JP3095115B2 - 多層プリント配線板用光・熱硬化型アンダーコート剤及び多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板用光・熱硬化型アンダーコート剤及び多層プリント配線板の製造方法

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JP3095115B2
JP3095115B2 JP22843395A JP22843395A JP3095115B2 JP 3095115 B2 JP3095115 B2 JP 3095115B2 JP 22843395 A JP22843395 A JP 22843395A JP 22843395 A JP22843395 A JP 22843395A JP 3095115 B2 JP3095115 B2 JP 3095115B2
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猛 八月朔日
聖 中道
共美 本庄谷
正宏 三井
豊昭 岸
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性エネルギー線
照射による低コストで生産性の高い非粘着性化と熱によ
る本硬化からなる新しい多層プリント配線板用光・熱
硬化型アンダーコート剤を提供するものであり、更に、
このアンダーコート剤を用いた多層プリント配線板の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多層プリント配線板を製造する場
合、回路が形成された内層回路基板上にガラスクロス基
材にエポキシ樹脂を含浸して半硬化させたプリプレグシ
ートを1枚以上重ね、更にその上に銅箔を重ね熱板プレ
スにて加熱一体成形するという工程を経ている。しか
し、この工程では含浸樹脂を熱により再流動させ一定圧
力下で硬化させるため、均一に硬化成形するには1〜
1.5時間は必要である。このように製造工程が長くか
かる上に、多層積層プレス及びガラスクロスプリプレグ
のコスト等により高コストとなっている。加えてガラス
クロスに樹脂を含浸させる方法のため、回路層間厚みの
極薄化も困難であった。
【0003】近年、これらの問題を解決するため、熱板
プレスによる加熱加圧成形を行わず、層間絶縁材料にガ
ラスクロスを用いない、ビルドアップ方式による多層プ
リント配線板の技術が改めて注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記熱板プ
レスで成形する方法に対して低コスト、短時間で簡素化
された方法で多層プリント配線板を完成させるものであ
る。
【0005】ビルドアップ方式による多層プリント配線
板において、フィルム状の層間絶縁樹脂層を用いた場
合、プリプレグで層間絶縁樹脂層を形成する方法と比べ
て作業効率が著しく向上する。しかし、内層回路板の絶
縁基板と回路との段差部分にある空気を巻き込むことが
予想され、それを防止するためは、減圧の環境下でラミ
ネートを行わねばならず、特殊な設備が必要になってく
る。また、ラミネートした絶縁層が内層回路板の絶縁基
板と回路との段差に追従するため、表面平滑性が得られ
ず、部品実装時に半田付け不良等が発生したり、エッチ
ングレジスト形成工程でレジストの剥離、パターン現像
度低下が発生して安定したレジスト形成ができない等の
問題がある。
【0006】さらに、プリプレグを使用した場合も同様
であるが、内層回路パターンの銅箔残存率によって埋め
込む樹脂量が変化することから同じフィルムを使用して
も成形後の板厚が同じにならない。つまり、銅箔残存率
が大きく埋め込むべき部分が少ない場合は板厚が厚くな
り、銅箔残存率が小さく埋め込むべき部分が多い場合は
板厚が薄くなることから、銅箔残存率によってフィルム
厚も変えなければ同じ板厚を達成することができない。
また、一枚の内層回路板でも場所により銅箔残存率に差
がある場合には得られた多層プリント配線板の板厚が均
一にならない欠点が生じることになる。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、内層回路板に
塗工される多層プリント配線板用光・熱硬化型アンダー
コート剤に関し、特に、光・熱硬化型アンダーコート剤
を塗工し、活性エネルギー線照射により非粘着性化させ
た後、熱硬化型絶縁性接着剤層を有する銅箔をラミネー
トし、次いで、加熱により一体硬化させる多層プリント
配線板に用いる光・熱硬化型アンダーコート剤、及び前
記多層プリント配線板の製造方法に関するものである。
【0008】即ち、スクリーン印刷、ローラーコータ
ー、カーテンコーターなどで液状のアンダーコート剤を
塗工して、内層回路板の銅箔回路間隙を充填し、UV照
