JP2644941B2 - プロセス制御方法および装置 - Google Patents

プロセス制御方法および装置

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JP2644941B2
JP2644941B2 JP1592592A JP1592592A JP2644941B2 JP 2644941 B2 JP2644941 B2 JP 2644941B2 JP 1592592 A JP1592592 A JP 1592592A JP 1592592 A JP1592592 A JP 1592592A JP 2644941 B2 JP2644941 B2 JP 2644941B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複数の制御目的を同時に
満足させるプロセスの制御方法に係り、特に複数の制御
効果器に出力する各制御操作量の組合わせを最適かつ高
速に決定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】時定数の長いプロセスの制御方法とし
て、数式モデルによるフィードフォワード制御がよく知
られている。図2はこのようなプロセスの一である縦流
式長大トンネル換気装置の例で、換気制御装置はジェ
ットファン7や集塵機8などの換気設備を制御して、ト
ンネル内の人体に有害なCOやNOxなどのガスあるい
は安全走行に有害な媒煙の濃度を基準値以下に抑制する
機能を備えている。
【0003】制御装置は現在の汚染量測定値から所定
時刻の汚染量を予測し、トンネル内汚染量の目標値との
偏差に応じて換気風量を演算し、換気機の制御操作量を
決定する。制御精度の向上は、所定時刻での交通流の予
測精度の向上に帰結する。なぜなら、現時刻からの発生
汚染量は、当該期間内の自動車通過台数に比例すると仮
定できるからである。自動車通過台数の予測は、トンネ
ルの入口と出口に交通量計測センサー(TC:トンフィ
ックカウンター)を設置し、当該区間の交通量時系列デ
ータ間の共分散に線形関係があることを利用して求め
る。この方式によれば、交通流が一定値より大きく、か
つ増減の度合(変化率)がゆるやかな場合は、大変良い
精度で予測できることが確認されている。
【0004】しかし、渋滞などの状況下にあってはこの
予測精度が大きく低下するため、実プロセスでの自動運
転(本方式による)にたいし、オペレータは経験により
以下のように種々の手動介入を行なっている。
【0005】(イ)深夜、全交通量とその変化度合いを判
断して自動→手動運転に切替え、朝のラッシュ時間帯ま
でこれを継続する。
【0006】(ロ)休日等、昼間でも交通量の変化が激し
い時は状況に応じて手動にする。
【0007】(ハ)雨の日は自動運転の出力する制御換気
量の値より低い値で手動運転する。 (ニ)……… このように線形制御システムの現状は、全ての要因が線
形に挙動する状況下でなければ使用に耐えないのが実情
である。また、上記トンネル換気制御システムにおいて
は、換気設備に要する電力量がトンネルの全電力量の中
で大きな部分を占めるため、安全性とともに経済性も同
時に満足するシステムが望まれている。これに対して近
年、数式で記述できないプロセスの非線形挙動をあいま
い値のまま表現するファジー理論の適用が盛んになって
きている。ファジー制御の多くは、プロセスの計測値を
ファジー的に評価したものとの定性的因果関係から制御
目的の評価値をファジー推論し、該評価値を変換した定
量値と制御目的量との偏差から制御量を決定するフィー
ドバック型(状態推定型)である。このようなファジー
制御の例としては、特開昭58−192407号,特開昭59−20
4707号などがある。
【0008】さらに、制御の目的関数、すなわち評価項
目を多元的に設定し、制御精度などの項目に加えて従来
定量的に取扱うことの出来なかった、例えば列車走行時
の人間の感じる快適さと言った項目も評価可能にすると
ともに、これら多目的最適化における制御操作量をファ
ジー推論によって決定する方式も実現されている。この
例としては特開昭58−190204号などがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のファジ
ー制御には次のような問題がある。
【0010】
【0011】
【0012】それは、制御指令の決定の問題ある。た
とえば、上記トンネル換気制御システムは換気の質向上
と電力量の低減など複数の制御目的をもつが、一方、制
御効果器も異種(ジェットファン,集塵機)、かつ、複
数(同種でもトンネル内の配置によって異なる制御)と
なる。このため、複数の制御目的を同時に満足するよう
に、複数の制御操作量を組合わせる最適な制御指令の決
定が必要になる。かかる多目的,多出力の制御ではその
操作の組合わせが爆発的になるので最適な組合わせをい
かに高速に決定するかは、リアルタイムなプロセス制御
において重要な課題となっている。しかしその有効な方
法は提案されるに至っていない。
【0013】本発明の目的は、以上のような従来のプロ
セス制御における問題点を克服し、特に、多目的,多出
力のプロセス制御において、最適かつ高速に制御出力を
決定する制御方法および装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の制御目
的に応じて複数の制御効果器の操作量を制御するプロセ
ス制御方式において、最終的な制御操作量の決定を、本
発明による予測型ファジー推論により行なうもので、制
御操作量の組合わせが、ファジー量で評価されている複
数の制御目的を同時に満足する度合いを求め、最適な満
足度が得られる組合わせを決定することに特徴がある。
【0015】すなわち本発明は、現時点から実行可能な
操作量の組合わせによる複数の制御指令案を生成し、該
制御指令案の1つ1つを出力するものと仮定し、ファジ
ー量で評価されている前記制御目的項目毎の予測評価値
をプロセスの各要因の相関を定性的に模擬したファジー
モデルによって推論し、全ての制御目的項目の予測評価
値に基づいて前記制御指令案毎の満足度を演算し、該満
足度が所定の基準を満たすまたは最大となる制御指令案
を前記複数の制御効果器の制御指令として決定するよう
に構成される。
【0016】さらに、前記制御指令案の操作量の変化に
応じて演算された前記満足度の分布がピーク値(最大値
および/または極値)となる近傍に前記操作量のレンジ
(上下限値)を収縮し、該操作量のステップ(操作量変
化の分割幅)をより細分した制御指令案によって前記満
足度の演算過程を繰返し、前記制御指令を高速に決定す
るように構成される。
【0017】
【作用】本発明は以上のように構成されているので、各
案の操作量を入力とした予測ファジー推論による評価値
から、操作量組合わせの最適化を実現し、かつ、推論過
程における各操作量のレンジとステップ幅を再帰的に縮
退,細分することで、アナログ量を含む複数の制御操作
量の組合わせが爆発的になるのを回避し、推論のための
演算が高速に収斂するのを可能にしている。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を縦流式トンネルの
換気制御を例に説明する。図2は、トンネル構造と制御
要因の概要を示したものである。本発明によるプロセス
制御装置1に対してプロセス状態情報を出力するセンサ
ーとして、交通流に関する項目である大型車台数nl,
小型車台数ns,車速Vをトンネルの入口と出口にて測
定し一定周期時間T毎に積算あるいは平均化して出力す
るトラフィックカウンター6,一酸化炭素濃度を測定す
るCO計9,煙霧透過率を測定するVI計10,トンネ
ル内の車道風速,風向きを測定する風向・風速計11が
設置されている。またトンネルプロセスと同期しない気
象情報,道路規制情報は伝送制御装置を介して制御装置
1に入力される。
【0019】また換気機器(制御効果器)として、一定
の風量を出力するジェットファン(JF)7,連続的に
可変できる風量を出力し媒煙を減少させる集塵機8がそ
れぞれ複数設置されている。
【0020】制御装置1は、ジェットファン7に対して
は起動停止を指示するオンオフ制御し、集塵機8に対し
てはその風量を連続量として指示し制御することでトン
ネル内の換気量を調節する。
【0021】図3はトンネル内の断面モデル図で、きめ
細かな制御を行なう為に、トンネル長,勾配および換気
機の設置場所によりn区間に分割してその挙動が検討さ
れる。同図で、uは車道内風速(m/s)、ΔPtは自
動車の走行により発生するピストン効果昇圧力(mmA
q)、ΔPjはジェットファン7による機械的昇圧力
(mmAq)、ΔPbは集塵機8による機械昇圧力(mmA
q)をそれぞれ表わしている。
【0022】図4は、前記トンネル換気設備が稼働した
場合のトンネル内の汚染分布と圧力分布を示したもので
ある。圧力が高いということは換気力が高いことを示し
ており、従って汚染量が低く、結局汚染量の分布は圧力
分布の関数(反比例)となっていることがわかる。それ
