JP2024024621A - 感光性樹脂組成物、硬化膜および半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低誘電正接に優れるとともに、銅素材に対する密着性を向上できる感光性樹脂組成物に関する技術を提供する。【解決手段】本発明の感光性樹脂組成物は、密着助剤(X)と、一般式(t)で表される基を有するポリイミドを含むポリマー(A)と、を含み、前記密着助剤(X)は、エポキシ基、アミド基、メルカプト基、(ポリ)スルフィド基、フェニル基およびカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の有機官能基を持つシラン化合物(X1)、トリアゾール化合物(X2)、並びにイミド化合物(X3)の中から選ばれる1種または2種以上を含む。TIFF2024024621000074.tif29153(一般式(t)中、R5およびR6は各々独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を示し、Q2は2価の有機基を示す。*は結合手を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、硬化膜および半導体装置に関する。
近年の通信情報の大容量化、多様化に伴い、通信の基地局用プリント基板、サーバ用プリント基板、ルーター用プリント基板などは通信速度の高速化が進んでいる。通信速度の高速化に対応するためには、信号を高周波化する必要があるが、これに伴い、電気信号の伝送損失、遅延が大きくなる傾向が生じる。そこで、電気信号の品質を確保するためには、より一層の低誘電正接、低誘電率の樹脂材料を用いたプリント基板の開発が望まれる。
一方、ポリイミド樹脂は、高い機械的強度、耐熱性、絶縁性、耐溶剤性を有しているため、液晶表示素子や半導体における保護材料、絶縁材料、カラーフィルタ等の電子材料用薄膜として広く用いられている。しかし、ポリイミドはイミド基自体が極性官能基であり、さらに感光性ポリイミド前駆体組成物は、光重合開始剤や架橋剤など多くの極性化合物を含有するため、誘電率や誘電正接の値が高く、誘電特性の低下が求められている。
例えば、特許文献1には、所定のマレイミド基を末端に備えるポリイミドを含む感光性組成物が開示されている。
特許文献2には、光照射によって二量化可能な官能基を有する第1化合物を含むコア部を有する光導波路が開示されており、当該第1化合物として、二量化可能な当該官能基として、所定のマレイミド基を末端に備える環状オレフィン樹脂が例示されている。
特許文献3には、所定の側鎖又は側鎖構造を備えるポリイミド前駆体を用いた感光性樹脂組成物が開示されている。
国際公開第2020/181021号 特開2019-028115号公報 特開2022-054416号公報
しかしながら、特許文献1~3に記載の従来の技術においては、感光性樹脂組成物から得られた硬化膜等の誘電正接および銅配線やメッキ銅に対する密着性の点で改善の余地があった。
本発明者らは、誘電正接をより低下させつつ、銅素材に対する密着性を向上する点から検討を行ったところ、特定の構造を有する密着助剤と特定の構造を備えるポリイミドを組み合わせることが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下に示されるものである。
[1] 密着助剤(X)と、
一般式(t)で表される基を有するポリイミドを含むポリマー(A)と、
を含み、
前記密着助剤(X)は、エポキシ基、アミド基、メルカプト基、(ポリ)スルフィド基、フェニル基およびカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の有機官能基を持つシラン化合物(X1)、トリアゾール化合物(X2)、並びにイミド化合物(X3)の中から選ばれる1種または2種以上を含む、感光性樹脂組成物。
Figure 2024024621000001
(一般式(t)中、RおよびRは各々独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を示し、Qは2価の有機基を示す。*は結合手を示す。)
[2] [1]に記載の感光性樹脂組成物であって、
前記シラン化合物(X1)は、以下の式(X1)で表される基を有する、感光性樹脂組成物。
Figure 2024024621000002
(式(X1)中、R、Rは各々独立して炭素数1~6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示し、Rは炭素数3~20の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。Aは、ヘテロ原子(O、N、Sの少なくともいずれか一つ)を示す。*は結合手を表す。)
[3] [1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物であって、
ポリマー(A)は、両末端に前記一般式(t)で表される基を備えるポリイミドを含む、感光性樹脂組成物。
[4] [1]乃至[3]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
以下の手順で測定される誘電正接(Df)が、0.006以下である、感光性樹脂組成物。
手順:前記感光性樹脂組成物を200℃で120分間の条件で硬化させた硬化物について、10GHz、23℃で誘電正接(Df)を測定する。
[5] [1]乃至[4]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
前記感光性樹脂組成物の硬化物の動的機械分析(DMA)によるガラス転移温度(Tg)が180~300℃である、感光性樹脂組成物。
[6] [1]乃至[5]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
一般式(t)中、RおよびRの少なくとも一方が、炭素数1~3のアルキル基である、感光性樹脂組成物。
[7] [1]乃至[6]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
ポリマー(A)は、以下の一般式(a1)で表される構造単位(a1)と、一般式(a2)で表される構造単位(a2)とを含む、感光性樹脂組成物。
Figure 2024024621000003
(一般式(a1)中、Yは2価の有機基である。)
Figure 2024024621000004
(一般式(a2)中、R~Rは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のアルコキシ基を示し、RとRは異なる基であり、RとRは異なる基である。Xは単結合、-SO-、-C(=O)-、炭素数1~5の直鎖または分岐のアルキレン基、または炭素数1~5の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基を示し、複数存在するXは同一でも異なっていてもよい。)
[8] [7]に記載の感光性樹脂組成物であって、
一般式(a1)中のYは、式(a1-1)、式(a1-2)、式(a1-3)および式(a1-4)から選択される少なくとも1つの2価の有機基である、感光性樹脂組成物。
Figure 2024024621000005
(式(a1-1)中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基を示し、複数存在するR同士、複数存在するR同士は同一であっても異なっていてもよく、Rは、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基を示し、複数存在するR同士は同一であっても異なっていてもよく、*は、結合手を示し;
Figure 2024024621000006
式(a1-2)中、
10およびR11は、各々独立して、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基を示し、複数存在するR10同士、複数存在するR11同士は、同一であっても異なっていてもよく、*は結合手を示し;
Figure 2024024621000007
式(a1-3)中、Zは、炭素数1~5のアルキレン基、または2価の芳香族基を示し、*は結合手を示し;
Figure 2024024621000008
式(a1-4)中、Zは、2価の芳香族基を示し、*は結合手を示す。)
[9] [1]乃至[8]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
ポリマー(A)は、以下の一般式(a3)で表される構造単位(a3)を含む、感光性樹脂組成物。
Figure 2024024621000009
(式(a3)中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、炭素数1~4のハロアルキル基、または水酸基を示し、複数存在するR同士および複数存在するR同士は、同一であっても異なっていてもよく、Xは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、または炭素数1~4のハロアルキレン基を示し、m、nは、各々独立して、0または1を示す。)
[10] [1]乃至[9]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物であって、
式(t)中のQは、一般式(a2)で表される構造単位(a2)または一般式(a3)で表される構造単位(a3)である、感光性樹脂組成物。
Figure 2024024621000010
(式(a2)中、R~Rは、各々独立して、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のアルコキシ基を示し、ただし、RとRは異なる基であり、RとRは異なる基であり、Xは、単結合、-SO-、-C(=O)-、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1~5のアルキレン基、または直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1~5のフルオロアルキレン基を示し、複数存在するXは、同一であっても異なっていてもよく;
Figure 2024024621000011
式(a3)中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、炭素数1~4のハロアルキル基、または水酸基を示し、複数存在するR同士および複数存在するR同士は、同一であっても異なっていてもよく、Xは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、または炭素数1~4のハロアルキレン基を示し、m、nは、各々独立して、0または1を示す。)
[11] [1]乃至[10]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物において、
ポリマー(A)は、以下の一般式(1)で表される構造単位を含む、感光性樹脂組成物。
Figure 2024024621000012
(一般式(1)中、R~R、Xは、単結合、-SO-、-C(=O)-、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1~5のアルキレン基、または直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1~5のフルオロアルキレン基を示し、複数存在するXは、同一であっても異なっていてもよく、Yは2価の有機基である。)
[12] [1]乃至[11]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物において、
ポリマー(A)は、以下の一般式(2)で表される構造単位を含む、感光性樹脂組成物。
Figure 2024024621000013
(一般式(2)中、R~R、X、m、nは、各々独立して、0または1を示し、Yは2価の有機基である。)
[13] [1]乃至[12]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物において、
さらに、一般式(b)で表される構成単位を有するポリマー(B)を含む、感光性樹脂組成物。
Figure 2024024621000014
(一般式(b)中、RおよびRは各々独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を示し、Qは単結合、または2価の有機基を示し、G、G、およびGはそれぞれ独立して水素原子、置換または無置換の炭素数1~30の炭化水素基を示す。mは0、1または2である。)
[14] [13]に記載の感光性樹脂組成物において、
ポリマー(B)の一般式(b)において、Qの2価の前記有機基は、炭素数1~8のアルキレン基または(ポリ)アルキレングリコール鎖である、感光性樹脂組成物。
