性の一つである可
変意味素性に応じた部分を入力会話文から抽出された可
変意味素性に応じて入れ換える素性要素置換部14と、
選定されて入れ換えが行われた後の会話用例文の中から
ユーザとの対話によって単一あるいは複数の会話用例文
を選択する選択部15と、この選択された会話用例文に
おける可変意味素性に相当する文字列をユーザとの対話
によって入れ換えを行う素性要素選択部16と、最終的
に選定された会話用例文とその翻訳文である第2言語の
文を表示する表示部17と、入力部11,解析部12,意
味検索部13,素性要素置換部14,選択部15,素性要
素選択部16および表示部17を制御して、会話文翻訳
処理動作を実行する制御部19を有している。
【0086】上記入力部11は、第1実施の形態におけ
る入力部1と同様に、ユーザからの第1言語による入力
会話文を文字列に変換して一文ずつ解析部12に送出す
る。上記意味素性辞書20は、後に詳述する意志意味素
性辞書22と文脈意味素性辞書23と可変意味素性辞書
24で構成されている。
【0087】図6は、上記意志意味素性辞書22の内容
の一例を示す概念図である。意志意味素性辞書22は、
意味素性名(符号<>で囲んで、この意味素性は入力会
話文が伝えたい意志の内容を表す意志意味素性であるこ
とを表示する)と、その意味素性名(意志意味素性)を抽
出する文字列である単数または複数の意味素性表現とを
対応付けて構成されている。すなわち、例えば、入力会
話文の中に「欲しいのですが」という文字列が存在すれ
ば、「欲しい」という意味素性名を有する意志意味素性を
得ることを意味している。尚、本実施の形態において
も、意味素性名「<置き忘れた>」の場合のように、一つ
の意志意味素性に対応付けられる意味素性表現として
「忘れた」等を含む多くの言い回しや表記を登録しておく
ことが望ましい。
【0088】図7は、上記文脈意味素性辞書23の内容
の一例を示す概念図である。文脈意味素性辞書23は、
意味素性名(符号で囲まずに、この意味素性は入力会話
文の文脈を表す意味素性であって上記意志意味素性以外
の文脈意味素性であることを表示する)と、その意味素
性名(文脈意味素性)を抽出する文字列である単数または
複数の意味素性表現とを対応付けて構成されている。す
なわち、例えば、入力会話文の中に「付き」や「つき」等の
文字列が存在すれば、「付き」という意味素性名を有する
文脈意味素性を得ることを意味している。
【0089】図8は、上記可変意味素性辞書24の内容
の一例を示す概念図である。可変意味素性辞書24は、
可変意味素性名(符号{ }で囲んで、入力会話文における
変更の対象となる可変意味素性であることを表示する)
と、当該可変意味素性名の項目としての可変意味素性エ
ントリ名と、この可変意味素性エントリ名の第2言語に
おける翻訳語である可変意味素性翻訳表現と、上記可変
意味素性エントリ名を抽出する文字列である単数または
複数の可変意味素性表現とを対応付けて構成されてい
る。すなわち、例えば、入力会話文の中に「3人部屋」の
文字列が存在すれば、「部屋の種類」という可変意味素性
名を有する可変意味素性に属して「トリプルルーム」とい
う可変意味素性エントリ名を有する意味素性を得ること
を意味している。
【0090】上記解析部12は、上記入力部11から送
出されてくる第1言語による文字列から、意味素性辞書
20の意志意味素性辞書22,文脈意味素性辞書23お
よび可変意味素性辞書24を参照して、入力会話文に含
まれる意志意味素性,文脈意味素性および可変意味素性
を抽出して意味検索部13に送出する。
【0091】上記対訳データベース21には、第1言語
による会話用例文である第1言語文と、その第1言語文
の第2言語による翻訳文である第2言語文と、第1言語
文を選定するための意味素性列と、第1言語文が使用さ
れる状況の分類を記述した分類情報とから成る組が複数
組登録されている。そして、各組の意味素性列を構成す
る個々の意味素性には、入力会話文中での重要度を示す
重みを表す重み情報が付加されている。
【0092】図9は、上記対訳デーベース21の内容の
一例を示す概念図である。対訳データベース21におけ
る1単位の会話用例文の情報には、その1行目に可変意
味素性表現の部分を上記可変意味素性情報としての符号
{ }で囲んだ第1言語文を記述し、2行目に可変意味素
性翻訳表現の部分を符号{ }で囲んだ第2言語文を記述
し、3行目に重み情報を付加した意味素性列を記述し、
4行目に分類情報を記述している。尚、上記意味素性列
を構成する個々の意味素性に付加される重み情報は、記
号@で始まる数字で表示される。但し、上記重み情報が
記述されていない意味素性の重みは“10"であるとみ
なす。また、各意味素性列は、通常、1個の意志意味素
性と0個以上の文脈意味素性,可変意味素性とで構成さ
れる。
【0093】上記意味検索部13は、上記分類記憶部1
8に記憶されている直前に選択された会話用例文の上記
分類情報を参照して、対訳データベース21の会話用例
文の情報に記述されている意味素性列から解析部12に
よって入力会話文から抽出された意味素性を検索し、検
索された意味素性に基づいて各会話用例文が入力会話文
の用例文として妥当か否かの評価を行う。そして、評価
結果に基づいて、単数または複数の会話用例文の選定を
行なう。
【0094】その際における評価の方法としては、対訳
データベース21に記述されている意味素性列から検索
された文脈意味素性および可変意味素性の数と重み、内
容が一致した意志意味素性が検索されたか否か、上記検
索された意味素性に相当する入力会話文の文字列長が上
記入力会話文の全文字列長をカバーする割合であるカバ
ー率を用いて算出された評価値を用いる。
【0095】具体的な評価値の算出は、例えば、以下の
ようにして行なう。 ・会話用例文の分類情報の内容が分類記憶部18に記憶
されている分類情報の内容と同じ場合 評価値=評価値1×1.3 ・会話用例文の分類情報の内容が分類記憶部18に記憶
されている分類情報の内容と異なる場合 評価値=評価値1 但し、上記評価値1の算出は、例えば以下のようにして
行う。 評価値1=0 …入力会話文から抽出された意志意味素性が当該会話用
例文に存在しない場合 評価値1=(一致した各意味素性に付加されている重み
の和×2−当該会話用例文に在って入力会話文には無い
意味属性に付加されている重みの和)×カバー率 …その他の場合 カバー率=(検索された意味素性に該当する入力会話文
の文字列長)/(入力会話文の全文字列長)
【0096】ここで、上記会話用例文の分類情報の内容
が分類記憶部18に記憶されている分類情報の内容と同
じ場合に、評価値1に1.3を掛けて評価値を求めるの
は、直前に選定された会話用例文と同じ分類の会話用例
文を優先して選定するためであり、会話用例文の種類あ
るいは想定する使用状況等によって、掛ける値を変更し
ても差し支えない(但し、掛ける値は1より大きい値)。
また、入力会話文から抽出された意志意味素性が当該会
話用例文の意志意味素性と異なる場合には、両文の意志
が全く異なるのであるから、例え文脈意味素性や可変意
味素性が一致したとしても評価値1を“0"として、評
価値を“0"にする。
【0097】また、上記意志意味素性辞書22あるいは
文脈意味素性辞書23においては、例えば意志意味素性
<欲しい>の場合には、意味素性表現として同じ文字列
「欲しい」を含む複数の言い回し「欲しい」,「欲しいので
す」および「欲しいのですが」を登録しておくことによっ
て、より的確に会話用例文を選定することができる。す
なわち、例えば、会話文「ワシントン行きの切符が欲し
いのですが。」が入力された場合を想定すると、意志意味
素性辞書22に意味素性表現として「欲しいのですが」を
登録していなくとも意味素性表現「欲しい」に基づいて意
志意味素性<欲しい>は抽出される。ところが、意味素
性表現として「欲しいのですが」を登録しておく方が意味
素性「欲しい」に係るカバー率が大きな値となり、評価値
1が強調されて的確に会話用例文が選定されるのであ
る。
【0098】上記意味検索部13は、こうして算出され
た評価値に基づいて、正の最大評価値を呈する会話用例
文を第1候補とし、以下、評価値の大きさに従って最大
評価値/2以上の評価値を呈する会話用例文を候補とし
て選定する。尚、上記最大評価値の“1/2"という数値
は、使用想定状況等によって適宜に定めても構わない。
また、上記分類記憶部18には、初期状態においてはど
の分類とも一致しない情報“NULL"が格納される。
【0099】上記素性要素置換部14は、意味検索部1
3によって選定された会話用例文の情報と入力会話文か
ら抽出された可変意味素性の情報とを受け取り、上記選
定された当該会話用例文の第1言語文の中に上記抽出さ
れた可変意味素性と同じ可変意味素性が存在する場合に
は、当該第1言語文における当該可変意味素性に相当す
る文字列を上記抽出された当該可変意味素性の内容であ
る可変意味素性エントリ名に置換する。さらに、当該第
1言語文の翻訳文である第2言語文における当該可変意
味素性に相当する文字列を上記抽出された当該可変意味
素性の可変意味素性エントリ名の翻訳語である可変意味
素性翻訳表現に置換する。
【0100】上記選択部15は、素性要素置換部14か
ら置換後の単数または複数の会話用例文を受け取る。そ
して、受け取った会話用例文の数が複数である場合に
は、総ての会話用例文の第1言語文を表示してユーザに
何れか一つの第1言語文を選択させる。その際に、第1
言語文の数が20個以上と非常に多くて選択が困難な場
合には、選定された20個以上の第1言語文の上記分類
情報のみを表示して、最初に適切な分類情報を選択させ
てから選択された分類情報に属する第1言語文のみを表
して何れか一つの第1言語文を選択させる。こうして第
1言語文が選択されると、上記選択部15は、当該第1
言語文に係る会話用例文の情報を素性要素選択部16に
送出する。また、当該第1言語文の分類情報で分類記憶
部18の記憶内容を書き換える。
【0101】上記素性要素選択部16は、選択部15に
よって選択された一つの第1言語文に係る会話用例文の
情報を受け取り、当該会話用例文中に可変意味素性が存
在する場合には、当該可変意味素性に相当する文字列の
再書き換えをユーザの指示によって行なう。具体的に
は、上記可変意味素性辞書24を用いて、該当する可変
意味素性名に属する総ての可変意味素性エントリ名をメ
ニュー形式で表示してユーザに選択させ、第1言語文に
おける可変意味素性に相当する文字列を選択された可変
意味素性エントリ名に置き換え、第2言語文における可
変意味素性に相当する文字列を対応する可変意味素性翻
訳表現に置き換えるのである。上記表示部17は、素性
要素選択部16から1つの会話用例文の情報を受け取
り、受け取った会話用例文の第1言語文と第2言語文と
を表示する。
【0102】図10は、上記制御部19の制御の下に入
力部11,解析部12,意味検索部13,素性要素置換部
14,選択部15,素性要素選択部16および表示部17
によって実行される会話文翻訳処理動作のフローチャー
トである。以下、図10を参照しつつ、日本語(第1言
語)による自由な会話文「ダブルベッドの部屋が欲しい」
が入力されて英語(第2言語)の翻訳文を出力する場合を
例に、詳細に説明する。尚、ここで、上記会話文が入力
されるに直前に、「部屋の交渉」という分類の会話用例文
が選定されて用いられたために、分類記憶部18には分
類情報「部屋の交渉」が記憶されているものとする。ま
た、図10中における“n"は対訳データベース21中
における会話用例文の番号(最大値“N")であり、“e
max"は上記評価値の最大値である。
【0103】上記解析部12は、入力部11に入力され
た会話文「ダブルベッドの部屋が欲しい」の中に、 ダブルベッドの部屋が欲しい ダブルベッド →ダブルベッド→{ベッド} 部屋が → 部屋 部屋 欲しい →<欲しい> というように、可変意味素性名{ベッド}の可変意味素
性エントリ名「ダブルベッド」である可変意味素性表現
「ダブルベッド」と、文脈意味素性名「部屋」の意味素性表
現「部屋」,「部屋が」と、意志意味素性名<欲しい>の意
味素性表現「欲しい」を検出して、可変意味素性,文脈意
味素性および意志意味素性を抽出する。こうして抽出さ
れた各意味素性は、意味検索部13に送出される。…ス
テップS11,S12
【0104】そうすると、上記意味検索部13は、解析
部12で抽出された意味素性の情報に基づいて、対訳デ
ータベース21に登録されている各会話用例文の評価を
以下のように行なう。先ず、上記対訳データベース21
に1番目(n=1)に登録されている会話用例文の第1言
語文「{一人部屋}が欲しいのです。」に対する評価は、以
下のようにして行われる。図9から分かるように、当該
第1言語文は、意味素性として{部屋の種類}という可
変意味素性と<欲しい>という意志意味素性とを有して
いる。そして、この第1言語文の意味素性と、上述の如
く入力会話文から抽出された可変意味素性{ベッド},
文脈意味素性「部屋」および意志意味素性<欲しい>と
を比較すると、当該第1言語文と入力会話文とにおいて
一致している意味素性は意志意味素性<欲しい>だけで
ある。そこで、上記カバー率は以下のように算出され
る。 カバー率=(文字列長「欲しい」)/(文字列長「ダブルベッドの部屋が欲しい」) =3/13 =0.23 …ステップS13〜ステップS16
【0105】また、両文に一致する意志意味素性として
は意志意味素性<欲しい>が存在するので、評価値1は
以下のように算出される。 評価値1=(重み「欲しい」×2−重み「部屋の種類」)×カバー率 =(10×2−10)×0.23 =2.3 …ステップS17〜ステップS19 また、当該会話用例文の分類情報の内容と分類記憶部1
8に記憶されている分類情報の内容とは「部屋の交渉」で
一致するので、評価値は以下のように算出されてバッフ
ァに格納される。 評価値=評価値1×1.3 =2.3×1.3 =3.0 …ステップS21〜ステップS23,ステップS25〜ステッ
プS27
【0106】同様に、上記対訳データベース21に2番
目(n=2)に登録されている会話用例文の第1言語文
「{シングルベッド}つきの部屋が欲しいのです。」の場合
には、上述の入力会話文とは意味素性「{ベッド}」,「部
屋」および「<欲しい>」が一致するので、カバー率は以
下のように算出される。 カバー率=(文字列長「ダブルベッド」+文字列長「部屋が」 +文字列長「欲しい」) /(文字列長「ダブルベッドの部屋が欲しい」) =(6+3+3)/13 =0.92 また、両文に一致する意志意味素性としては意志意味素
性<欲しい>が存在するので、評価値1は以下のように
算出される。 評価値1=(重み「ベッド」+重み「部屋」+重み「欲しい」)×2−重み「付き」) ×カバー率 =((20+10+10)×2−10)×0.92=64.4 また、当該会話用例文の分類情報の内容と分類記憶部1
8に記憶されている分類情報の内容とは「部屋の交渉」で
一致するので、評価値は以下のように算出されてバッフ
ァに格納される。 評価値=評価値1×1.3 =64.4×1.3 =83.72 …ステップS28,S29,ステップS14〜ステップS19,ス
テップS21〜ステップS23,ステップS25〜ステップS2
7
【0107】次に、上記対訳データベース21に3番目
(n=3)に登録されている会話用例文の第1言語文「{浴
室}付きですか。」の場合には、入力会話文の意味素性に
一致する意味素性がない。したがって、上記カバー率は
“0"となる。…ステップS28,S29,ステップS14〜ス
テップS16 また、入力会話文から意志意味素性<欲しい>が抽出さ
れるものの、その意志意味素性<欲しい>は当該第1言
語文には存在しない。したがって、評価値1も“0"と
なる。したがって、評価値の算出結果は0となる。…ス
テップS17,S18,S20,ステップS21〜ステップS23,ス
テップS25,S27
【0108】次に、上記対訳データベース21に4番目
(n=4)に登録されている会話用例文の第1言語文「鍵
を部屋に置き忘れてしまいました。」の場合には、意味素
性「部屋」が入力会話文の意味素性に一致する。したがっ
て、上記カバー率は次のように算出される。 カバー率=(文字列長「部屋が」)/(文字列長「ダブルベッドの部屋が欲しい」) =3/13 =0.23 …ステップS28,S29,ステップS14〜ステップS16 また、入力会話文から抽出された意志意味素性<欲しい
>は当該第1言語文には存在しない。したがって、評価
値1は“0"となる。…ステップS17,S18,S20 また、当該会話用例文の分類情報の内容は「トラブル」で
あり、分類記憶部18に記憶されている分類情報の内容
「部屋の交渉」とは異なるので、評価値は評価値1に等し
くなって“0"となる。…ステップS21,S22,S24,S2
5,S27
【0109】以上の評価の結果、対訳データベース21
に登録されている会話用例文の中で最大評価値emax
有する第1言語文は2番目の会話用例文における第1言
語文であり、その評価値は83.72である。また、次
に高い評価値を有する第1言語文は1番目の会話用例文
の第1言語文であり、その評価値は3.0で最大評価値
max=83.72の1/2未満である。したがって、入
力会話文「ダブルベッドの部屋が欲しい」に対する最適会
話用例文として、2番目の会話用例文のみが選定される
のである。…ステップS28〜ステップS30
【0110】上記素性要素置換部14は、意味検索部1
3によって選定された会話用例文の情報 {シングルベッド}つきの部屋が欲しいのです。 I'd like a room with {single bed}. {ベッド}@20 付き 部屋 <欲しい> 部屋の交渉 を受け取る。さらに、入力会話文から抽出された意味素
性の情報である可変意味素性名{ベッド}の可変意味素
性エントリ名「ダブルベッド」である可変意味素性表現
「ダブルベッド」と、文脈意味素性名「部屋」の意味素性表
現「部屋」,「部屋が」と、意志意味素性名<欲しい>の意
味素性表現「欲しい」を受け取る。
【0111】そして、上記素性要素置換部14は、意味
検索部13で選定された会話用例文の第1言語文の意味
素性列に、入力会話文から抽出された可変意味素性と同
じ可変意味素性名{ベッド}が含まれているので、当該
会話用例文の第1言語文「{シングルベッド}つきの部屋
が欲しいのです。」における当該可変意味素性名{ベッ
ド}に該当する文字列「シングルベッド」を、入力会話文
から抽出された可変意味素性名{ベッド}の可変意味素
性エントリ名「ダブルベッド」に置き換える。同様に、当
該会話用例文の第2言語文「I'd like a room with {sin
gle bed}.」における当該可変意味素性名{ベッド}に該
当する文字列「single bed」を入力会話文から抽出された
可変意味素性名{ベッド}の可変意味素性翻訳表現であ
る「doublebed」に置き換える。…ステップS31〜ステッ
プS33
【0112】そして、上記選択部15は、素性要素置換
部14から受け取った置換後の会話用例文は1文である
から、ユーザに対する選択を行わせることなくそのまま
素性要素選択部16に出力する。さらに、当該会話用例
文の分類情報である「部屋の交渉」で分類記憶部18の記
憶内容を書き換える。…ステップS34,S35,S42
【0113】そうすると、上記素性要素選択部16は、
上述のようにして選定されて置換された会話用例文の第
1言語文「{ダブルベッド}つきの部屋が欲しいのです。」
を表示し、同時に、可変意味素性辞書24を参照して、
入力会話文から抽出された可変意味素性名{ベッド}の
全可変意味素性エントリ名「シングルベッド」,「ダブルベ
ッド」および「ツインベッド」をメニュー表示する。そし
て、ユーザによって可変意味素性エントリ名「シングル
ベッド」あるいは「ツインベッド」が選択されて、この選
択された可変意味素性エントリ名への変更が指示された
場合には、当該置換後の第1言語文「{ダブルベッド}つ
きの部屋が欲しいのです。」における可変意味素性{ベッ
ド}に該当する文字列「ダブルベッド」が、指示された可
変意味素性エントリ名「シングルベッド」あるいは「ツイ
ンベッド」へ変更される。同時に、第2言語文の可変意
味素性{ベッド}に相当する文字列も、対応する可変意
味素性翻訳表現に変更される。…ステップS43〜ステッ
プS48
【0114】こうして、上記素性要素置換部14によっ
て自動的に置き換えられた文字列が不適切であったり、
入力会話文から対応する可変意味素性が抽出されないた
めに素性要素置換部14によって置き換えが行われなか
った場合に、会話用例文に対する可変意味素性部分のユ
ーザによるマニュアル置換を可能にするのである。
【0115】上記表示部17は、素性要素選択部16か
ら、最終的に決定された第1言語文と第2言語文を受け
取って表示する。すなわち、素性要素選択部16でマニ
ュアルによる可変意味素性の置換が行われなかったとす
ると、 選択文:{ダブルベッド}つきの部屋が欲しいのです。 翻訳文:I'd like a room with {double bed}. が表示される。…ステップS49
【0116】以上の例では、上記意味検索部13におい
て会話用例文が1文だけ選定された場合に付いて説明し
ている。ところが、上記対訳データベース21に登録さ
れている会話用例文の数が多くなると、意味検索部13
における各第1言語文に対する評価に際して評価値が近
似した第1言語文が存在するようになり、最大評価値の
1/2以上の評価値を呈する第1言語文が存在して複数
の会話用例文が選定される場合が生ずる。そのような場
合には、素性要素置換部14は、上記ステップS31〜ス
テップS34の処理を繰り返して、選定された複数の会話
用例文に対して可変意味素性部分の自動置き換えを行
う。
【0117】そして、上記選択部15は、ステップS3
5,S36,S40において、 会話用例文1:(会話用例文1の第1言語文) 会話用例文2:(会話用例文2の第1言語文) : 会話用例文m:(会話用例文mの第1言語文) どれを選択しますか?(1〜m) を表示して、ユーザに対して希望の会話用例文を選択さ
せる。その際に、複数の会話用例文を選択させることも
できる。これは、以下のようなことを可能にするためで
ある。すなわち、例えば、入力部11に入力会話文「 二人部屋でダブルベッドの部屋が欲しいのです。」 を入力した際には、図8の対訳データベース21を用い
た選定処理と置換処理の結果、次の2つの会話用例文「 ダブルベッドつきの部屋が欲しいのです。」「 二人部屋が欲しいのです。」 が表示されることになる。このような場合には、入力会
話文の用例文としては両方の会話用例文が必要なので、
両会話用例文を選択して翻訳表示することによって言い
たい内容を確実に伝えるのである。
【0118】また、上記意味検索部13で選定された会
話用例文の数が非常に多いために、選択部15によって
一度に画面に表示できない場合がある。その場合には、
従来から行われている画面切り替えやスクロール等の技
術を用いてある程度は表示・選択を実行できる。ところ
が、選定された会話用例文の数が多くなるにつれて、画
面切り替えやスクロールの操作数が増え、最適な会話用
例文を見つけて選択するのに時間が掛かるようになる。
そこで、20個以上の会話用例文が選定された場合に
は、ステップS35〜ステップS37において、選定された
会話用例文が属している分類情報を表示してユーザに会
話用例文の分類の選択を促すのである。そして、ステッ
プS38〜ステップS41において、ユーザによって選択さ
れた分類に属する会話用例文のみを表示することによっ
て、表示量を少なくして効率良く会話用例文を選定でき
る。また、こうすることによって、ユーザが自分の使用
状況に応じて会話用例文を選定できるので、より適切な
会話用例文を選定できるのである。
【0119】上述のように、本実施の形態の会話文翻訳
装置においては、意味素性辞書20と対訳データベース
21を有する。そして、意味素性辞書20には、第1言
語による意志意味素性を表す意味素性名およびその意味
素性名を抽出する文字列である意味素性表現を対応付け
て成る意志意味素性辞書22と、第1言語による文脈意
味素性を表す意味素性名およびその意味素性名を抽出す
る文字列である意味素性表現を対応付けて成る文脈意味
素性辞書23と、第1言語による可変意味素性を表す可
変意味素性名,可変意味素性名の項目である可変意味素
性エントリ名,可変意味素性エントリ名の翻訳語である
可変意味素性翻訳表現および可変意味素性エントリ名を
抽出する文字列である可変意味素性表現を対応付けて成
る可変意味素性辞書24とを搭載している。また、対訳
データベース21には、第1言語による会話用例文(第
1言語文)とその第2言語での翻訳文(第2言語文)と第
1言語文の意味素性(意味素性名)列と会話用例文の分類
情報とを対応付けて記載している。
【0120】そして、入力部11から送出されてくる第
1言語による自然な会話文の文字列から解析部12によ
って意味素性辞書20を用いて意味素性名を抽出する。
そして、意味検索部13によって、対訳データベース2
1の会話用例文の情報から上記抽出された意味素性を検
索して当該会話用例文を評価し、この評価結果に従って
単数あるいは複数の会話用例文を選定する。そして、素
性要素置換部14によって、上記選定された会話用例文
の第1言語文および第2言語文における可変意味素性に
相当する文字列を入力会話文から抽出された当該可変意
味素性の可変意味素性エントリ名および可変意味素性翻
訳表現に自動的に置換する。そうした後、上記意味検索
部13で複数の会話用例文が選定された場合には選択部
15によってユーザとの対話によって適切な会話用例文
を選択し、さらに、素性要素選択部16によって当該会
話用例文の第1言語文および第2言語文おける可変意味
素性に該当する文字列をユーザとの対話によって他の可
変意味素性エントリ名および可変意味素性翻訳表現に置
換する。こうして、最終的に得られた会話用例文の第1
言語文および第2言語文を表示部17に出力するように
している。
【0121】すなわち、第2言語に翻訳したい第1言語
での会話文を入力部11に自由に入力することによっ
て、解析部12および意味検索部13によって最適な会
話用例文を自動的に選択し、素性要素置換部14および
素性要素選択部16によって可変意味素性の箇所の文字
列を入力会話文から抽出された可変意味素性や可変意味
素性辞書24に登録されている可変意味素性の可変意味
素性エントリ名に置換して表示部17に出力することが
できる。
【0122】したがって、本実施の形態によれば、入力
会話文に意味的に最も近い会話用例文が自動的に選定さ
れるのみならず、会話用例文中における可変意味素性の
箇所の文字列を入力会話文に即して最適に置換できる。
つまり、対訳データベース21に登録しておく会話用例
文の数を増加することなく、より決めの細かい内容の会
話用例文を、容易に,迅速に,的確に得ることができるの
である。
【0123】尚、上記第2実施の形態では、上記対訳デ
ータベース21の分類情報は単一で且つ単層の構造を成
しているが、1つの会話用例文に複数の分類情報を設定
したり、分類情報を多階層構造に設定しても構わない。
また、上記意味検索部13においては会話用例文の文字
データそのものを選定して、その選定された文字データ
が素性要素置換部14,選択部15,素性要素選択部16
あるいは表示部17に送出されている。しかしながら、
この発明はこれに限定されるものではなく、対訳データ
ベース21に登録された会話用例文に文番号を付加し
て、この文番号のみを選定して他に送出しても差し支え
ない。その際に、素性要素置換部14や素性要素選択部
16においては、会話用例文の文字列そのものを置き換
えるのではなく、会話用例文における何番目の可変意味
素性を可変意味素性辞書24における何番目の可変意味
エントリ名に置き換えるという置き換え情報を保持して
おく。そして、表示部17は、選定・置換された会話用
例文の第1言語文および第2言語文を表示する際には、
上記置き換え情報に基づいて実際に文字列で置き換えら
れた会話用例文を表示するようにしても構わない。ま
た、上記意志意味素性辞書22,文脈意味素性辞書23
および可変意味素性辞書24を意味素性辞書20に一緒
に搭載しているが、全く個別の辞書として構成してもよ
い。
【0124】<第3実施の形態>上述した第2実施の形
態においては、選定された会話用例文における意味素性
の要素を置き換えることによって、会話用例文の数を増
やすことなく入力会話文の文意を表す会話用例文とその
翻訳文を得ることができる。ところが、入力会話文や選
定された会話用例文中に、可変意味素性名が同一である
複数の文字列が存在する場合、あるいは、可変意味素性
エントリ名が互いに関連している複数の文字列が存在す
る場合には、選定された会話用例文中における該当する
文字列の変換によって意味的に不自然な会話用例文が生
成されることがある。
【0125】例えば、選定された会話用例文における第
1言語文は「{ニューヨーク}まで幾らですか。」であり、
文中における文字列「ニューヨーク」は可変意味素性エン
トリ名であってその可変意味素性名は{地名}であると
する。これに対して、入力会話文は「ロンドンからオッ
クスフォードまで幾らですか。」であるとする。そうする
と、入力会話文中には、可変意味素性名が{地名}であ
る可変意味素性表現として、「ロンドン」と「オックスフ
ォード」との2つが存在するために、当該第1言語文中
における可変意味素性「ニューヨーク」が、入力会話文中
における先に検出された可変意味素性「ロンドン」に変換
されて、新たな第1言語文「ロンドンまで幾らですか。」
が生成される。ところが、上記入力会話文の文意からす
ると、「オックスフォードまで幾らですか。」という第1
言語文が生成されるべきである。
【0126】一方、選定された会話用例文における第1
言語文は「{ニューヨーク}から{シカゴ}まで幾らです
か。」であり、文中における可変意味素性エントリ名「ニ
ューヨーク」と「シカゴ」の可変意味素性名は{地名}で
あるとする。これに対して、入力会話文は「ロンドンま
で幾らですか。」であるとする。そうすると、第1言語
文中には、可変意味素性名が{地名}である可変意味素
性エントリ名として「ニューヨーク」と「シカゴ」との
2つが存在するために、第1言語文中における先に検出
された可変意味素性「ニューヨーク」が、入力会話文中に
おける可変意味素性「ロンドン」に変換されて、新たな第
1言語文「ロンドンからシカゴまで幾らですか。」が生成
される。ところが、上記入力会話文の文意からすると、
第1言語文中における後に検出される可変意味素性「シ
カゴ」が変換されて、「ニューヨークからロンドンまで幾
らですか。」という第1言語文が生成されるべきである。
【0127】また、以下のような不都合も生ずる。すな
わち、選定された会話用例文における第1言語文は「{ニ
ューヨーク}から{シカゴ}まで幾らですか。」であり、入
力会話文は「オックスフォードまでロンドンから幾らで
すか。」であるとする。そうすると、第1言語文中にお
ける先に検出された可変意味素性「ニューヨーク」が入力
会話文中における先に検出された可変意味素性「オック
スフォード」に変換される一方、第1言語文中における
後に検出された可変意味素性「シカゴ」が入力会話文中に
おける後に検出された可変意味素性「ロンドン」に変換さ
れて、新たな第1言語文「オックスフォードからロンド
ンまで幾らですか。」が生成されることになる。ところ
が、上記入力会話文の文意からすると、生成された新た
な第1言語文中における出発地と到着地とは逆になって
いる。
【0128】また、以下のような不都合も生ずる。すな
わち、選定された会話用例文における第1言語文は
「{駅}へ行く{バス}はありますか。」であり、文中におけ
る文字列「駅」および「バス」は異なる可変意味素性名
{場所}および{交通機関}に該当する互いに関連して
いる可変意味素性エントリ名であるとする。これに対し
て、入力会話文は「電車で行けますか。」であるとする。
そうすると、入力会話文中には、可変意味素性名が{交
通機関}である可変意味素性表現として、「電車」が存在
するために、第1言語文中における可変意味素性「バス」
が、入力会話文中における可変意味素性名が同一の可変
意味素性「電車」に変換されて、新たな第1言語文「駅へ
行く電車はありますか。」が生成される。この生成された
新たな第1言語文は意味的に不自然な文であり、ユーザ
に奇異な印象を与えることになる。
【0129】そこで、本実施の形態においては、上記入
力会話文や会話用例文中において、上記可変意味素性名
が同一である可変意味素性が複数存在する場合、あるい
は、可変意味素性エントリ名が互いに関連している可変
意味素性が存在する場合であっても、入力会話文の文意
を的確に表現する会話用例文を得ることを可能にするの
である。
【0130】図14は本実施の形態の会話文翻訳装置に
おけるブロック図であり、図15は本実施の形態の会話
文翻訳装置の外観図である。この会話文翻訳装置は、図
15に示すように、海外旅行に携帯する際に便利なよう
に形成されており、内部に多数格納されている会話用例
