JP2905284B2 - アクリル酸の製造方法 - Google Patents

アクリル酸の製造方法

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JP2905284B2 JP2300160A JP30016090A JP2905284B2 JP 2905284 B2 JP2905284 B2 JP 2905284B2 JP 2300160 A JP2300160 A JP 2300160A JP 30016090 A JP30016090 A JP 30016090A JP 2905284 B2 JP2905284 B2 JP 2905284B2
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアクリル酸の製造方法に関し、詳しくはアク
ロレインの接触気相酸化によりアクリル酸を高収率、高
生産性にて、かつ長期間安定的に製造する方法に関す
る。
(従来の技術) 従来、アクロレインからアクリル酸を製造する触媒に
関しては、数多くの特許が開示されている。これら特許
においては、モリブデン−バナジウム系触媒が主流をな
しており、これらモリブデン−バナジウム系触媒の特許
としては、例えば特公昭44-26287、特公昭47-8360、特
公昭53-43917、特公昭57-54172、特公昭48-16493、特開
昭50-97592、特開昭51-70718、特開昭51-70719各公報な
どを挙げることができる。
これら触媒のうちには、アクリル酸の収率が工業的見
地からしてかなりの水準に達しているものもあり、実際
にプロピレンの直接酸化法によるアクリル酸製造プロセ
スにおいても使用されている。しかしながら、触媒が長
期間安定的にアクリル酸収率を維持できるかどうかの点
からみると、従来のモリブデン−バナジウム系触媒は必
ずしも満足のいくものではなかった。このような触媒寿
命に関し、4000時間程度での触媒の性能安定性の確認を
行っている特許公報例もあるが、実際に数年にわたり工
業的に使用した場合、触媒性能の安定性の点において充
分満足のいく触媒はない。先に例示した公報記載の触媒
もいずれも収率および触媒寿命の点において、いまだ満
足のいくものではない。この理由の一つは、工業的実施
においては、アクロレインの酸化反応に必要な理論酸化
量近辺で長期間反応が行われるために触媒の還元が起こ
りやすくするものと推察される。
上記のような触媒活性の低下を防止する手段として
は、例えばアクロレインに対する酸素比率を上げると
か、共存水蒸気量を増加させるとかの対策が取られてき
たが、酸素比率を上げるにも、燃焼範囲の回避の点から
上限の制約を受けるとともに、追加酸素や追加空気によ
る装置の複雑化ならびに大型化の必要が生じ、好ましく
ない。さらには、含有酸素の増加は、過反応が起り易く
なり、アクリル酸への選択性を下げる結果となる。ま
た、共存水蒸気量を増加させる場合、従来の触媒系では
効果は上るものの、アクリル酸の分離工程でエネルギー
消費が多く、純水によりスチームを補給する場合のコス
トも無視できない。このように、アクロレインに対する
酸素比率を理論酸素量付近でかつ共存水蒸気量を極力減
らして、アクリル酸を高収率でかつ長期間安定的に製造
可能とする方法もしくは触媒を使用する方が望ましいこ
とはいうまでもない。
(発明が解決しようとする課題) したがって、本発明の一つの目的は、アクロレインの
気相接触反応によりアクリル酸を高収率で製造する方法
を提供することである。
本発明の他の目的は、アクロレインの気相接触反応に
よりアクリル酸を高収率で、かつ長期間安定的に製造す
る方法を提供することである。
本発明の他の目的は、アクロレインの気相接触反応に
よりアクリル酸を製造するに使用する触媒であって、ア
クリル酸を高収率で、かつ長期間安定的に製造すること
を可能とする酸化触媒を提供することである。
(課題を解決するための手段) これらの諸目的は下記の式I MoabcCudef (I) (ただし、式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、W
はタングステン、Cuは銅、Xはジルコニウム、チタニウ
ムおよびセリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素、Yはマグネシウム、カルシウム、ストロンチ
ウムおよびバリウムよりなる群から選ばれた少なくとも
1種の元素であり、a=12としたとき、b=1〜14、0
<c≦12、0<d≦6、0<e≦10、f=0〜3、2.0
<Cu+X≦10.0かつ0.25≦Cu/X≦6.0である)で表わさ