[15] [1]乃至[14]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物において、
さらに、光増感剤を含む、感光性樹脂組成物。
[16] [1]乃至[15]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜。
[17] [1]乃至[15]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂膜を備える半導体装置。
[18] 層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に設けられた、[1]乃至[15]いずれか一つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂膜と、
前記樹脂膜中に埋設された再配線と、
を備えることを特徴とする、半導体装置。
本発明によれば、低誘電正接に優れるとともに、銅素材に対する密着性を向上できる感光性樹脂組成物に関する技術を得ることができる。
本実施形態の半導体装置の概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、例えば「1~10」は特に断りがなければ「1以上」から「10以下」を表す。
本明細書に例示する各成分及び材料は、特に断らない限り、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、特定の密着助剤(X)と、特定のポリマー(A)と、を含む。これにより、本実施形態の感光性樹脂組成物の硬化物において、低誘電正接に優れるとともに、銅素材に対する密着性を向上できる。
銅素材としては特に限定されないが、例えば、銅配線、メッキ銅、スパッタ銅等が挙げられる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、以下の特性を備える。
[誘電特性]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、以下の手順で測定される誘電正接(Df)が、0.006以下であり、好ましくは0.0058以下であり、より好ましくは0.0055位以下であり、さらに好ましくは0.0052以下であり、ことさらに好ましくは0.0050以下である。
手順:前記感光性樹脂組成物を200℃で120分間の条件で硬化させた硬化物について、10GHz、23℃で誘電正接(Df)を測定する。
すなわち、本実施形態の感光性樹脂組成物は、200℃、120分の条件で適切に硬化することができるとともに、かかる硬化物において良好な低誘電正接を得ることができる。また、本実施形態の感光性樹脂組成物によれば、低温硬化性を得ることができる。
[ガラス転移温度(Tg)]
感光性樹脂組成物の硬化物の動的機械分析(DMA)によるガラス転移温度(Tg)は、好ましくは180~300℃であり、より好ましくは190~270℃であり、さらに好ましくは220~260℃である。当該ガラス転移温度(Tg)を、上記下限値以上とすることにより信頼性を向上しやすくなり、上記上限値以下とすることにより、剛直になりすぎて脆くなることを抑制できる。
本実施形態において、ガラス転移温度(Tg)は、大気下、印加周波数1Hz、昇温速度5℃/分として動的粘弾性測定を行い、得られた損失正接(tanδ)のピーク温度をすることができる。
[機械特性]
感光性樹脂組成物の硬化物の引張弾性率(GPa)は、好ましくは1.0~5.0GPaであり、より好ましくは2.0~4.0GPaであり、さらに好ましくは2.3~3.0GPaである。
本実施形態において、感光性樹脂組成物の硬化物の引張弾性率(GPa)は、200℃120分間硬化したのち試験片(6.5mm×20mm×10μm厚)を作成し、当該試験片を用いて引張試験(延伸速度:5mm/分)を行って得られる応力-歪曲線の初期の勾配から、算出することができる。
上記のような特性を備える感光性樹脂組成物は、公知の方法を、適切に組み合わせることで実現することができる。例えば、感光性樹脂組成物の原料として、密着助剤(X)と所定のポリマーを適切に組み合わせたり、所望の物性に合わせて任意の密着助剤(Y)(ただし、密着助剤(X)を除く)や光増感剤等を併用し、その配合量を制御すること等が挙げられる。
以下、感光性樹脂組成物に含まれる各成分について説明する。
[密着助剤(X)]
本実施形態の密着助剤(X)は、エポキシ基、アミド基、メルカプト基、(ポリ)スルフィド基、フェニル基およびカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の有機官能基を持つシラン化合物(X1)、トリアゾール化合物(X2)、並びにイミド化合物(X3)の中から選ばれる1種または2種以上を含む。これにより、銅素材に対する密着性を効果的に向上できる。
密着助剤(X)の含有量は、感光性樹脂組成物全量(固形分量)に対して、0.1~10質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることがより好ましい。
(シラン化合物(X1))
シラン化合物(X1)は、エポキシ基、アミド基、メルカプト基、(ポリ)スルフィド基、フェニル基およびカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の有機官能基を持つ。なかでも、エポキシ基、アミド基、メルカプト基、フェニル基および(ポリ)スルフィド基からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、エポキシ基、アミド基、フェニル基および(ポリ)スルフィド基からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。また、上記のフェニル基はアニリンであることがより好ましい。
シラン化合物(X1)は、好ましくは、以下の式(X1)で表される基を有する。
Figure 2024024621000015
(式(X1)中、R、Rは各々独立して炭素数1~6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示し、Rは炭素数3~20の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。Aは、ヘテロ原子(O、N、Sの少なくともいずれか一つ)を示す。*は結合手を表す。)
式(X1)中、R、Rは、好ましくは炭素数1~6の直鎖のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1~3の直鎖のアルキル基である。Rは炭素数3~20の直鎖または分岐鎖のアルキル基である。
シラン化合物(X1)としては、具体的には、例えば、以下の式(X1-1)~(X1-5)で表されるものが挙げられる。
Figure 2024024621000016
Figure 2024024621000017
式(X1-2)は、式(i)で表される構造単位及び式(ii)で表される構造単位を含み、末端基が水酸基又は上記式(iii)で表される基であるシラン化合物を表す。
Figure 2024024621000018
Figure 2024024621000019
Figure 2024024621000020
シラン化合物(X1)の含有量は、感光性樹脂組成物全量(固形分量)に対して、0.1~10質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることがより好ましい。
(トリアゾール化合物(X2))
トリアゾール化合物(X2)は、含窒素複素環のなかでも5員環に3つの窒素原子を含むものである。トリアゾール化合物(X2)は一分子中にチオール基(SH基)を1以上有するものであることが好ましい。
トリアゾール化合物(X2)としては、例えば、ベンゾトリアゾール、1H-ベンゾトリアゾール-1-アセトニトリル、ベンゾトリアゾール-5-カルボン酸、1H-ベンゾトリアゾール-1-メタノール、カルボキシベンゾトリアゾール、3-メルカプトトリアゾール等のメルカプト基を有するトリアゾール化合物、3-アミノ-5-メルカプトトリアゾール等のアミノ基を有するトリアゾール化合物が挙げられる。なかでもメルカプト基を有するトリアゾール化合物であることが好ましましい。
本実施形態のトリアゾール化合物(X2)としては、具体的には、以下の式(X2)で表される3-メルカプト-1,2,4-トリアゾールが挙げられる。
Figure 2024024621000021
トリアゾール化合物(X2)の含有量は、感光性樹脂組成物全量(固形分量)に対して、0.1~10質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることがより好ましい。
(イミド化合物(X3))
イミド化合物(X3)は、以下の式(X3)に示されるジカルボキシイミド構造を有した分子構造からなるカルボキシイミド化合物(X3)であることが好ましい。
Figure 2024024621000022
(式(X3)中、RおよびRは、それぞれ炭素数1以上20以下の有機基であり、同一であっても異なってもよい。また、RおよびRは、互いに結合して環構造を1または2以上形成していてもよい。)
本実施形態のイミド化合物(X3)としては、具体的には、以下の式で表される化合物が挙げられる。
Figure 2024024621000023
なかでも、以下の式(X3-1)で表されるフタルイミドが好ましい。
Figure 2024024621000024
イミド化合物(X3)の含有量は、感光性樹脂組成物全量(固形分量)に対して、0.1~10質量%であることが好ましく、0.5~5質量%であることがより好ましい。
[ポリマー(A)]
本実施形態のポリマー(A)は、以下の一般式(t)で表される基を有するポリイミドを含む、ネガ型感光性ポリマーである。
Figure 2024024621000025
一般式(t)中、RおよびRは各々独立して水素原子もしくは炭素数1~3のアルキル基を示し、本発明の効果の観点から、炭素数1または2のアルキル基が好ましく、炭素数1のアルキル基(メチル基)がより好ましい。*は結合手を示す。
およびRのいずれもがメチル基であることにより、光二量化反応が優位に進行し、官能基由来の脂環構造を形成され、伸び等の機械的強度および誘電特性がさらに優れるとともに、有機溶剤への溶解性にも優れる。
は2価の有機基を示す。
ポリマー(A)は、両末端の少なくとも一方が一般式(t)で表される基であるポリイミドを含むことが好ましい。
また、好ましい実施形態において、ポリマー(A)は、上記一般式(t)で表される基と、一般式(a1)で表される構造単位(a1)と、一般式(a2)で表される構造単位(a2)と、を含み、両末端の少なくとも一方が一般式(t)で表される基である構造を有する。
Figure 2024024621000026
一般式(a1)中、Yは2価の有機基である。
2価の有機基としては、本発明の効果を奏する範囲で公知の有機基を用いることができるが、本発明の効果の観点から、Yは、アルキレン基を含む2価の基、または少なくとも1つの芳香環を含む2価の基であることが好ましい。
アルキレン基としては、好ましくは炭素数1~5のアルキレン基、より好ましくは炭素数1~3のアルキレン基である。芳香環としては、2価のベンゼン環、2価のナフタレン環、2価のアントラセン環、2価のビフェニル基等を挙げることができ、2価のベンゼン環または2価のビフェニル基が好ましい。
一般式(a1)のYは、以下の一般式(a1-1)、以下の一般式(a1-2)、以下の一般式(a1-3)および以下の一般式(a1-4)から選択される2価の有機基であることがさらに好ましい。
Figure 2024024621000027
一般式(a1-1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基を示し、複数存在するR同士、複数存在するR同士は同一でも異なっていてもよい。
およびRは、本発明の効果の観点から、好ましくは水素原子または炭素数1~3のアルキル基であり、より好ましく水素原子である。
は、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基を示し、複数存在するR同士は同一でも異なっていてもよい。
は、本発明の効果の観点から、好ましくは水素原子または炭素数1~3のアルキル基であり、より好ましく水素原子である。
*は結合手を示す。
一般式(a1-2)中、R10およびR11は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基を示し、複数存在するR10同士、複数存在するR11同士は同一でも異なっていてもよい。
10およびR11は、本発明の効果の観点から、好ましくは水素原子または炭素数1~3のアルキル基であり、より好ましくはR10の少なくとも1つおよびR11の少なくとも1つは炭素数1~3のアルキル基であり、さらに好ましくは3つのR10が炭素数1~3のアルキル基であり1つのR10が水素原子であり、かつ3つのR11が炭素数1~3のアルキル基であり1つのR11が水素原子であり、特に好ましくは3つのR10がメチル基であり1つのR10が水素原子であり、かつ3つのR11がメチル基であり1つのR11が水素原子である。