文を表示兼用タブレット32に表示できるようになって
いる。また、マンマシン・インターフェイスとして電子
ペン45による表示兼用タブレット32に対する手書き
入力を用いている。尚、これは一例であり、表示兼用タ
ブレット32を、液晶ディスプレイやCRT(陰極線管)
等の表示装置と音声入力装置やキーボード等の入力装置
とに分割しても差し支えない。
【0131】図14は、図15に示す会話文翻訳装置の
ブロック図である。会話文翻訳処理等の各種処理を実行
するCPU(中央演算処理装置)31は、データバス等の
バス44を介して、表示用ドライバ33,入力認識部3
4,作業用メモリ35およびROM(リード・オンリ・メモ
リ)36に接続されている。上記表示用ドライバ33
は、表示兼用タブレット32の表示部(液晶ディスプレ
イ)を駆動して入力会話文や会話用例文等を表示させ
る。また、入力認識部34は、表示兼用タブレット32
に電子ペン45によって手書き入力された文字を認識す
る。また、作業用メモリ35には、会話文翻訳処理等の
各種処理を実行するに際して必要なデータが一時的に格
納される。また、ROM36は大容量(本例においては
16Mビット)を有して、CPU31が各種制御を行う
際に用いるプログラムや辞書やデータベースが格納され
る。
【0132】また、上記ROM36には、対訳データベ
ース37,意味素性辞書38および可変意味素性辞書3
9が格納されている。上記対訳データベース37は、基
本的には第2実施の形態における図9に示すように構成
されている。但し、本実施の形態においては、3行目に
おける意味素性列から説明に直接関係のない意志意味素
性と重み情報を省略し、4行目における分類情報も説明
に直接関係がないので省略する。尚、以下の説明におい
ては、上記対訳データベースに登録される第1言語によ
る会話用例文である第1言語文,その第1言語文の第2
言語による翻訳文である第2言語および第1言語文を選
定するための意味素性列から成る会話用例文の情報を、
単に会話用例文と言うことにする。
【0133】上記意味素性辞書38は、第2実施の形態
における意志意味素性辞書と文脈意味素性辞書とを統括
する概念であり、図7と同様に構成されている。尚、意
味素性辞書38には、以下の意味素性の情報が登録され
ているものとする。
【0134】上記可変意味素性辞書39は、第2実施の
形態における図8に示すように構成されている。尚、可
変意味素性辞書39には、以下の可変意味素性の情報が
登録されているものとする。 可変意味素性名 可変意味素性エントリ名 可変意味素性翻訳表現 可変意味素性表現 {地名} ニューヨーク New York ニューヨーク シカゴ Chicago シカゴ ロンドン London ロンドン オックスフォード Oxford オックスフォード
【0135】上記CPU31は、上記会話文翻訳処理を
実行するために、解析部40,意味検索部41,素性要素
置換部42および制御部43を有している。上記解析部
40は、入力認識部34によって認識された第1言語に
よる文字列を解析して、後述するような部分文字列を生
成する。そして、意味素性辞書38および可変意味素性
辞書39を参照して、入力会話文に含まれる意味素性お
よび可変意味素性を検索する。上記意味検索部41は、
上記対訳データベース37に記述されている意味素性列
から上記検出された意味素性を選出し、この選出された
意味素性に基づいて各会話用例文が入力会話文の用例文
として妥当か否かの評価を行う。そして、評価結果に基
づいて、単数または複数の会話用例文の選定を行う。
尚、その際における評価の方法については特に限定する
ものではない。上記素性要素置換部42は、意味検索部
41によって選定された会話用例文の情報と入力会話文
から抽出された可変意味素性の情報とを受け取り、上記
選定された当該会話用例文の第1言語文中に上記抽出さ
れた可変意味素性と同じ可変意味素性名の可変意味素性
が存在する場合には、当該第1言語文における当該可変
意味素性に相当する文字列を上記抽出された可変意味素
性の内容である可変意味素性エントリ名に置換する。さ
らに、当該第1言語文の翻訳文である第2言語文におけ
る当該可変意味素性に相当する文字列を上記抽出された
当該可変意味素性の可変意味素性翻訳表現に置換する。
上記制御部43は、表示用ドライバ33,解析部40,意
味検索部41および素性要素置換部42を制御して会話
文翻訳処理動作を行う。
【0136】図16は、上記制御部43の制御の下に、
表示用ドライバ33,解析部40,意味検索部41および
素性要素置換部42によって実行される会話文翻訳処理
動作の概略フローチャートである。以下、図16を参照
しつつ、日本語(第1言語)による自由な会話文「ロンド
ンまでいくらですか」が入力されて英語(第2言語)の翻
訳文を出力する場合を例に、上記会話文翻訳処理動作を
詳細に説明する。
【0137】ステップS51で、上記表示用ドライバ33
によって表示兼用タブレット32が駆動されて、図17
(a)に示すように表示兼用タブレット32の表示画面4
6に会話文の入力を促すメッセージが表示される。そう
すると、ユーザによって、図17(b)に示すように、表
示兼用タブレット32の文字入力枠47内に電子ペン4
5によって会話文が書き込まれ、入力認識部34によっ
て認識された分の文字列が表示用ドライバ33によって
表示画面46に表示される。そして、会話文の書き込み
が終了すると、図17(c)に示す通訳アイコン48が押
圧される。ステップS52で、上記入力認識部34によっ
て、通訳アイコン48が押圧されたか否かが判別され
る。そして、押圧されるとステップS53に進む。ステッ
プS53で、上記入力認識部34によって、入力文字列の
認識結果が作業用メモリ35に転送されて格納される。
そうした後、解析部40によって、作業用メモリ35に
格納されている入力会話文から、以下のようにして部分
文字列が生成されて作業用メモリ35に格納される。本
例の場合には、入力会話文「ロンドンまでいくらです
か」から、 の如く部分文字列が生成される。
【0138】ステップS54で、上記解析部40によっ
て、作業用メモリ35からアドレスの昇順に読み出した
上記部分文字列をキーとして、意味素性辞書38および
可変意味素性辞書39から意味素性および可変意味素性
が検索される。本例の場合には、例えば、上記作業用メ
モリ35に格納されている部分文字列「いくら」をキーと
した検索は次のように行われる。先ず、上記意味素性辞
書38からアドレスの昇順に意味素性名と意味素性表現
との対で成る意味素性情報が1行ずつ読み出されて作業
用メモリ35に格納される。そして、この読み出された
意味素性情報の意味素性表現とキーとを比較してキーと
同一文字列の意味素性表現を持つ意味素性情報を捜し出
すのである。ここで、上述したように、意味素性辞書3
8には、 意味素性名 意味素性表現 幾ら いくら が登録されているのでキー「いくら」と意味素性表現「い
くら」とが一致し、部分文字列「いくら」に意味素性名「幾
ら」が付加されて作業用メモリ35に格納される。そう
した後、意味素性辞書38には、他に意味素性表現「い
くら」を有する意味素性は登録されていないので意味素
性の検索を終了する。次に、上記可変意味素性を検索す
るのであるが、上述したように、可変意味素性辞書39
には、可変意味素性表現「いくら」を有する可変意味素性
情報は登録されていないので部分文字列「いくら」をキー
とする可変意味素性は検索されず、可変意味素性の検索
を終了する。
【0139】また、部分文字列「ロンドン」をキーとした
検索は次のように行われる。先ず、上記部分文字列「い
くら」の場合と同様にして意味素性辞書38から意味素
性が検索される。その場合、上述の如く、意味素性辞書
38には意味素性表現「ロンドン」を有する意味素性名は
登録されていないので部分文字列「ロンドン」をキーとす
る可変意味素性は検索されず、意味素性の検索を終了し
て可変意味素性の検索に移行する。上記意味素性の検索
と同様に、可変意味素性名と可変意味素性エントリ名と
可変意味素性翻訳表現と可変意味素性表現との組で成る
可変意味素性情報が読み出されて、この読み出された可
変意味素性情報の可変意味素性表現とキーとを比較し
て、キーと同一文字列の可変意味素性表現を持つ可変意
味素性情報が検索される。そして、部分文字列「ロンド
ン」に可変意味素性名{地名}と可変意味素性翻訳表現
「London」とが付加されて作業用メモリ35に格納され
る。そうした後、可変意味素性辞書39には、他に可変
意味素性表現「ロンドン」を有する可変意味素性は登録さ
れていないで可変意味素性の検索を終了する。
【0140】上述のような操作を、作業用メモリ35に
格納されている総ての部分文字列に対して行うことによ
って、図18に示すように、意味素性と可変意味素性と
が検索される。以下、可変意味素性でない意味素性を不
可変意味素性と言う。尚、図18中における“順番"
は、上記作業用メモリ35から各部分文字列が読み出さ
れた順番である。
【0141】ステップS55で、上記意味検索部41によ
って、作業用メモリ35が参照されて、上記ステップS
54において意味素性あるいは可変意味素性が検索された
か否かが判別される。その結果、検索されている場合に
はステップS57に進み、そうでなければステップS56に
進む。ステップS56で、上記表示用ドライバ33によっ
て表示兼用タブレット32が駆動されて、図17(f)に
示すように、入力会話文は翻訳不可能であることを表す
メッセージが表示画面46に表示される。そうした後、
会話文翻訳処理動作を終了する。
【0142】ステップS57で、上記意味検索部41によ
って、上記ステップS54において検索されて作業用メモ
リ35に格納されている意味素性名および可変意味素性
名をキーとして、対訳データベース37から会話用例文
が選定される。そして、選定された会話用例文は、作業
用メモリ35に格納される。本例の場合には、先ず、図
18における1番目の意味素性名{地名}をキーとして
対訳データベース37に登録された各会話用例文におけ
る3行目の意味素性列が検索される。ここで、上記対訳
データベース37には、以下のような会話用例文1が格
納されているものとする。 会話用例文1 {ニューヨーク}まで幾らですか。 How much is it to {New York}? {地名} まで 幾ら ですか そうすると、会話用例文1の意味素性列中には意味素性
名{地名}が存在するので、会話用例文1が検索されて
選定される。ステップS58で、上記意味検索部41によ
って、作業用メモリ35が参照されて、上記ステップS
57において会話用例文が選定されたか否かが判別され
る。その結果、選定されている場合にはステップS59に
進み、選定されていなければステップS56に進んで入力
会話文は翻訳不可能であることを表すメッセージが表示
される。
【0143】ステップS59で。上記素性要素置換部42
によって、作業用メモリ35が参照されて、上記ステッ
プS57において選定された会話用例文の意味素性列に可
変意味素性名が存在するか否かが判別される。その結
果、存在する場合にはステップS60に進み、存在しなけ
ればステップS61に進む ステップS60で、上記素性要素置換部43によって、後
に詳述するような可変意味素性要素置換サブルーチンが
実行されて、上記ステップS59において可変意味素性名
を有すると判定された会話用例文における第1言語文中
の当該可変意味素性名に該当する文字列が、入力会話文
中における同じ可変意味素性名に該当する部分文字列に
置換される。さらに、当該会話用例文の第2言語文中に
おける当該可変意味素性名に該当する文字列が上記置換
された部分文字列を可変意味素性エントリ名とする可変
意味素性翻訳表現に置換される。そして、こうして新た
に生成された会話用例文は、作業用メモリ35に格納さ
れる。
【0144】本例の場合には、当該会話用例文1の第1
言語文「{ニューヨーク}まで幾らですか。」中における可
変意味素性名{地名}に該当する文字列「ニューヨーク」
が、入力会話文「ロンドンまでいくらですか。」中におけ
る可変意味素性名{地名}に該当する文字列「ロンドン」
に置換されて、新たな第1言語文「{ロンドン}まで幾ら
ですか。」が生成される。さらに、第2言語文「How much
is it to {New York}?」中における文字列「New York」
が、可変意味素性翻訳表現「London」に置換されて、新た
な第2言語文「How much is it to {London}?」が生成さ
れるのである。こうして新たに生成された会話用例文 会話用例文 {ロンドン}まで幾らですか。 How much is it to {London}? {地名} まで 幾ら ですか は作業用メモリ35に格納される。ステップS61で、上
記表示用ドライバ33によって表示兼用タブレット32
が駆動されて、表示画面46の表示内容が図17(c)か
ら図17(d)に変換されて会話用例文表示画面が設定さ
れる。ステップS62で、後に詳述するような会話用例文
表示サブルーチンが実行されて作業用メモリ35に格納
されている新たな会話用例文の第1言語文と第2言語文
が読み出され、表示画面46に表示される。本例の場合
には、以下のような第1言語文と第2言語文 {ロンドン}まで幾らですか。 How much is it to {London}? とが、図17(e)に示すように表示される。そうした
後、会話文翻訳処理動作を終了する。
【0145】次に、図16に示す会話文翻訳処理動作の
フローチャートにおける上記ステップS60において実行
される可変意味素性要素置換サブルーチンについて詳細
に説明する。図20は、上記可変意味素性要素置換サブ
ルーチンのフローチャートを示す。図16に示すフロー
チャートにおける上記ステップS59において、上記ステ
ップS57において選定された会話用例文の意味素性列に
可変意味素性名が存在すると判別されると、可変意味素
性要素置換サブルーチンがスタートする。ステップS71
で、上記作業用メモリ35に格納されている上記選定さ
れた会話用例文の意味素性列が参照されて、当該可変意
味素性名に続く意味素性名(後置意味素性名)が検出され
る。本例の場合には、意味素性名「まで」が検出される。
ステップS72で、上記作業用メモリ35に格納されてい
る上記検出された意味素性および可変意味素性(図18
参照)から当該可変意味素性名に該当する部分文字列の
うち最初に出現する部分文字列が選択される。本例の場
合には、部分文字列「ロンドン」が選択される。ステップ
S73で、上記検出された意味素性および可変意味素性
(図18参照)が参照されて、上記ステップS72において
選択された当該部分文字列の後置意味素性名が検出され
る。本例の場合には、意味素性名「まで」が検出される。
【0146】ステップS74で、上記検出された両後置意
味素性名が一致するか否かが判別される。その結果、一
致する場合はステップS75に進み、一致しない場合には
ステップS76に進む。本例の場合には、上記ステップS
71において検出された後置意味素性名「まで」と上記ステ
ップS73において検出された後置意味素性名「まで」とは
一致する。したがって、ステップS75に進むことにな
る。ステップS75で、上記両後置意味素性名は一致する
のであるから、上記選定された会話用例文における当該
後置意味素性名の直前に位置している可変意味素性名
(即ち、当該可変意味素性名)の文字列と、入力会話文に
おける当該可変意味素性名に該当する当該部分文字列と
は共に“起点"あるいは“帰着点"の何れかを表し、一方
を他方で置換することが許される。そこで、上記選定さ
れた会話用例文における当該可変意味素性名の文字列
が、入力会話文における当該可変意味素性名の部分文字
列に置換される。そして、新たに生成された会話用例文
が作業用メモリ35に格納される。そうした後、可変意
味素性要素置換サブルーチンを終了して、図16に示す
会話文翻訳処理動作のフローチャートにおける上記ステ
ップS61にリターンするのである。本例の場合には、上
述のように、当該会話用例文1の第1言語文「{ニューヨ
ーク}まで幾らですか。」中における文字列「ニューヨー
ク」が、入力会話文「ロンドンまでいくらですか。」中にお
ける文字列「ロンドン」に置換される。さらに、第2言語
文「How much is it to {New York}?」中における文字
列「New York」が、可変意味素性翻訳表現「London」に置換
されるのである。
【0147】ステップS76で、上記検出された意味素性
および可変意味素性(図18参照)が参照されて、当該可
変意味素性名に該当する部分文字列であって既に選出さ
れた部分文字列とは異なる部分文字列が存在するか否か
が判別される。その結果、存在する場合にはステップS
77に進む。一方、存在しなければ上記ステップS75に進
んで、最後に選出された部分文字列によって、上記選定
された当該会話用例文における当該可変意味素性名に該
当する文字列が置換されるのである。ステップS77で、
上記検出された意味素性および可変意味素性(図18参
照)から、当該可変意味素性名に該当する部分文字列で
あって既に選出された部分文字列の次の部分文字列が選
択される。そうした後、上記ステップS73に戻って、こ
の選択された部分文字列の後置意味素性名と上記ステッ
プS71において検出された後置意味素性名との一致性の
判別に移行する。そして、上記ステップS74において両
後置意味素性名が一致すると判別されるか、あるいは、
上記ステップS76において当該可変意味素性名に該当す
る他の部分文字列はないと判別されると、上記ステップ
S75において可変意味素性の要素が置換されて図16に
示す会話文翻訳処理動作のフローチャートにおける上記
ステップS61にリターンするのである。
【0148】尚、本実施の形態においては、上述したよ
うに、上記ステップS76において入力会話文に当該可変
意味素性名に属する他の部分文字列が存在しないと判別
されるとステップS75に進んで最後に選出された部分文
字列で当該会話用例文における当該可変意味素性名の文
字列を置換するようにしているが、図16に示す会話文
翻訳処理動作のフローチャートにおける上記ステップS
56に戻って入力会話文は翻訳不可能であることを表すメ
ッセージを表示するようにしてもよい。また、本実施の
形態においては、会話用例文における当該可変意味素性
名の文字列に対する入力会話文における当該可変意味素
性名の部分文字列での置換の可否を、当該可変意味素性
名の後置意味素性名に基づいて判定している。しかしな
がら、この発明はこれに限定されるものではなく、前置
意味素性名や前置・後置の両意味素性名によって判定し
てもよい。あるいは、他の周辺意味素性名によって判定
しても差し支えない。
【0149】上述の説明は、第2実施の形態の場合と同
様に、入力会話文および選定された会話用例文中に、可
変意味素性名が同一である可変意味素性が唯一つ存在す
る場合の会話文翻訳処理動作である。次に、上記入力会
話文中に、可変意味素性名が同一である可変意味素性
が、入力会話文中には複数存在するが会話用例文中には
一つしか存在しない場合の会話文翻訳処理動作について
説明する。
【0150】今、上記表示兼用タブレット32から入力
会話文「ロンドンからオックスフォードまでいくらです
か」がペン入力されたとする。そうすると、図16に示
すフローチャートにおける上記ステップS52〜ステップ
S54が実行されて、図19に示すように意味素性と可変
意味素性とが検索される。さらに、図16に示すフロー
チャートにおける上記ステップS55およびステップS57
が実行されて、会話用例文1が選定される。 会話用例文1 {ニューヨーク}まで幾らですか。 How much is it to {New York}? {地名} まで 幾ら ですか そうした後、図16に示すフローチャートの上記ステッ
プS60において可変意味素性要素置換サブルーチンが実
行されて、会話用例文1の第1言語文「{ニューヨーク}
まで幾らですか。」中の可変意味素性の文字列「ニューヨ
ーク」を置換するのであるが、この場合、入力会話文中
には可変意味素性名{地名}である可変意味素性が「ロ
ンドン」と「オックスフォード」との2つ存在するので、
「ロンドン」および「オックスフォード」の何れの可変意味
素性表現と置換するのかを決定して置換するのである。
以下、この可変意味素性要素置換サブルーチンで行われ
る上記決定について詳細に説明する。
【0151】上述した入力会話文「ロンドンまでいくら
ですか」の場合と同様にして、上記ステップS71におい
て、上記選定された会話用例文1の第1言語文中におけ
る当該可変意味素性名{地名}の後置意味素性名「まで」
が検出される。さらに、上記ステップS72およびステッ
プS73において、上記検出された意味素性および可変意
味素性(図19参照)から当該可変意味素性名{地名}に
該当する部分文字列のうち最初に出現する部分文字列
「ロンドン」が検出されて、その後置意味素性名「から」が
検出される。そうすると、上記ステップS74において両
後置意味素性名「まで」と「から」とは一致しないと判定さ
れてステップS76に進むことになる。
【0152】さらに、上記ステップS76およびステップ
S77において、当該可変意味素性名{地名}に該当する
次の部分文字列「オックスフォード」が選択される。そし
て、上記ステップS73に戻って、この選択された部分文
字列「オックスフォード」の後置意味素性名「まで」が検出
される。そうすると、この検出された後置意味素性名
「まで」は上記ステップS71において検出された後置意味
素性名「まで」と一致するので、入力会話文中における文
字列「オックスフォード」と会話用例文1の第1言語文中
における文字列「ニューヨーク」とは共に“帰着点"を表
し、一方で他方を置換することが可能である。したがっ
て、上記ステップS57において選出された会話用例文1
の第1言語文「{ニューヨーク}まで幾らですか。」の文字
列「ニューヨーク」が上記ステップS77選択された当該部
分文字列「オックスフォード」に置換されて、新たな第1
言語文「{オックスフォード}まで幾らですか。」が生成さ
れる。さらに、当該会話用例文1の第2言語文「How muc
h is it to {New York}?」の文字列「New York」が当該部
分文字列(可変意味素性)「オックスフォード」の可変意味
素性翻訳表現「Oxford」に置換されて、新たな第2言語文
「How much is it to {Oxford}?」が生成されるのであ
る。
【0153】次に、上記可変意味素性要素置換サブルー
チンの他の例について説明する。本例における可変意味
素性要素置換サブルーチンは、可変意味素性名が同一で
ある可変意味素性が、会話用例文中には複数存在するが
入力会話文には一つしか存在しない場合に用いられるサ
ブルーチンである。本例の場合には、入力会話文は「ロ
ンドンまでいくらですか。」であり、ROM36の対訳
データベース37には、以下の会話用例文の情報が登録
されているものとする。 会話用例文2 {ニューヨーク}から{シカゴ}まで幾らですか。 How much is it from {New York}$1$ to {Chicago}$2$? {地名} から {地名} まで 幾ら ですか 尚、第2言語文中における記号“$番号$"は、同一の
可変意味素性名に該当する文字列が第2言語文中に複数
存在する場合における各文字列の対応する第1言語文中
での出現番号を示す。また、このように、同一の可変意
味素性名に該当する文字列が複数存在する場合には、3
行目の意味素性列における当該可変意味素性名の出現順
は、第1言語文中における対応する文字列の出現順に一
致するようにしている。
【0154】本例の場合には、選定された会話用例文中
に複数存在する同一可変意味素性名に該当する2つの文
字列の何れを、入力会話文中の当該可変意味素性名の文
字列で置き換えるかが問題となる。そこで、解析部40
による部分文字列の作成と、意味検索部41による意味
素性の検索および会話用例文の選定とは、上述の各例の
場合と同様に、図16に示す会話文翻訳処理動作のフロ
ーチャートに従って行う。そして、素性要素置換部42
による可変意味素性要素置換を、図21に示す可変意味
素性要素置換サブルーチンによって行うのである。
【0155】先ず、図16に示す会話文翻訳処理動作の
フローチャートにおける上記ステップS51〜ステップS
53において、入力会話文「ロンドンまでいくらですか。」
が入力されて、その部分文字列が作成される。そうした
後、上記ステップS54において、ROM36の意味素性
辞書38および可変意味素性辞書39から意味素性が検
索される。尚、本例の場合には、図18に示すように意
味素性が検索される。さらに、上記ステップS57におい
て、対訳データベース37から会話用例文が選定され
る。尚、本例の場合には、次のような会話用例文2が選
定される。 会話用例文2 {ニューヨーク}から{シカゴ}まで幾らですか。 How much is it from {New York}$1$ to {Chicago}$2$? {地名} から {地名} まで 幾ら ですか そして、図16に示す会話文翻訳処理動作のフローチャ
ートにおける上記ステップS59において、上記選定され
た会話用例文の意味素性列に可変意味素性名が存在する
と判別されると、図21に示す可変意味素性要素置換サ
ブルーチンがスタートする。
【0156】ステップS81で、上記作業用メモリ35に
格納されている上記検出された意味素性および可変意味
素性(図18参照)が参照されて、当該可変意味素性名の
後置意味素性名が検出される。本例の場合には、意味素
性名「まで」が検出される。ステップS82で、上記作業用
メモリ35に格納されている上記選定された会話用例文
の第1言語文から当該可変意味素性名に該当する文字列
のうち最初に出現する文字列が選択される。本例の場合
には、文字列「ニューヨーク」が選択される。ステップS
83で、上記選定された会話用例文の意味素性列が参照さ
れて、上記ステップS82において選択された当該文字列
の後置意味素性名が検出される。本例の場合には、意味
素性名「から」が検出される。
【0157】ステップS84で、上記検出された両後置意
味素性名が一致するか否かが判別される。その結果、一
致する場合はステップS85に進み、一致しない場合には
ステップS86に進む。本例の場合には、上記ステップS
81において検出された後置意味素性名「まで」と上記ステ
ップS83において検出された後置意味素性名「から」とは
一致しない。したがって、ステップS86に進むことにな
る。ステップS85で、上記両後置意味素性名は一致する
のであるから、入力会話文における当該可変意味素性名
に該当する部分文字列と上記選定された会話用例文にお
ける当該可変意味素性名に該当する上記選択された文字
列とは共に“起点"あるいは“帰着点"の何れかを表し、
一方を他方で置換することが許される。そこで、上記選
定された会話用例文における当該文字列が入力会話文に
おける当該部分文字列に置換される。そして、新たに生
成された会話用例文が作業用メモリ35に格納される。
そうした後、可変意味素性要素置換サブルーチンを終了
して、図16に示す会話文翻訳処理動作のフローチャー
トにおける上記ステップS61にリターンするのである。
【0158】ステップS86で、上記選定された会話用例
文の意味素性列が参照されて、当該可変意味素性名と同
じ可変意味素性名が他に存在するか否かが判別される。
その結果、存在する場合にはステップS87に進む。一
方、存在しなければ上記ステップS85に進んで、当該会
話用例文における当該可変意味素性名に該当する最後に
選択された文字列が置換されるのである。本例の場合に
は、当該可変意味素性名{地名}が他に存在するので、
ステップS87に進むことになる。ステップS87で、当該
会話用例文の第1言語文から、当該可変意味素性名に該
当する文字列であって既に選出された文字列の次の文字
列が選択される。本例の場合には、当該可変意味素性名
{地名}に該当する次の文字列「シカゴ」が選択される。
そうした後、上記ステップS83に戻って、この選択され
た文字列の後置意味素性名と上記ステップS81において
検出された後置意味素性名との一致性の判別に移行す
る。そして、上記ステップS84において両後置意味素性
名が一致すると判別されるか、あるいは、上記ステップ
S86において当該可変意味素性名に該当する他の部分文
字列はないと判別されると、上記ステップS85において
可変意味素性の要素が置換されて図16に示す会話文翻
訳処理動作のフローチャートにおける上記ステップS61
にリターンするのである。本例の場合には、上記選択さ
れた文字列「シカゴ」の後置意味素性名「まで」と上記ステ
ップS81において検出された後置意味素性名「まで」とは
一致するので、会話用例文2の第1言語文「{ニューヨー
ク}から{シカゴ}まで幾らですか。」中の文字列「シカゴ」
が文字列「ロンドン」に置換されて、新たな第1言語文
「{ニューヨーク}から{ロンドン}まで幾らですか。」が生
成される。さらに、当該会話用例文2の第2言語文「How
much is it from {New York}$1$ to {Chicago}$2$
?」の文字列「Chicago」が当該文字列(可変意味素性)
「ロンドン」の可変意味素性翻訳表現「London」に置換さ
れて、新たな第2言語文「How much is it from {New Y
ork}$1$ to {London}$2$?」が生成されるのである。
【0159】次に、上記可変意味素性要素置換サブルー
チンのさらに他の例について説明する。本例における上
記可変意味素性要素置換サブルーチンは、可変意味素性
名が同一である可変意味素性が、入力会話文および会話
用例文の何れにも複数存在する場合に用いられるサブル
ーチンである。本例の場合には、入力会話文は「オック
スフォードまでロンドンからいくらですか。」であり、
ROM36の対訳データベース37には会話用例文2の
情報が登録されているものとする。 会話用例文2 {ニューヨーク}から{シカゴ}まで幾らですか。 How much is it from {New York}$1$ to {Chicago}$2$? {地名} から {地名} まで 幾ら ですか
【0160】本例の場合にも、選定された会話用例文中
に複数存在する同一可変意味素性名に該当する文字列の
何れを、入力会話文中に複数存在するの当該可変意味素
性名に該当する何れの文字列で置き換えるかが問題とな
る。そこで、解析部40による部分文字列の作成と、意
味検索部41による意味素性の検索および会話用例文の
選定とは、図16に示す会話文翻訳処理動作のフローチ
ャートに従って行う。そして、素性要素置換部42によ
る可変意味素性要素置換を、図22および図23に示す
可変意味素性要素置換サブルーチンによって行うのであ
る。
【0161】先ず、図16に示す会話文翻訳処理動作の
フローチャートにおける上記ステップS51〜ステップS
53において、入力会話文「オックスフォードまでロンド
ンからいくらですか。」が入力されて、その部分文字列が
作成される。そうした後、上記ステップS54において、
ROM36の意味素性辞書38および可変意味素性辞書
39から意味素性が検索される。尚、本例の場合には、
図24に示すように意味素性が検索される。さらに、上
記ステップS57において、対訳データベース37から会
話用例文が選定される。尚、本例の場合には会話用例文
2が選定される。そして、図16に示す会話文翻訳処理
動作のフローチャートにおける上記ステップS59におい
て、上記選定された会話用例文の意味素性列に可変意味
素性名が存在すると判別されると、図22および図23
に示す可変意味素性要素置換サブルーチンがスタートす
る。
【0162】ステップS91で、上記作業用メモリ35に
格納されている上記選定された会話用例文の意味素性列
が参照されて、当該可変意味素性名の総ての後置意味素
性名が検出される。本例の場合には、意味素性名「から」
と「まで」とが検出される。ステップS92で、上記ステッ
プS91において検出された後置意味素性名が一致するか
否かが判別される。その結果、一致する場合はステップ
S95に進み、一致しない場合にはステップS93に進む。
本例の場合には、後置意味素性名「から」と「まで」とは一
致しないので、上記ステップS93に進むことになる。
【0163】ステップS93で、上記作業用メモリ35に
格納されている上記検出された意味素性および可変意味
素性(図24参照)が参照されて、当該可変意味素性名の
総ての後置意味素性名が検出される。本例の場合には、
意味素性名「まで」と「から」とが検出される。ステップS
94で、上記ステップS93において検出された後置意味素
性名が一致するか否かが判別される。その結果、一致す
る場合はステップS95に進み、一致しない場合にはステ
ップS96に進む。本例の場合には、後置意味素性名「ま
で」と「から」とは一致しないので、上記ステップS96に
進むことになる。ステップS95で、上記選定された会話
用例文における当該可変意味素性名に該当する総ての文
字列が、前から順に、入力会話文における当該可変意味
