JP3243528B2 - 歯磨き剤／薬剤分配型歯刷子 - Google Patents

歯磨き剤／薬剤分配型歯刷子

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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、全体として、歯科衛生装置、特に、歯磨き
剤／薬剤分配用の揺動型歯刷子に関する。
背景技術 相当に多くの人々が歯周病を有することは周知であ
る。歯周病は、主として、微生物、特に細菌が歯の間の
領域、及び歯と歯肉との間の領域の隙間に複雑に付着す
ることに起因することも又、周知である。これら付着物
は、一般に、歯垢と称される。
従来の歯刷子で歯磨きし且つフロシングすることは、
歯垢を除去し、分解、分散させる現在の標準的な方法で
あるが、かかる方法は、歯周病が多くの人々に広がって
いることから明らかであるように、精々、部分的に有効
であるに過ぎないことが判明している。
米国特許第4,787,847号は、規則的に使用したとき、
歯周病を軽減するのに有効である歯刷子の新技術を示
す。該装置は、変換器を利用して、歯刷子ヘッドを振動
させるものであり、その結果、口中の歯肉（歯と歯茎と
の間）流体に僅かなキャビテーションが生ずる。これ
は、歯肉下部の歯垢を除去し、又その内部の運動性細菌
を動かなくする作用がある。
しかし、該装置は、可聴音振動数レベルのエネルギを
伝達し、その内部でキャビテーションが生ずる媒体とし
て、唾液及び歯磨き剤の泡を利用することにより洗浄効
果（以下「音波洗浄効果」という）を得るものである。
このことは、該装置の多くのユーザにとって、特に、上
歯の場合に十分な効果が得られない。又、この装置内に
は、十分な媒体を確保すべく流体を供給する手段は、全
く存在しない。
別の開発技術において、歯周病の原因となる細菌を阻
止し、又は殺菌することの出来る薬剤も又公知であり、
かかる目的のため、その薬剤を使用することが公衆に普
及、啓蒙されている。かかる薬剤は、対象とする箇所に
付与される歯磨きペースト、口洗浄水又は溶液中に入れ
て使用することが出来る。しかし、かかる薬剤は、典型
的に、毎日使用するには高価であり、長期間に亙って使
用する場合、歯を傷つけることがあり、又、口洗浄水に
入れて使用したときは、余り効果的でないことが判明し
ている。歯を磨くときに薬剤を付与することがユーザに
とって便宜であり、このため、治療した領域の洗浄及び
薬剤の付与が同時に行われる。しかし、薬剤は、典型的
に、歯を磨く間、制御された量で慎重に付与されない。
現在、十分に効果的である一方、薬剤の無駄を防止し得
るように治療に必要な量のみを付与する便宜な手段は存
在しない。
特に、歯刷子及び歯磨きペーストに関する歯科分野に
おける別の独立的な開発技術において、その他の点では
従来型式の歯刷子に歯磨き剤を分配する構造体を内蔵す
るものが公知である。一つの解決手段において、この歯
刷子は、ある方法で歯磨きペーストを歯刷子の毛の先端
に付与する手段を備えている。典型的に、これら装置
は、歯磨き剤を貯蔵するリザーバと、歯磨き剤を該リザ
ーバから毛の先端に送出する手段と、を備えている。こ
の解決手段の例としては、共にクオ（Kuo）に付与され
た米国特許第4,787,765号及び米国特許第4,695,177号が
ある。別の解決手段において、歯磨き剤は歯刷子の毛の
基部に付与される。ボスカディン（Boscardin）等への
米国特許第4,221,492号、及び自己密封リザーバを開示
するブラッドリー（Bradley）への米国特許第4,655,627
号は、共に、この解決手段の一例である。
エバンズ（Evans）への米国特許第4,039,261号には、
中空の毛を含む更なる解決手段が示されており、この場
合、歯磨き剤は、毛の基部から毛の内部に供給され、先
端への圧力の下、毛を通じて動かされる。しかし、これ
