JP2023011153A - 船舶の制御方法、船舶制御プログラム、船舶制御システム及び船舶 - Google Patents

船舶の制御方法、船舶制御プログラム、船舶制御システム及び船舶 Download PDF

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倫宏 澤野
Michihiro Sawano
純兵 澤田
Jumpei Sawada
健司 小方
Kenji Ogata
洋祐 清水
Yosuke Shimizu
雄輝 梶川
Yuki Kajikawa
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Abstract

Figure 2023011153000001
【課題】推進モードを切り替える際の操作性向上を図ることができる船舶の制御方法、船舶制御プログラム、船舶制御システム及び船舶を提供する。
【解決手段】船舶は、第1動力源31(エンジン)及び第2動力源32(モータ)を含む複数の動力源31,32を備え、複数の動力源31,32のうち船体の推進に用いられる動力源31,32が異なる複数の推進モードを有する。船舶の制御方法は、かみ合い式の第2クラッチ332におけるモータ側のモータ側回転体332Cと相手装置側の相手側回転体332Aとが嵌入する前に、モータの回転数制御により、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの間に回転数差を設定すること、を有する。
【選択図】図6

Description

本開示は、エンジン及びモータを含む複数の動力源のうち船体の推進に用いられる動力源が異なる複数の推進モードを有する船舶の制御方法、船舶制御プログラム、船舶制御システム及び船舶に関する。
関連技術として、エンジン及びモータ(電動機器)を備え、エンジンによる航走、エンジン及びモータによる航走、並びにモータによる航走を含む複数の推進モード(駆動形態)を有するハイブリッドシステムを搭載した船舶が知られている(例えば、特許文献1参照)。関連技術に係る船舶は、エンジン及びモータを含む複数の動力源と、プロペラとの間に介装される動力伝達部を更に備え、プロペラの駆動をエンジンとモータとの両方により可能する。ここで、ハイブリッドシステムは、動力伝達部に含まれるクラッチを切り替えることにより、上記推進モードを切替可能に構成されている。
関連技術に係る船舶では、操作レバーを操作して、その操作位置を調節することにより、船体の前進、中立、後進を切り替えるとともに、エンジンの駆動力(回転数)又はモータの駆動力(回転数)の調節を行う。
特開2004-255972号公報
上記関連技術においては、ドグクラッチ等のクラッチの嵌入はエンジンの回転数をアイドル回転数に維持した状態で行われるので、クラッチ嵌入の度に、操作部(操作レバー)を中立位置に戻す必要があり、推進モードを切り替える際の操作性向上が望まれる。
本開示の目的は、推進モードを切り替える際の操作性向上を図ることができる船舶の制御方法、船舶制御プログラム、船舶制御システム及び船舶を提供することにある。
本開示の一態様に係る船舶の制御方法は、エンジン及びモータを含む複数の動力源を備え、前記複数の動力源のうち船体の推進に用いられる動力源が異なる複数の推進モードを有し、前記船体の推進力を発生する出力部及び前記エンジンの少なくとも一方からなる相手装置と前記モータとの間にかみ合い式のクラッチが設けられた船舶に用いられる。前記船舶の制御方法は、前記クラッチにおける前記モータ側のモータ側回転体と前記相手装置側の相手側回転体とが嵌入する前に、前記モータの回転数制御により、前記モータ側回転体と前記相手側回転体との間に回転数差を設定すること、を有する。
本開示の一態様に係る船舶制御プログラムは、前記船舶の制御方法を、1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムである。
本開示の一態様に係る船舶制御システムは、船舶に用いられ、モータ回転数処理部を備える。前記船舶は、エンジン及びモータを含む複数の動力源を備え、前記複数の動力源のうち船体の推進に用いられる動力源が異なる複数の推進モードを有し、前記船体の推進力を発生する出力部及び前記エンジンの少なくとも一方からなる相手装置と前記モータとの間にかみ合い式のクラッチが設けられる。前記モータ回転数処理部は、前記クラッチにおける前記モータ側のモータ側回転体と前記相手装置側の相手側回転体とが嵌入する前に、前記モータの回転数制御により、前記モータ側回転体と前記相手側回転体との間に回転数差を設定する。
本開示の一態様に係る船舶は、前記船舶制御システムと、前記船体と、を備える。
本発明によれば、推進モードを切り替える際の操作性向上を図ることができる船舶の制御方法、船舶制御プログラム、船舶制御システム及び船舶を提供することができる。
図1は、実施形態1に係る船舶の概略構成を示す外観図である。 図2は、実施形態1に係る船舶の概略構成を示すブロック図である。 図3は、実施形態1に係る船舶の駆動ユニットの概略図である。 図4は、実施形態1に係る船舶のモータ推進モード及びエンジン推進モードにおける駆動ユニットの状態を示す概略図である。 図5は、実施形態1に係る船舶のハイブリッド推進モードにおける駆動ユニットの状態を示す概略図である。 図6は、実施形態1に係る船舶のかみ合い式のクラッチの動作を説明する概略図である。 図7は、実施形態1に係る船舶制御システムで用いられる相手側回転体の回転数と回転数差との関係の一例を示すグラフである。 図8は、実施形態1に係る船舶制御システムの動作例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本開示を具体化した一例であって、本開示の技術的範囲を限定する趣旨ではない。
(実施形態1)
[1]全体構成
まず、本実施形態に係る船舶10の全体構成について、図1及び図2を参照して説明する。
船舶10は、海、湖又は河川等の水上を航行(航走)する移動体である。本実施形態では一例として、船舶10は、主としてスポーツ又はレクリエーション等に用いられる小型船舶である「プレジャーボート」である。また、本実施形態では、船舶10は、人(操縦者)の操作(遠隔操作を含む)に応じて動作する構成であって、特に、操縦者である人が搭乗可能な有人タイプであることとする。
船舶10は、図1に示すように、船体1と、船舶制御システム2と、を備えている。船体1は、動力を発生する駆動ユニット3と、船体1を推進させるための推進力を出力する出力部4と、人(操縦者)の操作を受け付ける操作装置5と、を備えている。これに加えて、船体1は、舵機構、表示装置、通信装置、及び照明設備等を含む種々の船内設備等を更に備えている。
駆動ユニット3は、図2に示すように、複数の動力源31,32と、動力伝達部33と、を有している。出力部4は、本実施形態ではプロペラを含み、駆動ユニット3で発生する動力を受けて、回転軸(プロペラシャフト)を中心にプロペラを回転させることにより、船体1を前進又は後進させるための推進力を出力する。
複数の動力源31,32は、少なくとも第1動力源31及び第2動力源32を含み、それぞれ船体1の推進に用いられる動力(機械的エネルギー)を発生する。これら複数の動力源31,32は互いに出力特性が異なっており、第1動力源31と第2動力源32とでも、少なくとも最大出力(最高回転数及び最大トルク)が異なる。本実施形態では、第1動力源31と第2動力源32とは、その方式及び種類等が完全に異なる異種の動力源である。要するに、本実施形態に係る船舶10は、複数種類の動力源31,32を有するハイブリッド式の駆動ユニット3を備えている。
本実施形態では一例として、第1動力源31は燃料の燃焼により動力を発生するエンジン(内燃機関)であって、第2動力源32は電力(電気エネルギー)の供給を受けて動力を発生するモータ(電動機)である。より詳細には、第1動力源31は、軽油を燃料として駆動されるディーゼルエンジンであって、第2動力源32は、交流電力により駆動される交流モータである。
第1動力源31と第2動力源32とは、個別に駆動され、それぞれ動力を発生する。そのため、複数の動力源31,32は、例えば、第1動力源31及び第2動力源32のうちの第1動力源31のみが駆動される状態、第2動力源32のみが駆動される状態、及び第1動力源31及び第2動力源32の両方が駆動される状態等を切替可能である。ここで、第1動力源31で発生する動力と第2動力源32で発生する動力とは、動力伝達部33にて合成され、合成された動力が出力部4に供給される。そのため、例えば、エンジンからなる第1動力源31の動力にモータからなる第2動力源32の動力が合成されることにより、第2動力源32が第1動力源31をアシストして、より大きな動力で出力部4を駆動することが可能である。