素性名に該当する部分文字列に順次置換される。そし
て、新たに生成された会話用例文が作業用メモリ35に
格納される。そうした後、可変意味素性要素置換サブル
ーチンを終了して、図16に示す会話文翻訳処理動作の
フローチャートにおける上記ステップS61にリターンす
るのである。
【0164】ステップS96で、上記選定された会話用例
文の第1言語文から当該可変意味素性名に該当する文字
列のうち最初に出現する文字列が選択される。本例の場
合には、文字列「ニューヨーク」が選択される。ステップ
S97で、上記選定された会話用例文の意味素性列が参照
されて、上記ステップS96において選択された当該文字
列の後置意味素性名が検出される。本例の場合には、意
味素性名「から」が検出される。
【0165】ステップS98で、上記検出された意味素性
および可変意味素性(図24参照)から、当該可変意味素
性名に該当する部分文字列のうち最初に出現する部分文
字列が選択される。本例の場合には、部分文字列「オッ
クスフォード」が検出される。ステップS99で、上記検
出された意味素性および可変意味素性(図24参照)が参
照されて、上記ステップS98において選択された当該部
分文字列の後置意味素性名が検出される。本例の場合に
は、意味素性名「まで」が検出される。
【0166】ステップS100で、上記検出された両後置
意味素性名が一致するか否かが判別される。その結果、
一致する場合はステップS101に進み、一致しない場合
にはステップS102に進む。本例の場合には、上記ステ
ップS97において検出された後置意味素性名「から」と上
記ステップS99において検出された後置意味素性名「ま
で」とは一致しない。したがって、上記ステップS102に
進むことになる。
【0167】ステップS101で、上記両後置意味素性名
は一致するのであるから、当該会話用例文の第1言語文
から選択された当該文字列を入力会話文から選択された
当該部分文字列で置換することが可能である。そこで、
当該会話用例文における当該文字列が、入力会話文にお
ける当該部分文字列に置換される。そして、新たに生成
された会話用例文が作業用メモリ35に格納される。さ
らに、当該会話用例文の第1言語文において上記置換さ
れた文字列の当該可変意味素性名に関する出現順番が、
作業用メモリ35に格納される。また、作業用メモリ3
5に格納されている上記検出された意味素性および可変
意味素性(図24参照)から、上記置換が行われた部分文
字列に関する可変意味素性情報が削除される。そうした
後、ステップS104に進む。
【0168】ステップS102で、上記ステップS100にお
いて行われた一致姓の判別処理は、入力会話文における
当該可変意味素性名に該当する最初の部分文字列に対す
る処理であるか否かが判別される。その結果、最初の部
分文字列に対する処理である場合にはステップS103に
進み、そうでなければステップS104に進む。本例の場
合には、上記ステップS98において選択された部分文字
列「オックスフォード」は、入力会話文における当該可変
意味素性名{地名}に該当する最初に出現する部分文字
列である。したがって、上記ステップS103に進むこと
になる。
【0169】ステップS103で、上記検出された意味素
性及び可変意味素性(図24参照)から、当該可変意味素
性名に該当する2番目に出現する部分文字列が選択され
る。そうした後、上記ステップS99に戻って入力会話文
における本ステップで選択された2番目の部分文字列の
後置意味素性名と、当該会話用例文における当該可変意
味素性名に該当する最初の文字列の後置意味素性名に対
する処理に移行する。そして、上記ステップS100にお
いて両後置意味素性名が一致する場合は、上記ステップ
S101において上述した可変意味素性の要素を置換する
処理が行われるのである。本例の場合には、入力会話文
における2番目の部分文字列「ロンドン」が選択され、こ
の部分文字列「ロンドン」の後置意味素性名「から」は上記
ステップS97において会話用例文2から検出された最初
の文字列「ニューヨーク」の後置意味素性名「から」と一致
するので、当該会話用例文2の第1言語文「{ニューヨー
ク}から{シカゴ}まで幾らですか。」の文字列「ニューヨー
ク」が文字列「ロンドン」に置換されて、新たな第1言語
文「{ロンドン}から{シカゴ}まで幾らですか。」が生成
される。さらに、当該会話用例文2の第2言語文「How
much is it from {New York}$1$ to {Chicago}$2$?」
中における字列列「New York」が可変意味素性翻訳表現「L
ondon」に置換されて、新たな第2言語文「How much is i
t from {London}$1$to {Chicago}$2$?」が生成され
る。そして、当該会話用例文2の第1言語文において置
換された当該文字列「ニューヨーク」の出現順番「1」が作
業用メモリ35に格納される。また、置換が行われた部
分文字列「ロンドン」に関する可変意味素性情報が作業用
メモリ35から上記削除されるのである。
【0170】ステップS104で、上記ステップS103まで
行われた処理は、当該会話用例文における当該可変意味
素性名に該当する最初の文字列に対する処理であるか否
かが判別される。その結果、最初の文字列に対する処理
である場合にはステップS105に進み、そうでなければ
ステップS106に進む。本例の場合には、上記ステップ
S96において選択された文字列「ニューヨーク」は、当該
会話用例文における当該可変意味素性名{地名}に該当
する最初に出現する文字列である。したがって、上記ス
テップS105に進むことになる。
【0171】ステップS105で、上記会話用例文の第1
言語文から、当該可変意味素性名に該当する2番目に出
現する文字列が選択される。そうした後、上記ステップ
S97に戻って、当該会話用例文における本ステップで選
択された2番目の文字列と、入力会話文における当該可
変意味素性名に該当する最初の部分文字列の後置意味素
性名に対する処理に移行する。そして、上記ステップS
100において両後置意味素性名が一致する場合は、上記
ステップS101において上述した可変意味素性の要素を
置換する処理が行われるのである。本例の場合には、上
記新たに生成された会話用例文中における2番目の文字
列「シカゴ」が選択され、この文字列「シカゴ」の後置意味
素性名「まで」は入力会話文から検出された最初の部分文
字列「オックスフォード」の後置意味素性名「まで」と一致
するので、当該新たに生成された会話用例文の第1言語
文「{ロンドン}から{シカゴ}まで幾らですか。」中の文字
列「シカゴ」が文字列「オックスフォード」に置換されて、
再度新たな第1言語文「{ロンドン}から{オックスフォー
ド}まで幾らですか。」が生成される。さらに、上記新た
に生成された第2言語文「How much isit from {London}
$1$ to {Chicago}$2$?」中における字列列「Chicago」
が可変意味素性翻訳表現「Oxford」に置換されて、再度
新たな第2言語文「How much isit from {London}$1$ t
o {Oxford}$2$?」が生成される。そして、会話用例文
2の第1言語文における置換された文字列「シカゴ」の出
現順番「2」が作業用メモリ35に格納される。また、置
換が行われた部分文字列「オックスフォード」に関する可
変意味素性情報が作業用メモリ35から上記削除される
のである。こうして、入力会話文における当該可変意味
素性名に該当する2番目の部分文字列、および、当該会
話用例文における当該可変意味素性名に該当する2番目
の文字列に対する処理が終了すると、ステップS106に
進む。
【0172】ステップS106で、何個の可変意味素性が
置換されたかが判別される。その結果、0個が置換され
ている場合には、入力会話文と当該会話用例文とにおい
て、当該可変意味素性名に該当する可変意味素性であっ
て後置意味素性名が同一の可変意味素性はもはや存在し
ないので、上記ステップS95に戻って、当該可変意味素
性名に該当する総ての文字列が前から順に置換される。
また、2個が置換されている場合には可変意味素性要素
置換サブルーチンを終了する。また、1個が置換されて
いる場合にはステップS107に進む。尚、上記置換され
た可変意味素性の個数判別は、次のようにして行われ
る。すなわち、上記ステップS101において可変意味素
性の要素が置換される毎に、作業用メモリ35には当該
会話用例文の第1言語文における置換された文字列の出
現順番が格納されている。したがって、作業用メモリ3
5に格納されている上記出現順番が「1」または「2」であ
る場合には置換済みの可変意味素性は1個であると判別
し、「1,2」である場合には2個であると判別し、格納
されていなければ0個であると判別するのである。本例
の場合には、既に「ニューヨーク」と「シカゴ」との2個の
可変意味素性が置換されているので、可変意味素性要素
置換サブルーチンを修了して図16に示す会話文翻訳処
理動作のフローチャートにおける上記ステップS61にリ
ターンすることになる。
【0173】ステップS107で、上記作業用メモリ35
に格納されている上記出現順番が参照されて、当該会話
用例文における未置換の可変意味素性が選択される。ス
テップS108で、上記作業用メモリ35に格納されてい
る上記意味素性および可変意味素性から、残っている可
変意味素性情報が選択される。ステップS109で、上記
ステップS107において選択された当該会話用例文の第
1言語文におけ可変意味素性の文字列が、上記ステップ
S108において選択された可変意味素性情報の部分文字
列に置換される。さらに、当該会話用例文の第2言語文
における対応する文字列が上記選択された可変意味素性
情報の可変意味素性翻訳表現に置換される。そうした
後、可変意味素性要素置換サブルーチンを修了して、図
16に示す会話文翻訳処理動作のフローチャートにおけ
る上記ステップS61にリターンする。
【0174】尚、本例においては、入力会話文および会
話用例文に可変意味素性名が同一の可変意味素性が2個
存在する場合について説明しているが、3個以上存在す
る場合にも、同様の処理によって可変意味素性要素置換
サブルーチンを行うことができる。
【0175】上記各例においては、入力会話文における
当該可変意味素性名に該当する部分文字列の後置意味素
性と会話用例文における当該可変意味素性名に該当する
文字列の後置意味素性との一致性によって、当該会話用
例文中における当該文字列を置換するか否かを判定して
いる。次に、上記可変意味素性要素置換サブルーチンの
さらに他の例について説明する。本例における可変意味
素性要素置換サブルーチンは、ROM36の対訳文デー
タベース37に登録する会話用例文にフラグを付加し、
このフラグに基づいて会話用例文中における文字列に対
する置換の判定を行う場合に用いられるサブルーチンで
ある。
【0176】本例においては、上記ROM36の対訳文
データベース37に格納される会話用例文のうち可変意
味素性名が同一である可変意味素性が複数存在する会話
用例文の総てに、以下のようなフラグを付加しておくの
である。 会話用例文3 twinslot(last) {ニューヨーク}から{シカゴ}まで幾らですか。 How much is it from {New York}$1$ to {Chicago}$2$? {地名} から {地名} まで 幾ら ですか ここで、一行目には、フラグtwinslotが記述されてい
る。このフラグtwinslotは、「twinslot(位置)」の形式で
記述され、入力会話文中に当該可変意味素性名に該当す
る文字列が1つしか存在しない場合に、会話用例文中に
おける置換の対象となる文字列の当該可変意味素性名に
関する位置を指定するものである。会話用例文3に付加
されているフラグ「twinslot(last)」における位置「(las
t)」は、会話用例文3における当該可変意味素性名に該
当する可変意味素性のうち最後に位置する可変意味素性
を置換することを指定している。つまり、会話用例文3
の場合には文字列「シカゴ」および「Chicago」を置換する
のである。上記置換の対象となる文字列の位置として
は、位置「(last)」の他に、該当する可変意味素性のうち
最初に位置する可変意味素性の置換を指定する位置「(fi
rst)」や、n番目の可変意味素性の置換を指定する位置
「(出現順番)」を設定できる。
【0177】本例の場合は、選定された会話用例文中に
存在する同一可変意味素性名に該当する複数の文字列の
何れを置換するかが問題となる。そこで、解析部40に
よる部分文字列の作成と、意味検索部41による意味素
性の検索および会話用例文の選定とを図16に示す会話
文翻訳処理動作のフローチャートに従って行う。そし
て、素性要素置換部42による可変意味素性要素置換
は、図25に示す可変意味素性要素置換サブルーチンに
よって行うのである。
【0178】以下、図25に示す可変意味素性要素置換
サブルーチンについて説明する。ここで、入力会話文は
「ロンドンまでいくらですか」であるとする。そして、
図16に示す会話文翻訳処理動作のフローチャートにお
ける上記ステップS51〜ステップS59が実行されて、図
18に示すように意味素性および可変意味素性が検索さ
れ、会話用例文3が選定されているものとする。
【0179】ステップS111で、上記作業用メモリ35
に格納されている上記選定された会話用例文に、フラグ
twinslotが付加されているか否かが判別される。その結
果、付加されていればステップS112に進み、付加され
ていなければステップS114に進む。本例の場合には、
選定された会話用例文3にはフラグtwinslotが付加され
ているので、上記ステップ112に進むことになる。ステ
ップS112で、選定された会話用例文に付加されている
フラグtwinslotによって指定されている指定位置が検出
され、この検出された指定位置が作業用メモリ35に格
納される。本例の場合には、付加されているフラグtwin
slotは「twinslot(last)」であるから、指定位置「(last)」
が検出される。
【0180】ステップS113で、上記ステップS112にお
いて検出された指定位置に存在する当該可変意味素性名
に該当する文字列が、当該会話用例文から検出される。
そして、当該会話用例文の第1言語文における上記検出
された文字列の当該可変意味素性名に関する出現順番が
作業用メモリ35に格納される。本例の場合には、上記
ステップ112において指定位置「(last)」が検出されてい
るので、会話用例文3の第1言語文における当該可変意
味素性名{地名}に該当する最後に位置する文字列「シ
カゴ」が検出される。そして、当該文字列「シカゴ」の当
該可変意味素性名{地名}に関する出現順番「2」が作業
用メモリ35に格納される。
【0181】ステップS114で、上記選定された会話用
例文における上記ステップS113において検出された文
字列が、入力会話文における当該可変意味素性名に該当
する部分文字列に置換され、得られた新たな会話用例文
が作業用メモリ35に格納される。そうした後、可変意
味素性要素置換サブルーチンを終了し、図16に示す会
話文翻訳処理動作のフローチャートにおける上記ステッ
プS61にリターンする。本例の場合には、当該会話用例
文3の第1言語文における当該文字列「シカゴ」が、入力
文における当該可変意味素性名{地名}に該当する部分
文字列「ロンドン」に置換されて、新たな第1言語文「{ニ
ューヨーク}から{ロンドン}まで幾らですか。」が生成さ
れる。さらに、当該会話用例文3の第2言語文における
当該文字列「Chicago」が部分文字列「ロンドン」の可変意
味素性翻訳表現「London」に置換されて、新たな第2言語
文「How much is it from {New York}$1$ to {London}
$2$?」が生成されるのである。
【0182】尚、上記説明においては、同一可変意味素
性名に該当する文字列が1つ存在する入力会話文を例に
上げているが、複数存在する入力会話文であっても同様
の処理によって正しい置換処理を行うことができる。但
し、その場合には、例えば、フラグtwinslotにおける指
定位置を「(last,last)」の如く記述して、入力会話文に
対する置換位置と会話用例文に対する置換位置とを指定
する。
【0183】上述した各例は、図16に示す会話文翻訳
処理動作のフローチャートの上記ステップS60において
実行される可変意味素性要素置換サブルーチンに関する
ものである。以下は、図16に示す会話文翻訳処理動作
のフローチャートの上記ステップS62において実行され
る会話用例文表示サブルーチンの説明である。本例にお
ける会話用例文表示サブルーチンは、可変意味素性名が
同一である可変意味素性が上記選出された会話用例文に
複数存在する場合であって、上述の可変意味素性要素置
換サブルーチンを行った結果一部の可変意味素性のみが
置換された場合に、置換されなかった可変意味素性に関
する置換処理を指定するサブルーチンである。本例にお
いては、上記ROM36の対訳文データベース37に格
納されている会話用例文のうち、可変意味素性名が同一
である可変意味素性が複数存在する会話用例文の総て
に、以下のようにフラグを付加しておくのである。 会話用例文4 slotdiff(diff) {ニューヨーク}から{シカゴ}まで幾らですか。 How much is it from {New York}$1$ to {Chicago}$2$? {地名} から {地名} まで 幾ら ですか ここで、一行目には、フラグslotdiffが記述されてい
る。このフラグslotdiffは、「slotdiff(置換方法)」の形
式で記述され、会話用例文中における上記可変意味素性
名が同一である複数の可変意味素性のうち未置換である
可変意味素性に関して置換処理の方法を指定するもので
ある。会話用例文4に付加されているフラグ「slotdiff
(diff)」における置換方法「(diff)」は、会話用例文4の
第1言語文および第2言語文における未置換の文字列を
既置換の部分文字列以外の部分文字列に置換することを
指示している。つまり、会話用例文4の場合には、第1
言語文「{ニューヨーク}から{シカゴ}まで幾らですか」の
出現順番「2」の文字列「シカゴ」が部分文字列「ニューヨ
ーク」に置換された場合には、新たな第1言語文「{ニュ
ーヨーク}から{ニューヨーク}まで幾らですか。」が生成
される。そこで、上記置換方法「(diff)」を指定すること
によって、最初に位置する未置換の文字列「ニューヨー
ク」を、先の置換の際に使用された部分文字列「ニューヨ
ーク」以外の部分文字列に置換するのである。尚、上記
置換の方法としては、位置方法「diff」の他に、先の置換
の際に使用された部分文字列よりもASCIIコード順
が大きい部分文字列を指定する置換方法「big」や、AS
CIIコード順が小さい部分文字列を指定する置換方法
「small」を設定できる。
【0184】本例の場合には、可変意味素性要素置換サ
ブルーチンを行った後の未置換の可変意味素性を如何に
置換するかが問題となる。そこで、図14におけるCP
U31には、解析部40,意味検索部41,素性要素置換
部42および制御部43に加えて、フラグslotdiffが付
加されているか否かを判別するフラグ判別部と、フラグ
slotdiffを解読して置換方法「(diff)」を検知する置換方
法検知部と、可変意味素性辞書39を検索して先の置換
の際に用いられた可変意味素性エントリ名とは異なる可
変意味素性エントリ名とその可変意味素性翻訳表現とを
得る可変意味素性辞書検索部を備えるのである。
【0185】そして、上記解析部40による部分文字列
の作成および意味素性の検索と意味検索部41による会
話用例文の選定とを、図16に示す会話文翻訳処理動作
のフローチャートに従って行う。さらに、素性要素置換
部42による可変意味素性要素置換を、図20あるいは
図25に示す可変意味素性要素置換サブルーチンによっ
て行う。そうした後、フラグ判別部,意味検索部41,置
換方法検知部,可変意味素性辞書検索部,素性要素置換部
42および表示用ドライバ33によって図26に示す会
話用例文表示サブルーチンを行うことによって、会話文
翻訳処理を行うのである。
【0186】以下、図26に示す会話用例文表示サブル
ーチンについて説明する。ここで、入力会話文は「ニュ
ーヨークまでいくらですか」であるとする。そして、図
16に示す会話文翻訳処理動作のフローチャートにおけ
る上記ステップS51〜ステップS59が実行されて、意味
素性および可変意味素性が検索され、会話用例文4が選
定されている。また、上記ステップS60において可変意
味素性要素置換サブルーチンが実行されて、当該可変意
味素性名に該当する複数の文字列が置換されているもの
とする。尚、上記可変意味素性要素置換サブルーチン
は、図20に示す可変意味素性要素置換サブルーチンで
あっても、図25に示す可変意味素性要素置換サブルー
チンであっても構わない。本例の場合には、図20に可
変意味素性要素置換サブルーチンが実行されたとする
と、会話用例文4の可変意味素性名{地名}に該当する
2つの文字列のうち2番目の文字列「シカゴ」とその訳語
「Chicago」とが、部分文字列「ニューヨーク」と「New Yor
k」とに置換されて、以下のような新たな会話用例文が生
成される。 会話用例文4' slotdiff(diff) {ニューヨーク}から{ニューヨーク}まで幾らですか。 How much is it from {New York}$1$ to {New York}$2$? {地名} から {地名} まで 幾ら ですか また、上記作業用メモリ35には、上記選定された会話
用例文4における可変意味素性名{地名}に該当する2
番目の文字列が置換されたので出現順番「2」が格納され
ている。
【0187】図16に示す会話文翻訳処理動作のフロー
チャートにおける上記ステップS61において会話用例文
表示画面が設定されると、会話用例文表示サブルーチン
がスタートする。ステップS121で、上記フラグ判別部
によって、上記作業用メモリ35に格納されている上記
可変意味素性要素置換サブルーチンによって新たに生成
された会話用例文に、フラグslotdiffが付加されている
か否かが判別される。その結果、付加されていればステ
ップS122に進み、付加されていなければステップS128
に進む。ステップS122で、上記意味検索部41によっ
て、上記作業用メモリ35に格納されている既置換の可
変意味素性に関する出現順番が参照されて、上記新たに
生成された会話用例文(以下、生成会話用例文と言う)に
おける既に置換された可変意味素性が検出される。本例
の場合には、上記作業用メモリ35には出現順番「2」が
格納されている。したがって、生成会話用例文4'にお
ける当該可変意味素性名{地名}に関して2番目に位置
する可変意味素性が、目的とする既置換の可変意味素性
であるとして検出される。ステップS123で、上記意味
検索部41によって、上記ステップS122における検出
結果に基づいて、上記作業用メモリ35に格納されてい
る上記生成会話用例文の第1言語文から、既置換の可変
意味素性の文字列が検出される。そして、検出された文
字列が作業用メモリ35に格納される。本例の場合に
は、当該可変意味素性名{地名}に関して2番目に位置
する可変意味素性が既置換の可変意味素性であることが
分かっているので、生成会話用例文4'の第1言語文に
おける当該可変意味素性名{地名}に関して2番目に出
現する文字列「ニューヨーク」が検出される。
【0188】ステップS124で、上記意味検索部41に
よって、上記作業用メモリ35に格納されている既置換
の可変意味素性に関する出現順番が参照されて、生成会
話用例文における未置換の可変意味素性が検出される。
本例の場合には、上記作業用メモリ35には出現順番
「2」が格納されている。したがって、生成会話用例文
4'における当該可変意味素性名{地名}に関して最初
の可変意味素性が、目的とする未置換の可変意味素性で
あるとして検出される。
【0189】ステップS125で、上記意味検索部41に
よって、当該生成会話用例文に付加されているフラグsl
otdiffによって指定された置換方法が検出されて、作業
用メモリ35に格納される。本例の場合には、生成会話
用例文4'に付加されたフラグslotdiffは「slotdiff(dif
f)」であるから、置換方法「(diff)」が作業用メモリ35
に格納される。
【0190】ステップS126で、上記置換方法検知部に
よって、上記置換方法の内容が検知される。そして、可
変意味素性辞書検索部によって、当該可変意味素性名を
キーとして、ROM36の可変意味素性辞書39から、
上記検知された置換方法に基づいて、上記ステップS12
3において検索された既置換の可変意味素性の文字列を
可変意味素性表現とする可変意味素性とは異なる可変意
味素性が検索され、その可変意味素性の可変意味素性エ
ントリ名と可変意味素性翻訳表現との対が選出されて作
業用メモリ35に格納される。本例の場合には、上記フ
ラグslotdiffの置換方法は「(diff)」であるから、次のよ
うにして可変意味素性辞書検索が行われる。すなわち、
可変意味素性辞書39から、当該可変意味素性名{地
名}をキーとして、既置換の可変意味素性の文字列「ニ
ューヨーク」の次に登録されている可変意味素性の可変
意味素性エントリ名「シカゴ」と可変意味素性翻訳表現「C
hicago」が選出されるのである。尚、上述したように、
可変意味素性辞書39には以下のような可変意味素性の
情報が登録されている。
【0191】ステップS127で、上記素性要素置換部4
2によって、当該生成会話用例文における当該可変意味
素性名に該当する未置換の可変意味素性の文字列が、上
記ステップS126において選出された可変意味素性の可
変意味素性エントリ名および可変意味素性翻訳表現で置
換される。こうして再度生成された会話用例文が作業用
メモリ35に格納される。本例の場合には、生成会話用
例文4'における当該可変意味素性名{地名}に該当す
る未置換の文字列「ニューヨーク」と「New York」とが、上
記選出された可変意味素性エントリ名「シカゴ」とその可
変意味素性翻訳表現「Chicago」とに置換される。こうし
て、以下のような新たな会話用例文が生成される。 会話用例文 slotdiff(diff) {シカゴ}から{ニューヨーク}まで幾らですか。 How much is it from {Chicago}$1$ to {New York}$2$? {地名} から {地名} まで 幾ら ですか ステップS128で、上記表示用ドライバ33によって表
示兼用タブレット32が駆動されて、作業用メモリ35
に格納されている再度生成された会話用例文の第1言語
文と第2言語文とが読み出されて表示画面46に表示さ
れる。本例の場合には、再度生成された第1言語文と第
2言語文 {シカゴ}から{ニューヨーク}まで幾らですか。 How much is it from {Chicago} to {New York}? が表示される。そうした後、会話用例文表示サブルーチ
ンおよび会話用翻訳処理動作を修了する。
【0192】尚、本例におけるフラグslotdiffと前例に
おけるフラグtwinslotとを併記することによって、置換
位置を指定した素性要素置換部42による可変意味素性
要素置換処理と置換方法を指定した未置換の可変意味素
性に対する置換処理とを実行することができる。
【0193】次に、上記会話用例文表示サブルーチンの
他の例について説明する。本例における会話用例文表示
サブルーチンは、可変意味素性エントリ名が互いに関連
する可変意味素性が上記選出された会話用例文に存在す
る場合であって、上述の可変意味素性要素置換サブルー
チンを行った結果、上記複数存在する可変意味素性の一
部のみが置換された場合に、置換されなかった可変意味
素性に関する置換処理を指定するサブルーチンである。
【0194】本例においては、上記ROM36の対訳文
データベース37に格納されている会話用例文のうち、
可変意味素性エントリ名が互いに関連している可変意味
素性を有する会話用例文の総てに、以下のようにフラグ
を付加しておくのである。 会話用例文5 slotno[(駅,電車)(駅,地下鉄)] {駅}へ行く{バス}はありますか。 Is there {bus}$2$ to {the station}$1$? {場所} 行く {交通機関} ありますか ここで、一行目には、フラグslotnoが記述されている。
このフラグslotnoは、「slotno[(可変意味素性エントリ
名,可変意味素性エントリ名)…]」の形式で記述されてい
る。上記フラグslotnoにおける「( )」内には、一つ目の
可変意味素性名の可変意味素性エントリ名と、二つ目の
可変意味素性名の可変意味素性エントリ名であって上記
一つ目の可変意味素性エントリ名に関連している可変意
味素性エントリ名とが、“,"を挟んで前後に記述され
る。このフラグslotnoは、会話用例文における複数の可
変意味素性名に該当する夫々の文字列が意味素性列にお
ける可変意味素性名の組み合わせに応じて置換された結
果に対して、未置換の文字列を強制的に置換するなどし
て、表示する直前に生成会話用例文を整形する際の整形
方法を指示するために使用される。
【0195】例えば、上記会話用例文5の場合には、上
述の可変意味素性要素置換サブルーチンを行った結果、
会話用例文5の第1言語文における可変意味素性名{交
通機関}に該当する文字列「バス」が「 {駅}へ行く{電車}はありますか。」 あるいは「 {駅}へ行く{地下鉄}はありますか。」 の如く置換された場合は、日本語として奇異な表現にな
る。そこで、本例においては、生成会話用例文の第1,
第2言語文をそのまま表示せずに、未置換の文字列「駅」
を強制的に置換する、あるいは、この生成会話用例文を
翻訳結果として表示しない、等の処置を行うのである。
尚、フラグslotnoにおける「( )」が複数存在する場合
は、上記処理の対象となる可変意味素性エントリ名の組
が複数存在する。
【0196】本例の場合にも、可変意味素性要素置換サ
ブルーチンを行った後の未置換の可変意味素性を如何に
置換するかが問題となる。そこで、図14におけるCP
U31には、解析部40,意味検索部41,素性要素置換
部42および制御部43に加えて、フラグslotnoが付加
されているか否かを判別するフラグ判別部と、フラグsl
otnoによる置換指定に該当する未置換の可変意味素性名
の文字列を検出する未置換文字列検出部と、可変意味素
性辞書39を検索して上記未置換の可変意味素性エント
リ名の文字列とは異なる可変意味素性エントリ名とその
可変意味素性翻訳表現とを得る可変意味素性辞書検索部
を備えるのである。
【0197】そして、上記解析部40による部分文字列
の作成および意味素性の検索と意味検索部41による会
話用例文の選定とを、図16に示す会話文翻訳処理動作
のフローチャートに従って行う。さらに、素性要素置換
部42による可変意味素性要素置換を、図20等に示す
可変意味素性要素置換サブルーチンによって行う。そう
した後、フラグ判別部,意味検索部41,未置換文字列検
出部,可変意味素性辞書検索部,素性要素置換部42およ
び表示用ドライバ33によって図27に示す会話用例文
表示サブルーチンを行うことによって、会話文翻訳処理
を行うのである。
【0198】以下、図27に示す会話用例文表示サブル
ーチンについて説明する。ここで、入力会話文は「大英
博物館へ行く電車はありますか」であるとする。また、
ROM36の意味素性辞書38には、上述の意味素性の
情報に加えて、以下の意味素性の情報が登録されている
ものとする。 意味素性名 意味素性表現 行く 行く いく ありますか ありますか あるでしょうか また、可変意味素性辞書39には、上述の可変意味素性
の情報に加えて、以下の可変意味素性の情報が登録され
ているものとする。 可変意味素性名 可変意味素性エントリ名 可変意味素性翻訳表現 可変意味素性表現 {交通機関} 電車 train 電車 でんしゃ {場所} ホテル the hotel ホテル 宿 駅 the stetion 駅 停車場 空港 the airport 空港 飛行場
【0199】今、図16に示す会話文翻訳処理動作のフ
ローチャートにおける上記ステップS51〜ステップS59
が実行されて、入力会話文「大英博物館へ行く電車はあ
りますか」が入力され、図28に示すように意味素性及
び可変意味素性が検索され、会話用例文5が選定されて
いるとする。尚、上記可変意味素性辞書39には可変意
味素性表現が「大英博物館」である可変意味素性は登録さ
れてはおらず、入力会話文からは意味素性「大英博物館」
は検出されないものとする。
【0200】次に、上記ステップS60において可変意味
素性要素置換サブルーチンが実行されて、上記選定され
た会話用例文5の第1言語文における可変意味素性名
{交通機関}に該当する文字列「バス」が、入力会話文に
おける当該可変意味素性名{交通機関}に該当する文字
列「電車」で置き換えられ、第2言語文における対応する
文字列「bus」が可変意味素性翻訳表現「train」に置き換え
