JP3228153B2 - 能動型振動制御装置 - Google Patents

能動型振動制御装置

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JP3228153B2
JP3228153B2 JP29660596A JP29660596A JP3228153B2 JP 3228153 B2 JP3228153 B2 JP 3228153B2 JP 29660596 A JP29660596 A JP 29660596A JP 29660596 A JP29660596 A JP 29660596A JP 3228153 B2 JP3228153 B2 JP 3228153B2
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    • F16F15/027Suppression of vibrations of non-rotating, e.g. reciprocating systems; Suppression of vibrations of rotating systems by use of members not moving with the rotating systems using fluid means comprising control arrangements
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • G05CONTROLLING; REGULATING
    • G05DSYSTEMS FOR CONTROLLING OR REGULATING NON-ELECTRIC VARIABLES
    • G05D19/00Control of mechanical oscillations, e.g. of amplitude, of frequency, of phase
    • G05D19/02Control of mechanical oscillations, e.g. of amplitude, of frequency, of phase characterised by the use of electric means

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  • Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両エンジン等
の振動源から車体に伝達される振動に、制御振動源から
発せられる制御振動を干渉させることにより、振動の低
減を図る能動型振動制御装置に関し、特に、制御振動源
を駆動させるための制御アルゴリズムが、制御振動源
と、残留振動を検出する手段との間の伝達関数を含むも
のにおいて、その伝達関数を、複雑な演算処理が可能な
演算プロセッサや大容量のメモリを用いなくても、短時
間で高精度に演算できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】本発明のような能動型振動制御装置の場
合、制御振動源と残留振動を検出する手段との間の伝達
関数は、その能動型振動制御装置の適用対象装置,適用
対象設備毎の特性バラツキによって微妙に異なるし、ま
た、適用対象装置等の使用に伴う特性変化等によって当
初の状態からは変化してしまう可能性があるため、高精
度の振動低減制御を実行するためには、能動型振動制御
装置を適用対象装置に組み込んだ後に伝達関数を同定し
たり、適用対象装置の定期検査毎に伝達関数を同定する
ことが望ましい。
【0003】そこで、本出願人は、先に特開平6−33
2471号公報に開示されるような技術を提案してい
る。即ち、この公報に開示された従来技術は、制御音源
や制御振動源からインパルス信号に応じた同定音や同定
振動を発生させ、その応答を残留騒音や残留振動を検出
する手段で計測することにより、能動型騒音制御装置や
能動型振動制御装置の制御アルゴリズムに必要な伝達関
数を同定するようになっている。そして、そのインパル
ス信号に応じた同定音や同定信号を発生するタイミング
を、騒音源や振動源から騒音や振動が発生していない状
態から発生する状態に移行する直前に限ることにより、
演算負荷の大幅な増大を招くことなく、また、人間等の
不快感を与えることなく、伝達関数の同定が行えるよう
になっていた。
【0004】なお、その他の先行技術としては、振動の
低減ではなく騒音の低減技術に関するものではあるが、
特開平3−259722号公報に開示されたものがあ
る。この公報に開示された装置は、冷蔵庫のコンプレッ
サで発生し機械室ダクトを通じて外部に放射される騒音
を、その機械室ダクトから放射される前に打ち消す装置
であって、機械室ダクト内の騒音制御を行うラウドスピ
ーカ及びマイクロフォンを備えていて、コンプレッサの
駆動状態に応じてラウドスピーカから制御音を発生して
騒音低減を図る一方、騒音制御特性が劣化しないよう
に、コンプレッサが停止する度に、ホワイトノイズ信号
に応じた同定音を発生して、ラウドスピーカ及びマイク
ロフォン間の伝達関数を測定し、フィルタの同定を行っ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】確かに、上述したよう
な先行技術によれば、能動型振動制御装置や能動型騒音
制御装置の適用対象装置毎に、制御に必要な伝達関数を
同定することは可能であるから、高精度の振動低減制御
等が期待できる。
【0006】一方、上述したような先行技術において伝
達関数を同定するためには、インパルス信号又はホワイ
トノイズ信号に応じた同定音を発生する必要があるが、
それらインパルス信号及びホワイトノイズ信号は、全周
波数帯域の成分を含む信号であるため、同定音を発生し
ても広い周波数帯域に出力が分散されてしまう。する
と、同定音の全出力を十分に高くしなければ、各周波数
成分毎の出力が僅かになってしまい、伝達関数の同定が
不十分になってしまう。従って、各周波数成分毎の出力
が十分に得られるように、高い出力で同定音を発生しな
ければならないという要求がある。
【0007】かかる要求に対しては、例えばラウドスピ
ーカを制御音源とした能動型騒音制御装置であれば、大
出力可能なラウドスピーカはスペース的な余裕さえ確保
できれば適用することは容易であるから、比較的容易に
達成することができる。
【0008】しかしながら、例えば車両のエンジンから
車体に伝達される振動を、そのエンジン及び車体間に配
設されたエンジンマウントで能動的な支持力を発生する
ことによって低減するようになっている能動型振動制御
装置の場合、エンジンマウントが発生可能な能動的な支
持力に限界がある。このため、大きなインパルス信号や
ホワイトノイズ信号を制御振動源としてのエンジンマウ
ントに供給しても、実際に発生する同定音のレベルはそ
れほど高くならず、このままでは伝達関数の同定に長時
間を要してしまう。
【0009】また、車両エンジン等が振動源となる場合
のように実際の振動低減制御の際には、ホワイトノイズ
のような全周波数帯域に渡った振動が発生するのではな
く、特定の周波数に集中した振動が発生するのが一般的
であるから、ホワイトノイズ信号等による同定音では実
際の使用条件に適した伝達関数の同定が行えない場合も
ある。
【0010】さらに、実際に伝達関数の同定を行う状況
を考えると、例えば車両用の能動型振動制御装置であれ
ば、工場のライン上において、能動型振動制御装置を搭
載した車両毎に伝達関数の同定を行うため、車両に搭載
されたコントローラを用いて伝達関数の同定を行わなけ
ればならないし、その同定に要する時間も工場のライン
速度に大きな影響を与えないようにできるだけ短時間で
なければならない。つまり、各車両毎の伝達関数の同定
は、実験室において高能力・大メモリ容量のコンピュー
タを用いて十分な時間枠の中で同定演算を行うのとは異
なり、車両に搭載された比較的低能力のコントローラに
よって、しかも限られた時間内で行わなければならない
のである。
【0011】本発明は、このような従来の技術が有する
未解決の課題に着目してなされたものであって、振動低
減制御に必要な伝達関数を、複雑な演算処理が可能なコ
ントローラや大容量のメモリを用いなくても、短時間で
高精度に演算することができる能動型振動制御装置を提
供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、振動源から発せられる振動
と干渉する制御振動を発生可能な制御振動源と、前記振
動源の振動発生状態を検出し基準信号として出力する基
準信号生成手段と、前記干渉後の振動を検出し残留振動
信号として出力する残留振動検出手段と、前記基準信号
及び前記残留振動信号に基づき前記制御振動源及び前記
残留振動検出手段間の伝達関数を含む制御アルゴリズム
を用いて前記振動が低減するように前記制御振動源を駆
動する能動制御手段と、を備えた能動型振動制御装置に
おいて、正弦波を離散化してなる同定信号の各離散値を
出力サンプリング・クロックに同期して順次前記制御振
動源に供給する同定信号供給手段と、前記同定信号に応
じた振動が前記制御振動源から発せられた場合の前記残
留振動信号を入力サンプリング・クロックに同期して読
み込む応答信号読み込み手段と、前記応答信号読み込み
手段が読み込んだ前記残留振動信号に基づいて前記伝達
関数を同定する伝達関数同定手段と、前記出力サンプリ
ング・クロックの周期及び前記入力サンプリング・クロ
ックの周期を個別に設定可能な周期個別設定手段と、を
設けた。
【0013】請求項2に係る発明は、上記請求項1に係
る発明である能動型振動制御装置において、前記正弦波
の周波数を複数設定し、前記同定信号供給手段は前記正
弦波を一つずつ選択して前記同定信号とするようになっ
ているものである。
【0014】また、請求項3に係る発明は、上記請求項
2に係る発明である能動型振動制御装置において、前記
出力サンプリング・クロックの周期を、前記同定信号と
なる前記正弦波の周波数に応じて可変とする出力周期可
変手段を設けた。
【0015】そして、請求項4に係る発明は、上記請求