ぞれの値は換気機の設置位置毎のくし形特性分布とな
る。
【0023】図5および図6は、トンネルプロセスでの
測定データや経験的知識から得られ、トンネル内汚染値
を定性的に据える各要因の相関図である。図5は、時刻
k(t=kT)時点から時刻(k+1)(t=(k+1)
T)のトータル汚染量を推定する為の要因相関を示す意
味ネットワークである。同様に、図6は、時刻(k+
1)(t=(k+1)T)の車道内風速を推定する為の意
味ネットワークである。これらより時刻(k+1)での
汚染値は概念的に両者の差分となり、その差分と制御目
標値との偏差に対する機械換気量が本プロセス制御にお
ける制御操作量となる。
【0024】これらの意味ネットワークより、要因毎の
挙動解析やプロセスの挙動解析という手順を経て、プロ
セス制御装置が図1に示されるように構築される。
【0025】図1においてプロセス制御装置1は、入力
されたプロセスデータと知識ベース3の知識を比較選択
し、経験に基づくプロダクションルール群により前向
き曖昧推論でプロセス挙動の判断を行ない、かつ、全体
を管理する推論主機構2と、普遍的な事実、エクスパー
トの主観的な経験より成るプロダクションルール,フ
ァジー推論で参照されるメンバーシップ関数,数式によ
るアルゴリズムメソッドなどを記憶する知識ベース3,
プロセスの複数の要因の測定値または中間仮説から予め
ファジーで評価されている結論を直接推論する複合フ
ァジー推論機構4,前記複合ファジー推論機構4により
予測された項目を用いて複数のディジタルあるいはアナ
ログ操作量の組合わせの中から、予めファジー量として
評価されている複数の制御目的の適合度計算を行ない、
総合的な満足度を最大とする組合わせを推論する予測フ
ァジー推論機構5から構成される。
【0026】次に上記制御装置1における実行機能であ
るルール群の構成と処理の流れを説明する。
【0027】図7に、トンネル換気制御を行なう場合の
総合的な推論相関を表わす、推論プロトネットワークを
示す。換気制御というイベントが周期時間Tごとに発生
し、このタイミングで推論が開始される。このイベント
により、従来の線形制御に対応する定量型汚染予測ルー
ル群(r1)と、プロセスの非線形挙動に対する予測を
定性的に行なう定性型汚染予測ルール群(r2)と、プ
ロセスの線形挙動に対する第2の対応としての傾向型汚
染予測ルール群(r3)が活性化され、条件部のパター
ンマッチングが開始される。ここで、ルール群という単
位は、求めようとする結論に対するルール知識の集合
が、各ルール群の間には共通要素を含まない。これによ
り不要なパターンマッチング(プロダクションルールの
条件部の成立,不成立の判断処理)が排除できるため高
速処理が可能である。
【0028】前記3つのルール群はプロセスをそれぞれ
線形あるいは非線形に捉えながら、結論である時刻(k
+1)(t=(k+1)T)の予測汚染値を中間仮説とし
て出力する。この3つのルール群でパターンマッチする
ものが無くなった時点で、予測汚染量判断ルール群(r
4)が活性化される。このr4ルール群では、プロセス
全体の該当時点での挙動を推論し、上記3つのルール群
による中間仮説の評価を行なう。
【0029】評価に関する全てのルールのパターンマッ
チングが完了すると、再び中間仮説としての選択された
汚染予測値が出力され、定量型制御操作量演算ルール群
(r5)と、状況適応制御操作量決定ルール群(r6)
がアクティブルール群となる。これら2つのルール群は
プロセスの挙動に応じて制御操作量を推論し中間仮説と
してこれを出力する。
【0030】最後に、制御操作量総合判断ルール群(r
7)が活性化され、再びプロセスの全体挙動を総合的に
判断して、最終的な制御操作量が決定され、プロセスに
出力される。
【0031】このように、数式モデルの解法アリゴリズ
ムから成る定量的処理と、アリゴリズムによる表現が不
可能なエクスパートの知識を有機的に結合した推論の流
れからなる定性的処理が、対象とするプロセスの挙動に
応じて一意に定まる。
【0032】この推論プロトネットワークの特徴は、プ
ロセス制御時、一方向、それも最終的な制御操作量にし
か向かわないことであり、局所的なループを形成する場
合でも、最終的な結論を着信地とする一方向ネットワー
クに帰結させることが容易なことである。
【0033】次に各ルール群の構成と処理を説明する。
図8は、定量型汚染予測ルール群の論理構造を示したも
のである。ここでは、トンネル換気プロセスを線形挙動
プロセスとして捉え、数式モデルにより中間仮説である
時刻(k+1)での汚染量を予測する。
【0034】トンネル換気プロセスが線形挙動を示す場
合、時刻(k+1)での汚染量X(K+1)は
【0035】
【数1】
【0036】で表わすことが可能である。(数1)式の右
辺第1項は時刻kでの汚染量X(k)に対して期間k〜
(k+1)での換気力Q(k)が汚染を減少させること
を示し、P(k)は期間k〜(k+1)にて発生する汚
染量の総和を示している。従って、(数8)式は下式で表
わすことができる。
【0037】
【数2】
【0038】ここで、換気力Q(k)はトンネル内の車
道風速uにて表わすことができるから、
【0039】
【数3】
【0040】とする。X(k)は汚染がトンネル内で均
一で、かつセンサーが正しく状況を把えているならばC
O計とVI計での測定値を採用することが可能である。
また、P(k)は交通流の関数として下式で表わすこと
ができる。
【0041】
【数4】
【0042】ただし、 ns(k):時刻(k−1)〜kにおける小型車の通過
台数 nl(k):時刻(k−1)kにおける大型車の通過台
数 dl(Vt):平均車速Vtにおける大型車の通過台数
に対するディーゼル車混入率 を示す。小型ディーゼル車の混入率は無視できるほど小
さいので、要因として評価していない。
【0043】これらの関数g,hは次のように定義され
決定される。
【0044】〈汚染発生量関数hの導出と論理化
【0045】
【数5】
【0046】ただし、 vs:小型車1台当りの汚染発生量 vld:ディーゼル大型車1台当りの汚染発生量 vlg:ガソリン大型車1台当りの汚染発生量 この式よりP(k)を求めるためには、時刻(k+1)
での交通流の予測値と、vs,vld,vlg,dl
(Vt)が必要である。図8における発生汚染量学習・
評価論理12は、過去の実績を学習しながらvs,vl
d,vlg,ds(k)を定める論理である。
【0047】図9は発生汚染量学習・評価論理12構成
を示したもので、汚染量測定値の現在から過去への時系
列データX(K−i)(i=0,1,2…)、同様に換気
量情報として風向・風速計にて測定された車道内風速時
系列データu(k−i),TCよりの交通流測定値時系
列データns(K−i),車速Vt(K−i)を入力と
し、車速範囲と総交通量範囲毎に定まるvs,vld,
vlg,dlを出力とする。一方、時刻(k−1)から
現在(k)までの汚染発生量P(k)は下式で求めるこ
とができる。
【0048】
【数6】
【0049】(数5)式と(数6)式から下記の差分方程式
が得られる。
【0050】
【数7】
【0051】自動車1台当りの汚染発生量は、ある車速
範囲ではほぼ一定となるが、自動車の型式や規制等によ
り長い時間の流れの中で変化していくという性質があ
る。これより、車速毎にデータを選別し、これを逐次学
習しながら修正していくと精度がよく、また常に最新の
値を決定することが可能となる。
【0052】パターン決定論理24は車速Vtと総交通
量(ns(k)+nl(k))の2つの要素で該時点の
パターンを決定し、連立方程式作成論理25を起動す
る。論理25は決定されたパターンの至近時系列データ
から(数7)式に基づく下記連立方程式を作成する。
【0053】
【数8】
【0054】以上の連立方程式を解法論理26にて解法
し、再評価論理27により車速範囲と総交通量毎のv
s,vld,vlg,dlが見直され更新されていく。
【0055】時刻k(現在)から(k+1)間での発生
汚染量は(数5)式により
【0056】
【数9】
【0057】と予測可能である。したがって、交通量を
予測することが必要となる。
【0058】交通流の推移は、定時間内の交通量がある
範囲内であり、また車速が一定範囲内にあるならば(別
の定性的な表現をすると、交通流が切れ目なくスムーズ
に流れている時)、トンネルの入口地点aと出口地点b
にTC6を設置することで精度の良い線形予測が可能で
ある。すなわちa,b両点における単位時間当りの交通
量の時系列データを、 na(i),na(i+1),na(i+2),…… nb(i),nb(i+1),nb(i+2),…… とする。さらに単位時間をj個つなぎあわせ、その期間
の交通量として
【0059】
【数10】
【0060】を考える。トンネル内をブラックボックス
と考えna*(i)(i=1,2,…)を入力、nb*
(i)(i=1,2,…)を出力として、それらの間にイ
ンパルス応答関数Bを介した次の関係を仮定する。
【0061】
【数11】