*は結合手を示す。
一般式(a1-3)中、Zは炭素数1~5のアルキレン基、2価の芳香族基を示す。
*は結合手を示す。
一般式(a1-4)中、Zは2価の芳香族基を示し、好ましくは2価のベンゼン環である。*は結合手を示す。
Figure 2024024621000028
一般式(a2)中、R~Rは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のアルコキシ基を示し、本発明の効果の観点から、好ましくは炭素数1~3のアルキル基である。
とRは異なる基であり、RとRは異なる基である。これにより、一般式(a2)で表される構造単位が非対称な分子構造を有するため、当該構造単位を有するポリマーの主鎖のねじれが生じる。このことが、溶剤溶解性の向上をもたらしている原因の一つと考えられる。
は単結合、-SO-、-C(=O)-、炭素数1~5の直鎖または分岐のアルキレン基、または炭素数1~5の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基を示し、複数存在するXは同一でも異なっていてもよい。
は、本発明の効果の観点から、好ましくは単結合、炭素数1~5の直鎖または分岐のアルキレン基、または炭素数1~5の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1~5の直鎖または分岐のアルキレン基、または炭素数1~5の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基である。
本実施形態のポリマー(A)が、一般式(a2)で表される構造単位を含むことにより、イミド環の電子への影響が抑制され当該ポリイミドの加水分解が抑制され、伸び等の機械的強度に優れるとともに、有機溶剤への溶解性にも優れる。言い換えれば、本実施形態のポリマー(A)およびポリマー(A)を含む感光性樹脂組成物はこれらの特性のバランスに優れる。
式(t)中、Qは2価の有機基を示す。2価の前記有機基としては、本発明の効果を奏する範囲で公知の有機基を用いることができるが、例えば、上記一般式(a2)で表される構造単位(a2)であることが好ましい。具体的には、以下の一般式(t-1)で表される2価の有機基を挙げることができる。
Figure 2024024621000029
一般式(t-1)中、X、R~Rは、一般式(a2)と同義である。
*は結合手を示す。
前記ポリマー(A)は、さらに以下の一般式(a3)で表される構造単位(a3)を含むことができる。
Figure 2024024621000030
一般式(a3)中、RおよびRは各々独立して水素原子、炭素数1~4のハロアルキル基、または水酸基を示し、好ましくは水素原子または炭素数1~4のハロアルキル基である。複数存在するR同士は同一でも異なっていてもよく、複数存在するR同士は同一でも異なっていてもよい。
Xは単結合、炭素数1~4のアルキレン基、炭素数1~4のハロアルキレン基を示し、好ましくは単結合、炭素数1~4のハロアルキレン基である。
m、nは各々独立して0または1を示す。
前記一般式(t)において、Qの2価の有機基としては、前記一般式(a3)で表される構造単位(a3)であってもよい。具体的には、以下の一般式(t-2)で表される2価の有機基を挙げることができる。
Figure 2024024621000031
一般式(t-2)中、R、R、X、m、nは一般式(a3)と同義である。
*は結合手を示す。
ポリマー(A)は、本発明の効果の観点から、少なくとも一方の末端、好ましくは両末端が前記一般式(t)で表される基であるポリイミドを含むことが好ましい。
本実施形態のポリマー(A)は一般式(t)で表される基を少なくとも一方の末端に備えるポリイミドを含むことから機械的強度に優れる。さらに、ラジカル反応が生じず光二量化が可能であることから、ポリマー(A)同士、ポリマー(A)と後述するポリマー(B)とを光重合することができ、機械的強度により優れる。
また、ポリマー(A)は、その末端が以下の一般式(u)で表される基を備えるポリイミドを含んでいてもよい。
Figure 2024024621000032
一般式(u)中、X、R~Rは、一般式(a2)と同義である。
ポリマー(A)が、前記一般式(u)で表される基を備えるポリイミドを含む場合、一般式(t)で表される基と一般式(u)で表される基との合計モル数に対する一般式(t)で表される基のモル数の比(t/t+u)は0.5以上、好ましくは0.55以上、より好ましくは0.6以上とすることができる。この範囲であれば、現像で溶出するポリイミド成分を低減することができる。
本実施形態のポリマー(A)は、具体的には、以下の一般式(1)で表される構造単位1を含むことができる。
Figure 2024024621000033
一般式(1)中、R~R、Xは一般式(a2)と同義であり、Yは一般式(a1)と同義である。
本実施形態のポリマー(A)は、具体的には、構造単位1とともに、さらに以下の一般式(2)で表される構造単位2を含んでいてもよい。
Figure 2024024621000034
一般式(2)中、R~R、X、m、nは一般式(a3)と同義であり、Yは一般式(a1)と同義である。
本実施形態のポリマー(A)の重量平均分子量は、5,000~200,000であり、好ましくは10,000~100,000である。
本実施形態のポリマー(A)(ネガ型感光性ポリマー)は、耐加水分解性に優れており、以下の条件で測定された重量平均分子量の減少率が50%未満、好ましくは30%以下、さらに好ましくは20%以下、より好ましくは10%以下、特に好ましくは7%以下である。
(条件)
ポリマー(A)100質量部に、γ-ブチロラクトン400質量部、4-メチルテトラヒドロピラン200質量部、および水50質量部を加え、100℃で6時間攪拌した場合において、以下の式で算出する。
式:[(試験前の重量平均分子量-試験後の重量平均分子量)/試験前の重量平均分子量]×100
本実施形態のポリマー(A)は、重量平均分子量の減少率が上記範囲にあることにより、加水分解が抑制されており伸び等の機械的強度に優れたフィルム等の硬化物を得ることができる。
また、本実施形態のポリマー(A)は、溶剤への溶解性に優れており前駆体の状態でワニスとする必要がないことから、ポリマー(A)を含むワニスを調製することができ、当該ワニスからフィルム等の硬化物を得ることができる。
<ポリマー(A)の製造方法>
本実施形態の一般式(1)で表される構造単位を有し、両末端の少なくとも一方が一般式(t)で表される基であるポリマー(A)(ネガ型感光性ポリマー)の製造方法は、
以下の一般式(a1’)で表される酸無水物(a1’)と、以下の一般式(a2’)で表されるジアミン(a2’)と、以下の一般式(t’)で表される無水マレイン酸誘導体(t’)とを、反応させる工程を含む。
本実施形態によれば、有機溶剤に対する溶解性に優れたポリマー(A)を簡便な方法で合成することができる。
Figure 2024024621000035
一般式(a1’)中、Yは前記一般式(a1-1)、前記一般式(a1-2)、前記一般式(a1-3)および前記一般式(a1-4)で表される基から選択される。
Figure 2024024621000036
一般式(a2’)中、R~R、Xは一般式(a2)と同義である。
Figure 2024024621000037
一般式(t’)中、R、Rは前記一般式(t)と同義である。
当該反応におけるジアミン(a2’)と酸無水物(a1’)の当量比は、得られるポリイミドの分子量を決定する重要な因子である。一般に、ポリマーの分子量と機械的性質の間に相関があることは良く知られており、分子量が大きいほど機械的性質が優れている。従って、実用的に優れた強度のポリイミドを得るためには、ある程度高分子量であることが必要である。本発明では、使用するジアミン(a2’)と酸無水物(a1’)の当量比を特に制限はしないが、ジアミン(a2’)に対する酸無水物(a1’)の当量比が0.80~1.06の範囲にあることが好ましい。0.80未満では、分子量が低くて脆くなるため機械強度が弱くなる。また、1.06を越えると、未反応のカルボン酸が加熱時に脱炭酸してガス発生、発泡の原因となり好ましくないことがある。
本実施形態においては、本発明の効果の観点から、酸無水物(a1’)と、ジアミン(a2’)と、無水マレイン酸誘導体(t’)と、さらに以下の一般式(a3’)で表されるジアミン(a3’)を、反応させることも好ましい。
Figure 2024024621000038
一般式(a3’)中、R、R、X、m、nは一般式(a3)と同義である。
酸無水物(a1’)とジアミン(a2’)とジアミン(a3’)との当量比は、得られる重合体の分子量を決定する重要な因子である。一般に、ポリマーの分子量と機械的性質の間に相関があることは良く知られており、分子量が大きいほど機械的性質が優れている。従って、実用的に優れた強度の重合体を得るためには、ある程度高分子量であることが必要である。本発明では、使用する酸無水物(a1’)とジアミン(a2’)とジアミン(a3’)との当量比は特に制限されないが、酸無水物(a1’)に対する、ジアミン(a2’)およびジアミン(a3’)の当量比が0.80~1.06の範囲にあることが好ましい。当該当量比が上記範囲内にあれば、機械的強度に優れ、製造安定性に優れる。
無水マレイン酸誘導体(t’)の量は、酸無水物(a1’)との反応に供さないアミノ基のモル量に対し、3倍モル量とすることができる。
これにより、ポリイミドに光二量化による感光性を付与することができ、低誘電正接により優れるとともに、機械物性により優れたフィルム等の硬化物を得ることができる。
当該反応は、有機溶媒中で、公知の方法で行うことができる。
有機溶媒としては、γ-ブチロラクトン(GBL)、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、シクロヘキサノン、1,4-ジオキサン等の非プロトン性極性溶媒類が挙げられ、1種類又は2種類以上を組み合わせて用いてもよい。この時、上記非プロトン性極性溶媒と相溶性がある非極性溶媒を混合して使用しても良い。非極性溶媒としては、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素類が挙げられる。混合溶媒における非極性溶媒の割合については、溶媒の溶解度が低下し、反応して得られるポリアミド酸樹脂が析出しない範囲であれば、攪拌装置能力や溶液粘度等の樹脂性状に応じて任意に設定することができる。
反応温度は、0℃以上100℃以下、好ましくは20℃以上80℃以下で30分~2時間程度反応させた後、100℃以上250℃以下、好ましくは120℃以上200℃以下で1~5時間程度反応させる。
無水マレイン酸誘導体(t’)は、酸無水物(a1’)と、ジアミン(a2’)およびジアミン(a3’)とのイミド化反応において存在していてもよいが、酸無水物(a1’)とジアミン(a2’)および(a3’)との反応中または反応終了後に、上記有機溶媒に溶解させた無水マレイン酸誘導体(t’)を添加して反応させ、ポリイミド末端を封止することができる。
無水マレイン酸誘導体(t’)を別途添加する場合、添加後、100℃以上250℃以下、好ましくは120℃以上200℃以下で1~5時間程度反応させることが好ましい。
以上の工程により本実施形態のポリマー(A)(末端封止ポリイミド)を含む反応溶液を得ることができ、さらに必要に応じて有機溶媒等で希釈し、ポリマー溶液(塗布用ワニス)として使用することができる。有機溶剤としては、反応工程において例示したものを用いることができ、反応工程と同じ有機溶剤であってもよく、異なる有機溶剤であってもよい。
また、この反応溶液を貧溶媒中に投入してポリマー(A)を再沈殿析出させて未反応モノマーを除去し、乾燥固化させたもの再び有機溶剤に溶解し精製品として用いることもできる。特に不純物や異物が問題になる用途では、再び有機溶剤に溶解して濾過精製ワニスとすることが好ましい。
ポリマー溶液中(100重量%)のポリマー(A)濃度は、特に限定されないが、10~30重量%程度である。
本実施形態のポリマー(A)の好ましい配合例を以下の表Aに示す。
Figure 2024024621000039
・MED-J:4,4-ジアミノ-3,3-ジエチル-5,5-ジメチルジフェニルメタン
・HFBAPP:4,4’-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビス[(4-アミノフェノキシ)ベンゼン]
・TFMB:4,4’-ジアミノ-2,2’-ビス(トリフルオロメチル)ビフェニル
・TMPBP-TME:4-[4-(1,3-ジオキソイソベンゾフラン-5-イルカルボニロキシ)-2,3,5-トリメチルフェニル]-2,3,6-トリメチルフェニル 1,3-ジオキソイソベンゾフラン-5-カルボキシレート
・HQDA:1,4-ビス(3,4-ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン酸二無水物
