JP2882930B2 - 船舶の操縦装置 - Google Patents

船舶の操縦装置

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JP2882930B2
JP2882930B2 JP4029547A JP2954792A JP2882930B2 JP 2882930 B2 JP2882930 B2 JP 2882930B2 JP 4029547 A JP4029547 A JP 4029547A JP 2954792 A JP2954792 A JP 2954792A JP 2882930 B2 JP2882930 B2 JP 2882930B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、リバーサ・デフレク
タ機構を有する水噴射(ウオータージェット)推進機を
2基備えた船舶の操縦装置に関する。
【0002】
【従来の技術】リバーサ・デフレクタ機構を備えたウオ
ータージェット推進機を2基備えた船は、デフレクタと
の組み合わせにより、横進やその場回頭のような高度な
操船を行うことが可能であるが、従来の前後進操縦と操
舵方法ではこのような操船を行うことは容易でない。す
なわち、従来は、前後進は左舷機、右舷機用の操縦レバ
ーを使用し、この操縦レバーとは独立した操舵装置によ
り、舵輪を使用して左舷・右舷のデフレクタを同調して
操作している。この方法では左右舷のデフレクタをハの
字(又は逆ハの字)にできないため、横進、その場回頭
はきわめて困難である。
【0003】そこで、これを解決すべく特開平1−28
5486号公報記載の船舶用操縦装置が提案されてい
る。即ち、前後方向及び左右方向の座標軸上の位置と中
立状態からの旋回量を制御できる操作部を有するジョイ
スティックのような全方向性制御器と、上記全方向性制
御器の操作部の位置及び旋回量を検出する操作状態検出
手段と、操作部の位置及び旋回量とこれに応じて設定さ
れるべき各推進器の推進力の方向および強さとの関係を
あらかじめ記憶させておく記憶手段と、操作状態検出手
段による検出値と記憶手段の記憶内容から目標とすべき
各推進器の推進力の方向及び強さの設定値を演算して制
御信号を出力する演算手段と、演算手段の制御信号に応
じて各推進器の推進力の方向及び強さを設定値とするよ
うに制御する駆動手段とを備えた操縦装置である。この
従来例では、ジョイスティックの側にモード切り換え用
の切換スイッチが付設されており、切換スイッチにより
通常の操縦と、横推進、その場回頭といった特異な操縦
との切換えが行われるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平1−285
486号公報記載の船舶用操縦装置においては、操縦レ
バーの側に切換スイッチが設けてあり、この切換スイッ
チで通常の前進、後進と、横推進、その場回頭とのモー
ドをいちいち切り換える必要があり、操作の連続性がな
くなり、それだけ操船の迅速性に欠けるものとなってい
る。また、制御方法が極めて複雑であり、従って制御装
置そのものも極めて複雑となり、その製作も容易でな
い。これは、制御装置の信頼性にも係わり、複雑となる
だけ信頼性に欠け、また、製作上のコストも嵩む。
【0005】本発明の目的は、前後進操縦と操舵とを組
み合わせることにより、リバーサ・デフレクタ機構を備
えたウオータージェット推進機を2基備えた船の横進或
いはその場回頭のような高度な操船を簡便な制御手段で
容易に行うことができる船舶の操縦装置を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的達成のため、本
発明にかかる船舶の操縦装置は、リバーサ・デフレクタ
機構を備えたウオータージェット推進機を2基備えた船
において、左右舷機用の前後進レバーの各々に設けた前
