JP2023536911A - O-糖タンパク質-2-アセトアミド-2-デオキシ-3-d-グルコピラノシダーゼ阻害剤の結晶形態 - Google Patents

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Abstract

N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、化合物(I):JPEG2023536911000013.jpg53125の固体形態、及び化合物(I)の当該固体形態を作製するプロセスが本明細書に記載される。本発明はさらに、化合物(I)の結晶形態A及び形態Bを含む医薬組成物、ならびにアルツハイマー病及び関連する神経障害の治療及び予防における当該形態及び医薬組成物の使用方法に関する。【選択図】なし

Description

関連出願の相互参照
本出願は、米国特許法第119条の下、2020年8月3日に出願された米国仮出願第63/060,281号の出願日の利益を主張するものであり、この内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、一般に個体形態のN-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドに関する。本発明はさらに、前記固体形態を調製するためのプロセス、前記固体形態を含む医薬組成物、ならびにアルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防における前記固体形態及びその医薬組成物の使用方法を開示する。
アルツハイマー病(AD)は、世界で最も蔓延している神経障害の1つであり、進行性記憶喪失、認知症、そして最終的には全体的な認知障害と死亡を引き起こす、最も一般的で衰弱性の加齢に伴う状態である。現在、コリンエステラーゼ阻害剤などの対症療法薬またはADの二次的な行動症状を制御するために使用される他の製薬が唯一の利用可能な薬物療法である。ADの病原性カスケードを標的とする研究中の治療には、神経原線維変化(NFT)の発生を阻害することを目的とした治療が含まれる。
広範な細胞タンパク質は、核タンパク質及び細胞質タンパク質の両方とも、O-グリコシド結合を介して結合される単糖2-アセトアミド-2-デオキシ-β-D-グルコピラノシド(β-N-アセチルグルコサミン)の付加によって、翻訳後修飾が行われる。この単糖は概して、O結合N-アセチルグルコサミンまたはO-GlcNAcと称される。β-N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を多くの核細胞質間タンパク質の特定のセリン残基及びトレオニン残基に翻訳後結合させることに関与する酵素は、O-GlcNAcトランスフェラーゼ(OGTase)である。O-糖タンパク質-2-アセトアミド-2-デオキシ-3-D-グルコピラノシダーゼまたはO-GlcNAcaseまたはOGAとして知られる第2の酵素は、この翻訳後修飾を除去して、タンパク質を遊離させ、それにより、O-GlcNAc修飾は、タンパク質の寿命期間中に数回行われる動的サイクルとなる。
O-GlcNAc修飾タンパク質は、例えば、転写、プロテアソーム分解及び細胞内シグナル伝達を含め、生命をつかさどる広範な細胞機能を調節する。O-GlcNAcは、ニューロン内にタンパク質及び栄養を分配するのに不可欠である、微小管の重要な細胞ネットワークの安定化を担う細胞骨格タンパク質「タウ」を含む多くの構造タンパク質でも見られる。重要なことに、タウは、タウオパチー、アルツハイマー病、パーキンソン病、認知症及びがんを含むいくつかの疾患の病因に明確に関連付けられている。
アルツハイマー病、ならびに進行性核上麻痺(PSP)及び筋萎縮性側索硬化症(ALS)を含む多くの関連タウオパチーが部分的には、神経原線維変化(NFT)の発現を特徴とすることは充分に確立されている。これらのNFTは、対らせん状細線維(PHF)の凝集体であり、異常型のタウで構成される。AD患者では、タウが過剰にリン酸化されることによって、タウの正常な機能が阻害され、PHFが形成され、最終的にはPHFが凝集してNFTが形成される。
ヒトの脳内には、タウのアイソフォームが6個見られる。AD患者では、タウの6個すべてのアイソフォームがNFTで見られ、いずれも顕著に過剰リン酸化されている。健常な脳組織内のタウには、リン酸基が2個または3個のみ見られるが、AD患者の脳にあるタウには、平均で8個のリン酸基が見られる。
リン酸化レベルの上昇により、O-GlcNAcレベルが低下し、逆に、O-GlcNAcレベルの上昇は、リン酸化レベルの低下と相関することが最近明らかになってきている。脳におけるグルコース利用率の低下によって、タウが過剰にリン酸化されることが示されている。グルコースの輸送及び代謝が徐々に低下すると、O-GlcNAcが低下し、タウ(及びその他のタンパク質)が過剰にリン酸化される。したがって、O-GlcNAcaseの阻害(O-GlcNAcがタウから除去されるのを防ぐことによって、タウの過剰リン酸化を防ぐ)により、健常な個体、及びアルツハイマー病または関連する神経変性疾患に罹患している患者の脳における加齢性のグルコース代謝低下が相殺されるはずである。
しかしながら、O-GlcNAcaseを含む哺乳類グリコシダーゼの機能をブロックするための阻害剤を開発する際の大きな課題は、高等真核生物の組織には、機能的に関連する酵素が多数存在することである。したがって、かかる機能的に関連する酵素が同時に阻害されることから、複合的な表現型が現れるため、1つの特定の酵素の細胞及び生物における生理学的な役割を研究する際に非選択的な阻害剤を使用すると、厄介になる。β-N-アセチルグルコサミニダーゼの場合には、O-GlcNAcase(OGA)の機能をブロックするように作用する既存の化合物は、非特異的であり、強力に作用して、リソソームβ-ヘキソサミニダーゼを阻害する。
経口活性OGA阻害剤は、以前にPCT/US2019/051661に記載されている。ただし、特定の化合物が医薬組成物で使用するための有望な候補として特定された後でも、固体及び/または液体製剤での安定性、吸湿性、結晶化度、毒物学的考察、融点、または水及び水性媒体への溶解度など、多くの重要なパラメータに関してその特性を微調整する必要がある。
上記の技術的課題に鑑み、かつAD、タウオパチー及びその他の神経疾患を治療するためにO-GlcNAcaseを調節することの可能性を考慮すると、強力な個体形態のO-GlcNAcase阻害剤の発見に対するニーズが依然として存在する。
本開示は、化合物(I)の異なる形態を提供する。
これらの結晶形態の実施形態には、形態A及び形態Bと特徴付けられるものが含まれる。特定の形態、例えば、形態A及び形態Bを特徴付けるために本明細書で使用される名称は、類似または同一の物理的及び化学的特徴を有する他の物質に関して限定的と見なされるべきではなく、むしろ、これらの指定は、本明細書に提示されている特性情報に従って解釈されるべき単なる識別子であることを理解されたい。
別の態様では、化合物(I)の結晶形態Aと、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物が本明細書に提供される。
別の態様では、薬剤として使用するための化合物(I)の結晶形態Aが本明細書に提供される。
さらなる態様では、アルツハイマー病または関連する神経疾患の治療または予防に使用するための化合物(I)の結晶形態Aが本明細書に提供される。
さらなる態様では、化合物(I)の結晶形態Aを製造するプロセスが本明細書に提供される。
別の態様では、化合物(I)の結晶形態Bと、少なくとも1つの薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む医薬組成物が本明細書に提供される。
別の態様では、薬剤として使用するための化合物(I)の結晶形態Bが本明細書に提供される。
さらなる態様では、アルツハイマー病または関連する神経疾患の治療または予防に使用するための化合物(I)の結晶形態Bが本明細書に提供される。
さらなる態様では、化合物(I)の結晶形態Aを製造するプロセスが本明細書に提供される。
