JP3302915B2 - 電力系統保護制御システムとこのシステムを実行するためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

電力系統保護制御システムとこのシステムを実行するためのプログラムを記録した記録媒体

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JP3302915B2
JP3302915B2 JP34857897A JP34857897A JP3302915B2 JP 3302915 B2 JP3302915 B2 JP 3302915B2 JP 34857897 A JP34857897 A JP 34857897A JP 34857897 A JP34857897 A JP 34857897A JP 3302915 B2 JP3302915 B2 JP 3302915B2
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  • Multi Processors (AREA)
  • Remote Monitoring And Control Of Power-Distribution Networks (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Communication Control (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統の状態量
を入力とし、ディジタルデータに変換して電力系統の保
護制御を行なうディジタル形保護制御装置及び通信ネッ
トワークを介して同装置の動作や状態の運用監視のため
の表示操作を行なう表示操作装置並びにこれらを組み合
わせた電力系統保護制御システムとこのシステムを実行
するためのプログラムを記録した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル形の保護制御装置は電力系統
分野において既に広く運用されているが、近年では高性
能マイクロプロセッサや大容量メモリーなどの運用によ
り高機能化が進んでいる。特に同装置の運用保守の省力
化のために、遠方から広域伝送網を介して、ディジタル
形保護制御装置の動作や状態を運用監視する遠隔運用監
視システムの実現が可能となっている。
【0003】これらのシステムではディジタル形保護制
御装置の動作や運用状態に関する詳細な情報のほか、電
力系統から入力した電気量(電流,電圧などをディジタ
ルデータに変換したもの)なども伝送系を介して遠方で
表示できる。このシステムの具体例としては、例えば文
献(平成8年 電気学会全国大会 講演論文集1529
「ディジタルリレー遠隔運用監視システムの開発」)な
どに記載されている。
【0004】従来のディジタル形保護制御装置の遠隔運
用を目的としたシステムでは、ディジタル形保護制御装
置(以下、「保護制御装置」と称す)の遠隔運用メニュ
ーに添って広域伝送網を介した遠方のパーソナルコンピ
ュータなどから要求を出し、これを受けた保護制御装置
が要求に従った処理を行ない、応答をパーソナルコンピ
ュータなど要求を出した装置へ返す形態をとる。図41に
遠隔運用メニュー例を示す。
【0005】例えば整定メニューで整定変更をする場合
を例にとると、図42に示すように先ず遠隔運用メニュー
内で、通信メニューにて変電所,装置を選択し、通信接
続を行なった後、表示操作メニューを選択し、更に整定
を選択した後、変更する整定要素を選択し、変更する数
値を入力し、保護制御装置内のEEPROMへ書込要求
を出し、その後運用開始要求を出す、という手順をと
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、一
連の処理が終了するまでパーソナルコンピュータと保護
制御装置間の通信経路は保持されている必要があり、通
信ネットワーク上の通信量の増加とそれに伴なう通信の
遅延や通信パケットの紛失による信頼性の低下が発生す
るという第1の問題点がある。
【0007】図42は1つの整定要素の変更であり、これ
が複数要素の場合は更に所用時間は増大する。又、前述
した遠隔運用メニューに対応した各要求をパーソナルコ
ンピュータから発生させるためには、操作者は各要求に
対応した操作をその都度行なう必要が生ずる。
【0008】これは対象とする保護制御装置の機能が複
雑化,多様化するに従い操作が増えることとなり、操作
者の作業量が増加する。又、複数の装置に同一の運用業
務を行なう場合、同じ作業を異なる装置に対して行なう
という煩雑さが生じ、作業量の増大と共にヒューマンエ
ラーによる信頼性の低下が生ずるという第2の問題点が
ある。
【0009】又、このような遠隔運用システムでは、複
数の保護制御装置を1つのパーソナルコンピュータで運
用することとなるが、この場合、各保護制御装置の内容
(例えば保護方式が異なることによる整定要素など)の
相違を考慮した構成とする必要が生ずる。
【0010】この場合の構成を図43に示す。図で示すよ
うに、パーソナルコンピュータ側の構成は各保護制御装
置の種類に対応したものとなる。これは保護制御装置の
種類が増えるに従いパーソナルコンピュータ上に備える
べき対応ソフトウェア量が増大していくことを意味し、
そのための改造が生ずるなどして経済性,信頼性が劣る
という第3の問題点がある。
【0011】又、このような遠隔運用システムにおいて
は、ローカルネットワークや広域伝送網を利用している
ことから、これらの通信ネットワークと接続できる場所
であれば容易に保護制御装置の遠隔運用が行なえるとい
うことになる。即ち、複数の地点に設置されたパーソナ
ルコンピュータから同様に遠隔運用が行なえることとな
る。
【0012】この様子を図44に示す。この場合、前述の
ように各保護制御装置に対応した遠隔運用ソフトウェア
を各パーソナルコンピュータへ備える必要があり、この
ための費用や保守などの経済性で劣るという第4の問題
点がある。
【0013】更に前述したように、遠隔運用システムで
は複数の保護制御装置の運用監視が1つのパーソナルコ
ンピュータで可能となることから、関連する同一項目
(例えば同一系統に接続された複数の保護制御装置が取
り込む系統電気量)の比較などを行なうことができる。
【0014】この場合、パーソナルコンピュータの操作
としては、対象とする保護制御装置との通信接続を行な
い、図41で示す遠隔運用メニューに添って、各項目の表
示を行なう。関連する他装置の同一項目の状態を確認し
たい場合には同様に関連装置との通信接続を行ない、同
じく図41で示す同様メニューに添って表示することとな
る。
【0015】この場合、対象とする装置が増えたりする
と、この操作方法では装置選択,通信接続,項目選択の
操作が各装置毎に必要となり、操作が極めて煩雑となる
こと及び関連する他装置,項目の表示画面は各装置毎独
立して表示されるが、同一画面内で関連装置,項目とし
て表示されていないことから、操作者が関連項目の比較
を行なう場合は過度の負担となるという第5の問題点が
ある。
【0016】この場合、複数装置にわたり関連する同一
項目毎にメニューをまとめるということも考えられる
が、装置単位で異なる項目を見たい場合には逆の煩雑さ
があり、又、装置の増設・改造などがある場合の保守性
が問題となる。又、複数の表示操作装置から同時に同一
保護制御装置をアクセスした場合、これに応答するため
に、保護制御装置の処理負荷が増大し、応答が遅くなる
という第6の問題点がある。
【0017】又、更にこのような遠隔運用システムでは
保護制御装置に多様な機能の実現が要求される可能性が
あり、例えば従来電力系統の保護・制御・計測などが別
装置として分離されていたが、これらの機能を同一装置
としてまとめることなどが考えられる。このような場
合、保護制御装置に収納すべき処理は増加し、経済性・
信頼性・保守性などの点で過度の負担が生ずるという第
7の問題点がある。
【0018】更に保護制御装置の仕様変更時は、装置を
停止してプログラムを収納したROMを変換するのが一
般的であるが、このための装置稼働率の低下,変更作業
量の煩雑さという第8の問題点がある。
【0019】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、複数の演算部と表示操作部を通信ネット
ワークで結ぶ監視制御システムにおいて、通信ネットワ
ークに各装置が接続されていることを利用し、システム
内でのプログラムモジュールの移動,各装置間の連携機
能に着目し、通信ネットワークの負荷を増やさず、操作
性,経済性,保守性,信頼性に優れた電力系統保護制御
システムとこのシステムを実行するためのプログラムを
記録した記録媒体を提供することを目的としている。
【0020】
【0021】
【0022】本発明の請求項1に係る電力系統保護制御
システムは、電力系統の状態量を入力とし、これをディ
ジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行なう複
数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信ネッ
トワークを介して接続され各保護制御装置の動作や状態
の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装置とか
らなる電力系統保護制御システムにおいて、前記表示操
作装置は表示操作の内容に対応した、データと当該デー
タを処理する手続きが一体化したプログラムモジュール
を前記通信ネットワークを介して指定された前記保護制
御装置に送出するプログラムモジュール送出手段を備え
ると共に、前記複数の保護制御装置の少なくとも1つ
は、前記表示操作装置あるいは他の保護制御装置からの
前記プログラムモジュールを受信するプログラムモジュ
ール受信手段と、前記受信したプログラムモジュールを
実行する実行手段と、前記実行手段による実行結果ある
いは当該保護制御装置が記憶している前記プログラムモ
ジュールを前記表示操作装置あるいは他の保護制御装置
に転送する転送手段とを夫々備えた。
【0023】本発明の請求項2に係る電力系統保護制御
システムは、電力系統の状態量を入力とし、これをディ
ジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行なう複
数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信ネッ
トワークを介して接続され各保護制御装置の動作や状態
の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装置とか
らなる電力系統保護制御システムにおいて、前記複数の
保護制御装置の少なくとも1つは、前記表示操作装置か
ら送られてきた動作解析プログラムモジュールあるいは
他の保護制御装置より転送されてきた前記保護制御装置
の動作情報収集を行なう手続きと動作情報収集されたデ
ータを一体化した動作解析プログラムモジュールを受信
する動作解析プログラムモジュール受信手段と、前記受
信した動作解析プログラムモジュールを実行し、その実
行結果を前記動作解析プログラムモジュールの知識とし
て与える知識追加手段と、他の保護制御装置あるいは表
示操作装置に対して知識追加後の前記動作解析プログラ
ムモジュールを送出する送出手段とを備えると共に、前
記表示操作装置は、保護制御装置の動作を解析するため
のプログラムモジュールを前記通信ネットワークを介し
前記保護制御装置に送出する動作解析プログラムモジュ
ール送出手段と、前記送出手段から送出された知識追加
後の動作解析プログラムモジュールを受信する受信手段
と、前記受信結果を表示する表示手段とを備えた。
【0024】本発明の請求項3に係る電力系統保護制御
システムは、請求項2において、前記複数の保護制御装
置の少なくとも1つは、複数の保護制御装置間を移動す
る動作解析プログラムモジュールに保護制御装置動作情
報を与える動作情報入力手段と、前記各保護制御装置が
電力系統のどの範囲を保護制御対象としているかの情報
を与える装置情報入力手段と、動作解析プログラムモジ
ュールに前記各情報を受けて自律的に移動経路を制御す
る情報を入力する移動経路情報入力手段と、移動先の各
保護制御装置の動作情報及び各保護制御装置情報をもと
に移動経路の修正を行なう移動経路制御手段を備えた。
【0025】本発明の請求項4に係る電力系統保護制御
システムは、請求項2において、系統事故発生時の動作
状態を予測した知識を格納した動作状態予測知識ベース
を設けると共に、動作解析プログラムモジュールが収集
した動作情報と前記動作状態予測知識ベースとを比較
し、保護制御装置動作の妥当性の検証を行なう検証手段
を備えた。
【0026】本発明の請求項5に係る電力系統保護制御
システムは、請求項2において、保護対象とする電力系
統からの電気量を取込んで蓄積する系統観測装置を設け
ると共に、同一の電力系統事故に関係する可能性のある
複数の保護制御装置間を移動する動作解析プログラムモ
ジュールが収集した動作情報に基づいて移動経路の修正
を行なう経路制御手段と、この経路制御手段の結果に基
づいて動作解析プログラムモジュールが関連する前記系
統観測装置から収集した電気量と前記プログラムモジュ
ールに対応する保護制御装置から得たリレー動作情報と
を比較して、前記電気量からみた事故様相とリレーの動
作情報との関係から当該事故様相とリレー動作状態との
妥当性を検証する検証手段を備えた。
【0027】本発明の請求項6に係る電力系統保護制御
システムは、電力系統の状態量を入力とし、これをディ
ジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行なう複
数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信ネッ
トワークを介して接続され各保護制御装置の動作や状態
の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装置とか
らなる電力系統保護制御システムにおいて、前記複数の
保護制御装置の少なくとも1つは、前記表示操作装置か
ら送られてきた前記保護制御装置の動作状態を取得し正
常に機能しているか否かを判断する手続きと当該判断を
行なう基準となるデータを一体化した監視プログラムモ
ジュールあるいは他の保護制御装置より転送されてきた
監視プログラムモジュールを受信する監視プログラムモ
ジュール受信手段と、前記受信した監視プログラムモジ
ュールを実行し、その実行結果を前記監視プログラムモ
ジュールの知識として与える知識追加手段と、他の保護
制御装置あるいは表示操作装置に対して知識追加後の前
記監視プログラムモジュールを送出する送出手段とを備
えると共に、前記表示操作装置は、保護制御装置の状態
を監視するための監視プログラムモジュールを前記通信
ネットワークを介し前記保護制御装置に送出する監視プ
ログラムモジュール送出手段と、前記送出手段から送出
された知識追加後の監視プログラムを受信する受信手段
と、前記受信結果を表示する表示手段とを備えた。
【0028】本発明の請求項7に係る電力系統保護制御
システムは、請求項6において、複数のディジタル形保
護制御装置間を移動する監視プログラムモジュール内に
は、監視対象装置の異常を検出したことで前記監視プロ
グラムモジュールの移動経路を制御する移動経路制御手
段を備えた。
【0029】本発明の請求項8に係る電力系統保護制御
システムは、請求項6において、複数の保護制御装置間
を移動する監視プログラムモジュールに代えて特定目的
データ収集プログラムモジュールを設け、前記特定目的
データ収集プログラムモジュール内には特定目的に従っ
たデータ収集を行なうデータ収集手段と、収集された各
保護制御装置のデータの同一項目を比較統計処理する比
較手段を設けると共に、表示操作装置内には前記特定目
的データ収集プログラムモジュールに対して特定目的を
与えるための特定目的指示手段を備えた。
【0030】本発明の請求項9に係る電力系統保護制御
システムは、請求項6において、監視プログラムモジュ
ールにて異常が発生あるいは発生の予兆があると判定し
た保護制御装置について、前記監視プログラムモジュー
ルでの判定結果に基づき詳細診断を行ない不良部位を特
定する診断ルールを有する診断プログラムモジュールを
設け、表示操作装置には前記診断プログラムモジュール
送出手段を設けると共に、保護制御装置には診断プログ
ラムモジュール受信手段と、前記診断プログラムモジュ
ールの実行手段を備えた。
【0031】本発明の請求項10に係る電力系統保護制
御システムは、請求項9において、診断プログラムモジ
ュールにて不良部位が特定できた後、保護制御装置の運
用を継続するために不良部位に対応する修復プログラム
モジュールを有するプログラム格納装置を設け、保護制
御装置には修復プログラムモジュール受信手段と、前記
修復プログラムモジュールの実行手段を備えた。
【0032】本発明の請求項11に係る電力系統保護制
御システムは、請求項6において、監視プログラムモジ
ュールには保護制御装置の稼働実績,動作実績を入力と
し、監視プログラムモジュール自身の移動周期,各装置
内での滞在時間,処理内容及び移動経路を制御する制御
手続手段を備えた。