後進切換えの指令信号を出力する前後進指令手段と、該
前後進指令手段の命令に基づきリバーサの前後進切換手
段を駆動制御する前後進駆動制御手段と、操舵ハンドル
に設けた回頭指令信号を出力する回頭指令手段と、該回
頭指令手段の命令に基づきデフレクタを駆動制御する回
頭駆動制御手段とを備え、しかも、該回頭指令手段と回
頭駆動制御手段との間に実際の前後進状態に応じて該回
頭指令手段から命令された信号を反転して該回頭駆動制
御手段へ出力する反転手段を付設すると共に、実際の前
後進状態に応じて該反転手段と択一的に切り換えられる
中立信号を発する中立保持手段を付設し、後進指令に対
して実際のリバーサの位置が未だ前進位置にあれば該回
頭駆動制御手段を該中立保持手段に接続しておき実際の
リバーサの位置が後進位置に移行した時点で該回頭駆動
制御手段を該反転手段に接続する切換手段とを設けたこ
とを特徴とする。
【0007】
【作用】上記構成においては、前後進操縦と操舵とを組
み合わせることにより、リバーサ・デフレクタ機構を備
えたウオータージェット推進機を2基備えた船の横進或
いはその場回頭のような高度な操船を簡便な制御手段で
容易に実現できるようになる。反転手段により操作の連
続性を保ちつつ容易に左右舷のデフレクタの位置をハの
字形あるいは逆ハの字形にすることができる。また、中
立保持手段を設けることで制御の確実性を保証する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。図1は制御系統図、図2はそのブロック線
図、図3操船例を示す図である。
【0009】以下の説明は、リバーサ・デフレクタ機構
を備えたウオータージェット推進機を2基(左舷機およ
び右舷機)備えた船の場合を例にとって説明する。。
【0010】図1、図2に示すように、ウオータージェ
ット推進機を左右舷に備えた船舶において、船尾部Sの
船内には回転数制御用ガバナー1を備えた主機関2が各
舷に配置され、主機関2により減速機3を介して駆動さ
れるウオータージェットポンプ4が各舷の船尾端に設け
られている。これら左右舷機は船体中心線に対し対称位
置に配設される。そして、ポンプ4の出口にはデフレク
タ5が垂直軸6回りに揺動自在に設けられ(その左右揺
動角をデフレクタ角という)、更にデフレクタ5の先端
部のウオータージェット噴出口を覆うことができるよう
に水平軸7回りに上下に揺動自在なリバーサ8が設けて
ある。このリバーサ8の上下揺動角度をリバース角とい
う。なお、リバーサがデフレクタと同様に水平方向に揺
動旋回する形式の場合にはリバース角は水平旋回角度を
指す。
【0011】デフレクタ5は操舵機能を、リバーサ8は
船の前後進を司るものであり、これらはいずれも通常は
アクチュエータたる油圧シリンダ9、10によって駆動
される。つまり、リバーサ8が上方位置にある時(図1
の実線位置)にはウオータージェットは真っ直ぐ後方に
噴出し前進推力を発生する。リバーサ8がデフレクタ5
を覆う下方位置(図1の仮想線位置)にある時にはウオ
ータージェットは曲げられて船の前方に噴出し後進推力
を発生する。一方、左右舷一対のデフレクタ5が左方向
(反時計方向)に揺動旋回した時には船は右に舵を取っ
た状態と同様右に回頭し、右方向に揺動した時には逆方
向に回頭し、船の操舵機能としての役割をする。
【0012】上記リバーサ5、デフレクタ8駆動用の油
圧シリンダ9、10への圧油は油圧ポンプ11からそれ
ぞれ電磁切換弁であるリバーサ弁12およびデフレクタ
弁14を介して油圧ライン13、15(実線で示す)を
通じて供給されるようになっている。
【0013】本発明においては、操縦を簡便化すべく図
3(g) に示すような複合操縦ハンドルLを用意してあ
る。すなわち、図示するように舵輪に相当する円環状の
操舵ハンドル16と、このハンドル16の直上に操縦レ