・DMMA:2,3-ジメチルマレイン酸無水物
[ポリマー(B)]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、好ましくは、さらに置換または無置換のマレイミド基を備えるポリマー(B)(前記ポリマー(A)を除く)を含むことができる。
ポリマー(B)としては、4,4’-ジフェニルメタンビス(ジメチル)マレイミド、ポリフェニルメタン(ジメチル)マレイミド、m-フェニレンビス(ジメチル)マレイミド、p-フェニレンビス(ジメチル)マレイミド、ビスフェノールAジフェニルエーテルビス(ジメチル)マレイミド、3,3’-ジメチル-5,5’-ジエチル-4,4’-ジフェニルメタンビス(ジメチル)マレイミド、4-メチル-1,3-フェニレンビス(ジメチル)マレイミド、1,6’-ビス(ジメチル)マレイミド-(2,2,4-トリメチル)ヘキサン、1,2-ビス((ジメチル)マレイミド)エタン、1,4-ビス((ジメチル)マレイミド)ブタン、1,6-ビス((ジメチル)マレイミド)ヘキサン、1,12-ビス((ジメチル)マレイミド)ドデカン、1-(ジメチル)マレイミド-3-(ジメチル)マレイミドメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1’-(シクロヘキサン-1,3-ジイルビス(メチレン))ビス((3,4-ジメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン)、1,1’-(4,4’-メチレンビス(シクロヘキサン-4,1-ジイル))ビス((3,4-ジメチル)-1H-ピロール-2,5-ジオン)、1,1’-(3,3’-(ピペラジン-1,4-ジイル)ビス(プロパン-3,1-ジイル))ビス(1H-ピロール-2,5-ジオン)、2,2’-(エチレンジオキシ)ビス(エチル(ジメチル)マレイミド)、置換または無置換のマレイミド基を備える環状オレフィン樹脂等を挙げることができ、当該環状オレフィン樹脂であることが好ましい。
前記環状オレフィン樹脂は、好ましくは以下の一般式(b)で表される構造単位(b)を有する。
Figure 2024024621000040
一般式(b)中、RおよびRは各々独立して水素原子もしくは炭素数1~3のアルキル基を示し、本発明の効果の観点から、炭素数1または2のアルキル基が好ましく、炭素数1のアルキル基がより好ましい。
は単結合、または2価の有機基を示す。
の2価の前記有機基としては、本発明の効果を奏する範囲で公知の有機基を用いることができるが、例えば炭素数1~8のアルキレン基または(ポリ)アルキレングリコール鎖を挙げることができる。炭素数1~8のアルキレン基は、炭素数2~6のアルキレン基であることが好ましい。
炭素数1~8のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、及びオクチレン基等が挙げられる。
(ポリ)アルキレングリコール鎖を構成するアルキレンオキサイドは特に限定されないが、炭素数1~18のアルキレンオキサイドにより構成されることが好ましく、より好ましくは炭素数2~8のアルキレンオキサイドであり、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、イソブチレンオキサイド、1-ブテンオキサイド、2-ブテンオキサイド、トリメチルエチレンオキサイド、テトラメチレンオキサイド、テトラメチルエチレンオキサイド、ブタジエンモノオキサイド、オクチレンオキサイド等が挙げられる。
、G、およびGはそれぞれ独立して水素原子、置換または無置換の炭素数1~30の炭化水素基を示す。
炭素数1~30の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、またはシクロアルキル等が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。
アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。
アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。
アリール基としては、たとえばフェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。
アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。
アルカリル基としては、たとえばトリル基、キシリル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。
炭素数1~30の炭化水素基は、その構造中に、O、N、S、PおよびSiから選択される少なくとも1つの原子を含んでいてもよい。
本実施形態において、前記炭素数1~30の炭化水素基は、炭素数1~15の炭化水素基であることが好ましく、炭素数1~10の炭化水素基であることがより好ましい。また、炭素数1~30の炭化水素基は、炭素数1~30のアルキル基であることが好ましく、炭素数1~15のアルキル基であることがより好ましく、炭素数1~10のアルキル基であることがさらにより好ましい。
置換された炭素数1~30の炭化水素基の置換基は、水酸基、アミノ基、シアノ基、エステル基、エーテル基、アミド基、スルホンアミド基等を挙げることができ、少なくとも1種の基で置換されていてもよい。
本実施形態において、G、G、およびGのいずれか1つが、置換または無置換の炭素数1~30の炭化水素基、残りが水素原子であることが好ましく、全てが水素原子であることがより好ましい。
mは0、1または2であり、好ましくは0または1であり、より好ましくは0である。
本実施形態のポリマー(B)は一般式(b)で表される構造を備えることから低誘電正接に優れる。さらに、ポリマー(B)は側鎖に所定のマレイミド基を有しており、ラジカル反応が生じず光二量化が可能であることから、ポリマー(B)同士、ポリマー(B)とポリマー(A)とを光重合することができ、機械的強度にもより優れる。
本実施形態のポリマー(B)は、以下のように合成することができる。
まず、以下の一般式(b’)で表される化合物(b’)を付加重合して、必要に応じて他のノルボルネン系化合物と付加重合して重合体を得る。たとえば配位重合により、付加重合が行われる。
Figure 2024024621000041
一般式(b’)中、R、R、Q、G、G、Gおよびmは一般式(t)と同義である。
他のノルボルネン系化合物としては、5-メチルノルボルネン、5-エチルノルボルネン、5-ブチルノルボルネン、5-ヘキシルノルボルネン、5-デシルノルボルネン、5-シクロヘキシルノルボルネン、5-シクロペンチルノルボルネン等のアルキル基を有するノルボルネン類;5-エチリデンノルボルネン、5-ビニルノルボルネン、5-プロペニルノルボルネン、5-シクロヘキセニルノルボルネン、5-シクロペンテニルノルボルネン等のアルケニル基を有するノルボルネン類;5-フェニルノルボルネン、5-フェニルメチルノルボルネン、5-フェニルエチルノルボルネン、5-フェニルプロピルノルボルネン等の芳香環を有するノルボルネン類;等が挙げられる。
本実施形態においては、上記化合物と、有機金属触媒と、を溶剤に溶解した後、所定時間加熱することにより溶液重合を行うことができる。このとき、加熱温度は、たとえば30℃~200℃、好ましくは40℃~150℃、さらに好ましくは50℃~120℃とすることができる。本実施形態においては、従来よりも加熱温度を高温とすることでポリマー(B)の収率を向上させることができる。
また、加熱時間は、たとえば0.5時間~72時間とすることができる。なお、窒素バブリングにより溶剤中の溶存酸素を除去したうえで、溶液重合を行うことがより好ましい。
また、必要に応じて分子量調整剤や連鎖移動剤を使用する事ができる。連鎖移動剤としては、例えば、トリメチルシラン、トリエチルシラン、トリブチルシラン、等のアルキルシラン化合物を挙げることができる。これらの連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記重合反応に用いられる溶剤としては、たとえば、メチルエチルケトン(MEK)、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、4-メチルテトラヒドロピラン、トルエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類のうち一種または二種以上を使用することができる。
上記有機金属触媒としては、付加重合が進行すれば特に選ばないが、例えばパラジウム錯体およびニッケル錯体に対してホスフィン系や、ジイミン系などの配位子を配位させ、カウンターアニオンなどを用いても良い。このうちの一種または二種以上を使用できる。
上記パラジウム錯体としては、たとえば(アセタト-κ0)(アセトニトリル)ビス[トリス(1-メチルエチル)ホスフィン]パラジウム(I)テトラキス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)ボレート、π-アリルパラジウムクロリドダイマーなどのアリルパラジウム錯体、
パラジウムの酢酸塩、プロピオン酸塩、マレイン酸塩、ナフトエ酸塩などのパラジウムの有機カルボン酸塩、
酢酸パラジウムのトリフェニルホスフィン錯体、酢酸パラジウムのトリ(m-トリル)ホスフィン錯体、酢酸パラジウムのトリシクロヘキシルホスフィン錯体などのパラジウムの有機カルボン酸の錯体、
パラジウムのジブチル亜リン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩などのパラジウムの有機スルフォン酸塩、
ビス(アセチルアセトナート)パラジウム、ビス(ヘキサフロロアセチルアセトナート)パラジウム、ビス(エチルアセトアセテート)パラジウム、ビス(フェニルアセトアセテート)パラジウムなどのパラジウムのβ-ジケトン化合物、
ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス[トリ(m-トリルホスフィン)]パラジウム、ジブロモビス[トリ(m-トリルホスフィン)]パラジウム、アセトニルトリフェニルホスフォニウム錯体などのパラジウムのハロゲン化物錯体等が挙げられる。
上記ホスフィン配位子としては、トリフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィンなどが挙げられる。
上記カウンターアニオンとしては、例えば、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス[3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(2,4,6-トリフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジフェニルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、リチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなど挙げられる。
有機金属触媒の量は、ノルボルネン系モノマーに対して300ppm~5000ppm、好ましくは1000ppm~3500ppm、さらに好ましくは1500ppm~2500ppmとすることができる。これにより、ポリマー(B)の収率を向上させることができる。
得られたポリマー(B)を含む反応液を、例えば、ヘキサンやメタノール等のアルコール中に添加してポリマー(B)を析出させる。次いで、ポリマー(B)を濾取し、例えば、ヘキサンやメタノール等のアルコール等により洗浄した後、これを乾燥させる。
本実施形態においては、たとえばこのようにしてポリマー(B)を合成することができる。
本実施形態の製造方法によれば、ポリマー(B)を、70%以上の高収率で得ることができる。
ジアルキル無水マレイン酸による変換率は、70%以上であることが好ましい。さらに好ましくは80%、さらに好ましくは90%以上である。この範囲であれば、現像で溶出するポリイミド成分を低減することができる。
本実施形態のポリマー(B)は、本発明の効果を奏する範囲で構造単位(b)以外のその他の構造単位を含むことができ、その他の構造単位としては、上記の他のノルボルネン系化合物から誘導される構造単位が挙げられる。
ポリマー(B)の重量平均分子量は、例えば、3,000~30,000であり、好ましくは、4,000~20,000であり、より好ましくは、4,500~15,000である。上記範囲の重量平均分子量を有するポリマー(B)は、ポリマー(A)に対して高い相溶性を有するため好ましい。
ポリマー溶液中(100重量%)のポリイミド濃度は、特に限定されないが、5~30重量%程度である。
本実施形態において、とポリマー(A)とポリマー(B)を併用する場合は、ポリマー(A)とポリマー(B)との比率(A:B)は、5:95~95:5、好ましくは10:90~90:10、より好ましくは20:80~80:20、さらに好ましくは30:70~70:30、特に好ましくは40:60~60:40とすることができる。
