[00024]本開示の原理の理解を容易にするため、図示されている実施形態が参照され、また、それらを説明するために具体的な用語が使用される。しかし、本開示の範囲を限定する意図はないことを理解されたい。記載される本開示の原理の装置、システム、方法、及びさらなる用途へのあらゆる変更及び改変は、本開示が関連する分野の当業者が通常考えつくであろうように、完全に考慮され、本開示に含まれる。特に、ある実施形態に関して説明した特徴、構成要素及び/又は工程は、本開示の他の実施形態に関して説明した特徴、構成要素、及び/又は工程と組み合わせられ得ることは完全に考慮される。また、本明細書で提供される寸法は具体例のためのものであり、本開示の概念を実施するために異なるサイズ、寸法、及び/又は比率が利用され得ることを理解されたい。簡潔さのために、このような多数の組み合わせの反復は別々に説明されない。
[00025]図1及び図2を参照すると、本開示の実施形態に係る狭窄を有する導管100が示されている。図1は導管100の図式的斜視図であり、図2は、図1の切断線2−2に沿った導管100の一部の部分断面斜視図である。図1により具体的に言及すると、導管100は近位部分102と遠位部分104とを含む。管腔106は、近位部分102と遠位部分104との間で導管100の長さに沿って延びる。管腔106は、流体が導管内を流れることを可能にするように構成される。場合によっては、導管100は全身血管である。一部の具体例では、導管100は冠状動脈である。そのような場合、管腔106は、血液が導管100内を流れることを容易にするように構成される。
[00026]図示されるように、導管100は近位部分102と遠位部分104との間に狭窄108を含む。狭窄108は一般的に、導管100の管腔106中の流体の流れを制限する閉塞又は他の構造的構成を表す。本開示の実施形態は、冠状、末梢(例えば、下肢、頸動脈、及び神経血管等)、腎、及び/又は静脈等の広範な血管用途での使用に適している。導管100が血管である場合、狭窄108は、限定はされないが、線維、線維脂質(線維脂肪)、壊死性コア、石灰化(高密度カルシウム)、血液、新鮮な血栓、及び成熟した血栓等のプラーク成分等のプラークの蓄積の結果であり得る。一般的に、狭窄の組成は評価される導管の種類に依存する。本開示の概念は、実質的にあらゆる種類の閉塞、又は流体の流れの減少をもたらす導管の他の狭窄に適用可能であることを理解されたい。
[00027]図2により具体的に言及すると、導管100の管腔106は、狭窄108の近位の直径110と、狭窄108の遠位の直径112とを有する。場合によっては、直径110及び112は互いに実質的に等しくてもよい。これに関して、直径110及び112は、狭窄108と比較して管腔106の健康な部分、又は少なくともより健康な部分を表すものである。したがって、管腔106のこれらのより健康な部分は、実質的に一定の(不変の)円筒形状を有するものとして示されており、よって、管腔の高さ又は幅は直径と称されている。しかし、多くの場合、管腔106のこれらの部分も、狭窄108よりも程度は小さいが、プラーク蓄積、非対称形状、及び/又は他の不規則性を有しており、したがって円筒形状を有さないことが理解されよう。そのような場合、直径110及び112は、管腔の相対的サイズ又は断面積を表すものであって、円形断面形状を示唆するものではないことを理解されたい。
[00028]図2に示されるように、狭窄108は、導管100の管腔106を狭めるプラーク蓄積114を含む。場合によっては、プラーク蓄積114は均一の又は対称的なプロファイルを持たないことがあり、これは、そのような狭窄の血管造影評価を信頼できない可能性があるものにする。図示の実施形態では、プラーク蓄積114は上部116、及び反対側の下部118を含む。下部118は上部116に比べて厚さが大きいため、狭窄108の近位及び遠位の管腔の部分に対して非対称かつ不均一なプロファイルが提供される。図示されるように、プラーク蓄積114は、流体が管腔106内で流れるために利用可能な空間を減少させる。特に、管腔106の断面積がプラーク蓄積114によって減少する。上部116と下部118との間の最も狭い点において管腔106は高さ120を有し、この高さは、狭窄108の近位及び遠位の直径110及び112と比べて減少したサイズ又は断面積を表す。なお、プラーク蓄積114を含む狭窄108は本質的に例示的なものであり、いかようにも限定的なものと見なされるべきではないことに留意されたい。この点に関して、狭窄108は他の場合には、管腔106を通る流体の流れを制限する他の形状及び/又は組成を有することが理解されよう。図1及び図2では、導管100は単一の狭窄108を有するものとして図示されており、また、以下の実施形態の説明は主に単一の狭窄のコンテキストでなされるが、本明細書に記載のデバイス、システム、及び方法は、複数の狭窄領域を有する導管に対して同様の用途を有することが理解されよう。
[00029]図3を参照すると、本開示の実施形態に係る器具130及び132が内部に配置された導管100が示されている。一般的に、器具130及び132は、導管内に配置されるように設計されたサイズ及び形状を有する任意の形態のデバイス、器具、又はプローブを備え得る。図示の実施形態では、器具130は一般的にガイドワイヤを表し、器具132は一般的にカテーテル又はガイドカテーテルを表す。一般的に、器具130、132は、近位部分及び遠位部分を含むフレキシブルな細長い部材を含み得る。器具130は器具132の中央管腔を通って延びていてもよい。しかし、他の実施形態では、器具130及び132は他の形態を有し得る。一部の実施形態では、器具130及び132は同様の形態を有し得る。例えば、場合によっては、器具130及び132の両方がガイドワイヤを備えてもよい。他の例では、器具130及び132の両方がカテーテルを備えてもよい。他方で、一部の実施形態では器具130及び132は異なる形態を有し、例えば図示の実施形態のように、器具の一方がカテーテルを含み、他方がガイドワイヤを含む。さらに、図3に示される実施形態のように、一部の例では、器具130及び132は互いに同軸に配置されてもよい。他の例では、器具のうちの一方が、他の器具の、中心から外れている管腔を通って延在してもよい。他の例では、器具130及び132が並んで延びていてもよい。一部の具体的実施形態では、器具のうちの少なくとも1つは、ラピッドエクスチェンジカテーテルなどのラピッドエクスチェンジデバイスを備えてもよい。そのような実施形態では、他方の器具は、ラピッドエクスチェンジデバイスの導入及び取り除きを容易にするように構成されたバディワイヤ又は他のデバイスを備えてもよい。さらに、他の例では、2つの別個の器具130及び132の代わりに単一の器具が利用されてもよい。これに関して、一部の実施形態では、単一の器具は両器具130及び132の機能(例えば、データ取得)の側面を備え得る。