項3に係る発明である能動型振動制御装置において、前
記出力周期可変手段は、前記同定信号となる前記正弦波
の周波数の上昇に応じて前記出力サンプリング・クロッ
クの周期を短くするようになっているものである。
【0016】さらに、請求項5に係る発明は、上記請求
項4に係る発明である能動型振動制御装置において、正
弦波を等間隔で所定個数に離散化してなる数列を記憶し
た数列記憶手段を設け、前記同定信号供給手段は、前記
数列記憶手段に記憶されている前記数列の各数値を、前
記同定信号の各離散値として、前記出力サンプリング・
クロックに同期して順番に前記制御振動源に供給するよ
うになっているものである。
【0017】また、請求項6に係る発明は、上記請求項
2〜4に係る発明である能動型振動制御装置において、
各正弦波に、対応する前記出力サンプリング・クロック
の周期に応じた個別の位相進みを予め与えた。
【0018】そして、請求項7に係る発明は、上記請求
項6に係る発明である能動型振動制御装置において、前
記位相進みが与えられた各正弦波を対応する出力サンプ
リング・クロックの周期で離散化してなる複数の数列を
記憶した数列記憶手段を設け、前記同定信号供給手段
は、前記数列記憶手段に記憶されている前記複数の数列
を一つずつ選択し、その選択された数列の各数値を、前
記同定信号の各離散値として、前記出力サンプリング・
クロックに同期して順番に前記制御振動源に供給するよ
うになっている。
【0019】また、請求項8に係る発明は、上記請求項
2〜7に係る発明である能動型振動制御装置において、
各正弦波の振幅を、その周波数に応じて個別に設定し
た。そして、請求項9に係る発明は、請求項8に係る発
明である能動型振動制御装置において、各正弦波の振幅
を、その周波数の上昇に応じて小さくした。
【0020】また、請求項10に係る発明は、上記請求
項2〜7に係る発明である能動型振動制御装置におい
て、前記伝達関数同定手段は、前記同定信号供給手段が
前記正弦波を変更する度に前記応答信号読み込み手段が
読み込んだ前記残留振動信号をフーリエ変換して前記各
正弦波の周波数に相当する成分を抽出するフーリエ変換
手段と、このフーリエ変換手段が抽出した各周波数成分
を合成したものを逆フーリエ変換して前記伝達関数とし
てのインパルス応答を求める逆フーリエ変換手段と、を
備えた。
【0021】そして、請求項11に係る発明は、上記請
求項8又は9に係る発明である能動型振動制御装置にお
いて、前記伝達関数同定手段は、前記同定信号供給手段
が前記正弦波を変更する度に前記応答信号読み込み手段
が読み込んだ前記残留振動信号をフーリエ変換して前記
各正弦波の周波数に相当する成分を抽出するフーリエ変
換手段と、このフーリエ変換手段が抽出した各周波数成
分を各正弦波の振幅で補正する補正手段と、この補正手
段の各結果を合成したものを逆フーリエ変換して前記伝
達関数としてのインパルス応答を求める逆フーリエ変換
手段と、を備えた。
【0022】さらに、請求項12に係る発明は、上記請
求項1〜11に係る発明である能動型振動制御装置にお
いて、前記能動制御手段は、フィルタ係数可変の適応デ
ィジタルフィルタと、前記基準信号を前記適応ディジタ
ルフィルタでフィルタ処理することにより前記制御振動
源を駆動する駆動信号を生成し出力する駆動信号生成手
段と、前記伝達関数に前記基準信号を入力した場合の応
答結果である更新用基準信号を演算する更新用基準信号
演算手段と、前記残留振動信号及び前記更新用基準信号
に基づき前記制御アルゴリズムとしての逐次更新型の適
応アルゴリズムに従って前記適応アルゴリズムのフィル
タ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、を備えた。
【0023】ここで、請求項1に係る発明にあっては、
同定信号供給手段から制御振動源には、正弦波を離散化
してなる同定信号の各離散値が順次供給されるため、そ
の同定信号に応じて制御振動源から発せられる振動(同
定振動)は、正弦波状に変化する振動となる。すると、
同定振動の周波数成分は、元の正弦波の周波数に相当す
る特定周波数に集中するようになるから、制御振動源が
発生可能な能動的な支持力に限界があっても、応答信号
読み込み手段において比較的高レベルの残留振動信号を
読み込むことができ、伝達関数同定手段において高精度
に伝達関数を同定することができる。
【0024】また、同定振動の周波数成分が特定周波数
に集中すれば、応答信号読み込み手段で読み込む必要が
ある残留振動信号は、伝達関数(インパルス応答)とし
て時間軸上で必要な長さに相当した分だけ取り込めばよ
いから、同定振動を発している時間は、ホワイトノイズ
信号により同定する場合よりも短くて済む。つまり、ホ
ワイトノイズ信号を用いて同定演算を行うためには、同
定振動を残留振動信号として取り込む一方で例えば適応
演算を行って伝達関数を同定する必要があるから、伝達
関数を高精度に同定するためには、できるだけ長時間に
渡って同定振動を発生し続ける必要があるが、この請求
項1に係る発明のように、正弦波状の同定振動を発生す
る構成であれば、残留振動信号に含まれる周波数成分の
うち、同定信号の元となっている正弦波の周波数に相当
する成分のレベル及び位相を例えばフーリエ変換処理等
によって把握できればよいのであるから、伝達関数同定
手段における演算処理に必要な時間は、結局は必要なデ
ータ数を取り込むのに費やされる時間となるから、ホワ
イトノイズ信号により伝達関数を同定する場合よりも短
くなるのである。
【0025】そして、同定振動の周波数成分が特定周波
数に集中すれば、伝達関数同定手段における演算処理も
例えばフーリエ変換や逆フーリエ変換等の比較的演算負
荷の小さい演算で済むようになるから、ホワイトノイズ
信号による同定する場合よりも処理が簡易となり、必要
なコントローラも比較的低能力のものとなる。
【0026】さらに、この請求項1に係る発明は、さら
に周期個別設定手段を有するため、同定信号の出力間隔
に相当する出力サンプリング・クロックの周期と、応答
信号読み込み手段における残留振動信号の読み込み間隔
に相当する入力サンプリング・クロックの周期とは、互
いに独立したものとなる。すると、例えば出力サンプリ
ング・クロックの周期を、同定信号の元となる正弦波の
周波数に応じて設定するとともに、入力サンプリング・
クロックの周期を望ましい伝達関数の精度に応じて設定
するようなことが可能になる。
【0027】また、請求項2に係る発明にあっては、制
御振動源からは異なる周波数の同定振動が順次発せられ
るため、各周波数の同定振動毎に応答信号読み込み手段
が残留振動信号を読み込み、その読み込み結果毎に伝達
関数同定手段が伝達関数を同定すると、少なくとも各周
波数毎の伝達関数が得られるようになる。そこで、それ
ら各伝達関数を適宜合成すれば、複数の周波数で有効な
伝達関数が得られる。さらには、振動低減制御実行中に
問題となる周波数(例えば、振動源から頻繁に発せられ
る振動の周波数)を複数選出し、その問題となる周波数
のそれぞれを、同定信号の元となる正弦波の周波数とす
れば、振動低減制御に適した伝達関数が得られるように
なる。
【0028】一方、請求項3に係る発明のように、出力
サンプリング・クロックの周期を正弦波の周波数に応じ
て可変にすると、制御振動源から発生する同定振動の性
状をきめ細かく設定することができる。つまり、出力サ
ンプリング・クロックの周期を、低周波数のときの正弦
波の離散間隔が適切となるように固定してしまうと、高
周波数のときには正弦波の離散間隔が広すぎてしまい、
発生する同定振動の階段状の変化が大雑把すぎてしまう
から、高周波数のときに高い精度が確保できるように正
弦波の離散間隔を設定することになるが、これでは、低
周波数のときには正弦波の離散化した離散値の数が多す
ぎてしまい、各離散値をマップ等に記憶する場合に必要
なメモリ容量が大きくなって、能動型振動制御装置の適
用対象装置のメモリ容量に限界がある場合に問題とな
る。
【0029】しかし、この請求項3に係る発明のよう
に、出力サンプリング・クロックの周期を正弦波の周波
数に応じて可変にすれば、各周波数毎に正弦波を適切な
個数に離散化できるから、上記のような不具合を招かな
いで済むのである。
【0030】特に、請求項4に係る発明であれば、正弦
波の周波数が高くなるに従って出力サンプリング・クロ
ックの周期が短くなれば、低周波から高周波に渡って高
い精度が確保できるとともに、出力サンプリング・クロ
ックが固定の場合に比べて必要なメモリ容量も少なくて
済むようになる。
【0031】また、請求項5に係る発明にあっては、数
列記憶手段に記憶されている数列の各数値が、同定信号
の離散値として、各周波数毎に設定される出力サンプリ
ング・クロックに同期して順番に出力されるから、制御
振動源からは、異なる周波数の同定振動が順次発せられ
る。よって、請求項2に係る発明と同様の作用が発揮さ
れる。しかも、この請求項5に係る発明であれば、数列
記憶手段には一種類の数列を記憶しておけばよいから、
必要なメモリ容量が大幅に少なくなるという点でさらに
有利である。
【0032】つまり、請求項5に係る発明は、正弦波の
周波数を複数設定した場合でも、各正弦波の一周期当た
りの離散値の数を固定にして、それら各離散値を、周波
数が上昇するに従って高くなる出力サンプリング・クロ
ックに同期して順番に出力すれば、あたかも各周波数毎
に異なる出力サンプリング・クロックの周期で正弦波を
離散化し、各離散値を順番に出力した場合と同様の作用
が発揮される、という点に着目しているのである。
【0033】一方、請求項6に係る発明にあっては、同
定信号となる各正弦波には所定の位相進みを与えている
から、応答信号読み込み手段が、その同定信号に応じて
発生する正弦波状の振動を入力サンプリング・クロック
に同期して読み込むと、その読み込まれた信号には所定
の位相進みが与えられるようになる。
【0034】しかし、同定信号を構成する各離散値が出
力サンプリング・クロックに同期して制御振動源に供給
されるため、その同定信号によって制御振動源で発生す