[光増感剤]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、さらに光増感剤を含むことができる。
光増感剤としては、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ミヒラーケトン系光重合開始剤等が挙げられる。これらの中でも、ベンゾフェノン系光重合開始剤またはチオキサントン系光重合開始剤であることが好ましい。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、ベンゾフェノン、4-クロロベンゾフェノン、4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、4,4’-ジアミノベンゾフェノン、4-フェニルベンゾフェノン、イソフタルフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチル-ジフェニルスルフィド等が挙げられる。これらのベンゾフェノンやその誘導体は、3級アミンを水素供与体として硬化速度を向上させることができる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤の市販品として、例えば、SPEEDCUREMBP(4-メチルベンゾフェノン)、SPEEDCUREMBB(メチル-2-ベンゾイルベンゾエイト)、SPPEDCUREBMS(4-ベンゾイル-4’メチルジフェニルサルファイド)、SPPEDCUREPBZ(4-フェニルベンゾフェノン)、SPPEDCUREEMK(4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン)(以上商品名、DKSHジャパン株式会社製)等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントンが挙げられる。ジエチルチオキサントンとしては、2,4-ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントンとしては2-イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントンとしては2クロロチオキサントンが好ましい。中でも、ジエチルチオキサントンを含むチオキサントン系光重合開始剤がさらに好ましい。
チオキサントン系光重合開始剤の市販品として、例えば、SpeedcureDETX(2,4-ジエチルチオキサントン)、SpeedcureITX(2-イソプロピルチオキサントン)、SpeedcureCTX(2-クロロチオキサントン)、SPEEDCURECPTX(1-クロロ-4-プロピルチオキサントン)(以上商品名、DKSHジャパン株式会社製)、KAYACUREDETX(2,4-ジエチルチオキサントン)(商品名、日本化薬株式会社製)が挙げられる。
光増感剤の添加量は、特に限定されないが、感光性樹脂組成物の固形分全体の0.05~10質量%程度であるのが好ましく、0.1~7.5質量%程度であるのがより好ましく、0.2~5質量%程度であるのがさらに好ましい。光増感剤の添加量を前記範囲内に設定することにより、感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層のパターニング性を高めるとともに、感光性樹脂組成物の長期保管性を向上させることができる。
[密着助剤]
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上記密着助剤(X)を除く他の密着助剤(Y)を含むことができる。これにより、感光性樹脂組成物で形成された樹脂膜やパターンの、基板との密着性を高めることができる。
密着助剤(Y)(ただし、密着助剤(X)を除く))としては、例えば、アミノシラン、エポキシシラン、アクリルシラン、メルカプトシラン、ビニルシラン、ウレイドシラン、酸無水物官能型シラン、スルフィドシラン等のシラン化合物、トリアゾール化合物、およびイミド化合物等を用いることができる。密着助剤(Y)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
密着助剤(Y)において、アミノシランとしては、例えば、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
密着助剤(Y)において、エポキシシランとしては、例えば、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、またはβ-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ-グリシジルプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
密着助剤(Y)において、アクリルシランとしては、例えば、γ-(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ-(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、またはγ-(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシラン等が挙げられる。
密着助剤(Y)において、メルカプトシランとしては、例えば、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
密着助剤(Y)において、ビニルシランとしては、例えば、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、またはビニルトリメトキシシラン等が挙げられる。
密着助剤(Y)において、ウレイドシランとしては、例えば、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
密着助剤(Y)において、酸無水物官能型シランとしては、例えば、3-トリメトキシシリルプロピルコハク酸無水物などが挙げられる。
密着助剤(Y)のシラン化合物としては、具体的には、例えば、以下の式(A1)~(A7)で表されるものが挙げられる。
Figure 2024024621000042
Figure 2024024621000043
Figure 2024024621000044
Figure 2024024621000045
Figure 2024024621000046
Figure 2024024621000047
[溶媒]
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、溶媒として、環状構造のオキサゾリジン類、非環状構造のアミド化合物、窒素原子を備えない溶媒を含んでもよい。
窒素原子を備えない溶媒としては、具体的には、エーテル系溶媒、アセテート系溶媒、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、ラクトン系溶媒、カーボネート系溶媒、スルホン系溶媒、エステル系溶媒、芳香族炭化水素系溶媒などが挙げられる。窒素原子を備えない溶媒としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記エーテル系溶媒としては、具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、1,3-ブチレングリコール-3-モノメチルエーテルなどが挙げられる。
上記アセテート系溶媒としては、具体的には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル-1,3-ブチレングリコールアセテートなどが挙げられる。
上記アルコール系溶媒としては、具体的には、テトラヒドロフルフリルアルコール、ベンジルアルコール、2-エチルヘキサノール、ブタンジオール、イソプロピルアルコールなどが挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、具体的には、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール、2-ヘプタノンなどが挙げられる。
上記ラクトン系溶媒としては、具体的には、γ-ブチロラクトン(GBL)、γ-バレロラクトンなどが挙げられる。
上記カーボネート系溶媒としては、具体的には、エチレンカルボナート、炭酸プロピレンなどが挙げられる。
上記スルホン系溶媒としては、具体的には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなどが挙げられる。
上記エステル系溶媒としては、具体的には、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メチル-3-メトキシプロピオネートなどが挙げられる。
上記芳香族炭化水素系溶媒としては、具体的には、メシチレン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
上記溶剤のうち、より好ましい溶剤はγ-ブチロラクトン(GBL)、シクロペンタノンである。これらを使用することでポリマー(A)(ポリイミド)とポリマー(A)(環状オレフィン樹脂)との溶解性を向上させることができる。
[界面活性剤]
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、界面活性剤をさらに含んでいてもよい。
界面活性剤としては、限定されず、具体的にはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤;エフトップEF301、エフトップEF303、エフトップEF352(新秋田化成社製)、メガファックF171、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF177、メガファックF444、メガファックF470、メガファックF471、メガファックF475、メガファックF482、メガファックF477(DIC社製)、フロラードFC-430、フロラードFC-431、ノベックFC4430、ノベックFC4432(スリーエムジャパン社製)、サーフロンS-381、サーフロンS-382、サーフロンS-383、サーフロンS-393、サーフロンSC-101、サーフロンSC-102、サーフロンSC-103、サーフロンSC-104、サーフロンSC-105、サーフロンSC-106、(AGCセイミケミカル社製)などの名称で市販されているフッ素系界面活性剤;オルガノシロキサン共重合体KP341(信越化学工業社製);(メタ)アクリル酸系共重合体ポリフローNo.57、95(共栄社化学社製)などが挙げられる。
これらのなかでも、パーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤を用いることが好ましい。パーフルオロアルキル基を有するフッ素系界面活性剤としては、上記具体例のうち、メガファックF171、メガファックF173、メガファックF444、メガファックF470、メガファックF471、メガファックF475、メガファックF482、メガファックF477(DIC社製)、サーフロンS-381、サーフロンS-383、サーフロンS-393(AGCセイミケミカル社製)、ノベックFC4430及びノベックFC4432(スリーエムジャパン社製)から選択される1種または2種以上を用いることが好ましい。
また、界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤(例えばポリエーテル変性ジメチルシロキサンなど)も好ましく用いることができる。シリコーン系界面活性剤として具体的には、東レダウコーニング社のSHシリーズ、SDシリーズおよびSTシリーズ、ビックケミー・ジャパン社のBYKシリーズ、信越化学工業株式会社のKPシリーズ、日油株式会社のディスフォーム(登録商標)シリーズ、東芝シリコーン社のTSFシリーズなどを挙げることができる。好ましい界面活性剤は、ビックケミー・ジャパン社のBYK-302、BYK-307、BYK-333、BYK-349、およびBKY-378を挙げることができる。
感光性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量の上限値は、感光性樹脂組成物の全体(溶媒を含む)に対して1質量%(10000ppm)以下であることが好ましく、0.5質量%(5000ppm)以下であることであることがより好ましく、0.1質量%(1000ppm)以下であることが更に好ましい。
また、感光性樹脂組成物中の界面活性剤の含有量の下限値は、特には無いが、界面活性剤による効果を十分に得る観点からは、例えば、感光性樹脂組成物の全体(溶媒を含む)に対して0.001質量%(10ppm)以上である。
界面活性剤の量を適当に調整することで、他の性能を維持しつつ、塗布性や塗膜の均一性などを向上させることができる。