【0062】ここでε(i)は線形モデル化の誤差を表
わしている。B(m)(m=1,2,…M)は標本数をI
とすればΣε2(i),(i=1〜I)を最小にするインパ
ルス関数であり、次式で求めることができる。
【0063】
【数12】
【0064】この式においてvba(l)はnb*
(i)とna*(i+l)との共分散、vaa(l)は
na*(i)とnb*(i+l)の共分散を示してい
る。
【0065】図10は、以上の考えに基づき自律的学習
により線形的な交通流の予測を行なう、交通流相関学習
・評価・予測論理13の構成を示したものである。論理
13は、地点a,bにおける単位時間当りの小型車台数
時系列データans(k−i),bns(k−i)(i=
0,1,…)、大型車台数時系列データanl(k−
i),bnl(k−i)(i=0,1,…)、車速時系列
aVt(k−i)(i=0,1,…)を入力とし、時刻k
(t=kT現在)から(k+1)(t=(k+1)T)の期間に
トンネル内を通過する小型車台数ns(k+1)と、大
型車台数nl(k+1)の予測値を出力とする。共分散
vaa演算論理28は共分散vaaを、共分散vba演
算論理29は共分散vbaをそれぞれ演算し出力する。
これらを入力としてインパルス関数演算論理30はイン
パルス関数B(m)を車速毎に決定する。交通流相関評
価論理31はB(m)を入力とし過去蓄積されているB
(m)と比較し、これを評価更新する。更新されたB
(m)を入力として、交通流予測論理32は(数11)式
より
【0066】
【数13】
【0067】の関係を利用して、時刻kから(k+1)
での小型車交通量ns(k+1)と大型車交通量nl
(k+1)を予測する。
【0068】〈換気力関数gの算出と論理化〉時刻(k
+1)(t=(k+1)T)における換気力Q(k+1)
は下式にて求められる。
【0069】
【数14】
【0070】ただし、 C:補正係数 A:トンネル断面積 L:トンネル全長 u(k+1):時刻(k+1)におけるトンネル車道内
風速 (数14)式より、換気力Q(k+1)を予測すること
は、u(k+1)を求めることに帰結する。車道内風速
演算論理22は、以下のようにしてu(k+1)を予測
する。
【0071】図3に示したトンネル換気構造カットモデ
ルのようにトンネル内をn区間に分割すると、隣接する
二つの区間での圧力バランスから下記等値関係が成立す
る。
【0072】
【数15】
【0073】
【数16】
【0074】
【数17】
【0075】
【数18】
【0076】
【数19】
【0077】
【数20】
【0078】ただし、この例は理解に容易なように、ト
ンネル内を5分割としてセクション1内にジェットファ
ンが、セクション3と4に集塵機が1台ずつ設置されて
いる換気構造とした。各記号の意味は次の通りである。
【0079】P:空気密度 Pi:区間iの圧力 Pr:区間iの車道抵抗=−ΔPri+ΔPti+ΔP
Mi ΔPri:区間iの入口損失・壁面摩擦 ΔPti:交通流ピストン効果昇圧力 ΔPM:自然風による昇圧力 ここで、ピストン効果とは自動車の走行により発生する
風(昇圧力)による換気効果のことである。これらの関
係より車道内風速は次のように求める。
【0080】ピストン昇圧力演算論理15は、発生汚染
量予測演算論理14により予測された時刻(k+1)で
の交通量を入力とし、u(k+1)を未知数とした方程
式の次数ごとの係数A,B,Cを求める。但し、Aはu
2(k+1)に、Bはu(k+1)に、Cは定数に対応す
る。
【0081】
【数21】
【0082】ただし、 Ae:自動車等価抵抗面積 Ar:トンネル断面積 ni(k+1):時刻kから(k+1)までに区間iを
通過する自動車台数 Vt:平均車速 ΔPt=At・u2(k+1)+Bt・u(k+1)+C
tとすると、係数At,Bt,Ctは下式で求まる。
【0083】
【数22】
【0084】車道の入口損失・壁面摩擦は各区間ごとに
下式で定まる値を、予めメモリ16に記憶している。
【0085】
【数23】
【0086】ただし、 ζ:入口損失係数 λ:車道壁面摩擦損失係数 Lr:トンネル延長 Dr:トンネル代表寸法 より、係数Ar,Br,Crは下式で求まる。
【0087】
【数24】
【0088】JF(ジェットファン)昇圧力演算論理1
7は、次のように係数Aj,Bj,Cjを算出する。
【0089】
【数25】
【0090】ただし、 Vj:JF吹出速度 Aj:JF吹出面積 nji:区間iでのJF台数 より
【0091】
【数26】
【0092】集塵機昇圧力演算論理18は、次のように
して係数Ab,Bb,Cbを算出する。
【0093】
【数27】
【0094】ただし、 Qb:ノズル吹出風量 Qr:車道風量 Vbi:ノズル吹出速度 B:ノズル吹出角度 nbi:区間iでの集塵機設置台数(各集塵機は同一能
力と仮定) より
【0095】
【数28】
【0096】自然風昇圧力演算論理19は、現在風速V
Mが時刻(k+1)まで継続するものとして、次のよう
にAM,BM,CMを求める。
【0097】
【数29】
【0098】より
【0099】
【数30】
【0100】圧力バランス演算論理21は以上までの結
果より次のようにしてu(k+1)を未知数とした2次
方程式を作成する。
【0101】(数15)式〜(数20)式の各圧力の総和は
0で (Pr1+Pr2+Pr3+Pr4+Pr5)+ΔPj+2・ΔPb=0 となるから、一般化すると
【0102】
【数31】
【0103】(数21),(数22),(数24),(数2
6),(数28)および(数30)式を用いてu(k+1)
についての2次方程式の形に整理すると
【0104】
【数32】
【0105】これよりA,B,Cは下式で求められる。
【0106】
【数33】
【0107】ここでジェットファン,集塵機はそれぞれ
同一性能のものと仮定したが、異なるものであればそれ
ぞれ計算し求める必要がある。
【0108】車道内風速演算論理22は(数32)式より
【0109】
【数34】
【0110】の演算を行い、時刻(k+1)における車
道内風速u(k+1)を予測し出力する。なお本例では
自然風は交通流と同一方向とし、換気機は現状を維持す
るものとしている。この結果、車道内風速の予測精度は
交通量の予測精度と自然風の挙動に大きな影響を受ける
ことがわかる。
【0111】以上のようにして明らかになった汚染発生
量関数hと換気力関数gの各論理より得られる。期間k
から(k+1)の予測発生汚染量P(k)と予測換気力Q
(k)、および、現状汚染量演算論理20により得られ
る時刻kの汚染値X(k)を入力とし、汚染予測演算論
理23は時刻(k+1)での汚染値X(k+1)を(数1)式
のシステム方程式を用いて算出し、これを中間仮説とし
て出力する。
【0112】図11は、傾向型汚染予測ルール群(r
3)の動作を説明したものである。前記r1は、汚染量
の予測を詳細化要因にまで遡り、その線形関係を数式モ
デルとして捉えて、X(k+1)を推論したものであっ
た。これに対しr3は、センサからのプロセス計測信号
CO,V1値推移に線形関係を見出し予測を行なうこと
を目的としている。
【0113】図12は、上記に基づき構成されたr3の
構造を示したものである。r3は汚染測定値時系列X
(k−i)(i=0,1,2,…),換気量実績値時系列
Q(k−i)(i=0,1,2,……)を入力とし、時刻
kから(k+1)までの換気量を一定とした場合の時刻
(k+1)での予測汚染値X(k+1)を出力とする。
図11は、縦軸に交通量と汚染値(この例ではCO値)
を定義、横軸に時間の推移を定義したものである。時刻
kでの汚染値X(k)は、期間(k−1)からkについ
て、上記(数1)式の関係から得られる。実質的な汚染値
X*(k)の推移は、時刻(k−1)からkでの換気量
Q(k−1)をゼロと仮定すると
【0114】
【数35】
【0115】となる。これより得られる実汚染量の時系
列、X*(k−1)(i=0,1,2,…)が線形挙動を
示す場合、時刻(k+1)での実汚染値X*(k+1)
は最小二乗法により次のように実汚染量演算論理33に
て求まる。
【0116】
【数36】
【0117】線形予測演算論理34は(数35)式より
【0118】
【数37】
【0119】の演算を行ない中間仮説としてX(k+
1)を出力する。
【0120】r3は上記のように、時刻(k−1)から
kでの換気量Q(k−1)をゼロと仮定できる場合、r
1に比べより簡単な線形関係を数式モデルとして捉え
て、X(k+1)を推論するものであり、高速な処理が
可能となる。もちろん、r1のみの線形予測方式であっ
てもよい。
【0121】これまで述べてきた、2つのルール群r
1,r3は、プロセスの挙動を線形として捉え、汚染量
の予測を行なうものであった。これに対して、定性型汚
染予測ルール群r2は、プロセスの挙動を線形,非線形
という一意的な捉え方をせず、プロセスの挙動をあるが
ままに捉え、状況に応じた柔軟な対応が行なえるように
構成される。
【0122】図13は、時刻(k+1)(t=(K+1)
T)での予測汚染値に対する定性的な意味ネットワーク
