JP2023029036A - 信号処理装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023029036000001
【課題】ポンプ・プローブ法の測定において生じる誤差及び制限に係る問題を解決できる。
【解決手段】信号処理装置10は、乗算器21と、自動ゲイン制御器17とを有する。乗算器21は、プローブ光Prを試料に照射することにより得られる信号であるプローブ信号の信号強度と、参照光Rから得られる参照信号の信号強度とがバランスしていない時にプローブ信号の信号強度と参照信号の信号強度との差分として現れるノイズを、参照信号に乗算することにより誤差信号を得る。自動ゲイン制御器17は、誤差信号により、プローブ信号及び参照信号間の信号強度差を補正するように、プローブ信号を制御するためのゲインを自動的に調整する。
【選択図】図6

Description

本開示は信号処理装置に関する。
光学測定の手法の一つとして、ポンプ・プローブ法が知られている。この測定では、試料に対して2つの重ね合わされた光、ポンプ光とプローブ光を入射させて試料の構造を探る。このとき試料は、ポンプ光に対して固有の応答をする。プローブ光は、このポンプ光に対する応答を反映して強度変調されるため、この強度変化を測定することでポンプ光に対する物質の応答を観測できる。
ポンプ・プローブ法に関連する技術として、試料に印加される刺激に対する応答の結果生じるプローブ光の強度変化を検出信号の位相変化として検出する場合と比べて、高い信号雑音比で測定する光学測定装置及び光学測定方法に関する技術がある(特許文献1参照)。
また、物質の試料における光学的性質の光学的に誘導された変化として、例えば、一時的に分解された光学的非線形性を測定するのに有用な干渉計に関する技術がある(特許文献2参照)。
また、光学測定において効果的にノイズを除去して微小な信号を感度よく検出する光学測定装置に関する技術がある(特許文献3参照)。この技術では、バランス検出器において、検出プローブ光と参照プローブ光の差分を表わす電気信号を出力する出力端を有し、ロックイン増幅器において、ロックイン周波数で所望の信号を検出している。
また、可変利得増幅器(可変ゲインアンプ)を用いて、光特性又は電気特性を変化させる態様を有するシステムに関する技術がある(特許文献4参照)。
特開2018-197705号公報 特開平11-257914号公報 再表2015/030202号公報 特開2015-108626号公報
ポンプ・プローブ法においては、プローブ光、又はプローブ光を検出した信号は、試料の測定において、非常に揺らぎが小さいことが求められる。ここで、ポンプ・プローブ法の信号雑音比(S/N比)は、プローブ光の強度の揺らぎ(ノイズ)に支配される。ポンプ・プローブ法での信号は、プローブ光の強度変化の比により表され、強度変化の比は典型的には10-5から10-3程度である。例えば、信号が10-4の時、1秒積算してプローブ光のノイズが10-4(すなわち1/10,000の強度の揺らぎ)であるとすると、S/N=1となってしまう。
このような背景において、ポンプ・プローブ法の測定ではノイズをできる限り低減させることが望ましい。プローブ光のノイズを削減する方法として、プローブ光を検出した信号から、ノイズを複製する参照光を検出した信号を減算するバランス検出法が知られている。ポンプ・プローブ法において用いられるバランス検出法では、ノイズに対する典型的なプローブ光検出信号と参照光検出信号の強度バランス補正のための自動バランスが行われている。ここでバランス検出法の自動バランスにおいては、応答速度問題等の、ポンプ・プローブ法の測定において生じる誤差及び制限に係る問題がある。