動力伝達部33は、複数の動力源31,32と出力部4との間に設けられている。動力伝達部33は、複数の動力源31,32で発生する動力が入力され、この動力を出力部4に伝達する機能を有している。ここで、動力伝達部33は、複数の動力源31,32からの動力を合成し、合成された動力を出力部4へと出力する。
さらに、動力伝達部33は、複数の動力源31,32の各々から出力部4に動力を伝達するか否かを、つまり「伝達状態」と「遮断状態」とを切り替える機能を有している。本開示でいう「伝達状態」は、各動力源31,32と出力部4との間を機械的に接続し、各動力源31,32から出力部4に動力を伝達する状態である。動力伝達部33が伝達状態にあるときに各動力源31,32が駆動することにより、各動力源31,32で発生する動力によって出力部4が駆動される。本開示でいう「遮断状態」は、各動力源31,32と出力部4との間を機械的に遮断し、各動力源31,32から出力部4に動力を伝達しない状態である。動力伝達部33が遮断状態にあるときに各動力源31,32が駆動しても、各動力源31,32で発生する動力は出力部4に伝達されないため出力部4は駆動されない。
駆動ユニット3について詳しくは「[2]駆動ユニットの構成」の欄で説明する。
出力部4で発生する船体1の推進力に関する出力値は、駆動ユニット3から出力部4に伝達される動力に応じて変化する。本開示でいう「出力値」は、船体1の推進力に関する値であればよく、例えば、出力部4におけるプロペラの回転数(回転速度)、又は船体1の速度(船速)等である。本実施形態では一例として、出力部4のプロペラの回転数が「出力値」であることとする。つまり、基本的には、駆動ユニット3から出力される動力が大きくなるほど、出力値(プロペラの回転数)は大きく(高速回転に)なる。
船舶制御システム2は、CPU(Central Processing Unit)等の1以上のプロセッサと、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の1以上のメモリとを有するコンピュータシステムを主構成とし、種々の処理(情報処理)を実行する。船舶制御システム2における1以上のメモリには、1以上のプロセッサに船舶10の制御方法を実行させるためのプログラム(船舶制御プログラム)が記録されている。
船舶制御システム2は、少なくとも駆動ユニット3の制御を行う。つまり、船舶制御システム2は、例えば、第1動力源31及び第2動力源32の各々の駆動状況、並びに動力伝達部33の状態(伝達状態/遮断状態等)を制御する。
本実施形態では、船舶制御システム2は、操作装置5と電気的に接続されており、操作装置5からの操作信号に応じて、駆動ユニット3等の制御を行う。例えば、船舶制御システム2は、操作装置5からの操作信号に応じて駆動ユニット3を制御して、出力部4のプロペラを回転させることにより、船体1を前進又は後進させることが可能である。さらに、船舶制御システム2は、第1動力源31又は第2動力源32の出力(回転数又はトルク)を制御することにより、出力部4のプロペラの回転数を調節し、船体1の移動速度(船速)を調節することが可能である。
また、船舶制御システム2は、複数の推進モードを切替可能である。本開示でいう「推進モード」は、複数の動力源31,32のうち、船体1の推進に用いられる動力源31,32が異なるモードである。つまり、船舶制御システム2は、複数の動力源31,32のいずれを船体1の推進に用いるかを切り替えることにより、複数の推進モードを切替可能である。
本実施形態では一例として、複数の推進モードは、ハイブリッド推進モード、モータ推進モード及びエンジン推進モードの3つの推進モードを含んでいる。ハイブリッド推進モードは、第1動力源31(エンジン)及び第2動力源32(モータ)の両方を船体1の推進に用いる推進モードである。モータ推進モードは、第1動力源31及び第2動力源32のうちの第2動力源32(モータ)のみを船体1の推進に用いる推進モードである。エンジン推進モードは、第1動力源31及び第2動力源32のうちの第1動力源31(エンジン)のみを船体1の推進に用いる推進モードである。
本実施形態では、船舶制御システム2は、船体1全体の制御を行う統合コントローラであって、例えば、電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)からなる。ただし、船舶制御システム2は、統合コントローラと別に設けられていてもよい。船舶制御システム2について詳しくは「[3]船舶制御システムの構成」の欄で説明する。
操作装置5は、人(操縦者)の操作を受け付けるユーザインタフェースであって、一例として、船体1のうちの操縦者が搭乗する操縦室に配置されている。操作装置5は、例えば、操縦者による各種の操作を受け付けて、当該操作に応じた電気信号(操作信号)を船舶制御システム2に出力する。本実施形態では一例として、操作装置5は、回転操作可能な操作レバーからなる操作部51(図2参照)を含んでいる。操作装置5は、操作部51の位置(回転角度)を検知するエンコーダ等の検知部を含んでおり、操作部51の位置にから操作部51の操作量を検知し、操作量を表す操作信号を出力する。また、操作装置5は、複数の機械式スイッチ、タッチパネル及び操作ダイヤル等を更に含んでいてもよい。
操縦室には、表示装置及び通信装置等も配置されている。表示装置は、人(操縦者)に種々の情報を出力するためのユーザインタフェースである。表示装置は、例えば、船舶制御システム2と電気的に接続されており、船舶制御システム2からの表示制御信号に従って、種々の画面を表示する。通信装置は、船体1の外部の別システム(サーバ等を含む)と通信可能に構成されており、別システムとの間でデータの授受が可能である。
[2]駆動ユニットの構成
次に、駆動ユニット3の構成について、図3~図5を参照してより詳細に説明する。
駆動ユニット3は、上述したように複数の動力源31,32(第1動力源31及び第2動力源32)と、動力伝達部33と、を有している。また、駆動ユニット3は、図3に示すように、アクチュエータ34、駆動回路351、主バッテリ352及び充電回路353等を更に有している。図3等において、駆動回路351と主バッテリ352との間のように電気的な接続関係については、破線にて示している。
本実施形態では、第1動力源31は、ディーゼルエンジンであって、シリンダ等によって区画された燃焼室を有し、当該燃焼室内で燃料(軽油)が燃焼することによって、ピストンを往復運動する。第1動力源31には、ピストンの往復運動を受けて回転運動するクランクシャフトが出力軸として設けられており、クランクシャフトが動力伝達部33に接続されている。これにより、動力伝達部33には、クランクシャフトを通して第1動力源31からの動力が入力される。
本実施形態では、第2動力源32は、交流モータであって、インバータ回路からなる駆動回路351から供給される交流電力(交流電圧)によって駆動される。駆動回路351は、主バッテリ352に電気的に接続されており、主バッテリ352から出力される直流電圧を交流電圧に変換して第2動力源32に供給することで、第2動力源32を駆動する。第2動力源32の出力軸は動力伝達部33に接続されており、動力伝達部33には、出力軸を通して第2動力源32からの動力が入力される。主バッテリ352は、補機バッテリとは別に設けられており、一例として、リチウムイオンバッテリ等の大容量の二次電池(蓄電池)からなる。充電回路353は、主バッテリ352に電気的に接続されており、例えば、陸上電源(電力系統)又はオルタネータ等の出力電力を用いて、主バッテリ352を充電する。
さらに、本実施形態では、駆動回路351は、双方向インバータ回路であって、直流電圧を交流電圧に変換するだけでなく、交流電圧を直流電圧に変換する機能も有する。そのため、駆動回路351は、主バッテリ352から出力される直流電圧を交流電圧に変換して第2動力源32に出力するだけでなく、第2動力源32から出力される交流電圧を直流電圧に変換して主バッテリ352に出力することも可能である。つまり、本実施形態に係る駆動ユニット3では、第2動力源32を発電機として用いることで、第2動力源32が外力によって回転する際に発生する電気エネルギー(交流電力)を利用して、駆動回路351にて主バッテリ352を充電することが可能である。