である。これは、オペレータの経験則、各種データの長
期に亘る測定結果とシミュレーションにより得られたも
のである。ここでは、無数に存在する要因と外乱をX1
からX7の要因集合にて表わし、これらから汚染値を予
測(推論)する構成としている。
【0123】本ネットワークによれば、時刻kから(k
+1)の期間で発生するトンネル内の汚染量Y1は、交
通流変化率1(長期的な変化傾向)X1,交通流変化率
2(至近の短期的な変化傾向)X2,現在交通量X3,車
速X4,現在汚染量X5,自然風X6および機械換気力
(本例ではジェットファン,集塵機を指す)X7から直
接推論される。各項目X1,X2,X3,X4,X5,X6
7,Y1,Y2 は全てあいまいな量(ファジー量)とし
て扱われ、各々のメンバーシップ関数が定義される。従
来は個々の要素の評価適合度が計算された後に、それら
から何らかの結合関数、例えば代数和,代数積,限界
和,限界差等で合成し結論を推論してきた。しかし、こ
れでは要因毎の個々の評価はオペレータの感覚をよく表
わすが、次の段階に進むときのファジー(あいまい)評
価が妥当でなくなり、評価要因が多いほど推論結果は経
験則とかけ離れたものとなる。ところが、十分経験を積
んだオペレータあるいはエクスパートは、一つずつの要
因を評価し、それらの評価を積み上げて結論に至るのは
まれで、多数の要因から同時に多次元空間上での推論を
行ない、即座に結論を引き出している。
【0124】本発明では、この多要因直接推論を自動的
(計算機)に行なわせる複合ファジー推論機構を実現し
ている。
【0125】図14は、もっとも簡単な3次元空間上で
の複合ファジー推論を行なうための複合されたメンバー
シップ関数を示したものである。第1の次元に適合度
(ファジー推論では一般的に適合度を0.0から1.0の
範囲に定め、1.0 に近い程、適合度は高いと評価す
る)、第2の次元に第1要因X1 の値、第3の次元に第
2の要因X2を定義したものである。
【0126】具体例として、X1を交通量、X2を車速と
し、Yを発生汚染量とする。いま、X2をある値、60
km/hに固定して考えた場合、交通量X1の変化に対
するYの適合度は、それぞれ「Low」,「Mid」,
「High」の評価グレードから3本の曲線を得ること
が可能である。この作業は、すなわちY,X1,X2から
なる3次元空間に3本の曲線が描かれたことと等価であ
る。次に車速を20km/hに固定し、同様に汚染量Y
をX1 の値の変化で適合度評価をするならば、更に3本
の曲線が表れるであろう。この時の知識獲得は、例え
ば、 「交通が渋滞しており、その時の交通量による汚染発生
量はどのように変化しますか?」 という第1の質問に続いて、 「交通渋滞とはどれ位の車速のことですか?」 という第2の質問で表現できる。
【0127】この手順を、車速X1の値を段階的に変え
ながら行なって行くならば三次元上の空間に、「Lo
w」,「Mid」,「High」に対する3種類の曲面
を得る。同様に、X1を固定した場合のX2の増減による
Yの評価についての知識が得られるならば、より滑らか
で自然な曲面が得られる。
【0128】ここでの例は評価を3段階で行なったが、
評価グレードを詳細化しても考え方は同様である。図1
5は、評価グレードを5段階、L(Low),ML(M
id−Low),M(mid),MH(Mid−Hig
h),H(High)とし、3次元空間上でグラフィッ
ク処理したものである。
【0129】図18は、上記を基に構成された複合ファ
ジー推論機構4の構造を示したものである。機構4は統
合的な推論過程において、複合ファジー推論要求が発生
すると推論主機構2より起動され、複数の要因X1
2,X3 ,……Xn の測定値や中間仮説値と、n次元
空間上の複合ファジーメンバーシップ関数CFm を入力
とし、適合度の最近似値を出力する装置である。推論結
果としての実出力値Yrはこの適合度最近似値から、例
えば重心位置計算により定めることができる。以下、適
合度最近似値を3次元空間上で求める方法を説明する。
【0130】図19は、図14で示された3の複合ファ
ジー適合度曲面のうち、MID部分を抽出したものであ
る。適合度評価経験則の知識獲得の性質から、この局面
は、離散的に考えられる点の集合から生成される平面近
似が可能である。この性質を利用して、与えられた要因
データの集合から、適合度最近似解は複合ファジー推論
機構4により次のような手順で求まる。
【0131】図20は、図19の一部を拡大し、図21
は図20の一部を拡大したものである。ここでは、この
MID曲線適合度の値として Y1=μ(10,4)=μ(X1,X2) Y2=μ(10,8) Y3=μ(15,4) Y4=μ(15,8) が与えられており、Y=μ(12,6)を求める場合を
示している。ここで関数μはYの評価MIDに対する複
合ファジーメンバーシップ関数である。
【0132】図20,図21において、μによる実曲面
をPrとすると、(X1,X2)=(12,6)で定まる
Yと平行な直線がPrと交わる点が真の適合度μ(1
2,6)である。直線(X1,X2)=(12,6)は、また
{(X1,X2)}={(10,4),(10,8),(1
5,4),(15,8)}で囲まれる空間に含まれるから {(Y,X1,X2)}={(μ(10,4),10,4), (μ(10,8),10,8) (μ(15,4),15,4) (μ(15,8),15,8)} で定義される四面体と1点あるいは2点で交わるか、ま
たは四面体の一辺で重なる。
【0133】1点で交わる場合は既に適合度が与えられ
ている点を表わすから、この時はμ(X1,X2)が適合
度新値である。四面体一辺で重なる状態は、適合度Yが
定まらないことを示す為、メンバーシップ関数の与え方
が誤っている場合であり検討から除外される。解くべき
問題は四面体と2点で交わる場合であり、このうちのい
ずれの点が最近似解であるかを決定することである。制
約(規則性)の無い曲面に対する線形近似は不可能であ
る。しかしながら、ここで検討している適合度曲面に対
して、曲面に接する全ての直線は曲面の外側に存在せね
ばならない(言い替えれば、全ての面はその曲面の内側
を向いている)、という制約を加えてもこの曲面の一般
性は失われない。
【0134】この制約により、図2の例で丸の付いた
新値μ(12,6)近傍にaμ1(12,6),aμ2(1
2,6),aμ3(12,6),aμ4(12,6)とい
う4つの可能近似解が存在し、このうち四面体と交わる
点は、aμ2とaμ4である。上述の制約により、結局a
μ2 を最近似解として決定することができる。これを定
量的に表現すると、下記の様になる。
【0135】(条件)複合ファジー適合度評価曲面上の
離散値として下記が与えられている。
【0136】 Y1=μ(X11,X21) Y2=μ(X11,X22) Y3=μ(X12,X21) Y4=μ(X12,X22) このとき、下記の様なx1,x2により定まる複合ファジ
ー適合値を求める。
【0137】(解法)曲面を Y=aX1+bX2+C にて下記のように1次線形近似する。
【0138】まず、四面体の各面を求める。
【0139】
【数38】
【0140】
【数39】
【0141】
【数40】
【0142】
【数41】
【0143】上記の4式から3式を選択して、連立1次
方程式を作成し、これらを解いて係数a,b,cの4つ
の組合わせを求める。
【0144】 (Y1,Y2,Y3)→(a1,b1,c1) (Y1,Y2,Y4)→(a2,b2,c2) (Y1,Y3,Y4)→(a3,b3,c3) (Y2,Y3,Y4)→(a4,b4,c4) このようにして、4つの面はそれぞれ下式で定まる。
【0145】
【数42】
【0146】
【数43】
【0147】
【数44】
【0148】
【数45】
【0149】つぎにμを求める。3次元空間内での直線
(X1,X2)=(x1,x2)と、四面体の各面((数4
2),(数43),(数44),(数45))上で交わる点を aμ1(x1,x2) aμ2(x1,x2) とし、これを求める。ここで表面で交わらない虚解2点
を除く。最後に、適合度Yに対する上面側の交点を最近
似解aμ(x1,x2)とする。
【0150】以上が要因が2つから1つの適合度評価を
得る手順である。これを一般化して処理可能としたのが
図18に示す複合ファジー推論機構4である。以下この
機構の処理動作を説明する。
【0151】(入力) 要因実測値 (X1,X2,X3,…Xn)=(x1,x2,x3,…xn) 複合ファジーメンバーシップ関数CFm (演算処理) 線形方程式生成論理(35) 全ての要因に対応する次元X1(i=1,2,…n)に対
し、近傍離散値を与える座標点をCFmを検索して決定
する。
【0152】 Y1=μ(X11,X21,X31,……,Xn1) Y2=μ(X12,X21,X31,……,Xn2) : : Y2n=μ(X12,X22,X32,……,Xn2) 線形連立方程式解法論理(36) Y=a11+a22+a33+……+ann+an+l で近似することとし、未知数を a1j,a2j,a3j……,anj,an+1j とする。2nn+1組の連立方程式群を作成し、これらを