本開示は、上記事情を鑑みて成されたものであり、ポンプ・プローブ法の測定において生じる誤差及び制限に係る問題を解決できる信号処理装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示に係る信号処理装置は、プローブ光を試料に照射することにより得られる信号であるプローブ信号の信号強度と、参照光から得られる参照信号の信号強度とがバランスしていない時に前記プローブ信号の信号強度と前記参照信号の信号強度との差分として現れるノイズを、前記参照信号に乗算することにより誤差信号を得る乗算器と、前記乗算器により得た前記誤差信号により、前記プローブ信号及び前記参照信号間の信号強度差を補正するように、前記プローブ信号及び前記参照信号の少なくとも一方を制御するためのゲインを自動的に調整する自動ゲイン制御器と、を含む。
本開示の信号処理装置によれば、ポンプ・プローブ法の測定において生じる誤差及び制限に係る問題を解決できる、という効果が得られる。
ポンプ・プローブ法の概略的な説明図である。 ポンプ・プローブ法における一般的なバランス検出法を実施するための基本的な装置の構成を示す図である。 バランス検出法において自動バランスの制御を行う装置の構成を示す図である。 自動バランスによる測定において、各過程の信号の時間(Time)に対する振幅(Amplitude)の一例を示すグラフである。 ノイズのない状況のDCオフセットと信号の強度変調の深さの比の例を示す図である。 本実施形態の信号処理装置の構成を示す図である。 変形例に係る信号処理装置の構成を示す図である。
以下、図面を参照して本開示の実施形態を詳細に説明する。
まず、本開示の実施形態における技術の前提となる技術を説明する。
図1は、ポンプ・プローブ法の概略的な説明図である。ポンプ・プローブ法を用いた測定では、ポンプ光で試料に刺激を与えて励起させ、当該励起をプローブ光の変化で観測する。ポンプ・プローブ法を用いた測定により、ポンプ光の刺激に対する試料の応答が信号として得られ、微細空間構造を捉える超解像の測定が可能となる。ポンプ・プローブ法は、様々な測定又は機器に適用可能である。例えば、ポンプ光の刺激による小さな変化を強いプローブ光で増幅することより、1分子レベルの吸収測定、及び誘導ラマン散乱の分子振動計測等へ適用できる。また、光熱顕微鏡、及び誘導放出顕微鏡等の測定に適用すれば、空間分解能の向上が可能である。また、刺激を受けてからどのように緩和するかを観測することにより、過渡吸収の測定へ適用できる。
図2は、ポンプ・プローブ法における一般的なバランス検出法を実施するための基本的な装置の構成を示す図である。図2に示すように、装置の構成としては、強度変調器11、ミラー12A及び12D、ミラー又はビームコンバイナ12B、光学フィルタ12C、ビームスプリッタ13、受光器14(14A及び14B)、及び差分器15を有する。当該装置では、ポンプ光Puにより試料Sが励起され、プローブ光Prにより試料Sが観測される。
強度変調器11は、ポンプ光Puを強度変調させる。ミラー12A及び12Dは、ポンプ光Pu又はプローブ光Prを反射する。ミラー又はビームコンバイナ12Bにより、試料に照射されるプローブ光Prを妨害しないようにポンプ光Puは試料Sに照射される。プローブ光Prは、ミラー又はビームコンバイナ12Bを透過して試料Sに照射される。
ビームスプリッタ13は、プローブ光Prを、試料Sを観察するために試料Sに向かう光と、試料Sを通さない参照光Rとに分割する。受光器14Aは、ポンプ光Puが照射された試料Sを透過又は反射・散乱したプローブ光Prを光検出信号として検出する。光学フィルタ12Cはポンプ光Puが受光器14Aに入射するのを防ぐ。以下では、当該光検出信号を、プローブ信号と呼ぶ。受光器14Bは、参照光Rから参照光検出信号(以下、参照信号と呼ぶ)を検出する。