本実施形態では、動力伝達部33は、図3に示すように、第1クラッチ331、第2クラッチ332、第1ギア333、第2ギア334、第3ギア335及び第4ギア336を含んでいる。図3等では、動力伝達部33の構成を簡略化して示しているが、第1ギア333、第2ギア334、第3ギア335及び第4ギア336等は、マリンギアとしての減速装置に含まれる。
第1クラッチ331は、第1動力源31の出力軸(クランクシャフト)と、出力部4との間に挿入されている。つまり、第1クラッチ331は、第1動力源31から出力部4への動力伝達経路の途中に位置している。第1クラッチ331は、入力側回転体331A及び出力側回転体331Bを有し、入力側回転体331A及び出力側回転体331Bがつながった状態(伝達状態)と、切り離された状態(遮断状態)とを切替可能に構成されている。
入力側回転体331Aは、第1動力源31の出力軸(クランクシャフト)に接続されており、出力側回転体331Bは、出力部4に接続されている。これにより、入力側回転体331Aは、第1動力源31で発生する動力を受けて回転する。そして、第1クラッチ331が伝達状態にあれば、第1動力源31の動力は第1クラッチ331を介して出力部4に伝達され、第1クラッチ331が遮断状態にあれば、第1動力源31の動力は第1クラッチ331で遮断され出力部4には伝達されない。
第1クラッチ331は、一例として、湿式多板クラッチ等の油圧クラッチからなり、油圧ポンプを含む油圧回路から作動油が供給されることにより、伝達状態と遮断状態との切り替えが行われる。第1クラッチ331の伝達状態と遮断状態との切り替えは、例えば、油圧回路の電磁バルブを、船舶制御システム2にて制御することにより行われる。つまり、船舶制御システム2は、直接的又は間接的に、第1クラッチ331を制御して、第1クラッチ331を伝達状態と遮断状態とで切り替える。
第1ギア333は、第1クラッチ331の入力側回転体331Aに接続されており、入力側回転体331Aの回転に伴って回転する。第2ギア334は、第1ギア333と噛み合うように設けられており、第1ギア333と共に回転する。第3ギア335は、第1クラッチ331の出力側回転体331Bに接続されており、出力側回転体331Bの回転に伴って回転する。第4ギア336は、第3ギア335と噛み合うように設けられており、第3ギア335と共に回転する。
第2クラッチ332は、第2動力源32の出力軸と、第2ギア334及び第4ギア336との間に挿入されている。つまり、第2クラッチ332は、第2動力源32から出力部4への動力伝達経路の途中に位置している。第2クラッチ332は、モータ側回転体332C及び相手側回転体332A,332Bを有し、モータ側回転体332C及び相手側回転体332A,332Bがつながった状態(伝達状態)と、切り離された状態(遮断状態)とを切替可能に構成されている。
本実施形態では、相手側回転体332A,332Bとして、第1相手側回転体332Aと第2相手側回転体332Bとが設けられている。第2クラッチ332は、モータ側回転体332Cが第1相手側回転体332Aにつながった第1伝達状態と、モータ側回転体332Cが第2相手側回転体332Bにつながった第2伝達状態と、モータ側回転体332Cが第1相手側回転体332A及び第2相手側回転体332Bのいずれからも切り離された遮断状態と、を切替可能である。
モータ側回転体332Cは、第2動力源32の出力軸に接続されている。第1相手側回転体332Aは、第2ギア334に接続されており、第2相手側回転体332Bは、第4ギア336に接続されている。これにより、モータ側回転体332Cは、第2動力源32で発生する動力を受けて回転する。そして、第2クラッチ332が第1伝達状態にあれば、第2動力源32の動力は第2クラッチ332、第2ギア334及び第1ギア333を介して第1クラッチ331の入力側回転体331Aに伝達される。このとき、第1クラッチ331が伝達状態にあれば、第2動力源32の動力は、第1動力源31の動力と合成され、第1クラッチ331を介して出力部4に伝達される。また、第2クラッチ332が第2伝達状態にあれば、第2動力源32の動力は第2クラッチ332、第4ギア336及び第3ギア335を介して出力部4に伝達される。一方、第2クラッチ332が遮断状態にあれば、第2動力源32の動力は第2クラッチ332で遮断され出力部4には伝達されない。
第2クラッチ332は、一例として、ドグクラッチ等のかみ合い式のクラッチからなる。第2クラッチ332の、第1伝達状態、第2伝達状態及び遮断状態の切り替えは、モータ側回転体332Cを、シフターからなるアクチュエータ34によって移動させることにより行われる。アクチュエータ34は、モータ側回転体332Cを第1相手側回転体332Aに嵌入する位置に移動させることで、第2クラッチ332を、モータ側回転体332Cと第1相手側回転体332Aとが噛み合う第1伝達状態にする。また、アクチュエータ34は、モータ側回転体332Cを第2相手側回転体332Bに嵌入する位置に移動させることで、第2クラッチ332を、モータ側回転体332Cと第2相手側回転体332Bとが噛み合う第2伝達状態にする。アクチュエータ34は、モータ側回転体332Cを第1相手側回転体332A及び第2相手側回転体332Bのいずれにも嵌入しない位置に移動させることで、第2クラッチ332を、遮断状態にする。
第2クラッチ332の第1伝達状態、第2伝達状態及び遮断状態の切り替えは、例えば、電動式のアクチュエータ34を、船舶制御システム2にて制御することにより行われる。つまり、船舶制御システム2は、直接的又は間接的に、第2クラッチ332を制御して、第2クラッチ332を伝達状態(第1伝達状態又は第2伝達状態)と遮断状態とで切り替える。
上述したような構成の駆動ユニット3によれば、船舶制御システム2が、第1クラッチ331及び第2クラッチ332を制御することで、図4及び図5に例示するように複数の推進モードを切替可能である。図4及び図5では、各推進モードにおける駆動ユニット3の状態を模式的に表しており、駆動回路351、主バッテリ352及び充電回路353の図示を省略する。また、図4及び図5では、動力源31,32から出力部4に伝達される動力を(太線の)破線矢印で示している。
図4の上段は、第1動力源31及び第2動力源32のうちの第2動力源32(モータ)のみを船体1の推進に用いるモータ推進モードを示している。モータ推進モードでは、船舶制御システム2は、第1クラッチ331を遮断状態に制御し、第2クラッチ332を第2伝達状態に制御する。さらに、モータ推進モードでは、船舶制御システム2は、第1動力源31を停止させ、主バッテリ352からの電力で第2動力源32を駆動させるように駆動回路351を制御する。これにより、図4に示すように、第2動力源32で発生する動力は、第2クラッチ332、第4ギア336及び第3ギア335を介して出力部4に伝達され、出力部4のプロペラを回転させて、船体1の推進力を発生することができる。
図4の下段は、第1動力源31及び第2動力源32のうちの第1動力源31(エンジン)のみを船体1の推進に用いるエンジン推進モードを示している。エンジン推進モードでは、船舶制御システム2は、第1クラッチ331を伝達状態に制御し、第2クラッチ332を遮断状態に制御する。さらに、エンジン推進モードでは、船舶制御システム2は、第1動力源31を駆動させ、第2動力源32を停止させるように駆動回路351を制御する。これにより、図4に示すように、第1動力源31で発生する動力は、第1クラッチ331を介して出力部4に伝達され、出力部4のプロペラを回転させて、船体1の推進力を発生することができる。
図5の上段は、第1動力源31(エンジン)及び第2動力源32(モータ)の両方を船体1の推進に用いるハイブリッド推進モードのうち、「低速」での航行に好適な「ハイブリッド推進モード(低速)」を示している。このハイブリッド推進モード(低速)では、船舶制御システム2は、第1クラッチ331を伝達状態に制御し、第2クラッチ332を第2伝達状態に制御する。さらに、ハイブリッド推進モード(低速)では、船舶制御システム2は、第1動力源31を駆動させ、主バッテリ352からの電力で第2動力源32を駆動させるように駆動回路351を制御する。これにより、図5に示すように、第1動力源31で発生する動力は、第1クラッチ331を介して出力部4に伝達され、第2動力源32で発生する動力は、第2クラッチ332、第4ギア336及び第3ギア335を介して出力部4に伝達される。結果的に、第1動力源31からの動力と第2動力源32からの動力とが合成され、出力部4のプロペラを回転させて、船体1の推進力を発生する。