[酸化防止剤]
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、酸化防止剤をさらに含んでもよい。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤およびチオエーテル系酸化防止剤から選択される1種以上を使用できる。酸化防止剤は、感光性樹脂組成物により形成される樹脂膜の酸化を抑制できる。
フェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル-テトラキス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、3,9-ビス{2-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕-1,1-ジメチルエチル}2,4,8,10-テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6-ヘキサンジオール-ビス〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-エチルフェノール、2,6-ジフェニル-4-オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレングリコールビス〔(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’-チオビス(6-t-ブチル-m-クレゾール)、2-オクチルチオ-4,6-ジ(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェノキシ)-s-トリアジン、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチル-6-ブチルフェノール)、2,-2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、ビス〔3,3-ビス(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’-ブチリデンビス(6-t-ブチル-m-クレゾール)、2,2’-エチリデンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェノール)、2,2’-エチリデンビス(4-s-ブチル-6-t-ブチルフェノール)、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2-t-ブチル-4-メチル-6-(2-ヒドロキシ-3-t-ブチル-5-メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5-トリス(2,6-ジメチル-3-ヒドロキシ-4-t-ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,3,5-トリス〔(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2-t-ブチル-4-メチル-6-(2-アクリロイルオキシ-3-t-ブチル-5-メチルベンジル)フェノール、3,9-ビス(1,1-ジメチル-2-ヒドロキシエチル)-2,4-8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン-ビス〔β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコ-ルビス〔β-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオネート〕、1,1’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2’-メチレンビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(4-エチル-6-t-ブチルフェノール)、2,2’-メチレンビス(6-(1-メチルシクロヘキシル)-4-メチルフェノール)、4,4’-ブチリデンビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、3,9-ビス(2-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニルプロピオニロキシ)1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、4,4’-チオビス(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、4,4’-ビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)サルファイド、4,4’-チオビス(6-t-ブチル-2-メチルフェノール)、2,5-ジ-t-ブチルヒドロキノン、2,5-ジ-t-アミルヒドロキノン、2-t-ブチル-6-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルベンジル)-4-メチルフェニルアクリレート、2,4-ジメチル-6-(1-メチルシクロヘキシル、スチレネイティッドフェノール、2,4-ビス((オクチルチオ)メチル)-5-メチルフェノール、などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニルホスファイト)、テトラキス(2,4-ジ-t-ブチル-5-メチルフェニル)-4,4’-ビフェニレンジホスホナイト、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジルホスホネート-ジエチルエステル、ビス-(2,6-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-t-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、トリス(ミックスドモノandジ-ノニルフェニルホスファイト)、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-メトキシカルボニルエチル-フェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-t-ブチル-4-オクタデシルオキシカルボニルエチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げられる。
チオエーテル系酸化防止剤としては、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ビス(2-メチル-4-(3-n-ドデシル)チオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル)スルフィド、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラキス(3-ラウリル)チオプロピオネートなどが挙げられる。
[感光性樹脂組成物の調製]
本実施形態における感光性樹脂組成物を調製する方法は限定されず、感光性樹脂組成物に含まれる成分に応じて、公知の方法を用いることができる。
例えば、上記各成分を、溶媒に混合して溶解することにより調製することができる。
[感光性樹脂組成物、硬化膜]
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、該感光性樹脂組成物をAl、Cuといった金属を備える面に対して塗工し、次いで、プリベークすることで乾燥させ樹脂膜を形成し、次いで、露光及び現像することで所望の形状に樹脂膜をパターニングし、次いで、樹脂膜をポストベークすることで硬化させ硬化膜を形成することで使用される。
なお、上記永久膜を作製する場合、プリベークの条件としては、例えば、温度50℃以上150℃以下で、30秒間以上1時間以下の熱処理とすることができる。また、ポストベークの条件としては、例えば、温度150℃以上250℃以下で、30分間以上10時間以下の熱処理とすることができる。
例えば、硬化後の膜厚が20μm程度の永久膜を作製する場合、プリベークの条件としては、酸素濃度1000ppm以下、温度100℃~130℃で、120~300秒の熱処理とすることができ、ポストベークの条件としては、酸素濃度1000ppm以下、温度180℃~350℃で、30分間~4時間の熱処理とすることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物の粘度は、所望の樹脂膜の厚みに応じて適宜設定することができる。感光性樹脂組成物の粘度の調整は、溶媒を添加することでできる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物の粘度の上限値は、例えば、5000mPa・s以下でもよく、4000mPa・s以下でもよく、3000mPa・s以下でもよい。また、本実施形態に係る感光性樹脂組成物の粘度の下限値は、所望の樹脂膜の厚みに応じて、例えば、10mPa・s以上でもよく、50mPa・s以上でもよい。
本実施形態の感光性樹脂組成物から得られるフィルムは、テンシロン試験機による引張試験により測定された伸び率が、最大値10~200%、好ましくは20~150%であり、平均値1~150%、好ましくは2~120%である。
本実施形態の感光性樹脂組成物から得られるフィルムは、引張強度が、30~300MPa、好ましくは50~200MPaとすることができる。
[用途]
本実施形態の感光性樹脂組成物(ネガ型感光性樹脂組成物)は、永久膜、レジストなどの半導体装置用の樹脂膜を形成するために用いられる。これらの中でも、プリベーク後の感光性樹脂組成物及び銅基板や銅配線の密着性向上と、現像時の感光性樹脂組成物の残渣の発生の抑制とをバランスよく発現する観点、ポストベーク後の感光性樹脂組成物の硬化膜と、金属との密着性を向上する観点、加えて、ポストベーク後の感光性樹脂組成物の耐薬品性を向上する観点から、永久膜を用いる用途に用いられることが好ましい。
なお、上記の樹脂膜は、感光性樹脂組成物の硬化膜を含む。
硬化膜の用途としては、上記永久膜、レジストなどの半導体装置用の樹脂膜が挙げられる。
上記永久膜は、感光性樹脂組成物に対してプリベーク、露光及び現像を行い、所望の形状にパターニングした後、ポストベークすることによって硬化させることにより得られた樹脂膜で構成される。永久膜は、半導体装置の保護膜、層間膜、ダム材などに用いることができる。
上記レジストは、例えば、感光性樹脂組成物をスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の方法で、レジストにとってマスクされる対象に塗工し、感光性樹脂組成物から溶媒を除去することにより得られた樹脂膜で構成される。
<半導体装置>
次に、本実施形態に係る半導体装置の一例について、図1を用いて説明する。
本実施形態に係る半導体装置100は、上記樹脂膜を備える半導体装置とすることができる。具体的には、半導体装置100のうち、パッシベーション膜32、絶縁層42および絶縁層44からなる群の1つ以上を、本実施形態の硬化物を含む樹脂膜とすることができる。ここで、樹脂膜は、上述した永久膜であることが好ましい。
半導体装置100は、たとえば半導体チップである。この場合、たとえば半導体装置100を、バンプ52を介して配線基板上に搭載することにより半導体パッケージが得られる。
半導体装置100は、トランジスタ等の半導体素子が設けられた半導体基板と、半導体基板上に設けられた多層配線層(図示せず。)と、を備えている。多層配線層のうち最上層には、層間絶縁膜30と、層間絶縁膜30上に設けられた最上層配線34が設けられている。最上層配線34は、たとえば、アルミニウムAlにより構成される。また、層間絶縁膜30上および最上層配線34上には、パッシベーション膜32が設けられている。パッシベーション膜32の一部には、最上層配線34が露出する開口が設けられている。
パッシベーション膜32上には、再配線層40が設けられている。再配線層40は、パッシベーション膜32上に設けられた絶縁層42と、絶縁層42上に設けられた再配線46と、絶縁層42上および再配線46上に設けられた絶縁層44と、を有する。絶縁層42には、最上層配線34に接続する開口が形成されている。再配線46は、絶縁層42上および絶縁層42に設けられた開口内に形成され、最上層配線34に接続されている。絶縁層44には、再配線46に接続する開口が設けられている。
絶縁層44に設けられた開口内には、たとえばUBM(Under Bump Metallurgy)層50を介してバンプ52が形成される。半導体装置100は、たとえばバンプ52を介して配線基板等に接続される。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の様々な構成を採用することができる。