れる金属元素組成の酸化物または複合酸化物よりなり、
好ましくはチタニウムとしては0.4〜0.7μmの平均粒径
および10〜60m2/gのBET比表面積を有する多孔性アナタ
ーゼ型酸化チタン、ジルコニウムとしては0.01〜1.0μ
mの平均粒径および5〜150m2/gのBET比表面積を有する
酸化ジルコニウムまたセリウムは0.1〜2.0μmの平均粒
径および50〜200m2/gの比表面積を有する酸化セリウム
を出発原料として使用して調製された触媒の存在下に、
アクロレインを分子状酸素含有ガスにより気相酸化する
ことよりなるアクリル酸の製造方法により達成される。
本発明においては、特定の金属元素組成の酸化物または
複合酸化物からなる触媒を使用するので、高収率で、か
つ長期間安定的にアクリル酸を製造することができる。
すなわち、本発明で使用する触媒は、アクロレインから
アクリル酸を高収率で製造することを可能とし、しかも
長期間使用しても触媒活性の低下が認められない優れた
触媒である。
(作用) 以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する触媒は、上記式Iで表わされる金属
元素組成の酸化物または複合酸化物である。上記式にお
いて、アクロレイン酸化用触媒として工業的に有用な触
媒は、本願発明にも開示されているように、モリブデン
およびバナジウムを主成分とする複合酸化物である。と
ころで、モリブデン成分(酸化物)は、特に反応系に水
蒸気が存在する場合、水蒸気の作用によりモリブデン成
分の昇華が起り易くなり、触媒物質から飛散しやすく、
その結果、触媒の活性劣化およアクリル酸への選択性が
低下する。しかしながら、水蒸気の反応系での存在は、
確かに触媒寿命の点で有効である。さらに、反応系内に
酸素の存在量が少ないと還元され易くなり、アクロレイ
ンの酸化反応の進行とともに、この還元反応が過度に進
行し、触媒の劣化が著しくなる。
本発明者らは、このような欠点を克服する目的で検討
を加えたところ、銅成分とジルコニウムおよび/または
チタンおよび/またはセリウムを特定の範囲で組合わせ
ることによりモリブデン成分の飛散と過度の還元が抑え
られ、長期間にわたって高収率でアクリル酸が製造可能
であることを見出し、本発明を完成するに到った。この
ように、銅とX成分の組合わせが必要であるが、必ずし
も予め銅成分とX成分を組合わせておく必要はない。X
成分が上記規定の物性をもつ酸化物である場合は、目的
を達成するのに有効である。ここで、X成分が酸化物以
外の形態の化合物を使用すると、X成分とモリブデンあ
るいはバナジウム成分との間に統合が起り、本来の触媒
を構成する本体であるモリブデンおよびバナジウムの酸
化能作用が弱められ、結果として活性低下および選択性
の低下の原因となり、不都合を生じる。したがって、X
成分は、モリブデンとバナジウムの構成する活性種との
弱い結合が重要である。さらに、X成分が存在しないで
銅成分だけでは十分な機能が発揮せず、またX成分だけ
でも(タングステン含有した上で)触媒の長寿命化は達
成されてない。さらに、X成分が酸化物以外の化合物と
して使用される場合には、調製法の僅かな違いで、例え
ば焼成温度の僅かな差異によっても性能が大幅に変って
再現性よく触媒が製造できないことが判明した。
つぎに、銅とX成分との合計(酸素を除くX)の関係
であるが、Cu+Xが10.0を越えると希釈効果が現われ、
触媒の活性を弱める結果となり、好ましくない。一方、
2.0未満では、モリブデンの飛散や過度の還元が進行し
て本願発明の目的とする長期寿命達成の点で好ましくな
い。銅とX成分の比率の規定に関して0.25≦Cu/X≦6の
範囲を外れて銅が多過ぎかつX成分が少なすぎる場合に
は、モリブデン成分の飛散あるいは過度の還元は抑えら
れない。逆に、銅が少なすぎかつX成分が多過ぎてもX
成分の希釈効果とともにX成分自身の本来の特性が現わ
れ、著しくアクリル酸への選択性が低下する結果を招
く。このように銅とX成分とのバランスが必要であり、
この範囲に規定することで、モリブデン成分の飛散と過
度の還元を抑え、触媒の再酸化能が発揮され、工業的に
長期間にわたって低水蒸気および低酸素雰囲気下でも活
性および選択性が維持されるのである。また、アルカリ
土類元素Yの添加は、アクリル酸の品質向上に寄与す
る。これは、特に微量な副生物の発生を抑制する効果が
ある。
上記式においてa=12としたとき、b=1〜14、好ま
しくはb=2〜6、0<c≦12、好ましくはc=0.3〜
6、0<d≦6、好ましくはd=1〜6、0<e≦18、
好ましくは0.5〜8、f=0〜3、好ましくは0〜2の
範囲にあるのが好ましい。また、銅とX成分の合計は2.
