JP3298702B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3298702B2
JP3298702B2 JP13166793A JP13166793A JP3298702B2 JP 3298702 B2 JP3298702 B2 JP 3298702B2 JP 13166793 A JP13166793 A JP 13166793A JP 13166793 A JP13166793 A JP 13166793A JP 3298702 B2 JP3298702 B2 JP 3298702B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2つの摩擦係合装置に
係るクラッチツウクラッチのダウンシフトを実行するこ
とのある自動変速機の変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動変速機の特定の変速を実行する場合
に、2つの摩擦係合装置(広義のクラッチ;ブレーキを
含む)の係合と解放とを同時に行わなければならないこ
とがよくある(いわゆるクラッチツウクラッチ変速)。
この場合、各摩擦係合装置の係合と解放との同期を適確
にとらないと、出力軸トルクが落ち込んだり、エンジン
が噴き上がったりする。
【0003】このため、従来はこのような制御を行わせ
る場合には、一般に、一方の摩擦係合装置の機能と実質
的に同等な機能を果たす一方向クラッチを設け、こうし
た不具合が発生しないように配慮していた。
【0004】しかしながら、このように一方向クラッチ
を用いることによって各摩擦係合装置の同期をとる方法
は、当該一方向クラッチを付設する分コストが上昇し、
又、重量が増大したり収容スペースを占める等の問題が
発生する。
【0005】このような点に鑑み、近年、各種センサ技
術の向上、油圧制御装置の電子制御技術の向上を背景と
して、一方向クラッチを用いることなく「クラッチツウ
クラッチ変速」を直接実行させるようにする試みが再び
活発化している。
【0006】従来、クラッチツウクラッチのダウンシフ
トを制御する技術として、例えば特公昭52−1834
4号公報に、オリフィスキックダウン弁を用い、該オリ
フィスキックダウン弁のスプールに(車速に応じて変化
する)ガバナ圧とスプリング荷重とを対向して印加さ
せ、所定車速以下では係合側の油圧供給を大径オリフィ
スを介して行い、一方所定車速以上では小径オリフィス
を介して行うようにした技術が提案されている。これに
よれば、入出力回転が同期するポイント付近で係合側の
摩擦係合装置を係合させることがある程度可能になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来技術では、係合側の摩擦係合装置への係合圧の供給が
スロットル開度や解放側摩擦係合装置の解放圧のドレン
状況に拘りなく、車速に依存したオリフィスの切換えに
よる2段階のみの制御でダウンシフトが実行されるた
め、現実の同期ポイントとのずれが大きく、これにより
エンジン噴きや過大なタイアップが生じることがあると
いう問題があった。即ち、考慮されているのがガバナ圧
(車速)のみであったため、その他の走行条件に依存し
て実際の入出力回転の同期がばらついた場合には、これ
に適正に対応することができないという問題があったも
のである。
【0008】このような事情に鑑み、出願人は、先に、
特願平3−344123(未公知)において、クラッチ
ツウクラッチのダウンシフトにおいて、調圧手段によ
り、自動変速機の入力回転数が低速段の同期点に達する
前に、係合側の摩擦係合装置の係合圧を所定の低圧値で
待機させ、同期点に達したと検出された後に該係合圧を
入力トルクに基づいて徐々に上昇させるという技術を提
案した。この技術によれば、係合圧を同期ポイントの前
から入力回転に応じて調圧することができ、又、同期後
も入力トルクに基づいて係合圧が上昇させられるため、
係合側摩擦係合装置の係合タイミングの適正化や、解放
側摩擦係合装置から係合側摩擦係合装置へのトルク伝達
量の受渡しの適正化を図ることができるようになる。
【0009】しかしながら、この特願平3−34412
3で提案された技術は、低速段での同期が検出された
後、係合側の油圧については入力トルクに基づいて上昇
させられるものの、解放側の油圧低下については一律に
設定されていたため、現実にはなお変速ショックが生じ
てしまうことがあるという問題が残っていた。
【0010】即ち、上記技術によれば、低速段での同期
が検出された後、係合側の油圧を入力トルクに応じて上
