JP3098199B2 - 燃焼機器修理支援装置及び故障データ収集・利用方法 - Google Patents

燃焼機器修理支援装置及び故障データ収集・利用方法

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JP3098199B2
JP3098199B2 JP08349711A JP34971196A JP3098199B2 JP 3098199 B2 JP3098199 B2 JP 3098199B2 JP 08349711 A JP08349711 A JP 08349711A JP 34971196 A JP34971196 A JP 34971196A JP 3098199 B2 JP3098199 B2 JP 3098199B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給湯器や風呂追い
焚き機能付き給湯器等の燃焼機器の修理を支援する為の
端末装置及び故障データの収集・利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】給湯器等の燃焼機器は、近年においてマ
イクロコンピュータを使用して燃焼制御から、給湯機
能、自動湯張り機能、追い焚き機能等の制御などを実現
している。それに伴い、機器内で使用する電磁弁、ファ
ン等のアクチュエータや温度センサ、水量センサ等のセ
ンサ等の部品数の増加する傾向にある。この様に給湯器
の機能の高度化に伴い、新しいセンサや部品が組み込ま
れ、制御シーケンスが複雑化し、部品配置の高密度化が
進んでいる。更に、頻繁にモデルチェンジが行われると
共に製品のラインアップも増加する傾向にある。
【0003】その結果、給湯器の修理は、部品点数の増
大と機能高度化によるソフトウエアの複雑化に伴い故障
部品の特定が困難になっており、また修理対象の機種が
増加して個々の機種への対応が困難になっている。
【0004】以上の様に、給湯器の修理作業は極めて困
難で多くの工数、時間を必要とする傾向にある。また、
修理対象機種が増加するに伴い必要とされる修理技能及
び修理情報を取得することが困難になっている。その為
に、故障箇所を正確に特定することができず、故障原因
でない部品を交換することがしばしばあり、修理コスト
を増大させている。そこで、本発明者らは、給湯器等の
燃焼機器のメーカーや機種にかかわらず利用できる同一
の修理支援システムを、例えば特願平8-189000にて提案
した。このような修理支援システムを利用することで、
故障部品を容易に特定することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多くの
工程を経て故障部品を特定し、新しい部品に取り替えを
行った後は、その故障部品が単に回収されるだけで、故
障部品の特定の過程で得られたデータや、故障部品が故
障と判定された根拠となった測定値、動作状況(動作不
動作や動作不良)などの情報はなんら知ることができな
いのが一般的である。
【0006】そこで、本発明は、故障に関するデータや
情報を収集することができる故障支援装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】また、本発明の別の目的は、有効な故障に
関するデータや情報の収集方法及びそれらの有用な利用
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、本発明の
次の構成により達成される。即ち、燃焼制御プログラム
を実行する制御部を有する燃焼機器の修理支援装置にお
いて、該燃焼機器の制御部と通信を行う通信手段と、修
理作業員に対する入出力を行うモニタ及び入力手段と、
該燃焼機器の部位に接続されて所定の物理量を測定する
テスタ手段と、該燃焼機器内のセンサを介して検出され
る検出データを該制御部から取得するモニタ手段と、診
断対象の燃焼機器に適用される診断シーケンスのデータ
を格納する診断シーケンスファイルと、該診断シーケン
スファイルの診断シーケンスのデータに従って該燃焼機
器の部位の診断を行う故障診断手段と、故障部位を特定
した時、少なくとも機種データ、故障部位データ及びテ
スタ手段またはモニタ手段により測定または検出された
測定データを含む故障データを記録する手段とを有し、
前記診断シーケンスのデータは、該修理支援装置が記録
した故障データを収集して求められた部位の故障率に基
づいて変更される診断順序テーブルを有し、当該診断順
序テーブルに従って前記故障診断手段が部位の診断順序
を決定することを特徴とする修理支援装置である。
【0009】更に、本発明の他の構成は、燃焼制御プロ
グラムを実行する制御部を有する燃焼機器の故障データ
収集・利用方法において、該燃焼機器の制御部と通信を
行う通信手段と、修理作業員に対する入出力を行うモニ
タ及び入力手段と、該燃焼機器の部位に接続されて所定
の物理量を測定するテスタ手段と、該燃焼機器内のセン
サを介して検出される検出データを該制御部から取得す
るモニタ手段と、診断対象の燃焼機器に適用される診断
シーケンスのデータを格納する診断シーケンスファイル
と、該診断シーケンスファイルの診断シーケンスのデー
タに従って該燃焼機器の部位の診断を行う故障診断手段
と、故障部位を特定した時、少なくとも機種データ、故
障部位データ及びテスタ手段またはモニタ手段により測
定または検出された測定データを含む故障データを記録
する手段とを有する修理支援装置を使用して、該修理支
援装置が記録した故障データを収集し、データベース化
する工程と、前記データベースから求められた部位の故
障率にもとづいて、前記診断シーケンスデータの診断順
序テーブル変更される工程と、前記故障修理支援装置
の前記故障診断手段を使用して診断するとき、前記診断
順序テーブルに従って部位の診断順序を決定する工程と
を有することを特徴とする燃焼機器の故障データ収集・
利用方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に従って説明する。しかしながら、本発明の技術的範囲