以下に、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本実施例において特に示されない限り、すべての部(parts)およびパーセントは重量によるものであり、すべての温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧または大気圧付近である。
(1)ポリマー(A)の合成
以下の化合物を用いて、ポリマー(A)を合成した。
・MED-J:4,4-ジアミノ-3,3-ジエチル-5,5-ジメチルジフェニルメタン
Figure 2024024621000048
・TMPBP-TME:4-[4-(1,3-ジオキソイソベンゾフラン-5-イルカルボニロキシ)-2,3,5-トリメチルフェニル]-2,3,6-トリメチルフェニル 1,3-ジオキソイソベンゾフラン-5-カルボキシレート
Figure 2024024621000049
(調製例1:ポリイミドの合成)
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、MED-J 43.99g(155.8mmol)と、TMPBP-TME 89.22g(144.2mmol)を入れた。その後、反応容器に、さらにγ-ブチロラクトン(以下、「GBL」とも示す)399.64gを加えた。
窒素を10分間通気した後、撹拌しつつ温度60℃まで上げ、1時間反応させた。事前に、ジメチル無水マレイン酸8.73g(69.2mmol)をγ―ブチロラクトン26.19gに溶解させた溶液を作成し、この溶液を反応容器へ入れ、さらに30分反応を行った。さらに175℃で3時間反応させることで、ジアミンと酸無水物を重合させ末端を封止した、重合溶液を作製した。
得られた重合溶液を、テトラヒドロフランで希釈して希釈液を作製し、次いで、希釈液をメタノール溶液に滴下することで、白色固体を析出させた。得られた白色固体を回収し、温度80℃で真空乾燥することにより、ポリイミド125.88gを得た。
ポリイミドをGPC測定したところ、重量平均分子量Mwは74,000、多分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は2.62であり、末端封止率は65%であった。
得られたポリイミドは、その一部に下記式(p1)で表される繰り返し単位が含まれ、末端にジメチルマレイミド基を備えていた。
Figure 2024024621000050
(2)ポリマー(B)の合成
環状オレフィン樹脂の原料モノマーとなる、ジメチルマレイミド基含有環状オレフィンモノマー(1-[4-(5-ノルボルネン-2-イル)ブチル]-3,4-ジメチルピロール-2,5-ジオン(DMMIBuNB))を、以下の合成例に従い合成した。
500mLの丸底フラスコ中で、ジメチルマレイン酸無水物(42.6g、0.34mol)を室温でトルエン(300mL)に溶解させた。酸素を除去するために、溶液を窒素ガス雰囲気下に置いた。反応フラスコを氷浴中に置き、発熱反応に由来する過剰な加熱を防いだ。ジメチルマレイン酸無水物が溶解した時点で、5-ノルボルネン-2-ブチルアミン(49.6g、0.30mol)を含む滴下漏斗を装着し、ノルボルネン化合物を反応フラスコに3時間に渡って滴下した。滴下漏斗を取り外し、ディーンスターク管および還流冷却器をフラスコに装着した。溶液を加熱して125℃に設定したオイルバス中で還流させ、反応物を18時間その温度で撹拌した。この間に約6mLの水がディーンスターク管に回収された。フラスコをオイルバスから取り出し、室温に冷却した。エバポレーターを用いてトルエン溶媒を除去し、黄色油状物質を得た。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィーカラム(250gのシリカゲル)にのせ、1.7リットルのシクロヘキサン/酢酸エチル(95/5wt比)の溶媒混合物を用いて溶出させた。エバポレーターを用いて溶出溶媒を除去し、その後、真空下45℃で18時間乾燥させて、80.4g(収率92.7%)の目的とするジメチルマレイミド基含有環状オレフィンモノマーを得た。反応式を以下に示す。
Figure 2024024621000051
(調製例2:環状オレフィン樹脂の合成)
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に1時間窒素通気させた後、DMMIBuNB(24.60g、90mmol)、トリエチルシラン(3.14g、27mmol)を入れた。さらに、シクロペンチルメチルエーテル(CPME)(16.04g)、酢酸エチル(EA)(1.98g)を加えることにより反応溶液を得た。窒素フロー(50mL/min)下、撹拌しつつ70℃まで反応溶液を加熱した。触媒(パラジウム(II)(アセトニトリル)ビス(トリイソプロピルホスフィン)アセテートテトラキス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)ボレート、Pd-1206)(0.0434g)および助触媒(N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、DANFABA)(0.0288g)を酢酸エチル(EA)(3.37g)に溶かしたものを調製し、DMMIBuNB:触媒:助触媒=2500:1:1(モル比)になるように反応溶液に投入した。そして、70℃、3時間で重合を行い、重合後、放冷して反応を停止させた。
得られた重合溶液を、テトラヒドロフランで希釈して希釈液を作製し、次いで、希釈液をメタノール溶液に滴下することで、白色固体を析出させた。得られた白色固体を回収し、温度50℃で真空乾燥することにより、ジメチルマレイミド基を有する環状オレフィン樹脂20.02gを得た。Mwは6000であった。
(3)密着助剤(Y)の合成
[合成例1]
(シラン化合物(A1)の合成)
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(29.4g、300mmol)をγ-ブチロラクトン(970g)に溶解させ、恒温槽にて30℃に調整した。次いで、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(62g、280mmol)を滴下ロートに仕込み、60分かけて溶解液へ滴下した。滴下完了後、30℃、18時間の条件化で撹拌を行い、以下の式(A1)で表されるシラン化合物(A1)を得た。
Figure 2024024621000052
[合成例2]
(シラン化合物(A2)の合成)
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、4,4’-オキシジフタル酸無水物(31.0g、100mmol)をγ-ブチロラクトン(669g)に溶解させ、恒温槽にて30℃に調整した。次いで、3-アミノプロピルトリエトキシシラン(42.1g、190mmol)を滴下ロートに仕込み、60分かけて溶解液へ滴下した。滴下完了後、30℃、18時間の条件化で撹拌を行い以下の式(A2)で表されるシラン化合物(A2)を得た。
Figure 2024024621000053
(4)感光性樹脂組成物の調製
表1に示す、以下の成分を用いて、実施例および比較例の感光性樹脂組成物を調製した。
[ポリマー]
・ポリマー(A):上記調製例1で得られたポリイミド
・ポリマー(B):上記調製例2で得られた環状オレフィン樹脂
[密着助剤(Y)]
・シラン化合物(A1):上記合成例1で得られた化合物
・シラン化合物(A2):上記合成例2で得られた化合物
[密着助剤(X)]
・シラン化合物(X1-1):8-グリシドキシオクチルトリメトキシシラン(以下の式(X1-1)で表される化合物)、「KBM-4803」信越化学工業社製
・シラン化合物(X1-2):ポリマー型多官能エポキシシラン化合物「X-12-984S」(以下の式(X1-2)で表される化合物)信越化学工業社製
・シラン化合物(X1-3):ビス(3-(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド(以下の式(X1-3)で表される化合物)、「Si75」エボニック ジャパン社製
・シラン化合物(X1-4):ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ポリ(n=2~10)スルファンを主成分とする、(3-クロロプロピル)(トリエトキシ)シランと(ポリ硫化)二ナトリウムの反応生成物(以下の式(X1-4)で表される化合物)、「Cabrus4」大阪ソーダ社製
・シラン化合物(X1-5):N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(以下の式(X1-5)で表される化合物)、「KBM-573」信越化学工業社製
・トリアゾール化合物(X2):3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール
・イミド化合物(X3):フタルイミド
Figure 2024024621000054
Figure 2024024621000055
式(X1-2)は、式(i)で表される構造単位及び式(ii)で表される構造単位を含み、末端基が水酸基又は上記式(iii)で表される基であるシラン化合物を表す。
Figure 2024024621000056
Figure 2024024621000057
Figure 2024024621000058
[光増感剤]
・チオキサントン化合物1:2,4-ジエチルチオキサントン「KAYACURE DETX-S」日本化薬社製
[溶剤]
・溶剤1:シクロペンタノン
・溶剤2:γ-ブチロラクトン
(5)実施例および比較例
表1に記載の成分を混合後、孔径0.1μmのポリエチレン製メンブレンフィルターで濾過することにより、各実施例および各比較例の感光性樹脂組成物のワニスを得た。
(6)測定・評価
得られた各感光性樹脂組成物を用いて、以下の測定・評価を行った。
(密着性)
感光性樹脂組成物を、銅スパッタウェハにスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて120℃で4分間プリベークし、塗布膜を得た。得られた塗布膜に、水銀灯で1000mJ/cmの露光処理を実施し、酸素濃度を1000ppm以下に保ちながら、窒素オーブンにて200℃で120分間加熱し、膜厚約10μmの硬化膜を得た。次にクロスカット試験を用いて1mm×1mmのパターンを100個作成した。次いで、パターンの表面に対し、剥離強度が3.0mN/10mmのセロハン粘着テープを貼り付けた後に、セロハン粘着テープを垂直に剥がして、剥離したパターンの個数を数え、結果を表1に示した。
なお、本評価において、パターンの剥離数が少ないほど密着性が高いと判断した。
(誘電正接Df)
各感光性樹脂組成物をシリコン基板上に塗布し、この塗布膜を120℃4分間のプリベーク後、高圧水銀灯(手動露光機:オーク製作所製・HMW-201GX)で1000mJ/cm処理し、窒素雰囲気下で200℃2時間硬化させて膜厚10μmのフィルムを得た。得られたフィルムについて、23℃、10GHzでの誘電正接を空洞共振器法で測定した。結果を表1に示す。
(機械特性)
得られた各感光性樹脂組成物を、シリコンウェハ表面にスピンコートし、120℃4分間のプリベーク後、高圧水銀灯(手動露光機:オーク製作所製・HMW-201GX)にて1000mJ/cmの露光を行い、その後、窒素雰囲気下で200℃120分間硬化を行って膜厚が10μmのフィルムを調製した。
得られたフィルムから切り出した試験片(6.5mm×20mm×10μm厚)に対して引張試験(延伸速度:5mm/分)を23℃雰囲気中で実施した。引張試験は、オリエンテック社製引張試験機(テンシロンRTC-1210A)を用いて行った。試験片5本を測定し、破断点の応力を平均化したものを引張強度とした(破断点応力:MPa)。破断した距離と初期距離から引張伸び率を算出し、伸び率の最大値を求めた(破断伸度:%)。得られた応力-歪曲線の初期の勾配からそれぞれ引張弾性率を算出し、平均化したものを弾性率(GPa)とした。結果を表1に示す。
(ガラス転移温度:Tg)
得られた各感光性樹脂組成物を、シリコンウェハ表面にスピンコートし、120℃4分間のプリベーク後、高圧水銀灯(手動露光機:オーク製作所製・HMW-201GX)にて1000mJ/cmの露光を行い、その後、窒素雰囲気下で200℃120分間硬化を行って膜厚が10μmのフィルムを調製した。
得られたフィルムから長さ50mm×幅10mmの短冊状試験片を切出した。チャック間距離20mmにて動的粘弾性測定を行い、得られた損失正接(tanδ)のピーク温度をガラス転移温度(Tg)とした。測定条件は、大気下、印加周波数1Hz、昇温速度5℃/分とした。結果を表1に示す。
(線熱膨張率(CTE))
得られた各感光性樹脂組成物を、シリコンウェハ表面にスピンコートし、120℃4分間のプリベーク後、高圧水銀灯(手動露光機:オーク製作所製・HMW-201GX)にて1000mJ/cmの露光を行い、その後、窒素雰囲気下で200℃120分間硬化を行って膜厚が10μmのフィルムを調製した。