昇させると共に、解放側の油圧については急速ドレンが
なされる(タイムラグが異なるため実際の指令時期は若
干異なる)のであるが、例えば入力トルクが比較的小さ
い領域の場合は係合圧の上昇に余裕があるため特に問題
は生じないが、入力トルクが大きい場合には当該係合圧
を急増させようとしても実際には該係合圧は急には立上
らないため、相対的に解放側の油圧の低下が早くなり過
ぎ、その結果エンジンが噴いて変速フィーリングが悪化
するという問題があったものである。
【0011】この問題については、例えば解放側の油圧
の急速低下のタイミングを低速段の同期時点より若干遅
らせる方法が考えられる。しかしながら、只単に遅らせ
た場合には、入力トルクが小さい領域では係合側の油圧
上昇に対して相対的に解放が遅れ過ぎ、係合側の摩擦係
合装置の引摺りによる出力軸トルクの低下及びタイムラ
グの増大が発生し、やはり変速フィーリングが悪化す
る。
【0012】又、このような係合側の油圧と解放側の油
圧のバランスのずれは、入力トルクのみに依存するわけ
ではなく、例えば自動変速機の油温にも依存する。即
ち、一般に、自動変速機の油温は極低温のときは粘度が
高く応答性が低いが、常温に近づくにつれて応答性が増
すという傾向がある。又、逆に常温から高温になってい
くと、粘度が更に低下するため、油圧制御装置の各部分
からの洩れが多くなると共に、オリフィス等における絞
り効果も低減するため、油圧を高め難くなる(油圧が抜
け易くなる)という傾向が発生するようになる。そのた
め、同期検出後の解放側の油圧ドレンの適性タイミング
も油温に応じて変わってくることになり、この設定が適
性に行われないと、やはり変速フィーリングの悪化を招
くことになる。
【0013】本発明は、このような事情に鑑みて成され
たものであって、前記特願平3−344123にて提案
された技術を一層改良し、各種走行状態の如何に拘らず
タイムラグが小さく、且つ変速ショックの小さなクラッ
チツウクラッチのダウンシフトを実現することをその目
的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、図1(A)に
その要旨を示すように、2つの摩擦係合装置に係るクラ
ッチツウクラッチのダウンシフトを実行することのある
自動変速機の変速制御装置において、自動変速機の入力
回転数が低速段の同期点に達したか否かを検出する同期
検出手段と、前記同期検出手段により前記入力回転数が
前記同期点に達したと検出された後、係合側の摩擦係合
装置の係合油圧を所定の低圧値から上昇させると共に、
該同期検出から所定時間後に前記解放油圧を所定の高圧
値から低下させる油圧制御手段と、自動変速機の入力ト
ルクを検出する手段と、該入力トルクが大きいときほ
ど、前記低速段の同期検出から解放側摩擦係合装置の油
圧を低下させるまでの前記所定時間を長く設定する手段
と、を備えたことにより、上記課題を解決したものであ
る。
【0015】又、本発明は、図1(B)にその要旨を示
すように、2つの摩擦係合装置に係るクラッチツウクラ
ッチのダウンシフトを実行することのある自動変速機の
変速制御装置において、自動変速機の入力回転数が低速
段の同期点に達したか否かを検出する同期検出手段と、
前記同期検出手段により前記入力回転数が前記同期点に
達したと検出された後、係合側の摩擦係合装置の係合油
圧を所定の低圧値から上昇させると共に、該同期検出か
ら所定時間後に前記解放油圧を所定の高圧値から低下さ
せる油圧制御手段と、自動変速機の油温を検出する手段
と、該自動変速機の油温に依存して、前記低速段の同期
検出から解放側摩擦係合装置の油圧を低下させるまでの
前記所定時間を設定する手段と、を備えたことにより、
同じく上記課題を解決したものである。
【0016】
【作用】本発明においては、クラッチツウクラッチのダ
ウンシフトを実行する際に、基本的に前記特願平3−3
44123で開示された方法により当該ダウンシフトを
制御する。即ち、調圧手段により自動変速機の入力回転
数が低速段の同期点に達する前に、係合側の摩擦係合装
置の係合圧を所定の低圧値で待機させ、同期後に該係合
圧を昇圧させる。
【0017】一方、解放側の摩擦係合装置の解放圧は、
同期後に急速ドレンするが、この場合、同期が検出され
た後直ちにドレンするのではなく、「所定時間後」にド
レンするものとし、且つ、この所定時間を入力トルクに
応じて設定する。具体的には、入力トルクが大きいとき
ほど係合側の実質的な係合完了が遅れるため、これに合
わせ所定時間を長めに設定する。
【0018】逆に、入力トルクが小さいときは、係合側