【0033】本発明の請求項12に係る電力系統保護制
御システムは、電力系統の状態量を入力とし、これをデ
ィジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行なう
複数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信ネ
ットワークを介して接続され各保護制御装置の動作や状
態の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装置と
からなる電力系統保護制御システムにおいて、前記複数
の保護制御装置の少なくとも1つは、前記表示操作装置
から送られてきた整定値データと当該データを処理する
手続きを一体化した整定プログラムモジュールあるいは
他の保護制御装置より転送されてきた整定値データと当
該データを処理する手続きを一体化した整定プログラム
モジュールを受信する整定プログラムモジュール受信手
段と、前記受信した整定プログラムモジュールを実行
し、その実行結果を前記整定プログラムモジュールの知
識として与える知識追加手段と、他の保護制御装置ある
いは表示操作装置に対して知識追加後の前記整定プログ
ラムモジュールを送出する送出手段とを備えると共に、
前記表示操作装置は、保護制御装置に対して整定するた
めの整定プログラムモジュールを前記通信ネットワーク
を介し前記保護制御装置に送出する整定プログラムモジ
ュール送出手段と、前記送出手段から送出された知識追
加後の整定プログラムモジュールを受信する受信手段
と、前記受信結果を表示する表示手段とを備えた。
【0034】本発明の請求項13に係る電力系統保護制
御システムは、請求項12において、前記複数の保護制
御装置の少なくとも1つには、複数の保護制御装置間を
移動する整定プログラムモジュールに保護制御装置の系
統電気量情報,系統情報及び関連機器情報を与える入力
手段を設けると共に、整定プログラムモジュールには自
律的に移動経路を制御する移動経路制御手段と、変更す
べき整定値を決定する整定値決定手段を備えた。
【0035】本発明の請求項14に係る電力系統保護制
御システムは、請求項12において、複数の保護制御装
置間を移動する整定プログラムモジュールから呼び出し
可能な保護制御演算プログラムモジュールを格納する保
護制御演算プログラムモジュール格納装置を備え、前記
整定プログラムモジュールには、自律的に移動経路を制
御する移動経路制御手段と、各保護制御装置に必要な保
護制御演算プログラムモジュールを決定して前記保護制
御演算プログラムモジュール格納装置から保護制御演算
プログラムモジュールを呼び出す保護制御演算決定手段
とを備えると共に、前記複数の保護制御装置の少なくと
も1つには整定プログラムモジュールに対して系統電気
量情報,系統情報及び関連機器情報を与える入力手段
と、前記保護制御演算決定手段にて収集した保護演算プ
ログラムモジュールを実行する保護演算実行手段とを備
えた。
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
【0042】本発明の請求項15に係る記録媒体は、電
力系統の状態量を入力とし、これをディジタルデータに
変換して電力系統の保護制御を行なう複数の保護制御装
置と、これらの保護制御装置と通信ネットワークを介し
て接続され、前記各保護制御装置の動作や状態の運用監
視のための表示操作を行なう表示操作装置とからなる電
力系統保護制御システムに適用される記録媒体であっ
て、前記複数の保護制御装置の少なくとも1つが有する
下記手段を実行させる機能を有するコンピュータ読み取
り可能なプログラムを記録した記録媒体である。 記 プログラムモジュール受信手段:前記通信ネットワーク
を介して前記表示操作装置あるいは他の前記保護制御装
置からのプログラムモジュールを受信する。 実行手段:前記受信したプログラムモジュールを実行す
る。 転送手段:前記実行手段による実行結果あるいは他の保
護制御装置が記憶しているプログラムモジュールを前記
表示装置あるいは他の保護制御装置に転送する。
【0043】本発明の請求項16に係る記録媒体は、電
力系統の状態量を入力とし、これをディジタルデータに
変換して電力系統の保護制御を行なう複数の保護制御装
置と、これらの保護制御装置と通信ネットワークを介し
て接続される各保護制御装置の動作や状態の運用監視の
ための表示操作を行なう表示操作装置とからなる電力系
統保護制御システムに適用される記憶媒体であって、前
記表示操作装置が有する保護制御装置の動作を解析する
ためのプログラムモジュールを前記通信ネットワークを
介し前記保護制御装置に送出させる動作解析プログラム
モジュール送出手段を実行させる機能と、前記送出手段
から送出された知識追加後の動作解析プログラムを受信
する受信手段を実行させる機能とを有するコンピュータ
読み取り可能なプログラムを記録した記録媒体である。
【0044】
【0045】本発明の請求項17に係る記録媒体は、電
力系統の状態量を入力とし、これをディジタルデータに
変換して電力系統の保護制御を行なう複数の保護制御装
置と、これらの保護制御装置と通信ネットワークを介し
て接続される各保護制御装置の動作や状態の運用監視の
ための表示操作を行なう表示操作装置とからなる電力系
統保護制御システムに適用される記録媒体であって、前
記表示操作装置が有する保護制御装置の状態を監視する
ためのプログラムモジュールを前記通信ネットワークを
介し前記保護制御装置に送出させる監視プログラムモジ
ュール送出手段を実行させる機能と、前記送出手段から
送出された知識追加後の監視プログラムを受信する受信
手段を実行させる機能とを有するコンピュータ読み取り
可能なプログラムを記録した記録媒体である。
【0046】
【0047】本発明の請求項18に係る記録媒体は、電
力系統の状態量を入力とし、これをディジタルデータに
変換して電力系統の保護制御を行なう複数の保護制御装
置と、これらの保護制御装置と通信ネットワークを介し
て接続される各保護制御装置の動作や状態の運用監視の
ための表示操作を行なう表示操作装置とからなる電力系
統保護制御システムに適用される記録媒体であって、前
記表示操作装置が有する保護制御装置に対して整定する
ためのプログラムモジュールを前記通信ネットワークを
介し前記保護制御装置に送出させる整定プログラムモジ
ュール送出手段を実行させる機能と、前記送出手段から
送出された知識追加後の整定プログラムを受信する受信
手段を実行させる機能とを有するコンピュータ読み取り
可能なプログラムを記録した記録媒体である。
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【発明の実施の形態】図1はディジタル形保護制御シス
テムの第1の実施の形態を示す構成図である。図1にお
いて、10は保護制御対象である電力系統1からの状態量
1 を入力として、電力系統への保護制御出力をC1
して電力系統の保護制御を行なうディジタル形保護制御
装置であり、プログラムモジュール受信手段11,実行手
段12,実行結果及びプログラムモジュール返送・転送手
段13からなる。
【0057】又、表示操作装置20は通信ネットワーク30
を介してディジタル形保護制御装置10及び同一構成の他
装置40など複数の遠隔運用を行なうものであり、プログ
ラムモジュール送出手段21を有する。ここでディジタル
形保護制御装置40は本実施の形態の説明のために記した
ものであり、本発明の基本構成要素ではない。
【0058】先ず動作としては、表示操作装置20にて表
示操作の内容に対応したプログラムモジュールを、プロ
グラムモジュール送出手段21にて通信ネットワーク30を
介して送出する。例えば図2に示すように、前述の図41
で示した遠隔運用メニューの各項目に対応した各プログ
ラムモジュールを送出することになる。
【0059】ここでプログラムモジュールとはデータと
それを処理する手続きの記述を一体化したものであり、
例えば前述の整定メニューの場合であれば、データは各
保護制御方式に対応した整定値であり、手続きはそれら
の整定値を保護制御装置の所定メモリーへ格納するまで
の手順と言える。
【0060】送出されたプログラムは通信ネットワーク
を介して、ディジタル形保護制御装置10内のプログラム
モジュール受信手段11にて受信され、実行手段12にて実
行される。又、受信されたプログラムモジュールが有す
るデータは実行手段によって実行されると共に、実行手
段によって電力系統側に渡すことも可能である。この場
合のプログラムモジュール送出,受信,実行処理の流れ
をまとめると図3に示すようになる。
【0061】ここで示すように表示操作装置から送られ
てきた整定プログラムモジュールは整定すべき整定値デ
ータと、その手続き(例えば整定値をどのメモリーに格
納するか、保護制御装置内に常駐するどの処理に要求を
出せばよいかなど)で構成されることから、保護制御装
置内で整定処理に関する詳細な処理の実行が行なわれ
る。即ち、RAM,EEPROM(新),EEPROM
(旧)など保護制御装置内のハードウェア資源に対して
の処理が行なわれる。
【0062】従来では図42に示したように表示操作装
置,保護制御装置間でこのようなやりとりが行なわれる
が、これらの処理を組み込んだ整定プログラムモジュー
ルが保護制御装置側に移動して実行されることから、通
信ネットワークの負荷は従来に比べ軽減される。又、操
作者も新しい整定値を表示操作装置へ与えるのみでよ
く、従来のように各要求を保護制御装置へ送出するため
の操作は必要なくなる。
【0063】実行手段12でプログラムモジュールが実行
された後、この実行結果あるいはプログラムモジュール
は実行結果及びプログラムモジュール返送・転送手段
(以下、返送・転送手段と言う)13にて処理される。例
えば前述の整定モジュールの場合、整定した結果として
良好であるかあるいは整定値が所定の範囲に入っておら
ず、適切でないかなどを通信ネットワーク30を介して表
示操作装置20へ返送する。
【0064】又、整定業務は複数の保護制御装置に対し
て同一内容で行なわれることも考えられる。この場合は
返送・転送手段13を用いて、整定プログラムモジュール
を他の保護制御装置40へ転送する。保護制御装置40でも
前述の保護制御装置10と同様の手段41,42,43を設けて
おき、先ずプログラムモジュール受信手段41で整定プロ
グラムモジュールを受信し、実行手段42で前述と同様に
実行し、返送・転送手段43で実行結果を表示操作装置20
へ返送、あるいは更に他の保護制御装置へ整定プログラ
ムモジュールを転送し、以下同様の処理をする。
【0065】図4に本発明の具体的構成例を示す。ディ
ジタル形保護制御装置10はアナログディジタル変換部10
-1と、ディジタル演算処理部10-2と、遮断器など外部機
器との入出力インタフェース10-3と、通信ネットワーク
30と本装置とのインタフェースを行なう通信インタフェ
ース10-4と、バス10-5とから構成されている。なお、10
-1から10-4の各部はバス10-5を介して相互に接続されて
いる。
【0066】アナログディジタル変換部10-1はアナログ
フィルタ,サンプリングホールド回路,マルチプレク
サ,アナログディジタル変換器などから構成されるもの
で、保護制御対象となる電力系統の状態量(例えば電
流,電圧)をアナログ情報として取り込み所定のサンプ
リング間隔でホールドした後、ディジタル量に変換す
る。
【0067】一方、ディジタル演算処理部10-2はCPU
2-1 ,RAM2-2 ,ROM2-3 ,不揮発性メモリーEE
PROM2-4 により構成され、前述のディジタル変換さ
れた電気量データは順次RAM2-2 へ転送されて、この
データ及びEEPROM2-4に格納された保護リレーの
整定値,RAM2-2 ,ROM2-3 からのプログラムによ
り、CPU2-1 は種々の保護制御演算を行なう。
【0068】ここで従来の保護制御装置と異なるところ
は、RAM2-2 にも一部のプログラムが通信ネットワー
クから送り込まれディジタル演算処理部内のプログラム
として処理されることである。従来であれば、プログラ
ムは固定的にROM2-3 に書き込まれていたがRAM2-
2 へ通信ネットワークからプログラムモジュールを送り
込み、又、他装置のRAMへ転送したりすることが本発
明の特徴である。このディジタル演算処理部10-2が前述
の実行手段12と受信手段11及び返送・転送手段13の一部
を構成するものである。
【0069】次に入出力インタフェース10-3は、遮断器
情報などの外部制御機器状態の取り込み,保護リレー動
作,復帰出力,トリップ指令などの外部機器への出力を
行なうためのインタフェースである。又、通信インタフ
ェース10-4は本発明の特徴の1つであり、例えば本図に
示すように、イーサネットLANと保護制御装置との接
続を行なう。前述のプログラムモジュール受信手段11と
返送・転送手段13の一部は本通信インタフェースで実現
される。
【0070】即ち、通信ネットワークからのプログラム
モジュールはここで受信され、前述のRAM2-2 へ転送
される。又、ディジタル演算処理部10-2で実行されたプ
ログラムモジュールは、この通信インタフェース10-4を
介して通信ネットワーク30へ送られ、表示操作装置20あ
るいは保護制御装置への転送が行なわれる。以上がディ
ジタル形保護制御装置の具体的構成例である。
【0071】又、通信ネットワークの構成例としては図
4に示すようにイーサネットLANで変電所などローカ
ルな範囲の保護制御装置を接続するネットワークと、有
人電気所などでパーソナルコンピュータやワークステー
ションを接続するイーサネットLANなどのネットワー
クと、両者のネットワークを広域的に接続する広域ネッ
トワークで構成される。
【0072】イーサネットLANの構成は一般的なもの
であり説明は省略する。又、広域ネットワークとしては
電話回線などの回線交換網などを使用する。前述の表示
操作装置20は本図中のパーソナルコンピュータで実現す
る。プログラムモジュール送出手段はパーソナルコンピ
ュータ中のソフトウェア及びイーサネットLANとのイ
ンタフェース回路で実現される。
【0073】次に、本発明の作用の詳細について図5の
フローチャートを用いて説明する。先ず、パーソナルコ
ンピュータ側のフローチャートを説明する。前述の遠隔
運用メニューがパーソナルコンピュータの画面に表示さ
れ、操作者は該当する遠隔運用メニュー内の項目をS1-
1 で選択する。例えば整定業務が選択された場合は、S
1-2 で整定プログラムモジュールを呼び出す。
【0074】操作者はS1-3 でこの整定プログラムモジ
ュールに、整定変更を行なう装置名,整定変更要素名,
整定値などのデータを与える。S1-4 でこの整定プログ
ラムモジュールはこれらのデータを自身の中へ格納し、
通信ネットワークへ送出される。以上がプログラム送出
手段の詳細である。
【0075】次に、保護制御装置側では送られてきた整
定プログラムモジュールをS2-1 で受信し、RAM2-2
に格納する。これが受信手段11に相当する。S2-2 でこ
の整定プログラムモジュールが前述のように整定値を順
次RAM,EEPROM(新),EEPROM(旧)へ
確認を行ないながら書き込む。以上が実行手段12に相当
する。
【0076】従来であればこのようなEEPROM,R
AMと整定処理とのデータ・要求の取り合いはその都度
通信ネットワークを介していたが、このように本発明で
は全て保護制御装置内で完結している。この結果によ
り、S2-3 で実行結果を判定し、不良(例えば、EEP
ROM,RAMへの書き込みが不完全で所定の値が書き
込まれないなど)であれば、再度の整定が必要であるか
ら、S2-4 で表示操作装置20へ不良結果とプログラムモ
ジュールを返送する。
【0077】実行結果が良である場合で、S2-5 で他装
置への整定が必要でない場合は、同様にS2-6 で表示操
作装置20へ完了結果とプログラムモジュールを返送す
る。又、他装置への整定が必要な場合は、S2-7 で整定
プログラムモジュール内に記述してある他装置名を読み
取り、その装置名を宛先として整定プログラムモジュー
ルを送り出す。以上S2-3 からS2-7 が返送・転送手段
13に相当する。
【0078】上記実施の形態によれば、操作者が行なう
業務に対応したプログラムモジュール自体を通信ネット
ワークを介して表示操作部から保護制御装置へ送り、保
護制御装置内で実行させるようにしたので、通信ネット
ワーク上の通信量を少なくでき、信頼性が向上できる。
又、従来のように各要求に対応した操作や同一業務を複
数装置に対して行なうという作業が必要となくなること
から、操作者の作業量を減らすことができ、経済性,信
頼性の高い保護制御システムを提供することができる。
【0079】なお、本発明は電力系統に限定されるもの
でなく、例えば、一例として、分散制御システムなどの
ように、制御あるいは監視の対象となる機器からの状態
量を取込み当該機器を制御あるいは監視する複数の演算
機能を有する装置と、これら各装置と通信ネットワーク
を介して接続され各装置の動作や状態の運用監視のため
の表示操作を行なう表示操作装置(あるいは各装置上で
稼働可能なプログラムモジュールを格納するプログラム
格納装置)とから構成されるようなシステムであれば実
施可能である。この場合、上記実施の形態において、保