ら毛は、寸法が過大であり、歯に対する典型的な歯磨き
動作を行わない。又、歯磨き剤の漏洩及び／又は乾燥を
防止するキャップ又は同様の要素は設けられていない。
しかし、上述の歯磨き剤分配歯刷子には、幾つかの不
利な点がある。これら歯刷子は、歯磨き剤を歯刷子に供
給する複雑な機構を備え、このため、歯刷子は不便な程
に過大な寸法となり、コストが高くなり、又信頼性の点
で問題が生ずる。ペーストを使用するこれら装置は、硬
いケーキ状の付着物が詰まり、その付着物が形成され、
必要なときに、ペーストの確実な流動が妨げられるとい
う別の問題点もある。これら装置の何れも、上述のよう
に、振動型歯刷子の適正な音波洗浄効果を保証するのに
必要とされる制御された量の流体を供給するものは皆無
である。更に、流体の制御が行われないことは、これら
装置を治療剤（薬剤）のアプリケータとして使用するこ
とを不適当にする。
発明の開示 故に、本発明は、歯磨き剤分配機能を備える歯刷子で
あって、歯刷子本体と、伸長する毛を有する、本体の一
端に近接して設けられた歯刷子ヘッドと、振動動作可能
に上記歯刷子ヘッドを支持する手段と、上記歯刷子ヘッ
ドを振動可能に駆動する手段と、を有する歯刷子組立体
を備える歯刷子に関するものである。該歯刷子は、歯磨
き剤のリザーバと、歯刷子ヘッドからの歯磨き剤の放出
を許容する手段と、上記リザーバを上記放出手段に接続
する手段と、を更に備え、上記歯刷子の作動中、歯磨き
剤が放出手段を通じてリザーバから排出されるように上
記放出手段の形状及び配置にしたものである。
図面の簡単な説明 第１図は、本発明の歯磨き剤分配歯刷子の一実施例の
概略図、 第２図は、振動型歯刷子の全体的な電気的構造体を示
す概略図 第３図は、第１図の実施例の概略図的な断面図、 第４図は、本発明の歯磨き剤分配歯刷子の別の実施例
の概略図、 第５図は、第４図の実施例の概略図的な断面図、 第６図は、第５図の構造体の一部分の別の実施例を示
す概略図的な断面図、 第７図は、本発明の歯刷子の歯磨き剤リザーバ部分の
一実施例を示す概略図的な断面図、 第８図は、第７図の実施例のリザーバ部分の変形例を
示す概略図的な断面図である。
発明を実施するための最良の形態 第１図には、本発明の簡略化した概略図が示される一
方、第２図には、電気機械的振動型歯刷子の全体的な電
気構造体が図示されている。このように、本発明は、特
別な歯刷子の形態、即ち、第２図に図示した振動型歯刷
子に関して図示し且つ説明するが、本発明は、何らかの
方法で歯刷子を振動させるその他の歯刷子に適用可能で
あることを理解すべきである。
特に、第１図及び第２図を参照にすると、該振動型歯
刷子は、ハンドル部分13内に配置された駆動電気装置14
と、変換器16と、を有する本体12を備え、該変換器の先
端には、歯刷子本体12から伸長する歯刷子ヘッド18が配
置される。該歯刷子18は、振動可能に、即ち、本体12に
対して上下に又は側部方向に可動であるように取り付け
られる。駆動電気装置14は、基本的に、直流電源20と、
発振器22と、増幅器24と、変圧器24と、変圧器26と、を
備えている。変圧器の出力は、圧電バイオモフ変換器に
作用して、歯刷子ヘッドを動かす。第２図に全体として
図示した歯刷子は、上記に簡単に説明し、引用して本明
細書に含めた米国特許第4,787,847号により詳細に記載
されている。
第１図は、歯刷子の本体12内でハンドル部分13内に配
置した歯磨き剤リザーバ30と、該リザーバ30と歯刷子18
との間の流体連通を実現する接続管要素32と、を備える
ことを示す。第３図には、第１図の実施例がより詳細に
示されている。本体12の部分は、隔離薄膜38により本体
12の端部の開口部内に支持された歯刷子18と共に、示さ
れている。歯刷子18内には、通路42及び小さいチャンバ
43が設けられている。管44は、歯刷子ヘッド18内の通路
42に接続され、本体12内をハンドル13に向けて伸長す
