JP2673507B2 - 茶等の抽出用容器 - Google Patents

茶等の抽出用容器

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JP2673507B2 JP60275464A JP27546485A JP2673507B2 JP 2673507 B2 JP2673507 B2 JP 2673507B2 JP 60275464 A JP60275464 A JP 60275464A JP 27546485 A JP27546485 A JP 27546485A JP 2673507 B2 JP2673507 B2 JP 2673507B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の技術分野および目的] 本発明は緑茶、紅茶等の抽出用の急須、土瓶、ポット
に関する。 緑茶、紅茶、中国茶等、葉より成分を湯中に抽出せし
めこれを喫飲する飲用物においては、茶葉を急須、ポッ
ト等の容器に入れ、この容器に湯を注いで茶葉を湯中に
浸し、この状態で一定時間放置後、該容器より茶を湯飲
み、カップ等に注いでこれを飲用するのが、最も一般的
な喫飲法である。このとき茶葉を湯中に浸漬しておく時
間が適切であれば美味な湯茶が喫飲できるが、短すぎる
と味が薄く長すぎると苦味や渋味を帯び風味が損なわれ
る。 このため湯を容器に注いだ後一定の放置時間後に湯茶
を飲んでしまうか、あるいはこの喫飲時の制約を避ける
ためには、浸漬した茶葉を一定時間後に湯中より除いて
しまう方法が取られている。後者に関する従来の方式と
しては、ティーバッグや網製の篭の中に茶葉を炒れ一定
時間後にこれらを湯より引き出す方法、フィルターを一
定時間後に容器上部より押し下げ茶葉を容器底部に集積
してしまう方法等が用いられている。しかしながら、こ
れらの方法にはいずれも、引き出した茶葉の置き場所を
用意しなければならない、放置時間の見誤りや失念、茶
葉の取り出しの自動化の困難、容器のコスト高等の問題
があり満足のいく方法とはいえない。 本発明は以上の事由に鑑み、茶葉の湯中への浸漬時間
を制御する新規の方式による容器を呈示するものであ
る。 [発明の構成] 第1図は本発明に係る容器の構造を示す断面図であ
る。容器は茶葉を保持する本槽11と、空気槽10よりな
る。本槽11には茶葉をその底より離して中程に保持でき
る網、メッシュ、フィルター等の機能が取り付けられて
いるか、もしくは取り付け可能であり、空気槽11にはそ
の上部に通気口として、開閉弁、着脱可能な栓、微細
孔、あるいはこれらと同等の機能を呈するものの少なく
ともいずれかが設けられている。本槽11と空気槽10は隔
壁14により仕切られているが、容器の下部において連通
していなければならない。本槽はここから湯を注ぐため
上部は開放されているが、空気槽は上述の通気口及び下
部の本槽との連通部を除いて閉鎖されている必要があ
る。 次にこの容器の作用を説明する。茶葉を本槽の中程に
置き、空気槽の栓または開閉弁13は閉じた状態で湯を注
ぐ。湯の水位15は本槽内の茶葉を十分に浸す程度でなけ
ればならないが、空気槽10には空気が残るので湯の水位
16は本槽との連通部程度に停どまり、本槽側の水位15よ
りもはるかに下位にある。 本発明の特徴は、この状態以降、空気槽からの気体の
排気を制御することにより、本槽側の湯の水位(以下、
本明細書中においては湯位と称する)を制御し、もって
茶葉の湯中への浸漬を制御することにあるが、その方式
において次の3通りがある。 (i) 開閉弁または着脱可能な栓あるいはこれらと同
等の機能を有するものを設けたる場合で、それらの開
閉、着脱を手動で行う場合。 前述の湯を注いだ直後の状態から適当な放置時間経過
後、弁を開くか栓を外す。これによって空気槽10の中に
閉じ込められていた気体が開放され、第2図に示すごと
く、空気槽側の湯位16が上昇すると共に本槽側の湯位15
が降下して茶葉の置かれた位置よりも下位になり、茶葉