る同定振動は、厳密には階段状に変化する振動となる。
このため、入力サンプリング・クロックの周期が、常に
出力サンプリング・クロックの周期の整数倍であれば特
に問題はないが、そうでない場合には、応答信号読み込
み手段が入力サンプリング・クロックに同期して読み込
んだ残留振動信号には、同定信号の元となっている正弦
波に対して位相遅れが発生することになる。そして、そ
の位相遅れは、振動伝達系の特性には実際には無関係で
あるから、高精度の伝達関数を得るためには、伝達関数
同定手段によって求められた伝達関数から、その位相遅
れ分を除去する必要があるが、出力サンプリング・クロ
ックの周期によって異なる位相遅れを除去するために、
得られた伝達関数に対して位相遅れを補償するための演
算を行うと、それだけ処理に要する時間が長くなってし
まう。
【0035】これに対し、この請求項6に係る発明であ
れば、上記のように応答信号読み込み手段が読み込んだ
残留振動信号に所定の位相進みが与えられるから、その
位相進み分を、上記位相遅れ分を相殺するような大きさ
に設定しておくことにより、得られた伝達関数に対して
補正演算を行わなくても、結果として、高精度の伝達関
数を得ることができるのである。
【0036】さらに、請求項7に係る発明にあっては、
同定信号の出力制御の度に正弦波に位相進みを与える演
算を行うのではなく、予め数列記憶手段に記憶する各数
列に所定の位相を与えているから、上記請求項6に係る
発明と同様の作用に加えて、実際の伝達関数の同定制御
実行中の演算負荷増大には繋がらないという作用も得ら
れる。
【0037】また、請求項8に係る発明のように、正弦
波の振幅をその周波数に応じて個別に設定すると、正弦
波の振幅を周波数によらず一定にする場合よりも、実際
の振動の発生状態に近くなるから、それだけ伝達関数の
精度が向上するという利点がある。つまり、振動源で発
生する振動のレベルは、主としてその振動の周波数に依
存することが多く、伝達関数の同定も実際に発生する振
動と同じレベルの同定振動によって行うことが望まし
い。そこで、同定信号の元となる正弦波の振幅をその周
波数に応じて適宜設定すれば、それだけ高精度の伝達関
数の同定が行えるのである。
【0038】一般的に、振動源で発生する振動のレベル
は、その周波数の上昇に従って低くなる傾向がある。そ
こで、請求項9に係る発明のように、正弦波の振幅をそ
の周波数に応じて小さくすれば、同定振動が実際に発生
する振動に近くなるから、高精度の伝達関数の同定が行
える。
【0039】請求項10に係る発明は、上記請求項2〜
7に係る発明における伝達関数同定手段をさらに具体的
にしたものであり、フーリエ変換手段が、各正弦波に対
応する残留振動信号をフーリエ変換して、各残留振動信
号における各正弦波の周波数に相当する成分が抽出され
るから、その周波数成分は、各正弦波毎の伝達関数を表
すことになる。そして、各周波数成分を合成したもの
が、逆フーリエ変換手段によって逆フーリエ変換される
から、伝達関数としてのインパルス応答が求められる。
【0040】なお、請求項8,9に係る発明のように、
正弦波の振幅をその周波数に応じて異ならせた場合、応
答信号読み込み手段が読み込んだ残留振動信号のレベル
は、各正弦波の振幅が周波数毎に異なる影響を受けるた
め、そのまま伝達関数を求めてしまうと、各正弦波の振
幅の相違が、振動伝達系の特性として伝達関数に取り込
まれてしまう。そこで、請求項11に係る発明のよう
に、請求項10に係る発明と同様のフーリエ変換手段及
び逆フーリエ変換手段の他に、補正手段を設ければ、そ
の補正手段が、フーリエ変換手段の結果を各正弦波の振
幅で補正する(例えば、フーリエ変換手段の各結果を、
元の正弦波の振幅で割る)から、各正弦波の振幅の相違
が伝達関数に影響を与えることを回避できる。
【0041】そして、請求項12に係る発明は、振動低
減制御を実行する能動制御手段を具体的にしたものであ
って、制御アルゴリズムとして逐次更新型の適応アルゴ
リズム(例えば、LMSアルゴリズム)を適用してい
る。このため、駆動信号生成手段が基準信号を適応ディ
ジタルフィルタでフィルタ処理することにより駆動信号
を生成し、その駆動信号が制御振動源に供給されて制御
振動が発生する一方で、フィルタ係数更新手段が、残留
振動信号及び更新用基準信号に基づき適応アルゴリズム
に従って適応ディジタルフィルタのフィルタ係数を逐次
更新するから、その適応ディジタルフィルタのフィルタ
係数は、制御振動源から発せられる制御振動によって振
動を低減できる最適値に向かって収束する。そして、適
応ディジタルフィルタのフィルタ係数が最適値に収束し
た後には、制御振動源から発せられる制御振動によって
振動が低減される。しかも、更新用基準信号を生成する
ための伝達関数が、上記請求項1〜11に係る発明の作
用によって高精度に同定されるため、良好な振動低減制
御が実行される。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
正弦波を離散化してなる同定信号を用いて伝達関数の同
定を行うようにしたため、伝達関数の同定を、能動型振
動制御装置を適用する装置や設備に搭載された比較的低
能力のコントローラであっても高精度で且つ短時間で行
えるし、さらには、周期個別設定手段を有するから、各
サンプリング・クロックの周期を個別の事情に応じて適
宜設定することができるという効果が得られる。
【0043】特に、請求項3,4に係る発明によれば、
制御振動源から発生する同定振動の性状をきめ細かく設
定することができるから、各周波数毎に正弦波を適切な
個数に離散化でき、その結果、必要なメモリ容量も少な
くて済むから能動型振動制御装置を適用する装置や設備
のメモリ容量を伝達関数の同定のために増大する必要が
なく、且つ、高周波領域についても高精度の伝達関数を
同定して良好な振動低減制御が実行できるという効果が
ある。
【0044】さらに、請求項5に係る発明であれば、必
要なメモリ容量をさらに大幅に低減できるという利点も
ある。また、請求項6,7に係る発明であれば、応答信
号読み込み手段が残留振動信号を読み込んだ後に特に面
倒な補正演算を行うことなく、高精度の伝達関数を得る
ことができるという効果がある。特に、請求項7に係る
発明であれば、伝達関数の同定制御実行中の演算負荷増
大は招かないから、コントローラの能力アップ等も不要
であり、比較的低能力のコントローラで実現可能であ
る。
【0045】また、請求項8,9に係る発明であれば、
さらに高精度の伝達関数の同定が行えるから、さらに良
好な振動低減制御が実行できるという効果がある。そし
て、請求項10,11に係る発明であれば、伝達関数同
定手段における演算が比較的簡易に行えるから、比較的
低能力のコントローラであってもより確実に実現可能で
ある。特に、請求項11に係る発明であれば、各正弦波
の振幅の相違が伝達関数に影響を与えることを回避でき
るから、さらに高精度の伝達関数の同定が行えて、さら
に良好な振動低減制御が実行できるという効果がある。
【0046】さらに、請求項12に係る発明であれば、
制御アルゴリズムとして逐次更新型の適応アルゴリズム
が適用されており、しかも高精度の伝達関数が同定され
るから、良好な振動低減制御が実行され、振動レベルを
確実に低減することができるという効果がある。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1乃至図8は本発明の第1の
実施の形態を示す図であって、図1は本発明に係る能動
型振動制御装置を適用した車両の概略側面図である。
【0048】先ず、構成を説明すると、エンジン30が
駆動信号に応じた能動的な支持力を発生可能な能動型エ
ンジンマウント1を介して、サスペンションメンバ等か
ら構成される車体35に支持されている。なお、実際に
は、エンジン30及び車体35間には、能動型エンジン
マウント1の他に、エンジン30及び車体35間の相対
変位に応じた受動的な支持力を発生する複数のエンジン
マウントも介在している。受動的なエンジンマウントと
しては、例えばゴム状の弾性体で荷重を支持する通常の
エンジンマウントや、ゴム状の弾性体内部に減衰力発生
可能に流体を封入してなる公知の流体封入式のマウント
インシュレータ等が適用できる。
【0049】一方、能動型エンジンマウント1は、例え
ば、図2に示すように構成されている。即ち、この実施
の形態における能動型エンジンマウント1は、エンジン
30への取付け用のボルト2aを上部に一体に備え且つ
内部が空洞で下部が開口したキャップ2を有し、このキ
ャップ2の下部外面には、軸が上下方向を向く内筒3の
上端部がかしめ止めされている。
【0050】内筒3は、下端側の方が縮径した形状とな
っていて、その下端部が内側に水平に折り曲げられて、
ここに円形の開口部3aが形成されている。そして、内
筒3の内側には、キャップ2及び内筒3内部の空間を上
下に二分するように、キャップ2及び内筒3のかしめ止
め部分に一緒に挟み込まれてダイアフラム4が配設され
ている。ダイアフラム4の上側の空間は、キャップ2の
側面に孔を開けることにより大気圧に通じている。
【0051】さらに、内筒3の内側にはオリフィス構成
体5が配設されている。なお、本実施の形態では、内筒
3内面及びオリフィス構成5間には、薄膜状の弾性体
(ダイアフラム4の外周部を延長させたものでもよい)
が介在していて、これにより、オリフィス構成体5は内
筒3内側に強固に嵌め込まれている。
【0052】このオリフィス構成体5は、内筒3の内部
空間に整合して略円柱形に形成されていて、その上面に
は円形の凹部5aが形成されている。そして、その凹部
5aと、底面の開口部3aに対向する部分との間が、オ
リフィス5bを介して連通するようになっている。オリ
フィス5bは、例えば、オリフィス構成体5の外周面に
沿って螺旋状に延びる溝と、その溝の一端部を凹部5a
に連通させる流路と、その溝の他端部を開口部3aに連
通させる流路とで構成される。
【0053】一方、内筒3の外周面には、内周面側が若
干上方に盛り上がった肉厚円筒状の支持弾性体6の内周
面が加硫接着されていて、その支持弾性体6の外周面