図5の下段は、第1動力源31(エンジン)及び第2動力源32(モータ)の両方を船体1の推進に用いるハイブリッド推進モードのうち、「高速」での航行に好適な「ハイブリッド推進モード(高速)」を示している。このハイブリッド推進モード(高速)では、船舶制御システム2は、第1クラッチ331を伝達状態に制御し、第2クラッチ332を第1伝達状態に制御する。さらに、ハイブリッド推進モード(高速)では、船舶制御システム2は、第1動力源31を駆動させ、主バッテリ352からの電力で第2動力源32を駆動させるように駆動回路351を制御する。これにより、図5に示すように、第1動力源31で発生する動力は、第1クラッチ331を介して出力部4に伝達され、第2動力源32で発生する動力は、第2クラッチ332、第2ギア334、第1ギア333及び第1クラッチ331を介して出力部4に伝達される。結果的に、第1動力源31からの動力と第2動力源32からの動力とが合成され、出力部4のプロペラを回転させて、船体1の推進力を発生する。
また、図4の上段に示すモータ推進モードにおいて、船体1のセーリング時に、出力部4のプロペラの回転力を回生エネルギーとして主バッテリ352に供給することにより、主バッテリ352の充電を行うことも可能である(充電モード)。この場合、出力部4の回転力は、第3ギア335、第4ギア336及び第2クラッチ332を介して第2動力源32に伝達され、第2動力源32の出力軸を回転させることによって、第2動力源32にて交流電力を発生させる。第2動力源32で発生する交流電力は、双方向インバータ回路からなる駆動回路351により、主バッテリ352の充電に用いられる。
同様に、図5の下段に示すハイブリッド推進モード(高速)において、船体1のセーリング時又は停船(停泊)時には、第1動力源31で発生する動力を利用して、主バッテリ352の充電を行うことも可能である(充電モード)。この場合、船舶制御システム2が第1クラッチ331を遮断状態に制御することで、第1動力源31で発生する動力は、第1ギア333、第2ギア334及び第2クラッチ332を介して第2動力源32に伝達され、第2動力源32の出力軸を回転させることによって、第2動力源32にて交流電力を発生させる。第2動力源32で発生する交流電力は、双方向インバータ回路からなる駆動回路351により、主バッテリ352の充電に用いられる。
さらに、図3等では図示を省略しているが、駆動ユニット3は、第1クラッチ331を駆動するための油圧回路、及び各種のセンサ等を更に有している。
[3]船舶制御システムの構成
次に、本実施形態に係る船舶制御システム2の構成について、図2を参照して説明する。船舶制御システム2は、船舶10の構成要素であって、船体1と共に船舶10を構成する。言い換えれば、本実施形態に係る船舶10は、船舶制御システム2と、船体1と、を備えている。本実施形態では一例として、船舶制御システム2は、船体1に搭載されたコンピュータシステムである。
船舶制御システム2は、図2に示すように、モード切替処理部21と、エンジン制御部22と、モータ制御部23と、モータ回転数処理部24と、記憶部26と、を備えている。本実施形態では一例として、船舶制御システム2は1以上のプロセッサを有するコンピュータシステムを主構成とするので、1以上のプロセッサが船舶制御プログラムを実行することにより、これら複数の機能部(モード切替処理部21等)が実現される。船舶制御システム2に含まれる、これら複数の機能部は、複数の筐体に分散して設けられていてもよいし、1つの筐体に設けられていてもよい。
船舶制御システム2は、船体1の各部に設けられたデバイスと通信可能に構成されている。つまり、船舶制御システム2には、少なくとも操作装置5、第1動力源31、第2動力源32を駆動する駆動回路351、第1クラッチ331を制御するための電磁バルブ、及び第2クラッチ332を制御するためのアクチュエータ34等が、通信可能に接続されている。これにより、船舶制御システム2は、例えば、操作装置5からの操作信号に応じて、駆動ユニット3を制御すること等が可能である。ここで、船舶制御システム2は、各種の情報(電気信号)の授受を、各デバイスと直接的に行ってもよいし、中継器等を介して間接的に行ってもよい。
モード切替処理部21は、船舶10の推進モードを切り替える処理を実行する。本実施形態では、船舶10は、上述したようにハイブリッド推進モード、モータ推進モード及びエンジン推進モードを含む複数の推進モードを有している。本実施形態では、モード切替処理部21は、操作装置5に対する人(操縦者)の操作に従って、ハイブリッド推進モード、モータ推進モード又はエンジン推進モードのいずれかを選択する。一例として、操作装置5はモード選択スイッチを有しており、モード選択スイッチにてハイブリッド推進モード、モータ推進モード又はエンジン推進モードのいずれかの推進モードが選択されると、当該推進モードに切り替えられる。要するに、本実施形態では、推進モードの切り替えをユーザによる切替操作に応じて行う。
具体的に、モード切替処理部21は、選択された推進モードでの動作となるように駆動ユニット3を制御する。例えば、モード切替処理部21は、第1クラッチ331を遮断状態に制御し、第2クラッチ332を第2伝達状態に制御することで、船舶10の推進モードをモータ推進モードに切り替える(図4の上段参照)。また、モード切替処理部21は、第1クラッチ331を伝達状態に制御し、第2クラッチ332を遮断状態に制御することで、船舶10の推進モードをエンジン推進モードに切り替える(図4の下段参照)。モード切替処理部21で切り替えられた推進モード、つまり選択中の推進モードは、例えば、表示装置等で人(操縦者)に提示されることが好ましい。
エンジン制御部22は、エンジンからなる第1動力源31を制御する。具体的に、エンジン制御部22は、第1動力源31を駆動するための燃料噴射、及び排気弁開閉等の制御を行う。これにより、エンジン制御部22では、第1動力源31の出力(主として回転数)を、任意の値に調節するように第1動力源31を制御することが可能である。
モータ制御部23は、モータからなる第2動力源32を制御する。具体的に、モータ制御部23は、第2動力源32を駆動するための駆動回路351等の制御を行う。これにより、モータ制御部23では、第2動力源32の出力(主として回転数及びトルク)を、任意の値に調節するように第2動力源32を制御することが可能である。本実施形態では特に、モータ制御部23は、第2動力源32(モータ)の制御として、回転数制御(回転速度制御)とトルク制御との2種類の制御が可能である。回転数制御では、モータ制御部23は、第2動力源32(モータ)の目標回転数を設定し、当該目標回転数に近づけるように第2動力源32(モータ)の回転数を制御する。トルク制御では、モータ制御部23は、第2動力源32(モータ)の目標トルクを設定し、当該目標トルクに近づけるように第2動力源32(モータ)のトルクを制御する。
ただし、回転数制御(回転速度制御)とトルク制御との2種類の制御が可能なのは、第1動力源31(エンジン)と第2動力源32(モータ)とのうち、第2動力源32(モータ)についてのみである。つまり、エンジン制御部22は、モータ制御部23のように、回転数制御(回転速度制御)とトルク制御との2種類の制御に対応してはいない。
モータ回転数処理部24は、第2クラッチ332におけるモータ(第2動力源32)側のモータ側回転体332Cと相手装置側の相手側回転体332A,332Bとが嵌入する前に、モータ(第2動力源32)の回転数制御により、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A,332Bとの間に回転数差を設定する。ここで、第2クラッチ332は、ドグクラッチ等のかみ合い式のクラッチであって、相手装置とモータ(第2動力源32)との間に設けられている。ここでいう「相手装置」は、船体1の推進力を発生する出力部4、及びエンジン(第1動力源31)の少なくとも一方からなる。つまり、モータ回転数処理部24は、かみ合い式の第2クラッチ332の嵌入に際して、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A,332Bとの間に回転数差が生じるように、モータ制御部23にて第2動力源32(モータ)を回転数制御する。