が湯より離脱するので、これ以後茶葉の成分が過剰に湯
中に抽出されることがない。 (ii) 開閉弁または着脱可能な栓あるいはこれらと同
等の機能を有するものを設けたる場合で、それらの開
閉、着脱を自動的に行う場合。 (i)の操作を自動的に行うもので、開閉弁や栓に適
当な機械的装置を取り付けたり、開閉弁として電磁弁を
使用する等の方法を講じ、これらをタイマーや各種時計
と連動せしめ、湯を注いだ後予めセットした放置時間経
過後自動的に作動させ、空気槽内の気体を開放して本槽
側の湯位を下げ、(i)と同じ効果を得るようにしたも
のである。 (iii) 微細孔あるいはこれと同等の機能を有するも
のを設けたる場合。 開閉弁や着脱可能な栓に代えて、微細孔を設ける。微
細孔とは毛細管程度の気体の流通が極めて抑制された通
気口を意味するが、小穴や毛細管以外に、これらと同等
の機能を有するものとして、連通した細孔を有する多孔
質物質を材料とするか、適度な擦り合わせを有する栓を
取り付ける、上記多孔質物質か気体透過性メンブランを
空気槽の上部の壁面の一部として使用する等の場合があ
る。気体の微少な流通を可能にするものであれば、種
類、形態を問わない。 空気槽10に微細孔が設けられている場合、湯を注いだ
直後は、気体の流通が僅少であるため空気槽内の気体は
急速には抜け出せず第1図のような状態であるが、時間
の経過にともなって徐々に気体が空気槽より排除され、
これにともなって空気槽内の湯位16が上昇すると共に本
槽側の湯位15が下降し、ついには第2図のごとく茶葉が
湯より離脱するにいたる。微細孔の大きさ、形状、多孔
質物質の材質等を適当に選定しておくことにより、湯を
注いでから茶葉が離脱するまでの時間を適切な抽出のた
めの放置時間、即ち茶葉の浸漬時間に合わせることがで
きる。 以上の(i)〜(iii)の内2以上を併用する場合も
ある。以下本明細書ではこれらの方式を各項目の冒頭の
記号(i)、(ii)、(iii)を以て引用する。 本発明がその内容とするところのものはこれらの機能
を有する容器、及び通常の容器にそれを組み込むことに
よって該容器にこれらの機能を持たせることのできる取
付具である。 上述の条件を満たすものであれば、容器、取付具、本
槽、空気槽の形状、大きさ、材質等は問わない。 本発明に係る容器及び取付具が扱う対象とするもの
は、主として日本茶、紅茶等の葉状のものより成分を抽
出して飲用に供するものであるが、コーヒー等の粉状の
もの等被抽出物が他の形状のものでもよい。ただし、い
ずれの場合も被抽出物が本槽の中程に設置できるよう
に、例えば粉状の場合には目の細かいメッシュ、フィル
ターを用いる事を必要とする。 [発明の実施例] 次に本発明に係る容器及び取付具についてさらに具体
的に詳述する。前述の(i)〜(iii)の方式の差は空
気槽に設けられた通気口の態様の違いに過ぎず、本槽及
び空気槽の形状、態様は共通するのでこの点を中心に幾
つかの実施例を挙げる。他方、空気槽に該通気口として
設けられる開閉弁、着脱可能な栓に関しては、多くの種
類のものが各分野の技術体系上随所に見受けられ全くの
公知技術であるので、本明細書においては特に記述の対
象としない。これらを自動的に制御する機械的及び電動
的機構に関しても同様である。従って、通気口に関して
は主として(iii)の微細孔を設ける場合の方式を例示
する。 本発明に係る容器の最も基本的な構造は、第1図及び
第2図にその断面図を示すものである。図には微細孔12
と栓または開閉弁13の両者が設けてあるが、いずれか一
方でもよいし、両者を併用してもよい。これらの位置は
空気槽の上部であれば特に限定しない。空気槽内の湯位
16が上昇したときにそれよりも上であればよい。微細孔
の口径が小さく、気体は通すが液体たる湯は事実上透過
させないときには中程あるいは下部に位置してもよい。
ただし、微細孔が一つだけの時には、空気槽の湯位16が
そこに達したときに本槽の湯位15の降下も終わるので、
茶葉の設置位置が制約される。 微細孔を設ける方法であるが、容器の壁面に直接穴を