はその実施の形態に限定されるものではない。尚、以下
説明の為に風呂追い焚き機能付きの給湯器を例にして説
明するが、それ以外の機能を有する給湯器或いは一般的
な燃焼機器にも適用することができる。
【0011】図1は、給湯器修理支援システムの全体の
構成を示す図である。1はその修理支援装置であり、通
信線または赤外線などの通信媒体手段を介して給湯器2
に接続される。また、修理支援装置1は、携帯端末や携
帯用のパーソナルコンピュータ10と入出力ボックス2
0から構成される。携帯端末10は汎用品を使用するこ
とができ、修理用のプログラムをインストールすること
で、各種の修理支援機能を実現することができる。
【0012】携帯端末装置10は入出力ボックス20と
RS232C等の通信ケーブル線で接続され、入出力ボ
ックス20は、携帯端末10から与えられるデジタル信
号を電圧変換して給湯器2の電圧に整合したデジタル信
号をシリアルに送信したり、給湯器から検出した電力、
ガス圧、電流、電圧、抵抗値、周波数などのアナログ値
をデジタル値に変換して携帯端末10に送信したりする
インターフェース的な機能を有する。
【0013】給湯器2内には、後述するマイクロコンピ
ュータによる制御装置が設けられているが、入出力ボッ
クス20とは通信線CN5で接続されて、携帯端末10
が給湯器の制御装置内を解析することができる様になっ
ている。更に、給湯器2に対して、その商用電源に対し
て消費される電力を検出する為の端子CN4、2次ガス
圧を測定する為のチューブCN3、及び選択された部位
の電圧、電流、抵抗、周波数を測定する為のプローブ付
き端子CN2が取り付けられる。
【0014】従って、給湯器2側に要求されるものは、
基本的には通信線CN5が接続されるコネクタ端子と、
その通信線を介して行われる通信機能である。
【0015】図2は、修理支援装置の携帯端末10内の
ソフトウエア機能の構成を示す図である。携帯端末は通
常の汎用コンピュータと同等のハードウエア構成をと
り、その記憶媒体内に図2に示した機能をもつソフトウ
エアが格納される。
【0016】テスター機能P1は、交流・直流電圧測定
機能P11、交流・直流電流測定機能P12、抵抗測定
機能P13、周波数測定機能P14を有する。これらの
テスター機能プログラムP1は、前述した入出力ボック
ス20からのプローブをもつ端子CN2により、選択さ
れた給湯器内の部位の電圧、電流、抵抗、周波数を測定
する。
【0017】ガス圧測定機能プログラムP2は、前述し
たチューブCN3を給湯器2内のガス比例弁の下流側の
ガス2次圧を測定する為のプログラムである。同様に、
消費電力測定機能プログラムP3は、給湯器2の電源と
商用電源との間に挿入される電力用端子CN4を介し
て、給湯器全体で消費する電力を測定するプログラムで
ある。
【0018】これらの測定機能プログラムは、入出力ボ
ックス20内にある測定用のハードウエアを制御するこ
とにより、それぞれの物理量を測定して、携帯端末10
に表示する。
【0019】機器情報取得機能プログラムP4は、通信
線CN5を介して接続される給湯器の機種コードやバー
ジョン情報を取得するプログラムである。
【0020】パスワード機能プログラムP5は、携帯端
末10から給湯器2に修理モードを指示する特別の開始
指示コードを送信し、その返信を受け取る機能を持つ。
後述する通り、修理モードでは給湯器内の制御装置のメ
モリにアクセスすることができ、燃焼制御に不可欠なデ
ータを書換え若しくはクリアしてしまう危険性があり、
パスワードを送受信し確認することで安全性を担保して
いる。
【0021】メンテモニタ機能プログラムP6、模擬リ
モコン機能プログラムP7、個別部品駆動機能プログラ
ムP8及び故障診断サポート機能プログラムP9は、本
発明の故障支援機能の中心的な部分である。それぞれの
プログラムの機能について簡単に説明すると、メンテモ
ニタ機能は、給湯器内のセンサの値や制御用の数値をモ
ニタするもので、制御装置のメモリ(RAM)のデータ
を読みだすことにより可能である。
【0022】模擬リモコン機能プログラムP7は、携帯
端末の表示画面にリモコンと同等の画面を表示し、通常
のリモコンから与えられる通常の燃焼シーケンスの指令
をしたり、通常のリモコンから得られる給湯温度等のデ
ータをモニタしたり、設定温度の設定を変更したりす
る。この機能により、修理作業員は給湯器の前に居なが
ら例えば台所や浴室内のリモコンを操作及びモニタする
ことができ修理作業性を上げることができる。具体的に
は、携帯端末から給湯器内の制御用のRAM領域の制御
シーケンスの実行を意味するフラグをオン状態に書き換
える等により可能である。
【0023】個別部品駆動機能プログラムP8は、給湯
器内の電磁弁やファンモータ等のアクチュエータを個別
に駆動できるようにする機能を有する。模擬リモコン機
能により、携帯端末から通常制御シーケンスの指令を与
えるのに対して、この個別部品駆動機能では、個々のア
クチュエータを別々に駆動させる機能である。具体的に
は、携帯端末から給湯器内の制御用のRAM領域の各ア
クチュエータの駆動を意味するフラグをオン状態に書き
換えたり、駆動用のサブルーチンを呼び出す命令を与え
たりする等により可能である。
【0024】上記のメンテモニタ機能P6は、模擬リモ
コン機能P7または個別部品駆動機能P8と同時に実行
させることでより効率的な故障診断を行うことができ
る。即ち、模擬リモコン機能により携帯端末10から通
常の燃焼シーケンスの指令を与え、メンテモニタ機能に
よりその時の給湯器の制御装置内の動きをモニタするこ
とができる。その時、同時にテスタ機能P1、ガス圧測
定機能P2、電力測定機能P3を併用してそれらの物理
量をモニタすることもできる。また、個別部品駆動機能
により、選択したアクチュエータを駆動させて、その時
の給湯器の制御装置内の動きや物理量をメンテモニタ機
能等により同様にモニタすることもできる。
【0025】メンテモニタ機能P6、模擬リモコン機能
