JP2621611B2 - 流体圧供給装置 - Google Patents

流体圧供給装置

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JP2621611B2 JP2211394A JP21139490A JP2621611B2 JP 2621611 B2 JP2621611 B2 JP 2621611B2 JP 2211394 A JP2211394 A JP 2211394A JP 21139490 A JP21139490 A JP 21139490A JP 2621611 B2 JP2621611 B2 JP 2621611B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、液体圧供給装置の改良に関し、特に、吐
出量変更可能な流体圧供給装置において、吐出量変更の
ために用いる切換弁の小型化を図ったものである。
〔従来の技術〕
流体圧供給装置の吐出量を可変とする切換弁の構造と
しては、例えば、特開平2−123284号公報の第6図に開
示されたものがある。
この従来の構造は、吐出量が異なる二つのポンプを備
えるとともに、吐出量が大なるポンプ(第1のポンプ)
の吐出側及び流体圧機器間に介在する流体路と、吐出量
が小なるポンプ(第2のポンプ)の吐出側及び流体圧機
器間に介在する流体路とにそれぞれ分岐炉を設け、そし
て、それら分岐路の他端側を第1の切換弁に接続し、そ
の第1の切換弁の下流側に戻り路を介してタンクに戻
し、さらに、その戻り路に第2の切換弁を介在させてい
る。
そして、第1の切換弁は何れか一方の分岐路を戻り路
に連通させる切換弁であり、第2の切換弁は戻り路を連
通状態若しくは遮断状態とする切換弁であるため、それ
ら第1及び第2の切換弁を適宜切り換えることにより、
第2のポンプの出力のみが流体圧機器側に供給される状
態(供給量小:モード1),第1のポンプの出力のみが
流体圧機器側に供給される状態(供給量中:モード2)
及び両方のポンプの出力が流体圧機器側に供給される状
態(吐出量大:モード3)の何れかの状態をとることが
できる。
このため、液体圧機器での必要流量に応じた流量を供
給することができるから、必要流量に比べてはるかに大
きな流量の供給、即ち、無駄な流量の供給が避けられ、
ポンプを駆動する装置の燃費の向上等が図られる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ここで、第2の切換弁を遮断状態から連通状態に切り
換える時には、その第2の切換弁のバルブスプールに掛
かっている流体力に打ち勝つ力をそのバルブスプールに
与える必要があり、そして、そのバルブスプールを移動
させる力は、通常はスプリングやソレノイドによって得
ている。
そして、上記従来の構成にあっては、切換弁の切り換
えに何の制約もないから、第1の切換弁の状態によって
は、吐出量が大なる第1のポンプの出力が第2の切換弁
に掛かった状態でその第2の切掛弁を遮断状態から連通
状態に切り換える場合が考えられるため、第2の切換弁
のバルブスプールを移動させるスプリングやソレノイド
等は、第1のポンプの出力に打ち勝てる寸法、即ち比較
的大きいものを必要する必要があり、その結果、第2の
切換弁が大型化し、流体圧供給装置の大型化や高重量化
等の原因となっていた。
この発明は、このような従来の技術が有する未解決の
課題に着目してなされたものであり、切換弁の切り換え
制御に一定の制約を与えることにより、切換弁の小型化
が図られる流体圧供給装置を提供することを目的として
いる。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、請求項(1)記載の流体
圧供給装置は、第1のポンプと、この第1のポンプの吐
出側及び流体圧機器間に介在する第1の供給路と、この
第1の供給路に設けられ且つ前記第1のポンプ側への流
体の逆流を阻止する第1のチェック弁と、この第1のチ
ェック弁よりも上流側の前記第1の供給路から分岐され
た第1の戻り路と、前記第1のポンプよりも吐出量が少
ない第2のポンプと、この第2のポンプの吐出側及び前
記流体圧機器間に介在する第2の供給路と、この第2の
供給路に設けられ且つ前記第2のポンプ側への逆流を阻
止する第2のチェック弁と、この第2のチェック弁より
も上流側の前記第2の供給路から分岐された第2の戻り
路と、前記第1及び第2の戻り路の何れか一方をタンク
に通じる第3の戻り路に連通させる第1の切換弁と、こ
の第1の切換弁よりも小型で前記第3の戻り路を連通状
態若しくは遮断状態とする第2の切換弁と、前記第1及
び第2の切換弁の状態を制御する切換弁制御手段と、を
備え、前記切替弁制御手段は、前記遮断状態から前記連
通状態への前記第2の切換弁の切り換えを、前記第1の
切換弁が前記第2の戻り路を前記第3の戻り路に連通さ
れている状態で行う。
また、請求項(2)記載の流体圧供給装置は、上記請
求項(1)記載の発明において、切換弁制御手段は、第
3の戻り路の流量が増加する方向への第1の切換弁を切
り換え及び第2の切換弁の切り換えを、切り換え前のそ
れら第1及び第2の切換弁の状態を所定時間以上保持し
た後に行う。
〔作用〕
第1のポンプが吐出した流体は、第1の供給路を介し
て流体圧機器に供給され、第2のポンプが吐出した液体
は、第2の供給路を介して流体圧機器に供給される。
また、第1の供給路から分岐された第1の戻り路と、
第2の供給路から分岐された第2の戻り路とは、それぞ
れ第1のチェック弁又は第2のチェック弁より上流側か
ら分岐されているので、第1の戻り路には、第1のポン
プの出力のみが供給され、第2の戻り路には、第2のポ
ンプの出力のみが供給される。
ここで、切換弁制御手段が、第1の切換弁を制御して
第1の戻り路を第3の戻り路に連通させるとともに、第
2の切換弁を制御して第3の戻り路を連通状態とする
と、第1のポンプの出力は第1及び第3の戻り路を介し
てタンクに戻され、第2のポンプの出力は第2の供給路
を介して流体圧機器に供給されるから、液体圧供給装置
の吐出量は小の状態となる(モード1)。
また、切換弁制御手段が、第1の切換弁を制御して第
2の戻り路を第3の戻り路に連通させるとともに、第2
の切換弁を制御して第3の戻り路を連通状態とすると、
第1のポンプの出力は第1の供給路を介して液体圧機器