明ける場合は、口径があまり小さくなるとドリル、パン
チ等による機械的方法では容易ではない。しかし近年は
ミクロの穿穴技術が発達しレーザー、放電加工、流体や
粉体の吹き付け、エッチング等種々の方法が開発されて
いる。第3図のように、ガラス等で予め作成した毛細管
をその周囲を充填剤または接着材32で固め、容器の空気
槽を囲む壁面の一部を貫かせて設置する方法もある。多
孔質物質を用いる場合には、これをそのまま容器の空気
槽上部の一部の壁面の材料として用いてもよいが、第4
図に示すように、多孔質物質34を材質の一部とする着脱
可能な栓を設けて取り付ければ、(i)の機能も同時に
兼ね備える事になる。第4図では多孔質物質34をゴム栓
35の中に貫通させて埋め込むような構造にしてあるが、
毛細管をゴム栓の中にはめ込む形にしてもよい。同様に
第3図の毛細管31を多孔質物質に代えた構造も可能であ
る。 他方、容器を素焼きの陶器等で製作する場合、容器の
壁の材質がもともと多孔質で微細孔を含んでいることも
あるが、このような場合には特別に微細孔を設ける必要
がない。また微細孔の口径が湯をも通してしまうほど大
きい場合には、空気槽の上部を囲む部分の容器壁のみを
残して他を上薬で覆い再度焼き上げる等の措置が可能で
ある。 微細孔の大きさについては、円筒形の毛細管で近似
し、非圧縮性の層流として、よく知られているポアズイ
ユ(Poiseuille)の式を用いると大方の値を見積もるこ
とができる。Qを流束(cm3/sec)として次式を得る
が、 ここでrは毛細管の半径(cm)、Pは毛細管の両端の
圧力差(dyn/cm2)、ηは流体の粘度(poise=dyn・s/c
m2)、Lは毛細管の長さ(cm)である。 一例として、本槽において茶葉を湯より引き離すのに
必要な湯位の降下を果たすために空気槽より500cm3の気
体を排除する必要があり、また適切な茶葉の浸漬時間が
3分であるとき、毛細管を通る平均的な空気の流束Qは
約2.8cm3/secである。本槽と空気槽の湯位の平均的な差
が圧力差を与えるが、これを5cm(4900dyn/cm2)、毛細
管の長さを0.2cm、ηとして空気の値2×10-4poiseをと
ると、式に基づき毛細管の半径としてr=〜0.016c
m、即ち160ミクロンを見積もる事ができる。これは毛細
管一本についての値であるから、毛細管が複数束ねられ
ているとみなせる多孔質物質の場合には、気孔率や多孔
質物質を使用する部分の面積に応じてこれよりも小さい
細孔径をとる必要がある。 式によれば、流束Qは半径の4乗に比例するので、
半径のわずかな違いがQに大きく影響する。従って、条
件により毛細管の長さ、排除する空気量、浸漬時間等に
多少の違いが生じても、微細孔として一本の毛細管を用
いる場合にその半径についてはほぼ数百ミクロン程度の
オーダーに収まる。実際には式適用の誤差もあるが桁
数においてそれほど大きな違いはないと思われる。この
程度の大きさの穴あるいは隙間を設けることは上述の各
方法等により技術的に十分に可能な事であり、その方
法、形態はほぼ無数にあるといえる。 また多孔質物質を用いる場合には、上述の結果よりそ
の細孔径が数十ミクロン、数ミクロン程度のものが適切
であるが、このような多孔質物質は焼結体、ガラスや陶
器等のセラミック、無機及び有機の繊維束等に幅広く認
められる。 空気槽内の気体は空気のみではなく、湯を本槽に注い
だ直後の第1図の状態では水蒸気の発生も有るので、浸
漬時間を厳密に制御するのは難しい。この点に関しては
(iii)よりも(i)あるいは(ii)の方式の法が勝っ
ている。しかしながら、通常の湯茶の喫飲の場合それほ
ど厳密に浸漬時期を制御するには及ばないと思われる。 微細孔の位置等によっては、水蒸気が微細孔内に凝結
して微細孔が塞がれる場合がありうるが、これを防ぐた
めには微細孔の周辺及び内部にはっ水性の高い物質を用
いる、あるいは表面をこれらの物質皮膜で被覆する、後
に例示するような水蒸気トラップを途中に設ける等の方