[00030]器具130は、導管100に関する診断情報を取得するように構成され得る。一部のコンテキストでは、診断情報は診断データ、生物学的情報、生物学的データ、心血管情報、心血管データ、及び/又は他の情報若しくはデータを含み得るが、本開示の目的のために、「診断情報」との用語が使用される。診断情報は、連続的に、約.01秒ごと、約.1秒ごと、約.25秒ごと、約.5秒ごと、約1秒ごと、約2秒ごと、約5秒ごと、約10秒ごと、約心拍ごとに、及び/又は他の時間枠で収集され得る。また、トリガーに応じて、コマンドに応じて、又はリクエストに応じて診断情報を収集することも考えられる。診断情報には、圧力、流量(速度)、画像(超音波(例えば、IVUS)、OCT、サーマル、及び/又はその他の撮像技術を使用して取得された画像を含む)、温度、心拍数、電気活動、及び/又はこれらの組み合わせうちの1つ又は複数が含まれ得る。
[00031]したがって、器具130は、導管に関する診断情報を取得するように構成された1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素を含むことができる。1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素は、器具130の遠位部分に隣接して配置されてもよい。センサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素は、それらの実装の態様を参照して説明され得る。例えば、圧力センサは、圧力を測定するように構成されたセンサを備え得る。他の例では、大動脈トランスデューサは、大動脈内に配置され、かつ/又は大動脈に関する診断情報とインタラクトするトランスデューサを備えてもよい。場合によっては、大動脈トランスデューサなどのトランスデューサは、患者の体外に及び/又は器具130の近位部分に配置されてもよい。例えば、トランスデューサは、患者の体内に配置された器具130の遠位部分における圧力感知位置と流体連通し得る。流体連通に基づき、患者の体内の圧力検出位置における圧力が大動脈トランスデューサによって測定され得る。場合によっては、1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素は、器具130の遠位端134から30cm未満、10cm未満、5cm未満、3cm未満、2cm未満、及び/又は1cm未満に配置され得る。一実施形態では、1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素のうちの少なくとも1つは、器具130の遠位端に配置されてもよい。
[00032]器具130は、導管100内の圧力をモニタリングするように構成された少なくとも1つの要素を含むことができる。圧力モニタリング要素は、ピエゾ抵抗圧力センサ、ピエゾ電気圧力センサ、容量性圧力センサ、電磁圧力センサ、流体柱(流体柱は、器具とは別個で、かつ/又は流体柱の近位の器具の部分に配置された流体柱センサと連通する)、光学圧力センサ、及び/又はこれらの組み合わせの形態を取ることができる。場合によっては、圧力モニタリング要素の1つ又は複数の特徴は、半導体及び/又は他の適切な製造技術を使用して製造された固体コンポーネントとして実装されてもよい。適切な圧力モニタリング要素を含む市販のガイドワイヤ製品の例には、Prime Wire PRESTIGE(登録商標)圧力ガイドワイヤ、Prime Wire(登録商標)圧力ガイドワイヤ、及びCombo Wire(登録商標)XT圧力及びフローガイドワイヤ(それぞれVolcano Corporationから入手可能)、並びにPressure Wire(商標) Certusガイドワイヤ及びPressure Wire(商標)Aerisガイドワイヤ(St.Jude Medical,Inc.から入手可能)が含まれる。器具130は、狭窄108を横断する流体の流れに大きく影響を及ぼす(そして結果として、遠位圧力の測定値に影響を及ぼす)ことなく狭窄に配置可能なサイズを有し得る。したがって、一部の例では、器具130は0.018インチ以下の外径を有し得る。一部の実施形態では、器具130は0.014インチ以下の外径を有し得る。
[00033]器具132もまた、導管100に関する診断情報を取得するように構成され得る。場合によっては、器具132は、器具130と同じ診断情報を取得するように構成されてもよい。他の例では、器具132は、器具130とは異なる診断情報を取得するように構成されてもよく、異なる診断情報は、追加の診断情報、より少ない診断情報、及び/又は代替的な診断情報を含み得る。診断情報は、連続的に、約.01秒ごと、約.1秒ごと、約.25秒ごと、約.5秒ごと、約1秒ごと、約2秒ごと、約5秒ごと、約10秒ごと、約心拍ごとに、及び/又は他の時間枠で収集され得る。また、トリガーに応じて、コマンドに応じて、及び/又はリクエストに応じて診断情報を収集することも考えられる。器具132によって取得される診断情報には、圧力、流量(速度)、画像(超音波(例えば、IVUS)、OCT、サーマル、及び/又はその他の撮像技術を使用して取得された画像を含む)、温度、又はこれらの組み合わせのうちの1つ又は複数が含まれ得る。
[00034]器具132は、この診断情報を取得するように構成された1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素を含むことができる。一実施形態では、1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素は、器具132の遠位部分に隣接して配置されてもよい。センサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素は、それらの実装の態様を参照して説明され得る。例えば、圧力センサは、圧力を測定するように構成されたセンサを備え得る。他の例では、大動脈トランスデューサは、大動脈内に配置され、かつ/又は大動脈に関する診断情報とインタラクトするトランスデューサを備えてもよい。場合によっては、大動脈トランスデューサなどのトランスデューサは、患者の体外に及び/又は器具130の近位部分に配置されてもよい。例えば、トランスデューサは、患者の体内に配置された器具132の遠位部分における圧力感知位置と流体連通し得る。流体連通に基づき、患者の体内の圧力検出位置における圧力が大動脈トランスデューサによって測定され得る。1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素は、器具132の遠位端136から30cm未満、10cm未満、5cm未満、3cm未満、2cm未満、及び/又は1cm未満に配置され得る。一部の例では、1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素のうちの少なくとも1つは、器具132の遠位端に配置されてもよい。