P7及び個別部品駆動機能P8は、通信線を通じて給湯
器の制御部に所定のデジタル信号を送信するだけであ
る。その為に、図3に示した入出力ボックス20内のシ
リアル信号変換部34を経由して、デジタル信号がシリ
アル通信で給湯器に送られる。
【0026】また、これらの機能P6,P7,P8は、
異なるメーカの異なる機器に対して共通して使用される
ことが必要である。その為に、携帯端末10内のプログ
ラムは、メーカや機種毎の固有のデータやプログラムの
ファイルP103が設けられている。即ち、通信線を通
じてRAMの内容をモニタしたり、通常燃焼シーケンス
を実行したり、個別のアクチュエータを駆動したりする
為に必要なメーカまたは機種毎に異なるプログラムであ
る。このプログラムP103は、前述したパスワード機
能プログラムP5によっても使用される。
【0027】故障診断サポート機能プログラムP9は、
熟練した修理技能を持たない場合でも、故障部位を特定
する為の診断サポートを行うものである。例えば、給湯
器が故障した時に出力するエラーコード(ガス協会で標
準化された3桁のコード)を手掛かりにして診断を行う
機能P91、給湯器の部位を手掛かりにして診断を行う
機能P92、故障の現象または不具合の状態を手掛かり
にして診断を行う機能P93等を有する。
【0028】この故障診断サポート機能プログラムP9
は、そのかなりの部分がメーカ毎に或いは機種毎に異な
って作成される必要がある。従って、機種固有のファイ
ル群を有するプログラムP103には、このプログラム
P9において必要なメーカ毎にあるいは機種毎の診断サ
ポートプログラムが含まれることになる。
【0029】上記したソフトウエアについて、本発明で
は、修理作業者が携帯端末を介して共通の表示画面と入
力操作性のもとで修理を行うことができるように、表示
制御と入力制御を主に行う全機種に共通の修理アプリケ
ーションのプログラムと、給湯器の機種毎に異なる故障
診断サポート機能、メンテモニタ機能、模擬リモコン機
能、個別部品駆動機能等を実現する為の機種毎のファイ
ルとを有する。
【0030】図3は、給湯器の一例の構造図である。こ
のような風呂機能付きの給湯器の構造は良く知られてい
る。簡単に説明すると、給湯熱交換器28、風呂熱交換
器20とに分けられ、給湯側の給湯回路23内にはサー
ミスタ24、25、26、水量センサ27等が設けら
れ、風呂側の回路29には循環ポンプ30、サーミスタ
38、水流スイッチ39等が設けられている。また、ガ
ス流路には元ガス電磁弁35、給湯側ガス電磁弁36、
風呂電磁弁37、それにガス切替弁1、2ガス比例弁等
が設けられている。それぞれの燃焼室には着火用のイグ
ナイタと着火を検出するフレームロッドが設けられ、燃
焼制御用に燃焼ファン31、流量センサ32が設けられ
ている。33は圧力センサ、34は注湯弁である。
【0031】前述したガス圧測定用のチューブCN3
は,図中のガス比例弁の下流側に取り付けられる。ま
た、電力測定端子CN4は、図示しない給湯器の電源線
に接続され給湯器全体での電力消費量を測定する。
【0032】図4は、図3の給湯器の各アクチュエータ
やセンサを制御する制御部であり、マイクロコンピュー
タなどのCPU41、それに接続されるEEPROM4
8から構成される。47は台所や浴室に取り付けられる
リモコンである。CPU41内は、通常の構成では、演
算ユニット42、アクチュエータの駆動状態やセンサの
出力、制御シーケンスで使用されるフラグや定数などの
データが記憶されるRAM43、制御プログラムや定数
が記憶されるROM44、A/D、D/A変換器45、
インターフェース46がバスを介して接続されている。
EEPROM48には、エラーデータ、その履歴、各種
設定定数などが記憶されている。
【0033】そして、CPU41から、インターフェー
ス46を介して、図3で説明した各アクチュエータに駆
動信号が供給され、センサからの検出データを受領す
る。
【0034】本発明では、故障診断装置としての携帯端
末10が入出力ボックス20を介して、二芯の通信線4
9経由でCPU41に接続される。50はその通信線4
9を接続する為のコネクタである。本発明では、給湯器
側にこのコネクタ50をハードウエアとして追加するこ
とを要求している。
【0035】図5は、給湯器の制御プログラムの構成を
示す図である。図4のROM44内には、燃焼制御シー
ケンスプログラムとして、給湯、自動、追い炊き等の通
常燃焼シーケンスを制御する通常燃焼シーケンス制御部
T1を有する。この通常制御シーケンスプログラムにお
いて、燃焼制御、リモコンとの通信、アクチュエータ駆
動、センサ値入力等を行う。また、外部との通信制御部
T2も有する。外部との通信制御部T2が、今回の故障
診断装置との通信を行う為に必要なプログラムであり、
これがソフトウエア的に給湯器に要求される構成であ
る。ハードウエア的には前述の通りコネクタ50であ
る。
【0036】燃焼制御シーケンスの通常燃焼シーケンス
制御部T1では、リモコン側からの開始指令信号を受信
した時に、例えばそれらのプログラムの実行を示すRA
M43内のフラグがオンされることで燃焼制御プログラ
ムが実行される。そして、センサの状態をRAM43内
に格納されたデータから検出して、燃焼制御に必要なア
クチュエータの駆動を指令するデータを、RAM43内
の対応する領域に書き込む。そのRAM43に書き込ま
れた指令データは、アクチュエータに指令信号として与
えられる。
【0037】[故障診断]以上が、全体の構成の説明で
ある。本発明の故障診断装置では、全てのメーカの全て
の機種に対して汎用的に使用することができる様に、給
湯器側に追加されるべきハードウエア、ソフトウエアを
ごくわずかなものに制限している。そして、故障診断装
置をできるだけ汎用化する為に、故障診断を行う携帯端
末内のソフトウエアの構成を、汎用的な部分と、各機種
毎に異なる対応プログラムの部分とに分けている。図2
内でプログラムP103が、サポートされる機種毎に必