法がある。しかし、たとえ水蒸気の凝結が生じても水は
流体であるから、微細孔を通しての流体の排出がなくな
るわけではなく、粘度の違い等により流束が低下し、目
的とする空気槽よりの気体の排出が遅れるだけであるか
ら、凝結が常時見込まれるような微細孔の設ける時に
は、予め口径を大き目にする等の措置をすることによっ
て、目的とする浸漬時間に調節、あるいは凝結した水が
微細孔より流出し易くすることが可能である。 容器の材質は問わない。通常の緑茶、紅茶を入れるの
に用いられる容器の材質であればいずれも可能である。
形状、大きさも種々のものが考えられる。外形のみなら
ず内部の本槽、空気槽に関しても同様であるが、一般に
湯の水位面に対する空気槽側の断面積が大きいほど、本
槽側の湯の水位の降下が大きい。 第5図には容器本体にたいして着脱可能な取り付け器
具を用意し、該取付具を容器本体に装着したときに
本発明に係る容器の構造を構成する場合の一例が示され
ている。容器本体が該取付具を取り付けるために特別な
構造や形状を有している場合には、取付具と容器本体を
一組みにして分解可能な本発明に係る容器と見なせる
が、容器本体が特別のものではなく通常見掛けることが
できる種類のものである場合には、取付具のみが本発明
に係るものとなる。 第1図及び第2図に示されるような本槽と空気槽が常
設されている構成では、容器の内部を清掃する必要が生
じたときに不便である。尤も、通常の急須等では容器全
体を湯あるいは水の中に浸して掃除するので、このよう
な方法を用いれば本発明に係る容器も清掃可能ではある
が、清掃効果を高めるため容器内部を拭き擦するには容
器が分解できる方が良い。 第5図には着脱可能な取付具及びこれに付随して共
に装着する網篭17、蓋20、更にこれらを取り付ける容器
本体の見取り図を、第6図にはこれらを容器本体に装
着したときの断面図が示されている。第5図の見取り図
では容器本体の大きさが多少小さめに描かれている。
該取付具は両端が解放されている中空の円筒形の外形
を有し、内部に茶葉を中途に保持するための網篭17を設
ける事が可能である。網篭17は円筒内に固着されたもの
でもよいし着脱可能なものでもよい。網篭を除去し糸で
ティーバッグをぶら下げて使用してもよい。円筒形の上
部に取付具を容器本体に取り付けるための機能、取付
環43があるが、第5図及び第6図ではネジ込み式の例が
示されている。取付具の取り付けによって、中空の円
筒形の壁面が隔壁14となり、容器本体の内部が区分け
されて、円筒形の内側が本槽11、円筒形の外側が空気槽
10になる。従って取付具を容器本体と結合させる取付環
43が空気槽を外気から遮断する役割を果たす必要があ
る。第6図ではパッキング材48を取付具側と容器本体の
取付口42の上縁の間に置き、これをネジ込みによりはさ
みつけることによって容器本体側の密封を果たしてい
る。ネジ込み式のほかに、第7図に示すようなゴム栓状
取付環59を円筒系の周囲に設けたゴム栓式の取り付け方
もある。ゴム栓部にはシリコンゴムのような多少耐熱性
のある材質を用いるとよい。この場合には容器本体の取
付口42にネジ山46を刻む必要が無い。 空気槽の通気口としては(iii)の微細孔による方式
が示されているが、微細孔は容器本体側に設けても良い
し、取付具側に設けてもよい。容器本体に特に本発明に
係る容器を構成する為に製作したものではない通常のも
のを用いる場合には、当然取付具側に設ける事になる。
第6図では取付具の円筒の上部にこの微細孔12を設けて
ある。第7図では円筒の微細孔以外に、ゴム栓状取付環
59の一部の擦り合わせ表面に凹凸を与えて粗面擦り合わ
せ60とし、ここから微量の気体が漏れるようにする方法
が例示してある。 第6図における取付具の円筒と湯茶注ぎ口側の容器
本体ではさまれる空気、容器前部空隙61には、容器を傾
けて注ぐ時に湯茶が残留するので、該空隙部分ができる
だけ小さくなるように容器及び器具の形状を考慮する必
要がある。第5図で容器本体が円筒形ではなく前後に非