の係合が円滑に進行するため、「所定時間」は零を含む
短い時間とする。
【0019】又、自動変速機の油温が高いときは、係合
側の油圧が上がり難い上にドレン側の油圧が早く抜ける
傾向にあるため、「所定時間」は常温時に比べ長めに設
定する。
【0020】なお、極低温時の場合は、オイルの粘度が
高いため、なかなかドレンされないという事情があるこ
とから、この点では「所定時間」は短めに設定する方が
良いことになるが、一方係合側の油圧上昇にも時間がか
かるようになるため、これとのバランスを考えて「所定
時間」を設定すべきである。
【0021】このように、本発明では、解放側の摩擦係
合装置のドレンタイミングを入力トルクあるいは油温に
応じて適正化するようにしたため、常に良好なタイミン
グでクラッチツウクラッチ変速を実行することこができ
るようになる。
【0022】なお、本発明においては自動変速機の「入
力トルク」を具体的にどのようにして検出するかについ
ては特に限定しない。一般的には、自動変速機の入力軸
に実際にトルクセンサを設けることは困難なため、スロ
ットル開度、エンジン回転速度、燃料噴射量、等のパラ
メータを利用し、そのときの入力トルクを推定する方法
を採用するとよい。
【0023】なお、例えばスロットル開度等によって入
力トルクを推定する場合は、変速時にエンジントルクを
低減させる制御を採用している場合には、この低減制御
が実際に実行されるか否かによって同じスロットル開度
でも入力トルクが大幅に異なってくるため、当該エンジ
ントルクの低減制御が実際に実行されるか否かを別途検
出するようにするとよい。
【0024】一方、「自動変速機の油温」についても、
油温センサを設けるのが困難な場合には、例えばエンジ
ンの冷却水温センサの検出結果を代わりに用いるように
してもよい。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0026】まず、本発明が適用される自動変速機の具
体的な一例を図2にスケルトンで示す。この自動変速機
2は、トルクコンバータ111、副変速部112及び主
変速部113を備える。
【0027】前記トルクコンバータ111は、ロックア
ップクラッチ124を備える。このロックアップクラッ
チ124は、ポンプインペラ126に一体化させてある
フロントカバー127とタービンランナ128を一体に
取付けた部材(ハブ)129との間に設けられている。
【0028】エンジン1のクランクシャフト(図示せ
ず)はフロントカバー127に連結されている。タービ
ンランナ128に連結された入力軸130は、副変速部
112を構成するオーバードライブ用遊星歯車機構13
1のキャリヤ132に連結されている。
【0029】この遊星歯車機構131におけるキャリヤ
132とサンギヤ133との間には、クラッチC0 と一
方向クラッチF0 とが設けられている。この一方向クラ
ッチF0 はサンギヤ133がキャリヤ132に対して相
対的に正回転(入力軸130の回転方向の回転)する場
合に係合するようになっている。
【0030】一方、サンギヤ133の回転を選択的に止
めるブレーキB0 が設けられている。又、この副変速部
112の出力要素であるリングギヤ134が、主変速部
113の入力要素である中間軸135に接続されてい
る。
【0031】副変速部112は、クラッチC0 もしくは
一方向クラッチF0 が係合した状態では遊星歯車機構1
31の全体が一体となって回転するため、中間軸135
が入力軸130と同速度で回転する。又ブレーキB0 を
係合させてサンギヤ133の回転を止めた状態では、リ
ングギヤ134が入力軸130に対して増速されて正回
転する。即ち、副変速部112はハイ・ローの2段の切
換えを設定することができる。
【0032】前記主変速部113は三組の遊星歯車機構
140、150、160を備えており、これらの歯車機
構140、150、160が以下のように連結されてい
る。
【0033】即ち、第1遊星歯車機構140のサンギヤ
141と第2遊星歯車機構150のサンギヤ151とが
互いに一体的に連結され、第1遊星歯車機構140のリ
ングギヤ143と第2遊星歯車機構150のキャリヤ1
52と第3遊星歯車機構160のキャリヤ162との三
者が連結されている。又、第3遊星歯車機構160のキ
ャリヤ162に出力軸170が連結されている。更に第
2遊星歯車機構150のリングギヤ153が第3遊星歯
車機構160のサンギヤ161に連結されている。
【0034】この主変速部113の歯車列では後進1段
と前進4段とを設定することができ、そのためのクラッ