要するに、相手装置が第1動力源31であれば、第1動力源31に接続された第1相手側回転体332Aに、モータ側回転体332Cが嵌入することで、第2クラッチ332は、第2動力源32と相手装置との間で動力を伝達可能な状態(第1伝達状態)となる。このように、第2クラッチ332が遮断状態から第1伝達状態に切り替わる際に、モータ回転数処理部24は、モータ側回転体332Cと第1相手側回転体332Aとの間に回転数差が生じるように、第2動力源32(モータ)を回転数制御する。同様に、相手装置が出力部4であれば、出力部4に接続された第2相手側回転体332Bに、モータ側回転体332Cが嵌入することで、第2クラッチ332は、第2動力源32と相手装置との間で動力を伝達可能な状態(第2伝達状態)となる。このように、第2クラッチ332が遮断状態から第2伝達状態に切り替わる際に、モータ回転数処理部24は、モータ側回転体332Cと第2相手側回転体332Bとの間に回転数差が生じるように、第2動力源32(モータ)を回転数制御する。
記憶部26は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性のストレージデバイスを含む。記憶部26には、船舶制御システム2に船舶の制御方法を実行させるための船舶制御プログラム等の制御プログラムが格納(記憶)されている。
[4]船舶の制御方法
以下、図6~図8を参照しつつ、主として船舶制御システム2によって実行される船舶10の制御方法(以下、単に「制御方法」ともいう)の一例について説明する。
本実施形態に係る制御方法は、コンピュータシステムを主構成とする船舶制御システム2にて実行されるので、言い換えれば、船舶制御プログラムにて具現化される。つまり、本実施形態に係る船舶制御プログラムは、船舶10の制御方法に係る各処理を1以上のプロセッサに実行させるためのコンピュータプログラムである。このような船舶制御プログラムは、例えば、船舶制御システム2及び端末装置等によって協働して実行されてもよい。
ここで、船舶制御システム2は、船舶制御プログラムを実行させるための予め設定された特定の開始操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を実行する。開始操作は、例えば、船舶10の電源オン操作等である。一方、船舶制御システム2は、予め設定された特定の終了操作が行われた場合に、制御方法に係る下記の各種処理を終了する。終了操作は、例えば、船舶10の電源オフ操作等である。
[4.1]全体処理
本実施形態に係る制御方法は、エンジン(第1動力源31)及びモータ(第2動力源32)を含む複数の動力源31,32を備える船舶10に用いられる。この船舶10は、複数の動力源31,32のうち船体1の推進に用いられる動力源31,32が異なる複数の推進モードを有する。さらに、船舶10は、船体1の推進力を発生する出力部4及びエンジン(第1動力源31)の少なくとも一方からなる相手装置とモータ(第2動力源32)との間に、かみ合い式のクラッチ(第2クラッチ332)が設けられている。
本実施形態に係る制御方法は、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A,332Bとが嵌入する前に、モータの回転数制御により、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A,332Bとの間に回転数差を設定すること、を有する。ここで、モータ側回転体332Cは、第2クラッチ332の回転体のうちモータ(第2動力源32)側の回転体である。相手側回転体332A,332Bは、第2クラッチ332の回転体のうち相手装置(出力部4及び第1動力源31の少なくとも一方)側の回転体である。
すなわち、船舶10の推進モードの切り替えに伴い第2クラッチ332が遮断状態から第1伝達状態(又は第2伝達状態)に切り替わる際、船舶制御システム2のモータ回転数処理部24は、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A(又は332B)との間に回転数差を設定する。このとき、モータ回転数処理部24は、第2動力源32(モータ)を回転数制御することによって、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A(又は332B)との間に回転数差を持たせる。
このように、本実施形態に係る制御方法では、船舶10の推進モードの切り替えに伴う、かみ合い式のクラッチ(第2クラッチ332)の嵌入に際して、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A,332Bとの間に積極的に回転数差を付与することができる。これにより、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A,332Bとが等速で回転する場合に比較して、第2クラッチ332が嵌入しやすくなる。そのため、例えば、第2クラッチ332の嵌入の度に、操作部51(操作レバー)を中立位置に戻すような操作が必要でなくなり、推進モードを切り替える際の操作性向上を図ることができる、という利点がある。
[4.2]具体的処理
以下に、第2クラッチ332の嵌入に際し、主としてモータ回転数処理部24で実行される処理について、図6及び図7を参照して、更に詳しく説明する。ここでは、船舶10の推進モードがエンジン推進モードからハイブリッド推進モード(高速)に切り替わる際の動作について説明する。
エンジン推進モードからハイブリッド推進モード(高速)に切り替わる場合、モード切替処理部21は、第2クラッチ332を遮断状態(図4の下段参照)から、第1伝達状態(図5の下段参照)に切り替える。このとき、第2クラッチ332においては、図6に示すように、相手装置としての第1動力源31に接続された第1相手側回転体332Aに、第2動力源32に接続されたモータ側回転体332Cが嵌入することになる。つまり、第2クラッチ332が遮断状態にあれば、図6に示すように、モータ側回転体332Cは、第1相手側回転体332Aから離間した「嵌脱位置」に位置する。モード切替処理部21は、モータ側回転体332Cを、シフターからなるアクチュエータ34によって移動させることで、第1相手側回転体332Aに嵌入される。
つまり、モータ側回転体332Cは、アクチュエータ34からの外力を受けて、まずは嵌脱位置から、その回転軸に沿って第1相手側回転体332Aに近づく向きに平行移動することで、「嵌入準備位置」に移動する。そして、モータ側回転体332Cは、アクチュエータ34からの外力を受けて、嵌入準備位置から、更に回転軸に沿って第1相手側回転体332Aに近づく向きに平行移動することで、第1相手側回転体332Aに嵌入した「嵌入位置」まで移動する。ここで、かみ合い式の第2クラッチ332において、モータ側回転体332Cが嵌入準備位置から嵌入位置に移動するには、モータ側回転体332Cのドグがうまく第1相手側回転体332Aに嵌る必要がある。
ところが、モータ側回転体332C及び第1相手側回転体332Aはいずれも回転している。そのため、第1相手側回転体332Aの回転数Rs1とモータ側回転体332Cの回転数Rs2とが一致する場合、モータ側回転体332Cのドグが第1相手側回転体332Aに干渉し、いつまでもモータ側回転体332Cが嵌入準備位置から嵌入位置に移動できない可能性がある。
これに対して、本実施形態に係る制御方法では、第2動力源32(モータ)を回転数制御することによって、モータ側回転体332Cの回転数Rs2を、相手側回転体332Aの回転数Rs1に対して高速側又は低速側にずらすことで、両者間に回転数差を持たせる。つまり、モータ側回転体332Cの回転数Rs2と相手側回転体332Aの回転数Rs1との間には、回転数差(Rs1-Rs2)が付与される。そのため、モータ側回転体332Cが嵌入準備位置から嵌入位置に移動する際、当該回転数差によって、モータ側回転体332Cのドグが第1相手側回転体332Aに嵌りやすくなる。結果的に、第2クラッチ332が嵌入しやすくなる。
このように、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの間の回転数差は、第2クラッチ332の嵌入を補助する目的で付与されている。そのため、回転数差は、下記条件を満たすように設定されていることが好ましい。当該条件は、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの嵌入に要する時間が所望時間以内になることと、嵌入の確率が所望確率以上になることと、の少なくとも一方を含む。このように回転数差が設定されることで、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの嵌入に要する時間が所望時間(例えば数秒)以内になるか、又は嵌入の確率が所望確率以上になり、第2クラッチ332が嵌入しやすくなる。