対称な形状になっているのはこの理由による。この点を
除けば第1図及び第2図の例と異なり容器本体の内部に
特別な構造があるわけではないので、該当する形状のも
のがあれば通常の容器がそのまま利用できる。ただ第5
図の例の場合にはネジ山が取付口42に必要である。 第5図で取付具の形状を円筒形にしてあるのは製作
上の便宜を考えてのことであって、これに限定される事
を意味するものではない。 第8図及び第9図に取付具を取り付ける事によって容
器を本発明に係るものにする別の実施例を示す。取付具
を容器本体に差し込むことによって内部の空間を本
槽と空気槽に仕切ることは第5図の例と同じであるが、
第8図及び第9図の場合には、空気槽が差し込んだ取付
具側に形成される。第8図には取付具、付属部品、容器
本体の見取り図を、第9図にはこれらを装着した状態の
断面図を、それぞれ第5図、第6図と同様に示す。 器具は底が解放されている下部中空円筒70とその上部
から上に延びる中空管71を基本構造とする。両者の内側
の空間は連通しており、容器本体に取り付けたときには
この空間が空気槽10を構成する。その様子は第9図の断
面図に示される。これによって容器本体から仕切られた
空間の残りが本槽11を構成する。中空管71の上端の中空
管先端部72に通気口が設けられ空気槽よりの気体の流通
を制御する。下部中空円筒70の上側に位置するように茶
葉を置く網篭17が設けられているが、この網篭は下部中
空円筒と中空管よりなる基本構造に固定されていてもよ
いし、別個に取り外し可能になっていてもよい。ティー
バッグを容器の上から糸で吊して用いる時には不要であ
るから、網篭の存在は必須のものではない。網篭を設置
する場合も篭の形状、大きさ、構造等は図中のものに限
定されるものではない。 第8図では容器本体に取付具を取り付けるための機
能、取付具懸垂環73が示されているが、これは取付具
を容器本体に固定することを目的とするが、特に取付具
を取り付けた状態で容器に湯を入れると取付具に浮力が
かかるのでこれを押さえるためのものである。取付具の
材質に浮き上がらないだけの十分重いものを用いる場合
には省略することも可能である。取付具の底部は容器本
体の底に接触してもよいが、この場合には下部中空円筒
の底の壁面に、連通を可能にするだけの切れ目あるいは
隙間を設けておく必要がある。 第5図の例と異なり、取付具の取り付けにより、容器
本体内の取付具に含まれない側の空間を、取り付け部分
において密封しなければならないという事はない。浮力
を押さえるために取付具に取付具懸垂環73を設ける場合
も容器本体内の空間は大気中に解放されている。これと
は逆に取付具の内側になる空間は空気槽10となるので、
中空管先端部72の通気口と底の連通部を除いて密封され
ている。 取付具懸垂環73は浮力の抑制を第一の目的とするので
上方に向かう力にたいして抗することができるような機
能を伴う必要がある。容器本体の取り付け口の外周部に
引っ掛けるツメのようなもの、取付具保持用ツメ74や、
弾力をもって取り付け口の内周部に押し付けるようなタ
イプのもの、取付具保持用弾性突部76が考えられるが、
これらに限定されるものではない。本槽側の大気中への
解放を妨げないネジ込み式やゴム栓式にしてもよい。こ
れらの浮力に抗する機能の取り付け箇所も取付具の上部
とは限らない。下部中空円筒の側面に板バネのようなも
のを取り付け、容器本体の下部の内周部に押し付ける構
成も可能である。 中空管71は第8図及び第9図のように必ずしも取付具
の中央に位置している必要はないが、対称性の高い構造
の方が製造及び使用辞に便利であることが多い。中空管
を長くし、蓋20を大きく突き抜けるような場合には、中
空管71の位置を端に寄せ、中央に穴を空けるよりも端を
一部取り去るような蓋の形にした方が蓋の着脱が容易で
ある。 下部中空円筒70および中空管71が円筒であるのは、製
作上の便宜の理由からであってこれに限定される趣旨で
はない。しかし、茶葉を取付具の外側に相当する本槽11