チ及びブレーキが以下のように設けられている。
【0035】即ち、第2遊星歯車機構150のリングギ
ヤ153及び第3遊星歯車機構160のサンギヤ161
と中間軸135との間にクラッチC1 が設けられ、又第
1遊星歯車機構140のサンギヤ141及び第2遊星歯
車機構150のサンギヤ151と中間軸135との間に
クラッチC2 が設けられている。
【0036】第1遊星歯車機構140及び第2遊星歯車
機構150のサンギヤ141、151の回転を止めるブ
レーキB1 が配置されている。又、これらのサンギヤ1
41、151とケーシング171との間には、一方向ク
ラッチF1 とブレーキB2 とが直列に配列されている。
一方向クラッチF1 はサンギヤ141、151が逆回転
(入力軸135の回転方向とは反対方向の回転)しよう
とする際に係合するようになっている。
【0037】第1遊星歯車機構140のキャリヤ142
とケーシング171との間にはブレーキB3 が設けられ
ている。又、第3遊星歯車機構160のリングギヤ16
3の回転をとめる要素としてブレーキB4 と、一方向ク
ラッチF2 とがケーシング171との間に並列に配置さ
れている。なお、この一方向クラッチF2 はリングギヤ
163が逆回転しようとする際に係合するようになって
いる。
【0038】上記の自動変速機2では、全体で後進1段
と前進5段の変速を行うことができる。これらの変速段
を設定するための各クラッチ及びブレーキの係合作動表
を図3に示す。なお、図3において、○印は係合状態、
●印はエンジンブレーキ時に係合状態、空欄は解放状態
をそれぞれ示す。
【0039】この図から明らかなように、第2速段及び
第3速段間の変速がブレーキB2 と、ブレーキB3 のク
ラッチツウクラッチ変速となっていることが分かる。
【0040】各クラッチ及びブレーキの係合あるいは解
放は、油圧制御装置20内の電磁弁やリニアソレノイド
が、コンピュータ30からの指令に基づいて駆動される
ことによって実行される。コンピュータ30には、各種
センサ群40からの信号、例えば車速センサ41からの
車速信号(出力軸回転速度N0 の信号)、スロットルセ
ンサ42からのスロットル開度信号(アクセル開度信
号)、パターンセレクトスイッチ43からのパターンセ
レクト信号(運転者の選択した動力重視走行、燃費重視
走行等の選択信号)、シフトポジションスイッチ44か
らのシフトポジション信号、ブレーキスイッチ45から
のフットブレーキ信号等の基本的な信号の他、C0 セン
サ46からのクラッチC0 の回転速度信号が入力されて
いる。クラッチC0 の回転速度は第2速段及び第3速段
間の変速時にはタービン回転速度(自動変速機の入力軸
回転速度)Nt と同一になるため、該クラッチC0 の回
転速度を検出することによりタービン回転速度Nt を把
握することができる。
【0041】ブレーキB2 及びB3 の解放及び係合の具
体的な油圧制御は図4に示されるような油圧回路によっ
て行われる。
【0042】B3 コントロールバルブ202は、2−3
シフトバルブ201からブレーキB3 に至る油路L1 、
L2 中にチェックボール付オリフィス214と並行して
配置されている。このB3 コントロールバルブ202の
弁孔202a には、大径オリフィス202b を介して油
路L1 に連通するポート221と、油路L2 に連通する
ポート222と、同じく油路L2 に連通する入力ポート
223と、コンピュータ30からの制御信号で制御され
るSLUリニアソレノイドバルブ203により調圧され
た信号油圧が供給されるポート224が設けられてい
る。なお、符号225は第3速段の信号圧の入力ポー
ト、226はドレンポートを示す。
【0043】B3 コントロールバルブ202のスプール
202c は、1対の大径ランド227、228と小径ラ
ンド229を備える。大径ランド228の一端側はスプ
リング202d を介して受圧ピストン202e に当接し
ており、大径ランド227の外端はポート223からの
供給圧を受けている。受圧ピストン202e の外端は入
力回転信号ポート224からの信号圧を受け、更に、該
受圧ピストン202eの内端はポート225からの信号
圧を受ける。
【0044】一方、B2 アキュムレータ204は、ブレ
ーキB2 に通じる油路L3 にオリフィス204a を介し
て接続されている。このため、アキュムレータ背圧制御
装置206によるB2 アキュムレータ204の背圧制御
により、ブレーキB2 の解放中にも油路L3 のドレン圧
を調整することが可能となっている。
【0045】なお、図において、符号210はブレーキ