射コンベア等の露光機によって活性エネルギー線照射に
より非粘着性化させる。その後、熱硬化型絶縁性接着剤
付き銅箔を接着させる際に加熱された硬質ロール等でラ
ミネートすることにより該アンダーコート剤を再溶融さ
せ、表面平滑性を得ることができる。そのとき、銅箔に
コートされた熱硬化型絶縁接着剤は重量平均分子量10
000以上のエポキシ樹脂成分により形状を維持したま
ま、すなわち層間厚みを保った状態で接着されるため、
内層銅箔残存率に依存することなく板厚精度に優れた多
層プリント配線板を作製することができる。そして、ラ
ミネート後加熱して同時一体硬化反応させることにより
多層プリント配線板用光・熱硬化型アンダーコート剤と
熱硬化型絶縁性接着剤付き銅箔とを一体成形させる。
【0009】本発明において、アンダーコート剤は内層
回路板の銅箔回路間隙を充填し、内層回路表面を平滑化
するもので、下記の成分(イ)、(ロ)、(ハ)及び
(ニ)からなることを特徴とするものである(但し、酸
ペンダント型ゴム変性臭素化エポキシビニルエステル樹
脂を含有する場合を除く)。 (イ)臭素化率20%以上で、分子量500〜4000
の常温で固形状態にあるエポキシ樹脂、 (ロ)エポキシ樹脂硬化剤、 (ハ)光重合性及び熱反応性モノマーからなる希釈剤、 (ニ)光重合開始剤。
【0010】本発明に用いられる(イ)の常温で固形状
態のエポキシ樹脂は、臭素化率20%以上で、分子量5
00〜4000であるビスフェノール型エポキシ樹脂、
ノボラック型エポキシ樹脂、または、これらの混合物で
あり、常温で固形状のものである。融点は、通常、50
〜150℃の範囲にあれば良い。ビスフェノール型エポ
キシ樹脂としては、ビスフェノールA型またはビスフェ
ノールF型等が使用され、特にビスフェノールA型のも
のが好ましい。更には、ノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、フェノールノボラック型やクレゾールノボラック
型等も使用可能である。
【0011】前記臭素化エポキシ樹脂の臭素化率は20
%以上である。臭素化率20%未満であると、得られた
多層プリント配線板がUL規格による難燃性v−0を達
成することができない。なお、臭素化率の上限はエポキ
シ樹脂のベンゼン核のうち、臭素化が可能な部分をすべ
て臭素化した場合であり、これによりこの上限値は決定
される。
【0012】(ロ)エポキシ樹脂硬化剤としては、一般
に用いられる各種硬化剤が使用できる。例えば、4,
4’−ジアミノフェニルメタン、4,4’−ジアミノジ
フェニルスルホン、m−フェニレンジアミン、p−フェ
ニレンジアミン等の芳香族ジアミン;ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン、ヘキサメチレントリアミン、メンセンジアミン、
イソホロンジアミン等の脂肪族ポリアミン;イミダゾー
ル、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチル
イミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニ
ル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチ
ルイミダゾール、ビス(2−エチル−4−メチル−イミ
ダゾール)、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニ
ル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、
2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾー
ル及びトリアジン付加型イミダゾール等のイミダゾール
類、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘ
キサヒドロフタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメ
リット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸等の酸
無水物、三フッ化ホウ素のアミン錯体、ジシアンジアミ
ド又はその誘導体などが挙げられ、これらをエポキシア
ダクト化したものやマイクロカプセル化したものも使用
できる。また、本発明においては、必要に応じてエポキ
シ樹脂の硬化促進剤を添加しても良い。
【0013】硬化促進剤としては、一般に用いられる各
種硬化促進剤が使用でき、例えば、トリブチルアミン、
ベンジルメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチル
アミノメチル)フェノール等の第三級アミン類、2−エ
チル−4−メチルイミダゾール、N−ベンジルイミダゾ