る。該管44は、内側チャンバ48を有するベル型ケーシン
グ46の一端に接続される。ケーシング46の他端には、薄
膜52がある。歯磨き剤リザーバ30の前端にてキャップ53
内に伸長する狭小な管54が薄膜52を通ってチャンバ48か
ら外方に伸長する。かかる構成は、歯磨き剤の供給装置
の他の部分に空気を導入することなく、リザーバ30を交
換することを許容する。
リザーバ30は、その内部に真空を形成せずに、流体が
リザーバから動くのを許容するように、折り畳み可能な
薄膜の形態にて形成することが望ましい。該折畳み可能
な薄膜リザーバ30は、例えば、管、又はゴム製Ｏリング
シールを有し、ビニル、又はポリウレタン製の肉厚が薄
い熱密封パウチとすることが出来る。かかるリザーバ
は、例えば、ガス放出歯磨き剤用のアルコール、又は酸
素のような溶剤を保護し得るように薄片を巻いた外側パ
ウチ内に充填し、密閉し且つ供給することが出来る。ユ
ーザは、薄膜リザーバをその外側パウチから除去し、ケ
ーシング46に取り付け、次に、歯磨き剤が毛に現れる
迄、薄膜に押し付けることにより装置を始動させる。折
畳み可能な薄膜に代えて、リザーバ30は、通気口を備え
るようにしてもよい。
リザーバの別の実施例が第７図に図示されている。こ
の実施例において、リザーバ37は、典型的に、そのハン
ドル部分（図示せず）内で歯刷子の本体内に配置され
る。又、該リザーバ37は、歯刷子の本体に取り付けた着
脱可能なヘッド組立体内に配置してもよい。リザーバ37
は、一実施例において、親指操作式のスライドドアとす
ることの出来るドア39を備えている。ばね41がドア39を
その閉位置に偏倚させる。該ドアは、リザーバに対する
通気口を提供し得るように気密ではないが、歯磨き剤流
体の漏洩を防止する。管43が振動型歯刷子ヘッドに接続
された供給管45にリザーバ37を供給する。
又、リザーバ37は、ポリプロピレンフェルトのような
灯芯47を備えるようにし、該灯芯が該リザーバ37と供給
管45との間を伸長し、該リザーバ内の気泡が供給管内に
移動するのを阻止し、これにより該リザーバと供給管と
の間に連続的な流体流を維持するようにすることが出来
る。
これとは別に、第８図を参照すると、重り51を有する
可撓性管49をリザーバ37内に設けることも出来る。該可
撓性管は、接続管43に接続し、又は該接続管43の延長部
分とする。重り51は可撓性管49の自由な開放端55付近に
配置され、歯刷子、従ってリザーバの方向に関係なく、
重力で管49の自由な開放端がリザーバ37内の任意の流体
中に保持される傾向となるようにする。
更に、リザーバ37内には、スポンジ部材を配置するこ
とも出来る。該スポンジは、水、又は薬剤のような流体
を貯えることも出来る材料から成る。該スポンジは、供
給管から流体が吸引されるとき、流体を放出する。
再度、第３図を参照すると、複数の毛56が歯刷子ヘッ
ド34の片面から伸長し、歯刷子ヘッド内のチャンバ43と
流体連通状態となる。選択した数の毛は中空であり、正
確な量の歯磨き剤を分配することを許容する。この構成
は、歯磨き剤が管54、ケーシング46、管44を通り、リザ
ーバから通路42、チャンバ43に移動し、次に、中空の毛
を通ってその両端に達し、該装置を使用するとき、歯磨
き剤が実際に対象とする箇所に付与されるようにする。
第４図、第５図、及び第６図には、本発明の別の実施
例及び該実施例の一部の更なる変形例が図示されてい
る。第４図は、本体部分60を備え、その一端64にて該本
体部分から伸長する歯刷子ヘッド62を有する振動型歯刷
子の簡単な概略図である。歯刷子ヘッド62は、第１図及
び第３図の実施例に関して上述した駆動機構により、及
び米国特許第4,787,847号に記した構造体により振動
（即ち、上下に又は側部方向に）動作可能に取り付けら
れ且つ駆動される。第４図を参照すると、歯刷子ヘッド
62自体が歯磨き剤リザーバを備えている。歯磨き剤を使