差分器15は、受光器14Aにより検出されたプローブ信号から、受光器14Bにより検出された参照信号を減算する。ポンプ光Puの変調周波数でのロックイン検出(同期検波)やポンプ光Puの変調周波数周囲のバンドパスフィルタなどで、減算後の出力からプローブ信号に含まれる試料由来の信号を検出する。参照光Rに含まれるノイズはプローブ光Prのノイズと同一の由来であるため、プローブ信号の強度と参照信号の強度とがバランスしている(一致している)限り、プローブ信号と参照信号との差分でノイズを削減できる。換言すると、プローブ信号の強度と参照信号の強度とがアンバランスであると、アンバランスの度合いが大きい程、プローブ信号と参照信号との差分でノイズが削減しにくくなる。従って、プローブ信号と参照信号との強度を一致させる、すなわちバランスを取るように補正することが重要となる。プローブ信号と参照信号の平均強度が等しいときに最大限ノイズが削減されるからである。もっとも、試料の測定位置が変化するイメージング(顕微鏡による形態観察)などでは、プローブ光Prの透過率が測定中に変化し、動的にバランスが乱れるため、自動的に補正する自動バランスの制御を行う必要がある。
図3は、バランス検出法において自動バランスの制御を行う装置の構成を示す図である。自動バランスの制御を行う装置は、図2に示す基本的な装置の構成に加えて、可変ゲインアンプ16、及び自動ゲイン制御器17を有する。自動バランスでは、プローブ信号と参照信号との差分後のDCオフセットがゼロになるように、自動ゲイン制御器17により補正する。
図4は、自動バランスによる測定において、各過程の信号の時間(Time)に対する振幅(Amplitude)の一例を示すグラフである。図4の(a)は受光器14Aを経たプローブ信号を表すグラフである。(b)は可変ゲインアンプ16を経たプローブ信号であって、補正前の信号とゲイン制御した補正後の信号とをそれぞれ実線と点線で表すグラフである。(c)は受光器14Bを経た参照信号を表すグラフである。(d)は差分後の出力となる信号であり、補正前の信号を表すグラフを下側に、補正後の信号を表すグラフを上側に示す。ここで(d)についてみると補正前の信号と補正後の信号とにDCオフセットが生じている。
ここで、バランス検出法の自動バランスにおいては、上記課題で述べたようなポンプ・プローブ法の測定において生じる誤差及び制限に係る問題がある。具体的には、例えば、(1)DCオフセット問題、(2)ダイナミックレンジ問題、(3)自動バランスの応答速度問題、の各種の問題が存在する。以下、それぞれの問題について詳細を説明する。
(1)DCオフセット問題について説明する。差分後の信号のDCオフセットは、プローブ信号の強度と参照信号の強度との違いに由来する。この差分後の信号のDCオフセットを自動バランスの制御に用いる。しかし、光強度の差分に由来するDCオフセットに回路素子のDCオフセットが加わる場合、最適ゲインに誤差を与えてしまう。
DCオフセットが生じる回路素子としては、アンプ、フォトダイオード暗電流、及び可変ゲインアンプ等が挙げられる。アンプは、ほぼ定数であり、可変抵抗などで補正可能である。フォトダイオード暗電流は、温度に敏感で不安定な性質を持つ。可変ゲインアンプは、設定したゲインにDCオフセットが依存する。ゲイン制御では、差分後のDCレベルに基づいてプローブ信号と参照信号とのバランスを取るので、光強度比ごとに最適なフィードバック目標点が変動してしまう。つまり帰還制御中にDCオフセットに変動が生じ、不安定な性質を持つ。
(2)ダイナミックレンジ問題について説明する。ダイナミックレンジとは、回路素子のノイズと最大出力値との比で表される。図5は、ノイズのない状況のDCオフセットと信号の強度変調の深さの比の例を示す図である。回路素子は、信号の強度変化より10から10程度(1,000から100,000倍程度)大きな光検出信号のDC成分でも飽和しないようにしつつ、ノイズは信号よりも小さい必要がある。このように回路素子には、大きなダイナミックレンジが要求される。ある素子が大きなDC成分を含む信号で飽和しないように、その素子に入力する信号を減衰させる際には、その素子が発生するノイズは入力信号の減衰とは無関係に一定である。そのため、このような場合には相対的なノイズの寄与が大きく(信号雑音比が小さく)なる。以上のように信号よりもノイズを小さく抑えつつ、大きなDC成分を含んだ信号でも飽和しないようなダイナミックレンジを確保することは難しく、特に可変ゲインアンプでは、ダイナミックレンジの確保が難しい。
