JP3082002B2 - 鉄道車輪踏面の異常検出装置 - Google Patents

鉄道車輪踏面の異常検出装置

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JP3082002B2
JP3082002B2 JP03208833A JP20883391A JP3082002B2 JP 3082002 B2 JP3082002 B2 JP 3082002B2 JP 03208833 A JP03208833 A JP 03208833A JP 20883391 A JP20883391 A JP 20883391A JP 3082002 B2 JP3082002 B2 JP 3082002B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車輪踏面の異常検
出装置に関し、より詳細には、鉄道車両の台車単位の車
輪のタイヤフラットなどの踏面の異常を的確に検出し
て、踏面異常による騒音解消の防止に役立てることがで
きるようにした鉄道車輪踏面の異常検出装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】走行中の鉄道車両にブレーキをかけて停
止させる場合において、車両の車輪に作用するブレーキ
力が車輪とレールの間の粘着限界力(粘着係数と輪重の
積)に比し、過大となると、車輪の回転が停止されたま
ま車両が進行するいわゆる滑走現象を生じ、車輪とレー
ルとの接触部が摩耗し、平面状に削られることがある。
【0003】このようにして発生した車輪の平面状部を
タイヤフラットと称している。このようなタイヤフラッ
トが車輪に存在すると、騒音、振動などを惹起し、鉄道
沿線の住民などから苦情が持ち込まれる事態を生ずる。
【0004】殊に、近来、車両の高速運転にともなっ
て、増圧ブレーキの使用やATC(自動列車制御装置)
が採用されるようになったため、タイヤフラットの発生
はますます増大する傾向にあり、これが原因となって振
動公害、あるいは騒音公害といわれるような社会問題に
もなってきている。
【0005】したがって、このような問題に対処すべ
く、タイヤフラットの早期発見と修復のための適切な方
法あるいはタイヤフラット検出装置の開発が切望されて
いる。
【0006】ところで、車輪フラットや剥離、割れ等の
踏面異常の発見方法を大別すれば、人間の体感による方
法と、測定装置を用いた方法とがある。
【0007】前者の体感による方法は、乗務員の聴覚に
基づく把握や、仕業検査者のハンマー打撃時の音色また
は踏面の目視観察等に基づく発見方法である。
【0008】一方、後者の測定装置を用いたものとして
は、従来からいくつかの方式が提案されており、たとえ
ば、特公昭61−33363号公報(以下、「第1公
報」という)には、鉄道車両用車輪のタイヤフラット検
出装置が開示されている。
【0009】この第1公報のタイヤフラット検出装置
は、所定の測定区間を車輪が通過するときに輪重検出手
段で輪重を検出し、その検出出力に重畳された高周波振
動成分のうちの負値電圧と正値電圧とを検出し、この両
検出出力が負値検知に始まり正値検知が後続することを
検出し、正値検知出力により、高周波振動成分を所定時
間だけアナログゲートで通過させ、このアナログゲート
の出力をフラット衝撃として検出するよう構成されてい
る。
【0010】また、特公昭52−48361号公報(以
下、「第2公報」という)には、相隣る枕木間に、枕木
から等距離隔して2個のひずみゲージを付設し、このひ
ずみゲージにより車輪がレールを通過する際の剪断力を
検出し、この2個のひずみゲージの検出出力の差を加算
器で求め、この加算器の出力から車輪のタイヤフラット
がレールをたたく衝撃力による周波成分の信号を濾波器
で抽出し、これと基準値とを比較器で比較し、比較器の
出力から車輪のタイヤフラットを検出するようにしたタ
イヤフラット検出方法が開示されている。
【0011】さらに、特公昭58−2373号公報(以
下、「第3公報」という)には、レールを支持する枕木
間に、車輪によりレールに加わる曲げモーメントを検出
する検出手段をレールもしくは枕木のいずれか一方に複
数設け、近接する複数個の検出手段の両端間を単位の測
定区間とし、この測定区間内の検出手段の和を求めて、
車輪のタイヤフラットを検出するタイヤフラット検出方
法が開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、タイヤ
フラット等の踏面の異常検出方式のうち、人間の体感に
よる検出方法には、次のような問題がある。
【0013】即ち、乗務員の聴覚では、速度等の条件が
適切な区間で注意を払ったとしても、大きなフラットし
か把握できず、また乗務中の全車両について把握するこ
とは困難である。
【0014】また、仕業検査においては、レールとの接
触部や制動子等の死角は把握できず、さらに夜間作業が
殆どであるため現行以上の把握は困難な状況にある。
【0015】このような問題点を抜本的に解消するため
には、体感管理から定量管理への質的変革を図る必要が
ある。
【0016】一方、その定量管理を行うための、上記第
1公報および第2公報のいずれのタイヤフラット検出装
置も、レールに検出用センサを取り付けることを前提に
しており、レールへの精密な孔あけ加工、センサ取付面
の平面加工などの大がかりな取付工事を施さねばなら
ず、装置の取付けに長時間が費やされ、計測場所を簡単
に移動できないという難点があった。
【0017】また、第3公報の場合には、レール軌道や
枕木等を何ら変更することなくタイヤフラットの検出が
行える利点を有するが、この第3公報の場合には車輪に
よりレールに加わる曲げモーメントを検出する方式であ
るために、車輪の全周に相当する長い測定区間に多数の