ところで、本実施形態では、相手側回転体332Aの回転数Rs1に応じて回転数差を変える。つまり、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの間の回転数差は一定ではなく、相手側回転体332Aの回転数Rs1に応じて変化し得る。そのため、相手側回転体332Aの回転数Rs1に応じて、よりモータ側回転体332Cが嵌入しやすい回転数差を設定することで、第2クラッチ332がより嵌入しやすくなる。一例として、相手側回転体332Aの回転数Rs1が750rpmであるとき、モータ側回転体332Cの回転数を700rpmに制御することで、50rpmの回転数差(Rs1-Rs2)を付与する。
本実施形態では特に、図7に示すように、相手側回転体332Aの回転数Rs1が判定値Vth1未満である場合、相手側回転体332Aの回転数Rs1が判定値Vth1以上である場合に比べて、回転数差(Rs1-Rs2)を大きくする。言い換えれば、相手側回転体332Aの回転数Rs1が判定値Vth1以上であれば、相手側回転体332Aの回転数Rs1が判定値Vth1未満である場合に比べて、回転数差は小さくなる。図7は、横軸を相手側回転体332Aの回転数Rs1とし、縦軸を回転数差(Rs1-Rs2)として、回転数Rs1と回転数差との関係の一例を示すグラフである。ここで、判定値Vth1は、一例として、第1動力源31の略アイドリング状態にあるときの相手側回転体332Aの回転数Rs1等であって、例えば100rpm程度である。
この構成によれば、例えば、第1動力源31の出力が低回転であるときには、回転数差(Rs1-Rs2)を大きくすることで、第2クラッチ332をより嵌入しやすくできる。図7では、回転数Rs1が判定値Vth1以上であれば回転数差は一定としているが、これに限らず、例えば、判定値Vth1以上の領域において回転数差は回転数Rs1に応じて変化してもよい。
さらに、本実施形態に係る制御方法では、相手側回転体332Aの駆動状態に応じて、回転数差の正負を切り替える。ここでは一例として、回転数差を、相手側回転体332Aの回転数Rs1からモータ側回転体332Cの回転数Rs2を差し引いた値(Rs1-Rs2)と定義する。そのため、回転数Rs2が回転数Rs1よりも小さければ(低速であれば)回転数差は「正」となり、回転数Rs2が回転数Rs1よりも大きければ(高速であれば)回転数差は「負」となる。言い換えれば、回転数差が「正」であれば、モータ側回転体332Cのトルクは相手側回転体332Aを減速させる向きに作用し、回転数差が「負」であれば、モータ側回転体332Cのトルクは相手側回転体332Aを加速させる向きに作用する。
すなわち、図7に示すように、相手側回転体332Aが略停止している状態では回転数差が「負」となり、相手側回転体332Aがある程度の回転数Rs1以上で回転している状態では回転数差が「正」となり、駆動状態に応じて、回転数差の正負を切り替える。これにより、例えば、相手側回転体332Aが回転している状態では、相手側回転体332Aを減速させる向きにモータ側回転体332Cのトルクを作用させ、相手側回転体332Aが過度に加速されることを防止できる。
また、本実施形態に係る制御方法では、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの嵌入開始前に、回転数差を設定するようにモータ(第2動力源32)を回転数制御しながら、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの距離を近づける。具体的には、嵌入開始前に、モータ(第2動力源32)を回転数制御しつつ、アクチュエータ34により、図6における「嵌脱位置」から「嵌入準備位置」まで、モータ側回転体332Cを移動させる。これにより、モータ側回転体332Cは、回転数差が生じるように回転数制御されつつ、所定距離だけモータ側回転体332Cに近づくことになる。ただし、嵌入準備位置ではモータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとは接触しないので、両者の嵌入は未だ開始しておらず、モータ側回転体332Cが「嵌入準備位置」から「嵌入位置」への移動を開始して初めて、嵌入が開始する。これにより、第2クラッチ332の嵌入に要する時間を短縮することができ、推進モードの切り替えがよりスムーズに行える。
また、本実施形態に係る制御方法では、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの嵌入開始後のトルク制御期間にモータ(第2動力源32)をトルク制御する。要するに、本実施形態では、モータ回転数処理部24は、第2動力源32(モータ)を回転数制御することによってモータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの間に回転数差を持たせた後、嵌入を開始し、その後に第2動力源32(モータ)の制御を回転数制御からトルク制御に切り替える。モータ制御部23が第2動力源32(モータ)をトルク制御する期間を「トルク制御期間」とすれば、第2動力源32(モータ)の回転数制御により回転数差が付与された状態で、モータ側回転体332Cが「嵌入準備位置」から「嵌入位置」への移動を開始した後、トルク制御期間が開始することになる。これにより、モータ側回転体332Cが相手側回転体332Aに嵌入した直後の、第2動力源32(モータ)と相手装置(例えば第1動力源31)との間の急激なトルク伝達(トルク変動)を防ぐことができる。
本実施形態では特に、トルク制御期間において、少なくともモータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの嵌入が完了するまでの間はモータ(第2動力源32)のトルクを所定範囲に維持する。つまり、嵌入開始後のトルク制御期間においては、少なくともモータ側回転体332Cが「嵌入位置」に到達することをもって嵌入が完了するまでの間は、第2動力源32のトルクは所定範囲に維持される。ここで、「所定範囲」は、その下限値及び上限値によって任意に設定可能である。例えば、所定範囲の下限値と上限値とを同値にすることで、所定範囲の幅を0(ゼロ)とし、所定範囲をピンポイントで設定することも可能である。この場合、所定範囲は所定値と同義であるので、トルク制御期間においてモータ(第2動力源32)のトルクは所定値(一定)に維持されることになる。これにより、モータ側回転体332Cが相手側回転体332Aに嵌入する途中の過程において、第2動力源32(モータ)と相手装置(例えば第1動力源31)との間の急激なトルク伝達(トルク変動)を防ぐことができる。さらに、モータ(第2動力源32)のトルクを所定範囲に維持することで、モータ(第2動力源32)の制御が回転数制御からトルク制御に切り替わることに起因した、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの回転数差のずれを抑制できる。つまり、トルク制御期間の開始後、モータ側回転体332Cが「嵌入位置」に到達するまでの僅かな時間において、モータ(第2動力源32)の回転数制御により設定した回転数差が目標値から外れにくくなる。
ところで、「[4.2]具体的処理」の欄では、船舶10の推進モードがエンジン推進モードからハイブリッド推進モード(高速)に切り替わる際の動作を例に説明したが、これに限らない。例えば、船舶10の推進モードがエンジン推進モードからモータ推進モードに切り替わる際にも、同様の処理が適用される。エンジン推進モードからモータ推進モードに切り替わる場合、モード切替処理部21は、第2クラッチ332を遮断状態(図4の下段参照)から、第2伝達状態(図4の上段参照)に切り替える。このとき、第2クラッチ332においては、相手装置としての出力部4に接続された第2相手側回転体332Bに、第2動力源32に接続されたモータ側回転体332Cが嵌入することになる。つまり、上記説明の相手側回転体332Aを相手側回転体332Bに読み替えれば、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの嵌入に関する上記制御は、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Bとの嵌入についても適用可能である。