化合物(I)の遊離形態タイプAのX線粉末回折パターンを示す。 化合物(I)の遊離形態タイプAのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)の遊離形態タイプBのX線粉末回折パターンを示す。 化合物(I)の遊離形態タイプBのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)の非晶質遊離形態のX線粉末回折パターンを示す。 化合物(I)のHCl塩形態AのX線粉末回折パターンを示す。 化合物(I)のHCl塩形態AのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)のリン酸塩形態Aの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)のリン酸塩形態AのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)の酒石酸塩形態Bの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)の酒石酸塩形態BのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)の酒石酸塩形態Aの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)の酒石酸塩形態AのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)の酒石酸塩形態Cの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)の酒石酸塩形態CのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)の酒石酸塩形態Dの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)の酒石酸塩形態DのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)のHBr塩形態AのX線粉末回折パターンを示す。 化合物(I)のHBr塩形態AのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態Aの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態AのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態Bの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態BのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態Cの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態CのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態Dの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態DのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態Eの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態EのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態Fの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態FのTGA/DSC曲線を示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態Gの粉末X線回折パターンを示す。 化合物(I)のフマル酸塩形態GのTGA/DSC曲線を示す。
一態様では、化合物(I)の結晶形態Aが本明細書に提供される。
別の態様では、化合物(I)の結晶形態Bが本明細書に提供される。
本発明は、形態Aである、N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドの多形形態を提供する。N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドは、「式1の化合物」または「化合物(I)」または「化合物1」とも呼ばれ、PCT/US2019/051661、実施例1~22に元来記載されている。PCT/US2019/051661、特に実施例1-22の合成に関する開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されるように、化合物1の遊離塩基は、無水物形態を含む1つまたは複数の他形形態として存在する結晶形態であり得る。これらの多形形態(または多形体または結晶形態として当技術分野で知られている)は、それらのX線粉末回折パターン、分光学的、物理化学的及び薬物動態学的特性、ならびにそれらの熱力学的安定性に関して異なる。
いくつかの理由から、化合物1の異なる多形体へのアクセスを有することが望ましい。異なる多形形態は、融点、吸湿性、溶解度、流動特性、または熱力学的安定性などの異なる物理的特性を示す場合があり、したがって、異なる多形形態により、例えば、カプセルなどの異なる投与形態において、または最適な薬物動態特性を有する薬物形態の製造において、所与の用途または態様に最も適した形態を選択することができる。
驚くべきことに、特定の条件下で、N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドの新しい固体形態を提供することができることが発見され、これは以下に形態A、形態B、及び非晶質形態として記述され、有利な有用性及び特性を有する。特に、式1の化合物の形態Aは、ストレス条件にさらされたときに優れた安定性を示す。化合物1の特定の多形形態、すなわち形態Aは、本明細書に開示される化合物1の他のすべての固体形態よりも安定である。形態Aのこの高度の安定性は、医薬組成物における使用への適合性に関して、例えば、その貯蔵寿命及び製造の容易さに関して、有利な特性及び利点を提供する。
本発明は、遊離形態のN-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミド(化合物1)の結晶形態を提供する。「遊離形態」という用語は、それ自体が塩を形成しない化合物を指す。
本明細書ではまた、遊離形態の無水遊離形態A、無水酒石酸塩形態B、無水HCl塩形態A、及び無水リン酸塩形態A、無水HBr塩形態A、無水フマル酸塩形態A、B、C、D、E、F、Gも開示される。
無水形態Bも本明細書に開示される。
無水酒石酸塩形態A、C、Dも本明細書に開示される。
一実施形態では、式1の化合物は結晶形態Aである。結晶形態Aは、以下を含むがこれらに限定されない分析測定から生じる1つまたは複数の特徴的シグナルを参照することによって定義することができる:図1のX線粉末回折パターン、図1Bの示差走査熱量測定(TGA/DSC)サーモグラム。結晶形態A(本明細書では多形形態Aとも呼ばれる)はまた、以下の特徴的シグナルの1つまたは複数を参照することによって定義することができる:
一実施形態では、結晶形態Aは、CuKα放射線を使用して測定した場合、4.3、8.6及び12.0°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つまたは3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、上記の値は、プラスまたはマイナス0.2°2θである。
一実施形態では、結晶形態Aは、CuKα放射線を使用して測定した場合、10、11及び19.9°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つまたは3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、上記の値は、プラスまたはマイナス0.2°2θである。
一実施形態では、結晶形態Aは、CuKα放射線を使用して測定した場合、13.5、14.9、21.1、24.4及び27.2°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つまたは3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、上記の値は、プラスまたはマイナス0.2°2θである。
一実施形態では、結晶形態Aは、CuKα放射線を使用して測定した場合、4.3、8.6、10、11、12、13.5、14.9、19.9、21.1、24.4°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つ、3つ、4つまたは5つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、上記の値は、プラスまたはマイナス0.2°2θである。