ひずみゲージを配設する必要があり、費用が高額化する
難点があり、上記第1、第2公報の場合と同様にタイヤ
フラットの検出精度も必らずしもよくない。
【0018】一方、列車は走行する時間、区間などによ
り、列車の編成替えが頻繁に行われ、タイヤフラットの
生じた車輪を有する車両の列車編成および当該車両(車
号)を特定する必要があるが、従来のものの場合には、
列車編成を自動的に特定できなかったり、予め定められ
た車両編成しか特定できず、編成替えが行われたとき
は、対応できないものであった。しかも、タイヤフラッ
ト等の測定データを即座に関連部門へ伝達することもで
きなかった。
【0019】本発明は、上述の事情に鑑みてなされたも
ので、その第1の目的とするところは、編成車両の車号
の特定およびその台車単位での踏面異常を完全無人状態
で正確に検出することができる鉄道車輪踏面の異常検出
装置を提供することにある。
【0020】また、本発明の第2の目的とするところ
は、列車の車号の識別を正確に且つ迅速に行うことがで
きるとともに、識別した車両の台車単位で車輪の踏面の
異常を検出し、その踏面の異常の解析を正確に行うこと
ができ、しかもその解析結果に対応する処置の判断資料
を管理個所へ迅速に伝送することができる鉄道車輪踏面
の異常検出装置を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
第1の目的を達成するために、鉄道車両に取り付けられ
高周波電波を受信して上記鉄道車両の車号識別を可能に
変調処理をして電波を送信する車号識別タグと、レール
の近傍の測定区間に配置され車輪単位で上記鉄道車輪の
進入と退出をそれぞれ検出する2個の車輪検知器と、
記測定区間より所定距離手前まで車両が接近したことを
検出する接近検知センサと、上記2個の車輪検知器間に
おける枕木に設けられ上記車両の台車単位で車輪の踏面
異常を検出する半導体ひずみゲージ式の加速度センサ
と、上記レール近傍に配置され上記車号識別タグに向け
て上記高周波電波を送信するとともに上記車号識別タグ
から送信される上記変調処理された電波を受信する車号
読取アンテナとを備え、上記接近検知センサが車両の接
近を検出したとき、上記車号読取アンテナから上記高周
波電波を送信し、上記車号識別タグから発せられる信号
をもとに車両を特定すると共に、上記2個の車輪検知器
から発せられる信号を基に台車を特定しつつ、上記加速
度センサの出力を基に車輪の踏面の異常を台車単位で自
動的に検出し、上記車輪検知器の信号が所定時間生じな
くなったとき、車両の最後尾の通過と判定し、上記車号
読取アンテナからの高周波電波の送信を休止し、車輪の
踏面の異常検出処理を自動的に終了するように構成した
ことを特徴としたものである。
【0022】請求項2の発明は、上記第2の目的を達成
するために、鉄道車両に取り付けられ高周波電波を受信
して上記鉄道車両の車号を識別可能に変調処理をして電
波を送信する車号識別タグと、レールの近傍の測定区間
に配置され車輪単位で上記鉄道車輪の進入と退出を検出
する複数の車輪検知器と、上記測定区間より所定距離手
前まで車両が接近したことを検出する接近検知センサ
と、上記車両の台車単位で車輪の踏面異常を検出する半
導体ひずみゲージ式の加速度センサと、上記レール近傍
に配置され上記車号識別タグに向けて上記電波を送信す
るとともに上記車号識別タグから送信される上記変調処
理された電波を受信する車号読取アンテナと、この車号
読取アンテナに上記高周波電波を送信させるとともにこ
の車号読取アンテナで受信された電波の復調処理および
アナログ/ディジタル変換処理を行って上記車両の識別
信号を出力する高周波ソースと、上記加速度センサの出
力信号の雑音成分を除去して増幅する直流増幅器と、車
両単位の車号データを格納するリーダと、車輪検知器で
検知された信号を入力すると、優先割込み用のトリガ信
号を出力するトリガ回路と、このトリガ回路から出力さ
れる上記トリガ信号により割込みがかけられ上記リーダ
に格納されている車号データを読み出してこの各車号デ
ータに対応する上記直流増幅器の出力信号から車輪の踏
面異常の解析処理を行う演算処理部と、この演算処理部
により解析された各車号データ、各台車データおよびこ
れらに対応する車輪踏面データ等を電話回線を介して伝
送する送信手段とを備え、上記接近検知センサによる車
両の接近の検知に応答して、上記車号読取アンテナから
の上記高周波電波の送信ほか上記車輪の踏面異常検出処
理を開始し、上記車輪検知器の信号が所定時間生じなく
なったとき、上記車両の最後尾の通過と判定し、上記車
号読取アンテナからの上記高周波電波の送信ほか上記車
輪の踏面異常検出処理を終了し、引続く車両が上記接近
検知センサにより検知されるまで一連の処理を休止する
ように構成したことを特徴としたものである。
【0023】
【作用】上記のように構成された鉄道車輪踏面の異常検
出装置は、レール上を走行する鉄道車両が測定区間に接
近すると、車号読取アンテナから高周波の電波の送信が
開始される。この高周波の電波を、車両に取り付けられ
ている車号識別タグが受信すると、この車号識別タグ
は、その電を車両ごとの車号識別可能なデータに変調
して車号読取アンテナに電波を送信し、車号読取アンテ
ナでこの電波を受信する。
【0024】また、車両が測定区間に進入してくると、
2個の車輪検知器のうちの一方で車輪の進入を検知し、
他方の車輪検知器で車輪の退出を検出する。この進入側
および退出側の車輪検知器の出力から、当該車両の台車
を特定する。この台車単位の検出途中に半導体ひずみゲ
ージによる加速度センサで、前台車の前輪と後輪または
後台車の前輪と後輪のいずれかに踏面異常が存在すれ
ば、その台車単位での車輪踏面の異常を検出する。
【0025】そして、より具体的には、前台車の前輪と
後輪または後台車の前輪と後輪の台車単位における踏面