ール等のイミダゾール類、尿素類、ホスフィン類、金属
塩類等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上
を併用しても良い。エポキシ樹脂硬化剤量としては、硬
化剤の種類によって異なるが、通常グリシジル基に対し
て0.1〜1.0当量である。
【0014】(ハ)光重合及び熱反応性モノマーからな
る希釈剤としては、(a)1分子中に少なくとも1個の
水酸基を有するアクリレート又はメタクリレート化合
物、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキ
シエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレ
ート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシ
ブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、ブタンジオールモノアクリレートグリセロールメタ
クリレート、フェノキシヒドロキシプロピルアクリレー
ト、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレ
ングリコールメタクリレート、又はグリセロールジメタ
クリレート等である。また、(b)1分子中に1個以上
のグリシジル基を有するグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート等の光重合性モノマーも好ましく
用いられる。(a)の化合物と(b)の化合物とは、そ
れぞれ単独又は併用して使用することができる。特に、
好ましいモノマーとしては、活性エネルギー線照射によ
り固化し非粘着性化した後において、熱硬化性の優れた
グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートで
あり、これらを単独、又は取扱いを容易にするために
(a)の化合物と併用使用することが実用上好ましい。
通常、(ハ)成分である希釈剤の量としては、(イ)成
分のエポキシ樹脂100重量部に対し、20〜100重
量部、好ましくは30〜70重量部の割合である。
【0015】(ニ)光重合開始剤としては、ベンゾフェ
ノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノ
ン、ヒドロキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン
類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、
ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾインアルキ
ルエーテル類、4―フェノキシジクロロアセトフェノ
ン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t
−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセ
トフェノンなどのアセトフェノン類、チオキサンソン、
2-クロルチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン、
2,4−ジメチルチオキサンソンなどのチオキサンソン
類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノンなど
のアルキルアントラキノン類などを挙げることができ
る。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用
いられる。この光重合開始剤の添加量は、通常 0.1〜
10重量%の範囲で用いられる。
【0016】その他、本発明の多層プリント配線板用光
・熱硬化型アンダーコート剤には必要に応じて、保存安
定性のために紫外線防止剤、熱重合防止剤、可塑剤など
が添加できる。また、粘度調整のためにアクリレートモ
ノマー、メタクリレートモノマー、ビニルモノマーなど
を添加してもよい。更には、溶融シリカ、結晶性シリ
カ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、
マイカ、タルク、ホワイトカーボン、Eガラス粉末など
の無機充填材を配合することができ、銅箔や内層回路板
との密着性や耐湿性を向上させるためのエポキシシラン
カップリング剤、ボイドを防止するための消泡剤、ある
いは液状又は粉末の難燃剤等を添加することもできる。
【0017】これらの成分からなる本発明の多層プリン
ト配線板用光・熱硬化型アンダーコート剤は、実質的に
無溶剤系であり、しかも低粘度であるため、内層回路板
の銅箔回路間隙を充填し、内層回路表面を平滑化する。
