本願の発明は無線通信に関し、特に無線デバイスの節電能力の向上に関する。
背景
無線ネットワークは様々な節電機能を用いて、携帯端末等のバッテリー式のデバイスでの電力消費を削減する。IEEE 802.11(Wi−Fi)の仕様に基づくネットワークは、節電モードを導入している。節電モードでは、デバイスは一時的にWiFiのインターフェースを切断して、電力消費を削減する。その他の多くのネットワークも同様の節電モードを用いて、フレーム伝送の間または配信データがないときに、バッテリー式の装置を"仮眠状態"(doze state)にする。仮眠状態では、バッテリー式の装置のWi−Fiその他のメイン無線インターフェースが、一時的に切断される場合がある。仮眠状態は、中止されなければならないとき(例えば、無線ネットワークから情報を受信する場合)がある。例えば、情報はビーコン信号またはその他の定期的なブロードキャスト信号によって提供される場合がある。別の理由によって、仮眠状態を中止し、フレームの送信/受信のためにデバイスがそのメイン無線インターフェースをアクティブにしなければならない場合もある。
仮眠状態において、ある期間の間、メイン無線インターフェースを維持することは、電力消費の観点から有利であろう。
摘要
ある態様によれば、独立請求項の内容が提供される。
本発明の実施例のいくつかは、従属請求項に定義されている。
以下の添付図面を例として参照しつつ、本明細書に記載の発明の実施例を以下に説明する。
本発明の実施例が適用されうる無線通信シナリオの一例を示す。
無線デバイスでの休眠モードを操作するための実施例のフロー図を示す。
アクセスノードによって、休眠モードの無線デバイスと通信するための実施例のフロー図を示す。
本発明の実施例による、動作モードおよび動作モード間の遷移を示す。
無線デバイスの休眠モード内での状態遷移図を示す。
アクセスノードと、休眠モードで動作している無線デバイスとの間のフレーム伝送を実行するための実施例を示すシグナリング図を示す。
アクセスノードと、休眠モードで動作している無線デバイスとの間のフレーム伝送を実行するための実施例を示すシグナリング図を示す。
本発明のいくつかの実施例による装置のブロック図を示す。
本発明のいくつかの実施例による装置のブロック図を示す。
実施例の説明
以下の実施例は一例である。本明細書では複数の箇所で「ある」、「特定の」、または「いくつかの」実施例(複数の場合もある)について言及されているが、こうした言及の各々が同一の(1つ又は複数の)実施例に言及していることを必ずしも意味するものではない。また、そこでの特徴がある単一の実施例にのみ適用することを必ずしも意味するものではない。別々の実施例におけるそれぞれの特徴は、他の実施例を提供するために組み合わせられてもよい。さらに、「備える」「含む」いった用語は、説明される実施例を、言及されたそれらの特徴のみで構成すると限定して理解すべきではない。このような実施例は、特に言及されていない特徴/構造も含むことができる。
本発明の実施例が適用されうる一般的な無線通信シナリオが、図1に示される。図1は、アクセスポイント(AP)100、複数の無線端末装置(STA)110、112を含む、無線通信装置を示す。アクセスポイントは、BSS(basic service set)に関連する場合があり、ここで、このBSSは、IEEE 802.11ベースのWLAN(wireless local area network)の基本構成要素である。最も一般的なBSSタイプはインフラBSSであり、単一のAPと、そのAPに関連する全てのSTAを含む。APは固定型APであってもよいし、移動型APであってもよい。AP100は、その他のネットワーク(例えば、インターネット)へのアクセスを提供することもできる。別の実施例では、BSSが複数のAPを備え、ESS(extended service set)を形成する場合がある。さらに別の実施例では、1つまたは複数の他の端末装置112が連携可能なピアツーピアの無線ネットワークを、端末装置110が確立および管理できる。このようなケースでは、ピアツーピアネットワークが1つまたは複数の端末装置の間で確立される場合があり、いくつかの実施例では、ネットワークを管理している端末装置がアクセスノードとして動作する場合がある。ここで、このアクセスノードは、他の端末装置に他のネットワーク(例えば、インターネット等)を提供する。その他の実施例では、このようなルーティング機能(routing functionality)は用いられず、接続は端末装置で終結する。このようなピアツーピアネットワークは、データシェアリングまたはゲーム等にとって便利な場合がある。
アクセスノード100は、ネットワーク管理システム(NMS)130に接続されうる。ここで、このネットワーク管理システム(NMS)130は、無線ネットワークのチャネル使用を構成する1つまたは複数のアクセスノードの無線ネットワークのチャネル使用情報を保持するように構成される。例えば、ネットワーク管理システム(NMS)130は、互いに近接する無線ネットワークが異なるチャネルを使用して動作するようにアレンジすることができ、このようにすることで、ネットワーク間の干渉を回避する。例示的なシナリオであるが、企業のアクセスノードは全て同じNMS130で制御される。実施例によっては、ネットワーク管理システム130がアクセスノードの1つ(例えば、アクセスノード100)に含まれる。別の実施例では、ネットワーク管理システムは、アクセスノードと異なる装置(例えば、有線接続または無線接続経由でアクセスノードが接続することのできるサーバコンピュータ)によって実現される。
本発明の実施例は、IEEE 802.11仕様の上記接続形態のコンテキストにおいて説明されているが、本発明のこれら実施例またはその他の実施例は、その他の仕様に基づくネットワークにも適用可能である。その他の仕様とは、例えば、IEEE 802.11のその他のバージョン、WiMAX(登録商標)、UMTS LTE (Long−term Evolution for Universal Mobile Tele¬communication System)、LTE−Advanced、5G(a fifth generation cellular communication system)、コグニティブ無線機能(例えば、送信媒体センサー機能、異なる仕様および/または標準規格に基づく無線アクセスネットワークとの共存への順応性)を有するその他のネットワークである。いくつかの実施例は、IEEE 802.19.1規格で規定される機能を有するネットワークに適用可能である。適切な通信システムの一例として、上記のような5Gシステムがある。
本明細書のコンテキストにおける無線ネットワークの定義に関していうと、無線ネットワークが1つまたは複数のBSSを備える場合がある。ある視点によれば、無線ネットワークは複数のBSSを備える場合がある。ここで、この複数のBSSは、同一のSSID(same service set identifier)、同一のローミング識別子、および/または同一のローミングパートナーシップを有する。