一実施形態では、式1の化合物の結晶形態Aは、CuKα放射線を使用して測定した場合、図1に示されるX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを示す。
さらなる実施形態では、式1の化合物の結晶形態Aは、図1Bに示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。
さらなる実施形態において、式1の化合物の結晶形態Aは、約171℃の融解開始を伴う示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。
本発明の一実施形態において、N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン)-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミド、実質的に純粋な形態の結晶形Aが提供される。
本明細書で使用される「実質的に純粋な」は、N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドの結晶形態及び非晶質形態に関して使用される場合、化合物の重量に基づいて、90、91、92、93、94、95、96、97、98及び99重量%超、及び、さらに約100重量%に等しいものをも含む、90重量%を超えるN-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドの純度を有することを意味する。
別の実施形態において、式1の化合物は、遊離形態である。遊離形態は、図1の粉末X線回折パターンを含むがこれらに限定されない分析測定から生じる1つまたは複数の特徴的なシグナルを参照することによって定義することができる。遊離形態は、次の特徴的なシグナルの1つまたは複数を参照することによっても定義することができる:一実施形態では、形態Aは、CuKα放射線を使用して測定した場合、12、19.9、24.4°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つ、または3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、値はプラスまたはマイナス0.2°2θである。
一実施形態では、遊離形態Aは、CuKα放射線を使用して測定した場合、4.3、8.6、19.9、21.1、24.4°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つ、または3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、上記の値は、プラスまたはマイナス0.2°2θである。
一実施形態では、遊離形態Aは、CuKα放射線を使用して測定した場合、4.3、8.6、10、11、12、13.5、14.9、19.9、21.1、24.4°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、上記の値は、プラスまたはマイナス0.2°2θである。
一実施形態では、式1の化合物の遊離形態Aは、CuKα放射線を使用して測定した場合、図1に示されるX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを示す。
X線回折ピーク位置に関して「実質的に同じ」という用語は、典型的なピーク位置及び強度変動が考慮されることを意味する。例えば、当業者は、ピーク位置(2θ)が、典型的には0.2°程度の装置間のばらつきを示すことを理解するであろう。さらに、当業者は、相対ピーク強度が装置間の変動性、ならびに結晶化度、優先配向、調製されたサンプル表面、及び当業者に知られている他の要因による変動性を示し得、これらは質測度としてのみ採用すべきであるとこを理解するであろう。「図1に示されるX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターン」を有する結晶形Aに言及する表現は、「図1に示す代表的な粉末X線回折パターンによって特徴付けられる粉末線回折パターン」を有する結晶形Aに言及する表現と交換することができる。
当業者は、X線回折パターンが、使用される測定条件に依存する測定誤差で得られることも理解するであろう。特に、X線回折パターンの強度は、使用される測定条件に応じて変動する可能性があることが一般に知られている。相対強度は実験条件によっても変化する可能性があり、したがって、強度の正確な順序は考慮されるべきではないことをさらに理解する必要がある。さらに、従来のX線回折パターンの回折角度の測定誤差は、典型的には約5%以下であり、前述の回折角度に関してその程度の測定誤差が考慮されるべきである。したがって、本発明の結晶形態は、本明細書に開示される添付の図1に示されるX線回折パターンと完全に同一のX線回折パターンを提供する結晶形態に限定されないことが理解されるべきである。添付の図1に開示されたものと実質的に同一のX線回折パターンを提供するいずれの結晶形態も本発明の範囲内に入る。X線回折パターンの実質的な同一性を確認する能力は、当業者の範囲内である。
結晶形態Bは、図2のX線粉末回折パターン、図2Bの示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを含むがこれらに限定されない分析測定から生じる1つまたは複数の特徴的なシグナルを参照することによって定義することができる。結晶形態B(本明細書では多形形態Bとも呼ばれる)はまた、以下の特徴的シグナルの1つまたは複数を参照することによって定義することができる:結晶形態Bは、CuKα放射線を使用して測定した場合、8.6、11.1、15.0°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つまたは3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、上記の値は、プラスまたはマイナス0.2°2θである。
結晶形態Bは、CuKα放射線を使用して測定した場合、8.6、11.1、12.0、13.7、15.0°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つまたは3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、上記の値は、プラスまたはマイナス0.2°2θである。
結晶形態Bは、CuKα放射線を使用して測定した場合、8.6、9.5、9.9、11.1、12.0、13.7、15.0、21.5、23.8°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、または5つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、上記の値は、プラスまたはマイナス0.2°2θである。
式1の化合物の結晶形態Bは、CuKα放射線を使用して測定した場合、図2に示されるX線粉末回折パターンと実質的に同じX線粉末回折パターンを示す。
式1の化合物の結晶形態Bは、図2Bに示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを示す。
非晶質形態は、図3に示されるパターンと実質的に同じXRPDパターンへの参照を含むがこれに限定されない分析測定によって定義することができる。
結晶化を促進するために、任意の結晶化混合物に種結晶を添加することができる。播種は、特定の多形体の成長を制御するため、または結晶生成物の粒子サイズ分布を制御するために使用することができる。したがって、必要なシードの量の計算は、入手可能なシードのサイズ、及び、例えば、「Programmed Cooling of Batch Crystallizers」、J.W.Mullin and J.Nyvlt,Chemical Engineering Science,1971,26,369-377に記載されている平均製品粒子の所望のサイズに依存する。一般に、バッチ内の結晶の成長を効果的に制御するには、小さなサイズのシードが必要である。小さなサイズのシードは、大きな結晶のふるい分け、ミリング、または微粉化によって、または溶液の微結晶化によって生成することができる。結晶のミリングまたは微粉化によって、結晶化度が所望の結晶形態から変化しないように注意する必要がある(すなわち、非晶質、または別の多形に変化する)。
処置方法
本発明はまた、例えば本明細書に示されるような、OGA阻害によって調節される疾患、状態及び/または障害を治療または予防を必要とする対象において、そのような治療または予防するための方法を提供し、本方法は、前記対象に治療有効量の式1の化合物の結晶形態を投与することを含む。
