JP2826246B2 - 放電ランプ用陰極及びその製造方法 - Google Patents

放電ランプ用陰極及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バルブ内にガスを封入
した放電ランプに用いる放電ランプ用陰極及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にバルブ内にガスを封入した放電ラ
ンプでは、図5に示すように、タングステン等の主材1
の表面の略全面に仕事関数の小さい材料の電子放射物質
よりなるエミッタ2をほぼ均一に被着することによっ
て、熱電子eの放射を容易にしている。主材1の表面に
エミッタ2を被着する方法としては、スラリ(slurry)
状の電子放射物質よりなるエミッタ2の中に主材1を浸
漬する方法が一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、バルブ内に
ガスを封入した放電ランプでは、ガスの電離により形成
されたイオンiが陰極に衝突し、イオンスパッタリング
と称する現象が生じることが知られている。上述したよ
うに、エミッタ2はスラリ状の電子放射物質を主材1の
表面の略全面に塗布して形成されているものであるか
ら、主材1の表面の略全面においてエミッタ2がイオン
スパッタリングを受けることになる。したがって、エミ
ッタ2の蒸発速度が速いものである。(図5の小さい丸
pは飛散した電子放射物質を示す)。すなわち、エミッ
タ2は、加熱による蒸発に加えてイオンスパッタリング
によっても消耗するから、エミッタ2の寿命が短くなる
という問題がある。エミッタ2が消耗すれば、蒸発・飛
散した電子放射物質がバルブの内周面に被着することに
よって輝度が低下し、また熱電子の放射効率が低下して
封入ガスの励起・電離が生じにくくなるから放電ランプ
が点灯しにくくなるのであって、エミッタ2の寿命が放
電ランプの寿命を制限する一つの原因になっている。
【0004】これに対して、図6に示すように、主材1
の表面に多数の微細な凹所9を形成し、電子放射物質よ
りなるエミッタ2を凹所9の中に充填した陰極が提案さ
れている。この種の陰極では、エミッタ2が主材1の表
面に形成された多数の微細な凹所9の中に充填されてい
るものであるから、主材1の表面に対するエミッタ2の
露出面積が小さくなり、エミッタ2の消耗速度が従来構
成よりも少ないという利点を有している。
【0005】しかしながら、この形式の陰極では、主材
1の表面に形成された多数の微細な凹所9は離散して各
々繋がっておらず、凹所9の中に充填されたエミッタが
連続して存在しないために、図7に示すように、放電ラ
ンプ点灯中のランプ電圧が不安定になるという問題があ
る。さらに、従来構成に比較して主材1に付着されるエ
ミッタ2の量が少ないという問題がある。また、各凹所
9にエミッタ2を充填する方法として、上記のスラリ
(slurry)状の電子放射物質よりなるエミッタ2の中に
主材1を浸漬する方法では、凹所9の深部までエミッタ
2を充填することができないという問題がある。
【0006】本発明は上記の点に鑑みて成されたもので
あり、請求項1及び2の発明は、イオンスパッタリング
によるエミッタの消耗が少なく、かつ放電ランプ点灯中
のランプ電圧が安定している放電ランプ用陰極の提供を
目的とするものであり、請求項3の発明は、電子放射物
質よりなるエミッタが放電ランプ用陰極の主材の表面に
形成された長手方向に連続する凹所の深部にまで充実さ
れた放電ランプ用陰極の製造方法の提供を目的とするも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、上記
目的を達成するために、バルブ内にガスを封入した放電
ランプに用いる陰極であって、長手方向に連続する凹所
を主材の表面に備え、凹所の中に電子放射物質よりなる
エミッタが充実されているのである。請求項2の発明
は、請求項1の発明において、内部が空洞である筒状の
主材を用いており、主材の表面に形成された長手方向に
連続し内部の空洞と繋がった凹所の中に、電子放射物質
よりなるエミッタが充実されているのである。
【0008】請求項3の発明は、バルブ内にガスを封入
した放電ランプに用いる陰極を製造する方法において、
陰極は長手方向に連続する凹所を主材の表面に備えて成
り、前記凹所の中に、超音波振動器を用いて電子放射物
質よりなるエミッタを充実するのである。
【0009】
【作用】請求項1の発明の構成によれば、主材の表面に
は長手方向に連続する凹所が形成され、この凹所の中に