端末装置110、112は、検出したアクセスノードのうちのいずれか1つとの接続を確立することができる。これらのアクセスノードは、端末装置の近くで無線接続を提供する。接続の確立は認証処理を含む場合がある。ここで、この認証処理では、端末装置の識別性がアクセスノードで確立される。この認証処理には、BSSで使用される暗号鍵の変更を含む場合もある。認証処理のあと、アクセスノードと端末装置とは、端末装置が完全にBSSに登録される関連付け(例えば、端末装置にAID(association identifier)を付与すること)を実行することができる。他のシステム用語では、認証(authentication)および関連付け(association)は必ずしも使用されない。そのため、アクセスノードに対する端末装置の関連付けは、「端末装置がアクセスノードについて接続状態にあること」「端末装置がアクセスノードからのダウンリンクのフレーム送信を待っていること」「端末装置が、アップリンクのフレーム送信のために端末装置自身のバッファを待っていること」のように、端末装置とアクセスノードとの間の接続の確立といった広い意味として理解されるべきであることに留意すべきである。
端末装置100、112は、ネットワークディスカバリ処理を通じて、アクセスノード100を検出することができる。IEEE 802.11のアクションアイテムタスクグループは、FILS(fast initial link setup)のための原理を定義する。この原理の1つの態様は、AP及びネットワークディスカバリをさらに速くかつ明瞭にすることである。いくつかの原理は受動的スキャニングに関連する場合がある。ここで、この受動的スキャニングでは、STA等のスキャニング装置が、ビーコンフレーム、管理フレーム、広告フレームのいずれかのフレームのためのチャネルを受動的にスキャンする。その他の原理は能動的スキャニングに関連する場合がある。ここで、この能動的スキャニングでは、スキャニング装置が、APまたはネットワークに問い合わせをするため、能動的にスキャニング要求メッセージ(例えば、プローブ要求メッセージ、GAS(generic advertisement service)リクエスト)を送信する。プローブ要求は、応答装置がプローブ要求に応答するために満たすべきいくつかの条件を設定することもできる。いくつかの実施例では、スキャニング装置が、要求デバイス(requesting device)または要求装置(requesting apparatus)と称される場合がある。応答装置は、スキャニング応答メッセージを送信できる。スキャニング応答メッセージは、例えば、スキャニング要求メッセージに応答するプローブ応答メッセージである。ここで、スキャニング応答メッセージは、応答デバイス、そのネットワーク、及びその他のネットワークの情報を含むことができる。本明細書で前述したスキャニングの増強の実施例は、ネットワークディスカバリシグナリング、プローブ要求−応答処理(GAS要求−応答処理と同様)を含む。
電力消費は、常に全ての無線ネットワーク及び移動体通信で課題となっている。802.11の仕様では、PS(power save,節電)モードのような節電メカニズムを提供し、STAがアクセスノードと関連付けられているときに電力消費をセーブする。関連付けられたSTAがフルパワーで動作し、アクセスノードとのフレームの送受信が可能な場合、当該STAは、デフォルト設定で、アウェイク状態に自身を維持するアクティブモードにある。関連付けされたSTAは、明示的なシグナリングによってPSモードに移行することができ、PSモードで動作している間、仮眠状態で時々動作することによって電力を節約することができる。仮眠状態では、STAはフレームを送受信できない。しかし一方、STAの電力消費は、アウェイク状態のときと比較して大幅に少ない。STAは、アクセスノードからの周期的なビーコンフレームを受信するために仮眠状態から覚醒する(wake up)場合もある。STAが仮眠状態の間、アクセスノードはSTA宛のフレームをバッファリングする。STAが覚醒すると、アクセスノードは、特定のDTIM(delivery traffic indication map)のビーコンフレームの後に、バッファリングされたマルチキャスト/グループフレームを送信する。ユニキャストフレームはPSモードのSTAでのみ送信される場合があり、このPSモードは、STAがアウェイク状態に移行したことを示している。アクセスノードは、ビーコンフレーム(のTIM(traffic indication map)フィールド)を用いて、バッファリングされたフレームがあることをSTAに示す。
PSモードのSTAがアウェイク状態への移行を示し、バッファリングされたフレームをアクセスノードから読み出すメカニズムとして、2つの主要なメカニズムがある。これらは、PS−Pollフレームの使用と、APSD(automatic power save delivery)の使用、特に、U−APSD(unscheduled APSD)の使用である。前者において、STAは、PS−Pollフレームを送信して、アクセスノードに対し、当該STAはダウンリンクフレームを1つ受信するまでアウェイク状態である旨を示す。アクセスノードにPS−Pollフレームを送信したSTAに対して、そのアクセスノードがそのSTAにフレームを送信すると、当該アクセスノードは、そのSTAが仮眠状態に戻ったとみなし、STA宛のフレームのバッファリングを継続する。STAがU−APSDスキームを使用する場合、当該STAは、アクセスノードに送信されるアップリングトリガーフレームを有するSP(service period:サービス期間)を生じさせることによって、アクセスノードにバッファリングされた複数のフレームを読み出すことができる。トリガーフレームの送信に関して、STAは、EOSP(end of the service period;サービス期間の終了)を示すフレームをアクセスノードから受信するまで、アウェイク状態を維持する。EOSPは、フレーム内の規定値に設定されるEOSPビットを設定することで示すことができる。
802.11ワークグループの最近の成果物には、WUR(wake−up radio)と称される新しい低電力の無線インターフェースの紹介が含まれている。WURは、WURスタディグループで議論されている。新しいタスクグループ、TGbaが設立されており、スタディグループの課題を引き続き検討する予定である。新しい無線インターフェースの1つの目的は、802.11の仕様にしたがうデータ通信に使用されるメイン無線インターフェース(基本的な接続性を提供する無線機能としても知られている)が、長時間仮眠状態を維持することを可能にすることによって、さらなる消費電力の低下を可能にすることである。低消費電力の無線インターフェースは、スタディグループで、WUR受信機、LP−WUR(low−power WUR:低電力WUR)受信機と称される。また、この低消費電力の無線インターフェースは、基本的な接続性を提供する無線機能のコンパニオン無線(companion radio)、つまり基本的な接続性を提供する無線機能と対になって動作する無線機能であると考えられる。STA等の無線デバイスは、WURインターフェースと802.11仕様の主要なインターフェースとの両方を備える場合がある。アクセスノードは、ウェイクアップ送信機(wake−up transmitter)と802.11仕様の主要なインターフェースとを備える場合がある。したがって、無線ネットワークのデバイスは、ウェイクアップ無線インターフェース(wake−up radio interface)とメインインターフェースとを備える場合がある。アクセスノードが、仮眠状態にあるSTAに送信するデータを有している場合、ウェイクアップ無線インターフェースの目的は、メイン無線インターフェースを覚醒させることが唯一または主要である旨提案されている。