B2 への油圧供給をその初期において迅速化する(ファ
ーストフィル)ためのB2 オリフィスコントロールバル
ブ、211は第2速段から第3速段へのアップシフトに
関し、ブレーキB2 からのドレン圧をSLUリニアソレ
ノイドバルブ203からの信号で調圧する2−3タイミ
ングバルブを示すが、これらについては本発明の主題と
するダウンシフト制御には直接関与しないため、詳細な
構成の説明は省略する。
【0046】上記のように構成された油圧制御装置にお
いて、第3速段の状態では、図示しないマニュアルバル
ブを経たドライブレンジ圧Dが1−2シフトバルブ21
2、2−3シフトバルブ201、油路L3 を経てブレー
キB2 に供給され、この結果ブレーキB2 は係合状態に
なる。
【0047】ここで、車両の走行条件に応じて、図示し
ない変速用のソレノイド弁が動作し、図4の2−3シフ
トバルブ201が第2速段の位置(その弁内の油路を実
線で示す)に切換えられると、ブレーキB2 の油圧は油
路L3 から2−3シフトバルブ201を経てドレンされ
始める。このドレン圧の降下はこの実施例ではアキュム
レータ背圧制御装置206によってB2 アキュムレータ
204の背圧が制御されることによって入力回転数Nt
が所定の割合になるように制御される。
【0048】一方、ドライブレンジ圧Dは、2−3シフ
トバルブ201から油路L1 、L2を介してブレーキB3
に供給される。このブレーキB3 への油圧供給及び前
記B2 の油圧ドレンは、図5、図6(図6は図5の続
き)に示すフローチャートの手順を辿る。
【0049】以下、この手順を図5、図6を参照しつつ
説明する。
【0050】まず、ステップ302では、図示しない変
速用ソレノイドバルブによる制御により、2−3シフト
バルブ201を図4の実線で示す連通状態(ブレーキB
2 をドレン回路に連通し、ブレーキB3 を供給回路に連
通する状態)とする。
【0051】このとき、ステップ304で示すように、
基本的に入力回転数が目標とする回転数変化となるよう
に前述したようにB2 アキュムレータ204の背圧がフ
ィードバック制御され、これによりブレーキB2 のドレ
ン圧がフィードバック制御される。このフィードバック
制御は基本的に第2速段の同期が達成されるまで継続さ
れる。
【0052】又、この回転数変化の初期、B3 コントロ
ールバルブ202のスプリングによりスプール202c
が図4の上半分位置をとるため、ポート221がポート
222に連通し大オリフィス202b を通る急速な油圧
供給によりブレーキB3 のピストンストロークが生じ、
該ピストンは直ちに摩擦材を係合させ得る位置にまで変
位する、いわゆる「ファーストフィル」の動作が行われ
る。
【0053】ステップ306では、B3 コントロールバ
ルブ202のポート224に供給されるSLUリニアソ
レノイドバルブ203による信号圧が所定の低圧値に制
御される。即ち、ブレーキB3 が僅かにトルクを伝達す
るように該ブレーキB3 への供給圧(以下B3 圧とい
う)を低圧に維持した待機状態とされる。この低圧待機
によってB3 圧の上昇による急激な回転数変化と両ブレ
ーキB2 、B3 の過大なタイアップが基本的に防止され
る。この低圧待機状態は、具体的にはB3 圧の過剰分
を、ポート223からのフィードバック圧の印加でポー
ト226を解放することにより、B2 オリフィスコント
ロールバルブ210を介してドレンすることによって達
成される。
【0054】ステップ308では、コンピュータ30内
でクラッチCo の回転数NCo(入力回転数Nt )の変化
から第2速段の同期が検出される。具体的にはクラッチ
Coの回転数NCo が出力軸回転数No に第2速段のギ
ヤ比i2を乗じた値No ×i2よりαだけ減じた値より大き
くなったか否かを判断する。この所定値αはB3 圧の立
上りのタイムラグを考慮したものである。この比較の結
果第2速段の同期(の直前)が検出されるまでは、ステ
ップ308からステップ304にリターンされ、ステッ
プ304〜308のフローが繰り返される。
【0055】第2速段の同期直前が検出されると、ステ
ップ310で入力トルクTinが求められ、ステップ31
2でこの入力トルクTinに応じた増加率でB3 圧を上昇
させる操作が行われる。なおこの実施例では入力トルク
Tinはスロットル開度とエンジン回転速度とにより求め
られる。
【0056】このB3 圧の昇圧により両ブレーキB2 、
B3 は協働してトルクを分担する状態となり、トルク分
担率の変位による滑らかな同期点への移行が可能とな
る。この状態は、ステップ314で第2速段に同期した