護制御装置を演算機能を有すると読み替えればよい。
【0080】図6はディジタル形保護制御システムの第
2の実施の形態を示す構成図である。図6において、10
は保護制御対象である電力系統1からの状態量S1を入
力として、電力系統への保護制御出力をC1として電力
系統の保護制御を行なうディジタル形保護制御装置であ
り、動作解析プログラムモジュール受信手段14,知識追
加手段15,送出手段16からなる。
【0081】又、表示操作装置20は通信ネットワーク30
を介してディジタル形保護制御装置10及び同一構成の他
の装置40など複数の装置の遠隔運用を行なうものであ
り、動作解析プログラムモジュール送出手段22,受信手
段23,表示手段24を有する。ここでディジタル形保護制
御装置40は本実施の形態の説明のために記したものであ
り、本発明の基本構成要素ではない。
【0082】その動作としては、先ず表示操作装置20に
て動作解析プログラムモジュール50を動作解析プログラ
ムモジュール送出手段22にて通信ネットワーク30を介し
て送出する。本例での動作解析プログラムモジュールと
は前述した装置動作確認相当(動作情報収集)を行なう
機能を有したプログラムモジュールであり、データに対
してそれを処理する手続きの記述を一体化したものであ
る。
【0083】例えば機能としては下記を実現する。 1 各装置の動作時のリレー動作状態を取得する。 2 各装置の動作時の電気量を取得する。 3 各装置の動作時の関連情報(入力状態,伝送系状
態)を取得する。
【0084】上記の機能を実現するためにデータと手続
きは下記となる。 データ:関連する複数の保護制御装置を移動するための
移動経路。 手続き: 1 各装置の動作時のリレー動作状態を取得する。 2 各装置の動作時の電気量を取得する。 3 各装置の動作時の関連情報(入力状態,伝送系状
態)を取得する。
【0085】上記のようにして構成され送出された動作
解析プログラムモジュールは通信ネットワーク30を介し
て、ディジタル形保護制御装置10内の動作解析プログラ
ムモジュール受信手段14にて受信され、その後、知識追
加手段15に入る。ここで本プログラムモジュールは実行
される。具体的には前述の動作解析プログラムモジュー
ルの手続き処理が実行される。
【0086】即ち、保護制御装置動作時にRAMに格納
されているリレー動作データ,電気量データ,関連情報
のデータをプログラムモジュールの知識として追加す
る。具体的には、前述の本プログラムモジュールのデー
タの1つとして追加する。このように各保護制御装置に
本動作解析プログラムモジュールが移動し、移動した先
で実行されて結果を得、又、知識を順次追加していく形
態となる。
【0087】この様子を図7に示す。図7で示すよう
に、保護制御装置内に移動した動作解析プログラムモジ
ュールは保護制御装置内で動作情報が格納されているR
AMとの間での処理を行なうことから、運用者は表示操
作装置上で動作解析プログラムモジュールに、移動経路
を与えるのみでよく、図44で示したような要求データ,
応答データが煩雑に通信ネットワーク上を行き交うこと
はない。
【0088】以上のようにして実行され知識追加された
動作解析プログラムモジュールは、送出手段16により通
信ネットワーク30を介して表示操作装置20へ返送、ある
いは他の保護制御装置40へ転送される。ここで、表示操
作装置20への返送を行なうか、保護制御装置40への転送
を行なうかは、前述の移動経路を指定したデータによ
る。この移動経路のデータは運用者が、系統実行の様相
から判断して動作解析プログラムモジュールへ与える。
【0089】他の装置へ転送され、動作解析対象とした
全ての装置での動作解析プログラムモジュールの実行が
終了した後、最後に返送されれば操作者は1度の表示確
認でよいという利点があり、保護制御装置40でも前述の
保護制御装置10と同様の手段、即ち、動作解析プログラ
ムモジュール受信手段44,知識追加手段45,送出手段46
を設けておき、先ず動作解析プログラムモジュール受信
手段44で動作解析プログラムモジュールを受信し、知識
追加手段45で前述と同様に実行して知識追加し、その実
行結果及びプログラムモジュールを送出手段46で、表示
操作装置20へ返送するか、あるいは更に他の保護制御装
置へ転送し、以下同様の処理をする。
【0090】以上のようにして各保護制御装置間を転
送,返送されてきた動作解析プログラムモジュールは、
表示操作装置20の受信手段23,表示手段24により受信さ
れて表示される。表示としては、各保護制御装置で動作
解析プログラムモジュールの知識として追加された内容
(例えばリレー動作,電気量など)の一覧を行なう。
【0091】この様子を図8に示す。図8は抵抗接地系
平行2回線送電線の両端に設置された2つの回線選択保
護リレー装置が系統事故(1号線の1線地絡)で動作し
た際に、動作解析プログラムモジュールが両装置へ移動
して収集してきたデータを運用者にわかりやすい形態で
表示したものである(従来システムでは、各装置毎,各
項目毎の画面表示となっていたために確認作業が煩雑で
あった。)。ここで両装置(装置10と装置40)で動作し
たリレー(150Gと64の2つのリレー要素が動作)
とその際の電気量(実効値と位相)及び関連情報が一覧
化して表示される。
【0092】図9に本発明の具体的構成例を示す。ディ
ジタル形保護制御装置10はアナログ・ディジタル変換部
10-1と、ディジタル演算処理部10-2と、遮断器など外部
機器との入出力インタフェース10-3と、通信ネットワー
ク30と本装置とのインタフェースを行なう通信インタフ
ェース10-4とバス10-5とから構成されている。
【0093】なお、10-1から10-4の各部はバス10-5を介
して相互に接続されている。ここで、10-4以外の構成要
素は従来技術と同一であるが、本発明ではディジタル演
算処理部10-2において、従来の保護制御装置と異なると
ころはRAM2-2 にも一部のプログラム(本実施の形態
では動作解析プログラムモジュール)が通信ネットワー
ク30から通信インタフェース10-4を介して送り込まれ、
ディジタル演算処理部内のプログラムとして処理される
ことである。
【0094】従来であればプログラムは固定的にROM
2-3 に書き込まれていたが、RAM2-2 へ通信ネットワ
ークから動作解析プログラムモジュールを送り込み、
又、他装置のRAMへ転送したりすることが本発明の特
徴である。
【0095】又、通信インタフェース10-4は本発明の特
徴の1つであり、例えば本図に示すように、イーサネッ
トLANと保護制御装置との接続を行なう。前述の動作
解析プログラムモジュール受信手段14と送出手段16の一
部は本通信インタフェースで実現される。
【0096】即ち、通信ネットワークからのプログラム
モジュールはここで受信されて前述のRAM2-2 へ転送
される。又、ディジタル演算処理部10-2で実行されたプ
ログラムモジュールはこの通信インタフェース10-4を介
して通信ネットワーク30へ送られ、表示操作装置20ある
いは他の保護制御装置への転送が行なわれる。以上が本
実施の形態のディジタル形保護制御装置の具体的構成例
である。
【0097】又、通信ネットワークの構成例としては図
9に示すようにイーサネットLANで変電所などローカ
ルな範囲の保護制御装置を接続するネットワークと、有
人電気所などでパーソナルコンピュータやワークステー
ションを接続するイーサネットLANなどのネットワー
クと、両者のネットワークを広域的に接続する広域ネッ
トワークで構成される。なお、イーサネットLANの構
成は一般的なものであり説明は省略する。
【0098】又、広域ネットワークとしては電話回線な
どの回線交換網などを使用する。前述の表示操作装置20
は本図中のパーソナルコンピュータで実現する。プログ
ラムモジュール送出手段はパーソナルコンピュータ中の
ソフトウェア及びイーサネットLANとのインタフェー
ス回路で実現される。
【0099】本実施の形態によれば、従来保護制御装置
の運用者が行なっていた動作解析作業(本実施の形態で
は各装置の動作情報の収集)を動作解析プログラムモジ
ュールが代行して実施できるようにしたことから、系統
事故発生時に各保護制御装置の動作情報収集のために、
各変電所へ人間が出向くこともなく、大幅な省力化が可
能となる。
【0100】又、装置動作に関する取得データを動作解
析プログラムモジュール内に順次追加できる機構とした
ことから、系統事故に関する全ての装置の動作内容の詳
細を、遠方の操作者が容易に取得し確認できることか
ら、操作性が向上できる。
【0101】又、従来、保護制御装置の運用者が行なっ
ていた動作解析業務に対応した動作解析プログラムモジ
ュール自体を通信ネットワークを介して表示操作装置か
ら保護制御装置へ送り、保護制御装置内で実行させるこ
とから図44で示したような通信手続きがなくなり、通信
ネットワーク上の通信量を少なくでき、信頼性が向上で
きる。
【0102】更に従来のように各要求に対応した操作や
同一業務を複数装置に対して行なうという作業が必要と
なくなり、動作解析プログラムモジュールを運用者は通
信ネットワークへ送出するのみで、動作解析プログラム
モジュール自体が自律的に各保護制御装置内の動作情報
を取得してそれを判定し、知識として追加しながら保護
制御装置間を移動することから逐一の運用者による指
示,確認が必要なく、運用者の作業量を減らすことがで
き、経済性,信頼性の高い保護制御システムを提供する
ことができる。
【0103】図10はディジタル形保護制御システムの第
3の実施の形態を示す構成図である。なお、図10は動作
解析プログラムモジュール50が、ディジタル形保護制御
装置10にて所定情報を受けている状態図を示している。
図10において、動作解析プログラムモジュール50は、前
記実施の形態で説明した表示操作装置20から保護制御装
置へ送出し、各保護制御装置間を移動していく動作解析
プログラムモジュールの構成を示しており、ディジタル
形保護制御装置10内でこのプログラムモジュールに保護
制御装置動作情報を与える動作情報入力手段17と、各デ
ィジタル形保護制御装置が電力系統のどの範囲を保護制
御対象としているかの情報を与える装置情報入力手段18
とを設け、移動経路制御手段51はこれにより、動作解析
プログラムモジュールの移動経路を制御すると共に、移
動先の各保護制御装置の動作情報及び各保護制御装置情
報をもとに移動経路の修正を行なっていく。
【0104】これにより、保護制御装置の動作状況及び
装置情報に応じた動作解析プログラムモジュールの最適
な移動経路制御を行なうことが可能となる。従来ディジ
タルリレーでは各装置の保護すべき範囲を個々に決めら
れ、保護を行なっている。一方、系統事故発生には各デ
ィジタルリレーは保護すべき範囲に従った保護を行な
う。運用者は、各装置が保護すべき範囲の情報を有して
いるので、系統事故発生時には系統事故発生様相と自身
が有しているこの保護範囲の情報をもとに、関連するデ
ィジタルリレーの装置動作状態を取得するために、各電
気所に出向くこととなる。
【0105】例えば図11で、3端子平行2回線送電線の
保護で、各端子に電流差動保護リレー計6装置(装置1
LA,装置1LB,装置1LC,装置2LA,装置2L
B,装置2LC)が適用され、この系統の1号線に1線
地絡事故が発生した場合、運用者は、各ディジタルリレ
ーの保護範囲(自端子から、他の2端子までの送電線区
間)と、オシロ装置などから知った系統事故様相から、
装置1LA,装置1LB,装置1LCの装置がこの系統
事故に関係すると判断し、この動作情報を取得するため
に、各装置が設置されている変電所に出向くか、あるい
は前述の遠隔運用監視システムを用いて各ディジタルリ
レーと通信して、動作情報を個々に収集することとな
る。
【0106】したがって、運用者は事故様相と個々のリ
レー装置の保護範囲からどの装置の情報を取得すべきか
の判断が必要となり、個々の装置の情報取得作業を含
め、作業量が多く煩雑であり、又、ヒューマンエラーも
生じやすい。又、個々の装置の情報取得中に新たな事故
が多発したような場合には、運用者の再度の判断と作業
が必要であるという問題もある。
【0107】本実施の形態によれば、各ディジタルリレ
ー内に自身がどの範囲を保護するか、及び収納したリレ
ー要素に関連した電力系統の範囲を図12に示すようにリ
レー要素と関連装置とを対応させたテーブルとして持
つ。これを装置情報とする。
【0108】この図の例は装置1LAの場合であり、装
置1LAが持つ電流差動保護リレー(87S(短絡
用),87G(地絡用)))が動作した場合、どのディ
ジタルリレー装置が関係するかを関連付けたテーブルで
ある。又、装置の動作情報としては、例えば1号線の地
絡事故であれば図12に示すような動作情報を装置1LA
として持ち、装置動作事故と動作リレー(この場合87
G)が対応付けされている。
【0109】本実施の形態によれば、運用者は系統事故
発生時に、オシロ装置などから得た事故様相から、動作
解析プログラムモジュール(請求項1の機能に、上述の
移動経路制御手段を加えたもの)をこの事故に関連する
と考えられる1装置のみに送出すればよい(この実施の
形態では1LAへ送付)。
【0110】送付された1LA装置では、実施の形態で
示したようなリレー動作状態,電気量,関連情報などを
収集した後に、上述の動作情報を動作解析プログラムモ
ジュールへ取込み、移動経路制御手段により上述の装置
情報との照合を行なう。ここでは87Gが動作している
ことから、この事故に関連する装置として1LB,1L
Cへと移動し、同様に動作内容を取得し、最後に表示操
作装置に返り、運用者に取得データを表示する。
【0111】これにより、1LB,1LCなどの装置へ
運用者から通信し、要求を出さずとも、動作解析プログ
ラムモジュールが各ディジタルリレーが有する情報から
自律的に移動経路を決定して移動する。この様子を図13
(A)に示す。又、移動途中(例えば、1LAから1L
Bへ移動)に新たな事故が発生した場合は、動作情報に
新たな発生事故と動作リレー要素が加わる。
【0112】これにより、1LBへ本プログラムモジュ
ールが到着した際には、装置情報とこの更新されている
動作情報により、関連装置が1LC,1LAであること
を認識でき、1LBでの動作内容取得後、1LC,1L
A,表示操作装置へと移動し動作内容を取得する。ここ
で、1LAからは初回の事故の動作内容は取得している
ことから2回目の事故の動作内容のみ取得することとな
る。このように、複数の事故が連続して発生しても運用
者に漏れなく伝えることができる。この様子を図13
(B)に示す。
【0113】以上述べたように、本実施の形態によれば
動作解析プログラムモジュールに自身の移動経路を有す
るようにし、各保護制御装置が持つ装置情報,動作情報
を参照して移動経路を決定、あるいは続発する系統事故
に対しては経路修正を行ないながら各装置の動作内容を
取得することとしたので、運用者にとっては作業量を極
小化でき、又、ヒューマンエラーもなく、経済性、信頼
性、操作性の高いディジタル形保護制御システムを提供
できる。
【0114】なお、上記実施の形態では装置情報として
保護区間内事故のみを対象としたが、装置情報に保護区
間外事故を考慮した設定をすることで、動作解析プログ
ラムモジュールはより広範囲に事故時の動作情報を収集
できる。例えば上記実施の形態で、動作情報に1,2号
線に共通な母線電圧を動作量とした不足電圧リレー(2
7)と、これに対応する装置(上記6装置)を登録する
ことで、1号線,2号線いずれの事故にても不足電圧リ
レーは動作することから、動作解析プログラムモジュー
ルは上記6装置全てを移動し動作内容を収集できる。
【0115】このようにすることで、複雑な事故で正常
な装置動作が行なえなかった場合などでも、容易に関連
装置の情報を収集できる利点がある。又、この場合の効
果は上記と同等である。更に装置情報はディジタルリレ
ー内に有さないで、表示操作装置に対象装置全ての装置
情報を一括しておき、動作解析プログラムモジュール送
出時にこれを与えるようにしても、その効果は同等であ
る。
【0116】図14はディジタル形保護制御システムの第
4の実施の形態を示す構成図である。図14において、1
0,40はディジタル形保護制御装置、20は表示操作装
置、30は通信ネットワークで、上述した実施の形態と同
様な構成であり、詳細な説明は省略する。本実施の形態
では、系統事故発生時の動作状態を予測した知識を格納
した動作状態予測知識ベース60を設けて、動作解析プロ
グラムモジュール50が収集した動作情報とこの知識ベー
ス60からのデータとを比較し、保護制御装置動作の妥当
性を検証する検証手段52を動作解析プログラムモジュー
ル50に設けている。
【0117】ここで動作状態予測知識ベース60はワーク
ステーションあるいはパーソナルコンピュータで実現さ
れるものであり、対象とする電力系統の予測される種々
事故に対して、各ディジタルリレー装置の収納している
リレー要素がどのように動作するかを関連付けたデータ
ベースであり、対象系統のシミュレーションなどから予
め作成しておくものである。
【0118】例えば図11で示した電力系統を対象とする
場合、上記知識ベースの内容は図15(A)に示すような
形態となり、各事故様相に対して、各ディジタルリレー
装置のリレー要素の予測される動作を対応させている。