0<Cu+X≦10.0、好ましくは3≦Cu+X≦9、銅とX
成分の原子比率は0.25≦Cu/X≦6.0、好ましくは0.3≦Cu
/X≦4である。
本発明で使用する触媒の調製に関しては特に制限はな
く、上記式Iで表わされる金属元素組成にする点および
X成分として特定の物性を有する酸化物を使用する点を
除けば従来公知の方法により調製することができる。
例えば、触媒成分となり得るもの、すなわちその前駆
体を通常の成形法、例えばスラリーを乾燥して押出成形
法で成形しても、あるいは打錠成形法により成形しても
よく、更にこれら触媒成分を不活性な多孔性担体に担持
してもよい。この多孔性担体としては、不活性で、多孔
性あるいは多孔性に造粒できるものであれば、いずれも
使用可能であり、具体的には、例えばα−アルミナ、シ
リコンカーバイド、軽石、シリカ、酸化ジルコニウム、
酸化チタンなどを上げることができる。特に、表面積が
2m2/g以下、好ましくは0.01〜1.5m2/g、気孔率が10〜6
5%、好ましくは30〜60%であり、また細孔分布に関し
ては1〜1,500μm、好ましくは5〜500μmの細孔径を
有する細孔が全体の80%以上、特に90〜100%を占める
ような担体が好適に使用される。また、触媒および担体
の形状についても、球状、円柱状あるいは中空状などい
ずれでもよい。
本発明で使用する触媒の調製法の一例を以下に示す。
先ず、モリブデン酸アンモニウム、メタバナジン酸ア
ンモニウムおよび必要に応じてアルカリ土類金属(上記
式においてYで評される元素)の硝酸塩をそれぞれ水に
溶解して混合し、次いでこれにパラタングステン酸アン
モニウムおよび硝酸銅の水溶液を加え、皿に酸素ジルコ
ニウム、酸化チタンおよび酸化セリウムから選ばれる少
なくとも1種の酸化物を加え、加熱により蒸発乾固して
粉砕した後、押出成形機により平均粒径2〜15mm、好ま
しくは3〜10mmの球状、ペレット状、円柱状、リング
状、ハニカム状等の塊状に成形して300〜600℃、好まし
くは350〜500℃で焼成することにより目的とする触媒を
得ることができる。
なお、不活性な多孔性担体を使用する場合には、上記
酸化ジルコニウム、酸化チタニウムまたは酸化セリウム
を添加した後に加え、磁製蒸発器内で蒸発乾固して触媒
成分を担体に担持した後、300〜600℃、好ましくは350
〜500℃で焼成すればよい。
上記触媒調製法において使用する金属化合物は必ずし
もアンモニウム塩、硝酸塩のみに限られるものでなは
い。例えば、モリブデン化合物としてはモリブデン酸、
三酸化モリブデンなどが使用可能であり、バナジウム化
合物としては五酸化バナジウム、酸バナジル、硫酸バ
ナジルなどを使用することができる。また、タングステ
ン化合物としては、三酸化タングステン、タングステン
酸などがまた銅化合物としては、銅の有機酸塩、酢酸
塩、炭酸塩、塩化物なども使用できる。更に、アルカリ
土類金属化合物、炭酸塩、塩化物、硫酸塩などが使用で
きる。
酸化チタンとしては、0.4〜0.7μm、好ましくは0.45
〜0.6μmの平均粒径および10〜60m2/g、好ましくは15
〜40m2/gのBET(Brunauer-Emmett-Teller)比表面積を
有するアナターゼ型酸化チタンを使用する必要がある。
このようなアナターゼ型酸化チタンは、水酸化チタンを
600〜900℃、好ましくは650〜850℃の温度で2〜12時
間、好ましくは3〜10時間達成することにより得られ
る。
酸化ジルコニウムとしては、0.01〜1.0μm、好まし
くは0.015〜0.9μmの平均粒径および5〜150m2/g、好
ましくは8〜69m2/gのBET比表面積を有する酸化ジルコ
ウニムを使用する必要がある。このような酸化ジルコニ
ウムは、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニル、硫酸ジルコ
ニル、塩化ジルコニル等のジルコニウム化合物を600〜9
00℃、好ましくは650〜850℃の温度で2〜12時間、好ま
しくは3〜10時間焼成することにより得られる。
酸化セリウムとしては、0.1〜2.0μm、好ましくは0.