られて、以下のような会話用例文が新たに生成されてい
るものとする。尚、その際に、上記第1言語文における
置換された文字列「バス」の可変意味素性名に関する出現
順番「2」を作業用メモリ35に格納しておく。 生成会話用例文 slotno[(駅,電車)(駅,地下鉄)] {駅}へ行く{電車}はありますか。 Is there {train}$2$ to {the station}$1$? {場所} 行く {交通機関} ありますか
【0201】図16に示す会話文翻訳処理動作のフロー
チャートにおける上記ステップS61において会話用例文
表示画面が設定されると、会話用例文表示サブルーチン
がスタートする。ステップS131で、上記フラグ判別部
によって、作業用メモリ35に格納されている上記可変
意味素性要素置換サブルーチンによって新たに生成され
た会話用例文(生成会話用例文)に、フラグslotnoが付加
されているか否かが判別される。その結果、付加されて
いればステップS132に進み、付加されていなければス
テップS134に進む。本例においては、フラグslotnoが
付加されているのでステップS132に進むことになる。
【0202】ステップS132で、上記未置換文字列検出
部によって、作業用メモリ35に格納されている生成会
話用例文におけるフラグslotnoの置換指定(slotno[(可
変意味素性エントリ名,可変意味素性エントリ名)…]の
「[ ]」内の記述内容)が検出されて、作業用メモリ35に
格納される。本例の場合には、置換指定[(駅,電車),
(駅,地下鉄)]が検出される。ステップS133で、上記未
置換文字列検出部によって、上記生成会話用例文の第
1,第2言語文に出現する異なる可変意味素性名に該当
する文字列の組み合わせが、上記ステップS132におい
て検出された置換指定に記述されている可変意味素性エ
ントリ名の組み合わせに該当するか否かが判別される。
その結果、該当する場合にはステップS135に進み、該
当しない場合にはステップS134に進む。本例の場合に
は、生成会話用例文に出現する文字列の組み合わせは
「駅,電車」であり、フラグslotnoによる置換指定は
「[(駅,電車),(駅,地下鉄)]」である。したがって、前者
は後者に該当し、ステップS135に進むことになる。ス
テップS134で、上記表示用ドライバ33によって表示
兼用タブレット32が駆動されて、作業用メモリ35に
格納されている生成会話用例文の第1言語文と第2言語
文とが読み出されて、表示画面46に表示される。
【0203】ステップS135で、上記未置換文字列検出
部によって、作業用メモリ35に格納されている生成会
話用例文に未置換の可変意味素性が存在するか否かが、
以下のようにして判別される。その結果、存在する場合
にはステップS136に進み、存在しない場合にはステッ
プS140に進む。上記判別は、次のように行われる。す
なわち、作業用メモリ35には、上記可変意味素性要素
置換サブルーチンの実行によって置換された可変意味素
性の出現順番が格納されている。そこで、生成会話用例
文の第1言語文に存在する可変意味素性の個数と作業用
メモリ35に格納されている出現順番の個数との一致を
判定することによって、未置換の可変意味素性の有無を
判定するのである。本例の場合には、上記作業用メモリ
35には出現順番「2」が唯1つ格納されている。一方、
生成会話用例文に存在する可変意味素性の個数は2個で
ある。つまり、生成会話用例文には未置換の可変意味素
性が存在するので、上記ステップS136に進むことな
る。ステップS136で、上記未置換文字列検出部によっ
て、作業用メモリ35に格納されている出現順番が参照
されて、生成会話用例文の意味素性列から未置換の可変
意味素性に該当する可変意味素性名が検出される。本例
の場合には、上記作業用メモリ35には出現順番「2」が
格納されているので、最初の可変意味素性名{場所}が
検出されるのである。
【0204】ステップS137で、上記未置換文字列検出
部によって、生成会話用例文の第1言語文から、上記ス
テップS136において検出された可変意味素性名に該当
する未置換の文字列が選出される。そして、この選出さ
れた文字列が作業用メモリ35に格納される。本例の場
合には、可変意味素性名{場所}に該当する未置換の文
字列「駅」が選出される。ステップS138で、上記可変意
味素性辞書検索部によって、上記ステップS136におい
て検出された可変意味素性名をキーとして、ROM36
の可変意味素性辞書39から、上記ステップS137にお
いて選出された未置換の文字列を可変意味素性表現とす
る可変意味素性の次に登録されている可変意味素性が検
索され、その可変意味素性の可変意味素性エントリ名と
可変意味素性翻訳表現との対が選出されて作業用メモリ
35に格納される。本例の場合には、当該可変意味素性
名{場所}をキーとして、未置換の文字列「駅」の次に登
録されている可変意味素性の可変意味素性エントリ名
「空港」と可変意味素性翻訳表現「the airport」が選出さ
れるのである。
【0205】ステップS139で、上記素性要素置換部4
2によって、当該生成会話用例文における上記選出され
た未置換の文字列が、上記ステップS138において選出
された可変意味素性の可変意味素性エントリ名および可
変意味素性翻訳表現で置換される。こうして再度生成さ
れた会話用例文が作業用メモリ35に格納される。その
際に、置換された文字列の出現順番が作業用メモリ35
に格納される。本例の場合には、生成会話用例文におけ
る未置換の可変意味素性名{場所}に該当する文字列
「駅」と「the station」とが、上記選出された可変意味素
性エントリ名「空港」とその可変意味素性翻訳表現「the a
irport」とに置換される。こうして、以下のような新た
な会話用例文が生成される。 会話用例文 slotno[(駅,電車)(駅,地下鉄)] {空港}へ行く{電車}はありますか。 Is there {train}$2$ to {the airport}$1$? {場所} 行く {交通機関} ありますか
【0206】そうした後、上記ステップS133に戻っ
て、上記フラグslotnoによる置換指定に該当する文字列
の組み合わせの検出に移行する。そして、もはや置換指
定に該当する文字列の組み合わせは無いと判別される
と、上記ステップS134において作業用メモリ35に格
納されている上記再度生成された会話用例文の第1言語
文と第2言語文とが読み出されて表示画面46に表示さ
れるのである。本例の場合には、再度生成された会話用
例文に出現する文字列の組み合わせは「空港,電車」であ
り、フラグslotnoによる置換指定は「[(駅,電車),(駅,地
下鉄)]」であるから、該当する組み合わせは存在しな
い。したがって、上記ステップS134に進んで、作業用
メモリ35に格納されている再度生成された会話用例文
の第1言語文と第2言語文 {空港}へ行く{電車}はありますか。 Is there {train}$2$ to {the airport}$1$? が表示される。その後、会話用例文表示サブルーチンお
よび会話用翻訳処理動作を修了する。
【0207】また、上記ステップS135において未置換
の可変意味素性は存在しないと判定された場合には、上
記生成会話用例文あるいはこの生成会話用例文から再度
生成された会話用例文における何れの可変意味素性を強
制的に置換すればよいのか決定できない。そこで、入力
会話文が不適切であると判断して、以下の処理を行って
翻訳不可能であることを表示するのである。ステップS
140で、上記意味検索部41によって、作業用メモリ3
5に格納されている生成会話用例文あるいは再度生成さ
れた会話用例文が消去される。ステップS141で、上記
表示用ドライバ33によって表示兼用タブレット32が
駆動されて、図17(f)に示すように、入力会話文は翻
訳不可能であることを表すメッセージが表示画面46に
表示される。そうした後、会話文翻訳処理動作を修了す
る。
【0208】尚、上記フラグslotnoにおける「( )」内に
“,"を挟んで前後に記述される2つの可変意味素性エ
ントリ名の組み合わせは、「(駅,電車)」および「(駅,地下
鉄)」の組み合わせに限定されるものではない。要は、異
なる可変意味素性名に該当する可変意味素性エントリ名
であって、互いに関連性のある可変意味素性エントリ名
から成る組み合わせであればよい。また、上記各例にお
ける上記会話文翻訳処理動作,可変意味素性要素置換サ
ブルーチンおよび会話用例文表示サブルーチンのアルゴ
リズムは、図16,図20〜図23,図25〜図27のフ
ローチャートに限定されるのもではない。
【0209】上述のように、本実施の形態においては、
素性要素置換部42によって、可変意味素性要素置換処
理を行う場合には、意味検索部41によって選定された
会話用例文における処理対象の可変意味素性名に該当す
る文字列の後置意味素性名を検出する一方、入力会話文
における当該可変意味素性名に該当する部分文字列の後
置意味素性名を検出する。そして、両後置意味素性名が
一致する場合に、当該会話用例文における当該文字列を
入力会話文における当該部分文字列で置換するようにし
ている。したがって、例えば、入力会話文あるいは会話
用例文の少なくとも一方に可変意味素性名が{地名}で
ある可変意味素性が複数存在し、且つ、一方が“起点"
を表し他方が“帰着点"を表している場合に、“起点"を
表す文字列が“帰着点"を表す部分文字列によって置換
されてしまうことが防止される。
【0210】すなわち、本実施の形態によれば、入力会
話文が「ロンドンからオックスフォードまで幾らです
か。」であり、会話用例文が「{ニューヨーク}まで幾らで
すか。」である場合に、会話用例文における文字列「ニュ
ーヨーク」が入力会話文における部分文字列「ロンドン」
に置換されて、誤った会話用例文「ロンドンまで幾らで
すか。」が生成されることを防止できる。また、入力会話
文が「ロンドンまで幾らですか。」であり、会話用例文
が「{ニューヨーク}から{シカゴ}まで幾らですか。」であ
る場合に、会話用例文における文字列「ニューヨーク」が
入力会話文における部分文字列「ロンドン」に置換されて
誤った会話用例文「ロンドンからシカゴまで幾らです
か。」が生成されることを防止できる。また、入力会話文
が「オックスフォードまでロンドンから幾らですか。」
であって、会話用例文が「{ニューヨーク}から{シカゴ}
まで幾らですか。」である場合に、会話用例文における文
字列「ニューヨーク」および文字列「シカゴ」が夫々入力会
話文における部分文字列「オックスフォード」および部分
文字列「ロンドン」に置換されて、誤った会話用例文「オ
ックスフォードからロンドンまで幾らですか。」が生成さ
れることを防止できる。
【0211】また、本実施の形態においては、可変意味
素性名が同一である可変意味素性が複数存在する会話用
例文の総てに、会話用例文中における置換の対象となる
可変意味素性の文字列の位置を指定するフラグtwinslot
を付加する。そして、素性要素置換部42によって可変
意味素性要素置換処理を行うに際して、意味検索部41
によって選択された会話用例文にフラグtwinslotが付加
されている場合には、フラグtwinslotに記述されている
指定位置を解読し、当該会話用例文における上記解読結
果に応じた位置に存在する当該可変意味素性名に該当す
る文字列を入力会話文における当該可変意味素性名に該
当する部分文字列で置換するようにしている。したがっ
て、例えば、会話用例文に可変意味素性名が{地名}で
ある可変意味素性が複数存在し、且つ、一方が“起点"
を表し他方が“帰着点"を表している場合に、“起点"を
表す文字列が“帰着点"を表す部分文字列によって置換
されることが防止される。したがって、上述のような誤
った会話用例文が生成されることを防止できる。
【0212】また、本実施の形態においては、可変意味
素性名が同一である可変意味素性が複数存在する会話用
例文の総てに、会話用例文における当該可変意味素性名
に該当する複数の可変意味素性のうち未置換の可変意味
素性に関する置換方法を指定するフラグslotdiffを付加
する。そして、フラグ判別部,意味検索部41,置換方法
検知部,可変意味素性辞書検索部,素性要素置換部42お
よび表示用ドライバ33によって会話用例文表示処理を
行うに際して、意味検索部41によって選択されて素性
要素置換部42で可変意味素性要素置換が行われた会話
用例文にフラグslotdiffが付加されている場合には、フ
ラグslotdiffに記述されている置換方法を解読し、この
解読結果に基づいて、可変意味素性辞書39を検索して
当該可変意味素性名に該当する既置換の可変意味素性と
は異なる可変意味素性を得る。そして、当該会話用例文
における当該可変意味素性名に該当する未置換の文字列
を検出し、この未置換の文字列を上記検索された可変意
味素性の可変意味素性エントリ名および可変意味素性翻
訳表現で置換するようにしている。したがって、上記可
変意味素性要素置換が行われた結果、会話用例文におけ
る当該可変意味素性名に該当する未置換の文字列が、当
該可変意味素性名に該当する既置換の文字列と同じ文字
列になってしまうことが防止される。
【0213】すなわち、本実施の形態によれば、入力会
話文が「ニューヨークまで幾らですか。」であり、会話用
例文が「{ニューヨーク}から{シカゴ}まで幾らですか。」
であって、可変意味素性要素置換の結果「{ニューヨー
ク}から{ニューヨーク}まで幾らですか。」と変化した場
合に、可変意味素性要素置換後の会話用例文における未
置換の文字列「(最初の)ニューヨーク」が「ニューヨーク」
以外の文字列に置換されて表示される。こうして、意味
的に不自然な会話用例文が表示されることが防止され
る。
【0214】また、本実施の形態においては、可変意味
素性エントリ名が互いに関連している可変意味素性を有
する会話用例文の総てに、可変意味素性要素置換後の会
話用例文中における置換の対象となる上記互いに関連し
ている可変意味素性エントリ名の組み合わせを指定する
フラグslotnoを付加する。そして、フラグ判別部,意味
検索部41,未置換文字列検出部,可変意味素性辞書検索
部,素性要素置換部42および表示用ドライバ33によ
って会話用例文表示処理を行うに際して、意味検索部4
1によって選択されて素性要素置換部42で可変意味素
性要素置換が行われた会話用例文にフラグslotnoが付加
されている場合には、フラグslotnoに記述されている可
変意味素性エントリ名の組み合わせの指定を解読し、こ
の解読結果に該当する可変意味素性エントリ名の文字列
であって、未置換の可変意味素性名に該当する文字列を
当該会話用例文から検出する。そして、可変意味素性辞
書39を検索して当該未置換の可変意味素性名に該当す
る可変意味素性の次に登録されている可変意味素性を
得、当該会話用例文における上記検出された未置換の文
字列を上記検索された可変意味素性の可変意味素性エン
トリ名および可変意味素性翻訳表現で置換するようにし
ている。したがって、上記可変意味素性要素置換が行わ
れた結果、会話用例文における互いに関連する可変意味
素性エントリ名に該当する文字列の組み合わせが日本語
として奇異な組み合わせになってしまうことが防止され
る。
【0215】すなわち、本実施の形態によれば、入力会
話文が「電車で行けますか。」であって、会話用例文が
「{駅}へ行く{バス}はありますか。」であって、可変意味
素性要素置換の結果「{駅}へ行く{電車}はありますか。」
と変化した場合に、可変意味素性要素置換後の会話用例
文における未置換の文字列「駅」が「駅」の次に登録されて
いる文字列に置換されて表示される。こうして、日本語
として奇異な会話用例文が表示されることが防止される
のである。
【0216】<第4実施の形態>上記第3実施の形態に
おいては、上述した第2実施の形態における入力会話文
や会話用例文中に、可変意味素性名が同一である複数の
文字列が存在する場合、あるいは、可変意味素性エント
リ名が互いに関連している複数の文字列が存在する場合
に、誤った会話用例文や意味的に不自然な会話用例文が
出力されることに対処している。
【0217】ところで、上記第1実施の形態〜第3実施
の形態共通の問題点として次のような問題点がある。先
ず、上記対訳データベースに登録される会話用例文にお
ける意味素性列は唯1組のみ設定されている。したがっ
て、1つの会話用例文によって多くの入力会話文に対処
できない。そこで、第1言語文が多少異なっているが第
2言語文は同一である場合でも、夫々の第1言語文から
意味素性列が抽出されて成る異なった会話用例文を登録
する必要がある。例えば、入力会話文「今、何時です
か。」と入力会話文「今、今何時か教えてください。」と
には、同じ第2言語文「What time is it now?」が対
応付けられる。ところが、入力会話文「今、何時です
か。」から抽出される意味素性列は「今何時 ですか」であ
り、入力会話文「今、今何時か教えてください。」から
抽出される意味素性列は「今 何時 教える 下さい」であ
る。そのために、第1言語文と第2言語文と意味素性列
との組が2組できることなり、同じ翻訳文に対して2つ
の会話用例文が必要なのである。
【0218】また、使用される場面や相手によって異な
る翻訳文となるべき会話文がある。したがって、そのよ
うな会話文が入力された場合に表示される会話用例文
は、その第2言語文の内容によっては使用できない場合
があったり、ふさわしくない場面で使用されたりする。
例えば、入力会話文が「料金は幾らですか。」である場合
を考える。その場合、「料金」は状況に応じて「charge」や
「fare」や「fee」に対応する。ところが、上記入力会話文
からは何れの状況であるかが判別できず、劇場の入場料
を聞きたいのにバスの運賃を聞く会話用例文が表示され
たりすることになる。
【0219】また、上記第2実施の形態においては、会
話用例文の意味素性列を構成する個々の意味素性に重み
情報を付加し、選出された会話用例文の妥当性の評価を
行うに際しては上記重みを用いて評価値を算出するよう
にしている。したがって、ある会話用例文に意味的重要
度が低い(すなわち、あっても無くても入力会話文の意
味がそれ程変わらない)ような意味素性が存在する場合
に、その意味素性が存在しない入力会話文が入力される
と、当該会話用例文の意味素性列に当該意味素性の意味
素性名が記述されていることによって当該意味素性の重
みが最小値“10"と見なされて上記評価値が算出され
る。その結果、当該意味素性名のみが記述されておらず
他の意味素性名が総て同一である意味素性列を有する会
話用例文の同一入力会話文に対する評価値よりも低くな
ってしまうことになる。例えば、会話文「日本から来ま
した」と「私は日本から来ました」とは、本会話文翻訳
装置の使用状況から考えると殆どの場合「発話者=私」で
あると言える。したがって、上記2つの会話文を第1言
語文とする2つの会話用例文の評価値は同一と考えるの
が自然である。ところが、「私は日本から来ました」を
第1言語文とする会話用例文の評価値は、上述の理由か
ら、「日本から来ました」を入力会話文とした場合の方
が、「私は日本から来ました」を入力会話文とした場合
よりも低くなってしまうのである。このようなことは、
些細な入力表現の違いによって最適な会話用例文が選択
され難くなることを意味する
【0220】また、上記各実施の形態においては、上記
意味素性の意味素性表現や可変意味素性の可変意味素性
表現を、第1言語による文字の集合で定義するようにし
ている。したがって、旅行会話等において頻繁に登場す
る部屋番号や金額や番地等の数字列、または、地名や建
物名等のアルファベット列が、入力会話文中に頻出する
場合には、会話用例文が選出されないことになる。さら
に、各会話用例文は、第1言語文の構成要素(単語)とこ
の構成要素に対応する第2言語の構成要素(単語)で構成
される第2言語文との対を記述するようになっている。
したがって、対を成す第1,第2言語の構成要素のうち
一方の言語による要素の記述を省略することは許されな
い。したがって、第1言語文を記述する際に、日本語で
は通常あまり使用しない「この」や「その」等を省略できな
いことになる。
【0221】そこで、本実施の形態においては、1つの
会話用例文で異なる入力会話文に対処でき、使用場面や
相手によって異なる翻訳文となるべき入力会話文にも対
処でき、意味的重要度が低い意味素性の存在が評価値に
影響を与えず、数字列やアルファベット列が存在する入
力会話文にも対処でき、対を成す第1,第2言語の構成
要素の一方を省略できるような会話文翻訳装置について
説明する。
【0222】図29は本実施の形態の会話文翻訳装置に
おける概略構成図であり、図30は機能ブロック図であ
り、図31は外観図である。図31に示すように、本実
施の形態における会話文翻訳装置は、第3実施の形態の
場合と同様に、旅行の際に携行して使用するのに便利な
ように、大きさは掌に乗る程度で重さも200g程度に
形成されている。前面には、液晶ディスプレイ51が形
成されており、その横には電源スイッチ52が設けられ
ている。この電源スイッチ52はトグル機能を有してお
り、押す度に装置の電源がオンとオフとを繰り返すよう
になっている。液晶ディスプレイ51上には、同じ大き
さのペン入力タブレット53が積層されており、附属の
電子ペン54によってペン入力タブレット53に入力さ
れた情報が液晶ディスプレイ51に表示可能になってい
る。すなわち、上記積層された液晶ディスプレイ51と
ペン入力タブレット53とで、第3実施の形態における
表示兼用タブレットを構成しているのである。
【0223】上記ペン入力機能以外の操作機能は、全
て、液晶ディスプレイ51上にGUI(グラフィック・ユ
ーザ・インターフェイス)によって提示されるボタンやメ
ニュー等を電子ペン54で触れてペン入力タブレット5
3から指示することによって、以下に詳述するようにし
て実現される。
【0224】図29は、上記操作機能を実現するための
概略構成図である。本実施の形態における会話文翻訳装
置は、CPU55に、バス56を介して接続されたRO
M57,RAM58,表示用メモリ59,フォント・ビット
マップ・メモリ60,ペン入力ドライバ61および液晶表
示ドライバ62から構成される。また、ペン入力ドライ
バ61にはペン入力タブレット53が接続され、液晶表
示ドライバ62には液晶ディスプレイ51が接続されて
いる。上記ROM57には、上記CPU55が各種制御
を行う際に使用されるプログラムやデータの他に、対訳
データベースや意味素性辞書が所定の位置に格納されて
いる。また、RAM58は、本装置の各種状態を保持す
る入出力バッファ等のワークメモリとして使用される他
に、会話文翻訳処理動作時に検索された情報が一時的に
保持されるワークバッファとしても使用される。上記フ
ォント・ビットマップ・メモリ60には日本語と英語との
文字パターンが記憶されており、この文字パターンに基
づいて文字コードから得られたビットマップデータが表
示用メモリ59に保持される。そして、このビットマッ
プデータに基づいて、液晶ディスプレイ51の表示画面
に文字や図形が表示されるのである。
【0225】上記構成において、上記電子ペン54がペ
ン入力タブレット53に触れると、接触されたことがペ
ン入力ドライバ61によって検知されて、接触した表示
画面上の位置を表す情報がバス56を介してCPU55
に送出される。こうして、CPU55によって、上記表
示画面上における指示位置が検出されのである。また、
上記電子ペン54によってペン入力タブレット53上に
書き込まれた文字は、ペン入力ドライバ61によって検
知された接触位置の軌跡に基づいて、ROM57に格納
されている文字認識プログラムに従ってCPU55の文
字認識モジュールによって認識される。こうして認識さ
れた文字が液晶ディスプレイ51上にエコーバックされ
る。また、認識された文字の情報がRAM58の文字入
力バッファに格納されて、アプリケーションで利用され
る。尚、上記液晶ディスプレイ51に対する文字の表示
は、以下のようにして行われる。先ず、CPU55によ
って、出力文字の文字コードに対応するフォントのビッ
トマップデータがフォント・ビットマップ・メモリ60か
ら読み出され、表示用メモリ59の所定の位置に書き込
まれる。こうして、表示用メモリ59に保持されたビッ
トマップデータが、一定間隔で液晶表示ドライバ62に
よって参照されて、その内容が液晶ディスプレイ51に
表示されるのである。
【0226】図30は、本会話文翻訳装置の機能ブロッ
ク図である。以下、簡単に図30と図29との対応につ
いて説明する。図30における解析部66,意味検索部
67,素性要素置換部68および選択部69は、上記C
PU55によって構成されて会話文翻訳処理動作を実行
する。そして、入力会話文から得られた会話用例文の文
字データを上記出力バッファに書き込む。上記対訳デー
タベース71と意味素性辞書72は、ROM57におけ
る所定位置に夫々格納されて、必要に応じて解析部6
6,意味検索部67あるいは素性要素置換部68によっ
て参照される。入力部65は、上記ペン入力タブレット
53,ペン入力ドライバ61およびCPU55によって
構成される。そして、ペン入力タブレット53に接続さ
れたペン入力ドライバ61から送出される座標データに
基づいて、CPU55は入力文字を認識する。そして、
こうして認識された文字の文字コードはRAM58の入
力バッファに格納される。表示部70は、上記CPU5
5,表示用メモリ59,フォント・ビットマップ・メモリ6
0,液晶表示ドライバ62および液晶ディスプレイ51
で構成される。そして、CPU55は、出力バッファに
格納されている文字のビットマップデータを表示用メモ
リ59に書き込み、このビットマップデータに基づい
て、液晶表示ドライバ62は液晶ディスプレイ51上に
文字を表示する。
【0227】以下、上記構成を有する本実施の形態にお
ける会話文翻訳装置の動作について詳細に説明する。本
実施の形態における会話文翻訳装置は、上記対訳データ
ベース71に登録される1つの会話用例文で複数の入力
会話文に対処することができる。これは、会話用例文に
複数組の意味素性列を併記することによって実現する。
本実施の形態における上記会話用例文は、図30に示す
ように、1行目に会話用例文番号が記述され、2行目に
は必要に応じて補足情報が記述され、3行目には第1言
語文(日本語文)による入力会話文が記述され、4行目に
は第1言語文に対応する第2言語文(英語文)が記述さ
れ、5行目以降には重みが付加された意味素性列(必要
によって複数組記述)が記述されている。図32に会話
用例文の具体例を示す。但し、図32では上記補足情報
の記述を省略している。図32においては、会話用例文
3に、意味素性列が「この 近く 病院 教える下さい」
と「病院 場所 知りたい」と「気分 悪い」との3組の
意味素性列が記述されている。また、会話用例文2にお
ける可変意味素性名{風呂}には、重みが「@(0以上の
整数)」の形式で付加されている。この重みの値の記述が
省略されている意味素性は、重みの値は“10"と見な
される。
【0228】尚、上記意味素性列を複数組指定する場合
には、1番目の意味素性列1に記述する各意味素性およ
び可変意味素性は第1言語文から抽出して得る。そし
て、2番目以降の意味素性列nに記述する各意味素性お
よび可変意味素性は、第1言語文と意味的に同一かある
いは似ている第1言語による文を想定し、その想定文か
ら抽出するのである。例えば、図32における会話用例
文3には3組の意味素性列が記述されているが、1番目
の意味素性列1は、第1言語文 「この近くにある病院を教えて下さい。」 から抽出されている。これに対して、2番目の意味素性
列2は、想定文 「病院の場所を知りたい。」 から抽出されている。また、3番目の意味素性列3は、
想定文 「気分が悪いのですが。」 から抽出されている。こうすることによって、互いに似
ている第1言語による3つの入力文「気分が悪い。」,
「病院の場所を知りたいのですが。」,「この近くにある病
院を教えて下さい。」の何れに対しても、「この近くにあ
る病院を教えて下さい。」を第1言語文とする会話用例文
が検索されるのである。すなわち、上記会話用例文の意
味素性列を複数組併記することによって、様々に表現さ
れた入力文に対して1つの第1言語文を対応付けて会話
用例文を効率良く検索できるのである。
【0229】図32に示す対訳データベース71は、実
際には、図33に示すように構成されており、会話用例
文データ・インデックスからのポインタがリンクされ
て、ROM57の所定の領域に格納されて意味検索部6
7によって参照される。図33(a)の如く会話用例文デ
ータ・インデックスとリンクされた会話用例文データ
は、図33(b)に示すように、第1言語文,第2言語文お
よび意味素性列の順に記述され、夫々の区切りには、NU
LLコード(\0)が書き込まれている。意味素性列を複数
組記述する場合にも、各意味素性列はNULLコードで区切
られて併記されている。
【0230】上記意味素性辞書72には、基本意味素性
辞書73と可変意味素性辞書74とが格納されている。
基本意味素性辞書73は第3実施の形態における意味素
性辞書に相当し、固有名詞や動詞等の他の文字列で置換
されない固定的な意味概念を表わす基本意味素性が格納
される。また、可変意味素性辞書74には、第2,第3
実施の形態と同様に、ホテルの部屋の種類や観光場所等
のように、ある一定の基準で幾つかの名詞等に置換可能
な可変意味素性が格納される。尚、可変意味素性の要素
が基本意味素性であっても差し支えない。
【0231】本実施の形態における基本意味素性辞書7
3は、図34に示すように、基本的には第2実施の形態
における図7と同様の記述様式を有している。また、可
変意味素性辞書74は、図35に示すように、基本的に
は第2実施の形態における図8と同様の記述様式を有し
ている。
【0232】上記基本意味素性辞書73および可変意味
素性辞書74の一部は、実際には、図36に示すように
構成されており、図36(b)および図36(c)に示すよう
に、基本意味素性表現および可変意味素性表現の内容で
ある意味素性見出し語と会話用例文番号リストとを対応
付けた形式で、ROM57の所定の領域に格納されて
る。上記意味素性見出し語へは固定長のバイナリサーチ
用インデックスからのポインタがリンクされており、基
本意味素性辞書73を引く場合にはバイナリサーチによ
って意味素性見出し語が検索できるようになっている。
そして、上記NULLコードで区切られた夫々の意味素性見
出し語は、意味素性コードと、代表形(代表形自身はni
l)へのポインタである代表形ポインタと、当該基本意味
素性あるいは可変意味素性が属している会話用例文番号
のリストへのポインタである会話用例文番号リストポイ
ンタを有している。
【0233】上記意味素性コード,代表形ポインタおよ
び会話用例文番号リストポインタは総て固定長で格納さ
れる。ここで、基本意味素性辞書73と可変意味素性辞
書74とでは、意味素性コードの割り当て領域を変えて
ある(例えば、可変意味素性辞書74では2桁までのコ
ードとしておく)ので、基本意味素性辞書73と可変意
味素性辞書74との何れの意味素性コードであるかの判
断は可能である。図36における会話用例文番号リスト
は可変長のレコードで格納されている。この会話用例文
番号リストは、単なる(可変)意味素性が属する会話用例
文番号の集合ではなく、図36(b)における意味素性見
出し語「病院」からリンクされている会話用例文番号リス
トに見られる通り、「会話用例文番号(意味素性列番
号)」の形式で記述される。尚、意味素性列番号は省略
することも可能であるが、その際には、意味素性番号は
“1"と解される。つまり、会話用例文における意味素
性列1が指定されるのである。
【0234】図36に示すように、上記意味素性見出し
語と会話用例文番号リストとを関係付けることによっ
て、ある特定の(可変)意味素性がどの会話用例文のどの
意味素性列に属しているのかを容易に知ることができ
る。また、多くの意味素性列を一つの会話用例文に割り
当てることができ、第1〜第3実施の形態よりも少ない
辞書容量で効率良く多くの入力文を受け付けることがで
きるのである。
【0235】上記可変意味素性辞書74の残りの部分
は、図37(b)に示すような可変意味素性エントリ名−
可変意味素性翻訳表現データに、図37(a)に示すよう
な意味素性コードがリンクされて、ROM57の所定の
領域に格納される。これは、会話用例文における任意の
可変意味素性に該当する文字列の入れ換え候補リストに
相当する。
【0236】以下、上記構成の会話文翻訳装置によって
行われる会話文翻訳処理動作について説明する。図38
は、上記入力部65,解析部66,意味検索部67,素性
要素置換部68,選択部69および表示部70によって
行われる会話文翻訳処理動作のフローチャートである。
以下、図38を参照しつつ、日本語(第1言語文)による
自由な会話文「このあたりにある病院を教えて下さい」
が入力された場合の会話文翻訳処理動作について詳細に
説明する。
【0237】ステップS151で、上記入力部65によっ
て、ユーザによってペン入力された第1言語による会話