バーに相当する右舷機用および左舷機用の前後進レバー
17が設置されている。従って、このような操舵ハンド
ルと操縦レバーの配置によりワンマンコントロールを容
易にしている。
【0014】図1、図2において、上述したように前後
進レバー17は右舷機用、左舷機用の2つが並設されて
おり、各々のレバーに対して主機関の回転数とリバース
角を発信するための例えばポテンショメータからなる回
転数・リバース角発信器18が設けてある。なお、本明
細書では、リバーサ8を前進位置にもってくるような前
後進レバー17の操作により発信されるリバース角信号
を正、後進位置にもってくる操作により発信されるリバ
ース角信号を負とし、また、船を左旋回するような操舵
ハンドル16の操作により発信されるデフレクタ角信号
を正、船の右旋回する操作によるデフレクタ角信号を負
として説明する。
【0015】上記回転数・リバース角発信器18から出
力された回転数の信号を受けて、レバー中立の前後一定
範囲では一定の回転数(アイドリング状態)で、それを
超えると回転数を比例的に上昇すべき指令を出す回転数
指令手段19が設けてある。この回転数指令手段19か
らの指令信号はE/Pコンバータ(電気−空気変換器)
20を経て主機関2のガバナー1に送信され、主機関2
の回転数が制御されるようになっている。
【0016】上記回転数・リバース角発信器18から出
力されたリバース角の信号を受けて、中立の前後一定範
囲(主機関がアイドリング状態の範囲)では前後進レバ
ーの動きに応じて比例的にリバース角を増加すべき指令
信号を出力し、ある一定以上になると(この時点から主
機関の回転数は上昇する)一定の指令値(リバース角一
定の信号)を出力するリバース角指令手段21が設けら
れている。回転数・リバース角発信器18とリバース角
指令手段21と前記回転数・リバース角発信器18とを
前後進指令手段Aという。この前後進指令手段Aから発
信されたリバース角の命令信号と、リバーサ8に付設さ
れた実際のリバース角を検出する実リバース角発信器2
2からフィードバックされてきた実リバース角信号とを
比較してその偏差(動作)信号を出力するリバース角比
較手段23が設けてある。このリバース角の偏差が負の
場合には、リバーサ弁切換手段24によってリバーサ弁
12をb位置に切り換えたままで偏差が零になるまでリ
バーサ8を変位させる。偏差が正の場合にはリバーサ弁
12をa位置に切り換えてリバーサ8を前進位置の方向
に変位させる。上記リバース角比較手段23、リバーサ
弁切換手段24、リバーサ弁12、油圧シリンダ10を
総括して前後進駆動制御手段Bという。
【0017】一方、操舵ハンドル16には例えばポテン
ショメータからなるデフレクタ角発信器25(これを、
一般的に回頭指令手段Hという)が付設されており、操
舵ハンドル16を所望の方向に切ることによってこのデ
フレクタ角発信器25から所定のデフレクタ角をとるべ
き命令信号が出力されるようになっている。そしてこの
デフレクタ角信号は、通常は第3スイッチSW3と第1
スイッチSW1を経てデフレクタ角比較手段26に送信
され、ここで、デフレクタ5に付設されている実際のデ
フレクタ角を検知するための実デフレクタ角発信器27
からフィードバックされてきた実デフレクタ角信号とを
比較するようになっている。そしてその偏差が負の場合
にはデフレクタ弁切換手段28を介してデフレクタ弁1
4をd位置に切り換えた状態でデフレクタ5を右揺動旋
回するよう油圧シリンダ9を駆動する。正の場合にはc
位置に切り換えてデフレクタ5を反対方向に揺動させる
べく油圧シリンダ9を作動させるようになっている。上
記デフレクタ比較手段26、デフレクタ弁切換手段2
8、デフレクタ弁14および油圧シリンダ9を総括して
回頭駆動制御手段Cという。図1中、AMPは増幅器を
示す。
【0018】ところで、上記操舵ハンドル16に接続し