は、上端側が拡径した外筒7の内周面上部に加硫接着さ
れている。
【0054】そして、外筒7の下端部は上面が開口した
円筒形のアクチュエータケース8の上端部にかしめ止め
されていて、そのアクチュエータケース8の下端面から
は、車体35側への取付け用の取付けボルト9が突出し
ている。取付けボルト9は、その頭部9aが、アクチュ
エータケース8の内底面に張り付いた状態で配設された
平板部材8aの中央の空洞部8bに収容されている。
【0055】さらに、アクチュエータケース8の内側に
は、円筒形の鉄製のヨーク10Aと、このヨーク10A
の中央部に軸を上下に向けて巻き付けられた励磁コイル
10Bと、ヨーク10Aの励磁コイル10Bに包囲され
た部分の上面に極を上下に向けて固定された永久磁石1
0Cと、から構成される電磁アクチュエータ10が配設
されている。
【0056】また、アクチュエータケース8の上端部は
フランジ状に形成されたフランジ部8Aとなっていて、
そのフランジ部8Aに外筒7の下端部がかしめられて両
者が一体となっているのであるが、そのかしめ止め部分
には、円形の金属製の板ばね11の周縁部(端部)が挟
み込まれていて、その板ばね11の中央部の電磁アクチ
ュエータ10側には、リベット11aによって磁化可能
な磁路部材12が固定されている。なお、磁路部材12
はヨーク10Aよりも若干小径の鉄製の円板であって、
その底面が電磁アクチュエータ10に近接するような厚
みに形成されている。
【0057】さらに、上記かしめ止め部分には、フラン
ジ部8Aと板ばね11とに挟まれるように、リング状の
薄膜弾性体13と、力伝達部材14のフランジ部14a
とが支持されている。具体的には、アクチュエータケー
ス8のフランジ部8A上に、薄膜弾性体13と、力伝達
部材14のフランジ部14aと、板ばね11とをこの順
序で重ね合わせるとともに、その重なり合った全体を外
筒7の下端部をかしめて一体としている。
【0058】力伝達部材14は、磁路部材12を包囲す
る短い円筒形の部材であって、その上端部がフランジ部
14aとなっており、その下端部は電磁アクチュエータ
10のヨーク10Aの上面に結合している。具体的に
は、ヨーク10Aの上端面周縁部に形成された円形の溝
に、力伝達部材14の下端部が嵌合して両者が結合され
ている。また、力伝達部材14の弾性変形時のばね定数
は、薄膜弾性体13のばね定数よりも大きい値に設定さ
れている。
【0059】ここで、本実施の形態では、支持弾性体6
の下面及び板ばね11の上面によって画成された部分に
流体室15が形成され、ダイアフラム4及び凹部5aに
よって画成された部分に副流体室16が形成されてい
て、これら流体室15及び副流体室16間が、オリフィ
ス構成体5に形成されたオリフィス5bを介して連通し
ている。なお、これら流体室15,副流体室16及びオ
リフィス5b内には、油等の流体が封入されている。
【0060】かかるオリフィス5bの流路形状等で決ま
る流体マウントとしての特性は、走行中のエンジンシェ
イク発生時、つまり5〜15Hzで能動型エンジンマウン
ト1が加振された場合に高動ばね定数、高減衰力を示す
ように調整されている。
【0061】そして、電磁アクチュエータ10の励磁コ
イル10Bは、コントローラ25からハーネス23aを
通じて供給される電流である駆動信号yに応じて所定の
電磁力を発生するようになっている。コントローラ25
は、マイクロコンピュータ,必要なインタフェース回
路,A/D変換器,D/A変換器,アンプ、ROM,R
AM等の記憶媒体等を含んで構成され、エンジンシェイ
クよりも高周波の振動であるアイドル振動やこもり音振
動・加速時振動が車体35に入力されている場合には、
その振動を低減できる能動的な支持力が能動型エンジン
マウント1に発生するように、能動型エンジンマウント
1に対する駆動信号yを生成し出力するようになってい
る。ここで、アイドル振動やこもり音振動は、例えばレ
シプロ4気筒エンジンの場合、エンジン回転2次成分の
エンジン振動が車体35に伝達されることが主な原因で
あるから、そのエンジン回転2次成分に同期して駆動信
号yを生成し出力すれば、車体側振動の低減が可能とな
る。そこで、本実施の形態では、エンジン30のクラン
ク軸の回転に同期した(例えば、レシプロ4気筒エンジ
ンの場合には、クランク軸が180度回転する度に一つ
の)インパルス信号を生成し基準信号xとして出力する
パルス信号生成器26を設けていて、その基準信号x
が、エンジン30における振動の発生状態を表す信号と
してコントローラ25に供給されるようになっている。
【0062】一方、電磁アクチュエータ10のヨーク1
0Aの下端面と、アクチュエータケース8の底面を形成
する平板部材8aの上面との間に挟み込まれるように、
エンジン30から支持弾性体6を通じて伝達する加振力
を検出する荷重センサ22が配設されていて、荷重セン
サ22の検出結果がハーネス23bを通じて残留振動信
号eとしてコントローラ25に供給されるようになって
いる。荷重センサ22としては、具体的には、圧電素
子,磁歪素子,歪ゲージ等が適用可能である。
【0063】そして、コントローラ25は、供給される
残留振動信号e及び基準信号xに基づき、逐次更新型の
適応アルゴリズムの一つである同期式Filtered
−XLMSアルゴリズムを実行することにより、能動型
エンジンマウント1に対する駆動信号yを演算し、その
駆動信号yを能動型エンジンマウント1に出力するよう
になっている。
【0064】具体的には、コントローラ25は、フィル
タ係数Wi (i=0,1,2,…,I−1:Iはタップ
数)可変の適応ディジタルフィルタWを有していて、最
新の基準信号xが入力された時点から所定のサンプリン
グ・クロックの間隔で、その適応ディジタルフィルタW
のフィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力する
一方、基準信号x及び残留振動信号eに基づいて適応デ
ィジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を適宜更新する
処理を実行するようになっている。
【0065】適応ディジタルフィルタWの更新式は、F
iltered−X LMSアルゴリズムに従った下記
の(1)式のようになる。 Wi (n+1)=Wi (n)−μRT e(n) ……(1) ここで、(n),(n+1)が付く項はサンプリング時
刻n,n+1における値であることを表し、μは収束係
数である。また、更新用基準信号RT は、理論的には、
基準信号xを、能動型エンジンマウント1の電磁アクチ
ュエータ10及び荷重センサ22間の伝達関数Cを有限
インパルス応答型フィルタでモデル化した伝達関数フィ
ルタC^でフィルタ処理した値であるが、基準信号xの
大きさは“1”であるから、伝達関数フィルタC^のイ
ンパルス応答を基準信号xに同期して次々と生成した場
合のそれらインパルス応答波形のサンプリング時刻nに
おける和に一致する。
【0066】また、理論的には、基準信号xを適応ディ
ジタルフィルタWでフィルタ処理して駆動信号yを生成
するのであるが、基準信号xの大きさが“1”であるた
め、フィルタ係数Wi を順番に駆動信号yとして出力し
ても、フィルタ処理の結果を駆動信号yとしたのと同じ
結果になる。
【0067】さらに、コントローラ25は、上記のよう
な適応ディジタルフィルタWを用いた振動低減処理を実
行する一方で、その振動低減制御に必要な伝達関数Cを
同定する処理をも実行するようになっている。
【0068】即ち、コントローラ25には、伝達関数C
の同定処理を開始するタイミングで操作される同定処理
開始スイッチ28が設けられていて、例えば製造ライン
における最終工程において、或いはディーラーにおける
定期点検時において、作業者がその同定処理開始スイッ
チ28を操作すると、コントローラ25内で伝達関数C
の同定処理が実行される。なお、伝達関数Cの同定処理
実行中には、通常の振動低減処理は実行されない。
【0069】つまり、コントローラ25は、車両のイグ
ニッションがオンになっている通常の走行状態等には、
同期式Filtered−X LMSアルゴリズムに従
った振動低減処理を実行するが、同定処理開始スイッチ
28が操作されると、振動低減処理を停止して、伝達関
数Cの同定処理を実行するようになっている。
【0070】そして、伝達関数Cの同定処理を実行する
ために、コントローラ25の不揮発性メモリ内には、一
周期分の正弦波を等間隔で所定個数(例えば、8個や1
6個等)に離散化してなる数列が記憶されていて、コン
トローラ25は、その記憶された上記数列の各数値を、
出力サンプリング・クロックSCo に同期して(つま
り、出力サンプリング・クロックSCo の周期To の間
隔で)一つずつ順番に同定信号として能動型エンジンマ
ウント1の電磁アクチュエータ10に供給して同定振動
を発生させ、その同定振動を荷重センサ22によって残
留振動信号eとして検出するようになっている。さら
に、コントローラ25は、同定振動の検出結果であるア
ナログ信号としての残留振動信号eを、入力サンプリン
グ・クロックSCi に同期して(つまり、入力サンプリ
ング・クロックSCi の周期Ti の間隔)ディジタル値
に変換して取り込むようになっており、その入力サンプ
リング・クロックSCi に同期して取り込まれた残留振
動信号eをフーリエ変換(高速フーリエ変換;FFT)
して、出力サンプリング・クロックSCo に同期して出
力された同定信号の周波数に相当する成分を抽出するよ
うになっている。
【0071】コントローラ25は、上記のような周波数
成分を抽出する処理を、出力サンプリング・クロックS
o の周期To を切り換え(例えば、周期To を徐々に
短くし)て同定信号の周波数を徐々に変化させることに
より、周波数の異なる複数の同定信号について行うよう
になっていて、そして、各周波数毎の成分を合成し、そ
の合成した結果を逆フーリエ変換して伝達関数Cに相当
するインパルス応答を求めるようになっている。求めら
れたインパルス応答は、有限インパルス応答型の伝達関
数フィルタC^としてそれまでの伝達関数フィルタC^