ウェイクアップ無線インターフェースは、メイン無線インターフェースよりも電力を消費しないように設計することができる。ウェイクアップ無線インターフェースは、メイン無線インターフェースよりもシンプルな変調スキームを用いることができる。例えば、メイン無線インターフェースが、位相偏移キーイングや(直交)振幅変調等の様々な変調スキームを用いる一方、ウェイクアップ無線インターフェースは、オン/オフキーイングしか用いない場合がある。ウェイクアップ無線インターフェースは、メイン無線インターフェースが動作可能な最も狭い帯域幅よりもさらに狭い帯域幅で動作可能である。例えば、メイン無線インターフェースの最小帯域幅が20MHzであるのに対し、ウェイクアップ無線インターフェースの最小帯域幅は5MHzであってもよい。
ウェイクアップ無線インターフェースの主な目的は、メイン無線インターフェースを覚醒させることである。そのため、メイン無線インターフェースの電源が切られたときに、ウェイクアップ無線インターフェースの電源をONにすることができる。STAのウェイクアップ無線インターフェースは、アクセスノードのウェイクアップ無線インターフェースによって送信されるウェイクアップ無線フレームを受信および抽出するように構成されている場合がある。STAのウェイクアップ無線インターフェースは、メイン無線インターフェースからのいずれの補助もなく、それ自身でウェイクアップ無線フレームをデコードすることができる場合がある。したがって、ウェイクアップ無線インターフェースは、無線周波数のフロント−エンド・レシーバの構成要素に加えて、ウェイクアップ無線フレームのコンテンツをデコード可能な、デジタルベースバンド・レシーバの構成要素およびフレーム抽出プロセッサを備える場合がある。ウェイクアップ無線フレームは、STAを示す行き先アドレスフィールドを含むことができる。ここで、このSTAは、メイン無線インターフェースを覚醒させると考えられる。また、フレーム抽出プロセッサは、受信されたウェイクアップ無線フレームから行き先アドレスのデコードを行うことができ、行き先アドレスがフレーム抽出プロセッサのSTAのアドレスであるか否か判断できる。行き先アドレスがフレーム抽出プロセッサのSTAである場合、フレーム抽出プロセッサは、アクセスノードとの無線通信のためにメイン無線インターフェースを覚醒させるウェイクアップ信号を出力できる。
メイン無線インターフェースを覚醒させるための上記ウェイクアップ無線の使用は、STAがアクセスノードと連携するときに実行される場合がある。
ウェイクアップ受信機の使用の詳細な実装方法や、アクセスノードとSTAとの間の状態同期は、ワークグループで開発中である。図2及び図3は、本発明のいくつかの実施例による、2つの無線インターフェースを有する装置での休眠モード(dormant mode)を操作するためのソリューションを示す。図2は、STA110、112等の無線デバイスのための処理を示す。一方、図3は、アクセスノード100のための処理を示す。図2の処理は無線デバイスによって実行される。この処理は、無線デバイスの第1無線インターフェースを使用して、無線ネットワークのアクセスノードとの関連付けを行うこと(ブロック200)、関連付けられたアクセスノードに休眠モードへの遷移を示すこと、及び、第1無線インターフェースが無効にされる休眠モードに入ること(ブロック202)、休眠モードで、無線デバイスの第2無線インターフェースを介して、アクセスノードからウェイクアップフレームを受信すること(ブロック204)、アクセスノードに対して休眠モードを維持するが、アクセスノードからの少なくとも1つのフレームを受信するべく、第1無線インターフェースを一時的に有効にすること(ブロック206)、第1無線インターフェースを通じて無線デバイスによって少なくとも1つのフレームを受信すること、及び、上記少なくとも1つのフレームを受信することと、当該フレームを受信した後に、休眠モードにおける第1無線インターフェースを無効にすること(ブロック208)を含む。
図3の処理はアクセスノードによって実行される。この処理は、アクセスノードの第1無線インターフェースを使用して無線デバイスとの関連付けを行うこと(ブロック300)、第1無線インターフェースによってはアクセスノードが無線デバイスにコンタクトできない休眠モードに無線デバイスが遷移する予定であることを示す情報を、関連付けされた無線デバイスから受信すること(ブロック302)、少なくとも1つのフレームを無線デバイスに送信する旨決定すること、及び、上記の決定をしたのち、ウェイクアップフレームの送信の後に無線デバイスにウェイクアップフレームを送信するためにアクセスノードの第2インターフェースを使用すること(ブロック304)、無線デバイスが休眠モードである旨の情報を保持すること、及び、第1無線インターフェースを通じ、少なくとも1つのフレームを無線デバイスに送信すること(ブロック306)を含む。
図2及び図3の実施例は、無線デバイスが休眠モードでメイン無線インターフェースを一時的に起動し、モード切替することなく1つまたは複数のフレームを受信する処理手順を説明する。フレーム受信後、当該無線デバイスは、アクセスノードとシグナリングのやり取りをすることなく、メイン無線の休止状態に戻ることができる。これにより、シグナリングのオーバーヘッドを減らし、効率的な無線デバイスのスリープを可能にする。また、無線デバイスおよびアクセスノードは、無線デバイスのモードに関する同期を維持する。フレームの送信中/受信中、同一のモードが維持されるためである。
ある実施例では、アプリケーション層のペイロードデータは、メイン無線インターフェースを通じてのみ伝送される。ウェイクアップ無線インターフェースは、メイン無線インターフェースを覚醒させるために使用可能であり、実施例によっては、アプリケーション層の下層で無線ネットワークの制御情報または管理情報の転送をするために使用されうる。図4を参照し、無線デバイスの動作モードを説明する。前述のとおり、無線デバイスおよび当該無線デバイスに関連付けられたアクセスノードは、無線デバイスの現行動作モードで最新の情報を維持することができる。無線デバイスおよびアクセスノードの両者はさらに、少なくとも2つの無線インターフェースを備えることができる。ここで、この2つの無線インターフェースは異なる通信形態を有し、その1つはメイン無線インターフェース(前述の第1無線インターフェース)、もう1つはウェイクアップ無線インターフェース(前述の第2無線インターフェース)である。前述のとおり、ウェイクアップ無線インターフェースは、メイン無線インターフェースと比較して低消費電力での動作を可能にする送信形態を用いることができる。