要なプログラムの部分である。
【0038】熟練した技能を有しない修理作業員の為に
本発明の修理支援システムでは、故障診断サポート機能
を設けているが、この部分も機種毎に異なる。そのた
め、本発明ではそれらの共通化できない部分は、プログ
ラムP103によって対応されるのである。一方、修理
作業員に対して機種毎に共通の表示画面と操作性を提供
することができる様に、修理作業員への表示と入力の制
御を共通化した修理アプリケーションプログラムを提供
する。
【0039】図6は修理支援の全体のフローチャート図
である。図中、Sを付した番号の工程は修理支援装置に
よるステップで、Kを付した番号の工程は給湯器側のス
テップである。また、図7は、その詳細な部分フローチ
ャート図である。
【0040】修理のスタートでは、修理作業員が修理支
援装置である携帯端末10と入出力ボックス20とを給
湯器の設置場所に運搬し、通信線49を給湯器のコネク
タ50に差し込み、ガスチューブCN3を二次圧測定部
に取付け、電力測定端子CN4を電源に取り付ける(S
1)。
【0041】そこで、携帯端末10の表示画面にメイン
画面が表示され、修理作業員により開始ボタンがオンさ
れる(S2)。それに伴い、携帯端末10から修理フロ
ーの開始を指示するコードとしてパスワードが給湯器に
送信される(S3)。
【0042】給湯器側では、その送信されてきたパスワ
ードをチェックし、正しいコードであることを確認した
後に、給湯器の機種やメーカ等の情報を返信し、ソフト
ウエア的に修理モードにはいる(K2)。具体的には、
外部装置との通信プログラムを実行状態にし、マイクロ
コンピュータ内のRAM領域への書き込みや読み出しを
許可する等である。
【0043】携帯端末側では、給湯器情報を受信してそ
れに対応するプログラムをP103から選択する(S
4)。その結果、携帯端末10は、接続した給湯器専用
の修理支援装置となる。このように、給湯器側から機器
情報を取得することは、多数の種類の機器に対して汎用
的に修理支援を行う為には非常に有効な方法である。ま
た修理員が給湯器の機種番号を確認して入力する等の手
間を省き、誤って選択される事故を防ぐことができる。
また、同じ機種番号であっても制御装置のプログラムに
マイナーな修正がおこなわれるバージョンアップにも対
応することができる。無論、プログラムP103を常に
最新のものに維持して置くことが必要である。
【0044】次に、修理作業員はメイン画面内からメニ
ューを選択する(S5)。
【0045】全体のフローとしては、図6に示される通
り、メンテモニタプログラムを選択し(S6)、模擬リ
モコンプログラムを選択し(S7)または個別部品駆動
プログラムを選択し(S8)、或いは故障診断サポート
プログラムを選択した(S9)後に、全ての修理が終了
して、メインメニューの終了ボタンが押される(S1
0)。その結果、携帯端末10から修理の終了を指示す
るコードであるパスワードが送信される(S11)。給
湯器側ではそのパスワードが正しいことを確認してか
ら、マイクロコンピュータ41をリセットして、修理中
に強制的に書き換えられたRAM内のデータをクリアす
る(K3)。このリセットは、通常のマイクロコンピュ
ータのリセット機能を使用することができる。この結
果、給湯器は通常の制御モードに戻ることになる。
【0046】[メンテモニタ機能]図8は、メンテモニ
タ機能を選択した時に携帯端末に表示される画面例を示
す。図8(A)はメンテモニタ選択画面であり、同図
(B)はその表示画面である。図7の詳細フローチャー
トに示される通り、メンテモニタ機能が選択されると
(S9)、メンテモニタ選択画面(図8(A))が表示
される。図8(A)に示される例から理解される通り、
モニタされるのは、各センサ類からのデータや燃焼制御
上必要な測定時間等のRAM43内に格納されて常にア
ップデートされるデータである。従って、作業員がモニ
タしたい項目を選択して実行ボタンをクリックすること
で(ステップS61)、メンテモニタプログラムは給湯
器内のRAM43内の対応するアドレスのデータを常に
読みにいくよう制御する。そして、図8(B)の様に選
択された項目が理解し易い具体的な物理量に変換して表
示される(ステップS62、S63)。
【0047】給湯器の制御で説明した通り、燃焼シーケ
ンス制御部では、常に制御情報がRAM43内の領域に
書き込まれ読みだされる。従って、燃焼制御の状態をモ
ニタするには、RAM43内をモニタすることが非常に
有効である。従って、プログラムP103により、対応
する機種の給湯器内のRAM43を読みだすプログラム
を提供することにより、携帯端末10は給湯器内の動き
を常に監視することができるのである。
【0048】このメンテモニタ機能を、後述する模擬リ
モコン機能または個別部品駆動機能と組み合わせること
で、給湯器の制御部内の動きを逐一モニタすることがで
き、修理における故障部位の特定または故障の原因を検
出する作業性が飛躍的に向上する。
【0049】[模擬リモコン機能]図9は、模擬リモコ
ン機能を選択した時の画面例を示す図である。この画面
が、対応機種に接続されるリモコンと同じ指令ボタン、
状態ランプ、温度、水位等が表示される。この模擬リモ
コン機能が選択された時は、携帯端末は他のリモコン4
7をエミュレートすることになり、修理作業員は携帯端
末画面からリモコンによる通常の燃焼シーケンスを給湯
器に指示することができる。即ち、運転ボタンをオンに
して指令ボタンを有効にした後、例えば自動ボタンをク
リックすると給湯器は自動シーケンスを実行する。ま
た、風呂温度の設定を変えることで浴槽に注湯される温
度が変更される。
【0050】リモコンからの指令の方法は、機種、メー
カによって異なる。例えば、給湯器内のRAM43の所
定の領域のフラグにオンデータを書き込むだけで、後は
給湯器側の制御プログラムがRAMのその領域を参照し
て指令が出されたことを検出して、そのシーケンスの実
行を始める。或いは、リモコンからの指令により制御プ
ログラムを呼び出すサブルーチンプログラムが実行され
