JP2685441B2 - 波長可変半導体レーザ - Google Patents
波長可変半導体レーザInfo
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- semiconductor layer
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- semiconductor
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は半導体発光素子に係り、特に2波長を選択発
振可能なレーザ素子に関する。 〔従来の技術〕 従来半導体レーザはp形およびn形クラツド層の間に
活性層を有する半導体層状構造の表裏面に電極を設け、
膜に垂直な方向に電流を流しレーザ発振をさせていた。
しかしこの構造のレーザは1波長しか発振できない。こ
れに対しジユー・カンタム・エレクトロニクス,第QE11
巻(1975年)第427頁(J.Quantum Electron.,QE11,427
(1975))に示されている深いp形拡散層を有するレー
ザ(TJSレーザ)構造はアプライド フイジツクス レ
ター 第36巻(1980年)第441頁(Appl.Phys.Lett.,36
(6),441(1980))に示されるごとく多波長同時発振
が可能であり、本発明はこのタイプのレーザをさらに発
展させ、2波長のうちの1波長を選択的に発振させ得
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術は多波長を同時発振させるもので波長選
択の機能を有せず、光多重伝送,光デイスクなどの応用
を目的とすれば何ら利点を発揮するものではないことは
明らかである。本発明は電流の経路をゲート電極から印
加した電圧によつて制御し波長選択を可能にすることを
目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的はp−n接合に逆バイアスを印加したときに
発生する空乏層の広がりを利用することにより、つまり
この空乏層領域を制御することによつて電流のオン,オ
フが可能となり、達成される。 第1図は本発明の基本構造を表わしたものであり、Ga
As−AlGaAs半導体を例としている。同図において電極1
8,19の下部に設けた点線領域はZnを不純物として拡散し
たp形領域である。電極19にプラス電位、また電極17に
マイナス電位を印加しp−n接合に順電流を流すとp形
領域20から正孔が、また14のn+−AlGaAsから電子が15の
n-−GaAs層に注入され、電子と正孔の再結合によつてGa
Asのバンドギヤツプに相当した発光が生じ、図面に平行
な方向の共振器によりついにはレーザ発振する(波長〜
830nm)。さらに電極19と17間の電位差を増加すると同
様に13のn−AlGaAsを活性層としたレーザ発振が生じ、
上記15のn-−GaAs層を活性層としたレーザ発振に加え
て、より短波長の光波が得られる。ここで初めにn-−Ga
As層に電流が流れるのはn−AlGaAs(13)に比べバンド
ギヤツプが小さいためであり低電圧ではn-−GaAsに流れ
る。したがつて第1図の構成での要点は活性層15,活性
層13の順でバンドギヤツプが大きくなり、かつクラツド
層である12,14,16はこれらより大きなバンドギヤツプの
材料が必要なことである。 ここで電極18にマイナス電位を加えていくとp−n接
合に逆バイアスが印加されることになり、n-−GaAs層内
に空乏層が形成されマイナス電位とともに空乏層幅が増
大し、ついにはn-−GaAs層全体に拡がるためn-−GaAs活
性層からの発振が停止する。すなわち電極18はゲートの
役割りを果す。このように電極17,18,19の電位を調節す
ることにより、n-−GaAs(15)とn−AlGaAs(13)それ
ぞれを活性層とするレーザ光を選択的に取出すことがで
きる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を第1図を用いて説明する。 Siドープ(キヤリア濃度2×1018/cm3)GaAs基板1
の上にMOCVD(Metalorganic Chemical Vapour Depositi
on)でn+−Al0.4Ga0.6As(Seドープ、キヤリア濃度〜10
19/cm3)12を約1μm、ついでn−Al0.2G0.8As(キヤ
リア濃度2×1016/cm3)13を0.5μm、n+−Al0.4Ga0.6
As14を約1μm、n-−GaAs15を0.5μm、n+−Al0.4Ga
0.6As16を約1μmにて形成した。さらに第1図の点線
領域にZnを拡散してp形領域を形成した後オーミツク電
極を付けてレーザを作製した。p形領域の形成は第1図
のごとく異なる拡散深さを有する三種類の領域をそれぞ
れ拡散時間を変えて形成した。 このレーザにCuのヒートシンクにマウントし電極19と
17間に順方向電流を流したところ、n-−GaAs層を活性層
とした波長0.85μmの発振が電流100mAから始まつた。
この状態で電極18にマイナス電位を印加していつたとこ
ろ電極19と18間の電流が増加し始めるところでこのレー
ザ発振が停止するとともに広い波長幅の弱い発光が始ま
つた。ついで電極19,17間の電圧を増加させたところ波