[00035]器具130と同様に、器具132もまた、導管100内の圧力をモニタリングするように構成された少なくとも1つの要素を含むことができる。圧力モニタリング要素は、ピエゾ抵抗圧力センサ、ピエゾ電気圧力センサ、容量性圧力センサ、電磁圧力センサ、流体柱(流体柱は、器具とは別個で、かつ/又は流体柱の近位の器具の部分に配置された流体柱センサと通信する)、光学圧力センサ、及び/又はこれらの組み合わせの形態を取ることができる。場合によっては、圧力モニタリング要素の1つ又は複数の特徴は、半導体及び/又は他の適切な製造技術を使用して製造された固体コンポーネントとして実装されてもよい。一部の実施形態ではMillarカテーテルが利用されてもよい。一部の例では、PhilipsのXper Flex Cardio Physiomonitoring System、GEのMac−Lab XT and XTi血行動態記録システム、SiemensのAXIOM Sensis XP VC11、McKessonのHorizon Cardiology Hemo、及びMennenのHorizon XVu Hemodynamic Monitoring Systemのうちの1つ又は複数のための使用に適した現在入手可能なカテーテル製品であって、圧力モニタリング要素を含むものが器具132に利用され得る。
[00036]本開示の態様によれば、器具130及び132の少なくとも一方は、狭窄108の遠位の導管100内の圧力(例えば、血圧)を監視するように構成され、器具130及び132の少なくとも一方は、狭窄の近位の導管内の圧力を監視するように構成され得る。この点に関して、器具130、132は、導管100内の圧力を監視するように構成された少なくとも1つの要素を、デバイスの構成に基づき適宜、狭窄108の近位及び/又は遠位に配置することを可能にするサイズ及び形状を有し得る。図3は、狭窄108の遠位の圧力を測定するのに適した位置138を示す。一部の例では、位置138は狭窄108の遠位端から5cm未満、3cm未満、2cm未満、1cm未満、5mm未満、及び/又は2.5mm未満であり得る(図2に示されるように)。
[00037]また、図3は、狭窄108の近位の圧力を測定するのに適した複数の位置を示す。位置140、142、144、146、及び148はそれぞれ、一部の例において狭窄の近位の圧力を監視するのに適し得る位置を表す。位置140、142、144、146、及び148は、狭窄108の近位端から20cmより大きい距離から約5mm以下の距離まで、様々な距離に配置される。近位圧力測定は、狭窄の近位端から間隔を空けられてもよい。したがって、一部の例では近位圧力測定は、狭窄の近位端から、導管の管腔の内径以上の距離において行われ得る。冠状動脈の圧力測定に関しては、近位圧力測定は、導管の近位部分内の狭窄の近位かつ大動脈の遠位の位置で行われ得る。しかし、冠状動脈圧測定の一部の具体例では、大動脈内部の位置から近位圧測定値が取得され得る。そのような場合、得られた圧力データは大動脈圧力データと呼ばれ得る。他の例では、近位圧力測定は、冠状動脈の根元又は口部で行われ得る。
[00038]次に図4を参照すると、本開示の実施形態に係るシステム150が示されている。図4はシステム150の図式的かつ概略的な図面である。図示されるように、システム150は器具152を含む。場合によっては、器具152は、上述の器具130及び132の少なくとも一方としての使用に適している。したがって、一部の例では、器具152は、器具130及び132の一方又は両方に関して上述したものと同様の特徴を含む。図示の実施形態では、器具152は、遠位部分154と、遠位部分に隣接して配置されたハウジング156とを有するガイドワイヤである。ハウジング156は、器具152の遠位端から約3cm離れている。ハウジング156は、導管に関する診断情報を取得するように構成された1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素を収容するように構成される。図示の実施形態では、ハウジング156は少なくとも、器具152がその内部に配置される管腔内の圧力を監視するように構成された圧力センサを含む。シャフト158は、ハウジング156から近位に延びる。トルクデバイス160は、シャフト158の近位部分上に配置され、また、近位部分に結合される。器具152の近位端部162は、コネクタ164に結合される。ケーブル166は、コネクタ164からコネクタ168まで延びる。場合によっては、コネクタ168はインターフェース170に差し込まれるように構成される。インターフェース170は、一部の例では患者インターフェースモジュール(PIM)である。場合によっては、ケーブル166はワイヤレス接続に置き換えられてもよい。この点に関して、物理的接続(電気的、光学的、及び/又は流体接続を含む)、無線接続、及び/又はこれらの組み合わせなど、器具152と器具170との間の様々な通信経路が利用され得ることが理解される。
[00039]インターフェース170は、接続174を介してコンピューティングデバイス172に通信可能に結合される。コンピューティングデバイス172は、一般的に、本開示で説明される処理及び解析技術を実行するのに適した任意のデバイスを表す。一部の実施形態では、コンピューティングデバイス172は、プロセッサ、ランダムアクセスメモリ、及び記憶媒体を含む。一部の具体例では、コンピューティングデバイス172は、本明細書で説明される正規化、データ取得、及びデータ解析に関連するステップを実行するようにプログラムされる。したがって、本開示の正規化、データ取得、データ処理、器具制御、及び/又は他の処理若しくは制御態様に関連するステップは、コンピューティングデバイス172によってアクセス可能な非一時的コンピュータ可読媒体に格納された対応する命令を使用して、コンピューティングデバイス172によって実施され得ることを理解されたい。場合によっては、コンピューティングデバイス172はコンソールデバイスである。一部の具体例では、コンピューティングデバイス172は、Volcano Corporationから入手可能なs5 Imaging System又はs5i Imaging Systemに類似する。場合によっては、コンピューティングデバイス172はポータブル(例えば、手持ち、台車など)である。場合によっては、コンピューティングデバイス172の全部又は一部はベッドサイドコントローラとして実装され、本明細書に記載の1つ又は複数の処理ステップが、ベッドサイドコントローラの1つ又は複数の構成要素を処理することにより実行され得る。例示的なベッドサイドコントローラは、2014年9月11日に出願された米国仮出願第62/049,265号、“Bedside Controller for Assessment of Vessels and Associated Devices, Systems, and Methods”に記載されており、この出願の全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、場合によっては、コンピューティングデバイス172は、複数のコンピューティングデバイス及び/又は仮想コンピューティングデバイスを含むことが理解されよう。特に、本開示の異なる処理及び/又は制御態様は、複数のコンピューティングデバイス及び/又は仮想コンピューティングデバイスを使用して、別々に又は所定のグループ内で実施され得ることが理解されよう。複数のコンピューティングデバイス及び/又は仮想コンピューティングデバイスにわたる、以下で説明する処理及び/又は制御態様のあらゆる分割及び/又は組み合わせが本開示の範囲に含まれる。