い切ったとき、使用済みの歯刷子ヘッドを駆動機構から
取り外し、新しい歯刷子ヘッドを挿入する。第５図に
は、第４図の本体60の歯刷子ヘッドの部分が図示されて
おり、該歯刷子ヘッド部分には、支持薄膜68が取り付け
られる。駆動プランジャ70は、変換器（図示せず）によ
り駆動され、その一端にねじ部材72を備え、該ねじ部分
には、歯刷子ヘッド62を適宜に着脱可能に固着すること
が出来る。
歯刷子ヘッド62は、歯磨き剤を含む流体リザーバ76が
その内部に配置された内側チャンバ74を備えている。該
リザーバ76は、折り畳み可能な薄膜を備え、このため、
リザーバから流体を供給するとき、歯刷子ヘッド62の圧
力逃がし口78を通じて導入された大気が該リザーバ76を
萎ませる。これは、歯磨き剤がリザーバから流動するの
を妨げる真空が該リザーバ内に形成されるのを阻止す
る。該リザーバ76は、歯刷子ヘッド62の一側部から伸長
する複数の中空の毛80と流体連通している。この場合に
も、中空の毛の数は、所望の量の歯磨き剤が分配される
ように選択する。作動時、歯磨き剤は、中空の毛を通じ
てリザーバから毛の先端に供給され、ここで、歯磨き剤
は、毛を歯及び歯肉に接触させるとき、対象とする箇所
に付与される。
第６図には、又、第１図及び第３図の歯刷子ヘッドに
使用することの出来る第４図及び第５図の歯刷子ヘッド
の構成の変形例が図示されている。毛84は、中空の毛で
はなく、中実であり、毛84がそこから伸長する歯刷子ヘ
ッドの領域86は、一又は二以上のノズル状開口部87を備
え、該開口部は、歯刷子ヘッドの流体リザーバ88（第４
図及び第５図のリザーバ76と同様のもの）に、又は第３
図のチャンバ43と同様に、遠方のリザーバから供給され
た歯磨き剤を保持する歯刷子ヘッドの内側チャンバの何
れかと流体連通している。
歯磨き剤は、歯刷子の作用により、二つの方法で対象
とする領域に供給される。その一つの方法は、毛管作用
を利用するものである。中空の毛の実施例、又は中実の
毛のタフトを有する歯刷子の何れの場合も、装置を使用
する際に流体を歯刷子ヘッド付近から除去するとき、流
体は、毛管作用によりリザーバから吸引され、使用した
流体分の補充を行う。使用した流体量が多ければ多い
程、補充量も多くなる。これは、真の「需要に応じた供
給」動作である。毛管作用は、100−300ヘルツの振動数
の範囲で生じることが実証されている。振動型歯刷子の
場合、140ヘルツの振動数で極めて効果的な結果が得ら
れる。歯刷子に重負荷が加えられているとき、流体の供
給量は、歯刷子が無負荷のときの約２倍の量であること
が確認されている。この場合にも、中空の毛を使用し、
又は中実な毛を互いに十分近接させて配置し、毛管作用
が生ずるようにすることで毛管供給作用が行われる。
歯磨き剤を供給する別の方法は、遠心力を利用する方
法である。歯刷子ヘッドの往復運動的振動により発生さ
れた遠心力は、歯磨き剤を中空の毛又は歯刷子ヘッド内
のノズルを通じて毛の先端付近まで押し出す作用をす
る。何れの場合にも、歯磨き剤及びチャンバの表面張力
は、歯刷子が振動していないとき、歯磨き剤がノズル又
は中空の毛の後方に保持されるが、歯刷子が振動してい
るときは、歯磨き剤をノズル又は毛から押し出すのに十
分な遠心力が発生されるようなものとする。歯磨き剤の
分散量は、歯刷子ヘッドの振動エネルギの量、ノズル又
は毛の開口部の寸法、これらノズル又は毛の数及び歯磨
き剤の粘度により制御される。
歯刷子ヘッドの毛の先端が振幅Ｘ（ｔ）＝X0Sinωｔ
の正弦動作をする場合、増分的な半径方向部分Δｒに作
用する遠心力は、ＦΔｒ＝AdX0 2ω2rΔr/Gr0 2となり、
ここで、Ａは流体コラムの面積、ｄは歯磨き剤の密度、
X0は毛の動作の振幅、ωは振動数、ｒは動作中心点から
の距離、Δｒは部分の半径方向厚さ、Ｇは重力加速度で
ある。係数Ｇは、力をグラム単位で表現し得るように含