個別に解法し2nn+1個の近似式を作成する。
【0153】 Y=a111+a212+a313+……+an1n+an1+1 Y=a121+a222+a323+……+an2n+an2+1 : : Y=a1n1+a2n2+a3n3+……+annn+ann+1 ただし、m=2nn+1 最適近似解抽出論理(37) 得られた2nn+1個の線形近似式に(x1,x2,…xn
を代入し、値域内で最大の値を最近似解として出力す
る。
【0154】このように論理35,36,37で構成さ
れる機構4によりn個の要因から1つの評価項目に対す
る評価値を直接推論することができる。
【0155】図16,図17は機構4が参照する、複合
ファジー推論メンバーシップ関数CFm の具体例を示し
たものである。
【0156】図16は、図13の要因ネットワークに基
づき交通流変化率1X1 ,交通流変化率2X2,現在交
通量X3,車速X4,現在汚染量X5という5つの要因か
らトンネル内予測汚染値Y1を推論する為、まず、X1
2,X3,X4 ,を固定し、この状態におけるX5 を段
階的に変化させた場合の適合度曲線に対する離散値をプ
ロットしている。なお、同図では理解し易いように、こ
れら各点を曲線で結んでいる。X5 の全ての獲得できた
知識についての適合度離散値を定義したならば、次にX
4を1段階変化させ、同様にX5の段階的移動による評価
をプロットしていく。
【0157】現実的には、このようにエクスパートの経
験則を、きめ細かく収集できるとは限らないが、その場
合は、ある要素、例えばX1 を従来の外乱という概念で
扱い、これを3〜5段階程度の変化段階におさえること
で、複合ファジーメンバーシップ関数の定義が容易化さ
れる。この場合も、例えば従来、補正係数と称する線形
的な補正とは全く意味が異なり、数段階の離散的移動評
価でも十分プロセスの挙動を捉えることが可能である。
またある要素の局所的な値域での経験知識が不足してい
る場合は該当区域を無効区域(または禁止区域)として
推論を不可能とするのが、より自然である。多くの場
合、このような区域は現実に発生する可能性がゼロに近
く、従って、経験則の無いことが多いからである。従来
の知識ベース型のルール集合型の推論であると、複数の
経験則に基づくルール間に不定空間が存在し、かつその
空間はエクスパートからみればその空間の両側にあるル
ールから類推可能な場合推論が不可能となってしまう。
言い換えるならば、優れたオペレータ(エクスパート)
が示す、未経験状況に対する、的確な判断は、それら複
数の要因の離散的な経験知識が形成する、n次元空間内
の経験則図形に含まれると判断される場合に、その空間
上での発生事象に対する近似が行なわれた結果である、
と言うことができる。
【0158】この複合ファジー推論機構4により、トン
ネル内予測汚染量Y1 と予測換気量Y2 に対する複合推
論により得られたそれぞれの適合度を用いてそれぞれの
ファジー評価メンバーシップ関数での重心計算を行な
い、予測汚染値Zの定量値を得る。この様にして、多面
的な挙動を示すプロセスの定性的な予測推論が完了し、
r2は予測汚染値を中間仮説として出力する。
【0159】予測値総合判断ルール群r4は、前述のr
1〜r3による3つの中間仮説を、プロセスの様々な状
況により判断し、最も適切なものを選択する。
【0160】図22はこの総合判断ルール群の推論をし
めすAND/ORツリーである。総合判断の要因は大別
して、各モデルの種々の要因毎の挙動評価により得られ
るものと、個々の要因からのみでは捉えきれないプロセ
ス全体挙動への影響を与えるものの2種類がある。前者
の例は、定量型汚染予測ルール群において交通量予測精
度が大きな比重を占めるような場合であり、これは交通
量の推移が線形であるか否か、という問題に帰結する。
一方後者は、例えば、気象条件のトンネル換気プロセス
への影響等がこれに当たる。本実施例では、以上の考え
に基づき、判断の為の中間仮説として下記を考える。
【0161】(イ)交通量予測精度は良好である。
【0162】(ロ)定量型モデルによる予測値を重視せ
よ。
【0163】(ハ)傾向型モデルによる予測値を重視せ
よ。
【0164】(ニ)定性型モデルによる予測値を重視せ
よ。
【0165】プロセス制御システムの場合、対象世界が
連続的に推移する為、一般の知識ベースシステムに採用
される断定型ルールとすることが困難であり、またそれ
を採用した場合のカバーする範囲が限定されるという理
由から、下記のようなあいまい前向き推論を採用する。
すなわち、プロセス制御用の知識ベースシステムの判断
ルール群としては、ルール自身が確信度を持ち、その確
信度の積上げ評価で最終的判断を行なわせるのである。
これは優れたオペレータの判断手順を良く模擬する。
【0166】図23は、予測値総合判断ルール群r4内
の個々のプロダクションルールを例示したものである。
例えばルールNo1は様々な状況下での交通流推移の実
測結果から得られたもので、このルールの条件部は交通
流がほぼ線形推移する状況を示し、結論部は、この時の
交通量予測制度が確信度0.8 程度で良好であることを
述べている。ここで確信度とは−1.0から+1.0の範
囲の連続値で表わされ、+1.0 に近いほど、その中間
仮説(ルール)は確からしいことを示し、逆に−1.0
に近いほど否定的であると、定義する。
【0167】この線形度合いを評価するルールNo1に
対し、ルールNo2は非線形度合いを評価する。条件部
で、トンネル内で渋滞が発生している状況を示し、結論
部は、このときの交通量予測精度は確信度−0.5 程度
で良好、すなわち精度が悪いことを、オペレータの経験
から得た知識により評価している。
【0168】このように図22のAND/ORツリーに
示される経験則が本例では12個存在し、それぞれ確
信度が定義されている。同一の中間仮説がビューノート
(VN)と呼ばれる一時記憶用のメモリー上に表われ、
それぞれC1,C2という確信度を持っている場合、コ
ントラディクション関数Fcont、及びコンバイン関
数Fcombによって、その確信度が下記の様に更新さ
れる。
【0169】 新たな確信度C3 :Fcomb(C1,C2)…(Fcont(C1,C2)≦0.8の時) 矛盾(エラー)…(Fcont(C1,C2)>0.8の時) 但し Fcont(C1,C2) :0.0……(C1*C2≧0.0の時) |C1|+|C2|−1.0 ………(|C1|+|C2|−1.0>0.8かつC1*C2<0.0の時) 0.0………(|C1|+|C2|−1.0>0.0かつC1*C2<0.0の 時) Fcomb(C1,C2) =C1+C2−C1*C2…(C1≧0,C2≧0の時) C1+C2+C1*C2…(C1≦0,C2≦0の時) (C1+C2)/(1−min(|C1|,|C2|)) …(C1*C2<0.0かつ C1*C2≠1.0の時) 0.0 …(C1*C2=−1.0の時) Fcontは確信度計算の意味評価を行なうもので、例
えば複数のルールの結論の間に矛盾があるか、否かを判
断する為の関数である。
【0170】本例において、ルールNo3の条件部が成
立し、既にビューノート上に View Note 『定量型モデルによる予測値を重視せよ』……0.7 が存在し、他のルールで同じ結論が確信度0.6で得ら
れたとすると、0.7≧0.0,0.6≧0.0であるの
で、 C3=0.7+0.6−0.7*0.6=0.88 という新たな確信度が得られ、ビューノートは View Note 『定量型モデルによる予測値を重視せよ』……0.88 に書き換えられ、確信度が高まる。
【0171】一方、ルールNo1の条件部が成立し、ビ
ューノート上に、 View Note 『交通量予測精度は良好である』……0.8 が存在する状態で、更にルールNo2の条件部が成立す
ると、確信度−0.5と0.8から新たな確信度は次のよ
うに計算できる。
【0172】 0.8*(−0.5)≦0,0.8*(−0.5)≠1.0より C3=(0.8−0.5)/(1−min(|0.8|,|−0.5|) =0.3/1.5 =0.2 したがって、ビューノートは View Note 『交通量予測精度は良好である』……0.2 となり、確信度が下がる。
【0173】このように、ルールNo1から122の経
験知識ルール群の条件マッチングが終了すると、ビュー
ノート上に少なく共1つの View Note 『?モデルによる予測値を重視せよ』……n という中間仮説が存在することになる。ここで?は定量
型,傾向型,定性型のいずれかのモデルを示し、nは確
信度である。
【0174】ルールNo123は、これら中間仮説の確
信度を評価し、次に所望の確信度を有するモデルが二つ
以上存在する場合、確信度最大のモデルを選択し、新た
な中間仮説 View Note 『?モデルによる予測値を採用せよ』……1.0 を出力する。
【0175】このようにして、r4はプロセスの挙動、
及び各モデルの信頼度を総合的に判断し、最も精度の良
い予測汚染値を選択する。