[00040]コネクタ164、ケーブル166、コネクタ168、インターフェース170、及び接続174は合わせて、器具152の1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素とコンピューティングデバイス172との間の通信を容易にする。しかし、この通信経路は本質的に例示的なものであり、いかようにも限定的なものと見なされるべきではない。この点に関して、物理的接続(電気的、光学的、及び/又は流体接続を含む)、無線接続、及び/又はこれらの組み合わせなど、器具152とコンピューティングデバイス172との間の任意の通信経路が利用され得ることが理解される。これに関して、接続174は場合によっては無線であることが理解される。場合によっては、接続174は、ネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、電気通信ネットワーク、及び/又は他のネットワーク)を介した通信リンクを含む。一部の場合では、コンピューティングデバイス172は、器具152が使用される動作エリアから離れた場所に配置されることが理解されよう。接続174がネットワークを介する接続を含む場合、コンピューティングデバイスが隣接する部屋にあるか、隣接する建物にあるか、又は異なる州/国にあるかに関係なく、器具152と遠隔コンピューティングデバイス172との間の通信を容易にすることができる。さらに、器具152とコンピューティングデバイス172との間の通信経路は、場合によってはセキュア接続であることが理解される。さらに、場合によっては、器具152とコンピューティングデバイス172との間の通信経路の1つ又は複数の部分を介して通信されるデータは暗号化されることが理解される。
[00041]システム150はさらに器具175を含む。場合によっては、器具175は、上述の器具130及び132の少なくとも一方としての使用に適している。したがって、一部の例では、器具175は、器具130及び132の一方又は両方に関して上述したものと同様の特徴を含む。図示の実施形態では、器具175はカテーテルタイプのデバイスである。この点に関して、器具175は、器具175の遠位部分に隣接し、導管に関する診断情報を取得するように構成された1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素を含む。図示の実施形態では、器具175は、器具175がその内部に配置される管腔内の圧力を監視するように構成された圧力センサを含む。器具175は接続177を介してインターフェース176と通信する。場合によっては、インターフェース176は、血行動態モニタリングシステム又は他の制御デバイス、例えば、Siemens AXIOM Sensis、Mennen Horizon XVu、及びPhilips Xper IM Physiomonitoring 5などである。ある具体的な実施形態では、器具175は、その長さに沿って延びる流体柱を含む圧力感知カテーテルである。そのような実施形態では、インターフェース176は、カテーテルの流体柱に流体連結された止血弁、止血弁に流体連結されたマニホールド、及び構成要素を適切に流体連結する構成要素間に延びる管構造を含む。カテーテルの流体柱は、弁、マニホールド、及び管構造を介して圧力センサと流体連通する。場合によっては、圧力センサはインターフェース176の一部である。他の例では、圧力センサは、器具175とインターフェース176との間に配置された別個のコンポーネントである。インターフェース176は、接続178を介してコンピューティングデバイス172に通信可能に結合される。
[00042]コンピューティングデバイス172は、有線又は無線接続182を介して表示デバイス180に通信可能に結合される。一部の実施形態では、表示デバイス180はコンピューティングデバイス172のコンポーネントであるが、他の実施形態では、表示デバイス180はコンピューティングデバイス172とは別である。一部の実施形態では、表示デバイス180は、例えば、その全体が参照により本明細書に援用される2014年9月11日に出願された米国仮出願第62/049,265号、“Bedside Controller for Assessment of Vessels and Associated Devices, Systems, and Methods”に記載されるようなタッチスクリーンディスプレイを有するベッドサイドコントローラとして実装される。コンピューティングデバイス172は、器具152及び175並びに他の器具によって収集されたデータ、収集されたデータに基づいて計算された量、データが収集された導管の視覚化、及び収集されたデータや計算された量に基づく視覚化を含む画面表示を生成することができる。画面表示の例が図8A及び図8Bに示されている。コンピューティングデバイス172は、画面ディスプレイに関連する表示データを表示デバイス180に提供することができる。
[00043]コンピューティングデバイス172は、放射線撮影ユニット186に通信可能に結合される。例えば、放射線撮影ユニット186によって得られたデータは、例えば有線又は無線接続184を介して、コンピューティングデバイス172に直接又は間接的に送信及び/又は受信され得る。放射線撮影ユニット186は、患者の脈管構造の診断情報を取得し、診断情報をコンピューティングデバイス172に伝達し得る。様々な実施形態において、診断情報は、外部で取得された血管造影画像、X線画像、CT画像、X線透視画像、放射線画像を含む放射線撮影ユニット186によって、あるいは、PET画像、MRI画像、SPECT画像、超音波画像、これらの組み合わせ、及び/又は患者の脈管構造の他の2次元又は3次元管腔外描写を取得するための撮像ソースによって取得され得る。例えば、血管造影画像は、患者の脈管構造、及び/又は脈管構造内に配置された1つ又は複数の脈管内デバイスの単一フレーム静止放射線画像であり得る。例えば、X線透視画像は、脈管構造、及び/又は脈管構造内に配置された1つ又は複数の脈管内デバイスのマルチフレーム放射線動画であり得る。場合によっては、器具130、132、152、及び/又は175によって取得された診断情報及び/又はデータは、血管造影画像、及び/又は他の放射線撮影ユニット186により得られた患者の脈管構造の2次元又は3次元描写などの診断情報と関連付けられたり、又は共登録されたりしてもよい。一部の実施形態では、放射線撮影ユニット186は、造影剤が導管及び/又は他の管腔に送達された後に放射線撮影画像を取得する。他の実施形態では、放射線撮影ユニット186は、導管及び/又は他の管腔内に造影剤が存在しない状態で放射線撮影画像を取得する。
[00044]コンピューティングデバイス172は、さらに、ユーザインターフェースデバイスに通信可能に結合され得る。ユーザインターフェースデバイスは、ユーザが表示デバイス180上の画面ディスプレイとインタラクトすることを可能にする。例えば、ユーザは、ユーザインターフェースデバイスを使用して、画面ディスプレイの全て又は一部を変更するためのユーザ入力を提供し得る。一部の実施形態では、ユーザインターフェースデバイスは、表示デバイス180とは別個のコンポーネントである。他の実施形態では、ユーザインターフェースデバイスは表示デバイス180の一部である。例えば、ユーザインターフェースデバイスは、例えば、その全体が参照により本明細書に援用される2014年9月11日に出願された米国仮出願第62/049,265号、“Bedside Controller for Assessment of Vessels and Associated Devices, Systems, and Methods”に記載されるようなタッチスクリーンを有するベッドサイドコントローラとして実装され得る。そのような実施形態では、ユーザ入力は、ベッドサイドコントローラのタッチセンシティブディスプレイ上で受け取られるタッチ入力であり得る。