運用者はこれを動作解析プログラムモジュールへ与え
る。系統事故が発生した場合、請求項3の実施の形態に
よれば、動作解析プログラムモジュールが関連装置を順
次移動していき、その動作内容を収集する。図11に示す
1号線地絡事故であれば、動作内容中のリレー動作状態
は図15(B)に示すようになる。
【0119】本実施の形態では動作解析プログラムモジ
ュール内の検証手段にて、上記知識ベースのデータと、
このリレー動作状態との突き合わせを行なう。例えば1
号線1線地絡事故の際に、知識ベースのリレー動作の予
測は1LA,87G,1LB,87G,1LC,87G
であり、図11に示すように動作解析プログラムモジュー
ルが各装置から取得した動作内容も同一であることか
ら、妥当性のある装置動作であることが判定できる。
【0120】この結果を動作解析プログラムモジュール
は、各装置移動後、表示操作装置に戻って運用者に表示
することで、運用者は装置の動作内容と同時に、装置動
作の妥当性を知ることとなる。逆に、知識ベースの内容
と、装置動作の内容が不一致であり、例えば、1LCの
87Gが動作していないという状態であれば、検証手段
にてこれを検証すると共に、それが運用者に表示される
ため、これを見た運用者は1LC装置の調査を行なうこ
とが可能となる。従来では、このような妥当性検証は、
運用者が各ディジタルリレーの動作状況を個別に把握し
た後に、自身の知識から判定していたため、複雑事故発
生時などには操作,作業とも煩雑であった。
【0121】本実施の形態によれば、動作解析プログラ
ムモジュール内で知識ベースからの情報と、動作情報と
の妥当性検証を装置間を移動しながら平行して実施する
ことから、効率よくかつ迅速にその妥当性の検証ができ
る。又、従来運用者が判断していた妥当性検証を動作解
析プログラムモジュールが自律的に実施し、結果のみを
運用者が得るようにしたので、運用者の負担を極小化で
きる。
【0122】更に装置間移動中に妥当性が問題と判明し
た場合は、該当装置に関する自動監視情報を収集した後
に、表示操作装置へ戻ることも可能であり、これによ
り、運用者は不良の可能性のある装置について迅速に関
連情報を得ることができる。以上により経済性,操作
性,信頼性の高いディジタル保護制御システムを提供で
きる。
【0123】なお、上記実施の形態では、運用者が動作
解析プログラムモジュールに対して知識ベースから関連
データを与えることとしたが、動作解析プログラムモジ
ュールが自ら知識ベース装置へ移動し、関連データを取
得した後に各ディジタルリレー装置へ移動するようにし
てもよく、この場合も効果は同等である。なお、この場
合は知識ベースはディジタルリレーと同様に、通信イン
タフェース及びプログラムモジュール受信,送信手段を
有するものとする。
【0124】又、上記実施の形態では、知識ベース,動
作情報共にリレー動作状態に限定したが、系統事故発生
時の電気量,関連各種情報などを、知識ベース,動作情
報に加えることでより妥当性検証の精度を高めることも
可能である。この例においても効果は上記実施の形態と
同等である。
【0125】図16はディジタル形保護制御システムの第
5の実施の形態を示す構成図である。図16において、1
0,40は保護制御対象である電力系統1からの状態量S
1,S2を入力として、電力系統への保護制御出力をC
1,C2として電力系統の保護制御を行なうディジタル
形保護制御装置であり、又、表示操作装置20は通信ネッ
トワーク30を介してディジタル形保護制御装置10,40の
遠隔運用を行なうものであり第2の実施の形態と同一で
あり説明は省略する。
【0126】系統観測装置70,80は各々対象とする電力
系統から電気量A1,A2を取込んで蓄積する装置であ
り、オシロ装置などが代表的なものである。この詳細構
成例は図9に示すディジタルリレーの構成と同等であ
る。
【0127】又、動作解析プログラムモジュール50は表
示操作装置から送出され、保護制御装置及び系統観測装
置で受信,実行されるプログラムモジュールである。こ
の基本構成は第2の実施の形態で述べた実施の形態の構
成と同一であるが、本実施の形態では系統事故発生時に
各保護制御装置から取得した動作情報に基づいて、同プ
ログラムモジュールが関連する系統観測装置70あるいは
80へ経路制御する手段51と、系統観測装置から収集した
電気量と上記動作情報とを突き合わせ、その妥当性を検
証する検証手段52をこのプログラムモジュール内に持た
せている。
【0128】従来、系統事故が発生した場合は、運用者
は事故様相を知るため系統観測装置から事故時の電流,
電圧波形を得て、これにより事故様相を明確にし、又、
各保護制御装置の動作状態を取得して、両者の妥当性を
確認していた。
【0129】例えば、系統観測装置から得た電流,電圧
の瞬時値波形から地絡事故か短絡事故か、事故継続時間
などを知り、これと各保護制御装置のリレー動作状態が
妥当か、不要なリレー要素が動いていないか、あるいは
動作すべきリレー要素が動かないことはないかなどの妥
当性を検証していた。
【0130】このために運用者は系統観測装置,保護制
御装置両方からのデータを得て、これを判断する必要が
生じ、特に広範囲及び複雑な事故時は、多くの系統観測
装置,保護制御装置からのデータ分析が必要になり、作
業量の増大と共にヒューマンエラーが発生する可能性も
ある。
【0131】本実施の形態はこのような問題を解決する
ためのもので、以下その動きを説明する。先ず、系統事
故発生時に運用者は本実施の形態の動作解析プログラム
モジュールを、系統事故で動作した保護制御装置へ送出
する。この方法は請求項3と同様である。
【0132】送出された動作解析プログラムモジュール
は動作情報を各装置から取得する。例えば、前述の実施
の形態で示した図11の系統で図中の系統事故が発生し
て、図15(B)で示すような動作情報を得た場合を想定
する。一般に、保護制御装置のリレー動作により、系統
観測装置に起動がかかり、系統事故前後の電気量の蓄積
が行なわれる。
【0133】したがって、本プログラムモジュールは各
装置の動作情報を得ることで、これに関連する系統観測
装置に起動がかけられたことを知ることになる。前述の
経路制御手段にこの動作情報と各系統観測装置の対応を
付けるテーブルを持たせ、これを参照することにより本
プログラムモジュールは対応する系統観測装置へ移動
し、蓄積された電気量を収集する。
【0134】又、収集した系統電気量の様相(電流,電
圧の大きさ,各電気量間の位相)と前述の動作情報を突
き合わせることで装置の動作の妥当性を検証手段により
検証する。例えば前述の図15(B)では、電流差動リレ
ー(87G)が動作しているが、このリレーの動作整定
値が1000アンペアである場合に、系統観測装置から
得られた事故時電流がこれ以上であれば動作は妥当と判
定できる。このように、検証手段には系統電気量とリレ
ー動作の応動を対応させ、妥当性を検証できるルールを
持たせることで装置動作の判定が行なえる。
【0135】上記例で系統観測装置が1、2号線の電気
量を取込んでいる場合の設置例と、動作解析プログラム
モジュールの移動経路を図17に示す。図17に示すよう
に、動作解析プログラムモジュールは各端子の保護制御
装置,系統観測装置を順次効率よく移動し、動作情報,
系統電気量を収集し、更にその間の妥当性を検証し、そ
れらの結果を最後に返送される表示操作装置を介して運
用者に知らせる。
【0136】本実施の形態によれば、動作解析プログラ
ムモジュールが保護制御装置の動作情報のみならず系統
観測装置の電気量も収集し、その移動経路も自律的に決
定できることとし、更に収集した情報から装置動作の妥
当性を検証し、それらの結果を運用者に表示できること
としたので、運用者は本プログラムモジュールを1度送
出するのみで必要な情報を効率よく得ることができ、操
作性がよく、運用者の作業量を極小にできる経済的なデ
ィジタル形保護制御システムが提供できる。
【0137】又、上記実施の形態では、保護制御装置と
同一端子に設置された系統観測装置に移動経路制御する
ようにしたが、特定リレー要素と経路制御を組み合わせ
ることで、より広範囲な系統観測装置の電気量収集が可
能となる。例えば図17の系統において、1LAの装置の
過電流リレー,不足電圧リレーなど方向性を持たないリ
レー要素の動作で、KA,KB,KCの系統観測装置へ
移動するように経路制御手段に登録することで、系統の
外部事故発生などにおいても、3端子の電気量情報を動
作解析プログラムモジュールが自律的に収集できること
となり、装置動作解析に効果がある。この場合の発明の
効果も上記実施の形態と同様である。
【0138】又、上記実施の形態では、妥当性検証のた
めに装置動作情報としてリレー動作状態を使用したが、
保護制御装置にて取得した電気量も使用し、系統観測装
置の電気量と突き合わせることでアナログ・ディジタル
変換部及びリレー演算までの検証が可能となることによ
り、妥当性検証の精度は上がり、この場合の発明の効果
も上記実施の形態と同様である。
【0139】なお、本発明は電力系統に限定されるもの
でなく、例えば、一例として、分散制御システムなどの
ように、制御あるいは監視の対象となる機器からの状態
量を取込み当該機器を制御あるいは監視する複数の演算
機能を有する装置と、これら各装置と通信ネットワーク
を介して接続され各装置の動作や状態の運用監視のため
の表示操作を行なう表示操作装置(あるいは各装置上で
稼働可能なプログラムモジュールを格納するプログラム
格納装置)とから構成されるようなシステムであれば実
施可能である。この場合、上記実施の形態において、保
護制御装置を演算機能を有する装置と読み替えればよ
い。
【0140】図18はディジタル形保護制御システムの第
6の実施の形態を示す構成図である。図18において、図
6と同一部分については同一符号を付して説明を省略す
る。本実施の形態において新たに付加したものは、監視
プログラムモジュール受信手段19,41と表示操作装置に
設けた監視プログラムモジュール送出手段25である。
【0141】又、表示操作装置20は通信ネットワーク30
を介してディジタル形保護制御装置10及び同一構成の装
置40など複数の装置の遠隔運用を行なうものであり、監
視プログラムモジュール送出手段25,受信手段23,表示
手段24を有する。ここでディジタル形保護制御装置40は
本実施の形態の説明のために記したものであり、本発明
の基本構成要素ではない(以下では、ディジタル形保護
制御装置を略して「保護制御装置」とも呼ぶ)。
【0142】その動作としては、先ず表示操作装置20に
て監視プログラムモジュール送出手段25にて通信ネット
ワーク30を介して送出する。本実施の形態での監視プロ
グラムモジュールとは前述した巡視作業相当を行なう機
能を有したプログラムモジュールであり、データとそれ
を処理する手続きの記述を一体化したものである。
【0143】例えば機能としては下記を実現する。 1 各装置の自動点検実施回数を取得し、正常か判断す
る。 2 各装置に取込んでいる電気量を取得し、正常か判断
する。 3 各装置のリレー動作状態を取得し、正常か判断す
る。 4 各装置の異常内容(自動監視結果)を取得し、正常
か判断する。
【0144】上記の機能を実現するためにデータと手続
きは下記となる。 データ: 1 自動点検回数妥当性基準(前回取得値を超えている
か、運用開始が同時機である他装置と同一回数か)。 2 電気量妥当性基準(所定範囲内か、3相平衡してい
るか)。 3 リレー動作状態妥当性基準(潮流で動作するリレー
要素以外の要素が動作していないか)。 4 異常内容妥当性基準(他装置でも同一不良を検出し
ていないか、即ち、不良要因は装置外にないか)。
【0145】手続き: 1 自動点検実施回線を取得し、自動点検回数妥当性基
準と比較して正常か判断する。 2 各装置に取込んでいる電気量を取得し、電気量妥当
性基準と比較して正常か判断する。 3 各装置のリレー動作状態を取得し、リレー動作状態
妥当性基準と比較して正常か判断する。 4 各装置の異常内容(自動監視結果)を取得し、異常
内容妥当性基準と比較して正常か判断する。
【0146】なお、データとしては上記以外にどの移動
経路で複数の保護制御装置を巡回するかを指定した移動
経路データも含む。上記のようにして構成され送出され
た監視プログラムモジュールは、通信ネットワークを介
してディジタル形保護制御装置10内の監視プログラムモ
ジュール受信手段19にて受信され、その後、知識追加手
段15に入る。ここでプログラムモジュールは実行され
る。具体的には前述の監視プログラムモジュールの手続
き処理が実行される。
【0147】この様子を図19のフローチャートに示す。
先ず、S10-1では保護制御装置内の対象とする状態、即
ち、自動点検実施回数,電気量,リレー動作状態,異常
内容を取得する。S10-2でこの取得結果と上述の妥当性
基準とを各項目について比較し、S10-3でこの比較結果
により基準内に取得状態があるか否かの判定を行なう。
【0148】例えば、自動点検回数については取得した
状態が実施回数80であり、監視プログラムモジュール
が有していたデータ中の前回実施回数が79であれば今
回1増えたということで、正常に点検が行なわれている
という基準に入っているという判断となる(なお、ここ
で監視プログラムモジュールが送出されて本実行を行な
う周期と、自動点検を保護制御装置が実施する周期は同
一であることを前提としている。)。又、運用開始が同
時機である他装置と同一実施回数かも判断する。
【0149】このようにして保護制御装置が正常に自動
点検を実施していること、自動点検機能が正常に機能し
ていることを監視プログラムモジュールは認識すること
ができる。又、上記と同様にして取得した電気量が監視
プログラムモジュールが有していた所定範囲内にある
か、3相平衡しているかを判定することにより、保護制
御装置のアナログ・ディジタル変換部が正常であること
を監視プログラムモジュールは認識することができる。
【0150】又、同様にして取得してリレー動作状態が
監視プログラムモジュールが有していた妥当性基準(例
えば、潮流で動作するリレー要素が動作しているのは正
常と判断するなど)と合致していれば正常とし、不一致
であれば保護制御装置が異常であると監視プログラムモ
ジュールは認識することができる。
【0151】又、同様にして取得した異常内容について
も、監視プログラムモジュールが有していた妥当性基準
(例えば、他装置でも同一不良を検出していないか)と
比較し、他装置で同一不良が発生していなければ現在対
象としている装置自体に異常があると監視プログラムモ
ジュールは認識することとなる。
【0152】このように4つの妥当性基準についてS10
-2で取得データと比較し、S10-3でこの結果を判定し、
全ての項目が基準内であればS10-4でこの監視プログラ
ムモジュールの実行結果が良であることを、本監視プロ
グラムモジュールの知識として追加する。具体的には前
述のデータの1つとして追加する。又、1つでも基準外
の項目があれば、S10-5でこの監視プログラムモジュー
ルの実行結果が不良であることを本監視プログラムモジ
ュールの知識として追加する。
【0153】最後にS10-6にてS10-1で取得した本保護
制御装置の自動点検実施回数,電気量,リレー動作状
態,異常内容を、この監視プログラムモジュールの知識
として追加する。具体的にはそれらを監視プログラムモ
ジュールのデータとして追加する。以上述べたような手
順で監視プログラムモジュールは実行されてその実行結
果を得、又、監視プログラムモジュールへ知識を追加す
る。
【0154】この追加された知識の中で、自動点検実施
回数,異常内容などは、他装置へ本監視プログラムモジ
ュールが移動した際は妥当性基準のデータとしても使わ
れる。このように各保護制御装置に本監視プログラムモ
ジュールが移動し、移動した先で実行されて結果を得、
又、知識を順次追加していく形態となる。
【0155】以上のようにして実行された実行結果(監
視結果が良であるか否かの結果)及び知識追加された監
視プログラムモジュールは送出手段16により、通信ネッ
トワーク30を介して表示操作装置20へ返送、あるいは他
の保護制御装置40へ転送される。ここで、表示操作装置
20への返送を行なうか、保護制御装置への転送を行なう
かは、監視プログラムモジュールへの操作者からの指令
で選択が可能である。即ち、各々の保護制御装置の監視
終了の都度返送が表示操作装置にあれば、操作者は監視
の結果をより早く知るところとなる。
【0156】一方、他の装置へ転送され監視対象とした
全ての装置での監視プログラムモジュールの実行が終了
した後、最後に返送されれば操作者は1度の表示確認で
よいという利点があり、保護制御装置40でも前述の保護
制御装置10と同様の手段、即ち、監視プログラムモジュ
ール受信手段47,知識追加手段45,送出手段46を設けて
おき、先ず、監視プログラムモジュール受信手段47で監
視プログラムモジュールを受信し、知識追加手段45で前
述と同様に実行して知識追加し、実行結果及びプログラ
ムモジュールを送出手段46で表示操作装置20へ返送、あ
るいは更に他の保護制御装置へ転送して以下同様の処理
をする。
【0157】ここで実行結果のみはその都度、表示操作
装置へ返送し、監視プログラムモジュールは転送するこ
とも操作者の指定により可能である。以上のようにして