本方法の一実施形態では、OGA阻害はO-GlcNAcaseの阻害である。
本方法の別の実施形態では、疾患または障害は、アルツハイマー病または関連する神経障害である。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶形態Aの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶形態Aが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶形態Aが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶HCl形態Aの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶HCl形態Aが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶HCl形態Aが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶リン酸塩形態Aの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶形態リン酸塩Aが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶リン酸塩形態Aが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶形態Bの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶形態Bが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶形態Bが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶酒石酸形態Bの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶酒石酸形態Bが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶酒石酸形態Bが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶酒石酸形態Aの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶酒石酸形態Aが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶酒石酸形態Aが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶酒石酸形態Cの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶酒石酸形態Cが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶酒石酸形態Cが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶酒石酸形態Dの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶酒石酸形態Dが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶酒石酸形態Dが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶HBr塩形態Aの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式(I)の化合物の結晶HBr塩形態Aが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶HBr塩形態Aが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Aの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Aが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Aが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Bの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Bが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Bが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Cの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Cが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Cが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Dの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Dが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Dが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Eの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Eが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Eが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Fの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Fが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Fが本明細書に提供される。
一実施形態において、本発明は、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防のための薬剤の製造のための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Gの使用を提供する。
別の態様では、薬剤として使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Gが本明細書に提供される。
さらなる態様において、アルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に使用するための式1の化合物の結晶フマル酸塩形態Gが本明細書に提供される。
神経変性疾患、タウオパチー、糖尿病、がん及びストレスから選択される疾患または状態である対象の治療方法であって、該対象に、本明細書に記載の化合物もしくはその医薬的に許容される塩を有効量、または少なくとも1つの本明細書に記載の化合物もしくはその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を有効量投与することを含む方法も提供する。
O-GlcNAcaseを阻害する必要がある対象のO-GlcNAcaseの阻害方法であって、本明細書に記載の化合物もしくはその医薬的に許容される塩を有効量、または少なくとも1つの本明細書に記載の化合物もしくはその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を有効量、該対象に投与することを含む方法も提供する。
脳内のタウの過剰リン酸化を特徴とする疾患または状態の治療方法であって、本明細書に記載の化合物もしくはその医薬的に許容される塩を有効量、または少なくとも1つの本明細書に記載の化合物もしくはその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1つの医薬的に許容される賦形剤を含む医薬組成物を有効量、該対象に投与することを含む方法も提供する。一実施形態では、脳におけるタウの過剰リン酸化を特徴とする疾患または状態は、アルツハイマー病である。