[00045]器具152とコンピューティングデバイス172との間の接続と同様に、インターフェース176並びに接続177及び178は、器具175の1つ又は複数のセンサ、トランスデューサ、及び/又は他のモニタリング要素とコンピューティングデバイス172との間の通信を容易にする。しかし、この通信経路は本質的に例示的なものであり、いかようにも限定的なものと見なされるべきではない。この点に関して、物理的接続(電気的、光学的、及び/又は流体接続を含む)、無線接続、及び/又はこれらの組み合わせなど、器具175とコンピューティングデバイス172との間の任意の通信経路が利用され得ることが理解される。これに関して、接続178は場合によっては無線であることが理解される。場合によっては、接続178は、ネットワーク(例えば、イントラネット、インターネット、電気通信ネットワーク、及び/又は他のネットワーク)を介した通信リンクを含む。一部の場合では、コンピューティングデバイス172は、器具175が使用される動作エリアから離れた場所に配置されることが理解されよう。接続178がネットワークを介する接続を含む場合、コンピューティングデバイスが隣接する部屋にあるか、隣接する建物にあるか、又は異なる州/国にあるかに関係なく、器具175と遠隔コンピューティングデバイス172との間の通信を容易にすることができる。さらに、器具175とコンピューティングデバイス172との間の通信経路は、場合によってはセキュア接続であることが理解される。さらに、場合によっては、器具175とコンピューティングデバイス172との間の通信経路の1つ又は複数の部分を介して通信されるデータは暗号化されることが理解される。
[00046]本開示の他の実施形態では、システム150の1つ又は複数のコンポーネントは含まれないこと、異なる配置/順序で実装されること、及び/又は代替的なデバイス/機構に置き換えられることが理解されよう。例えば、一部の例では、システム150はインターフェース170及び/又はインターフェース176を含まない。そのような場合、コネクタ168(又は器具152若しくは器具175と通信する他の同様のコネクタ)は、コンピューティングデバイス172に関連付けられたポートに差し込まれ得る。あるいは、器具152、175は、コンピューティングデバイス172と無線通信してもよい。一般的に、器具152、175の一方又は両方とコンピューティングデバイス172との間の通信経路は、中間ノードを有さなくてもよく(すなわち、直接接続)、器具とコンピューティングデバイスとの間の1つの中間ノードを有してもよく、又は器具とコンピューティングデバイスとの間の複数の中間ノードを有してもよい。
[00047]次に図5及び図6を参照して、複数の脈管内器具、すなわち脈管内器具202及び脈管内器具204の図式的かつ概略的な側面図が示されている。図5及び図6は脈管内器具202、204の遠位部分を示している。使用中、脈管内器具202、204は患者の脈管構造内に配置されることが理解されよう。一実施形態では、脈管内器具202及び204の一方又は両方がシステム150の要素であり、かつ/又はシステム150の要素とインタラクトし得る。場合によっては、脈管内器具202は、上述の器具130、132、152、及び175の少なくとも一方としての使用に適していてもよい。したがって、一部の例では、脈管内器具202は、器具130、132、152、及び175のうちの1つ又は複数に関して上述したものと同様の特徴を含む。同様に、場合によっては、脈管内器具204は、上述の器具130、132、152、及び175の少なくとも1つとしての使用に適し、また、器具130、132、152、及び175の1つ以上に関して上述した特徴と同様の特徴を含み得る。場合によっては、脈管内器具202は圧力感知ガイドワイヤを備えてもよく、脈管内器具204は圧力感知カテーテル又はガイドカテーテルを備えてもよい。
[00048]図示の実施形態では、脈管内器具202は脈管内器具204の管腔内に配置され、また、センサ210、放射線不透過性領域214、及び非放射線不透過性領域216を含む。一方、脈管内器具204は圧力感知位置208を含む。センサ210は、圧力データを取得するように構成されてもよい。センサ210及び/又は圧力感知位置208は、ピエゾ抵抗圧力センサ、ピエゾ電気圧力センサ、容量性圧力センサ、電磁圧力センサ、流体柱(流体柱は、脈管内器具202及び204とは別個で、かつ/又は流体柱の近位の脈管内器具202及び204の一方又は両方の部分に配置された流体柱センサと連通する)、光学圧力センサ、及び/又はこれらの組み合わせを含み得る。一実施形態では、圧力感知位置208は、脈管内器具204が脈管構造内に配置されている患者の外部に位置する圧力センサ又は他のセンサに圧力波を送信することを可能にする流体柱の始点のマークとなる1つ又は複数の開口を含み得る。あるいは、センサは、流量や温度などの他の生理学的パラメーターを測定するように、又は、IVUS若しくはOCT測定値を提供するように構成されてもよい。
[00049]脈管内器具202及び204を使用して、患者の脈管構造の内部、例えば大動脈及び/又は冠状動脈の内部から診断情報が収集され得る。脈管内器具202及び204は、圧力データ、流量(速度)データ、画像(超音波(例えば、IVUS)、OCT、サーマル、及び/又はその他の撮像技術を使用して取得された画像を含む)、温度データ、又はこれらの組み合わせを収集し得る。場合によっては、圧力比、FFR値、及び/又はiFR(instant wave−free ratio)値の計算に使用される圧力データを収集するために脈管内器具202及び204が使用され得る。患者の心拍周期内の診断ウィンドウを決定し、診断ウィンドウ内で得られた圧力測定値に基づいてiFR値を計算する例示的実施形態が米国特許第9,339,348号に記載されており、その全体が参照により本明細書に援用される。したがって、脈管内器具202及び204は、脈管内器具202及び204の一方が狭窄の遠位の圧力(Pd)を測定し、脈管内器具202及び204の他方が狭窄の近位の圧力(Pa)を測定できるように、狭窄を有する導管内に配置され得る。脈管内器具202は、センサ210が狭窄よりも遠位に位置するように導管内に配置され、脈管内器具204は、圧力感知位置が狭窄の近位に位置するように配置され得る(又はその逆)。