ことが確認されるまで継続される。ここでの同期の検出
は、クラッチC0 の回転数NCo が出力軸回転数No に
第2速段のギヤ比i2を乗じた値No ×i2よりa だけ減じ
た値(No ×i2−a )より大きくなったか否かを判定す
ることによって行う。ここでa はブレーキB2 の急速ド
レンの無駄時間を考慮した値である。
【0057】この式による同期が確認されると、ステッ
プ316でSLUリニアソレノイドバルブが高出力とさ
れ、B3 コントロールバルブ202のポート221が完
全にポート222と連通した解放状態となり、ブレーキ
B3 の急係合が行われる一方、ステップ318で変速時
のエンジントルクの低減制御が許可されているか否かが
確認される。この変速時のエンジントルクの低減制御
は、近年では多くの自動変速機搭載車に採用されている
もので、変速時に一時的にエンジントルクを低減するこ
とにより、摩擦係合装置の負担を軽減し、短時間で、且
つ小さな変速ショックで変速を実現するようにしたもの
である。この低減制御は、一般に、エンジンの失火等を
防止するために、冷却水温が低いときには禁止される。
又、例えば当該低減制御を点火遅角によって実現してい
るシステムにおいては、この点火遅角の実行によって排
気系の温度が異常に上昇した場合にはやはり禁止され
る。又、エンジントルクの低減制御を実現するためのセ
ンサ系にフェイルが発生したときにも禁止される。この
ようにエンジントルクの低減制御が禁止される場合に
は、たとえスロットル開度及びエンジン回転速度が同一
であっても自動変速機の実際の入力トルクが大幅に上昇
する。この結果、ブレーキB3 の係合が遅れがちとなる
ため、エンジン噴きを防止するべく、ステップ320に
進んで長めのタイマtBの経過後にブレーキB2 の急速ド
レンが実行される。
【0058】一方、エンジントルクの低減制御が予定通
り許可されているときには、ステップ322に進んで入
力トルクTinが所定値k より大きいか否かが判断され、
入力トルクTinが所定値k より小さいときにはステップ
324に進んで直ちにブレーキB2 の急速ドレンが実行
される(所定時間零)。一方、入力トルクTinがk より
も大きいと判断されたときにはステップ326に進んで
タイマtAが経過した後にブレーキB2 の急速ドレンが実
行される。なお、tA<tBである。
【0059】なお、ブレーキB2 の急速ドレンは、ソレ
ノイドバルブ213からの信号圧の供給により、B2 オ
リフィスコントロール弁210が開くことによって実現
される。
【0060】図7に第2速段の同期の検出と同時にブレ
ーキB2 を急速ドレンしたときの特性を示し、図8に第
2速段の同期検出から所定時間後にブレーキB2 の急速
ドレンを実行した場合の特性をそれぞれ示す。
【0061】第2速段の同期が検出されると同時にブレ
ーキB2 を急速ドレンする場合には、実線のように入力
トルクが小さい場合には良好な特性となるが、破線のよ
うに入力トルクが大きい場合にはブレーキB3 が完全に
掴みきっていないうちにブレーキB2 の解放が進行して
しまうため、エンジン吹きが生じ出力軸トルクは大きく
変動する。
【0062】これに対し、第2速段の同期が検出されて
から入力トルクTinに応じた所定時間後にブレーキB2
の急速ドレンを実行した場合には、入力トルクTinが小
さいときでもあるいは大きなときでも共に良好な特性を
得ることができる。
【0063】なお、上記実施例では、ステップ324に
おいて入力トルクTinと所定値k との大小を確認し、こ
れに応じてブレーキB2 を急速ドレンするまでの(零を
含む)所定時間を設定するようにしていたが、このステ
ップを油温を確認するというステップに変更することに
より全く同様にしてブレーキB2 の急速ドレンまでの所
定時間を油温に依存して変更することができるようにな
る。そのときの定性的傾向については「作用」の項で既
に説明した通りである。無論、入力トルク及び油温の双
方を確認し、よりきめ細かな「所定時間」の設定をする
ことも可能である。
【0064】又、上記実施例のように入力トルクTinを
スロットル開度その他の他のパラメータから推定検出す
る場合には、更に車速(自動変速機の出力軸回転速度N
o )の高低を考慮し、車速が高いとき程急速ドレンを早
く(所定時間を短く)するようにすると一層きめ細かな
制御ができるようになる。それは、エンジン−トルクコ
ンバータの特性から、一般に、高速のとき程入力トルク
は減少する傾向があるためであり、その結果係合側摩擦
係合装置の係合が速まる一方、高速のとき程、相対回転
が大となるため、解放側摩擦係合装置のひきずりが大と