また、活性エネルギー線照射により容易に固形になり、
非粘着性化できる。
【0018】特に、従来の熱により乾燥・非粘着性化
行なう工程に代えて、活性エネルギー線照射のみにより
非粘着性化を行うため、本発明においては、成分(イ)
の常温で固形状態にあるエポキシ樹脂と成分(ハ)の光
重合及び熱反応性モノマーからなる希釈剤とを用いるこ
とに特徴がある。
【0019】調製された本発明のアンダーコート剤はワ
ニス状態であり、成分(ハ)がまず溶剤として、成分
(イ)及びその他の成分を溶解して内層回路板の銅箔回
路間隙を充填し、内層回路表面を平滑化する。この状態
で活性エネルギー線を照射して成分(ハ)を重合させる
と、成分(ハ)は固形化に伴い溶剤としての効果を失う
ため成分(イ)が析出する。このとき、硬化した成分
(ハ)及びその他の成分は固形成分(イ)中に分散され
る。従って、常温で適度な固形の非粘着状態にある成分
(イ)が選択されれば、本発明のアンダーコート剤は、
熱硬化反応することなく非粘着性化する。このような
粘着性化の機構が本発明の最大の特徴である。本発明の
目的を達成するための、アンダーコート剤の塗工及び熱
硬化型絶縁性接着剤付き銅箔をラミネートし硬化する方
法について概要を図1を用いて説明する。
【0020】また、活性エネルギー線を照射することに
より硬化した本発明の成分(ハ)は熱反応性の官能基も
有するため、その後の熱硬化反応時に主剤のエポキシ樹
脂または硬化剤と反応するので、その硬化物は、耐熱
性、耐薬品性等にも優れる。
【0021】次に、銅箔にコートする熱硬化型絶縁性接
着剤について説明する。一般に層間絶縁層である接着剤
のフィルム化や巻物化の手法としてはゴム系化合物やポ
リビニルブチラール、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹
脂などの熱可塑性樹脂を主成分として配合しているが、
これらの成分は多層プリント配線板としての熱的性能を
著しく低下させる。このため、本発明に用いる接着剤
は、前記アンダーコート剤との一体化硬化させる際に流
動性を小さく抑えて層間厚みを保ち、フィルム成形性を
持たせるため、更には難燃性を付与するために、好まし
くは、臭素化率20%以上で、重量平均分子量1000
0以上のビスフェノールA型エポキシ樹脂又はビスフェ
ノールF型エポキシ樹脂とその硬化剤を配合している。
前記エポキシ樹脂の配合割合は全エポキシ樹脂中30〜
90重量%、好ましくは50〜90重量%である。硬化
剤としては前述のアンダーコート剤に用いたものを使用
することができる。
【0022】本発明の目的を達成するための、アンダー
コート剤の塗工及び熱硬化型絶縁性接着剤付き銅箔をラ
ミネートし硬化する方法について概要を図1を用いて説
明する。
【0023】(A) 内層回路板(1)上に液状のアンダ
ーコート剤(3)をスクリーン印刷、ローラーコータ
ー、カーテンコーター等の従来のコーティング設備を使
用して内層回路(2)を完全に覆う厚さまで塗工する。
埋め込み量が不十分であると、この後のラミネートで空
気を巻き込むことになる。その後、UV照射コンベア等
の露光機で活性エネルギー線照射することにより非粘
着性化させる
【0024】(B) 表面に熱硬化型絶縁性接着剤(4)
付き銅箔(5)をラミネートする。ラミネーターは表面
平滑性を達成するために硬質ロール(6)を使用するの
がよい。ラミネート条件として内層回路のパターンによ
って異なるが、圧力は 0.5〜6kgf/cm2 程度、
表面温度は常温から100℃程度、ラミネートスピード
は0.1〜6m/分程度で行う。硬質ロールを用いるこ
とで表面平滑性を達成することができる。このとき内層
回路(2)と銅箔(5)との層間厚は熱硬化型絶縁性接
着剤の厚みで達成することができる。
【0025】(C) 次いで、加熱することによりアンダ
ーコート剤(3)と銅箔にコートされた熱硬化型絶縁接
着剤(4)とが同時一体硬化反応して多層プリント配線
板を形成することができる。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
「部」は重量部を表す。
【0027】《実施例1》臭素化ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂(臭素化率25%、重量平均分子量3000
0)150部とビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポ
キシ当量175、大日本インキ化学工業(株)製エピクロ
ン830)30部をMEKに撹拌しながら溶解し、そこ
へ硬化剤としてマイクロカプセル化した2−メチルイミ
ダゾール120部とシランカップリング剤(日本ユニカ
ー(株)製 A-187)10部を添加して熱硬化型絶縁性