[4.3]フローチャート
次に、本実施形態に係る船舶10の制御方法に係る処理の全体の流れについて、図8のフローチャートを参照して説明する。
すなわち、本実施形態に係る制御方法では、船舶制御システム2は、第2クラッチ332の切り替えを指示するクラッチ切替要求の有無を判断する(S1)。一例として、船舶10の推進モードがエンジン推進モードとハイブリッド推進モード(高速)との間で切り替わる場合等、推進モードの切り替えに伴って、第2クラッチ332の切り替えが必要となり、クラッチ切替要求が発生する。そのため、第2クラッチ332の切り替えを伴う推進モードの切り替えがなされた場合、船舶制御システム2は、クラッチ切替要求が有ると判断し(S1:Yes)、処理をステップS2に移行させる。一方、第2クラッチ332の切り替えを伴う推進モードの切り替えがなされていなければ、船舶制御システム2は、クラッチ切替要求が無いと判断し(S1:No)、ステップS1を繰り返し実行する。
ステップS2では、船舶制御システム2は、クラッチ切替要求が第2クラッチ332の嵌入の要求であるか否かを判断する。例えば、推進モードがエンジン推進モードからハイブリッド推進モード(高速)に切り替わる場合、第2クラッチ332は遮断状態から第1伝達状態へと切り替わるため、船舶制御システム2は、クラッチ切替要求が「嵌入」であると判断し(S2:Yes)、処理をステップS3に移行させる。このとき、モータ側回転体332Cは嵌脱位置にある。一方、例えば、推進モードがハイブリッド推進モード(高速)からエンジン推進モードに切り替わる場合、第2クラッチ332は第1伝達状態から遮断状態へと切り替わるため、船舶制御システム2は、クラッチ切替要求が「嵌入」でない(つまり「嵌脱」である)と判断し(S2:No)、処理をステップS16に移行させる。このとき、モータ側回転体332Cは嵌入位置にある。
ステップS3では、船舶制御システム2は、モータ制御部23での第2動力源32(モータ)の制御を回転数制御へと変更する。その後、ステップS4では、船舶制御システム2は、アクチュエータ34を制御してモータ側回転体332Cを嵌脱位置から嵌入準備位置に向けて移動させる。このとき、船舶制御システム2は、相手側回転体332A(又は332B)の回転数Rs1が判定値Vth1以上か否かを判断する(S5)。回転数Rs1が判定値Vth1以上であれば(S5:Yes)、船舶制御システム2は処理をステップS6に移行させ、回転数差を小さく設定する。回転数Rs1が判定値Vth1以上でなければ(S5:No)、船舶制御システム2は処理をステップS7に移行させ、回転数差を大きく設定する。つまり、回転数Rs1が判定値Vth1未満かどうかによって、回転数差の大小を決定する(図7参照)。
その後、ステップS8では、船舶制御システム2は、アクチュエータ34を制御してモータ側回転体332Cを嵌入準備位置から嵌入位置に向けて移動させる。そして、モータ側回転体332Cが相手側回転体332A(又は332B)に嵌入し始めると、モータ側回転体332Cの回転数Rs2と相手側回転体332A(又は332B)の回転数Rs1とが自ずと同期(一致)する(S9)。このとき、船舶制御システム2は、モータ側回転体332Cの回転数Rs2と相手側回転体332A(又は332B)との間の摩擦力(摩擦トルク)を推定する(S10)。具体的には、船舶制御システム2は、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A(又は332B)との回転数差が0(ゼロ)に達したときの第2動力源32(モータ)の回転数に基づいて、摩擦力を推定する。
その後、ステップS11では、船舶制御システム2は、モータ制御部23での第2動力源32(モータ)の制御を回転数制御からトルク制御に変更する。つまり、嵌入開始後には、船舶制御システム2は、トルク制御期間としてモータ(第2動力源32)をトルク制御する。このとき、船舶制御システム2は、第2動力源32(モータ)のトルクを所定範囲に維持する(S12)。ここで「所定範囲」は、ステップS10で推定された摩擦力に応じて、トルク補償するのに適した範囲に設定される。さらに、このときトルクに不連続(つまり急激な変動)が生じないように、連続的にトルクを出力することが好ましい。
そして、ステップS13では、船舶制御システム2は、アクチュエータ34を制御してモータ側回転体332Cを嵌入位置に向けて更に移動させる。ステップS14では、船舶制御システム2は、モータ側回転体332Cが嵌入位置まで移動したか否かを判断する。モータ側回転体332Cが嵌入位置に到達すると、船舶制御システム2は、モータ側回転体332Cが嵌入位置まで移動した、つまり嵌入が完了したと判断し(S14:Yes)、処理をステップS15に移行させる。一方、モータ側回転体332Cが嵌入位置に到達していなければ、船舶制御システム2は、モータ側回転体332Cが嵌入位置まで移動していない、つまり嵌入が完了していないと判断し(S14:No)、処理をステップS12に戻す。
ステップS15では、船舶制御システム2は、第2動力源32(モータ)のトルクを0(ゼロトルク)に制御する(S12)。つまり、第2クラッチ332の嵌入が完了すれば、回転数を一定にするためのトルク制御を行う必要がないので、第2動力源32をゼロトルクに切り替える。これをもって、船舶制御システム2は、第2クラッチ332の嵌入に係る一連の処理を終了する。
一方、クラッチ切替要求が「嵌脱」である場合(S2:No)、ステップS16において、船舶制御システム2は、モータ制御部23での第2動力源32(モータ)の制御を回転数制御からトルク制御に変更する。ただし、例えば、推進モードがハイブリッド推進モード(高速)にある状態では、第2動力源32が元々トルク制御される場合がある。このような場合には、ステップS16では、船舶制御システム2は、モータ制御部23での第2動力源32(モータ)の制御をトルク制御のまま維持する。そして、船舶制御システム2は、第2動力源32(モータ)のトルクを所定範囲に維持する(S17)。さらに、ステップS18では、船舶制御システム2は、アクチュエータ34を制御してモータ側回転体332Cを嵌入位置から嵌脱位置に向けて移動させる。モータ側回転体332Cが嵌脱位置まで移動すると、船舶制御システム2は、第2クラッチ332の嵌脱に係る一連の処理を終了する。
船舶制御システム2は、上記ステップS1~S18の処理を繰り返し実行する。ただし、図8に示すフローチャートは一例に過ぎず、処理が適宜追加又は省略されてもよいし、処理の順番が適宜入れ替わってもよい。例えば、第2クラッチ332のドグ同士が接触(干渉)しモータ側回転体332Cが嵌入位置まで移動できない状態(S14:No)が待機時間継続する場合、船舶制御システム2は、処理をステップS14からステップS4に戻してもよい。これにより、船舶制御システム2は、モータ側回転体332Cを嵌入準備位置に一旦移動させてドグ同士の干渉を解消した上で、改めてモータ側回転体332Cを嵌入準備位置から嵌入位置に向けて移動させることができる。
[5]変形例
以下、実施形態1の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
本開示における船舶制御システム2は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしての1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における船舶制御システム2としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。また、船舶制御システム2に含まれる一部又は全部の機能部は電子回路で構成されていてもよい。
また、船舶制御システム2の少なくとも一部の機能が、1つの筐体内に集約されていることは船舶制御システム2に必須の構成ではなく、船舶制御システム2の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。反対に、実施形態1において、複数の装置(例えば船舶制御システム2及び操作装置5)に分散されている機能が、1つの筐体内に集約されていてもよい。