図4を参照すると、アクティブモードでは、無線デバイスがそのメイン無線インターフェースの電源を常時ONに維持することができる。一方、メイン無線インターフェースの電源がON状態であるのに対し、ウェイクアップ無線インターフェースは電源OFFされうる。そのため、無線デバイスは、アクティブモード400ではメイン無線インターフェースのみを用いる。無線デバイスがアクティブモード400のとき、アクセスノードは、無線デバイスとの全てのシグナリングでメイン無線インターフェースのみを使用できる。実施例によっては、アクティブモード400は、IEEE 802.11規格で規定されるアクティブモードに適合する。
節電モード402では、無線デバイスが、時々および十分に制御された方法で電源OFFするようにメイン無線インターフェースを制御することができる。ウェイクアップ無線インターフェースは、節電モード402で電源OFFされる場合がある。このとき、アクセスノード及び無線デバイスは、節電モードでメイン無線インターフェースとのみ通信できる。無線デバイスは、例えば周期的にメイン無線インターフェースの電源をONし、アクセスノードから周期的なビーコンフレームを受信する。前述のとおり、ビーコンフレームはTIMを伝送することができる。ここで、このTIMは、アクセスノードが無線デバイスのためにバッファリングされたダウンリンクデータを有しているか否かを示す。無線デバイスに送信されるべきダウンリンクデータが存在することをTIMが示す場合、無線デバイスは、ダウンリンクデータの送信を開始させるためのトリガーフレームをアクセスノードに送信できる。トリガーフレームは、複数のダウンリンクフレームを送信できるサービス期間(service period:SP)の契機となることができる。サービス期間は、明示的なシグナリング(例えば、ダウンリンクフレームのサブフィールド)により、アクセスノードによって終了される。その後、無線デバイスは、メイン無線インターフェースの電源をOFFすることができる。IEEE802.11規格では、PS Poll(power−save poll)フレームを使用する別のメカニズムが規定されている。ここで、PS Pollフレームは、無線デバイス(STA)によって送信されるアップリンクフレームであり、無線デバイスが現在アウェイク状態にあり、ダウンリンクフレームを受信する準備が整っている旨をアクセスノードに示している。フレーム受信後、無線デバイスはメイン無線インターフェースの電源をOFFにするか、または、別のPS Pollフレームを送信することができる。
無線デバイスがグループキャスト/マルチキャストのグループのメンバーである場合、無線デバイスは、後続のグループキャストフレーム/マルチキャストフレームも受信できるよう、周期的なビーコンの受信の直後、メイン無線インターフレームの電源をON状態に維持することができる。アクセスノードは、節電モード402の装置がマルチキャストフレーム/グループキャストフレームを受信できるように、ビーコンフレームの直後にマルチキャストフレーム/グループキャストフレームを送信することができる。同様の方法で、ブロードキャストフレームをビーコンフレームの直後に送信できる。
実施例によっては、節電モード402は、IEEE802.11規格の節電モードである。
休眠モード404では、メイン無線インターフェースの電源がOFFされるのに対し、ウェイクアップ無線インターフェースは電源ONされる。休眠モードでは、アクセスノードは、ウェイクアップ無線インターフェースを用いて無線デバイスとコンタクトできる。休眠モード404では、無線デバイスは、長い時間間隔の間(例えば、アクセスノードのビーコン送信間隔より長い期間の間)、メイン無線インターフェースを電源OFF状態に維持できる。アクセスノードはさらに、無線デバイスが周期的なビーコンをチェックせず、そのため、アクセスノードでバッファリングされている無線デバイス宛のダウンリンクフレームにある情報を取得しないとみなすことができる。結果として、休眠モード404の無線デバイス宛のダウンリンクフレームをバッファリングすると、アクセスノードはウェイクアップ無線インターフェースを介して無線デバイスにウェイクアップフレームを送信できる。ウェイクアップ無線インターフェースを通じてウェイクアップフレームを受信することは、無線デバイスがそのメイン無線インターフェースをフレームの送受信のために起動するトリガーとなりうる。
実施例によっては、ウェイクアップ受信機は、すべての動作モード400、402、404で電源ONされる。
アクセスノードと無線デバイスとの間の通信は、無線デバイスの動作モードによって決まるため、アクセスノード及び無線デバイスは、無線デバイスのモード遷移に関する情報を交換することができる。モード遷移がどのようにシグナリングされるか検討する。
無線デバイスは、モード400、402の間の遷移をパワー管理ビットと称されるサブフィールドを使用することによって示すことができる。ここで、このパワー管理ビットは、無線デバイスによってアクセスノードに送信されるフレームに含まれている。パワー管理ビットの1つの値は、無線デバイスがアクティブモード400に入ったことを示す。また、パワー管理ビットのもう1つの値は、無線デバイスが節電モード402に入ったことを示す。この遷移とモード遷移の明示的なシグナリングとは、IEEE 802.11規格に従うことができる。
同様の方法で、モード402、404の間の遷移、または、モード400、404の間の遷移が、明示的なシグナリングにより無線デバイスよってアクセスノードに示される場合がある。シグナリングは、WUR切り替えフレームの中の情報要素を含むことができる。WUR切り替えフレームは、例えば、IEEE 802.11規格のアクションフレームフォーマットを使用し、休眠モード404への/休眠モード404からの切り替わりを目的とする新しいフレームまたはフレームセットを定義することによって、規定することができる。代替として、モード404に関するモード変更シグナリング用の新しいサブタイプの値を割り当てることによって、現在のフレーム用の新しい制御タイプを規定することもできる。さらに別の代替手段は、IEEE 802.11の制御フレームの現行制御フレームの拡張スペース内に新しいフレームを定義することである。下の表1は、WUR切り替えフレームのコンテンツの実施例を示す。
フレーム制御フィールドでは、フレームのタイプおよび任意でフレームのサブタイプ(例えば、WUR切り替えフレーム)を明記することができる。IDフィールドは、無線デバイスとアクセスノードとの間の関連付けのための関連付けIDを含む。BSSID(RA)は、BSS及びアクセスノードを示すフレームのための受信機アドレスを含むことができる。TAフィールドは、無線デバイスのアドレスを含む。モードフィールドは下記の値を示す。1つは休眠モード404に入ったこと、もう1つはパワー管理モードに入ったことである。ここで、パワー管理モードは、節電モード402またはアクティブモード400である。モードフィールドは、アクティブモード400に入ったこと、または、節電モード402に入ったことを示す値を別途持つこともできる。しかし、これは必須ではない。なぜなら、前述のフレーム制御フィールドに含まれる前述のパワー管理ビットも、アクティブモード400または節電モード402に入ったことを示すのに使用できるため、モードフィールドが休眠モードの終了を示せば十分であるためである。図4を要約すると、休眠モード404にある無線デバイスが、休眠モード404からアクティブモード400に入ることを望む場合、無線デバイスは、節電モード402からアクティブモード400に遷移するときと同様の手続き(パワー管理ビットを用いて)を使用できる。また、別の実施例では、無線デバイスは、WUR切り替えフレームでモードフィールドの値を用いて、休眠モードからアクティブモードへのモード遷移を示す。休眠モード404から節電モード402へのスイッチングのときも、無線デバイスは、パワー管理ビット及び/またはWUR切り替えフレームを用いてモード遷移を示すことができる。同様に、アクティブモード400から休眠モード404に直接遷移する場合、無線デバイスは、節電モード402から休眠モード404(WUR切り替えフレーム)に遷移するときと同様の手続きを用いることができる。FCS(frame check sequence)は、エラー検出のために使用できる。