長0.78μmのレーザ光が得られた。このことから広い波
長幅の弱い発光はn−Al0.2Ga0.8Asを活性層とするLED
発光であることが分かつた。 以上の初期動作で得られた駆動電圧を今度は、一度に
印加し0.85μmのレーザ発振をさせながら、電極18への
マイナス電位を与えるとともに電極19と17間の順電圧増
加を同時に行なつたところ、0.85μmの発光が停止し、
より短波の0.78μmのレーザ光が得られ、同様にして再
び0.85μmの発光に戻すこと、すなわちレーザ光の選択
発振をすることができた。 以上GaAs系材料による実験例を実施例として示したが
本発明はこの材料に限らずより短波長の発光が可能なGa
InP系等他の材料を用いたレーザにも適用できることは
明らかである。
振可能なレーザ素子に関する。 〔従来の技術〕 従来半導体レーザはp形およびn形クラツド層の間に
活性層を有する半導体層状構造の表裏面に電極を設け、
膜に垂直な方向に電流を流しレーザ発振をさせていた。
しかしこの構造のレーザは1波長しか発振できない。こ
れに対しジユー・カンタム・エレクトロニクス,第QE11
巻(1975年)第427頁(J.Quantum Electron.,QE11,427
(1975))に示されている深いp形拡散層を有するレー
ザ(TJSレーザ)構造はアプライド フイジツクス レ
ター 第36巻(1980年)第441頁(Appl.Phys.Lett.,36
(6),441(1980))に示されるごとく多波長同時発振
が可能であり、本発明はこのタイプのレーザをさらに発
展させ、2波長のうちの1波長を選択的に発振させ得
る。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上記従来技術は多波長を同時発振させるもので波長選
択の機能を有せず、光多重伝送,光デイスクなどの応用
を目的とすれば何ら利点を発揮するものではないことは
明らかである。本発明は電流の経路をゲート電極から印
加した電圧によつて制御し波長選択を可能にすることを
目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 上記目的はp−n接合に逆バイアスを印加したときに
発生する空乏層の広がりを利用することにより、つまり
この空乏層領域を制御することによつて電流のオン,オ
フが可能となり、達成される。 第1図は本発明の基本構造を表わしたものであり、Ga
As−AlGaAs半導体を例としている。同図において電極1
8,19の下部に設けた点線領域はZnを不純物として拡散し
たp形領域である。電極19にプラス電位、また電極17に
マイナス電位を印加しp−n接合に順電流を流すとp形
領域20から正孔が、また14のn+−AlGaAsから電子が15の
n-−GaAs層に注入され、電子と正孔の再結合によつてGa
Asのバンドギヤツプに相当した発光が生じ、図面に平行
な方向の共振器によりついにはレーザ発振する(波長〜
830nm)。さらに電極19と17間の電位差を増加すると同
様に13のn−AlGaAsを活性層としたレーザ発振が生じ、
上記15のn-−GaAs層を活性層としたレーザ発振に加え
て、より短波長の光波が得られる。ここで初めにn-−Ga
As層に電流が流れるのはn−AlGaAs(13)に比べバンド
ギヤツプが小さいためであり低電圧ではn-−GaAsに流れ
る。したがつて第1図の構成での要点は活性層15,活性
層13の順でバンドギヤツプが大きくなり、かつクラツド
層である12,14,16はこれらより大きなバンドギヤツプの
材料が必要なことである。 ここで電極18にマイナス電位を加えていくとp−n接
合に逆バイアスが印加されることになり、n-−GaAs層内
に空乏層が形成されマイナス電位とともに空乏層幅が増
大し、ついにはn-−GaAs層全体に拡がるためn-−GaAs活
性層からの発振が停止する。すなわち電極18はゲートの
役割りを果す。このように電極17,18,19の電位を調節す
ることにより、n-−GaAs(15)とn−AlGaAs(13)それ
ぞれを活性層とするレーザ光を選択的に取出すことがで
きる。 〔実施例〕 以下、本発明の実施例を第1図を用いて説明する。 Siドープ(キヤリア濃度2×1018/cm3)GaAs基板1
の上にMOCVD(Metalorganic Chemical Vapour Depositi
on)でn+−Al0.4Ga0.6As(Seドープ、キヤリア濃度〜10
19/cm3)12を約1μm、ついでn−Al0.2G0.8As(キヤ
リア濃度2×1016/cm3)13を0.5μm、n+−Al0.4Ga0.6
As14を約1μm、n-−GaAs15を0.5μm、n+−Al0.4Ga
0.6As16を約1μmにて形成した。さらに第1図の点線
領域にZnを拡散してp形領域を形成した後オーミツク電
極を付けてレーザを作製した。p形領域の形成は第1図
のごとく異なる拡散深さを有する三種類の領域をそれぞ
れ拡散時間を変えて形成した。 このレーザにCuのヒートシンクにマウントし電極19と
17間に順方向電流を流したところ、n-−GaAs層を活性層
とした波長0.85μmの発振が電流100mAから始まつた。
この状態で電極18にマイナス電位を印加していつたとこ
ろ電極19と18間の電流が増加し始めるところでこのレー