(3)自動バランスの応答速度問題について説明する。要請されるポンプ光Puの変調速度の関係は、「試料の測定点移動<自動バランス<ポンプ光の強度変調」となっている。試料の測定点移動速度が、自動バランスの速度よりも遅いことにより、自動バランスが透過率変化に追随できる。また、自動バランスの速度が、ポンプ光の強度変調の速度よりも遅いことにより、バランス補正後にも、プローブ信号が観測可能である。自動バランスの速度が、ポンプ光の強度変調の速度よりも速くなってしまうと、プローブ信号の振幅が補正で打ち消されてしまい、実質的にプローブ信号が消滅してしまう。また、ポンプ光の強度変調は速くできないことがある。ポンプ光Puの強度変調の制限には、光熱顕微鏡等の試料の応答速度による制限、光変調器による制限、及びパルス光源の場合のパルス繰り返し周波数による制限等がある。また、試料の測定点移動速度は自動バランスの応答速度で制限される。
以上の従来法の各問題に対して、本実施形態の手法を適用することにより、(1)~(3)の全ての問題を同時に解決できる。本実施形態の手法では、差分後のDCオフセットではなく、プローブ信号の信号強度と参照信号の信号強度とのバランスが崩れたとき(アンバランス時)に現れるノイズそのものを自動バランスの誤差信号とする。アンバランス時に出力中に現れるプローブ光Prのプローブ信号に含まれる光源ノイズと参照光の参照信号に含まれる光源ノイズ(レプリカ)を乗算すると、交流成分だったノイズのうち、同じノイズのみがDC成分となる。このDC成分を自動バランスの誤差信号とする。可変ゲインアンプ16は、誤差信号を用いて、プローブ信号及び参照信号間の信号強度差を補正するように、プローブ信号を制御する。
各問題が解決できる理由を説明する。(1)DCオフセット問題については、光源に現れるノイズは交流成分であるため、回路素子のDCオフセットとは無関係である。そのため、回路素子に現れるDC成分を除去してしまっても問題がない。(2)ダイナミックレンジ問題については、ノイズと試料による信号のレベルが近いため、ダイナミックレンジを消費しないことが挙げられる。従来法で必要であった、ダイナミックレンジを多く消費する、光検出信号中の大きなDC成分は除去できる。(3)自動バランスの応答速度問題については、ノイズは試料の信号とは相関がないため、誤差信号中には試料の信号が含まれない。よって、誤差信号を用いた自動バランスでは、自動バランスの応答速度を高速にしても、試料の信号が自動バランスで打ち消されることはないため、自動バランスの応答速度を高速にできる。
図6は、本実施形態の信号処理装置10の構成を示す図である。信号処理装置10では、自動バランスの制御を行う装置の構成に加えて、バンドパスフィルタ18(18A及び18B)、ローノイズアンプ19(19A及び19B)、ハイパスフィルタ20(20A及び20B)及び乗算器21を有する。バンドパスフィルタ18Aが本開示の第1バンドパスフィルタ、バンドパスフィルタ18Bが本開示の第2バンドパスフィルタの一例である。ローノイズアンプ19Aが本開示の第1アンプ、ローノイズアンプ19Bが本開示の第2アンプの一例である。ハイパスフィルタ20Aが本開示の第1ハイパスフィルタ、ハイパスフィルタ20Bが本開示の第2ハイパスフィルタの一例である。
バンドパスフィルタ18について説明する。バンドパスフィルタ18では、光検出信号の不要な成分を除去する。不要な成分は、信号のDC成分、及びその他測定に不要な成分である。バンドパスフィルタ18Aは、プローブ信号の不要な成分を除去する。バンドパスフィルタ18Bは、参照信号の不要な成分を除去する。