文が認識されて、上記入力バファに格納される。ステッ
プS152で、上記解析部66によって、上記入力バファ
に格納された入力会話文が意味素性辞書72を用いて解
析され、入力会話文に含まれている基本意味素性名およ
び可変意味素性名(以下、基本意味素性名と可変意味素
性名とをまとめて単に意味素性名と言い、基本意味素性
と可変意味素性とをまとめて単に意味素性と言う)が抽
出されて上記入力バファに格納される。その際における
意味素性名の抽出は、次のように行われる。すなわち、
先ず、第3実施の形態の場合と同様にして入力会話文の
総ての文字位置を開始位置とする部分文字列を求め、図
36(b)に示す意味素性見出し語との文字列マッチング
を行う(辞書引き)。尚、上記部分文字列と意味素性見出
し語のマッチングは、図36(a)に示すバイナリサーチ
用インデックスを用いてバイナリサーチを行うことで実
現される。
【0238】次に、辞書引きの結果得られた総ての意味
素性見出し語に対して、入力会話文を最も広く覆うよう
な意味素性見出し語の組合わせを一つだけ求め、その意
味素性見出し語の組み合わせを入力会話文から抽出され
た意味素性名の列とする。この動作は、例えば、「荷物」
と「手荷物」のように、ある意味素性が他の意味素性の部
分文字列となっている場合に、両意味素性が同じ意味素
性名に該当している場合には、抽出し得る最長の文字列
を持つ意味素性を抽出できるようにすることを配慮して
いる。
【0239】尚、上記意味素性名の抽出法として、入力
会話文から上記意味素性名の列を複数求める方法もあ
る。その場合には、後に行う会話用例文検索の際に、対
訳データベース71に登録されている各会話用例文にお
ける意味素性列とのマッチングをその複数の上記意味素
性名の列の夫々との間で行って最適な会話用例文を特定
する必要がある。しかしながら、本例においては、会話
文翻訳処理の簡単化のために入力会話文からは上記意味
素性名の列を唯一つだけ抽出することにする。
【0240】本例の場合には、上記基本意味素性辞書7
3および可変意味素性74は、図34および図35に示
すような記述内容を有している。そこで、入力会話文 「このあたりにある病院を教えて下さい。」 からは、 この 近く ある 病院 教える 下さい の6個の意味素性が抽出される。ここで、図34に示す
ように、本例の基本意味素性辞書73では、基本意味素
性名「近く」の基本意味素性表現として「近く」に加えて
「あたり」を定義している。その結果、入力会話文中にお
ける部分文字列「あたり」から基本意味素性名「近く」が抽
出されるのである。このように、意味が似通っている基
本意味素性表現や可変意味素性表現を同一の基本意味素
性名や可変意味素性名の下に記述することによって、文
意が似通った異なる入力会話文から一意の基本意味素性
名あるいは可変意味素性名を抽出でき、多少の表現の違
いを有する入力会話文に対して一つの会話用例文を割り
当てることができるのである。
【0241】また、こうして抽出された意味素性名が可
変意味素性名である(意味素性コードが3桁)場合には、
その意味素性見出し語(可変意味素性名)の他に、図36
(b)の代表形ポインタを辿って得られた代表形(可変意味
素性エントリ名)の文字列をも保持しておく。例えば、
入力会話文が「ツインの部屋が欲しい。」である場合に
は、 {部屋の種類}:ツインルーム 部屋 欲しい の2つの意味素性名と1つの可変意味素性名とが抽出さ
れるのである。ここで、この抽出の結果は、当該会話文
には可変意味素性名が{部屋の種類}である可変意味素
性が含まれており、その可変意味素性エントリ名は「ツ
インルーム」であることを表している。
【0242】ステップS153で、上記意味検索部67に
よって、図36(b)における会話用例文番号リストポイ
ンタが参照されて、上記ステップS152において抽出さ
れた意味素性名を意味素性列に含んでいる会話用例文の
総てが検索される。そして、この検索された会話用例文
は上記ワークバッファに格納される。本例の場合には、
入力会話文「このあたりにある病院を教えて下さい」か
ら抽出された意味素性名は「この 近く ある 病院 教え
る 下さい」であるから、以下のような会話文を第1言語
文とする会話用例文が検索されることになる。 1.ここから病院へ行く方法を教えて下さい。 2.この近くで一番有名な病院を教えて下さい。 3.このあたりにある病院を教えて下さい。 4.病院へ着いたら教えていただけますか。 5.この本を下さい。 6. … これらの会話文は、その表現から明らかなように、「こ
の」,「近く」,「ある」,「病院」,「教える」,「下さい」のうち何
れかの基本意味素性名あるいは可変意味素性名を意味素
性列中に有する会話用例文の第1言語文である。
【0243】ここで、図32における会話用例文3のよ
うに、複数組の意味素性列を有し、そのうちの2組以上
の意味素性列に同一の基本意味素性名あるいは可変意味
素性名が含まれている場合には、夫々の意味素性列に対
して同じ会話用例文が抽出されことになる。つまり、本
ステップにおいて行われる会話用例文の検索作業は、会
話用例文単位と言うよりも意味素性列単位で行われ、夫
々の意味素性列に対応付けられている会話用例文も一緒
に抽出されるのである。このことは、入力会話文から
「病院」という基本意味素性名が抽出されると、図36
(c)に示す会話用例文番号リストから、「会話用例文番号
(意味素性番号)」=「0003(1)」と「0003(2)」
のように、同一会話用例文3が2回検索されることから
理解される。
【0244】ステップS154で、上記意味検索部67に
よって、上記ステップS153において検索された総ての
会話用例文と入力会話文との意味的一致度(以下、単に
一致度と言う)が算出されたか否かが判別される。その
結果、算出されていればステップS157に進み、算出さ
れていなければステップS155に進む。ステップS155
で、上記意味検索部67によって、上記ワークバッファ
に格納されている会話用例文の中から未処理の会話用例
文が1つ読み出されて、上記ワークバッファに格納され
る。ステップS156で、上記意味検索部67によって、
入力会話文と上記ステップS155において読み出された
会話用例文との一致度を算出する一致度計算サブルーチ
ンが実行される。その際に、上記素性要素置換部68に
よる可変意味素性に対する置換処理も同時に行われる。
そうした後、上記ステップS154に戻り、総ての会話用
例文に対する一致度の算出が終了したと判別されるとス
テップS157に進む。
【0245】ステップS157で、上記選択部69によっ
て、上記ステップS156において算出された一致度の値
の高い順に会話用例文が選択される。ここで、幾つの会
話用例文を選択するかは、一致度の値や表示部70の表
示画面の大きさに依存する。本例においては、上記一致
度が60%以上を呈する会話用例文を最大5文まで選択
する。ステップS158で、上記表示部70によって、上
記ステップS157において選択された会話用例文の第1
言語文および第2言語文が表示部70に表示される。そ
うした後に、会話文翻訳処理動作を終了する。
【0246】次に、図38に示す会話文翻訳処理動作の
フローチャートにおける上記ステップS156において実
行される一致度計算サブルーチンについて詳細に説明す
る。このサブルーチンは、図38に示す会話文翻訳処理
動作のフローチャートの上記ステップS153において検
索された会話用例文の中から入力会話文に意味的に最も
近い会話用例文を選択する際に用いられる入力会話文と
各会話用例文との意味的一致度を計算する。
【0247】入力会話文と会話用例文との一致度は以下
の式によって算出される。 一致度(%)={(一致した各意味素性の重みの和)−(会
話用例文に存在して入力会話文に存在しない意味素性の
重みの和)} *100 /(入力会話文から抽出された総ての意味素性
の重みの和) このように、上記一致度は、単に、会話用例文の意味素
性列における入力会話文から抽出された基本意味素性名
あるいは可変意味素性名と一致した要素の数で決まるの
ではなく、入力会話文に含まれていない基本意味素性名
あるいは可変意味素性名が会話用例文の意味素性列中に
存在する場合には一致度の値は低くなるようになってい
る。
【0248】図38に示す会話文翻訳処理動作のフロー
チャートにおける上記ステップS155において未処理
の会話用例文が1つ読み出されると一致度計算サブルー
チンがスタートする。ステップS161で、一致度のプラ
スの値であるスコアS(k)とマイナスの値の基となるペ
ナルティP(k)との値が0に初期化される。ここで、
“k"は処理対象となる意味素性列の当該会話用例文に
おける意味素性列番号である。ステップS162で、当該
意味素性列kに存在する総ての可変意味素性名に関する
処理が終了したか否かが判別される。その結果、終了し
ていればステップS168に進み、終了していなければス
テップS163に進む。
【0249】ステップS163で、上記ワークバッファに
格納されている当該会話用例文の意味素性列kから可変
意味素性名Vi(i:意味素性列k中における意味素性名
の番号)が読み出される。ステップS164で、図38に示
す会話文翻訳処理動作のフローチャートにおける上記ス
テップS152において、入力会話文から、上記読み出さ
れた可変意味素性名Viと同一の可変意味素性名が抽出
されているか否かが判別される。こうして、当該会話用
例文の第1言語文における可変意味素性名Viに該当す
る文字列が入力会話文における文字列で置換可能である
か否かが判別される。その結果、置換可能であれば(同
一の可変意味素性名が抽出されていれば)ステップS165
に進み、置換可能でなければ(同一の可変意味素性名が
抽出されていなければ)上記ステップS162に戻って総て
の可変意味素性名に関する処理の終了の判別が行われ
る。ステップS165で、上記素性要素置換部68によっ
て、当該会話用例文の第1言語文における可変意味素性
名Viに該当する文字列が、入力会話文における同一可
変意味素性名に該当する文字列の可変意味素性エントリ
名で置換される。さらに、第2言語文における可変意味
素性名Viに該当する文字列が、当該可変意味素性エン
トリ名に対応する可変意味素性翻訳表現で置換される。
ステップS166で、上記可変意味素性名Viに付加されて
いる重みW(Vi)が、ポイントS(k)に加算される。ステ
ップS167で、当該可変意味素性名Viにマークが付与さ
れた後、上記ステップS162に戻って総ての可変意味素
性名に関する処理の終了が判別される。そして、当該意
味素性列kに存在する総ての可変意味素性名に関する処
理が終了したと判別されると、ステップS168に進む。
【0250】ステップS168で、当該意味素性列kに存
在する総ての基本意味素性名に関する処理が終了したか
否かが判別される。その結果、終了していればステップ
S173に進み、終了していなければステップS169に進
む。ステップS169で、上記ワークバッファに格納され
ている当該会話用例文の意味素性列kから基本意味素性
名Fiが読み出される。ステップS170で、図38に示す
会話文翻訳処理動作のフローチャートにおける上記ステ
ップS152において、入力会話文から、上記読み出され
た基本意味素性名Fiと同一の基本意味素性名が抽出さ
れているか否かが判別される。その結果、同一の基本意
味素性名が抽出されていればステップS171に進み、同
一の基本意味素性名が抽出されていなければ上記ステッ
プS168に戻って総ての基本意味素性名に関する処理の
終了の判別が行われる。ステップS171で、上記基本意
味素性名Fiに付加されている重みW(Fi)が、ポイント
S(k)に加算される。ステップS172で、当該基本意味素
性名Fiにマークが付与された後、上記ステップS168に
戻って総ての基本意味素性名に関する処理の終了が判別
される。そして、当該意味素性列kに存在する総ての基
本意味素性名に関する処理が終了したと判別されると、
ステップS173に進む。
【0251】ステップS173で、入力会話文から抽出さ
れた総ての意味素性名に付加されている重みW(j)(j:
入力会話文中における意味素性名)の和Iwが算出され
る。ステップS174で、上記ステップS167あるいはステ
ップS172においてマークが付与されなかった意味素性
名Siが求められる。ステップS175で、上記意味素性名
Siに付加されている重みW(Si)がペナルティP(k)に
加算される。ステップS176で、当該意味素性列kに存
在する総ての意味素性名に関する処理が終了したか否か
が判別される。その結果、終了していればステップS17
7に進み、終了していなければ上記ステップS174に戻っ
て次のマークが付与されなかった意味素性名Siの処理
に移行する。ステップS177で、最終的に得られたポイ
ントS(k),ペナルティP(k)および重みW(j)の和Iwの
値を用いて、以下の式によって、一致度S(k)(%)が算
出される。 S(k)=(S(k)−P(k))*100/Iw そうした後、一致度計算サブルーチンを終了して、図3
8に示す会話文翻訳処理動作のフローチャートにおける
上記ステップS154にリターンするのである。
【0252】このように、本例においては、上記会話用
例文における意味素性列は、第1言語文から抽出した意
味素性列と第1言語文と意味的に同一か意味的似にてい
る想定文から抽出した意味素性列との複数組を併記す
る。そして、基本意味素性辞書73を構成するに際し
て、バイナリサーチ用インデックスからのポインタがリ
ンクされた意味素性見出し語と、「会話用例文番号(意
味素性列番号)」の形式で記述された会話用例文番号リ
ストとを、会話用例文番号リストポインタを介して関連
付けている。したがって、上記会話用例文に併記された
複数組の意味素性列に同一意味素性名が存在する場合に
は、当該意味素性名をキーとして基本意味素性性辞書7
3を検索することによって、当該意味素性名が存在する
夫々の意味素性列に対して同じ会話用例文が複数回検索
される。すなわち、本例によれば、意味的に同一な入力
会話文や意味的に似ている入力会話文に対して1つの会
話用例文で対処でき、意味的に同一の第1言語文が記述
された会話用例文を沢山対訳データベース71に登録す
る必要がない。したがって、第1〜第3実施の形態に比
較して、対訳データベース71の容量を少なくできる。
【0253】次に、使用場面や相手によって異なる翻訳
文となるべき入力会話文にも対処できる会話文翻訳処理
について説明する。本例においては、図40に示すよう
に、入力会話文「料金はいくら?」を入力すると、意味検
索部67によって検索された会話用例文の第1言語文が
液晶ディスプレイ51に表示される。その際に、上記第
1言語文が使用される「場面」等の補足情報も合わせて表
示するのである。尚、上記補足情報としては、上述の
「場面」に限らず、主に男性・女性のどちらが使用すべき
文であるかを示す「性別」や畏まった文であるのか口語調
であるのかを示す「文体」等であっても良い。どのような
情報を補足情報とするかは、その補足情報が付与される
会話用例文の第2言語文の性質に依存する。
【0254】上述のような補足情報の表示を可能にする
ために、本例における対訳データベース71に登録する
会話用例文には補足情報を記述する。図41は、上記補
足情報が記述された会話用例文の例を示す。会話用例文
103および会話用例文104の場合には、同じ第1言
語文「料金は幾らですか。」に対して、異なる単語「fee」
と「fare」とを用いた二種類の第2言語文が存在するの
で、夫々の第2言語文に対する補足情報が2行目に記述
されている。尚、第1言語文が、「バスの料金はいくら
ですか。」や「メトロポリタン歌劇場の入場料はいくらで
すか。」のように、交通機関や入場場所等が明らかな文で
ある場合には、図41に示す会話用例文1の如く補足情
報は記述しない。
【0255】上記補足情報が記述された対訳データベー
ス71に基づく会話文翻訳処理は、基本的には、図38
に示す会話文翻訳処理動作のフローチャートに従って実
行される。但し、上記ステップS157において行われる
会話用例文の選択は、上述の場合とは多少異なり以下の
ように行われる。すなわち、先ず、図40に示すよう
に、上記一致度に基づいて選択された第1言語文は同一
であるが第2言語文は異なる複数の会話用例文夫々の第
1言語文と補足情報との対が、会話用例文選択のメニュ
ー画面として表示される。そして、電子ペン54によっ
て、1つの補足情報が指定されると、この指定された補
足情報が記述されている会話用例文が選択されてその選
択情報が表示部70に送出される。そして、上記ステッ
プS178において、上記選択された会話用例文の第1言
語文と第2言語文とが表示されるのである。
【0256】このように、本例においては、上記会話用
例文に第1言語文が使用される「場面」や「性別」や「文体」
等の補足情報を記述する。そして、図38に示す会話文
翻訳処理動作のフローチャートにおける上記ステップS
158において行われる会話用例文の選択に際しては、先
ず、上記一致度に基づいて選択された第1言語文は同一
であるが第2言語文は異なる複数の会話用例文夫々の第
1言語文と補足情報との対を表示する。そして、1つの
補足情報が指定されると、この指定された補足情報が記
述されている会話用例文が選択されるようにしている。
したがって、上記意味検索部67によって検索された第
1言語文が同一である複数会話用例文の中から、使用場
面や相手に即した第2言語文が記述された会話用例文を
正しく選出することができる。すなわち、本例によれ
ば、使用場面や相手によって異なる翻訳文となるべき入
力会話文にも対処できる。
【0257】次に、意味的重要度が低い意味素性の存在
が評価値に影響を与えない会話文翻訳処理について説明
する。本例においては、上記対訳データベース71に登
録される会話用例文における意味素性列に記述する基本
意味素性として、オプショナルな意味素性を定義するの
である。このオプショナルな意味素性とは、入力会話文
中に存在していなくても会話用例文の評価値を下げるこ
とがない意味素性である。
【0258】上記会話用例文の意味素性列に対するオプ
ショナルな意味素性の記述は、図42の会話用例文20
2に示すように、「(基本意味素性名)」の形式で行われ
る。その際に、オプショナルな意味素性に対応する基本
意味素性名の基本意味素性辞書73への記述は、通常の
基本意味素性名と同様に、「( )」を外して基本意味素性
名を表す文字列のみを記述する。このように、上記オプ
ショナルな意味素性を定義することによって、第1言語
文が「私は日本から来ました。」である会話用例文202
の場合には、「私」が省略された「日本から来ました。」と
いう入力会話文に対しても、意味検索部67による会話
用例文検索に際して評価値を下げることなく検索される
のである。
【0259】以下、上記入力部65から入力会話文「日
本から来ました。」が入力され、解析部66によって「日
本 から 来る」の3つの意味素性が抽出された場合を例
に、意味検索部67による会話用例文202の検索処理
動作について説明する。
【0260】先ず、上記オプショナルな意味素性の定義
が行われていない意味素性列を有する会話用例文の場
合、その会話用例文の意味素性列と入力会話文から抽出
された意味素性名の列とは、夫々次のようになる。 入力会話文: 日本 から 来る 会話用例文: 私 日本 から 来る ここで、特に「@(0以上の整数)」の型式によって重みが
付加されていない意味素性の重みは10と見なされる。
したがって、図39に示す一致度計算サブルーチンによ
って算出される一致度は、基本意味素性名「私」に該当す
る文字列が入力会話文から抽出されていないので、 一致度={(重み「日本」+重み「から」+重み「来る」)−重み「私」}*100 /(重み「日本」+重み「から」+重み「来る」) ={(10+10+10)−10}*100/30 =66.7% となり、会話用例文の意味素性列に基本意味素性名「私」
が存在するために低下してしまう。
【0261】そこで、会話用例文の第1言語文から「私」
を予め除去しておけば、このような問題は回避できそう
に見える。ところが、逆に入力会話文「私は日本から来
ました。」に対しては、当該入力会話文から抽出された意
味素性名の列と第1言語文から「私」を除去した会話用例
文の意味素性列とは、夫々次のようになる。 入力会話文 : 私 日本 から 来る「 私」を除去した会話用例文: 日本 から 来る したがって、ー致度は、 一致度=(重み「日本」+重み「から」+重み「来る」)*100 /(重み「私」+重み「日本」+重み「から」+重み「来る」) =(10+10+10)*100/40 =75% となり、入力会話文に「私」が存在するためにやはり低下
してしまう。
【0262】本来であれば、基本意味素性名「私」は会話
用例文の第1言語文では殆ど重要な意味を有してはいな
いので、入力会話文に「私」が存在しても存在しなくても
一致度は100%となることが望ましい。本例の場合に
は、会話用例文202の意味素性列に、オプショナルな
意味素性である基本意味素性名「(私)」を記述している。
したがって、入力会話文から抽出された意味素性名の列
と会話用例文202の意味素性列とは、夫々次のように
なる。 入力会話文 : 日本 から 来る 会話用例文202: (私) 日本 から 来る
【0263】ここで、本例における一致度の算出は以下
のようにして算出する。図43は、本例における一致度
計算サブルーチンの一部分を示すフローチャートであ
る。本例における一致度計算サブルーチンは、図39に
示す一致度計算サブルーチンにおける上記ステップS17
5でのペナルティP(k)の算出を、マークが付与されてい
ない意味素性名Siがオプショナルな意味素性である場
合にはスキップするようにしている。すなわち、図43
に示すように、図39の一致度計算サブルーチンにおけ
る上記ステップ174で、マークが付与されなかった意味
素性名Siが求められるとステップ178に移行する。そし
て、ステップ178で、上記求められた意味素性名Siはオ
プショナルな意味素性であるか否かが判別される。その
結果、オプショナルな意味素性ではない場合には上記ス
テップ175に移行してペナルティP(k)の更新を行う。一
方、オプショナルな意味素性である場合には上記ステッ
プ175をスキップしてペナルティP(k)の更新は行わない
のである。
【0264】その結果、本例においては、以下のように
一致度が算出される。すなわち、入力会話文が「日本か
ら来ました。」である場合には、オプショナルな意味素性
である基本意味素性名「私」に対するペナルティP(k)の
更新は行わなれない。したがって、一致度は、 一致度=(重み「日本」+重み「から」+重み「来る」)*100 /(重み「日本」+重み「から」+重み「来る」) =(10+10+10)*100/30 =100% となり、恰も、会話用例文202の意味素性列に基本意
味素性名「私」が存在しないように一致度が算出されて、
望ましい一致度が得られる。
【0265】また、入力会話文「私は日本から来まし
た。」が入力された場合には、入力会話文から抽出された
意味素性名の列と会話用例文202の意味素性列とは、
夫々次のようになる。 入力会話文 : 私 日本 から 来る 会話用例文202: (私) 日本 から 来る この場合には、オプショナルな意味素性である基本意味
素性名「私」にはマークが付与されるので、基本意味素性
名「私」に対するペナルティP(k)の更新は行われない。
したがって、一致度は、 一致度=(重み「私」+重み「日本」+重み「から」+重み「来る」)*100 /(重み「私」+重み「日本」+重み「から」+重み「来る」) =(10+10+10+10)*100/40 =100% となり、恰も、会話用例文202の意味素性列に通常の
基本意味素性名「私」が存在するように一致度が算出され
て、望ましい一致度が得られる。
【0266】このように、本例においては、会話用例文
の意味素性列における意味的重要度が低い意味素性を表
す「(基本意味素性名)」の形式で記述されるオプショナ
ルな意味素性を定義する。そして、図39に示す一致度
計算サブルーチンにおける上記ステップS175において
ペナルティP(k)の算出を行うに際しては、オプショナ
ルな意味素性に対するペナルティP(k)の算出は行わな
いようにしている。したがって、上記オプショナルな意
味素性が存在する意味素性列を有する会話用例文の一致
度は、当該オプショナルな意味素性が存在しない入力会
話文に対して、当該オプショナルな意味素性の非存在が
原因となって低下することはない。すなわち、本例によ
れば、些細な入力表現の違いによる評価値の低下を防
ぎ、意味的重要度の低い意味素性の存在が評価値に影響
を与えないようにできる。
【0267】次に、数字列やアルファベット列が存在す
る入力会話文にも対処できる会話文翻訳処理について説
明する。本例における解析部66は、内蔵しているオー
トマトンプログラムに従って、入力文字列全体を走査し
て、意味素性辞書72に直接登録できないような特定文
字列(例えば、任意の数字列やアルファベット列等)を検
索し、その検索された特定文字列に対応付けられている
可変意味素性名を検索結果として出力するオートマトン
処理手段を有している。また、上記対訳データベース7
1に登録される各会話用例文における意味素性列を成す
可変意味素性として予約可変意味素性を定義する。この
予約可変意味素性は、上記特定文字列に該当する文字列
を可変意味素性表現および可変意味素性エントリ名とす
る可変意味素性であり、その意味素性列での記述形式は
「{R可変意味素性名}」である。
【0268】ところで、図38に示す会話文翻訳処理動
作のフローチャートにおける上記ステップ152において
は、解析部66によって、入力会話文から求めた部分文
字列と図36(b)における意味素性見出し語とのマッチ
ング行い、このマッチング結果に基づいて入力会話文か
ら意味素性名を抽出している。本例においては、上述の
意味素性名抽出処理を行う前に、解析部66のオートマ
トン処理手段によって上述のオートマトン検索処理を行
い、入力会話文から検索された上記特定文字列に対応付
けられている可変意味素性名を出力するのである。その
際に、検索された可変意味素性名の可変意味素性エント
リ名として検索された特定文字列自身も併せて出力す
る。
【0269】例えば、上記オートマトンプログラムとし
て、部屋番号として定義された3桁の数字からなる特定
文字列を検索するアルゴリズムが設定されているとす
る。そして、入力会話文「502号室の鍵をお願いしま
す。」が入力された場合には、先にオートマトン処理手段
によるオートマトン検索処理が行われ、その後、上述の
通常の意味素性名抽出処理が行われて、 {R部屋番号}:502 号室 鍵 お願い の4つの意味素性が抽出される。ここで、「号室」,「鍵」
および「お願い」は、基本意味素性辞書73に登録されて
いる基本意味素性である。また、「{R可変意味素性名}」
の型式で表された「{R部屋番号}」は、解析部66による
オートマン検索処理によって検索された可変意味素性で
あり、その可変意味素性エントリ名は文字列「502」で
ある。
【0270】上述のことは、恰も、可変意味素性辞書7
4に、 可変意味素性名 可変意味素性エントリ名 可変意味素性翻訳表現 可変意味素性表現 {R部屋番号} 101 101 101 102 102 102 : : 999 999 999 の如く可変意味素性が登録されているのと同等の意味素
性名抽出処理が行われたことを意味する。つまり、本例
によれば、任意長の数字列やアルファベット列等を可変
意味素性として扱うことが可能となるのである。
【0271】本例における上記オートマン検索処理用の
オートマトンプログラムは、上記特定文字列と可変意味
素性名との対応を直接プログラム化したものである。し
かしながら、本実施の形態はこれに限定されるものでは
なく、システム設計者が正規表現等で文字列パターンの
定義を行ったものを可変意味素性辞書74に登録してお
き、変換系によって上記文字列パターンを認識できるオ
ートマンプログラムに変換して得られたオートマトンプ
ログラムであってもよい。
【0272】このように、本例においては、上記解析部
66に、意味素性辞書72に直接登録できないような特
定文字列を入力会話文から検索し、この検索された特定
文字列に対応付けられている可変意味素性名と可変意味
素性エントリ名(当該特定文字列)とを出力するオートマ
トン処理手段を設けている。したがって、解析部66に
よる意味素性名抽出処理に際して、恰も、可変意味素性
辞書74に当該特定文字列を可変意味素性表現とする可
変意味素性が登録されているが如く、上記特定文字列を
可変意味素性エントリ名とする可変意味素性名を抽出で
きる。すなわち、上記意味素性辞書72に直接登録でき
ないような特定文字列にも一定の意味素性を付与するこ
とができ、数字列やアルファベット列が存在する入力会
話文にも対処できるのである。
【0273】次に、対を成す第1言語文の構成要素と第
2言語文の構成要素とのうちの第2言語文の構成要素に
相当する語を入力会話文から省略できる会話文翻訳処理
について説明する。本例においては、上記対訳データベ
ース71に登録される会話用例文における意味素性列を
成す可変意味素性として、オプショナルな可変意味素性
を定義するである。このオプショナルな可変意味素性と
は、第1言語文の構成要素と第2言語文の構成要素との
うち、対応する第1言語文の構成要素を持たない第2言
語文の構成要素に該当する可変意味素性である。
【0274】上記可変意味素性辞書74に対するオプシ
ョナルな可変意味素性の記述は、図44に示すように、
その可変意味素性名は「{S可変意味素性名}」の型式で
記述され、可変意味素性翻訳表現に対応する可変意味素
性エントリ名として「nil(空文字列であることを表す予
約語)」を記述することによって行われる。こうして、第
2言語における文字「a」に対応する第1言語における
文字が存在しないことを明示的に示すのである。また、
上記対訳データベース71に登録される各会話用例文に
おける意味素性列への上記オプショナルな可変意味素性
の記述も「{S可変意味素性名}」の形式で行われる。
【0275】ここで、本例における可変意味素性に対す
る置換処理は、以下のようにして行う。図45は、本例
における一致度計算サブルーチンの可変意味素性置換処
理に関する部分のフローチャートである。本例における
置換処理は、図39に示す一致度計算サブルーチンにお
ける上記ステップS164で置換不可能である(入力会話文
から同一の可変意味素性名が抽出されていない)と判別
されると、当該可変意味素性名Viがオプショナルな可
変意味素性である場合には、「NULL(空文字列)」で置換す
るようにしている。
【0276】すなわち、図45に示すように、図39に
示す一致度計算サブルーチンにおける上記ステップS16
4で、置換可能ではないと判別されるとステップS181に
移行する。そして、ステップS181で、当該可変意味素
性名Viはオプショナルな可変意味素性であるか否かが
判別される。その結果、オプショナルな可変意味素性で
あればステップS182に進む一方、オプショナルな可変
意味素性でなければ上記ステップS162に戻る。尚、上
記オプショナルな可変意味素性の判定は、図37(a)に
示す意味素性コードに当該可変意味素性名Viのコード
が存在するか否かで判定する。ステップS182で、当該
会話用例文の第1言語文における可変意味素性名Viに
該当する文字列が「NULL(空文字列)」で置換される。さら
に、第2言語文における可変意味素性名Viに該当する
文字列が、可変意味素性エントリ名「nil」に対応する可
変意味素性翻訳表現で置換される。そうした後、図39
に示す一致度計算サブルーチンにおける上記ステップS
166に進むのである。
【0277】以下、入力会話文が「その本を下さい。」で
ある場合と、入力会話文が「本を下さい。」である場合と
を例に、本例における会話文翻訳処理について具体的に
説明する。今、上記可変意味素性辞書74の登録内容は
図44の通りであり、対訳データベース71には以下の
ような会話用例文が登録されているものとする。 会話用例文n {この}本を下さい。 I'd like to buy {this} book. {Sこの・その} 本 下さい
【0278】入力会話文が「その本を下さい」である場合
には、抽出される意味素性は {Sこの・その}:その 本 下さい である。この場合には、入力会話文から抽出された意味
素性中に可変意味素性名{Sこの・その}が存在し、会
話用例文nの意味素性列にも可変意味素性名{Sこの・
その}が存在する。したがって、図45に示すフローチ
ャートにおける上記ステップS164で、当該可変意味素
性名{Sこの・その}は置換可能であると判別される。
したがって、図44に示す可変意味素性辞書74から可
変意味素性エントリ名「その」と可変意味素性翻訳表現「t
he」との組み合わせを得て、上述の置換処理が行われ
る。その結果、以下の如く新たな第1言語文と第2言語
文とが得られる。 第1言語文 {その}本を下さい。 第2言語文 I'd like to buy {the} book.