【0176】つぎに、制御操作量の決定ステップを説明
する。定量型制御操作量決定ルール群r5と、状況適応
型制御操作量決定ルール群r6は、上記r4で決定され
た予測汚染値と、制御目標値の差分ΔX(k+1)を制
御目的値として、これに対する必要換気量を演算し、最
適なる制御指令を決定する。決定された制御指令による
プロセス制御方式は、従来の方式を踏襲している。
【0177】r5はプロセスを線形挙動として捉えた定
量型のルール群であり、CO,VI汚染量のうち、目標
値をオーバーしている度合いが多い方の差分、または共
に目標値以下ならば、目標値よりの差分が少ない方に対
する必要換気量を計算し、使用電力量が最小となるよう
に換気機の運転組合わせを決定する。中間仮説として
は、各ジェットファンの起動/停止指令,各集塵機の風
量を出力する。本ルール群の内容については、従来モデ
ルと変わるところが無いので詳細説明は省略する。
【0178】このr5は、プロセスの非線形挙動に対応
不可であり、また複数の制御目的を総合的に判断でき
ず、結果的に、人間(エクスパート)の制御より劣る場
合がある。これに対し、本発明の特徴の1つである状況
適応型のルール群r6は、非線形を含むプロセスの挙動
に柔軟な対応を可能にするとともに、複数の制御目的を
同時に最もよく満足する制御操作指令を決定できるよう
にしたものである。
【0179】本発明のプロセス制御は、その制御目的を
安全性(汚染値を一定値以下に保つこと)と経済性の2
点のみに限定するものではない。安全性の評価にして
も、単にCOの濃度が低い(0ppmに近い)ほどよいの
か、目標値に近い方がよいのか、といった1つの目的に
たいして複数の異なる評価指標も存在する。一般に、プ
ロセス制御の目的評価指標は複数あり、それらを同時的
に満足することが要求される。上記トンネル換気制御を
例にとれば、目的評価指標は後述する7つに集約され
る。
【0180】さらに、本発明が対象としている一般的な
プロセス制御の場合、制御操作量の種類が複数で、その
中にはオン・オフ(デジタル量)のみならず連続量(ア
ナログ)を含むものも多い。また、それら操作量に対す
るプロセス挙動は、線形近似のみで捉えることは不可能
である。
【0181】本発明では、上記の問題点を克服して多目
的多出力の制御を行なう状況適応型操作量決定ルール群
r6の機能を以下のように実現した。図24に、本発明
の特徴をなす予測ファジー推論機構5の一実施例を示
す。機構5は現時点(制御時点)でのn個の制御操作量の
組合わせdata(X1,X2,……,Xn)と、それらのとり
得る値域と離散量/連続量の区分range(X1,X2,…
…,Xn)、前述の複合ファジー推論、あるいは定量型演
算により得られる複数の制御目的評価項目の予測値、該
目的評価項目毎にファジー量評価されたメンバーシップ
関数(Of1,Of2,……,Ofl ;但しlは制御目的
評価項目数を示す)を入力とし、該当制御設備にとって
最適な制御操作量の組合わせ(ΔX1,ΔX2,…,Δ
n)を出力とする。
【0182】各制御目的項目の評価指標は、トンネル換
気制御においては予め次のように定める。
【0183】(a)CO換気制御の質 以下QCO.VG(quality of CO,very good)と略記す
る。目標値に対する評価指標を示す。
【0184】(b)CO絶対濃度の質 以下QCO.G(quality of CO,good)と略記する。絶
対的な濃度の評価指標を示す。
【0185】(c)VI換気制御の質 以下、QVI.VG(quality of CO,good)と略記す
る。目標値に対する評価指標を示す。
【0186】(d)VI絶対数値の質 以下QVI.G(quality of VI,good)と略記する。絶
対的な煙霧透過率の評価指標を示す。
【0187】(e)定常消費電力量 以下Pと略記する。定常時の消費エネルギーに対する評
価指標を示す。 (f)過渡消費電力量 以下QC(quality of control)と略記する。機器の切
替回数、それに要する過渡的な消費エネルギーの評価指
標を示す。機器の消費に対する評価でもある。
【0188】(g)換気の公平性(均一性) 以下BP(barance of pressure)と略記する。トンネル
内の圧力バランス評価指標を示す。トンネル内の汚染に
対する換気力の影響度合いは、すなわちこのプロセスの
おくれ時間と密接に関係し、均一な圧力バランスが遅れ
時間を短縮し、この結果が制御の質を高める重要な要素
である。
【0189】図25はCO濃度についてのメンバーシッ
プ関数曲線を示したもので、QCO.VGは制御の立場
から見た換気の質にたいする評価、QCO.Gは人間の
感覚に近い絶対濃度の質にたいする評価である。制御目
標を50ppm、限界濃度を100ppmとすると、QCO.
VG曲線は50ppmで適合度=1.0 、その両側で評価
は低下し、100ppmで適合度=0.0となり以降は0.
0 である。これに対しQCO.Gは、100ppmから0
ppmに近づく程適合度が上昇し、0ppm で適合度=1.0
となる。
【0190】この関係は、QCO.Gを安全性に対する
自然な感覚とした時、QCO.VGはその確信度を表わ
すベーグネス関数として考えることもできる。しかし、
QCO.VGは厳密にQCO.G曲線より得られた訳ではな
く、制御上の制約や、プロセス毎の特殊性によりバリエ
ーションが許容される為、ここでは2つのメンバーシッ
プ関数と考える方が妥当である。
【0191】図26は、煙霧透過率VIに対する2つの
評価関数(メンバーシップ関数)QVI.VGとQV
I.Gで、後者は絶対的な評価である。
【0192】図27は、定常電力量Pの3つの評価グレ
ード(S:少ない,M:普通,L:多い)に対するメン
バーシップ関数を示しており、本実施例の評価では、少
ないSが採用される。
【0193】図28は、制御機器の切替による過渡消費
電力量のメンバーシップ関数を示しており本例の評価で
は、少ないFを採用する。
【0194】図29は、トンネル内の汚染分布(Xで示
す)と換気機器等による圧力分布(P)を示したものであ
る。前述のように均一な圧力バランスを得るためには、
汚染分布に対する圧力分布が均一となることが必要であ
る。従って、ここではトンネルの延長方向でのPのXに
対する偏差σと分散δを考え、この値がゼロとなること
も制御の一目的として採用する。
【0195】図30は、この考え方に基づきδがゼロと
なる場合に適合値=1.0 、その両側で適合度が除去に
0.0に近づくメンバーシップ関数BP.VG を評価関
数として採用する。因みにBP.Gは分散度合いが+側
にある場合を許容評価したものであり、換気機の配置の
制約からBP.VGの採用が困難な場合に採用されるメ
ンバーシップ関数である。
【0196】予測ファジー推論機構5は、前記data(X
1,X2,…,Xn),range(X1,X2,…,Xn)を入力と
して、制御設備機器の現状の運転状態と、各々のレンジ
情報から各操作量を分割して、制御可能アナログ操作量
組合わせ集合ASf0 ((ΔX1,ΔX2,…,Δ
n)がとり得る有限レンジ区域内の組合わせを要素と
する無限集合)と等価な制御可能ディジタル操作量組合
わせ集合Sf0 を生成するプリプロセッサー38と、
この38あるいは後述する満足度評価論理41より出力
される縮退化されたSf1を入力とし、これを再帰的
に小分割化しSfi を出力とする再帰的レンジ分割論理
39と、この39の出力と前記予測された項目群の値
と、目的量ファジー評価メンバーシップ関数(Of1
Of2,…,Ofl)を入力し、Sfi に含まれる全ての
制御操作量組合わせに対する予測計算を行ない、複数の
目的毎の適合度を評価し、これらより総合的な満足度を
演算し、満足度集合Sciを出力する満足度演算論理
40と、SfiとSci を入力とし、それらが形成する
n次元空間上の高々l個の満足度共振点を求め、もしレ
ンジ分割レベルが制御精度の最小分解能より小であるな
らば、これらの共振点で最も満足度が高いSci内の
制御操作量の組合わせ(ΔX1,ΔX2,…,ΔXn)を
出力として終了し、そうでないならば、各共振範囲を、
満足度評価による平面で縮退させ、上記39を起動する
満足度評価論理41により構成される。
【0197】なお、論理40における上記の予測計算で
は、論理39の制御操作量の組合わせに応じ図1の推論
主機構2や複合ファジー推論装置4で制御目的項目群の
各予測値が演算され、入力される。
【0198】理解の容易のために、ここで制御操作量を
共にアナログ量であるΔX1,ΔX2とし、これらに対す
る目的評価メンバーシップ関数をOf1,Of2,Of3
とし、総合的な満足度をSg(ΔX1,ΔX2)として以
下説明する。Sgは下記のように定義される。
【0199】
【数46】
【0200】ただし、 Ci:各目的項目に対する重み係数でΣCi=1.0,
(i=1〜3) Sg:満足度で0.0〜1.0の値をとる。
【0201】また、Of1,Of2,Of3をそれぞれ共振
を1点含む(すなわち山型特性)メンバーシップ関数と