休眠モード404は、休眠モードをサポートし、かつ、ウェイクアップ無線インターフェースを有する装置間の接続でのみ利用可能な場合がある。アクセスノードに関連付けされた無線デバイスの場合、無線デバイスは、スキャニングと関連付けとを通じてアクセスノードの機能を提供される場合がある。アクセスノードは、ビーコン、プローブ応答、関連付け応答フレーム等でその機能を示すことができる。休眠モード及びWURの機能をサポートすることは、上記フレームの1つまたは複数のフィールドを用いて示すことができる。アクセスノードには、関連付け手続きを通じて無線デバイスの機能を提供することができる。無線デバイスは、関連付け手続きの開始時にアクセスノードに送信する、関連付け要求フレームの1つまたは複数のフィールドを用いて、その無線デバイスの機能を示すことができる。
実施例によっては、無線デバイスは、アクセスノードとの関連付けが完了するとすぐに、休眠モード404に入る。
図5を参照し、休眠モード中の無線デバイスの動作を検討する。前述のように、図2及び図3については、休眠モード404中の無線デバイスが、1つまたは複数のフレームを受信するために一時的にメイン無線インターフェースを活性化させることができる。受信完了後、無線デバイスはアクセスノードとの明示的なシグナリングを全くすることなく、メイン無線インターフェースの電源をOFFすることができる。無線デバイスにアクセスノードがコンタクトする必要がある場合、無線デバイスが休眠モードにある限り、次のコンタクトはウェイクアップ無線インターフェースでされるであろう旨、アクセスノードも仮定できる。それに応じ、無線デバイスおよびアクセスノードの両者が、図5に記載の状態遷移の間の休眠モードのように、無線デバイスの動作モードを維持することができる。
図5を参照すると、休眠モードは少なくとも2つの状態を有することができる。1つは、無線デバイスのメイン無線インターフェースの電源がONにされているアクティブ状態500であり、もう1つは、メイン無線インターフェースの電源がOFFにされている仮眠状態502である。無線デバイスのウェイクアップ無線インターフェースは、仮眠状態で電源をONにすることができ、アクティブ状態で電源をOFFにすることができる。実施例によっては、ウェイクアップ無線インターフェースは、502、500の両方の状態で電源ONされる。
アクティブ状態500と仮眠状態502との間の状態遷移について検討する。前述のとおり、無線デバイスを行き先とするウェイクアップフレームの受信、および、アクセスノードから無線デバイスによって受信されるウェイクアップフレームの受信は、仮眠状態502からアクティブ状態500への状態遷移のトリガーとなりうる。その結果、無線デバイスは、メイン無線インターフェースの電源をONにし、任意で、ウェイクアップ無線インターフェースの電源をOFFにできる。
仮眠状態502からアクティブ状態500への状態遷移に関するその他の基準は、タイマーとなる場合がある。仮眠状態502に入ると、無線デバイスはタイマーを起動させることができる。タイマーが所定時間カウントすると、無線デバイスは、アクティブ状態500への状態遷移を開始することができる。アクティブ状態500に入ると、無線デバイスは、PS Pollフレームまたはトリガーフレーム等のアップリンク制御、データ、管理フレームの送信、または、例えば少なくとも1つのビーコンフレームの受信およびデコードの実行を開始することができる。
仮眠状態502からアクティブ状態への状態遷移に関するその他の基準は、イベントとなる場合がある。例えば、無線デバイスは、PS Pollフレームまたはトリガーフレーム等のアップリンク制御、データ、管理フレームの送信の必要性を特定することができる。
アクティブ状態500から仮眠状態502への遷移は、1つまたは複数のダウンリンクフレームの受信を成功したことをトリガーとして開始される場合がある。アクセスノードが無線デバイスに1つまたは複数のダウンリンクフレームの送信を含むサービス期間を提供していた場合、アクセスノードは、サービス期間の最後のダウンリンクフレームにある「サービス期間の終わり」サブフィールドを用いて、サービス期間の終わりを示すことができる。最後のダウンリンクフレームの受信に成功し、サービス期間の終わりを検出すると、無線デバイスは、最後のダウンリンクフレームに対する受信確認を送信後、仮眠状態502に移行することができる。受信確認を受信すると、アクセスノードは、無線デバイスが仮眠状態502に入り、ウェイクアップ無線インターフェースを用いてのみコンタクト可能であるとみなすことができる。その結果、アクセスノードによるサービス期間の終わりの表示、および、無線デバイスによって関連付けされた受信確認は、無線デバイスが仮眠状態502に移行する予定であることを暗示的に示すものとして提供される場合がある。また、暗示的に示すものは必須ではない。この場合、シグナリングオーバーヘッドを削減する。
無線デバイスが1つのダウンリンクフレームの送信を開始した場合(例えば、PS Pollフレーム送信の結果)、アクティブ状態500から仮眠状態502への遷移は、アクティブ状態500での上記1つのダウンリンクフレームの受信の成功をトリガーとして行われる。1つのダウンリンクフレームに対する受信確認を受信すると、アクセスノードは、無線デバイスが仮眠状態502に入り、ウェイクアップ無線インターフェースを用いてのみコンタクト可能であるとみなすことができる。
実施例によっては、無線デバイスは、アクセスノードへの非明示的な切り替えの表示を用いて、休眠モードのアクティブ状態500から休眠モードの仮眠状態502に切り替わる。
実施例によっては、無線デバイスは、仮眠状態502へ切り替わるためのアクセスノードからの非明示命令を用いて(例えば、アクセスノードからの不特定のコマンドフレームを用いて)、休眠モードのアクティブ状態500から休眠モードの仮眠状態502に切り替わる。