11〜1.9μmの平均粒径および50〜200m2/g、好ましくは
60〜180m2/gのBET比表面積を有する酸化セリウムを使用
する必要がある。このような酸化セリウムは、炭酸セリ
ウム、硝酸セリウム、硫酸セリウム、塩化セリウム燈の
セリウム化合物を300〜600℃、好ましくは320〜580℃温
度で1〜12時間、好ましくは2〜10時間焼成することに
より得られる。
本発明によるアクロレインの気相接触反応によるアク
リル酸の製造方法に関しては、特に制限はなく、従来公
知の方法に従って実施することができる。具体的には、
例えば上記触媒を用いて180〜350℃、好ましくは200〜3
30℃の温度および、もちろん減圧下でもよいが、通常、
常圧〜10気圧の圧力下、1〜15容量%、好ましくは4〜
12容量のアクロレイン、0.5〜25容量%、好ましくは2
〜20容量%の酸素、0〜30容量%、好ましくは3〜25容
量%の水蒸気および20〜80容量%、好ましくは50〜70容
量%の不活性ガスからなる混合ガスを空間速度500〜20,
000hr-1、好ましくは1,000〜10,000hr-1で反応させれば
よい。この原料ガスとしては、アクロレインと酸素や不
活性ガスとからなる原料ガスはもちろんのこと、プロピ
レンを直接酸化して得られるアクロレイン含有の生成ガ
スをそのまま用いることも、また空気または酸素、更に
は水蒸気を添加して用いることもでき、このような生成
ガス中に混合している副生成物のアクリル酸、アセトア
ルデヒド、酢酸などの酸化生成物、酸化炭素、未反応の
プロピレン、プロパンなどは、本発明で使用する触媒に
対しなんら障害をもたらすものではない。
本発明の方法は、固定床式あるいは流動床式のいずれ
でも実施することができる。
(実施例および発明の効果) 以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明す
る。
なお、反応率、選択率および単流収率は次の式によっ
て求められた。
参考例1 水酸化チタンを800℃で空気の流通下に4時間焼成
し、これをジェット気流で粉砕処理し、平均粒径0.5μ
mおよびBET比表面積22m2/gの多孔性アナターゼ型酸化
チタンを得た。
参考例2 硝酸ジルコニルを750℃で空気の流通下に3時間焼成
し、これをジェット気流で粉砕処理し、平均粒径0.2μ
mおよびBET比表面積25m2/gを有する酸化ジルコニウム
を得た。
参考例3 炭酸セリウムを350℃で空気の流通下に3時間焼成
し、これをジェット気流で粉砕処理し、平均粒径1.5μ
mおよびBET比表面積120m2/gを有する酸化セリウムを得
た。
実施例1 水3,000mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリブ
デン酸ウンモニウム1,014gおよびメタバナジン酸アンモ
ニウム224gを溶解した。別に、水6,000m1を加熱攪拌し
ながら、この中に硝酸銅231gおよびパラタングステン酸
アンモニウム323gを溶解した。得られた2つの水溶液を
混合し、これに参考例2で得られた酸化ジルコニウム11
8gを添加した。この混合物を加熱濃縮した後湯浴上で蒸
発乾固し、さらに120℃で乾燥した。
得られた乾燥固形物を葯100メッシュに粉砕した後、
押出成形機にて直径5mm、長さ6mmの円柱状に成形した
後、400℃で6時間空気流通下に熱処理して触媒を調製
した。この触媒の酸素を除く金属元素組成は次の通りで
あった。
MO1242.5Cu2Zr2 このようにして得られた触媒1000mlを直径25mmのスス
テンレス製U字管内に充填し、200℃に加熱した溶融硝
酸塩浴中に浸した。このU字管内に、工業用プロピレン
をモリブデン−ビスマス系の触媒の存在下に接触気相酸
化して得られた下記組成 アクロレイン 5.0容量% 未反応プロピレン+副生有機化合物 1.2容量% 酸素 4.0容量% 水蒸気 16.0容量% 窒素含有不活性ガス 73.8容量% の混合ガスを導入し、空間速度(SV)3,000hr-1で反応
させた。この反応を4,000時間、8,000時間、16,000時間
と継続して行い、触媒の性能評価を行った。結果を表1
に示す。なお、反応時間に応じて硝酸塩浴温度を変更し
た。
実施例2 水2,500mlを加熱攪拌しながら、この中にパラモリブ
デン酸アンモニウム338gおよびメタバナジン酸アンモニ
ウム75gを溶解した。別に水2000mlを加熱しながら、こ
の中に硝酸銅78g、パラタングステン酸アンモニウム108