異常を加速度センサで検出し、この加速度センサの検出
信号を直流増幅器に入力してノイズ成分を除去して増幅
した後、演算処理部に出力する。
【0026】一方、リーダには、車号識別タグから読取
った車両番号(車号)や車両の種別などの車両単位の車
号データを格納しておき、車輪検知器で検知された進入
信号と退出信号をトリガ回路に入力すると、トリガ回路
は、優先割込み用のトリガ信号を演算処理部に出力す
る。
【0027】演算処理部は、このトリガ信号により割込
みがかけられ、リーダに格納されている車号データを読
み出して、この車号データと2つの車輪検出器によって
特定された台車の加速度に対応する直流増幅器の出力信
号から車輪の踏面の異常解析処理を行って、踏面異常に
対する修復処置のデータを出力する。
【0028】そして、これらのデータは、送信手段によ
り電話回線を介して管理個所へ伝送される。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。
【0030】図1は、本発明に係る鉄道車輪踏面の異常
検出装置の一実施例の全体構成を示すブロック図であ
る。
【0031】この図1において、1は複数車両編成によ
る列車の最前部の鉄道車両(以下、単に「車両」とい
う)である。この車両1には、前台車の前輪と後輪、後
台車の前輪と後輪(いずれも、図示せず)が取り付けら
れている。すなわち、車両の車輪は、通常前台車と後台
車に、それぞれ前輪と後輪が取り付けられている。
【0032】この車両1の前台車の前輪と後輪および後
台車の前輪と後輪が、1対のレール2a,2b上を転動
して車両1が矢印A1方向に走行するものとして以下説
明する。この車両1の所定個所、たとえば側面の上部に
車号識別タグ3(以下、「IDタグ」という)が取り付
けられている。
【0033】このIDタグ3は、各車両ごとに取り付け
られており、各車両の車号識別を行うために設けられて
いるものであり、各車両ごとの識別情報を、たとえば、
アルファベット20文字または10進法36桁の数字を
ROM(図示せず)に記憶させ得るようになっている。
【0034】そして、上記レール2a,2bの近傍の所
定個所に設置された車号読取アンテナ4から送信される
高周波数の電波、たとえば2.4GHzマイクロ波の電
波を受信し、この電波をエネルギー源として、電池を内
蔵することなく、内部の変調回路を作動させて、ROM
に記憶された例えば、車両番号、所属車庫、型式等の識
別情報を変調することにより、IDタグ3内の上記識別
情報を反射波として上記車号読取アンテナ4に送信する
ようになっている。
【0035】このように、IDタグ3は、電池を内蔵し
ないから、消耗する部分がなく、従ってメンテナンスが
不要であり、半永久的に使用できるものである。尚、リ
チウム電池を使用するものもあるが、その場合の電池寿
命は、7〜8年程度である。
【0036】また、上記変調は、振幅変調を採用してお
り、周波数変調や位相変調に対して、パルス性ノイズに
強いシステムとすることができる利点を有する。
【0037】このIDタグ3による車両1の車号の識別
は、マイクロ波によるものであるから、耐環境の範囲が
極めて広いという特微を有しており、たとえば、IDタ
グ3に泥やグリス等が付着する環境下でも、正確に識別
でき、雨、雪、霧などの悪天候下でも、正確に作動する
ものである。
【0038】一方、上記車号読取アンテナ4は、上記I
Dタグ3に対して電波を送信するとともに、IDタグ3
からの変調された反射電波を受信するようになってお
り、この車号読取アンテナ4は、図2の詳細な構成を示
すブロック図からも明らかなように、RF(高周波)ソ
ース5に接続されている。
【0039】このRFソース5は、送受信機、復調器、
増幅器を内蔵しており、上記IDタグ3に向けて送信す
る2.4GHzのマイクロ波の送信およびIDタグ3か
ら送信される変調された電波の復調と、その復調信号の
増幅およびディジタル変換を行って収納ラック16に設
けられたリーダ6aに出力するようになっている。
【0040】ここで、説明を再び図1に戻す。この図1
において、レール2a,2bのうちの少なくとも一方の
レールまたはその近傍の部位に、たとえばレール2b
に、車両1が測定区間より所定距離(例えば、約60
m)手前まで接近したことを検出する接近検知センサ7
が配設されている。
【0041】この接近検知センサ7の前方、すなわち、
車両1の矢印A1で示す進行方向の前方において、所定
距離隔てた位置(測定区間の始点位置)に進入車輪検知
器としての進入検知センサ8が配設され、さらにこの進
入検知センサ8と所定間隔(この例の場合、3.1
m)、すなわち、車両1の台車の長さにほぼ相当する寸
法を隔てて、退出車輪検知器としての退出検知センサ9
が配設されている。この退出検知センサ9は、車両1の
車輪が測定区間から退出するのを検出するものである。
【0042】つまり、車両1の1つの台車の前輪を進入
検知センサ8で検出したときと、その台車の後輪を退出
検知センサ9で検知したときのタイミングをとり、車両
1の1台車分の通過時間を検知することができるように
なっている。
【0043】これらの接近検知センサ7、進入検知セン
サ8、退出検知センサ9は、ともに非接触近接センサが
使用され、たとえば、高周波励振型近接スイッチが好適
である。
【0044】接近検知センサ7と進入検知センサ8との
間隔は、具体的には、接近検知センサ7で車両1の接近
を検知してから、本装置の電源供給を開始し、車号読取
アンテナ4が起動するのに必要な間隔に設定する。
【0045】これらの接近検知センサ7、進入検知セン
サ8、退出検知センサ9の出力は、それぞれ送信手段と
しての鉄道車輪踏面データ送信部(以下、「データ送信
部」という)6内のコンピュータの演算制御部としての
CPU6bに入力されるようになっている。
【0046】また、進入検知センサ8と退出検知センサ