と置き換えられるようになっている。
【0072】次に、本実施の形態の動作を説明する。即
ち、エンジンシェイク発生時には、オリフィス5aの流
路形状等を適宜選定している結果、この能動型エンジン
マウント1は高動ばね定数,高減衰力の支持装置として
機能するため、エンジン30側で発生したエンジンシェ
イクが能動型エンジンマウント1によって減衰され、車
体35側の振動レベルが低減される。なお、エンジンシ
ェイクに対しては、特に可動板12を積極的に変位させ
る必要はない。
【0073】一方、オリフィス5a内の流体がスティッ
ク状態となり流体室15及び副流体室16間での流体の
移動が不可能になるアイドル振動周波数以上の周波数の
振動が入力された場合には、コントローラ25は、所定
の演算処理を実行し、電磁アクチュエータ10に駆動信
号yを出力し、能動型エンジンマウント1に振動を低減
し得る能動的な支持力を発生させる。
【0074】これを、アイドル振動,こもり音振動入力
時にコントローラ25内で実行される処理の概要を示す
フローチャートである図3に従って具体的に説明する。
先ず、そのステップ101において所定の初期設定が行
われた後に、ステップ102に移行し、伝達関数フィル
タC^に基づいて更新用基準信号RT が演算される。な
お、このステップ102では、一周期分の更新用基準信
号RT がまとめて演算される。
【0075】そして、ステップ103に移行しカウンタ
iが零クリアされた後に、ステップ104に移行して、
適応ディジタルフィルタWのi番目のフィルタ係数Wi
が駆動信号yとして出力される。
【0076】ステップ104で駆動信号yを出力した
ら、ステップ105に移行し、残留振動信号eが読み込
まれる。そして、ステップ106に移行して、カウンタ
jが零クリアされ、次いでステップ107に移行し、適
応ディジタルフィルタWのj番目のフィルタ係数Wj
上記(1)式に従って更新される。
【0077】ステップ107における更新処理が完了し
たら、ステップ108に移行し、次の基準信号xが入力
されているか否かを判定し、ここで基準信号xが入力さ
れていないと判定された場合は、適応ディジタルフィル
タWの次のフィルタ係数の更新又は駆動信号yの出力処
理を実行すべく、ステップ109に移行する。
【0078】ステップ109では、カウンタjが、出力
回数Ty (正確には、カウンタjは0からスタートする
ため、出力回数Ty から1を減じた値)に達しているか
否かを判定する。この判定は、ステップ104で適応デ
ィジタルフィルタWのフィルタ係数Wi を駆動信号yと
して出力した後に、適応ディジタルフィルタWのフィル
タ係数Wi を、駆動信号yとして必要な数だけ更新した
か否かを判断するためのものである。そこで、このステ
ップ109の判定が「NO」の場合には、ステップ11
0でカウンタjをインクリメントした後に、ステップ1
07に戻って上述した処理を繰り返し実行する。
【0079】しかし、ステップ109の判定が「YE
S」の場合には、適応ディジタルフィルタWのフィルタ
係数のうち、駆動信号yとして必要な数のフィルタ係数
の更新処理が完了したと判断できるから、ステップ11
1に移行し、カウンタiをインクリメントした後に、上
記ステップ104の処理を実行してから所定のサンプリ
ング・クロックの間隔に対応する時間が経過するまで待
機し、サンプリング・クロックに対応する時間が経過し
たら、上記ステップ104に戻って上述した処理を繰り
返し実行する。
【0080】一方、ステップ108で基準信号xが入力
されたと判断された場合には、ステップ112に移行
し、カウンタi(正確には、カウンタiが0からスター
トするため、カウンタiに1を加えた値)を最新の出力
回数Ty として保存した後に、ステップ102に戻っ
て、上述した処理を繰り返し実行する。
【0081】このような図3の処理を繰り返し実行する
結果、コントローラ25から能動型エンジンマウント1
の電磁アクチュエータ10に対しては、基準信号xが入
力された時点から、サンプリング・クロックの間隔で、
適応ディジタルフィルタWのフィルタ係数Wi が順番に
駆動信号yとして供給される。
【0082】この結果、励磁コイル10Bに駆動信号y
に応じた磁力が発生するが、磁路部材12には、既に永
久磁石10Cによる一定の磁力が付与されているから、
その励磁コイル10Bによる磁力は永久磁石10Cの磁
力を強める又は弱めるように作用すると考えることがで
きる。つまり、励磁コイル10Bに駆動信号yが供給さ
れていない状態では、磁路部材12は、板ばね11によ
る支持力と、永久磁石10Cの磁力との釣り合った中立
の位置に変位することになる。そして、この中立の状態
で励磁コイル10Bに駆動信号yが供給されると、その
駆動信号yによって励磁コイル10Bに発生する磁力が
永久磁石10Cの磁力と逆方向であれば、磁路部材12
は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが増大する
方向に変位する。逆に、励磁コイル10Bに発生する磁
力が永久磁石10Cの磁力と同じ方向であれば、磁路部
材12は電磁アクチュエータ10とのクリアランスが減
少する方向に変位する。
【0083】このように磁路部材12は正逆両方向に変
位可能であり、磁路部材12が変位すれば主流体室15
の容積が変化し、その容積変化によって支持弾性体6の
拡張ばねが変形するから、この能動型エンジンマウント
1に正逆両方向の能動的な支持力が発生するのである。
【0084】そして、駆動信号yとなる適応ディジタル
フィルタWの各フィルタ係数Wi は、同期式Filte
red−X LMSアルゴリズムに従った上記(1)式
によって逐次更新されるため、ある程度の時間が経過し
て適応ディジタルフィルタWの各フィルタ係数Wi が最
適値に収束した後は、駆動信号yが能動型エンジンマウ
ント1に供給されることによって、エンジン30から能
動型エンジンマウント1を介して車体35側に伝達され
るアイドル振動やこもり音振動が低減されるようになる
のである。
【0085】以上は車両走行時等に実行される振動低減
処理の動作である。その一方、例えば車両が出荷される
前の製造ラインの最終工程において、作業者が同定処理
開始スイッチ28を操作すると、図4に示すような伝達
関数Cの同定処理が実行される。
【0086】即ち、伝達関数Cの同定処理が開始される
と、先ずそのステップ201において、出力サンプリン
グ・クロックSCo の周期To をその最大値Tomaxに設
定する。なお、最大値Tomaxは、振動低減制御の対象と
なる振動のうち最も周波数の低い振動の周期を、同定信
号として出力される上記数列の個数(正弦波の分割数)
Dで割ったものである。例えば、問題となる振動の最低
周波数が5Hzであり、上記数列の分割数Dが8であれ
ば、最大値Tomax=(1/5)/8秒となる。
【0087】次いで、ステップ202に移行し、カウン
タ変数jを1にセットしてから、ステップ203に移行
する。ステップ203では、上記数列のj番目の数値
(つまり、数列の最初の数値)を、同定信号として能動
型エンジンマウント1の電磁アクチュエータ10に出力
し、次いでステップ204に移行し、残留振動信号eを
読み込む。残留振動信号eは、現時点の出力サンプリン
グ・クロックSCo の周期To 毎の時系列データとして
記憶する。
【0088】そして、ステップ205に移行し、出力サ
ンプリング・クロックSCo の周期To を計測するため
の出力用タイマと、入力サンプリング・クロックSCi
の周期Ti を計測するための入力用タイマとを、リセッ
ト・スタートする。なお、出力用タイマ及び入力用タイ
マは、コントローラ25のクロックパルスを利用してソ
フト的に実現したものであってもよいし、コントローラ
25にハード的に内蔵してもよい。
【0089】次いで、ステップ206に移行し、出力用
タイマの計測時間が周期To に達しているか否かを判定
する。このステップ206の判定が「NO」の場合に
は、ステップ207〜209の処理は実行せずに、ステ
ップ210に移行する。ステップ210では、入力用タ
イマの計測時間が周期Ti に達しているか否かを判定す
る。このステップ210の判定が「NO」の場合には、
ステップ211,212の処理は実行せずに、ステップ
213に移行する。
【0090】そして、ステップ213では、カウンタ変
数jが、正弦波の分割数Dに達しているか否かを判定す
る。ステップ213の判定が「YES」の場合には、ス
テップ214に移行してカウンタ変数jを“1”に戻し
てからステップ215に移行するが、ステップ213の
判定が「NO」の場合にはそのままステップ215に移
行する。ステップ215では、現時点の周期To になっ
てから十分な個数の残留振動信号eを読み込んだか否か
を判定する。なお、残留振動信号eの十分な個数として
設定される値は、伝達関数Cがインパルス応答として求
められることから、そのインパルス応答が充分に減衰す
るのに必要な時間を周期Ti で割った場合の数以上であ
ればよい。ただし、時系列として取り込んだ残留振動信
号eに対して後にFFT演算を行うことから、その残留
振動信号eの取り込み個数は、2の巾乗とすることが望
ましいこと、及び、残留振動信号eを極めて大量に読み
込んでしまうと、その読み込み時間が長くなるし、FF
T演算に要する時間も長くなるという不具合もあるた
め、残留振動信号eの十分な個数として設定される値
は、インパルス応答が充分に減衰するのに必要な時間を
周期Ti で割った場合の数を越える2の巾乗の数値のう
ちの、最小値とすることが望ましい。例えば、周期Ti
が2msecであって、インパルス応答が充分に減衰する時
間が0.2sec であれば、0.2sec /2msec=100
となるから、ステップ215に設定する値は128とな
る。
【0091】そして、ステップ215の判定が「NO」
の場合には、ステップ206に戻って上述した処理を繰
り返し実行する。すると、コントローラ25から電磁ア
クチュエータ10に対しては、上記数列の各数値が、出
力サンプリング・クロックSCo に同期して、順番に一
つずつ同定信号として供給されるから、能動型エンジン