たデフレクタ角発信器25からの信号は反転手段Fにも
入力されるようになっている。この反転手段Fの役割
は、例えば左に操舵ハンドル16を切った(正の信号)
場合には、その出力を反転して、つまり、負の信号とし
て出力するものであり、この結果、ハンドルの切る方向
とは全く逆のデフレクタ角指令信号を出力し、デフレク
タ5は反対方向に旋回揺動する。これによって左右舷の
デフレクタはハの字形又は逆ハの字形になり、横進又は
その場回頭という有用な操船形態を実現する。
【0019】上記第1スイッチSW1の切り換えを行う
ための第1スイッチ切換手段29が設けてある。この第
1スイッチ切換手段29の役割は、回転数・リバース角
発信器18からの信号を受けて、その信号が正の場合
(つまり、前進すべき旨の信号)であれば第1スイッチ
SW1を図示のようにイの接点に切り換え、逆の場合に
はロの接点に切り換えて反転手段F或いは後述する中立
保持手段Gの方に接続するものである。
【0020】上記反転手段Fからデフレクタ角比較手段
26に至るまでに第2スイッチSW2と上記第1スイッ
チSW1が配設されている。この第2スイッチSW2は
反転手段Fと中立保持手段Gとを択一的に切り換えるも
ので、その切り換えのための信号は第2、3スイッチ切
換手段30から出力される。つまり、第2スイッチ切換
手段30は、フィードバックされてきた実リバース角信
号を受けてこれが負の場合(つまり、リバーサが実際に
後進位置にある場合)には、第2スイッチを接点ハの方
に切り換えて反転手段Fと接続するものであり、他方、
リバーサ8が前進位置にある場合には第2スイッチSW
2を接点ニの方に切り換えて中立保持手段Gの方に接続
するものである。そしてこの場合には操舵ハンドル16
の位置に関係なくデフレクタ角が0となるような命令信
号、即ち、操舵ハンドル16を中立位置にもってきたと
同じ信号が回頭駆動制御手段Cに送信される。これによ
って、リバーサ8の命令位置と実際の位置とが動作遅れ
により一致していない過渡期では操舵ハンドル16の位
置に関係なくデフレクタ角は0に置き換えられて発信さ
れ制御に混乱を来さないようしてある。また、上記と逆
の状態でも第1、3スイッチ切換手段30により第3ス
イッチSW3が接点ホに接続して同様にデフレクタ角0
の信号が送信されるようになっている。
【0021】なお、デフレクタ5は上位概念的には回頭
手段E、リバーサ8は前後進切換手段Dという。図は左
舷機用制御システムのみ記載してあるが、右舷機用も上
記と同様である。また、図中、点線は電気系統、実線は
油圧系統、二点鎖線は空気圧系統を示している。
【0022】次に、図1〜図3を参照しながら本発明操
船方法および装置によって実現される操船形態の一例を
説明する。図3は同図(g) の複合操縦ハンドルLの操作
による代表的な操船例を示す。
【0023】(a) 〜(d) までは従来の通常の操船形態で
あり、(a) は操舵ハンドル16、左右舷の前後進レバー
17ともに中立位置つまり、デフレクタ5のデフレクタ
角ゼロ、リバーサ8のリバース角は前後進の推力が半々
となる位置の角度である。この状態では船は停止してい
る。
【0024】(b) は操舵ハンドル16はそのままで、左
右舷の前後進レバー17をともに前進位置にとった場合
であり、船は前進状態となる。この場合、図1と図2に
おいて、前後進指令手段Aから所定の前進方向のリバー
ス角をとるよう指令信号が前後進駆動制御手段Bに送ら
れることによりリバーサ弁12はa位置に切り換わり圧
油が油圧ライン13を通じて油圧シリンダ10に供給さ
れリバーサ8は図1の実線位置に変位して前進推力を発
生する。この場合、第1スイッチ切換手段29は前進で
ONであるから第1スイッチSW1は接点イに接続し、従
ってこの時は反転手段F、中立保持手段Gは働かない。
この時、第3スイッチSW3は、実リバース角が前進側