9との間において、隣接する枕木10と11には、それ
ぞれ加速度センサとしての衝撃検知センサ12,13が
設けられている。衝撃検知センサ12,13は、車両1
の車輪のタイヤフラットや剥離などの踏面異常を検知す
るものであり、タイヤフラット等が生じているとき、タ
イヤフラット等により、レール2a,2bに与える衝撃
を枕木10とを介して検知するものである。
【0047】この衝撃検知センサ12,13として、本
実施例においては、検出精度のよくない剪断ひずみゲー
ジに代えて、高感度で且つ安定性のよい半導体ひずみゲ
ージによる加速度センサが使用されている。
【0048】半導体ひずみゲージは、シリコンおよびゲ
ルマニウムの単結晶のピエゾ抵抗効果を利用したもので
あり、加えられた応力に対して単結晶が異常に大きな抵
抗変化を示す。この半導体ひずみゲージの最大の利点
は、抵抗線ひずみゲージに比べて、非常に高感度な点で
あり、増幅器を簡略化することができるため、加速度セ
ンサ内に小型の増幅器を内蔵することができる。
【0049】市販の半導体ひずみゲージの抵抗温度係数
は、100〜200(×10−5℃−1)程度であり、
代表的な抵抗線ひずみゲージの約50倍であるが、ゲー
ジ係数も抵抗線ひずみゲージの50倍以上であり、温度
変化によるゼロ点の変動は、ひずみに換算すれば、抵抗
線ひずみゲージと同程度である。
【0050】このような半導体ひずみゲージを組み込ん
でモジュール化した加速度センサを衝撃検知センサ1
2,13として使用しており、この加速度センサは、マ
イクロマシン加工を施し、増幅回路、シグナルコンディ
ショナ、−20℃〜85℃に亘る温度補償回路等が内蔵
されている。
【0051】これらの衝撃検知センサ12,13の検知
出力も、上記CPU6bに送出されるようになってい
る。このCPU6bの出力は、モデム6pに入力され、
CPU6bの演算結果を電話回線14を通して、送信部
6からデータ受信部15に伝送されるようになってい
る。
【0052】このデータ送信部6とデータ受信部15の
部分の詳細な構成は、図2のブロック図に示されてい
る。この図2において、上記RFソース5とリーダ6a
が接続されており、RFソース5から出力されるディジ
タル化されたIDタグ3の車号データを格納するように
なっている。
【0053】上記衝撃検知センサ12,13の出力は、
増幅器6c,6dに入力されるようになっている。これ
らの直流増幅器6c,6dには、それぞれローパスフィ
ルタ(図示せず)が含まれており、衝撃検知センサ1
2,13から出力される出力信号に重畳されるノイズ成
分を除去して、直流成分を増幅した後、CPU6bに入
力するようになっている。
【0054】これらの直流増幅器6c,6dの出力端に
は、モニタ端子6e,6fが接続されている。このモニ
タ端子6e,6fに図示しないモニタを接続することに
より、直流増幅器6c,6dの出力信号、すなわち、衝
撃検知センサ12,13の出力を監視することもできる
ようになっている。
【0055】さらに、上記接近検知センサ7、進入検知
センサ8、退出検知センサ9の出力は、信号処理手段6
gの受信回路6iに入力されるようになっている。この
信号処理手段6gには、電源6h、受信回路6i、トリ
ガ回路6jが含まれており、電源6nから受信回路6
i、トリガ回路6jにそれぞれ動作電源を提供するよう
になっている。
【0056】受信回路6iは、これらの接近検知センサ
7、進入検知センサ8、退出検知センサ9の出力信号を
入力として、所定の信号処理を行って、波形整形を行っ
た後、トリガ回路6jを起動させるようになっている。
トリガ回路6jは、この受信回路6iにより起動される
と、トリガ信号をCPU6bに出力するようになってい
る。
【0057】この信号処理手段6gの出力端には、モニ
タ端子6k,6l,6mが接続されている。これらのモ
ニタ端子6k〜6mにモニタ(図示せず)を接続するこ
とにより、上記接近検知センサ7、進入検知センサ8、
退出検知センサ9の出力信号を監視することができるよ
うになっている。
【0058】CPU6bに上記トリガ信号が入力される
と、CPU6bの各種実行処理中に優先割込みがかけら
れ、CPU6bは、RS232Cポート6rを介して、
送受切換器(RS切換器)6oを受信側R(実線側)に
切り換えるようになっている。
【0059】送受切換器6oが受信側Rに切り換えられ
ると、リーダ6aに格納されている車号データを読み出
して、送受切換器6oおよびRS232Cポート6rを
介してCPU6b内に取り込むようになっている。
【0060】CPU6bは、この車号データに対応する
衝撃検知センサ12,13の出力に基づく車輪踏面の異
常の有無の判別およびその車輪が含まれる台車とその台
車を含む接近検知センサ7、進入検知センサ8、退出検
知センサ9の出力に基づいて、その踏面の異常のある車
輪を含む台車の特定およびその台車を含む車両の特定
等、異常の解析を行うようになっている。
【0061】この解析結果をデータ送信部6から電話回
線14を介してデータ受信部15に伝送する場合には、
RS232Cポート6rにより、送受切換器6oを送信
側Sに切り換えて、解析結果をRS232Cポート6r
により、送受切換器6oを介してモデム6pに出力する
ようになっている。
【0062】このモデム6pは、電話回線14を介し
て、データ受信部15内のモデム15aに接続されてい
る。モデム6pは、上記解析結果を変調し、モデム15
aは電話回線14を通して入力されるモデム6pの出力
信号を復調して、CPU15bに送出するようになって
いる。
【0063】CPU15bは、プリンタ15cやFAX
アダプタ15dに出力するのに適する信号処理を行うよ
うになっている。
【0064】なお、図2中の6nは、絶縁トランスであ
り、その1次側にAC100Vの商用電源が接続され、