マウント1には、周期To に応じて決まる周波数の正弦
波状の同定振動が発生するようになる。また、これと同
時に、コントローラ25は、荷重センサ22から供給さ
れる残留振動信号eを、入力サンプリング・クロックS
i に同期して読み込むようになり、その読み込んだ残
留振動信号eが時系列データとして記憶される。
【0092】そして、ステップ215の判定が「YE
S」となると、ステップ216に移行し、周期To から
所定の単位時間αT を減じた値を、出力サンプリング・
クロックSCo の新たな周期To として記憶する。単位
時間αT が小さいほど、同定処理に要する時間は長くな
るから、その単位時間αT は、コントローラ25の演算
能力等を考慮して設定すればよい。例えば単位時間αT
=0.2msecとする。
【0093】次いで、ステップ217に移行し、ステッ
プ216で新たに設定された出力サンプリング・クロッ
クSCo の周期To が、最小値Tominを下回っているか
否かを判定する。最小値Tominは、振動低減制御の対象
となる振動のうち最も周波数の高い振動の周期を、同定
信号として出力される上記数列の個数(正弦波の分割
数)Dで割ったものである。例えば、問題となる振動の
最高周波数が200Hzであり、上記数列の分割数Dが8
であれば、最小値Tomin=(1/200)/8秒とな
る。
【0094】そして、ステップ217の判定が「NO」
の場合には、上記ステップ202に戻って上述した処理
を再び実行する。このため、ステップ202〜216の
一連の処理は、ステップ217の判定が「YES」とな
るまで実行される。つまり、つまり、ステップ202〜
215の処理は、最大値Tomax〜最小値Tominの間で単
位時間αT ずつ変化する周期To 毎に実行されるように
なっているから、ステップ217の処理が「YES」と
なった時点では、ステップ210,211の処理によっ
て時系列データとして記憶される残留振動信号eは、周
期To の種類と同じ数だけ記憶されていることになる。
【0095】そこで、ステップ217の判定が「YE
S」となったら、ステップ218に移行し、周期To
に記憶されている残留振動信号eの時系列データのそれ
ぞれについてFFT演算を行って、各時系列データの周
波数成分を抽出する。ただし、ここで必要なのは、各時
系列データ毎の全周波数の成分ではなく、対応する周期
o によって決まる元の正弦波の周波数に相当する成分
だけであるから、ステップ218では、各時系列に対し
て厳密なFFT演算を行うのではなく、各時系列に対応
する周期To によって決まる周波数の成分を求めるのに
足りる演算だけを行えばよい。
【0096】そして、各時系列データ毎の必要な周波数
成分が求められたら、ステップ219に移行し、それら
各周波数成分を合成したものを逆FFT演算し、時間軸
上のインパルス応答に変換し、次いでステップ220に
移行し、ステップ219で求めたインパルス応答を新た
な伝達関数フィルタC^として記憶する。伝達関数フィ
ルタC^の記憶が完了したら、今回の伝達関数Cの同定
処理を終了する。
【0097】図5は、上述した伝達関数Cの同定処理の
全体的な流れを各波形とともに示した図であって、図5
(a)に示すような離散値からなる同定信号が電磁アク
チュエータ10に供給され、電磁アクチュエータ10に
は図5(b)に示すような正弦波状に変化する同定振動
が発生する。この場合、同定信号の各離散値の出力間隔
である周期To は、その同定信号の元となっている正弦
波の周波数が上昇するに従って徐々に短くなるから、図
5(a)の右側の波形のように正弦波の周波数が高くな
っても、同定信号の階段状の変化が大雑把になり過ぎる
ことが防止でき、図5(b)に示すように、元の正弦波
に極めて近い滑らかな同定振動を発生させることができ
る。
【0098】つまり、周期Ti 及びTo を固定にしてし
まうと、図6(a)に示すように同定信号の元となって
いる正弦波の周波数が上昇するに従って、離散化された
同定信号の間隔が粗くなってしまい、滑らかな同定振動
を発生させることができなくなるが、図4に示すような
処理を実行する結果、元の正弦波の周波数が上昇するに
従って周期To が短くなるから、そのような不具合を回
避できるのである。
【0099】しかも、同定信号の元となる正弦波を、そ
の都度演算により求めるのではないし、図7に示すよう
に、一周期分の正弦波を離散化してなる数列をメモリ内
に記憶しておき、その数列を出力サンプリング・クロッ
クSCo の周期To の間隔で順番に且つ繰り返し出力す
るものであるから、演算負荷やメモリ容量の増大を招く
こともない。
【0100】同定振動が発生したら、その応答が図5
(c)に示すように残留振動信号に現れ、荷重センサ2
2から供給された残留振動信号が図5(d)に示すよう
に入力サンプリング・クロックSCi の周期Ti の間隔
でディジタル値に変換されてコントローラ25に読み込
まれるが、周期Ti は同定信号の周波数に関係なく一定
である。
【0101】つまり、図4に示すように周期Ti と周期
o とを積極的に個別に設定するのではなく、周期Ti
を周期To とともに可変にしてしまうと、同定信号の周
波数が高くなるに従って、時系列データとして記憶され
る残留振動信号のデータ数が増大してしまい、必要なメ
モリ容量が大幅に増加してしまうが、本実施の形態にあ
っては、図4の処理を実行する結果、図6(b)に示す
ように、周期To は周波数の上昇に応じて短くなり、且
つ、周期Ti は周波数が変化しても一定であるから、そ
のような不具合を招かないで済むのである。
【0102】そして、残留振動信号が図5(d)に示す
ように各周波数毎に時系列データとして読み込まれる
と、各時系列データに対してFFT演算が行われて、元
の正弦波の周波数の成分が抽出される。各周波数成分を
合成すると、図5(e)のようになり、その合成した結
果に対して逆FFT演算が行われて、図5(d)のよう
なインパルス応答が求められる。
【0103】図5(e),(d)に示すような結果は、
本実施の形態のように正弦波からなる同定信号を発生し
なくても、例えばホワイトノイズ信号による同定信号を
発生させた場合でも得ることはできるが、ホワイトノイ
ズ信号を電磁アクチュエータ10に供給して同定振動を
発生させた場合には、同定振動の出力は図8に破線で示
すように広い周波数帯域に分散して、各周波数成分は極
小さくなってしまう。このため、図5(e),(d)に
示すような結果を高精度に得るためには、ホワイトノイ
ズ信号と、そのホワイトノイズ信号により発生した同定
振動とに基づいた適応演算を、比較的長時間に渡って行
わなければならない。
【0104】これに対し、正弦波に基づいて生成した同
定信号を用いる本実施の形態にあっては、同定振動の出
力は、図8に実線で示すように特定の周波数に集中する
ようになるから、個々の周波数毎の演算時間が短くなる
ばかりか、全体の演算時間もホワイトノイズ信号により
同定を行う場合に比べて短縮されるのである。
【0105】この結果、車両に搭載される比較的能力の
低く且つメモリ容量にも余裕のないコントローラ25で
あっても、比較的短い時間で伝達関数Cの同定を行うこ
とができるのである。このため、例えば製造ラインの最
終工程において同定処理開始スイッチ28を操作して伝
達関数Cの同定処理を行うようにしても、ライン速度に
大きな影響を与えないで済むし、或いは、ディーラーで
の定期点検時に同定処理開始スイッチ28を操作して伝
達関数Cの同定処理を行うようにしても、作業時間が大
幅に増大してしまうようなことを回避できるのである。
【0106】そして、各車両毎に伝達関数Cを同定でき
れば、実験室で求めた伝達関数Cを全車両に適用する場
合に比べて、高精度の伝達関数フィルタC^が振動低減
制御に用いられることになるし、定期点検毎に伝達関数
Cを同定すれば各部品の経時変化等による振動伝達系の
変化にも対応できるから、良好な振動低減制御が実行で
きるのである。
【0107】ここで、この第1の実施の形態についてよ
り具体的な検討を行ってみる。即ち、出力サンプリング
・クロックSCo の周期To の最大値Tomax、最小値T
omin並びに単位時間αT を、 Tomax=(1/5)/8 =25msec Tomin=(1/200)/8 =0.625msec αT =0.2msec とすれば、正弦波の周波数は122種類必要になり、入
力サンプリング・クロックSCi の周期Ti を2msecと
すれば、残留振動信号eの取り込みに必要な時間は、 2msec×128点×122種類=31sec になる。また、周期To が最大値Tomaxから最小値T
ominに変化する間の区切りである単位時間αT を一定に
すると、周波数の区切りは一定にならないので、後に行
われる逆フーリエ変換が面倒になる。
【0108】フーリエ変換の理論から、フーリエ変換後
の周波数刻みΔfは、 Δf=1/(データ継続時間)=1/(2msec×128点) =3.9Hz となるので、周波数刻みを、これに併せて3.9Hz刻み
とすることが望ましいことになる。
【0109】そこで、出力サンプリング・クロックSC
o の最低周波数fmin 及び最高周波数fmax を、 fmin =3.9Hz×2 =7.8Hz fmax =3.9Hz×52=203Hz とすれば、 Tomax=16msec Tomin=0.616msec となり、残留振動信号eの取り込みに必要な時間は、 2msec×128点×51種類=13.3sec となり、単位時間αT を一定にした場合に比べて、大幅
な時間短縮を図ることができる。
【0110】ただし、単位時間αT が一定にならないた
め、上述のようにステップ216の処理で一定の単位時
間αT を減じていくのではなく、周期To の値を周波数
に対するテーブルとして記憶しておき、それを読み出し
て使用するような処理にすることになる。
【0111】なお、本実施の形態では、能動型エンジン
マウント1を通じて車体35側に伝達される振動を検出
する手段として、荷重センサ22を用いているため、加
振振幅の大小を正確に表した残留振動信号eをコントロ
ーラ25に供給できるという利点がある。従って、コン