エミッタが充実されているので、主材の表面積に対する
エミッタの露出面積は、従来構成(主材の表面の略全面
にエミッタを被着した構成)に比較すれば小さくなり、
イオンスパッタリングを受ける確率が低減されるのであ
る。すなわち、イオンは質量が比較的大きく直進するか
ら、主材の表面に対する凹所の開口率に比例する確率で
エミッタがイオンスパッタリングを受け、エミッタに対
するイオンスパッタリングの確率が従来よりも低減され
ることになる。さらに、凹所は主材の長手方向に連続し
て形成してあるので、一定量のエミッタが長手方向に連
続して存在することができ、放電ランプ点灯中のランプ
電圧を安定させることができるのである。
【0010】請求項2の発明の構成によれば、内部が空
洞である筒状の主材を用い、主材の表面に長手方向に連
続し内部の空洞と繋がった凹所を形成し、凹所の中にエ
ミッタを充実しているので、イオンスパッタリングを受
ける面積を低減することができるのである。また、請求
項1の発明と同じく、凹所は主材の長手方向に連続して
形成してあるので、一定量のエミッタが長手方向に連続
して存在することができ、放電ランプ点灯中のランプ電
圧を安定させることができるのである。さらに、筒状の
主材の内部にもエミッタが充実されるので、従来構成
(主材の表面に設けた多数の微細な凹所にエミッタを充
実した構成)に比較して多量のエミッタを主材に内装さ
せることができ、その結果、長寿命な放電ランプを提供
できることになる。
【0011】請求項3の発明の構成によれば、主材の表
面に形成された長手方向に連続する凹所の中に、超音波
振動器を用いてエミッタを充実しているので、従来の浸
漬法では困難であった凹所の深部へのエミッタの充実が
可能になるのである。
【0012】
【実施例】
(実施例1)以下の実施例では、封入ガスの分圧が小さ
い低圧放電ランプについて説明するが、他の放電ランプ
についても本発明の技術思想は適用可能である。透光性
材料により形成されたバルブ内に不活性ガスや金属蒸気
などのガスが封入され、少なくとも一対の電極が対向し
て配置される。両電極間に交番電圧を印加する形式のも
のでは、各電極の表面に電子放射物質を被着して各電極
から熱電子が放出されるようにし、両電極間に直流電圧
を印加する形式のものでは、負側に接続される電極の表
面に電子放射物質を被着して熱電子が放出されるように
する。電子放射物質を被着した電極を陰極と呼ぶことに
する。
【0013】陰極は、図1に示すように、タングステン
等の耐熱性金属材料により形成された主材1と、主材1
に充実されたアルカリ土類酸化物等の電子放射物質より
なるエミッタ2とからなる。主材1の表面には主材1の
長手方向に断面の形状が長方形となる溝3が二本形成さ
れる。ただし、溝3の断面の形状および本数はこれに限
定されるものではない。この溝3の中にエミッタ2を充
実させるのである。ここに、バルブ内に封入したガス圧
やガスの種類に応じたデバイ長にもよるが、例えば、陰
極の周囲に形成されるイオンシースの厚みが100μm
程度であれば、溝3の幅は数10μmに設定される。仮
に、断面が100μm×200μmの主材1の表面に、
幅20μm深さ100μmの溝3を二本平行に設けたと
すると、主材1の全表面にエミッタ2を被着した場合に
比較して、開口率は6.7%に減少させることができ
る。すなわち、主材1の全表面にエミッタ2を被着した
場合に比較して、熱電子の放出を低下させることなく、
エミッタ2がイオンスパッタリングを受ける確率を15
分の1に低減することができる。また、エミッタ2は主
材1の表面に連続して存在するので、放電ランプ点灯中
のランプ電圧を安定させることができる。
【0014】この構造のエミッタ2は、表面に溝3を形
成した主材1を、スラリ状の電子放射物質の中に浸し、
超音波振動器7により振動を与えることによって溝3の
中にエミッタ2を充実して形成される。例えば、図3に
示すように、電子放射物質としてBaCO3 、SrCO
3 、CaCO3 の3種類の炭酸化合物の混合物8を使用
し、スラリ状の混合物8の中に表面に溝3を形成した主
材1を浸漬する。主材1を浸漬したスラリ状の混合物8
を超音波振動器7にかけた後、主材1をスラリ状の混合
物8内から取り出し、ブラシ等で主材1表面に付着した
スラリ状の混合物8を取り去ることによって、図4に示
すように、溝3の深部にまでエミッタ2を充実させるこ
とができる。
【0015】(実施例2)本実施例では、図2に示すよ
うに、内部が空洞である筒状の主材4の表面に、主材4
の長手方向に内部の空洞と繋がった溝5を形成してい
る。また、溝5に電子放射物質を充実することによって