仮定する。これらにより、ある時点での制御量X1,X2
を連続量としてSgを計算すると、図31に示される図
形が得られる。
【0202】図31は、第1の軸に操作量ΔX1、第2
の軸に操作量ΔX2、第3の軸に満足度Sg(ΔX1,Δ
2)を定義し、得られたものである。この三次元空間
における面の突起は、目的評価メンバーシップ関数の共
振を鋭くするほど狭範囲での突起となる。今、求めよう
とする最大の満足度は、これらの共振点のうちの、いず
れかの頂点であることは明らかである。これを求めるに
は、全てのΔX1,ΔX2のとり得るアナログ量の組合わ
せについてSg(ΔX1,ΔX2)を計算し、それらの最
大値を見つければよい。しかし、この為には無限の時間
が必要となる。本発明では、これを以下に示す手順の収
束計算で、高速に決定している。
【0203】(入力) data(X1,X2,…,Xn) range(X1,X2,…,Xn) 予測項目値 目的評価メンバーシップ関数(Of1,Of2,…,Of
l) (手順1);プリプロセス(38) i=0(縮退化次数) sgmax=0.0(満足度最大メモリ) data(X1,X2,…,Xn)とrange(ΔX1,ΔX2
…,ΔXn) のレンジを決定する。
【0204】→ASf0 (手順2);再帰的レンジ分割(39) 決定された、各制御操作量に対するレンジをm分割し、
それらのレンジ毎(共振区域毎)に取り得る制御操作量
の組合わせ集合を生成する。
【0205】→Sf1 (手順3);満足度演算(40) Sf1に含まれる全ての組合わせ(ΔX1,ΔX2,…,
ΔXn)に対して、Of1,Of2,…,Ofl の適合度
を演算し、満足度集合を生成する。→Sc1 (手順4);満足度評価(41) mSg=(Sg(ΔX1,ΔX2,…,ΔXn)|Scl内の
最大値} とし、if mSg>Sgmax then mSg→Sgmax その時の組合わせを max(ΔX1,ΔX2,…,ΔXn)とする。
【0206】end if 分割による分解能<制御最小分解能 then max(ΔX1,ΔX2,…,ΔXn) を最適組合わせとして出力する。
【0207】(stop) else rp(reduction plane;縮退平面) =((ΣSflj)/P)/2,(J =1〜P) 但し、Sflj∈Sfl,PはSflの要素数とす
る。また、本例ではバイナリー分割としているが、縮退
平面は処理速度と精度により適宜、決定し得る。この縮
退平面rpにより決定される高々l個の共振範囲を決定
する。→(手順2) 図32は、以上の推論機構を、集合の段階的な縮退で示
したものである。
【0208】同図で、有限区域内無限要素の制御アナロ
グ操作量組合わせ集合ASf0は、満足度を要素とする
無限要素集合ASc0と1対1であることが示されてい
る。
【0209】次にアナログ量→ディジタル量変換が39
で行なわれ、ASf0はSf0に写像される。さらに
40がSf0からSc0を生成する。41はSc0を基に
Sf0を縮退可能な様にレンジ分割し、再び39はSf0
→Sf1と写像を行なう。この手順が再帰的に繰り返さ
れ、最終的に、 (ΔX1,ΔX2,…,ΔXn)≒optimal という、近似最適制御操作量組合わせが決定される。
【0210】ここで、 ASf0⊃Sf0⊃Sf1⊃Sf2⊃…⊃Sfn-1⊃Sfn
(準最適解) であり、少なくともSfn の値域は(最適解)を含んで
いる。許容近傍値Δεを該システムにおける制御上の最
小分解能と定めると、 Δε>(分解レンジ) にて準最適解は、当該システムにおいて最適解となる。
Δεは制御上意味のある変量である。
【0211】図33と図34は、予測ファジー推論機構
5の動作例をトンネル換気制御に適用した例である。
【0212】図33で、現時点(制御時点)でのジェッ
トファンの運転台数JFを3台、集塵機1の風量CL1
を70m3/s、集塵機2の風量CL2を40m3/sと
している。JF台数は最小0台,最大10台で操作量Δ
JFは離散値,集塵機1は最小0m3/s、最大150
3/sで操作量ΔCL1は連続量、集塵機2は最小0
3/sで最大95m3/sで操作量ΔCL2は連続量で
ある。また、満足度評価Sgは上記(a)〜(g)の各予測
項目値と重み係数の積和から以下のように求められる。
【0213】Sg(ΔJF,ΔCL1,ΔCL2) =0.20・QCO.VG+0.05・QCO.G +0.20・QVI.VG+0.05・QVI.G +0.40・P+0.05・QC+0.05・BP ここでの重み係数は安全性(QCO.VGおよびQV
I.VG)と経済性(P)に40%、他の要素にそれぞれ
5%が与えられている。
【0214】同図の各行において、左端3項目は現在運
転量に対する制御操作量ΔJF,ΔCL1,ΔCL2、
中間の7項目が予測値に基づく目的評価メンバーシップ
関数適合値、右端2項目が満足度とそのグラフである。
【0215】また、図中の*は、不可能オペレーション
を示し、このところは評価対象としない。例えばΔCL
2=+70とするとCL2の現在値は40であるから、
この値からΔCL2増加させると CL2+ΔCL2+110>95=max となり、実際には実行不可能な操作となる(評価はin
op)。また、Sg→*は操作不可能(inop)では
ないが、安全性の評価が許容レンジを外れるため対象外
とされることを示す。例えば、 ΔJF=−2 ΔCL1=−70 ΔCL2=−20 は現時点から操作可能であるが、これによりCO濃度評
価のQCO.VGおよびQCO.G の評価適合値が図
28のように0.0となり危険状態となるからである。
なお、このCO濃度は上記操作を実行すると仮定して上
述の(数24)のJF台数(nji)、(数26)の風量
(Qb)を変更したときの線形モデル、あるいは図20
の換気量(X7)を変更しての複合ファジー推論によって
予測している。制御操作量可能組合わせ集合Sf0
のΔCL2の分割数は15(+70〜−70のレンジを
ステップ10で分割)に選択され、従って満足度の計算
は、 ΔJF=(+10,+9,…,±0,−1,…,−10) ΔCL1=(+70,+60,…,±0,−10,…,−70) ΔCL2=(+70,+60,…,±0,−10,…,−70) の要素の組合わせ数だけ行なわれる。もちろん、現時点
からinopや*となる組合わせを除外することも可能
である。図33ではΔJF=+2,ΔCL1=+70〜
+50,ΔCL2=+70〜−70の一部分と、ΔJF
=−2,ΔCL1=−70,ΔCL2=−20〜−70の
一部分についてそれぞれ示している。また各目的評価メ
ンバーシップ関数は図25から図30で示したものを利
用し、その各入力値は上述のr1〜r4によって予測さ
れる。
【0216】図33に示すように、ΔJF=+2,ΔC
L1=+70と固定し、ΔCL2=70〜−70と操作
すると、ΔCL2=+10で極大点が現われ、この満足
度Sg=0.462となる。また、ΔJF=+2,ΔC
L1=+50とすると、ΔCL1=+30で極大点が現
われ、Sg=0.485となる。これより満足度の最大
値sgmax=0.485となる。
【0217】次に満足度0.4の縮退平面が選択される
と、上記極大点を含む共振範囲が ±0≦ΔJF≦2 +40≦ΔCL1≦+70 +1≦ΔCL2≦+40 と、 +4≦ΔJF≦+5 −10≦ΔCL1≦+20 −30≦ΔCL2≦−10 とになる。ここで分割数を12とすると、Sf0から図
37に示されるSf1が生成される。ここでの極大点は ΔJF=+2,ΔCL1=+70, ΔCL2=+13, Sg=0.484 と、 ΔJF=+2,ΔCL1=+67, ΔCL2=+16, Sg=0.502 の2点が求められる。ここで、最適解に対する許容近傍
値Δε=4とすると、満足度を最大とする制御操作量組
合わせは、 (ΔJF,ΔCL1,ΔCL2,)=(+2,+67,+16) と決定される。
【0218】因みに、これまで説明してきたn次元空間
上の共振突起は、人間が物事の判断を行なう場合の満足
度評価決定候補の集合に対応し、結局、突起の高さが最
も高いものを採用するという判断の仕組みを、定量表現
したものと言える。したがって、良いプロセス制御を得
るには、よく洗練された、鋭いメンバーシップ関数を与
えることが重要である。
【0219】このように、状況適応型制御操作量決定ル
ール群r6を実行する予測ファジー推論機構5により、
複数の、連続的な制御操作量の組合わせを、容易に、し
かも高速に決定することが可能となる。
【0220】制御操作量総合判断ルール群r7は上記推
論主機構2で実行される。上記r5,r6で得られた2
つの制御操作量中間仮説のうち、現時点のプロセスの挙
動に応じた最適な操作量中間仮説をr4と同様のあいま
い前向き推論で選択し、各制御機器を最適に操作する信
号の組合わせを操作指令として出力する。
【0221】推論自己評価ルール群r8は、これまで述
べてきた各ルール群が、様々な状況にたいして、どの程
度の精度で予測推論を行ない、また判断ルール群が最適
の判断を行なったか否かを評価し、これらの評価の積み
上げより、自身の知識の洗練を行なうルール群である。