【0279】次に、入力会話文が「本を下さい」である場
合には、抽出される意味素性は 本 下さい である。この場合には、入力会話文から抽出された意味
素性中に、会話用例文nの意味素性列に存在する可変意
味素性名{Sこの・その}は存在しない。したがって、
図45に示すフローチャートにおける上記ステップS16
4で、当該可変意味素性名{Sこの・その}は置換不可能
であると判別される。ところが、会話用例文nの意味素
性列に存在する可変意味素性名{Sこの・その}はオプシ
ョナルな可変意味素性であるから、上記ステップS182
において、図44に示す可変意味素性辞書74から可変
意味素性エントリ名「nil」に対応する可変意味素性翻訳
表現「a」を得て、上述の置換処理が行われる。その結
果、以下の如く新たな第1言語文と第2言語文とが得ら
れる。 第1言語文 本を下さい。 第2言語文 I'd like to buy {a} book. その結果、第2言語における冠詞に相当する語が欠落し
た会話文が入力されても、相応しい冠詞が付加されて違
和感の無い第2言語文が得られるのである。
【0280】このように、本例においては、上記可変意
味素性翻訳表現に対応する可変意味素性エントリ名が存
在しない可変意味素性として、可変意味素性名が「{S
可変意味素性名}」であって可変意味素性エントリ名が
「nil」であるオプショナルな可変意味素性を定義する。
そして、図45に示す一致度計算サブルーチンにおける
上記ステップS164およびステップS181において、当該
会話用例文の当該可変意味素性名は置換不可能であって
オプショナルな可変意味素性名であると判別されると、
当該会話用例文の第1言語文におけるオプショナルな可
変意味素性名に該当する文字列を「NULL」で置換し、第2
言語文における当該オプショナルな可変意味素性名に該
当する文字列を可変意味素性エントリ名「nil」に対応す
る可変意味素性翻訳表現で置換するようにしている。し
たがって、会話用例文における対を成す第1言語文の構
成要素と第2言語文の構成要素との第1言語文の構成要
素に相当する語が、入力会話文から省略された場合でも
対処できる。
【0281】すなわち、本例においては、日本語におい
てはあまり使用しないような英語の冠詞に相当する語が
日本語での入力会話文から欠落しても、自動的に相応し
い冠詞が付加されて違和感の無い英語文が得られる。
【0282】次に、対を成す第1言語文の構成要素と第
2言語文の構成要素との第2言語文を省略できる会話文
翻訳処理について説明する。本例においては、上記対訳
データベース71に登録される会話用例文における意味
素性列を成す可変意味素性として、パッシブな可変意味
素性を定義するである。このパッシブな可変意味素性と
は、第1言語文の構成要素と第2言語文の構成要素との
うち、対応する第2言語文の構成要素を持たない(空文
字列である)第1言語文の構成要素に該当する可変意味
素性である。
【0283】上記可変意味素性辞書74に対するパッシ
ブな可変意味素性の記述は、図46に示すように、その
可変意味素性名は「{S可変意味素性名}」の型式で記述
し、可変意味素性エントリ名に対応する可変意味素性翻
訳表現として「nil(空文字列であることを表す予約語)」
が記述される。また、上記対訳データベース71に登録
される各会話用例文における意味素性列への上記パッシ
ブな可変意味素性の記述も「{S可変意味素性名}」の形
式で行われる。尚、ある可変意味素性がパッシブな可変
意味素性であるか否かを内部的に判断する場合には、図
37(a)に示す意味素性コードが存在するか否かで判断
する。
【0284】ここで、本例における可変意味素性に対す
る置換処理は、以下のようにして行う。図47は、本例
における一致度計算サブルーチンの可変意味素性置換処
理に関する部分のフローチャートである。本例における
置換処理では、図39に示す一致度計算サブルーチンに
おける上記ステップS164で置換可能である(入力会話文
から同一の可変意味素性名が抽出されている)と判別さ
れると、当該可変意味素性名Viがパッシブな可変意味
素性である場合には、第2言語文を「NULL(空文字列)」で
置換するようにしている。
【0285】すなわち、図47に示すように、図39に
示す一致度計算サブルーチンにおける上記ステップS16
4で、置換可能であると判別されるとステップS185に移
行する。そして、ステップS185で、当該可変意味素性
名Viはパッシブな可変意味素性であるか否かが判別さ
れる。その結果、パッシブな可変意味素性であればステ
ップS186に進む一方、パッシブな可変意味素性でなけ
れば上記ステップS165に進んで通常の置換処理が行わ
れた後、上記ステップS166に進む。ステップS186で、
当該会話用例文の第2言語文における可変意味素性名V
iに該当する文字列が「NULL(空文字列)」で置換される。
そうした後、上記ステップS166に進むのである。
【0286】以下、入力会話文が「コップを二つお願い
します。」である場合を例に、本例における会話文翻訳処
理について具体的に説明する。この場合、入力会話文に
は、英語には対応する単語が存在しない単語であって、
「数」を表す際に使用される接尾語「つ」が存在している。
今、上記可変意味素性辞書74の登録内容は図46の通
りであるとすると、入力会話文から抽出される意味素性
は コップ {n数字} {S単位} お願い となる。この場合には、検索された会話用例文の意味素
性列にはパッシブな可変意味素性名{S単位}が存在
し、第2言語文には可変意味素性名{S単位}に該当す
る文字列が記述されていない。したがって、図47に示
すフローチャートにおける上記ステップS186で、図4
6に示す可変意味素性辞書74から可変意味素性エント
リ名「つ」に対応した可変意味素性翻訳表現「NULL(空文字
列)」を得て、上述の置換処理が行われる。その結果、以
下の如く新たな会話用例文mが得られる。 会話用例文m コップを{二}{つ}、お願いします。 {2}glasses, please. コップ {n数字} {S単位} お願い その結果、数に付加する接尾語のように、相当する語が
第2言語文に存在しないような第1言語での語が入力会
話文に存在しても、検索された会話用例文の第2言語文
における当該語が空文字列に置換されて違和感の無い第
2言語文が得られるのである。
【0287】このように、本例においては、上記可変意
味素性エントリ名に対応する可変意味素性翻訳表現が存
在しない可変意味素性として、可変意味素性名が「{S
可変意味素性名}」であって可変意味素性翻訳表現が「ni
l」であるパッシブな可変意味素性を定義する。そして、
図47に示す一致度計算サブルーチンにおける上記ステ
ップS164およびステップS185において、当該会話用例
文の当該可変意味素性名は置換可能であって且つパッシ
ブな可変意味素性名であると判別されると、当該会話用
例文の第2言語文におけるパッシブな可変意味素性名に
該当する文字列を「NULL」で置換するようにしている。し
たがって、会話用例文における対を成す第1言語文の構
成要素と第2言語文の構成要素との第2言語文の構成要
素に相当する語が存在しないような第1言語での語を用
いた入力会話文にも対処できる。
【0288】すなわち、本例においては、英語では登場
しないような日本語の数に付加する接尾語「つ」に相当す
る語が日本語での入力会話文に存在しても、対応する第
2言語文として空文字列に自動的に置換されて違和感の
無い英語文が得られる。
【0289】上述のように、本実施の形態においては、
上記会話用例文の意味素性列を、第1言語文から抽出し
た意味素性列と第1言語文と意味的に同一か意味的似に
ている想定文から抽出した意味素性列との複数組を併記
する。そして、意味検索部67によって会話用例文を検
索する場合には、各会話用例文における個々の意味素性
列単位で検索するようにしている。したがって、上記会
話用例文に併記された個々の意味素性列に同一意味素性
名が存在する場合には、当該意味素性名をキーとした検
索によって上記個々の意味素性列に対して同じ会話用例
文が複数回検索される。すなわち、本実施の形態によれ
ば、意味的に同一な入力会話文や意味的に似ている入力
会話文に対して1つの会話用例文で対処でき、対訳デー
タベース71の容量を少なくできる。
【0290】また、本実施の形態においては、会話用例
文に第1言語文が使用される「場面」や「性別」や「文体」等
の補足情報を記述する。そして、選択部69によって会
話用例文を選択する場合には、上記一致度に基づいて選
択された第1言語文は同一であるが第2言語文は異なる
複数の会話用例文夫々の第1言語文と補足情報との対を
表示し、ユーザによって指定された1つの補足情報に対
応付けられた会話用例文を選択するようにしている。し
たがって、同一の会話用例文から使用場面や相手に即し
た第2言語文が記述された会話用例文を正しく選出する
ことができ、使用場面や相手によって異なる翻訳文とな
るべき入力会話文にも対処できる。
【0291】また、本実施の形態においては、基本意味
素性として「(基本意味素性名)」の形式で記述されるオ
プショナルな意味素性を定義する。そして、意味検索部
67によってペナルティP(k)を算出するに際しては、
オプショナルな意味素性に対するペナルティP(k)の算
出は行わないようにする。したがって、入力会話文にオ
プショナルな意味素性に該当する語句が存在しないため
に一致度が低下することはない。すなわち、本実施の形
態によれば、意味的重要度が低いために省略され易い基
本意味素性をオプショナルな意味素性とすることによっ
て、些細な入力表現の違いによる評価値の低下を防ぐこ
とができる。
【0292】また、本実施の形態においては、上記解析
部66にオートマトン処理手段を設けて、意味素性辞書
72に直接登録できないような特定文字列を入力会話文
からオートマトン検索するようにしている。したがっ
て、可変意味素性辞書74に上記特定文字列を可変意味
素性表現とする可変意味素性が登録されているが如く、
入力会話文から上記特定文字列を可変意味素性エントリ
名とする可変意味素性名を抽出することができる。すな
わち、本実施の形態によれば、上記意味素性辞書72に
直接登録できないような数字列やアルファベット列が存
在する入力会話文にも対処できる。
【0293】また、本実施の形態においては、上記可変
意味素性翻訳表現に対応する可変意味素性エントリ名が
存在しない可変意味素性として、可変意味素性名が
「{S可変意味素性名}」であって可変意味素性エントリ
名が「nil」であるオプショナルな可変意味素性を定義す
る。そして、意味検索部67および素性要素置換部68
によってオプショナルな可変意味素性に対する置換処理
を行う場合には、会話用例文の第1言語文における置換
不可能であるオプショナルな可変意味素性名に該当する
文字列を「NULL」で置換し、第2言語文における当該オプ
ショナルな可変意味素性名に該当する文字列を可変意味
素性エントリ名「nil」に対応する可変意味素性翻訳表現
で置換するようにしている。したがって、本実施の形態
によれば、日本語ではあまり使用しない英語の冠詞「a」
に相当する語が日本語での入力会話文から欠落しても、
自動的に相応しい冠詞「a」が付加されて違和感の無い英
語文が得られる。
【0294】また、本実施の形態においては、上記可変
意味素性エントリ名に対応する可変意味素性翻訳表現が
存在しない可変意味素性として、可変意味素性名が
「{S可変意味素性名}」であって可変意味素性翻訳表現
が「nil」であるパッシブな可変意味素性を定義する。そ
して、意味検索部67および素性要素置換部68によっ
てパッシブな可変意味素性に対する置換処理を行う場合
には、会話用例文の第2言語文におけるパッシブな可変
意味素性名に該当する文字列を「NULL」で置換するように
している。したがって、本実施の形態によれば、「数」に
付加する接尾語「つ」のように英語では使用しない語句が
日本語での入力会話文に存在しても、対応する第2言語
文として空文字列に自動的に置換されて違和感の無い英
語文が得られる。
【0295】<第5実施の形態>上述した第1実施の形
態では、入力会話文から辞書を参照して意味素性を抽出
し、対訳データベースに第1言語文から抽出された意味
素性列が付加された会話用例文を登録し、上記抽出され
た意味素性とマッチングのよい意味素性列を有する会話
用例文を選択し、選択された会話用例文の第1言語文と
第2言語文とを表示する会話文翻訳装置を提案してい
る。そして、第2実施の形態では、上記意味素性の1つ
として交通機関や場所のように入力会話文の内容によっ
て変更可能な可変意味素性を定義して登録する会話用例
文数の減少を図り、第3実施の形態では、入力会話文や
会話用例文中に同じ可変意味素性が存在する場合におけ
る誤った会話用例文の出力や不自然な会話用例文の出力
への対策を図り、第4実施の形態では、意味の異なる入
力会話文や些細な入力表現の違いにも少ない会話用例文
で的確に対応して使用場面や相手に応じた会話用例文を
得る等の翻訳文の高品質化を図っている。
【0296】しかしながら、上述した会話文翻訳装置に
おいても、まだ、入力に手間が掛かる割りに、入力した
文にぴったり同じ第1言語文が表示されない場合が生ず
る。例えば、「明日の3時にヒースローから東京へ行く
飛行機の禁煙席を予約して欲しい。」と言う会話文を入力
しても、登録されている会話用例文の第1言語文として
「明日の飛行機を予約したい」が最も入力会話文に近いと
すると、苦労して長い文を入力してもその半分は徒労と
なってしまうのである。
【0297】そこで、本実施の形態においては、短い入
力会話文を修正することによって選択される会話用例文
を徐々に絞り込み、目的とする会話用例文を簡単な入力
会話文で得ることができる会話文翻訳装置について説明
する。
【0298】図48は本実施の形態における概略構成図
であり、図49は機能ブロック図である。図48に示す
ように、本会話文翻訳装置は、CPU85,主記憶部8
6および入出力チャネル87を有して入力会話文を翻訳
する翻訳処理部81と、翻訳処理時に使用される辞書等
を記憶する補助記憶装置82と、第1言語による自由な
会話文が入力されるキーボード,手書き認識装置あるい
は音声認識装置等で成る入力装置83と、選択された会
話用例文等が表示されるCRT等で成る出力装置84で
概略構成される。
【0299】図49において、入力部88は、上記入力
装置83,CPU85等によって構成されて、ユーザに
よって入力された第1言語による会話文や修正文を文字
列に変換して1文字ずつ解析部90に送出する。意味素
性辞書89は、上記補助記憶装置82に格納されて、第
1実施の形態における図2と同様に意味素性名と意味素
性表現とから成る記述様式を有して、入力された第1言
語による会話文から意味素性名を抽出する際に使用され
る。本実施の形態における意味素性辞書89は、図50
に示すような記述内容を有しているものとする。上記解
析部90は、上記CPU85で構成されて、意味素性辞
書89を用いて入力部88から入力された第1言語によ
る会話文から意味素性名を抽出する。対訳データベース
91は、上記補助記憶装置82に格納されて、被翻訳文
である第1言語文と、翻訳文である第2言語文と、第1
言語文から抽出された意味素性名の列である意味素性列
の三組から成る会話用例文が登録される。本実施の形態
における対訳データベース91には、図51に示すよう
な会話用例文が登録されているものとする。
【0300】意味検索部92は、上記CPU85で構成
されて、解析部90によって抽出された意味素性名の列
と対訳データベース91に登録されている各会話用例文
の意味素性列とを比較して一致する意味素性名を有する
会話用例文を選出する。そして、この選出された会話用
例文の意味素性列と入力会話文から抽出された意味素性
名の列とに基づいて、上記選出された会話用例文に対す
る入力会話文の用例文としての妥当性の評価を行う。そ
して、この評価結果に基づいて、複数の会話用例文を選
定する。尚、その際における評価の方法については特に
限定するものではない。選択部93は、上記CPU8
5,主記憶部86,出力装置84等で構成されて、ユーザ
との対話によって、1つの会話用例文を選択する。表示
部94は、上記CPU85,主記憶部86,出力装置84
等で構成されて、選択された会話用例文の第1言語文と
第2言語文とを表示する。尚、本実施の形態において
は、上述の各実施の形態の如く意味素性を意志意味素性
や文脈意味素性や可変意味素性に分けてはいないが、必
要に応じて上記各意味素性に分けて定義すると共に素性
要素置換部を備えて柔軟な会話文翻訳処理を可能にして
も差し支えない。
【0301】以下、上記構成の会話文翻訳装置によって
行われる会話文翻訳処理動作について説明する。図52
は、上記入力部88,解析部90,意味検索部92,選択
部93および表示部94によって行われる会話文翻訳処
理動作のフローチャートを示す。以下、図52に従って
本実施の形態における会話文翻訳処理動作を説明する。
本実施の形態における会話文翻訳処理は、ユーザが入力
した会話文に基づいて選出された会話用例文の第1言語
文を参照して上記入力された会話文を修正することによ
って、目的とする第1言語の会話文により近い第1言語
文を有する会話用例文を簡単な入力会話文によって得る
ものである。
【0302】ステップS191で、上記入力部88に第1
言語による会話文が入力される。そして、入力部88に
よって、入力会話文が文字列に変換されて解析部90に
送出される。ステップS192で、上記解析部90によっ
て、意味素性辞書89を用いて入力会話文が解析され
て、入力会話文に含まれている意味素性名が抽出され
る。ステップS193で、上記意味検索部92によって、
対訳データベース91が検索されて、上記ステップS19
2において抽出された意味素性名を意味素性列中に有す
る会話用例文が選出される。さらに、この選出された会
話用例文に対する妥当性の評価が行われて複数の会話用
例文が選定される。ステップS194で、上記選択部93
によって、上記ステップS193において選定された会話
用例文の第1言語文と入力会話文の修正が必要か否かの
問い合わせ文「文を修正しますか(Y/N)」とが表示され
る。ステップS195で、上記入力部88に、ユーザによ
って修正を指定する場合には「Y」が入力され、修正を指
定しない場合には「N」が入力される。そして、入力部8
8によって、「Y」あるいは「N」のキーコードが選択部9
3に送出される。ステップS196で、上記選択部93に
よって、入力部88からのキーコードに基づいて、「Y」
が入力されて修正が指定されたか否かが判別される。そ
の結果、修正が指定されなければステップS197に進
み、修正が指定されれば上記ステップS191に戻って修
正文に対する処理に移行する。
【0303】ここで、上記修正文とは、先に入力された
会話文に、その会話文が表現する意味をさらに限定する
語句(追加文)が付加された入力会話文のことである。こ
うして、入力会話文が表現する意味を順次限定して行く
ことによって、選定される会話用例文の第1言語文を目
的とする会話文へと導いて行くのである。そして、ユー
ザによって、目的とする第1言語文を有する会話用例文
が選定されたと判定されると、ステップS196において
「N」が入力されて、修正が指定されずにステップS197
に進むことになる。ステップS197で、上記選択部93
によって、現在選定されている会話用例文の第1言語文
から何れか一つを選択させるメニュー画面が表示され
る。そして、選択された第1言語文が認識される。ステ
ップS198で、上記表示部94によって、表示画面の表
示内容が、上記選択された第1言語文に対応する第2言
語文に切り換えられる。そうした後、会話文翻訳処理動
作を終了する。その結果、ユーザが本当に欲しい第2言
語での会話文を得ることができるのである。
【0304】以下、日本語(第1言語文)による会話文
「ホテルへ行く道順を教えて下さい」を第1言語文とす
る会話用例文を選定する場合を例に、図53に示す入力
会話文(修正文)と表示される第1言語文との変遷に従っ
て、上記会話文翻訳処理動作を具体的に説明する。ここ
で、上記対訳データベース91には、図51に示すよう
ような会話用例文の他にも会話用例文が登録されている
ものとする。また、意味検索部92は、例えば第4実施
の形態における一致度(%)のような評価値を求め、この
評価値の大きい順に最大5つの会話用例文を選定するも
のとする。
【0305】先ず、ユーザによって入力会話文「教えて」
が入力される。そうすると、解析部90によって、図5
0に示す意味素性辞書89が参照されて、意味素性表現
「教え」を有する意味素性名「教える」が抽出される(ステ
ップS192)。そして、意味検索部92によって、対訳デ
ータベース91から意味素性名「教える」を含む意味素性
列を有する会話用例文が検索され、この検索された会話
用例文の評価値が算出される。そして、この評価値の大
きい順に5つの会話用例文が選定される。(ステップS1
93)。その結果、図53に示すように、1回目の入力会
話文「教えて」から抽出された意味素性名「教える」を
意味素性列に有する総ての会話用例文のうち、第1言語
文「見所を教えて下さい。」,「私の電話番号を教えます。」,
「診療所を紹介して下さい。」,「キャンセルがあったら教
えて下さい。」および「席があいたら呼んで下さい。」が選
定されて、上記表示部94に表示される(ステップS19
4)。尚、本例の場合には、1回目の入力会話文「教えて」
に対する第1言語文「ホテルへ行く道順を教えて下さ
い。」の上記一致度は小さいために、当該第1言語文を有
する会話用例文は選定されていないものとする。
【0306】ここで、ユーザが知りたいのはホテルへの
道順であるとすると、上記表示された5つの第1言語文
中には、ユーザが知りたい内容は全く含まれていない。
したがって、ユーザは、問い合わせ文「文を修正します
か(Y/N)」に対して「Y」を入力することになる(ステッ
プS195)。そして、1回目の入力会話文「教えて」が既に
表示されている修正用画面に従って、1回目の入力会話
文「教えて」に付加して入力会話文の意味を更に限定する
語句「ホテル」が追加入力される。そうすると、1回目の
入力会話文の場合と同様にして、2回目の会話用例文
「教えて、ホテル」に基づく意味素性名の抽出と会話用例
文の選定が行われ、図53に示すように、2回目の入力
会話文「教えて、ホテル」から抽出された意味素性名「教
える ホテル」を意味素性列に有する総ての会話用例文
のうち5つの会話用例文が選定されて、表示部94に表
示される(ステップS194)。尚、本例の場合には、未
だ、当該第1言語文を有する会話用例文は選定されない
ものとする。
【0307】ここで、上記表示された5つの第1言語文
中にはユーザが知りたい内容は全く含まれていないの
で、ユーザによって修正が指定される(ステップS19
5)。そして、2回目の入力会話文「教えて、ホテル」に意
味を更に限定する語句「への道」が修正画面から入力され
て、2回目の入力会話文「教えて、ホテルへの道」に基づ
いて意味素性名の抽出と会話用例文の選定が行われる。
その結果、図53に示すように、3回目の入力会話文
「教えて、ホテルへの道」から抽出された意味素性名
「教える ホテル 行き方」を意味素性列に有する会話用
例文「ホテルへ行く道順を教えて下さい。」が選定され
て、表示部94に表示される(ステップS194)。
【0308】ここで、表示された第1言語文「ホテルへ
行く道順を教えて下さい。」には、ユーザが知りたい内容
が十分含まれている。したがって、ユーザは、問い合わ
せ文「文を修正しますか(Y/N)」に対して「N」を入力
することになる(ステップS195)。そうすると、現在表
示されている第1言語文のうちの一つを選択させるメニ
ュー画面に切り替わり、ユーザによって第1言語文「ホ
テルへ行く道順を教えて下さい。」が選択される。そし
て、第1言語文に対応する第2言語文「Could youshow
me the way to the hotel?」が表示されるのである(ス
テップS198)。
【0309】こうして、最初は短い会話文を入力し、こ
の入力会話文に対して何度か修正を繰り返すことによっ
て、容易に目的の第1言語文を有する会話用例文に絞り
込むことができるのである。その結果、簡単な入力会話
文によって目的とする第1言語文を有する会話用例文を
得ることができ、苦労して長い会話文を入力したにも拘
わらず適当な会話用例文が得られないという事態を回避
できるのである。
【0310】次に、上述の如く、ユーザが入力した会話
文に基づいて選定された会話用例文の第1言語文を参照
して上記入力された会話文を修正するに際して、上記選
定に先立って選出された会話用例文の数も表示すること
によって、ユーザは、上記選出された会話用例文の数を
参考にして入力会話文を修正できる会話文翻訳処理につ
いて説明する。ここで、本例における意味検索部92は
会話用例文数カウント手段を有しており、入力部88,
解析部90,意味検索部92,選択部93および表示部9
4によって行われる会話文翻訳処理動作は図54に示す
会話文翻訳処理動作のフローチャートに従って以下のよ
うに行われる。
【0311】ステップS201で、上記入力部88に第1
言語による会話文が入力されると、入力部88によっ
て、上記入力会話文が文字列に変換されて解析部90に
送出される。ステップS202で、上記解析部90によっ
て、意味素性辞書89を用いて入力会話文が解析され
て、入力会話文に含まれている意味素性名が抽出され
る。ステップS203で、上記意味検索部92によって、
対訳データベース91が検索されて、上記ステップS20
2において抽出された意味素性名を意味素性列中に有す
る会話用例文が選出される。さらに、この選出された会
話用例文の中から入力会話文の用例文として妥当な会話
用例文が選定される。ステップS204で、上記意味検索
部92によって、上記選出された会話用例文の個数がカ
ウントされる。ステップS205で、上記選択部93によ
って、上記ステップS203において選定された会話用例
文の第1言語文および上記ステップS204においてカウ
ントされたカウント値(選出された会話用例文数)と、入
力会話文の修正が必要か否かの問い合わせ文「文を修正
しますか(Y/N)」とが表示される。ステップS206で、
上記入力部88に、ユーザによって修正を指定する場合
には「Y」が入力され、修正を指定しない場合には「N」が
入力される。そして、入力部88によって、「Y」あるい
は「N」のキーコードが選択部93に送出される。ステッ
プS207で、上記選択部93によって、「Y」が入力され
て修正が指定されたか否かが判別される。その結果、修
正が指定されなければステップS208に進み、修正が指
定されれば上記ステップS201に戻って修正文に対する
処理に移行する。
【0312】そして、ユーザによって、目的とする第1
言語文を有する会話用例文が選定されたと判定される
と、ステップS206において「N」が入力されて修正が指
令されずにステップS208に進む。ステップS208で、上
記選択部93によって、現在選定されている会話用例文
の第1言語文から何れか一つを選択させるメニュー画面
が表示される。そして、選択された第1言語文が認識さ
れる。ステップS209で、上記表示部94によって、表
示画面の表示内容が、上記選択された第1言語文に対応
する第2言語文に切り換えられる。そうした後、会話文
翻訳処理動作を終了する。
【0313】このように、本例においては、ユーザは、
選出された会話用例文の個数を参照できるので、選出会
話用例文数が非常に多い場合には、修正文を入力する際
に、先に入力した会話文の意味をより強く限定する語句
を入力することによって、目的とする第1言語文を有す
る会話用例文を迅速に得ることができるのである。
【0314】例えば、上述の例の如く、ユーザによって
1回目の入力会話文「教えて」,2回目の入力会話文「教え
て、ホテル」および3回目の入力会話文「教えて、ホテル
への道」が入力された場合における、入力会話文(修正
文)と表示される第1言語文との変遷は、図55に示す
ようになる。ここで、本例においては、図55に示すよ
うに表示された1回目の入力会話文「教えて」から抽出さ
れた意味素性名「教える」を意味素性列に有する会話用例
文が20個と非常に多いことから、意味を更に限定する
単語の数を増やして、2回目の入力会話文として「教え
て、ホテルへの道」を入力することによって、一気に目
的の第1言語文「ホテルへ行く道順を教えて下さい。」を
有する会話用例文を得ることが可能となる。
【0315】次に、前回の入力会話文による会話用例文
の選定結果と今回の入力会話文による会話用例文の選定
結果との比較結果を表示できる会話文翻訳処理について
説明する。
【0316】図56は、図49に示す会話文翻訳装置の
変形例における機能ブロック図である。図56における
入力部105,意味素性辞書106,解析部107,対訳
データベース108,意味検索部109,選択部110お
よび表示部111は、図48に示す上記入力部88,意
味素性辞書89,解析部90,対訳データベース91,意
味検索部92,選択部93および表示部94と同様の構
成を有して同様の機能を呈する。また、本例における会
話文翻訳装置は、ユーザが前回入力した入力会話文とこ
の入力会話文に基づく会話用例文の選定結果を記憶して
おく選定結果記憶部112と、選定結果記憶部112に
記憶された前回の選定結果と今回の選定結果との比較を
行う比較部113とを有している。そして、本例におけ
る選択部110は、図48に示す選択部93の機能に加
えて、ユーザとの対話の際に比較部113による比較結
果をユーザに分かり易いように強調して表示する機能を
有している。
【0317】上記選定結果記憶部112には、図57に
示すように、前回の入力会話文とこの入力会話文に基づ
く選定結果とが記憶される。図57の場合には、前回の
入力会話文は「教えて、ホテル」であり、この入力会話文
「教えて、ホテル」から抽出された意味素性名「教える」お
よび「ホテル」に基づいて対訳データベース108が検索
され、「ホテルへ着いたら教えて頂けますか。」,「ホテル
の住所と電話番号を教えて下さい。」および「ホテルへ行
く道順を教えて下さい。」の第1言語文を有する3つの会
話用例文が選定されたことを表している。上記比較部1
13は、選定結果記憶部112に格納されている前回選
定された会話用例文の第1言語文の中に、今回選定され
た会話用例文の第1言語文と同じ第1言語文が在るかを
調べる。そして、前回選定された会話用例文の第1言語
文と今回選定された会話用例文の第1言語文との差分を
求める。この差分は、次のようにして求められる。すな
わち、例えば、選定結果記憶部112に、図57に示す
ように前回選定された会話用例文の第1言語文「ホテル
へ着いたら教えて頂けますか。」,「ホテルの住所と電話番
号を教えて下さい。」および「ホテルへ行く道順を教えて
下さい。」が格納されているとし、今回の入力会話文「教
えて、ホテルへの道」に対して選定された会話用例文の
第1言語文が「ホテルへ行く道順を教えて下さい。」であ
るとした場合には、前回の選定結果に含まれていて今回
の選定結果に含まれていない第1言語文「ホテルへ着い
たら教えて頂けますか。」および「ホテルの住所と電話番
号を教えて下さい。」が、上記差分として得られるのであ
る。
【0318】図58は、上記入力部105,解析部10
7,意味検索部109,選択部110,比較部113およ
び表示部111によって行われる会話文翻訳処理動作の
フローチャートである。以下、図58に従って本例にお
ける会話文翻訳処理動作について説明する。
【0319】ステップS211で、上記入力部105に第
1言語による会話文が入力され、入力部105によっ
て、上記入力会話文が文字列に変換されて解析部107
に送出される。ステップS212で、上記解析部107に
よって、意味素性辞書106を用いて入力会話文が解析
されて、入力会話文に含まれている意味素性名が抽出さ
れる。ステップS213で、上記意味検索部109によっ
て、対訳データベース108が検索されて、上記ステッ
プS212において抽出された意味素性名を意味素性列中
に有する会話用例文が選出される。さらに、この選出さ
れた会話用例文の中から入力会話文の用例文として妥当
な会話用例文が選定される。
【0320】ステップS214で、上記比較部113によ
って、上述のように、上記選定結果記憶部112に記憶
されている前回の選定結果と上記ステップS213におけ
る選定結果とが比較されて上記差分が求められる。ステ
ップS215で、上記選択部110によって、上記ステッ
プS213において選定された会話用例文の第1言語文お
よび上記ステップS214において得られた上記差分と、
入力会話文の修正が必要か否かの問い合わせ文「文を修
正しますか(Y/N)」とが表示される。ステップS216
で、上記比較部113によって、上記ステップS211に
おいて入力された入力会話文とステップS213において
選定された会話用例文の第1言語文とによって、選定結
果記憶部112の内容が更新される。
【0321】ステップS217で、上記入力部105に、
ユーザによって修正を指定する場合には「Y」が入力さ
れ、修正を指定しない場合には「N」が入力される。そし
て、入力部105によって、「Y」あるいは「N」のキーコ
ードが選択部110に送出される。ステップS218で、
上記選択部110によって、「Y」が入力されて修正が指
定されたか否かが判別される。その結果、修正が指定さ
れなければステップS219に進み、修正が指定されれば
上記ステップS211に戻って修正文に対する処理に移行
する。そして、ユーザによって、目的とする第1言語文
を有する会話用例文が選定されたと判定されると、ステ
ップS217において「N」が入力されて修正が指令されず