めたものである。ｒ＝０からｒ＝r0に分配された流体コ
ラムの場合、発生される遠心力Fcは、 Fc＝AdX0 2ω2/Gr0 2∫0 r0rdr＝AdX0 2ω2/2Gとなる。
特別な例において、r0＝25.4mm（1.0インチ）、ｆ＝2
00Hzd（水の場合）＝16.3g/インチ３、X0＝2.54mm（0.1
0インチ）、管の直径2.54mm（0.10インチ）の場合、発
生される力は、Fc＝2.7gとなる。
体積が同一（0.008インチ３）の流体に作用する重力
の約20倍であるこの遠心力は、歯刷子が振動していると
き、ノズル又は中空の毛を通じて流体を押し出すのに十
分であるが、振動していないとき、ノズル又は毛を通じ
て移動する液滴は無い。この遠心力は、重力よりも遥か
に大きく、このため、歯刷子の流体供給機能は、相対的
に位置に関係なく行われる。
流体の分散量は、分配機構の寸法及び流体を選択する
ことにより制御される。これには、流体の出力オリフィ
スの寸法、流体圧力及び流体の粘度が含まれる。流体圧
力は、上述の遠心力を考慮することにより設定される。
本発明者は、負荷時、±15−20％の流量制御が実際的で
あることを確認した。
本発明の歯刷子により分配される歯磨き剤は、感染を
予防するクロロヘキシジンと同様の抗生物質のような抗
菌剤を含む多数の溶液の一つとすることが出来るが、各
種の治療及び／又は予防目的のためのその他の薬剤、及
び振動する歯刷子のエネルギの作用を支援する洗浄剤又
は発泡剤或は水さえも使用することが出来る。治療溶液
の投与量は、従来の口腔衛生法により慎重に制御し且つ
同時に投与することが出来る。これは、汚れの蓄積量を
最小にすることが出来る。投与量が正確であれば、薬剤
が装置に吸収される量は最小になる。これら型式の溶液
及びその他のものは全て歯磨き剤という全体的な表現に
含まれる。該歯磨き剤は、流体であることが望ましい。
本発明で使用すべき薬剤又は歯磨き剤は、最初に多孔
質バッグ又はパッケージの形態の何れかの固形ペレット
の形態とすることが出来る。歯磨き剤／薬剤は、歯磨き
剤が溶解する水道水と共にリザーバ内に入れる。単一の
ペレット等に対して幾つかの別個の付与が可能であるよ
うにその分解速度を制御することが出来る。
本発明の場合、その機能を向上させるべく幾つかの変
形例が可能であることを理解すべきである。例えば、第
３図のリザーバ30は、歯磨き剤の流れを促進すべくある
方法で加圧し、又は歯磨き剤の分配を支援すべく小型の
ポンプをリザーバ30又は管接続部に沿った位置に取り付
けることが出来る。小型のポンプは、振動する歯刷子ヘ
ッドの電源により作動させてもよい。一例において、変
換器の振動により圧搾される変形可能な部材を囲繞する
二つの一方向弁を備えるポンプ構造とすることが出来
る。別の変形例において、リザーバ30は、リザーバを歯
刷子に接続する可能性管により蛇口等に取り付けるよう
にしてもよい。別の変形例において、該リザーバ30は、
水又はその他の歯磨き剤で再充填可能であるようにして
もよい。
本発明の歯刷子が作動するとき、歯刷子ヘッド、従っ
て、該ヘッドの毛を振動させるべく電気が供給される。
この毛の動作を使用し、歯を機械的に「擦り」、毛が到
達可能な食物滓を除去し、歯垢を分解させる。ユーザ
は、典型的に歯の溝及び歯の間の領域を集中的に作用さ
せる。
これと同時に、歯刷子ヘッドの振動動作は、キャビテ
ーションを支持し且つ毛の接触領域を越える領域を含む
口の領域全体の流れを支持するのに十分な音波洗浄エネ
ルギを提供する。本発明の歯磨き剤分散機能は、流体を
能動的に供給することにより、歯の領域全体を通じて効
果的なキャビテーション及び流れを確実にする。このよ
うに、この音波洗浄効果は、唾液及び歯磨きペーストの
みによる場合よりも遥かに効果的である。
このように、本発明の装置は、歯刷子ヘッドの振動
源、適当な歯刷子ヘッドの設計及び流体を供給した量で
歯刷子ヘッドに供給する手段を組み合わせて実現され