図6及び図7を参照し、無線デバイスが仮眠状態にあるときの動作モードについてのいくつかの実施例を説明する。図6は、アクセスノード(例えば、アクセスノード100)と無線デバイス(例えば、STA110)との間の通信を説明するシグナリング図を示す。図6を参照すると、無線デバイスおよびアクセスノードはステップ600で、関連付けと関連性のある接続確立手続を実行する。デフォルト設定で、無線デバイス110は、関連付けの後のアクティブモード400にある場合がある。ステップ602において、無線デバイス110は、休眠モード404に切り替わることを決定する。そして、WUR切り替えフレームの送信による休眠モードへの遷移を示すか、または、ステップ602でメイン無線インターフェースを用いた別の表示をする。ステップ602で表示を受信すると、アクセスノード100は、無線デバイス110の動作モードとして休眠モードを記録することができる(ブロック608)。表示を送信し、任意的にステップ602の送信に対する受信確認を受信すると、メイン無線インターフェースを無効化し、ウェイクアップ無線インターフェースの電源をONにすることによって、無線デバイスは休眠モード404に入ることができる(ブロック606)。
アクセスノード100は、無線デバイス110宛のダウンリンクデータを受信する(ブロック610)。ダウンリンクデータの受信は、無線デバイス110の現行動作モードを確認するトリガーとなる場合がある。無線デバイス110の現行モードが休眠モード404であると判断すると、アクセスノード100はそのウェイクアップ無線インターフェースを使用して、ステップ612でウェイクアップフレームを無線デバイス110に送信できる。代替として、ステップ612で無線デバイス110にウェイクアップフレームを送信する前に、特定の量のダウンリンクデータがアクセスノード100で利用可能になるまで、アクセスノード100は休眠モード404の無線デバイス110への送信を待つことができる。ウェイクアップフレームはプリアンブルを含み、このプリアンブルは、802.11のプリアンブル仕様に従うことができる。ウェイクアップフレームは、ペイロード部を含むことができる。802.11のプリアンブルは、従来の装置も同様にフレームを検出できることを可能にする。ペイロード部はウェイクアップ無線プリアンブルを含むことができる。ここで、このウェイクアップ無線プリアンブルは、PN(pseudo−noise)シーケンス、受信機アドレスとしての無線デバイス110のアドレスを含むメディアアクセス制御ヘッダ、その他のオプション情報、及びフレームチェックシーケンスである場合がある。上記のように、ウェイクアップフレームは、ウェイクアップ無線インターフェースを使用することによって送受信されうる。また、このウェイクアップフレームは、実際の802.11フレーム、または、802.11プリアンブル、メイン無線インターフェースを用いた送受信に先行することができる。
ウェイクアップフレームは、メイン無線インターフェースの起動が要求される無線デバイスのアドレスを含む、行き先アドレスフィールドを含むことができる。別の実施例では、行き先アドレスフィールドは、一群の無線デバイスに対してそのメイン無線インターフェースの起動を要求するグループアドレスまたはマルチキャストアドレスを含むことができる。さらに別の実施例では、行き先アドレスフィールドが省略される場合、または、行き先アドレスフィールドがブロードキャストアドレスを含み、ウェイクアップフレームを受信している無線ネットワークの全受信機に対してメイン無線インターフェースの起動を要求できる場合がある。
ウェイクアップ無線インターフェースでウェイクアップフレームを受信し、任意で、ウェイクアップフレームが無線デバイス110を行先アドレスとしていることが検出されると、無線デバイス110は、そのメイン無線インターフェースの電源をONにできる(ブロック613)。この実施例では、ウェイクアップフレームを送信すると、アクセスノード100は、決められた時間間隔をカウントするタイマーをアクティベートすることができる(ブロック614)。タイマーが満了すると、アクセスノードは無線デバイス110に向けたダウンリンクフレームの送信を開始することができる(ステップ616)。上記時間間隔は、無線デバイス110がウェイクアップフレームをデコードし、メイン無線インターフェースの電源をONにするのに十分な長さであってよい。その結果、アクセスノード100は、この実施例では、無線デバイス110のメイン無線インターフェースが動作可能ないかなる表示も受信することなく、ダウンリンクフレームを送信する。ステップ616でダウンリンクフレームを受信し、ダウンリンクフレームのデコードに成功すると、ステップ618で無線デバイス110は、フレームの受信に成功したことを示す受信確認をできる。そして、メイン無線インターフェースの電源を切り、ウェイクアップ無線インターフェースをアクティベートすることによって、仮眠状態502に入る(ブロック620)。ステップ618で受信確認を受信すると、無線デバイス110が仮眠状態502に戻ったことを前提に再起動できる。
休眠モードからアクティブモードに切り替わることを決定すると、無線デバイスはメイン無線インターフェースの電源を入れ(ブロック622)、アクティブモードへのモード遷移を示すアップリンクフレームをアクセスノードに送信する(ステップ624)。上記表示を受信すると、アクセスノードは、無線デバイスの現行動作モードとして、アクティブモード400をレコードに保存することができる(ブロック626)。
要約すると、無線デバイス110は、ステップ/ブロック606、610〜620の間、休眠モードで動作可能であり、ステップ624での表示を受信するまで、ステップ/ブロック608〜618の間に関する無線デバイス110の動作モードとして、アクセスノード100は休眠モードを保存することができる。
図7は他の実施例を説明する。この実施例では、図6と同じ参照番号によって示されたステップ/ブロックが、同一または実質的に類似の機能を表す。この実施例では、ステップ612でウェイクアップフレームを送信すると、アクセスノード100は、ステップ616でダウンリンクフレームを送信する前に、無線デバイス110からアップリンクフレームを受信することによって起動する。ステップ612でウェイクアップフレームを受信すると、無線デバイス110は、ブロック613でメイン無線インターフェースの電源をONにし、メイン無線インターフェースの電源をONにすると、アクセスノード100が待っているアップリンクフレームをステップ700で生成および送信する。アップリンクフレームは、例えば、トリガーフレームまたはPS pollフレームであってもよい。ステップ700でアップリンクフレームを受信すると、アクセスノード100は、メイン無線インターフェースを使用して、ステップ616でダウンリンクフレームを生成および送信できる。
図8は、図3の手続きを実行している装置の前述の機能の構造の1つの実施例、または、アクセスノード100によって実行される実施例のいずれか1つを示す。装置は、アクセスノード100であってもよい。装置は、IEEE802.11のネットワーク及び/またはその他の無線ネットワークの仕様にしたがうことができる。装置は、その動作を無線環境の変化に合わせることができる(例えば、同一の周波数帯域で別のシステムのパラメータに変更する)、コグニティブ無線デバイスとして定義されうる。装置は、コンピュータ(PC)、ノート型パソコン、タブレットコンピュータ、携帯電話、パームコンピュータ、その他無線通信機能が提供される装置であってもよいし、これらを備えていてもよい。別の実施例では、前述の機能を実行する装置はこのような装置に含まれる。例えば、この装置は回路(例えば、チップ、チップセット、プロセッサ、マイクロコントローラ、上記装置のいずれかとこれら回路の組み合わせ)を含む場合がある。装置は、本発明の実施例を具現化するための電子回路を備える電子装置であってもよい。