gおよび硝酸ストロンチウム6.8gを溶解した。得られた
2つの水溶液を混合し、それに参考例1で得られた酸化
チタン76.5gを加えた。
このようして得られた混合液を湯浴上の磁製蒸発器に
入れ、これにα−アルミナからなり、表面積1m2/g以
下、気孔率40〜50%であり、細孔分布については500μ
m以下の細孔系を有する最古項が全体の90%以上を占め
る、直径3〜5mmの粒状担体1000mlを加え、攪拌しなが
ら蒸発乾固して担体に付着させた後、400℃で6時間空
気流通下に熱処理して触媒を調製した。この触媒の酸素
を除く金属元素組成は次の通りであった。
Mo1242.5Cu2Ti6Sr0.2 この触媒の性能評価を実施例1と同様にして行い、締
果を表1に示した。なお、硝酸塩浴温度は初期240℃で
あった。
実施例3 実施例2において、酸化チタン6.5gの代わりに参考例
1で得られた酸化チタン51gおよび参考例3で得られた
酸化セリウム54.9gを使用し、また硝酸ストロンチウム
6.8gの代わりに硝酸バリウム20.8gを使用した以外は、
実施例2と同様にして触媒を調製した、この触媒の性能
評価を実施例1と同様にして行い、結果を第1に示し
た。
実施例4〜5 実施例1と同様にして、表1に示す金属元素組成の触
媒を調製し、その性能評価を行った。結果を表1に示
す。
実施例6〜7 実施例2と同様にして、表1に示す金属元素組成の触
媒を調製した。これら触媒の性能評価を実施例1と同様
にして行い、結果を表1に示した。
実施例8〜9 実施例1において、触媒の性能評価の際に空間速度を
4,000hr-1または5,000hr-1に変更した以外は実施例1と
同様にして触媒の性能評価を行った。結果を表1に示
す。
比較例1 実施例1において、酸化ジルコニウムを添加しなかっ
た以外は実施例1と同様にして触媒を調製した。この触
媒の性能評価を実施例1と同様にして行い、その結果を
表1に示した。
表1の結果から、X成分を含まない触媒は、反応時間
とともにその活性が著しく低下していくことが理解され
る。
実施例10〜13 担体として市販のシリカ−アルミナ担体の中から比表
面積2m2/g以下および気孔率10〜65%を有し、かつ1〜
1,500μm細孔径を有する細孔が全細孔の80%以上を占
める担体を適宜用いた以外は、実施例2と同様にして表
1に示す金属元素組成の触媒を調製した。これらの触媒
の性能評価を、実施例1と同様にして行なった結果を表
1に示す。
実施例14〜16 直径3〜5mmのシリコンカーバイドの担体に、実施例
2と同様にして得られた触媒混合液を付着させ、400℃
にて6時間熱処理して、表1に示す金属組成の触媒を得
た。これらの触煤の性能評価を、実施例1と同様にして
行った結果を表1に示す。
実施例17〜20 実施例1における押出し成形に代えて打錠成形により
外径6mm、内径3mm、長さ6mmのリング状に成形した以外
は、実施例1と同様にして表1に示す金属元素組成の触
媒を調製した。これらの触媒の性能評価を、実施例1と
同様にして行なった 結果を表1に示す。
実施例21〜22 実施例16において銅の量を3.0に変え、X成分のセリ
ウムの量を0.5に飼えた(実施例21)。また、実施例22
においては、銅の量を1.0に変えて、表1に示す酸素を
除く組成比率の触媒を得た。この触媒の性能評価を実施
例1と同様に行なった結果を表1に示す。
比較例2〜5 表1に示す組成の触媒組成となるように、実施例1で
の使用原料化合物を用い、触媒を調製し、それぞれ比較
例3〜6の触媒を得た。この触媒の性能評価を実施例1
と同様にして行ない、その結果を表1に示した。表1の
結果より銅およびX成分であるジルコニウムの量が本願
発明の要件を越えるために、触媒性能が劣ることは明ら
かである。
実施例23 実施例2において、触媒性能評価の際に、反応の原料
ガスとしてアクロレイン8容量%、酸素4容量%、水蒸
気4容量%、残り窒素を含む不活性ガスからなる混合ガ
スを用いた以外は、実施例2と同様にして触媒の性能評
価を行なった。この時、反応開始時の溶融硝酸塩浴の温
度245℃において、アクロレイン転化率99.0モル、アク
リル酸単流収率96.0モル%を示し、8,000時間反応継続
後においても、反応温度250℃においてアクロレイン転
化率98.5モル%、アクリル酸単流収率95.5モル%を得
た。
この結果から、本発明の触媒が低酸素濃度、低スチー
ム濃度における反応にも使用可能であることが確認され
た。