トローラ25においては、加振振幅の大きさを正確に反
映した駆動信号yを生成し出力するようになり、電磁ア
クチュエータ10は、加振振幅に比例した振幅で可動板
12を変位させることができる。このため、アイドル振
動(20〜30Hz)からこもり音振動(80〜800H
z)に至る全制御周波数帯域に渡って良好な振動低減制
御を実行することができるのである。
【0112】また、能動型エンジンマウント1内に荷重
センサ22を内蔵し、その荷重センサ22にボルト9の
締め付け力が加わらないようにしているから、荷重セン
サの耐荷重条件が低くなり、小型の荷重センサ22を採
用でき、スペース的に余裕の小さい能動型エンジンマウ
ント1には非常に好適であり、コスト的にも有利にな
る。しかも、荷重センサ22が能動型エンジンマウント
1と一体となっていれば、実際に車両に搭載する際の手
間数が少なくなるから、製造ラインにおける効率化を図
ることもできるという利点もある。
【0113】ここで、本実施の形態では、エンジン30
が振動源に対応し、能動型エンジンマウント1が制御振
動源に対応し、パルス信号生成器26が基準信号生成手
段に対応し、荷重センサ22が残留振動検出手段に対応
し、図3の処理が能動制御手段に対応し、図4のステッ
プ201〜203,207,208,209,213〜
215,217の処理が同定信号供給手段に対応し、図
4のステップ204,211の処理が応答信号読み込み
手段に対応し、図4のステップ218,219の処理が
伝達関数同定手段に対応し、図4のステップ205,2
06,209,210,212の処理が周期個別設定手
段に対応し、図4のステップ216の処理が出力周期可
変手段に対応し、コントローラ25内の不揮発性メモリ
が数列記憶手段に対応し、図4のステップ218の処理
がフーリエ変換手段に対応し、図4のステップ219の
処理が逆フーリエ変換手段に対応し、図3のステップ1
04の処理が駆動信号生成手段に対応し、図3のステッ
プ102の処理が更新用基準信号生成手段に対応し、図
3のステップ107の処理がフィルタ係数更新手段に対
応する。
【0114】図9乃至図12は、本発明の第2の実施の
形態を説明するための図である。なお、全体的な構成や
処理の内容は上記第1の実施の形態と同様であるため、
重複する図示及び説明は省略し、本実施の形態の要点の
みを説明する。
【0115】即ち、上記第1の実施の形態のように、出
力サンプリング・クロックSCo の周期To を可変にす
るとともに、入力サンプリング・クロックSCi の周期
iを固定にすると、図9(a)に示すように周期Ti
が周期To の整数倍にならない場合(周期To が周期T
i の整数倍にならない場合も同様)と、図9(b)に示
すように周期Ti が周期To の整数倍になる場合(周期
o が周期Ti の整数倍になる場合も同様)とがある。
そして、後者の場合には、同定信号の出力タイミングを
○印で、残留振動信号の読み込みタイミングを×印で示
すように、それらタイミングが時間軸上で一致するか
ら、その残留振動信号に基づいて得られる振動伝達系の
位相特性は、その振動伝達系にのみ依存することにな
る。
【0116】しかし、前者の場合には、同じく同定信号
の出力タイミングを○印で、残留振動信号の読み込みタ
イミングを×印で示すように、それらタイミングに時間
軸上でずれが生じてしまう。すると、同定信号は、結局
のところ離散値の集合であるから、一つの離散値が出力
されてから次の離散値が出力されるまでの間は、一定の
値に保持されてしまう。このため、残留振動信号には、
振動伝達系の特性に関係ない位相遅れが含まれてしま
い、このままでは、その位相遅れ特性が伝達関数Cに反
映して、それだけ伝達関数Cの精度が落ちてしまう。ま
た、その位相遅れの大きさは、周期To の大きさ(より
正確には、周期Ti を周期To で割った場合の余り又は
周期To を周期Ti で割った場合の余り)に応じて異な
る。
【0117】このような位相遅れ分は、例えば上記第1
の実施の形態であれば、ステップ218の処理を実行す
る前に、残留振動信号の各時系列データに対して、個別
の位相進みを与える演算を行えばよいのであるが、それ
だけ演算時間が長くなってしまうため得策ではない。
【0118】そこで、本実施の形態では、コントローラ
25内の不揮発性メモリに記憶する数列を、各周波数毎
に複数記憶させるるともに、それら各数列を生成するた
めの元の正弦波に、予め対応する出力サンプリング・ク
ロックSCo の周期To に応じた位相進みを与えてお
き、これにより上記位相遅れ分を相殺できるようにして
ある。つまり、対応する出力サンプリング・クロックS
o の周期To に応じて位相進みが与えられた正弦波を
等間隔に分割することにより各数列を生成し、それら各
数列を不揮発性メモリに記憶し、同定処理実行時には、
それら各数列から一つずつ選択し、その選択された数列
の各数値を、図10に示すように、対応する出力サンプ
リング・クロックSCo に同期して順番に且つ繰り返し
同定信号として出力すれば、それによって発生する同定
振動には位相進みが与えられたこととなり、上述した周
期Ti が周期To の整数倍でない場合等に残留振動信号
に含まれてしまう位相遅れ分を相殺できるのである。
【0119】図11は、周期To 及び周期Ti について
は図9(a)と同一の条件で、同定信号の元となってい
る正弦波に、後に読み込まれる残留振動信号に含まれて
しまう位相遅れを相殺できるような位相進みを与えた場
合における、同定信号の発生状態及び残留振動信号の読
み込み状態を示している。これにより、残留振動信号に
含まれていた振動伝達系に無関係な位相遅れ分を除去す
ることができるから、それだけ高精度の伝達関数Cを同
定することができる。しかも、実際に同定処理を行う場
合の演算負荷の増大を招かないから、演算時間も増大し
ない。
【0120】図12(a)は正弦波に位相進みを与えな
かった場合の同定信号を示し、図12(b)は正弦波に
10度の位相進みを与えた場合の同定信号を示してい
る。ちなみに、一周期を8分割した場合、位相進みを与
えない図12(a)の場合には、不揮発性メモリに記憶
されている数列のテーブルは、 sin(2π×0/8)=0 sin(2π×1/8)=0.707 sin(2π×2/8)=1 sin(2π×3/8)=0.707 sin(2π×4/8)=0 sin(2π×5/8)=−0.707 sin(2π×6/8)=−1 sin(2π×7/8)=−0.707 となる。これに対し、10度の位相進みを与えた図12
(b)の場合には、 sin(2π×0/8+10π/180)=0.174 sin(2π×1/8+10π/180)=0.819 sin(2π×2/8+10π/180)=0.984 sin(2π×3/8+10π/180)=0.574 sin(2π×4/8+10π/180)=−0.17
4 sin(2π×5/8+10π/180)=−0.81
9 sin(2π×6/8+10π/180)=−0.98
4 sin(2π×7/8+10π/180)=−0.57
4 となる。
【0121】そして、元の正弦波に与える位相進みとし
ては、その正弦波に位相進みを与えない状態で同定信号
を生成して、その同定信号に応じて発生する同定振動を
残留振動信号として読み込んだ場合の位相遅れをシミュ
レーション等により予め測定し、その測定された位相遅
れと同じ大きさの位相進みを用いればよい。なお、残留
振動信号に含まれてしまう位相遅れは、振動伝達系の特
性には関係がなく、周期Ti 及びTo にのみ依存するた
め、各車両毎に測定する必要はない。
【0122】図13及び図14は、本発明の第3の実施
の形態を示す図であって、図13は上記第1の実施の形
態の図4と同様にコントローラ25内で実行される同定
処理の概要を示すフローチャートである。なお、図4と
同じ処理を実行するステップには同じ番号を付し、その
重複する説明は省略するとともに、全体構成及び振動低
減処理の内容等は上記第1の実施の形態と同様であるた
め、重複する図示及び説明は省略する。
【0123】即ち、上記各実施の形態では、同定信号の
元となっている正弦波の振幅については特に触れていな
いが、本実施の形態では、正弦波の振幅をその周波数に
応じて可変としている。具体的には、図14に示すよう
に、正弦波の振幅を低周波側で大きく、周波数が50Hz
を越えた時点から周波数が上昇するに従って徐々に振幅
を小さくし、振幅がある程度小さくなった後は一定とし
ている。
【0124】つまり、エンジン30で発生する振動のレ
ベルは、一般的に低周波側で大きく高周波側で小さいた
め、高精度の伝達関数Cの同定を行うためには、その同
定信号の振幅を、エンジン30で発生する振動の周波数
毎の振幅に合致させることが望ましいのである。
【0125】そこで、コントローラ25内の不揮発性メ
モリから同定信号となる数列を読みだす際にその振幅を
調整するか、或いは、振幅の異なる複数の正弦波に基づ
いて複数の数列を記憶しておいて、周波数毎にそれを使
い分ける等により、周波数に応じて振幅が個別に設定さ
れた同定信号を同定処理に用いるようにしている。
【0126】しかし、最終的に求められる伝達関数Cに
は、元の正弦波の振幅の差が含まれてしまうと、その振
幅の差があたかも伝達系の特性として伝達関数に含まれ
てしまうから、これを補正する必要がある。そこで、本
実施の形態の同定処理では、ステップ218からステッ
プ301に移行し、ここで各周波数成分の大きさを補正
する演算を行うようになっている。ステップ301で行
われる補正演算は、具体的には、対応する正弦波の振幅
でその周波数成分を割るという演算になる。例えば、基
準とする正弦波の振幅が1であり、ある周波数成分に対
応する正弦波の振幅が0.5の場合には、その周波数成
分を0.5で割る(2倍にする)ということになる。そ
して、ステップ301の補正演算が完了してから、ステ
ップ219,220の処理を実行する。
【0127】このような構成であれば、実施の伝達系に
特性をさらに正確に表した伝達関数Cを同定できるか
ら、より良好な振動低減制御が行えるようになる。ここ