にステップS219に進む。ステップS219で、上記選択部
110によって、現在選定されている会話用例文の第1
言語文の中から何れか一つを選択させるメニュー画面が
表示される。そして、選択された第1言語文が認識され
る。ステップS220で、上記表示部111によって、表
示画面の表示内容が、上記選択された第1言語文に対応
する第2言語文に切り換えられる。そうした後、会話文
翻訳処理動作を終了する。
【0322】このように、本例においては、ユーザは、
表示された前回の選定結果と今回の選定結果との上記差
分の数や内容によって、入力会話文に対して行った修正
が、選定される会話用例文を目的とする会話用例文へ導
くように成されているか否かを知ることができ、目的と
する第1言語文を有する会話用例文を迅速に得ることが
できるのである。
【0323】例えば、上述の例の如く、ユーザによって
1回目の入力会話文「教えて、ホテル」および2回目の入
力会話文「教えて、ホテルへの道」が入力された場合にお
ける入力会話文(修正文)と表示される第1言語文および
上記差分との変遷は、図59に示すようになる。ここ
で、本例においては、1回目の入力会話文「教えて、ホ
テル」によって選定された会話用例文の第1言語文は「 ホテルへ着いたら教えて頂けますか。」「 ホテルの住所と電話番号を教えて下さい。」「 ホテルへ行く道順を教えて下さい。」 の3つである。これに対して、1回目の入力会話文に語
句「への道」を加えて修正した2回目の入力会話文「教え
て、ホテルへの道」によって選定された会話用例文は「 ホテルへ行く道順を教えて下さい。」 であり、上記差分は「 ホテルへ着いたら教えて頂けますか。」「 ホテルの住所と電話番号を教えて下さい。」 である。したがって、1回目の修正によって的確に目的
とする会話用例文に絞り込まれたことが分かる。
【0324】ここで、1回目の修正による入力会話文
(すなわち、2回目の入力会話文)によって得られた上記
差分の数が非常に少なく、且つ、目的とする第1言語文
に意味的に近い第1言語文が選定されている場合には、
会話用例文の絞り込みの方向は正しいのであるが絞り込
み方があまいと判定できる。したがって、2回目の修正
では、入力会話文の意味をもっと強く限定する語句を入
力すればよい。一方、得られた上記差分の中に目的とす
る第1言語文に近い第1言語文が入っている場合には、
会話用例文の絞り込みの方向が間違っていると判定でき
る。したがって、2回目の修正では、目的とする会話用
例文の第1言語文の意味を再考して、入力会話文の意味
を限定するための正しい語句を入力すればよい。
【0325】次に、1文節あるいは1単語を入力する毎
に自動的に会話用例文の選定処理を行うことができる会
話文翻訳処理について説明する。
【0326】図60は、図49に示す会話文翻訳装置の
他の変形例における機能ブロック図である。図60にお
ける入力部115,意味素性辞書116,解析部117,
対訳データベース118,意味検索部119,選択部12
0および表示部121は、図49に示す入力部88,意
味素性辞書89,解析部90,対訳データベース91,意
味検索部92,選択部93および表示部94と同様の構
成を有して、同様の機能を呈する。また、本例における
会話文翻訳装置は、入力部115から送出されてくる仮
名漢字変換コード等に基づいてユーザが1文節あるいは
1単語を入力したと判定すると、意味検索部119を起
動して会話用例文の選定処理を行わせる翻訳制御部12
2を有する。また、入力された文節または単語から抽出
された意味素性の列を保持しておく意味素性記憶部12
3を有している。
【0327】上記翻訳制御部122は、上述したよう
に、入力部115から送出されてくる仮名漢字変換コー
ド等に基づいて、ユーザが1文節あるいは1単語を入力
したと判定する。そして、意味検索部119を起動する
と共に、意味素性記憶部123に保持されている意味素
性の列を意味検索部119に送出する。そうすると、意
味検索部119は、上記送出された意味素性の列を入力
会話文から抽出された意味素性の列と見なして会話用例
文の選定を行うのである。また、上記解析部117は、
入力された1文節あるいは1単語から抽出した意味素性
を意味素性記憶部123に送出して、既に保持されてい
る意味素性に付加して保持させる。
【0328】図61は、上記入力部115,解析部11
7,意味検索部119,選択部120,翻訳制御部122
および表示部121によって行われる会話文翻訳処理動
作のフローチャートである。以下、図61に従って本例
における会話文翻訳処理動作について説明する。尚、本
例における会話文翻訳処理動作は、ユーザによって1単
語が入力される毎に仮名漢字変換キーが押圧されるもの
とする。
【0329】ステップS221で、上記入力部115に第
1言語による単語が入力され、入力部115によって、
上記単語を構成する文字列が解析部117および翻訳制
御部122に送出される。ステップS222で、上記翻訳
制御部122によって、入力部115からの仮名漢字変
換コードに基づいて1単語の入力が終了したか否かが判
別され、終了したと判定されればステップS223に進
む。ステップS223で、上記解析部117によって、上
記入力された1単語が意味素性辞書116を用いて解析
されて意味素性名が抽出される。ステップS224で、上
記解析部117によって、上記抽出された意味素性名が
意味素性記憶部123に送出されて保持される。ステッ
プS225で、上記翻訳制御部122によって、意味検索
部119が起動されて、意味素性記憶部123に保持さ
れている意味素性名の列が意味検索部119に送出され
る。ステップS226で、上記意味検索部119によっ
て、対訳データベース118が検索されて、意味素性記
憶部123からの意味素性名を意味素性列中に有する会
話用例文が選出される。さらに、この選出された会話用
例文の中から入力会話文の用例文として妥当な会話用例
文が選定される。
【0330】ステップS227で、上記選択部120によ
って、上記ステップS226において選定された会話用例
文の第1言語文から一つを選択させるメニュー画面およ
び単語入力画面の合成画面が表示される。ステップS22
8で、上記入力部115に、ユーザによって、上記ステ
ップS227において表示された画面に従って、入力単語
列の意味をさらに限定する場合には次の単語が入力さ
れ、会話用例文を選択する場合には選択指令が入力され
る。ステップS229で、上記選択部120によって、次
の単語が入力されたか第1言語文が選択されたかが判別
される。その結果、第1言語文が選択されるとステップ
S230に進み、次の単語が入力されると上記ステップS2
21に戻って次の単語の入力とそれに対する処理に移行す
る。そして、ユーザによって、目的とする第1言語文を
有する会話用例文が選定されたと判定されると、ステッ
プS228において目的とする第1言語文が選択されてス
テップS230に進む。ステップS230で、上記入力部11
5によって、選択された第1言語文が認識される。そう
すると、表示部121によって、表示画面の表示内容
が、上記選択された第1言語文に対応する第2言語文に
切り換えられる。そうした後、会話文翻訳処理動作を終
了する。
【0331】このように、本例においては、ユーザによ
って1分節あるいは1単語が入力される毎に、自動的
に、意味素性名の抽出,会話用例文の選定および選定さ
れた会話用例文の第1言語文の表示を行うので、ユーザ
は、会話用例文の選定結果を見ながら、次に入力する文
節や単語を最適に決定することによって、目的とする第
1言語文を有する会話用例文を少ない文節や単語で迅速
に得ることができるのである。図62は、ユーザによっ
て、1回目に単語「教えて」が入力され、2回目に単語
「ホテル」が入力され、3回目に単語「道」が入力された場
合における、入力単語と表示される第1言語文との変遷
を示す。
【0332】上述のように、本実施の形態においては、
上記意味検索部92,109,119によって選定された
会話用例文の第1言語文を選択部93,110,120で
表示した際に、ユーザによって入力語句の修正が指定さ
れると、入力部88,105,115は、ユーザからの入
力会話文の意味を更に限定する語句(追加文)の入力を受
け付けて、生成した修正文を新たな入力会話文として解
析部90,107,117に送出するようにしている。し
たがって、最初は短い語句を入力し、この入力された語
句に対して何度か修正を繰り返すことによって、容易に
目的の第1言語文を有する会話用例文に絞り込むことが
できる。すなわち、本実施の形態によれば、簡単な入力
会話文で目的とする第1言語文を有する会話用例文を得
ることができるのである。
【0333】また、本実施の形態においては、上記意味
検索部92に、選出した会話用例文の個数をカウントす
る会話用例文数カウント手段を設けている。そして、選
択部93は、ユーザとの対話の際に意味検索部92によ
って選定された会話用例文の第1言語文と上記会話用例
文数カウント手段によるカウント値とを表示するように
している。したがって、ユーザは、上記表示された会話
用例文数を参照して、選出された会話用例文の個数が非
常に多い場合には、先の入力会話文の意味をより強く限
定する語句を入力して目的とする第1言語文を有する会
話用例文を迅速に得ることができる。
【0334】また、本実施の形態においては、前回の入
力会話文とこの入力会話文に基づく会話用例文の選定結
果を記憶する選定結果記憶部112と、前回選定された
会話用例文の第1言語文と今回選定された会話用例文の
第1言語文との差分を求める比較部113を有する。そ
して、選択部110は、ユーザとの対話の際に意味検索
部109によって選定された会話用例文の第1言語文を
表示するに際して、上記差分をも同時に表示するように
している。したがって、ユーザは、表示された上記差分
の数や内容によって、入力会話文に対して行った修正が
適切であったかを知ることができ、次の修正を的確に行
って目的とする第1言語文を有する会話用例文を迅速に
得ることができる。
【0335】また、本実施の形態においては、1文節あ
るいは1単語が入力されたと判定すると意味検索部11
9を起動して会話用例文の選定を行わせる翻訳制御部1
22と、入力された文節あるいは単語の列を保持してお
く意味素性記憶部123を有している。したがって、ユ
ーザによって1文節または1単語が入力される毎に、意
味素性名の抽出,会話用例文の選定および選定された会
話用例文の第1言語文の表示が自動的に行われる。すな
わち、ユーザは、会話用例文の選定結果を見ながら次に
入力する単語を最適に決定することによって、目的とす
る第1言語文を有する会話用例文を少ない文節や単語で
迅速に得ることができる。
【0336】上記各実施の形態においては、第1言語文
を日本語とする一方、第2言語文を英語として具体的な
説明を行っているが、他の言語であってもよいことは言
うまでもない。また、第1実施の形態においては、上記
意味検索部3は一致する意味素性の数が1番多い会話用
例文を唯一つ選定するようにしている。また、第2実施
の形態においては、意味検索部13は所定の評価値以上
の複数の会話用例文を選定し、選択部15によってユー
ザと対話的に入力会話文により近い会話用例文を選択す
るようにしている。また、第4実施の形態においては、
意味検索部67は算出した一致度の値が高い順に会話用
例文を選択している。しかしながら、この発明における
各実施の形態と会話用例文評価アルゴリズムとの組み合
わせはこれに限定されるものではない。また、上記会話
用例文評価アルゴリズムは、上述の3通りに限定される
ものではない、要は、対訳データベースの検索によって
選出された多くの会話用例文の中から、的確に入力会話
文の用例文として最適な会話用例文が選択されるような
アルゴリズムであればよい。
【0337】また、第1実施の形態においては、上記意
味検索部3は検索した意味素性の数に基づいて会話用例
文を選定している。しかしながら、この発明はこれに限
定されるものではなく、各意味素性に重みを付加して検
索した意味素性の重みの合計に基づいて会話用例文を選
定してもよい。つまり、第1実施の形態で用いる「検索
した意味素性の数」とは、全意味素性の重みの値を“1"
と考えた場合の「検索した意味素性の重みの合計」であ
り、請求項1および請求項2に記載された「検索結果に
基づく一致度」に相当するのである。すなわち、請求項
1および請求項2における上記一致度とは、全意味素性
の重みの値を“1"と考えた場合の「検索した意味素性の
重みの合計」と、各意味素性に任意の重みを付加した場
合の「検索した意味素性の重みの合計」と、第2実施例に
おける上記評価値1とを含む概念なのである。
【0338】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1に係
る発明の会話文翻訳装置は、解析部によって、入力部か
ら入力された第1言語による自由会話文から意味素性辞
書を用いて意味素性を抽出し、意味検索部によって、対
訳データベースに登録されている各会話用例文の意味素
性列から上記抽出された意味素性を検索して検索結果に
基づく一致度が最も高い会話用例文を選定し、表示部に
よって、上記選定された会話用例文とその第2言語によ
る翻訳文を表示するので、上記入力部から自由に入力さ
れた第1言語による会話文と文意が同じ会話用例文を自
動的に選定して、その翻訳文を表示できる。したがっ
て、この発明によれば、予め登録された複数の第1言語
による会話用例文の中から上記第2言語に翻訳したい会
話用例文を選出する煩わしさからユーザを解放し、第1
言語による会話文を自由に入力するだけで所望の会話用
例文の翻訳文を自動的に且つ迅速に得ることができる。
【0339】また、請求項2に係る発明の会話文翻訳装
置は、入力部,解析部,意味素性辞書,意味検索部,対訳デ
ータベースおよび表示部を有し、請求項1に係る発明と
同様にして、自由に入力された第1言語による会話文か
ら意味素性を抽出した後、上記意味検索部は、上記対話
データベースに登録されている各会話用例文の意味素性
列から上記抽出された意味素性を検索してその検索結果
に基づく一致度の高い順に複数の会話用例文を選定し、
選択部によって、上記選定された会話用例文の中からユ
ーザとの対話によって入力会話文に近い会話用例文を選
択して、上記表示部によって、上記選択された会話用例
文とその翻訳文とを表示するようにしたので、ユーザが
意図する文意により近い会話用例文を的確に得ることが
できる。
【0340】また、請求項3に係る発明の会話文翻訳装
置における意味素性辞書は、意志意味素性辞書と文脈意
味素性辞書とを有するので、上記解析部で意味素性を抽
出する際に意志意味素性と文脈意味素性とに分けて抽出
でき、入力会話文の文意をより的確に捕らえることがで
きる。したがって、この発明によれば、上記意味検索部
によって会話用例文を選定するに際して、入力会話文の
文意により近い会話用例文を精度良く選定することがで
きる。
【0341】また、請求項4に係る発明の会話文翻訳装
置における意味検索部は、カバー率算出手段によって、
上記会話用例文の意味素性列から検索された意味素性に
相当する入力会話文の文字列が上記入力会話文の全文字
列をカバーする割合を表すカバー率を算出し、このカバ
ー率を用いて上記一致度を求めるので、上記対話データ
ベースに登録された複数の会話用例文の中から入力会話
文の文意により一致した会話用例文を的確に選定でき
る。
【0342】また、請求項5に係る発明の会話文翻訳装
置における対話データベースに会話用例文毎に登録され
ている意味素性には重みが付加され、上記意味検索部は
上記重みを用いて上記一致度を求めるので、入力会話文
中における意味素性の重要度を考慮して会話用例文を選
定できる。したがって、この発明によれば、入力会話文
の文意に更に一致した会話用例文を選定できる。
【0343】また、請求項6に係る発明の会話文翻訳装
置は、上記意味素性辞書に可変意味素性辞書を設け、上
記対訳データベースに登録された会話用例文とその翻訳
文と意味素性列における上記可変意味素性あるいはその
可変意味素性に該当する文字列には可変意味素性情報を
付加し、素性要素置換部によって、上記可変意味素性辞
書および可変意味素性情報を参照して、意味検索部で選
定された会話用例文とその翻訳文とにおける可変意味素
性に相当する文字列を入力会話文における可変意味素性
の可変意味素性エントリとその翻訳語とで置き換えるの
で、会話用例文のバリエーションを増やすことができ
る。したがって、この発明によれば、上記対話データベ
ースに登録する会話用例文の数を増やすことなく、入力
会話文の細かな文意に即した会話用例文を選定してその
翻訳文と共に表示できる。
【0344】また、請求項7に係る発明の会話文翻訳装
置は、上記意味素性辞書に可変意味素性辞書を設け、上
記対訳データベースに登録された会話用例文とその翻訳
文とにおける対応する文字列には可変意味素性情報を付
加し、上記可変意味素性辞書および可変意味素性情報を
参照して、上記意味検索部で選定された会話用例文およ
びその翻訳文における可変意味素性に相当する文字列を
ユーザとの対話によって他の可変意味素性エントリとそ
の翻訳語に置き換える素性要素選択部を有するので、会
話用例文のバリエーションを更に増加させて入力会話文
の文意により即した会話用例文とその翻訳文とを表示で
きる。
【0345】また、請求項8に係る発明の会話文翻訳装
置における対訳データベースには、各会話用例文毎に当
該会話用例文の分類を表す分類情報を登録し、直前に選
定された会話用例文の分類情報を分類記憶部に記憶して
おき、上記意味検索部は、会話用例文を選定するに際し
て、上記分類記憶部に記憶されている分類情報と同一の
分類情報を有する会話用例文から優先的に選定するの
で、現在翻訳中の会話文と同じ分類の会話用例文とその
翻訳文とが先に表示される。すなわち、この発明によれ
ば、現在翻訳中の会話文と同じ話題の会話用例文が優先
的に選定されて、目的とする入力会話文とその翻訳文と
が迅速に得られる。
【0346】また、請求項9に係る発明の会話文翻訳装
置における対訳データベースには各会話用例文毎に当該
会話用例文の分類を表す分類情報を登録し、上記選択部
は、上記選定された会話用例文の分類情報を分類情報表
示手段によって表示して、ユーザとの対話によって選択
された分類情報に従って上記選択された会話用例文を会
話用例文絞り込み手段で絞り込むので、上記意味検索部
によって多数の会話用例文が選定されても、上記選択部
による会話用例文の選択を迅速且つ容易に行うことがで
きる。
【0347】また、請求項10に係る発明の会話文翻訳
装置における選択部は、上記意味検索部で選定された会
話用例文の中からユーザとの対話によって複数の会話用
例文を選択し、上記表示部は、上記選択された複数の会
話用例文とその翻訳文とを表示するので、複数の文意を
有する会話文が入力されてその入力会話文の総ての文意
を表す一つの会話用例文が選定できない場合には、上記
選択部によって、入力会話文を複数の文意に分割した際
における個々の文意を表す会話用例文を選定することに
よって、複数の会話用例文とそれらの翻訳文とで上記複
数の文意を有する入力会話文とその翻訳文とを表現する
ことができる。
【0348】また、請求項11に係る発明の会話文翻訳
装置における素性要素置換部は、文字列検出手段によっ
て、入力会話文における置換対象の可変意味素性に該当
する文字列を検出し、一致判定手段によって、上記選定
または選択された会話用例文中の上記置換対象の可変意
味素性と上記入力会話文中の上記文字列検出手段で検出
された文字列とに対して所定の相対位置に在る意味素性
同士が一致すると判定され場合には、当該会話用例文と
その翻訳文とにおける上記置換対象の可変意味素性に該
当する文字列を、上記文字列検出手段によって検出され
た文字列に対応する可変意味素性エントリとその翻訳語
とで置き換えるので、入力会話文に同一可変意味素性に
属する文字列が複数存在しても、当該会話用例文におけ
る当該可変意味素性に該当する文字列が入力会話文にお
ける置き換えが不適当な文字列で置き換えられてしまう
ことが防止される。したがって、この発明によれば、入
力会話文の文意に即した正しい会話用例文とその翻訳文
とを得ることができる。
【0349】また、請求項12に係る発明の会話文翻訳
装置における素性要素置換部は、文字列検出手段によっ
て、上記選定または選択された会話用例文から置換対象
の可変意味素性に該当する文字列を検出し、一致判定手
段によって、入力会話文中の上記置換対象の可変意味素
性と当該会話用例文中の上記文字列検出手段で検出され
た文字列とに対して上記所定の相対位置に在る意味素性
同士が一致すると判定された場合には、当該会話用例文
とその翻訳文とにおける上記文字列検出手段によって検
出された文字列とその翻訳語とを、入力会話文における
上記置換対象の可変意味素性の可変意味素性エントリと
その翻訳語とで置き換えるので、当該会話用例文に同一
可変意味素性に属する文字列が複数存在しても、入力会
話文における上記置換対象の可変意味素性での置き換え
が不適当な文字列に対して置き換えが行われてしまうこ
とが防止される。したがって、この発明によれば、入力
会話文の文意に即した正しい会話用例文とその翻訳文と
を得ることができる。
【0350】また、請求項13に係る発明の会話文翻訳
装置における素性要素置換部は、第1文字列検出手段に
よって入力会話文から置換対象の可変意味素性に該当す
る文字列を検出し、第2文字列検出手段によって上記選
定または選択された会話用例文から上記置換対象の可変
意味素性に該当する文字列を検出し、一致判定手段によ
って、入力会話文中の上記第1文字列検出手段で検出さ
れた文字列および当該会話用例文中の上記第2文字列検
出手段によって検出された文字列に対して上記所定の相
対位置に在る意味素性同士が一致すると判定された場合
には、当該会話用例文とその翻訳文とにおける上記第2
文字列検出手段によって検出された文字列とその翻訳語
とを、入力会話文における上記第1文字列検出手段によ
って検出された文字列の可変意味素性エントリとその翻
訳語とで置き換えるので、入力会話文あるいは当該会話
用例文の少なくとも一方に同一可変意味素性に属する文
字列が複数存在しても、入力会話文と当該会話用例文と
における置き換えが不適当な文字列同士による置き換え
が防止される。したがって、この発明によれば、入力会
話文の文意に即した正しい会話用例文とその翻訳文とを
得ることができる。
【0351】また、請求項14に係る発明の会話文翻訳
装置は、置換の対象となる文字列の位置を指定するフラ
グを上記会話用例文に付加して、上記素性要素置換部
は、上記選定または選択された会話用例文とその翻訳文
とにおける文字列位置検知手段によって上記フラグに基
づいて検知された位置に在る文字列とその翻訳語とを、
入力会話文における上記置換の対象となる可変意味素性
の可変意味素性エントリとその翻訳語とで置き換えるの
で、当該会話用例文中の上記置換の対象となる可変意味
素性の何れの文字列に対して置き換えを行うのかの曖昧
性が解消される。したがって、この発明によれば、入力
会話文の文意に即した正しい会話用例文とその翻訳文と
を簡単な処理によって容易に得ることができる。
【0352】また、請求項15に係る発明の会話文翻訳
装置は、未置換の文字列に対する置換方法を指定するフ
ラグを上記会話用例文に付加し、上記素性要素置換部
は、上記フラグが付加されている上記素性要素置換部に
よる置換処理後の会話用例文とその翻訳文とにおける未
置換の文字列に対する置き換え処理を可変意味素性辞書
検索部で得られた可変意味素性エントリとその翻訳語と
で行うので、上記素性要素置換部による先の置き換え処
理の結果意味的に不自然な会話用例文とその翻訳文が生
成されても、未置換の文字列とその翻訳語とが他の可変
意味素性エントリとその翻訳語とで置き換えられて、常
に、意味的に正しい会話用例文とその翻訳文とが得られ
る。
【0353】また、請求項16に係る発明の会話文翻訳
装置は、不許可の可変意味素性エントリの組み合わせを
指定するフラグを上記会話用例文に付加し、上記素性要
素置換部は、上記素性要素置換部による置換処理後の会
話用例文とその翻訳文とにおける上記フラグで指定され
た可変意味素性エントリの組み合わせの要素に該当する
未置換の文字列に対する置き換え処理を上記可変意味素
性辞書検索部によって得られた可変意味素性エントリと
その翻訳語とで行うので、上記素性要素置換部による先
の置き換え処理の結果意味的に奇異な会話用例文とその
翻訳文が生成されても、上記未置換の文字列とその翻訳
語とが他の可変意味素性エントリとその翻訳語とで強制
的に置き換えられて、常に、意味的に正しい会話用例文
とその翻訳文とが得られる。
【0354】また、請求項17に係る発明の会話文翻訳
装置における上記対訳データベースには、会話用例文と
意味的に実質同一の想定文に係る意味素性の列を当該会
話用例文に対応付けて登録し、上記意味検索部は、各会
話用例文の複数の意味素性列の夫々から上記解析部で抽
出された意味素性を検索して会話用例文を選定するの
で、意味的に同一の入力会話文や意味的に似ている会話
用例文に対して同一の会話用例文で対処できる。したが
って、この発明によれば、類似の入力会話文の数だけの
会話用例文を対訳データベースに登録しておく必要がな
く、対訳データベースの容量を少なくできる。
【0355】また、請求項18に係る発明の会話文翻訳
装置は、ある意味素性と、上記対訳データベースに登録
された会話用例文とその会話用例文に対応付けられてい
る意味素性列の1つであって当該意味素性を含む意味素
性列との組とを対応付けて、当該意味素性から特定の会
話用例文と1つの意味素性とで成る組を導出するための
インデックスを有しているので、上記意味検索部は、上
記インデックスを用いることによって、1つの会話用例
文に対応付けられている個々の意味素性列単位で上記解
析部で抽出された意味素性の検索を行うことができる。
したがって、この発明によれば、意味的に同一の入力会
話文や意味的に似ている会話用例文に対して同一の会話
用例文で対処でき、対訳データベースの容量を少なくで
きる。
【0356】また、請求項19に係る発明の会話文翻訳
装置における上記対訳データベースには、会話用例文が
使用される状況を表す補足情報を当該会話用例文に対応
付けて登録し、上記選択部は、ユーザと対話を行う際
に、上記意味検索部で選定された複数の会話用例文と各
会話用例文に対応付けられている補足情報とをユーザに
呈示するので、ユーザは、上記選択部によって呈示され
る補足情報を参照して、使用される状況に相応しい翻訳
文に対応付けられている会話用例文を正しく選択するこ
とができる。すなわち、この発明によれば、使用状況に
よって異なる翻訳文を出力すべき会話文が入力された場
合に、使用状況に相応しい翻訳文を得ることができる。
【0357】また、請求項20に係る発明の会話文翻訳
装置は、オプショナルな意味素性を設定し、上記対訳デ
ータベースに登録された意味素性列にはオプショナル意
味素性情報を付加し、上記意味検索部は、上記会話用例
文の意味素性列に存在する上記オプショナルな意味素性
に該当する文字列が入力会話文中に存在しない場合に
は、当該意味素性列中には当該オプショナルな意味素性
が存在しないと見なして上記会話用例文の選定を行うの
で、意味的重要度が低いために省略され易い意味素性を
オプショナルな意味素性とすることによって、意味的重
要度の低い意味素性の有無による同一会話用例文に対す
る上記一致度の変動を防止できる。したがって、この発
明によれば、些細な入力表現の違いを吸収して正しく会
話用例文とその翻訳文とを得ることができる。
【0358】また、請求項21に係る発明の会話文翻訳
装置における解析部は、入力会話文から上記意味素性を
抽出するに先立って、特定文字列検出手段によって、上
記意味素性辞書に登録しておくことができない特定文字
列を検出してこの特定文字列に対応付けられた可変意味
素性と当該特定文字列とを出力し、上記素性要素置換部
は、上記選定または選択された会話用例文とその翻訳文
とにおける上記特定文字列検出手段から出力された可変
意味素性に該当する文字列を上記特定文字列検出手段か
ら出力された特定文字列で置き換えるので、上記意味素
性辞書に登録しておくことができない特定文字列であっ
ても、恰も上記意味素性辞書に登録されているかの如く
扱うことができる。したがって、この発明によれば、ホ
テルの部屋番号のような特定文字列が入力会話文に存在
しても通常の可変意味素性として扱われて上記素性要素
置換部による置き換え処理が行われ、入力会話文の文意
に即した会話用例文とその翻訳文とが得られる。
【0359】また、請求項22に係る発明の会話文翻訳
装置は、上記可変意味素性エントリが空であるオプショ
ナルな可変意味素性を設定し、上記素性要素置換部は、
上記選定または選択された会話用例文に上記オプショナ
ルな可変意味素性が存在するが入力会話文には存在しな
い場合には、当該会話用例文の当該オプショナルな可変
意味素性に該当する文字列を空文字列で置き換えるの
で、第2言語では使用されるが第1言語ではあまり使用
しないような可変意味素性が入力会話文において欠落し
ても、正しく会話用例文とその翻訳文とが得られる。し
たがって、この発明によれば、英語の不定冠詞「a」に相
当する語句が日本語の入力会話文に無くとも、対応する
箇所が空文字列で置換された会話用例文と不定冠詞「a」
で置換された翻訳文とが得られるのである。
【0360】また、請求項23に係る発明の会話文翻訳
装置は、上記可変意味素性エントリに対応する当該可変
意味素性エントリの翻訳語が空であるパッシブな可変意
味素性を設定し、上記素性要素置換部は、上記選定また
は選択された会話用例文の翻訳文における上記パッシブ
な可変意味素性に該当する文字列は空文字列で置き換え
るので、第1言語では使用されるが第2言語では使用し
ないような語句の意味素性を可変意味素性として扱うこ
とができる。したがって、この発明によれば、日本語の
「数」に付加する接尾語「つ」のように英語では存在しない
語句が日本語の入力会話文に存在しても、接尾語「つ」が
記述された会話用例文と対応する箇所が空文字列で置換
された翻訳文とが得られるのである。
【0361】また、請求項24に係る発明の会話文翻訳
装置における選択部は、上記会話用例文の選択に先立っ
て、修正判定手段によって、上記選定された複数の会話
用例文を呈示してユーザとの対話によって先に入力され
た会話文に対して修正が必要であるか否かを判定し、そ
の判定結果が可である場合には、上記入力部は先に入力
された会話文に対する追加文の入力を許可し、上記解析
部は会話文保持手段に保持されている入力会話文に上記
追加文を付加して成る入力会話文から上記意味素性を抽
出するので、最初に短い文を入力し、上記選択部との対
話によって繰り返し修正することによって、目的の会話
用例文とその翻訳文を容易に得ることができる。したが
って、この発明によれば、苦労して長い文を入力しても
簡単な会話用例文しか得られず、会話文入力の苦労の半
分は徒労に終わるという事態を避けることができる。
【0362】また、請求項25に係る発明の会話文翻訳
装置における意味検索部は、上記解析部で抽出された意
味素性を上記意味素性列中に有している会話用例文の個
数を会話用例文数カウント手段でカウントし、上記選択
部の修正判定手段は、上記複数の会話用例文を呈示する
際に上記カウント値をも併せて呈示するので、ユーザ
は、上記追加文を入力する場合に、上記呈示された上記
カウント値を参照して最適な追加文を入力することがで
きる。したがって、この発明によれば、目的の会話用例
文とその翻訳文とを迅速に得ることができる。
【0363】また、請求項26に係る発明の会話文翻訳
装置は、比較部によって、選定結果記憶部に記憶されて
いる前回の会話用例文の選定結果に対する今回の選定結
果の差分を求め、上記選択部の修正判定手段は、上記複
数の会話用例文を呈示する際に上記差分をも併せて呈示
するので、ユーザは、上記呈示された上記差分を参照し
て先に入力された会話文が適切であった否かを知ること
ができる。したがって、この発明によれば、先に入力さ
れた会話文の妥当性に応じた最適な追加文を入力して、
目的の会話用例文とその翻訳文とを迅速に得ることがで
きる。
【0364】また、請求項27に係る発明はの会話文翻
訳装置における解析部は、上記入力部から順次送出され
てくる文字列から抽出した意味素性を意味素性記憶部に
送出して記憶させ、翻訳制御部は、上記入力部から所定
の言語単位の語句が入力されたと判別すると上記意味検
出部を起動して、上記意味素性記憶部に記憶された意味
素性の列を上記意味検出部に送出するので、上記所定の
言語単位の語句が入力される毎に上記意味検出部による
会話用例文の選定処理が行われる。したがって、この発
明によれば、ユーザは、上記所定の言語単位の語句が入
力される毎に表示される会話用例文とその翻訳文を参照
して上記所定の言語単位での最適な語句を入力できる。
すなわち、より短い語句の入力で目的の会話用例文とそ
の翻訳文とを迅速に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の会話文翻訳装置の一実施例における
ブロック図である。
【図2】図1における意味素性辞書の内容の一例を示す
概念図である。
【図3】図1における対訳データベースの内容の一例を
示す概念図である。
【図4】図1における制御部による制御の下に実行され
る会話文翻訳処理動作のフローチャートである。
【図5】図1とは異なる会話文翻訳装置のブロック図で
ある。
【図6】図5における意志意味素性辞書の内容の一例を
示す概念図である。
【図7】図5における文脈意味素性辞書の内容の一例を
示す概念図である。