エミッタ2を形成している。上記構成では、陰極におけ
るイオンスパッタリングを受ける面のうちエミッタ2が
露出している部分は溝5が形成されている部分だけであ
るから、実施例1と同様に、エミッタ2がイオンスパッ
タリングを受ける確率が低減されることになる。
【0016】例えば、外径が700μm、肉厚が100
μmである筒状の主材4の表面に、幅30μmの溝5を
一本形成し、空洞部6を含めた溝5の中に電子放射物質
を充実することによってエミッタ2を形成している。こ
こに、主材4の外径や肉厚は限定する趣旨のものではな
く、使用用途によって設定されるものである。この場
合、主材1の全表面にエミッタ2を被着した場合に比較
て、開口率は1.4%に減少させることができる。す
なわち、主材1の全表面にエミッタ2を被着した場合に
比較して、エミッタ2がイオンスパッタリングを受ける
確率を約70分の1に低減することができる。さらに、
空洞の内部にもエミッタ2を充実できるので、結果的に
放電ランプの寿命を著しく延ばすことができる。
【0017】また、本実施例の場合も、実施例1と同様
に、エミッタ2を溝5及び空洞部6に充実するのに超音
波振動器7を用いて行う。なお、上記の超音波振動器7
を用いてエミッタ2の充実を行う方法は、図6の従来構
成(主材の表面に設けた多数の微細な凹所にエミッタを
充実した構成)にも適用することができる。
【0018】
【発明の効果】請求項1の発明は、長手方向に連続する
凹所を主材の表面に形成し、凹所の中に電子放射物質よ
りなるエミッタが充実されているので、イオンスパッタ
リングを受ける面積を低減できるという効果とともに、
エミッタが連続して存在しているので、放電ランプ点灯
中のランプ電圧を安定させることができるという効果が
ある。
【0019】請求項2の発明は、内部が空洞である筒状
の主材の表面に、主材の長手方向に連続し内部の空洞と
繋がった凹所を形成し、内部の空洞を含めて凹所の中に
電子放射物質よりなるエミッタが充実されているので、
凹所の寸法を適切に設定すれば、イオンスパッタリング
を受ける面積を低減できるという効果と、エミッタが連
続して存在しているので、放電ランプ点灯中のランプ電
圧を安定させることができるという効果とともに、従来
よりも多くの量のエミッタを主材に充実させることがで
きるので、陰極の寿命をさらに延ばすことができるとい
う効果がある。
【0020】請求項3の発明は、主材の表面に形成され
長手方向に連続する凹所の中に、超音波振動器を用い
てエミッタを充実しているので、従来の浸漬法では困難
であった凹所の深部へのエミッタの充実させることがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示す一部断面斜視図である。
【図2】実施例2を示す一部断面斜視図である。
【図3】実施例の製造方法を示す概略構成図である。
【図4】実施例1を示す断面図である。
【図5】従来例の電子とイオンとの振る舞いを示す説明
図である。
【図6】従来例を示す一部断面斜視図である。
【図7】従来例における放電ランプ点灯中のランプ電圧
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 主材 2 エミッタ 3 凹所
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01J 61/067 H01J 9/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブ内にガスを封入した放電ランプに
    用いる陰極であって、長手方向に連続する凹所を主材の
    表面に備え、凹所の中に電子放射物質よりなるエミッタ
    が充実されていることを特徴とする放電ランプ用陰極。
  2. 【請求項2】 内部が空洞である筒状の主材を用いてお
    り、主材の表面に形成された長手方向に連続し内部の空
    洞と繋がった凹所及び空洞の中に、電子放射物質よりな
    るエミッタが充実されていることを特徴とする請求項1
    記載の放電ランプ用陰極。
  3. 【請求項3】バルブ内にガスを封入した放電ランプに用
    いる陰極を製造する方法において、陰極は長手方向に連
    続する凹所を主材の表面に備えて成り、前記凹所の中
    に、超音波振動器を用いて電子放射物質よりなるエミッ
    タを充実することを特徴とする放電ランプ用陰極の製造
    方法。
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