の中程に設置し、またこの近傍の本槽側の湯位15の変化
をある程度大きなものにする必要から、空気槽10を形成
する取付具の下部はその断面が幅広で、上部はできる
だけ細くする形状が好ましい。他方、下部中空円筒と中
空管の組み合わせのように断面の大きさが不連続に変化
する必要はなく、漏斗を逆さまにしたような基本構造を
とってもよい。 下部中空円筒及び上部中空管の材質は両者とも同一で
もよいし互いに異なってもよい。取付具のほぼ全体が容
器本体の中に入り、周囲を湯で囲まれるので外気と接す
る部分が少なくこれを介して熱が散逸する度合が低いの
で、金属等熱伝導率の高い材質を用いても熱い茶を入れ
る妨げになることがない。金属を用いれば製造に際して
の細かい細工なども可能になり、構造や計上の設計に幅
ができる。 中空管先端部72には通気口が設けるが、次に通気口の
具体例を二、三挙げる。 最も単純な構造は中空管の先端を閉じ、閉じた部分に
毛細管を設けるか、閉じずに開口のままにし、そこに多
孔質物質の栓を設けるものであるが、これらの例は第3
図あるいは第4図について記述した事柄に準ずる。 第10図は微細孔12を伴った着脱可能な微細孔端部82を
中空管71の先端に取り付けた場合の例を示す。微細孔端
部82はネジ込み式で、ネジ部79からの気体の遺漏を防ぐ
ためにパッキング48がはさまれている。微細孔の径が異
なった何種類かの微細孔端部を用意しておけば、空気槽
から抜ける気体の流量がそれに応じて変わり、茶葉の種
類に応じて浸漬時間を調節することができる。一般に日
本茶は浸漬時間が短く1〜3分程度であるが、紅茶は3
〜10分で多少長目である。水蒸気トラップ用メッシュ78
は空気槽からの気体中の水蒸気をここで露結させて取り
去り、微細孔12の内部で水滴が形成されて気体の流通が
妨げられる事を防ぐためのものである。ガラス繊維や金
属細線等の濡れ性の高い物質を用いる。 第11図では、微細孔12を設けない代わりにパッキング
を通常のシール用のものではなく繊維質等の材質を用い
た多孔性のものにし、この多孔性パッキング81を介して
空気槽よりの気体の微少を排出を図る例が示されてい
る。該パッキングはネジ込み式の閉鎖端部83により中空
管71の上端に取り付けられるが、閉鎖端部83による締め
付けの度合を変えたり、材質の異なったものを用意する
ことによって第10図の場合と同様に浸漬時間を調節する
事が可能である。 第12図の例では微細孔12の更に上部に解放口84を設
け、この開閉によって(i)の方式の機能も合わせ持つ
ように図られている。解放口84には、開閉制御棒86の下
端が制御棒押付用バネ94によって押し付けられており、
この状態では解放口84を通じての気体の流通は止められ
ている。必要なときには、開閉制御棒と連動している引
上つまみ85を制御棒押付用バネを延ばしながら引き上げ
ると、開閉制御棒の下端が解放口84から離れて解放口か
ら気体が外に抜け出る。解放口は微細孔ではなく気体の
流通が十分な通路であり、ここが解放されると空気槽内
の気体が速やかに外部に抜け茶葉の浸漬が終了する。解
放口84、開閉制御棒86、引上つまみ85の組み合わせが第
1図の開閉弁あるいは栓13の機能を果たしている。 第13図に気体の流量が調節可能な微細孔の例示す。微
細孔調整棒88と微細孔調整空隙89の組み合わせにより毛
細管と同じ機能が図られている。すなわち微細孔調整棒
88の外径と微細孔調整空隙89の内径を工作上の精度が許
す限り同じものとすることによって、両者を合わせたと
きにその間に極めて僅かの空隙を作る事ができるが、こ
れが毛細管の役割を果たす。調整棒はこれと連動したネ
ジ込み式の微細孔調整つまみ95によって微細孔調整空隙
89への挿入量を変える事ができるが、これは両者によっ
て形成される上述の毛細管の長さを変える事に相当す
る。先に式で示したごとく、毛細管を通じての気体の
流量は毛細管の径のみでなく長さにも依存するので、微
細孔調整棒88の挿入量を変えることによって空気槽から