る。それぞれの機種に応じた適切な処理が、選択された
プログラムP103により行われる(ステップS7
2)。
【0051】図11は、前述したメンテモニタ機能と模
擬リモコン機能を選択した時のメイン画面例である。画
面領域63の右側に図9の模擬リモコン画面が、左側に
図8(B)のメンテモニタ表示画面がそれぞれ表示され
る。模擬リモコン機能によって給湯器に実行させようと
するシーケンスに適合するモニタ事項を、あらかじめ図
8(A)のメンテモニタ選択画面から選択する。そし
て、模擬リモコン機能によって指定したシーケンスの実
行を給湯器に行わせながら、同時表示のメンテモニタ表
示画面を携帯端末から見ることができる。その時、同時
にテスタ、消費電力、ガス圧も領域62内で確認するこ
とができる。この様にリモコン操作をして給湯器の内部
状態を逐一観察することができ、故障部位の特定の作業
効率が飛躍的に向上する。
【0052】[個別部品駆動機能]図10は、個別部品
駆動機能を選択した時の画面例を示す図である。図10
(A)はその選択画面であり、接続された対象機種が有
していて修理支援装置側からの個別の駆動が許されるア
クチュエータのリストが示されている。図10(B)
は、それにより選択されたアクチュエータの具体的な駆
動内容を指示する個別駆動指示画面である。図7に示さ
れる様に、画面図10(A)により駆動させたい部品を
選択すると(S81)、図10(B)が表示されその画
面内で駆動の指示内容が設定される(S82)。
【0053】その結果、携帯端末10から選択された部
品(アクチュエータ)を駆動する為に必要な処理が通信
線を介して給湯器のマイクロコンピュータに与えられ
る。その具体的な処理としては、模擬リモコンと同様に
RAM43内の所定のアドレスの駆動状態のデータに書
き換えるとか、必要なサブルーチンを呼び出すとかであ
る。この点も、各機種毎に異なるプログラムP103に
より実行される。
【0054】図10(B)の画面の例では、ファンモー
タに対してはどの程度の回転数で運転するのか或いは停
止するのかの指示を与えることができる。イグナイタに
対してもそれぞれの指示内容を設定することができる。
【0055】図12は、個別部品駆動機能とメンテモニ
タ機能を同時に選択した時のメイン画面例である。図1
1の場合と同様に、領域63内の右側に図10の個別部
品駆動指示画面が、左側にメンテモニタ表意画面が同時
に表示される。あらかじめ、故障診断で駆動チェックが
必要な部品を図10(A)の個別駆動選択画面で選択さ
れ、図12の右側の個別駆動指示画面から適宜ボタンを
クリックして駆動させ、その時のマイクロコンピュータ
内部の状態を左側のメンテモニタ表示画面で監視するこ
とができる。
【0056】このメイン画面には、領域62に常に消費
電力とガス圧が表示される。従って、最も簡単な診断方
法として、個別部品駆動機能により全てのアクチュエー
タを順番に駆動してその消費電力の変化を監視すること
で、アクチュエータが動作可能かどうかのチェックを行
うことができる。
【0057】以上の模擬リモコン機能と個別部品機能と
を組み合わせて使用することにより、例えば、需要者か
ら説明された正常動作しない通常燃焼シーケンスを、模
擬リモコン機能を利用して最初に実行させ、内部動作を
モニタする。そして、それにもとづくある程度の故障部
位の予測のもとに、今度は個別部品駆動機能を利用して
選択した部品を駆動されて内部動作をモニタする。
【0058】このような修理作業は、ある程度の技能を
有する作業員の場合に有効である。本発明は、その様な
習熟した技能を持たない作業員であっても修理支援する
ことができる様に次の様な故障診断サポート機能を提供
する。
【0059】[故障診断サポート機能]図13は、故障
診断サポート機能を選択した時の最初の場面例である。
この故障診断サポート機能は、修理技能がそれ程高くな
い作業員が、携帯端末と会話をしながら最終的に故障部
位を特定することができるようになっている。図13
は、その最初の画面例であるが、図7に示した通り、会
話形式でより下層画面を呼出しながら故障部位の特定が
される。
【0060】図13の例に示される通り、例えば給湯器
が出力するエラーコードをもとにして故障部位を特定す
るメニューと、部位をもとにして故障部位を特定するメ
ニューと、故障の現象である不具合をもとにして故障部
位を特定すメニューとを有する。他にも、有効な診断の
糸口があればそれらのメニューを追加することができ
る。
【0061】図14は、故障診断サポートプログラムの
データベース例を示す図である。このデータベースの例
では、例えばリレーショナルな関係で関連付けられた下
層の画面を例にして示している。従って、図中のローマ
ン数字がその階層の深さを示している。この例では、メ
インメニューをI階層目とするとV階層まで有してい
る。階層IIは、エラーコードを基にするメニューを選択
した時に表示される画面71を有する。通常給湯器側
は、エラーコードをEEPROM48内に格納している
ため、このメニューが選択されると、そのデータが携帯
端末10により通信線を介して読みだされて表示され
る。
【0062】そこで、その画面からエラーコードを選択
すると、階層IIIの画面72、73等が表示される。こ
の画面は、各エラーコード毎にチェックすべき或いは故
障の可能性がある部位のリストである。各給湯器の機種
毎にエラーコードに対する部位リストが異なるので、こ
の画面のデータはプログラムP103により与えられ
る。図14の例では、エラーコード1の画面72には、
ファンモータ、給湯ガス弁、切替ガス弁1、イグナイタ
がリストされている。
【0063】そこで、更にそのリストからファンモータ
を選択すると、階層IVの画面74が表示される。この画
面にはファンモータが正常か故障かを診断する為に必要
なチェック項目のリストが表示される。例えば、印加電
圧の項目を選択すると、階層Vの画面76が表示され
る。この画面では、ファンモータの印加電圧を診断する
為に作業員がすべき内容のメッセージと、その電圧の許