各保護制御装置間を転送,返送されてきた監視結果及び
監視プログラムモジュールは、表示操作装置20の受信手
段23,表示手段24により受信されて表示される。表示と
しては、各保護制御装置の監視結果、監視プログラムモ
ジュールの知識として各保護制御装置で追加された内容
(例えば、自動点検実施回数,電気量など)の一覧など
を行なう。そして具体的構成は図9と同様であるため省
略する。
【0158】本実施の形態によれば、従来保護制御装置
の運用者が行なっていた巡視作業を監視プログラムモジ
ュールが代行して実施できるようにしたことから、各保
護制御装置の巡視のために各変電所へ人間が出向くこと
もなくなり、大幅な省力化が可能となり、又、監視結果
及び取得データを監視プログラムモジュール内に順次追
加できる構成としたことから、監視内容の詳細を遠方の
操作者が容易に取得して確認できることから、操作性が
向上できる。
【0159】又、従来保護制御装置の巡視作業者が行な
う業務に対応したプログラムモジュール自体を通信ネッ
トワークを介して表示操作部から保護制御装置へ送り、
保護制御装置内で実行させることから図44で示したよう
な通信手続きがなくなり、通信ネットワーク上の通信量
を少なくでき、信頼性が向上できる。
【0160】更に、従来のように各要求に対応した操作
や同一業務を複数装置に対して行なうという作業が必要
となくなり、監視プログラムモジュールを操作者は通信
ネットワークへ送出するのみで、監視プログラムモジュ
ール自体が自律的に各保護制御装置内の状態を取得して
それを判定し、知識として追加しながら保護制御装置間
を移動することから、逐一の操作者による指示,確認が
必要なく、操作者の作業量を減らすことができ、経済
性,信頼性の高い保護制御システムを提供することがで
きる。
【0161】更に、従来の保護制御装置内に実装されて
いる自動監視機能に比べ、本実施の形態で述べている監
視プログラムモジュールは、複数の保護制御装置の状態
を比較する形態となることから、従来の自動監視機能に
比べ、より広範囲で高精度な監視が実現できる。
【0162】図20はディジタル形保護制御システムの第
7の実施の形態を示す構成図である。図20において、監
視プログラムモジュール50は実施の形態7で説明した表
示操作装置20から保護制御装置へ送出し、各保護制御装
置間を移動していく監視プログラムモジュールの構成を
示しており、移動経路制御手段51と異常検出手段53を有
することを特長とする。これにより、保護制御装置の状
況に応じた監視プログラムモジュールの最適な移動経路
制御を行なうことが可能となる。
【0163】具体的な動きを図21のフローチャートを用
いて説明する。図21において、先ずS10-1からS10-6は
実施の形態1にて既に示した知識追加手段であるため、
説明は省略する。この中でS10-2,S10-3が本実施の形
態の異常検出手段に相当する。S10-2,S10-3で妥当性
基準内であるか否かの判断を行ない、対象装置が正常と
判断した場合は、S2-1 で次の保護制御装置に移動経路
を設定する。
【0164】設定された移動経路に従って図18で示した
送出手段16により次の保護制御装置へ監視プログラムモ
ジュールを送出する。S10-3で異常と判断した場合は、
S2-2 で表示操作装置に移動経路を設定する。これによ
り送出手段16により、表示操作装置20へ監視プログラム
モジュールを返送する。上述した移動経路の制御は監視
プログラムモジュール内で実現される。
【0165】このようにして移動経路を制御した場合の
監視プログラムモジュールの移動の様子を図22(a)に
示す。図22(a)にて表示操作装置20から送出された監
視プログラムモジュールは、図中の点線に沿って移動す
る。ここで保護制御装置1が正常の場合は、次の保護制
御装置2へ移動する。ここで保護制御装置の異常が前述
のS10-2,S10-3により検出された場合には、S2-2 に
より経路(ア)を選択し、監視プログラムモジュールは
表示操作装置20へ返送される。保護制御装置が正常な場
合は、S2-1 により経路(イ)を選択し、監視プログラ
ムモジュールは次の保護制御装置3へと移動する。
【0166】本実施の形態によれば、監視プログラムモ
ジュール内に移動経路を制御する手段を組込み、装置の
状態により経路を変更できるようにした。これにより装
置異常が発生した場合には、表示操作装置へ直ちに返送
されることから、操作者はこの内容による装置復旧を迅
速に実施することが可能となり、保護制御装置の稼働率
を向上できる。
【0167】第8の実施の形態としては、装置異常時に
は関連する保護制御装置の状態を取得してから、表示操
作装置20に戻るように移動経路を制御するもので、この
様子を図22(b)に示す。図22(b)で示すように、保
護制御装置1が正常で保護制御装置2が異常な場合、保
護制御装置2に関連する保護制御装置4に経路を移動
し、この装置の状態を取得した後に、表示操作装置20へ
返送する。
【0168】ここで保護制御装置2と4は、同一送電線
に接続されている装置である場合、電気量表示が保護制
御装置2で基準値内に入っていないために、関連する保
護制御装置4でも状態を取得する。これにより、両装置
とも同様に電気量の異常がある場合には送電線自体に異
常がある可能性が高くなる。この場合には、運用者がこ
のような情報を得ることで、不良部位の特定が迅速にで
きることとなり、又、不要に保護制御装置を停止させる
必要もなくなり、稼働率を向上させることが可能とな
る。
【0169】このように関連する装置へ自動的に経路変
更することで、必要な情報を操作者が迅速に得ることが
できる。なお、この機能は図21のS2-2 を、「関連装置
に移動経路を設定」とすることで実現できる。ここでど
の装置が関連装置であるかは、表示操作装置から監視プ
ログラムモジュールを送出する際のデータに、関連装置
名を持たせることで実現できる。
【0170】上記実施の形態によれば、移動経路を保護
制御装置状態により制御できるようにしたことから、監
視結果や詳細情報を迅速に知り、装置の復旧を早め信頼
度を向上させることができる。又、関連装置データを監
視プログラムモジュールに付加し、これと保護制御装置
状態により経路制御を行なうことで関連装置の状態を効
率よく収集でき、又、これにより不良部位の特定が迅速
化でき信頼度の向上が実現できる。
【0171】図23はディジタル形保護制御システムの第
9の実施の形態を示す構成図である。図7において、1
0,40はディジタル形保護制御装置、20は表示操作装
置、30は通信ネットワークで、上述した実施の形態と同
様な構成であり、詳細な説明は省略する。本実施の形態
では、表示操作装置20に特定目的指示手段26を設けて、
これにより、表示操作装置内にあって複数の保護制御装
置間を移動する特定目的データ収集プログラムモジュー
ルに特定目的を与える。
【0172】特定目的を与えられた特定目的データ収集
プログラムモジュール50C は、特定目的に従ったデータ
収集を行なうデータ収集手段54と、複数の保護制御装置
のデータの同一項目について比較統計処理を行なう比較
手段55とを有する。
【0173】上述した第7,第8の実施の形態では、従
来の巡視作業相当の項目全てを監視プログラムモジュー
ルとして組み込んで移動する形態であった。この場合、
各装置について実行すべき項目が多く、巡回する保護制
御装置数が多い場合は、表示操作装置へ監視プログラム
モジュールが返送されるまでに多くの時間を要する。
【0174】保護制御装置の運用形態によっては特定項
目の監視のみで良い場合も多い。そこで本実施の形態で
は、上述の構成とすることで運用者が得たい複数保護制
御装置の状態を、迅速に操作者に提供できることを目的
としている。例えば、各保護制御装置が電力系統から取
込む電気量の比較を行ない、各装置のアナログ・ディジ
タル変換部の劣化状況を知りたい場合は、表示操作装置
にて「電気量データ収集」という特定目的を特定目的デ
ータ収集プログラムモジュールへ与える。
【0175】特定目的を与えられたプログラムモジュー
ルは、保護制御装置10に移動し、アナログ・ディジタル
変換部の出力である電気量をアナログ変換したディジタ
ルデータを収集する。次に保護制御装置40へ移動し、同
様にアナログ・ディジタル変換部の出力である電気量を
アナログ変換したディジタルデータを収集する。
【0176】以下、同様にして各保護制御装置の電気量
データを収集する。収集後、本プログラムモジュール内
に設けた比較手段により同一項目毎の電気量の実効値と
位相の比較を行ない、その差やばらつき,平均値算出な
どの統計処理を行なう。この結果を表示操作装置20にて
表示する。
【0177】以上の動きを図24にフローチャートで示
す。図24は特定目的データ収集プログラムモジュールで
電気量データを収集する場合の流れを示す図であり、先
ず、S3-1 で対象装置全てを巡回したかをチェックし、
終了していない場合はS3-2 で監視プログラムモジュー
ル自体が次装置へ移動する。S3-3 で移動した装置の電
気量データを収集する。その後S3-1 に戻り、以下全て
の対象装置に関するデータの収集が終了するまで上記を
繰り返す。
【0178】全ての対象装置の巡回が終了したところ
で、S3-4 で収集データの比較統計処理を行ない、S3-
5 で表示操作装置へ移動して終了する。表示操作装置20
では上述の比較統計処理の結果を表示する。図25にこの
一例として各装置の電流の実効値と位相の値と統計処理
した平均値と平均からのばらつきを示す。
【0179】このように各装置から収集したデータと比
較統計処理した結果を表示することでアナログ・ディジ
タル変換部の劣化などをより高精度に知ることができ
る。上述の例では電気量を例として説明したが、他のデ
ータ、例えば自動点検実施回数,リレー動作状態,保護
制御用伝送系の状態など、種々な内容に関して本発明は
適用できる。
【0180】本実施の形態によれば、特定目的をプログ
ラムモジュールに与え、これを関連保護制御装置間で巡
回させて比較統計処理を行なうようにしたので、運用者
が必要とする情報を効率よく得ることができ、操作性,
経済性の高い保護制御装置を提供できる。
【0181】なお、上記実施の形態では、比較統計手段
を移動するプログラムモジュール内に有することとした
が、表示操作装置内に有しデータ収集が終了したプログ
ラムモジュールより収集データを得るようにしてもその
効果は同じである。又、上記実施の形態では、特定目的
データ収集プログラムモジュールへ特定目的を与える構
成としたが、特定目的によりプログラムモジュール自体
をその都度生成する生成手段を表示操作装置内に設けて
も、その効果は同等である。
【0182】図26はディジタル形保護制御システムの第
10の実施の形態を示す構成図である。図26において、
10は保護制御対象である電力系統1からの状態量S1を
入力として、電力系統への保護制御出力をC1として電
力系統の保護制御を行なうディジタル形保護制御装置で
あり、監視プログラムモジュール受信手段19,知識追加
手段15,送出手段16と、診断プログラムモジュール受信
診断14と実行手段191からなる。
【0183】又、表示操作装置20は通信ネットワーク30
を介してディジタル形保護制御装置10の遠隔運用を行な
うものであり、監視プログラムモジュール送出手段25,
診断プログラムモジュール送出手段27を有する。又、監
視プログラムモジュール50B診断プログラムモジュール5
0D は表示操作装置から送出され保護制御装置で受信し
て実行されるプログラムモジュールである。
【0184】ここで監視プログラムモジュール受信手段
19,知識追加手段15,送出手段16及び監視プログラムモ
ジュール送出手段25,監視プログラムモジュール50B
は、請求項7の実施の形態で既に説明しているので、詳
細説明は省略する。本請求項の特長は診断プログラムモ
ジュールを取り扱える構成としたところであり、以下そ
の動きを説明する。
【0185】第7の実施の形態にて説明したように監視
プログラムモジュールにて、保護制御装置10の異常の発
生あるいは発生の予兆があると判定された場合は、監視
プログラムモジュールより表示装置内の診断プログラム
モジュール送出手段27へ通知する。通知された診断プロ
グラムモジュール送出手段27では、診断プログラムモジ
ュールを通信ネットワーク30を介して保護制御装置10へ
移動する。保護制御装置10では診断プログラムモジュー
ル受信手段191 にてこの診断プログラムモジュールを受
信し、実行手段192 で実行する。
【0186】監視プログラムモジュールでは前述のよう
に、各装置の状態を検出し異常の有無は判定できるが、
どの部位が悪いかは特定できない。例えば、電気量が妥
当な値でない場合は、アナログ・ディジタル変換部の不
良と推定できるが、A/D変換器,マルチプレクサ,サ
ンプルホールド,フィルタいずれかの部位かは特定でき
ない。
【0187】このような診断のための手法として予め診
断ルールを組み込んだ保護制御装置が提案されている
(特願平6−336280号)。これにより、例えば全
ての電気量が異常であれば、共通部であるA/D変換
器,マルチプレクサの不良であると推定できる。このよ
うな診断ルールを含めたプログラムモジュールが診断プ
ログラムモジュールであり、監視プログラムモジュール
から異常発生時の各種情報を得て診断し、不良部位を特
定して運用者にこれを通知する。これにより運用者は、
不良部位の交換が迅速に可能となる。
【0188】従来では、このような診断機能は各装置に
ROMの形態で組み込まれていた。しかしながら、保護
制御装置が複雑化,高機能化するに従い、診断機能が複
雑化し必要メモリーが増大する傾向にあった。又、種々
の診断実績を反映して診断ルールを更に高機能化する場
合も従来であればROMに診断機能は格納されているた
め、装置を停止してROMを差し替える必要があり、装
置の稼働率の点で問題があった。
【0189】本実施の形態によれば、診断機能は常時は
各保護制御装置に常駐させずに、監視プログラムモジュ
ールにより異常が認められた装置に関してのみ、表示操
作装置から移動して診断を実行するようにしたので、各
保護制御装置のメモリーなどハードウェア資源の過剰装
備が必要なくなり、経済性の高い保護制御装置が提供で
きる。
【0190】又、診断ルールの変更や高機能化を行なう
場合も、診断プログラムモジュールを保護制御装置のR
AMに送り込んで実行させるわけであるから、装置の停
止も必要なく稼働率の高い保護制御装置が提供できる。
更に診断プログラムモジュールは監視プログラムモジュ
ールと同様に、複数装置への送出も可能であり、複数装
置に関する診断ルール(例えば、複数の装置が電気量の
異常を検出している時は装置は健全であり、電力系統側
に不良要因があるなどの診断)が適用でき、高精度の診
断と迅速な不良部位の特定が可能となる。
【0191】図27はディジタル形保護制御システムの第
11の実施の形態を示す構成図である。図27において、
10は保護制御対象である電力系統1からの状態量S1を
入力として、電力系統の保護制御を行なうディジタル形
保護制御装置であり、本実施の形態では図26に加えて、
修復プログラムモジュール受信手段193 と実行手段192
を設けたことを特長としている。又、プログラム格納装
置90は通信ネットワーク30を介してディジタル形保護制
御装置10に修復プログラムモジュール50E を供給するも
のであり、修復プログラムモジュール送出手段91を有す
る。なお、プログラム格納装置はワークステーションや
パーソナルコンピュータで実現する。
【0192】その動作としては、先ず図26で示した構成
において、監視プログラムモジュールにて装置の異常が
発生あるいは発生の予兆があると判定した場合に、診断
プログラムモジュールにて診断を行ない不良部位を特定
する。次に、この装置を停止せずに運用を継続させるこ
とを目的として不良部位に対応した修復プログラムモジ
ュール50E をプログラム格納装置から送出し、これを保
護制御装置側で受信し、実行することで保護制御装置を
正常に稼働させる。
【0193】例えば不良部位として、図26の診断プログ
ラムモジュールにより、アナログ・ディジタル変換部の
特定フィルタのみが不良部位と特定された場合で、運用
者はこの特定フィルタを使用しない保護制御処理を実現
した修復プログラムモジュール50E を送出することで、
この不良であるフィルタから得られる電気量を使用しな
いことになり、保護制御装置として運用を継続できるこ
ととなる。
【0194】具体的には精度が異なる同一の系統電気量
を入力している2つのフィルタがあり、各々別なリレー
要素の入力として用いられている場合、精度の良い側の
フィルタが不良となった場合は、これを利用しているリ
レー要素のプログラムを変更して精度が悪いが健全であ
るもう1つのフィルタを、このリレー要素が使用できる
ようにするために、これを満たす修復用のリレー演算を
行なうプログラムモジュールを送出する。又、別な例と
しては、保護制御装置が持つハードウェアで実現する時
計が不良となった場合は、代わりにソフトウェアで時計
機能を実現するプログラムモジュールを修復用として送
出する。
【0195】本実施の形態によれば、診断プログラムモ
ジュールにより特定できた不良部位に対応する修復プロ
グラムモジュールを、プログラム格納装置から送出する