ならば接点への位置にあるので、デフレクタ発信器25
の命令信号はそのまま回頭駆動制御手段Cに送信され、
デフレクタ5に所定の動作をさせる。
【0025】(c) は操舵ハンドル16はそのままで左右
舷の前後進レバー17を後進位置にとった場合であり、
船は後進状態となる。この時、前後進指令手段Aから所
定の後進方向のリバース角をとるよう指令信号が前後進
駆動制御手段Bに送られることによりリバーサ弁12は
b位置に切り換わり圧油が油圧ライン13を通じて油圧
シリンダ10に供給されリバーサ8は図1の仮想線の位
置に変位して後進推力を発生する。そして、後進指令に
もかかわらず実際のリバーサ8の位置が未だ前進位置に
あれば第2、3スイッチ切換手段30により第2スイッ
チSW2は接点ニに接続し、また第1スイッチSW1は
第1スイッチ切換手段29により接点ロに切り換わって
いるため、中立保持手段Gが働き、操舵ハンドル16の
位置に関係なくデフレクタ角ゼロの信号が発信され、実
際のリバーサ位置が後進位置に入ったところで第2スイ
ッチSW2は接点ハに切り換わり、反転手段Fと接続す
る。もっともこの時には操舵ハンドル16は中立位置
(デフレクタ角ゼロ)であるからデフレクタ5は揺動変
位しない。
【0026】(d) は左右舷の前後進レバー17を前進位
置にとり、かつ、操舵ハンドル16を左(反時計方向)
に切った場合であり、この時、船は前進回頭( 左旋回)
状態となる。この時、デフレクタ角発信器25からの所
定のデフレクタ角をとるよう指令信号が回頭駆動制御手
段Cに送られることにより、デフレクタ弁14は所定の
方向に切り換えられ、この例ではc位置に切り換わり、
圧油は油圧ライン15を通じて油圧シリンダ9に送ら
れ、左右舷のデフレクタ5は右(時計方向)に揺動旋回
して船は左回頭するようになる。船を右に回頭する場合
はこの逆の動作となる。
【0027】(e)は操舵ハンドル16を左に例えば45度
きり、かつ、左舷前後進レバー17aは前進側に、右舷
前後進レバー17bは後進側にとった場合である。この
時、図1、2における左舷機用制御システムでは、前後
進指令手段Aから前進位置にリバース角をとるよう指令
が出され、左舷のリバーサ8は前進位置にくる。この時
左舷のデフレクタ5はデフレクタ角発信器25から出力
されたままの所定のデフレクタ角だけ揺動変位する。一
方、右舷機用制御システムでは、右舷のリバーサ8bは
所定の後進位置に変位する。デフレクタ角発信器25か
ら所定のデフレクタ角をとるよう指令が出されるが、こ
の時第1スイッチ切換手段29の働き(後進OFF)により
第1スイッチSW1は接点ロに切り換わり、また、第2
スイッチSW2は第2、3スイッチ切換手段30の働き
( 後進ON) により接点ハの位置に切り換わり反転手段F
側に接続する。すると、デフレクタ角発信器25から出
力された信号はこの反転手段Fにより反転されて、その
指令値とは反対方向のデフレクタ角をとるような信号を
出力する。つまり、左に舵を切ったにもかかわらず、デ
フレクタ弁14はd位置に切り換えられ、右舷のデフレ
クタ5は左舷とは反対方向に揺動旋回し、左右舷のデフ
レクタ5a、5bが図示のようにハの字形に位置する。
これにより左右舷の推力の合成力が真横方向となって船
は横進するようになる。
【0028】(f)は左右舷の前後進レバー17a、17
bは上記(e) のままで、操舵ハンドル16のみ右方向(
中立位置から90度) に切った場合である。この時、前後
進レバーが前進側にある左舷のデフレクタ5aは指令さ
れた通りのデフレクタ角だけ揺動変位するが、前後進レ
バーが後進側にある右舷のデフレクタ5bは上記(e) と
同様反転手段Fにより指令とは反対方向のデフレクタ角
をとるように変位する。そして結局左右舷のデフレクタ
5a、5bは図示のように逆ハの字形の位置となり、前
後進の方向の推力成分は相殺され、左方向への推力成分