本発明の一態様には、対象におけるO-GlcNAcaseの活性によって発症、媒介及び/または伝搬される疾患または状態の治療方法であって、本方法は、治療有効量の化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩を対象に投与することを含む。好ましくは、該疾患または状態は、神経障害、糖尿病、がんまたはストレスである。より好ましくは、該疾患または状態は、神経障害である。一実施形態では、該神経障害は、急性虚血性脳卒中(AIS)、アルツハイマー病、認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知障害を伴う筋萎縮性側索硬化症(ALSci)、嗜銀顆粒性認知症、Bluit病、大脳皮質基底核変性症(CBP)、闘拳家認知症、石灰化を伴うびまん性神経原線維変化病、ダウン症候群、てんかん、家族性英国型認知症、家族性デンマーク型認知症、17番染色体に連鎖する前頭側頭型認知症パーキンソニズム(FTDP-17)、ゲルストマン-ストロイスラー-シャインカー病、グアドループ型パーキンソニズム、ハラーフォルデン-シュパッツ病(脳の鉄沈着を伴う神経変性疾患1型)、虚血性脳卒中、軽度認知障害(MCI)、多系統萎縮症、筋緊張性ジストロフィ、ニーマンピック病(C型)、淡蒼球橋黒質変性症、グアムのパーキンソニズム認知症複合、ピック病(PiD)、脳炎後のパーキンソン病(PEP)、プリオン病(クロイツフェルト-ヤコブ病(GJD)、変異型クロイツフェルト-ヤコブ病(vCJD)を含む)、致死性家族性不眠症、クールー病、進行性皮質上グリオーシス(Progressive supercortical gliosis)、進行性核上麻痺(PSP)、スティール-リチャードソン-オルスゼフスキー症候群、亜急性硬化性全脳炎、神経原線維型老年認知症、ハンチントン病、及びパーキンソン病から選択される1つまたは複数のタウオパチーである。別の実施形態では、該神経障害は、急性虚血性脳卒中(AIS)、アルツハイマー病、認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、認知障害を伴う筋萎縮性側索硬化症(ALSci)、嗜銀顆粒性認知症、てんかん、軽度認知障害(MCI)、ハンチントン病、及びパーキンソン病から選択される1つまたは複数のタウオパチーである。さらに別の実施形態では、該神経障害は、アルツハイマー病である。
本明細書で使用される、「対象」及び「患者」という用語は、同義で使用される場合があり、治療を必要とする哺乳類、例えば、コンパニオンアニマル(例えば、イヌ、ネコなど)、家畜(例えば、ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ヤギなど)及び実験動物(例えば、ラット、マウス、モルモットなど)を意味する。通常、該対象は、治療を必要とするヒトである。
本明細書で使用される場合、用語「治療すること」または「治療」とは、所望の薬理学的及び/または生理学的な効果を得ることを指す。該効果は、治療的効果であり得る。これには、以下の結果の1つまたは複数を、部分的または実質的に達成することを含む:疾患、障害または症候群の程度を低減すること、該障害と関連する臨床症状または臨床指標を改善または好転させること、及び該疾患、障害または症候群の進行を阻害またはその可能性を低減すること。
「有効量」という用語は、化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩の量であって、対象に投与すると、臨床結果を含め、有益な結果または所望の結果が得られる、すなわち、化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩によって治療可能な疾患または状態の進行を逆転させるか、緩和するか、阻害するか、低減するかまたは遅らせ、例えば、対照と比べて、臨床症状によって判断した場合に、化合物(I)、もしくはその薬学的に許容される塩によって治療可能な疾患もしくは状態、またはその1つまたは複数の症状の再発の可能性を低下させる量、例えば、体重1kg当たり0.1mg~1000mgを意味する。「有効量」という表現には、正常な生理学的機能を向上させるのに有効である量、例えば、1日あたり0.01mg/kg~1日あたり500mg/kgも含まれる。
本発明の別の実施形態は、本明細書に記載の少なくとも1つの化合物またはその医薬的に許容される塩、及び少なくとも1つの医薬的に許容される担体を含む医薬組成物である。
本明細書に記載の1つまたは複数の疾患または状態を治療するための薬剤の製造における化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩の使用も含まれる本明細書に記載の1つまたは複数の疾患または状態を治療するための薬剤の製造における、化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩を、任意に医薬的に許容される担体とともに含む医薬組成物もまた本明細書に含まれる。本明細書に記載の1つまたは複数の疾患または状態を有する対象の治療に使用するための、化合物(I)、またはその薬学的に許容される塩も含まれる。さらに、本明細書に記載の1つまたは複数の疾患または状態の治療に使用するための、化合物(I)、またはその医薬的に許容される塩を、任意に医薬的に許容される担体とともに含む医薬組成物が含まれる。
「医薬的に許容される担体」という用語は、それとともに製剤化される化合物の薬理学的活性に悪影響を及ぼさないとともに、ヒトに使用する際に安全でもある非毒性の担体、希釈剤、アジュバント、媒体または賦形剤を指す。本開示の組成物で使用され得る医薬的に許容される担体としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩などの塩または電解質、コロイダルシリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質(例えば、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース一水和物、ラウリル硫酸ナトリウム、及びクロスカルメロースナトリウム)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ワックス、ポリエチレン-ポリオキシプロピレン-ブロックポリマー、ポリエチレングリコールならびに羊毛脂が挙げられるが、これらに限定されない。
他の賦形剤、例えば、香味剤、甘味剤、ならびに保存剤、例えば、メチル、エチル、プロピル及びブチルパラベンもまた含むことができる。適切な賦形剤のより完全なリストは、Handbook of Pharmaceutical Excipients(5th Ed.,a Pharmaceutical Press(2005))に記載されている。当業者であれば、様々な種類の投与経路に適する製剤の調製方法が分かるであろう。適切な製剤を選択及び調製するための従来の手順及び成分は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences(2003,20th edition)及び1999年に出版されたThe United States Pharmacopeia:The National Formulary(USP24NF19)に記載されている。
化合物(I)、もしくはその薬学的に許容される塩、または本教示の組成物は、例えば、経口投与、非経口投与、舌下投与、局所投与、直腸投与、経鼻投与、口腔内投与、膣投与、経皮投与、パッチ投与、ポンプ投与、または埋め込み型リザーバによって投与される場合があり、医薬組成物は、それに応じて製剤化される。非経口投与としては、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、経上皮、経鼻、肺内、髄腔内、直腸及び局所の投与方法が挙げられる。非経口投与は、選択された期間にわたる持続注入によるものであり得る。
本開示に含まれるその他の投与形態は、WO2013/075083、WO2013/075084、WO2013/078320、WO2013/120104、WO2014/124418、WO2014/151142及びWO2015/023915に記載されており、それらの内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
医薬組成物
式1の化合物、特に多形酒石酸塩形態Bは、OGA阻害によって調節される疾患、状態及び/または障害、例えばアルツハイマー病または関連する神経変性疾患の治療または予防に特に有効な医薬組成物中の活性剤として適している。様々な実施形態における医薬組成物は、薬学的に有効な量の式1の結晶性化合物、特に多形酒石酸塩形態Bを、1つまたは複数の薬学的に許容される担体と共に有する。