る、毛による擦り動作及びキャビテーション並びに流れ
の制御による利点を組み合わせるものである。又、開示
した流体分配機構の結果、毛は常に湿潤状態であるが、
過度に湿潤となることはなく、その結果、装置が口の外
にあるとき、流体が撥ねたり、又は装置を実際に使用す
るとき、ユーザが余分な流体を除去するため、流体を飲
み込む等することがなくなる。流体は、基本的に効果的
なキャビテーション及び流れを維持するのに必要とされ
る程度で基本的に需要に応じた供給が為される。
本発明の更に重要な利点は、歯磨き剤が抗生物質、即
ちクロロヘキンジンのような薬剤又は化学薬剤であると
きに得られる。音波洗浄エネルギを治療効果のあるキャ
ビテーション流体に付与することにより、薬剤又は化学
剤の効果が増し、その結果、歯刷子の音波洗浄エネルギ
と薬剤又は化学的薬剤との間に協働的な作用が生じる。
一般に、音波洗浄エネルギは、抗生物質又はその他の化
学的薬剤の効果を増強することが公知であるが、歯刷子
により供給される音波洗浄エネルギを同時に供給される
薬剤と共に使用し、歯の洗浄／薬剤効果を向上させるこ
とは公知ではないと考えられる。
このように、歯刷子の振動動作を利用して、歯磨き剤
を対象とする領域に確実に供給する新規な歯磨き剤分配
型歯刷子が開示される。この歯刷子は、歯磨き薬剤を付
与すべき特定の箇所に対し慎重に且つ正確に標的決めす
ることを可能にする。
本発明の装置は、別個のポンプを使用することが可能
であるが、かかる別個のポンプを必要とせずに、振動駆
動源を使用して毛に流体を供給することが出来る。その
薬剤は、ユーザが直接介入せずに、歯磨き作動中、正確
に制御された量で自動的に付与することが出来る。
説明のために本発明の好適な実施例を本明細書に開示
したが、請求の範囲に記載した本発明の精神から逸脱せ
ずに、上記変形例には多数の変形例、応用例及び置換が
可能であることを理解すべきである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーティン，ロイ・ダブリュー アメリカ合衆国 98052 ワシントン州 レドモンド，ワンハンドレッドエイティ ファースト・プレース・ノースイースト 3312 (56)参考文献 特開 昭63−31610（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−2829（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−113666（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61B 13/04 A61B 15/00 A61C 17/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】歯磨き剤の分配機能を備える歯刷子にし
    て、 歯刷子本体12と、該本体の一端付近に設けられ毛を有し
    ている歯刷子ヘッド18と、前記歯刷子ヘッドを振動運動
    するように支持する手段と、前記歯刷子ヘッドが振動す
    るように該歯刷子ヘッド駆動する手段14と、を有する歯
    刷子組立体であって、これにより、該歯刷子組立体が、
    歯の機械的な擦り動作を行い且つ歯及びその周囲の領域
    に対して音波洗浄効果を発生させることが出来るように
    なっている歯刷子組立体と、 歯磨き剤のリザーバ30と、 前記歯刷子ヘッドに設けられ、該歯ブラシヘッドからの
    歯磨き剤の放出を許容する手段と、 前記リザーバを前記放出手段に接続する手段と、 を備え、 歯及びその周囲の領域の音波洗浄を維持するため刷子ヘ
    ッドの振動運動によって歯磨き剤が前記リザーバから吸
    引され且つ前記放出手段を通って移動するような振動数
    及び振幅にて前記刷子ヘッドを振動させる手段を前記駆