の気体の流量を調節し茶葉の浸漬時間を望みのものにす
る事ができる。微細孔調節棒を全部引き出してしまえ
ば、微細孔としての機能がなくなり開閉弁あるいは栓を
解放したのと同じ状態になるので、(i)の方式の機能
を合わせ持たせることも可能である。 第14図は、第8図及び第9図に示した空気槽内包型取
付具を、通常の市販されている日本茶用の急須を容器
本体としてこれに組み込んだ場合の一例を示す断面図で
ある。図中、急須の取っ手22は本来湯茶注ぎ口21と垂直
な位置に取り付けられているものであるが、構造を判り
やすくするために便宜上湯茶注ぎ口21の向かい側に図示
してある。取付具の構造は第8図及び第9図に示すもの
とはぼ同じであるが、網篭17が下部中空円筒70と結合し
前者の底が後者の上面で代用されている点が異なってい
る。一般に急須には小さ目のものが多いので、これに合
わせて取付具も小型のものにするためである。網篭内と
の湯の流通が側面でしか行なわれないが、製作上はシー
ト状の網を下部中空円筒70の外部の上部側面に巻くよう
な構造になるので工程が簡素化される。 第15図は取付具を浮力に抗して保持するための取付具
保持用板バネ91の一例を示すもので、取付具上部の取付
具懸垂環73及び網篭17の一部が、構造が判りやすい用に
破断された状態で図示されている。取付具懸垂環は懸垂
環下部92を経て網篭17に結合しているが、懸垂環下部の
一部に取付具保持用板バネ91が図のように設けられ、第
14図に示すように該板バネの突起部が容器本体たる急須
の内側に押し付けられ、取付具全体が浮力により浮き上
がるのを防ぐようになっている。該板バネの端は取付具
の内側に延びて板バネ取り外し用つまみ93を形成し、取
付具を急須より取り外すときには該つまみを内側に押
して取付具保持用板バネ91の突起部を引き込み、急須に
対する引っ掛かりを除去して上部に取付具を引き上げて
取り外す。このような保持用板バネを懸垂環下部92に複
数適当に配置することにより、取付具の急須への取り付
けを十分なものにすることができる。 取付具の形状、寸法等を目的とする容器に合わせるこ
とにより、上部に湯を注ぐための口が空いている標準的
な形状であれば、いかなる急須、どびん、ポットにも、
容器自身には全く手をくわえることなくそのままの状態
で、本発明に係る容器の機能を持たせる事が可能であ
る。但し、元の容器の上部の口が大きいほど、空気槽の
容積が大きく取れるので、本槽側の湯位の降下幅も大き
い。 容器本体が耐熱性の材質で直接火に掛けることができ
るような場合には、他の湯沸かし器から湯を注ぎ入れて
成分を抽出した茶湯を、容器を代えることなく冷えたと
きに再び加熱することができるが、これ以外に、最初か
ら本発明に係る微細孔を設けた取付具を装着した状態で
容器本体で湯を沸かす使用方も可能である。湯が沸騰し
た段階で茶葉を設置し火を止めると、一定時間後に本槽
の湯位が降下して茶葉が湯より離脱する。沸騰時には、
空気槽内に水蒸気が充満するために本槽側の湯位が押し
あげられているからである。ただしこの場合の空気槽側
の湯位の上昇は、空気槽内の水蒸気が空気槽より排出さ
れることよりむしろ液化することによって生じるので、
浸漬時間が通常の使用状態のときと大きく異なるおそれ
があるので、調節に注意を要する。 [発明の効果] 空気槽よりの気体の流出を経て湯位を降下させること
により茶葉を湯より離脱させるので、茶葉の側を移動さ
せる従来の方法に比して、離脱に要する機械的エネルギ
ーがほぼ無視できる程少なく、従って制御が容易であ
る。 特に(iii)の方式の容器及び取付具に関しては、全
くの機械的動作部分を用いずに適度な浸漬時間後に茶葉
を自動的に離脱させることを可能にしするので、浸漬時
間を失念して苦い茶を作ることもなく、器具が故障する
心配も不要である。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る容器の基本的構造図で湯を容器に
注ぎ入れた直後の様態を示す図。第2図は第1図と同一