のみ合成されることになって船は矢印方向にその場回頭
(右回頭)するようになる。
【0029】上記操船例の説明から明らかなように、左
右舷用の前後進レバー17と操舵ハンドル16との組み
合わせ操作により操船が行われ、これらの間に操作の連
続性が保持されている。つまり、例えば(e) から(f) へ
の移行の時は勿論、通常の操船形態(a) 〜(d) から特異
な操船形態(e) 、(f) への移行においても単に操舵ハン
ドルと前後進レバーとを組み合わせ連続的に操作するこ
とで( 従来のように何らモード切換を行うことなく) 迅
速に所望の操船形態を実現しうる。なお、上記操船例で
は、主機関の回転数も実際には制御されている。通常、
回転数の制御信号は前後進レバーと連動する回転数・リ
バース角発信器18から発信され、前後進レバーの位置
によって回転数が増減して、推力の大きさを加減できる
ようになっており、この制御を加えれば上記操船例に加
えて船の斜め移動等も可能となる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、簡便な制御装置によっ
て、片舷を前進、反対舷を後進にして、舵輪を回せば左
右舷のデフレクタはハの字形又は逆ハの字形の配置とな
り、横進、その場回頭が容易に行える。制御方法および
装置が簡便であるから、製作も簡単となり、ひいては制
御の信頼性も高められる。特に、本発明によれば、従来
のように切換スイッチによってモード切換えを行わず
に、操作の連続性を保ちつつ、単に操舵ハンドルと前後
進レバーとの組み合わせ操作によって所望の操船形態が
実現できる。その結果、操船の迅速性が高められる。
【0031】また、本発明の操縦装置は、後進回頭時の
舵輪操作方向が逆になる以外は、従来と全く同じ操船感
覚となり、操船者の習熟期間が短くて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明装置にかかる制御系統図である。
【図2】 同ブロック線図である。
【図3】 (a) 〜(f) は本発明方法と装置による操船例
の図である。
【符号の説明】
A…前後進指令手段 B…前後進駆動制御手段 C…回頭駆動制御手段 D…前後進切換手段 E…回頭手段 F…反転手段 G…中立保持手段 H…回頭指令手段 L…複合操縦ハンドル 5…デフレクタ 8…リバーサ 16…操舵ハンドル 17…前後進レバー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リバーサ・デフレクタ機構を備えたウオ
    ータージェット推進機を2基備えた船において、左右舷
    機用の前後進レバーの各々に設けた前後進切換えの指令
    信号を出力する前後進指令手段と、該前後進指令手段の
    命令に基づきリバーサの前後進切換手段を駆動制御する
    前後進駆動制御手段と、操舵ハンドルに設けた回頭指令
    信号を出力する回頭指令手段と、該回頭指令手段の命令
    に基づきデフレクタを駆動制御する回頭駆動制御手段と
    を備え、しかも、該回頭指令手段と回頭駆動制御手段と
    の間に実際の前後進状態に応じて該回頭指令手段から命
    令された信号を反転して該回頭駆動制御手段へ出力する
    反転手段を付設すると共に、実際の前後進状態に応じて
    該反転手段と択一的に切り換えられる中立信号を発する
    中立保持手段を付設し、後進指令に対して実際のリバー
    サの位置が未だ前進位置にあれば該回頭駆動制御手段を
    該中立保持手段に接続しておき実際のリバーサの位置が
    後進位置に移行した時点で該回頭駆動制御手段を該反転
    手段に接続する切換手段とを設けたことを特徴とする船
    舶の操縦装置。
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