【図8】図5における可変意味素性辞書の内容の一例を
示す概念図である。
【図9】図5における対訳データベースの内容の一例を
示す図である。
【図10】図5における制御部による制御の下に実行さ
れる会話文翻訳処理動作のフローチャートである。
【図11】図10に続く会話文翻訳処理動作のフローチ
ャートである。
【図12】図11に続く会話文翻訳処理動作のフローチ
ャートである。
【図13】図12に続く会話文翻訳処理動作のフローチ
ャートである。
【図14】図1および図5とは異なる会話文翻訳装置の
ブロック図である。
【図15】図14に示す会話文翻訳装置の外観図であ
る。
【図16】図14における制御部による制御の下に実行
される会話文翻訳処理動作のフローチャートである。
【図17】図16に示す会話文翻訳処理動作の際におけ
る表示兼用タブレットの表示内容の一例を示す図であ
る。
【図18】図14における意味検索部による検索結果の
一例を示す図である。
【図19】図14における意味検索部による図18とは
異なる検索結果を示す図である。
【図20】図16に示す会話文翻訳処理動作において実
行される可変意味素性要素置換サブルーチンのフローチ
ャートである。
【図21】図20とは異なる他の可変意味素性要素置換
サブルーチンのフローチャートである。
【図22】図20および図21とは異なる他の可変意味
素性要素置換サブルーチンのフローチャートである。
【図23】図22に続く可変意味素性要素置換サブルー
チンのフローチャートである。
【図24】図14における意味検索部による図18およ
び図19とは異なる検索結果を示す図である。
【図25】図20,図21および図22〜図23とは異
なる他の可変意味素性要素置換サブルーチンのフローチ
ャートである。
【図26】図16に示す会話文翻訳処理動作において実
行される会話用例文表示サブルーチンのフローチャート
である。
【図27】図26とは異なる会話用例文表示サブルーチ
ンのフローチャートである。
【図28】図14における意味検索部による図18,図
19図および図24とは異なる検索結果を示す図であ
る。
【図29】図1,図5および図14とは異なる会話文翻
訳装置の概略構成図である。
【図30】図29に示す会話文翻訳装置の機能ブロック
図である。
【図31】図29に示す会話文翻訳装置の外観図であ
る。
【図32】図30における対訳データベースの内容の一
例を示す図である。
【図33】図32に示す対訳データベースの実際の構成
を示す図である。
【図34】図30における基本意味素性辞書の内容の一
例を示す概念図である。
【図35】図30における可変意味素性辞書の内容の一
例を示す概念図である。
【図36】図30における基本意味素性辞書および可変
意味素性辞書の一部の実際の構成を示す図である。
【図37】図30における可変意味素性辞書の残りの部
分実際の構成を示す図である。
【図38】図30における入力部,解析部,意味検索部,
素性要素置換部,選択部および表示部によって行われる
会話文翻訳処理動作のフローチャートである。
【図39】図38に示す会話文翻訳処理動作において実
行される一致度計算サブルーチンのフローチャートであ
る。
【図40】図30における意味検索部によって検索され
た第1言語文と補足情報の表示例を示す図である。
【図41】図30における補足情報が記述された対訳デ
ータベースの内容の一例を示す図である。
【図42】図30におけるオプショナルな意味素性が記
述された対訳データベースの内容の一例を示す図であ
る。
【図43】オプショナルな意味素性を含む会話用例文に
対する一致度計算サブルーチンの説明図である。
【図44】図30におけるオプショナルな可変意味素性
が記述された可変意味素性辞書の内容の一例を示す図で
ある。
【図45】オプショナルな可変意味素性を含む会話用例
文に対する一致度計算サブルーチンの説明図である。
【図46】図30におけるパッシブな可変意味素性が記
述された可変意味素性辞書の内容の一例を示す図であ
る。
【図47】パッシブな可変意味素性を含む会話用例文に
対する一致度計算サブルーチンの説明図である。
【図48】図1,図5,図14及び図29とは異なる会話
文翻訳装置の概略構成図である。
【図49】図48に示す会話文翻訳装置の機能ブロック
図である。
【図50】図49における意味素性辞書の内容の一例を
示す概念図である。
【図51】図49における対訳データベースの内容の一
例を示す図である。
【図52】図49における入力部,解析部,意味検索部,
選択部および表示部によって行われる会話文翻訳処理動
作のフローチャートである。
【図53】図52に示す会話文翻訳処理動作における入
力会話文(修正文)と表示される第1言語文との変遷の一
例を示す図である。
【図54】図52とは異なる会話文翻訳処理動作のフロ
ーチャートである。
【図55】図54に示す会話文翻訳処理動作における入
力会話文(修正文)と表示される第1言語文との変遷の一
例を示す図である。
【図56】図48に示す会話文翻訳装置の図49とは異
なる機能ブロック図である。
【図57】図56における選定結果記憶部の記憶内容の
一例を示す概念図である。
【図58】図56における入力部,解析部,意味検索部,
選択部,比較部および表示部によって行われる会話文翻
訳処理動作のフローチャートである。
【図59】図58に示す会話文翻訳処理動作における入
力会話文(修正文)と表示される第1言語文との変遷の一
例を示す図である。
【図60】図48に示す会話文翻訳装置の図49および
図56とは異なる機能ブロック図である。
【図61】図60における入力部,解析部,意味検索部,
選択部,翻訳制御部および表示部によって行われる会話
文翻訳処理動作のフローチャートである。
【図62】図61に示す会話文翻訳処理動作における入
力会話文(修正文)と表示される第1言語文との変遷の一
例を示す図である。
【符号の説明】
1,11,65,88,105,115…入力部、2,12,
40,66,90,107,117…解析部、3,13,4
1,67,92,109,119…意味検索部、4,17,7
0,94,111,121…表示部、5,19,43…制御
部、6,20,38,72,89,106,116…意味素性
辞書、7,21,37,71,91,108,118…対訳デ
ータベース、14,42,68…素性要素置換部、15,
69,93,110,120…選択部、16…素性要素選
択部、 18…分類記憶部、22…意志意味
素性辞書、 23…文脈意味素性辞書、24,
39,74…可変意味素性辞書、32…表示兼用タブレ
ット、 45,54…電子ペン、73…基本意味
素性辞書、 51…液晶ディスプレイ、53…
ペン入力タブレット、 112…選定結果記憶部、
113…比較部、 122…翻訳制御
部、123…意味素性記憶部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 収 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−324702(JP,A) 特開 平5−233693(JP,A) 特開 平2−190972(JP,A) 特公 昭60−24501(JP,B2) 特公 昭58−58714(JP,B2) 隅田英一郎・堤豊,翻訳支援のための 類似用例の実用的検索法,電子情報通信 学会論文誌,日本,1991年10月25日,J 74−D−II,No.10,p.1437− p.1447 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/21 - 17/30

Claims (27)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被翻訳言語である第1言語による自由な
    会話文が入力される入力部と、 上記第1言語による文の構成要素の意味を表す意味素性
    とこの意味素性の要素である上記第1言語による文字列
    とが、互いに対応付けられて登録された意味素性辞書
    と、 上記意味素性辞書を参照して、上記入力部から入力され
    た会話文から上記意味素性を抽出する解析部と、 上記第1言語による会話の用例文である会話用例文と、
    翻訳言語である第2言語による当該会話用例文の翻訳文
    と、当該会話用例文に係る意味素性の列とが、互いに対
    応付けられて登録された対訳データベースと、 上記対訳データベースに登録されている各会話用例文の
    意味素性列から上記解析部で抽出された意味素性を検索
    して、検索結果に基づく一致度が最も高い会話用例文を
    選定する意味検索部と、 上記意味検索部で選定された会話用例文と、この選定さ
    れた会話用例文の翻訳文を表示する表示部を備えて、 上記第1言語で入力された自由文に意味的に最も近い会
    話用例文を自動的に選定してその第2言語による翻訳文
    を得ることを特徴とする会話文翻訳装置。
  2. 【請求項2】 被翻訳言語である第1言語による自由な
    会話文が入力される入力部と、 上記第1言語による文の構成要素の意味を表す意味素性
    とこの意味素性の要素である上記第1言語による文字列
    とが、互いに対応付けられて登録された意味素性辞書
    と、 上記意味素性辞書を参照して、上記入力部から入力され
    た会話文から上記意味素性を抽出する解析部と、 上記第1言語による会話の用例文である会話用例文と、
    翻訳言語である第2言語による当該会話用例文の翻訳文
    と、当該会話用例文に係る意味素性の列とが、互いに対
    応付けられて登録された対訳データベースと、 上記対訳データベースに登録されている各会話用例文の
    意味素性列から上記解析部で抽出された意味素性を検索
    して、検索結果に基づく一致度の高い順に複数の会話用
    例文を選定する意味検索部と、 ユーザとの対話によって、上記意味検索部で選定された
    複数の会話用例文から入力会話文の文意により近い会話
    用例文を選択する選択部と、 上記選択部で選択された会話用例文と、この選択された
    会話用例文の翻訳文を表示する表示部を備えて、 上記第1言語で入力された自由文に意味的に最も近い会
    話用例文を自動的に選定してその第2言語による翻訳文
    を得ることを特徴とする会話文翻訳装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の会話文
    翻訳装置において、 上記意味素性辞書は、 上記第1言語による文の意志を表す意味素性である意志
    意味素性と、この意志意味素性の要素である上記第1言
    語による文字列とが、互いに対応付けられて成る意志意
    味素性辞書と、 上記第1言語による文の文脈を表す意味素性であって上
    記意志意味素性以外の意味素性である文脈意味素性と、
    この文脈意味素性の要素である上記第1言語による文字
    列とが、互いに対応付けられて成る文脈意味素性辞書と
    を有することを特徴とする会話文翻訳装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項2に記載の会話文
    翻訳装置において、 上記意味検索部は、上記会話用例文の意味素性列から検
    索された意味素性に該当する入力会話文の文字列が上記
    入力会話文の全文字列をカバーする割合を表すカバー率
    を算出するカバー率算出手段を有して、上記カバー率を
    用いて上記一致度を求めることを特徴とする会話文翻訳
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項1または請求項2に記載の会話文
    翻訳装置において、 上記対訳データベースに上記会話用例文毎に登録されて
    いる意味素性には、重みが付加されており、 上記意味検索部は、上記重みを用いて上記一致度を求め
    ることを特徴とする会話文翻訳装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載の会話文
    翻訳装置において、 上記意味素性辞書は、上記第1言語による文の置き換え
    可能な意味素性である可変意味素性と、この可変意味素
    性の項目である可変意味素性エントリと、この可変意味
    素性エントリの上記第2言語による翻訳語と、上記可変
    意味素性エントリの要素である上記第1言語による文字
    列とを、互いに対応付けて成る可変意味素性辞書を有
    し、 上記対訳データベースに登録された上記第1言語による
    会話用例文と当該会話用例文の上記第2言語による翻訳
    文と当該会話用例文に係る意味素性列には、上記可変意
    味素性あるいはその可変意味素性に該当する文字列を指
    定する可変意味素性情報を付加すると共に、 上記可変意味素性辞書および可変意味素性情報を参照し
    て、上記意味検索部で選定された会話用例文とその翻訳
    文とにおける上記可変意味素性に該当する文字列を、入
    力会話文における可変意味素性の可変意味素性エントリ
    とその翻訳語とで置き換える素性要素置換部を備えたこ
    とを特徴とする会話文翻訳装置。
  7. 【請求項7】 請求項1または請求項2に記載の会話文
    翻訳装置において、 上記意味素性辞書は、上記第1言語による文の置き換え
    可能な意味素性である可変意味素性と、この可変意味素
    性の項目である可変意味素性エントリと、この可変意味
    素性エントリの上記第2言語による翻訳語と、上記可変
    意味素性エントリの要素である上記第1言語による文字
    列とを、互いに対応付けて成る可変意味素性辞書を有
    し、 上記対訳データベースに登録された上記第1言語による
    会話用例文と当該会話用例文の上記第2言語による翻訳
    文とには、上記可変意味素性に該当する文字列を指定す
    る可変意味素性情報を付加すると共に、 ユーザとの対話によって、上記可変意味素性辞書および
    可変意味素性情報を参照して、上記意味検索部で選定さ
    れた会話用例文とその翻訳文における上記可変意味素性
    に該当する文字列を他の可変意味素性エントリとその翻
    訳語に選択的に置き換える素性要素選択部を備えたこと
    を特徴とする会話文翻訳装置。
  8. 【請求項8】 請求項1または請求項2に記載の会話文
    翻訳装置において、 上記意味検索部で直前に選定されて目的とする会話用例
    文であると確定された会話用例文の分類を表す分類情報
    を記憶する分類記憶部を備えると共に、 上記対訳データベースには、上記会話用例文の分類情報
    を各会話用例文毎に登録し、 上記意味検索部は、上記対訳データベースに登録された
    各会話用例文の分類情報と上記分類記憶部に記憶された
    分類情報とが一致するか否かを判定する一致判定手段を
    有して、入力会話文の文意に近い会話用例文を選定する
    場合に、上記分類記憶部に記憶された分類情報に一致し
    た分類情報を有する会話用例文を優先的に選定すること
    を特徴とする会話文翻訳装置。
  9. 【請求項9】 請求項2に記載の会話文翻訳装置におい
    て、 上記対訳データベースには、上記会話用例文の分類を表
    す分類情報を各会話用例文毎に登録し、 上記選択部は、上記対訳データベースを参照して上記意
    味検索部で選定された複数の会話用例文の分類情報を表
    示する分類情報表示手段と、ユーザとの対話によって選
    択された分類情報に従って、上記意味検索部で選定され
    た複数の会話用例文を絞り込む会話用例文絞り込み手段
    を有することを特徴とする会話文翻訳装置。
  10. 【請求項10】 請求項2に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記選択部は、入力会話文の文意により近い会話用例文
    をユーザとの対話によって選択するに際して、複数の会
    話用例文を選択可能になっており、 上記表示部は、上記選択部で選択された複数の会話用例
    文とこの選択された会話用例文夫々の翻訳文とを表示可
    能になっていることを特徴とする会話文翻訳装置。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記素性要素置換部は、 上記解析部によって抽出された意味素性を参照して、入
    力会話文における置換対象の可変意味素性に該当する文
    字列を検出する文字列検出手段と、 上記解析部によって抽出された意味素性および上記可変
    意味素性情報を参照して、上記意味検索部で選定された
    会話用例文あるいは上記選択部で選択された会話用例文
    における上記置換対象の可変意味素性に対して所定の相
    対位置に在る意味素性と、上記入力会話文における上記
    文字列検出手段によって検出された文字列に対して上記
    所定の相対位置に在る意味素性とが一致するか否かを判
    定して、判定結果が不一致である場合には上記文字列検
    出手段に他の文字列を検出させる一致判定手段を有し
    て、 上記一致判定手段の判定結果が一致である場合には、上
    記選定または選択された会話用例文とその翻訳文とにお
    ける上記置換対象の可変意味素性に該当する文字列を、
    上記文字列検出手段によって検出された文字列に対応す
    る可変意味素性エントリとその翻訳語とで置き換えるよ
    うになっていることを特徴とする会話文翻訳装置。
  12. 【請求項12】 請求項6に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記素性要素置換部は、 上記可変意味素性情報を参照して、上記意味検索部で選
    定された会話用例文あるいは上記選択部で選択された会
    話用例文から置換対象の可変意味素性に該当する文字列
    を検出する文字列検出手段と、 上記解析部によって抽出された意味素性および上記可変
    意味素性情報を参照して、入力会話文における上記置換
    対象の可変意味素性に対して所定の相対位置に在る意味
    素性と、上記選定または選択された会話用例文における
    上記文字列検出手段によって検出された文字列に対して
    上記所定の相対位置に在る意味素性とが一致するか否か
    を判定して、判定結果が不一致である場合には上記文字
    列検出手段に他の文字列を検出させる一致判定手段を有
    して、 上記一致判定手段の判定結果が一致である場合には、上
    記選定または選択された会話用例文とその翻訳文とにお
    ける上記文字列検出手段によって検出された文字列とそ
    の翻訳語とを、入力会話文における上記置換対象の可変
    意味素性の可変意味素性エントリとその翻訳語とで置き
    換えるようになっていることを特徴とする会話文翻訳装
    置。
  13. 【請求項13】 請求項6に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記素性要素置換部は、 上記解析部によって抽出された意味素性を参照して、入
    力会話文から置換対象の可変意味素性に該当する文字列
    を検出する第1文字列検出手段と、 上記可変意味素性情報を参照して、上記意味検索部で選
    定された会話用例文あるいは上記選択部で選択された会
    話用例文から上記置換対象の可変意味素性に該当する文
    字列を検出する第2文字列検出手段と、 上記解析部によって抽出された意味素性および上記可変
    意味素性情報を参照して、上記入力会話文における上記
    第1文字列検出手段によって検出された文字列に対して
    所定の相対位置に在る意味素性と、上記選定または選択
    された会話用例文における上記第2文字列検出手段によ
    って検出された文字列に対して上記所定の相対位置に在
    る意味素性とが一致するか否かを判定して、判定結果が
    不一致である場合には上記第1,第2文字列検出手段の
    何れか一方に他の文字列を検出させる一致判定手段を有
    して、 上記一致判定手段の判定結果が一致である場合には、上
    記選定または選択された会話用例文とその翻訳文とにお
    ける上記第2文字列検出手段によって検出された文字列
    とその翻訳語とを、入力会話文における上記第1文字列
    検出手段によって検出された文字列の可変意味素性エン
    トリとその翻訳語とで置き換えるようになっていること
    を特徴とする会話文翻訳装置。
  14. 【請求項14】 請求項6に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記対訳データベースに登録された上記会話用例文に、
    当該会話用例文における置換の対象となる可変意味素性
    に該当する文字列の位置を指定するフラグを付加すると
    共に、 上記素性要素置換部は、 上記フラグが付加されている会話用例文情報に関して、
    上記フラグによって指定された文字列の位置を検知する
    文字列位置検知手段を有して、 上記意味検索部で選定された会話用例文あるいは上記選
    択部で選択された会話用例文の何れかとその翻訳文とに
    おける上記文字列位置検知手段によって検知された位置
    に在る文字列とその翻訳語とを、入力会話文における上
    記置換の対象となる可変意味素性の可変意味素性エント
    リとその翻訳語とで置き換えるようになっていることを
    特徴とする会話文翻訳装置。
  15. 【請求項15】 請求項6に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記対訳データベースに登録された上記会話用例文に付
    加されて、当該会話用例文における置換の対象となる可
    変意味素性に該当する未置換の文字列に対する置換方法
    を指定するフラグと、 入力会話文における上記置換の対象となる可変意味素性
    の可変意味素性エントリとその翻訳語とによる置き換え
    が上記素性要素置換部によって行われた会話用例文に、
    上記フラグが付加されているか否かを判別するフラグ判
    別部と、 上記フラグ判別部によって上記フラグが付加されている
    と判別された会話用例文に関して、上記フラグによって
    指定された置換方法を検知する置換方法検知部と、 上記可変意味素性辞書を検索して、上記置換の対象とな
    る可変意味素性に該当し且つ上記素性要素置換部による
    置き換えの際に用いられた可変意味素性エントリとは異
    なる可変意味素性エントリであって、上記置換方法検知
    部で検知された置換方法に適合する可変意味素性エント
    リと、その翻訳語とを得る可変意味素性辞書検索部を備
    えると共に、 上記素性要素置換部は、上記フラグ判別部によって上記
    フラグが付加されていると判別された会話用例文とその
    翻訳文とにおける上記置換の対象となる可変意味素性に
    該当する未置換の文字列を、上記可変意味素性辞書検索
    部によって得られた可変意味素性エントリとその翻訳語
    とで置き換えるようになっていることを特徴とする会話
    文翻訳装置。
  16. 【請求項16】 請求項6に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記対訳データベースに登録された上記会話用例文に付
    加されて、許可できない可変意味素性エントリの組み合
    わせを指定するフラグと、 入力会話文における上記置換の対象となる可変意味素性
    の可変意味素性エントリとその翻訳語とによる置き換え
    が上記素性要素置換部によって行われた会話用例文に、
    上記フラグが付加されているか否かを判別するフラグ判
    別部と、 上記フラグ判別部によって上記フラグが付加されている
    と判別された会話用例文に関して、上記フラグによって
    指定された可変意味素性エントリの組み合わせの要素に
    該当する未置換の文字列を検出する未置換文字列検出部
    と、 上記可変意味素性辞書を検索して、上記未置換文字列検
    出部によって検出された未置換の文字列の可変意味素性
    と同一の可変意味素性に該当する可変意味素性エントリ
    であって、上記未置換の文字列の可変意味素性エントリ
    とは異なる可変意味素性エントリと、その翻訳語とを得
    る可変意味素性辞書検索部を備えると共に、 上記素性要素置換部は、上記フラグ判別部によって上記
    フラグが付加されていると判別された会話用例文とその
    翻訳文とにおける上記未置換の文字列を、上記可変意味
    素性辞書検索部によって得られた可変意味素性エントリ
    とその翻訳語とで置き換えるようになっていることを特
    徴とする会話文翻訳装置。
  17. 【請求項17】 請求項1あるいは請求項2に記載の会
    話文翻訳装置において、 上記対訳データベースには、会話用例文と意味的に実質
    同一の想定文に係る意味素性の列を当該会話用例文に対
    応付けて登録し、 上記意味検索部は、上記対訳データベースに登録されて
    いる各会話用例文の意味素性列から上記解析部で抽出さ
    れた意味素性を検索して会話用例文を選定する処理を、
    当該会話用例文に対応付けられている複数の意味素性列
    の夫々に対して個別に行うようになっていることを特徴
    とする会話文翻訳装置。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の会話文翻訳装置に
    おいて、 ある意味素性と、上記対訳データベースに登録された会
    話用例文とその会話用例文に対応付けられている意味素
    性列の1つであって当該意味素性を含む意味素性列との
    組とを対応付けて、当該意味素性から特定の会話用例文
    と1つの意味素性とで成る組を導出するためのインデッ
    クスを備えると共に、 上記意味検索部は、上記対訳データベースに登録されて
    いる各会話用例文の意味素性列から上記解析部で抽出さ
    れた意味素性を検索する場合に、上記インデックスを用
    いることによって、1つの会話用例文に対応付けられて
    いる個々の意味素性列単位で上記検索を行うことを特徴
    とする会話文翻訳装置。
  19. 【請求項19】 請求項2に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記対訳データベースには、会話用例文が使用される状
    況を表す補足情報を当該会話用例文に対応付けて登録
    し、 上記選択部は、ユーザと対話を行う際に、上記意味検索
    部で選定された複数の会話用例文と各会話用例文に対応
    付けられている補足情報とをユーザに呈示するようにな
    っていることを特徴とする会話文翻訳装置。
  20. 【請求項20】 請求項1あるいは請求項2に記載の会
    話文翻訳装置において、 上記意味素性辞書に登録される意味素性としてオプショ
    ナルな意味素性を設定し、 上記対訳データベースに登録された意味素性列には、上
    記オプショナルな意味素性を指定するオプショナル意味
    素性情報を付加し、 上記意味検索部は、上記オプショナル意味素性情報を参
    照して、上記対訳データベースに登録されている会話用
    例文の意味素性列に存在する上記オプショナルな意味素
    性に該当する文字列が入力会話文中に存在しない場合に
    は、当該意味素性列中には当該オプショナルな意味素性
    が存在しないと見なして、上記会話用例文の選定を行う
    ようになっていることを特徴とする会話文翻訳装置。
  21. 【請求項21】 請求項6に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記解析部は、上記意味素性辞書に登録しておくことが
    できない特定文字列を入力会話文から検索し、この検索
    された特定文字列に対応付けられている可変意味素性と
    当該特定文字列とを出力する特定文字列検出手段を有し
    て、上記可変意味素性辞書を用いて入力会話文から上記
    意味素性を抽出するに先立って上記特定文字列検出手段
    によって上記特定文字列を検出して、この特定文字列に
    対応付けられた可変意味素性と当該特定文字列とを出力
    し、 上記素性要素置換部は、上記意味検出部で選定された会
    話用例文あるいは上記選択部で選択された会話用例文の
    何れかとその翻訳文とに上記特定文字列検出手段から出
    力された可変意味素性と同一の可変意味素性に該当する
    文字列が在る場合には、当該文字列を上記特定文字列検
    出手段から出力された特定文字列で置き換えるようにな
    っていることを特徴とする会話文翻訳装置。
  22. 【請求項22】 請求項6に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記可変意味素性辞書に登録される可変意味素性とし
    て、上記可変意味素性エントリが空であるオプショナル
    な可変意味素性を設定し、 上記素性要素置換部は、上記意味検索部で選定された会
    話用例文あるいは上記選択部で選択された会話用例文に
    上記オプショナルな可変意味素性が存在するが入力会話
    文には存在しない場合には、当該会話用例文とその翻訳
    文とにおける当該オプショナルな可変意味素性に該当す
    る文字列に対して上記置き換えを行う場合には、当該会
    話用例文の当該文字列は空文字列で置き換えるようにな
    っていることを特徴とする会話文翻訳装置。
  23. 【請求項23】 請求項6に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記可変意味素性辞書に登録される可変意味素性とし
    て、上記可変意味素性エントリに対応する当該可変意味
    素性エントリの翻訳語が空であるパッシブな可変意味素
    性を設定し、 上記素性要素置換部は、上記意味検索部で選定された会
    話用例文あるいは上記選択部で選択された会話用例文の
    何れかとその翻訳文とにおける上記パッシブな可変意味
    素性に該当する文字列に対して上記置き換えを行う場合
    には、上記翻訳文の当該文字列は空文字列で置き換える
    ようになっていることを特徴とする会話文翻訳装置。
  24. 【請求項24】 請求項2に記載の会話文翻訳装置にお
    いて、 上記選択部は、上記会話用例文の選択に先立って、上記
    意味検索部によって選定された複数の会話用例文を呈示
    して、ユーザとの対話によって、上記入力部に入力され
    た会話文に対して修正が必要であるか否かを判定して、
    判定結果が可である場合には上記入力部及び解析部に制
    御信号を送出する修正判定手段を有し、 上記入力部は、上記修正判定手段からの制御信号を受け
    ると、先に入力された会話文に対する追加文の入力を許
    可し、 上記解析部は、入力された会話文を保持する会話文保持
    手段を有して、上記修正判定部からの制御信号を受けた
    場合には、上記会話文保持手段に保持されている入力会
    話文に上記入力部から入力された追加文を付加して成る
    入力会話文から上記意味素性を抽出するようになってい
    ることを特徴とする会話文翻訳装置。
  25. 【請求項25】 請求項24に記載の会話文翻訳装置に
    おいて、 上記意味検索部は、上記意味素性を検索した結果に基づ
    いて、上記解析部で抽出された意味素性を上記意味素性
    列中に有している会話用例文の個数をカウントする会話
    用例文数カウント手段を有し、 上記修正判定手段は、上記意味検索部によって選定され
    た複数の会話用例文に加えて、上記会話用例文数カウン
    ト手段によるカウント値をも呈示するようになっている
    ことを特徴とする会話文翻訳装置。
  26. 【請求項26】 請求項24に記載の会話文翻訳装置に
    おいて、 上記意味検索部による会話用例文の選定結果を記憶する
    選定結果記憶部と、 上記選定結果記憶部に記憶されている前回の選定結果
    と、上記意味検索部による今回の選定結果とを比較し
    て、前回の選定結果に対する今回の選定結果の差分を求
    める比較部を備えると共に、 上記修正判定手段は、上記意味検索部によって選定され
    た複数の会話用例文に加えて、上記比較部によって得ら
    れた上記差分をも呈示するようになっていることを特徴
    とする会話文翻訳装置。
  27. 【請求項27】 請求項24に記載の会話文翻訳装置に
    おいて、 上記入力部から入力された文字列から抽出された上記意
    味素性の列を記憶する意味素性記憶部と、 上記入力部から所定の言語単位の語句が入力されたか否
    かを判別し、上記所定の言語単位の語句が入力されたと
    判別すると上記意味検出部を起動して、上記意味素性記
    憶部に記憶された意味素性の列を上記意味検出部に送出
    する翻訳制御部を備えると共に、 上記解析部は、上記入力部から順次送出されてくる文字
    列から上記意味素性を抽出し、この抽出した意味素性を
    上記意味素性記憶部に送出して記憶させるようになって
    いることを特徴とする会話文翻訳装置。
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