接着剤ワニスを調製した。このワニスを厚さ18μmの
銅箔のアンカー面に乾燥後の厚さが40μmとなるよう
にローラーコーターにて塗布、乾燥し熱硬化型絶縁性接
着剤付き銅箔を作製した。
【0028】次に、臭素化ビスフェノールA型エポキシ
樹脂(臭素化率50%、エポキシ当量約800、分子量
約1600)100部をグリシジルメタクリレート60
部に溶解し、そこへ硬化剤として2−フェニル−4−メ
チル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール1.0部、及
び光重合開始剤(チバガイギー製イルガキュア651)
2.0部を添加し、ホモミキサーにて十分撹拌してアン
ダーコート剤とした。
【0029】更に、基材厚 0.1mm、銅箔厚35μm
のガラスエポキシ両面銅張積層板をパターン加工して内
層回路板を得た。銅箔表面を黒化処理した後、上記アン
ダーコート剤をカーテンコーターにより厚さ約40μm
に塗工した。その後、UVコンベア機にて80W/cm
の高圧水銀灯2本で約2J/cm2 の条件で紫外線照射
し、活性エネルギー線照射により非粘着性化したアンダ
ーコート剤上に温度100℃、圧力2kg/cm2 、ラ
ミネートスピード 0.8m/分の条件により、硬質ロー
ルを用いて上記熱硬化型絶縁性接着剤付き銅箔をラミネ
ートし、180℃、20分間加熱硬化させ多層プリント
配線板を作製した。
【0030】《実施例2》実施例1において、アンダー
コート剤に使用するエポキシ樹脂をノボラック型エポキ
シ樹脂(臭素化率35%、エポキシ当量約280、分子
量1400)を使用した以外は実施例1と同様にして多
層プリント配線板を作製した。
【0031】《実施例3》実施例1において、アンダー
コート剤に使用するグリシジルメタクリレート60部に
代えて、グリシジルメタクリレート30部及びヒドロキ
シエチルメタクリレート30部を使用した以外は実施例
1と同様にして多層プリント配線板を作製した。
【0032】《比較例1》内層回路板の上に塗布し、1
80℃、60分間加熱して完全硬化させる以外は実施例
1と全く同様にして多層プリント配線板を作製した。
【0033】《比較例2》アンダーコート剤を塗工しな
い以外は実施例1と同様にして多層プリント配線板を作
製した。
【0034】得られた多層プリント配線板は表1に示す
ような特性を有している。 表 1 ─────────────────────────────────── 表面平滑性 吸湿半田耐熱性 埋込み性 層間絶縁層厚 難燃性 ─────────────────────────────────── 実施例1 3μm ○ ○ 35μm V−0 実施例2 5 ○ ○ 40 V−0 実施例3 3 ○ ○ 35 V−0 比較例1 15 ○ ○ 40 V−0 比較例2 5 × × 30 V−0 ───────────────────────────────────
【0035】(試験方法) 内層回路板試験片:線間150μmピッチ、クリアラン
スホール 1.0mmφ 1.表面平滑性:JIS B 0601 R(max) 2.吸湿半田耐熱試験 吸湿条件:プレッシャークッカー処理、125℃、2.
3気圧、30分間 試験条件:n=5で、全てが280℃、120秒間で膨
れが無かったものを○とした。 3.埋込み性:外層銅箔を剥離後、内層回路への埋め込
み性を光学顕微鏡を用い目視によって判断し、埋め込ま
れているものを○とした。 4.層間絶縁層厚:多層プリント配線板を切断し、その
断面を光学顕微鏡で観察し、内層回路と表面銅箔との層
間絶縁層厚さを測定した。 5.難燃性:UL−94に準じて測定した。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法に従うと、熱硬化型絶縁接
着剤付き銅箔を硬質ロール等でラミネートすることによ
り、内層回路に塗工後光照射により固化し非粘着性化し
アンダーコート剤が再溶融して表面が平滑化し、銅箔
にコートされた熱硬化型絶縁接着剤が厚さを維持してい
るため、内層銅箔残存率に依存することなく板厚制御に
優れた多層プリント配線板を作製することができる。更
に、ラミネート後加熱して同時一体硬化反応を行うこと
によりアンダーコート剤と銅箔にコートされた熱硬化型
絶縁接着剤とを一体成形することができる。アンダーコ
ート剤の主成分であるエポキシ樹脂を臭素化エポキシ樹
脂を使用し、更に好ましくは銅箔にコートされた熱硬化
型絶縁接着剤にも臭素化エポキシ樹脂を使用することに
より、得られた多層プリント配線板をUL規格V−0に
まで難燃化することができる。また、従来のようにプリ
プレグと熱板プレスを用いず、またアディティブ法のよ
うにメッキを施すこともなく、ラミネート法により外層
銅箔を有した多層プリント配線板を製造することができ
るため、絶縁層形成及び外層導電層形成に要する時間は