なる傾向があるためである。
【0065】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、入
力トルク、油温等の如何にかかわらず、最適のタイミン
グで特に解放側の摩擦係合装置のドレンを実行すること
ができるようになり、クラッチツウクラッチのダウンシ
フトを一層良好に実現することができるようになるとい
う優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示すブロック図
【図2】本発明が適用された車両用自動変速機の概略を
示すブロック図
【図3】上記自動変速機の各摩擦係合装置の作用状態を
示す線図
【図4】上記自動変速機の油圧制御装置内における、第
3速段から第2速段へのダウンシフトに関係ある部分を
抽出して示した油圧回路図
【図5】上記変速の基本的な制御フローを示した流れ図
【図6】図5の制御フローの続きを示した流れ図
【図7】第2速段の同期検出と同時にブレーキB2 を急
速ドレンしたときの変速特性図
【図8】第2速段の同期検出の後、所定時間の経過を待
ってブレーキB2 を急速ドレンしたときの変速特性図
【符号の説明】
B2 、B3 …ブレーキ 20…油圧制御装置 30…コンピュータ 40…各種センサ部
フロントページの続き (72)発明者 岩月 邦裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 安藤 雅彦 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 山本 義久 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−97761(JP,A) 特開 平3−194256(JP,A) 特開 平2−120557(JP,A) 特開 平4−157259(JP,A) 特開 平5−126243(JP,A) 特開 平4−136563(JP,A) 特開 平4−15357(JP,A) 特開 平4−266658(JP,A) 特開 平3−79856(JP,A) 特開 平2−42257(JP,A) 特開 昭62−273133(JP,A) 特開 昭61−36547(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2つの摩擦係合装置に係るクラッチツウク
    ラッチのダウンシフトを実行することのある自動変速機
    の変速制御装置において、 自動変速機の入力軸回転数が低速段の同期点に達したか
    否かを検出する同期検出手段と、 前記同期検出手段により前記入力回転数が前記同期点に
    達したと検出された後、係合側の摩擦係合装置の係合油
    圧を所定の低圧値から上昇させると共に、該同期検出か
    ら所定時間後に前記解放油圧を所定の高圧値から低下さ
    せる油圧制御手段と、 自動変速機の入力トルクを検出する手段と、 該入力トルクが大きいときほど、前記低速段の同期検出
    から解放側摩擦係合装置の油圧を低下させるまでの前記
    所定時間を長く設定する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記自動変速機が変速時にエンジントルク
    低減制御を実行しない場合は、上記エンジントルク低減
    制御を実行する場合に比較して、前記所定時間を長くす
    るものである請求項1に記載の自動変速機の変速制御装
    置。
  3. 【請求項3】2つの摩擦係合装置に係るクラッチツウク
    ラッチのダウンシフトを実行することのある自動変速機
    の変速制御装置において、 自動変速機の入力軸回転数が低速段の同期点に達したか
    否かを検出する同期検出手段と、 前記同期検出手段により前記入力回転数が前記同期点に
    達したと検出された後、係合側の摩擦係合装置の係合油
    圧を所定の低圧値から上昇させると共に、該同期検出か
    ら所定時間後に前記解放油圧を所定の高圧値から低下さ
    せる油圧制御手段と、 自動変速機の油温を検出する手段と、 該自動変速機の油温に依存して、該油温が高いときほど
    前記低速段の同期検出から解放側摩擦係合装置の油圧を
    低下させるまでの前記所定時間を長く設定する手段と、 を備えたことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
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