に供給され、第2のポンプの出力は第2及び第3の戻り
路を介してタンクに戻されるから、液体圧供給装置の吐
出量は中の状態となる(モード2)。
そして、切換弁制御手段が、第2の切換弁を制御して
第3の戻り路を遮断状態とすると、第1及び第2の戻り
路とタンクとの間は悲連通状態となるので、第1のポン
プの出力は第1の供給路を介して液体圧機器に供給さ
れ、第2のポンプの出力は第2の供給路を介して液体圧
機器に供給されるから、液体圧供給装置の吐出量は大の
状態となる(モード3)。
さらに、遮断状態から連通状態への第2の切換弁の切
り換えを行う際には、第1の切換弁が第2の戻り路を第
3の戻り路に連通させている(つまり、モード3からモ
ード1への直接の変化が禁止されている)ので、第2の
切換弁のバルブスプールには第2のポンプの出力が掛か
っているから、その第2のポンプの出力に打ち勝つ力が
第2の切換弁のバルブスプールに与えられればよい。
また、請求項(2)記載の発明では、第3の戻り路の
流量が増加する方向への第1の切換弁の切り換え及び第
2の切換弁への切り換え、即ち、モード3からモード2
への変化、若しくはモード2からモード1への変化を行
う際に、切り換え前の第1及び第2の切換弁の状態を所
定時間以上保持するから、切換弁が確実に切り換わって
から次の動作に移るようになる。
〔実施例〕
以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、車体に生じる横加速度や前後加速度等
に応じて、車体及び車輪間に介装された油圧シリンダの
作動圧を適宜制御することにより、車体のローリング変
位やピッチング変位等を能動的に抑制することができる
能動型サスペンションに油圧を供給する車両用の油圧供
給装置に本発明を適用したものである。
第1図において、2は車体,4は任意の車輪,6は流体圧
機器としての能動型サスペンション,8は流体圧供給装置
としての油圧供給装置をそれぞれ示す。なお、同図では
図示しないが4輪に対して同一のサスペンション構成を
とっている。
能動型サスペンション8は、油圧シリンダ10、圧力制
御弁12、姿勢制御回路18及び加速度センサ19を含んで構
成される。
油圧シリンダ10は、そのシリンダチューブ10aが車体
2側に、ピストンロッド10bが車輪4側にそれぞれ取り
付けられ、シリンダチューブ10a内にはピストン10cによ
り圧力室Lが隔設されている。この圧力室Lは、配管11
を介して圧力制御弁12の出力ポート12oに連通してい
る。
圧力制御弁12は、具体的には第2図に示すように、弁
本体を内蔵する円筒状の弁ハウジング13と、これに一体
的に設けられた比例ソレノイド14とを有している。
弁ハウジング13の中央部に穿設された挿通孔13Aに
は、メインスプール15とポペット16が摺動可能に挿入さ
れ、メインスプール15の両端のパイロット室FU,フィー
ドバック室FLにはオフセットスプリング17A,17Bが挿入
されている。なお、13Aaは固定絞りである。弁ハウジン
グ13は、そのメインスプール15のランド15a,15b及び圧
力室15cに対向する位置に、挿通孔13Aに連通した状態で
供給ポート12s,戻りポート12r,出力ポート12oをそれぞ
れ有している。またポペット16とフィードバック室FU
の間には、所定径の弁座13Baを有する隔壁13Bによって
圧力室Cが形成されている。
供給ポート12sはパイロット通路13sを介して圧力室C
に連通し、圧力室Cは弁座13Ba,ドレン通路13tを介して
戻りポート12rに連通している。また、出力ポート12oは
フィードバック通路15fを介してフィードバック室FL
連通している。
一方、比例ソレノイド14は、軸方向に移動可能なプラ
ンジャ14Aと、このプランジャ14Aを駆動する励磁コイル
14Bとを有する。この励磁コイル14Bが指令値Iによって
励磁されると、プランジャ14Aが移動して前記ポペット1
6を付勢し、この付勢具合によって前記弁座13Baを流通
する作動油の流量、つまり圧力室C(即ちパイロット室
FU)の圧力を調整できるようになっている。
このため、比例ソレノイド14による押圧力がポペット
16に加えられている状態で、両室FL,FUの圧力が釣り合
うと、スプール15は、出力ポート12oと供給ポート12s及
び戻りポート12rとの間を遮断する図示のスプール位置
をとる。そこで、指令値Iの大小によりパイロット室FU
の圧力が調整され、このパイロット圧に応じて両室FL,F
Uの圧力が釣り合うまで、スプール15が微動して調圧動
作が行われ、出力ポート12oからの出力圧PCを第3図に
示すように指令値Iに比例して制御できる。同図中、P2
は油圧供給装置8からの最大ライン圧である。
前記加速度センサ19は、車体2に発生する横方向,前
後方向,上下方向の加速度を検知して、それらの状態量
に応じた電気信号Gを姿勢制御回路18に出力するように
なっている。姿勢制御回路18は、検出信号Gの所定のゲ
インを乗算する等の演算を行い、車体のロール,ピッチ
を抑制したり、上下振動を減衰させるため指令値Iを演
算して圧力制御弁12に供給する。
なお、第1図中、22は車体2の静荷重を支持するコイ
ルスプリング、また、24及び26ばバネ下共振域の振動を
減衰させる絞り及びアキュムレータである。
一方、前記油圧供給装置8は、作動油を溜めるタンク
30と、このタンク30に吸引側を配管32により接続した油
圧ポンプ34とを有する。油圧ポンプ34は、エンジン36の
出力軸36Aに連結された吐出量可変形のポンプシステム
であって、具体的には複数のシリンダを有するプランジ
ャ型のポンプで成る。そして、各シリンダの中の1つお
きの一方の組により1回転当たりの吐出量が比較的大き
い第1のポンプとしての第1の油圧ポンプ34Aが構成さ
れ、他方の組により1回転当たりの吐出量が小さい第2
のポンプとしての第2の油圧ポンプ34Bが構成されてい
る。
ここで、第1,第2の油圧ポンプ34A,34Bの回転数に対
する吐出流量特性は、第4図に示すようになっている。
つまり、消費流量が多い姿勢制御時や走行時には第1の
油圧ポンプ34A及び34Bの両方の吐出量で賄い、消費流量
が少ない停車時や走行時には第2の油圧ポンプ34Bの吐
出量で賄い、それらの中間の消費流量が適している時に
は第1の油圧ポンプ34Aの吐出量で賄うようになってい
る。
第1の油圧ポンプ34の吐出口には第1の供給路として
の第1の供給側管路38aが接続され、この管路38aが第1
のチェック弁としてのチェック弁39A,チェック弁39Bを
介して前記圧力制御弁12の供給ポート12sに至る。また
制御弁12戻りポート12rにはドレン側管路40が接続さ
れ、この管路40がオペレートチェック弁41を介してタン
ク30に至る。オペレートチェック弁41は、チェック弁39
Bの下流側ライン圧をパイロット圧PPとするパイロット
操作形逆止弁で構成され、本実施例では、パイロット圧
PP>PN(PNは作動中立圧:第3図参照)のときにチェッ
ク解除状態(弁が開)として管路40を連通させ、PP≦PN
のときにチェック状態(弁が閉)として管路40を遮断す
る。
また、第2の油圧ポンプ34Bの吐出口には第2の供給
路としての第2の供給側管路38bが接続され、この管路3
8bが第2のチェック弁としてのチェック弁39Cを介して
第1の供給側管路38aのチェック弁39Aの下流側に接続さ
れている。
さらに、油圧供給装置8は、第1図に示すように、第
1の切換弁としての3ポート2位置のスプリングオフセ
ット型の電磁方向切換弁42と、第2の切換弁としての2
ポート2位置のスプリングオフセット型の電磁方向切換
弁43とを備えている。なお、電磁方向切換弁43には、電
磁方向切換弁42よりも小型の切換弁を採用している。
電磁方向切換弁42の入力側には、第1の供給側管路38
aのチェック弁38Aよりも上流側から分岐した第1の戻り
路44と、第2の供給側管路38bのチェック弁39Cよりも上
流側から分岐された第2の戻り路46とが接続されるとと
もに、その出力側には、タンク30に通じる第3の戻り路
48が接続されていて、そのバルブスプールの位置によっ
て、それら第1の戻り路44及び第2の戻り路46の何れか
一方を、第3の戻り路48に連通させる。
一方、電磁方向切換弁43は、第3の戻り路48の途中に
介装されていて、そのバルブスプールの位置によって、
第3の戻り路48を連通状態若しくは遮断状態とする。
これら電磁方向切換弁42及び43のそれぞれは、それら
のソレノイドに吐出量制御回路50から供給される切換信
号CS1,CS2のオン,オフに応じて2段に切り換えられる
ようになっている。
即ち、切換信号CS1が「オフ」のときは、電磁方向切
換弁42のバルブスプールはスプリングの付勢力によって
第1図の状態をとるから、第2の戻り路46が第3の戻り
路48に連通し、切換信号CS1が「オン」のときは、電磁
方向切換弁42のバルブスプールはソレノイドの付勢力に
よって第1図とは違った状態をとるから、第1の戻り路
44が第3の戻り路48に連通する。
また、切換信号CS2が「オフ」のときは、電磁方向切
換弁43のバルブスプールはスプリングの付勢力によって
第1図の状態をとるから、第3の戻り路48は連通状態と
なり、切換信号CS2が「オン」のときは、電磁方向切換
弁43のバルブスプールはソレノイドの付勢力によって第
1図とは違った状態をとるから、第3の戻り路48は遮断
状態となる。
また、比較的大容量の蓄圧用アキュムレータ52が、第
1の供給側管路38aのチェック弁39Bの下流側に接続さ
れ、ライン圧を所定値に設定するリリーフ弁53が第1の
供給管側管路38a(チェック弁39A,39B間の位置)とドレ
ン側管路40との間に接続されている。
さらに、本油圧供給装置8は、ポンプ回転数センサ56
及びストロークセンサ58FL,58FRを備えている。ポンプ
回転数センサ56は、油圧ポンプ34の回転数に応じた電気
信号Nを検出するもので、具体的には、例えば変速機の
出力側のエンジン回転数を磁気的,光学的に検出するパ
ルス検出器で成るエンジン回転数センサを兼用してお
り、その検出信号Nを吐出量制御回路50に出力する。ス
トロークセンサ58FL,58FRは、車体2及び車輪(前左,
前右側の車輪)4,4にそれぞれ介装されたポテンショメ
ータで構成され、その検出信号xL,xRを吐出量制御回路5
0に出力する。
一方、前記吐出量制御回路50は、第5図に示す如く、
入力するストローク信号xL,xRをフィルタリングするバ
ンドパスフィルタ66,68と、このバンドパスフィタ66,68
の出力信号xL,xRに後述する積分演算を施す積分器70,72
と、パイロット流量設定器74とを有し、さらに、各積分
器70,72及びパイロット流量設定器74の出力信号QL,QR
びQ0を相互に加算する加算器76と、この加算器76の加算
信号(基準推定消費流量に対応した信号)QA,ポンプ回
転数信号Nを受けてポンプ稼働モードを設定するモード
設定回路78と、この設定回路78の出力信号SL1を受けて
電磁方向切換弁42に切換信号CS1を出力する駆動回路80A
と、設定回路78の出力信号SL2を受けて電磁方向切換弁4
3に切換信号CS2を出力する駆動回路80Bと、を有してい
る。
各バンドパスフィルタ66,68の低域側カットオフ周波
数fLは車高調整時のストローク変化分を遮断できる値
(例えば0.5Hz)に、高域側カットオフ周波数fHはバネ
下共振周波数側のストローク変化分を遮断できる値(例
えば6Hz)に設定してある。また、各積分器70,72は、 Q=K/T∫||dt ……(1) の式(信号xに対する添え字L,Rは省略)に基づき演算
してストローク変化分の積分値,即ち積分時間Tは(例
えば2秒)間のトータルのストローク量「1/T・∫||
dt」に対応したシリンダへの出入り流量を求める。Kは
油圧シリンダ10の受圧面積に基づくゲインである。
ここで、車体2及び車輪4間の実際のストローク変動
に着目してみると、殆どの場合、伸び側,縮み側が対象
的に現れる振動となる。しかし、実際に油圧ポンプ34か
らの吐出流量が必要になるのは、ストロークが伸び側に
変化し、作動油が油圧シリンダ10に流入するときのみで
あり、ストロークが縮み側に変化し、作動油が排出され
るときは作動油の供給の必要はない。ところが、ストロ
ークが縮み側に変化する分に対する流量は、丁度、後輪
側の油圧シリンダ10に対する作動油の流入分であるとし
ても差し支えないので、前輪2輪に対する前記(1)式
の演算値は結局、4輪のトータルのストローク変化に対
する消費流量を簡便的に表している。
また、パイロットの流量設定器74は、4輪分の圧力制
御弁12の内部リーク量に相当する値Q0を出力する。この
ため、加算器76の加算結果QAはシステム全体の推定消費
流量となる。
そして、駆動回路80Aは、出力信号SL1が論理値「1」
であるときには、切換信号CS1を「オン」とし、出力信
号SL1が論理値「0」であるときには、切換信号CS1
「オフ」とし、また、駆動回路80Bは、出力信号SL2が論
理値「1」であるときには、切換信号CS2を「オン」と
し、出力信号SL2が論理値「0」であるときには、切換
信号CS2を「オフ」とする。
さらに、前記吐出量制御回路50は、第5図に示す如
く、ストローク信号xL,xRを受けて該信号xL,xRの平均値
L,をそれぞれ求める第1演算部としてのローパス
フィルタ82,84と、このフィルタ82,84に依る平均値L,
に対して「xL」,「xR」の演算をそれ
ぞれ行う加算器86,88と、加算値「xL」,「xR
」の絶対値をそれぞれ演算して、その信号を前記モ
ード設定回路78に出力する絶対値回路90,92をも有して
いる。上記アナログ型ローパスフィルタ82,84のカット
オフ周波数は、路面からの振動入力によるバネ上,バネ
下間のストローク周波数領域(例えば1〜10Hz前後)以
下の値(例えば0.1Hz)に設定されており、入力信号xL,
xRを平滑化する。
前記モード設定回路78は、例えばマイクロコンピュー
タを搭載して構成され、予め前述した第4図の吐出流量
特性に対応したモードマップを記憶しているとともに、
後述する第6図乃至第8図の演算処理をΔt(<T)時
間毎に行う。
これらの内、第6図の処理は、前記積分周期に同期し
た時間T毎に推定モード(後述するフラグMF1の値)を
設定する。第7図の処理は、第6図のサブルーチン処理
であって、第6図の処理で設定された推定モードに基づ
き、一定の制約条件に従って、論理値「1」若しくは論
理値「0」の出力信号SL1及びSL2を出力する。
第8図の処理は、Δt時間毎にストローク量が大きい
状態を監視する機能等を担っている。
次に、本実施例の動作を説明する。
最初に、モード設定回路78の動作を説明する。このモ
ード設計回路78は、一定時間Δt(例えば、20msec)毎
に、第6図及び第8図のタイマ割り込み処理をそれぞれ
行う(なお、演算処理の過程で使用されるフラグa,e、
カウンタb,c,dは、処理開始時にメインプログラムで零
に設定される。)。
第6図の処理で、そのステップで割り込み処理舞に
カウンタcをインクリメントし、ステップで所定時間
T(=Δt・A)に対応した整数Aになったか否かを判
断する。
このステップの判断でカウンタcのカウント値が整
数Aに達していないときは、ステップに移行し、フラ
グa1=1か否かの判定を行い、その判定が「NO」の場合
には、ステップに移行してフラグa2=1か否かの判定
を行う。
ここで、フラグa1及びa2は、後述する第8図の処理に
おいて設定されるフラグであって、油圧シリンダ10のス
トローク量が所定値E2を越える程大きい場合(大ストロ
ーク状態)及びその後の所定時間内にはa1=0,a2=1に
設定され、そのストローク量が所定値E2よりは小さいが
所定値E1(<E2)よりも大きい場合(中ストローク状
態)及びその後の所定時間内にはa1=1,a2=0に設定さ
れ、そして、ストロークが所定値E1以下の場合(小スト
ローク状態)にはa1=0,a2=0に設定される。
従って、ステップ及びステップの判定が両方とも
「NO」の場合は、小ストローク状態であると判断できる
から、現行モードを維持したままメインプログラムに戻
る。
一方、ステップの判定が「YES」のときは、ステッ
プに移行し、カウンタcをクリアした後、ステップ
に移行する。
ステップでは、加算器76の加算結果である基準推定
消費流量信号QAを入力し、その値を記憶する。次いで、
ステップに移行し、ポンプ回転数センサ56の検出信号
Nを入力し、その値を記憶してステップに移行する。
このステップでは、第4図に対応したマップを参照
して、基準推定消費流量QAとポンプ回転数Nとにより一
義的に決まる座標が属する最小吐出流量の基準モードを
設定する。即ち、モード1ならば基準モード値M0を1
に、モード2ならば基準モード値M0を2に、モード3な
らば基準モード値M0を3にそれぞれ設定する。
次いで、ステップに移行してフラグa1=1か否かを
判定し、その判定が「NO」の場合にはステップに移行
してフラグa2=1か否かの判定を行う。つまり、ステッ
プ及びステップの判定によって、大ストローク状態
であるか、中ストローク状態であるから、小ストローク
状態であるかが判断される。
そして、ステップ及びステップの判定が両方とも
「NO」の場合(小ストローク状態)には、ステップに
移行し、推定モードを、上記ステップで設定した基準
モードに設定する。即ち、推定モード値M1を基準モード
値M0と等しい値に設定する。
また、上記ステップの判定が「YES」の場合(中ス
トローク状態)には、ステップに移行し、推定モード
を、基準モードから1アップしたモードに設定する。
つまり、基準モード値M0が1であれば、推定モード値
M1を2に、基準モード値M0が2若しくは3である場合に
は、推定モード値M1を3にそれぞれ設定する。
なお、上記ステップの判定が「YES」の場合にも、
ステップの処理を実行するので、推定モードは、基準
モードから1アップしたモードに設定される。
さらに、ステップの判定が「NO」で且つステップ
の判定が「YES」の場合(大ストローク状態)には、ス
テップに移行し、推定モードを、基準モードから2ア
ップしたモードに設定する。なお、この実施例では、モ
ードを1,2及び3の三段階に分けているので、このステ
ップでは、推定モード値M1は、必ず3になる。
なお、上記ステップの判定が「YES」の場合にも、
ステップの処理を実行するので、推定モードは3とな
る。
そして、ステップ,ステップ及びステップの処
理において推定モードが設定されたら、ステップに移
行して、第7図に示すサブルーチン処理を実行する。
第7図の処理では、先ず、ステップで推定モード値
M1と、現行のモードを表す現行モード値M2とが等しいか
否かを判定し、等しい場合には、モードの変更が不要で
あるから、現行モード値M2を変更することなく、このサ
ブルーチン処理を終了する。
しかし、ステップで推定モード値M1と現行モード値
M2とが異なっていると判定された場合には、ステップ
に移行し、推定モード値M1と現行モード値M2とを比較
し、M1≧M2であるか否かを判定する。
この判定が「YES」の場合には、現在のモードより大
きいモードが望まれているから、ステップに移行し
て、現行モード値M2を推定モード値M1と等しい値に設定
した後、ステップに移行して、現行モードに変更され
てからの時間を計測するタイマをクリア・スタートす
る。
そして、ステップに移行して、現行モード値M2に応
じた出力信号SL1及びSL2を駆動回路80A及び80Bに出力す
る。
即ち、現行モード値M2が1ならば、出力信号SL1を論
理値「1」で且つ出力信号SL2を論理値「0」とし、現
行モード値M2が2ならば、出力信号SL1及びSL2を共に論
理値「0」とし、そして、現行モード値M2が3ならば、
出力信号SL1論理値「0」で且つ出力信号SL2を論理値
「1」とする。
すると、駆動回路80A及び80Bは、それら出力信号SL1
及びSL2に応じて、電磁方向切換弁42及び43のソレノイ
ドに切換信号CS1及びCS2を出力する。
その結果、モード1の場合には、第9図(a)に示す
ように、切換信号CS1が「オン」で且つ切換信号CS2
「オフ」となるから、電磁方向切換弁42は第1の戻り路
44を第3の戻り路48に連通させ、電磁方向切換弁43は第
3の戻り路48を連通状態とするので、能動型サスペンシ
ョン6側には、比較的吐出量の少ない第2の油圧ポンプ
34Bの出力のみが供給される。
また、モード2の場合には、第9図(b)に示すよう
に、切換信号CS1及びCS2が「オフ」となるから、電磁方
向切換弁42は第2の戻り路46を第3の戻り路48に連通さ
せ、電磁方向切換弁43は第3の戻り路48を連通状態とす
るので、能動型サスペンション6側には、比較的吐出量
の大きい第1の油圧ポンプ34Aの出力のみが供給され
る。
さらに、モード3の場合には、第9図(c)に示すよ
うに、切換信号CS1が「オフ」で且つ切換信号CS2が「オ
ン」となるから、電磁方向切換弁42は第2の戻り路46を
第3の戻り路48に連通させるが、電磁方向切換弁43が第
3の戻り路48を遮断状態とするので、能動型サスペンシ
ョン6側には、第1の油圧ポンプ34A及び第2の油圧ポ
ンプ34Bの両方の出力が供給される。
第7図に戻って、ステップの処理を終えたら、この
サブルーチン処理を終了する一方、ステップの判定が
「NO」の場合には、現行のモードよりも小さなモードが
望まれていると判断し、ステップに移行する。
このステップでは、現行のモードに変更されたとき
にクリア・スタートさせたタイマの計測時間が所定時間
(例えば、2秒)を経過しているか否かを判定し、未だ
所定時間を経過していなければ、現行モード値を変更す
ることなく、このサブルーチン処理を終了する。
そして、ステップの判定が「YES」となった場合に
は、現行のモードに変更されてから所定時間以上経過し
たと判断できるから、ステップに移行する。
つまり、このステップの処理を実行すると、モード
を3からモード1,2への変更若しくはモード2からモー
ド1への変更を行う際、即ち、第3の戻り路48の流量を
増大方向に変化させて能動型サスペンション6側への供
給量を減少させる場合には、すぐさま推定モードに変更
させるのではなく、変更前のモード(変更前の電磁方向
切換弁42及び43の状態)を所定時間以上保持した後に推
定モードに変更されることになる。
そして、ステップでは、現行モード値M2=3で且つ
推定モード値M1=1であるか否か、つまり、モード3か
らモード1への変更であるか否かを判定する。
ここで、モード3(第9図(c)参照)からモード1
(第9図(a)参照)に変更するには、第9図(c)の
状態の電磁方向切換弁42を切り換えた後に電磁方向切換
弁43を切り換えて第9図(a)の状態とする方法(第1
の方法)と、電磁方向切換弁43を切り換えた後に電磁方
向切換弁42を切り換える方法(第2の方法)との二つの
方法が考えられるが、第1の方法では、電磁方向切換弁
43のバルブスプールに吐出量大の第1の油圧ポンプ34A
の出力が掛かった状態で電磁方向切換弁43の切り換えを
行うため、その切り換えには比較的大きな力が必要とな
る。
つまり、電磁方向切換弁43に比較的大きなスプリング
を用いる必要があり、また、逆方向への切り換えを行う
際に力を発するソレノイドは、その大きなスプリングに
打ち勝つだけの力を発せられる程度の大きさのものが必
要となるため、電磁方向切換弁43の寸法が大きくなって
しまう。
しかし、第2の方法をとれば、電磁方向切換弁43を遮
断状態から連通状態に切り換える際には、その電磁方向
切換弁43のバルブスプールには吐出量小の第2の油圧ポ
ンプ34Bの出力が掛かった状態で切換が行われるため、
それほど大きな力は必要なくなり、電磁方向切換弁43の
スプリングやソレノイドにそれほど大きなものを使用す
る必要がなくなって、電磁方向切換弁43として、電磁方
向切換弁42よりも小型の切換弁を採用することができる
のである。
そこで、本実施例では、ステップでモード3からモ
ード1への変更であると判定された場合には、ステップ
に移行し、現行モード値M2を2に設定する。
つまり、モード3からモード1に変更する際には、一
旦、モード2への変更を行ってから、モード1への変更
が行われることになる。
そして、ステップでモード2に変更された後には、
ステップでタイマがクリア・スタートされるから、こ
のモード2の状態が所定時間以上継続した後に、モード
1への変更が行われるので、確実に電磁方向切換弁43が
切り換わってから電磁方向切換弁42の切り換えが行われ
る。
また、現行モードが2で推定モードが1であれば、ス
テップからステップに移行して、上述した処理が実
行され、モード1に変更される。
一方、第8図に示す処理では、そのステップ及びス
テップで、絶対値回路90及び92の出力信号|x−R|及
び|x−L|を入力し、差値DR及びDLとして記憶する。
次いで、ステップ及びステップで、それら差値DR
及びDLの何れか一方でも大ストローク状態を判定できる
所定値E2以上であるか否かを判定し、ステップ及びス
テップの判定が共に「NO」の場合は、大ストローク状
態でないと判断する。
そして、ステップ,ステップの処理を実行して、
差値DR及びDLの何れか一方でも中ストローク状態を判定
できる所定値E1以上であるか否かを判定する。
これらステップ及びステップの判定が共に「NO」
の場合は、中ストローク状態でもない、即ち、前左輪,
前右輪4,4共に小ストローク状態であると判断できるか
ら、ステップに移行して、変数fi(今回の処理におけ
るストローク状態が、モードアップが必要な大ストロー
ク状態若しくは中ストローク状態であるか、或いはモー
ドアップが不要な小ストローク状態であるかを表す変
数)を0とし、ステップに移行する。
ステップでは、フラグa1及びa2の少なくとも一方が
1で、且つ、カウンタdが1以上であるか否かを判定す
る。ここで、カウンタdは、大ストローク状態若しくは
中ストローク状態の回数を計数するカウンタである。
このステップで「NO」の場合には、ステップに移
行して、フラグa1,a2,e及びカウンタb,dをクリアした
後、ステップに移行して、変数fi-1(前回の処理にお
けるストローク状態が、モードアップが必要な大ストロ
ーク状態若しくは中ストローク状態であるか、或いはモ
ードアップが不要な小ストローク状態であるかを表す変
数)を、変数fiと等しい値に設定し、第8図の処理を終
了する。
しかし、タイマ割り込み処理を繰り返している中で、
ステップ及びステップの何れか一方で「YES」と判
定されたとすると、大ストローク状態であると判断し、
ステップに移行して変数fiを1に設定した後、ステッ
プに移行して、変数fi-1が0であるか否かを判定す
る。
つまり、ステップでは、小ストローク状態から大ス
トローク状態に移る時点が監視され、この判定が「NO」
の場合はステップ乃至ステップの処理は不要である
から、ステップに移行した後、この処理を終了する一
方、ステップの判定が「YES」の場合は、ステップ
に移行し、カウンタdをインクリメントして大ストロー
ク状態に移行した回数を計数する。
そして、ステップに移行して、大ストローク状態を
示すために、フラグa1=0とし、フラグa2=1とした
後、ステップを経てこの処理を終了する。
なお、ステップ及びステップの判定が共に「NO」
であり、且つ、ステップ,ステップの判定が何れか
一方が「YES」の場合は、中ストローク状態であると判
断し、ステップ乃至ステップの処理を実行する。
なお、ステップ乃至ステップの処理は、上記ステ
ップ乃至ステップの処理と略同じ内容であり、異な
るのは、ステップにおいて、中ストローク状態を表す
ために、フラグa1=1とし、フラグa2=0とするところ
である。
このように、差値DR及びDLと所定値E1,E2とを比較し
てストローク状態を判断し、その判断結果に応じてフラ
グa1及びa2が適宜設定されるため、第6図に示す処理で
は、それらフラグa1及びa2を参照すれば、現在のストロ
ーク状態を知ることができる。
さらに、上記ステップで「YES」と判定された場合
には、ステップに移行し、カウンタdが2以上である
か否かを判定する。
この判定は、振動が収束方向にあるか否かを識別する
もので、大ストローク状態若しくは中ストローク状態が
依然として継続しているときには、ステップ若しくは
ステップにおいてカウンタdの計数値が増加し、スト
ローク量の絶対値が所定値E1未満であって収束傾向にあ
る場合には、計数値が1のままである。
そこで、ステップで「NO」の場合にはステップに
移行し、カウンタc=0,即ち、T時間が経過したか否か
を判定する。このステップの判定が「NO」の場合は、
大ストローク状態及び中ストローク状態を脱出したが、
未だ所定時間Tが経過していない状態であるから、ステ
ップを経てこの処理を終了する。
しかし、ステップで「YES」となる場合は、ステッ
プに移行してカウンタbをインクリメントし、ステッ
プでカウンタbが2になったか否かを判定する。この
ステップによる判定は、大ストローク状態及び中スト
ローク状態を脱出した後、少なくとも、1周期(T時
間)分の間は、モードアップした状態を保持するためで
ある。
そこで、ステップで「NO」の場合は、かかる保持時
間TF+T(0≦TF<T:TFは大ストローク及び中ストロー
クから抜けるタイミングにより変動する)が未だ経過し
ていないとしてステップを経た後、この処理を終了す
る。
一方、上記ステップにおいて「YES」と判定された
場合は、前回の保持時間TF+T中に再び大ストローク若
しくは中ストロークが訪れ、しかもその大ストローク及
び中ストローク状態から抜けた状態であるとして、ステ
ップに移行し、フラグe=1(カウンタb=0に対
応)か否かを判定する。この判定が「NO」の場合は、未
だカウンタbのクリアを行っていないものとしてステッ
プに移行して、カウンタbをクリアして保持時間の計
測を御破算にするとともに、フラグeを立ててこのカウ
ンタクリアを示した後、上記ステップに移行する。
また、ステップの判定が「YES」の場合は、既にカ
ウンタクリアを行ったとして、ステップを実行せずに
ステップに移行する。
このため、任意の大ストローク若しくは中ストローク
発生により設定された保持時間中に、再び大ストローク
若しくは中ストロークが到来したときは、大ストローク
若しくは中ストロークが継続しているとして、フラグa1
及びa2の状態を維持する。また、そのような大ストロー
ク若しくは中ストロークの到来がないときは、保持時間
の経過後にフラグa1及びa2が降ろされる。
なお、上記保持時間の長さは振動周波数及び消費馬力
に応じて自由に設定できるものである。
ここで、本実施例では、第6図乃至第8図に示す処理
が、切換弁制御手段に対応する。
次に、全体動作を説明する。
いま、凹凸の無い良路を定速直進走行しており、オペ
レートチェック弁41が「開」であって、供給路及びリタ
ーン路が共に連通し、油圧ポンプ34の駆動によってリリ
ーフ弁53で定まるライン圧が能動型サスペンション6に
供給されているとする。
この状態では、路面側から振動入力,車体2及び車輪
4間のストローク変動,及び車体2に対する外力も殆ど
発生しない。このため、ストロークセンサ58FL,58FRの
検出信号xL,xRが殆ど変動せず、バンドパスフィルタ66,
68の抽出成分は零に近い値になり、加算器76の加算値QA
≒Q0であって基準推定消費流量は小さい。このとき、ス
トローク状態は|xLL|≒0且つ|xRR|≒0であ
り、|xLL|<E1且つ|xRR|<E1であるから第8図
の処理によりフラグa1=0,a2=0が設定される。一方、
モード設定回路78は、前述した第6図ステップ乃至ス
テップの処理によって、その時点のポンプ回転数Nと
基準推定消費流量QAに応じた座標点を一定時間T毎に読
み取り、基準モードを1に設定する。
このとき、フラグa1及びa2は共に0であるから、推定
モードは、基準モードと同じ1に設定される。これによ
って、切換信号CS1がオンで切換信号CS2がオフとなり、
電磁方向切換弁42及び43は第9図(a)の状態をとるか
ら、ポンプ部51はモード1で稼働する。即ち、第1の油
圧ポンプ34Aが無負荷運転となり、第2の油圧ポンプ34B
の小さい吐出流量によりライン圧が賄われる。
つまり、走行状態であっても良路を定速直進走行する
場合のように、シリンダ10の消費流量が少ないと推定し
たときには、ポンプ部51の吐出量を低下させて、消費馬
力を少なくし、燃費の改善を図る。
さらに、上記走行状態から例えば低周波のうねりが継
続するうねり路に進入したことにより、バネ上共振域
(1Hz前後)相当の比較的低い周波数の上下振動が入力
し、前輪4,4の少なくとも一方にストローク振動があっ
たとする。
このようなストローク変動が生じても、|xLL|<E
1且つ|xRR|<E1であれば、第8図の処理でフラグa1
及びa2は0に維持されるため、モード1が継続され、増
大気味の消費流量に対してはアキュムレータ52からの作
動油供給で賄われる。
しかし、|xLL|≧E1,|xRR|≧E1の少なくとも
一方が成立すると、第8図の処理によってフラグa1及び
a2の何れか一方が1となる。このため、第6図の処理で
は、基準モードに対して1アップ若しくは2アップした
モードが推定モードとして強制的に設定される。
これにより、推定モードが2となった場合には、電磁
方向切換弁42及び43は第9図(b)の状態となるから、
今度は、第2の油圧ポンプ34Bが無負荷運転となり、第
1の油圧ポンプ34Aの大きな流量が負荷側に出力される
し、推定モードが3となった場合には、電磁方向切換弁
42及び43は第9図(c)と状態となるから、第1の油圧
ポンプ34A及び第2の油圧ポンプ34Bの両方の出力が能動
型サスペンション6側に供給される。
即ち、本実施例では、上下方向の振動入力が開始した
直後の適宜なタイミングでモードアップ,即ち増量が指
令される。このタイミングは、上下加速度に基づくタイ
ミングよりも格段に応答性が良いため、増量遅れを解消
している。
そして、時間経過して、|xLL|<E1且つ|xRR|
<E1に戻ると、モードアップの保持時間の間にストロー
ク量がその縮み側に触れ、再び閾値「−E1」を越えたと
すると、第8図ステップ乃至ステップの処理によっ
て保持期間が更新され、再び保持時間の計測が開始さ
れ、この計測中は最初にアップされた推定モードがその
まま維持される。この増量制御は、大ストローク状態若
しくは中ストローク状態が続く限り、同様に繰り返され
る。
一方、能動型サスペンション6では、上述のモードア
ップ制御に並行して振動入力に対する姿勢制御が実行さ
れる。つまり、うねり路への進入初期には、油圧シリン
ダ10のシリンダ室Lの圧力が上昇又は減少し、この圧力
変動に応じて圧力制御弁12のスプール15が前述の如く軸
方向に微動し、これにより圧力制御弁12を介してシリン
ダ10及び油圧供給装置8との間で作動油を流通させて振
動を吸収する。
しかし、うねり路走行が更に進み、上述したスプール
移動によっても振動を吸収できなくなると、車体側も上
下動しようとする。このような状態になると、車体に取
り付けた加速度センサ19が上下方向に加速度に対応した
信号Gを検出して姿勢制御回路18に出力する。そこで、
姿勢制御回路18は、検出信号Gに基づき上下振動を減衰
させる指令値Iを演算し、各輪の圧力制御弁12に出力す
る。このため、油圧シリンダ10では、上下方向の絶対速
度に比例した力が発生し、上下振動が的確に減衰して上
下動が抑制される。
このような振動制御状態では、前記直進状態に比べて
消費流量が格段に大きくなるが、本実施例では、中スト
ローク開始時にモード2に切り換え、大ストローク開始
時にモード3に切り換え増量しているので、消費流量に
見合う充分な流量が事前に供給される。そこで、上下加
速度信号に伴う増量遅れが無くなり、且つ、定時モード
設定の合間に大ストローク状態に移行することがあって
も増量が間に合わなくなるということも無い。したがっ
て、応答性の良い増量になり、サスペンション機能を損
なうことが無く、うねり路等での良好な乗り心地を確保
できる。
さらに、上述したうねり路から良路へ抜け出し、これ
により、ストローク振動が収束に向かったとする。この
場合も、所定の保持時間が経過するまではモード2若し
くはモード3が保持されるため、大ストローク状態及び
中ストローク状態脱出直後の比較的大きいストローク振
動であっても、大流量が供給され、ランイン圧が保持さ
れるとともに、アキュムレータ52にも迅速に蓄圧され
る。そして、保持時間が経過すると、第8図の処理では
フラグa1及びa2が共に0となるから、第6図の処理で、
推定モードが基準モードに設定される。つまり、ストロ
ーク振動が小さい状態では、小吐出流量のモード1に戻
され、燃費向上が推進される。
一方、前記うねり路の走行後、例えば凹凸の無い良路
での旋回走行を行ったり、急減速,急加速を行って車体
がロールやピッチが生じる状態に移行したりする。この
場合には、、姿勢制御回路18が加速度センサ19からの検
出信号Gに基づいて指令値Iを出力し、油圧シリンダ10
の作動圧を制御する。これによって、作動圧は、ロール
剛性やピッチ剛性を高め、車体を殆どフラットに保持す
る。このときの前輪側のストローク信号xL,xRは殆ど変
動しないから、前述のようにモード1が設定されてい
る。つまり、良路でのロール,ピッチ制御では、上下方
向の制振に比べて、消費流量が比較的少ないから、モー
ド1による吐出量とアキュムレータ52からの作動油供給
で対処できる。
これに対して、低周波の凹凸が続く悪路などでの旋回
走行,急減速,急加速に対しては、ストローク検出信号
xL,xRが凹凸に対応して変動するので、路面状況によっ
てはモード2若しくはモード3が設定される。かかる走
行中における姿勢制御の消費流量は大きいが、これに見
合う流量が供給され、確実な姿勢制御となる。
さらに、走行を終えて停車すると、推定流量が少ない
のでモード1が設定され、消費馬力が下げられる。ま
た、イグニッションスイッチをオフにすると、エンジン
36の回転が停止するので、油圧ポンプ34の吐出量も直ち
に零になる。このとき、圧力制御弁12を介して作動油が
ドレン側にリークし、パイロット圧PPがPNに等しくなっ
た時点で、オペレートチェック弁41が「閉」となって、
作動圧を所定値PNに封じ込める。したがって、圧力値PN
に応じたフラットな車体姿勢となる。
このような本実施例では、上下加速度信号に代えて、
路面状況をより的確に反映するストローク信号を用い、
所定時間T毎に消費流量を正確に推定し、この推定値を
満足する最小流量のポンプ稼働モードを設定し、これに
基づきポンプ34を駆動しているので、必要且つ充分な流
量を安定して供給でき且つ消費馬力のロスも少ない。ま
た、とくに、消費流量の大きい上下方向の振動制御に際
しては、直ちに増量するので、加速度に基づくときの増
量時の応答遅れが無くなるとともに、所定時間Tを比較
的長く設定した場合でも、大ストローク時の増量が間に
合わないということも無くなり、迅速な増量に対処でき
るという利点がある。さらに、ストロークセンサは前輪
に対する2個で済むので、構成が比較的簡単になる。さ
らに、大ストローク状態を判断する閾値Eを適宜に設定
することにより、ノイズなどによる誤作動を防止でき
る。
さらに、本実施例にあっては、電磁方向切換弁43を遮
断状態から連通状態に切り換える際には、吐出量の少な
い第2の油圧ポンプ34Bの出力がその電磁方向切換弁43
に掛かっているので、そのスプリングやソレノイドが小
さくて済み、電磁方向切換弁43として、電磁方向切換弁
42よりも小型の切換弁を採用することができるのであ
る。
これにより、油圧供給装置8の小型化及び軽量化が図
られるので、車両等のように、設置スペースが限られて
いる場合に好適である。
また、本実施例では、第3の戻り路48の流量が増大す
る方向へのモードの変更を行う際に、第7図のステップ
で現行のモードになってから所定時間経過するまでは
変更前の状態を維持するので、確実に電磁切換弁42及び
43が切り換わってから次の作動に移るようになる。この
ため、切り換えタイミングが速すぎて、電磁方向切換弁
43の切り換えが完了する前に第1の油圧ポンプ34Aの出
力が電磁方向切換弁43に供給されてしまい、その電磁方
向切換弁43の切り換えが不十分になるようなことが防止
される。
なお、上記実施例では、本発明に係る流体圧供給装置
を、車両用の能動型サスペンション6に作動油を供給す
る油圧供給装置8に適用した場合について説明したが、
本発明の適用対象はこれに限定されるものではない。
また、上記実施例では、流体圧として油圧を用いた場
合について説明したが、その他の流体圧であってもよ
い。
〔発明の効果〕
以上説明したように、請求項(1)記載の発明によれ
ば、第2の切換弁の切り換えに大きな力が不要となるよ
うな制御を実行するようにして、その第2の切換弁とし
て比較的小型のものを採用しているから、流体圧供給装
置自体の搭載性が向上するという効果がある。
また、請求項(2)記載の発明によれば、確実に切換
弁が切り換わってから次の動作に移るようになるので、
切り換えタイミングが速すぎて、第2の切換弁の切り換
えが完了する前に第1の油圧ポンプの出力が第2の切換
弁に供給されてしまい、その第2の切換弁の切り換えが
不十分となるようなことが防止される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す概略構成図、第2図は
圧力制御弁の一例を示す断面図、第3図は圧力制御弁の
出力特性を示すグラフ、第4図はポンプ部の吐出量特性
を示すグラフ、第5図は吐出量制御回路を示すブロック
図、第6図乃至第8図はモード定回路で実行される処理
の概要を示すフローチャート、第9図(a)はモード1
における電磁方向切換弁の状態を示す図、第9図(b)
はモード2における電磁方向切換弁の状態を示す図、第
9図(c)はモード3における電磁方向切換弁の状態を
示す図である。 6……能動型サスペンション(流体圧機器)、8……油
圧供給装置(液体圧供給装置、30……タンク、34A……
第1の油圧ポンプ(第1のポンプ)、34B……第2の油
圧ポンプ(第2のポンプ)、38a……第1の供給側管路
(第1の供給路)、38b……第2の供給側管路(第2の
供給路)、39A……チェック弁(第1のチェック弁)、3
9C……チェック弁(第2のチェック弁)、42……電磁方
向切換弁(第1の切換弁)、43……電磁方向切換弁(第
2の切換弁)、44……第1の戻り路、46……第2の戻り
路、48……第3の戻り路、50……吐出量制御回路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のポンプと、この第1のポンプの吐出
    側及び液体圧機器間に介在する第1の供給路と、この第
    1の供給路に設けられ且つ前記第1のポンプ側への流体
    の逆流を阻止する第1のチェック弁と、この第1のチェ
    ック弁よりも上流側の前記第1の供給路から分岐された
    第1の戻り路と、前記第1のポンプよりも吐出量が少な
    い第2のポンプと、この第2のポンプの吐出側及び前記
    流体圧機器間に介在する第2の供給路と、この第2の供
    給路に設けられ且つ前記第2のポンプ側への逆流を阻止
    する第2のチェック弁と、この第2のチェック弁よりも
    上流側の前記第2の供給路から分岐された第2の戻り路
    と、前記第1及び第2の戻り路の何れか一方をタンクに
    通じる第3の戻り路に連通させる第1の切換弁と、この
    第1の切換弁よりも小型で前記第3の戻り路を連通状態
    若しくは遮断状態とする第2の切換弁と、前記第1及び
    第2の切換弁の状態を制御する切換弁制御手段と、を備
    え、前記切換弁制御手段は、前記遮断手段から前記連通
    状態への前記第2の切換弁の切り換えを、前記第1の切
    換弁が前記第2の戻り路を前記第3の戻り路に連通させ
    ている状態で行うことを特徴とする流体圧供給装置。
  2. 【請求項2】切換弁制御手段は、第3の戻り路の流量が
    増加する方向への第1の切換弁の切り換え及び第2の切
    換弁の切り換えを、切り換え前のそれら第1及び第2の
    切換弁の状態を所定時間以上保持した後に行う請求項
    (1)記載の流体圧供給装置。
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