[00050]エラーのリスクを減らすために、近位及び遠位の圧力データを収集するために使用される圧力センサは互いに較正されてもよい。例えば、脈管内器具202のセンサ210は、脈管内器具204のセンサに対して較正されてもよく、脈管内器具204のセンサは、例えば流体柱を介して圧力感知位置208における圧力を検知し得る(又はその逆)。このような較正は、場合によっては正規化と呼ばれ、互いに較正された圧力センサは、場合によっては正規化されたと称され得る。同様に、センサが相互に正規化された脈管内器具も、相互に正規化されたと称され得る。正規化には、圧力波の振幅、位相、周波数、又はこれらの組み合わせの較正が含まれ得る。一般的に、脈管内器具202、204の両方が血管内の同じ位置で同じ圧力を測定すべきである。正規化により、コンピューティングデバイスは、脈管内器具202、204の両方が実際に同じ位置で同じ圧力を測定していることを確認し、そうでない場合には、同じ位置で同じ圧力が測定されるように、脈管内器具202、204及び/又は脈管内器具202、204から受信した圧力信号を調整することができる。
[00051]例えば、場合によっては、様々な理由により、近位圧力データと遠位圧力データが時間的に整合しない場合がある。測定を行うために使用される器具、例えば脈管内器具202及び204間のハードウェア信号ハンドリングの違いに起因して、データ取得中、遠位圧力測定信号と近位圧力測定信号との間にはしばしば遅延が存在し得る。ハードウェア信号ハンドリングの違いは、物理的なソース(例えば、ケーブル長及び/又は様々な電子機器)に由来したり、かつ/又は信号処理の違い(例えば、フィルタリング技術)に起因し得る。一部の実施形態では、近位圧力測定信号は取得後、血行動態モニタリングシステム又は他のインターフェースを通して送られ、処理ハードウェア又はコンピューティングデバイスにより直接的に送られ得る遠位圧力測定信号と比較して、処理ハードウェア又はコンピューティングデバイスに到達するのにかなり長い時間がかかる可能性がある。結果として生じる遅延は、場合によっては約5ms〜約150msであり得る。近位及び遠位圧力測定信号間の遅延は、圧力データのアライメントに大きな影響を与え得る。結果として、場合によっては、圧力測定値を時間的に整合させるために、近位及び遠位圧力の一方を遠位及び近位圧力の他方に対してシフトすることが有益である可能性がある。
[00052]近位及び遠位圧力の全て又は一部のアラインメントは、ハードウェア手法、ソフトウェア手法、又はこの2つの組み合わせを使用して実現され得る。典型的には、狭窄の遠位の圧力を監視するために利用される圧力検知器によって得られる圧力値が、狭窄の近位の圧力を監視するために利用される圧力検知器の圧力値と合致するように調整される。しかし、他の実施形態では、狭窄の近位の圧力を監視するために利用される圧力検知器によって得られる圧力値が、狭窄部の遠位の圧力を監視するために利用される圧力検知器の圧力値に合致するように調整される。さらに他の実施形態では、狭窄の近位の圧力を監視するために利用される圧力検知器によって取得される圧力値、及び狭窄の遠位の圧力を監視するために利用される圧力検知器によって取得される圧力値が中間圧力測定値(すなわち、各圧力検知器によって測定されたものの間の圧力値)に合致するように調整される。
[00053]一実施形態では、脈管内器具202のセンサ210、及び圧力感知位置208における圧力を感知し得る脈管内器具204のセンサ212が正規化され得る。脈管内器具202及び204が内部に配置された患者の脈管構造内の異なる位置において存在する可能性がある圧力のばらつきの影響を低減するために、センサ210、212が互いに対して所定の空間的又は物理的構成(位置及び/又は向き)にあるときに正規化が行われ得る。図5及び図6は、患者の身体220内、例えば血管内に配置された脈管内器具202、204の少なくとも一部(例えば、中央及び/又は遠位部分)を示している。器具202の圧力センサ210は器具202の遠位部分に設けられ、身体220内に配置される。センサ212は器具204の近位部分に設けられ、身体220の外部に配置される。センサ212は、器具204の圧力感知位置208と連通(例えば、流体柱を介した流体連通)し得る。一般的に、圧力感知位置208は大動脈又は口部に位置するため、センサ212は、血管の狭窄の近位に位置する血管の大動脈又は口部内の圧力を測定する。センサ210は、血管の狭窄の遠位で及び/又は遠位で血管内の圧力を測定する。本開示の態様によれば、センサ210、212は、センサ210、212が互いに対して所定の構成(位置及び/又は向き)にあるときに正規化され得る。例えば、所定の空間的構成において、センサ210、212は既知の距離だけ互いから離れている、センサ210は圧力感知位置208と長手方向に整列される等の構成を有する。
[00054]脈管内器具202は、脈管内器具204の管腔を通って、狭窄又は他の脈管内位置まで前進させられ、脈管内器具202及び204のアラインメントは前進中の1つ又は複数の時点で生じ得る。例えば、脈管内器具202及び204は、例えば図6に示されるように、センサ210が圧力感知位置208と長手方向に整列されているときに空間的に整列されていてもよい。圧力感知位置208は、脈管内器具204の遠位端の口部に位置するように描かれているが、圧力感知位置208は、脈管内器具204上の他の場所、例えば脈管内器具204の遠位端から近位にいくらかの距離だけ離れて位置してもよい。アライメント(整列)はいくらかの誤差マージンを許容し、例えば、本明細書に記載のアライメントの1cm、2cm、3cm、4cm、又は5cm以内でも満たされ得る。例えば、脈管内器具202及び204は、センサ210が圧力感知位置208の3cm以内にあるときに整列されていてもよい。簡潔さのために、そして本開示の範囲を限定することなく、本明細書では一般的に、誤差マージンに言及することなくアラインメントについて説明する。
[00055]一部の実施形態では、圧力センサ210及び212は単一の脈管内デバイスの一部である。例示的実施形態は、例えば、米国特許第6,106,476号及び米国公開第2014/0180032号に記載されており、これらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。本開示の一部の実施形態は複数の脈管内器具に言及しているが、一部の実施形態では、1つの脈管内器具のみが利用される。場合によっては、圧力センサ210及び212は互いに相対的に移動可能であり得る。例示的実施形態は米国公開第2013/0345574号に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、両方の圧力センサ210、212が患者の身体220内に配置され得る。一部の実施形態では、圧力センサ210、212は、センサ210、212が身体220内に配置されている間に互いに対して移動可能である。圧力センサ210、212が互いに対して所定の構成(位置及び/又は向き)にあるとき、例えば圧力センサ210、212が互いに対して長手方向に整列しているとき、正規化が自動的に開始され得る。