2次側に図示しない整流回路を接続し、鉄道車輪踏面の
異常検出装置の各部に動作電力を提供するようになって
いる。
【0065】次に、以上のように構成されたこの発明の
動作について、図3、図4のフローチャートに沿って説
明する。図3はメインルーチンを示し、図4はデータ解
析処理のサブルーチンを示す。
【0066】まず、図3のフローチャートにおいて、車
両1の各車輪の踏面の異常を検出するために、鉄道車輪
踏面の異常検出装置のセンサー部、メモリ等のには、常
時電源を供給しておく。その理由は、列車編成に当た
り、各車両がいつも同一時刻の同一行先列車に編成され
るとは限らず、頻繁に列車編成替えが行われるために、
常時、車両1の通過を接近検知センサ7で監視する必要
があるからである。
【0067】この図3において、処理ルーチンの処理が
開始され、ステップS1の列車待受け状態からステップ
S2で手動によりキーを操作して、割込みをかけたか否
かの判断を行い、キー割込みがなければ、ステップS3
に進み、図示しないタイマーにより予め設定された1日
1回データ伝送部6からデータ受信部15へのデータ転
送を行う送信指定時刻になったか否かの判定をCPU6
bで行い、その判定の結果、送信指定時刻でないと判定
すると、ステップS4に処理が移る。
【0068】このステップS4において、車両1を編成
した列車が接近したか否かの判定を行う。この場合、接
近検知センサ7で車両1の接近を検出しない状態であれ
ば、ステップS4のNO側からステップS2の処理に戻
り、上記の処理を繰り返す。
【0069】また、ステップS4において、接近検知セ
ンサ7が車両1に接近、すなわち、列車の接近を検知す
ると、ステップS4のYES側からステップS5に処理
が移る。このステップS5において、本装置が各種デー
タの取込み処理を実行する。
【0070】すなわち、まず、接近検知センサ7の検出
出力が信号処理手段6gに伝送される。RFソース5、
接近検知センサ7、進入検知センサ8、退出検知センサ
9、衝撃検知センサ12,13の出力データは、3KH
zのサンプリング周期で15秒間4チャンネルで伝送さ
れる。
【0071】このようにして、接近検知センサ7の検出
出力が信号処理手段6gの受信回路6iに入力されると
これに応答して、RFソース5から2.45GHzのマ
イクロ波を車号読取アンテナ4から車両1のIDタグ3
に向けて電波の送信を開始し、IDタグ3がこの電波を
受信することにより、受信した電波をエネルギーとして
使用し、あらかじめROMに格納している車両1の識別
情報を読み出して、この識別情報をマイクロ波に振幅変
調して、車号読取アンテナ4に反射電波として送信す
る。
【0072】これにより、車号読取アンテナ4がこの反
射電波を受信して、RFソース5に送り、RFソース5
は、これを復調して識別情報を取り出すとともに、増幅
した後、アナログ/ディジタル変換して、リーダ6aに
転送し、このリーダ6aに車号データを格納しておく。
車号データの内容は、車両の種別と車両の番号等であ
る。
【0073】また、車両が矢印A1方向に走行するにつ
れて、上記接近検知センサ7を通過して、進入検知セン
サ8に至り、例えば、車両1の前台車の前輪が測定区間
としての踏面検知ゾーン(測定区間)に入ると、この進
入検知センサ8の検出出力も信号処理手段6gの受信回
路6iに入力される。
【0074】すなわち、図4のフローチャートにおい
て、ステップS101で、車両1の前台車の前輪を検出
して、図5において符号(c)に示すパルスP1を出力
し、次いで、前台車後輪を検出して、図5(c)のパル
スP2を出力する。これらのパルスP1,P2は、進入
検知センサ8から信号処理手段6g内の受信回路6iに
入力される。
【0075】次いで、列車がさらに進行して、車両1の
前台車の前輪が先に、次いで後輪が退出検知センサ9の
位置に至ると、この退出検知センサ9は、図5において
符号(d)をもって示すパルス波形のうち、Q1,Q2
のようなパルスを出力する。
【0076】これらのパルスQ1,Q2も信号処理手段
6g内の受信回路6iに入力される。
【0077】さらに、列車が進行して車両1の後台車の
前輪および後輪が進入検知センサ8の位置に順次至る
と、進入検知センサ8は、図5における符号(c)の波
形図中のP3,P4を出力する。
【0078】その後、車両1の後台車の前輪および後輪
が退出検知センサ9の位置に順次に至ると、退出検知セ
ンサ9は、図5における符号(d)をもって示すパルス
波形のうち、Q3,Q4のようなパルスを出力する。こ
れらパルスP3,P4およびQ3,Q4も進入検知セン
サ8および退出検知センサ9から信号処理手段6gの受
信回路6iに入力される。
【0079】このようにして、進入検知センサ8によ
り、車両1の前台車の前輪を検知してから後台車の前輪
を検知するまでの時間T0を測定する(S101)。こ
の時間T0は、前台車と後台車とが通過する時間であ
り、車両1の最後尾の通過の判定に用いられるものであ
る。
【0080】次いで、ステップS102で、進入検知セ
ンサ8がパルスPnを出力してから、退出検知センサ9
が図5(d)に示すパルスQn+1を出力するまでの区
間を切り出して、この間に衝撃検知センサ12,13か
ら出力されたデータを台車mのデータとする。すなわ
ち、m=2n−1とする。
【0081】次いで、このステップS102で処理内容
を次のステップS103で次の条件が成立するまで続け
る。 (A) データ取り込み時間が15秒に達するまで。 (B) ステップS101で求めた時間の3倍の時間が
経過したとき(車両の最後部を検出したものとみな
す)。
【0082】この(A),(B)の条件をCPU6bに
より、論理和で判別する。この切り出した区間、すなわ
ち、車両1の1台車分に相当する区間において、図5
(a),図5(b)に示すように、加速度センサとして