容範囲が例えば表示される。メッセージ例としては、
「コネクタxx番を外してプローブを当てて下さい。」
と言った内容であり、それに従って作業員がプローブを
当てると、プログラム側で自動的にファンを駆動させ、
その時の電圧を測定して画面の領域62に表示する。そ
の電圧が許容範囲か否かをプログラム側で自動的に確認
して、何らかの次の作業を指示するメッセージを表示す
る(図中には示さず)。
【0064】この様にして、作業員は会話形式で図14
中の階層間を或いは階層内の画面間を移動しながら、最
終的に故障部位を特定する。
【0065】図14のデーターベースは、リレーショナ
ルな関連を有し、例えば階層IIIの画面72の給湯ガス
弁と画面73での給湯ガス弁とは同じ画面75に関連付
けられる。
【0066】故障診断サポート機能の別の例として、図
14の様に上層さら下層までのルートを修理作業員に選
択させるのではなく、単に修理作業員はYESかNOの
ボタンを選択するだけで、プログラム側でルートを自動
的に選択する方法でも良い。図15は、そのような場合
に使用される下層の画面例である。この例は、燃焼ファ
ンの回転動作をチェックする時の画面であるが、この下
層画面には、基本的には、ある質問メッセージと修理作
業員が入力するYESとNOのボタンが表示されるのみ
である。或いは、修理作業員に所定の箇所の電圧測定な
どの何らかの行為を要求するメッセージが表示されるの
みである。後述する故障診断サポートファイルによって
指定される故障診断手順にしたがって自動的に図15の
如き画面が表示され、修理作業員は単にYESかNOの
ボタンをクリックするだけで、故障部品に到達すること
ができる。そして、最終的に部位は故障か否かの判断
は、ソフトウエアにより行われる部位もあれば、テスタ
等の測定値にもとづいて修理作業員により行われる部位
もある。
【0067】図16は、部位をもとにした故障診断サポ
ートプログラムのデータベース例を示す図である。例え
ば、使用者からより具体的に調子が悪い部位についての
情報が与えられたり、ある程度可能性がある部位まで特
定された場合等は、このメニューが選択されることでそ
の部位の故障診断がサポートされる。階層IIの画面81
は部位のリストで、階層IIIの画面82、83、84は
それぞれの部位で診断すべき項目リストで、階層IVの画
面85、86はそれぞれの診断のメッセージ画面であ
る。階層II以下は、各機種毎に異なるのでプログラムP
103でサポートされる。この場合も、階層間または階
層内の画面を移動しながら最終的に故障部位を特定す
る。
【0068】図17は、不具合をもとにして診断する場
合のデータベース例である。このメニューが選択される
と、階層IIの画面91にその機種特有の典型的な不具合
のリストが表示される。例えば、給湯温度が上がらずと
か震動音がする等である。そして、例えば使用者からの
情報による不具合とか、模擬リモコンから通常シーケン
スを実行された時の不具合をもとに、このリストから選
択する。すると、階層IIIの画面92には、給湯温度が
上がらない不具合の時に診断すべき部位のリストが示さ
れる。後は、前述の場合と同様にして、階層IVの画面9
3、94、階層Vのメッセージ画面95等を利用して故
障部位の特定を行う。
【0069】この例の場合は、階層II以下の階層が機種
毎に異なるのでプログラムP103によりサポートされ
る。この様にして、作業員は会話形式で図16中の階層
間を或いは階層内の画面間を移動しながら、最終的に故
障部位を特定する。
【0070】上記の図14、16、17のエラーコード
をもとにした画面、部位をもとにした画面、そして不具
合をもとにした画面間でも移動しながら修理部位の特定
作業が行われる。従ってそれぞれの階層画面間での移動
も可能になっている。
【0071】以上の説明では、通信線を介して修理支援
装置と給湯器等の燃焼機器とを接続する例で説明した
が、例えば赤外線等の通信媒体を介して無線で通信する
場合でも本発明は適用される。
【0072】図2で説明した故障診断サポート機能のう
ち、エラーコードを基にした故障診断サポートを行う為
に、機種毎に診断シーケンスファイルが機種固有ファイ
ル群P103内に設けられる。図18は、故障診断サポ
ートのフローの別の例を示す図である。この例では、図
14で示した様に下位の階層に移動する度に修理作業員
に選択させるのではなく、診断シーケンスファイルに格
納したシーケンスに従って診断すべき部品が選択され、
修理作業員は図15に示される通り表示画面に表示され
る質問に対してYES,NOの回答をし、メッセージに
従って各部位の測定や操作或いは部品の交換等を行うだ
けでよい。
【0073】従って、図18では、診断シーケンスファ
イル(P103)内のデータは階層構造になったリレー
ショナルなものであるが、表示されるのは最下層の12
5や128、129に示されるメッセージとYES,N
Oの選択ボタンである。
【0074】まず、エラーコード1が給湯器内のEEP
ROM48に格納されて給湯器の表示部やリモコンに表
示されていたとすると、給湯器内の複数の系統のうちど
の系統から故障診断すべきかを示した順序テーブル12
1にしたがい、最初にチェックすべき系統が自動的に選
択される。この順序テーブル121は、診断シーケンス
ファイル(P103)内に格納される。図18の例で
は、ファン系統、ガス弁系統、イグナイタ系統の3つの
系統の内、最初はファン系統から診断することが、順序
テーブル内に示されている。この順序テーブル121
は、例えば故障率等に従ってその機種で最も故障しやす
い系統から順番に故障診断されるように可変設定され
る。
【0075】そして、図中122の如くファン系統に対
して、再度順序テーブル123に従って最初に故障診断
チェックすべき部位が選択される。例えば、図中124
の如く燃焼ファンモータが選択されると、診断シーケン
スファイル内の燃焼ファンモータの部分のデータに従っ
て、図中125の様にメッセージ或いは質問メッセージ