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、経口投与に適した単位用量固体形態(典型的にはカプセル、より具体的には硬ゼラチンカプセル)で、酒石酸塩形態B及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む。薬学的に許容される担体のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciencesに記載されている。
したがって、一態様では、式1の化合物の多形酒石酸塩形態Bを含む医薬組成物が本明細書に提供される。一実施形態では、該医薬組成物は、式1の化合物の多形酒石酸塩形態B及び少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む。
定義
本明細書で使用される場合、用語「化合物1(Compound1)」、「化合物1(Cmpd1)」、「式1の化合物」は、N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドであり、以下の構造式を有するものを指す。
実施例1では、別の化学命名形式を使用して、「化合物1」は、N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドとも呼ばれる。
本明細書で使用される場合、「結晶形態A」、「多形体形態A」及び「形態A」は交換可能に使用され、意味に違いはない。
本明細書で使用される場合、「結晶形態B」、「多形体形態B」及び「形態B」は交換可能に使用され、意味に違いはない。
本明細書で使用される場合、「遊離形態(Free Form)」または「遊離形態(Freeform)」という用語は、それ自体が塩を含まない化合物を指す。
本明細書で使用する用語「薬学的に許容される担体」には、当業者に周知であろう、任意かつ全ての溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬剤、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、甘味剤、香味剤、染料など、及びそれらの組み合わせが含まれる(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,18th Ed.Mack Printing Company,1990,pp.1289-1329を参照のこと)。いかなる慣用の担体も活性成分と不適合でない限り、治療用組成物または薬学的組成物に使用することが企図される。
本明細書で使用される「アルツハイマー病」または「AD」という用語は、前臨床アルツハイマー病のみまたは臨床アルツハイマー病のみのいずれかが意図されていることが文脈から明らかでない限り、前臨床アルツハイマー病及び臨床アルツハイマー病の両方を包含する。
本明細書で使用される「アルツハイマー病の治療」という用語は、アルツハイマー病の症状の少なくとも1つを改善するために、式1の化合物、特に多形形態Aを患者に投与することを指す。
本明細書で使用される「アルツハイマー病の予防」という用語は、ADの予防的治療、またはADの発症または進行を遅らせることを指す。
略語のリスト
ACN アセトニトリル
APP アミロイド前駆体タンパク質
Αβ ベータアミロイドペプチド
aq. 水溶液
BocO 二炭酸ジ-tert-ブチル
b.p. 沸点
BuLiまたはnBuLi n-ブチルリチウム
C 濃度
CI 信頼区間
CDCl 重水素化クロロホルム
cone. 濃縮
CSF 脳脊髄液
CuO 酸化銅(I)
d 日数
δ 化学シフト(ppm)
DCM ジクロロメタン
DMFA/, A/-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DSC 示差走査熱量測定
EDC 1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド塩酸塩
ESI エレクトロスプレーイオン化
EtOAc 酢酸エチル
g グラム
h 時間(複数可)
HCl 塩酸
Hex ヘキサン
HOAt 1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール
HPLC 高速液体クロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー
IPAc 酢酸イソプロピル
CO 炭酸カリウム
kJ キロジュール
kg キログラム
KOtBu カリウムtert-ブトキシド
kV キロボルト
LC-MS/MS タンデム質量分析
mA ミリアンペア
mDSC 変調示差走査熱量測定
MeOH メタノール
MHz メガヘルツ
min 分
ml/mL ミリリットル
mm ミリメートル
μl マイクロリットル
μm マイクロメートル
μM マイクロモル濃度
μmol マイクロモル
min 分(複数可)
mmol ミリモル
MS 質量分析
NaHCO -炭酸水素ナトリウム
NaSO 硫酸ナトリウム
NEt トリエチルアミン
nm ナノメートル
nM ナノモル濃度
NMR 核磁気共鳴分光法
PI 医薬中間体
PK 薬物動態
ppm 百万分率
qdまたはQD 1日1回
Rf 保持係数
RH 相対湿度
rpm 毎分回転数
Rt 保持時間(分)
RT、rt 室温
s 秒
SD 単回用量
略称
T 時間
TBME tert-ブチルメチルエーテル
TFA トリフルオロ酢酸
TGA 熱重量分析
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
UPLC 超高速液体クロマトグラフィー
v/v 体積
w/w 重量
WL 銅Ka放射波長(hCu=1.5406A)
wt 出発物質の量に基づく重量比
XRPD X線粉末回折
以下の実施例は、本発明の様々な態様を例証する。実施例1及び2は、化合物1がどのように調製され、どのように結晶化されて形態Aが生成されるかを示す。実施例3は、化合物1がどのように調製され、どのように結晶化されて形態Bが生成されるかを示す。実施例4は、HCl形態AのXRPD及びDSCデータ分析を記載する。実施例5は、リン酸塩形態A及び対応するXRPDデータを記載する。実施例6は、酒石酸形態B及び対応するXRPDデータを記載する。
化合物(I)の調製は、PCT/US2019/051661(実施例1~22)に記載されている。化合物(I)は、以下に記載するように調製することもできる。
実施例1
N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミド:粗製4-メトキシ-6-[(3R,5S)-5-メチルピロリジン-3-イル]オキシ-ピリミジントリフルオロ酢酸塩(1.65g、2.81mmol)、及びN-(4-フルオロ-5-ホルミル-チアゾール-2-イル)アセトアミド(429mg、2.28mmol、WO2018/140299A1に記載の文献手順に従って調製)の混合物含むEtOAc(20mL)に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.19mL6.84mmol)を加えた。この混合物を50℃まで5分間加熱し、その後室温まで冷却した。その混合物に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.45g、6.84mmol)を加えた。この混合物を50℃まで1時間加熱し、その後室温まで冷却した。その混合物に、飽和NaHCO(水溶液)及びEtOAcを加えた。その水層を取り出し、EtOAcで逆抽出した。合わせた有機物をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。その残渣をヘプタン/EtOAcと練和し、ピンク色の固体を得た(329mg)。その母液を真空中で濃縮し、残渣をSiOで精製し(50%EtOAc/ヘプタン)、黄色固体を得た(98mg)。その固形物(427mg)をMeOH(30mL)に溶解し、木炭で処理した。その懸濁液をセライトで濾過し、溶離液を真空中で濃縮し、表題化合物を得た(402mg、収率46%)。LCMS(ESI):[M+H]382.HNMR(400MHz,メタノール-d)δ8.35(s,1H),6.13(s,1H),5.21-5.47(m,1H),3.85-4.03(m,4H),3.55(d,J=14.56Hz,1H),3.13(d,J=11.29Hz,1H),2.47-2.73(m,3H),2.17(s,3H),1.52-1.72(m,1H),1.23(d,J=5.52Hz,3H)。
または