得られたフィルムから長さ13mm×幅4mmの短冊状試験片を切出した。チャック間距離10mmにて引張モードの熱機械測定を行い、熱膨張曲線から平均線熱膨張率(CTE、50℃~100℃または100℃~200℃)を求めた。結果を表1に示す。
(現像性)
各感光性樹脂組成物を基板上に、プリベーク後の膜厚が6.5μmになるようにスピンコートし、120℃で4分間プリベークして、感光性樹脂膜を得た。ついでこのプリベーク後の感光性樹脂膜に、凸版印刷社製マスク(テストチャートNo.1:幅0.5~50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー(ニコン社製、NSR-4425i)を用いて、1000mJ/cmの露光を行った。その後、スプレー現像機(SCREEN社製、SD-W80A-AVN)を用いて、シクロペンタノンで500rpm×50秒の条件で現像し、次いで、PGMEAで500rpm×20秒の条件でリンス処理し、次いで、3000rpmで10秒の条件で乾燥処理を行うことにより、未露光部を溶解除去して、ネガ型パターンが形成された硬化樹脂膜を得た。
(1)直径5μmのビア開孔部の観察
直径5μmのビアがパターニングされた硬化樹脂膜の開孔部の断面をSEMで観察し、開孔および開孔残渣を以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A:直径5μmのビアホールがビア底まで開口しており、かつビア底に残渣がない。
B:直径5μmのビアホールが開口しなかったか、またはビア底に残渣が存在する。
(2)直径10μmのビア開孔部のクラックの有無
直径10μmのビアホールがパターニングされた硬化樹脂膜を、パターン上部からSEMで観察し、ビアの四隅にクラックが有るか確認し、以下の基準で評価した。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
有り:クラックあり
無し:クラック無し
Figure 2024024621000059
30 層間絶縁膜
32 パッシベーション膜
34 最上層配線
40 再配線層
42 絶縁層
44 絶縁層
46 再配線
50 UBM層
52 バンプ
100 半導体装置

Claims (18)

  1. 密着助剤(X)と、
    一般式(t)で表される基を有するポリイミドを含むポリマー(A)と、
    を含み、
    前記密着助剤(X)は、エポキシ基、アミド基、メルカプト基、(ポリ)スルフィド基、フェニル基およびカルボキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の有機官能基を持つシラン化合物(X1)、トリアゾール化合物(X2)、並びにイミド化合物(X3)の中から選ばれる1種または2種以上を含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2024024621000060
    (一般式(t)中、RおよびRは各々独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を示し、Qは2価の有機基を示す。*は結合手を示す。)
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記シラン化合物(X1)は、以下の式(X1)で表される基を有する、感光性樹脂組成物。
    Figure 2024024621000061
    (式(X1)中、R、Rは各々独立して炭素数1~6の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示し、Rは炭素数3~20の直鎖または分岐鎖のアルキル基を示す。Aは、ヘテロ原子(O、N、Sの少なくともいずれか一つ)を示す。*は結合手を表す。)
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
    ポリマー(A)は、両末端に前記一般式(t)で表される基を備えるポリイミドを含む、感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
    以下の手順で測定される誘電正接(Df)が、0.006以下である、感光性樹脂組成物。
    手順:前記感光性樹脂組成物を200℃で120分間の条件で硬化させた硬化物について、10GHz、23℃で誘電正接(Df)を測定する。
  5. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記感光性樹脂組成物の硬化物の動的機械分析(DMA)によるガラス転移温度(Tg)が180~300℃である、感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
    一般式(t)中、RおよびRの少なくとも一方が、炭素数1~3のアルキル基である、感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
    ポリマー(A)は、以下の一般式(a1)で表される構造単位(a1)と、一般式(a2)で表される構造単位(a2)とを含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2024024621000062
    (一般式(a1)中、Yは2価の有機基である。)
    Figure 2024024621000063
    (一般式(a2)中、R~Rは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のアルコキシ基を示し、RとRは異なる基であり、RとRは異なる基である。Xは単結合、-SO-、-C(=O)-、炭素数1~5の直鎖または分岐のアルキレン基、または炭素数1~5の直鎖または分岐のフルオロアルキレン基を示し、複数存在するXは同一でも異なっていてもよい。)
  8. 請求項7に記載の感光性樹脂組成物であって、
    一般式(a1)中のYは、式(a1-1)、式(a1-2)、式(a1-3)および式(a1-4)から選択される少なくとも1つの2価の有機基である、感光性樹脂組成物。
    Figure 2024024621000064
    (式(a1-1)中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基を示し、複数存在するR同士、複数存在するR同士は同一であっても異なっていてもよく、Rは、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基を示し、複数存在するR同士は同一であっても異なっていてもよく、*は、結合手を示し;
    Figure 2024024621000065
    式(a1-2)中、
    10およびR11は、各々独立して、水素原子、炭素数1~3のアルキル基、炭素数1~3のアルコキシ基を示し、複数存在するR10同士、複数存在するR11同士は、同一であっても異なっていてもよく、*は結合手を示し;
    Figure 2024024621000066
    式(a1-3)中、Zは、炭素数1~5のアルキレン基、または2価の芳香族基を示し、*は結合手を示し;
    Figure 2024024621000067
    式(a1-4)中、Zは、2価の芳香族基を示し、*は結合手を示す。)
  9. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
    ポリマー(A)は、以下の一般式(a3)で表される構造単位(a3)を含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2024024621000068
    (式(a3)中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、炭素数1~4のハロアルキル基、または水酸基を示し、複数存在するR同士および複数存在するR同士は、同一であっても異なっていてもよく、Xは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、または炭素数1~4のハロアルキレン基を示し、m、nは、各々独立して、0または1を示す。)
  10. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物であって、
    式(t)中のQは、一般式(a2)で表される構造単位(a2)または一般式(a3)で表される構造単位(a3)である、感光性樹脂組成物。
    Figure 2024024621000069
    (式(a2)中、R~Rは、各々独立して、炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のアルコキシ基を示し、ただし、RとRは異なる基であり、RとRは異なる基であり、Xは、単結合、-SO-、-C(=O)-、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1~5のアルキレン基、または直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1~5のフルオロアルキレン基を示し、複数存在するXは、同一であっても異なっていてもよく;
    Figure 2024024621000070
    式(a3)中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、炭素数1~4のハロアルキル基、または水酸基を示し、複数存在するR同士および複数存在するR同士は、同一であっても異なっていてもよく、Xは、単結合、炭素数1~4のアルキレン基、または炭素数1~4のハロアルキレン基を示し、m、nは、各々独立して、0または1を示す。)
  11. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物において、
    ポリマー(A)は、以下の一般式(1)で表される構造単位を含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2024024621000071
    (一般式(1)中、R~R、Xは、単結合、-SO-、-C(=O)-、直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1~5のアルキレン基、または直鎖状もしくは分岐鎖状の炭素数1~5のフルオロアルキレン基を示し、複数存在するXは、同一であっても異なっていてもよく、Yは2価の有機基である。)
  12. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物において、
    ポリマー(A)は、以下の一般式(2)で表される構造単位を含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2024024621000072
    (一般式(2)中、R~R、X、m、nは、各々独立して、0または1を示し、Yは2価の有機基である。)
  13. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物において、
    さらに、一般式(b)で表される構成単位を有するポリマー(B)を含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2024024621000073
    (一般式(b)中、RおよびRは各々独立して水素原子または炭素数1~3のアルキル基を示し、Qは単結合、または2価の有機基を示し、G、G、およびGはそれぞれ独立して水素原子、置換または無置換の炭素数1~30の炭化水素基を示す。mは0、1または2である。)
  14. 請求項13に記載の感光性樹脂組成物において、
    ポリマー(B)の一般式(b)において、Qの2価の前記有機基は、炭素数1~8のアルキレン基または(ポリ)アルキレングリコール鎖である、感光性樹脂組成物。
  15. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物において、
    さらに、光増感剤を含む、感光性樹脂組成物。
  16. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物の硬化物からなる硬化膜。
  17. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂膜を備える半導体装置。
  18. 層間絶縁膜と、
    前記層間絶縁膜上に設けられた、請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物の硬化物を含む樹脂膜と、
    前記樹脂膜中に埋設された再配線と、
    を備えることを特徴とする、半導体装置。
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