[00056](コンピューティングデバイス172を含み得る)医療処理ユニットは、圧力センサ210、212の一方又は両方と通信し、また、圧力センサ210、212が互いに対して所定の構成にあるときを検出し、それに応じて、センサ210及び脈管内器具204のセンサ212の正規化を自動的に開始し得る。代替的な実施形態では、医療処理ユニットは、放射線撮影ユニット186などの放射線撮影ソースと通信し、また、放射線撮影ソースから放射線撮影データ(例えば、血管造影及び/又はX線透視画像)を受け取ったり、あるいは他の撮像モダリティ(例えば、MR、SPECT、PET、超音波)の画像を受け取る他の撮像ソースから放射線撮影データを受け取り得る。場合によっては、医療処理ユニットは、放射線画像、及び/又は、放射線撮影ソースから又は他の画像ソースが受け取った画像から受け取られた他の放射線データに基づき、脈管内器具202及び204が整列するときを検出し得る。例えば、医療処理ユニットは、放射線画像、又は他の撮像モダリティによって提供された画像内のセンサ210及び/又は圧力感知位置208の位置を特定し、センサ210及び圧力感知位置208が長手方向に整列するときを決定するように構成され得る。
[00057]例えば、脈管内器具202及び204が整列したとき、脈管内器具202の放射線不透過性領域214は特徴的な放射線撮影プロファイルを提示し、医療処理ユニットはこの放射線撮影プロファイルを探すために放射線画像を解析し得る。一実施形態では、放射線不透過性領域214は、特定の長さ、例えば1cm、2cm、3cm、4cm、5cm、又は5cmより長い長さを有し、遠位端における脈管内器具202の遠位先端から、その近位端におけるセンサ210まで延び得る。センサ210が放射線不透過性領域214の近位端に位置しているため、医療処理ユニットは、放射線不透過性領域214の全長、又は誤差マージン以内の整列状態となるいくらかの部分が脈管内器具204の遠位端から突出しているとき、脈管内器具202及び204が整列していると決定し得る。したがって、場合によっては、脈管内器具202及び204が整列していることを検出及び/又は決定することは、整列状態の脈管内器具202及び204に関連付けられた放射線撮影パターン又はプロファイルに合致する放射線画像内の放射線撮影パターン又はプロファイルを検出することを含み得る。医療処理ユニットは、そのようなパターン又はプロファイルのアーカイブを自身のメモリに又は遠隔データベースに保持し得る。同様に、他の撮像モダリティに関して、脈管内器具は各撮像モダリティで認識可能なシグネチャー、例えばエコー源性マーカー、MRマーカー、PETマーカー、又はSPECTマーカーを含む。
[00058]脈管内器具202のみが放射線不透過性領域214を備えるものとして示されているが、脈管内器具204が同様に1つ又は複数の放射線不透過性領域を備え得ることが理解されよう。さらに、放射線不透過性領域214はセンサ210の遠位に位置するものとしてのみ示されているが、1つ又は複数の放射線不透過性領域214がセンサ210の近位に位置してもよいことが理解されよう。図7に示されるように、複数の放射線不透過性領域214が複数の非放射線不透過性領域216によって分離されてもよい。交互する放射線不透過性領域214及び非放射線不透過性領域216は同じ長さであってもよいし、異なる長さであってもよい。場合によっては、センサ210の異なる側に異なる放射線不透過性パターンが存在してもよい。放射線不透過性領域214は、医療処理ユニットがセンサ210の位置を決定することを可能にし得る。場合によっては、医療処理ユニットは、センサ210の位置に基づき、脈管内器具202及び204が整列しているか否かを決定し得る。例えば、医療処理ユニットは、センサ210が圧力感知位置208と整列しているか否かに基づいて、脈管内器具202及び204が整列しているか否かを判断することができる。
[00059]一実施形態では、医療処理ユニットは、センサ210、212が所定の構成(位置及び/又は向き)に近づいているときを検出し、患者の脈管構造内での脈管内器具202及び/又は脈管内器具204の進行を制御するオペレータに通知し得る。通知は視覚、可聴、英数字、テキスト、触覚的なもの、又は脈管内器具202及び204が整列に近づいていることをオペレータに知らせることができる他の任意の適切な通知であり得る。脈管内器具202及び204が整列に近づいていていることをオペレータが知ると、オペレータは速度、角度、向き、又は脈管構造中の進行の他の側面を調整して、整列状態が通り過ぎられること、迂回されること、又は他の態様で正規化が完了する前に通過される可能性を減らすことができる。医療処理ユニットは、脈管内器具202が脈管内器具204の管腔内を移動するとき、脈管内器具204の外表面を通して脈管内器具202の放射線不透過性領域214を知覚することが可能であり、これは、脈管内器具202及び204が整列に近づいているときを医療処理ユニットが検出することを容易にし得る。一実施形態では、医療処理ユニットは、脈管内器具202及び204の一方又は両方が患者の脈管構造中を移動するときに脈管内器具202及び204を追跡し得る。そのような追跡は、脈管内器具202及び204が整列に近づいているときにオペレータに通知を出すこと、及び脈管内器具202及び204が整列したことを検出することの一方又は両方を容易にし得る。
[00060]上述のように、センサ210、212が所定の構成(位置及び/又は向き)にあることを医療処理ユニットが検出したとき、医療処理ユニットは自動的に、センサ210及び脈管内器具204のセンサ212を互いに対して正規化し得る。自動正規化は、オペレータからの指示なしに実行され得る。したがって、自動正規化は、オペレータが導管を評価する前に正規化ステップを実行することを忘れるリスクを減らすという利益を提供し、これにより、導管評価中に取得されたデータ(例えば、圧力測定値)が、正規化実行の失敗に起因するエラーを含むリスクを低減する。また、正規化を自動的に開始すると、医療専門家が実行しなければならない正規化を開始する手動ステップを排除することができ、ワークフローの効率が向上する。一部の実施形態では、医療処理ユニットは、自動正規化機能を有効化又は無効化するオプションをオペレータに提示してもよい。
[00061]正規化は瞬時に、又はある期間にわたって、例えば0.5秒、1秒、2秒、3秒、4秒、5秒、10秒、30秒、1分、1心周期、2心周期、3心周期、4心周期、5心周期、6心周期、7心周期、8心周期、9心周期、10心周期、又はその他の期間にわたって生じ得る。正規化は、正規化の開始前の又は開始後の任意の適切な数の心周期を使用して実行され得る。正規化中に脈管内器具202及び204のいずれかを動かすと正規化に支障をきたし、データ収集のエラーにつながる可能性があるため、医療処理ユニットは、正規化プロセス中に脈管内器具202及び204を動かさないよう、又は他の態様で妨害しないようオペレータに通知し得る。通知は視覚、可聴、英数字、テキスト、触覚的なもの、又は正規化実行中であることをオペレータに知らせることができる他の任意の適切な通知であり得る。同様に、医療処理ユニットは、正規化が完了したときにオペレータに通知を出すことができる。通知は視覚、可聴、英数字、テキスト、触覚的なもの、又は正規化が完了したことをオペレータに知らせることができる他の任意の適切な通知であり得る。