ようにしたので、不良部位のハードウェア交換をするこ
となく、保護制御装置の運用を継続することが可能とな
り、装置稼働率を下げず、又、装置復旧作業の大幅な省
力化がはかられ、経済性の高い保護制御システムを提供
できる。
【0196】図28はディジタル形保護制御システムの第
12の実施の形態を示す構成図である。図28において、
10はディジタル形保護制御装置であり、図18で示したも
のと同様構成であり、通信ネットワーク30を介して監視
プログラムモジュール50B が送られてくる。本実施の形
態の特長は、この監視プログラムモジュールに、保護制
御装置の稼働実績,動作実績を入力とし、監視プログラ
ムモジュール自身の移動周期,滞在時間,処理内容,移
動経路を制御する制御手段56を設けたことである。図28
はディジタル形保護制御装置10内で、監視プログラムモ
ジュール50B に稼働実績,動作実績を入力している状態
図である。
【0197】従来、保護制御装置の巡視や定期点検など
は、装置の稼働時間や動作実績から決められる場合が多
い。即ち、装置の運用を開始してから所定期間経過しな
いものについては、ハードウェアの初期不良が予測され
ることから点検作業をしていた。又、電力系統事故が発
生し保護リレー装置の場合であれば、正常に保護機能が
働いたものについては動作実績があるものとして、誤不
動作の心配がなく保護機能も正しいことから上記点検を
省略する場合、あるいは一部の巡視作業項目を省略する
場合もある。
【0198】又、逆に装置異常などが発生し、装置動作
の点でも問題があると考えられる場合には、通常の巡視
作業周期を短縮して巡視作業を行なう場合もある。この
ように従来の巡視作業などは装置の稼働状況や動作実績
により、運用者がその都度判断していた。この場合、対
象とする装置数が多いと、運用者がその都度これらを判
断し、作業を行なうということは極めて煩雑となり信頼
性も低下する。
【0199】本実施の形態では、これを解決するため監
視プログラムモジュールに稼働状況,動作実績という履
歴を与え、監視プログラムモジュールはこれに適応した
移動,実行を行なうという構成とした。具体的には、監
視プログラムモジュールは自身の制御手段内に図29で示
す制御テーブルを持ち、これを参照して移動周期,処理
内容,滞在時間,移動経路を決める。
【0200】図29に示すように、稼働実績が少ない場合
は、監視プログラムモジュールが移動し監視する周期を
短くし、又、十分に検証できるように滞在時間も長く
し、繰り返し監視する。又、装置動作実績のあるものに
ついては、電気量やリレー動作状態の確認などの詳細監
視は省略し、又、装置異常があったものについては再度
の異常が発生する確率があることから監視の都度、監視
プログラムモジュールを表示操作装置へ返送し、運用者
が詳細を確認できる設定としている。
【0201】なお、稼働時間,動作実績は、各保護制御
装置が有する値を与えるとしたが、表示操作装置に全て
の保護制御装置の値が集まっている場合は、表示操作装
置で監視プログラムモジュールに与えるとしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、保護制御
装置の稼働実績,動作実績により、これに応じた監視形
態がとれることとなり、多種多用な装置が存在し、その
履歴も異なる場合、全体として最適な監視形態が実現で
きることとなる。即ち、通信の負荷も増やすことなく各
装置毎に必要な時間と内容を供与できることとなり、信
頼性,経済性,応答性に優れた保護制御システムを提供
できる。
【0202】なお、本発明は電力系統に限定されるもの
でなく、例えば、一例として、分散制御システムなどの
ように、制御あるいは監視の対象となる機器からの状態
量を取込み当該機器を制御あるいは監視する複数の演算
機能を有する装置と、これら各装置と通信ネットワーク
を介して接続され各装置の動作や状態の運用監視のため
の表示操作を行なう表示操作装置(あるいは各装置上で
稼働可能なプログラムモジュールを格納するプログラム
格納装置)とから構成されるようなシステムであれば実
施可能である。この場合、上記実施の形態において、保
護制御装置を演算機能を有すると読み替えればよい。
【0203】図30はディジタル形保護制御システムの第
13の実施の形態を示す構成図である。図30において、
10は保護制御対象である電力系統1からの状態量S1
入力として、電力系統への保護制御出力をC1 として電
力系統の保護制御を行なうディジタル形保護制御装置で
あり、整定プログラムモジュール受信手段194 ,知識追
加手段15,送出手段16からなる。
【0204】又、表示操作装置20は通信ネットワーク30
を介してディジタル形保護制御装置10及び同一構成の他
の装置40など複数の装置の遠隔運用を行なうものであ
り、整定プログラムモジュール送出手段28,受信手段2
3,表示手段24を有する。ここでディジタル形保護制御
装置40は本実施の形態の説明のために記したものであ
り、本発明の基本構成要素ではない。
【0205】その動作としては、先ず表示操作装置20に
て整定プログラムモジュール50F を整定プログラムモジ
ュール送出手段28にて通信ネットワーク30を介して送出
する。本例での整定プログラムモジュールとは前述した
整定処理を行なう機能を有したプログラムモジュールで
あり、データとそれを処理する手続きの記述を一体化し
たものである。
【0206】整定プログラムモジュールでは、データは
各保護方式に対応した整定値であり、手続きはそれらの
整定値を保護制御装置の所定メモリーへ格納するまでの
手順と言える。なお、複数の保護制御装置間を移動させ
るために、整定プログラムモジュールの移動経路もデー
タとしてもたせる。
【0207】送出された整定プログラムモジュールは通
信ネットワーク30を介して、ディジタル形保護制御装置
10内のプログラムモジュール受信手段194 にて受信さ
れ、知識追加手段15にて実行され、その実行された結果
を知識として追加する。この場合のプログラムモジュー
ル送出,受信,知識追加,実行処理の流れをまとめると
図31に示すようになる。
【0208】ここで示すように表示操作装置から送られ
てきた整定プログラムモジュールは整定すべき整定値デ
ータと、その手続き(例えば整定値をどのメモリーに格
納するか、保護制御装置内に常駐するどの処理に要求を
出せばよいかなど)で構成されることから、保護制御装
置内で整定処理に関する詳細な処理の実行が行なわれ
る。
【0209】即ち、RAM,EEPROM(新),EE
PROM(旧)など保護制御装置内の各ハードウェア資
源に対しての処理が行なわれる。図31で示すように、保
護制御装置内に移動した整定プログラムモジュールは、
保護制御装置内でRAM他の各種ハードウェア資源及び
他のプログラムとの間での処理を行なうことから、運用
者は表示操作装置上で整定プログラムモジュールに移動
経路を与えるのみでよく、図15で示したような要求デー
タ,応答データが煩雑に通信ネットワーク上を行き交う
ことはない。
【0210】従来では図44に示したように表示操作装
置,保護制御装置間でこのようなやりとりが行なわれる
が、これらの処理を組み込んだ整定プログラムモジュー
ルが保護制御装置側に移動して実行されることから、通
信ネットワークの負荷は従来に比べ軽減される。又、操
作者も新しい整定値を表示操作装置へ与えるのみでよ
く、従来のように各要求を保護制御装置へ送出するため
の操作は必要なくなる。
【0211】知識としては整定が正常に完了したか、新
しい整定値は何か、整定が完了しない場合の不良な整定
要素と整定値は何か、その他の異常あるいはリレー動作
がないかについてを取り扱い、整定プログラムモジュー
ルに追加する。なお、ここで装置の異常,リレー動作状
態を知識として追加することにより、系統状態など装置
が運用されている状態と整定値の関係が妥当であったか
を間接的に知ることが可能となる。
【0212】具体的には以上の知識は前述の本プログラ
ムモジュールのデータの1つとして追加する。このよう
に各保護制御装置に本整定プログラムモジュールが移動
し、移動した先で実行され、結果を得、又、知識を順次
追加していく形態となる。
【0213】以上のようにして実行され知識追加された
整定プログラムモジュールは、送出手段16により通信ネ
ットワーク30を介して表示操作装置20へ返送、あるいは
他の保護制御装置40へ転送される。ここで、表示操作装
置20への返送を行なうか、保護制御装置40への転送を行
なうかは、前述の移動経路を指定したデータによる。こ
の移動経路のデータは運用者が整定業務が必要な装置を
判断して整定プログラムモジュールへ与える。
【0214】他の装置へ転送され、整定対象とした全て
の装置での整定プログラムモジュールの実行が終了した
後、最後に返送されれば操作者は1度の表示確認でよい
という利点があり、保護制御装置40でも前述の保護制御
装置10と同様の手段、即ち、整定プログラムモジュール
受信手段194 ,知識追加手段15,送出手段16を設けてお
き、先ず整定プログラムモジュール受信手段48で整定プ
ログラムモジュールを受信し、知識追加手段45で前述と
同様に実行して知識追加し、その実行結果及びプログラ
ムモジュールを送出手段46で、表示操作装置20へ返送す
るか、あるいは更に他の保護制御装置へ転送し、以下同
様の処理をする。
【0215】以上のようにして各保護制御装置間を転
送,返送されてきた整定プログラムモジュールは、表示
操作装置20の受信手段23,表示手段24により受信されて
表示される。表示としては、各保護制御装置で整定プロ
グラムモジュールの知識として追加された内容(例えば
整定正常完了,整定異常,リレー動作など)の一覧を行
なう。
【0216】この様子を図32に示す。図32は抵抗接地系
平行2回線送電線の両端に設置された2つの回線選択保
護リレー装置に整定プログラムモジュールが移動して、
収集してきたデータを運用者にわかりやすい形態で表示
したものである(従来システムでは、各装置毎,各項目
毎の画面表示となっていたために確認作業が煩雑であっ
た。)。
【0217】実施の形態におけるディジタル形保護制御
装置10の構成は図9と同様であるため、その説明は省略
する。そして表示操作装置20はパーソナルコンピュータ
で実現し、プログラムモジュール送出手段はパーソナル
コンピュータ中のソフトウェア及びイーサネットLAN
とのインタフェース回路で実現されることも既に説明し
た通りである。
【0218】本実施の形態によれば、従来保護制御装置
の運用者が行なっていた整定作業を整定プログラムモジ
ュールが代行して実施できるようにしたことから、整定
業務のために、各変電所へ人間が出向くこともなくな
り、大幅な省力化が可能となり、又、整定業務に関する
各種結果データを整定プログラムモジュール内に順次追
加できる機構としたことから、整定結果の詳細を遠方の
操作者が容易に取得し、確認できて操作性が向上でき
る。。
【0219】又、従来、保護制御装置の運用者が行なっ
ていた整定業務に対応した整定プログラムモジュール自
体を通信ネットワークを介して表示操作装置から保護制
御装置へ送り、保護制御装置内で実行させることから図
44で示したような通信手続きがなくなり、通信ネットワ
ーク上の通信量を少なくでき、信頼性が向上できる。
【0220】更に従来のように各要求に対応した操作や
同一業務を複数装置に対して行なうという作業が必要な
くなり、整定プログラムモジュールを運用者は通信ネッ
トワークへ送出するのみで、整定プログラムモジュール
自体が自律的に各保護制御装置内の整定処理を行ない、
結果及び関連データを収集し、それを知識として追加し
ながら保護制御装置間を移動することから、逐一の運用
者による指定,確認が必要なく運用者の作業量を減らす
ことができ、経済性,信頼性の高い保護制御システムを
提供することができる。
【0221】なお、各装置の整定結果が整定プログラム
モジュールへ反映できることから、新たな整定値が装置
として妥当でない状態(例えばリレーが不要に動作した
り、装置に異常を発生させる)が迅速にわかることか
ら、その結果、整定プログラムモジュールが自身で移動
経路を制御し、運用者へ結果を連絡することも可能とな
り、妥当でない整定値を複数の保護制御装置に与えると
いうことはなくなる。このように、整定結果により移動
経路を制御するようにしても、その効果は上記実施の形
態と同等である。
【0222】図33はディジタル形保護制御システムの第
14の実施の形態を示す構成図である。図33において、
整定プログラムモジュール50F は、実施の形態で説明し
た表示操作装置20から保護制御装置へ送出し、各保護制
御装置間を移動していく整定プログラムモジュールの構
成を示しており、ディジタル形保護制御装置10内でこの
プログラムモジュールに系統電気量,系統情報,関連機
器情報を与える入力手段14を設けている。
【0223】移動経路制御手段51はこれにより、整定プ
ログラムモジュールの移動経路を制御すると共に、移動
先の各装置の系統電気量,系統情報,関連機器情報をも
とに移動経路の修正を行なっていく。又、整定値決定手
段57は同様に入力手段14から得た情報から変更する整定
値を決定していく。これにより、保護制御装置の系統電
気量,系統情報,関連機器情報に応じた整定プログラム
モジュールの最適な移動経路制御を行ない、かつ最適な
整定値での保護制御装置の運用を行なうことが可能とな
る。
【0224】従来、保護制御装置の整定は運用者が電力
系統の状態,保護制御装置の機能,設置状況などを勘案
しながらその値を決めて整定作業を行なっていた。しか
しながら、近年の電力系統の需要の増大と共に、系統の
巨大化,複雑化傾向が進んでおり、従来のような系統条
件を固定的に考えて、最悪の状態を勘案して、整定値を
決定することが困難となっている。例えば、あまりに最
悪の系統条件を考慮して整定値を低感度とすると、事故
が弁別できなくなり、保護制御すべき際に動作できない
という問題が生ずる。
【0225】このような問題に対して、近年、アダプテ
ィブリレーの考え方が提唱されている。これは、電力系
統の条件変化に対応して動作特性,整定,状態を自動的
に調整する機能を持つ保護リレーであり、平成6年 電
気学会全国大会講演集 s15−1などにに詳しい。こ
のような機能の追加により、系統状態がどのように変化
しても事故の有無を確実に保護リレーが弁別することが
より可能となる。
【0226】アダプティブリレーの概念図を図34に示
す。図において電力系統から保護リレーへ直接入力され
る情報は系統の電圧,電流及びこれらから導き出される
有効・無効電力,遮断器,断路器条件などの系統電気量
情報,系統情報,関連機器情報である。保護リレー装置
ではこれらの情報に基づいて系統事故を識別し、系統側
へ遮断器のトリップ指令を出力する。
【0227】従来形の保護リレーでは特性,整定値,制
御シーケンスなどは事前に整定されたものに固定さえて
いるが、アダプティブリレーにおいては、図示するよう
に系統からの諸データの入力に応じてこれらが可変とな
っている。アダプティブリレー適用の一例として、図35
(A)に3端子送電線で、A端子の距離リレー測距性能
が分岐点以遠の事故に対し、B端子からの分岐電流の大
きさに影響される場合の適用例を示す。
【0228】従来リレーではB端子からの分岐電流が零
の時に保護区間を正しく保護区間を見るように整定を行
ない、B端子からの分岐電流が流入してくる場合は保護
リレーとしては区間外として判定してしまう(アンダー
リーチ現象といわれる)。この誤作は分岐電流の大きさ
に比例して大きくなる。本来、系統状態が変わって事故
時のB端子からの電流値が変化しても、事故区間を正し
く測距することが望まれる。
【0229】これを回避するために、アダプティブリレ
ーでは図35(A)で示すように、B端子に設置した保護
リレーから、A端子の保護リレーに向けて必要情報を伝
送する。例えば、事故発生時にB端子背後電源の接続状
態を事前に伝送し、B端子背後インピーダンスを推定し
てA端子の距離リレーの整定を調整する。
【0230】あるいは、B端電流の大きさをA端保護リ
レーへ伝送し、分岐点以遠の電流を両端電流の合成値と
して正確に測距演算を行なう。いずれにせよ、B端の情
報をA端リレーに取り込むことにより、系統変化に伴な
うB端からの分岐効果の変化を反映させ、A端子距離リ
レーの測距精度を向上させることができる。
【0231】このようなアダプティブリレーを実現する
場合の構成としては従来技術では図35(B)に示すよう
な形態となる。即ち、B端に系統の情報(分岐電流や背
後電源の接続状態)を取り込む情報取得処理とA端子と
の通信を行なう通信処理を設け、又、A端子にはB端子
より送られてきた情報を送受する通信処理と、これと自
端子の系統情報を入力として最適な整定値を決定する整
定処理と、これから得られる整定値から正確な測距を行
なう事故判定処理とを設ける。
【0232】このように、アダプティブリレーも自端子
の系統情報から整定値を決定するのであれば、図34に示
した構成でよいが、図35に示したような例では、他の電
気所の情報も必要となる。系統が巨大化,複雑化してい
くことを考えると、アダプティブリレーも必然的により
広範囲な電気所に設置された保護リレー間での情報の交
信及び利用が主流となる。
【0233】しかしながら、現状技術では前述のよう
に、これらの系統情報を取得し他電気所の保護リレーと