で、本実施の形態では、図13のステップ301の処理
が補正手段に対応する。
【0128】なお、上記各実施の形態では、残留振動を
能動型エンジンマウント1に内蔵した荷重センサ22に
よって検出しているが、これに限定されるものではな
く、例えば車室内の乗員足元位置にフロア振動を検出す
る加速度センサを配設し、その加速度センサの出力信号
を残留振動信号eとしてもよい。
【0129】また、本発明の適用対象は車両に限定され
るものではなく、エンジン30以外で発生する振動を低
減するための能動型振動制御装置であっても本発明は適
用可能であり、適用対象に関係なく上記各実施の形態と
同様の作用効果を奏することができる。例えば、工作機
械からフロアや室内に伝達される振動を低減する装置等
であっても、本発明は適用可能である。
【0130】さらに、上記各実施の形態では、駆動信号
yを生成するアルゴリズムとして同期式Filtere
d−X LMSアルゴリズムを適用しているが、適用可
能なアルゴリズムはこれに限定されるものではなく、例
えば、通常のFiltered−X LMSアルゴリズ
ム等であってもよい。
【0131】また、上記第1の実施の形態において、同
定信号の元となる正弦波の最高周波数を200Hzとして
いるが、これの算出根拠は、一般的なレシプロ4気筒エ
ンジンの場合、エンジン回転2次成分のエンジン振動が
問題となる振動であって、エンジンの最高回転数は概ね
6000rpm程度と考えられるから、その最高回転数
で回転している状態での回転2次成分が200Hzとなる
からである。従って、同定信号の元となる正弦波の最高
周波数は、エンジンの形式等に応じて適宜選定すればよ
い。
【0132】そして、上記第3の実施の形態において、
同定信号の元となる正弦波の振幅を大きく設定するの
は、50Hz以下としているが、これの算出根拠は、一般
的なレシプロ4気筒エンジンの場合、1500rpm以
下のアイドル振動周波数領域で大きな振動が発生するた
め、1500rpmの回転2次成分である50Hzを境界
としているのである。従って、そのような境界となる周
波数は、エンジンの形式等に応じて適宜選定すればよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す車両の概略側面図であ
る。
【図2】能動型エンジンマウントの一例を示す断面図で
ある。
【図3】振動低減処理の概要を示すフローチャートであ
る。
【図4】伝達関数の同定処理の概要を示すフローチャー
トである。
【図5】伝達関数の同定処理の全体的な流れを各波形と
ともに示す図である。
【図6】周期To 及び周期Ti を個別に設定できること
の利点を説明する図である。
【図7】同定信号の出力を説明する波形図である。
【図8】同定信号として正弦波を用いる場合とホワイト
ノイズ信号を用いる場合との差を説明する周波数特性図
である。
【図9】残留振動信号に含まれてしまう位相遅れを説明
するための波形図である。
【図10】第2の実施の形態における同定信号の出力を
説明する波形図である。
【図11】第2の実施の形態の作用効果を説明する波形
図である。
【図12】実際の同定信号の例を示す図である。
【図13】第3の実施の形態における伝達関数の同定処
理の概要を示すフローチャートである。
【図14】同定信号の元となってる正弦波の周波数と振
幅との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 能動型エンジンマウント(制御振動源) 10 電磁アクチュエータ 15 流体室 22 荷重センサ(残留振動検出手段) 25 コントローラ 26 パルス信号生成器 28 同定処理開始スイッチ 30 エンジン(振動源) 35 車体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 19/02 G10K 11/178

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動源から発せられる振動と干渉する制
    御振動を発生可能な制御振動源と、前記振動源の振動発
    生状態を検出し基準信号として出力する基準信号生成手
    段と、前記干渉後の振動を検出し残留振動信号として出
    力する残留振動検出手段と、前記基準信号及び前記残留
    振動信号に基づき前記制御振動源及び前記残留振動検出
    手段間の伝達関数を含む制御アルゴリズムを用いて前記
    振動が低減するように前記制御振動源を駆動する能動制
    御手段と、を備えた能動型振動制御装置において、 正弦波を離散化してなる同定信号の各離散値を出力サン
    プリング・クロックに同期して順次前記制御振動源に供
    給する同定信号供給手段と、前記同定信号に応じた振動
    が前記制御振動源から発せられた場合の前記残留振動信
    号を入力サンプリング・クロックに同期して読み込む応
    答信号読み込み手段と、前記応答信号読み込み手段が読
    み込んだ前記残留振動信号に基づいて前記伝達関数を同
    定する伝達関数同定手段と、前記出力サンプリング・ク
    ロックの周期及び前記入力サンプリング・クロックの周
    期を個別に設定可能な周期個別設定手段と、を設けたこ
    とを特徴とする能動型振動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記正弦波の周波数を複数設定し、前記
    同定信号供給手段は前記正弦波を一つずつ選択して前記
    同定信号とするようになっている請求項1記載の能動型
    振動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記出力サンプリング・クロックの周期
    を、前記同定信号となる前記正弦波の周波数に応じて可
    変とする出力周期可変手段を設けた請求項2記載の能動
    型振動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記出力周期可変手段は、前記同定信号
    となる前記正弦波の周波数の上昇に応じて前記出力サン
    プリング・クロックの周期を短くするようになっている
    請求項3記載の能動型振動制御装置。
  5. 【請求項5】 正弦波を等間隔で所定個数に離散化して
    なる数列を記憶した数列記憶手段を設け、前記同定信号
    供給手段は、前記数列記憶手段に記憶されている前記数
    列の各数値を、前記同定信号の各離散値として、前記出
    力サンプリング・クロックに同期して順番に前記制御振
    動源に供給するようになっている請求項4記載の能動型
    振動制御装置。
  6. 【請求項6】 各正弦波に、対応する前記出力サンプリ
    ング・クロックの周期に応じた個別の位相進みを予め与
    えた請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の能動型振
    動制御装置。
  7. 【請求項7】 前記位相進みが与えられた各正弦波を対
    応する出力サンプリング・クロックの周期で離散化して
    なる複数の数列を記憶した数列記憶手段を設け、前記同
    定信号供給手段は、前記数列記憶手段に記憶されている
    前記複数の数列を一つずつ選択し、その選択された数列
    の各数値を、前記同定信号の各離散値として、前記出力
    サンプリング・クロックに同期して順番に前記制御振動
    源に供給するようになっている請求項6記載の能動型振
    動制御装置。
  8. 【請求項8】 各正弦波の振幅を、その周波数に応じて
    個別に設定した請求項2乃至請求項7のいずれかに記載
    の能動型振動制御装置。
  9. 【請求項9】 各正弦波の振幅を、その周波数の上昇に
    応じて小さくした請求項8記載の能動型振動制御装置。
  10. 【請求項10】 前記伝達関数同定手段は、前記同定信
    号供給手段が前記正弦波を変更する度に前記応答信号読
    み込み手段が読み込んだ前記残留振動信号をフーリエ変
    換して前記各正弦波の周波数に相当する成分を抽出する
    フーリエ変換手段と、このフーリエ変換手段が抽出した
    各周波数成分を合成したものを逆フーリエ変換して前記
    伝達関数としてのインパルス応答を求める逆フーリエ変
    換手段と、を備えた請求項2乃至請求項7のいずれかに
    記載の能動型振動制御装置。
  11. 【請求項11】 前記伝達関数同定手段は、前記同定信
    号供給手段が前記正弦波を変更する度に前記応答信号読
    み込み手段が読み込んだ前記残留振動信号をフーリエ変
    換して前記各正弦波の周波数に相当する成分を抽出する
    フーリエ変換手段と、このフーリエ変換手段が抽出した
    各周波数成分を各正弦波の振幅で補正する補正手段と、
    この補正手段の各結果を合成したものを逆フーリエ変換
    して前記伝達関数としてのインパルス応答を求める逆フ
    ーリエ変換手段と、を備えた請求項8又は請求項9のい
    ずれかに記載の能動型振動制御装置。
  12. 【請求項12】 前記能動制御手段は、フィルタ係数可
    変の適応ディジタルフィルタと、前記基準信号を前記適
    応ディジタルフィルタでフィルタ処理することにより前
    記制御振動源を駆動する駆動信号を生成し出力する駆動
    信号生成手段と、前記伝達関数に前記基準信号を入力し
    た場合の応答結果である更新用基準信号を演算する更新
    用基準信号演算手段と、前記残留振動信号及び前記更新
    用基準信号に基づき前記制御アルゴリズムとしての逐次
    更新型の適応アルゴリズムに従って前記適応アルゴリズ
    ムのフィルタ係数を更新するフィルタ係数更新手段と、
    を備えた請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の能
    動型振動制御装置。
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