ザ発振が停止するとともに広い波長幅の弱い発光が始ま
つた。ついで電極19,17間の電圧を増加させたところ波
長0.78μmのレーザ光が得られた。このことから広い波
長幅の弱い発光はn−Al0.2Ga0.8Asを活性層とするLED
発光であることが分かつた。 以上の初期動作で得られた駆動電圧を今度は、一度に
印加し0.85μmのレーザ発振をさせながら、電極18への
マイナス電位を与えるとともに電極19と17間の順電圧増
加を同時に行なつたところ、0.85μmの発光が停止し、
より短波の0.78μmのレーザ光が得られ、同様にして再
び0.85μmの発光に戻すこと、すなわちレーザ光の選択
発振をすることができた。 以上GaAs系材料による実験例を実施例として示したが
本発明はこの材料に限らずより短波長の発光が可能なGa
InP系等他の材料を用いたレーザにも適用できることは
明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の二波長選択発振レーザの構造および実
施例を示した図である。 17,18,19…オーミツク電極、20…Zn拡散p形領域。
施例を示した図である。 17,18,19…オーミツク電極、20…Zn拡散p形領域。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭60−115282(JP,A)
Jpn.J.Appl.Phys.25
[12](1986)p.1957−1958
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.半導体基板と、 該半導体基板上に第1半導体層、該第1半導体層よりバ
ンドギャップの小さい第2半導体層、該第2半導体層よ
りバンドギャップの大きい第3半導体層、該第2半導体
層よりバンドギャップの小さい第4半導体層、並びに該
第2半導体層よりバンドギャップの大きい第5半導体層
をこの順に積層してなる第1導電型の積層領域と、 該第5半導体層の上面に離間して形成された第1及び第
2の電極と、 該半導体基板の下面に形成された第3の電極を有し、 上記積層領域は上記第5半導体層の上記第1の電極が形
成された面から上記第1半導体層の内部に至る第1部分
と上記第5半導体層の上記第2の電極が形成された面か
ら上記第4半導体層の内部に至る第2部分に第2導電型
の不純物が拡散され、且つ該第1部分と該第2部分は相
互に離間していることを特徴とする波長可変半導体レー
ザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62016070A JP2685441B2 (ja) | 1987-01-28 | 1987-01-28 | 波長可変半導体レーザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62016070A JP2685441B2 (ja) | 1987-01-28 | 1987-01-28 | 波長可変半導体レーザ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63185086A JPS63185086A (ja) | 1988-07-30 |
JP2685441B2 true JP2685441B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=11906307
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62016070A Expired - Lifetime JP2685441B2 (ja) | 1987-01-28 | 1987-01-28 | 波長可変半導体レーザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2685441B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0360011B1 (de) * | 1988-09-22 | 1994-02-16 | Siemens Aktiengesellschaft | Abstimmbarer DFB-Laser |
CN115207775B (zh) * | 2022-09-15 | 2023-10-13 | 日照市艾锐光电科技有限公司 | 一种基于沟道波导衬底的半导体激光器及其制备方法 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60115282A (ja) * | 1983-11-28 | 1985-06-21 | Hitachi Ltd | 半導体レ−ザ装置 |
-
1987
- 1987-01-28 JP JP62016070A patent/JP2685441B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
Jpn.J.Appl.Phys.25[12](1986)p.1957−1958 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63185086A (ja) | 1988-07-30 |
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