の衝撃検知センサ12,13で検知した車輪の衝撃(加
速度)の検出出力、つまり、踏面の検出出力を増幅器6
c,6dに出力する。
【0083】この直流増幅器6c,6dで衝撃検知セン
サ12,13の検出出力のノイズ成分を除去して、直流
増幅後、CPU6bに出力する。このCPU6bによ
り、衝撃検知センサ12,13の検出出力の最大値、最
小値を求める。この際、最小サンプル時間の2倍以下の
独立ピークは除去する。
【0084】このようにして求めた衝撃検知センサ1
2,13の最大値、最小値は、図3のフローチャートの
ステップS11でCPU6b内のメモリ(送信用ファイ
ル)に列車データとして追加して記憶する。
【0085】また、図4のフローチャートにおいて、上
記ステップS104で求めた衝撃検知センサ12,13
の検出出力(図5(a),図5(b))の最大値または
最小値の絶対値をステップS105で比較して、大なる
方をその車両のタイヤフラット衝撃データとしてCPU
6b内の上記メモリに記憶しておく。
【0086】次いで、ステップS106で進入検知セン
サ8から出力されるパルスPnの立ち上がりから退出セ
ンサ9から出力されるパルスQnの立ち上がりまでの時
間から車両速度Vmを求める。これは、車両速度に応じ
て異なる衝撃検知センサ12,13の出力レべルを補正
し、車輪の踏面異常検出の正確さを期すために求めるも
のである。
【0087】次に、ステップS107で台車単位で前
輪、後輪の踏面異常の検出データと車速Vmを、CPU
6b内のメモリに記憶しておく。
【0088】この図5(a),図5(b)の例では、3
両目の車両の前台車の前輪と後輪にタイヤフラット、す
なわち、踏面に異常があることを示しており、これをC
PU6b内のメモリに記憶する。次いで、ステップS1
02の処理に戻る。
【0089】このようにして、上記各種データを取り込
んだ後、図3のフローチャートのステップS5からステ
ップS6に移り、信号処理手段6g内において、受信回
路6iに入力した接近検知センサ7、進入検知センサ
8、退出検知センサ9の出力を処理して、受信回路6i
からトリガ回路6jに出力すると、トリガ回路6jから
トリガ信号がCPU6bに出力され、CPU6bの処理
に優先割込みがかけられる。
【0090】これにより、CPU6bは、RS232C
ポート6rを通して、送受切換器6oを受信側(実線
側)Rに切り換える。したがって、リーダ6aに格納さ
れている車両1の車号データ、つまり、車両の種別、車
両の番号のデータ等が読み出される。この車号データ
は、送受切換器6o,RS232Cポート6rを通し
て、CPU6bに読み込まれ、ステップS7にて、この
リーダ6aから読み込まれたデータに車号データがある
か否かの判定を行う。
【0091】この判定の結果、車号データがなければ、
ステップS7のNO側からステップS10に処理ルーチ
ンがジャンプし、車号データがあれば、ステップS8で
車号データが対象線路のデータか否かの判定を行う。
【0092】この場合、上り列車のIDタグ3のデータ
が必要であるものとし、この対象線路の列車のデータが
なければ、ステップS8のNO側から上記ステップS1
0にジャンプし、また、対象線路の列車のデータであれ
ば、ステップS9で上記CPU6b内のメモリに記憶し
ていた進入検知センサ8、退出検知センサ9および衝撃
検知センサ12,13の上記車号番号に対応する検出出
力を取り込んで、ステップS10でデータの解析処理を
行う。
【0093】すなわち、対象列車の車両番号に対応する
車輪の踏面の異常解析を図4のフローチャートで述べた
手順にしたがい、解析を行い、1〜2日分のタイヤフラ
ットに関する解析結果をCPU6b内のメモリにステッ
プS11で追加して格納する。
【0094】次いで、ステップS12で1列車分の列車
波形ファイルの1次保存を行って、一連の処理を終え
て、次の列車の踏面の異常検出を行うための待受け状態
となる。
【0095】また、図3のフローチャートのステップS
2において、キー割込み有りの場合には、ステップS1
3に分岐し、パラメータの設定処理が行われる。
【0096】さらに、図3のフローチャートのステップ
S3において、タイマーによる送信指定時刻になると、
ステップS3のYES側からステップS14に処理が分
岐し、CPU6bは、RS232Cポート6rを通して
送受切換器6oを送信側Sに切り換える。
【0097】次いで、ステップS15でCPU6b内の
メモリに格納した車号データに対応する車輪の踏面の検
出データ、すなわち、衝撃検知センサ12,13の検出
出力、および進入検知センサ8、退出検知センサ9の出
力などが送信し得るか否か、すなわち送信可能の有無を
判別する。この判別の結果、送信不能であれば、ステッ
プS15のNO側から処理ルーチンが分岐して、次の列
車待受け状態となる。
【0098】ステップS15において、送信可能と判定
されると、ステップS16に処理を移し、CPU6b内
のメモリに格納されていた車号に対応する衝撃検知セン
サ12,13で検出された車輪の踏面の異常、すなわ
ち、検知されたタイヤフラットのデータ(加速度値)、
列車の速度、車号データ、台車データなどのデータをC
PU6b内のメモリからRS232Cポート6rと送受
切換器6oを通してモデム6pに送り、そこで変調をか
けて、電話回線14を通してデータ受信部15に送信す
る。
【0099】データ受信部15内では、モデム15aに
より送信されたデータを復調して、CPU15bに送
り、このCPU15bの制御により、プリンタ15cを
制御してプリントアウトしたり、FAXアダプタ15d
を制御して、FAXの送信を開始させたりする。
【0100】次いで、ステップS17でCPU6bから
送信される次回通信パラメータをデータ受信部15で受
信する。この次回通信パラメータは、翌日のデータ受信
の指定を受けるものである。