フロントページの続き (72)発明者 弘中 秀幸 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地 の1 日本触媒化学工業株式会社触媒研 究所内 (56)参考文献 特公 昭58−10134(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 57/055 C07C 51/235 B01J 23/88 C07B 61/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の式I MoabcCudef (I) (ただし、式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、W
    はタングステン、Cuは銅、Xはジルコニウム、チタニウ
    ムおよびセリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の元素、Yはマグネシウム、カルシウム、ストロンチ
    ウムおよびバリウムよりなる群から選ばれた少なくとも
    1種の元素であり、a=12としたとき、b=1〜14、0
    <c≦12、0<d≦6、0<e≦10、f=0〜3、2.0
    <Cu+X≦10.0かつ0.25≦Cu/X≦6.0である)で表わさ
    れる金属元素組成の酸化物または複合酸化物よりなり、
    該酸化物または複合酸化物はチタニウムとして0.4〜0.7
    μmの平均粒径および10〜60m2/gのBET比表面積を有す
    る多孔性アナターゼ型酸化チタン、ジルコニウムとして
    0.01〜1.0μmの平均粒径および5〜150m2/gのBET比表
    面積を有する酸化ジルコニウムまたセリウムとして0.1
    〜2.0μmの平均粒径および50〜200m2/gの比表面積を有
    する酸化セリウムを出発原料として使用して調製されて
    なる触媒の存在下に、アクロレインを分子状酸素含有ガ
    スにより気相酸化することを特徴とするアクリル酸の製
    造方法。
  2. 【請求項2】反応は180〜350℃の温度および500〜20,00
    0hr-1の空間速度で行なわれる請求項1に記載のアクリ
    ル酸の製造方法。
  3. 【請求項3】式Iにおいてa=12、b=2〜6、c=0.
    3〜6、d=1〜6、e=0.5〜8、f=0〜2、3≦Cu
    +X≦9および0.3≦Cu/X≦4である請求項1または2
    に記載のアクリル酸の製造方法。
  4. 【請求項4】酸化チタンは0.45〜0.6μmの平均粒径お
    よび15〜40m2/gのBET比表面積を有し、酸化ジルコニウ
    ムは0.015〜0.9μmの平均粒径および8〜69m2/gのBET
    比表面積を有し、かつ酸化セリウムは0.15〜1.9μmの
    平均粒径および60〜180m2/gのBET比表面積を有してなる
    請求項1ないし3のいずれか一つに記載のアクリル酸の
    製造方法。
  5. 【請求項5】下記の式I MoabcCudef (I) (ただし、式中、Moはモリブデン、Vはバナジウム、W
    はタングステン、Cuは銅、Xはジルコニウム、チタニウ
    ムおよびセリウムよりなる群から選ばれた少なくとも1
    種の元素、Yはマグネシウム、カルシウム、ストロンチ
    ウムおよびバリウムよりなる群から選ばれた少なくとも
    1種の元素であり、a=12としたとき、b=1〜14、0
    <c≦12、0<d≦6、0<e≦10、f=0〜3、2.0
    <Cu+X≦10.0かつ0.25≦Cu/X≦6.0である)で表わさ
    れる金属元素組成の酸化物または複合酸化物よりなり、
    該酸化物または複合酸化物は、チタニウムとして0.4〜
    0.7μmの平均粒径および10〜60m2/gBET比表面積を有す
    る多孔性アナターゼ型酸化チタン、ジルコニウムとして
    0.01〜1.0μmの平均粒径および5〜150m2/gのBET比表
    面積を有する酸化ジルコニウムまたセリウムとして0.1
    〜2.0μmの平均粒径および50〜200m2/gの比表面積を有
    する酸化セリウムを出発原料として使用して調整されて
    なるアクロレインの分子状酸素含有ガスにより気相酸化
    によるアクリル酸製造用触媒。
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