[00062]導管内の1つ又は複数の関心領域、例えば狭窄を評価した後、医療処理ユニットは、センサ210と脈管内器具204のセンサとの間で生じたドリフトを計算し得る。ドリフトは、導管を評価するためにデータを収集する前に正規化が実行されたかどうかに関わらず計算され得る。例えば、医療処理ユニットは、センサ210からの圧力測定値及び脈管内器具204のセンサからの圧力測定値が互いに較正されていないことを記録し、導管の評価の前に差異(disparity)の特性を記録し、評価後に差異の特性における変化を記録し得る。医療処理ユニットは、評価前の記録と評価後の記録との間で発生したドリフトを計算し、それに応じて収集されたデータを調整することができる。同様に、導管の評価の前にセンサ210及び脈管内器具204のセンサが正規化された場合、医療処理ユニットは、評価前の正規化と評価後の変化の記録との間にドリフトが生じたことを記録してもよい。センサ210及び脈管内器具204のセンサは導管の評価前に正規化されたため、医療処理ユニットは、評価後の差異を計算することによりドリフトを計算し得る。上述のように、医療処理ユニットは、差異を考慮するように収集されたデータを調整してもよい。
[00063]図8A及び図8Bを参照すると、画像300及び画像302を含む複数のX線透視画像が示されている。上述したように、医療処理ユニットは、放射線撮影ソース、例えば放射線撮影ユニット186から放射線画像を受け取ることができる。医療処理ユニットは、そのような放射線画像、例えば画像300及び302表示デバイス180などのディスプレイに出力し得る。画像300は、脈管内器具202及び204の非強化画像を含む。場合によっては、画像302に示されるように、医療処理ユニットは、表示画像内の脈管内器具202又は204の一方又は両方の描写を強化し得る。例えば、医療処理ユニットは、脈管内器具202及び脈管内器具204が整列している、又は整列に近づいていることを円222で示すことができる。
[00064]一実施形態では、医療処理ユニットは、脈管内器具202及び204の放射線不透過性領域、例えば放射線不透過性領域214を強化する。一実施形態では、医療処理ユニットは、脈管内器具202を第1の色で強調表示し、脈管内器具204を第2の色で強調表示することにより、脈管内器具202及び204の描写を強化し得る。図示されていないが、医療処理ユニットは上述の1つ又は複数の通知を表示し得る。例えば、医療処理ユニットは、脈管内器具202及び204が整合に近づいていること、正規化が進行中であること、正規化が完了したこと、又はこれらの組み合わせを示す通知を表示し得る。場合によっては、通知は、脈管内器具202及び204の描写を強調表示すること、又は描写の強調表示を変更することを含んでもよい。例えば、脈管内器具202及び204の一方又は両方は、正規化が進行してる間は赤色で強調表示され、正規化が完了すると強調表示が緑色に変化し得る。
[00065]次に図9を参照して、本開示の実施形態に係る方法400のフローチャートが示されている。方法400の一部は、図1〜図8Bを参照して上述した技術に対応し、システム150、脈管内器具202、脈管内器具204、又はこれらの組み合わせのハードウェア及び/又はソフトウェアコンポーネントを用いて実行され得る。方法400はブロック402で開始し、ブロック402において、放射線撮像ソースによって取得された少なくとも1つの脈管内器具の放射線画像が、放射線撮像ソースと通信する医療処理ユニットによって受信される。一部の実施形態では、少なくとも1つの脈管内器具は、2つ以上の圧力センサを含む単一の器具である。他の実施形態では、少なくとも1つの脈管内器具は第1の脈管内器具及び第2の脈管内器具を含み、それぞれが独自の圧力センサを有する。場合によっては、医療処理ユニットはコンピューティングデバイス172を含み、第1及び第2の脈管内器具はそれぞれ脈管内器具202及び204を含み、放射線撮像ソースは放射線撮影ユニット186を含み、又はこれらの組み合わせである。方法400は、場合によっては、放射線画像を表示すること、及び表示された放射線画像内の第1及び第2の脈管内器具の描写を視覚的に強化することを含み得る。場合によっては、第1及び第2の脈管内器具の描写を視覚的に強化することは、第1の脈管内器具を第1の色で強調表示し、第2の脈管内器具を第2の色で強調表示することを含み得る。
[00066]方法400はブロック404に続き、ブロック404において、医療画像処理ユニットは、放射線画像に基づき、第1の圧力センサが第2の圧力センサに対して所定の構成(位置及び/又は向き)にあるときを検出する。例えば、第1の圧力センサは、第2の圧力センサと長手方向に整列していてもよい。一部の実施形態では、第1の圧力センサは、第2の圧力センサと連通する圧力感知位置と長手方向に整列し得る。場合によっては、第1及び第2の脈管内器具が整列しているときを検出することは、第1又は第2の脈管内器具の少なくとも一方の放射線不透過領域に基づいてもよい。場合によっては、第1及び第2の脈管内器具が整合しているときを検出することは、第1の圧力センサが第2の脈管内器具の圧力感知位置と整合しているときを決定することを含み得る。場合によっては、第1及び第2の脈管内器具が整列しているときを検出することは、第1の圧力センサが第2の脈管内器具の口部と整列しているときを決定することを含み得る。一部の実装形態では、方法400は、第1及び第2の脈管内器具が整列状態に近いときにオペレータに通知をすることを含み得る。第1及び第2の脈管内器具が整列状態に近いときにオペレータに通知をすることにより、オペレータは、第1及び/又は第2の脈管内器具が導管内を移動する速度を緩和し、それにより、整列構成が通り越されたり、迂回されたり、又は他の態様で通過される可能性を減らすことができる。方法400はさらに、第1又は第2の脈管内器具の少なくとも1つが体腔中を移動している間に、体腔内の第1及び第2の脈管内器具の位置を医療処理ユニットによって追跡することを含み得る。
[00067]方法400はブロック406に続き、ブロック406において、第1及び第2の圧力センサが所定の構成(位置及び/又は向き)にあることが検出されると、第1の圧力センサ及び第2の圧力センサの正規化が自動的に開始される。一部の実装形態では、方法400は、正規化プロセス中に少なくとも1つの脈管内器具を妨害しないようにオペレータに通知することを含み得る。そのような通知は、第1及び第2の脈管内器具の一方又は両方の動きに起因する正規化のエラーの可能性を低減し得る。同様に、一部の実装形態では、方法400は、正規化が完了したときにオペレータに通知をすることを含み得る。図9には示されていないが、方法はさらに、本開示において上記した内容に則した追加ステップを含むことができる。また、方法は本開示の範囲から逸脱することなく、図9に示されるステップの一部を省略してもよく、かつ/又は様々な順序でステップを実行し得る。
[00068]当業者は、上述した装置、システム、及び方法は様々に変更され得ることを認識するであろう。したがって、当業者は、本開示が包含する実施形態は、上記の具体的な実施形態の例に限定されないことを理解するであろう。説明のための実施形態が図示及び記載されているが、上記の開示内容は様々な改変、変更、及び置換を考慮に入れるものである。このような変更は、本開示の範囲から逸脱することなく上記になされ得ることが理解される。したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示に従って広範に解釈されることが妥当である。