【0101】次いで、ステップS18においてステップ
S16でのデータ送信部6からデータ受信部15への送
信とデータ受信部15での受信が正常に終了したか否か
の判定をCPU6bで行い、もし送受信が正常に行われ
ていないと判定されたときは、ステップS18のNO側
から処理が分岐し、ステップS20の列車待受け状態と
なる。
【0102】また、このステップS18において、上記
送受信が正常であると判定されたときは、ステップS1
9でCPU6b内のメモリからデータ受信部15に送信
されたデータの格納を削除して、次の列車待受け状態
(S18)になる。
【0103】上述のように構成され且つ動作する上記実
施例によれば、車号読取アンテナ4から送信された電波
を各車両1に設けられたIDタグ3で受信して、その車
両1の識別情報に応じた信号波で変調した電波を反射さ
せて車号読取アンテナ4で受信するように構成したか
ら、車両1を即座に特定する(車号を読取る)ことがで
き、たとえ、列車編成が頻繁に変えられようとも、車号
は誤りなく特定することができる。
【0104】そして、進入検知センサ8と退出検知セン
サ9とから出力される検知信号を信号処理手段6gを介
して演算処理部としてのCPU6bに入力し、そのCP
U6bで測定区間を通過中の1つの台車を特定し、その
台車の前輪と後輪のいずれかにタイヤフラットや剥離な
どの踏面異常が生じているときは、衝撃検知センサ12
および13がそれを検知するように構成したので、踏面
異常を定量的且つ完全無人状態で合理的に把握すること
ができる。
【0105】しかも、踏面異常の検出手段として、レー
ル2a,2bに直接ひずみゲージを取付け、レールのせ
ん断ひずみや曲げひずみを検出する従来の方式とは異な
り、枕木10,11に衝撃検知センサ12,13で加速
度を検出する方式を採用したから、装置の設置が極めて
簡易であり、低コスト化が可能となるばかりでなく、従
来より高速度走行時の検出精度を向上させることができ
る。
【0106】また、上記のようにして、車号とその個々
の台車に対応づけて検出されたタイヤ踏面に関するデー
タは、一旦メモリに格納され、予め設定した時刻になる
と、データ送信部6から受信部15に向けて電話回線1
4を介して送信するように構成したから、車輪踏面の異
常の解析を正確に且つ迅速に管理個所へ送信することが
でき当該管理個所における異常踏面を持つ車輪の削成計
画を合理的に立てることができる。
【0107】尚、本発明は、上記実施例に限定されるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形
実施が可能である。
【0108】例えば、衝撃検知センサ12,13は、図
1に示した配置に限られるものではなく、適宜変更して
もよいし、その設置個数も実施例のように2個に限ら
ず、1個または3個以上でもよく、要は、タイヤフラッ
トなどの踏面異常を検出し得る感度に応じて適宜増減す
ればよい。
【0109】また、データの送信・受信手段も他の手段
でもよいし、有線でなく、無線で送信する方法でも実行
可能である。
【0110】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の
発明によれば、第1に、編成車両の車号の特定およびそ
の台車単位での車輪の踏面の異常を車両がレールの測定
区間を走行中に完全無人状態で正確に検出し得ること、
第2に、車輪の踏面の異常検出処理は、車両が接近検知
センサに接近したときに始まり車輪検知器からの信号が
生じなくなってから所定時間経過したときまで、即ち、
車両の最後尾の車両の通過後所定時間経過したとき終了
するように構成したので、車号読取アンテナ等の構成部
材の無駄な稼動や、電力の無用な消耗などを抑制し得る
こと、第3に、たとえ1つの台車に1つの車輪だけ踏面
の異常が存在していたとしても、その台車の4つの車輪
径をすべて同一に揃えることが必須となっているため、
台車単位で車輪の踏面の異常を検出することで充分であ
ること、第4に、車号を特定して踏面の異常を検出して
いるため、同一車両でも編成換え等によって、他の車両
編成となっても支障なく、タイヤフラットの削成作業を
行ない得ること、第5に、加速度センサを枕木に設置す
ると共に、高感度で且つ安定性のよい半導体ひずみゲー
ジを用いているので、踏面の異常に起因して枕木に加え
られる応力に対して大きな抵抗値変化を示し、非常に高
感度で増幅器を簡略化することができ、その分小型で且
つ安価な増幅器で足りること、等の種々の優れた効果を
奏する。
【0111】また、請求項2記載の発明によれば、
記請求項1に記載の発明の特有の効果を奏し得ると共
に、列車編成の変更にも拘らず車号の識別を正確且つ迅
速に行うことができると共に、識別した車両の台車単位
で車輪の踏面異常を検出し、その踏面の異常の解析を正
確に行うことができ、また、従来は、車両の認識ができ
なかったために、車両の特定が容易な構内の設備に限定
されたが、構内設置の場合は、構内入場線に設置するこ
ととなるため、車両入場とフラットの検出と削成が同時
となり、予めタイヤフラットの削成計画を立てることが
できず不都合であったが、本発明によれば、一般の営業
路線上に設置でき、タイヤフラット情報と車両の車号と
を離隔した削成工場まで送信できるため、予めタイヤフ
ラットの削成計画を立てることができて極めて好都合な
鉄道車輪踏面の異常検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鉄道車輪踏面の異常検出装置の一
実施例の全体構成を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明に係る鉄道車輪踏面の異常検出装置の具
体的な構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の鉄道車輪踏面の異常検出装置の動作の