【0222】以上述べた本発明は、各々の推論機構の時
間的分解能より大きな制御分解能を持つ全てのプロセス
制御に適用可能である。特に、非線形要素を多く含むプ
ロセス程大きな改善が得られるが、その予測および決定
の過程に、従来モデル(定量型)を含んでいるので、適
用プロセスの非線形挙動に対し十分な知見が得られてい
ない場合でも安全に実施でき、それによって、適用プロ
セスの有用な知見が集積可能になる。もちろん、適用プ
ロセスの挙動に対する十分な知見が得られている場合に
は、従来モデルの採用がなくても実行可能である。
【0223】また、本発明の内容をトンネル換気制御を
例に説明したが、これに限定されるものではなく、例え
ば、ビルでの多数のエレベータ制御,時間帯により待ち
がしばしば発生してしまう大規模コンピュータネットワ
ークのルート制御等、数多い。
【0224】エレベータ制御についていえば、制御目的
が最小の電力で、かつ一定以上の運搬能力を発揮せねば
ならないという、原則的に相反するものを含んでおり、
プロセスの挙動に影響を与える要因の中に非線形要素を
持つものを多く含んでいる。そこで、エレベータを利用
する人間の流れの予測を、前記実施例における交通量の
予測に、多数のエレベータの現状オペレーションからの
移動を制御操作量,各エレベータの移動に要する電力量
を定常消費電力量,停止中のエレベータの起動に要する
電力量を過渡電力量,人間の待ち時間(待行列)に対す
る感覚を制御の質とし、それぞれファジー量で評価して
上記制御目的と置き換えるならば、本実施例をそのまま
流用できることになり、大変優れたエレベータ制御が得
られることは明らかである。このように、本発明は基本
性を有し適用範囲は広い。
【0225】
【発明の効果】本発明によれば、複数の制御目的項目を
同時に満足させるプロセスにおいて、複数の制御効果器
に出力する操作量の組合わせを、予測ファジーの手法に
より最適かつ高速に決定できるプロセス制御方法および
装置を提供することができる。これによって、線形モデ
ルのみでは捉えられない複雑なプロセスでの高精度,リ
アルタイムな制御を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセス制御装置の全体構成を示す機
能ブロック図。
【図2】本発明の1適用例を示すトンネル換気プロセス
の概観図。
【図3】トンネル換気プロセスのカットモデル図。
【図4】トンネル内の圧力分布と汚染量分布を示す概念
図。
【図5】予測汚染量の要因相関を示す意味ネットワーク
図。
【図6】トンネル内予測風速の要因相関を示す意味ネッ
トワーク図。
【図7】トンネル換気制御の推論相関を示す推論プロト
ネットワーク図。
【図8】定量型汚染予測ルール群の論理構造を示すブロ
ック図。
【図9】発生汚染量学習・評価論理構造を示すブロック
図。
【図10】交通流相関学習・評価・予測論理構造を示す
ブロック図。
【図11】傾向型汚染予測ルール群の動作説明図。
【図12】傾向型汚染予測ルール群の論理構造を示すブ
ロック図。
【図13】定性型汚染予測ルール群の意味ネットワーク
図。
【図14】3次元空間上での複合メンバーシップ関数の
グラフ図。
【図15】5段階グレードの複合メンバーシップ関数の
グラフ図。
【図16】予測汚染量の要因とメンバーシップ関数の具
体例を示す説明図。
【図17】予測車道内風速の要因とメンバーシップ関数
の具体例を示す説明図。
【図18】複合ファジー推論機構の構成を示すブロック
図。
【図19】図14のメンバーシップ関数の1部を示すグ
ラフ図。
【図20】複合ファジー推論で適合度最近似解を求める
手法の説明図。
【図21】複合ファジー推論で適合度最近似解を求める
手法の説明図。
【図22】採用するルール群予測値を判断する予測値総
合判断ルール群のツリー図。
【図23】予測値総合判断ルール群のプロダクションル
ールの説明図。
【図24】予測ファジー推論機構の一実施例を示す機能
ブロック図。
【図25】CO濃度のメンバーシップ関数のグラフ図。
【図26】煙霧透過率VIのメンバーシップ関数のグラ
フ図。
【図27】定電力消費量のメンバーシップ関数のグラフ
図。
【図28】過渡消費電力量のメンバーシップ関数のグラ
フ図。
【図29】トンネル内の汚染分布と換気圧力分布の概念
図。
【図30】圧力バランスのメンバーシップ関数のグラフ
図。
【図31】多次元空間での満足度の最適解の存在を説明
する概念図。
【図32】操作量の縮退と満足度の近似最適範囲との関
係を説明する模式図。
【図33】操作量,目的評価項目の適合値および満足度
の具体例で予測ファジー推論機構の動作を説明する図。
【図34】図33の例を縮退させた具体例で予測ファジ
ー推論機構の動作を説明する図。
【符号の説明】
1…プロセス制御装置、2…推論主機構、3…知識ベー
ス、4…複合ファジー推論機構、5…予測ファジー推論
機構。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G06F 17/00 E21F 1/00 A // E21F 1/00 G06F 15/20 F (72)発明者 八尋 正和 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (72)発明者 佐藤 良幸 茨城県日立市大みか町五丁目2番1号 株式会社 日立製作所 大みか工場内 (56)参考文献 特開 平1−151700(JP,A) 特開 昭61−173304(JP,A) 特開 昭61−70605(JP,A) 電気学会雑誌、104〜10!(昭59−10 −20)電気学会、安信誠二、宮本捷二 「FUZZY制御の列車自動運転システ ムへの応用」、P.867−874 オートメーション、33〜6!(昭63− 6−1)日刊工業新聞社、脇本一政、桜 井雅昭、青木太一「ファジィ集合論の考 え方を利用した高炉炉熱制御エキスパー トシステム」、P.37−41

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の制御目的に応じて複数の制御効果器
    の操作量を出力するプロセス制御方法において、複数の
    操作量の組合わせによる複数の制御指令案を生成し、該
    各制御指令案を実行すると仮定して所定時間後の各制御
    目的の予測値をファジー評価し、これら評価された予測
    評価値に基づいて複数の制御目的を同時に達成する程度
    を示す満足度を演算し、該満足度が最適の基準を満たす
    操作量の組合わせを制御指令として決定する(r6)こ
    とを特徴とするプロセス制御方法。
  2. 【請求項2】請求項1において前記最適の基準は、前記
    満足度が最大値になることを特徴とするプロセス制御方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1において前記制御指令案は、前記
    制御効果器毎の所定レンジ内の所定ステップで生成され
    る各操作量に基づいて演算された各満足度の分布におけ
    るピーク値を含む所定の範囲に収縮されたレンジとより
    細分されたステップによる操作量の組合わせによって再
    生成され、これら再生成された制御指令案によって前記
    満足度の演算過程を繰返し、最適制御指令の決定を高速
    におこなうことを特徴とするプロセス制御方法。
  4. 【請求項4】請求項1において前記満足度は、前記制御
    目的毎に予め定められた重み係数と前記予測評価値の積
    和から求められることを特徴とするプロセス制御方法。
  5. 【請求項5】複数の制御目的に応じて複数の制御効果器
    の操作量を出力するプロセス制御装置において、 前記制御効果器毎の所定のレンジとステップに応じた操
    作量の組合わせによる複数の制御指令案を生成する制御
    指令案生成手段と、 プロセス情報と前記制御指令案の操作量を入力しプロセ
    スを模擬した定性的モデルによって所定時間後の各制御
    目的の予測値を演算し、かつ、該予測値を予め定められ
    ているメンバーシップ関数によってファジー評価し制御
    目的毎の評価値を求める制御目的項目評価手段と、 該評価値と制御目的毎の重み係数の積和によって複数の
    制御目的を同時に達成する程度を示す満足度を演算する
    満足度演算手段と、 該満足度が最大になる操作量の組合わせを制御指令とす
    る制御指令決定手段と、を有し、 前記制御指令案生成手段は、前記制御指令案で演算され
    た前記満足度の分布におけるピーク値を含む所定の範囲
    に収縮されたレンジとより細分されたステップによる操
    作量の組合わせでなる制御指令案を再生成する機能を含
    み、該再生成される制御指令案によって前記満足度演算
    の過程を繰返すように構成される前記予測ファジー制御
    装置(r6)を具備することを特徴とするプロセス制御
    装置。
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