N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミド:トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(100.3g、473.1mmol)を、4-メトキシ-6-[(3R,5S)-5-メチルピロリジン-3-イル]オキシ-ピリミジン(33g、158mmol)及び酢酸(18.9g、315mmol、18.0mL)の混合物を含むEtOAc(743mL)に40℃で加えた。5分後、N-(4-フルオロ-5-ホルミル-チアゾール-2-イル)アセトアミド(30.7g、163mmol)を、その混合物に加えた。40℃で2時間後、この混合物を室温まで冷却し、終夜攪拌した。1NのHCl溶液(315mL)をゆっくりとこの反応物に加えた。水層を分離し、有機層をさらなる1NのHCl(150mL)で抽出した。合わせたHCl層を、氷浴で冷却しながら50%NaOHで処理して最終pH約11にした。その混合物をDCMで抽出し、有機物をMgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮した。その残渣をMeOHと練和し、ピンク色の固体を得た。その固体を、2つのバッチでSiO(220g、20%→60%ヘプタン/(3:1EtOAc:EtOH2%NHOH)により精製し、表題化合物を得た(29g、収率48%)。LCMS(ESI):[M+H]382.HNMR:(500MHz,CDCl)δ11.16(brs,1H),8.36-8.41(m,1H),6.04-6.08(m,1H),5.28-5.39(m,1H),3.98(d,J=14.6Hz,1H),3.89-3.94(m,3H),3.64(d,J=14.6Hz,1H),3.16(d,J=11.1Hz,1H),2.65(dd,J=11.1,6.1Hz,1H),2.48-2.57(m,2H),2.29-2.34(m,3H),1.60-1.72(m,2H),1.20-1.29(m,4H).19FNMR:(471MHz,CDCl)δ-116(s,1F)。
実施例2:遊離形態タイプA
遊離形態タイプAは、合成時に得られる元の形態である。また、様々な条件への暴露にも変化せず、これは遊離形態タイプAが安定した形態であることを示している。
実施例3:遊離形態タイプB
遊離形態タイプBは、MeOHでの急速冷却法によって得た。XRPDパターンを図2に示す。図2Bに表示されたTGA/DSC曲線は、150℃まで2.9%の重量損失、及び、162.1℃(開始温度)で1つの吸熱を示した。低いTGA減量と1回のDSC吸熱に基づいて、遊離形態タイプBは無水物であると仮定した。
実施例4:塩酸形態タイプA
1.700.1mgの遊離形態を50mLバイアルに計量し、続いて25mLのアセトンを加えて遊離形態を溶解する。
2.154.0μLのHCl(12mol/L)を透明な溶液に攪拌しながらゆっくりと加えると、沈殿が観察された。
3.混合物を室温で1000rpmで1日間攪拌し、XRPD結果は、HCl塩タイプAが得られたことを示した。
4.濾過によって固体を分離し、試料を室温の真空下で2日間、50℃で一晩乾燥させた。650.6mgの固体を得た。
実施例5:リン酸形態タイプA
1.700.2mgの遊離形態を50-mLバイアルに計量し、続いて25mLのアセトンを加えて遊離形態を溶解する。
2.132μLのHPO(15mol/L)を透明な溶液に攪拌しながらゆっくりと加えると、沈殿が観察された。
3.混合物を室温で1000rpmで1日間攪拌し、XRPD結果は、リン酸タイプAが得られたことを示した。
4.濾過によって固体を分離し、試料を室温の真空下で2日間乾燥させた。
819.2mgの固体を得た。
実施例6:酒石酸塩形態タイプB
1.100.0mgの遊離形態を20mLバイアルに計量し、続いて4mLのアセトンを加えて遊離形態を溶解する。
2.39.6mgのL-酒石酸を3mLバイアルに計量し、続いて2mLのアセトンを加えて酸を溶解する。
3.L-酒石酸溶液を遊離形態溶液に追加し、約1時間攪拌した後に沈殿物が観察された。
4.混合物を室温で1000rpmで6時間攪拌し、XRPD結果は酒石酸塩B型が得られたことを示した。
5.遠心分離(10000rpm、2分)によって固体を分離し、試料を室温の真空下で2日間乾燥させた。
6.126.9mgの固体を得た。
1.1器具と方法
1.1.1 XRPD
XRPD分析には、PANalytical Empyrean/X’Pert3X線粉末回折計を使用した。使用したXRPDパラメータを表1-1に示す。
1.1.2 TGA/DSC
TGAデータを、TA InstrumentsのTAQ500/Q5000TGAを使用して収集した。DSCは、TA InstrumentsのTAQ200/Q2000DSCを使用して実行した。使用したパラメータの詳細を表1-2に示す。
塩スクリーニング
化合物(I)遊離形態について、合計108の多形スクリーニング実験を行った。X線粉末回折(XRPD)の比較に基づいて、2つの結晶形態(遊離形態タイプA及びタイプB)が発見され、熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量測定(DSC)によってさらに特徴付けられ、両方の形が無水物であることが示唆された。競合するスラリー実験では、室温~50℃まで、タイプAがタイプBよりも熱力学的に安定していることを示した。
遊離形態出発物質のおおよその溶解度と予測されるpKa値に従って、9つの溶媒系で31の酸/塩基(4つの酸に対して2つの充填比)を使用して、315の条件下で塩スクリーニングを実行した。1:1、1:2または2:1のモル比で出発物質及び対応する塩形成剤をHPLCガラスバイアルに添加し、続いて0.5または1.0mLの溶媒を添加した。次いで、混合物を室温で1000rpmで約70時間攪拌し、得られた懸濁液を遠心分離(10000rpm、2分間)して固体を回収し、室温で真空乾燥させた。透明な溶液が得られた場合、試料を5℃に移して一晩スラリーにし、得られた固体を分離し、真空下、室温で一晩乾燥させた。それでも透明な溶液が得られた場合、試料を移して室温で蒸発させた。次いで、すべての固体をXRPDによって分析した。
塩の再調製
特性評価の結果(低いTGA減量、高温での鋭いDSC吸熱)及び塩形成剤の安全性クラスに基づいて、HCl塩タイプA、リン酸塩タイプA、及び酒石酸塩タイプBが再調製のために選択され、これらは、50/100mgスケール、さらに700-mgスケールの溶液結晶化を介して正常に取得した。700mgスケールで再調製した塩をXRPD、TGA、DSC、及びHPLC/ICで特徴付け、特性評価の結果を表1-3及び1-4にまとめた。

Claims (47)

  1. 化合物(I)の結晶形態であって、前記化合物は、N-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドである、前記結晶形態。
  2. 形態Aを含む、請求項1に記載の結晶形態。
  3. 形態Aから本質的になる、請求項1または2に記載の結晶形態。
  4. 前記形態Aが実質的に純粋な形態である、請求項3に記載の結晶形態。
  5. 形態Bを含む、請求項1に記載の結晶形態。
  6. 形態Bから本質的になる、請求項1または5に記載の結晶形態。
  7. 前記形態Bが実質的に純粋な形態である、請求項6に記載の結晶形態。
  8. 前記形態Aが無水遊離形態である、請求項1~4に記載の結晶形態。
  9. 前記形態Aが無水塩酸塩形態である、請求項1~4に記載の結晶形態。
  10. 前記形態Aが無水リン酸塩形態である、請求項1~4に記載の結晶形態。
  11. 前記形態Bが無水酒石酸塩形態である、請求項1、5~7に記載の結晶形態。
  12. CuKα放射線を使用して測定した場合、からなる群から選択される4つ以上の2θ値を有するX線粉末回折パターンを特徴とし、請求項2または8に記載の化合物の無水遊離形態Aは、4.3、8.6及び12.0°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つ、または3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または8に記載の結晶形態。
  13. CuKα放射線を使用して測定した場合、13.5、14.9、21.1、24.4及び27.2°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも4つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または8に記載の化合物の結晶性無水遊離形態A。
  14. CuKα放射線を使用して測定した場合、4.3、8.6、10、11、12、13.5、14.9、21.1、24.4°から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも5つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または8に記載の化合物の結晶性遊離形態A。