    動手段が含んでいることを特徴とする歯刷子。
  2. 【請求項２】請求の範囲第１項に記載の歯刷子にして、
    刷子ヘッドの振動数が100−300Hzの範囲にあることを特
    徴とする歯刷子。
  3. 【請求項３】請求の範囲第１項又は第２項に記載の歯刷
    子にして、前記刷子ヘッドが前記放出手段に流体連通す
    る小さいチャンバ43を備え、かつ前記接続手段が前記リ
    ザーバを前記小さいチャンバと刷子ヘッドとに接続する
    手段を備えることを特徴とする歯刷子。
  4. 【請求項４】請求の範囲第１項〜第３項のいずれか１項
    に記載の歯刷子にして、音波エネルギが歯磨き剤に供給
    されるようにするのに十分な振動数及び振幅にて刷子ヘ
    ッドを駆動するように刷子ヘッドが配置されており、歯
    磨き剤が放出手段から出るとき歯磨き剤のキャビテーシ
    ョンを容易とすることを特徴とする歯刷子。
  5. 【請求項５】請求の範囲第２項に記載の歯刷子にして、
    前記毛の少なくとも一部が中空であり且つ前記接続手
    段、従って、前記リザーバに流体連通状態にあり、これ
    により、前記中空の毛が前記放出手段を形成することを
    特徴とする歯刷子。
  6. 【請求項６】請求の範囲第２項に記載の歯刷子にして、
    前記放出手段が、前記刷子ヘッドにノズル状の開口部87
    を備え、前記毛が中実であり且つタフト状に配置され、
    前記ノズル状の開口部が前記接続手段、従って、前記リ
    ザーバに流体連通することを特徴とする歯刷子。
  7. 【請求項７】請求の範囲第５項に記載の歯刷子にして、
    前記音波エネルギの源が、流体の少なくとも一部が毛管
    作用により前記毛から排出されるような振動数及び振幅
    にて前記刷子ヘッドを振動させることが出来ることを特
    徴とする歯刷子。
  8. 【請求項８】請求の範囲第５項に記載の歯刷子にして、
    毛の中空開口部の寸法が及び前記音波エネルギの源が、
    流体の少なくとも一部が遠心力により前記毛から排出さ
    れるような振動数及び振幅にて前記刷子ヘッドを振動さ
    せることが出来るようになっている歯刷子。
  9. 【請求項９】請求の範囲第６項に記載の歯刷子にして、
    前記音波エネルギ源が、流体の少なくとも一部が毛管作
    用により前記開口部から排出されるような振動数及び振
    幅にて前記刷子ヘッドを振動させることが出来るような
    方法で前記毛が前記刷子ヘッド上に互いに配置されるこ
    とを特徴とする歯刷子。
  10. 【請求項１０】請求の範囲第６項に記載の歯刷子にし
    て、前記音波エネルギ源が、流体の少なくとも一部が遠
    心力により前記開口部から排出されるような振動数及び
    振幅にて前記刷子ヘッドを振動させることが出来るよう
    な前記開口部の寸法であることを特徴とする歯刷子。
  11. 【請求項１１】請求の範囲第１項に記載の歯刷子にし
    て、前記流体が治療薬剤であり、歯刷子の振幅及び振動
    数が歯へ対する治療薬剤の効果を高めるのに十分な程に
    刷子ヘッドに近接して音波エネルギを形成するに十分で
    ある歯刷子。
  12. 【請求項１２】請求の範囲第11項に記載の歯刷子にし
    て、前記毛が長手方向に貫通している中空開口を有して
    おり、この中空の毛が前記治療薬剤を含んでいるリザー
    バと流体連結している歯刷子。
  13. 【請求項１３】請求の範囲第11項に記載の歯刷子にし
    て、放出手段が刷子ヘッドから伸びている毛の付近にお
    いて刷子ヘッドへ開口部を備えており、前記開口部が前
    記治療薬剤を有しているリザーバ内に流体連結している
    歯刷子。
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