がYES,NOボタンと共にモニタ画面に表示される。
【0076】図18の例で、ファン系統内において燃焼
ファンモータとaセンサに異常が見いだされない時は、
ファン系統の故障診断は終了する。そして、上層に戻
り、順序テーブル121に従って次の故障診断の対象と
なる系統が選択される。表121によれば、次の故障診
断の対象としてガス弁系統が選択される。更に、ガス弁
系統内で故障診断対象部位である4つの弁に対する順序
テーブル126が参照される。そして、開始のコラムに
示される通り例えば比例弁が選択される。比例弁の故障
診断の為に図中128のようなメッセージ或いは質問と
YES,NOボタンが表示される。
【0077】比例弁の故障診断が終了して異常が検出さ
れないと、再度順序テーブル126に従って、次の故障
診断対象の部位が選択される。
【0078】更に、図18において、給湯弁が選択され
た場合は、図に示される通り、「基板の給湯弁コネクタ
をはずしてプローブをあてる」等のメッセージが表示さ
れる。その結果、図1で示した入出力ボックスのプロー
ブCN2を解して給湯弁のコネクタの部分の抵抗値が測
定される。この抵抗値が適正値からはずれている場合
は、その給湯弁は故障と認定され、弁の取り替えがメッ
セージに表示される。或いは、修理作業員が判断する。
【0079】以上の通り、故障診断サポートのフローは
階層化されて、各階層内での診断対象を優先度を示す順
序テーブルで選択しながら下位の階層と上位の階層間を
往復する。
【0080】上記した機器固有ファイル群P103内の
診断シーケンスファイルは、給湯器の機種毎に作成され
る。上記の構文のルールにしたがい、各機種特有の故障
診断シーケンスを記述することができる。特に、診断の
順番を決める順序テーブルはその機種の過去に蓄積した
故障率に応じて適宜変更されることにより、最適な診断
の順番を与えることができる。更に、故障率の高い部位
を改良した結果、その故障率が低下した場合などにも、
それに対応して順序ステーブルを変更することが好まし
い。
【0081】[故障データとその収集及び利用]修理支
援システムを利用して修理を行うことにより、修理に関
するデータを収集することができる。具体的には、燃焼
機器の機種情報、そのエラーコード、最終的に故障と認
定された部位、故障と判断された時にメンテモニタ機能
やテスタ機能により測定された物理量等を修理支援装置
はメモリに蓄積することができる。従って、本発明の特
徴的な点は、それらの故障データを修理支援装置が収集
し、データベース化して、燃焼機器の改良、設計変更、
或いは診断シーケンスファイルへのフィードバックに利
用することである。
【0082】図19は、修理支援装置により収集される
故障データの例を示す図である。この例では、故障デー
タは、機器の種類を示す機器コード、エラーコード、故
障と診断された部位名、その時に測定された値等であ
る。更に、図19の故障データには、診断対象となった
燃焼機器のトータル燃焼時間のデータも集められること
が望ましい。通常、燃焼機器は、そのマイクロコンピュ
ータ内に使用時間(燃焼時間)についてのデータを記録
している。従って、修理支援装置がその全燃焼時間のデ
ータをマイクロコンピュータから読み出すことで、故障
データの一部にすることができる。全燃焼時間は、燃焼
機器の使用期間によって故障しやすい部位が異なるの
で、かかるデータを収集することが本発明の目的に合致
している。
【0083】図19に示したような故障データは、修理
支援装置が故障診断の時に内部に蓄積し、支店を通じて
センタに集められてデータベース化される。前述した、
修理支援装置の故障支援サポート機能や個別部品駆動機
能或いは模擬リモコン機能を利用することにより、最終
的に故障部位が検出されるので、その故障部位について
の上記のデータが収集される。
【0084】図20は、その故障データの収集と利用の
例を示す図である。修理支援装置1が例えば燃焼機器
A,Bの故障診断を行い、それぞれの故障データを収集
する。同様に、修理支援装置2が燃焼機器C、Dの故障
診断を行い、それぞれの故障データを収集する。これら
の修理支援装置1,2が収集した故障データは、一旦支
店のコンピュータを介して集められる。そして更に、各
支店からの収集故障データがセンタに通信媒体等を介し
て集められる。センタでは、その収集された故障データ
から故障データベースを構築する。
【0085】図21は、故障データベースの一例を示す
図である。この例では、燃焼機器それぞれに対して、エ
ラーコードと各エラーコードに対応する部位のデータが
リレーショナルな関係で構築されている。そして、部位
データには、図21に示される通り燃焼時間毎の故障率
及び測定値が含まれる。尚、測定値については紙面の関
係から図中には具体的数値を示していない。
【0086】この故障率は、例えば各燃焼機器が有する
全部位で100%になるように与えられる。従って、燃
焼時間毎に燃焼機器が故障した時に部位(部品)の故障
の頻度を与えることができる。
【0087】そこで、かかる故障データベースをセンタ
で構築することにより、図18で示したファイルP10
3内の診断シーケンスファイルを最適化することができ
る。例えば、診断シーケンスファイル内には、各診断系
統の順番を規定した診断系統順序テーブル121や、各
系統に属する部位の診断の順番を規定した順序テーブル
123,126を有する。そこで、診断データベースの
故障率からそれらの順序テーブルを最適化し、書き換え
ることで、故障診断におけるの故障部位のヒット率を上
げることができる。図21の例でいうと、各系統に属す
る部位の故障率の合計に従って、診断系統の順序テーブ
ルが最適化される。また、各部位の故障率に従って、系
統内の順序テーブルが最適化される。そして、これらの
最適化された順序テーブルは、燃焼時間によって異なる
ものが与えられる。従って、その例の場合は、故障診断
装置は、燃焼機器内のマイクロコンピュータが記憶する
燃焼時間を読み出してから、対応する順序テーブルを参
照して診断シーケンスファイルの解析を行う。