ローノイズアンプ19について説明する。ローノイズアンプ19では、可変ゲインアンプ16より高い信号雑音比で信号を増幅する。バンドパスフィルタ18により不要な成分を取り除いたために、信号と必要な帯域にある光源揺らぎのノイズを飽和することなく増幅できる。ローノイズアンプ19Aは、プローブ信号を増幅する。ローノイズアンプ19Bは、参照信号を増幅する。
バンドパスフィルタ18A及び18B、並びにローノイズアンプ19A及び19Bは、主に(2)ダイナミックレンジ問題の解決に資する構成である。
プローブ信号についてはローノイズアンプ19Aによる増幅後に、可変ゲインアンプ16で増幅されてから、ハイパスフィルタ20に入力される。
ハイパスフィルタ20について説明する。ハイパスフィルタ20では、回路素子のDCオフセットの成分を除去する。これにより可変ゲインアンプ16などの不安定なDCオフセットは制御に関連しなくなる。ハイパスフィルタ20Aは、プローブ信号のDCオフセットを除去する。ハイパスフィルタ20Bは、参照信号のDCオフセットを除去する。ハイパスフィルタ20は、主に(1)DCオフセット問題の解決に資する構成である。
ハイパスフィルタ20Aから出力されたプローブ信号と、ハイパスフィルタ20Bから出力された参照信号とが差分器15に入力され、差分器15から、プローブ信号と参照信号とのアンバランス時の差分のノイズが出力される。
乗算器21には、差分器15から出力された差分のノイズとハイパスフィルタ20Bから出力された参照信号とが入力される。乗算器21で差分のノイズと参照信号とを乗算することにより誤差信号が得られる。自動ゲイン制御器17は、乗算器21で得られた誤差信号により、プローブ信号及び参照信号間の信号強度誤差を補正するように、プローブ信号を制御するためのゲイン(利得)を自動的に調整する。可変ゲインアンプ16は、自動ゲイン制御器17により調整されたゲインに従って、プローブ信号の強度を制御する。自動ゲイン制御器17及び乗算器21は、主に(3)自動バランスの応答速度問題の解決に資する構成である。これによりポンプ光の変調速度を超えた応答速度の自動バランスが実現可能となる。
以上説明したように、本開示の実施形態に係る信号処理装置10によれば、ポンプ・プローブ法の測定において生じる誤差及び制限に係る問題を解決できる。
なお、本開示は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。
例えば、可変ゲインアンプ16及び自動ゲイン制御器17を、プローブ信号側の代わりに参照信号側に設けるようにしてもよい。この場合には、参照信号をローノイズアンプ19Bによる増幅後に、可変ゲインアンプ16で増幅し、ハイパスフィルタ20に入力する。自動ゲイン制御器17は、乗算器21で得られた誤差信号により、参照信号を制御して、プローブ信号及び参照信号間の信号強度誤差を補正する。
また、プローブ信号側だけでなく、参照信号側にも可変ゲインアンプを設けるようにしてもよい。このようにすると、プローブ信号と参照信号の周波数特性をほぼ同一に保つことができ、広帯域でノイズを効率よく削減できる。さらに、乗算器直前の参照信号に対して自動ゲイン制御アンプ22を挿入しても良い。自動ゲイン制御アンプ22は乗算器に入力される参照信号の強度を一定に保つ働きがある。これにより、光源の状態が変化してノイズの大きさが変化しても信号処理装置10を安定に動作させることが可能になる。図7に参照信号側に可変ゲインアンプ及び自動ゲイン制御アンプ22を設ける信号処理装置10の構成の変形例を示す。プローブ信号側を可変ゲインアンプ16A、自動ゲイン制御器17とし、参照信号側を可変ゲインアンプ16B、乗算器前に自動ゲイン制御アンプ22とする構成である。この構成において、可変ゲインアンプ16Bによる増幅後にハイパスフィルタ20Bによりフィルタリングする。可変ゲインアンプ16Bには定数を与える。また、自動ゲイン制御アンプ22により、ハイパスフィルタ20Bから出力された参照信号を乗算器21に入力する平均信号強度を一定に保つよう制御する。