さらに、船舶制御システム2の少なくとも一部は、船体1に搭載されることに限らず、船体1とは別に設けられてもよい。一例として、船舶制御システム2が、船体1とは別に設けられたサーバ装置によって具現化される場合、サーバ装置と船体1(の通信装置)との間の通信により、船舶制御システム2による船舶10(船体1)の制御が可能となる。船舶制御システム2の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
また、船舶10は、プレジャーボートに限らず、貨物船及び貨客船等を含む商船、タグボート及びサルベージ船等を含む作業船、気象観測船及び練習船等を含む特殊船、漁船、並びに艦艇等であってもよい。さらに、船舶10は、操縦者が搭乗する有人タイプに限らず、人(操縦者)が遠隔操作可能であるか、又は自律運航可能な無人タイプの船舶であってもよい。
また、第1動力源31は、ディーゼルエンジンに限らず、例えば、ディーゼルエンジン以外のエンジンであってもよいし、エンジン以外の動力源(モータ等)であってもよい。第2動力源32についても、交流モータに限らず、例えば、直流モータであってもよいし、モータ以外の動力源(エンジン等)であってもよい。一例として、第1動力源31がモータ、第2動力源32がエンジンであってもよい。さらに、第1動力源31及び第2動力源32は、いずれもエンジン(又はモータ)のように、同種の動力源であってもよく、この場合でも、例えば排気量の違い等により、第1動力源31と第2動力源32とでは出力特性が異なることが好ましい。
また、船舶10は、船体1に複数の動力源31,32を備えていればよく、例えば、第1動力源31及び第2動力源32に加えて、第3動力源を有するなど、3つ以上の動力源を備えていてもよい。
また、操作部51は、操作レバーに限らず、例えば、足踏み式の操作ペダル、タッチパネル、キーボード又はポインティングデバイス等であってもよい。操作ペダルからなる操作部51であれば、踏み込み量が操作部51の操作量となる。さらに、操作部51は、音声入力、ジェスチャ入力又は他の端末からの操作信号の入力等の態様を採用してもよい。
また、推進モードの切り替えをユーザ(操縦者)による切替操作に応じて行うことは必須ではない。例えば、船舶制御システム2のモード切替処理部21は、船体1の現在位置又は船速等の船体1の航行状況、又は主バッテリ352の残容量等に応じて、自動的に推進モードの切り替えを行ってもよい。
また、相手側回転体332A,332Bの駆動状態に応じて、回転数差の正負を切り替えることは必須ではない。また、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの嵌入開始前に、回転数差を設定するようにモータ(第2動力源32)を回転数制御しながら、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの距離を近づけることも、必須ではない。また、モータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの嵌入開始後のトルク制御期間にモータ(第2動力源32)をトルク制御することについても、必須ではない。さらに、トルク制御期間において、少なくともモータ側回転体332Cと相手側回転体332Aとの嵌入が完了するまでの間はモータ(第2動力源32)のトルクを所定範囲に維持することも必須ではない。
また、かみ合い式のクラッチ(第2クラッチ332)は、相手装置とモータ(第2動力源32)との間に設けられていればよく、相手装置が、出力部4とエンジン(第1動力源31)との両方であることは必須ではない。例えば、相手装置は、出力部4のみであってもよく、この場合、第2クラッチ332は、モータ(第2動力源32)と出力部4との間で、動力の伝達状態と遮断状態とを切り替えることになる。
(実施形態2)
本実施形態に係る船舶10の制御方法は、相手側回転体332A,332Bの回転数Rs1によらずに回転数差を一定とする点で、実施形態1に係る制御方法と相違する。以下、実施形態1と同様の構成については、共通の符号を付して適宜説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、相手側回転体332A,332Bの回転数Rs1が判定値Vth1未満であろうが判定値Vth1以上であろうが、モータ側回転体332Cと相手側回転体332A,332Bとの間の回転数差は一定である。そのため、実施形態1で説明した図8のフローチャートのステップS5と、ステップS6,S7の一方とは省略される。本実施形態では、回転数差を一定とすることで、より簡単な処理としつつも、第2クラッチ332を嵌入しやすくできる。
実施形態2の構成は、実施形態1で説明した種々の構成(変形例を含む)と適宜組み合わせて採用可能である。
1 船体
2 船舶制御システム
4 出力部
10 船舶
24 モータ回転数処理部
31 第1動力源(エンジン)
32 第2動力源(モータ)
332 (第2)クラッチ
332A,332B 相手側回転体
332C モータ側回転体
Rs1 相手側回転体の回転数
Rs2 モータ側回転体の回転数
Vth1 判定値

Claims (11)

  1. エンジン及びモータを含む複数の動力源を備え、前記複数の動力源のうち船体の推進に用いられる動力源が異なる複数の推進モードを有し、前記船体の推進力を発生する出力部及び前記エンジンの少なくとも一方からなる相手装置と前記モータとの間にかみ合い式のクラッチが設けられた船舶に用いられ、
    前記クラッチにおける前記モータ側のモータ側回転体と前記相手装置側の相手側回転体とが嵌入する前に、前記モータの回転数制御により、前記モータ側回転体と前記相手側回転体との間に回転数差を設定すること、を有する、
    船舶の制御方法。
  2. 前記相手側回転体の回転数に応じて前記回転数差を変える、
    請求項1に記載の船舶の制御方法。
  3. 前記相手側回転体の回転数が判定値未満である場合、前記相手側回転体の回転数が前記判定値以上である場合に比べて、前記回転数差を大きくする、
    請求項2に記載の船舶の制御方法。
  4. 前記回転数差は、前記モータ側回転体と前記相手側回転体との嵌入に要する時間が所望時間以内になることと、前記嵌入の確率が所望確率以上になることと、の少なくとも一方を含む条件を満たすように設定されている、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の船舶の制御方法。
  5. 前記モータ側回転体と前記相手側回転体との嵌入開始後のトルク制御期間に前記モータをトルク制御すること、を更に有する、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の船舶の制御方法。
  6. 前記トルク制御期間において、少なくとも前記モータ側回転体と前記相手側回転体との嵌入が完了するまでの間は前記モータのトルクを所定範囲に維持する、
    請求項5に記載の船舶の制御方法。
  7. 前記モータ側回転体と前記相手側回転体との嵌入開始前に、前記回転数差を設定するように前記モータを回転数制御しながら、前記モータ側回転体と前記相手側回転体との距離を近づけること、を更に有する、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の船舶の制御方法。
  8. 前記相手側回転体の駆動状態に応じて、前記回転数差の正負を切り替える、
    請求項1~7のいずれか1項に記載の船舶の制御方法。
  9. 請求項1~8のいずれか1項に記載の船舶の制御方法を、
    1以上のプロセッサに実行させるための船舶制御プログラム。
  10. エンジン及びモータを含む複数の動力源を備え、前記複数の動力源のうち船体の推進に用いられる動力源が異なる複数の推進モードを有し、前記船体の推進力を発生する出力部及び前記エンジンの少なくとも一方からなる相手装置と前記モータとの間にかみ合い式のクラッチが設けられた船舶に用いられ、
    前記クラッチにおける前記モータ側のモータ側回転体と前記相手装置側の相手側回転体とが嵌入する前に、前記モータの回転数制御により、前記モータ側回転体と前記相手側回転体との間に回転数差を設定するモータ回転数処理部を備える、
    船舶制御システム。
  11. 請求項10に記載の船舶制御システムと、
    前記船体と、を備える、
    船舶。
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