の容器に於いて適切な時間経過後茶葉の浸漬が終了した
ときの状態を示す図。第3図は本発明に係る容器壁に毛
細管を設けたときの一例を示す断面図。第4図は本発明
に係る容器壁に多孔質の栓を設けたときの一例を示す断
面図。第5図は本発明に係る取付具の一例及びこれと組
合わされる付属具および容器本体の見取り図。第6図は
第5図に示す取付具等を容器本体に組み込んだときの構
造を示す断面図。第7図は本発明に係る取付具の一例の
見取り図。第8図は本発明に係る取付具の一例及びこれ
と組合わされる付属具および容器本体の見取り図。第9
図は第8図に示す取付具等を容器本体に組み込んだとき
の構造を示す断面図。第10図〜第13図は第8図に示す型
式の取付具に設ける微細孔の例を示す断面図であって、
それぞれ、第10図は着脱可能な微細孔端部の場合、第11
図は多孔性パッキングを用いる場合、第12図は開閉弁と
併用する場合、第13図は流量が調整可能な微細孔の一例
を示す。第14図は第8図に示す型式の取付具を通常の急
須に取り付けた場合の構造を示す断面図。第15図は第8
図及び第14図の型式の取付具に設ける浮力防止用の機能
の一例を示す図。 ……容器本体 ……本槽内包型取付具 ……空気槽内包型取付具 10……空気槽 11……本槽 12……微細孔 13……栓または開閉弁 14……隔壁 15……本槽湯位 16……空気槽湯位 17……網篭 18……湯茶 19……茶葉 20……蓋 21……湯茶注ぎ口 22……取っ手 31……毛細管 32……充填剤または接着剤 33……容器空気槽壁 34……多孔質物質 35……ゴム栓 42……取付口 43……取付環 44……網篭懸垂環 45……取っ手保持用輪環 46……容器本体ネジ山 47……取付具ネジ山 48……パッキング材 59……ゴム栓状取付環 60……粗面擦り合わせ 61……容器前部間隙 70……下部中空円筒 71……中空管 72……中空管先端部 73……取付具懸垂環 74……取付具保持用ツメ 75……ツメ用バネ 76……取付具保持用弾性突部 77……網篭取付部 78……水蒸気トラップ用メッシュ 79……ネジ部 80……空気槽上端部 81……多孔性パッキング材 82……微細孔端部 83……閉鎖端部 84……開放口 85……引上つまみ 86……開閉制御棒 87……開閉制御端部 88……微細孔調整棒 89……微細孔調整空隙 91……取付具保持用板バネ 92……懸垂環下部 93……板バネ取外用つまみ 94……制御棒押付用バネ 95……微細孔調整つまみ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.容器の内側の空間が、中程に茶等の被抽出物を設置
    しうる本槽と、上部に設けた連通孔を通じて外気に連通
    すると共に隔壁を介して該本槽の下部に連通する以外は
    閉鎖された空気槽よりなると共に、該連通孔を微細孔も
    しくはこれと同等の気体の流通を微少にするものとなす
    ことにより、該連通孔よりの外気への排気を調節するこ
    とにより、該本槽に湯水を注いだ後の本槽内の湯水の水
    位と該被抽出物の浸漬時間とを制御することを特徴とし
    たる茶等の抽出用容器。 2.隔壁及び連通孔を設けた器具が取付けられることに
    より、容器の内側の空間を仕切って二分し、一方をその
    中程に茶等の被抽出物を設置可能な本槽、他の一方を該
    器具の上部に設けた連通孔を通じて外部に連通すると共
    に該器具の隔壁を介して該本槽の下部に連通する以外は
    閉鎖された空気槽となすと共に、該連通孔を微細孔もし
    くはこれと同等の気体の流通を微少にするものとなすこ
    とにより、該連通孔よりの外気への排気を調節すること
    により、該本槽に湯水を注いだ後の本槽内の湯水の水位
    と該被抽出物の浸漬時間とを制御することを特徴とする
    茶等の抽出用容器。
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