流れを示すメインルーチンのフローチャートである。
【図4】本発明の鉄道車輪踏面の異常検出装置のデータ
解析処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の鉄道車輪踏面の異常検出装置の動作を
説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 車両 2a,2b レール 3 IDタグ(車両識別タグ) 4 車号読取アンテナ 5 RFソース 6 データ送信部 6a リーダ 6b,15b CPU 6c,6d 直流増幅器 6r RS232Cポート 6o 送受切換器 6p,15a モデム 7 接近検知センサ 8 進入検知センサ 9 退出検知センサ 10,11 枕木 12,13 衝撃検知センサ 14 電話回線 15 データ受信部 16 収納ラック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 善一郎 香川県高松市浜ノ町1番10号 四国旅客 鉄道株式会社内 (72)発明者 丸岡 忠輝 香川県高松市浜ノ町1番10号 四国旅客 鉄道株式会社内 (72)発明者 塩谷 明男 東京都調布市調布ヶ丘3丁目5番地1 株式会社共和電業内 (72)発明者 斉藤 彰 東京都調布市調布ヶ丘3丁目5番地1 株式会社共和電業内 (72)発明者 佐藤 弘一 東京都調布市調布ヶ丘3丁目5番地1 株式会社共和電業内 (56)参考文献 特開 昭63−44292(JP,A) 実開 平1−122361(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01B 21/00 - 21/32

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄道車両に取り付けられ高周波電波を受
    信して上記鉄道車両の車号識別を可能に変調処理をして
    電波を送信する車号識別タグと、レールの近傍の測定区
    間に配置され車輪単位で上記鉄道車輪の進入と退出をそ
    れぞれ検出する2個の車輪検知器と、上記測定区間より
    所定距離手前まで車両が接近したことを検出する接近検
    知センサと、上記2個の車輪検知器間における枕木に設
    けられ上記車両の台車単位で車輪の踏面異常を検出する
    半導体ひずみゲージ式の加速度センサと、上記レール近
    傍に配置され上記車号識別タグに向けて上記高周波電波
    を送信するとともに上記車号識別タグから送信される上
    記変調処理された電波を受信する車号読取アンテナとを
    備え、上記接近検知センサが車両の接近を検出したと
    き、上記車号読取アンテナから上記高周波電波を送信
    し、上記車号識別タグから発せられる信号をもとに車両
    を特定すると共に、上記2個の車輪検知器から発せられ
    る信号を基に台車を特定しつつ、上記加速度センサの出
    力を基に車輪の踏面の異常を台車単位で自動的に検出
    し、上記車輪検知器の信号が所定時間生じなくなったと
    き、車両の最後尾の通過と判定し、上記車号読取アンテ
    ナからの高周波電波の送信を休止し、車輪の踏面の異常
    検出処理を自動的に終了するように構成したことを特徴
    とした鉄道車輪踏面の異常検出装置。
  2. 【請求項2】 鉄道車両に取り付けられ高周波電波を受
    信して上記鉄道車両の車号を識別可能に変調処理をして
    電波を送信する車号識別タグと、レールの近傍の測定区
    間に配置され車輪単位で上記鉄道車輪の進入と退出を検
    出する複数の車輪検知器と、上記測定区間より所定距離
    手前まで車両が接近したことを検出する接近検知センサ
    と、上記車両の台車単位で車輪の踏面異常を検出する半
    導体ひずみゲージ式の加速度センサと、上記レール近傍
    に配置され上記車号識別タグに向けて上記電波を送信す
    るとともに上記車号識別タグから送信される上記変調処
    理された電波を受信する車号読取アンテナと、この車号
    読取アンテナに上記高周波電波を送信させるとともにこ
    の車号読取アンテナで受信された電波の復調処理および
    アナログ/ディジタル変換処理を行って上記車両の識別
    信号を出力する高周波ソースと、上記加速度センサの出
    力信号の雑音成分を除去して増幅する直流増幅器と、車
    両単位の車号データを格納するリーダと、車輪検知器で
    検知された信号を入力すると、優先割込み用のトリガ信
    号を出力するトリガ回路と、このトリガ回路から出力さ
    れる上記トリガ信号により割込みがかけられ上記リーダ
    に格納されている車号データを読み出してこの各車号デ
    ータに対応する上記直流増幅器の出力信号から車輪の踏
    面異常の解析処理を行う演算処理部と、この演算処理部
    により解析された各車号データ、各台車データおよびこ
    れらに対応する車輪踏面データ等を電話回線を介して伝
    送する送信手段とを備え、上記接近検知センサによる車
    両の接近の検知に応答して、上記車号読取アンテナから
    の上記高周波電波の送信ほか上記車輪の踏面異常検出処
    理を開始し、上記車輪検知器の信号が所定時間生じなく
    なったとき、上記車両の最後尾の通過と判定し、上記車
    号読取アンテナからの上記高周波電波の送信ほか上記車
    輪の踏面異常検出処理を終了し、引続く車両が上記接近
    検知センサにより検知されるまで一連の処理を休止する
    ように構成したことを特徴とする鉄道車輪踏面の異常検
    出装置。
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