図8を参照すると、装置は、前述のメイン無線インターフェース12を備える。ここで、このメイン無線インターフェース12は、装置によって管理される無線ネットワークでの無線デバイスとの双方向通信機能を備える装置を提供するよう構成されている。メイン無線インターフェース12は、例えば、802.11仕様にしたがって動作することができる。メイン無線インターフェース12は、信号の送受信処理を行うためのアナログ無線通信のコンポーネント、デジタルベースバンドの処理コンポーネントを備えることができる。メイン無線インターフェース12は、多段変調のフォーマットをサポートすることができる。
装置はさらに、前述のウェイクアップ無線インターフェース16を備えることができる。ここで、ウェイクアップ無線インターフェース16は、ウェイクアップフレームを生成および送信するための送信回路を備える。ウェイクアップ無線インターフェース16は送信のみ行うように構成されていてもよい。また、いくつかの実施例では、ウェイクアップ無線インターフェース16がアップリンク通信可能であり、受信機能を有してもよい。ウェイクアップ無線インターフェース16は、信号の送受信処理を行うためのアナログ無線通信のコンポーネント、デジタルベースバンドの処理コンポーネントを備えることができる。ウェイクアップ無線インターフェース16は、シングル変調スキーム(例えば、オン/オフキーイング)のみをサポートしてもよい。
メイン無線インターフェース及びウェイクアップ無線インターフェースは、無線インターフェースのコンポーネントを備えてもよい。ここで、無線インターフェースは、1つまたは複数の無線ネットワークの中での無線通信機能を装置に提供する。無線インターフェースのコンポーネントは、増幅器、フィルタ、周波数変換器、変調器(復調器)、エンコーダ/デコーダ回路、1つまたは複数のアンテナ等、標準的で周知のコンポーネントを備えてもよい。
装置はさらに、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品22を記憶するメモリ20を備えてもよく、このコンピュータプログラム製品22は、装置(例えば、以下に示す送信コントローラ14)の少なくとも1つのプロセッサの動作を設定してもよい。メモリ20は、装置の動作設定を記憶するコンフィギュレーションデータベース24をさらに記憶できる。コンフィギュレーションデータベース24は、例えば、装置に関連付けられた無線デバイスの現行動作モードのレコードを記憶することができる。メモリ20はさらに、装置に関連付けされた無線デバイスを行き先とするダウンリンクデータを記憶しているバッファを記憶する。
装置はさらに、メイン無線インターフェース12及びウェイクアップ無線インターフェース16の動作を制御するように構成される送信コントローラ14を備えることができる。送信コントローラ14は、メイン無線インターフェース12及び/またはウェイクアップ無線インターフェース16を選択的に使用し(例えば、無線デバイスの現行の動作モードに基づいて)、装置に関連付けされた無線デバイスと通信する。送信コントローラ14は、例えば、図3、6、7の実施例のアクセスノードの動作を制御することができる。
休眠モード及び仮眠状態で動作している無線デバイスを行き先とするバッファ25のダウンリンクデータを検出すると、送信コントローラ14は、ウェイクアップ無線インターフェース16に無線デバイスへのウェイクアップフレームを生成および送信させることができる。所定の時間間隔待機、または、メイン無線インターフェース12を通じて無線デバイスからのアップリンクフレームを受信すると、送信コントローラ14は、無線デバイスに対する1つまたは複数のダウンリンクフレームを送信するためにメイン無線インターフェースを設定することができる。最後のダウンリンクフレームの送信後、無線デバイスからの表示を全く受信しない場合、メイン無線インターフェース12がもはや無線デバイスに達せないと送信コントローラ14がみなす場合があり、無線デバイスへの次のコンタクトがウェイクアップ無線インターフェース16によってなされる。
ある実施例では、装置は、コンピュータプログラムコード22を含む少なくとも1つのプロセッサと少なくとも1つのメモリ20とを備える。ここで、ある一態様によると、少なくとも1つのプロセッサがコンピュータプログラムコードを実行すると、コンピュータプログラムコードによって、図3、6、7の実施例のいずれか1つにしたがう機能を装置が実行する。別の実施例によると、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコード22を含む少なくとも1つのメモリ20とを備える。ここで、少なくとも1つのプロセッサ及びプログラムコード22は、図3、6、7の実施例のうちのいずれか1つにしたがうアクセスノードの機能の少なくともいくつかを実行する。その結果、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、コンピュータプログラムコードは、アクセスノードで本発明の実施例を実行する処理手段を形成する。さらに別の実施例によると、アクセスノードで本発明の実施例を実行する装置は、少なくとも1つのプロセッサを備える回路と、コンピュータプログラムコード22を備える少なくとも1つのメモリ20とを備える。アクティベートされると、その回路は、図3、6、7の実施例のいずれか1つにしたがって、アクセスノードの機能の少なくともいくつかを装置に実行させる。
図9は、図2の手続きを実行している装置の前述の機能の構造の1つの実施例、または、無線デバイス110によって実行される実施例のいずれか1つを示す。装置は、無線デバイス110であってもよい。装置は、IEEE802.11のネットワーク及び/またはその他の無線ネットワークの仕様にしたがうことができる。装置は、その動作を無線環境の変化に合わせることができる(例えば、同一の周波数帯域で別のシステムのパラメータに変更する)、コグニティブ無線デバイスとして定義されうる。装置は、コンピュータ(PC)、ノート型パソコン、タブレットコンピュータ、携帯電話、パームコンピュータ、その他無線通信機能が提供される装置であってもよいし、これらを備えていてもよい。別の実施例では、前述の機能を実行する装置はこのような装置に含まれる。例えば、この装置は回路(例えば、チップ、チップセット、プロセッサ、マイクロコントローラ、上記装置のいずれかとこれら回路の組み合わせ)を含む場合がある。装置は、本発明の実施例を具現化するための電子回路を備える電子装置であってもよい。
図9を参照すると、装置は、前述のメイン無線インターフェース52を備える。ここで、このメイン無線インターフェース52は、無線ネットワークを操作するアクセスノードとの双方向通信機能を装置に提供するよう構成されている。メイン無線インターフェース52は、例えば、802.11仕様にしたがって動作することができる。メイン無線インターフェース52は、信号の送受信処理を行うためのアナログ無線通信のコンポーネント、デジタルベースバンドの処理コンポーネントを備えることができる。メイン無線インターフェース52は、多段変調のフォーマットをサポートすることができる。