交信し、その整定値を最適な値に決定するための構成は
複雑になり、又、大規模となる。これは経済性,信頼性
の低下をもたらす。図35(B)はB端子からA端子の情
報を利用する構成であるが、逆にA端子からB端子リレ
ーへ情報を送る場合もあり構成は更に複雑化する。これ
がN端子となりNが大きい場合は更に複雑化する。
【0234】図36は本実施の形態で前述のアダプティブ
機能を実現したものであり、移動経路制御及び整定値決
定手段を有する整定プログラムモジュールは、B端子保
護リレーに滞在し、系統事故発生による系統電気量情報
の変化により、移動経路制御手段によりA端子に移動す
る。
【0235】ここで、B端子の各種系統情報,系統電気
量情報はこの整定プログラムモジュール内の整定値決定
手段に取込まれている。移動先のA端子においても、同
様に整定値決定手段にA端子の各種系統情報,系統電気
量情報を取込み、これにより整定値決定手段内に有する
前述の手順(B端子背後インピーダンスを推定してA端
子の距離リレーの整定値を調整する。あるいは、分岐点
以遠の電流を両端電流の合成値として正確に測距演算を
行なう)により、整定値を最適値に変更するか、あるい
は距離リレーの動作量である電流値を調整する(即ち、
距離リレーの動作量として、B端子からの電流値を自端
子の電流値に加える)。
【0236】本例で述べる整定値決定手段では、いわゆ
るリレー特性の感度としての整定値の決定と共に、上記
のように動作量として何を使用するかという選択(ここ
では分岐あり時にはB端子の電流を加えるという選
択),調整、更には特性変更,シーケンス制御選択,変
更も、広い意味での整定業務に含まれることから、本手
段にてこれらも決定の対象としている。
【0237】上記の整定値決定手段により決められた整
定値あるいは動作量(電流値)を、事故判定処理に与
え、これによりA端子の距離リレー演算を行ない、遮断
器にトリップ指令を与える。
【0238】以上の述べた構成を実現するためには、事
故判定処理以外は整定プログラムモジュールが1つあれ
ばよい。整定プログラムモジュールは系統事故発生と共
に、自身で必要データを収集して移動し、整定値等の事
故判定に必要な値,取り扱いを決定することから、図35
(B)に示したように、保護リレー装置個々に複雑な処
理を多数設ける必要はなくなる。
【0239】又、個々の処理間の連携,交信が必要なく
カプセル化されていることから、障害の発生もなく、信
頼性の上でも好ましい。特に、このようなアダプティブ
機能は系統事故発生あるいは系統条件の変化時にのみ起
動されればよい場合が多く、このためのの処理を多数不
使用時にも保護リレー装置内に常駐させておくことは不
要なハードウェア資源を必要とし、経済性を悪くするこ
ととなるが、本実施の形態では、1つの整定プログラム
モジュールが移動しながら必要処理を行なうことから極
めて経済性が高い。又、本例は2端子の場合であるが、
多数の端子の場合には更にその効果が顕著となる。
【0240】本実施の形態によれば、整定プログラムモ
ジュールに移動経路と整定値等の決定手段を設けたこと
で、系統条件の変化,系統電気量の変化などに適応的に
動作できる保護制御装置が実現でき、又、この場合の構
成,処理が簡素化できることから、特に多数の保護制御
装置間の情報を交信し合いながらアダプティブリレー機
能を実現する際は、経済性,信頼性の高いディジタル形
保護制御装置を提供できる。
【0241】図37はディジタル形保護制御システムの第
15の実施の形態を示す構成図である。図37において、
整定プログラムモジュール50F は図30の実施の形態で説
明した表示操作装置20から保護制御装置へ送出し、各保
護制御装置間を移動していく整定プログラムモジュール
の構成を示しており、ディジタル形保護制御装置10内で
このプログラムモジュールに系統電気量,系統情報,関
連機器情報を与える入力手段195 を設ける。この入力手
段195 は図33の実施の形態で述べたものと同一目的,同
一機能の入力手段である。
【0242】移動経路制御手段51はこれにより整定プロ
グラムモジュールの移動経路を制御すると共に、移動先
の各装置の系統電気量,系統情報,関連機器情報をもと
に移動経路の修正を行なっていくものであり、これも図
5の実施の形態で述べたものと同一目的,同一機能であ
る。
【0243】本実施の形態の特徴は、この入力手段から
の情報により使用すべき保護制御演算プログラムモジュ
ールを決定する保護制御演算決定手段58を設け、保護制
御演算プログラムモジュールを格納する保護制御演算プ
ログラムモジュール格納装置61を設け、ここから各保護
制御装置に必要な保護制御演算プログラムモジュールを
呼び出し、保護制御装置内に設けた保護制御演算実行手
段196 にてこのプログラムモジュールを実行することで
ある。なお、具体的構成例は図9に示したものと同様で
あるが、保護制御演算プログラムモジュール格納装置は
ワークステーションあるいはパーソナルコンピュータな
どのハードウェアを用いる。
【0244】電力系統の条件変化に対応して特性や整定
を自動的に調整するアダプティブ機能については前述の
実施の形態で述べたが、このようなアダプティブ機能
は、保護リレー装置内に予め備えられた保護制御演算
(例えば、図24,図25,図26に示すところの事故判定部
の処理)に対して整定処理が作用するものであった。従
って、保護制御演算処理自体の基本構成は予め固定的で
あるのが従来提唱されているアダプティブリレーであっ
た。
【0245】しかしながら系統の巨大化,複雑化に伴な
い、これら全て考慮して予め固定的に保護制御演算処理
を組み込んでおくということは、たとえ整定処理が系統
条件に対してアダプティブに対応していくとしても限界
がる。又、予め考え得る処理全てを固定的に組み込むこ
とは、使用されない機能を多く保護リレー内に有するこ
ととなり、経済的に好ましくない。
【0246】本実施の形態は、この問題を解決する構成
を提供するものであり、電力系統の条件変化に適応しな
がらその都度必要とされる最適な保護制御演算のみを、
各保護リレー装置に分配できることが可能となる。
【0247】以下に具体例を示して説明する。図38は高
抵抗接地系平行2回線送電線を示す。このような高抵抗
接地系平行2回線送電線では、常時の他回線からの誘導
電流により、零相循環電流が発生し、これが系統事故発
生時に回線の両端子に接地された地絡回線選択リレーに
影響し、健全回線の誤遮断などの悪影響があることは周
知の事実である。
【0248】この対策として事故発生時点の零相電流の
変化分を動作量として、高感度に保護を行なうことがで
きる変化分形回線選択リレーを、このような零相循環電
流が大きい系統には適用することが一般的である。この
ようなリレーもアダプティブリレーの1つとも言える。
【0249】図38でこの場合の保護リレーの応動例を説
明すると、先ず、図中(a)で零相循環電流の大きい系
統で、平行2回線1号線A端子至近事故が発生すると、
先ず、図中(b)でA端子の変化分形回線選択リレー
(50ΔG)でA端子が遮断される。この時点で零相循
環電流は循環しなくなるので、図中(c)に示されるよ
うにB端子は単純な地絡回線選択リレー(50G)で遮
断できる。
【0250】このような応動を実現するための保護制御
シーケンスを図39に示す。ここで地絡過電圧リレー(6
4)と前述の2つのリレー要素の組み合わせで前述の応
動が実現されることとなる。ここで50GLT,50G
Tは両端子のリレー動作の協調をとるためのタイマーで
あり、これによりA端子は変化分形回線選択リレー(5
0ΔG)、B端子は単純な地絡回線選択リレー(50
G)でシーケンシャルな遮断が行なえる。
【0251】以上述べたように従来リレー装置では、零
相循環電流がある系統には事前に変化分形回線選択リレ
ー(50ΔG)を保護リレーに組み込む必要があった。
しかしながら、零相循環電流の大きさは併架する他の送
電線の状態は潮流の大きさにより大きく左右される。従
って、必要ない系統の保護のために本リレーを適用した
り、逆に必要が運用中に生じても適用していなために正
常な保護ができないという可能性がある。これは経済
性,信頼性の点で問題がある。
【0252】本例によればこの問題は解消される。即
ち、図37に示すように、入力手段195により系統の零相
循環電流の大きさがわかる。これにより、整定プログラ
ムモジュール内の保護制御演算決定手段54により、一定
以上の大きさの零相循環電流が継続したことで、保護制
御演算プログラムモジュール格納装置61から、変化分形
回線選択リレー(50ΔG)のプログラムモジュールを
呼び出し、保護演算実行手段15で実行させる。具体的に
は保護リレー装置内のRAM内にこのプログラムモジュ
ールを格納し、CPUはこれをコードとして呼び出して
実行する。
【0253】このように、必要が生じたときのみ保護制
御演算を呼び出して使用することから、無駄なハードウ
ェア資源を常時は使用せずに、かつ系統の条件に応じた
最適な保護制御システムが実現できる。又、前述の図39
の両端子が異なるリレー要素で遮断する場合において
は、図40に示すように、整定プログラムモジュールの移
動経路制御手段が以下のように機能する。
【0254】先ず、系統事故発生で整定プログラムモジ
ュールが格納装置61から変化分形回線選択リレー(50
ΔG)プログラムモジュールを呼び出し、A装置にて実
行させる。この間に整定プログラムモジュールはB装置
に移動し、後続遮断が必要であることを系統条件および
A端子で得た知識から判断し、整定プログラムモジュー
ルが回線選択リレー(50G)プログラムモジュールを
呼び出し、B端子を遮断する。このように整定プログラ
ムモジュールが有する移動経路制御手段により、A端子
遮断という系統条件の変化によりB端子に移動し、必要
なプログラムモジュールを実行できる。
【0255】図40に示すように、両端子の保護リレーに
常時滞在する機能は整定プログラムモジュール1つであ
り、事故判定部は常時は必要なくなる。特に、図39で示
したように両端子で必要とするリレー要素は各々異なる
にも拘らず、従来技術では全く同じリレー要素を両端子
に実装せざるを得なかった。
【0256】しかしながら本実施の形態では整定プログ
ラムモジュールが各端子で発生している系統状態の変化
を認識しながら移動することから、最適な保護制御演算
プログラムモジュールを各保護リレーに配置,実行でき
る。これにより、経済性,信頼性の高い保護制御システ
ムが提供できる。なお、上記実施の形態ではリレー要素
の演算についてのみ言及したが、図39に示したような論
理,タイマー処理などのシーケンス制御演算についても
同様の適用効果がある。
【0257】なお、本発明は電力系統に限定されるもの
でなく、例えば、一例として、分散制御システムなどの
ように、制御あるいは監視の対象となる機器からの状態
量を取込み当該機器を制御あるいは監視する複数の演算
機能を有する装置と、これら各装置と通信ネットワーク
を介して接続され各装置の動作や状態の運用監視のため
の表示操作を行なう表示操作装置(あるいは各装置上で
稼働可能なプログラムモジュールを格納するプログラム
格納装置)とから構成されるようなシステムであれば実
施可能である。この場合、上記実施の形態において、保
護制御装置を演算機能を有すると読み替えればよい。
【0258】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のディジタ
ル形保護制御システムによれば、通信ネットワークに各
装置が接続されていることを利用し、システム内でのプ
ログラムモジュールの移動,各装置間の連携機能に着目
し、操作性,経済性,保守性,信頼性に優れたディジタ
ル形保護制御システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である監視制御シス
テムの構成図。
【図2】図1の画面表示メニューとプログラムモジュー
ルの対応を示す図。
【図3】図1の作用を説明する図。
【図4】図1の具体的構成例を示す図。
【図5】図1の処理内容を示すフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施の形態であるディジタル形
保護制御システムの構成図。
【図7】図6の作用を説明する図。
【図8】図6の作用を説明する図。
【図9】図6の具体的構成図。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示す構成図。
【図11】本発明の図10での対象系統例を示す図。
【図12】図10の作用を示す図。
【図13】図10の作用を示す図。
【図14】本発明の第4の実施の形態を示す図。
【図15】図14の作用を示す図。
【図16】本発明の第5の実施の形態を示す図。
【図17】図16の作用を示す図。
【図18】本発明の第6の実施の形態であるディジタル
形保護制御システムの構成図。
【図19】図18の作用を示す図。
【図20】本発明の第7の実施の形態を示す構成図。
【図21】図20の処理内容を示すフローチャート。
【図22】図20の作用を示す図。
【図23】本発明の第9の実施の形態であるディジタル
形保護制御システムの構成図。
【図24】図23の作用を示す図。
【図25】図23に示す実施の形態の画面表示例を示す
図。
【図26】本発明の第10の実施の形態であるディジタ
ル形保護制御システムの構成図。
【図27】本発明の第11の実施の形態であるディジタ
ル形保護制御システムの構成図。
【図28】本発明の第12の実施の形態を示す構成図。
【図29】制御テーブルを示す図。
【図30】本発明の第13の実施の形態であるディジタ
ル形保護制御システムの構成図。
【図31】図30の作用を示す図。
【図32】図30の作用を示す図。
【図33】本発明の第14の実施の形態であるディジタ
ル形保護制御システムの構成図。
【図34】アダプティブリレーの概念を示す図。
【図35】アダプティブリレーの適用例を示す図。
【図36】図31の作用を示す図。
【図37】本発明の第15の実施の形態であるディジタ
ル形保護制御システムの構成図。
【図38】図37の適用系統を示す図。
【図39】保護シーケンス例。
【図40】図37の作用を示す例。
【図41】遠隔運用システムのメニュー例。
【図42】従来のシステムの動きを示す図。
【図43】従来のシステムの構成例図。
【図44】遠隔運用システム構成例。
【符号の説明】
1 電力系統 10,40 ディジタル形保護制御装置 11 プログラムモジュール受信手段 12 実行手段 13,43 実行結果及びプログラムモジュール返送・
転送手段 14,44 動作解析プログラムモジュール受信手段 15,45 知識追加手段 16,46 送出手段 17 動作情報入力手段 18 装置情報入力手段 19,47 監視プログラムモジュール受信手段 191 診断プログラムモジュール受信手段 192 実行手段 191 修復プログラムモジュール受信手段 194 ,48 整定プログラムモジュール受信手段 195 入力手段 196 保護演算実行手段 20 表示操作装置 22 動作解析プログラムモジュール送出手段 23 受信手段 24 表示手段 25 監視プログラムモジュール送出手段 26 特定目的指示手段 27 診断プログラムモジュール送出手段 28 整定プログラムモジュール送出手段 30 通信ネットワーク 50A 動作解析プログラムモジュール 50B 監視プログラムモジュール 50C 特定目的データ収集プログラムモジュール 50D 診断プログラムモジュール 50E 修復プログラムモジュール 50F 整定プログラムモジュール 51 移動経路制御手段 52 検証手段 53 異常検出手段 54 データ収集手段 55 比較手段 56 制御手段 57 整定値決定手段 58 保護制御演算決定手段 60 動作状態予測知識ベース 61 保護制御演算プログラムモジュール格納装
置 70,80 系統観測装置 91 修復プログラムモジュール送出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02H 3/00 H02H 3/02 H02J 13/00

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の状態量を入力とし、これをデ
    ィジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行なう
    複数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信ネ
    ットワークを介して接続され各保護制御装置の動作や状
    態の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装置と
    からなる電力系統保護制御システムにおいて、前記表示
    操作装置は表示操作の内容に対応した、データと当該デ
    ータを処理する手続きが一体化したプログラムモジュー
    ルを前記通信ネットワークを介して指定された前記保護
    制御装置に送出するプログラムモジュール送出手段を備
    えると共に、前記複数の保護制御装置の少なくとも1つ
    は、前記表示操作装置あるいは他の保護制御装置からの
    前記プログラムモジュールを受信するプログラムモジュ
    ール受信手段と、前記受信したプログラムモジュールを