  15. 図1に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項2または8に記載の化合物の結晶性無水遊離形態A。
  16. CuKα放射線を使用して測定した場合、からなる群から選択される4つ以上の2θ値を有するX線粉末回折パターンを特徴とし、請求項2または9に記載の化合物の無水塩酸形態Aは、9.6、15.6、21.5、23.6から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つ、または3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または9に記載の結晶形態。
  17. CuKα放射線を使用して測定した場合、9.6、15.6、17.1、20.4、21.5、23.6、26.5から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも4つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または9に記載の化合物の結晶性無水塩酸形態A。
  18. CuKα放射線を使用して測定した場合、9.6、10.2、12.2、15.2、15.6、17.1、20.4、21.5、23.6、26.5から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも5つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または9に記載の化合物の結晶性無水塩酸形態A。
  19. 図4に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項2または9に記載の化合物の結晶性無水塩酸形態A。
  20. CuKα放射線を使用して測定した場合、からなる群から選択される4つ以上の2θ値を有するX線粉末回折パターンを特徴とし、請求項2または10に記載の化合物の無水リン酸塩形態Aは、7.3、14.8、22.5、24.1、26.3から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つ、または3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または10に記載の結晶形態。
  21. CuKα放射線を使用して測定した場合、7.3、14.8、17.1、18.6、22.5、24.1、26.3、27.6から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも4つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または10に記載の化合物の結晶性無水リン酸塩形態A。
  22. CuKα放射線を使用して測定した場合、7.3、14.8、17.1、17.6、18.6、22.5、24.1、26.3、27.6、28.4から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも4つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または10に記載の化合物の結晶性無水リン酸塩形態A。
  23. 図5に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項2または10に記載の化合物の結晶性無水リン酸塩形態A。
  24. CuKα放射線を使用して測定した場合、からなる群から選択される4つ以上の2θ値を有するX線粉末回折パターンを特徴とし、請求項2または11に記載の化合物の無水酒石酸塩形態Bは、12.7、13.2、14.6、17.3、20.9から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも1つ、2つ、または3つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または11に記載の結晶形態。
  25. CuKα放射線を使用して測定した場合、12.7、13.2、14.6、17.3、20.9、21.8、24.4から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも4つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または11に記載の化合物の結晶性無水酒石酸形態B。
  26. CuKα放射線を使用して測定した場合、12.7、13.2、14.6、16.5、17.3、20.9、21.8、24.4、25.7、26.9、28.8から選択される屈折角2シータ(θ)値を有する少なくとも5つのピークを有するX線粉末回折パターンを有し、前記値はプラスまたはマイナス0.2°2θである、請求項2または11に記載の化合物の結晶性無水酒石酸形態B。
  27. 図6に示されるX線粉末回折スペクトルと実質的に同じX線粉末回折スペクトルを有する、請求項2または11に記載の化合物の結晶性無水酒石酸塩形態B。
  28. 図1Bに示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項1、2または8に記載の化合物の結晶性無水遊離形態A。
  29. 図4Bに示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項1、2または9に記載の化合物の結晶性無水塩酸形態A。
  30. 図5Bに示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項1、2または10に記載の化合物の結晶性無水リン酸塩形態A。
  31. 図6Bに示されるものと実質的に同じ示差走査熱量測定(DSC)サーモグラムを有する、請求項1、2または11に記載の化合物の結晶性無水酒石酸形態B。
  32. 請求項2または8~11のいずれか1項に記載の結晶形態、及び薬学的に許容される担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
  33. 前記結晶形態が無水遊離形態Aである、請求項32に記載の医薬組成物。
  34. 無水遊離形態Aが実質的に純粋な形態である、請求項33に記載の医薬組成物。
  35. 前記結晶形態が実質的に純粋な形態である無水塩酸形態Aである、請求項32に記載の医薬組成物。
  36. 前記結晶形態が実質的に純粋な形態である無水リン酸塩形態Aである、請求項32に記載の医薬組成物。
  37. 前記結晶形態が実質的に純粋な形態である無水酒石酸形態Bである、請求項32に記載の医薬組成物。
  38. 患者のアルツハイマー病を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、有効量の請求項2に記載のN-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドの結晶形態を投与することを含む、前記方法。
  39. 患者の軽度認知障害がアルツハイマー病に進行すること予防する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、有効量の請求項2に記載のN-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドの結晶形態を投与することを含む、前記方法。
  40. 患者の進行性核上麻痺を治療する方法であって、そのような治療を必要とする患者に、請求項2に記載の有効量のN-(4-フルオロ-5-(((2S,4R)-4-((6-メトキシピリミジン-4-イル)オキシ)-2-メチルピロリジン-1-イル)メチル)チアゾール-2-イル)アセトアミドの結晶形態を投与することを含む、前記方法。
  41. 前記結晶形態が無水遊離形態Aである、請求項38~40に記載の方法。
  42. 前記結晶形態が無水塩酸形態Aである、請求項38~40に記載の方法。
  43. 前記結晶形態が無水リン酸塩形態Aである、請求項38~40に記載の方法。
  44. 前記結晶形態が無水酒石酸形態Bである、請求項38~40に記載の方法。
  45. 組成物であって、前記組成物の重量に基づいて、請求項2に記載の結晶形態を少なくとも90重量%含む、前記組成物。
  46. 前記結晶形態が無水遊離形態Aである、請求項45に記載の組成物。
  47. 前記結晶形態が無水遊離形態Bである、請求項45に記載の組成物。
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