また、上記実施形態では、(1)DCオフセット問題、(2)ダイナミックレンジ問題、(3)自動バランスの応答速度問題、の全ての課題を解決できる全ての構成を、図6において説明した。しかし、信号処理装置10は、3つの課題のうち少なくとも1つを解決する構成だけ有しても良い。例えば、(3)自動バランスの応答速度問題を解決する構成として、図6のうち、乗算器21及び自動ゲイン制御器17を備えつつ、バンドパスフィルタ18A及び18B、ローノイズアンプ19A及び19B、並びにハイパスフィルタ20が省略されても良い。バンドパスフィルタ18A及び18B、ローノイズアンプ19A及び19B、並びにハイパスフィルタ20は、選択的に、適用しても良い。
10 信号処理装置
11 強度変調器
12A、12D ミラー
12B ミラー又はビームコンバイナ
12C 光学フィルタ
13 ビームスプリッタ
14(14A、14B) 受光器
15 差分器
16(16A、16B) 可変ゲインアンプ
17 自動ゲイン制御器
18(18A、18B) バンドパスフィルタ
19(19A、19B) ローノイズアンプ
20(20A、20B) ハイパスフィルタ
21 乗算器
22 自動ゲイン制御アンプ

Claims (5)

  1. プローブ光を試料に照射することにより得られる信号であるプローブ信号の信号強度と、参照光から得られる参照信号の信号強度とがバランスしていない時に前記プローブ信号の信号強度と前記参照信号の信号強度との差分として現れるノイズを、前記参照信号に乗算することにより誤差信号を得る乗算器と、
    前記乗算器により得た前記誤差信号により、前記プローブ信号及び前記参照信号間の信号強度差を補正するように、前記プローブ信号及び前記参照信号の少なくとも一方を制御するためのゲインを自動的に調整する自動ゲイン制御器と、
    を含む信号処理装置。
  2. 回路の直流オフセットの影響を除去するためのハイパスフィルタである、第1ハイパスフィルタ及び第2ハイパスフィルタを更に含み、
    前記第1ハイパスフィルタについては、前記プローブ信号のノイズの直流オフセットを除去し、
    前記第2ハイパスフィルタについては、前記参照信号のノイズの直流オフセットを除去する請求項1に記載の信号処理装置。
  3. 前記プローブ信号から、所定の不要な成分を除去する第1バンドパスフィルタと、
    前記参照信号から、所定の不要な成分を除去する第2バンドパスフィルタと、
    前記第1バンドパスフィルタを介した前記プローブ信号を増幅する第1アンプと、
    前記第2バンドパスフィルタを介した前記参照信号を増幅する第2アンプと、
    前記第1アンプを介した信号の強度を制御する第1可変ゲインアンプと、
    を更に含み、
    前記第1アンプ及び前記第2アンプは、前記第1可変ゲインアンプより高い信号雑音比で信号を増幅し、
    前記第1ハイパスフィルタは、前記第1可変ゲインアンプを介した前記プローブ信号のノイズの直流オフセットを除去し、
    前記第2ハイパスフィルタは、前記第2アンプを介した前記参照信号のノイズの直流オフセットを除去する、請求項2に記載の信号処理装置。
  4. 前記第1可変ゲインアンプとは別に第2可変ゲインアンプを更に含み、
    前記参照信号については、前記第2バンドパスフィルタによる除去をし、前記第2アンプで増幅して、前記第2可変ゲインアンプによる増幅後に前記第2ハイパスフィルタによる除去をする請求項3に記載の信号処理装置。
  5. 前記自動ゲイン制御器は前記プローブ信号を制御する第1自動ゲイン制御器であり、
    前記第1自動ゲイン制御器とは別に、前記参照信号を制御する自動ゲイン制御アンプを更に含み、
    前記自動ゲイン制御アンプは、前記第2ハイパスフィルタによる除去がされた前記参照信号を前記乗算器に入力する平均信号強度を制御する請求項4に記載の信号処理装置。
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