装置はさらに、前述のウェイクアップ無線インターフェース56を備えることができる。ここで、ウェイクアップ無線インターフェース56は、ウェイクアップフレームを受信するための受信回路を備える。ウェイクアップ無線インターフェース56は受信のみ行うように構成 ーフェース56がアップリンク通信可能であり、送信機能を有してもよい。ウェイクアップ無線インターフェース56は、信号の送受信処理を行うためのアナログ無線通信のコンポーネント、デジタルベースバンドの処理コンポーネントを備えることができる。ウェイクアップ無線インターフェース56は、シングル変調スキーム(例えば、オン/オフキーイング)のみをサポートしてもよい。
メイン無線インターフェース及びウェイクアップ無線インターフェースは、無線インターフェースのコンポーネントを備えてもよい。ここで、無線インターフェースは、1つまたは複数の無線ネットワークの中での無線通信機能を装置に提供する。無線インターフェースのコンポーネントは、増幅器、フィルタ、周波数変換器、変調器(復調器)、エンコーダ/デコーダ回路、1つまたは複数のアンテナ等、標準的で周知のコンポーネントを備えてもよい。
装置はさらに、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品62を記憶するメモリ60を備えてもよく、このコンピュータプログラム製品62は、装置の少なくとも1つのプロセッサ(例えば、以下に示すモード選択回路54)の動作を設定してもよい。メモリ60は、装置の動作設定を記憶するコンフィギュレーションデータベース64をさらに記憶できる。コンフィギュレーションデータベースは、例えば、装置の現行動作モードを記憶することができる。
装置はさらに、モード選択回路54を備えることができる。ここで、このモード選択回路54は、装置の現行動作モードにしたがってメイン無線インターフェース52及びウェイクアップ無線インターフェース56をON及びOFFに切り替えるように構成されている。モード選択回路54は、図4に関連する上記説明のとおり、状態遷移にしたがって切り替えを操作することができる。モード選択回路54は、図5に関連する上記説明のとおり、休眠モードでの状態遷移にしたがって切り替えを操作することもできる。例えば、ウェイクアップ無線インターフェース56を通じて、休眠モードの仮眠状態でウェイクアップフレームを受信すると、モード選択回路54はメイン無線インターフェース52を起動させることができる。
モード選択回路54は、図4に関連する上記説明のとおり、メイン無線インターフェース52をさらに制御して、関連付けられたアクセスノードへモード遷移のシグナリングをすることもできる。しかし、休眠モード内での状態遷移は、アクセスノードとのシグナリングを全くせずに実行されてもよい。
ある一つの実施例によると、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコード62を含む少なくとも1つのメモリ60とを備える。ここで、少なくとも1つのプロセッサ及びプログラムコードは、図2、7の実施例のうちのいずれか1つにしたがう無線デバイスの機能を、少なくとも1つのプロセッサを用いて装置に実行させるように構成される。ある一態様によると、少なくとも1つのプロセッサがコンピュータプログラムコードを実行すると、コンピュータプログラムコードによって、図2〜図7の実施例のいずれか1つにしたがう機能を装置が実行する。別の実施例によると、装置は、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコード22を含む少なくとも1つのメモリ20とを備える。ここで、少なくとも1つのプロセッサ及びプログラムコード22は、図2〜図7の実施例のうちのいずれか1つにしたがう無線デバイスの機能の少なくともいくつかを実行する。その結果、少なくとも1つのプロセッサ、メモリ、コンピュータプログラムコードは、無線デバイスで本発明の実施例を実行する処理手段を形成する。さらに別の実施例によると、無線デバイスで本発明の実施例を実行する装置は、少なくとも1つのプロセッサを備える回路と、コンピュータプログラムコード22を備える少なくとも1つのメモリ20とを備える。アクティベートされると、その回路は、図2〜図7の実施例のいずれか1つにしたがう、無線デバイスの機能の少なくともいくつかを装置に実行させる。
なお本願において使用される「回路(circuitry)」との語句は、次の全てを表す:(a)ハードウェアのみの回路実装(アナログ及び/またはデジタル回路のみでの実装等)、及び(b)回路とソフトウェア(および/またはファームウェア)、例えば(適用可能な場合)(i)一つ又は複数のプロセッサや、(ii)一つ又は複数のプロセッサ/ソフトウェアの部分の組み合わせ。これには、一つ又は複数のDSPやソフトウェア、またこれらと協働して装置に様々な機能を実行させる一つ又は複数のメモリが含まれる。(c)一つ又は複数のマイクロプロセッサや一つ又は複数のマイクロプロセッサの部分のような回路。このような回路は動作のためにソフトウェアやファームウェアを(たとえそれらが物理的には存在しないものと考えられる場合であっても)必要とする。
この「回路」の定義は、本願において当該用語を使う全ての場合において適用される。さらなる例として、本願で使用される場合、「回路(circuitry)」という用語は、単一(または複数)のプロセッサのみの実装やプロセッサの一部と、付随するソフトウェア、ファームウェアの全部又は一部とによる実装も網羅するものである。「回路」という用語はまた、例えば、特定の要素をその範囲に含むことが可能な場合がある。例えば、無線デバイス用のベースバンド集積回路やアプリケーション処理集積回路を意味してもよい。
図2〜図7に関連して説明されるプロセッサ及び方法も、コンピュータプログラムによって規定されたコンピュータプロセスの形式で実行されうる。コンピュータプログラムはソースコード形式であってもよいし、オブジェクトコード形式、またはいくつかの媒体形式であってもよい。また、コンピュータプログラムは一時的または非一時的なキャリアに記録されていてもよく、ここで、この一時的または非一時的なキャリアは、プログラムを伝搬できるあらゆるエンティティ、装置であってもよい。このようなキャリアは、記憶媒体、コンピュータメモリ、ROM(read−only memory)、電気的伝搬信号、電気通信信号、ソフトウェア販売パッケージ等を含む。必要とされる処理電力によって、コンピュータプログラムは、単一の電子デジタル処理ユニットで実行される場合、または、複数の処理ユニットで分散して実行される場合がある。
本発明は、上記の無線ネットワークのみでなく、その他の適切な無線通信システムにも適用可能である。使用されるプロトコル、無線ネットワークの仕様、それらのネットワークの要素および端末は、急速に進歩する。このような進歩は、上記の実施例に追加の変更を必要とする場合がある。そのため、すべての用語および表現は広く解釈されるべきであり、実施例を限定せずに説明することが意図される。技術の進歩とともに、発明の概念が様々な方法で実装されうることは当業者にとって明白であろう。発明およびその実施例は、上記の事例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱することなく変化できる。