JP2581330B2 - 燃焼炎によるダイヤモンドの合成法 - Google Patents

燃焼炎によるダイヤモンドの合成法

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JP2581330B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐摩耗性、耐食性、高熱
伝導性、高比弾性等の特性を有し、光学材料、超硬工具
材、研摩材、音響振動材、刃先材用部材等に有用な膜状
のダイヤモンドの気相法合成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ダイヤモンドの合成法としては、超高圧
条件下での、鉄、ニッケル系等の触媒による合成法や爆
薬法による黒鉛の直接変換法が従来より実施されてい
る。
【0003】近年、CVD法を改良した方法として、ダ
イヤモンド析出用原料化合物の不完全燃焼領域、又はそ
の近傍に設けられた基材にダイヤモンドを析出させる燃
焼炎法ダイヤモンド合成法を開発し、第35回応用物理
学会関係連合講演会(講演予稿集第2分冊434ページ
29a−T−1)において発表し、特願昭63−717
58として出願した。更に特願平1−98058におい
て、燃焼炎法を函体内で行なうことを特徴とする函体内
燃焼炎ダイヤモンド合成法として出願した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】函体内でのダイヤモン
ド合成では、これまで減圧下、あるいは不活性ガス雰囲
気内へ原料ガスを導入し、燃焼させる方法が取られてい
たが、高品質のダイヤモンド膜を得るために、火炎中の
不完全燃焼領域を安定した状態に維持する技術が求めら
れていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、函体中でのダ
イヤモンド析出用原料化合物と酸素との不完全燃焼領域
での燃焼反応において、安定したダイヤモンド析出状態
を保つためには、燃焼炎を取り巻く雰囲気組成の制御が
重要であることの発見に基づくものである。
【0006】即ち、上記の手段を具体化するために鋭意
研究した結果、函体中でダイヤモンド析出用原料化合物
を燃焼させるに際し、函体中の雰囲気ガスとして、水素
が3〜100%、一酸化炭素を5〜80%含むガスとす
ることが必要であることを発見した。
【0007】ここで云う雰囲気組成とは、ダイヤモンド
析出時の函体内の燃焼炎を取り巻く空間の平均ガス組成
を示し、一酸化炭素、水素以外は、炭酸ガス、水蒸気、
不活性ガス、並びに原料化合物の燃焼反応による中間生
成物よりなる。
【0008】雰囲気組成の調整は、スタート時点で水素
3〜100%、一酸化炭素5〜80%組成にしておいて
も良いし、析出反応中に一酸化炭素あるいは/及び水素
を吹き込む方法をとっても良い。
【0009】本発明に使用するダイヤモンド析出用原料
化合物としては、メタン、エタン、プロパン、ブタンな
どの飽和炭化水素、エチレン、プロピレン、ブテン、ア
セチレンなどの不飽和炭化水素、ベンゼン、スチレンな
どの芳香族炭化水素、エチルアルコール等のアルコール
類、アセトン等のケトン基を含む化合物、ジエチルエー
テル等のエーテル類、その他アルデヒド化合物、含窒素
化合物、一酸化炭素等の炭素含有化合物も使用可能であ
る。
【0010】本発明の実施においては、燃焼炎の不完全
燃焼領域中、または非酸化性で且つ、炎の近傍のダイヤ
モンド析出可能に励起された領域にダイヤモンド析出用
基材を存在させることが必要である。
【0011】基材は、超硬合金、金属、セラミックス、
シリコン等であり、水冷基材保持手段等によって、基材
温度は600〜1200℃に維持される。
【0012】また、炭素を含むダイヤモンド析出用原料
化合物を、不完全燃焼領域を有するように燃焼させる場
合に、燃焼を、酸素を含まない雰囲気を持つ函体中で行
うことによって、函体内の圧力の制御が容易になり、更
に不完全燃焼領域の増減とバーナーへの供給ガスの混合
比率の調節、及び函体内雰囲気組成の調整によって、燃
焼反応の制御の自由度が増加し、より均質なダイヤモン
ドを得ることが可能となる。
【0013】ダイヤモンド析出用原料化合物と酸素のモ
ル比は0.8〜1.2であり、不活性ガスとしてはアル
ゴン、窒素等があげられる。
【0014】
【作用】本発明におけるダイヤモンドの気相合成におい
ては、ダイヤモンド析出用原料化合物は、燃焼炎中での
加熱と、酸素との反応で分解解離し、更に反応してラジ
カル化した活性種、例えばC,C2 ,CH,CH2 ,C
3 等が発生する。
【0015】通常の燃焼反応では
【0016】 (ここで{C・H}は炭化水素を表わす。)
【0017】(1)に見られる完全燃焼か(2)のよう
な不完全燃焼が予想されるが、これらの場合の燃焼炎の
不完全燃焼領域である内炎の温度は2000〜3000
℃であり、高熱により分解・解離した各種活性種、例え
ばCラジカル、C2 ラジカル、CHラジカル等が相互に
衝突を繰り返し、全体としてダイヤモンド生成に好まし
い状態となる。
【0018】内炎部においては
【0019】 {C・H}ラジカル(炭化水素のラジカル)+C22 →〔ダイヤモンド前駆体〕ラジカル+H2 (3)
【0020】の反応が起こると考えられ、この系におけ
る一酸化炭素と水素の存在はプラズマ空間を拡げて{C
・H}ラジカル(炭化水素のラジカル)の運動量を高
め、{C・H}ラジカル(炭化水素のラジカル)から
〔ダイヤモンド前駆体〕ラジカルへの変換過程を早め、
且つ、スムーズに行わしめるものと考えられる。
【0021】また、燃焼炎を取り巻く雰囲気中の一酸化
炭素と水素の組成比が、燃焼反応と、それと同時に進行
しているラジカル反応の形態を支配しているものと考え
られる。
【0022】一例をあげるならば酸素−アセチレン系の
場合、酸素比(O2 /C22 )を0.8〜0.9でダ
イヤモンド合成反応を行った場合、酸素−アセチレンの
反応は(2)式が主体となり、ダイヤモンド生成と同時
に生ずるのは一酸化炭素、水蒸気とアセチレン分解残留
物である。
【0023】また、一酸化炭素と水素の存在下では、高
温下では一部、分解・解離が生じて
【0024】CO→Cラジカル+Oラジカル H2 →2Hラジカル
【0025】の反応により、雰囲気ガスの一部ラジカル
化が進行し、酸素ラジカルと水素ラジカルを生ずるもの
と考えられる。これらは{C・H}ラジカルの活性化を
はかり、メチル基ラジカルの安定化に寄与して、さらに
は水素の引き抜き効果により、ダイヤモンドの析出を容
易ならしめると考えられる。
【0026】(1),(2),(3)の反応のバランス
を取りながら、ダイヤモンドを均一に高速で析出させる
ためには、燃焼炎を取り巻く函体内の雰囲気組成を、一
酸化炭素5〜80%、水素濃度3〜100%に維持する
ことが有効である。より望ましくは一酸化炭素30〜6
0%、水素5〜50%に維持することが効果的である。
また、上記の条件は、先述したように水素、一酸化炭素
を一定流量で函体内に導入しながら水素、一酸化炭素の
濃度を所定の値に保つか、または合成反応開始時点で水
素、一酸化炭素を一定値にした後、ダイヤモンド合成反
応を行っても良い。この場合、雰囲気ガスの導入効果を
高めるため、函体の容積は十分大きいことが望ましい。
【0027】また、図1に示すように、燃焼炎の内炎部
に炭化水素等の第三成分を、燃焼ガスとは別に導入する
場合にも適用が可能である。これら、いずれの場合でも
函体内の炎の特徴は最外周に燃焼炎と還元性の雰囲気ガ
スが衝突、交錯する拡大炎を生ずることである。
【0028】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
る。実施例1函体内の雰囲気ガスの一酸化炭素の濃度5
0%、水素濃度を50%に保持した後、図2に示すよう
に函体内にアセチレンバーナー火口を下向きに固定し
た。なお、火口は外径3.4mm、内径2.8mmで、火口
から7mm真下に、20mm角、厚さ0.5mmのMo基板を
水冷支持台上に固定した。この時の函体内の圧力を45
0Torr、基板温度を900℃に調整した。
【0029】次に、アセチレン3.0l/min 、酸素2.
85l/min (酸素/アセチレン比0.95)を供給し着
火した。30分の反応の後、函体内雰囲気ガスを採取し
組成を分析した。その結果を以下に示す。
【0030】
【0031】また、反応後の基板を光学顕微鏡により観
察を行ったところ、自形の良く発達した均質なダイヤモ
ンド結晶が基板全面に分散していることを確認した。な
お、収量は10.0mgであった。
【0032】実施例2雰囲気ガスの一酸化炭素を30
%、水素を70%に保持し、実施例1と同一条件で実験
を行った。30分間の反応後、基板を観察すると、自形
の良く発達したやや透明性のある均質なダイヤモンド結
晶が広く析出しているのを確認した。収量は8.0mgで
あり、反応開始後30分の時の函体内ガス組成は以下の
通りであった。
【0033】 CO 28.9%、 CO2 3.2%、 H2 O 1.5% C22 等炭化水素 5.9%、 H2 60.5%
【0034】実施例3雰囲気ガスの一酸化炭素を80
%、水素を20%に保持し、実施例1と同一条件で実験
を行った。30分間の反応後、基板を観察すると、自形
の出た、かすかに灰色がかった均質なダイヤモンド結晶
が析出しているのを確認した。収量は12.0mgであっ
た。なお、反応開始後30分時の函体内雰囲気ガス組成
は以下の通りであった。 CO 71.6%、 CO2 2.3%、 H2 O 1.2% C22 等の炭化水素 5.9%、 H2 19.1%
【0035】実施例4 雰囲気ガスの一酸化炭素を50%、水素を50%に保持
した。図1に示すようなアセチレンバーナー火口は同心
円形で外径3.4mm、内径2.8mmで中心の第三成分噴
出口は0.9mmである。次に、アセチレン3.0l/min
、酸素2.9l/min を外周口から、第三成分として水
素100cc/minとメタン50cc/minの混合ガスを中心孔
から供給した。基板位置、真空度は実施例1と同一条件
である。30分の反応の後、基板を観察すると、自形の
良く発達したブロッキーなダイヤモンド結晶が基板全面
に分散していることを確認した。収量は16mgであっ
た。なお、30分後の函体内雰囲気ガス組成は以下の通
りであった。
【0036】 CO 46.2%、 CO2 2.1%、 H2 O 0.8% C22 等の炭化水素 7.5%、 H2 43.5%、 CH4
【0037】実施例5 容積3m3の函体内の雰囲気ガスの一酸化炭素を50%、
水素を50%に保持し、アセチレン3.0l/min 、酸素
3.45l/min (酸素/アセチレン比1.15)を供給
し着火した。なお実験開始とともに雰囲気ガスの一酸化
炭素を2l/min、水素を2l/min 導入し続けた。120
分間の反応の後、基板を観察すると、自形の良く発達し
たダイヤモンドが拡大炎の直下にまで析出が及び、周辺
部は中央部より厚い膜が生じていた。また、収量は35
mgであり、反応終了時のガス組成は以下の通りであっ
た。 CO 45.3%、 CO2 2.5%、 H2 O 1.7% C22 等の炭化水素 6.2%、 H2 44.2%、 CH4
【0038】
【発明の効果】本発明の実施により、ダイヤモンドの生
成域が拡がり安定化することにより、燃焼炎法によるダ
イヤモンド合成条件の安定化を達成し、それに伴って自
形の発達した高品質均一なダイヤモンドを収率良く析出
させることが出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられるバーナー構造の一部ならび
に火炎構造を示す。
【図2】本発明に用いられる函体とバーナー、雰囲気ガ
ス調節口の関係を示したものである。
【符号の説明】
1 バーナー火口 2 第三成分噴出口 3 原料ガス噴出口 4 白心 5 ラジカル炎 6 内炎 7 拡大炎 8 基材 9 水冷支持台 10 雰囲気ガス入口 11 雰囲気ガス出口 12 函体 13 ガス排出口

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素を含むダイヤモンド析出用原料化合物
    と酸素、あるいはそれらに不活性ガスを加えた混合ガス
    を、函体中で燃焼させて気相法ダイヤモンドを合成する
    方法において、燃焼炎を取り巻く雰囲気ガス組成を水素
    が3〜100%、一酸化炭素を5〜80%含むガスにし
    てダイヤモンドを析出させる燃焼炎によるダイヤモンド
    の合成法。
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