    実行する実行手段と、前記実行手段による実行結果ある
    いは当該保護制御装置が記憶している前記プログラムモ
    ジュールを前記表示操作装置あるいは他の保護制御装置
    に転送する転送手段とを夫々備えたことを特徴とする電
    力系統保護制御システム。
  2. 【請求項2】 電力系統の状態量を入力とし、これを
    ィジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行なう
    複数の保護制御装置と、これら保護制御装置と通信ネ
    ットワークを介して接続され各保護制御装置の動作や状
    態の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装置と
    からなる電力系統保護制御システムにおいて、前記複数
    の保護制御装置の少なくとも1つは、前記表示操作装置
    から送られてきた動作解析プログラムモジュールあるい
    は他の保護制御装置より転送されてきた前記保護制御装
    置の動作情報収集を行なう手続きと動作情報収集された
    データを一体化した動作解析プログラムモジュールを受
    信する動作解析プログラムモジュール受信手段と、前記
    受信した動作解析プログラムモジュールを実行し、その
    実行結果を前記動作解析プログラムモジュールの知識と
    して与える知識追加手段と、他の保護制御装置あるいは
    表示操作装置に対して知識追加後の前記動作解析プログ
    ラムモジュールを送出する送出手段とを備えると共に、
    前記表示操作装置は、保護制御装置の動作を解析するた
    めのプログラムモジュールを前記通信ネットワークを介
    し前記保護制御装置に送出する動作解析プログラムモジ
    ュール送出手段と、前記送出手段から送出された知識追
    加後の動作解析プログラ ムモジュールを受信する受信手
    段と、前記受信結果を表示する表示手段とを備えたこと
    を特徴とする電力系統保護制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電力系統保護制御システ
    ムにおいて、前記複数の保護制御装置の少なくとも1つ
    は、複数の保護制御装置間を移動する動作解析プログラ
    ムモジュールに保護制御装置動作情報を与える動作情報
    入力手段と、前記各保護制御装置電力系統のどの範囲
    保護制御対象としているかの情報を与える装置情報入
    力手段と、動作解析プログラムモジュールに前記各情報
    を受けて自律的に移動経路を制御する情報を入力する移
    動経路情報入力手段と、移動先の各保護制御装置の動作
    情報及び各保護制御装置情報をもとに移動経路の修正を
    行なう移動経路制御手段を備えたことを特徴とする電力
    系統保護制御システム。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の電力系統保護制御システ
    ムにおいて、系統事故発生時の動作状態を予測した知識
    を格納した動作状態予測知識ベースを設けると共に、動
    作解析プログラムモジュールが収集した動作情報と前記
    動作状態予測知識ベースとを比較し、保護制御装置動作
    の妥当性の検証を行なう検証手段を備えたことを特徴と
    する電力系統保護制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項2記載の電力系統保護制御システ
    ムにおいて、保護対象とする電力系統からの電気量を取
    込んで蓄積する系統観測装置を設けると共に、同一の電
    力系統事故に関係する可能性のある複数の保護制御装置
    間を移動する動作解析プログラムモジュールが収集した
    動作情報に基づいて移動経路の修正を行なう経路制御手
    段と、この経路制御手段の結果に基づいて動作解析プロ
    グラムモジュールが関連する前記系統観測装置から収集
    した電気量と前記プログラムモジュールに対応する保護
    制御装置から得たリレー動作情報を比較して、前記電
    気量からみた事故様相とリレーの動作情報との関係から
    当該事故様相とリレー動作状態との妥当性を検証する検
    証手段を備えたことを特徴とする電力系統保護制御シス
    テム。
  6. 【請求項6】 電力系統の状態量を入力とし、これをデ
    ィジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行なう
    複数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信ネ
    ットワークを介して接続され各保護制御装置の動作や状
    態の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装置と
    からなる電力系統保護制御システムにおいて、前記複数
    の保護制御装置の少なくとも1つは、前記表示操作装置
    から送られてきた前記保護制御装置の動作状態を取得し
    正常に機能しているか否か を判断する手続きと当該判断
    を行なう基準となるデータを一体化した監視プログラム
    モジュールあるいは他の保護制御装置より転送されてき
    た監視プログラムモジュールを受信する監視プログラム
    モジュール受信手段と、前記受信した監視プログラムモ
    ジュールを実行し、その実行結果を前記監視プログラム
    モジュールの知識として与える知識追加手段と、他の保
    護制御装置あるいは表示操作装置に対して知識追加後の
    前記監視プログラムモジュールを送出する送出手段とを
    備えると共に、前記表示操作装置は、保護制御装置の状
    態を監視するための監視プログラムモジュールを前記通
    信ネットワークを介し前記保護制御装置に送出する監視
    プログラムモジュール送出手段と、前記送出手段から送
    出された知識追加後の監視プログラムを受信する受信手
    段と、前記受信結果を表示する表示手段とを備えたこと
    を特徴とする電力系統保護制御システム。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の電力系統保護制御システ
    ムにおいて、複数のディジタル形保護制御装置間を移動
    する監視プログラムモジュール内には、監視対象装置の
    異常を検出したことで前記監視プログラムモジュールの
    移動経路を制御する移動経路制御手段を備えたことを特
    徴とする電力系統保護制御システム。
  8. 【請求項8】 請求項記載の電力系統保護制御システ
    ムにおいて、複数の保護制御装置間を移動する監視プロ
    グラムモジュールに代えて特定目的データ収集プログラ
    ムモジュールを設け、前記特定目的データ収集プログラ
    ムモジュール内には特定目的に従ったデータ収集を行な
    うデータ収集手段と、収集された各保護制御装置のデー
    タの同一項目を比較統計処理する比較手段を設けると共
    に、表示操作装置内には前記特定目的データ収集プログ
    ラムモジュールに対して特定目的を与えるための特定目
    的指示手段を備えたことを特徴とする電力系統保護制御
    システム。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の電力系統保護制御システ
    ムにおいて、監視プログラムモジュールにて異常が発生
    あるいは発生の予兆があると判定した保護制御装置につ
    いて、前記監視プログラムモジュールでの判定結果に基
    づき詳細診断を行ない不良部位を特定する診断ルールを
    有する診断プログラムモジュールを設け、表示操作装置
    には前記診断プログラムモジュール送出手段を設けると
    共に、保護制御装置には診断プログラムモジュール受信
    手段と、前記診断プログラムモジュールの実行手段を備
    えたことを特徴とする電力系統保護制御システム。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の電力系統保護制御シス
    テムにおいて、診断プログラムモジュールにて不良部位
    が特定できた後、保護制御装置運用を継続するために
    不良部位に対応する修復プログラムモジュールを有する
    プログラム格納装置を設け、保護制御装置には修復プロ
    グラムモジュール受信手段と、前記修復プログラムモジ
    ュールの実行手段を備えたことを特徴とする電力系統保
    護制御システム。
  11. 【請求項11】 請求項6記載の電力系統保護制御シス
    テムにおいて、監視プログラムモジュールには保護制御
    装置の稼働実績,動作実績を入力とし、監視プログラム
    モジュール自身の移動周期,各装置内での滞在時間,処
    理内容及び移動経路を制御する制御手続手段を備えたこ
    とを特徴とする電力系統保護制御システム。
  12. 【請求項12】 電力系統の状態量を入力とし、これを
    ディジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行な
    う複数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信
    ネットワークを介して接続され各保護制御装置の動作や
    状態の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装置
    とからなる電力系統保護制御システムにおいて、前記複
    数の保護制御装置の少なくとも1つは、前記表示操作装
    置から送られてきた整定値データと当該データを処理す
    る手続きを一体化した整定プログラムモジュールあるい
    は他の保護制御装置より転送されてきた整定値データと
    当該データを処理する手続きを一体化した整定プログラ
    ムモジュールを受信する整定プログラムモジュール受信
    手段と、前記受信した整定プログラムモジュールを実行
    し、その実行結果を前記整定プログラムモジュールの知
    識として与える知識追加手段と、他の保護制御装置ある
    いは表示操作装置に対して知識追加後の前記整定プログ
    ラムモジュールを送出する送出手段とを備えると共に、
    前記表示操作装置は、保護制御装置に対して整定するた
    めの整定プログラムモジュールを前記通信ネットワーク
    を介し前記保護制御装置に送出する整定プログラムモジ
    ュール送出手段と、前記送出手段から送出された知識追
    加後の整定プログラムモジュールを受信する受信手段
    と、前記受信結果を表示する表示手段とを備えたことを
    特徴とする電力系統保護制御システム。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の電力系統保護制御シ
    ステムにおいて 、前記複数の保護制御装置の少なくとも
    1つには、複数の保護制御装置間を移動する整定プログ
    ラムモジュールに保護制御装置の系統電気量情報,系統
    情報及び関連機器情報を与える入力手段を設けると共
    に、整定プログラムモジュールには自律的に移動経路を
    制御する移動経路制御手段と、変更すべき整定値を決定
    する整定値決定手段を備えたことを特徴とする電力系統
    保護制御システム。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の電力系統保護制御シ
    ステムにおいて、複数の保護制御装置間を移動する整定
    プログラムモジュールから呼び出し可能な保護制御演算
    プログラムモジュールを格納する保護制御演算プログラ
    ムモジュール格納装置を備え、前記整定プログラムモジ
    ュールには、自律的に移動経路を制御する移動経路制御
    手段と、各保護制御装置に必要な保護制御演算プログラ
    ムモジュールを決定して前記保護制御演算プログラムモ
    ジュール格納装置から保護制御演算プログラムモジュー
    ルを呼び出す保護制御演算決定手段とを備えると共に、
    前記複数の保護制御装置の少なくとも1つには整定プロ
    グラムモジュールに対して系統電気量情報,系統情報及
    び関連機器情報を与える入力手段と、前記保護制御演算
    決定手段にて収集した保護演算プログラムモジュールを
    実行する保護演算実行手段とを備えたことを特徴とする
    電力系統保護制御システム。
  15. 【請求項15】 電力系統の状態量を入力とし、これを
    ディジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行な
    う複数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信
    ネットワークを介して接続され、前記各保護制御装置の
    動作や状態の運用監視のための表示操作を行なう表示操
    作装置とからなる電力系統保護制御システムに適用され
    る記録媒体であって、前記複数の保護制御装置の少なく
    とも1つが有する下記手段を実行させる機能を有するコ
    ンピュータ読み取り可能なプログラムを記録した記録媒
    体。 プログラムモジュール受信手段:前記通信ネットワーク
    を介して前記表示操作装置あるいは他の前記保護制御装
    置からのプログラムモジュールを受信する。 実行手段:前記受信したプログラムモジュールを実行す
    る。 転送手段:前記実行手段による実行結果あるいは他の保
    護制御装置が記憶しているプログラムモジュールを前記
    表示装置あるいは他の保護制御装置に転送する
  16. 【請求項16】 電力系統の状態量を入力とし、これを
    ディジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行な
    う複数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信
    ネットワークを介して接続される各保護制御装置の動作
    や状態の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装
    置とからなる電力系統保護制御システムに適用される記
    憶媒体であって、前記表示操作装置が有する保護制御装
    置の動作を解析するためのプログラムモジュールを前記
    通信ネットワークを介し前記保護制御装置に送出させる
    動作解析プログラムモジュール送出手段を実行させる機
    能と、前記送出手段から送出された知識追加後の動作解
    析プログラムを受信する受信手段を実行させる機能とを
    有するコンピュータ読み取り可能なプログラムを記録し
    た記録媒体。
  17. 【請求項17】 電力系統の状態量を入力とし、これを
    ディジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行な
    う複数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信
    ネットワークを介して接続される各保護制御装置の動作
    や状態の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装
    置とからなる電力系統保護制御システムに適用される記
    録媒体であって、前記表示操作装置が有する保護制御装
    置の状態を監視するためのプログラムモジュールを前記
    通信ネットワークを介し前記保護制御装置に送出させる
    監視プログラムモジュール送出手段を実行させる機能
    と、前記送出手段から送出された知識追加後の監視プロ
    グラムを受信する受信手段を実行させる機能とを有する
    コンピュータ読み取り可能なプログラムを記録した記録
    媒体。
  18. 【請求項18】 電力系統の状態量を入力とし、これを
    ディジタルデータに変換して電力系統の保護制御を行な
    う複数の保護制御装置と、これらの保護制御装置と通信
    ネットワークを介して接続される各保護制御装置の動作
    や状態の運用監視のための表示操作を行なう表示操作装
    置とからなる電力系統保護制御システムに適用される記
    録媒体であって、前記表示操作装置が有する保護制御装
    置に対して整定するためのプログラムモジュールを前記
    通信ネットワークを介し前記保護制御装置に送出させる
    整定プログラムモジュール送出手段を実行させる機能
    と、前記送出手段から送出された知識追加後の整定プロ
    グラムを受信する受信 手段を実行させる機能とを有する
    コンピュータ読み取り可能なプログラムを記録した記録
    媒体。
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