【0088】或いは、故障データベースを燃焼機器のメ
ーカに提供することにより、メーカ側では、例えば故障
率の高い部品の改良や対策品として取り扱う等の措置を
講じることができる。その結果、燃焼機器の故障率を下
げることができる。更に、メーカは、故障時の測定値も
その部位の評価、改良等に利用される。
【0089】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、修
理支援装置を利用して故障診断を行った場合は、その故
障データを収集することができる。従って、その故障デ
ータを収集してデータベースを構築することにより、燃
焼機器の部品の改良や燃焼機器そのものの改良に利用す
ることができる。また、故障部位のデータベースから故
障診断シーケンスを最適化することができる。従って、
修理作業員の感や経験に基づく診断シーケンスではな
く、過去の故障実績に裏付けられた診断シーケンスを確
立することができる。従って、それを使用して修理支援
装置により故障診断を行うと故障診断の工程を大幅に短
くすることができ、修理の効率を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】給湯器修理支援システムの全体の構成を示す図
である。
【図2】修理支援装置の携帯端末10内のソフトウエア
機能の構成を示す図である。
【図3】給湯器の一例の構造図である。
【図4】給湯器の各アクチュエータやセンサを制御する
制御部のブロック図である。
【図5】給湯器の制御プログラムの構成を示す図であ
る。
【図6】修理支援の全体のフローチャート図である。
【図7】修理支援の詳細な部分フローチャート図であ
る。
【図8】メンテモニタ機能を選択した時に携帯端末に表
示される画面例を示す図である。
【図9】模擬リモコン機能を選択した時の画面例を示す
図である。
【図10】個別部品駆動機能を選択した時の画面例を示
す図である。
【図11】メンテモニタ機能と模擬リモコン機能を同時
に選択した時のメイン画面例を示す図である。
【図12】個別部品駆動機能とメンテモニタ機能を同時
に選択した時のメイン画面例を示す図である。
【図13】故障診断サポート機能を選択した時の最初の
画面例を示す図である。
【図14】故障診断サポートプログラムのデータベース
例(1)を示す図である。
【図15】故障診断サポート機能を選択した時の他の画
面例を示す図である。
【図16】故障診断サポートプログラムのデータベース
例(2)を示す図である。
【図17】故障診断サポートプログラムのデータベース
例(3)を示す図である。
【図18】故障診断サポートのフローの例を示す図であ
る。
【図19】修理支援装置により収集される故障データの
例を示す図である。
【図20】故障データの収集と利用を示す図である。
【図21】故障データベースの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 修理支援装置 2 給湯器 10 携帯端末 41 制御部 43 RAM P103 機器固有ファイル群(診断シーケンスファイ
ル、順序ファイル)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼制御プログラムを実行する制御部を有
    する燃焼機器の修理支援装置において、 該燃焼機器の制御部と通信を行う通信手段と、 修理作業員に対する入出力を行うモニタ及び入力手段
    と、 該燃焼機器の部位に接続されて所定の物理量を測定する
    テスタ手段と、 該燃焼機器内のセンサを介して検出される検出データを
    該制御部から取得するモニタ手段と 診断対象の燃焼機器に適用される診断シーケンスのデー
    タを格納する診断シーケンスファイルと、 該診断シーケンスファイルの診断シーケンスのデータに
    従って該燃焼機器の部位の診断を行う故障診断手段と、 故障部位を特定した時、少なくとも機種データ、故障部
    位データ及びテスタ手段またはモニタ手段により測定ま
    たは検出された測定データを含む故障データを記録する
    手段とを有し、 前記診断シーケンスのデータは、該修理支援装置が記録
    した故障データを収集して求められた部位の故障率に基
    づいて変更される診断順序テーブルを有し、当該診断順
    序テーブルに従って前記故障診断手段が部位の診断順序
    を決定する ことを特徴とする修理支援装置。
  2. 【請求項2】燃焼制御プログラムを実行する制御部を有
    する燃焼機器の故障データ収集・利用方法において、 該燃焼機器の制御部と通信を行う通信手段と、修理作業
    員に対する入出力を行うモニタ及び入力手段と、該燃焼
    機器の部位に接続されて所定の物理量を測定するテスタ
    手段と、該燃焼機器内のセンサを介して検出される検出
    データを該制御部から取得するモニタ手段と、診断対象
    の燃焼機器に適用される診断シーケンスのデータを格納
    する診断シーケンスファイルと、該診断シーケンスファ
    イルの診断シーケンスのデータに従って該燃焼機器の部
    位の診断を行う故障診断手段と、故障部位を特定した
    時、少なくとも機種データ、故障部位データ及びテスタ
    手段またはモニタ手段により測定または検出された測定
    データを含む故障データを記 録する手段とを有する修理
    支援装置を使用して、 該修理支援装置が記録した故障デ
    ータを収集し、データベース化する工程と、 前記データベースから求められた部位の故障率にもとづ
    いて、前記診断シーケンスデータの診断順序テーブル
    変更される工程と 前記故障修理支援装置の前記故障診断手段を使用して診
    断するとき、前記診断順序テーブルに従って部位の診断
    順序を決定する工程と を有することを特徴とする燃焼機
    器の故障データ収集・利用方法。
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