非常に短縮化され、工程の単純化や低コスト化に貢献で
きる。更にガラスクロスを用いないため層間絶縁層を極
薄にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の多層プリント配線板(一例)を作製
する工程を示す概略断面図
【符号の説明】
1 内層回路板 2 内層回路 3 アンダーコート剤 4 熱硬化型絶縁性接着剤 5 銅箔 6 硬質ロール 7 多層プリント配線板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸 豊昭 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住 友ベークライト株式会社内 審査官 中川 隆司 (56)参考文献 特開 平8−325339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/46 C08F 299/02 C08G 59/30

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(イ)、(ロ)、(ハ)及び
    (ニ)からなることを特徴とする多層プリント配線板用
    光・熱硬化型アンダーコート剤(但し、酸ペンダント型
    ゴム変性臭素化エポキシビニルエステル樹脂を含有する
    場合を除く)。 (イ)臭素化率20%以上で、分子量500〜4000
    の常温固形状態にあるエポキシ樹脂、 (ロ)エポキシ樹脂硬化剤、 (ハ)光重合及び熱反応性モノマーからなる希釈剤、 (ニ)光重合開始剤。
  2. 【請求項2】 成分(ハ)が1分子中に1個以上のアク
    リロイル基又はメタクリロイル基、及び1個以上のグリ
    シジル基を有する光重合及び熱反応性モノマーからなる
    希釈剤である請求項1記載の多層プリント配線板用光・
    熱硬化型アンダーコート剤。
  3. 【請求項3】 成分(ハ)がグリシジルメタクリレート
    である請求項1記載の多層プリント配線板用光・熱硬化
    型アンダーコート剤。
  4. 【請求項4】 成分(ハ)が1分子中に1個以上のアク
    リロイル基又はメタクリロイル基、及び1個以上の活性
    ヒドロキシル基を有する光重合及び熱反応性モノマーか
    らなる希釈剤である請求項1記載の多層プリント配線板
    用光・熱硬化型アンダーコート剤。
  5. 【請求項5】 成分(ハ)がグリシジルメタクリレート
    と1分子中に1個以上のアクリロイル基又はメタクリロ
    イル基、及び1個以上の活性ヒドロキシル基を有する光
    重合及び熱反応性モノマーからなる希釈剤の混合物であ
    る請求項1記載の多層プリント配線板用光・熱硬化型ア
    ンダーコート剤。
  6. 【請求項6】 内層回路板に請求項1記載の多層プリン
    ト配線板用光・熱硬化型アンダーコート剤を塗工し、活
    性エネルギー線照射により非粘着性化させた後、熱硬化
    型絶縁性接着剤層を有する銅箔をラミネートし、次い
    で、加熱により一体硬化させることを特徴とする多層プ
    リント配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 内層回路板に請求項5記載の多層プリン
    ト配線板用光・熱硬化型アンダーコート剤を塗工し、活
    性エネルギー線照射により非粘着性化させた後、熱硬化
    型絶縁性接着剤層を有する銅箔をラミネートし、次い
    で、加熱により一体硬化させることを特徴とする多層プ
    リント配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記熱硬化型絶縁性接着剤がエポキシ樹
    脂及びその硬化剤からなり、エポキシ樹脂の主成分が、
    臭素化率20%以上で、重量平均分子量10000以上
    のビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、エポキシ当量
    500以下のビスフェノール型エポキシ樹脂からなる請
    求項6記載の多層プリント配線板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記熱硬化型絶縁性接着剤がエポキシ樹
    脂及びその硬化剤からなり、エポキシ樹脂の主成分が、
    臭素化率20%以上で、重量平均分子量10000以上
    のビスフェノール型エポキシ樹脂、及び、エポキシ当量
    500以下のビスフェノール型エポキシ樹脂からなる請
    求項7記載の多層プリント配線板の製造方法。
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